説明

植え込み型マイクロ電子デバイス及びその作製方法

植え込み型気密封止マイクロ電子デバイス及びその作製方法が開示される。本発明のマイクロ電子デバイスは、イオンビーム援用蒸着(IBAD)によって形成された絶縁体、例えばアルミナ内に気密封入され、生体適合性導電層のスタックが、マイクロ電子デバイスに設けられた接触パッドから気密層に設けられた孔まで延びている。好ましい実施形態では、1つ又は2つ以上のパターン形成チタン層がマイクロ電子デバイスの接触パッド上に形成されると共に1つ又は2つ以上の白金層がチタン層上に形成されていて、上側の白金層の頂面がマイクロ電子デバイスのための外部生体適合性電気接点を構成するようになっている。好ましくは、下側導電層は、マイクロ電子デバイスの接触パッドよりも大きく、スタック中の層が、肩を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合衆国国立衛生研究所によって認可された許可番号R24EY12893-01を受けて政府の支援によりなされたものである。合衆国政府は、本発明に関する或る特定の権利を有する。
【0002】
本発明は、植え込み型医用デバイスに関し、特に、植え込み型マイクロ電子デバイスに関する。
【0003】
〔関連出願の参照〕
本願は、2005年11月2日に出願された米国仮特許出願第60/732,884号(発明の名称:Implantable Microelectronic Device and Method of Manufacture)の優先権主張出願であり、この米国仮特許出願を参照により引用し、その開示内容を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0004】
生体適合性は、体内に植え込まれるように設計された医療デバイスに関して重要な問題である。生体適合性は、被験者における副作用又は有害反応を回避すると共に腐食性の生理食塩水としての体液及びインプラントの周りの組織中の他の物質への暴露の結果としてのデバイスの故障を回避するために必要である。植え込み型デバイスがそれ自体生体適合性ではない1つ又は2つ以上の部品を含む場合、生体適合性を達成するために、即ち、有害反応及びデバイス劣化を回避するために、化学的に不活性の被膜によってかかるデバイスを気密封止することが知られている。多くのかかる植え込み型デバイスは、長期間にわたって定位置に位置したままであることが意図されており、気密封止の仕方に長寿命要件が課される。
【0005】
植え込み可能な超小型医用デバイスとしては、一般に、マイクロ電子部品、例えば、シリコン基板上に実装された集積回路チップが挙げられる。酸化アルミニウム(Al23)と呼ばれる場合の多いアルミナのイオンビーム援用蒸着(IBAD)が、かかるデバイスを気密封止するために提案された。アルミナは、良好な生体適合性を有し、IBADは、高密度で密着性(付着力)があり、しかも欠陥の無いコンフォーマル薄膜を蒸着させる有用な技術である。アルミナを植え込み型医用デバイスに蒸着させるためのIBADの使用法が、米国特許第6,844,023号明細書(発明の名称:Alumina Insulation For Coating Implantable Components And Other Microminiature Devices)に記載されており、この米国特許を参照により引用し、その開示内容を本明細書の一部とする。
【0006】
大抵の植え込み型マイクロ電子デバイスは、電力をデバイスに供給する目的で又は電気信号をデバイスに授受するためにデバイスに接続可能な手段を必要とする。かかる手段としては、例えば、電流を周囲の組織に流すことにより動作する刺激装置や周りの組織の化学的又は電気的性質を計測するセンサが挙げられる。絶縁体、例えばアルミナが気密封止を行うためにデバイスに蒸着される被膜として用いられる場合、一般に、アルミナを通って外部接点に至る導電経路が必要とされる。標準型シリコン処理技術を用いてシリコン上に実装される植え込み型デバイスの場合、デバイス上の接触パッドは、通常は、銅又はアルミニウムであり、これらはいずれも生体適合性ではない。かくして、半導体デバイスから成る接触パッドは、周囲のアルミナ層にパターン形成することにより単に露出状態のままにしておくことはできない。
【0007】
密閉された植え込み型電子デバイスに接続可能な手段を提供する必要性に取り組んだ先行技術の構造が、米国特許第6,516,808号(発明の名称:Hermetic Feedthrough For An Implantable Device)(以下、「第´808号特許明細書」と言う場合がある)に開示されており、かかる米国特許も又参照により引用し、その開示内容を本明細書の一部とする。第´808号特許明細書は、「気密」電気フィードスルー構造の幾つかの実施形態を記載している。かくして、この米国特許明細書の図5A及び図5Bは、単純なバイア構造を示し、図6A,図6B及び図7の実施形態は、高い「気密性」をもたらすといわれている「曲がりくねった(蛇行性)」フィードスルー構造を示している。蛇行性フィードスルー構造に関する第´808号特許明細書における議論の暗黙の了解は、この米国特許の発明者によって確認されているように、先行技術の簡単なバイアフィードスルー構造が、特にこれらが長期間にわたって体内にとどまる用途では、適度に気密性ではないということである。蛇行性構造の使用によりこの不適切さが解決される場合があるが、かかる構造は、一般に、作製するのが困難であり、場合によっては、デバイスの表面上に貴重な「財産」を消費する。
【0008】
電気絶縁コンフォーマル膜を通る気密電気経路を提供する別の対策が、共通譲渡された米国特許第6,858,220号明細書(以下、「第´220号特許明細書」と言う場合がある)に記載されており、この米国特許を参照により引用し、その開示内容を本明細書の一部とする。第´220号特許明細書は、極めて薄い(例えば、40nm)ウルトラナノ結晶ダイヤモンド被膜を記載しており、この場合、膜を通る電気経路は、選択的イオン打込みによって作られる。残念ながら、この解決策の適用分野は、イオン打込みによって適切に導電性にすることができる極めて薄い膜に限られている。
【0009】
したがって、植え込み型マイクロ電子デバイスと封入絶縁体の表面との間のフィードスルーの良好な気密封止をもたらす構造が必要とされている。
【0010】
【特許文献1】米国特許第6,844,023号明細書
【特許文献2】米国特許第6,516,808号
【特許文献3】米国特許第6,858,220号明細書
【発明の開示】
【0011】
第1の観点では、本発明は、植え込み型マイクロ電子デバイスであって、非生体適合性材料で作られた電気接触パッドと、電気接触パッド上に形成された複数の薄い生体適合性パターン形成導電層とを有し、パターン形成導電層の頂面は、電気接点を構成し、第1の導電層が、電気接触パッドと直接的接触状態にあり、マイクロ電子デバイスが、このデバイスを気密的に包囲した生体適合性電気絶縁材料を更に有し、電気絶縁材料は、孔を有し、電気接点がこの孔内に位置決めされていることを特徴とする植え込み型マイクロ電子デバイスに関する。好ましくは、電気絶縁材料は、生体適合性セラミック、例えばアルミナであり、パターン形成導電層は、1つ又は2つ以上のチタン層上に形成された1つ又は2つ以上の白金層を有する。マイクロ電子デバイスは、集積回路チップであるのが良く、従って、電気接触パッドは、アルミニウム又は銅である。好ましくは、第1のパターン形成導電層は、その横方向寸法が接触パッドよりも大きく、従って、第1のパターン形成導電層は、接触パッドの縁を越えて延びて肩を形成するようになっている。
【0012】
別の観点では、本発明は、植え込み型デバイスであって、電気絶縁材料によって包囲された導電接触パッドを備えたマイクロ電子デバイスと、接触パッド上に形成されていて接触パッドの縁を越えて延びる少なくとも1つのパターン形成チタン層と、チタン層上に形成された少なくとも1つのパターン形成白金層とを有し、プラチナ層は、露出された上側接触面を有し、植え込み可能なデバイスは、マイクロ電子デバイス及びパターン形成層を気密的に包囲したアルミナ層を更に有し、アルミナ層は、上側接触面を露出させる孔を有することを特徴とする植え込み型デバイスに関する。好ましくは、植え込み型デバイスは、複数のパターン形成チタン層及び複数のパターン形成白金層を有し、パターン形成チタン層のうちの1つは、肩を構成する。
【0013】
別の観点では、本発明は、電気接点を有する植え込み型デバイスの作製方法であって、(1)接触パッドを備えた電気デバイスを用意するステップを有し、(2)複数の生体適合性パターン形成導電層を接触パッド上に形成するステップを有し、複数の導電層は、接触パッド上に形成された第1の層及び電気接触頂面を有し、(3)気密生体適合性電気絶縁層を結果的に得られた構造体上に形成するステップを有し、(4)孔を電気絶縁層に形成して電気接触面を露出させるステップを有することを特徴とする方法に関する。好ましくは、気密生体適合性電気絶縁層は、イオンビーム援用蒸着により形成されたセラミック材料、例えばアルミナである。同様に、好ましくは、パターン形成導電層は、金属、例えばチタンや白金のイオンビーム援用蒸着により形成され、少なくとも1つのパターン形成導電層は、これが接触パッドの縁を越えて延びるよう接触パッドよりも大きい。加うるに、好ましくは、パターン形成導電層のうちの少なくとも1つは、肩を有する。孔を形成するステップは、好ましくは、レーザ加工の使用を含む。オプションとして、犠牲層を電気接触頂面上に形成して電気接触頂面が次に行われる処理中に保護されるようにするのが良い。しかる後、犠牲層を除去するのが良い。
【0014】
本発明の上記観点及びこれに付随する利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むと容易に明らかになろう。
【0015】
図中、図示の或る特定のコンポーネント、観点又は特徴を指示するために参照符号が用いられており、2つ以上の図に共通の参照符号は、図示の同一のコンポーネント、観点又は特徴を指示している。本発明を記載するために用いられる図面のうちで縮尺通りに作成されているものはなく、種々の特徴及び寸法形状は、説明を容易にするために大幅に誇張されていることに留意されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
一般に、本発明は、優れた気密性を備える外部電気接触面を備えた植え込み可能な超小型電子デバイス及びその製造方法に関する。
【0017】
本発明の植え込み型マイクロ電子デバイス10の例示の実施形態が、図1の単純化された断面図に記載されている。シリコン集積回路チップ(以下“IC”と言う場合がある)20が、頂部に位置する電気絶縁(パッシベーション)層30及び層30を貫通してIC20の表面まで延びる電気接触パッド40を有している。本発明の例示の実施形態をIC20と関連して説明するが、本発明は、シリコン上に実装されるかどうかにかかわらず、気密電気接続を必要とする他形式のマイクロ電子デバイスにも有用である。したがって、本発明は、ICチップへの利用に制限されるものと解されてはならない。
【0018】
図1には接触パッド40が1つしか示されていないが、当業者であれば理解されるように、ICは、一般に、多数のかかるパッドを有する。接触パッド40は、標準型シリコンIC設計及び作製技術に従って銅、アルミニウム又はアルミニウム合金で作られる。上述したように、かかる材料は、生体適合性ではなく、従って、これらを気密的に隔離することが必要である。かくして、本発明によれば、IC接触パッド40の上には、適当な気密性且つ生体適合性を備えた金属又は他の導電材料の多数の層が位置している。図1に示す例示の実施形態では、好ましくはチタンから成る2つのパターン形成層60a,60bの頂部上に形成された好ましくは白金の2つのパターン形成層50a,50bが設けられている。変形例として、パターン形成層は、イリジウム、パラジウム、ニオブ、窒化チタン又は他の生体適合性金属又は金属合金で作られても良い。チタンの2つの層及び白金の2つの層が示されているが、これら気密性導体又は他の類似の気密性導体の任意適当な数の層を用いても良く、これについては以下に詳細に説明する。最も上に位置する導電層、即ち白金層50aの上面55は、デバイス10の電気接触パッドとしての役目を果たす。デバイス全体は、ICチップ20を気密的且つ電気的に隔離する生体適合性の電気絶縁材料70、例えばアルミナ内に封入されている。上側接触面55への接近を可能にするために孔80が周囲のアルミナ70を貫通して形成されており、それによりデバイスとの電気的接続が可能になる。
【0019】
本発明の特徴は、層60bがその横方向寸法において接触パッド40よりも大きいことにある。かくして、例えば、接触パッド40が半径rの円の形をしている場合、層60bは、半径Rを有するよう寸法決めされるのが良く、この場合、R>rである。変形例として、接触パッド40が一辺がaの正方形である場合、層60bは、一辺がAを有するのが良く、この場合、A>aである。層60bが接触パッド40と同一の形状を有することは必要条件ではない。かくして、パッド40は、正方形であっても良く、他方、層60bは、円形であっても良い。本発明の特徴によれば、重要なことは、層60bがあらゆる方向においてパッド40の縁を越えて延びることである。以下に詳細に説明するように、これにより、パッド40の良好な気密的隔離が得られると共に作製中における僅かなマスクの位置合わせ不良が補償される。
【0020】
次に、図2A及び図2Bを参照して例示のデバイス10の作製方法について説明する。本発明に用いられるICチップ20又は他のデバイスの作製及び設計は、本発明の新規な部分ではないので、説明を行わない。チタンの多数の層60a,60bをIC接触パッド40の頂部上に作製する。上述したように、2つの層が図示されているが、任意適当な数の層を用いることができる。或る用途では、単一のチタン層で十分な場合がある。理解されるように、各追加の層は、費用及び処理時間を増大させる。他方、2つ以上の層を用いることにより、気密性が向上する。
【0021】
本発明によれば、パッド40の上に位置する少なくとも第1のチタン層及び好ましくはチタン層の全ては、パッド40よりも面積の広がりが大きく、従って、これらチタン層は、パッド40の縁全体を越えて延びるようになっている。上述したように、これにより、位置合わせの不正確さが補償されると共にパッド40の表面が完全に覆われるようになる。底部に位置するチタン層60bの一部分が、IC絶縁層30上に蒸着されるので、絶縁層は、チタンとの密着性を高めるよう予備処理されるのが良い。予備処理方法としては、スパッタリング、RIE(反応性イオンエッチング)、酸素エッチング、プラズマ処理又はこれら方法のうちの2つ又は3つ以上の組み合わせが挙げられる。
【0022】
好ましくは、標準型リソグラフィーによって形成された1つ又は2つ以上のマスク層(図示せず)を用いてチタン蒸着場所を定める。好ましくは、チタン蒸着は、イオンビーム援用蒸着(以下、“IBAD”と言う場合がある)を用いて行われる。具体的に説明すると、マスクを施したIC基板を凝縮チタンイオン源の上方に保持し、その状態で同時に、この基板にプラズマ、アルゴンからのイオンを当てる。当業者であれば理解されるように、イオンビームエネルギー、電流密度及びチタン原子のフラックスを注意深く制御することにより、高密度の比較的欠陥の無いチタン層を得ることができる。チタンのIBAD蒸着中、基板を回転させて層の一様性を向上させるのが良い。追加のチタン層を同様に蒸着させるのが良い。本発明を実施する一方法では、基板の回転を次々に連続した層毎に逆転させる。
【0023】
チタンが植え込み型デバイス10の用途に適当である場合、この時点で金属蒸着を停止させる場合がある。しかしながら、好ましい実施形態によれば、1つ又は2つ以上の白金層をチタン層上に蒸着させる。上述したように、IBADを利用して白金層を蒸着させるのが良い。しかしながら、最適のプロセスパラメータ、即ち、イオンビームエネルギー、電流密度及び原子のフラックスは、上記とは異なるであろう。図2Aに示すように、白金層50a,50bの直径を下に位置するチタン層60a,60bよりも小さく設定してチタンの露出した肩又は環状体が得られるようにすることが好ましい。チタンの肩65は、上に位置する電気絶縁気密材料の密着性(付着力)促進手段としての役目を果たす。しかしながら、チタンの肩を用いることが必要であるというわけではなく、その代わりに、導電層の全てが、実質的に同一の直径を有しても良い。
【0024】
次に、好ましくは、薄い犠牲チタン層200を最も上に位置する白金層50aの頂部上に蒸着させて次に行う処理中、電気接触面55を保護する。犠牲チタン層を他の金属層に関して説明した仕方と類似した仕方で、即ち、フォトリソグラフィー及びIBADを用いて形成するのが良い。注目されるように、犠牲層200は、一時的であることが意図されているので、これは、他の層と同一の結合性を備える必要はない。
【0025】
図2Bに示すように、種々のチタン層及び白金層を蒸着した後、デバイス全体を絶縁体、例えばアルミナ内に気密封入する。上述したように、周囲のアルミナ70は、IBADを用いて公知の仕方で蒸着されるのが良い。公知のように、デバイスを気密封入するようアルミナを蒸着するには、デバイスを蒸着ステップ相互間で再位置決めしてデバイスの全ての表面が露出されるようにする処理ステップを繰り返し実施することが必要な場合がある。これは、多数の層を構成するものとして考えられるが、本発明の目的上、これら多数の層は、ひとまとめに、単一の気密層であると見なされる。アルミナを用いることが好ましいが、他の電気絶縁材料を使用しても良い。
【0026】
長持ちのする気密シールを得るために、デバイスを封入するために選択される材料は、露出面に強固に付着又は密着することが必要である。処理中又は処理後に受ける機械的応力又は熱応力に起因する層相互間のインターフェイスのところの密着性の低下により、流体がデバイス内に入り込むことができる漏れ経路が生じる場合がある。肩65は、アルミナ70と白金層50a,50bとの間の密着性が低下した場合に流体の入り込みを防ぐバリヤとしての役目を果たすことが注目される。加うるに、チタン層60bがIC接触パッド40の縁を越えて延びているということにより、パッドの表面への流体の移動を止める別のバリヤが更に得られる。
【0027】
チタンは、その強力な密着性(付着力)に鑑みて、本発明において用いるのに好ましい。具体的に説明すると、チタンは、IC上のアルミニウム又は銅パッドと白金及びアルミナの両方に強力にくっつく。チタンは、白金よりもコストが低いだけでなく、特にアルミニウムのICパッドに関して良好な密着性を備えている。しかしながら、用途によっては、白金だけを用いることが許容される場合がある。
【0028】
図2Bに示すように、気密絶縁体70は、デバイスを完全に封入する。しかる後、絶縁体70を貫通して孔を形成して電極構造体を露出させる。本発明の植え込み型デバイスを作製する一方法では、レーザ穴開けにより孔を作る。次に、犠牲層200の残りの部分を例えば適当なエッチング法、好ましくは、チタンを選択的にエッチングするエッチング法により除去するのが良い。その結果得られた構造体が、先に説明した図1に示されている。必要ならば、次に、適当な生体適合性ワイヤ(図示せず)を例えばワイヤボンディングにより表面55に取り付けるのが良い。
【0029】
さらに、図3に示すように、追加の金属90、好ましくは白金、パラジウム、イリジウム又はこれらの合金を孔80内に堆積させて神経組織との接触性を向上させるのが良い。これは、幾つかの方法で達成できるが、好ましくは電気めっきにより達成される。図3は、マッシュルーム形電極を示しているが、電極は面一であっても良く凹状であっても良いことは注目されるべきである。
【0030】
露出したパッシベーション処理が行われていないアルミニウム電極の表面を電流駆動装置に接続する。電流は、この電極を通って人体内に流れる。露出面は、刺激電極ではなく、バイア又は記録電極であるのが良い。露出面は、円形であるのが良い。金属又は金属、合金若しくは層の組み合わせをこの表面の頂部上に蒸着させるのが良い。先ず最初にチタン金属を円形アルミニウム金属よりも大きな半径をなして蒸着させてチタン金属が元々存在するパッシベーションとオーバーラップするようにすることが好ましい。これにより、アルミニウムは完全に覆われるようになる。チタンの蒸着をIBADによって行う。基板を凝縮チタン原子の源上に保持し、その状態で同時に、これにイオン、代表的にはAr+を当てる。イオンビームエネルギー、電流密度及び原子到達量を正確に制御して金属膜が可能な限り高密度に成長するようにする。基板のホルダは、蒸着一様性を増大させるために回転し続ける。場合によっては、ホルダが逆方向に回転している状態で、チタンの第2の層を蒸着させる場合がある。2つ又は3つ以上の層は、気密膜の品質を向上させる。
【0031】
最終の白金層を好ましくは蒸着させる。チタン中間層は、2つの目的を達成する。チタンにより、気密性を促進する一方で、高価な白金の消費を少なくする或る程度の厚さの金属の堆積が可能である。チタン層は、密着性を促進する。というのは、白金層は、チタンには良くくっつくが、アルミニウムには同じようにはくっつかないからである。白金が、母材又は下地材料に良好にくっつく場合、チタンのような密着用の層は不要である。
【0032】
金属としての白金を同様な仕方で蒸着させる。ただし、ビームエネルギー、電流密度及び原子到達量のような最適のプロセスパラメータは、上記とは異なるであろう。気密性を一段と保証するために2つ又は3つ以上の白金層を蒸着させることが好ましい。白金電極の直径をチタン電極の直径よりも小さくしてチタンが次に蒸着させることができる膜に対する密着性促進手段として役立つ材料の露出環状体を有するようにすることが好ましいが、必要不可欠ではない。この方法によれば、任意の数の気密金属層を蒸着させることができる。
【0033】
犠牲金属のキャップ層が好ましい。基板の次の処理が電極の表面を損傷させる恐れのあるプロセスを含む場合、先ず最初に犠牲金属を蒸着させるのが良い。この層は、損傷を受け持つことができ、次に例えばエッチングによりこれを除去して所望の金属の本来の表面を露出させるのが良い。チタンを約≦5μmの厚さまで白金表面上に蒸着させるのが良い。その後のレーザへの暴露の結果として、チタンが溶融する。残留チタンをエッチング剤によって除去するのが良く、このエッチング剤は、チタンを除去するが、下に位置する白金には影響を及ぼさない。
【0034】
過酷な環境条件の下で蒸着された膜のパターン形成が、イオンビーム援用蒸着(IBAD)によって達成され、かかるIBADにより、基板は、高温、高真空及びイオンビーム衝撃にさらされる。これについては、エフ・エー・スミット(F.A. Smidt)著,「インターナショナル・マテリアル・レビューズ(International Materials Reviews)」,35,1990年,p.61及びジェイ・ケイ・ヒルボネン(J.K. Hirvonen)著,「マテリアルズ・サイエンス・レポート(Mater. Sci. Rep.)」,6,1991年,p.1を参照されたい。
【0035】
リフトオフ(リバースエッチングと呼ばれる場合がある)技術が望ましい場合、ほんの僅かな共通フォトレジストが、この環境に耐えて生き残る。さらに、機械的なシャドウマスクは、レイアウト設計基準を満たすことができない場合がある。本発明は、パターン形成マスクとしてポリイミドのようなポリマーを用いる新規な手法を提供する。他のポリマーは、熱可塑性ポリイミド(Imidex(登録商標))、エポキシ樹脂、パリレン(parylene)、シリコーン、液晶ポリマー又はPEEK(Victrex(登録商標))である。この方法は、ASIC(特定用途向けIC)部品の刺激電極の集積化中に有用である。「ピールオフリフトオフ(Peel Off Lift Off)」(P.O.L.O.)パターン形成という方法は、予期せぬことに且つ驚くべきことに、シリコンASICデバイス上に高解像度高アスペクト比の多層金属ポスト構造体を形成した。
【0036】
2つのパターン形成方法は、マイクロ電子プロセス、エッチバック法及びリフトオフ法に常用されている。エッチバック法では、材料のブランケット層を基板表面全体に蒸着させる。次に、蒸着材料が望ましくない領域をサブトラクティブ式マイクロマシニングによって除去する。サブトラクティブ式マイクロマシニングステップは、化学的又は機械的手段によって過剰材料の除去前にフォトリソグラフィー又は他のマスク法を必要とする場合がある。リフトオフ法では、パターン形成マスクを追加の材料の被着に先立って基板表面上に配置する。次に、マスク層を剥取り、後には、新たな層の存在が望ましい領域にのみ新たな層が残る。
【0037】
一体形神経刺激器は、Al電極アレイと一体化されたSi製ASICチップの形態を取る場合がある。電極アレイを神経刺激に適したものにするために、Al電極は、他の生体適合性電極材料、例えばTi及びPtによって覆われる必要がある。他の導電性且つ生体適合性金属は、パラジウム、金又は銀である。他の導電性且つ生体適合性材料としては、イリジウム、酸化イリジウム又は窒化チタンが挙げられる。この方法の利点としては、AlのPt及びTi被覆により、チップ生体適合性が得られること、金属スタックアップ層により提供される気密性が、神経刺激中、チップの内側への水分の流入を阻止すること、及び外側Pt層が、それほど腐食及び劣化を生じないで、長期間にわたる刺激に良好に耐えることにある。
【0038】
金属Ti,PtのIBAD蒸着は、結果的に、これら利点を達成する上で効果的である。しかしながら、IBADでは、例えば高い温度及び低い圧力が必要である。P.O.L.O.法は、スムーズな条件を適用することによって驚くべき結果をもたらす。
【0039】
P.O.L.O.法は、元々備わっている酸化物又は追加の酸化物又は窒化物のパッシベーションの表面を備えたシリコン基板で始まる。表面パッシベーションに設けられた開口部は、アルミニウムボンディングパッドまで存在する。ウェーハの形態のこの基板上に、ポリイミド前駆物質の5μm〜15μm、好ましくは約8μm厚さの膜をスピンコーティングし、次にこれをポリイミドの状態に硬化させる。次に、薄膜アルミニウムマスク層をポリイミド表面上にスパッタリングし、伝統的な暗視野リソグラフィーを用いてパターン形成を行う。アルミニウムに開口部として今や存在する特徴部は、反応性イオンエッチングシステムを用いてポリイミド膜中に移される。下に位置するシリコン基板上のアルミニウムボンディングパッドは、次のRIEプロセスに対する優れたエッチング停止部としての役目を果たす。周りのパッシベーション材料は、高いエッチング速度選択性を示し、その結果、反応体化学種にさらされる材料の除去がほんの僅かになる。パッシベーション層の部分的エッチングは、過剰に行われない限り有益な場合がある。というのは、清浄さ及び僅かな粗さがパッシベーション層に作られることにより、金属蒸着物とパッシベーション層との間の結合が強固になるからである。
【0040】
露出したウェーハ表面は、RIE残滓を除去するようクリーニングされるべきであり、次に追加の処理が行われる。DI(脱イオン)水中でのウェーハの超音波クリーニングを3分間行う。所望の開口部をポリイミド膜に作った後、ウェーハをIBADチャンバ内に配置して2μm〜8μm、好ましくは約4μmのチタン層の蒸着を行う。元々の薄膜アルミニウムマスクを定位置に残し又はIBAD処理前に除去して蒸着金属の汚染の恐れを回避するのが良い。IBADチタンプロセスが完了すると、ウェーハをチャンバから取り出してリフトオフの実施に備えて準備する。ウェーハを場合によっては1μm〜5μm、好ましくは約3μmの白金又はチタンの第2のIBAD膜で被覆する。ウェーハの銀を後側から劈開し、これをウェーハフェース上を横切って引っ張ることによりポリイミド膜をシリコン表面から剥がし、これと一緒に所望の特徴配設場所のガイドから全ての金属を取り出す。その結果得られたウェーハ表面は、滑らかであり且つ残滓が含まれていない。
【0041】
このプロセスを幾つかのプロトタイプのウェーハに対して繰り返し実施して第1の組をなすチタンポストの頂部上への小径の第2の金属層のパターン形成を可能にする。第2の膜は、3μmの白金及び(又は)チタンを含んでいる。部品を裸のシリコンウェーハ上に実装し、窒素で不動態化する。ポスト特徴部を面積アレイ方式でレイアウトして基本的なピールオフ概念を考察し、IBAD材料ポスト密着性を検査し、そして多層処理の実施可能性を確認する(ポリイミドの平坦化に関する追加の技術的努力を行わないで)。種々のポストグリッドを検査して最小ピッチ限界及びプロセス一様性を求める。このように、選択した組み合わせを指定する。最高7μm厚さまでのIBAD金属層が首尾良く処理され、100μm〜150μm、好ましくは約125μmピッチで直径が最低20μm〜30μm、好ましくは約25μmまでの特徴部サイズを3″サンプルにつき>99%の歩留まりで達成する。
【0042】
初期評価の関心は、ポリイミドマスク膜の剥離後に達成される歩留まりに寄せられた。ピッチが125μm以上であり直径が25μm以上の全ての特徴部に関し、99%を超える歩留まりが、目視観察後に見出された。特徴部の間隔は、特徴部直径とは独立した限定要因であることが判明した。というのは、ポリイミドマスク層は、隣り合う特徴部のエッジが50μmの範囲内にある場合に裂けるからである。
【0043】
単純化されたテープ剥離(引き剥がし)試験を用いて密着性(付着力)を定量的に評価する。ベースチタンポストと基板との間には破損は見られない。積み重ね状態のIBAD金属層相互間では、破損は、材料の組で決まる。チタン上にチタンが設けられたサンプルの場合、テープの剥離後、ポストの100%が定位置のままである。チタン上に白金が設けられたサンプルの場合、テープの剥離後、ポストの90%が、定位置のままである。
【0044】
上述の結果は、各ポストスタックに対して行われる荒っぽい引っかき剪断試験によって確認される。この試験では、機械的な破損を生じさせようとして円刃刀の刃を手作業でポストスタックに押しつけて引いた。チタン上にチタンが被着されたサンプルの場合、刃は、ポストを切断し、これに対し、チタン上に白金が被着されたサンプルの場合、刃により白金ディスクが下に位置するチタンから分離する。
【0045】
これらの結果により判明したことは、個々の層相互間のインターフェイスの一体性又は結合性が、重要であり、材料に依存するということである。Ti/Tiスタックアップの場合、第1のTi層の酸化は、Ti/Tiスタックアップの一体性を損なうようには思われない。酸化は、第2のTi層蒸着に関して、IBAD蒸着後における空気への暴露及びPiマスク層のRIEに起因している。しかしながら、Ti/Ptスタックアップの場合、第1のTi層と第2のPt層との間の結合は、第1のTi層の酸化に起因して幾分弱められており、これにより、神経刺激電極としての用途の可能性が低くなる。Ptは、酸化されない場合、Tiにかなり良好に付着することが判明した。
【0046】
刺激電極場所及び基本的埋め込み回路をボンディングパッド付きの試験構造用ファンドリーウェーハによってシミュレートする。同じ技術を埋め込み型トランジスタ要素の性能にマイナスの影響を及ぼさないでこれらファンドリー処理ウェーハに対して首尾良く実施する。
【0047】
この作業は、加工していないMylar(登録商標)マスクを用いて達成され、解像能力の下限を反映している。より正確なガラスフォトマスクでは、最高75μmピッチまでの最小寸法が10μmの特徴部の首尾良い処理が達成される。
【0048】
IBAD材料の多層スタックが望ましい場合、幾つかの形態を実現することができる。単一のポリイミド層は、幾つかの一連の膜の全厚がマスク層の厚さよりも小さい限り、これら幾つかの一連の膜にパターン形成するために使用できる。この単純な柱状構造が万が一不十分であれば、ポスト直径を次の膜に合わせて減少させ又は拡大するのが良い。変形例として、次の膜を他のウェーハ配置場所に蒸着させても良い。ただし、これが望ましいことを条件とする。
【0049】
ポリイミドの材料特性により、ポリイミドは、広範な条件にわたり蒸着環境における使用に適している。400℃を僅かに超える温度を少なくとも1時間の持続時間にわたり取り扱うことができ、低いミリトル範囲の真空への暴露が可能である。
ポリイミド層のエッチングされた特徴部は、このパターン形成技術に関与する仕組みに起因して垂直の又は僅かにアンダーカットされた断面プロフィールを示す。蒸着材料をマスク剥離ステップ中、変形させ又は基板表面から取り去る。適正なRIE(又はレーザ)パラメータは、必要な壁特性を保証する。剥離層、例えばパリレン又はフルオロポリマーも又被着させるのが良い。
【0050】
図1〜図4は、ピールオフリフトオフ金属パターン形成法のシーケンスを示している。所望の材料特徴部の配設場所の開放領域及び形状に合わせてポリマーにパターン形成する。次に、所望の材料を蒸着させる。蒸着後、マスクポリマーを基板から剥離し、後には、パターン形成された領域にのみ蒸着材料が残る。
【0051】
図4は、マスク蒸着法を示す本発明の変形実施形態の断面図である。これは、このプロセスの第1ステップ、即ち、ポリマーマスク蒸着である。ポリマーマスク2をホスト基板1上に蒸着させる。ポリマー蒸着法の例は、スピンコーティング、メニスカスコーティング又は積層である。
【0052】
図5は、マスクパターン形成法を示す本発明の変形実施形態の断面図である。これは、このプロセスの第2ステップ、即ち、ポリマーマスクパターン形成であり、パターン形成されたマスクポリマー2を生じさせる。ポリマーパターン形成法の例は、湿式エッチング(液体化学薬品等)又は乾式エッチング(プラズマ、レーザ、ガス状化学薬品等)である。
【0053】
図6は、材料蒸着法を示す本発明の変形実施形態の断面図である。これは、このプロセスの第3ステップ、即ち、蒸着材料3を生じさせる材料蒸着である。材料蒸着法の例は、PVD(物理気相成長、例えば蒸着、スパッタリング等)又はCVD(化学気相成長)である。
【0054】
図7は、マスクポリマー除去ステップを示す本発明の変形実施形態の断面図である。これは、このプロセスの第4ステップ、即ち、ポリマーマスク除去ステップである。これは、マスク層を基板から除去するためにマスク層の分解(溶解、エッチング等)を利用する現行のリフトオフ法とは異なる重要な差であり、パターン形成された材料4を生じさせる。本明細書において説明した方法は、これにより優れた解像力、密度、位置合わせ及び他の特性が得られるのでシャドウマスキングとも異なっている。
【0055】
本発明の方法の利点は、温度適合性が高いこと、真空適合性が高いこと、化学的耐性があること、高エネルギー粒子衝撃に対する耐性があること、解像力が高いこと、密度が高いこと及び位置合わせ精度が高いことである。
【0056】
本発明の方法は、過酷な環境条件の下で、例えば、高温、低真空及びイオン又は他の化学種の衝撃の下で蒸着された膜のパターン形成に特に好適である。本発明において提供される一例は、ASICデバイス上への神経刺激のための一体化電極アレイの実装である。生体適合性金属のスタックアップは、このP.O.L.O.法により首尾良く得られ、それにより、一体化Si製ASICチップに付属している元のAlを気密的に覆い、これを生体適合性にし、従って、人体に植え込み可能にした。
【0057】
上述の実施形態は、本発明の例示であり、本発明の範囲を開示した特定の実施形態に限定しようとするものではない。したがって、本発明の1つ又は2つ以上の実施形態を図示すると共に説明したが、本発明の精神又は本質的な特徴から逸脱せずにかかる実施形態の種々の変更を実施できることは理解されよう。したがって、本明細書における開示内容及び説明内容は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態の断面図である。
【図2A】作製中の中間ステップにおける図1の実施形態の断面図である。
【図2B】作製の後の方のステップにおける図1の実施形態の断面図である。
【図3】堆積状態の電極を備えた本発明の変形実施形態の断面図である。
【図4】マスク蒸着方法を示す本発明の変形実施形態の断面図である。
【図5】マスクパターン形成法を示す本発明の変形実施形態の断面図である。
【図6】物質蒸着法を示す本発明の変形実施形態の断面図である。
【図7】マスクポリマー除去法を示す本発明の変形実施形態の断面図である。
【図8】Siスウィズル(Si Swizzle)の包装及びパターン形成の流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ電子デバイスであって、
電気接触パッドが取り付けられたマイクロ電子デバイスを有し、
前記電気接触パッド上に形成された少なくとも1つの薄いパターン形成導電層を有し、前記少なくとも1つのパターン形成導電層の頂面は、外部電気接触表面を構成し、前記少なくとも1つのパターン形成導電層の第1の層は、前記電気接触パッドと直接的に接触しており、
前記マイクロ電子デバイスを気密的に包囲している電気絶縁材料を有し、前記電気絶縁材料は、孔を有し、前記外部電気接触表面は、前記孔内に位置決めされている、マイクロ電子デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの薄いパターン形成導電層及び前記絶縁材料は、生体適合性である、請求項1記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項3】
前記電気絶縁材料は、セラミックである、請求項2記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項4】
前記セラミックは、アルミナ、ジルコニア、又は窒化アルミニウムである、請求項3記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項5】
前記セラミックは、アルミナである、請求項3記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項6】
前記電気絶縁材料は、金属酸化物である、請求項3記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項7】
前記電気絶縁材料は、ポリマーである、請求項3記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つのパターン形成導電層の前記第1の層は、金、ニッケル、又はクロムから成る、請求項2記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つのパターン形成導電層の前記第1の層は、チタン層を含む、請求項2記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つのパターン形成導電層の第2の層が、少なくとも1つの生体適合性金属から成る、請求項2記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項11】
前記少なくとも1つのパターン形成導電層は、白金層を含む、請求項2記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項12】
前記チタン層上に形成された白金層を有する、請求項7記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つのパターン形成導電層は、少なくとも1つのチタン層上に形成された少なくとも1つの白金層を含む、請求項2記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項14】
マイクロ電子デバイスを有する基板は、集積回路チップであり、前記電気接触パッドは、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、又は銅合金である、請求項1記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項15】
第1のパターン形成導電層は、その横方向寸法が前記電気接触パッドよりも大きく、前記パターン形成導電層は、前記接触パッドの縁を越えて延びている、請求項1記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項16】
前記第1のパターン形成導電層は、チタンであり、少なくとも1つの上に位置する導電層は、白金である、請求項15記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項17】
前記導電層のうちの1つは、肩を構成している、請求項15記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項18】
デバイスであって、
シリコン基板上に実装されたマイクロ電子デバイスを有し、前記マイクロ電子デバイスは、電気絶縁材料によって包囲された導電性接触パッドを有し、
前記接触パッド上に形成されていて前記接触パッドの縁を越えて延びる少なくとも1つの第1のパターン形成金属層を有し、
前記第1の金属層上に形成された少なくとも1つの第2のパターン形成金属層を有し、前記第2の金属層は、露出された上側接触面を有し、
前記マイクロ電子デバイス及び前記パターン形成層を気密的に包囲した電気絶縁材料層を有し、前記電気絶縁材料層は、前記上側接触面を露出させる孔を有する、デバイス。
【請求項19】
前記第1の金属層は、少なくとも1つのパターン形成チタン層を含む、請求項18記載の植え込み型デバイス。
【請求項20】
前記第2の層は、少なくとも1つのパターン形成白金層を含む、請求項18記載の植え込み型デバイス。
【請求項21】
前記第1の層は、肩を構成している、請求項18記載の植え込み型デバイス。
【請求項22】
電気接点を備えたデバイスを作製する方法であって、
接触パッドを備えた電気デバイスを用意するステップを有し、
少なくとも1つのパターン形成導電層を前記接触パッド上に形成するステップを有し、前記少なくとも1つの導電層は、前記接触パッド上に形成された第1の層及び電気接触頂面を有し、
結果的に得られた構造体を電気絶縁体内に気密封入するステップを有し、
前記電気絶縁体に孔を形成して前記電気接触面を露出させるステップを有する、方法。
【請求項23】
前記電気接触面及び前記電気絶縁体は、生体適合性である、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記構造体を生体適合性絶縁体内に気密封入する前記ステップは、セラミック材料のイオンビーム援用蒸着ステップを含む、請求項22記載の方法。
【請求項25】
少なくとも1つのパターン形成導電層を形成する前記ステップは、少なくとも1つの金属のイオンビーム援用蒸着ステップを含む、請求項22記載の方法。
【請求項26】
前記パターン形成金属層のうちの少なくとも1つは、チタン又はチタン合金である、請求項22記載の方法。
【請求項27】
前記パターン形成金属層のうちの少なくとも1つは、白金又は白金合金である、請求項22記載の方法。
【請求項28】
チタンの少なくとも1つのパターン形成層及び白金の少なくとも1つのパターン形成層は、ビーム援用蒸着によって形成される、請求項22記載の方法。
【請求項29】
前記第1のパターン形成導電層は、該第1のパターン形成導電層が前記接触パッドの縁を越えて延びるよう前記接触パッドよりも大きい、請求項22記載の方法。
【請求項30】
孔を形成する前記ステップは、レーザ加工を含む、請求項22記載の方法。
【請求項31】
犠牲層を前記電気接触頂面上に形成して前記電気接触頂面が次に行われる処理中に保護されるようにするステップと、しかる後、前記犠牲層を除去するステップとを更に有する、請求項22記載の方法。
【請求項32】
前記導電層のうちの1つは、肩を構成する、請求項22記載の方法。
【請求項33】
前記孔を金属で満たすステップを更に有する、請求項22記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−514602(P2009−514602A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539075(P2008−539075)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際出願番号】PCT/US2006/043028
【国際公開番号】WO2007/056183
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(505457064)セカンド サイト メディカル プロダクツ インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】