説明

【課題】
既存の棺に於いては、便宜的に、既成のプリント合板、又は、既成の合板に安易に模様紙等を張り込んだ材料で棺を製作していたので、葬送に際して、棺の選択性が乏しく葬送関係者の満足できる棺が非常に少なく、葬儀などで、不満が存在していた。
【解決手段】
棺の部材に天然長繊維の化粧紙を張り込み、和み豊で高級感を感じられる棺を提供し、更に天然長繊維の化粧紙を活かし、折り畳み組立て方式で、収納、組立て簡便な棺を提供する事で、環境負荷も少なく、商品性豊な物を、広く社会に貢献で来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、葬儀の際、使用する棺に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来の棺に於いては、プリント合板又は、合板に模様紙等を便宜的張り込んだ棺が多く高級感と趣向に欠ける物が多く棺を必要とする、葬送者、葬祭関係者等からの不満が市場を取り巻いている、又、プリント合板、模様紙は、塩基物を多く含み、これを焼却すると、ダイオキシン発生に繋がり環境に悪く、更に、従来の方式では、折り畳み組立て方式にする時、必ず何等かのヒンジ、蝶板を必要とし、製作に煩わしさがあった。
【0003】
【特許文献1】実用新案第3080226号
【特許文献2】実用新案第3079422号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の棺は、背景技術でも記したように、プリント合板、合板に、便宜的に模様紙等を張り込んだ物が多く、趣の無い事から葬送者に棺の選択肢が少なく画一化している、又、斉場での焼却で環境にも問題が存在し、更に、棺を折り畳み方式にするには、必ず蝶板、何等かのヒンジを必要とし製作していたので、その製作工程には、煩わしさがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は請求項1の如く、棺に、天然長繊維布から出来た化粧紙を張り込む事で画一化から脱却出来、請求項2の如く、天然長繊維から成る布は非常に堅牢で、この強い繊維の特性を活用して、張り込んだ化粧紙の一部をヒンジとして使用し、従来、折り畳み組立て方式の棺を製作する際、必ず必要としていた、蝶板、ヒンジ等が不要となり、新嗜好と合理性のある棺である。
【0006】
解決手段その1、従来の棺は、既成のプリント合板、既成の合板に模様紙を張り込んで棺としていたので、画一的で、高級感に乏しかった、本発明は、棺各部材に、伝統工芸にも使用されている葛、清涼感ある麻、柔らかさを感じる亜麻、高貴感ある苧等の、天然長繊維布から成る化粧紙を張り込む事で、趣豊で高級感と、和みある自然観を感じ取れる棺である。
【0007】
解決手段その2、解決手段1の天然長繊維から成る化粧紙の強度を活用して、従来の折り畳み組立て方式で必要とした、ヒンジ、蝶板を使用せずに、図1の1の折り畳み用前後帆立板と、図1の3、4の様に化粧紙を張り込む、同じ様に、図1の11の棺底板との前後接合帆立板に、図1の12、18の様に化粧紙を張り込み、図1の3と12を、図2の22の様に前後帆立板と、棺底板との接合用前後帆立板を接合し、強度的には充分であるが、補強として、図3の27の補強紙を、図3の29の様に貼り付け、前後帆立板を完成する事で、図2の26の様に前後帆立板が折り曲げ可能と成り、図5の41の様に、必要時まで、コンパクトに折り畳収納が可能と成り、現在まで、必ず必要としたヒンジ、蝶板等が不要となり、全体として、天然長繊維から醸し出される高級と、更に、非常に合理的な折り畳み棺を完成する方法。
【発明の効果】
【0008】
本棺は、天然長繊維布の化粧紙を各部材に張り込む事で、従来の既成の棺に、新たな趣を持たせ、張り込みに用いた化粧紙を折り曲げ用部材として活用して、強度充分で折り畳みも可能な棺が製作でき、意匠の満足と、合理的な製作工程で、製造作業の軽減化が可能な棺の製作を追求で、張り込み用の素材が天然物である事から、最終焼却時に、環境に問題となる物質の排出が無く、棺を必要とする、葬送者、葬祭関係者に満足を提供し、環境負荷も少なく、広く社会に貢献出来る折り畳み組立て方式棺である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本棺は、図2の如く、化粧紙を張り込んだ、折り曲げ用前後帆立板と、棺底板と結合するための、前後結合板を図2の22の様に接合して前後帆立板を完成し、図1の11の結合板底部に設けた、図1の19の接合板を、棺底板上面にある図4の37、38の溝に差込み適宜固定し、図5の41の如く折り畳み完成し、必要に備え保管する、使用時には、図5の42の状態に成る様に、図3の28を立ち上げ、立ち上げた前後帆立板の内面両端に加工された図2の24,25の溝に、図3の31の左右帆立板の両端にある33の固定用接合板を棺上部より沿わせ差込み、左右帆立板底部に設けられた図3の34接合板を棺上面に加工された、図4の39、40の溝に差込み、適宜固定し、図5の43の様に棺を完成する。
【産業上の利用可能性】
【0010】
本棺は、化粧に天然長繊維布で出来た化粧紙の活用で、従来の通俗的な棺でなく、趣ある清涼感と、一段高い、高級感豊な棺を提供できる、又、天然物で出来ているので、焼却しても、ダイオキシン等の発生の心配なく、且つ、棺自体の製作にも、天然長繊維布それ自体の布としての柔軟性を構造の一部として更に活用する事で、製作の時間短縮と部材の軽減が出来、折り畳み組立て方式も可能とし、必要時まで、少ないスペースでの収納が可能で、葬祭関係者の負担軽減、最終焼却時での環境負荷も少ないこと等から、非常に広く社会に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】前後帆立板の部材と、化粧紙を張り込んだ状態を表した図である。
【図2】葛布を張り込んだ、前後帆立板の接合と、折り曲げの状態を表した図である。
【図3】前後帆立板裏面に、補強紙を張り込んだ状態と、左右帆立板を表した図である。
【図4】棺底板の上面よりの図である。
【図5】棺の折り畳んだ所を側面よりの図と、組立ての手順と、完成状態の図である。
【符号の説明】
【0012】
1−折り曲げ用左右帆立板、2−1の側面、3−1の帆立板に化粧紙を張り込んだ状態、4−3の側面の、5−6−7−8−9前後結合板と接合する化粧紙の状態、10−3の側面で、接合張り込んだ化粧紙の状態、11−棺底板と結合する前後帆立板結合板、12−11に化粧紙を張り込んだ結合板、13−14−15−16−17−折り曲げ用前後帆立板との接合する化粧紙、18−結合板に張り込んだ化粧紙の状態、19−前後結合板底部に設けた棺底板との接合板、20−21−前後帆立板の裏面、22−折り曲げ用前後帆立板と棺と結合する前後結合板の接合状態、23−22の側面、24−25−前後帆立板内面に加工された、左右帆立板接合溝、26−前後帆立板を完成して、折り曲げ状態、27−接合部補強用紙、28−補強用紙を接着した前後帆立板、29−補強紙、30−化粧紙を張り込んだ左右帆立板上部面、31−左右帆立板、32−左右帆立板の側面、33−前後帆立板結合用の接合板、34−棺底板と左右帆立板を結合させる接合板、35−棺底板の側面、36−棺底板の上面、37−38前後帆立板結合用の溝、39−40左右帆立板結合用の溝、41−棺底板と前後帆立板を結合し帆立板を内面に折り畳んだ状態、42−前後帆立板を立ち上げ所、43−棺が完成した状態。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
葛、麻、亜麻、苧等の天然長繊維で布を織り上げ、この布の裏に紙を張り込み、化粧紙を製作し、この化粧紙を棺各部材に張り込み、従来に無い上質感を持たせた、天然長繊維化粧紙張り込み、棺。
【請求項2】
請求項1の棺に張り込んだ化粧紙の一部を、ヒンジとして活用し、棺の前後帆立板が内面に折り畳める様にした、折り畳み組立て方式棺。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−63759(P2010−63759A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−234756(P2008−234756)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(599078185)株式会社 王舎堂 (3)