説明

梱包装置

【課題】長さの異なる複数の被梱包物に対して同一種類の緩衝材を共通に使用することを可能とし、製造コストの低減を図る。
【解決手段】本発明に係る梱包装置は、板状の包装材料を折曲して形成された緩衝材3と、緩衝材3を収納する外装材と、を備えた梱包装置であって、緩衝材3は、被梱包物2を収納可能な空間57が設けられて筒状に形成され、緩衝材3の両端開口部54a、54b近傍には緩衝材3の開口縁55a、55bからの形成幅の異なる保持片17a〜17dが各複数個ずつ形成され、該各複数個の保持片17a〜17dのうち1個ずつを内側に向かって折ることによって、空間57内に収納された被梱包物2の両端部を保持することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬時や保管時等において被梱包物を保護するための梱包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カラープリンタ等の画像形成装置やこの画像形成装置を構成する部品等を運搬する際には、段ボール等によって形成される梱包装置が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、板状の包装材料(段ボール)を折曲して形成された緩衝材と、この緩衝材を両端に収納する外装材と、を備えた梱包装置が開示されている。この従来技術においては、外装材内に収納された被梱包物の両端を緩衝材によって保持することで、外部から被梱包物への衝撃を緩和できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−43189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術に係る梱包装置は、単一長さの被梱包物に専用されるものであり、長さの異なる被梱包物に対応するための構成が何ら講じられていない。従って、上記従来技術に係る梱包装置を用いて長さの異なる複数の被梱包物を収納するためには、被梱包物の長さごとに、大きさや形状の異なる緩衝材を複数種類用意しなければならず、製造コストの増大を招いていた。また、上記のように緩衝材の大きさや形状が変化すると、緩衝材を収納する外装材の大きさにも変動が生じ、製造コストの一層の増大を招く結果となっていた。
【0006】
そこで、本発明は上記事情を考慮し、長さの異なる複数の被梱包物に対して同一種類の緩衝材を共通に使用することを可能とし、製造コストの低減を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る梱包装置は、板状の包装材料を折曲して形成された緩衝材と、該緩衝材を収納する外装材と、を備えた梱包装置であって、前記緩衝材は、被梱包物を収納可能な空間が設けられて筒状に形成され、前記緩衝材の両端開口部近傍には前記緩衝材の開口縁からの形成幅の異なる保持片が各複数個ずつ形成され、該各複数個の保持片のうちの1個ずつを内側に向かって折ることによって、前記空間内に収納された前記被梱包物の両端部を保持することを特徴とする。
【0008】
また、前記緩衝材は、四角筒状に形成され、前記開口縁から所定の間隔を介して前記開口縁と平行に切断部が設けられ、該切断部と前記開口縁の間に前記保持片が設けられていても良い。
【0009】
更にまた、前記保持片には、前記開口縁側に折り返し可能な補強部が設けられていても良い。
【発明の効果】
【0010】
本発明の梱包装置は、長さの異なる複数の被梱包物に対して同一種類の緩衝材を共通に使用することを可能とし、製造コストの低減を図ることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る梱包装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る緩衝材を示す展開図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る緩衝材において、第1保持片を外側に配置した状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る緩衝材において、第1保持片を内側に向かって折った状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る緩衝材において、第1保持片と第2保持片の補強部を折り返した状態を示す展開図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る緩衝材において、(a)は、第1保持片と第2保持片を内側に向かって折った状態を示す平面図であり、(b)は、同底面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る緩衝材において、第1保持片と第4保持片の補強部を折り返した状態を示す展開図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る緩衝材において、(a)は、第1保持片と第4保持片を内側に向かって折った状態を示す平面図であり、(b)は、同底面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る緩衝材において、第2保持片と第3保持片の補強部を折り返した状態を示す展開図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る緩衝材において、(a)は、第2保持片と第3保持片を内側に向かって折った状態を示す平面図であり、(b)は、同底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態に係る梱包装置1について、図1〜図10を参照して説明する。
【0013】
図1に示されるように、梱包装置1は、4角柱状の被梱包物2(例えば、カラープリンタ等の画像形成装置に用いられるトナーカートリッジや定着ユニット)を収納する横長形状の緩衝材3と、緩衝材3を収納する直方体形状の外装材4(段ボール箱)と、によって構成されている。外装材4は、図1を除いて記載が省略されている。
【0014】
緩衝材3は、略矩形状の板状の包装材料(段ボール)を折曲して組み立てられており、展開すると図2のようになる。緩衝材3は、略矩形状の底面部5と、底面部5の一方の長辺に折り線6a〜6eを介して連設されて略コ字状を成す第1側面部7と、底面部5の他方の長辺に折り線8を介して連設されて略矩形状を成す第2側面部10と、第2側面部10の底面部5接続側とは逆側の長辺に折り線11a〜11eを介して連設されて略T字状を成す上面部12と、を備えている。以下、図2における左右方向、上下方向をそれぞれ、底面部5、第1側面部7、第2側面部10、上面部12の長さ方向、幅方向とする。底面部5、第1側面部7、第2側面部10、上面部12の長さは緩衝材3の長さX(図2参照)と同一であり、底面部5及び上面部12の幅は、第1、第2側面部7、10の幅よりも長くなっている。
【0015】
底面部5には、折り線6cの中央に、第1側面部7の方に突出するようにしてフリップ部13aが設けられている。底面部5には、折り線8の両側に、第2側面部10の方に突出するようにしてフリップ部13b、13cが設けられている。
【0016】
底面部5と第1側面部7の長さ方向の一側には、折り線6b、6cを跨いで、底面部5の一端縁14及び第1側面部7の一端縁15と平行に切断部16が設けられている。切断部16は、底面部5の一端縁14及び第1側面部7の一端縁15から所定の間隔Y(図2参照)を介して設けられている。
【0017】
切断部16と一端縁14、15の間には、第1保持片17aが底面部5と第1側面部7に跨って設けられている。第1保持片17aは、一端縁14、15及び切断部16と平行に設けられた折り線18aによって二つの領域に分割されている。以下、折り線18aと一端縁14、15の間の部分を第1保持片17aの連結部20aとし、折り線18aと切断部16の間の部分を第1保持片17aの補強部21aとする。
【0018】
連結部20aは、底面部5及び第1側面部7の幅方向に長い矩形状を成し、連結部20aの長さ方向(底面部5及び第1側面部7の幅方向)の両端部には、折り線22a、23aが折り線6aと平行に設けられている。連結部20aは、底面部5側の長さ(折り線22aから折り線6aまでの長さ)が第1側面部7側の長さ(折り線23aから折り線6aまでの長さ)よりも長くなるように、形成位置が調整されている。
【0019】
補強部21aの長さ方向(底面部5及び第1側面部7の幅方向)の両端部には、帯状の切欠部24a、25aが設けられている。補強部21aの形成幅は、連結部20aの形成幅と同一である。即ち、連結部20a、補強部21aはともに、間隔Yの半分の幅(Y/2)で形成されている。
【0020】
底面部5と第1側面部7の長さ方向の他側には、折り線6c、6dを跨いで、底面部5の他端縁28及び第1側面部7の他端縁30と平行に切断部31が設けられている。切断部31は、底面部5の他端縁28及び第1側面部7の他端縁30から所定の間隔Z(図2参照)を介して設けられており、この間隔Zが前記した間隔Yよりも長くなるように、切断部16、31の形成位置が調整されている。
【0021】
切断部31と他端縁28、30の間には、第2保持片17bが底面部5と第1側面部7に跨って設けられている。第2保持片17bは、第1保持片17aと基本的に同様の構成を備えている。以下、第2保持片17bについて第1保持片17aと同様の構成については、第1保持片17aの各部18a〜25aに対応する18b、20b〜25bの符号を第2保持片17bの各部に付し、説明を省略する。
【0022】
第2保持片17bの補強部21bの形成幅は、第2保持片17bの連結部20bの形成幅と同一である。即ち、連結部20b、補強部21bはともに、間隔Zの半分の幅(Z/2)で形成されている。
【0023】
第1側面部7には、長さ方向の中央部で、且つ、幅方向において底面部5と離間した側に、スリット32が設けられている。第1側面部7には、幅方向において底面部5と離間した側の両隅部に、折り線6a〜6eと平行な折り線33a、33bを介して、係合片34a、34bが設けられている。係合片34a、34bには、折り線33a、33bよりも第1側面部7側に突出するようにして、舌片35a、35bがそれぞれ設けられている。係合片34a、34bには、第1側面部7から離間した側に、係合突起36a、36bが設けられている。
【0024】
第2側面部10には、折り線11cの中央部に、上面部12の方に突出するようにしてフリップ部37が設けられている。
【0025】
第2側面部10と上面部12の長さ方向の一側には、折り線11bを跨いで、第2側面部10の一端縁38及び上面部12の一端縁40と平行に切断部41が設けられている。切断部41は、第2側面部10の一端縁38及び上面部の一端縁40から所定の間隔Zを介して設けられている。即ち、切断部41の一端縁38、40からの間隔は、切断部31の他端縁28、30からの間隔と同一である。
【0026】
切断部41と一端縁38、40の間には、第3保持片17cが第2側面部10と上面部12に跨って設けられている。第3保持片17cは、第1保持片17aと基本的に同様の構成を備えている。以下、第3保持片17cについて第1保持片17aと同様の構成については、第1保持片17aの各部18a〜25aに対応する18c、20c〜25cの符号を第3保持片17cの対応部分に付し、説明を省略する。
【0027】
第3保持片17cの補強部21cの形成幅は、第3保持片17cの連結部20cの形成幅と同一である。即ち、連結部20c、補強部21cはともに、間隔Zの半分の幅(Z/2)で形成されている。
【0028】
第2側面部10と上面部12の長さ方向の他側には、折り線11dを跨いで、第2側面部10の他端縁42及び上面部12の他端縁43と平行に切断部44が設けられている。切断部44は、第2側面部10の他端縁42及び上面部12の他端縁43から所定の間隔Yを介して設けられている。即ち、切断部44の他端縁42、43からの間隔は、切断部16の一端縁14、15からの間隔と同一である。
【0029】
切断部44と他端縁42、43の間には、第4保持片17dが第2側面部10と上面部12に跨って設けられている。第4保持片17dは、第1保持片17aと基本的に同様の構成を備えている。以下、第4保持片17dについて第1保持片17aと同様の構成については、第1保持片17aの各部18a〜25aに対応する18d、20d〜25dの符号を第4保持片17dの対応部分に付し、説明を省略する。
【0030】
第4保持片17dの補強部21dの形成幅は、第4保持片17dの連結部20dの形成幅と同一である。即ち、連結部20d、補強部21dはともに、間隔Yの半分の幅(Y/2)で形成されている。
【0031】
上面部12には、折り線11cの両端部に、第2側面部10の方に突出するようにして舌片45a、45bが設けられている。上面部12には、長さ方向の中央部で、且つ、幅方向において第2側面部10から離間した側に、突片46が設けられている。突片46の長さ方向両端部には、係合片47a、47bが突設され、突片46の長さ方向中央部には、差込み片48が第2側面部10から離間する方向に突設されている。突片46の中央部には丸孔50が設けられている。
【0032】
上述の如く構成された梱包装置1の組み立てについて説明する前に、緩衝材3に設けられた第1〜第4保持片17a〜17dの2通りの折り方について、第1保持片17aを例に説明する。
【0033】
一通り目の折り方では、図2に示される組み立て前の状態から折り線6a、6bを谷折りする。これにより、図3に示されるように第1保持片17aが外側に向かってL字状に折られる。この時、第1保持片17aは、底面部5及び第1側面部7と面一になっている。
【0034】
一方で、二通り目の折り方では、図2に示される組み立て前の状態から、折り線18aを谷折りし、補強部21aを一端縁14、15側に折り返して連結部20aに重合させる(図5等参照)。これに伴って、折り線6bが折り線6aに重合する。また、補強部21aの先端縁が一端縁14、15に重なり、第1保持片17aの形成幅がY/2となる。この状態から、重合した折り線6a、6bを山折りするとともに折り線22a、23aを谷折りすると、図4に示されるように第1保持片17aが内側に向かって折られる。
【0035】
このように、第1保持片17aは、外側、内側の2通りの折り方を選択できるように構成されている。そして、第2〜第4保持片17b〜17dについても、上記した第1保持片17aと同様であり、外側、内側の2通りの折り方を選択できるように構成されている。
【0036】
次に、上述の如く構成された梱包装置1の組み立てについて説明する。本実施形態では、以下に示すように、被梱包物2の長さに応じて、緩衝材3の組み立て方法が3種類ある。
【0037】
緩衝材3の第1の組み立て方法について説明すると、まず、図5に示されるように、第1保持片17aの補強部21aを一端縁14、15側に折り返して折り線6bを折り線6aに重合させるとともに、第2保持片17bの補強部21bを他端縁28、30側に折り返して折り線6dを折り線6eに重合させる。これにより、第1保持片17a、第2保持片17bの形成幅は、それぞれY/2、Z/2となる。
【0038】
この状態から、折り線6a、6bの重合部分及び折り線6d、6eの重合部分をそれぞれ山折りし、折り線6c、22a、23a、22b、23bをそれぞれ谷折りする。これにより、第1保持片17a、第2保持片17bが内側に向かって折られた状態で、第1側面部7が立ち上がる。
【0039】
この状態で、底面部5に被梱包物2を載置し、被梱包物2の外形に沿って、折り線8、11a〜11e、33a、33bを谷折りする。これにより、第3保持片17c、第4保持片17dが外側に向かって折られた状態で、第2側面部10が立ち上がるとともに上面部12が底面部5の上方に配置される。この状態で、突片46の差込み片48をスリット32に差し込むとともに(図1参照)、係合突起36a、36bをそれぞれ係合片47a、47bに係合させる(図6(a)参照)。
【0040】
以上により、緩衝材3の組み立てが完了すると、図6(a)、図6(b)に示されるように、緩衝材3が4角筒状に形成されるとともに緩衝材3の内部に4角柱状の空間57が形成され、この空間57内に被梱包物2が収納される。また、緩衝材3の両端開口部54aの近傍には第1保持片17a、第3保持片17cが開口縁55aからの形成幅が異なるようにして形成され、緩衝材3の両端開口部54bの近傍には第2保持片17b、第4保持片17dが開口縁55bからの形成幅が異なるようにして形成される。そして、内側に折られた第1保持片17aによって被梱包物2の一端部が保持されるとともに、内側に折られた第2保持片17bによって被梱包物2の他端部が保持される。この時、第1保持片17aから第2保持片17bまでの長さをL1とすると、
L1=<緩衝材の長さX>−(<第1保持片17aの形成幅Y/2>+<第2保持片17bの形成幅Z/2>)となる(図5参照)。
【0041】
緩衝材3の第2の組み立て方法について説明すると、まず、図7に示されるように、第1保持片17aの補強部21aと第4保持片17dの補強部21dを折り返す。これにより、第1保持片17a、第4保持片17dの形成幅は、それぞれY/2となる。そして、第1保持片17a、第4保持片17dを内側に折り、第2保持片17b、第3保持片17cを外側に折るようにして、緩衝材3を組み立てる。なお、組み立ての手順については、前記した第1の組み立て方法と同様であるため、記載を省略する。
【0042】
上記の如く緩衝材3の組み立てが完了すると、図8(a)、図8(b)に示されるように、内側に折られた第1保持片17aによって被梱包物2の一端部が保持されるとともに、内側に折られた第4保持片17dによって被梱包物2の他端部が保持される。この第2の組み立て方法において、第1保持片17a、第4保持片17d間の長さをL2とすると、
L2=<緩衝材の長さX>−(<第1保持片17aの形成幅Y/2>+<第4保持片17dの形成幅Y/2>)
となり、第1の組み立て方法におけるL1よりもL2が大きくなる(図5、図7参照)。
【0043】
緩衝材3の第3の組み立て方法について説明すると、まず、図9に示されるように、第2保持片17bの補強部21bと第3保持片17cの補強部21cを折り返す。これにより、第2保持片17b、第3保持片17cの形成幅は、それぞれZ/2となる。そして、第2保持片17b、第3保持片17cを内側に折り、第1保持片17a、第4保持片17dを外側に折るようにして、緩衝材3を組み立てる。なお、組み立ての手順については、前記第1の組み立て方法と同様であるため、記載を省略する。
【0044】
上記の如く緩衝材3の組み立てが完了すると、図10(a)、図10(b)に示されるように、内側に折られた第2保持片17bによって被梱包物2の一端部が保持されるとともに、内側に折られた第3保持片17cによって被梱包物2の他端部が保持される。この第3の組み立て方法において、第2保持片17b、第3保持片17c間の長さをL3とすると、
L3=<緩衝材の長さX>−(<第2保持片17bの形成幅Z/2>+<第3保持片17cの形成幅Z/2>)
となり、第1の組み立て方法におけるL1、第2の組み立て方法におけるL2よりもL3が小さくなる(図5、図7、図9参照)。
【0045】
また、上記した第1〜第3の組み立て方法によって緩衝材3を四角筒状に形成すると、これに伴って、フリップ部13a、差込み片48、舌片35a、35b、が第1側面部7側に突出し、フリップ部13b、13c、舌片45a、45bが第2側面部10側に突出する。この側方に突出する各部材を外装材4の内面に当接させるようにして、緩衝材3を外装材4に収納する。これにより、図1に示されるように、梱包装置1による被梱包物2の梱包が完了する。
【0046】
本実施形態では前述の如く、緩衝材3の両端開口部54aの近傍に緩衝材3の開口縁55aからの形成幅の異なる第1保持片17a、第3保持片17cを形成し、緩衝材3の両端開口部54bの近傍に、緩衝材3の開口縁55bからの形成幅の異なる第2保持片17b、第4保持片17dを形成している。そして、第1保持片17a、第3保持片17cのうちの1個と、第2保持片17b、第4保持片17dのうちの1個を内側に向かって折ることによって、緩衝材3の空間57内に収納された被梱包物2の両端部を保持している。このような構成を採用することで、内側に折られた保持片間の距離をL1〜L3の3種類に変化させることが可能となり、長さが異なる3種類の被梱包物2に対して同一種類の緩衝材3を共通に使用して、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0047】
また、このように長さの異なる被梱包物2に対して同一種類の緩衝材3を用いることができるため、外装材4の大きさを緩衝材3ごとに変動させる必要がない。従って、外装材4についても同一種類のものを使用することが可能となり、この点においても製造コストを低減させることが可能となる。また、本実施形態では、緩衝材3及び外装材4が段ボールによって形成されているため、梱包装置1のリサイクルが可能となり、環境への負荷を軽減することが可能となる。
【0048】
また、第1〜第4保持片17a〜17dを選択的に内側に折るだけで、被梱包物2の両端部を保持することができ、被梱包物2の緩衝材3内における位置決めを容易に行うことが可能となる。そのため、被梱包物2の梱包作業における作業性を高めることが可能となる。
【0049】
また、緩衝材3が四角筒状に形成され、緩衝材3の開口縁55a、55b(組み立て前の一端縁14、15、38、40と他端縁28、30、42、43に対応)から所定の間隔を介して開口縁55a、55bと平行に切断部16、31、41、44が設けられ、この切断部16、31、41、44と開口縁55a、55bの間に第1〜第4保持片17a〜17dが設けられている。このような構成を採用することで、緩衝材3に第1〜第4保持片17a〜17dを容易に形成することが可能となる。
【0050】
また、第1〜第4保持片17a〜17dには、開口縁55a、55b側に折り返し可能な補強部21a〜21dが設けられているため、内側に折られた第1〜第4保持片17a〜17dで被梱包物2を保持する際に、第1〜第4保持片17a〜17dの強度を高めることが可能となる。
【0051】
本実施形態では、4角柱状の緩衝材3の両端開口部54aの断面形状の対角位置に第1保持片17a、第3保持片17cを設け、両端開口部54bの断面形状の対角位置に第2保持片17b、第4保持片17dを設けている。このように、両端開口部54a、54bの対角位置に保持片を設けることで、保持片相互の干渉を抑制し、各保持片を大きく形成することができる。一方で他の異なる実施形態では、緩衝材3の両端開口部54aの隣り合う位置に、第1保持片17aと第3保持片17cを設け、両端開口部54bの隣り合う位置に、第2保持片17bと第4保持片17dを設けても良い。
【0052】
また、本実施形態では、第1保持片17aと第4保持片17dを互いに同一寸法で形成し、第2保持片17bと第3保持片17cを互いに同一寸法で形成したが、他の異なる実施形態では、第1〜第4保持片17a〜17dをすべて異なる寸法で形成しても良く、この場合には、対応可能な被梱包物2の長さを更に多くすることが可能となる。
【0053】
また、緩衝材3の形状は、本実施形態の4角筒状には限られず、3角筒状、円筒状等、被梱包物2の形状に対応して任意の筒状とすることが可能である。また、本実施形態では、両端開口部54a、54bの近傍にそれぞれ2個ずつ保持片を設けたが、他の異なる実施形態では、両端開口部54a、54bの近傍に、それぞれ3個又は4個以上の保持片を設けても良い。
【0054】
また、上記した緩衝材3の組み立て方法では、保持片を内側に折曲させた後に、被梱包物2を底面部5に載置する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、予め被梱包物2を底面部5に載置しておいてから、保持片を内側に折曲しても良い。更に、他の異なる実施形態では、保持片を内側に折曲させる前に緩衝材3を四角筒状に形成しておき、被梱包物2を緩衝材3の空間57内に挿入してから、保持片を内側に折曲して、被梱包物2の両端を保持しても良い。
【符号の説明】
【0055】
1 梱包装置
2 被梱包物
3 緩衝材
4 外装材
16 切断部
17a〜17d 保持片
21a〜21d 補強部
31 切断部
41 切断部
44 切断部
54a、54b 両端開口部
55a、55b 開口縁
57 空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の包装材料を折曲して形成された緩衝材と、該緩衝材を収納する外装材と、を備えた梱包装置であって、
前記緩衝材は、被梱包物を収納可能な空間が設けられて筒状に形成され、前記緩衝材の両端開口部近傍には前記緩衝材の開口縁からの形成幅の異なる保持片が各複数個ずつ形成され、該各複数個の保持片のうちの1個ずつを内側に向かって折ることによって、前記空間内に収納された前記被梱包物の両端部を保持することを特徴とする梱包装置。
【請求項2】
前記緩衝材は、四角筒状に形成され、
前記開口縁から所定の間隔を介して前記開口縁と平行に切断部が設けられ、該切断部と前記開口縁の間に前記保持片が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の梱包装置。
【請求項3】
前記保持片には、前記開口縁側に折り返し可能な補強部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の梱包装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−131556(P2012−131556A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287070(P2010−287070)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】