説明

梱包装置

【課題】梱包装置の開梱作業時に上部外装箱を持ち上げる動作に伴って発生する上部緩衝材の浮き上がりを防止する。
【解決手段】重量がある被梱包物13を、この下方部位を保護するために設けた下部緩衝材14を介して深さが浅い下部外装箱11上に搭載し、且つ、被梱包物13の上方部位を保護するために設けた上部緩衝材15の上方から深さが深い上部外装箱12を下部外装箱11に向けてかぶせて被梱包物13を梱包する梱包装置10において、下部緩衝材14と上部緩衝材15との間に、上部緩衝材15の上方移動を規制する上方移動規制手段14b,15cを設け、梱包装置10の開梱作業時に上部外装箱12を持ち上げる動作に伴って発生する上部緩衝材15の浮き上がりを上方移動規制手段14b,15cにより防止することを特徴とする梱包装置10を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重量がある被梱包物を梱包する梱包装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、被梱包物を輸送する際に、被梱包物を緩衝材で保護して外装箱により梱包する梱包装置は各種の構造形態が用いられているが、重量がある印刷装置や電子機器などの被梱包物を、この下方部位の四隅を保護するために設けた下部緩衝材を介してパレット上に搭載し、且つ、被梱包物の上方部位の四隅を保護するために設けた上部緩衝材の上方から深さが深い段ボール箱をかぶせて被梱包物を梱包する梱包装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された従来の梱包装置について、図7(a)〜(c)を用いて説明すると、(a)は梱包状態、(b)は開梱途中状態、(c)は開梱完了時における段ボール箱内の状態をそれぞれ模式的に示している。
【0004】
図7(a)に示した従来の梱包装置100では、パレット101上に重量がある印刷機本体102が、この下方部位の四隅をそれぞれ保護する4個の下部緩衝材103を介して搭載されている。
【0005】
また、印刷機本体102の上方部位には、四隅をそれぞれ保護する4個の上部緩衝材104の内側間に薄板状のベース105を固着させた包装用パッド106が搭載されていると共に、包装用パッド106のベース105上に印刷機本体102の付属品(又は添付物)107が搭載されている。
【0006】
そして、包装用パッド106及び付属品(又は添付物)107の上方から深さが深い段ボール箱108をかぶせた後に、段ボール箱108の下方部位をジョイントJによりパレット101に締結して印刷機本体102を梱包している旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−145338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記した特許文献1に開示された梱包装置100によれば、図7(b)に示した如く、重量がある印刷機本体102をこの下方部位の四隅に設けた下部緩衝材103を介してパレット101上に搭載したままの状態で、深さが深い段ボール箱108を上方に持ち上げれば開梱できるので、重量がある印刷機本体102を持ち上げる必要がないために開梱作業が容易であるが、下記の問題点が生じる場合がある。
【0009】
この際、梱包装置100の開梱途中時に、下部緩衝材103は重量がある印刷機本体102を載置しているためにパレット101上に固定されているが、深さが深い段ボール箱108を上方に持ち上げる動作に伴って、段ボール箱108の内面側が印刷機本体102の上方部位に搭載した包装用パッド106に接触したときの摩擦力により、包装用パッド106が浮き上がって段ボール箱108と一緒に持ち上げられてしまうために、図7(c)に示した如く、包装用パッド106及びこの包装用パッド106上に搭載した付属品(又は添付物)107が重力により段ボール箱108内から落下して、付属品(又は添付物)107が破損する事故が発生する場合がある。
【0010】
尚、ここでの図示を省略するが、付属品(又は添付物)107がない場合には、印刷機本体102の上方部位の四隅に上部緩衝材104を搭載してこの上方から深さの深い段ボール箱108をかぶせて梱包すれば良いものであるが、この場合においても、梱包装置100の開梱途中時に、深さが深い段ボール箱108を上方に持ち上げる動作に伴って、段ボール箱108の内面側が印刷機本体102の上方部位に搭載した四隅の上部緩衝材104に接触したときの摩擦力により、四隅の上部緩衝材104が段ボール箱108と一緒に持ち上げられてしまい、この後、段ボール箱108を横向き又は上向きに倒したときに、四隅の上部緩衝材104が深さの深い段ボール箱108内に入り込んでしまうために、四隅の上部緩衝材104を段ボール箱108内から取り除く余分な作業が発生する場合もある。
【0011】
そこで、重量がある被梱包物を、この下方部位を保護するために設けた下部緩衝材を介して深さが浅い下部外装箱上に搭載し、且つ、被梱包物の上方部位を保護するために設けた上部緩衝材の上方から深さが深い上部外装箱を下部外装箱に向けてかぶせて被梱包物を梱包する梱包装置において、梱包装置の開梱作業時に上部外装箱を持ち上げた際に、上部外装箱と一緒に上部緩衝材が浮き上がらず、且つ、上部緩衝材上に被梱包物の付属品を搭載したときに、被梱包物の付属品が破損しないように構成した梱包装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、請求項1記載の発明は、被梱包物と、
前記被梱包物を搭載可能な下部外装箱と、
前記被梱包物の下方部位を保護し且つ前記被梱包物の下方部位を載置して前記下部外装箱上に固定した状態で搭載される下部緩衝材と、
前記被梱包物の上方部位を保護し且つ前記被梱包物の上方部位に搭載される上部緩衝材と、
前記上部緩衝材の上方から前記下部外装箱に向けてかぶせて前記被梱包物を収容可能に梱包する上部外装箱と、を備えた梱包装置であって、
開梱時に前記上部外装箱を取り外す際に、前記上部緩衝材の上方移動を規制する上方移動規制手段を設けたことを特徴とする梱包装置である。
【0013】
また、請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の梱包装置において、
前記上方移動規制手段は、前記下部緩衝材と前記上部緩衝材との間、又は、前記下部緩衝材と前記上部緩衝材とを連結する長尺な補強アングル材と前記上部緩衝材との間、もしくは、前記被梱包物と前記上部緩衝材との間に設けたことを特徴とする梱包装置である。
【0014】
また、請求項3記載の発明は、上記した請求項2記載の梱包装置において、
前記下部緩衝材と前記上部緩衝材との間に設けた前記上方移動規制手段は、前記下部緩衝材に形成した被係合部と、前記上部緩衝材に形成した係合部との間で前記上部緩衝材の上方移動を規制するように接離自在に凹凸係合させたことを特徴とする梱包装置である。
【0015】
また、請求項4記載の発明は、上記した請求項2記載の梱包装置において、
前記補強アングル材と前記上部緩衝材との間に設けた前記上方移動規制手段は、前記補強アングル材の下端部側を前記下部緩衝材に固定した上で、前記補強アングル材の上端部側に形成した被係合部と、前記上部緩衝材に形成した係合部との間で前記上部緩衝材の上方移動を規制するように接離自在に凹凸係合させたことを特徴とする梱包装置である。
【0016】
また、請求項5記載の発明は、上記した請求項2記載の梱包装置において、
前記被梱包物と前記上部緩衝材との間に設けた前記上方移動規制手段は、前記被梱包物に形成した被係合部と、前記上部緩衝材に形成した係合部との間で前記上部緩衝材の上方移動を規制するように接離自在に凹凸係合させたことを特徴とする梱包装置である。
【0017】
更に、請求項6記載の発明は、上記した請求項1〜請求項5記載のいずれかの梱包装置において、
前記上部緩衝材上に前記被梱包物の付属品を搭載させたことを特徴とする梱包装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る梱包装置によれば、被梱包物を、この下方部位を保護するために設けた下部緩衝材を介して深さが浅い下部外装箱上に搭載し、且つ、被梱包物の上方部位を保護するために設けた上部緩衝材の上方から深さが深い上部外装箱を下部外装箱に向けてかぶせて被梱包物を梱包した後の開梱時に上部外装箱を取り外す際に、上部緩衝材の上方移動を規制する上方移動規制手段を設けたことにより、梱包装置の開梱作業時に上部外装箱を持ち上げる動作に伴って発生する上部緩衝材の浮き上がりを上方移動規制手段により防止でき、且つ、重量がある被梱包物を持ち上げることなく容易に開梱できると共に、上部外装箱を取り外した開梱完了後に、上部外装箱を横向き又は上向きに倒したときに、上部緩衝材が深さの深い上部外装箱内に入り込まないために、余分な作業が発生しない。
【0019】
この際、上方移動規制手段は、下部緩衝材と上部緩衝材との間、又は、下部緩衝材と上部緩衝材とを連結する長尺な補強アングル材と上部緩衝材との間、もしくは、被梱包物と上部緩衝材との間に設ければ良いものである。
【0020】
また、下部緩衝材と上部緩衝材との間に設けた上方移動規制手段は、下部緩衝材に形成した被係合部と、上部緩衝材に形成した係合部との間で上部緩衝材の上方移動を規制するように接離自在に凹凸係合させれば良い。
【0021】
また、補強アングル材と上部緩衝材との間に設けた上方移動規制手段は、補強アングル材の下端部側を下部緩衝材に固定した上で、補強アングル材の上端部側に形成した被係合部と、上部緩衝材に形成した係合部との間で上部緩衝材の上方移動を規制するように接離自在に凹凸係合させれば良い。
【0022】
また、被梱包物と上部緩衝材との間に設けた上方移動規制手段は、被梱包物に形成した被係合部と、上部緩衝材に形成した係合部との間で上部緩衝材の上方移動を規制するように接離自在に凹凸係合させれば良い。
【0023】
更に、上部緩衝材上に被梱包物の付属品を搭載させたときに、上部外装箱を持ち上げても、上部緩衝材上に搭載した付属品は、梱包状態を維持しているので、付属品の落下が生じることがなく、付属品の破損事故を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る実施例1の梱包装置を説明するための図であり、(a)は梱包状態、(b)は開梱途中状態、(c)は上部外装箱を取り外した後の開梱完了状態をそれぞれ模式的に示した側断面図である。
【図2】本発明に係る実施例1の梱包装置において、下部緩衝材及び上部緩衝材を説明するために示した斜視図である。
【図3】本発明に係る実施例1の梱包装置を一部変形させた変形例の梱包装置を説明するための図であり、(a)は梱包状態、(b)は開梱途中状態、(c)は上部外装箱を取り外した後の開梱完了状態をそれぞれ模式的に示した側断面図である。
【図4】本発明に係る実施例2の梱包装置を説明するための図であり、(a)は梱包状態、(b)は開梱途中状態、(c)は上部外装箱を取り外した後の開梱完了状態をそれぞれ模式的に示した側断面図である。
【図5】本発明に係る実施例2の梱包装置において、下部緩衝材及び上部緩衝材を説明するために示した斜視図である。
【図6】本発明に係る実施例3の梱包装置を説明するための図であり、(a)は梱包状態、(b)は開梱途中状態、(c)は上部外装箱を取り外した後の開梱完了状態をそれぞれ模式的に示した側断面図である。
【図7】従来の梱包装置を説明するための図であり、(a)は梱包状態、(b)は開梱途中状態、(c)は開梱完了時における段ボール箱内の状態をそれぞれ模式的に示した側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に本発明に係る梱包装置の一実施例について、図1〜図6を参照して実施例1,実施例2,実施例3の順に詳細に説明する。
【0026】
本発明に係る実施例1〜実施例3の梱包装置は、重量がある被梱包物と、深さが浅く形成されて被梱包物を搭載可能な下部外装箱と、被梱包物の下方部位を保護し且つ被梱包物の下方部位を載置して下部外装箱上に固定した状態で搭載される下部緩衝材と、被梱包物の上方部位を保護し且つ被梱包物の上方部位に搭載される上部緩衝材と、上部緩衝材の上方から下部外装箱に向けてかぶせて被梱包物を収容可能に梱包するために深さが深く形成された上部外装箱と、を備えた際に、下部緩衝材と上部緩衝材との間、又は、下部緩衝材と上部緩衝材とを連結する長尺な補強アングル材と上部緩衝材の間、もしくは、被梱包物と上部緩衝材との間に、上部緩衝材の上方移動を規制する上方移動規制手段を設け、梱包装置の開梱作業時に上部外装箱を持ち上げる動作に伴って発生する上部緩衝材の浮き上がりを上方移動規制手段により防止することを特徴としている。
【実施例1】
【0027】
本発明に係る実施例1の梱包装置について、図1(a)〜(c)を用いて説明すると、(a)は梱包状態、(b)は開梱途中状態、(c)は上部外装箱を取り外した後の開梱完了状態をそれぞれ模式的に示している。
【0028】
図1(a)に示した如く、本発明に係る実施例1の梱包装置10では、上方部位が四角形状に開口され、且つ、底面から上方に向かって連接した4面の側面の高さが低く形成されて深さが浅い下部外装箱11と、下方部位が四角形状に開口され、且つ、天面から下方に向かって連接した4面の側面の高さが高く形成されて深さが深い上部外装箱12とが、例えばダブルタイプの段ボール材を用いて蓋合わせ可能に設けられている。
【0029】
これにより、下部外装箱11は重量がある印刷装置や電子機器などの被梱包物13を搭載可能になり、且つ、上部外装箱12は下部外装箱11上の被梱包物13を収容可能になっている。
【0030】
この際、上部外装箱12を下部外装箱11に蓋合わせしてかぶせる場合に、下部外装箱11の各側面を上部外装箱12の各側面の内側に入り込ませる方法と、下部外装箱11の各側面を上部外装箱12の各側面の外側に入り込ませる方法のいずれでも良いが、ここでは後者の方法で図示している。
【0031】
また、上部外装箱12の天面は、左右に設けた蓋が観音開きになっており、両蓋が中央で合わさった部位に紙テープTなどが貼着されて閉蓋されていると共に、且つ、上部外装箱12の下方部位は、ジョイントJにより下部外装箱11に締結されるようになっているので、通常の開梱作業では先にジョイントJを外した後に上部外装箱12を持ち上げて取り外している。
【0032】
また、実施例1の梱包装置10により重量がある印刷装置や電子機器などの被梱包物13を下部外装箱11と上部外装箱12とにより梱包する場合には、重量がある被梱包物13が、この下方部位の四隅をそれぞれ保護するために設けた4個の下部緩衝材14の各コーナ部14a上に載置され、且つ、4個の下部緩衝材14が被梱包物13の重量により下部外装箱11上に固定された状態で搭載されていると共に、下部外装箱11は不図示のパレット上に載置されている。
【0033】
尚、この実施例1では、深さが浅い下部外装箱11を用いているが、下部外装箱11を用いずに従来例と同様に、不図示のパレット上に重量がある被梱包物13をこの下方部位の四隅をそれぞれ保護する4個の下部緩衝材14を介して搭載させても良い。
【0034】
また、被梱包物13の上方部位には、少なくとも四隅をそれぞれ保護するコーナ部15aを備えた上部緩衝材15が搭載されており、後述するように、上部緩衝材15は下部緩衝材14に接離可能に係合され、上部緩衝材15が下部緩衝材14に係合したときに両者14,15間に形成した上方移動規制手段により上部緩衝材15の上方移動が規制されるようになっている。
【0035】
ここで、上記した下部緩衝材14及び上部緩衝材15は、この実施例1の要部を構成する部材であり、且つ、下部緩衝材14及び上部緩衝材15は緩衝機能を有する発泡スチロール材などを用いて形成されている。
【0036】
具体的に説明すると、まず、下部緩衝材14は、図1(a)及び図2に示した如く、被梱包物13の下方部位の各隅を保護するために略直方形状に形成されたコーナ部14aと、コーナ部14aから上方に向かって略垂直に連接された連結部14bとから構成されている。
【0037】
この際、下部緩衝材14の連結部14bは、上部緩衝材15と対向する面側に鍵形状凹部14b1が凹状に形成され、且つ、鍵形状凹部14b1の上方に被係合凸片14b2が凸状に形成されていると共に、被梱包物13の側面と対向する面側に平坦面14b3が形成されている。
【0038】
一方、上部緩衝材15は、図1(a)及び図2に示した如く、被梱包物13の上方部位の四隅をそれぞれ保護するために略直方形状に形成された4箇所のコーナ部15aと、被梱包物13の付属品16及び添付物の少なくとも一方を搭載するために四隅のコーナ部15aの内側間に薄板状に形成された薄板部15bと、各コーナ部15aから下方に向かって略垂直に連接された各連結部15cとから構成されている。
【0039】
この際、上部緩衝材15の薄板部15bは、四隅のコーナ部15aの上面よりも引っ込んでいるために、上部緩衝材15の薄板部15b上に被梱包物13の付属品16及び添付物の少なくとも一方が搭載可能になっている。
【0040】
尚、以下の実施例1において、「被梱包物13の付属品16及び添付物の少なくとも一方」の記載を簡略化して、「付属品(又は添付物)16」と記載して説明する。
【0041】
また、上部緩衝材15の連結部15cは、下部緩衝材14と対向する面側に鍵形状凹部15c1が下部緩衝材14の被係合凸片14b2と係合可能になるように凹状に形成され、且つ、鍵形状凹部15c1の下方に係合凸片15c2が下部緩衝材14の鍵形状凹部14b1と係合可能となるように凸状に形成されていると共に、上部外装箱12の側面と対向する面側に平坦面15c3が形成されている。
【0042】
尚、上部緩衝材15は、四隅のコーナ部15aの内側間に従来例で説明したような薄板状に形成された別体のベース(図示せず)を一体的に固着させても良い。
【0043】
尚また、上部緩衝材15の薄板部15b上に付属品(又は添付物)16を搭載する必要がない場合には、薄板部15bを形成せずに、コーナ部15a及び連結部15cを有する上部緩衝材15を被梱包物13の上方部位の四隅にそれぞれ分離して搭載しても良い。
【0044】
そして、下部緩衝材14のコーナ部14a上に被梱包物13の下方部位を載置した状態で、上部緩衝材15のコーナ部15aを被梱包物13の上方部位に搭載する際に、下部緩衝材14の連結部14bに形成した鍵形状凹部14b1内に上部緩衝材15の連結部15cに形成した係合凸片15c2を凹凸係合させると共に、下部緩衝材14の連結部14bに形成した被係合凸片14b2を上部緩衝材15の連結部15cに形成した鍵形状凹部15c1内に凹凸係合させることで、上部緩衝材15は下部緩衝材14に対して上方移動が規制されている。
【0045】
従って、下部緩衝材14の連結部14bに形成した鍵形状凹部14b1及び被係合凸片14b2と、上部緩衝材15の連結部15cに形成した鍵形状凹部15c1及び係合凸片15c2とが、下部緩衝材14と上部緩衝材15との間に設けられた実施例1の上方移動規制手段となっている。
【0046】
また、下部緩衝材14と、上部緩衝材15とを凹凸係合させたときに、下部緩衝材14と上部緩衝材15との間の高さは、上部外装箱12の深さよりも僅かに低く設定されている。
【0047】
上記のように構成した実施例1の梱包装置10において、図1(b)に示した如く、重量がある被梱包物13を下方部位の四隅に設けた下部緩衝材14を介して深さが浅い下部外装箱11上に搭載したままの状態で、深さが深い上部外装箱12を上方に持ち上げれば、重量がある被梱包物13を持ち上げることなく容易に開梱できる。
【0048】
この際、梱包装置10の開梱途中時に、下部緩衝材14は重量がある被梱包物13を載置しているために下部外装箱12上に固定されているが、深さが深い上部外装箱12を上方に持ち上げる動作に伴って、上部外装箱12の内面側が被梱包物13の上方部位に搭載した上部緩衝材15に接触したときの摩擦力により、上部緩衝材15が上部外装箱12と一緒に浮き上がろうとする。
【0049】
しかしながら、図1(c)に示した如く、上部緩衝材15の連結部15cに形成した鍵形状凹部15c1及び係合凸片15c2が、下部緩衝材14の連結部14bに形成した被係合凸片14b2及び鍵形状凹部14b1にそれぞれ凹凸係合しているために、下部外装箱11上に固定されている下部緩衝材14に対してこの下部緩衝材14に凹凸係合している上部緩衝材15は上方移動が規制されているので、上部外装箱12を持ち上げても上部緩衝材15が上部外装箱12と一緒に浮き上がることがない。
【0050】
従って、上部外装箱12を持ち上げても、上部緩衝材15の薄板部15b上に搭載した付属品(又は添付物)16は梱包状態を維持しているので、従来例で説明したような付属品(又は添付物)16の落下が生じることがなく、付属品(又は添付物)16の破損事故を防止できる。
【0051】
また、上部外装箱12を取り外した開梱完了後に、上部外装箱12を横向き又は上向きに倒したときに、上部緩衝材15が深さの深い上部外装箱12内に入り込まないために、余分な作業が発生しない。
【0052】
そして、開梱完了後に、上部緩衝材15上から付属品(又は添付物)16を取り外すと共に、被梱包物13上から上部緩衝材15を取り外せば良いものである。
【0053】
次に、本発明に係る実施例1の梱包装置を一部変形させた変形例の梱包装置について、図3(a)〜(c)を用いて、実施例1に対して異なる点について簡略に説明すると、(a)は梱包状態、(b)は開梱途中状態、(c)は上部外装箱を取り外した後の開梱完了状態をそれぞれ模式的に示している。
【0054】
図3(a)に示した如く、実施例1の梱包装置10(図1)を一部変形させた変形例の梱包装置10’では、付属品(又は添付物)を梱包装置10’内に梱包する必要がないために、深さが浅い下部外装箱11上に重量がある被梱包物13が、この下方部位の四隅に設けた4個の下部緩衝材17を介して搭載されていると共に、被梱包物13の上方部位の四隅を4個の上部緩衝材18でそれぞれ保護している。
【0055】
この際、下部緩衝材17は、発泡スチロール材などを用いて被梱包物13の下方部位の各隅を保護するためのコーナ部17aと、コーナ部17aから上方に向かって略垂直に連接されて、上部外装箱12の側面及び被梱包物13の側面とそれぞれ対向する各面側が平坦に形成された連結部17bとから構成されている。
【0056】
一方、上部緩衝材18は、下部緩衝材17に対して上下対称に形成されており、発泡スチロール材などを用いて被梱包物13の上方部位の各隅を保護するためのコーナ部18aと、コーナ部18aから下方に向かって略垂直に連接されて、上部外装箱12の側面及び被梱包物13の側面とそれぞれ対向する各面側が平坦に形成された連結部18bとから構成されている。
【0057】
更に、下部緩衝材17の連結部17bの上端と、上部緩衝材18の連結部18bの下端とを、可撓性を有する両面テープなどを用いたヒンジ部材19で連結しており、このヒンジ部材19により上部緩衝材18は下部緩衝材17に対して上方移動が規制されているので、ヒンジ部材19が下部緩衝材17と上部緩衝材18との間に設けられた変形例の上方移動規制手段となっている。
【0058】
また、下部緩衝材17の連結部17bの上端と、上部緩衝材18の連結部18bの下端とをヒンジ部材19で連結したときに、下部緩衝材17と上部緩衝材18との間の高さは、上部外装箱12の深さよりも僅かに低く設定されている。
【0059】
上記のように構成した変形例の梱包装置10’においても、図3(b)に示した如く、重量がある被梱包物13を下方部位の四隅に設けた下部緩衝材17を介して深さが浅い下部外装箱11上に搭載したままの状態で、深さが深い上部外装箱12を上方に持ち上げれば、重量がある被梱包物13を持ち上げることなく容易に開梱できる。
【0060】
この際、梱包装置10’の開梱途中時に、下部緩衝材17は重量がある被梱包物13を載置しているために下部外装箱11上に固定されているが、深さが深い上部外装箱12を上方に持ち上げる動作に伴って、上部外装箱12の内面側が被梱包物13の上方部位に搭載した上部緩衝材18に接触したときの摩擦力により、上部緩衝材18が上部外装箱12と一緒に浮き上がろうとする。
【0061】
しかしながら、図3(c)に示した如く、下部緩衝材17の連結部17bの上端と、上部緩衝材18の連結部18bの下端とがヒンジ部材19で連結されているために、下部外装箱11上に固定されている下部緩衝材17に対してこの下部緩衝材17に連結している上部緩衝材18は上方移動が規制されているので、上部外装箱12を持ち上げても上部緩衝材18が上部外装箱12と一緒に浮き上がることがなく、上部外装箱12を取り外した後の開梱完了状態では、上部緩衝材18が重力によりヒンジ部材19を中心にして下方に垂れ下がって左右の上部緩衝材18を開くことができる。
【0062】
従って、上部外装箱12を取り外した開梱完了後に、上部外装箱12を横向き又は上向きに倒したときに、上部緩衝材18が深さの深い上部外装箱12内に入り込まないために、実施例1と同様に余分な作業が発生せず、開梱作業が容易である。
【実施例2】
【0063】
本発明に係る実施例2の梱包装置について、図4(a)〜(c)を用いて説明すると、(a)は梱包状態、(b)は開梱途中状態、(c)は上部外装箱を取り外した後の開梱完了状態をそれぞれ模式的に示している。
【0064】
尚、実施例2の梱包装置において、先に実施例1で示した同じ構成部材に対しては同一の符号を付し、且つ、先に示した構成部材は必要に応じて適宜説明し、実施例1と異なる構成部材に新たな符号を付して説明する。
【0065】
図4(a)に示した如く、本発明に係る実施例2の梱包装置20では、深さが浅い下部外装箱11と、深さが深い上部外装箱12とにより、重量がある被梱包物13と被梱包物13の付属品16及び添付物の少なくとも一方とを梱包する際に、下部緩衝材21及び上部緩衝材22の形状が実施例1に対して異なっており、且つ、後述するように、下部緩衝材21と上部緩衝材22との間を長尺な補強アングル材23で連結すると共に、補強アングル材23の下端部23a及び上端部23bが下部緩衝材21及び上部緩衝材22に接離可能に係合され、少なくとも上部緩衝材22が補強アングル材23の上端部23bに係合したときに両者22,23間に形成した上方移動規制手段により上部緩衝材22の上方移動が規制されるようになっている。
【0066】
ここで、上記した下部緩衝材21及び上部緩衝材22並び補強アングル材23は、この実施例2の要部を構成する部材であり、且つ、下部緩衝材21及び上部緩衝材22は緩衝機能を有する発泡スチロール材などを用いて形成されている一方、補強アングル材23は剛性を有する厚紙などを用いて長尺に形成されている。
【0067】
具体的に説明すると、まず、下部緩衝材21は、図4(a)及び図5に示した如く、被梱包物13の下方部位の各隅をそれぞれ保護するために略直方形状に形成されたコーナ部21aを有しており、この実施例2では合計4個の下部緩衝材21が用いられている。
【0068】
また、下部緩衝材21のコーナ部21aには、被梱包物13から平面的に一番距離が離れている外側の一角を挟んだ両側面に鋸歯状係合部21a1が補強アングル材23の厚み分だけ引っ込んで凹凸状に形成されている。
【0069】
一方、上部緩衝材22は、図4(a)及び図5に示した如く、被梱包物13の上方部位の四隅をそれぞれ保護するために略直方形状に形成された4箇所のコーナ部22aと、被梱包物13の付属品16及び添付物の少なくとも一方を搭載するために四隅のコーナ部22aの内側間に薄板状に形成された薄板部22bとから構成されており、この薄板部22bの上方が四隅のコーナ部22aの上面よりも引っ込んでいるために、上部緩衝材22の薄板部22b上に被梱包物13の付属品16及び添付物の少なくとも一方が搭載可能になっている。
【0070】
尚、以下の実施例2においても実施例1と同様に、「被梱包物13の付属品16及び添付物の少なくとも一方」の記載を簡略化して、「付属品(又は添付物)16」と記載して説明する。
【0071】
また、上部緩衝材22の各コーナ部22aにも、被梱包物13から平面的に一番距離が離れている外側の一角を挟んだ両側面に鋸歯状係合部22a1が補強アングル材23の厚み分だけ引っ込んで凹凸状に形成されていると共に、この鋸歯状係合部22a1は下部緩衝材21の鋸歯状係合部21a1に対して略上下対称に形成されている。
【0072】
尚、上部緩衝材22は、四隅のコーナ部22aの内側間に従来例で説明したような薄板状に形成された別体のベース(図示せず)を一体的に固着させても良い。
【0073】
尚また、上部緩衝材22の薄板部22b上に付属品(又は添付物)16を搭載する必要がない場合には、薄板部22bを形成せずに、コーナ部22aを有する上部緩衝材22を被梱包物13の上方部位の四隅にそれぞれ分離して搭載しても良い。
【0074】
更に、補強アングル材23は、図4(a)及び図5に示した如く、剛性を有する厚紙などを用いることにより、長手方向と直交する短手方向が直角に曲げ形成されており、この下端部23a側の両側面に鋸歯状被係合部23a1が下部緩衝材21の鋸歯状係合部21a1と係合可能となるように凹凸状に形成されていると共に、上端部23b側の両側面に鋸歯状被係合部23b1が上部緩衝材22の鋸歯状係合部22a1と係合可能となるように凹凸状に形成されている。
【0075】
そして、下部緩衝材21のコーナ部21a上に被梱包物13の下方部位を載置し、且つ、上部緩衝材22のコーナ部22aを被梱包物13の上方部位に搭載した上で、下部緩衝材21のコーナ部21aと上部緩衝材22のコーナ部22aとを長尺な補強アングル材23を用いて連結する際に、補強アングル材23の下端部23a側に形成した鋸歯状被係合部23a1を下部緩衝材21のコーナ部21aに形成した鋸歯状係合部21a1に凹凸係合させると共に、補強アングル材23の上端部23b側に形成した鋸歯状被係合部23b1を上部緩衝材22のコーナ部22aに形成した鋸歯状係合部22a1に凹凸係合させることで、上部緩衝材22は補強アングル材23の上端部23bに対して上方移動が規制されている。
【0076】
尚、この実施例2では、下部緩衝材21のコーナ部21aと、補強アングル材23の下端部23aとを凹凸係合させて、補強アングル材23の下端部23aを下部緩衝材21のコーナ部21aに固定しているが、これに限ることなく、補強アングル材23の下端部23aを接着剤又は紙テープなどにより下部緩衝材21のコーナ部21aに固定させても良いものである。
【0077】
従って、少なくとも、上部緩衝材22のコーナ部22aに形成した鋸歯状係合部22a1と、補強アングル材23の上端部23b側に形成した鋸歯状被係合部23b1とが、上部緩衝材22と補強アングル材23との間に設けられた実施例2の上方移動規制手段となっている。
【0078】
また、下部緩衝材21と、上部緩衝材22とを補強アングル材23を介して連結させたときに、下部緩衝材21と上部緩衝材22との間の高さ及び補強アングル材23の高さは、上部外装箱12の深さよりも僅かに低く設定されている。
【0079】
上記のように構成した実施例2の梱包装置20において、図4(b)に示した如く、重量がある被梱包物13を下方部位の四隅に設けた下部緩衝材21を介して深さが浅い下部外装箱11上に搭載したままの状態で、深さが深い上部外装箱12を上方に持ち上げれば、重量がある被梱包物13を持ち上げることなく容易に開梱できる。
【0080】
この際、梱包装置20の開梱途中時に、下部緩衝材21は重量がある被梱包物13を載置しているために下部外装箱11上に固定されているが、深さが深い上部外装箱12を上方に持ち上げる動作に伴って、上部外装箱12の内面側が被梱包物13の上方部位に搭載した上部緩衝材22及び補強アングル材23に接触したときの摩擦力により、上部緩衝材22及び補強アングル材23が上部外装箱12と一緒に浮き上がろうとする。
【0081】
しかしながら、図4(c)に示した如く、下部緩衝材21と上部緩衝材22とが補強アングル材23により連結されていると共に、少なくとも補強アングル材23の上端部23b側に形成した鋸歯状被係合部23b1が、上部緩衝材22の各コーナ部22aに形成した鋸歯状係合部22a1に凹凸係合しているために、下部外装箱11上に固定されている下部緩衝材21及び補強アングル材23に対して上部緩衝材22の上方移動が規制されているので、上部外装箱12を持ち上げても上部緩衝材22が上部外装箱12と一緒に浮き上がることがない。
【0082】
従って、上部外装箱12を持ち上げても、上部緩衝材22の薄板部22b上に搭載した付属品(又は添付物)16は、梱包状態を維持しているので、従来例で説明したような付属品(又は添付物)16の落下が生じることがなく、付属品(又は添付物)16の破損事故を防止できる。
【0083】
また、上部外装箱12を取り外した開梱完了後に、上部外装箱12を横向き又は上向きに倒したときに、上部緩衝材22が深さの深い上部外装箱12内に入り込まないために、余分な作業が発生しない。
【0084】
更に、下部緩衝材21と上部緩衝材22と間を長尺な補強アングル材23により補強しながら連結できると共に、下部緩衝材21及び上部緩衝材22の各高さを、実施例1及び実施例1の変形例よりも低く設定できるので、下部緩衝材21及び上部緩衝材22の製作が容易となる。
【0085】
そして、開梱完了後に、上部緩衝材22上から付属品(又は添付物)16を取り外すと共に、補強アングル材23を横に倒して上部緩衝材22との係合を解除した後に、被梱包物13上から上部緩衝材22を取り外せば良いものである。
【実施例3】
【0086】
本発明に係る実施例3の梱包装置について、図6(a)〜(c)を用いて説明すると、(a)は梱包状態、(b)は開梱途中状態、(c)は上部外装箱を取り外した後の開梱完了状態をそれぞれ模式的に示している。
【0087】
尚、実施例3の梱包装置において、先に実施例1,2で示した同じ構成部材に対しては同一の符号を付し、且つ、先に示した構成部材は必要に応じて適宜説明し、実施例1,2と異なる構成部材に新たな符号を付して説明する。
【0088】
図6(a)に示した如く、本発明に係る実施例3の梱包装置30では、深さが浅い下部外装箱11と、深さが深い上部外装箱12とにより、重量がある被梱包物13と被梱包物13の付属品16及び添付物の少なくとも一方とを梱包する際に、下部緩衝材31及び上部緩衝材32の形状が実施例1,2に対して異なっており、且つ、後述するように、下部緩衝材31と上部緩衝材32とを係合又は連結することなく、上部緩衝材32を被梱包物13の上方部位に係合させることで、上部緩衝材32の上方移動が規制されるようになっている。
【0089】
具体的に説明すると、まず、下部緩衝材31は、図6(a)に示した如く、発泡スチロール材などを用いて被梱包物13の下方部位の四隅をそれぞれ保護するために略直方形状に形成されたコーナ部31aを有しており、この実施例3では合計4個の下部緩衝材31が用いられている。
【0090】
この際、合計4個の下部緩衝材31は、実施例1,2とは異なって、上部緩衝材32に係合又は連結されることなく、被梱包物13の下方部位の四隅を載置した状態で下部外装箱11上に固定されている。
【0091】
また、被梱包物13は、実施例1,2とは異なって、図6(a)に示した如く、上方部位の左右(又は前後)に被係合部13aが突出形成されており、この被係合部13aは被梱包物13の形状そのままである場合と、梱包のために故意に形成された場合とがある。
【0092】
そして、被梱包物13の上方部位の左右に突出形成された被係合部13aに上部緩衝材32が凹凸係合することで、上部緩衝材32の上方移動が規制されている。
【0093】
上記した上部緩衝材32は、図6(a)に示した如く、発泡スチロール材などを用いて被梱包物13の上方部位の四隅をそれぞれ保護するために略直方形状に形成された4箇所のコーナ部32aと、被梱包物13の付属品16及び添付物の少なくとも一方を搭載するために四隅のコーナ部32aの内側間に薄板状に形成された薄板部32bと、各コーナ部32aから下方内側に向かってコ字型凹状に屈曲されて被梱包物13の被係合部13aを把持するように凹凸係合する係合部32cとから構成されている。
【0094】
この際、上部緩衝材32の薄板部32bは、四隅のコーナ部32aの上面よりも引っ込んでいるために、上部緩衝材32の薄板部32b上に被梱包物13の付属品16及び添付物の少なくとも一方が搭載可能になっている。
【0095】
尚、以下の実施例3においても実施例1,2と同様に、「被梱包物13の付属品16及び添付物の少なくとも一方」の記載を簡略化して、「付属品(又は添付物)16」と記載して説明する。
【0096】
また、上部緩衝材32の係合部32cは、四隅のコーナ部32aが薄板部32bに接続されているために、被梱包物13の左右上方部位と対応して左右対称に形成されており、上部緩衝材32の左右の係合部32cを被梱包物13の前方から奥方に向かって被梱包物13の被係合部13aに挿入することで凹凸係合可能になっている。
【0097】
尚、上部緩衝材32は、四隅のコーナ部32aの内側間に従来例で説明したような薄板状に形成された別体のベース(図示せず)を一体的に固着させても良い。
【0098】
尚また、上部緩衝材32の薄板部32b上に付属品(又は添付物)16を搭載する必要がない場合には、薄板部32bを形成せずに、コーナ部32a及び係合部32cを有する上部緩衝材32を被梱包物13の上方部位の左右(又は前後)にそれぞれ分離して搭載しても良い。
【0099】
従って、被梱包物13の上方部位の左右(又は前後)に形成した被係合部13aと、上部緩衝材32のコーナ部32aの下方に連接させた係合部32cとが、被梱包物13と上部緩衝材32との間に設けられた実施例3の上方移動規制手段となっている。
【0100】
上記のように構成した実施例3の梱包装置30において、図6(b)に示した如く、重量がある被梱包物13を下方部位の四隅に設けた下部緩衝材31を介して深さが浅い下部外装箱11上に搭載したままの状態で、深さが深い上部外装箱12を上方に持ち上げれば、重量がある被梱包物13を持ち上げることなく容易に開梱できる。
【0101】
この際、梱包装置30の開梱途中時に、下部緩衝材31は重量がある被梱包物13を載置しているために下部外装箱12上に固定されているが、深さが深い上部外装箱12を上方に持ち上げる動作に伴って、上部外装箱12の内面側が被梱包物13の上方部位に搭載した上部緩衝材32に接触したときの摩擦力により、上部緩衝材32が上部外装箱12と一緒に浮き上がろうとする。
【0102】
しかしながら、図6(c)に示した如く、上部緩衝材32のコーナ部32aの下方に連接させた係合部32cが被梱包物13の上方部位の左右(又は前後)に形成した被係合部13aに凹凸係合しているために、被梱包物13に対して上部緩衝材32の上方移動が規制されているので、上部外装箱12を持ち上げても上部緩衝材32が上部外装箱12と一緒に浮き上がることがない。
【0103】
従って、上部外装箱12を持ち上げても、上部緩衝材32の薄板部32b上に搭載した付属品(又は添付物)16は、梱包状態を維持しているので、従来例で説明したような付属品(又は添付物)16の落下が生じることがなく、付属品(又は添付物)16の破損事故を防止できる。
【0104】
そして、上部外装箱12を取り外した開梱完了後に、上部緩衝材32上から付属品(又は添付物)16を取り外すと共に、被梱包物13上から上部緩衝材32を取り外せば良いので、開梱作業が容易となる。
【符号の説明】
【0105】
10…実施例1の梱包装置、
10’…実施例1を一部変形させた変形例の梱包装置、
11…下部外装箱、12…上部外装箱、13…被梱包物、13a…被係合部、
14…実施例1の下部緩衝材、14a…コーナ部、14b…連結部、
14b1…鍵形状凹部、14b2…被係合凸片、14b3…平坦面、
15…実施例1の上部緩衝材、15a…コーナ部、15b…薄板部、15c…連結部、
15c1…鍵形状凹部、15c2…係合凸片、15c3…平坦面、
16…付属品(又は添付物)、
17…変形例の下部緩衝材、18…変形例の上部緩衝材、19…ヒンジ部材、
20…実施例2の梱包装置、
21…実施例2の下部緩衝材、21a…コーナ部、21a1…鋸歯状係合部、
22…実施例2の上部緩衝材、22a…コーナ部、22a1…鋸歯状係合部、
22b…薄板部、
23…補強アングル材、23a…下端部、23a1…鋸歯状被係合部、
23b…上端部、23b1…鋸歯状被係合部、
30…実施例3の梱包装置、
31…実施例3の下部緩衝材、31a…コーナ部、
32…実施例3の上部緩衝材、32a…コーナ部、32b…薄板部、32c…係合部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被梱包物と、
前記被梱包物を搭載可能な下部外装箱と、
前記被梱包物の下方部位を保護し且つ前記被梱包物の下方部位を載置して前記下部外装箱上に固定した状態で搭載される下部緩衝材と、
前記被梱包物の上方部位を保護し且つ前記被梱包物の上方部位に搭載される上部緩衝材と、
前記上部緩衝材の上方から前記下部外装箱に向けてかぶせて前記被梱包物を収容可能に梱包する上部外装箱と、を備えた梱包装置であって、
開梱時に前記上部外装箱を取り外す際に、前記上部緩衝材の上方移動を規制する上方移動規制手段を設けたことを特徴とする梱包装置。
【請求項2】
前記上方移動規制手段は、前記下部緩衝材と前記上部緩衝材との間、又は、前記下部緩衝材と前記上部緩衝材とを連結する長尺な補強アングル材と前記上部緩衝材との間、もしくは、前記被梱包物と前記上部緩衝材との間に設けたことを特徴とする請求項1記載の梱包装置。
【請求項3】
前記下部緩衝材と前記上部緩衝材との間に設けた前記上方移動規制手段は、前記下部緩衝材に形成した被係合部と、前記上部緩衝材に形成した係合部との間で前記上部緩衝材の上方移動を規制するように接離自在に凹凸係合させたことを特徴とする請求項2記載の梱包装置。
【請求項4】
前記補強アングル材と前記上部緩衝材との間に設けた前記上方移動規制手段は、前記補強アングル材の下端部側を前記下部緩衝材に固定した上で、前記補強アングル材の上端部側に形成した被係合部と、前記上部緩衝材に形成した係合部との間で前記上部緩衝材の上方移動を規制するように接離自在に凹凸係合させたことを特徴とする請求項2記載の梱包装置。
【請求項5】
前記被梱包物と前記上部緩衝材との間に設けた前記上方移動規制手段は、前記被梱包物に形成した被係合部と、前記上部緩衝材に形成した係合部との間で前記上部緩衝材の上方移動を規制するように接離自在に凹凸係合させたことを特徴とする請求項2記載の梱包装置。
【請求項6】
前記上部緩衝材上に前記被梱包物の付属品を搭載させたことを特徴とする請求項1〜請求項5のうちいずれか1項記載の梱包装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−101826(P2012−101826A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252662(P2010−252662)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】