椅子
【課題】前後方向にネスティング可能な椅子において、意匠性が高くかつ少ない部材構成により効率的かつ安定的な支持構成を有する椅子を提供するとともに、見た目でもネスティング可能な椅子であることを簡単に認識することが可能かつ、椅子を引き離す際にも簡単に引き離し方法を認識することが可能な椅子を提供することを課題とする。
【解決手段】上記課題を解決すべく、本発明は、背と座および脚部を有する椅子であって、前記座を水平状態から垂直状態に回動自在とし、当該座を垂直状態に跳ね上げた状態で、複数の前記椅子を前後方向に重ね合わせることが可能な椅子において、前記座の下面が当接して当該座を水平状態に保持する水平杆を有し、当該水平杆から、前記脚部における左右一対の前脚および後脚を左右方向に傾斜して延設し、かつ前面視において、左右一対の前脚が左右一対の後脚より外側または内側に位置することを特徴とする、椅子である。
【解決手段】上記課題を解決すべく、本発明は、背と座および脚部を有する椅子であって、前記座を水平状態から垂直状態に回動自在とし、当該座を垂直状態に跳ね上げた状態で、複数の前記椅子を前後方向に重ね合わせることが可能な椅子において、前記座の下面が当接して当該座を水平状態に保持する水平杆を有し、当該水平杆から、前記脚部における左右一対の前脚および後脚を左右方向に傾斜して延設し、かつ前面視において、左右一対の前脚が左右一対の後脚より外側または内側に位置することを特徴とする、椅子である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、背と座とを有する椅子であって、前記座を上方に跳ね上げた状態で前後方向に重ね合わせ（ネスティング）が可能な椅子に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、背と座とを有する椅子であって、前記座を上方に跳ね上げた状態で前後方向にネスティング可能な椅子が知られている。例えば、特許文献１に記載の椅子は、側面視で門形の前後脚を左右にそれぞれ有し、当該左右の脚間に水平な水平杆を架設してなる脚部であって、後脚をさらに上方へと延設して背を取り付けるとともに、座の後端を回動自在に軸支する構成である。そして、当該座の使用時において、座を水平に回動し、当該座の下面を前記水平杆で受ける構成である。
【０００３】
このような椅子においては脚部材を門形に成型すべく、脚パイプを略直角方向に大きく曲げる工程を要するため、成型工程が複雑で高コストといった欠点がある。特に、門形の脚部材のため使用するパイプ長が長く、パイプ材を多く使用するといった欠点がある。さらには、座を垂直方向に回動させネスティングする際に、脚部全体が前方に大きく張り出した状態で露出するため、見栄えがよくないといった欠点があった。
【０００４】
他方、特許文献２に記載の前後方向に積み重ね自在な椅子の構成は、側面視で前脚と後脚とが交わるようにそれぞれ傾斜させ、前脚をさらに上方に延長させるとともに当該前脚の上方に背凭れを取り付け、後脚を上方へと延長させるとともに当該後脚の上方に肘掛けを形成する構成である。この場合、左右の前脚と後脚との交差部分に水平杆を設けるとともに座を回動自在に軸支する構成であり、座の支持と回動部分とを１の水平杆で行うため、強度の高い水平杆を要し、かつ、回動機構が座を水平に止めるためのストッパ機構を要する。
【０００５】
また、上記何れの構成も、椅子の脚部が座の左右側面から垂下しているため、脚部の露出が大きく、脚杆に物がぶつかり傷等がつきやすいといった問題があった。また、通常のパイプ椅子との外見的な違いが小さいことから、意匠的な斬新さが感じられにくく、特に、使用者にとって座が回動自在でありネスティング可能であることが認識しづらいといった問題があった。
【０００６】
これに対して、垂直な支柱の下端より放射状に設けた脚からなる、ネスティング可能な椅子が開示されている。例えば、特許文献３に示す椅子は、座の下方から垂直に立設された支柱の下端から、放射状に等角度で５本の脚が均等に設けられ、２本の後脚の間に、後方の椅子における３本の前脚のうち中央の前脚を挿入する構成である。この場合、奇数本の脚を等角度で設けた構成であり、椅子の前後で脚の位置を異ならせしめ、複数の脚の間に１の脚を入り込ませて、前後方向に重ね合わせる構成である。このため、当該構成においては脚同士がぶつかりやすく重ね合わせが難しいといった欠点がある。
【０００７】
また、見た目にもネスティングが可能な椅子であることが認識しづらく、さらに、前後方向に重ねた状態であっても、複数の脚部が複雑に絡み合うため、椅子の引き出し方が少しでも横にずれると、脚同士がぶつかってしまい上手く引き離せないといった問題がある。
【０００８】
さらに、特許文献４の構成は、座の下方に立設した垂直な支柱の下端から、放射状に水平方向の脚を有し、かつ前脚と後脚との高さを変えることにより、後方の椅子の前脚を、前方の椅子の後脚の下方に収納する構成である。この場合、支柱の下端から水平方向かつ放射状に設けた脚構成であり、さらには、支柱部分が回転自在なため、前後の椅子を重ねるためには、脚を正位置に戻す必要がある。
【０００９】
何れにせよ、上記文献においては、座の下面に垂直に設けた支柱の外周から放射状に脚を設ける構成であり、支柱を介して脚が接地する構成のため、着座時における安定性が低く、脚を大きく広げて支柱を支持する必要がある。また、支柱から放射状に延設する複数の脚における隙間へと他方の椅子の脚を入れ込むため、ネスティングが難しいといった欠点がある。さらには、ネスティングが可能な椅子であることを脚の外観形状で認識しづらく、特に、前後の椅子を重ね合わせた状態で、椅子の脚が少しでも横方向にずれると、椅子を引き出す際に、脚同士がぶつかってしまい、後方の椅子の前脚が、前方の椅子の後脚の下方にはまり込んでしまうため、椅子を引き離すために、後方の椅子を持ち上げる必要があるといった手間を生じていた。
【００１０】
【特許文献１】特開２００１−１２８７７６号公報
【特許文献２】特開２００５−０７３７８８号公報
【特許文献３】特許第３４８２９０１号公報
【特許文献４】特許第３７３０１１９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１１】
本発明は、前後方向にネスティング可能な椅子において、意匠性が高くかつ少ない部材構成により効率的かつ安定的な支持構成を有する椅子を提供するとともに、見た目でもネスティング可能な椅子であることを簡単に認識することが可能かつ、椅子を引き離す際にも簡単に引き離し方法を認識することが可能な椅子を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
上記課題を解決すべく、本発明の請求項１に記載の発明は、背と座および脚部を有する椅子であって、前記座を水平状態から垂直状態に回動自在とし、当該座を垂直状態に跳ね上げた状態で、複数の前記椅子を前後方向に重ね合わせることが可能な椅子において、前記座の下面が当接して当該座を水平状態に保持する水平杆を有し、当該水平杆から、前記脚部における左右一対の前脚および後脚を左右方向に傾斜して延設し、かつ前面視において、左右一対の前脚が左右一対の後脚より外側または内側に位置することを特徴とする、椅子である。
【００１３】
当該構成によれば、少ない部材構成により、水平杆から、前記脚部における左右一対の前脚および後脚を左右方向に傾斜して延設し、かつ前面視において、左右一対の前脚が左右一対の後脚より外側または内側に位置する簡単な構成により、ネスティング可能な椅子を提供することが可能である。特に、前記脚部が座を保持する水平杆から放射状に延設されるため、高い安定性と意匠性を兼ね備える椅子を提供することが可能である。また、座を垂直状態に跳ね上げた際にも、脚部が前方へと大きく突出することがないため、高い意匠性および安全性を奏することが可能である。特に、複数の椅子を前後方向に重ね合わせた際にも、前脚同士および後脚同士がきれいに整列するため見た目もよく、使用者にとって、前後方向に密に重なり合う椅子の引き離し方向が容易に認識できる効果がある。
【００１４】
また、請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の椅子において、前記脚部における左右一対の前脚または後脚を、前記水平杆の略中央から延設したことを特徴とする。当該構成によれば、前脚および後脚が座の直下かつ中央付近から放射状に設けられるため、さらに高い意匠性と安定性とを兼ね備える椅子を提供することが可能である。
【００１５】
また、請求項３に記載の発明は、請求項１または２に記載の椅子において、前記前脚における左右方向への傾斜角と、前記後脚における左右方向への傾斜角とは、当該後脚の傾斜角が大であることを特徴とする。当該構成によれば、前脚と後脚との傾斜角度を異ならせる簡単な構成により、複数の椅子を重ね合わせることが可能な椅子を提供することが可能である。
【００１６】
また、請求項４に記載の発明は、請求項１または２に記載の椅子において、前記前脚における左右方向への傾斜角と、前記後脚における左右方向への傾斜角とは、当該後脚の傾斜角が大であることを特徴とする。当該構成によれば、前脚の開きが後脚の開きより大のため、着座者の足元の空間が広く取れる効果がある。よって、着座者が足を折り曲げて、座の下方に足元が入り込んでも、椅子の脚にぶつかることがない。
【００１７】
また、請求項５に記載の発明は、請求項１乃至４に記載の椅子において、前記水平杆の左右から後方へと左右杆を延設し、当該左右杆に前記背を取り付けるとともに前記座を回動自在に取り付けたことを特徴とする。当該構成によれば、脚部における水平杆の左右に、背凭れおよび椅子を支持することが可能であり、少ない部材で効率的に各部材を支持配置することが可能である。
【００１８】
また、請求項６に記載の発明は、請求項１乃至５に記載の椅子において、前記後脚または前脚に、重ね合わせた他の椅子の脚が当接する当接部材を設けたことを特徴とする。当該構成によれば、後脚または前脚に当接部材を形成する簡単な構成により、前後の椅子の間隔を簡単に調整することが可能である。さらには、複数の椅子の脚杆同士が直接当接して脚が傷付くことを防止することが可能であり、特に、前方の椅子における後脚と、後方の椅子における前脚とが、絡み合ってしまうことを防止して、複数の椅子を簡単かつ確実に引き離すことが可能である。
【発明を実施するための形態】
【００１９】
本発明の椅子１が好適に用いられる一例としては、図１に示すように、背１０と座３０および肘掛け４０を有する椅子１であって、左右一対の前脚２１と左右一対の後脚２２との計４本の脚を有する椅子１である。特に、この椅子１は、後述する、座３０を上方に跳ね上げた状態で、前後方向に重ね合わせる（ネスティング）ことが可能な椅子１である。特に、前脚２１および後脚２２が座３０の直下より放射状に設けられる構成により、ネスティング時に座を垂直状態に跳ね上げた際にも、脚部が前方へと大きく突出することがなく、高い意匠性を奏することが可能である。
【００２０】
以下に、本発明の椅子１の構成について詳述する。
本発明の椅子１は、図２に示すように、座３０および背１０を支持する脚部２０における水平杆２３の略中央から、前方かつ左右に傾斜して設けられた前脚２１と、後方かつ左右に傾斜して設けられた後脚２２とを有し、それぞれの脚２１，２２の下端には、脚端具２６を介してキャスター２８が取り付けられる。特に、後脚２２の内側には、内方へと突出する当接部材２９が取り付けられ、後述する、複数の椅子を前後方向に重ねた際に、後方の椅子の前脚２１が、当該後脚２２に設けた当接部材２９に当接するため、前後の椅子の位置決めを容易に行うことが可能である。
【００２１】
前記脚部２０における水平杆２３の左右には、さらに後方へと延設される左右杆２４を有し、当該左右杆２４の端部には、板状の取付部材２５が形成されている。そして、当該取付部材２５の外側へと前記背１０と肘掛け４０とを一体に取り付けるとともに、前記取付部材２５の内側へと、前記座３０を上下方向へと回転自在に軸支する構成である。
【００２２】
すなわち、前記背１０の左右からは下方へと、板状の取付部１２が延設され、当該取付部１２の内面および外面にはそれぞれ凹部１３が形成されている。他方、前記肘掛け４０の下方には、内面に凸部４２が形成されるとともに外面に凹部４３が形成されている。そして、肘掛け４０の前記凸部４２を、背１０における前記取付部１２の外面における前記凹部１３に取り付け、さらに、当該背１０における前記取付部１２の内面における前記凹部１３を、脚部における左右杆に形成された取付部材２５へと取り付けて、ビス等により、これらを取付部材２５へと一体に固定する構成である。さらに、肘掛け４０の外面に形成された凹部４３へとカバー部材４５を取り付けることにより、ビス等の部品を覆い隠す構成である。
【００２３】
また、前記座３０は、座面３１および当該座面３１を載置する座板３２とからなり、当該座板３２の左右後方には、上方へと突出する軸受け３４を有する。そして、左右杆２４の前記取付板２５に形成された軸孔へと前記座３０における座板３２の軸受け３４を軸支することにより、図３に示すように、座３０の後方を軸に水平状態と垂直状態とに回動させることが可能である。
【００２４】
すなわち、座３０の水平状態から上方へと回動し、座３０と背１０とが向き合い当接する位置において座３０の垂直状態となり、他方、座３０の垂直状態から下方へと回動し、座３０の下面における座板３２の窪み３３が、脚部２０の水平杆２３に載置される位置において、座３０が水平状態となる。そして、本発明の椅子１は、座３０を垂直状態に跳ね上げた状態で、図４に示すように、複数の椅子１を前後方向に重ね合わせる構成である。
【００２５】
次に、本発明の椅子１における前後方向へのネスティングについて詳述する。
本発明の椅子１は、前面視において、図５（ａ）に示すように、前脚２１が後脚２２の内側に位置する構成である。すなわち、図５（ｂ）に示すように、脚部２０における左右一対の前脚２１を前記水平杆２３の中央付近から前方かつ左右方向へと延設し、他方、左右一対の後脚２２を、前脚２１の左右外方から後方かつ左右方向へと延設した構成である。特に、前記前脚２１における左右方向への傾斜角αと、前記後脚２２における左右方向への傾斜角βとは、前記水平杆に対する前脚２１の傾斜角αが大となる構成である。そして、前脚２１の傾斜角αが後脚２２の傾斜角βより大のとき、後脚２２の開きが大となる構成である。
【００２６】
これにより、図６に示すように、脚部２０における前脚２１が、前方の椅子における後脚の間に入り込み、複数の椅子１を前後方向にネスティングすることが可能である。
また、左右一対の後脚２２における、上方かつ内側には、内方へと突出する当接部材２９をそれぞれ有し、複数の椅子を重ね合わせた際に、後方に椅子における前脚２１が、前方の椅子における後脚２２の当接部材２９に当接するため、前後の椅子の間隔を調節することが可能である。
【００２７】
すなわち、図７に示すように、複数の椅子１を前後方向に重ね合わせた際に、当該当接部材２９が、後方の椅子における前脚２１の上方に当接して、前後方向に複数の椅子１を重ね合わせた際の椅子同士の間隔を決めることが可能であり、図８に示すように、複数の椅子１をネスティングさせた際に、最前方の椅子１の後脚２２の当接部材２９に、中央の椅子１の前脚２１が当接して、椅子同士の間隔が固定され、さらに、中央の椅子１の後脚２２の当接部材２９に、最後方の椅子１の前脚２１が当接して、これらの間隔が決まる構成である。
【００２８】
これにより、前後の椅子の間隔を簡単に調整することが可能でり、さらには、脚杆同士が直接当接して脚が傷付くことを防止する効果がある。さらには、前方の椅子１における後脚２２と、後方の椅子１における前脚２１とが、絡み合ってしまうことを防止することが可能であり、前後の椅子１を簡単かつ確実に引き離すことが可能である。さらには、前後の椅子が決まった間隔をもって整然と整列するため、ネスティング時の見た目がきれいといった効果がある。
【００２９】
特に、本発明の椅子１は、座３０の下面を脚部２０の水平杆２３により受ける構成であり、かつ前後の脚２１，２２が略４５°の角度βをもって直線的に設けられるから、水平杆２３にかかる加重を前後方向かつ左右方向にバランスよく均一に分散させることが可能である。さらには、直線状の脚２１，２２を用いることにより複雑な曲げ工程を要さず、低コストで脚部２０を成型することが可能である。
【００３０】
そして、本発明の椅子１は、図９に示すように、複数の椅子を前後方向に重ね合わせた際にも、前脚同士２１，２１および後脚同士２２，２２がきれいに整列するため見た目もよく、さらには、使用者にとって、前後方向に密に重なり合う椅子の引き離し方向が容易に認識できる効果がある。
【００３１】
なお、上記例では、前脚２１が後脚２２より内側に位置する例を示したが、これに限らず、図１０に示すように、後脚２２が前脚２１より内側に位置する構成であってもよく、すなわち、前脚２１の開きが大であってもよい。何れにせよ、複数の椅子を前後方向に連続して重ね合わせることが可能な脚構成であれば、適宜脚構成を採用してもよい。
【００３２】
この場合、前記前脚２１、２２における左右方向への傾斜角αと、前記後脚２３，２４における左右方向への傾斜角βは、当該前脚２１，２２の傾斜角αが大であり、前脚間２１，２２の幅Ｘが後脚間２３，２４の幅Ｙより広いため（Ｘ＞Ｙ）、着座者の足元の空間が広く取れる効果がある。
【００３３】
よって、着座者が足を折り曲げて、座３０の下方に足元が入り込んでも、着座者の足が椅子の脚２０にぶつかりにくい効果がある。また、この場合においても、図１１に示すように、椅子１の前脚間２１，２２に、重ねあわせる椅子１の後脚２３，２４が入り込み、複数の椅子同士を密に重ね合わせることが可能である。
【００３４】
さらには、脚部２０の水平杆２３より延設する後脚２２が、前脚２１の左右（外側）から延設する例を示したが、これに限らず、前脚２１の直後から後脚２２が延設してもよく、前記前脚２１における、左右方向への傾斜角と、前記後脚２２における、左右方向への傾斜角とを異ならせ、当該後脚２２または前脚２１の何れかの傾斜角を大とすることにより、前面視において、脚部の下方にかけて、後脚または前脚が外側に位置する構成であってもよい。
【００３５】
以上のように、本発明の椅子１は、前後方向にスタッキングが可能な椅子１において、意匠性が高くかつ少ない部材構成により効率的かつ安定的な支持構成を有する椅子１を提供することが可能である。特に、脚部２０における前脚２１と後脚２２とが水平杆２３の略中央から下方にかけて放射状に延設することで、少ない部材で効果的に座３０を支持することが可能であり、さらには、水平杆２３の左右に背１０や座３０のみならず肘掛け４０等の各部材を効率的に支持することが可能である。また、最も加重のかかる水平杆２３から脚部材２０が放射状に延設されるため、着座時の安定性が高く、着座状態での椅子１の移動もスムースに行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【００３６】
【図１】本発明の椅子を示す斜視図である。
【図２】椅子を示す分解図である。
【図３】椅子の使用形態の一例を示す斜視図である。
【図４】椅子の使用形態の一例を示す斜視図である。
【図５】本発明の椅子を示す（ａ）前面図（ｂ）正面図である。
【図６】椅子の使用形態の一例を示す略下面図である。
【図７】椅子の使用形態の一例を示す正面図である。
【図８】椅子の使用形態の一例を示す側面図である。
【図９】椅子の使用形態の一例を示す略前面図である。
【図１０】本発明の椅子の別の例を示す斜視図である。
【図１１】椅子の使用形態の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【００３７】
１ 椅子
１０ 背凭れ（背）
１１ 背板
１２ 取付部
１３ 凹部
２０ 脚部
２１ 前脚
２２ 後脚
２３ 水平杆
２４ 左右杆
２５ 取付部材
２６ 脚端具
２８ キャスター
２９ 当接部材
３０ 座
３１ 座面
３２ 座板
３４ 軸孔
４０ 肘掛け
４５ カバー
【技術分野】
【０００１】
本発明は、背と座とを有する椅子であって、前記座を上方に跳ね上げた状態で前後方向に重ね合わせ（ネスティング）が可能な椅子に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、背と座とを有する椅子であって、前記座を上方に跳ね上げた状態で前後方向にネスティング可能な椅子が知られている。例えば、特許文献１に記載の椅子は、側面視で門形の前後脚を左右にそれぞれ有し、当該左右の脚間に水平な水平杆を架設してなる脚部であって、後脚をさらに上方へと延設して背を取り付けるとともに、座の後端を回動自在に軸支する構成である。そして、当該座の使用時において、座を水平に回動し、当該座の下面を前記水平杆で受ける構成である。
【０００３】
このような椅子においては脚部材を門形に成型すべく、脚パイプを略直角方向に大きく曲げる工程を要するため、成型工程が複雑で高コストといった欠点がある。特に、門形の脚部材のため使用するパイプ長が長く、パイプ材を多く使用するといった欠点がある。さらには、座を垂直方向に回動させネスティングする際に、脚部全体が前方に大きく張り出した状態で露出するため、見栄えがよくないといった欠点があった。
【０００４】
他方、特許文献２に記載の前後方向に積み重ね自在な椅子の構成は、側面視で前脚と後脚とが交わるようにそれぞれ傾斜させ、前脚をさらに上方に延長させるとともに当該前脚の上方に背凭れを取り付け、後脚を上方へと延長させるとともに当該後脚の上方に肘掛けを形成する構成である。この場合、左右の前脚と後脚との交差部分に水平杆を設けるとともに座を回動自在に軸支する構成であり、座の支持と回動部分とを１の水平杆で行うため、強度の高い水平杆を要し、かつ、回動機構が座を水平に止めるためのストッパ機構を要する。
【０００５】
また、上記何れの構成も、椅子の脚部が座の左右側面から垂下しているため、脚部の露出が大きく、脚杆に物がぶつかり傷等がつきやすいといった問題があった。また、通常のパイプ椅子との外見的な違いが小さいことから、意匠的な斬新さが感じられにくく、特に、使用者にとって座が回動自在でありネスティング可能であることが認識しづらいといった問題があった。
【０００６】
これに対して、垂直な支柱の下端より放射状に設けた脚からなる、ネスティング可能な椅子が開示されている。例えば、特許文献３に示す椅子は、座の下方から垂直に立設された支柱の下端から、放射状に等角度で５本の脚が均等に設けられ、２本の後脚の間に、後方の椅子における３本の前脚のうち中央の前脚を挿入する構成である。この場合、奇数本の脚を等角度で設けた構成であり、椅子の前後で脚の位置を異ならせしめ、複数の脚の間に１の脚を入り込ませて、前後方向に重ね合わせる構成である。このため、当該構成においては脚同士がぶつかりやすく重ね合わせが難しいといった欠点がある。
【０００７】
また、見た目にもネスティングが可能な椅子であることが認識しづらく、さらに、前後方向に重ねた状態であっても、複数の脚部が複雑に絡み合うため、椅子の引き出し方が少しでも横にずれると、脚同士がぶつかってしまい上手く引き離せないといった問題がある。
【０００８】
さらに、特許文献４の構成は、座の下方に立設した垂直な支柱の下端から、放射状に水平方向の脚を有し、かつ前脚と後脚との高さを変えることにより、後方の椅子の前脚を、前方の椅子の後脚の下方に収納する構成である。この場合、支柱の下端から水平方向かつ放射状に設けた脚構成であり、さらには、支柱部分が回転自在なため、前後の椅子を重ねるためには、脚を正位置に戻す必要がある。
【０００９】
何れにせよ、上記文献においては、座の下面に垂直に設けた支柱の外周から放射状に脚を設ける構成であり、支柱を介して脚が接地する構成のため、着座時における安定性が低く、脚を大きく広げて支柱を支持する必要がある。また、支柱から放射状に延設する複数の脚における隙間へと他方の椅子の脚を入れ込むため、ネスティングが難しいといった欠点がある。さらには、ネスティングが可能な椅子であることを脚の外観形状で認識しづらく、特に、前後の椅子を重ね合わせた状態で、椅子の脚が少しでも横方向にずれると、椅子を引き出す際に、脚同士がぶつかってしまい、後方の椅子の前脚が、前方の椅子の後脚の下方にはまり込んでしまうため、椅子を引き離すために、後方の椅子を持ち上げる必要があるといった手間を生じていた。
【００１０】
【特許文献１】特開２００１−１２８７７６号公報
【特許文献２】特開２００５−０７３７８８号公報
【特許文献３】特許第３４８２９０１号公報
【特許文献４】特許第３７３０１１９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１１】
本発明は、前後方向にネスティング可能な椅子において、意匠性が高くかつ少ない部材構成により効率的かつ安定的な支持構成を有する椅子を提供するとともに、見た目でもネスティング可能な椅子であることを簡単に認識することが可能かつ、椅子を引き離す際にも簡単に引き離し方法を認識することが可能な椅子を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
上記課題を解決すべく、本発明の請求項１に記載の発明は、背と座および脚部を有する椅子であって、前記座を水平状態から垂直状態に回動自在とし、当該座を垂直状態に跳ね上げた状態で、複数の前記椅子を前後方向に重ね合わせることが可能な椅子において、前記座の下面が当接して当該座を水平状態に保持する水平杆を有し、当該水平杆から、前記脚部における左右一対の前脚および後脚を左右方向に傾斜して延設し、かつ前面視において、左右一対の前脚が左右一対の後脚より外側または内側に位置することを特徴とする、椅子である。
【００１３】
当該構成によれば、少ない部材構成により、水平杆から、前記脚部における左右一対の前脚および後脚を左右方向に傾斜して延設し、かつ前面視において、左右一対の前脚が左右一対の後脚より外側または内側に位置する簡単な構成により、ネスティング可能な椅子を提供することが可能である。特に、前記脚部が座を保持する水平杆から放射状に延設されるため、高い安定性と意匠性を兼ね備える椅子を提供することが可能である。また、座を垂直状態に跳ね上げた際にも、脚部が前方へと大きく突出することがないため、高い意匠性および安全性を奏することが可能である。特に、複数の椅子を前後方向に重ね合わせた際にも、前脚同士および後脚同士がきれいに整列するため見た目もよく、使用者にとって、前後方向に密に重なり合う椅子の引き離し方向が容易に認識できる効果がある。
【００１４】
また、請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の椅子において、前記脚部における左右一対の前脚または後脚を、前記水平杆の略中央から延設したことを特徴とする。当該構成によれば、前脚および後脚が座の直下かつ中央付近から放射状に設けられるため、さらに高い意匠性と安定性とを兼ね備える椅子を提供することが可能である。
【００１５】
また、請求項３に記載の発明は、請求項１または２に記載の椅子において、前記前脚における左右方向への傾斜角と、前記後脚における左右方向への傾斜角とは、当該後脚の傾斜角が大であることを特徴とする。当該構成によれば、前脚と後脚との傾斜角度を異ならせる簡単な構成により、複数の椅子を重ね合わせることが可能な椅子を提供することが可能である。
【００１６】
また、請求項４に記載の発明は、請求項１または２に記載の椅子において、前記前脚における左右方向への傾斜角と、前記後脚における左右方向への傾斜角とは、当該後脚の傾斜角が大であることを特徴とする。当該構成によれば、前脚の開きが後脚の開きより大のため、着座者の足元の空間が広く取れる効果がある。よって、着座者が足を折り曲げて、座の下方に足元が入り込んでも、椅子の脚にぶつかることがない。
【００１７】
また、請求項５に記載の発明は、請求項１乃至４に記載の椅子において、前記水平杆の左右から後方へと左右杆を延設し、当該左右杆に前記背を取り付けるとともに前記座を回動自在に取り付けたことを特徴とする。当該構成によれば、脚部における水平杆の左右に、背凭れおよび椅子を支持することが可能であり、少ない部材で効率的に各部材を支持配置することが可能である。
【００１８】
また、請求項６に記載の発明は、請求項１乃至５に記載の椅子において、前記後脚または前脚に、重ね合わせた他の椅子の脚が当接する当接部材を設けたことを特徴とする。当該構成によれば、後脚または前脚に当接部材を形成する簡単な構成により、前後の椅子の間隔を簡単に調整することが可能である。さらには、複数の椅子の脚杆同士が直接当接して脚が傷付くことを防止することが可能であり、特に、前方の椅子における後脚と、後方の椅子における前脚とが、絡み合ってしまうことを防止して、複数の椅子を簡単かつ確実に引き離すことが可能である。
【発明を実施するための形態】
【００１９】
本発明の椅子１が好適に用いられる一例としては、図１に示すように、背１０と座３０および肘掛け４０を有する椅子１であって、左右一対の前脚２１と左右一対の後脚２２との計４本の脚を有する椅子１である。特に、この椅子１は、後述する、座３０を上方に跳ね上げた状態で、前後方向に重ね合わせる（ネスティング）ことが可能な椅子１である。特に、前脚２１および後脚２２が座３０の直下より放射状に設けられる構成により、ネスティング時に座を垂直状態に跳ね上げた際にも、脚部が前方へと大きく突出することがなく、高い意匠性を奏することが可能である。
【００２０】
以下に、本発明の椅子１の構成について詳述する。
本発明の椅子１は、図２に示すように、座３０および背１０を支持する脚部２０における水平杆２３の略中央から、前方かつ左右に傾斜して設けられた前脚２１と、後方かつ左右に傾斜して設けられた後脚２２とを有し、それぞれの脚２１，２２の下端には、脚端具２６を介してキャスター２８が取り付けられる。特に、後脚２２の内側には、内方へと突出する当接部材２９が取り付けられ、後述する、複数の椅子を前後方向に重ねた際に、後方の椅子の前脚２１が、当該後脚２２に設けた当接部材２９に当接するため、前後の椅子の位置決めを容易に行うことが可能である。
【００２１】
前記脚部２０における水平杆２３の左右には、さらに後方へと延設される左右杆２４を有し、当該左右杆２４の端部には、板状の取付部材２５が形成されている。そして、当該取付部材２５の外側へと前記背１０と肘掛け４０とを一体に取り付けるとともに、前記取付部材２５の内側へと、前記座３０を上下方向へと回転自在に軸支する構成である。
【００２２】
すなわち、前記背１０の左右からは下方へと、板状の取付部１２が延設され、当該取付部１２の内面および外面にはそれぞれ凹部１３が形成されている。他方、前記肘掛け４０の下方には、内面に凸部４２が形成されるとともに外面に凹部４３が形成されている。そして、肘掛け４０の前記凸部４２を、背１０における前記取付部１２の外面における前記凹部１３に取り付け、さらに、当該背１０における前記取付部１２の内面における前記凹部１３を、脚部における左右杆に形成された取付部材２５へと取り付けて、ビス等により、これらを取付部材２５へと一体に固定する構成である。さらに、肘掛け４０の外面に形成された凹部４３へとカバー部材４５を取り付けることにより、ビス等の部品を覆い隠す構成である。
【００２３】
また、前記座３０は、座面３１および当該座面３１を載置する座板３２とからなり、当該座板３２の左右後方には、上方へと突出する軸受け３４を有する。そして、左右杆２４の前記取付板２５に形成された軸孔へと前記座３０における座板３２の軸受け３４を軸支することにより、図３に示すように、座３０の後方を軸に水平状態と垂直状態とに回動させることが可能である。
【００２４】
すなわち、座３０の水平状態から上方へと回動し、座３０と背１０とが向き合い当接する位置において座３０の垂直状態となり、他方、座３０の垂直状態から下方へと回動し、座３０の下面における座板３２の窪み３３が、脚部２０の水平杆２３に載置される位置において、座３０が水平状態となる。そして、本発明の椅子１は、座３０を垂直状態に跳ね上げた状態で、図４に示すように、複数の椅子１を前後方向に重ね合わせる構成である。
【００２５】
次に、本発明の椅子１における前後方向へのネスティングについて詳述する。
本発明の椅子１は、前面視において、図５（ａ）に示すように、前脚２１が後脚２２の内側に位置する構成である。すなわち、図５（ｂ）に示すように、脚部２０における左右一対の前脚２１を前記水平杆２３の中央付近から前方かつ左右方向へと延設し、他方、左右一対の後脚２２を、前脚２１の左右外方から後方かつ左右方向へと延設した構成である。特に、前記前脚２１における左右方向への傾斜角αと、前記後脚２２における左右方向への傾斜角βとは、前記水平杆に対する前脚２１の傾斜角αが大となる構成である。そして、前脚２１の傾斜角αが後脚２２の傾斜角βより大のとき、後脚２２の開きが大となる構成である。
【００２６】
これにより、図６に示すように、脚部２０における前脚２１が、前方の椅子における後脚の間に入り込み、複数の椅子１を前後方向にネスティングすることが可能である。
また、左右一対の後脚２２における、上方かつ内側には、内方へと突出する当接部材２９をそれぞれ有し、複数の椅子を重ね合わせた際に、後方に椅子における前脚２１が、前方の椅子における後脚２２の当接部材２９に当接するため、前後の椅子の間隔を調節することが可能である。
【００２７】
すなわち、図７に示すように、複数の椅子１を前後方向に重ね合わせた際に、当該当接部材２９が、後方の椅子における前脚２１の上方に当接して、前後方向に複数の椅子１を重ね合わせた際の椅子同士の間隔を決めることが可能であり、図８に示すように、複数の椅子１をネスティングさせた際に、最前方の椅子１の後脚２２の当接部材２９に、中央の椅子１の前脚２１が当接して、椅子同士の間隔が固定され、さらに、中央の椅子１の後脚２２の当接部材２９に、最後方の椅子１の前脚２１が当接して、これらの間隔が決まる構成である。
【００２８】
これにより、前後の椅子の間隔を簡単に調整することが可能でり、さらには、脚杆同士が直接当接して脚が傷付くことを防止する効果がある。さらには、前方の椅子１における後脚２２と、後方の椅子１における前脚２１とが、絡み合ってしまうことを防止することが可能であり、前後の椅子１を簡単かつ確実に引き離すことが可能である。さらには、前後の椅子が決まった間隔をもって整然と整列するため、ネスティング時の見た目がきれいといった効果がある。
【００２９】
特に、本発明の椅子１は、座３０の下面を脚部２０の水平杆２３により受ける構成であり、かつ前後の脚２１，２２が略４５°の角度βをもって直線的に設けられるから、水平杆２３にかかる加重を前後方向かつ左右方向にバランスよく均一に分散させることが可能である。さらには、直線状の脚２１，２２を用いることにより複雑な曲げ工程を要さず、低コストで脚部２０を成型することが可能である。
【００３０】
そして、本発明の椅子１は、図９に示すように、複数の椅子を前後方向に重ね合わせた際にも、前脚同士２１，２１および後脚同士２２，２２がきれいに整列するため見た目もよく、さらには、使用者にとって、前後方向に密に重なり合う椅子の引き離し方向が容易に認識できる効果がある。
【００３１】
なお、上記例では、前脚２１が後脚２２より内側に位置する例を示したが、これに限らず、図１０に示すように、後脚２２が前脚２１より内側に位置する構成であってもよく、すなわち、前脚２１の開きが大であってもよい。何れにせよ、複数の椅子を前後方向に連続して重ね合わせることが可能な脚構成であれば、適宜脚構成を採用してもよい。
【００３２】
この場合、前記前脚２１、２２における左右方向への傾斜角αと、前記後脚２３，２４における左右方向への傾斜角βは、当該前脚２１，２２の傾斜角αが大であり、前脚間２１，２２の幅Ｘが後脚間２３，２４の幅Ｙより広いため（Ｘ＞Ｙ）、着座者の足元の空間が広く取れる効果がある。
【００３３】
よって、着座者が足を折り曲げて、座３０の下方に足元が入り込んでも、着座者の足が椅子の脚２０にぶつかりにくい効果がある。また、この場合においても、図１１に示すように、椅子１の前脚間２１，２２に、重ねあわせる椅子１の後脚２３，２４が入り込み、複数の椅子同士を密に重ね合わせることが可能である。
【００３４】
さらには、脚部２０の水平杆２３より延設する後脚２２が、前脚２１の左右（外側）から延設する例を示したが、これに限らず、前脚２１の直後から後脚２２が延設してもよく、前記前脚２１における、左右方向への傾斜角と、前記後脚２２における、左右方向への傾斜角とを異ならせ、当該後脚２２または前脚２１の何れかの傾斜角を大とすることにより、前面視において、脚部の下方にかけて、後脚または前脚が外側に位置する構成であってもよい。
【００３５】
以上のように、本発明の椅子１は、前後方向にスタッキングが可能な椅子１において、意匠性が高くかつ少ない部材構成により効率的かつ安定的な支持構成を有する椅子１を提供することが可能である。特に、脚部２０における前脚２１と後脚２２とが水平杆２３の略中央から下方にかけて放射状に延設することで、少ない部材で効果的に座３０を支持することが可能であり、さらには、水平杆２３の左右に背１０や座３０のみならず肘掛け４０等の各部材を効率的に支持することが可能である。また、最も加重のかかる水平杆２３から脚部材２０が放射状に延設されるため、着座時の安定性が高く、着座状態での椅子１の移動もスムースに行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【００３６】
【図１】本発明の椅子を示す斜視図である。
【図２】椅子を示す分解図である。
【図３】椅子の使用形態の一例を示す斜視図である。
【図４】椅子の使用形態の一例を示す斜視図である。
【図５】本発明の椅子を示す（ａ）前面図（ｂ）正面図である。
【図６】椅子の使用形態の一例を示す略下面図である。
【図７】椅子の使用形態の一例を示す正面図である。
【図８】椅子の使用形態の一例を示す側面図である。
【図９】椅子の使用形態の一例を示す略前面図である。
【図１０】本発明の椅子の別の例を示す斜視図である。
【図１１】椅子の使用形態の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【００３７】
１ 椅子
１０ 背凭れ（背）
１１ 背板
１２ 取付部
１３ 凹部
２０ 脚部
２１ 前脚
２２ 後脚
２３ 水平杆
２４ 左右杆
２５ 取付部材
２６ 脚端具
２８ キャスター
２９ 当接部材
３０ 座
３１ 座面
３２ 座板
３４ 軸孔
４０ 肘掛け
４５ カバー
【特許請求の範囲】
【請求項１】
背と座および脚部を有する椅子であって、前記座を水平状態から垂直状態に回動自在とし、当該座を垂直状態に跳ね上げた状態で、複数の前記椅子を前後方向に重ね合わせることが可能な椅子において、
前記座の下面が当接して当該座を水平状態に保持する水平杆を有し、当該水平杆から、前記脚部における左右一対の前脚および後脚を左右方向に傾斜して延設し、かつ前面視において、左右一対の前脚が左右一対の後脚より外側または内側に位置することを特徴とする、椅子。
【請求項２】
前記脚部における左右一対の前脚または後脚を、前記水平杆の略中央から延設したことを特徴とする、請求項１に記載の椅子。
【請求項３】
前記前脚における左右方向への傾斜角と、前記後脚における左右方向への傾斜角とは、前記前脚の傾斜角が大であることを特徴とする、請求項１または２に記載の椅子。
【請求項４】
前記前脚における左右方向への傾斜角と、前記後脚における左右方向への傾斜角とは、当該後脚の傾斜角が大であることを特徴とする、請求項１または２に記載の椅子。
【請求項５】
前記水平杆の左右から後方へと左右杆を延設し、当該左右杆に前記背を取り付けるとともに前記座を回動自在に取り付けたことを特徴とする、請求項１乃至４に記載の椅子。
【請求項６】
前記後脚または前脚に、重ね合わせた他の椅子の脚が当接する当接部材を設けたことを特徴とする、請求項１乃至５に記載の椅子。
【請求項１】
背と座および脚部を有する椅子であって、前記座を水平状態から垂直状態に回動自在とし、当該座を垂直状態に跳ね上げた状態で、複数の前記椅子を前後方向に重ね合わせることが可能な椅子において、
前記座の下面が当接して当該座を水平状態に保持する水平杆を有し、当該水平杆から、前記脚部における左右一対の前脚および後脚を左右方向に傾斜して延設し、かつ前面視において、左右一対の前脚が左右一対の後脚より外側または内側に位置することを特徴とする、椅子。
【請求項２】
前記脚部における左右一対の前脚または後脚を、前記水平杆の略中央から延設したことを特徴とする、請求項１に記載の椅子。
【請求項３】
前記前脚における左右方向への傾斜角と、前記後脚における左右方向への傾斜角とは、前記前脚の傾斜角が大であることを特徴とする、請求項１または２に記載の椅子。
【請求項４】
前記前脚における左右方向への傾斜角と、前記後脚における左右方向への傾斜角とは、当該後脚の傾斜角が大であることを特徴とする、請求項１または２に記載の椅子。
【請求項５】
前記水平杆の左右から後方へと左右杆を延設し、当該左右杆に前記背を取り付けるとともに前記座を回動自在に取り付けたことを特徴とする、請求項１乃至４に記載の椅子。
【請求項６】
前記後脚または前脚に、重ね合わせた他の椅子の脚が当接する当接部材を設けたことを特徴とする、請求項１乃至５に記載の椅子。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【公開番号】特開２０１２−１１０６６８（Ｐ２０１２−１１０６６８Ａ）
【公開日】平成２４年６月１４日（２０１２．６．１４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２０４５０（Ｐ２０１１−２０４５０）
【出願日】平成２３年２月２日（２０１１．２．２）
【出願人】（００００００５６１）株式会社岡村製作所 (1,415)
【公開日】平成２４年６月１４日（２０１２．６．１４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年２月２日（２０１１．２．２）
【出願人】（００００００５６１）株式会社岡村製作所 (1,415)
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