説明

椅子の肘掛け装置

【課題】ワイヤの組み付け、点検、および交換作業を、いつでも自由に、短時間で、簡単に行えるようにした椅子の肘掛け装置椅子の肘掛け装置を提供する。
【解決手段】座体の側方より起立する肘掛け支柱14の上端に、前後方向を向く肘当て20を設け、肘掛け支柱14の前上部に、椅子の各部の位置もしくは付勢力等を調節する調節手段に連係されたワイヤを牽引する操作レバー25を設けた椅子の肘掛け装置において、肘掛け支柱14の前面に、上下方向を向く凹溝22を設け、この凹溝22に、操作レバー25に連係したワイヤを収容し、かつ凹溝22の前面開口部を覆うカバー36を、肘掛け支柱14の前面に着脱自在に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子の肘掛け装置に係り、特に、椅子の各部の位置もしくは付勢力等を調節する調節手段に連係されたワイヤを牽引する操作レバーを設けた椅子の肘掛け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の椅子の肘掛け装置としては、例えば、特許文献1〜3に記載されているようなものがある。
【特許文献1】実開昭59−10648号公報
【特許文献2】実開昭62−40951号公報
【特許文献3】特開2004−113501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、これらの特許文献1〜3に記載されている椅子の肘掛け装置は、いずれも、操作レバーと各種の調節手段とを連係するワイヤが、肘掛け支柱内を挿通しているため、組み付け時に、ワイヤを肘掛け支柱内に挿通させた後でなければ、ワイヤの両端末を、操作レバーと各種の調節手段とに接続することができない。すなわち、ワイヤの両端末を、操作レバーと各種の調節手段とに接続した後に、ワイヤを、肘掛け支柱内に挿通させることができない。
そのため、組み付け作業が煩雑で、時間がかかるとともに、ワイヤの点検や交換作業も面倒である。
【0004】
本発明は、上述のような問題点を解決するためになされたもので、ワイヤの組み付け、点検、および交換作業を、いつでも自由に、短時間で、簡単に行えるようにした椅子の肘掛け装置椅子の肘掛け装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)座体の側方より起立する肘掛け支柱の上端に、前後方向を向く肘当てを設け、前記肘当ての前部または肘掛け支柱の前上部に、椅子の各部の位置もしくは付勢力等を調節する調節手段に連係されたワイヤを牽引する操作レバーを設けた椅子の肘掛け装置において、前記肘掛け支柱の前面に、上下方向を向く凹溝を設け、この凹溝に、前記操作レバーに連係したワイヤを収容し、かつ前記凹溝の前面開口部を覆うカバーを、前記肘掛け支柱の前面に着脱自在に設ける。
【0006】
(2)上記(1)項において、凹溝の下端部を、椅子における肘掛け支柱の取付部に設けたワイヤ挿通孔に連通させ、凹溝内に収容したワイヤを、前記ワイヤ挿通孔に挿通させ、かつカバーの下端部に設けた係止片を、前記ワイヤ挿通孔の開口部に係止させる。
【0007】
(3)上記(2)項において、カバーの下端部における前記取付部に当接する縁部に、肘掛け支柱の凹溝内に嵌合する後方を向く突片を設け、この突片の先端部側面に設けた前記係止片を、前記突片が取付部に当接するようにして、ワイヤ挿通孔の開口部に嵌合して係止させる。
【0008】
(4)上記(1)〜(3)項において、カバーの上端部後面に、先端部に係合爪を有する弾性係合片を設け、この弾性係合片を、肘掛け支柱の前面、またはそこに取り付けた、操作レバーを収容するハウジングの前面に設けた係合孔に嵌合し、前記係合爪を、係合孔の後端縁部に係止させる。
【0009】
(5)上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、カバーの中間部後面に突設した突起を、肘掛け支柱の前面に設けたボス孔に圧嵌する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によると、肘掛け支柱の前面に、上下方向を向く凹溝を設け、この凹溝に、操作レバーに連係したワイヤを収容し、かつこの凹溝の前面開口部を覆うカバーを、肘掛け支柱の前面に着脱自在に設けてあるので、カバーを外すことにより、ワイヤの中間部を、凹溝内に前方より簡単に出し入れすることができ、ワイヤの組み付け、点検、および交換作業を、いつでも自由に、短時間で、簡単に行うことができる。
また、ワイヤの中間部を、凹溝内に収容した後、カバーを肘掛け支柱の前面に装着することにより、凹溝内に収容したワイヤが外部に露呈することがなく、美麗な外観を呈することができる。
【0011】
請求項2記載の発明によると、凹溝の下端部を、椅子における肘掛け支柱の取付部に設けたワイヤ挿通孔に連通させ、凹溝内に収容したワイヤを、ワイヤ挿通孔に挿通させ、かつカバーの下端部に設けた係止片を、ワイヤ挿通孔の開口部に係止させてあるので、カバーの下端部を係止するための係合孔等を、肘掛け支柱や、その取付部等に特別に設ける必要がなく、構造を簡素化することができる。
また、ワイヤ挿通孔の開口部に係止させた係止片は、ワイヤがワイヤ挿通孔の開口縁部に擦れて、傷つくのを防止するための保護材としても使用することができる。
【0012】
請求項3記載の発明によると、カバーの下端部における、取付部に当接する縁部に、肘掛け支柱の凹溝内に嵌合する後方を向く突片を設け、この突片の先端部側面に設けた係止片を、前記突片が取付部に当接するようにして、ワイヤ挿通孔の開口部に嵌合して係止させてあるので、肘掛け支柱と、その取付部と、カバーとの接合部分の体裁をよくすることができる。
【0013】
請求項4記載の発明によると、カバーの上端部後面に、先端部に係合爪を有する弾性係合片を設け、この弾性係合片を、肘掛け支柱の前面、またはそこに取り付けた、操作レバーを収容するハウジングの前面に設けた係合孔に嵌合し、前記係合爪を、係合孔の後端縁部に係止させてあるので、カバーの上端部を、肘掛け支柱の前面に、簡単かつ確実に、装着することができ、取り外しも容易である。
【0014】
請求項5記載の発明によると、カバーの中間部後面に突設した突起を、肘掛け支柱の前面に設けたボス孔に圧嵌してあるので、カバーの装着時に、突起をボス孔に向かって、後方に押し込むだけで、簡単にカバーの中間部が位置決めされて、体裁よく保持される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を備える椅子の側面図である。
図1に示すように、この椅子(1)は、先端部にキャスタ(2)が設けられた放射状の複数本の脚杆(3)を有する脚体(4)を備えている。脚体(4)の中央には、伸縮式の脚柱(5)が立設され、脚柱(5)の上端には、支基(6)が設けられている。
【0016】
支基(6)には、背凭れ(7)を支持する左右1対の背凭れ支持杆(8)の前下端部が、左右方向を向く軸(9)をもって枢支され、支基(6)内に設けられたリクライニング機構(図示略)により、背凭れ(7)および背凭れ支持杆(8)は、後傾しうるようになっている。
【0017】
支基(6)の上方に配設された座体(10)の前部は、左右1対の支持リンク(11)をもって、支基(6)の前部に支持され、また座体(10)の後部は、左右の背凭れ支持杆(8)の前向腕部(8a)(その一方のみを図示する)における前端寄りの部分に上向き突設された軸受片(12)に、左右方向を向く軸(13)をもって枢着され、座体(10)は、背凭れ(7)および背凭れ支持杆(8)が後傾する際に、連動して、後下方に移動させられるようになっている。
【0018】
図2および図3に示すように、左右の背凭れ支持杆(8)の前向腕部(8a)における軸受片(12)の後方には、肘掛け支柱(14)を取り付けるための直方体状の取付部(15)が、軸受片(12)と連続するようにして、一体的に形成されている。
【0019】
取付部(15)の外側面である、肘掛け支柱(14)を取り付けるための取付面(16)には、側面視上向砲弾形の前後1対の突部(17)(17)が設けられており、各突部(17)の上部には、左右方向を向くねじ孔(18)がそれぞれ設けられている。
取付部(15)における前方の突部(17)より前方の部分には、左右方向に貫通するワイヤ挿通孔(19)が設けられている。
【0020】
肘掛け支柱(14)は、取付部(16)より座体の側方において起立するもので、この例では、側面視が前傾する菱形枠状をなし、その上端には、前後方向を向く肘当て(20)が設けられている。
肘掛け支柱(14)の下端部は、椅子(1)の内方に向かってほぼ90°屈曲し、その内端面に設けた、上記突部(17)(17)と補形をなす前後2個の凹部(図示略)を、上記突部(17)(17)に嵌合し、かつ肘掛け支柱(14)の下端部を左右方向に貫通する前後2個のボルト(21)(21)を、ねじ孔(18)(18)に螺合して締め付けることにより、取付部(16)の外側面に強固に取り付けられている。
【0021】
肘掛け支柱(14)を取付部(16)の外側面に取り付けたとき、ワイヤ挿通孔(19)は、肘掛け支柱(14)の前面に設けたほぼ上下方向を向く凹溝(22)の下端部における肘掛け支柱(14)の前面に沿って内方に屈曲した部分の内向きの開口端と連通するようになっている。
【0022】
図6に示すように、肘掛け支柱(14)における前傾する前支柱部(14a)の上端には、肘当て(20)の前部との間に間隙(S)を形成するための凹入段部(23)が設けられている。
【0023】
肘掛け支柱(14)における凹入段部(23)から前支柱部(14a)の前面にかけての角部における左右方向の中間部には、上記凹溝(22)の上端に連通するとともに、後方に凹入する凹入部(24)が設けられ、ここに、操作レバー(25)を収容するハウジング(26)が前方より嵌合され、上下2個の取付ねじ(27)(27)をもって固着されている。
【0024】
操作レバー(25)は、その先端部の操作部(25a)が、ハウジング(26)および前支柱部(14a)の前面より前方に突出するようにして、その基端部が、左右方向を向く軸(28)をもって枢着され、中間部の一側面に、側面視円弧状をなすワイヤ掛け部(29)が設けられている。
【0025】
ワイヤ(30)は、その一方の端末に止着された横向きピン状のワイヤエンド部材(31)が、ハウジング(26)の中間部に係止され、かつそこから、操作レバー(25)のワイヤ掛け部(29)に掛け回された後、下方に向かい、ハウジング(26)の下端部に一方の端末が止着された可撓性のアウターチューブ(32)内に挿入されている。
【0026】
ワイヤ(30)とアウターチューブ(32)とにより、ボーデンケーブル(33)が形成されている。このボーデンケーブル(33)は、ハウジング(26)の下端より、肘掛け支柱(14)の前面に設けた上記凹溝(22)と、取付部(16)におけるワイヤ挿通孔(19)とを順次通って、背凭れ支持杆(8)の内方に引き出され、座体(10)の下方に設けられた、図示を省略した各種の調節手段に接続されている。
【0027】
調節手段としては、例えば、ワイヤ(30)を牽引することにより、背凭れ(7)の回動を可能とし、ワイヤ(30)が緩められることにより、背凭れ(7)の回動が停止させられるようにした背凭れ(7)の角度調節装置や、ワイヤ(30)を牽引することにより、椅子(1)の伸縮式脚柱(5)内に設けたロック付きガススプリング(図示略)のロック解除ボタンを作動位置まで押動して、座体(10)の高さ調節を可能とし、ワイヤ(30)が緩められることにより、ロック解除ボタンが不作動位置に復帰して、座体(10)の高さを固定するようにした座の高さ調節装置等のように、椅子(1)の各部の位置もしくは付勢力等を調節する公知の調節手段とすることができる。
【0028】
操作レバー(25)は、その側面に突設したピン(34)が、ハウジング(26)の側壁(26a)に設けた、軸(28)を曲率中心とする円弧孔(35)内を遊動しうる範囲内において、軸(28)を中心として、上下方向に回動することができ、常時は、図6に示す停止位置に位置し、操作部(25a)を、図6に矢印で示すように、上方に回動させることにより、ワイヤ掛け部(29)でワイヤ(30)を上方に牽引し、調節手段を作動させることができる。
【0029】
操作レバー(25)から手を離すと、ワイヤ(30)は、調節手段に内蔵されるか、または別途設けた復帰用のばね(図示略)により引き戻され、操作レバー(25)は、図6に示す停止位置へ戻される。
【0030】
図2〜図5に示すように、肘掛け支柱(14)の前面には、その前面形状と同形をなすように、下端部が内方に屈曲する正面視ほぼJ字状のカバー(36)が、ワイヤ(30)が収容された凹溝(22)の前面開口部を覆うように、着脱自在に装着されている。
【0031】
カバー(36)は、正面視ほぼJ字状の前面板(37)と、その上端部後面に後方に向けて突設され、かつ後端部に外向きの係合爪(38)を有する左右1対の弾性係合片(39)(39)と、前面板(37)の中間部後面に突設され、かつ断面形が十文字の棒状をなす上下1対の突起(40)(40)と、前面板(37)の下端部における内方に屈曲した部分の内側縁に連設され、肘掛け支柱(14)へのカバー(36)の装着時に、肘掛け支柱(14)の凹溝(22)内に嵌合するとともに、取付面(16)に当接するようにした後方を向く突片(41)と、この突片(41)の後端部に連設され、かつ肘掛け支柱(14)へのカバー(36)の装着時に、取付部(15)のワイヤ挿通孔(19)に嵌合され、その開口部の前縁に係止されるようにした内方を向く係止片(42)とを備えている。
【0032】
このカバー(36)は、次のようにして、肘掛け支柱(14)の前面に装着される。
すなわち、図3および図4に示すように、まず、カバー(36)の下端内側における突片(41)を、取付面(16)に近接する肘掛け支柱(14)の凹溝(22)内に前方より嵌合した後、カバー(36)全体を内方に移動して、係止片(42)を取付部(15)におけるワイヤ挿通孔(19)に嵌合するとともに、突片(41)を取付面(16)に当接させる。
これにより、カバー(36)の下端内側が、取付面(16)と肘掛け支柱(14)の基端部前面とに係止される。
【0033】
次いで、図3および図5に示すように、カバー(36)における左右1対の弾性係合片(39)(39)を、ハウジング(26)の前面より後方に向けて設けた左右1対の係合孔(43)(43)に嵌合し、各係合爪(38)を、係合孔(43)の後端における外側の縁に係止させるとともに、前面板(37)の中間部後面に突設した上下1対の突起(40)(40)を、肘掛け支柱(14)の前面における凹溝(22)内に設けたボス孔(44)(44)に圧嵌する。
【0034】
係合爪(38)が、係合孔(43)の後端における外側の縁に係止されることにより、各弾性係合片(39)は、係合孔(43)(43)より抜け止めされ、カバー(36)の上端部の前方への移動が阻止され、また、各弾性係合片(39)が係合孔(43)に嵌合されるとともに、各突起(40)がボス孔(44)に圧嵌さけることにより、カバー(36)の上部と中間部との上下方向、左右方向および後方への移動が阻止され、カバー(36)は、肘掛け支柱(14)の前面に確実に装着される。
【0035】
係合爪(38)を、平面視において円弧状または山形としておくことにより、各弾性係合片(39)を、係合孔(43)から抜き出すことができ、それによって、カバー(36)を、上記と逆の手順で、肘掛け支柱(14)の前面から簡単に外すことができる。
【0036】
この実施形態は、上記のような構成としてあるので、カバー(36)を外すことにより、ワイヤ(30)の中間部を、凹溝(22)内に前方より簡単に出し入れすることができ、ワイヤ(30)の組み付け、点検、および交換作業を、いつでも自由に、短時間で、簡単に行うことができる。
また、ワイヤ(30)の中間部を、凹溝(22)内に収容した後、カバー(36)を肘掛け支柱(14)の前面に装着することにより、凹溝(22)内に収容したワイヤ(30)が外部に露呈することがなく、美麗な外観を呈することができる。
【0037】
凹溝(22)の下端部を、椅子(1)における肘掛け支柱(14)の取付部(15)に設けたワイヤ挿通孔(19)に連通させ、凹溝(22)内に収容したワイヤ(30)を、ワイヤ挿通孔(19)に挿通させ、かつカバー(36)の下端部に設けた係止片(42)を、ワイヤ挿通孔(19)の開口部に係止させてあるので、カバー(36)の下端部を係止するための係合孔等を、肘掛け支柱(14)や、その取付部(15)等に特別に設ける必要がなく、構造を簡素化することができる。
また、ワイヤ挿通孔(19)の開口部に係止させた係止片(42)は、ワイヤ(30)がワイヤ挿通孔(19)の開口縁部に擦れて、傷つくのを防止するための保護材としても使用することができる。
【0038】
カバー(36)の下端部における、取付部(15)に当接する縁部に、肘掛け支柱(14)の凹溝(22)内に嵌合する後方を向く突片(41)を設け、この突片(41)の先端部側面に設けた係止片(42)を、突片(41)が取付部(15)に当接するようにして、ワイヤ挿通孔(19)の開口部に嵌合して係止させてあるので、肘掛け支柱(14)と、その取付部(15)と、カバー(36)との接合部分の体裁をよくすることができる。
【0039】
カバー(36)の上端部後面に、先端部に係合爪(38)を有する弾性係合片(39)を設け、この弾性係合片(39)を、肘掛け支柱(14)の前面、またはそこに取り付けた、操作レバー(25)を収容するハウジング(26)の前面に設けた係合孔(43)に嵌合し、係合爪(38)を、係合孔(43)の後端縁部に係止させてあるので、カバー(36)の上端部を、肘掛け支柱(14)の前面に、簡単かつ確実に、装着することができ、取り外しも容易である。
【0040】
また、カバー(36)の中間部後面に突設した突起(40)を、肘掛け支柱(14)の前面に設けたボス孔(44)に圧嵌してあるので、カバー(36)の装着時に、突起(40)をボス孔(44)に向かって、後方に押し込むだけで、簡単にカバー(36)の中間部が位置決めされて、体裁よく保持される。
【0041】
なお、上記の実施形態においては、取付部(15)は、背凭れ支持杆(8)に設けてあるが、これを支基(6)の側面や座体(10)の下部側面に形成し、肘掛け支柱(14)を支基(6)の側面や座体(10)の下部側面に取り付けることもある。
また、弾性係合片(39)を嵌合する係合孔(43)は、ハウジング(26)ではなく、肘掛け支柱(14)に直接設けてもよい。
さらに、操作レバー(25)は、肘当て(20)の前部下面に設けることもある。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の肘掛け装置の一実施形態を備える椅子の側面図である。
【図2】同じく、肘掛け装置の部分を斜め前方より見た斜視図である。
【図3】同じく、分解斜視面図である。
【図4】同じく、背凭れ支持杆の前端部とカバーの下端とを、斜め後方より見た分解斜視面図である。
【図5】同じく、操作レバー用のハウジングへのカバーの上部の取付状態を、斜め後方より見た斜視面図である。
【図6】肘掛け支柱の前上部を中央で縦断した拡大縦断側面図である。
【符号の説明】
【0043】
(1)椅子
(2)キャスタ
(3)脚杆
(4)脚体
(5)脚柱
(6)支基
(7)背凭れ
(8)背凭れ支持杆
(8a)前向腕部
(9)軸
(10)座体
(11)支持リンク
(12)軸受片
(13)軸
(14)肘掛け支柱
(14a)前支柱部
(15)取付部
(16)取付面
(17)突部
(18)ねじ孔
(19)ワイヤ挿通孔
(20)肘当て
(21)ボルト
(22)凹溝
(23)凹入段部
(24)凹入部
(25)操作レバー
(25a)操作部
(26)ハウジング
(26a)側壁
(27)取付ねじ
(28)軸
(29)ワイヤ掛け部
(30)ワイヤ
(31)ワイヤエンド部材
(32)アウターチューブ
(33)ボーデンケーブル
(34)ピン
(35)円弧孔
(36)カバー
(37)前面板
(38)係合爪
(39)弾性係合片
(40)突起
(41)突片
(42)係止片
(43)係合孔
(44)ボス孔
(S)間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座体の側方より起立する肘掛け支柱の上端に、前後方向を向く肘当てを設け、前記肘当ての前部または肘掛け支柱の前上部に、椅子の各部の位置もしくは付勢力等を調節する調節手段に連係されたワイヤを牽引する操作レバーを設けた椅子の肘掛け装置において、
前記肘掛け支柱の前面に、上下方向を向く凹溝を設け、この凹溝に、前記操作レバーに連係したワイヤを収容し、かつ前記凹溝の前面開口部を覆うカバーを、前記肘掛け支柱の前面に着脱自在に設けたことを特徴とする椅子の肘掛け装置。
【請求項2】
凹溝の下端部を、椅子における肘掛け支柱の取付部に設けたワイヤ挿通孔に連通させ、凹溝内に収容したワイヤを、前記ワイヤ挿通孔に挿通させ、かつカバーの下端部に設けた係止片を、前記ワイヤ挿通孔の開口部に係止させたことを特徴とする請求項1記載の椅子の肘掛け装置。
【請求項3】
カバーの下端部における前記取付部に当接する縁部に、肘掛け支柱の凹溝内に嵌合する後方を向く突片を設け、この突片の先端部側面に設けた前記係止片を、前記突片が取付部に当接するようにして、ワイヤ挿通孔の開口部に嵌合して係止させたことを特徴とする請求項2記載の椅子の肘掛け装置。
【請求項4】
カバーの上端部後面に、先端部に係合爪を有する弾性係合片を設け、この弾性係合片を、肘掛け支柱の前面、またはそこに取り付けた、操作レバーを収容するハウジングの前面に設けた係合孔に嵌合し、前記係合爪を、係合孔の後端縁部に係止させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の椅子の肘掛け装置。
【請求項5】
カバーの中間部後面に突設した突起を、肘掛け支柱の前面に設けたボス孔に圧嵌したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の椅子の肘掛け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−325667(P2007−325667A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−157672(P2006−157672)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)