植栽基盤を用いた緑化構造
【課題】強風に耐え、掃除、植栽、或いは蔓性植物の手入れ等の作業性の向上を図る。
【解決手段】構造物の屋上面100に、上面部22に凸部23が取り付けられた接続金具2を間隔を隔てて複数配置して列を形成し、接続金具2の列の上に第一網部51を配置し、第一網部51を介して、接続金具2の列の上に長尺材3を載置し、長尺材3を介して接続金具2の凸部23に第二網部52を配置し、対向する、第一網部51と第二網部52とからなる二層構造の網部5を形成し、二層構造の網部5、5同士の間の接続金具2の凸部24に載置された長尺材3に対向する長尺材3、3の間に、植栽基盤1を複数載置し、二列の隣接した植栽基盤1の列を形成し、二層構造の網部5、5が二列の隣接した植栽基盤1の列を挟み込み、二列の隣接した植栽基盤1の列同士の間に第三押え材8を配置して二列の隣接した植栽基盤1の列同士を連結する、植栽基盤を用いた緑化構造を提供する。
【解決手段】構造物の屋上面100に、上面部22に凸部23が取り付けられた接続金具2を間隔を隔てて複数配置して列を形成し、接続金具2の列の上に第一網部51を配置し、第一網部51を介して、接続金具2の列の上に長尺材3を載置し、長尺材3を介して接続金具2の凸部23に第二網部52を配置し、対向する、第一網部51と第二網部52とからなる二層構造の網部5を形成し、二層構造の網部5、5同士の間の接続金具2の凸部24に載置された長尺材3に対向する長尺材3、3の間に、植栽基盤1を複数載置し、二列の隣接した植栽基盤1の列を形成し、二層構造の網部5、5が二列の隣接した植栽基盤1の列を挟み込み、二列の隣接した植栽基盤1の列同士の間に第三押え材8を配置して二列の隣接した植栽基盤1の列同士を連結する、植栽基盤を用いた緑化構造を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蔓性植物により構造物の屋上を緑化するとともに、構造物の、緑化された屋上の管理を可能にする植栽基盤を用いた緑化構造に関する。
【背景技術】
【0002】
構造物の屋上等の緑化を図り、構造物の、緑化された屋上の管理を可能する技術として、図39に示す、植物栽培用パネル部材と植物栽培装置の技術が開示されている。ここでは、植物を保持させることができる略格子状又は略網目状のパネル206と、パネル206の一方の面側に設けられた脚部208とを備え、パネル206が折り曲げ可能な植物栽培用パネル部材204とからなり、植物栽培用パネル部材204と植物栽培用プランター212を共に使用している。そして、植物栽培装置を建築物の屋上に連続して設置すれば面的な屋上緑化が可能になり、パネル体206を折り曲げれば作業用通路又は作業空間が容易に創出することが可能になり、作業効率が良くなるだけではなく、屋上一面を緑化することが可能になる。つまり、パネル体206を折り曲げることにより植物をどの角度でも保持することができ、また、パネルを折り曲げるだけで作業空間を創出することができ、パネル部材の下の掃除を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−097144(段落0029、段落0043、段落0045、段落0046、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、屋上は地上より風が強いので、強風に耐える構造でなくてはならないが、図39に示す技術では、網目の大きい一層網であるパネル206を折り曲げる構造であり、強風による固定方法がないため強風に耐えることが難しい。また、掃除、植栽、或いは蔓性植物の手入れ等のための作業用通路と作業空間を創出するためにパネル206を折り曲げる作業を必要とするので、掃除、植栽、或いは蔓性植物の手入れ等の作業効率の向上が望み難い。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、強風に耐え、掃除、植栽、或いは蔓性植物の手入れ等の作業効率の向上を図るとともに、簡易な構造で施工を容易し、蔓性植物に対する放射熱対策を講じた植栽基盤を用いた緑化構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、構造物に配置された、植栽基盤に連結された二層構造の網部を備えた、植栽基盤を用いた緑化構造において、前記構造物の屋上面に、間隔を隔てて複数配置することで列を形成し、対向する前記列同士では、各々対向し、前記構造物の屋上面側の上面部に凸部が取り付けられた接続金具と、対向する、前記接続金具の列の上に配置されることで、前記接続金具の列側の網目が前記接続金具の凸部を通り、前記接続金具の上面部に載置されることで配置され、前記二層構造の網部を形成する、前記構造物の屋上面に沿う方向に設けた第一網部と、前記第一網部を介して、前記接続金具の列の上に載置された底面部と、該底面部と連続して前記底面部から隆起した突出部とを備え、前記底面部が前記接続金具の列の上に載置されると前記接続金具の凸部が前記突出部の先端に形成された孔部より突き出る、前記接続金具の列の長手方向に沿って伸びた長尺材と、対向する、前記長尺材の前記突出部に形成された前記孔部より突き出た、前記接続金具の凸部には、前記接続金具の凸部側の網目が前記接続金具の凸部を通り、前記長尺材の先端に載置されることで配置され、前記第一網部と対向して前記第一網部との間に空間を形成して、前記二層構造の網部を形成する、前記構造物の屋上面に沿う方向に設けた、前記第一網部より網目が大きい第二網部と、対向する前記長尺材の、前記第一網部及び前記第二網部が配置された、前記突出部と前記底面部とでなす角部とは反対側の角部と、対向する前記長尺材の間の前記長尺材の、前記突出部と前記底面部とでなす角部との間に、前記植栽基盤が複数載置されることで、対向する前記長尺材の間の前記長尺材を挟み込んで配置された二列の隣接した植栽基盤の列と、備え、二列の隣接した前記植栽基盤の列同士の間で、前記植栽基盤の側面部同士に挟み込まれ、水平方向に前記植栽基盤の列の長手方向に沿って形成された底面部と、前記底面部に連続して、二列の隣接した前記植栽基盤の列同士の上面部に載置され、前記植栽基盤の列の長手方向に形成された平面部と、前記底面部に設けられた、前記長尺材の突出部の先端から前記接続金具の凸部の先端側が突き出た孔部と、を備える第三押え材が配置されていることを特徴とする。
【0007】
従って、請求項1に記載の発明によれば、構造物の屋上面に、上面部に凸部が取り付けられた接続金具を間隔を隔てて複数配置することで列を形成し、対向する列同士では、接続金具同士が対向しており、対向する、接続金具の列の上に第一網部である下網部を配置して、第一網部を構造物の屋上面に沿う方向に設け、第一網部を介して、接続金具の列の上に長尺材の底面部を載置して接続金具の凸部が長尺材の突出部の先端の孔部より突き出して、その突き出た、接続金具の凸部に、第二網部である上網部の網目を通し、長尺材の先端に第二網部を載置することで、第二網部を構造物の屋上面に沿う方向に設け、第一網部と対向して第一網部との間に空間を形成し、長尺材の、第一網部及び第二網部が配置された、突出部と底面部とでなす角部とは反対側の角部と、対向する長尺材の間の長尺材の、突出部と底面部とでなす角部との間に、植栽基盤が複数載置されて、対向する長尺材の間の長尺材を挟み込んで二列の隣接した植栽基盤の列が配置され、二列の隣接した植栽基盤の列同士の間に第三押え材が配置されることで、第三押え材の平面部が植栽基盤の列の長手方向に沿って二列の隣接した植栽基盤の列同士の上面部に載置され、第三押え材の底面部は二列の隣接した植栽基盤の側面部同士の間に挟み込まれて水平方向に植栽基盤の列の長手方向に沿って伸び、第三押え材の底面部に設けられた孔部から突き出た接続金具の凸部を固定部材等により固定するという、構造物の屋上面に固定して配置された接続金具を基礎とする構造であるため強風に耐えることが可能であるとともに、第三押え材を二列の隣接した植栽基盤の列に沿う通路とすることが可能になるので、掃除、植栽、或いは蔓性植物の手入れ等を効率よく行うことが可能になる。
【0008】
また、請求項1に記載の発明によれば、対向する前記長尺材の、前記第一網部及び前記第二網部が配置された、前記突出部と前記底面部とでなす角部とは反対側の角部と、対向する前記長尺材の間の前記長尺材の、前記突出部と前記底面部とでなす角部との間に、前記植栽基盤が複数載置されることで、対向する前記長尺材の間の前記長尺材を挟み込んで配置された二列の隣接した植栽基盤の列と、という構成をとっているため、対向する長尺材の間の長尺材を挟み込んで二列の隣接した植栽基盤の列の、対向する長尺材側に二層構造の網部が配置されることで、二層構造の網部が長尺材の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤の列を水平方向より挟み込むという構成であり、長尺材の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤の列の両側から挟み込むように配置することで第三押え材を通路として用いて二層構造の網部へ繁茂する蔓性植物の手入れ等を可能にする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、構造物に配置された、植栽基盤に連結された二層構造の網部を備えた、植栽基盤を用いた緑化構造において、前記構造物の屋上面に、間隔を隔てて複数配置することで列を形成し、対向する前記列同士では、各々対向し、前記構造物の屋上面側の上面部に凸部が取り付けられた接続金具と、対向する、前記接続金具の列の上に配置されることで、前記接続金具の列側の網目が前記接続金具の凸部を通り、前記接続金具の上面部に載置されることで配置され、前記二層構造の網部を形成する、前記構造物の屋上面に沿う方向に設けた第一網部と、前記第一網部を介して、前記接続金具の列の上に載置された底面部と、該底面部と連続して前記底面部から隆起した突出部とを備え、前記底面部が前記接続金具の列の上に載置されると前記接続金具の凸部が前記突出部の先端に形成された孔部より突き出る、前記接続金具の列の長手方向に沿って伸びた長尺材と、対向する、前記長尺材の前記突出部に形成された前記孔部より突き出た、前記接続金具の凸部には、前記接続金具の凸部側の網目が前記接続金具の凸部を通り、前記長尺材の先端に載置されることで配置され、前記第一網部と対向して前記第一網部との間に空間を形成して、前記二層構造の網部を形成する、前記構造物の屋上面に沿う方向に設けた、前記第一網部より網目が大きい第二網部と、対向する前記長尺材の一方の前記長尺材の、前記第一網部及び前記第二網部が配置された、前記突出部と前記底面部とでなす角部とは反対側の角部と、その反対側の角部と対向する、前記第一網部及び前記第二網部が配置されていない他方の前記長尺材の、前記突出部と前記底面部とでなす角部と、対向する前記長尺材の間の前記長尺材の、前記突出部と前記底面部とでなす角部との間に、前記植栽基盤が複数載置されることで、対向する前記長尺材の間の前記長尺材を挟み込んで配置された二列の隣接した植栽基盤の列と、備え、二列の隣接した前記植栽基盤の列同士の間で、前記植栽基盤の側面部同士に挟み込まれ、水平方向に前記植栽基盤の列の長手方向に沿って形成された底面部と、前記底面部に連続して、二列の隣接した前記植栽基盤の列同士の上面部に載置され、前記植栽基盤の列の長手方向に形成された平面部と、前記底面部に設けられた、前記長尺材の突出部の先端から前記接続金具の凸部の先端側が突き出た孔部と、を備える第三押え材が配置されていることを特徴とする。
【0010】
従って、請求項2に記載の発明によれば、構造物の屋上面に、上面部に凸部が取り付けられた接続金具を間隔を隔てて複数配置することで列を形成し、対向する列同士では、接続金具同士が対向しており、対向する、接続金具の列の上に第一網部である下網部を配置して、第一網部を構造物の屋上面に沿う方向に設け、第一網部を介して、接続金具の列の上に長尺材の底面部を載置して接続金具の凸部が長尺材の突出部の先端の孔部より突き出して、その突き出た、接続金具の凸部に、第二網部である上網部の網目を通し、長尺材の先端に第二網部を載置することで、第二網部を構造物の屋上面に沿う方向に設け、第一網部と対向して第一網部との間に空間を形成し、対向する長尺材の一方の長尺材の、第一網部及び第二網部が配置された、突出部と底面部とでなす角部とは反対側の角部と、その反対側の角部と対向する、第一網部及び第二網部が配置されていない他方の長尺材の、突出部と底面部とでなす角部と、対向する長尺材の間の長尺材の、突出部と底面部とでなす角部との間に、植栽基盤が複数載置されて、対向する長尺材の間の長尺材を挟み込んで二列の隣接した植栽基盤の列が配置され、二列の隣接した植栽基盤の列同士の間に第三押え材が配置されることで、第三押え材の平面部が植栽基盤の列の長手方向に沿って二列の隣接した植栽基盤の列同士の上面部に載置され、第三押え材の底面部は二列の隣接した植栽基盤の側面部同士の間に挟み込まれて水平方向に植栽基盤の列の長手方向に沿って伸び、第三押え材の底面部に設けられた孔部から突き出た接続金具の凸部を固定部材等により固定するという、構造物の屋上面に固定して配置された接続金具を基礎とする構造であるため強風に耐えることが可能であるとともに、第三押え材を二列の隣接した植栽基盤の列に沿う通路とすることが可能になるので、掃除、植栽、或いは蔓性植物の手入れ等を効率よく行うことが可能になる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明によれば、対向する前記長尺材の一方の前記長尺材の、前記第一網部及び前記第二網部が配置された、前記突出部と前記底面部とでなす角部とは反対側の角部と、その反対側の角部と対向する、前記第一網部及び前記第二網部が配置されていない他方の前記長尺材の、前記突出部と前記底面部とでなす角部と、対向する前記長尺材の間の前記長尺材の、前記突出部と前記底面部とでなす角部との間に、前記植栽基盤が複数載置されることで、対向する前記長尺材の間の前記長尺材を挟み込んで配置された二列の隣接した植栽基盤の列と、という構成をとっているため、対向する長尺材の間の長尺材を挟み込んで二列の隣接した植栽基盤の列の、対向する長尺材の一方の長尺材側には二層構造の網部が配置され、他方の長尺材側には二層構造の網部を配置せず、二層構造の網部を長尺材の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤の列に対して片側から水平方向より配置することで第三押え材を通路として用いて二列の隣接した植栽基盤の列の片側に配置された二層構造の網部へ繁茂する蔓性植物の手入れ等を可能にする。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記第一網部と前記第二網部との間に形成された前記空間内で、前記第一網部に対向するとともに前記第二網部に対向し、前記第二網部に着脱可能に取り付けられ、前記第一網部及び前記第二網部に対向して、前記長尺材の長手方向に沿う方向に設けられた縦糸と、前記第一網部及び前記第二網部に対向して、前記縦糸と交差して設けられた、前記縦糸より折り曲げ強度がある横糸と、前記長尺材の長手方向に沿う端部側に取り付けられ、前記長尺材の長手方向に沿う方向に引っ張ることで、前記第一網部及び前記第二網部に対して移動させる引戻し紐と、を備える第一掃除用網を備えることを特徴とする。
【0013】
従って、請求項3に記載の発明によれば、第一網部と第二網部との大きさと等しい大きさの第一掃除用網を第一網部と第二網部との形成された空間内に、第一網部に対向するとともに第二網部に対向し、第二網部に第一掃除用網が着脱可能に取り付けると、第一掃除用網の、第一網部及び第二網部に対向して、長尺材の長手方向に沿うように設けられた縦糸より、縦糸と交差して設けられた横糸の方が折り曲げ強度が高いため、第一網部と第二網部との形成された空間内に風が吹き込んでも第一掃除用網が第一網部からめくれることを防止することが可能になり、第一網部上に第一掃除用網がない部分をなくすことを可能にして第一網部上の掃除を可能にする。また、第一掃除用網の、長尺材の長手方向に沿う端部側に引戻し紐が取り付けられているため、第一掃除用網を長尺材の長手方向に沿って移動して第一網部と第二網部との形成された空間内から出して第一掃除用網上に載った枯葉等のごみを取り除いた後に、引戻し紐を長尺材の長手方向に沿う方向に引っ張ることで、第一掃除用網を第一網部と第二網部との形成された空間内へ再び移動させることが可能になる。
【0014】
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記第二網部は、対向する、前記長尺材の先端より突き出た、前記接続金具の凸部の列には、前記接続金具の凸部側の網目が前記接続金具の凸部の列を通り、前記長尺材の先端側に載置され、前記接続金具の凸部の列方向に沿って、複数配置されることで前記第一網部と対向して前記第一網部との間に前記空間を形成して、前記構造物の屋上面に沿う方向に設けた複数の第二網片からなり、前記第一網部と、前記第一網部と対向して設けられた前記第二網部との間に、前記第二網片に対向して重なり合うように、前記第二網片に着脱可能に取り付けられ、前記第一網部及び前記第二網部に対向して、前記長尺材の長手方向に沿うように設けられた縦糸と、前記第一網部及び前記第二網部に対向して、前記縦糸と交差して設けられた、前記縦糸より折り曲げ強度がある横糸と、を備える第二掃除用網を備えることを特徴する。
【0015】
従って、請求項4に記載の発明によれば、複数の第二網片(小型の上網片)が第二網部をなしており、対向する、長尺材の突出部の先端の孔部より突き出た、接続金具の凸部の列には、第二網片の接続金具の凸部側の網目を通し、第二網部である第二網部の第二網片の接続金具の凸部側の網目は長尺材の突出部の先端側に載置され、接続金具の凸部の列方向に沿って、第二網片が複数配置されることで第一網部と対向して第一網部との間に空間を形成して、構造物の屋上面に沿う方向に第二網部が配置され、第一網部と第二網部との間に、第二掃除用網が第二網片に対向して重なり合うように第二網片に着脱可能に設けられおり、第二網部を通り抜けた枯葉、落ち葉及びゴミ等を第二掃除用網で受けて、第二掃除用網を第一網部と第二網部との間から取り出すことにより、掃除の作業性を向上させることが可能になる。
【0016】
また、第二掃除用網は、第一掃除用網と同様に、第二網部に第二掃除用網が着脱可能に取り付けられ、第二掃除用網の、第一網部及び第二網部に対向して、長尺材の長手方向に沿うように設けられた縦糸より、縦糸と交差して設けられた横糸の方が折り曲げ強度が高いため、第一網部と第二網部との形成された空間内に風が吹き込んでも第二掃除用網が第一網部からめくれることを防止することが可能になり、第一網部上に第二掃除用網がない部分をなくすことを可能にし第一網部上の掃除を可能にする。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の構成に加え、前記第一網部と対向して、接続金具の凸部の列方向に沿って、複数の前記第二網片が配置されることで前記第一網部との間に前記空間を形成して、複数の前記第二網片が前記構造物の前記屋上面に沿う方向に設けられ、隣り合う前記第二網片同士の間には隙間が設けられ、前記隙間には、前記第二網片に着脱可能に取り付けられた前記第二掃除用網の、前記長尺材の長手方向に沿う、端部が出ていることを特徴とする。
【0018】
従って、請求項5に記載の発明によれば、第一網部と対向して、接続金具の凸部の列方向に沿って、接続金具の凸部の列に複数の前記第二網片が配置されて第一網部との間に空間を形成して、複数の前記第二網片が前記構造物の前記屋上面に沿う方向に設けられ、隣り合う第二網片同士の間に隙間が設けられて、隙間に第二掃除用網の、長尺材の長手方向に沿う、一方の端部が出ているため、隙間の間に出ている第二掃除用網の、長尺材の長手方向に沿う、一方の端部を引っ張ることで容易に第二掃除用網を第一網部と第二網部との間から引き出して取り出すことが可能になり掃除の作業性の向上に資することが可能になる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、構造物の屋上面に接続金具を固定することで配置して、接続金具を基礎にして二層構造の網部を設けているため強風に耐え易い構造になっている。また、構造物の屋上面に配置した、二層構造の網部を形成した植栽基盤の列同士の間に第三押え材を設けることで、構造物の屋上面に配置した二層構造の網部内の通路とすることができ、掃除、植栽、或いは蔓性植物の手入れ等に際して二層構造の網部上、或いは植栽基盤上を通過することなく、第三押え材である通路を使用することで掃除、植栽、或いは蔓性植物の手入れ等が必要な二層構造の網部の箇所へ行くことができる。例えば、蔓性植物が育っていない植栽基盤の植栽ポットを取り替える等の作業を、二層構造の網部上、或いは植栽基盤上を歩かなくても行うことができる。
【0020】
特に、植栽基盤同士の間には通路が設けられているので、掃除、植栽、或いは蔓性植物の手入れ等が行い易くなる。つまり、通路を設けることで掃除、植栽、或いは蔓性植物の手入れ等の際に、植栽基盤上を歩くことがなくなるため、植栽基盤が人の荷重により破損し難くなる。
【0021】
さらに、掃除用網の縦糸(長尺材の長手方向に沿う糸)より横糸(縦糸と交差する糸)は折れ曲がり難い素材を用いているため、風が吹いても掃除用網がめくり上がり下網部の上に掃除用網がない部分が発生し難くなり、従来必要とされていためくり上がり防止のために掃除用網の端部側の縁部を固定する固定具(例えば、針金、紐、クリップ等)が必要なくなり、掃除用網を配置したり、掃除の際に掃除用網を外したりする際の煩雑さを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の例1である植栽基盤の列同士の間に二層構造の網部を設ける構造を示す説明図である。
【図2】本発明で用いる接続金具の説明図である。(a)は、本発明で用いる接続金具を正面方向から示す説明図である。(b)は、構造物の屋上面への接続金具の固定方法の一例を示す説明図である。(c)は、構造物の屋上面への接続金具の固定方法の他の例を示す説明図である。
【図3】図1における二層構造の網部の近傍を詳細に示す説明図である。
【図4】本発明で用いる長尺材の説明図である。(a)は、長尺材を正面方向から示す説明図である。(b)は、長尺材の長手方向を長尺材の上方より示す説明図である。
【図5】植栽基盤と長尺材を配置した接続金具側の連結を示す説明図である。(a)は、植栽基盤と長尺材を配置した接続金具側との連結を示す説明図である。(b)は、植栽基盤と、二層構造の網部を支持する、長尺材を配置した接続金具側との連結を示す説明図である。
【図6】本発明で用いる植栽基盤の説明図である。(a)は、植栽基盤の上面部を示す説明図である。(b)は、植栽基盤の側方方向から示す説明図である。
【図7】第一押え材の説明図である。(a)は、第一押え材の正面方向から示す説明図である。(b)は、第一押え材の長手方向を第一押え材の上方より示す説明図である。
【図8】第二押え材の説明図である。(a)は、第二押え材の正面方向から示す説明図である。(b)は、第二押え材の長手方向を第二押え材の上方より示す説明図である。
【図9】第一掃除用網を配置した二層構造の網部を示す説明図である。(a)は、二層構造の網部内の空間内で下網部と上網部との間に第一掃除用網が配置された状態を示す説明図である。(b)は、上網部の縁部側と対向する第一掃除用網の縁部側との複数箇所で上網部の縁部側と第一掃除用網の縁部側を固定している固定位置を示す説明図である。
【図10】二層構造の網部内に配置された第一掃除用網を示す説明図である。(a)は、二層構造の網部内で、上網部の縁部側と対向する第一掃除用網の縁部側を上網部の縁部側に固定することで配置した状態を示す説明図である。(b)は、第一掃除用網の他方の端部の、縁部側に取り付けられた引戻し紐を示す説明図である。
【図11】二層構造の網部により挟み込まれた二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士の間に通路材を設ける構造の全体を示す説明図である。
【図12】二層構造の網部により挟み込まれた二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士の間に通路材を設ける構造を示す説明図である。(a)は、二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士の間に通路材を設けて植栽基盤の列同士を連結する構造を正面方向から示す説明図である。(b)は、(a)における二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士の間に通路材近傍の詳細を示す説明図である。
【図13】第三押え材の説明図である。(a)は、第三押え材の正面方向から示す説明図である。(b)は、第三押え材の長手方向を第三押え材の上方より示す説明図である。
【図14】通路材を設けた、二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士を挟み込んだ二層構造の網部内に掃除用網を設けた構造の全体を示す説明図である。
【図15】通路材を設けた、二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士を挟み込んだ二層構造の網部内での第一掃除用網の配置を示す説明図である。(a)は、第一掃除用網と上網部とが対向し、上網部に第一掃除用網が固定される固定位置を示す説明図である。(b)は、二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士を挟み込んだ二層構造の網部内の第一掃除用網が上網部に固定される固定位置を示す説明図である。
【図16】通路材を設けた、二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士を挟み込んだ二層構造の網部内での第二掃除用網の配置を示す説明図である。(a)は、第一掃除用網と上網片とが対向し、隣り合う第二網片同士の間に設けられた隙間に第二掃除用網の一方の端部が出ることを示す説明図である。(b)は、二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士を挟み込んだ二層構造の網部内の第二掃除用網が上網部に固定される固定位置を示す説明図である。
【図17】二列に隣接して並んだ植栽基盤の列の一方の側に二層構造の網部が設け、二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士の間に通路材を設ける構造の全体を示す説明図である。
【図18】図17に示す二層構造の網部内に掃除用網を設けた構造を示す説明図である。
【図19】図18に示す二層構造の網部内での第一掃除用網の配置を示す説明図である。(a)は、第一掃除用網と上網部とが対向し、上網部に第一掃除用網が固定される固定位置を示す説明図である。(b)は、二層構造の網部内の第一掃除用網が上網部に固定される固定位置を示す説明図である。
【図20】図18において、小型の上網片の列である上網部と下網部とからなる二層構造の網部を形成し、小型の上網片の列である上網部と下網部との間に複数の掃除用網を配置した構造を示す説明図である。(a)は、小型の上網片の列である上網部と下網部とからなる二層構造の網部を形成し、小型の上網片の列と掃除用網の列とを重ね合わせて配置した構造を上方より示す説明図である。(b)は、(a)における小型の上網片と掃除用網との連結した状態を示す説明図である。
【図21】二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士の間に二層構造の網部内にスペーサー及び掃除用網を設ける構造を示す説明図である。(a)は、二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士の間に二層構造の網部内にスペーサー及び掃除用網を設ける構造を正面方向から示す説明図である。(b)は、(a)のスペーサー及び掃除用網の詳細を示す説明図である。
【図22】上網部を構成する小型の上網片の列と掃除用網との列を示す説明図である。
【図23】植栽基盤の列同士の間に、小型の上網片の列である上網部と下網部とからなる二層構造の網部を形成し、小型の上網片の列である上網部と下網部との間に複数の掃除用網を配置した構造を示す説明図である。(a)は、植栽基盤の列同士の間に、小型の上網片の列である上網部と下網部とからなる二層構造の網部を形成し、小型の上網片の列と掃除用網の列とを重ね合わせて配置した構造を上方より示す説明図である。(b)は、(a)における小型の上網片と掃除用網との連結した状態を示す説明図である。
【図24】植栽基盤の列同士の間に設けられた二層構造の網部上を通るために二層構造の網部内に通路材を設けた構造を示す説明図である。(a)は、二層構造の網部の中央側で、下網部と上網部との間に第一通路材を配置して、上網部の上に第二通路材を配置する構造を示す説明図である。(b)は、(a)に示す第一通路材及び第二通路材の詳細を示す説明図である。
【図25】植栽基盤の列同士の間に設けられた二層構造の網部上を通るために二層構造の網部内に通路材を設けた構造を示す説明図である。(a)は、図20(b)のX−X線に沿う断面方向から示す説明図である。(b)は、第一通路材より第二通路材が長い場合における図15(b)のX−X線に沿う断面方向から示す説明図である。
【図26】図20に示す通路材の長手方向を横断する断面方向より示す説明図である。(a)は、第一通路材の長手方向を横断する断面方向より示す説明図である。(b)は、第二通路材の長手方向を横断する断面方向より示す説明図である。
【図27】図20に示す二層構造の網部と通路材とを上方より示す説明図である。(a)は、上網部と掃除用網との配置状態を示す説明図である。(b)は、(a)における小型の上網片と掃除用網との連結した状態を示す説明図である。
【図28】構造物の屋上面に接続金具の列を複数配置した工程を示す説明図である。(a)は、構造物の屋上面に対向して複数の接続金具の列が配置された状態を上方から示す説明図である。(b)は、(a)を正面方向から部分的に示す説明図である。
【図29】接続金具の列同士の間に下網部を配置した工程を示す説明図である。(a)は、接続金具の列の内、二層構造の網部を設ける接続金具の列同士の上に下網部を配置した状態を示す説明図である。(b)は、(a)を正面方向から部分的に示す説明図である。
【図30】長尺材を配置した工程を示す説明図である。(a)は、接続金具の上、或いは接続金具の上に配置した下網部の上に長尺材を配置した状態を示す説明図である。(b)は、(a)を正面方向から部分的に示す説明図である。
【図31】長尺材同士の間に植栽基盤を配置する状態を示す説明図である。
【図32】植栽基盤を配置した工程を示す説明図である。(a)は、下網部を配置した長尺材同士の間以外の長尺材同士の間に植栽基盤を配置した状態を示す説明図である。(b)は、(a)を正面方向から部分的に示す説明図である。
【図33】下網部を配置した接続金具の列同士の間に上網部を配置した工程を示す説明図である。(a)は、二層構造の網部を形成するために下網部に上網部を重ね合わせた状態を示す説明図である。(b)は、(a)を正面方向から部分的に示す説明図である。
【図34】押え材を配置した工程を示す説明図である。(a)は、植栽基盤の列(の長手方向)に沿って押え材を配置した状態を示す説明図である。(b)は、(a)を正面方向から部分的に示す説明図である。
【図35】第一掃除用網を配置した工程を示す説明図である。(a)は、植栽基盤の列(の長手方向)に沿って第一掃除用網を配置した状態を示す説明図である。(b)は、(a)を正面方向から部分的に示す説明図である。
【図36】灌水パイプを配置した工程を示す説明図である。(a)は、植栽基盤の列(の長手方向)に沿って灌水パイプを配置した状態を示す説明図である。(b)は、(a)を正面方向から部分的に示す説明図である。
【図37】植栽基盤から蔓性植物が成長し二層構造の網部に伸びた工程を示す説明図である。
【図38】接続金具の別の形態を示す説明図である。(a)は、折板屋根に配置された別の形態の接続金具の説明図である。(b)は、(a)に示す接続金具を用いて二層構造の網部を配置した状態を示す説明図である。
【図39】特許文献1の植物栽培用パネル部材と植物栽培装置におけるパネル部材の折り曲げた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0024】
(例1)
例1では、図1に示すように、構造物である建造物等の最上部に設けた覆いである屋根、或いは構造物である建造物等の最上階の上に設けた平らな所にあたる屋上である、構造物の屋上面100に配置された接続金具2上に長尺材3を配置し、長尺材3の長手方向に沿って一列に並べた植栽基盤1の列同士の間に二層構造の網部5を設ける構造について説明する。
【0025】
接続金具2は、図1に示すように、構造物の屋上面100上に所定の間隔で4列に平行に配置されている。各列では、図24に示すように、間隔をあけて複数の接続金具2が配置されて、接続金具2の列が形成されている。接続金具2の列は、構造物の屋上面100に長尺材3を配置するために、長尺材3の長手方向に沿うように、真っ直ぐに一列に並べられており、対向する接続金具2の列同士では、接続金具2、2同士が対向している。
【0026】
図1及び図24に示すように、構造物の屋上面100に配置された、本例で用いる接続金具2は、図2に示すように、略立方体形状の箱体20をなしており、蓋部221と本体部211とで構成されている。蓋部221側には、図2(a)に示すように、上面部22の中心に、上面部22から上面部22に対して垂直に伸びるボルト部23が取り付けられている。本例では、ボルト部23の頭部231が箱体20内に入るようにし、上面部22の凸部であるボルト部23に座金233を通し、ナット232を螺合させてナット232を上面部22に接近させて、ボルト部23の頭部231と座金233(及びナット232)とで上面部22を挟み込んだ状態でナット232が固定されている。以上の構成の蓋部221を本体部211に載せてボルト部212、212により、蓋部221と本体部211を固定することで接続金具2が完成している。
【0027】
接続金具2の構造物の屋上面100上への配置に際しては、ボルト部213を用いることで行われている。具体的には、図2(b)に示すように、蓋部221を取り外した状態の本体部211を構造物の屋上面100へ載置して、本体部211の下面部21の中心に設けてある孔部215にボルト部213を挿入し、工具等によりボルト部213を回転させて構造物の屋上面100からボルト部213を埋め込んである。所定の深さ埋め込んだボルト部213の本体部211内へ伸びている部分に座金216及びナット214を本体部の壁面まで螺合することで構造物の屋上面100へ接続金具2の本体部211の固定が行われている。図2(b)の点線で示す位置まで座金216及びナット214を螺合させることで本体部の壁面217まで螺合したことを示している。また、実際の本体部211の内部では、図2(b)の実線で示す壁面217に座金216(及びナット214)が接触している。
【0028】
そして、構造物の屋上面100への固定が行われた接続金具2の本体部211へ蓋部221を本体部211に載せてボルト部212、212により、蓋部221と本体部211を固定することで接続金具2が配置されている。ただし、接続金具2の下面部21に接着剤等を塗布することで構造物の屋上面100に接続金具2を配置することも可能である。具体的には、図2(c)に示すように、ボルト部23が固定された蓋部221を本体部211に載せてボルト部212、212により、蓋部221と本体部211を固定して完成した接続金具2の下面部21に接着剤を塗布して構造物の屋上面100に載置することで接続金具2を構造物の屋上面100に配置することになる。この場合は、図2(c)の点線及び実線で示す壁面217に孔部215を設けるような変更を加えることなく、図2(c)に示すように、下面部21全面が構造物の屋上面100に固定されて接続金具2が配置されることになる。
【0029】
図3に示すように、両端の接続金具2の列同士の間に挟み込まれた、中央に配置された(両端の接続金具2の列に対向して配置された)接続金具2の列同士の間には二層構造の網部5の第一網部である下網部51が設けられている。本例で用いる下網部51は樹脂製であり、網目は1mm×1mmの正方形の網目であるが、網目は、このような形状に限定されることなく、例えば、1mmから5mmの正方形、或いは長方形の網目で、ごみが落ちないで、しかも風が通る程度の大きさが確保できればよく、網目の形状は特に問わない。本例では、図3に示すように、中央に配置された(両端の接続金具2の列に対向して配置された)接続金具2の列同士の間に下網部51が配置され、中央に配置された(両端の接続金具2の列に対向して配置された)接続金具2の列同士を被って配置されている。
【0030】
下網部51は、下網部51の、長尺材3の長手方向となる一列に並んだ接続金具2に対して交差する方向の下網部51の縁部51a、51a側の網目が、接続金具2、2のボルト部23、23を通り、下網部51の縁部51a、51a側を接続金具2、2の上面部22、22に載置されて配置されている。図3に示すように、下網部51は、二列に並んだ接続金具2、2同士の間を被い、下網部51の縁部51a、51a側が対向する接続金具2、2の上面部22に載置されることで、接続金具2の上面部22から伸びるボルト部23が下網部51の縁部51a側の網目を通り抜け、下網部51の保持及び位置決めが行われている。このように下網部51が配置されることで、下網部51は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになる(下網部51は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになる)。
【0031】
そして、図1に示すように、両端側の接続金具2の列の上と、両端側の接続金具2の列と対向する、下網部51が配置された接続金具2の列の上とに長尺材3が配置されている。長尺材3は、図4に示すように、断面が逆T字状の形状をなした長尺の部材である。具体的には、図4(a)に示すように、逆T字状の形状をなし、長尺材3の長手方向に沿う側方端31、31側が接続部材2の上面部22に沿い、同一平面をなすように底面部34、34が形成されている。底面部34、34に連続する、長尺材3の長手方向に沿う中央部には、底面部34、34から隆起した矩形形状の突出部32が形成されており、突出部32は接続金具2から伸びるボルト部23の外径を収納できるだけの外形をなしている。長尺材3の突出部32の先端32aには、図4(b)に示すように、突出部32は接続金具2から伸びるボルト部23が長尺材3の突出部32から突き出るための孔部33が形成されており、孔部33は、長尺材3の長手方向に沿って構造物の屋上面100に設けられた接続金具2から伸びるボルト部23の位置に対応して形成されている。
【0032】
構造物の屋上面100に、長尺材3の長手方向に沿うように、複数配置された接続金具2の上面部22に長尺材3の底面部34、34が載せられることで、図5に示すように、接続金具2のボルト部23の先端側が長尺材3の突出部32の先端32aの孔部33から突き出ている。そして、本例では、図5(a)に示すように、両端側の接続金具2の列の上に配置された長尺材3の突出部32の孔部33から突き出したボルト部23には固定部材であるナット71が螺合されて、長尺材3が接続金具2側に固定されている。また、接続金具2、2に載った、対向する長尺材3、3により、長尺材3、3の、底面部34、34と突出部32と形成される角部35、35が向き合う(対向する)ことで、角部35、35が植栽基盤1の底面部13の縁部13a側を支持することが可能になり、長尺材3、3の角部35、35に植栽基盤1が載置されている。
【0033】
植栽基盤1は、図6に示すように、略四角錐台の形状をなしている。植栽基盤1の矩形形状の上面部11側から、植栽基盤1の厚み方向に沿って植栽ポット12が複数形成されている。本例では、図6(a)に示すように、植栽基盤1の上面部11側に植栽ポット12は一定の間隔で九つ形成されているが、九つに限定されることなく九つより多くすることも可能であり、少なくすることも可能である。そして、この植栽ポット12には、培土を充填して蔓性植物を植栽することになる。また、植栽基盤1は、図6(b)に示すように、上面部11より底面部13が大きく、植栽基盤1の側方方向にあたる上面部11と底面部13との間の側面部14は傾斜して形成されている。そして、植栽基盤1は、長尺材3、3の長手方向に沿って複数、長尺材3、3の角部35、35に載置されることで、植栽基盤1の列が配置されている。
【0034】
そして、長尺材3の、複数の植栽基盤1が載置されて(配置されて)植栽基盤1の列が形成された角部35側とは反対の角部35側には、図1に示すように、第一押え材4が取り付けられている。第一押え材4は、植栽基盤1の側面部14を保持するための部材であり、接続金具2に固定された長尺材3と植栽基盤1とを連結するため、第一押え材4の長手方向の長さと長尺材3の長手方向の長さとが略同一となっている。第一押え材4の長手方向と交差する横断方向の形状は、図5(a)及び図7(a)に示すように、長尺材3側では、長尺材3の底面部34と平行に伸びる平面部41が、接続金具2を含めた長尺材3の底面部34を被うことができるように、長尺材3の底面部34より若干長く伸びて形成されている。そして、図5(a)及び図7(a)に示すように、長尺材3の、突出部32と底面部34を囲むように、平面部41から、平面部41に対して垂直に伸びる折曲部42が形成されている。
【0035】
植栽基盤1側の第一押え材4の長手方向と交差する横断方向の形状では、図5(a)及び図7(a)に示すように、本例では植栽基盤1が略四角錐台の形状をなし植栽基盤1の側面部14が傾斜しているため、平面部41から折れ曲がり植栽基盤1の側面部14に沿って平行に傾斜して伸長部43が伸びている。本例の植栽基盤1と異なり、例えば、直方体形状の植栽基盤であれば、植栽基盤1の側面部14は傾斜しないことになり、平面部41から伸びる伸長部43も傾斜せずに植栽基盤1の側面部14に沿って伸びることになる。植栽基盤1の側面部14に沿って伸びた伸長部43より植栽基盤1の上面部11に沿って、上面部11と平行に平面部44が植栽ポット12の方向に伸びている。
【0036】
そして、平面部41の植栽基盤1側には、孔部45が形成されており、孔部45は、図7(b)に示すように、長尺材3の長手方向に沿って構造物の屋上面100に設けられた接続金具2から伸びるボルト部23の位置に対応して形成されている。接続金具2から伸びる、ナット71より突き出したボルト部23がその孔部45から突き出ている。突き出ているボルト部23に通された座金73は、図5(a)に示すように、平面部41上に載置されており、座金73より突き出したボルト部23にナット72を螺合することで第一押え材4が配置されている。以上のようにして、第一押え材4が配置されることにより、接続金具2に固定された長尺材3と植栽基盤1とが連結されている。
【0037】
また、図3に示すように、中央に配置された(両端の接続金具2の列に対向して配置された)接続金具2の列同士の間に設けられた下網部51と重なり合うようにして第二網部である上網部52が設けられている。本例で用いる上網部52は下網部51より網目の大きい金属製であり、網目は50mm×50mmの正方形の網目であるが、網目は、このような形状に限定されることなく、蔓性植物の蔓が繁ることができれば、どんな形状でもかまわず、例えば、50mm×50mmから150mm×300mmの正方形、或いは長方形の網目で、網目が長方形の場合には、長尺材の長手方向と平行な方向を網目の広い辺と狭い辺の内、狭い辺とすることになる。本例では、図3に示すように、下網部51上に配置された長尺材3、3から突き出たボルト部23、23の列同士の間に、上網部52が長尺材3、3の先端23a、23aを被うようにして配置されている。
【0038】
上網部52は、図5(b)に示すように、下網部51と同様に、上網部52の、長尺材3の長手方向となる一列に並んだ接続金具2から伸びるボルト部23に対して交差する方向の上網部52の縁部52a、52a側の網目が、接続金具2、2のボルト部23、23を通り、上網部52の縁部52a、52a側を長尺材3、3の先端32a、32aに載置されている。つまり、図3(a)に示すように、上網部52は、中央に配置された(両端の接続金具2の列に対向して配置された)接続金具2の列同士の間を被い、上網部52の縁部52a、52a側が対向する長尺材3、3の先端32a、32aに載置されることで、接続金具2の上面部22から伸びるボルト部23が上網部52の縁部52a側の網目を通り抜け、上網部52の保持及び位置決めが行われている。
【0039】
このように上網部52が載置されることで、上網部52は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになる(上網部52は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになる)。その結果、上網部52は下網部51に対向して重なり合い、下網部51と上網部52とが対向して空間523が形成されている。以上のようにして、複数配置された植栽基盤1の列同士の間には、下網部51と上網部52とからなる二層構造の網部5が設けられている。図5(b)に示すように、上網部52の縁部52a側の網目を通り抜け突き出したボルト部23には固定部材であるナット71が螺合されて、下網部51の縁部51a側、長尺材3及び上網部52の縁部52a側が接続金具2側に固定されている。
【0040】
さらに、複数配置された植栽基盤1の列と隣接する長尺材3(接続金具2から伸びるナット71から突き出したボルト部23)とを連結するために、第一押え材4と対向して、上網部52の縁部52a側のナット71上には第二押え材6が配置されている。第二押え材6は、第一押え材4と同様に、長手方向の長さが長尺材3の長手方向の長さとが略同一となっている。この第二押え材6は、図5(b)及び図8に示すように、本例の植栽基盤1が略四角錐台の形状をなし、植栽基盤1の、傾斜した側面部14に沿って伸長部62が伸びており、伸長部62の一方の端部側より(折れ曲がり)植栽基盤1の上面部11上に(載り)、上面部11と平行に平面部63が植栽ポット12へ伸びている。また、伸長部62の他方の端部側より(折れ曲がり)上網部52の縁部52a側上に、上網部52に沿って伸びる平面部61が形成されている。
【0041】
本例の植栽基盤1と異なり、例えば、直方体形状の植栽基盤であれば、植栽基盤1の側面部14は傾斜しないことになり、平面部61から伸びる伸長部62も傾斜せずに植栽基盤1の側面部14に沿って伸びることになる。植栽基盤1の側面部14に沿って伸びた伸長部62より(折れ曲がり)植栽基盤1の上面部11上に、上面部11と平行に平面部63が植栽ポット12に向かって伸びている。そして、図5(b)及び図8(a)に示すように、平面部61は上網部52の縁部52a側のナット71上に載置され、平面部61には、孔部64が設けられており、孔部64は、図8(b)に示すように、長尺材3の長手方向に沿って構造物の屋上面100に設けられた接続金具2から伸びるボルト部23の位置に対応して形成されている。
【0042】
そして、接続金具2から伸びるボルト部23が孔部64から突き出ている。この孔部64から突き出ているボルト部23に通された座金73は、図5(b)に示すように、平面部61上に載置されており、座金73より突き出したボルト部23にナット72を螺合し
ている。ナット72を螺合することで第二押え材6を上網部52及び植栽基盤1側に固定することで植栽基盤1の側面部14を押さえることになる。以上のようにして、第二押え材6が配置されることにより、下網部51の縁部51a側、長尺材3及び上網部52の縁部52a側を固定された接続金具2と植栽基盤1とが連結されている。以上のようにして、一列に並べた植栽基盤1同士の間に二層構造の網部5が設けられている。
【0043】
また、二層構造の網部5内には、第一掃除用網である掃除用網53を配置することも可能であり、図9では、二層構造の網部5内に掃除用網53を配置した状態が示してある。本例で用いる掃除用網53は樹脂製であり、網目の大きさは1mm×1mmの正方形の網目であり、下網部51の網目と同じ大きさである。掃除用網53の網目は下網部51の網目と同じ大きさであれば1mm×1mmの大きさに限定されることなく、例えば、1mmから5mmの正方形、或いは長方形の網目で、ごみが下網部51へ落ちないで、しかも風が通る程度の網目の大きさが確保できていればよく、網目の形状は特に問わない。そして、二層構造の網部5内に配置される掃除用網53の大きさは、同じ大きさで重なり合っている(下網部51に対向するとともに上網部52に対向し)、下網部51と上網部52との大きさにほぼ等しい大きさである。
【0044】
具体的には、掃除用網53の、長尺材3の長手方向に沿う長さは、下網部51及び上網部52の、長尺材3の長手方向に沿う長さと同じであり、掃除用網53の、長尺材3の長手方向と交差する横断方向の長さ(掃除用網53の幅)は、図9(a)に示すように、下網部51及び上網部52の、長尺材3の長手方向と交差する横断方向の長さ(下網部51及び上網部52の幅)より短い。そして、掃除用網53は、図9(a)に示すように、二層構造の網部5内の空間523に下網部51と上網部52とに挟み込まれて配置されている。そのため、掃除用網53は、二層構造の網部5内の空間523に配置されることで、下網部51に対向するとともに、上網部52に対向することになる(図10(a)参照)。
【0045】
また、掃除用網53は、図10に示すように、掃除用網53を形成する、掃除用網53の長手方向に沿う(長尺材3の長手方向に沿う)縦糸54と、掃除用網53を形成する、掃除用網53の長手方向(長尺材3の長手方向)と交差する横断方向に沿う横糸55とが交差して形成されている。そして、横糸55は容易に折れ曲がらない強度を有する素材、例えば、樹脂、金属で成形されており、これに対して、縦糸54は柔軟性に富んだ素材、例えば、繊維等で成形されている。また、横糸55、縦糸54の素材を同じにして、横糸55、縦糸54の太さを異なるようにして、つまり、横糸55より縦糸54を細くすることで横糸55を縦糸54より折れ曲がらない強度を上げることも可能である。さらに、図10(b)に示すように、掃除用網53の他方の端部532には、掃除用網53の縁部53a、53a側に二本の引戻し紐56、56が取り付けられている。このように、掃除用網53は、横糸55は容易に折れ曲がらない強度を有する素材からなるため、収納等に際して横糸55を中心に掃除用網53の長手方向に沿って巻き取ることにより掃除用網53をまとめることが可能である。
【0046】
そして、掃除用網53は、下網部51と上網部52との間に配置されるに際しては、掃除用網53の取り外しを考慮に入れて、上網部52の、第二押え材(長尺材3)6側である、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側を上網部52の縁部52a、52a側に針金で縛って固定することで配置している。具体的には、図9(b)に示すように、上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側との複数箇所で上網部52の縁部52a、52a側と掃除用網53の縁部53a、53a側を固定している。
【0047】
この上網部52の縁部52a、52a側と掃除用網53の縁部53a、53a側との固定が行われる固定位置533、534、535、・・・は、図9(b)に示すように、第二押え材6の長手方向(上網部52の縁部52a、52a及び掃除用網53の縁部53a、53a)に沿って複数形成されている。本例では、固定位置533、534、535、・・・は等間隔で形成されているが、等間隔で形成される必要はない。上網部52に対して掃除用網53を固定(取り付け)ができれば固定位置533、534、535、・・・の間隔は自由に設定することが可能である。
【0048】
固定位置では、上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側とを紐状部材である針金により縛っている。単に針金により上網部52の縁部52a、52a側と掃除用網53の縁部53a、53a側とを縛っているに過ぎないので針金を解くことにより、上網部52と掃除用網53とを分離することが可能になっている。本例では、針金を用いて上網部52に掃除用網53を固定しているが、針金の他にフック状の部材を用いて上網部52に掃除用網53を固定して配置することも可能である。
【0049】
フック状の部材を用いる場合には、上網部52の縁部52a、52a側の固定位置533、534、535、・・・の網目にフック状の部材の一端を取り付け(引っ掛け)、掃除用網53の縁部53a、53a側の固定位置533、534、535、・・・の網目にフック状の部材の他端を取り付け(引っ掛け)ることにより、上網部52に掃除用網53を固定して配置することになる。以上のようにして、針金、或いはフック状の部材を用いることにより、針金を縛ったり、解いたりしたり、或いはフック状の部材を取り付けたり、外したりすることで上網部52に掃除用網53の着脱を可能にしている。
【0050】
そして、構造物の屋上面100上に二列に並んだ植栽基盤1、1の列同士の間の二層構造の網部5の中に(二層構造の網部5である、下網部51と上網部52とで挟み込んで)掃除用網53を設けるには、重なり合っている、上網部52及び下網部51の一方の端部側(上網部52及び下網部51の長手方向に沿う両端の一方の端部側)から掃除用網53を、上網部52と下網部51とで形成された空間523内に挿入する。挿入することで掃除用網53を下網部51に対向させるとともに、上網部52に対向させることで、二層構造の網部5の中に掃除用網53を設けることになる。
【0051】
つぎに、固定位置533、534、535、・・・で上網部52に掃除用網53を針金で固定することで掃除用網53が配置される。そして、掃除用網53を二層構造の網部5の中から取り出すには、固定位置533、534、535、・・・に取り付けられた針金を解き(掃除用網53から針金を取り除き)、掃除用網53を矢印A方向へ移動して、掃除用網53を二層構造の網部5の外に出す。掃除用網53には、枯葉等のごみが載っているので掃除用網53を二層構造の網部5から取り出すことで二層構造の網部5から枯葉等のごみを除去することが可能になる。
【0052】
(例2)
例2では、図11に示すように、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設けて、植栽基盤1、1の列同士の間に配置して植栽基盤1、1の列同士を連結するとともに通路となる第三押え材8を設ける構造について説明する。特に、例2では、例1と異なる、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列同士の連結について中心に説明する。例2においても、二層構造の網部5側と植栽基盤1の列との連結は、例1と同様にして行われている。例2では、例1で用いた部材と同じ部材については同じ参照番号を用いて示してある。
【0053】
接続金具2は、図11に示すように、構造物の屋上面100上に所定の間隔で複数列平行に配置されている(図11では、接続金具2が五列平行に配置されている)。各列では、図24に示すように、間隔をあけて複数の接続金具2が配置されて、接続金具2の列が形成されている。接続金具2の列は、構造物の屋上面100に長尺材3を配置するために、長尺材3の長手方向に沿うように、真っ直ぐに一列に並べられており、対向する接続金具2の列同士では、接続金具2、2同士が対向している。構造物の屋上面100への接続金具2の配置では、接続金具2の下面部21を例1と同様にして構造物の屋上面100へ固定している。
【0054】
例2で用いる接続金具2は、基本的には、例1で用いた接続金具2と同じである。つまり、接続金具2(の上面部22)に対して垂直方向に伸びて設けられているボルト部23は、図11に示すように、長尺材3の突出部32を突き出て、さらに上網部52を突き出る長さであればよい。ただし、本例では、植栽基盤1、1に挟み込まれる、長尺材3を配置することになる中央の接続金具2の凸部であるボルト部24は、図11及び図12(a)に示すように、例1で用いた接続金具2のボルト部23とは異なり、接続金具2に対して垂直方向に伸びて設けられているボルト部24の長さが、例1で用いた接続金具2に設けられたボルト部23より長い。ただし、ボルト部24の長さは、植栽基盤1の厚さ方向(植栽ポットの深さ方向)の長さに応じて、ボルト部24に固定される第三押え材8の通路としての幅を有する底面部83がボルト部24の先端側に固定可能となればよく、必ずしもボルト部23より長くする必要はない。
【0055】
図11に示す、構造物の屋上面100上に所定の間隔で五列に平行に配置された接続金具2の列の内、中央の接続金具2の列には、例1と同一の長尺材3が配置されている。中央の接続金具2の列に対向するそれぞれ接続金具2の列(中央の接続金具2の列の両側の接続金具2、2の列)には、下網部51の、長尺材3の長手方向となる、一列に並んだ、中央の接続金具2の列の両側の接続金具2、2の列の方向に対応する下網部51の縁部51a、51a側の網目が、中央の接続金具2の列の両側の接続金具2、2の列の接続金具2、2のボルト部23、23を通り、下網部51の縁部51a、51a側を接続金具2、2の上面部22、22に載置されて配置されている。
【0056】
つまり、図11に示すように、中央の接続金具2の列の両側の、対向する二列に並んだ接続金具2、2の列に下網部51が載置されて配置されることで、下網部51により、二列に並んだ接続金具2、2同士の間(中央の接続金具2の両側の接続金具2、2の列と両側の接続金具2、2の列に対向した別の接続金具2、2との間)を被うことになる。そして、下網部51の縁部51a、51a側が対向する接続金具2、2の上面部22(中央の接続金具2の列の両側の接続金具2、2の上面部22、22と中央の接続金具2の列の両側の接続金具2、2の列に対向した別の接続金具2、2の上面部22、22)に載置されることで、接続金具2の上面部22から伸びるボルト部23が下網部51の縁部51a側の網目を通り抜け、下網部51の保持及び位置決めが行われている。このように下網部51が配置されることで、下網部51は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになる(下網部51は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになる)。
【0057】
そして、構造物の屋上面100に一列に設けられた接続金具2の上には、それぞれ例1と同一の長尺材3が配置されている。接続金具2への長尺材3の配置は、図11に示すように、例1と同様に、接続金具2の上面部22に長尺材3の底面部34、34を載せて、接続金具2に対して垂直方向に伸びるボルト部23の先端側を長尺材3の突出部32の先端32aに設けられた孔部33から突き出させている。
【0058】
このように、図11では、接続金具2上に長尺材3を配置して、構造物の屋上面100に長尺材3が五列並べられている。長尺材3がこのように並べられることで、図11に示す中央の接続金具2の列に配置された長尺材3と、中央の接続金具2の列の両側の接続金具2、2の列に配置された長尺材3、3とは対向している。そのため、接続金具2、2に載った、対向する長尺材3、3により、長尺材3、3の長手方向の、底面部34、34と突出部32、32と形成される角部35、35が向き合う(対向する)ことで、角部35、35が植栽基盤1の底面部13の縁部13a側を支持することが可能になっている。そして、対向する長尺材3、3の角部35、35に植栽基盤1が載置されている。
【0059】
そして、例1と同様に、植栽基盤1は、長尺材3、3の長手方向に沿って複数、長尺材3、3の角部35、35に載置されている(配置されている)。つまり、植栽基盤1は三列の長尺材3の長手方向に沿って、長尺材3、3同士の間に複数載置されることで(配置されることで)、図12(a)及び図12(b)に示すように、長尺材3の長手方向に沿って、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列が形成されることになる。本例では、三列に並べられた長尺材3の内、植栽基盤1、1に挟み込まれた長尺材3が他の長尺材3と対向することになるため、図12(b)に示すように、植栽基盤1、1に挟み込まれることになる長尺材3の角部35、35には一列目の植栽基盤1と二列目の植栽基盤1の、底面部13の縁部13a側を支持することになり、植栽基盤1、1に挟み込まれることになる長尺材3の角部35、35には一列目の植栽基盤1と二列目の植栽基盤1の、底面部13の縁部13a側が載置されている。
【0060】
そして、図11に示すように、接続金具2の列同士の間(中央の接続金具2の両側の接続金具2、2の列と両側の接続金具2、2の列に対向した別の接続金具2、2との間)に設けられた下網部51と重なり合うようにして上網部52が設けられている。図11に示すように、下網部51上に配置された長尺材3から突き出たボルト部23の列同士の間に、上網部52が長尺材3の先端23aを被うようにして配置されている。上網部52は、図11に示すように、下網部51と同様に、上網部52の、長尺材3の長手方向となる、一列に並んだ、接続金具2から伸びるボルト部23の列に対応する上網部52の縁部52a、52a側の網目が、接続金具2、2のボルト部23、23(中央の接続金具2の両側の接続金具2、2のボルト部23の列と、中央の接続金具2の両側の接続金具2、2の列に対向した別の接続金具2、2のボルト部23の列と)を通り、上網部52の縁部52a、52a側を長尺材3、3の先端32a、32a(中央の接続金具2の両側の接続金具2、2の列に載置された長尺材3の先端32aと、中央の接続金具2の両側の接続金具2、2の列に対向した別の接続金具2、2の列に載置された長尺材3の先端32aと)に載置されて配置されている。
【0061】
つまり、図11に示すように、上網部52は、二列に並んだ長尺材3、3同士の間(中央の接続金具2の両側の接続金具2、2の列に載置された長尺材3と、中央の接続金具2の両側の接続金具2、2の列に対向した別の接続金具2、2の列に載置された長尺材3と)を被い、上網部52の縁部52a、52a側が対向する長尺材3、3の先端32a、32aに載置されることで、接続金具2の上面部22から伸びるボルト部23が上網部52の縁部52a側の網目を通り抜け、上網部52の保持及び位置決めが行われている。このように上網部52が配置されることで、上網部52は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになる(上網部52は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになる)。その結果、上網部52は下網部51に対向して重なり合い、下網部51と上網部52とが対向して空間523が形成されている。以上のようにして、例1と同様にして、複数配置された植栽基盤1、1の列同士の間には、下網部51と上網部52とからなる二層構造の網部5が設けられている。
【0062】
そして、例1と同様に、上網部52の縁部52a側の網目を通り抜け突き出したボルト部23には固定部材であるナット71が螺合されて、下網部51の縁部51a側、長尺材3及び上網部52の縁部52a側が接続金具2側に固定されている。また、例1と同様に、複数配置された植栽基盤1の列と隣接する長尺材3(接続金具2から伸びるナット71から突き出したボルト部23)とを連結するために、第二押え材6が配置されている。第二押え材6は、例1と同様に、長手方向の長さが長尺材3の長手方向の長さとが略同一となっている。そして、植栽基盤1が、例1と同様に、略四角錐台の形状をなし植栽基盤1の側面部14が傾斜している。
【0063】
第二押え材6が配置されることで、植栽基盤1の側面部14に沿って伸びた第二押え材6の伸長部62より植栽基盤1の上面部11上に載り、上面部11と平行に第二押え材8の平面部63が植栽ポット12に向かって伸びている。そして、例1と同様に、平面部61の植栽基盤1側に設けられた孔部64からは、接続金具2から伸びるボルト部23が突き出ており、このボルト部23に通された座金73は平面部61上に載置されている。座金73より突き出たボルト部23にナット72を螺合することで第二押え材6を上網部52及び植栽基盤1側に固定して植栽基盤1の側面部14を第二押え材6により押さえることになる。
【0064】
以上のようにして、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より二層構造の網部5が挟み込んだ構成となっている。
【0065】
また、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1同士の間では、図11に示すように、植栽基盤1、1に長尺材3が挟み込まれており、その長尺材3が載置された接続金具2から接続金具2に対して垂直に伸びるボルト部24が長尺材3の孔部33から突き出ている。そして、このボルト部24に通された座金73は長尺材3の突出部32の先端32a上に載置されている。この座金73より突き出たボルト部24にはナット72が螺合されて、長尺材3は接続金具2に固定されている。
【0066】
また、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1同士の間には、図11及び図12に示すように、第三押え材8が取り付けられている。第三押え材8は、図13に示すように、板状部材を折り曲げて形成されている。第三押え材8は、図13(b)に示すように、第三押え材8の(長手方向を横断する方向の)中央では第三押え材8の長手方向に沿って、平面部81、81より隆起した突出部84が形成されている。突出部84は断面がT字状の形状をなしており、折曲部82、82と底面部83とで形成されている(図13(a)参照)。
【0067】
つまり、突出部84は、平面部81、81より略垂直に折れ曲がって伸びる折曲部82、82が形成されている。本例での植栽基盤1の側面部14が傾斜しているため、折曲部82、82は植栽基盤1の側面部14に沿うために、植栽基盤1の側面部14に沿えるように平面部81、81より略垂直に折れ曲がって伸びている。そして、底面部83は、図13に示すように、折曲部82、82から折れ曲がり、折曲部82、82と連続する水平な平面状の平板部として形成されている。また、底面部83には、図13(b)に示すように、第三押え材8の長手方向に沿って接続金具2が設けられる位置に対応して孔部85が設けられている。そして、第三押え材8は、第一押え材4及び第二押え材6と同様に、長手方向の長さが長尺材3の長手方向の長さとが略同一となっている。
【0068】
第三押え材8は、図12(b)に示すように、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の間に配置され、第三押え材8の長手方向は二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の上面部11、11の列に沿って伸びている。二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の側面部14、14の間では側面部14、14の間に、第三押え材8の長手方向と交差する横断方向の中央側の突出部84が挟み込まれている。つまり、図12(b)に示すように、第三押え材8が二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の間に配置されることで、第三押え材8の折曲部82、82が二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の側面部14、14に沿って伸び、第三押え材8の長手方向と交差する横断方向の縁部側では、第三押え材8の平面部81が植栽基盤1の上面部11に載り、植栽基盤1の上面部11上を植栽基盤1の上面部11と平行に、植栽ポット12に向かって伸びている。
【0069】
植栽基盤1は略四角錐台の形状をなし植栽基盤1の側面部14が傾斜しているため、図12(b)に示すように、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1同士の上面部11、11の縁部11a、11a同士の間の長さは、底面部13、13の縁部13a、13a同士の間の長さよりも長くなっている。そのため、植栽基盤1、1同士を隣り合わせても(底面部13、13の縁部13a、13a同士を接近させても、底面部13、13の縁部13a、13a同士の間の距離より上面部11、11の縁部11a、11a同士の間の距離は長くなり)、第三押え材8の底面部83の長手方向と交差する横断方向の長さを長くする(第三押え材8の底面部83の幅を広くとる)ことが可能になる。その結果、第三押え材8の底面部83は人が通る通路として用いることが可能になる。
【0070】
また、図13(b)に示すように、第三押え材8の底面部83には、第三押え材8の長手方向に沿って接続金具2が設けられる位置に対応して孔部85が設けられており、第三押え材8が植栽基盤1、1同士の間に取り付けられると、接続金具2から伸びるボルト部24の先端側が第三押え材8の孔部85を貫通して突き出ている。この孔部85から突き出ているボルト部24には座金73が通されており、その座金73は底面部83上に載置されている。さらに座金73より突き出たボルト部24にはナット72を螺合することで第三押え材8を二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の上面部11、11側に固定することで二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1同士の間隔を保持する(固定する)とともに、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1同士の間に通路を形成することになる。
【0071】
以上のようにして、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より二層構造の網部5で挟み込んで、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列同士の間に第三押え材8を配置して植栽基盤1、1の列同士を連結するとともに通路を設けることになる。
【0072】
また、二層構造の網部5内には、第三掃除用網である掃除用網53を配置することも可能であり、図14では、二層構造の網部5、5内それぞれに掃除用網53、53を配置した状態が示してある。掃除用網53、53は、図14に示すように、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込んだ二層構造の網部5、5内の空間523に配置されている。本例での第三掃除用網である掃除用網53は、例1に示す第一掃除用網と実質的に同じである。本例で用いる掃除用網53は、例1と同様に、樹脂製であり、網目の大きさは1mm×1mmの正方形の網目であり、下網部51の網目と同じ大きさである。
【0073】
例1と同様に、掃除用網53の網目は下網部51の網目と同じ大きさであれば1mm×1mmの大きさに限定されることなく、例えば、1mmから5mmの正方形、或いは長方形の網目で、ごみが下網部51へ落ちないで、しかも風が通る程度の網目の大きさが確保できていればよく、網目の形状は特に問わない。そして、例1と同様に、二層構造の網部5内に、下網部51に対向するとともに上網部52に対向して配置される掃除用網53の大きさは、同じ大きさで重なり合っている、下網部51と上網部52との大きさにほぼ等しい大きさである。本例では、掃除用網53が、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込んだ両方の二層構造の網部5内に配置されている。
【0074】
そして、例1と同様に、掃除用網53の、長尺材3の長手方向に沿う長さは、下網部51及び上網部52の、長尺材3の長手方向に沿う長さと同じであり、掃除用網53の、長尺材3の長手方向と交差する横断方向の長さ(掃除用網53の幅)は、図14に示すように、下網部51及び上網部52の、長尺材3の長手方向と交差する横断方向の長さ(下網部51及び上網部52の幅)より短い。そして、掃除用網53は、例1と同様に、図14に示すように、二層構造の網部5内の空間523に下網部51と上網部52とに挟み込まれて配置されている。そのため、掃除用網53は、二層構造の網部5内の空間523に配置されることで、下網部51に対向するとともに、上網部52に対向することになる(図14参照)。
【0075】
また、掃除用網53は、例1と同様に、図15に示すように、掃除用網53を形成する、掃除用網53の長手方向に沿う(長尺材3の長手方向に沿う)縦糸54と、掃除用網53を形成する、掃除用網53の長手方向(長尺材3の長手方向)と交差する横断方向に沿う横糸55とが交差して形成されている。そして、横糸55は容易に折れ曲がらない強度を有する素材、例えば、樹脂、金属で成形されており、これに対して、縦糸54は柔軟性に富んだ素材、例えば、繊維等で成形されている。また、横糸55、縦糸54の素材を同じにして、横糸55、縦糸54の太さを異なるようにして、つまり、横糸55より縦糸54を細くすることで横糸55を縦糸54より折れ曲がらない強度を上げることも可能である。さらに、例1と同様に、図15に示すように、掃除用網53の他方の端部532には、掃除用網53の縁部53a、53a側に二本の引戻し紐56、56が取り付けられている。このように、掃除用網53は、横糸55は容易に折れ曲がらない強度を有する素材からなるため、収納等に際して横糸55を中心に掃除用網53の長手方向に沿って巻き取ることにより掃除用網53をまとめることが可能である。
【0076】
そして、掃除用網53は、二層構造の網部5内の空間523に配置される(下網部51と上網部52との間に配置される)に際しては、掃除用網53の取り外しを考慮に入れて、例1と同様に、上網部52の、第二押え材(長尺材3)6側である、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側を上網部52の縁部52a、52a側に針金で縛って固定することで配置している。具体的には、図15(a)に示すように、上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側との複数箇所で上網部52の縁部52a、52a側と掃除用網53の縁部53a、53a側を固定している。
【0077】
この上網部52の縁部52a、52a側と掃除用網53の縁部53a、53a側との固定が行われる固定位置533、534、535、・・・は、図15に示すように、第二押え材6の長手方向(上網部52の縁部52a、52a及び掃除用網53の縁部53a、53a)に沿って複数形成されている。本例では、固定位置533、534、535、・・・は等間隔で形成されているが、等間隔で形成される必要はない。上網部52に対して掃除用網53を固定(取り付け)ができれば固定位置533、534、535、・・・の間隔は自由に設定することが可能である。
【0078】
固定位置では、上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側とを紐状部材である針金により縛っている。単に針金により上網部52の縁部52a、52a側と掃除用網53の縁部53a、53a側とを縛っているに過ぎないので針金を解くことにより、上網部52と掃除用網53とを分離することが可能になっている。本例では、針金を用いて上網部52に掃除用網53を固定しているが、針金の他にフック状の部材を用いて上網部52に掃除用網53を固定して配置することも可能である。
【0079】
フック状の部材を用いる場合には、上網部52の縁部52a、52a側の固定位置533、534、535、・・・の網目にフック状の部材の一端を取り付け(引っ掛け)、掃除用網53の縁部53a、53a側の固定位置533、534、535、・・・の網目にフック状の部材の他端を取り付け(引っ掛け)ることにより、上網部52に掃除用網53を固定して配置することになる。以上のようにして、針金、或いはフック状の部材を用いることにより、針金を縛ったり、解いたりしたり、或いはフック状の部材を取り付けたり、外したりすることで上網部52に掃除用網53の着脱を可能することになる。
【0080】
そして、構造物の屋上面100上に二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列同士の間の二層構造の網部5の中に(二層構造の網部5である、下網部51と上網部52とで挟み込んで)掃除用網53を設けるには、重なり合っている、上網部52及び下網部51の一方の端部側(上網部52及び下網部51の長手方向に沿う両端の一方の端部側)から掃除用網53を、上網部52と下網部51とで形成された空間523内に挿入する。挿入することで掃除用網53を下網部51に対向させるとともに、上網部52に対向させることで、二層構造の網部5の中に掃除用網53を設けることになる。
【0081】
つぎに、固定位置533、534、535、・・・で上網部52に掃除用網53を針金で固定することで掃除用網53が配置される。本例では、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列同士を水平方向より、二層構造の網部5、5が挟み込んでいるため、例1とは異なり、一つの掃除用網53を用いるのではなく、二層構造の網部5、5それぞれに掃除用網53、53が組み込まれている。そのため、本例では、図15(b)に示すように、掃除用網53、53が二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列同士を挟み込んで対向している。
【0082】
そして、掃除用網53を二層構造の網部5の中から取り出すには、固定位置533、534、535、・・・に取り付けられた針金を解き(掃除用網53から針金を取り除き)、掃除用網53を矢印A方向へ移動して、掃除用網53を二層構造の網部5の外に出す。掃除用網53には、枯葉等のごみが載っているので掃除用網53を二層構造の網部5から取り出すことで二層構造の網部5から枯葉等のごみを除去することが可能になる。そして、掃除用網53から枯葉等を含むゴミを除去した後、掃除用網53の他方の端部に取り付けられた引戻し紐56、56を引っ張り、掃除用網53を二層構造の網部5内へ戻し(挿入し)、再び上網部52の、第二押え材(長尺材3)6側である、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側を上網部52の縁部52a、52a側で複数箇所(固定位置533、534、535、・・・)を針金で縛ることになる。
【0083】
また、本例においては、上網部52は、図16に示すように、下網部51(長尺材3)の長手方向に沿って一つの上網部52を配置するのとは異なり、第二網片である小型の上網片521を下網部51(長尺材3)の長手方向に沿って、ボルト部23、23の列同士の間に一列に複数配置することで上網部52の形成を行うことも可能である。
【0084】
本例で用いる小型の上網片521は例1の上網部52と同一の網目の大きさであり、また、小型の上網片521は、図16(a)に示すように、略正方形形状をなしているが、略長方形形状をなすことも可能である。また、隣り合う小型の上網片521、521同士の間には隙間522が形成されている。つまり、小型の上網片521は、下網部51の縁部51a、51a側の網目から突き出たボルト部23、23の列の長手方向に沿って、隣り合う小型の上網片521、521同士の間には隙間522を形成して複数配置されている(図16参照)。小型の上網片521は、下網部51の縁部51a、51a側の網目から突き出たボルト部23、23の列同士の間を被うようにして載置されている。
【0085】
小型の上網片521の縁部521a、521a側の網目が、一列に並んだ、下網部51の縁部51a、51aの網目から突き出たボルト部23、23の列を通ることで、小型の上網片521の縁部521a、521a側が長尺材3、3の先端32a、32aに載置されている(図16(b)参照)。載置された小型の上網片521と隙間522を経て、同じように、小型の上網片521は、小型の上網片521の縁部521a、521a側の網目が、下網部51の縁部51a、51aの網目から突き出たボルト部23、23を通して、小型の上網片521の縁部521a、521a側を長尺材3、3の先端32a、32aに載置する、ということを複数の小型の上網片521についても行うことで複数の小型の上網片521が長尺材3、3の先端32a、32aに載置されることで上網部52が長尺材3、3の先端32a、32aに配置されている。
【0086】
上網部52は、図16(b)に示すように、長尺材3の先端32a、32a同士の間を被い、上網部52の縁部52a、52a側が対向する長尺材3の先端32a、32a上に載置されることで、接続金具2、2の上面部22、22から伸びるボルト部23、23が上網部52の縁部52a、52a側の網目を通り抜け、上網部52の保持及び位置決めが行われている。このように上網部52が配置されることで、上網部52は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになり(上網部52は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになり)、上網部52は下網部51に対向して重なり合うようになっている。以上のようにして、下網部51と上網部52とからなる二層構造の網部5が設けられている。
【0087】
そして、植栽基盤1は、長尺材3、3の長手方向に沿って複数、長尺材3、3の角部35、35に載置されている(配置されている)。つまり、長尺材3の長手方向に沿って、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列が形成されている(図16(b)参照)。そして、上網部52の縁部52a側の網目を通り抜け突き出したボルト部23には固定部材であるナット71が螺合されて、下網部51の縁部51a側、長尺材3及び上網部52の縁部52a側が接続金具2側に固定されている。また、複数配置された植栽基盤1の列と隣接する長尺材3(接続金具2から伸びるナット71から突き出したボルト部23)とを連結するために、同様に、第二押え材6が配置されている。
【0088】
また、二層構造の網部5内には、第二掃除用網である掃除用網53を配置することも可能であり、図14では、二層構造の網部5内に掃除用網53を配置した状態が示してある。本例で用いる掃除用網53は樹脂製であり、網目の大きさは1mm×1mmの正方形の網目であり、下網部51の網目と同じ大きさである。掃除用網53の網目は下網部51の網目と同じ大きさであれば1mm×1mmの大きさに限定されることなく、例えば、1mmから5mmの正方形、或いは長方形の網目で、ごみが下網部51へ落ちないで、しかも風が通る程度の網目の大きさが確保できていればよく、網目の形状は特に問わない。
【0089】
また、掃除用網53は、例1に示す掃除用網53と同様に、掃除用網53を形成する、長尺材3の長手方向に沿う縦糸54と、掃除用網53を形成する、長尺材3の長手方向と交差する横断方向に沿う横糸55とが交差して形成されている。そして、例1における掃除用網53では、横糸55及び縦糸54は同じ素材で成形されているが、例1における掃除用網53と同様に、横糸55は容易に折れ曲がらない強度を有する素材、例えば、樹脂、金属で成形されており、これに対して、縦糸54は柔軟性に富んだ素材、例えば、繊維等で成形することも可能である。また、掃除用網53では、例1における掃除用網53とは異なり引戻し紐56、56を取り付けていないが、例1における掃除用網53と同様に、掃除用網53の他方の端部532に、掃除用網53の縁部53a、53a側に二本の引戻し紐56、56を取り付けることも可能である。
【0090】
下網部51と上網部52との間に挟み込む第二掃除用網である掃除用網53は、小型の上網片521と対向して重なり合うように配置されている。図16(a)に示すように、掃除用網53は小型の上網片521と略同一の略正方形形状をなしている。ただし、掃除用網53の形状は略正方形形状に限定されることなく、小型の上網片521の形状と略同一形状をとることになる。例えば、小型の上網片521が略長方形形状であれば、掃除用網53は小型の上網片521は略同一形状の略長方形形状をとることになる。掃除用網53は、小型の上網片521と同様に、小型の上網片521と対向して重なり合うようにして、第二押え材(長尺材3)6の長手方向に沿って複数配置されている。また、掃除用網53の(一方の)端部531側は、図16(b)に示すように、隣り合う小型の上網片521、521同士の間に形成された隙間522から出ている。つまり、掃除用網53の(一方の)端部531側は隣り合う小型の上網片521、521同士の間の位置になるように配置されている(図16(a)参照)。
【0091】
図14及び図16に示すように、掃除用網53は、下網部51と上網部52との間に配置されており、配置に際しては、掃除用網53の取り外しを考慮に入れて、上網部52の第二押え材(長尺材3)6側である、上網部52の縁部52a、52a(小型の上網片521の縁部521a、521a)側と対向する掃除用網53の縁部53a、53aで掃除用網53の、一方の端部531側と他方の端部532側とを針金で縛って固定している。具体的には、図16(b)に示すように、上網部52の縁部52a、52a(小型の上網片521の縁部521a、521a)側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側で掃除用網53の、一方の端部531側に固定位置533、533を形成し、上網部52の縁部52a、52a(小型の上網片521の縁部521a、521a)側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側で掃除用網53の、他方の端部532側に固定位置534、534を形成している。
【0092】
ただし、針金で縛ることに限定されずフック状の部材を上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53aとに引っ掛けることで下網部51と上網部52との間に掃除用網53を固定して配置することも可能である。さらに、掃除用網53の、一方の端部531側と他方の端部532側とを上網部52に針金等で固定することに限定されず、例えば、掃除用網53の一方の端部531側については、上網部52の縁部52a、52a側に固定して、掃除用網53の他方の端部532側については、隣りの掃除用網53に重ね合わせることで順次、掃除用網53をつなぐことで、掃除用網53を下網部51と上網部52との間に、第二押え材(長尺材3)6の長手方向に沿って複数配置することも可能である。
【0093】
以上のようにして、構造物の屋上面100上に二列に並んだ植栽基盤1、1の列同士の間の二層構造の網部5の中に(二層構造の網部5である、下網部51と上網部52とで挟み込んで)掃除用網53を設けることになる。そして、掃除用網53を取り出す際には、図16(b)に示す、隣り合う小型の上網片521、521同士の間に形成された隙間522から掃除用網53を取り出すことになる。具体的には、図16(b)に示すように、掃除用網53の一方の端部531側の固定位置533、533と掃除用網53の他方の端部531側の固定位置534、534とにある針金を解き、掃除用網53を矢印A方向へ移動して、隙間522の間に出ていた掃除用網53の一方の端部531を小型の上網片521上へ乗り上げて行き、小型の上網片521上に掃除用網53を載せることで掃除用網53を取り出すことになる。掃除用網53には、枯葉等のごみが載っているので掃除用網53を二層構造の網部5から取り出すことで二層構造の網部5から枯葉等のごみを除去することが可能になる。そして、掃除用網53から枯葉等を含むゴミを除去した後、掃除用網53を隙間522により二層構造の網部5内へ戻し、再び上網部52に針金で固定することになる。
【0094】
本例では、図11から図16に示すように、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設けるとともに、植栽基盤1、1の列同士の間に第三押え材8を配置して植栽基盤1、1の列同士を連結することで通路を設ける構造について示している。ただし、必ずしも長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を両側から水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける必要はなく、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設けることも可能である。長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設ける場合でも二層構造の網部5側と植栽基盤1の列との連結は、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を両側から水平方向より挟み込む場合と同様に、例1と同様にして行われている。
【0095】
長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設ける場合の一つの例が図17に示されている。図17では、接続金具2が、構造物の屋上面100上に所定の間隔で複数列平行に配置されている(図17では、接続金具2が四列平行に配置されている)。各列では、図24に示すように、間隔をあけて複数の接続金具2が配置されて、接続金具2の列が形成されている。特に、図17では、構造物の屋上面100の縁部100aである壁部に隣接して接続金具2の列が一列形成されている。そして、接続金具2の構造物の屋上面100への固定は長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より挟み込む場合と同様して行われている。
【0096】
ここでも、接続金具2は、基本的には、例1で用いた接続金具2と同じである。接続金具2(の上面部22)のボルト部23及び植栽基盤1、1に挟み込まれる、長尺材3を配置することになる接続金具2の凸部であるボルト部24は、図17に示すように、図11と同じである。構造物の屋上面100上に所定の間隔で四列に平行に配置された接続金具2の列の内、植栽基盤1、1に挟み込まれる、長尺材3を配置することになる接続金具2の列には、例1と同一の長尺材3が配置されている。そして、植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3を配置することになる接続金具2の列に隣り合う一方の接続金具2の列には、下網部51の縁部51aの網目がボルト部23を通り、下網部51の縁部51a側を接続金具2の上面部22に載置されて配置されている。
【0097】
植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3を配置することになる接続金具2の列に下網部51が載置されて配置されることで、下網部51により、二列に並んだ接続金具2、2同士の間(植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3を配置することになる接続金具2の列に隣り合う一方の接続金具2の列に対向した別の接続金具2との間)を被うことになる。そして、下網部51の縁部51a、51a側が対向する接続金具2、2の上面部22(植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3を配置することになる接続金具2の列に隣り合う一方の接続金具2の列と、植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3を配置することになる接続金具2の列に隣り合う一方の接続金具2の列に対向した別の接続金具2との間)に載置されることで、接続金具2の上面部22から伸びるボルト部23が下網部51の縁部51a側の網目を通り抜け、下網部51の保持及び位置決めが行われている。このように下網部51が配置されることで、下網部51は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになる(下網部51は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになる)。
【0098】
そして、構造物の屋上面100に一列に設けられた接続金具2の上には、それぞれ例1と同一の長尺材3が配置されている。接続金具2への長尺材3の配置は、図17に示すように、例1と同様に、接続金具2の上面部22に長尺材3の底面部34、34を載せて、接続金具2に対して垂直方向に伸びるボルト部23の先端側を長尺材3の突出部32の先端32aに設けられた孔部33から突き出ている。
【0099】
このように、図17では、接続金具2上に長尺材3を配置して、構造物の屋上面100に長尺材3が四列並べられている。長尺材3がこのように並べられることで、図17に示す植栽基盤1、1に挟み込まれる、接続金具2の列に配置された長尺材3と、植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3を配置することになる接続金具2の列の両側の接続金具2、2の列に配置された長尺材3、3とは対向している。そのため、接続金具2、2に載った、対向する長尺材3、3により、長尺材3、3の長手方向の、底面部34、34と突出部32、32と形成される角部35、35が向き合う(対向する)ことで、角部35、35が植栽基盤1の底面部13の縁部13a側を支持することが可能になっている。そして、対向する長尺材3、3の角部35、35に植栽基盤1が載置されている。
【0100】
そして、例1と同様に、植栽基盤1は、長尺材3、3の長手方向に沿って複数、長尺材3、3の角部35、35に載置されている(配置されている)。つまり、植栽基盤1は三列の長尺材3の長手方向に沿って、長尺材3、3同士の間に複数載置されることで(配置されることで)、長尺材3の長手方向に沿って、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列が形成されることになる。二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列の形成は長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を両側から水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構造と同じである(図12(a)及び図12(b)参照)。
【0101】
そして、図17に示すように、接続金具2の列同士の間(植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3を配置することになる接続金具2の列に隣り合う一方の接続金具2の列と、植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3を配置することになる接続金具2の列に隣り合う一方の接続金具2の列に対向した別の接続金具2との間)に設けられた下網部51と重なり合うようにして上網部52が設けられている。図17に示すように、下網部51上に配置された長尺材3から突き出たボルト部23の列同士の間に、上網部52が長尺材3の先端23aを被うようにして配置されている。上網部52は、図17に示すように、下網部51と同様に、上網部52の、長尺材3の長手方向となる、一列に並んだ、接続金具2から伸びるボルト部23の列に対応する上網部52の縁部52a、52a側の網目が、接続金具2、2のボルト部23、23(植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3を配置することになる接続金具2のボルト部24の列に隣り合う一方の接続金具2のボルト部23の列と、植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3を配置することになる接続金具2のボルト部24の列に隣り合う一方の接続金具2のボルト部23の列に対向した別の接続金具2のボルト部23の列と)を通り、上網部52の縁部52a、52a側を長尺材3、3の先端32a、32a(植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3に隣り合う一方の接続金具2の列に載置された長尺材3の先端32aと、植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3に隣り合う一方の接続金具2の列に載置された長尺材3に対向した別の接続金具2の列に載置された長尺材3の先端32aと)に載置されて配置されている。
【0102】
つまり、図17に示すように、上網部52は、二列に並んだ長尺材3、3同士の間(植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3に隣り合う一方の接続金具2の列に載置された長尺材3と、植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3に隣り合う一方の接続金具2の列に載置された長尺材3に対向した別の接続金具2の列に載置された長尺材3と)を被い、上網部52の縁部52a、52a側が対向する長尺材3、3の先端32a、32aに載置されることで、接続金具2の上面部22から伸びるボルト部23が上網部52の縁部52a側の網目を通り抜け、上網部52の保持及び位置決めが行われている。このように上網部52が配置されることで、上網部52は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになる(上網部52は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになる)。その結果、上網部52は下網部51に対向して重なり合い、下網部51と上網部52とが対向して空間523が形成されている。以上のようにして、例1と同様にして、複数配置された植栽基盤1、1の列同士の間には、下網部51と上網部52とからなる二層構造の網部5が設けられている。
【0103】
そして、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を両側から水平方向より挟み込む場合と同様に、上網部52の縁部52a側の網目を通り抜け突き出したボルト部23には固定部材であるナット71が螺合されて、下網部51の縁部51a側、長尺材3及び上網部52の縁部52a側が接続金具2側に固定されている。また、例1と同様に、複数配置された植栽基盤1の列と隣接する長尺材3(接続金具2から伸びるナット71から突き出したボルト部23)とを連結するために、第二押え材6が配置されている。第二押え材6は、例1と同様に、長手方向の長さが長尺材3の長手方向の長さとが略同一となっている。そして、植栽基盤1が、例1と同様に、略四角錐台の形状をなし植栽基盤1の側面部14が傾斜している。
【0104】
第二押え材6が配置されることで、植栽基盤1の側面部14に沿って伸びた第二押え材6の伸長部62より植栽基盤1の上面部11上に載り、上面部11と平行に第二押え材8の平面部63が植栽ポット12に向かって伸びている。そして、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を両側から水平方向より挟み込む場合と同様に、平面部61の植栽基盤1側に設けられた孔部64からは、接続金具2から伸びるボルト部23が突き出ており、このボルト部23に通された座金73は平面部61上に載置されている。座金73より突き出たボルト部23にナット72を螺合することで第二押え材6を上網部52及び植栽基盤1側に固定して植栽基盤1の側面部14を第二押え材6により押さえることになる。
【0105】
以上のようにして、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設けた構成となっている。長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設ける構成においても、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様に、図17に示すように、ボルト部24に座金73が通されナット72が螺合され長尺材3は接続金具2に固定されている。そして、第三押え材8についても長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様に取り付けられることで、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列同士の間に第三押え材8を配置して植栽基盤1、1の列同士を連結するとともに通路を設けることになる。
【0106】
長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設ける構成においても、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様に、図18に示すように、二層構造の網部5内には、第三掃除用網である掃除用網53を配置することも可能である。図18に示す掃除用網53は、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様の掃除用網53である。ただし、図18では、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設けているため、片側から水平方向に設けた二層構造の網部5内に配置されている。
【0107】
図18においても、二層構造の網部5内の空間523に配置された掃除用網53は、二層構造の網部5内の空間523に配置されることで、下網部51に対向するとともに、上網部52に対向しており、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様に、掃除用網53の取り外しを考慮に入れて、図19(a)に示すように、上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側との複数箇所で上網部52の縁部52a、52a側と掃除用網53の縁部53a、53a側を針金で縛って固定している。そして、上網部52の縁部52a、52a側と掃除用網53の縁部53a、53a側との固定が行われる固定位置533、534、535、・・・についても図15(a)に示すように、図19(a)に示すように、第二押え材6の長手方向(上網部52の縁部52a、52a及び掃除用網53の縁部53a、53a)に沿って複数形成されている。
【0108】
そして、掃除用網53を二層構造の網部5の中から取り出すには、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設ける構成においても、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様に、固定位置533、534、535、・・・に取り付けられた針金を解き(掃除用網53から針金を取り除き)、掃除用網53を矢印A方向へ移動して、掃除用網53を二層構造の網部5の外に出す。掃除用網53には、枯葉等のごみが載っているので掃除用網53を二層構造の網部5から取り出すことで二層構造の網部5から枯葉等のごみを除去することが可能になる。そして、掃除用網53から枯葉等を含むゴミを除去した後、掃除用網53の他方の端部に取り付けられた引戻し紐56、56を引っ張り、掃除用網53を二層構造の網部5内へ戻し(挿入し)、再び上網部52の、第二押え材(長尺材3)6側である、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側を上網部52の縁部52a、52a側で複数箇所(固定位置533、534、535、・・・)を針金で縛ることになる。
【0109】
また、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設ける構成においても、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様に、上網部52は、図20に示すように、下網部51(長尺材3)の長手方向に沿って一つの上網部52を配置するのとは異なり、第二網片である小型の上網片521を下網部51(長尺材3)の長手方向に沿って、ボルト部23、23の列同士の間に一列に複数配置することで上網部52の形成を行うことも可能である。
【0110】
長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設ける構成においても、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様の小型の上網片521を用いており、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様に小型の上網片521は、下網部51の縁部51a、51a側の網目から突き出たボルト部23、23の列の長手方向に沿って、隣り合う小型の上網片521、521同士の間には隙間522を形成して複数配置されている(図20(a)参照)。長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様に、複数の小型の上網片521からなる上網部52は、図20(b)に示すように、上網部52の縁部52a、52a側が対向する長尺材3の先端32a、32a上に載置されることで、上網部52は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになり(上網部52は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになり)、上網部52は下網部51に対向して重なり合うようになっている。以上のようにして、下網部51と上網部52とからなる二層構造の網部5が設けられている。
【0111】
そして、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設ける構成においても、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様に、ナット71及び第二押え材6が配置されることで複数配置された植栽基盤1の列と隣接する長尺材3が連結されている。そして、二層構造の網部5内には、第二掃除用網である掃除用網53を配置することも可能であり、図18では、二層構造の網部5内に掃除用網53を配置した状態が示してある。図18で用いる掃除用網53は長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成で用いた掃除用網53と同様である。
【0112】
つまり、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設ける構成において用いる、下網部51と上網部52との間に挟み込む第二掃除用網である掃除用網53は、小型の上網片521と対向して重なり合うように配置されており、掃除用網53の(一方の)端部531側は、図20(b)に示すように、隣り合う小型の上網片521、521同士の間に形成された隙間522から出ている。つまり、掃除用網53の(一方の)端部531側は隣り合う小型の上網片521、521同士の間の位置になるように配置されている(図20(a)参照)。配置に際しては、掃除用網53の取り外しを考慮に入れて、図20(b)に示すように、上網部52の縁部52a、52a(小型の上網片521の縁部521a、521a)側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側で掃除用網53の、一方の端部531側に針金で縛って固定位置533、533を形成し、上網部52の縁部52a、52a(小型の上網片521の縁部521a、521a)側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側で掃除用網53の、他方の端部532側に針金で縛って固定位置534、534を形成している。
【0113】
以上のようにして、構造物の屋上面100上に二列に並んだ植栽基盤1、1の列同士の間の二層構造の網部5の中に(二層構造の網部5である、下網部51と上網部52とで挟み込んで)掃除用網53を設けることになる。そして、掃除用網53を取り出す際には、図20(b)に示す、隣り合う小型の上網片521、521同士の間に形成された隙間522から掃除用網53を取り出すことになる。具体的には、図20(b)に示すように、掃除用網53の一方の端部531側の固定位置533、533と掃除用網53の他方の端部531側の固定位置534、534とにある針金を解き、掃除用網53を矢印A方向へ移動して、隙間522の間に出ていた掃除用網53の一方の端部531を小型の上網片521上へ乗り上げて行き、小型の上網片521上に掃除用網53を載せることで掃除用網53を取り出すことになる。掃除用網53には、枯葉等のごみが載っているので掃除用網53を二層構造の網部5から取り出すことで二層構造の網部5から枯葉等のごみを除去することが可能になる。そして、掃除用網53から枯葉等を含むゴミを除去した後、掃除用網53を隙間522により二層構造の網部5内へ戻し、再び上網部52に針金で固定することになる。
【0114】
図17及び図18では、構造物の屋上面100の縁部100aである壁部がある場合を例にして、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側(一方の側)から水平方向より二層構造の網部5を設ける構造について示しているが、必ずしも、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設ける構造は構造物の屋上面100の縁部100aである壁部がある場合に限定されるものではない。例えば、構造物の屋上面100全面にわたって緑化する必要がない場合、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側(一方の側)に水平方向より二層構造の網部5を設け、他方の側に二層構造の網部5を設けず他方の側を空間としておくことも可能である。
【0115】
(例3)
例3では、構造物の屋上面100上に二列に並んだ植栽基盤1、1の列同士の間の二層構造の網部5の中に(二層構造の網部5である、下網部51と上網部52との間に挟み込んで)掃除用網53を設ける構造について説明する。例3では、例1及び例2で用いた部材と同じ部材については同じ参照番号を用いて示してある。また、例3では、例1及び例2と異なる、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列同士の間に二層構造の網部5を設けるに際して、スペーサー74及び掃除用網53を設ける構造について中心に説明する。
【0116】
接続金具2は、図21(a)に示すように、構造物の屋上面100上に所定の間隔で二列に平行に配置されている。各列では、図28に示すように、間隔をあけて複数の接続金具2が配置されて、接続金具2の列が形成されている。接続金具2の列は、構造物の屋上面100に長尺材3を配置するために、長尺材3の長手方向に沿うように、真っ直ぐに一列に並べられており、対向する接続金具2の列同士では、接続金具2、2同士が対向している。構造物の屋上面100への接続金具2の配置では、接続金具2の下面部21を例1と同様にして構造物の屋上面100へ固定している。
【0117】
例3で用いる接続金具2は、基本的には、例1で用いた接続金具2と同じである。ただし、接続金具2(の上面部22)に対して垂直方向に伸びて設けられている凸部であるボルト部26は、図21(b)に示すように、長尺材3の突出部32を突き出て、さらにスペーサー74を突き出る必要があるため例1及び例2に示すボルト部23より長い。また、構造物の屋上面100上には図示していない、少なくとも植栽基盤1を配置するために、図21(a)に示す二列の接続金具2の列の他に二列の接続金具2の列に平行な接続金具2の列が複数設けられている。
【0118】
図21(a)に示すように、構造物の屋上面100に配置された接続金具2の列同士の間には二層構造の網部5の下網部51が設けられて、下網部51が二例の接続金具2の列同士の間に挟み込まれて配置されている。構造物の屋上面100上に配置された接続金具2の列同士の間に下網部51が配置されることで、下網部51が接続金具2の列同士を被っている。下網部51は、下網部51の、長尺材3の長手方向となる一列に並んだ接続金具2の列に対して交差する方向の下網部51の縁部51a、51a側の網目が、接続金具2、2のボルト部26、26を通り、下網部51の縁部51a、51a側を接続金具2、2の上面部22、22に載置されて配置されている。
【0119】
そして、図21(a)に示すように、下網部51は、二列に並んだ接続金具2、2同士の間を被い、下網部51の縁部51a、51a側が対向する接続金具2、2の上面部22、22に載置されることで、接続金具2、2の上面部22、22から伸びるボルト部26、26が下網部51の縁部51a、51aの網目を通り抜け、下網部51の保持及び位置決めが行われている。このように下網部51が配置されることで、下網部51は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになる(下網部51は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになる)。
【0120】
下網部51が配置された接続金具2、2の列には、図21に示すように、例1及び例2と同一の長尺材3が配置されている。構造物の屋上面100上に、複数配置された接続金具2の上面部22に、長尺材3の長手方向に沿って、長尺材3の底面部34、34を載せると、図21(b)に示すように、接続金具2のボルト部26の先端側が長尺材3の突出部32の先端32aの孔部33から突き出すことになる。そして、本例では、図21(b)に示すように、両端側の接続金具2の列の上に配置された長尺材3の突出部32の孔部33から突き出したボルト部26には、下網部51と上網部52との距離を長くするための部材としてスペーサー74が取り付けられている。
【0121】
スペーサー74は、図21(b)に示すように、円筒状の部材であり、スペーサー74の中心孔741にはボルト部26と螺合可能な雌ねじ部が形成されている。スペーサー74は、ボルト部26と螺合してスペーサー74の端面742が長尺材3の突出部32の先端32aと当接しており、スペーサー74の端面743側からはボルト部26(の先端側)が突き出ている。このようにして、長尺材3の上にスペーサー74が配置されている。そして、スペーサー74の端面743側にはスペーサー用平板75が載置されている。スペーサー用平板75は、長方形形状の板部材であり、長尺材3の長手方向の長さと略同一になっている。長尺材3の長手方向に沿う中央には孔部751が形成されており、孔部751は、長尺材3の長手方向に沿って構造物の屋上面100に設けられた接続金具2から伸びるボルト部26の位置に対応して形成されている。
【0122】
図21(b)に示すように、スペーサー74の端面743側から突き出たボルト部26(の先端側)がスペーサー用平板75の孔部751を通り、スペーサー用平板75はスペーサー74の端面743上に載置されることでスペーサー用平板75が配置されている。スペーサー用平板75、75同士の間には、接続金具2の列同士の間に設けられた下網部51と対向して重なり合うようにして上網部52が設けられている。本例では、上網部52は、図22に示すように、下網部51(長尺材3)の長手方向に沿って一つの上網部52を配置するのとは異なり、第二網片である小型の上網片521を下網部51(長尺材3)の長手方向に沿って、ボルト部26、26の列同士の間に一列に複数配置することで上網部52の形成が行われている。
【0123】
小型の上網片521は例1及び例2の上網部52と同一の網目の大きさであり、また、小型の上網片521は、図22に示すように、略正方形形状をなしているが、略長方形形状をなすことも可能である。また、隣り合う小型の上網片521、521同士の間には隙間522が形成されている。つまり、小型の上網片521は、ボルト部26、26の列の長手方向に沿って、隣り合う小型の上網片521、521同士の間には隙間522を形成して複数配置されている。つまり、小型の上網片521は、図21(b)に示すように、スペーサー用平板75、75の孔部751、751から突き出たボルト部26、26の列同士の間に、隙間522を形成してスペーサー用平板75、75を被うようにして載置されている(図22参照)。
【0124】
小型の上網片521の縁部521a、521a側の網目が、下網部51と同様に、一列に並んだ、スペーサー用平板75、75の孔部751、751から突き出たボルト部26、26の列を通ることで、小型の上網片521の縁部521a、521a側がスペーサー用平板75、75に載置されている(図22参照)。載置された小型の上網片521と隙間522を経て、同じように、小型の上網片521は、小型の上網片521の縁部521a、521a側の網目が、スペーサー用平板75、75の孔部751、751から突き出たボルト部26、26を通して、小型の上網片521の縁部521a、521a側をスペーサー用平板75、75に載置する、ということを複数の小型の上網片521についても行うことで複数の小型の上網片521がスペーサー用平板75、75に載置されることで上網部52がスペーサー用平板75、75に配置されている。
【0125】
上網部52は、図21(a)に示すように、スペーサー用平板75、75同士の間を被い、上網部52の縁部52a、52a側が対向するスペーサー用平板75、75上に載置されることで、接続金具2の上面部22から伸びるボルト部26が上網部52の縁部52a側の網目を通り抜け、上網部52の保持及び位置決めが行われている。このように上網部52が配置されることで、上網部52は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになり(上網部52は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになり)、上網部52は下網部51に対向して重なり合うようになっている。以上のようにして、下網部51と上網部52とからなる二層構造の網部5が設けられている。
【0126】
そして、長尺材3、3の、二層構造の網部5が設けられた(配置された)角部35、35側とは反対の角部35、35側の、複数の植栽基盤1が載置されて(配置されて)植栽基盤1、1の列と、上網部52の縁部52a、52aとの間には、図21に示すように、第四押え材65が取り付けられている。つまり、複数配置された植栽基盤1の列と隣接する長尺材3(接続金具2から伸びる上網部52から突き出したボルト部26)とを連結するために、第二押え材6が配置されることになる。本例では、第二押え材6の代わりに第四押え材65が配置されているが、実質的には第二押え材6が配置されたことと同じである。第四押え材65は、基本的に第二押え材6と同じ形状をなしており、第二押え材6と同様に、長手方向の長さが長尺材3の長手方向の長さとが略同一となっている。
【0127】
つまり、第二押え材6の平面部63が第四押え材65の平面部653に対応し、第二押え材6の伸長部62が第四押え材65の伸長部652に対向し、第二押え材6の平面部61が第四押え材65の平面部651に対応し、第二押え材6の孔部64が第四押え材65の孔部654に対応している。そして、第四押え材65と第二押え材6との相違は第四押え材65の伸長部652が第二押え材6の伸長部62より短いことである。これは、本例では、長尺材3にスペーサー74を載置する構造をとっているため、スペーサー74と植栽基盤1とを結ぶ距離が短くなり、第二押え材6の伸長部62より第四押え材65の伸長部652を短くしたことによるものである。それ故、伸長部62を短して第四押え材65の伸長部652と同じにすれば第二押え材6は第四押え材65と同一になる。本例においては第四押え材65を用いて説明しているが、伸長部65を短くした第二押え材6を用いても同じである。
【0128】
この第四押え材65は、図21(b)に示すように、本例の植栽基盤1が略四角錐台の形状をなし、植栽基盤1の、傾斜した側面部14に沿って伸長部652が伸びており、伸長部652の一方の端部側より(折れ曲がり)植栽基盤1の上面部11上に(載り)、上面部11と平行に平面部653が植栽ポット12へ伸びている。また、伸長部652の他方の端部側より(折れ曲がり)上網部52の縁部52a側上に、上網部52に沿って伸びる平面部651が形成されている。平面部651には、孔部654が設けられており、接続金具2から伸びるボルト部26が孔部654から突き出ている。この孔部654から突き出ているボルト部26に通された座金73は平面部651上に載置されており、座金73より突き出したボルト部26にナット72を螺合している。
【0129】
ナット72を螺合することで第四押え材65を上網部52及び植栽基盤1側に固定することで植栽基盤1の側面部14を押さえている。また、第四押え材65の代わりに伸長部62の長さが第四押え材65の伸長部652と同じ第二押え材6を用いれば、図21(b)に示すように、植栽基盤1の、傾斜した側面部14に沿って伸長部62が伸び、伸長部62の一方の端部側より(折れ曲がり)植栽基盤1の上面部11上に(載り)、上面部11と平行に平面部63が植栽ポット12へ伸び、また、伸長部62の他方の端部側より(折れ曲がり)上網部52の縁部52a側上に、上網部52に沿って伸びる平面部61が形成され、平面部651には、孔部64が設けられ、接続金具2から伸びるボルト部26が孔部64から突き出ている。この孔部64から突き出ているボルト部26に通された座金73は平面部61上に載置されており、座金73より突き出したボルト部26にナット72を螺合することで第四押え材65を上網部52及び植栽基盤1側に固定し、植栽基盤1の側面部14を押さえることになる。
【0130】
以上のようにして、第四押え材65、或いは第二押え材6が配置されることにより、下網部51の縁部51a側、長尺材3、スペーサー74、及び上網部52の縁部52a側を配置された接続金具2と植栽基盤1とが連結されている。以上のようにして、一列に並べた植栽基盤1同士の間に二層構造の網部5が設けられている。
【0131】
本例では、図21に示すように、二層構造の網部5である、下網部51と上網部52との間に掃除用網53が挟み込まれている。本例で用いる掃除用網53は樹脂製であり、網目の大きさは1mm×1mmの正方形の網目であり、下網部51の網目と同じ大きさである。掃除用網53の網目は下網部51の網目と同じ大きさであれば1mm×1mmの大きさに限定されることなく、例えば、1mmから5mmの正方形、或いは長方形の網目で、ごみが下網部51へ落ちないで、しかも風が通る程度の網目の大きさが確保できていればよく、網目の形状は特に問わない。
【0132】
また、例3における掃除用網53は、例1に示す掃除用網53と同様に、掃除用網53を形成する、長尺材3の長手方向に沿う縦糸54と、掃除用網53を形成する、長尺材3の長手方向と交差する横断方向に沿う横糸55とが交差して形成されている。そして、例3における掃除用網53では、横糸55及び縦糸54は同じ素材で成形されているが、例1における掃除用網53と同様に、横糸55は容易に折れ曲がらない強度を有する素材、例えば、樹脂、金属で成形されており、これに対して、縦糸54は柔軟性に富んだ素材、例えば、繊維等で成形することも可能である。また、例3における掃除用網53では、例1における掃除用網53とは異なり引戻し紐56、56を取り付けていないが、例1における掃除用網53と同様に、掃除用網53の他方の端部532に、掃除用網53の縁部53a、53a側に二本の引戻し紐56、56を取り付けることも可能である。
【0133】
下網部51と上網部52との間に挟み込む第二掃除用網である掃除用網53は、小型の上網片521と対向して重なり合うように配置されている。図22に示すように、掃除用網53は小型の上網片521と略同一の略正方形形状をなしている。ただし、掃除用網53の形状は略正方形形状に限定されることなく、小型の上網片521の形状と略同一形状をとることになる。例えば、小型の上網片521が略長方形形状であれば、掃除用網53は小型の上網片521は略同一形状の略長方形形状をとることになる。掃除用網53は、小型の上網片521と同様に、小型の上網片521と対向して重なり合うようにして、第四押え材(長尺材3)65の長手方向に沿って複数配置されている。また、掃除用網53の(一方の)端部531側は、図22に示すように、隣り合う小型の上網片521、521同士の間に形成された隙間522から出ている。つまり、掃除用網53の(一方の)端部531側は隣り合う小型の上網片521、521同士の間の位置になるように配置されている(図23(a)参照)。
【0134】
図21及び図22に示すように、掃除用網53は、下網部51と上網部52との間に配置されており、配置に際しては、掃除用網53の取り外しを考慮に入れて、上網部52の、第四押え材(長尺材3)65側である上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側を針金で縛って固定している。具体的には、図23(b)に示すように、上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側で掃除用網53の一方の端部531側に固定位置533、533が形成されている。図23(b)に示すように、小型の上網片521上に固定位置533、533が形成されることになる。また、図23(b)に示すように、上網部52の、第四押え材(長尺材3)65側である上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側を針金で縛って固定している。具体的には、図23(b)に示すように、上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側で掃除用網53の他方の端部532側に固定位置534、534が形成されている。図23(b)に示すように、小型の上網片521上に固定位置534、534が形成されることになる。
【0135】
ただし、掃除用網53を上網部53に固定する際に、針金で縛ることに限定されずフック状の部材を上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53aとに引っ掛けることで下網部51と上網部52との間に掃除用網53を固定して配置することも可能である。さらに、掃除用網53の、一方の端部531側と他方の端部532側とを上網部52に針金等で固定することに限定されず、例えば、掃除用網53の一方の端部531側については、上網部52の縁部52a、52a側に固定して、掃除用網53の他方の端部532側については、隣りの掃除用網53に重ね合わせることで順次、掃除用網53をつなぐことで、掃除用網53を下網部51と上網部52との間に、第四押え材(長尺材3)65の長手方向に沿って複数配置することも可能である。
【0136】
以上のようにして、構造物の屋上面100上に二列に並んだ植栽基盤1、1の列同士の間の二層構造の網部5の中に(二層構造の網部5である、下網部51と上網部52とで挟み込んで)掃除用網53を設けることになる。そして、掃除用網53を取り出す際には、図23(b)に示す、隣り合う小型の上網片521、521同士の間に形成された隙間522から掃除用網53を取り出すことになる。具体的には、図23(b)に示すように、掃除用網53の一方の端部531側の固定位置533、533と掃除用網53の他方の端部531側の固定位置534、534とにある針金を解き、掃除用網53を矢印A方向へ移動して、隙間522の間に出ていた掃除用網53の一方の端部531を小型の上網片521上へ乗り上げて行き、小型の上網片521上に掃除用網53を載せることで掃除用網53を取り出すことになる。掃除用網53には、枯葉等のごみが載っているので掃除用網53を二層構造の網部5から取り出すことで二層構造の網部5から枯葉等のごみを除去することが可能になる。
【0137】
(例4)
例4では、例3に示す二層構造の網部5が構造物の屋上面100上に広く形成される場合に植栽基盤1等の管理のために人が通ることができる通路を設ける構造について説明する。例4では、例1乃至例3で用いた部材と同じ部材については同じ参照番号を用いて示してある。また、例4では、例1乃至例3と異なる、二列に並んだ植栽基盤1、1の列同士の間に二層構造の網部5を設けるに際して、二層構造の網部5上を通るための通路材(第一通路材86、第二通路材87)の構造について中心に説明する。
【0138】
接続金具2は、図24(a)に示すように、構造物の屋上面100上に所定の間隔で三列に平行に配置されている。各列では、図24(a)に示すように、間隔をあけて複数の接続金具2が配置されて、接続金具2の列が形成されている。接続金具2の列は、構造物の屋上面100に長尺材3を配置するために、長尺材3の長手方向に沿うように、真っ直ぐに一列に並べられており、対向する接続金具2の列同士では、接続金具2、2同士が対向している。構造物の屋上面100への接続金具2の配置では、接続金具2の下面部21を例1と同様にして構造物の屋上面100へ固定している。
【0139】
例4で用いる接続金具2は、基本的には、例1で用いた接続金具2と同じである。ただし、接続金具2(の上面部22)に対して垂直方向に伸びて設けられている凸部であるボルト部27は、図24に示すように、長尺材3の突出部32を突き出て、さらにスペーサー74を突き出る必要があるため例1及び例2に示すボルト部23より長い。また、構造物の屋上面100上には図示していない、少なくとも植栽基盤1を配置するために、図24(a)に示す三列の接続金具2の列の他に三列の接続金具2の列に平行な接続金具2の列が複数設けられている。
【0140】
図24(a)に示すように、構造物の屋上面100上に配置されてた、三列の接続金具2の列の内、両側の接続金具2、2の列(外側の二列の接続金具2、2の列)同士の間は、二層構造の網部5の下網部51を設けられる間隔になっている。また、三列の接続金具2の列の内、中央に配置された接続金具2の列は、両側の二列の接続金具2、2の列同士の間の中央に配置されている。本例では中央に配置された接続金具2の列は、両側の二列の接続金具2、2の列同士の間の中央に配置されているが、中央に配置された接続金具2の列は、両側の二列の接続金具2、2の列同士の間の中央に配置されることに限定されず、両側の二列の接続金具2、2の列のいずれか一方の接続金具2の列寄りに配置することも可能である。
【0141】
図24(a)に示すように、構造物の屋上面100に配置された、両端の接続金具2、2の列同士の間には下網部51が設けられている。構造物の屋上面100に配置された、両端の接続金具2、2の列同士の間に下網部51が配置されることで、下網部51が三列の接続金具2の列を被っている。下網部51は、下網部51の、両側の接続金具2の列に対して交差する方向である下網部51の縁部51a、51a側の網目が、両側の接続金具2、2のボルト部27、27の列を通り、中央の接続金具2の列に対して下網部51の中央側の網目が、中央の接続金具2のボルト部27の列を通り、下網部51の縁部51a、51a側を両側の接続金具2、2の上面部22、22に載置され、下網部51の中央側を中央の接続金具2の上面部22に載置されて下網部51が配置されている。
【0142】
つまり、図24(a)に示すように、下網部51は、三列の内、両端の接続金具2、2の列同士の間を被い、下網部51の縁部51a、51a側が両側の接続金具2、2の上面部22、22に載置されることで、両側の接続金具2、2の上面部22、22から伸びるボルト部27、27が下網部51の縁部51a、51aの網目を通り抜け、下網部51の中央側が中央の接続金具2、2の上面部22に載置されることで、中央側の接続金具2の上面部22から伸びるボルト部27が下網部51の中央側の網目を通り抜けて下網部51の保持及び位置決めが行われることで下網部51が配置されている。このように下網部51が配置されることで、下網部51は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになる(下網部51は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになる)。
【0143】
下網部51が配置された、三列に並んだ接続金具2の列には、図24(a)に示すように、例1乃至例3と同一の長尺材3が配置されている。構造物の屋上面100に、長尺材3の長手方向に沿うように、複数配置された接続金具2の上面部22に長尺材3の底面部34、34を載せると、図24(a)に示すように、接続金具2のボルト部27の先端側が長尺材3の突出部32の先端32aの孔部33から突き出すことになる。そして、本例では、図24(a)に示すように、三列で並んだ接続金具2の列の上に配置された長尺材3の突出部32の孔部33から突き出したボルト部27には固定部材であるとともに、下網部51と上網部52との距離を長くするための部材としてスペーサー74が設けられている。スペーサー74は、例3で用いたスペーサー74と同一である。
【0144】
例3と同様に、図24(a)に示すように、スペーサー74は、ボルト部27と螺合してスペーサー74の端面742が長尺材3の突出部32の先端32aと当接しており、スペーサー74の端面743側からはボルト部27(の先端側)が突き出ている。このようにして、長尺材3の上にスペーサー74が配置されている。そして、両側の接続金具2、2側では、例3と同様に、スペーサー74の端面743側にはスペーサー用平板75が載置されている。スペーサー用平板75も、例3で用いたスペーサー用平板75と同一である。例3と同様に、図24(b)に示すように、スペーサー74の端面743側から突き出たボルト部27(の先端側)がスペーサー用平板75の孔部751を通り、スペーサー用平板75はスペーサー74の端面743上に載置されることでスペーサー用平板75が配置されている。
【0145】
図24(a)に示すように、三列の内、中央に配置された接続金具2の列の上に載置された長尺材3の先端32aの孔部33から突き出ているボルト部27に通された座金73は先端32a上に載置されており、座金73より突き出したボルト部27にナット71を螺合している。ナット71を螺合することで長尺材3を接続金具2に固定し、長尺材3を配置している。そして、図24(a)に示すように、中央の長尺材3の上には第一通路材86が載置されている。第一通路材86は、図26(a)に示すように、断面が逆T字状の形状をなした部材である。第一通路材86は、図25(a)に示すように、長尺材3の長手方向に沿って配置されることになる。本例では、第一通路材86の長手方向の長さは、長尺材3の長手方向の長さと同じになっている。そして、第一通路材86が長尺材3上に載置されることで、図25(a)に示す、第一通路材86の、長尺材3の長手方向に沿う側方端861、861側が長尺材3の底面部34、34に沿い底面部864、864が同一平面をなすことになる。
【0146】
ただし、第一通路材86の長手方向の長さは、必ずしも長尺材3の長手方向の長さと同じである必要はなく、第一通路材86の長手方向の長さを長尺材3の長手方向の長さよりも短くすることも可能である。その場合、第一通路材86を長尺材3の長手方向に沿って配置すると、図25(b)に示すように、長尺材3の長手方向にわたって複数の第一通路材86が間隔(隙間)を隔てて配置されることになる。この場合でも、第一通路材86が長尺材3上に載置されることで、図25(a)に示す、第一通路材86の、長尺材3の長手方向に沿う側方端861、861側が長尺材3の底面部34、34に沿い底面部864、864が同一平面をなすことになる。
【0147】
底面部864、864に連続する、長尺材3の長手方向に沿う第一通路材86の中央部には、底面部864、864から隆起した矩形形状の突出部862が形成されている。突出部862は、長尺材3の長手方向と交差する方向の長さが通路として機能するように形成されている。つまり、突出部862上に人が載った場合にも突出部862が変形し難くなるように矩形形状にするとともに、第一通路材86の板厚も人が載った場合に変形し難くなるような厚みになっている。本例では第一通路材86の板厚を6mmとしているが、第一通路材86の設置状況によっては第一通路材86の板厚を変更することも可能である。
【0148】
第一通路材86の突出部862の水平な先端862aには、接続金具2から伸びるボルト部27が突出部862の水平な先端862aから突き出るための孔部863が形成されている。以上の第一通路材86は、図24(b)に示すように、三列の長尺材3の内、中央の長尺材3の底面部34、34上に第一通路材86の底面部864、864を載置すること配置されている。つまり、長尺材3の底面部34、34上に第一通路材86の底面部864、864が載置されることにより、第一通路材86の突出部862が長尺材3の突出部32を被い、第一通路材86の水平な先端862aに設けられた孔部863から接続金具2から伸びるボルト部27が突き出している。以上のように、第一通路材86は、図25(a)に示すように、長尺材3の長手方向に沿って構造物の屋上面100に設けられた接続金具2から伸びるボルト部27が第一通路材86の突出部862の孔部863を貫通するように長尺材3の長手方向に対向して配置されている。
【0149】
また、第一通路材86の長手方向の長さを長尺材3の長手方向の長さよりも短い場合には、第一通路材86は、図25(b)に示すように、長尺材3の長手方向に沿って構造物の屋上面100に設けられた接続金具2から伸びるボルト部27が第一通路材86の突出部862の孔部863を貫通するように長尺材3の長手方向に沿って複数配置されることになる。
【0150】
そして、図24(a)に示すように、スペーサー用平板75、75同士の間には、接続金具2の列同士の間に設けられた下網部51と対向して重なり合うようにして上網部52が設けられている。例3と同様に、図24(a)に示すように、スペーサー用平板75、75の孔部751、751から突き出たボルト部27、27の列同士の間に、上網部52がスペーサー用平板75、75を被うようにして配置されている。本例では、上網部52は、例3と同様に、下網部51(長尺材3)の長手方向に沿って一つの上網部52を配置するのとは異なり、第二網片である小型の上網片521を下網部51(長尺材3)の長手方向に沿って、ボルト部27、27同士の間に一列に複数配置することで上網部52の形成が行われている。
【0151】
小型の上網片521は例1及び例2の上網部52と同一の網目の大きさであり、また、例3の小型の上網片521と実質的には同じであるが、両側の接続金具2、2の列(外側の二列の接続金具2、2の列)同士の間の間隔が例3の接続金具2、2の列同士の間の間隔よりも広いため、略長方形形状をなしている。また、例3と同様に、隣り合う小型の上網片521、521同士の間には隙間522が形成されている。つまり、小型の上網片521は、ボルト部27、27の列の長手方向に沿って、隣り合う小型の上網片521、521同士の間には隙間522を形成して複数配置されている。小型の上網片521は、図24(a)に示すように、スペーサー用平板75、75の孔部751、751から突き出たボルト部26、26の列同士の間に、小型の上網片521がスペーサー用平板75、75を被い、中央に配置された接続金具2の列の上の第一通路材86の水平な先端862a被って載置されている。
【0152】
小型の上網片521の縁部521a、521a側の網目が、下網部51と同様に、スペーサー用平板75、75の孔部751、751から突き出たボルト部27、27の列を通ることで、小型の上網片521の縁部521a、521a側がスペーサー用平板75、75に載置され、小型の上網片521の中央側の網目が、第一通路材86の水平な先端862aの孔部863から突き出たボルト部27の列を通ることで、小型の上網片521の中央側が第一通路材86の水平な先端862aに載置されている(図24(a)参照)。載置された小型の上網片521と隙間522を経て、同じように、小型の上網片521は、小型の上網片521の縁部521a、521a側の網目が、スペーサー用平板75、75の孔部751、751から突き出たボルト部26、26を通して、小型の上網片521の縁部521a、521a側をスペーサー用平板75、75に載置し、小型の上網片521の中央側の網目が、第一通路材86の水平な先端862aの孔部863から突き出たボルト部27を通して、小型の上網片521の中央側を第一通路材86の水平な先端862aに載置する、ということを複数の小型の上網片521についても行うことで複数の小型の上網片521がスペーサー用平板75、75及び第一通路材86の水平な先端862aに載置されることで上網部52がスペーサー用平板75、75及び一列に並んだ第一通路材86の水平な先端862aに配置されている。
【0153】
上網部52は、図24(a)に示すように、スペーサー用平板75、75同士の間を被い、上網部52の縁部52a、52a側が対向するスペーサー用平板75、75上に載置され、上網部52の中央側が第一通路材86の水平な先端862a上に載置されることで、接続金具2の上面部22から伸びるボルト部27が上網部52の、中央側及び縁部52a側の網目を通り抜け、上網部52の保持及び位置決めが行われている。このように上網部52が配置されることで、上網部52は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになり(上網部52は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになり)、上網部52は下網部51に対向して重なり合うようになっている。以上のようにして、下網部51と上網部52とからなる二層構造の網部5が設けられている。
【0154】
そして、長尺材3、3の、二層構造の網部5が設けられた(配置された)角部35、35側とは反対の角部35、35側の、複数の植栽基盤1が載置されて(配置されて)植栽基盤1、1の列と、上網部52の縁部52a、52aとの間には、例3と同様に、図24(a)に示すように、例3と同一の第四押え材65が取り付けられている。つまり、複数配置された植栽基盤1の列と隣接する長尺材3(接続金具2から伸びる上網部52から突き出したボルト部26)とを連結するために、第四押え材65が配置されている。第四押え材65は、例3と同様に、複数配置された植栽基盤1の列と隣接する長尺材3(接続金具2から伸びる上網部52から突き出したボルト部27とを連結するために配置されている。第四押え材65は、図24(a)に示すように、植栽基盤1の側面部14に沿って伸びた伸長部652より植栽基盤1の上面部11上に(載り)、上面部11と平行に平面部653が植栽ポット12へ伸びており、上網部52の縁部52aに沿って伸びる平面部651に設けられた孔部654から接続金具2から伸びるボルト部27が突き出ている(図24(b)参照)。
【0155】
例3と同様に、この孔部654から突き出ているボルト部27に通された座金73は平面部651上に載置され、座金73より突き出したボルト部27にナット71を螺合している。ナット71を螺合することで第四押え材65を上網部52及び植栽基盤1側に固定することで植栽基盤1の側面部14を押さえている。以上のようにして、第四押え材65が配置されることにより、下網部51の縁部51a側、長尺材3、スペーサー74、及び上網部52の縁部52a側を配置された接続金具2と植栽基盤1とが連結されている。
【0156】
上網部52の中央側では、上網網52の中央側を介して第一通路材86の突出部862の水平な先端862aに対向して第二通路材87が載置されている。第二通路材87は、図26(b)に示すように、断面略M字状の形状をした長尺の部材であり、長手方向の長さが長尺材3の長手方向の長さとが略同一となっている。また、第二通路材87の、長尺材3の長手方向に沿う側方端871、871側に突出部872、872が形成されており、突出部872、872同士の間には、第二通路材87の長手方向に沿って底面部874が形成されている。底面部874には、底面部874の中央に第二通路材87の長手方向に沿って孔部873が複数形成されている。孔部873は、長尺材3の長手方向に沿って構造物の屋上面100に設けられた接続金具2から伸びるボルト部27の位置に対応して形成されている。
【0157】
また、第二通路材87の底面部874は、第一通路材86の突出部862と同様に、長尺材3の長手方向と交差する方向の長さが通路として機能するように形成されている。つまり、第二通路材87の底面部874上に人が載った場合にも第二通路材87が変形し難くなるような厚みになっている。本例では、第二通路材87も第一通路材86と同様に板厚を6mmとしているが、第一通路材86と同様に、第二通路材87の設置状況によっては第二通路材87の板厚を変更することも可能である。また、本例では、第二通路材87の幅の長さ(側方端871、871同士の間の長さ)が第一通路材86の水平な先端862aの長さ(長尺材3の長手方向と交差する方向の長さ)と同一としてある。ただし、第二通路材87の幅の長さ(側方端871、871同士の間の長さ)と第一通路材86の水平な先端862aの長さ(長尺材3の長手方向と交差する方向の長さ)とを異ならせることも可能である。例えば第二通路材87の幅の長さ(側方端871、871同士の間の長さ)より第一通路材86の水平な先端862aの長さ(長尺材3の長手方向と交差する方向の長さ)を長くすることも可能である。
【0158】
以上の第二通路材87は、図24(b)に示すように、三列の長尺材3の内、中央の長尺材3を被って配置してある第一通路材86の突出部862の水平な先端862aと対向して小型の上網片521上に載置され、上網部52の中央側の網目から伸びるボルト部27(第一通路材86の水平な先端862aの孔部863から接続金具2から伸びるボルト部27)が第二通路材87の底面部874の孔部873から突き出している。この孔部873から突き出ているボルト部27に通された座金73は底面部874上に載置され、座金73より突き出したボルト部27にナット72を螺合している。ナット72を螺合することで、上網部52を介して、接続金具2側に配置されている長尺材3の突出部32を被っている第一通路材86と第二通路材87とを固定することで第二通路材87を配置している。
【0159】
図27(a)に示すように、本例でも、例3と同様に、二層構造の網部5である、下網部51と上網部52との間に掃除用網53が挟み込まれている。本例で用いる掃除用網53は例3と同一である。例3と同様に、掃除用網53の網目は下網部51の網目と同じ大きさであれば1mm×1mmの大きさに限定されることなく、例えば、1mmから5mmの正方形、或いは長方形の網目で、ごみが下網部51へ落ちないで、しかも風が通る程度の網目の大きさが確保できていればよく、網目の形状は特に問わない。また、本例では、例3と同様の小型の上網片521を第四押え材(長尺材3)65及び第二通路材87、の長手方向に沿って、第二通路材87と対向する第四押え材(長尺材3)65、65との間にそれぞれ一列に複数配置することで上網部52の形成が行われている。また、例3と同様に、隣り合う小型の上網片521、521同士の間には隙間522が形成されている。つまり、小型の上網片521は、第四押え材(長尺材3)65及び第二通路材87、の長手方向に沿って、隣り合う小型の上網片521、521同士の間には隙間522を形成して複数配置されている。
【0160】
例3と同様に、下網部51と上網部52との間に挟み込む掃除用網53は、小型の上網片521と対向して重なり合うように配置されている。具体的には、図27に示すように、例3と同様に、掃除用網53は、小型の上網片521と対向して重なり合うようにして、第二通路材87及び第四押え材(長尺材3)65、65の長手方向に沿って複数配置されている。また、掃除用網53の(一方の)端部531側は、図27(b)に示すように、隣り合う小型の上網片521、521同士の間に形成された隙間522から出ている。つまり、掃除用網53の(一方の)端部531側は隣り合う小型の上網片521、521同士の間の位置になるように配置されている。
【0161】
図27(a)に示すように、掃除用網53は、例3と同様に、下網部51と上網部52との間に配置されており、配置に際しては、掃除用網53の取り外しを考慮に入れて、上網部52の第四押え材(長尺材3)65側である、上網部52の縁部52a、52a側(小型の上網片521の縁部521a、521a)と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側を上網部52の縁部52a、52a側(小型の上網片521の縁部521a、521a)に針金で縛って固定するとともに、上網部52の通路材(第一通路材86及び第二通路材87)側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側を上網部52の通路材(第一通路材86及び第二通路材87)側に針金で縛って固定することで配置している(図27(b)参照)。
【0162】
この上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と掃除用網53の縁部53a、53a側との固定が行われる固定位置535、535、535、・・・は、図27(b)に示すように、第四押え材65の長手方向(上網部52の縁部52a、52a及び掃除用網53の縁部53a、53a)に沿って複数形成されている。また、図27(b)に示すように、この上網部52の通路材(第一通路材86及び第二通路材87)側と、上網部52の通路材(第一通路材86及び第二通路材87)側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側との固定が行われる固定位置536、536、536、・・・は、第一通路材86及び第二通路材87の長手方向に沿って複数形成されている。そして、図27(b)に示すように、一つの掃除用網53は四箇所の固定位置535、535、536、536で上網部52に針金で縛られて固定されている。
【0163】
ただし、掃除用網53を上網部53に固定する際に、針金で縛ることに限定されずフック状の部材を上網部52の縁部52a、52b側と、上網部52の縁部52a、52b側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側とに引っ掛け、また、フック状の部材を上網部52の通路材(第一通路材86及び第二通路材87)側と、上網部52の通路材(第一通路材86及び第二通路材87)側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側とに引っ掛けることで下網部51と上網部52との間に掃除用網53を固定して配置することも可能である。さらに、掃除用網53の、一方の端部531側と他方の端部532側とを上網部52に針金等で固定することに限定されず、例えば、掃除用網53の一方の端部531側については、上網部52の縁部52a、52a側に固定して、掃除用網53の他方の端部532側については、隣りの掃除用網53に重ね合わせることで順次、掃除用網53をつなぐことで、掃除用網53を下網部51と上網部52との間に、第四押え材(長尺材3)65の長手方向に沿って複数配置することも可能である。
【0164】
以上のようにして、構造物の屋上面100上に少なくとも二列に並んだ植栽基盤1、1の列同士の間の二層構造の網部5の中に(二層構造の網部5である、下網部51と上網部52とで挟み込んで)掃除用網53を設けて、二層構造の網部5を横切る通路(第一通路材86及び第二通路材87)が形成されている。そして、掃除用網53を取り出す際には、例3と同様にして、図27(b)に示す、隣り合う小型の上網片521、521同士の間に形成された隙間522から掃除用網53を取り出すことになる。具体的には、図27(b)に示すように、掃除用網53の、第四押え材(長尺材3)65側の固定位置535、535と第二通路材87側の固定位置536、536とにある針金を解き、掃除用網53を矢印A方向へ移動して、隙間522の間に出ていた掃除用網53の一方の端部531を小型の上網片521上へ乗り上げて行き、小型の上網片521上に掃除用網53を載せることで掃除用網53を取り出すことになる。掃除用網53には、枯葉等のごみが載っているので掃除用網53を二層構造の網部5から取り出すことで二層構造の網部5から枯葉等のごみを除去することが可能になる。
【0165】
つぎに、上記に示した植栽基盤1の列同士の間に二層構造の網部5を設ける植栽基盤1を用いた緑化構造の施工方法について説明する。
【0166】
まず、構造物の屋上面100に接続金具2を配置する。本例では、図28に示すように、構造物の縁部100aに沿って、構造物の屋上面100に接続金具2が配置されている。配置に際しては、図28(b)に示すように、接続金具2の下面部21が構造物の屋上面100と接触し、ボルト部23が設けられた上面部22が構造物の屋上面100と同じ方向に向く。また、接続金具2の配置に際しては、図28(a)に示すように、構造物の屋上面100に長尺材3を配置するために、長尺材3の長手方向に沿うように、構造物の屋上面100に複数の接続金具2が一列に並べられている。本例では、複数の接続金具2が、構造物の縁部100aに沿って、等間隔aで一列に並べられているが、接続金具2が複数列並べられたときに、接続金具2同士が対向すれば、等間隔である必要はなく任意の間隔とすることも可能である。
【0167】
また、構造物の屋上面100に配置された接続金具2は、接続金具2の下面部21にボルト24を設けて構造物の屋上面100に埋め込むことで固定されている。ただし、構造物の屋上面100への接続金具2の固定に際しては、接続金具2の下面部21に接着剤を塗布することにより、構造物の屋上面100に固定することも可能である。さらに、本例では、図28(a)に示すように、構造物の縁部100aに沿って、接続金具2を二列に並べ、二列に並んだ接続金具2から間隔bをおいて接続金具2を三列に並べ、また、間隔bをおいて三列に並んだ接続金具2から間隔cをおいて接続金具2を三列並べる。構造物の屋上面100に並べられた接続金具2の内、構造物の縁部100aに沿って、二列に並んだ接続金具2から間隔bをおいて三列に並んだ接続金具2の真ん中の列の接続金具2と、間隔bをおいて三列に並んだ接続金具2から間隔cをおいて三列に並んだ接続金具2の真ん中の列の接続金具2と、は他の列の接続金具2に設けられたボルト部23より長いボルト部24が設けられた接続金具2が配置される。
【0168】
つぎに、接続金具2上に下網部51を載置する(図29参照)。本例では、図29(a)に示すように、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ接続金具2の内、間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2に近い列の接続金具2と、間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2の内、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ接続金具2に近い列の接続金具2との間を被うように接続金具2上に下網部51を載置する。また、二列に並んだ接続金具2から間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2の内、間隔cをおいて三列に並べられた接続金具2に近い列の接続金具2と、間隔cをおいて三列に並べられた接続金具2の内、二列に並んだ接続金具2から間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2に近い列の接続金具2との間を被うように接続金具2上に下網部51を載置する。
【0169】
下網部51の載置に際しては、下網部51の、長尺材3の長手方向となる一列に並んだ接続金具2に対して交差する方向の下網部51の縁部51a、51a側の網目を、接続金具2のボルト部23に通す(図29(b)参照)。つまり、下網部51が、少なくとも二列に並んだ接続金具2、2同士の間を被い、下網部51の縁部51a、51a側が対向する接続金具2、2上に載り、接続金具2の上面部22から伸びるボルト部23が下網部51の縁部51a側の網目を通り抜け、下網部51を保持する。その結果、少なくとも二列に並んだ接続金具2、2同士が対向して形成された間隔に下網部51が配置される。本例では、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ接続金具2と、隣り合う、間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2との間に下網部51が配置され、間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2と、隣り合う、間隔cをおいて三列に並べられた接続金具2との間に下網部51が配置される。
【0170】
下網部51を配置した後に、構造物の屋上面100に一列に並んで、固定されている接続金具2上に長尺材3を配置する。接続金具2は長尺材3の長手方向に沿う方向に配置(固定)されているので、構造物の屋上面100に一列に並んで、固定されている接続金具2の上に長尺材3を配置することで、構造物の屋上面100に一列に並んで、固定されている接続金具2を被う。長尺材3が接続金具2を被うことで、接続金具2の上面部22上に長尺材3の底面部34、34が載り、長尺材3の長手方向に沿う中央部の矩形形状の突出部32が接続金具2から伸びるボルト部23の外径を収納し、長尺材3の突出部32の先端32aに設けられた孔部33より、接続金具2から伸びるボルト部23が突き出る。
【0171】
本例では、図30に示すように、下網部51が配置されていない接続金具2については、構造物の屋上面100に一列に並んで、固定されている接続金具2の上面部22上に長尺材3の底面部34、34を載せることで接続金具2上に長尺材3を配置する(図30(b)参照)。また、下網部51が配置されている(下網部51の縁部51a側が接続金具2上に載っている)接続金具2については、下網部51の縁部51a側に長尺材3の底面部34、34を載せて下網部51の縁部51a側を長尺材3の底面部34、34と接続金具2の上面部22と挟み込んで、接続金具2上に長尺材3を配置する(図30(b)参照)。
【0172】
本例では、図30(a)に示すように、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ接続金具2の内、間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2に近い列の接続金具2と、三列に並べられた接続金具2の内、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ接続金具2に近い列の接続金具2と、には、長尺材3の底面部34、34を下網部51の縁部51a側に載せ接続金具2の上面部22とで下網部51の縁部51a側を挟む込んで長尺材3を配置する。また、二列に並んだ接続金具2から間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2の内、間隔cをおいて三列に並べられた接続金具2に近い列の接続金具2と、間隔cをおいて三列に並べられた接続金具2の内、二列に並んだ接続金具2から間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2に近い列の接続金具2と、にも、長尺材3の底面部34、34を下網部51の縁部51a側に載置して接続金具2の上面部22とで下網部51の縁部51a側を挟む込んで長尺材3を配置する。
【0173】
長尺材3の底面部34と接続金具2の上面部22との間に下網部51の縁部51a側挟み込むことにより、下網部51が構造物の屋上面100に沿う方向に設けられる。そして、それ以外の接続金具2には、接続金具2の上面部22に直接長尺材3の底面部34、34を載せることで長尺材3を配置する。具体的には、図30(a)に示すように、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ接続金具2の内、構造物の縁部100aに近い列の接続金具2と、間隔cをおいて三列に並べられた接続金具2の内、最も外側の列の接続金具2(間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2から最も遠い列の接続金具2)とには、接続金具2の上面部22に直接長尺材3の底面部34、34を載せることで長尺材3を配置する。
【0174】
長尺材3を配置した後に、対向する長尺材3、3同士の間に植栽基盤1を配置する。つまり、接続金具2(或いは、下網部51の縁部51a側を介して接続金具2)に載った、対向する長尺材3、3の、底面部34、34と突出部32、32と形成される角部35、35が向き合う(対向する)ことで、角部35、35で植栽基盤1の底面部13の縁部13a側を支持させることで、対向する長尺材3、3の角部35、35に植栽基盤1を配置する(載せる)。対向する長尺材3、3の角部35、35への植栽基盤1の配置に際しては、対向する長尺材3、3の長手方向に沿う、一方の端部から他方の端部へ植栽基盤1を並べて敷き詰める。
【0175】
本例では、図31に示すように、対向する長尺材3、3の長手方向に沿う、他方の端部側に植栽基盤1を積み上げておき、対向する長尺材3、3の長手方向に沿う角部35、35に沿って、他方の端部側に積み上げられた植栽基盤1を一方の端部側へ移動する。移動に際しては、他方の端部側に積み上げられた植栽基盤1を、対向する長尺材3、3の角部35、35である長尺材3の、底面部34、34と突出部32、32とを摺動させることで移動し、対向する長尺材3、3の長手方向に沿う、一方の端部側を植栽基盤1で敷き詰める。
【0176】
図31では、下網部51、51で挟み込まれた、対向する長尺材3、3の間に植栽基盤1を並べて敷き詰める状態が示されているが、他の、下網部51が配置されていない、対向する長尺材3、3の間にも植栽基盤1を並べて敷き詰める。最終的に植栽基盤1の配置は、本例では、図32(a)に示すように、下網部51が配置されていない、対向する長尺材3、3の間にも、対向する長尺材3、3の長手方向に沿う、一方の端部から他方の端部へ植栽基盤1を並べて敷き詰める。その結果、本例では、図32に示すように、構造物の縁部100a寄りに植栽基盤1が一列に並び、下網部51を経て植栽基盤1、1が二列に並び、さらに下網部51を経て植栽基盤1、1が二列に並ぶ(図32(b)参照)。
【0177】
植栽基盤1を並べて敷き詰めて配置した後に、図33に示すように、下網部51と重なり合うように上網部52を配置する(図33(b)参照)。本例では、図33(a)に示すように、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ接続金具2の内、間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2に近い列の接続金具2と、三列に並べられた接続金具2の内、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ接続金具2に近い列の接続金具2との間を被うように接続金具2上に上網部52を載置する。また、二列に並んだ接続金具2から間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2の内、間隔cをおいて三列に並べられた接続金具2に近い列の接続金具2と、間隔cをおいて三列に並べられた接続金具2の内、二列に並んだ接続金具2から間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2に近い列の接続金具2との間を被うように接続金具2上に上網部52を載置する(図33(b)参照)。
【0178】
上網部52の載置に際しては、上網部52の、長尺材3の長手方向に対して交差する方向の縁部52a、52a側を、接続金具2のボルト部23に通す。つまり、長尺材3の底面部34から隆起した、突出部32の先端32aに設けられた孔部33より突き出た、接続金具2から伸びるボルト部23に上網部52の縁部52aを通す。具体的には、上網部52が、下網部51が配置された、少なくとも二列に並んだ長尺材3、3同士の間を被い、上網部52の縁部52a、52a側が対向する長尺材3、3の突出部32、32の先端32a、32a上に載り、接続金具2の上面部22、22から伸びるボルト部23、23が上網部52の縁部52a側の網目を通り抜け、上網部52を保持する。
【0179】
その結果、少なくとも二列に並んだ長尺材3、3(接続金具2、2)同士が対向して形成された間隔に上網部52が配置される。本例では、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ長尺材3(接続金具2)と、隣り合う、間隔bをおいて三列に並べられた長尺材3(接続金具2)との間に上網部52が配置され、間隔bをおいて三列に並べられた長尺材3(接続金具2)と、隣り合う、間隔cをおいて三列に並べられた長尺材3(接続金具2)との間に上網部52が配置される。つまり、上網部52は、下網部51と対向させて、下網部51との間に空間を形成して、構造物の屋上面100に沿う方向に設けられる。
【0180】
上網部52を配置した後に、上網部52の縁部52a側の網目から突き出したボルト部23に固定部材であるナット71を螺合して、接続金具2上の下網部51の縁部51a側、長尺材3及び上網部52の縁部52a側を固定する。
【0181】
下網部51の縁部51a側、長尺材3及び上網部52の縁部52a側を固定された接続金具2と植栽基盤1とを連結するために第二押え材6を配置する。本例では、図34に示すように、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ長尺材3(接続金具2)の内、間隔bをおいて三列に並べられた長尺材3(接続金具2)に近い列の接続金具2と、植栽基盤1との間に長尺材3の長手方向に沿って第二押え材6を載置し、三列に並べられた長尺材3(接続金具2)の内、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ長尺材3(接続金具2)に近い列の長尺材3(接続金具2)と、植栽基盤1との間に長尺材3の長手方向に沿って第二押え材6を載置する。
【0182】
また、二列に並んだ接続金具2から間隔bをおいて三列に並べられた長尺材3(接続金具2)の内、間隔cをおいて三列に並べられた長尺材3(接続金具2)に近い列の長尺材3(接続金具2)と、植栽基盤1との間に長尺材3の長手方向に沿って第二押え材6を載置し、間隔cをおいて三列に並べられた長尺材3(接続金具2)の内、二列に並んだ長尺材3(接続金具2)から間隔bをおいて三列に並べられた長尺材3(接続金具2)に近い列の長尺材3(接続金具2)と、植栽基盤1との間に長尺材3の長手方向に沿って第二押え材6を載置する。
【0183】
第二押え材6の載置に際しては、第二押え材6の平面部61に設けられた孔部64へナット71を螺合したボルト部23を通して、第二押え材6の平面部61をナット71上に載置する。第二押え材6の平面部61をナット71上に載置することで、第二押え材6の平面部63は植栽基盤1の上面部11の植栽ポット12にかかるところに載る。そして、ナット71より突き出したボルト部23に座金73を通しナット71上に載置し、座金73より突き出したボルト部23にナット72を螺合する。その結果、下網部51の縁部51a側、長尺材3及び上網部52の縁部52a側を固定された接続金具2に第二押え材6が固定され、第二押え材6の平面部63が植栽基盤1の上面部11に押圧を加えた状態になる。
【0184】
以上のようにして、第二押え材6により、下網部51の縁部51a側、長尺材3及び上網部52の縁部52a側を固定された接続金具2側と植栽基盤1とが連結される。そして、下網部51を設けた、対向する植栽基盤1、1の列同士の間で、上網部52の、長尺材3の長手方向に対して交差する方向の縁部52a、52a側を、長尺材3の、底面部34から隆起した突出部32の先端32aと、植栽基盤1と接続金具2側とを連結する第二押え材6との間に挟み込むことで、上網部52を下網部51と対向させて上網部52と下網部51との間に形成された空間が保持される。
【0185】
また、接続金具2の上面部22に直接長尺材3の底面部34、34を載せることで長尺材3を配置した、上網部52が配置されていない、接続金具2には、長尺材3の突出部32から突き出たボルト部23にナット71を螺合して接続金具2に長尺材3を固定する。本例では、図34(a)に示すように、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ接続金具2の内、構造物の縁部100aに近い列の接続金具2と、間隔cをおいて三列に並べられた接続金具2の内、最も外側の列の接続金具2(間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2から最も遠い列の接続金具2)とには、長尺材3の突出部32から突き出たボルト部23にナット71を螺合して接続金具2に長尺材3を固定する。
【0186】
そして、接続金具2に固定された長尺材3と植栽基盤1とを連結するために第一押え材4を配置する。本例では、図34(b)に示すように、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ接続金具2の内、構造物の縁部100aに近い列の接続金具2と、植栽基盤1との間に長尺材3の長手方向に沿って第一押え材4を載置し、間隔cをおいて三列に並べられた接続金具2の内、最も外側の列の接続金具2(間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2から最も遠い列の接続金具2)と、植栽基盤1との間に長尺材3の長手方向に沿って第一押え材4を載置する。
【0187】
第一押え材4の載置に際しては、第一押え材6の平面部41に設けられた孔部45へナット71を螺合したボルト部23を通して、第一押え材4の平面部41をナット71上に載置する。第一押え材4の平面部41をナット71上に載置することで、第一押え材4の平面部44は植栽基盤1の上面部11に載り、第一押え材4の折曲部42により、長尺材3の、突出部32と底面部34を囲む。そして、ナット71より突き出したボルト部23に座金73を通しナット71上に載置し、座金73より突き出したボルト部23にナット72を螺合する。その結果、長尺材3を固定された接続金具2に第一押え材4が固定され、第一押え材4の平面部44が植栽基盤1の上面部11に押圧を加えた状態になる。以上のようにして、長尺材3を固定された接続金具2側と植栽基盤1とが連結される。
【0188】
また、二列に並んだ植栽基盤1、1同士を連結するために第三押え材8を配置する。本例では、図34(a)に示すように、構造物の縁部100aに沿って、二列に並んだ接続金具2から間隔bをおいて三列に並んだ接続金具2の真ん中の列の接続金具2と、重なり合うように第三押え材8を配置し、また、間隔bをおいて三列に並んだ接続金具2から間隔cをおいて三列に並んだ接続金具2の真ん中の列の接続金具2と、重なり合うように第三押え材8を配置する。
【0189】
具体的には、図34(b)に示すように、第三押え材8を二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の間に組み込む。第三押え材8の突出部84を二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の間に挟み込まれるように組み込み、接続金具2から伸びるボルト部24を第三押え材8の突出部84の底面部83に設けられた孔部85から突き出させる。そして、第三押え材8の平面部81、81が植栽基盤1の上面部11に載せ、孔部85から突き出たボルト部24に座金73を通し、座金73を第三押え材8の突出部84の底面部83に載置し、座金73より突き出したボルト部24にナット72を螺合する。その結果、第三押え材8を植栽基盤1、1に固定することになり、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1同士を連結する。
【0190】
そして、第一掃除用網である掃除用網53を用いる場合には、図35に示すように、二層構造の網部5内の空間523に掃除用網53を掃除用網53の一方の端部531より挿入する。挿入後に、図35(a)に示すように、上網部52の、第二押え材(長尺材3)6側である、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側を上網部52の縁部52a、52a側で複数箇所(固定位置533、534、535・・・)を針金で縛る。その結果、図35(b)に示すように、掃除用網53は二層構造の網部5内の空間523に下網部51及び上網部52と対向するように配置され、掃除用網53は、下網部51に対向するとともに、上網部52に対向することになる。また、掃除用網53は、横糸55が容易に折れ曲がらない強度を有する素材、本例では樹脂で成形されるため、風が吹くと掃除用網は下網部と上網部の間を上下するだけで、掃除用網がめくり上がり難くなり下網部51の上に掃除用網がない部分が発生し難い。
【0191】
つぎに灌水パイプ9を配置する。灌水パイプ9の配置に際しては、長尺の灌水パイプ9を長尺材3の長手方向と平行な状態にして、灌水パイプ9を一列に並んだ植栽基盤1の上に配置する(図36参照)。本例では、図36(a)に示すように、全ての、一列に並んだ植栽基盤1上の植栽ポット12、12同士の間に長尺の灌水パイプ9が配置され(図36(b)参照)、長尺の灌水パイプ9の長手方向の所々に塗布された接着剤又は針金により植栽基盤1に固定される。また、灌水パイプ9には、図示しない多数の孔部が形成されており、灌水パイプ9内に水を通すと、図示しない多数の孔部より水が飛び出し植栽基盤1の植栽ポット12へ水の供給を行う。
【0192】
植栽基盤1の植栽ポット12へ水の供給が行われることで、図37に示すように、植栽ポット12より蔓性植物10が成長し、植栽基盤1から二層構造の網部5(上網部52)に育っていく。このように、植栽基盤1からの蔓性植物10が植栽基盤1から二層構造の網部5(上網部52)に育っていくことで、二層構造の網部5(上網部52)上に蔓性植物10が繁ることになり、構造物の屋上面100の緑化が行われる。植栽ポット12から成長する蔓性植物10として、本例では冬枯れない植物であるヘデラ類を植栽しているが、ヘデラ類の他に冬枯れない植物であるキヅタ、オオイタビ、ムベ等を植栽することも可能である。また、蔓性植物10としては冬枯れない植物に限定されることなく、冬枯れる植物であるナツヅタ、ノウゼンカズラ類とすることも可能である。
【0193】
上網部52の縁部52a、52a側と掃除用網53の縁部53a、53a側とを複数箇所(固定位置533、534、535・・・)で単に針金により縛っているに過ぎないので針金を解くことにより、上網部52と掃除用網53とを分離し、二層構造の網部5内の空間523から掃除用網53の一方の端部531を引き出す。その結果、二層構造の網部5内へ入り込んだ枯葉等を含むゴミを取り出すことが可能になる。掃除用網53から枯葉等を含むゴミを除去した後、掃除用網53の他方の端部に取り付けられた引戻し紐56、56を引っ張り、掃除用網53を二層構造の網部5内へ挿入し、再び上網部52の、第二押え材(長尺材3)6側である、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側を上網部52の縁部52a、52a側で複数箇所(固定位置533、534、535・・・)針金で縛る。
【0194】
なお、接続金具2は、図38(a)に示すように、例えば、折板屋根190に配置する場合には、別の形態をとることも可能である。例えば、山部191の頂面192にハゼ部193が形成された折板屋根190の場合、そのハゼ部193を両側から挟む込む形式の接続金具29を使用することになる。接続金具29は、図38(a)に示すように、略対称な一対の金具片291よりなり、その一対の金具片291を重ね合わせることでハゼ部193を挟み込むことになる。金具片291は、頂面192に対して配置可能なように頂面192に沿って伸びる傾斜した平面状の脚部292が形成されている。脚部292から連続して膨出部293が形成されており、脚部292と膨出部293との間にはくびれた絞り部294が形成されている。
【0195】
膨出部293は、図38(a)に示すように、円弧状の形状をなし、金具片291、291同士を重ね合わせることで中空部295が形成されることになる。膨出部293に連続して平板状に伸びる締結部296が形成されており、締結部296には、ボルト298を挿通させるための孔部297が形成されている。そして、締結部296より略直角に折れ曲がって平板状に伸びる張出部300が形成されている。張出部300に対して垂直に伸びる凸部を形成するために孔部301が形成されている。
【0196】
接続金具29を折板屋根190に配置すると、図38(a)に示すように、一対の金具片291、291同士を重ね合わせ、膨出部293、293が折板屋根190のハゼ部193を挟み込み、膨出部293、293で形成される中空部295内にハゼ部193を収容し、絞り部294、294がハゼ部193の脚部194に当接した状態で挟み込んでいる。また、脚部292、292は頂面192に対して開いた状態で当接することで頂面192に配置されている。さらに、膨出部293、293より伸びる重ね合わされた締結部296、296にはボルト298が孔部297、297を挿通されて、ボルト298にはナット299が螺合されることで一対の金具片291、291が固定されるとともに折板屋根190の頂面192に配置されている。そして、張出部300の孔部301には、棒状部材(凸部)であるボルト部302が組み込まれている。そのボルト部302を張出部300に固定するためにナット303が螺合されている(ボルト部302の頭部とナット303とで張出部300を挟み込んでいる)。
【0197】
接続金具29を用いて構造物の屋上面100である折板屋根190に二層構造の網部5を設ける場合には、接続金具2を用いた場合と同様に、折板屋根190の山部191の長手方向に沿って、図38(a)に示すように複数の接続金具29を配置して接続金具29の列を形成することになる。そして、接続金具29の列には下網部51の縁部51aが配置され、下網部51の縁部51a側の網目が、接続金具29のボルト部303を通り、下網部51の縁部51a側を接続金具29の張出部300に載置されて配置されている。接続金具29の張出部300に長尺材3の底面部34、34を載せると、図38(b)に示すように、接続金具29のボルト部303の先端側が長尺材3の突出部32の先端32aの孔部33から突き出ることになる。
【0198】
接続金具29の張出部300から伸びるボルト部302が上網部52の縁部52a側の網目を通り抜け、上網部52の保持及び位置決めが行われ、ボルト部302には固定部材であるナット71が螺合されている。そして、接続金具29から伸びるボルト部302が第二押え材6(或いは第四押え材65)孔部64(或いは孔部654)から突き出ている。この孔部64(或いは孔部654)から突き出ているボルト部302に通された座金73は平面部61(或いは平面部651)上に載置されており、座金73より突き出したボルト部302にナット72を螺合している。以上のようにして、接続金具29を用いることでも、構造物の屋上面100である折板屋根190に二層構造の網部5を設けることが可能になる。
【0199】
なお、本例では、接続金具2、29に取り付けられた凸部としてナット71等と螺合するボルト部23、24、26、27、302を用いているが、凸部は雄ねじ部が設けられたボルト部23、24、26、27、302に限定されることなく、雄ねじ部が設けられていない単なる棒状部材であっても可能である。その場合には、凸部に通された下網部51、長尺材3等の配置を可能にするためにナット状の雌ねじ部が設けられていない部材(例えば、固定部材)を凸部の先端側に嵌合させることで下網部51、長尺材3等の配置を行うことになる。
【符号の説明】
【0200】
1…植栽基盤、11…上面部、12…植栽ポット、13…底面部、14…側面部
2…接続金具、20…略立方体状の箱体、21…下面部、22…上面部、212、213、23、24、26、27…ボルト部(凸部)、211…本体部、221…蓋部、231…頭部、214、232…ナット、233…座金、215…孔部、216…座金、217…壁面
29…接続金具、291…金具片、292…脚部、293…膨出部、294…絞り部、295…中空部、296…締結部、297…孔部、298…ボルト、299…ナット、300…張出部、301…孔部、302…ボルト部(凸部)、303…ナット
3…長尺材、31…側方端、32…突出部、32a…先端、33…孔部、34…底面部、35…角部
4…第一押え材、41、44…平面部、42…折曲部、43…伸長部、45…孔部
5…二層構造の網部、51…下網部(第一網部)、51a…下網部の縁部、52…上網部(第二網部)、521…小型の上網部、52a…上網部の縁部、522…隙間、523…空間
53…掃除用網、531…一方の端部、532…他方の端部、533、534、535、536…固定位置
54…縦糸、55…横糸、56…引戻し紐
6…第二押え材、61、63…平面部、62…伸長部、64…孔部
65…第四押え材(第二押え材)、651、653…平面部、652…伸長部、654…孔部
71、72…ナット、73…座金、
74…スペーサー、741…中心孔、742、743…端面
75…スペーサー用平板、751…孔部
8…第三押え材、81…平面部、82…折曲部、83…底面部、84…突出部、85…孔部
86…第一通路材、861…側方端、862…突出部、862a…先端、863…孔部、864…底面部
87…第二通路材、871…側方端、862…突出部、863…孔部、864…底面部
9…灌水パイプ
100…構造物の屋上面、100a…構造物の縁部(壁部)
190…折板屋根、191…山部、192…頂面、193…ハゼ部、194…脚部
【技術分野】
【0001】
本発明は、蔓性植物により構造物の屋上を緑化するとともに、構造物の、緑化された屋上の管理を可能にする植栽基盤を用いた緑化構造に関する。
【背景技術】
【0002】
構造物の屋上等の緑化を図り、構造物の、緑化された屋上の管理を可能する技術として、図39に示す、植物栽培用パネル部材と植物栽培装置の技術が開示されている。ここでは、植物を保持させることができる略格子状又は略網目状のパネル206と、パネル206の一方の面側に設けられた脚部208とを備え、パネル206が折り曲げ可能な植物栽培用パネル部材204とからなり、植物栽培用パネル部材204と植物栽培用プランター212を共に使用している。そして、植物栽培装置を建築物の屋上に連続して設置すれば面的な屋上緑化が可能になり、パネル体206を折り曲げれば作業用通路又は作業空間が容易に創出することが可能になり、作業効率が良くなるだけではなく、屋上一面を緑化することが可能になる。つまり、パネル体206を折り曲げることにより植物をどの角度でも保持することができ、また、パネルを折り曲げるだけで作業空間を創出することができ、パネル部材の下の掃除を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−097144(段落0029、段落0043、段落0045、段落0046、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、屋上は地上より風が強いので、強風に耐える構造でなくてはならないが、図39に示す技術では、網目の大きい一層網であるパネル206を折り曲げる構造であり、強風による固定方法がないため強風に耐えることが難しい。また、掃除、植栽、或いは蔓性植物の手入れ等のための作業用通路と作業空間を創出するためにパネル206を折り曲げる作業を必要とするので、掃除、植栽、或いは蔓性植物の手入れ等の作業効率の向上が望み難い。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、強風に耐え、掃除、植栽、或いは蔓性植物の手入れ等の作業効率の向上を図るとともに、簡易な構造で施工を容易し、蔓性植物に対する放射熱対策を講じた植栽基盤を用いた緑化構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、構造物に配置された、植栽基盤に連結された二層構造の網部を備えた、植栽基盤を用いた緑化構造において、前記構造物の屋上面に、間隔を隔てて複数配置することで列を形成し、対向する前記列同士では、各々対向し、前記構造物の屋上面側の上面部に凸部が取り付けられた接続金具と、対向する、前記接続金具の列の上に配置されることで、前記接続金具の列側の網目が前記接続金具の凸部を通り、前記接続金具の上面部に載置されることで配置され、前記二層構造の網部を形成する、前記構造物の屋上面に沿う方向に設けた第一網部と、前記第一網部を介して、前記接続金具の列の上に載置された底面部と、該底面部と連続して前記底面部から隆起した突出部とを備え、前記底面部が前記接続金具の列の上に載置されると前記接続金具の凸部が前記突出部の先端に形成された孔部より突き出る、前記接続金具の列の長手方向に沿って伸びた長尺材と、対向する、前記長尺材の前記突出部に形成された前記孔部より突き出た、前記接続金具の凸部には、前記接続金具の凸部側の網目が前記接続金具の凸部を通り、前記長尺材の先端に載置されることで配置され、前記第一網部と対向して前記第一網部との間に空間を形成して、前記二層構造の網部を形成する、前記構造物の屋上面に沿う方向に設けた、前記第一網部より網目が大きい第二網部と、対向する前記長尺材の、前記第一網部及び前記第二網部が配置された、前記突出部と前記底面部とでなす角部とは反対側の角部と、対向する前記長尺材の間の前記長尺材の、前記突出部と前記底面部とでなす角部との間に、前記植栽基盤が複数載置されることで、対向する前記長尺材の間の前記長尺材を挟み込んで配置された二列の隣接した植栽基盤の列と、備え、二列の隣接した前記植栽基盤の列同士の間で、前記植栽基盤の側面部同士に挟み込まれ、水平方向に前記植栽基盤の列の長手方向に沿って形成された底面部と、前記底面部に連続して、二列の隣接した前記植栽基盤の列同士の上面部に載置され、前記植栽基盤の列の長手方向に形成された平面部と、前記底面部に設けられた、前記長尺材の突出部の先端から前記接続金具の凸部の先端側が突き出た孔部と、を備える第三押え材が配置されていることを特徴とする。
【0007】
従って、請求項1に記載の発明によれば、構造物の屋上面に、上面部に凸部が取り付けられた接続金具を間隔を隔てて複数配置することで列を形成し、対向する列同士では、接続金具同士が対向しており、対向する、接続金具の列の上に第一網部である下網部を配置して、第一網部を構造物の屋上面に沿う方向に設け、第一網部を介して、接続金具の列の上に長尺材の底面部を載置して接続金具の凸部が長尺材の突出部の先端の孔部より突き出して、その突き出た、接続金具の凸部に、第二網部である上網部の網目を通し、長尺材の先端に第二網部を載置することで、第二網部を構造物の屋上面に沿う方向に設け、第一網部と対向して第一網部との間に空間を形成し、長尺材の、第一網部及び第二網部が配置された、突出部と底面部とでなす角部とは反対側の角部と、対向する長尺材の間の長尺材の、突出部と底面部とでなす角部との間に、植栽基盤が複数載置されて、対向する長尺材の間の長尺材を挟み込んで二列の隣接した植栽基盤の列が配置され、二列の隣接した植栽基盤の列同士の間に第三押え材が配置されることで、第三押え材の平面部が植栽基盤の列の長手方向に沿って二列の隣接した植栽基盤の列同士の上面部に載置され、第三押え材の底面部は二列の隣接した植栽基盤の側面部同士の間に挟み込まれて水平方向に植栽基盤の列の長手方向に沿って伸び、第三押え材の底面部に設けられた孔部から突き出た接続金具の凸部を固定部材等により固定するという、構造物の屋上面に固定して配置された接続金具を基礎とする構造であるため強風に耐えることが可能であるとともに、第三押え材を二列の隣接した植栽基盤の列に沿う通路とすることが可能になるので、掃除、植栽、或いは蔓性植物の手入れ等を効率よく行うことが可能になる。
【0008】
また、請求項1に記載の発明によれば、対向する前記長尺材の、前記第一網部及び前記第二網部が配置された、前記突出部と前記底面部とでなす角部とは反対側の角部と、対向する前記長尺材の間の前記長尺材の、前記突出部と前記底面部とでなす角部との間に、前記植栽基盤が複数載置されることで、対向する前記長尺材の間の前記長尺材を挟み込んで配置された二列の隣接した植栽基盤の列と、という構成をとっているため、対向する長尺材の間の長尺材を挟み込んで二列の隣接した植栽基盤の列の、対向する長尺材側に二層構造の網部が配置されることで、二層構造の網部が長尺材の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤の列を水平方向より挟み込むという構成であり、長尺材の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤の列の両側から挟み込むように配置することで第三押え材を通路として用いて二層構造の網部へ繁茂する蔓性植物の手入れ等を可能にする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、構造物に配置された、植栽基盤に連結された二層構造の網部を備えた、植栽基盤を用いた緑化構造において、前記構造物の屋上面に、間隔を隔てて複数配置することで列を形成し、対向する前記列同士では、各々対向し、前記構造物の屋上面側の上面部に凸部が取り付けられた接続金具と、対向する、前記接続金具の列の上に配置されることで、前記接続金具の列側の網目が前記接続金具の凸部を通り、前記接続金具の上面部に載置されることで配置され、前記二層構造の網部を形成する、前記構造物の屋上面に沿う方向に設けた第一網部と、前記第一網部を介して、前記接続金具の列の上に載置された底面部と、該底面部と連続して前記底面部から隆起した突出部とを備え、前記底面部が前記接続金具の列の上に載置されると前記接続金具の凸部が前記突出部の先端に形成された孔部より突き出る、前記接続金具の列の長手方向に沿って伸びた長尺材と、対向する、前記長尺材の前記突出部に形成された前記孔部より突き出た、前記接続金具の凸部には、前記接続金具の凸部側の網目が前記接続金具の凸部を通り、前記長尺材の先端に載置されることで配置され、前記第一網部と対向して前記第一網部との間に空間を形成して、前記二層構造の網部を形成する、前記構造物の屋上面に沿う方向に設けた、前記第一網部より網目が大きい第二網部と、対向する前記長尺材の一方の前記長尺材の、前記第一網部及び前記第二網部が配置された、前記突出部と前記底面部とでなす角部とは反対側の角部と、その反対側の角部と対向する、前記第一網部及び前記第二網部が配置されていない他方の前記長尺材の、前記突出部と前記底面部とでなす角部と、対向する前記長尺材の間の前記長尺材の、前記突出部と前記底面部とでなす角部との間に、前記植栽基盤が複数載置されることで、対向する前記長尺材の間の前記長尺材を挟み込んで配置された二列の隣接した植栽基盤の列と、備え、二列の隣接した前記植栽基盤の列同士の間で、前記植栽基盤の側面部同士に挟み込まれ、水平方向に前記植栽基盤の列の長手方向に沿って形成された底面部と、前記底面部に連続して、二列の隣接した前記植栽基盤の列同士の上面部に載置され、前記植栽基盤の列の長手方向に形成された平面部と、前記底面部に設けられた、前記長尺材の突出部の先端から前記接続金具の凸部の先端側が突き出た孔部と、を備える第三押え材が配置されていることを特徴とする。
【0010】
従って、請求項2に記載の発明によれば、構造物の屋上面に、上面部に凸部が取り付けられた接続金具を間隔を隔てて複数配置することで列を形成し、対向する列同士では、接続金具同士が対向しており、対向する、接続金具の列の上に第一網部である下網部を配置して、第一網部を構造物の屋上面に沿う方向に設け、第一網部を介して、接続金具の列の上に長尺材の底面部を載置して接続金具の凸部が長尺材の突出部の先端の孔部より突き出して、その突き出た、接続金具の凸部に、第二網部である上網部の網目を通し、長尺材の先端に第二網部を載置することで、第二網部を構造物の屋上面に沿う方向に設け、第一網部と対向して第一網部との間に空間を形成し、対向する長尺材の一方の長尺材の、第一網部及び第二網部が配置された、突出部と底面部とでなす角部とは反対側の角部と、その反対側の角部と対向する、第一網部及び第二網部が配置されていない他方の長尺材の、突出部と底面部とでなす角部と、対向する長尺材の間の長尺材の、突出部と底面部とでなす角部との間に、植栽基盤が複数載置されて、対向する長尺材の間の長尺材を挟み込んで二列の隣接した植栽基盤の列が配置され、二列の隣接した植栽基盤の列同士の間に第三押え材が配置されることで、第三押え材の平面部が植栽基盤の列の長手方向に沿って二列の隣接した植栽基盤の列同士の上面部に載置され、第三押え材の底面部は二列の隣接した植栽基盤の側面部同士の間に挟み込まれて水平方向に植栽基盤の列の長手方向に沿って伸び、第三押え材の底面部に設けられた孔部から突き出た接続金具の凸部を固定部材等により固定するという、構造物の屋上面に固定して配置された接続金具を基礎とする構造であるため強風に耐えることが可能であるとともに、第三押え材を二列の隣接した植栽基盤の列に沿う通路とすることが可能になるので、掃除、植栽、或いは蔓性植物の手入れ等を効率よく行うことが可能になる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明によれば、対向する前記長尺材の一方の前記長尺材の、前記第一網部及び前記第二網部が配置された、前記突出部と前記底面部とでなす角部とは反対側の角部と、その反対側の角部と対向する、前記第一網部及び前記第二網部が配置されていない他方の前記長尺材の、前記突出部と前記底面部とでなす角部と、対向する前記長尺材の間の前記長尺材の、前記突出部と前記底面部とでなす角部との間に、前記植栽基盤が複数載置されることで、対向する前記長尺材の間の前記長尺材を挟み込んで配置された二列の隣接した植栽基盤の列と、という構成をとっているため、対向する長尺材の間の長尺材を挟み込んで二列の隣接した植栽基盤の列の、対向する長尺材の一方の長尺材側には二層構造の網部が配置され、他方の長尺材側には二層構造の網部を配置せず、二層構造の網部を長尺材の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤の列に対して片側から水平方向より配置することで第三押え材を通路として用いて二列の隣接した植栽基盤の列の片側に配置された二層構造の網部へ繁茂する蔓性植物の手入れ等を可能にする。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記第一網部と前記第二網部との間に形成された前記空間内で、前記第一網部に対向するとともに前記第二網部に対向し、前記第二網部に着脱可能に取り付けられ、前記第一網部及び前記第二網部に対向して、前記長尺材の長手方向に沿う方向に設けられた縦糸と、前記第一網部及び前記第二網部に対向して、前記縦糸と交差して設けられた、前記縦糸より折り曲げ強度がある横糸と、前記長尺材の長手方向に沿う端部側に取り付けられ、前記長尺材の長手方向に沿う方向に引っ張ることで、前記第一網部及び前記第二網部に対して移動させる引戻し紐と、を備える第一掃除用網を備えることを特徴とする。
【0013】
従って、請求項3に記載の発明によれば、第一網部と第二網部との大きさと等しい大きさの第一掃除用網を第一網部と第二網部との形成された空間内に、第一網部に対向するとともに第二網部に対向し、第二網部に第一掃除用網が着脱可能に取り付けると、第一掃除用網の、第一網部及び第二網部に対向して、長尺材の長手方向に沿うように設けられた縦糸より、縦糸と交差して設けられた横糸の方が折り曲げ強度が高いため、第一網部と第二網部との形成された空間内に風が吹き込んでも第一掃除用網が第一網部からめくれることを防止することが可能になり、第一網部上に第一掃除用網がない部分をなくすことを可能にして第一網部上の掃除を可能にする。また、第一掃除用網の、長尺材の長手方向に沿う端部側に引戻し紐が取り付けられているため、第一掃除用網を長尺材の長手方向に沿って移動して第一網部と第二網部との形成された空間内から出して第一掃除用網上に載った枯葉等のごみを取り除いた後に、引戻し紐を長尺材の長手方向に沿う方向に引っ張ることで、第一掃除用網を第一網部と第二網部との形成された空間内へ再び移動させることが可能になる。
【0014】
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記第二網部は、対向する、前記長尺材の先端より突き出た、前記接続金具の凸部の列には、前記接続金具の凸部側の網目が前記接続金具の凸部の列を通り、前記長尺材の先端側に載置され、前記接続金具の凸部の列方向に沿って、複数配置されることで前記第一網部と対向して前記第一網部との間に前記空間を形成して、前記構造物の屋上面に沿う方向に設けた複数の第二網片からなり、前記第一網部と、前記第一網部と対向して設けられた前記第二網部との間に、前記第二網片に対向して重なり合うように、前記第二網片に着脱可能に取り付けられ、前記第一網部及び前記第二網部に対向して、前記長尺材の長手方向に沿うように設けられた縦糸と、前記第一網部及び前記第二網部に対向して、前記縦糸と交差して設けられた、前記縦糸より折り曲げ強度がある横糸と、を備える第二掃除用網を備えることを特徴する。
【0015】
従って、請求項4に記載の発明によれば、複数の第二網片(小型の上網片)が第二網部をなしており、対向する、長尺材の突出部の先端の孔部より突き出た、接続金具の凸部の列には、第二網片の接続金具の凸部側の網目を通し、第二網部である第二網部の第二網片の接続金具の凸部側の網目は長尺材の突出部の先端側に載置され、接続金具の凸部の列方向に沿って、第二網片が複数配置されることで第一網部と対向して第一網部との間に空間を形成して、構造物の屋上面に沿う方向に第二網部が配置され、第一網部と第二網部との間に、第二掃除用網が第二網片に対向して重なり合うように第二網片に着脱可能に設けられおり、第二網部を通り抜けた枯葉、落ち葉及びゴミ等を第二掃除用網で受けて、第二掃除用網を第一網部と第二網部との間から取り出すことにより、掃除の作業性を向上させることが可能になる。
【0016】
また、第二掃除用網は、第一掃除用網と同様に、第二網部に第二掃除用網が着脱可能に取り付けられ、第二掃除用網の、第一網部及び第二網部に対向して、長尺材の長手方向に沿うように設けられた縦糸より、縦糸と交差して設けられた横糸の方が折り曲げ強度が高いため、第一網部と第二網部との形成された空間内に風が吹き込んでも第二掃除用網が第一網部からめくれることを防止することが可能になり、第一網部上に第二掃除用網がない部分をなくすことを可能にし第一網部上の掃除を可能にする。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の構成に加え、前記第一網部と対向して、接続金具の凸部の列方向に沿って、複数の前記第二網片が配置されることで前記第一網部との間に前記空間を形成して、複数の前記第二網片が前記構造物の前記屋上面に沿う方向に設けられ、隣り合う前記第二網片同士の間には隙間が設けられ、前記隙間には、前記第二網片に着脱可能に取り付けられた前記第二掃除用網の、前記長尺材の長手方向に沿う、端部が出ていることを特徴とする。
【0018】
従って、請求項5に記載の発明によれば、第一網部と対向して、接続金具の凸部の列方向に沿って、接続金具の凸部の列に複数の前記第二網片が配置されて第一網部との間に空間を形成して、複数の前記第二網片が前記構造物の前記屋上面に沿う方向に設けられ、隣り合う第二網片同士の間に隙間が設けられて、隙間に第二掃除用網の、長尺材の長手方向に沿う、一方の端部が出ているため、隙間の間に出ている第二掃除用網の、長尺材の長手方向に沿う、一方の端部を引っ張ることで容易に第二掃除用網を第一網部と第二網部との間から引き出して取り出すことが可能になり掃除の作業性の向上に資することが可能になる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、構造物の屋上面に接続金具を固定することで配置して、接続金具を基礎にして二層構造の網部を設けているため強風に耐え易い構造になっている。また、構造物の屋上面に配置した、二層構造の網部を形成した植栽基盤の列同士の間に第三押え材を設けることで、構造物の屋上面に配置した二層構造の網部内の通路とすることができ、掃除、植栽、或いは蔓性植物の手入れ等に際して二層構造の網部上、或いは植栽基盤上を通過することなく、第三押え材である通路を使用することで掃除、植栽、或いは蔓性植物の手入れ等が必要な二層構造の網部の箇所へ行くことができる。例えば、蔓性植物が育っていない植栽基盤の植栽ポットを取り替える等の作業を、二層構造の網部上、或いは植栽基盤上を歩かなくても行うことができる。
【0020】
特に、植栽基盤同士の間には通路が設けられているので、掃除、植栽、或いは蔓性植物の手入れ等が行い易くなる。つまり、通路を設けることで掃除、植栽、或いは蔓性植物の手入れ等の際に、植栽基盤上を歩くことがなくなるため、植栽基盤が人の荷重により破損し難くなる。
【0021】
さらに、掃除用網の縦糸(長尺材の長手方向に沿う糸)より横糸(縦糸と交差する糸)は折れ曲がり難い素材を用いているため、風が吹いても掃除用網がめくり上がり下網部の上に掃除用網がない部分が発生し難くなり、従来必要とされていためくり上がり防止のために掃除用網の端部側の縁部を固定する固定具(例えば、針金、紐、クリップ等)が必要なくなり、掃除用網を配置したり、掃除の際に掃除用網を外したりする際の煩雑さを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の例1である植栽基盤の列同士の間に二層構造の網部を設ける構造を示す説明図である。
【図2】本発明で用いる接続金具の説明図である。(a)は、本発明で用いる接続金具を正面方向から示す説明図である。(b)は、構造物の屋上面への接続金具の固定方法の一例を示す説明図である。(c)は、構造物の屋上面への接続金具の固定方法の他の例を示す説明図である。
【図3】図1における二層構造の網部の近傍を詳細に示す説明図である。
【図4】本発明で用いる長尺材の説明図である。(a)は、長尺材を正面方向から示す説明図である。(b)は、長尺材の長手方向を長尺材の上方より示す説明図である。
【図5】植栽基盤と長尺材を配置した接続金具側の連結を示す説明図である。(a)は、植栽基盤と長尺材を配置した接続金具側との連結を示す説明図である。(b)は、植栽基盤と、二層構造の網部を支持する、長尺材を配置した接続金具側との連結を示す説明図である。
【図6】本発明で用いる植栽基盤の説明図である。(a)は、植栽基盤の上面部を示す説明図である。(b)は、植栽基盤の側方方向から示す説明図である。
【図7】第一押え材の説明図である。(a)は、第一押え材の正面方向から示す説明図である。(b)は、第一押え材の長手方向を第一押え材の上方より示す説明図である。
【図8】第二押え材の説明図である。(a)は、第二押え材の正面方向から示す説明図である。(b)は、第二押え材の長手方向を第二押え材の上方より示す説明図である。
【図9】第一掃除用網を配置した二層構造の網部を示す説明図である。(a)は、二層構造の網部内の空間内で下網部と上網部との間に第一掃除用網が配置された状態を示す説明図である。(b)は、上網部の縁部側と対向する第一掃除用網の縁部側との複数箇所で上網部の縁部側と第一掃除用網の縁部側を固定している固定位置を示す説明図である。
【図10】二層構造の網部内に配置された第一掃除用網を示す説明図である。(a)は、二層構造の網部内で、上網部の縁部側と対向する第一掃除用網の縁部側を上網部の縁部側に固定することで配置した状態を示す説明図である。(b)は、第一掃除用網の他方の端部の、縁部側に取り付けられた引戻し紐を示す説明図である。
【図11】二層構造の網部により挟み込まれた二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士の間に通路材を設ける構造の全体を示す説明図である。
【図12】二層構造の網部により挟み込まれた二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士の間に通路材を設ける構造を示す説明図である。(a)は、二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士の間に通路材を設けて植栽基盤の列同士を連結する構造を正面方向から示す説明図である。(b)は、(a)における二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士の間に通路材近傍の詳細を示す説明図である。
【図13】第三押え材の説明図である。(a)は、第三押え材の正面方向から示す説明図である。(b)は、第三押え材の長手方向を第三押え材の上方より示す説明図である。
【図14】通路材を設けた、二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士を挟み込んだ二層構造の網部内に掃除用網を設けた構造の全体を示す説明図である。
【図15】通路材を設けた、二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士を挟み込んだ二層構造の網部内での第一掃除用網の配置を示す説明図である。(a)は、第一掃除用網と上網部とが対向し、上網部に第一掃除用網が固定される固定位置を示す説明図である。(b)は、二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士を挟み込んだ二層構造の網部内の第一掃除用網が上網部に固定される固定位置を示す説明図である。
【図16】通路材を設けた、二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士を挟み込んだ二層構造の網部内での第二掃除用網の配置を示す説明図である。(a)は、第一掃除用網と上網片とが対向し、隣り合う第二網片同士の間に設けられた隙間に第二掃除用網の一方の端部が出ることを示す説明図である。(b)は、二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士を挟み込んだ二層構造の網部内の第二掃除用網が上網部に固定される固定位置を示す説明図である。
【図17】二列に隣接して並んだ植栽基盤の列の一方の側に二層構造の網部が設け、二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士の間に通路材を設ける構造の全体を示す説明図である。
【図18】図17に示す二層構造の網部内に掃除用網を設けた構造を示す説明図である。
【図19】図18に示す二層構造の網部内での第一掃除用網の配置を示す説明図である。(a)は、第一掃除用網と上網部とが対向し、上網部に第一掃除用網が固定される固定位置を示す説明図である。(b)は、二層構造の網部内の第一掃除用網が上網部に固定される固定位置を示す説明図である。
【図20】図18において、小型の上網片の列である上網部と下網部とからなる二層構造の網部を形成し、小型の上網片の列である上網部と下網部との間に複数の掃除用網を配置した構造を示す説明図である。(a)は、小型の上網片の列である上網部と下網部とからなる二層構造の網部を形成し、小型の上網片の列と掃除用網の列とを重ね合わせて配置した構造を上方より示す説明図である。(b)は、(a)における小型の上網片と掃除用網との連結した状態を示す説明図である。
【図21】二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士の間に二層構造の網部内にスペーサー及び掃除用網を設ける構造を示す説明図である。(a)は、二列に隣接して並んだ植栽基盤の列同士の間に二層構造の網部内にスペーサー及び掃除用網を設ける構造を正面方向から示す説明図である。(b)は、(a)のスペーサー及び掃除用網の詳細を示す説明図である。
【図22】上網部を構成する小型の上網片の列と掃除用網との列を示す説明図である。
【図23】植栽基盤の列同士の間に、小型の上網片の列である上網部と下網部とからなる二層構造の網部を形成し、小型の上網片の列である上網部と下網部との間に複数の掃除用網を配置した構造を示す説明図である。(a)は、植栽基盤の列同士の間に、小型の上網片の列である上網部と下網部とからなる二層構造の網部を形成し、小型の上網片の列と掃除用網の列とを重ね合わせて配置した構造を上方より示す説明図である。(b)は、(a)における小型の上網片と掃除用網との連結した状態を示す説明図である。
【図24】植栽基盤の列同士の間に設けられた二層構造の網部上を通るために二層構造の網部内に通路材を設けた構造を示す説明図である。(a)は、二層構造の網部の中央側で、下網部と上網部との間に第一通路材を配置して、上網部の上に第二通路材を配置する構造を示す説明図である。(b)は、(a)に示す第一通路材及び第二通路材の詳細を示す説明図である。
【図25】植栽基盤の列同士の間に設けられた二層構造の網部上を通るために二層構造の網部内に通路材を設けた構造を示す説明図である。(a)は、図20(b)のX−X線に沿う断面方向から示す説明図である。(b)は、第一通路材より第二通路材が長い場合における図15(b)のX−X線に沿う断面方向から示す説明図である。
【図26】図20に示す通路材の長手方向を横断する断面方向より示す説明図である。(a)は、第一通路材の長手方向を横断する断面方向より示す説明図である。(b)は、第二通路材の長手方向を横断する断面方向より示す説明図である。
【図27】図20に示す二層構造の網部と通路材とを上方より示す説明図である。(a)は、上網部と掃除用網との配置状態を示す説明図である。(b)は、(a)における小型の上網片と掃除用網との連結した状態を示す説明図である。
【図28】構造物の屋上面に接続金具の列を複数配置した工程を示す説明図である。(a)は、構造物の屋上面に対向して複数の接続金具の列が配置された状態を上方から示す説明図である。(b)は、(a)を正面方向から部分的に示す説明図である。
【図29】接続金具の列同士の間に下網部を配置した工程を示す説明図である。(a)は、接続金具の列の内、二層構造の網部を設ける接続金具の列同士の上に下網部を配置した状態を示す説明図である。(b)は、(a)を正面方向から部分的に示す説明図である。
【図30】長尺材を配置した工程を示す説明図である。(a)は、接続金具の上、或いは接続金具の上に配置した下網部の上に長尺材を配置した状態を示す説明図である。(b)は、(a)を正面方向から部分的に示す説明図である。
【図31】長尺材同士の間に植栽基盤を配置する状態を示す説明図である。
【図32】植栽基盤を配置した工程を示す説明図である。(a)は、下網部を配置した長尺材同士の間以外の長尺材同士の間に植栽基盤を配置した状態を示す説明図である。(b)は、(a)を正面方向から部分的に示す説明図である。
【図33】下網部を配置した接続金具の列同士の間に上網部を配置した工程を示す説明図である。(a)は、二層構造の網部を形成するために下網部に上網部を重ね合わせた状態を示す説明図である。(b)は、(a)を正面方向から部分的に示す説明図である。
【図34】押え材を配置した工程を示す説明図である。(a)は、植栽基盤の列(の長手方向)に沿って押え材を配置した状態を示す説明図である。(b)は、(a)を正面方向から部分的に示す説明図である。
【図35】第一掃除用網を配置した工程を示す説明図である。(a)は、植栽基盤の列(の長手方向)に沿って第一掃除用網を配置した状態を示す説明図である。(b)は、(a)を正面方向から部分的に示す説明図である。
【図36】灌水パイプを配置した工程を示す説明図である。(a)は、植栽基盤の列(の長手方向)に沿って灌水パイプを配置した状態を示す説明図である。(b)は、(a)を正面方向から部分的に示す説明図である。
【図37】植栽基盤から蔓性植物が成長し二層構造の網部に伸びた工程を示す説明図である。
【図38】接続金具の別の形態を示す説明図である。(a)は、折板屋根に配置された別の形態の接続金具の説明図である。(b)は、(a)に示す接続金具を用いて二層構造の網部を配置した状態を示す説明図である。
【図39】特許文献1の植物栽培用パネル部材と植物栽培装置におけるパネル部材の折り曲げた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0024】
(例1)
例1では、図1に示すように、構造物である建造物等の最上部に設けた覆いである屋根、或いは構造物である建造物等の最上階の上に設けた平らな所にあたる屋上である、構造物の屋上面100に配置された接続金具2上に長尺材3を配置し、長尺材3の長手方向に沿って一列に並べた植栽基盤1の列同士の間に二層構造の網部5を設ける構造について説明する。
【0025】
接続金具2は、図1に示すように、構造物の屋上面100上に所定の間隔で4列に平行に配置されている。各列では、図24に示すように、間隔をあけて複数の接続金具2が配置されて、接続金具2の列が形成されている。接続金具2の列は、構造物の屋上面100に長尺材3を配置するために、長尺材3の長手方向に沿うように、真っ直ぐに一列に並べられており、対向する接続金具2の列同士では、接続金具2、2同士が対向している。
【0026】
図1及び図24に示すように、構造物の屋上面100に配置された、本例で用いる接続金具2は、図2に示すように、略立方体形状の箱体20をなしており、蓋部221と本体部211とで構成されている。蓋部221側には、図2(a)に示すように、上面部22の中心に、上面部22から上面部22に対して垂直に伸びるボルト部23が取り付けられている。本例では、ボルト部23の頭部231が箱体20内に入るようにし、上面部22の凸部であるボルト部23に座金233を通し、ナット232を螺合させてナット232を上面部22に接近させて、ボルト部23の頭部231と座金233(及びナット232)とで上面部22を挟み込んだ状態でナット232が固定されている。以上の構成の蓋部221を本体部211に載せてボルト部212、212により、蓋部221と本体部211を固定することで接続金具2が完成している。
【0027】
接続金具2の構造物の屋上面100上への配置に際しては、ボルト部213を用いることで行われている。具体的には、図2(b)に示すように、蓋部221を取り外した状態の本体部211を構造物の屋上面100へ載置して、本体部211の下面部21の中心に設けてある孔部215にボルト部213を挿入し、工具等によりボルト部213を回転させて構造物の屋上面100からボルト部213を埋め込んである。所定の深さ埋め込んだボルト部213の本体部211内へ伸びている部分に座金216及びナット214を本体部の壁面まで螺合することで構造物の屋上面100へ接続金具2の本体部211の固定が行われている。図2(b)の点線で示す位置まで座金216及びナット214を螺合させることで本体部の壁面217まで螺合したことを示している。また、実際の本体部211の内部では、図2(b)の実線で示す壁面217に座金216(及びナット214)が接触している。
【0028】
そして、構造物の屋上面100への固定が行われた接続金具2の本体部211へ蓋部221を本体部211に載せてボルト部212、212により、蓋部221と本体部211を固定することで接続金具2が配置されている。ただし、接続金具2の下面部21に接着剤等を塗布することで構造物の屋上面100に接続金具2を配置することも可能である。具体的には、図2(c)に示すように、ボルト部23が固定された蓋部221を本体部211に載せてボルト部212、212により、蓋部221と本体部211を固定して完成した接続金具2の下面部21に接着剤を塗布して構造物の屋上面100に載置することで接続金具2を構造物の屋上面100に配置することになる。この場合は、図2(c)の点線及び実線で示す壁面217に孔部215を設けるような変更を加えることなく、図2(c)に示すように、下面部21全面が構造物の屋上面100に固定されて接続金具2が配置されることになる。
【0029】
図3に示すように、両端の接続金具2の列同士の間に挟み込まれた、中央に配置された(両端の接続金具2の列に対向して配置された)接続金具2の列同士の間には二層構造の網部5の第一網部である下網部51が設けられている。本例で用いる下網部51は樹脂製であり、網目は1mm×1mmの正方形の網目であるが、網目は、このような形状に限定されることなく、例えば、1mmから5mmの正方形、或いは長方形の網目で、ごみが落ちないで、しかも風が通る程度の大きさが確保できればよく、網目の形状は特に問わない。本例では、図3に示すように、中央に配置された(両端の接続金具2の列に対向して配置された)接続金具2の列同士の間に下網部51が配置され、中央に配置された(両端の接続金具2の列に対向して配置された)接続金具2の列同士を被って配置されている。
【0030】
下網部51は、下網部51の、長尺材3の長手方向となる一列に並んだ接続金具2に対して交差する方向の下網部51の縁部51a、51a側の網目が、接続金具2、2のボルト部23、23を通り、下網部51の縁部51a、51a側を接続金具2、2の上面部22、22に載置されて配置されている。図3に示すように、下網部51は、二列に並んだ接続金具2、2同士の間を被い、下網部51の縁部51a、51a側が対向する接続金具2、2の上面部22に載置されることで、接続金具2の上面部22から伸びるボルト部23が下網部51の縁部51a側の網目を通り抜け、下網部51の保持及び位置決めが行われている。このように下網部51が配置されることで、下網部51は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになる(下網部51は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになる)。
【0031】
そして、図1に示すように、両端側の接続金具2の列の上と、両端側の接続金具2の列と対向する、下網部51が配置された接続金具2の列の上とに長尺材3が配置されている。長尺材3は、図4に示すように、断面が逆T字状の形状をなした長尺の部材である。具体的には、図4(a)に示すように、逆T字状の形状をなし、長尺材3の長手方向に沿う側方端31、31側が接続部材2の上面部22に沿い、同一平面をなすように底面部34、34が形成されている。底面部34、34に連続する、長尺材3の長手方向に沿う中央部には、底面部34、34から隆起した矩形形状の突出部32が形成されており、突出部32は接続金具2から伸びるボルト部23の外径を収納できるだけの外形をなしている。長尺材3の突出部32の先端32aには、図4(b)に示すように、突出部32は接続金具2から伸びるボルト部23が長尺材3の突出部32から突き出るための孔部33が形成されており、孔部33は、長尺材3の長手方向に沿って構造物の屋上面100に設けられた接続金具2から伸びるボルト部23の位置に対応して形成されている。
【0032】
構造物の屋上面100に、長尺材3の長手方向に沿うように、複数配置された接続金具2の上面部22に長尺材3の底面部34、34が載せられることで、図5に示すように、接続金具2のボルト部23の先端側が長尺材3の突出部32の先端32aの孔部33から突き出ている。そして、本例では、図5(a)に示すように、両端側の接続金具2の列の上に配置された長尺材3の突出部32の孔部33から突き出したボルト部23には固定部材であるナット71が螺合されて、長尺材3が接続金具2側に固定されている。また、接続金具2、2に載った、対向する長尺材3、3により、長尺材3、3の、底面部34、34と突出部32と形成される角部35、35が向き合う(対向する)ことで、角部35、35が植栽基盤1の底面部13の縁部13a側を支持することが可能になり、長尺材3、3の角部35、35に植栽基盤1が載置されている。
【0033】
植栽基盤1は、図6に示すように、略四角錐台の形状をなしている。植栽基盤1の矩形形状の上面部11側から、植栽基盤1の厚み方向に沿って植栽ポット12が複数形成されている。本例では、図6(a)に示すように、植栽基盤1の上面部11側に植栽ポット12は一定の間隔で九つ形成されているが、九つに限定されることなく九つより多くすることも可能であり、少なくすることも可能である。そして、この植栽ポット12には、培土を充填して蔓性植物を植栽することになる。また、植栽基盤1は、図6(b)に示すように、上面部11より底面部13が大きく、植栽基盤1の側方方向にあたる上面部11と底面部13との間の側面部14は傾斜して形成されている。そして、植栽基盤1は、長尺材3、3の長手方向に沿って複数、長尺材3、3の角部35、35に載置されることで、植栽基盤1の列が配置されている。
【0034】
そして、長尺材3の、複数の植栽基盤1が載置されて(配置されて)植栽基盤1の列が形成された角部35側とは反対の角部35側には、図1に示すように、第一押え材4が取り付けられている。第一押え材4は、植栽基盤1の側面部14を保持するための部材であり、接続金具2に固定された長尺材3と植栽基盤1とを連結するため、第一押え材4の長手方向の長さと長尺材3の長手方向の長さとが略同一となっている。第一押え材4の長手方向と交差する横断方向の形状は、図5(a)及び図7(a)に示すように、長尺材3側では、長尺材3の底面部34と平行に伸びる平面部41が、接続金具2を含めた長尺材3の底面部34を被うことができるように、長尺材3の底面部34より若干長く伸びて形成されている。そして、図5(a)及び図7(a)に示すように、長尺材3の、突出部32と底面部34を囲むように、平面部41から、平面部41に対して垂直に伸びる折曲部42が形成されている。
【0035】
植栽基盤1側の第一押え材4の長手方向と交差する横断方向の形状では、図5(a)及び図7(a)に示すように、本例では植栽基盤1が略四角錐台の形状をなし植栽基盤1の側面部14が傾斜しているため、平面部41から折れ曲がり植栽基盤1の側面部14に沿って平行に傾斜して伸長部43が伸びている。本例の植栽基盤1と異なり、例えば、直方体形状の植栽基盤であれば、植栽基盤1の側面部14は傾斜しないことになり、平面部41から伸びる伸長部43も傾斜せずに植栽基盤1の側面部14に沿って伸びることになる。植栽基盤1の側面部14に沿って伸びた伸長部43より植栽基盤1の上面部11に沿って、上面部11と平行に平面部44が植栽ポット12の方向に伸びている。
【0036】
そして、平面部41の植栽基盤1側には、孔部45が形成されており、孔部45は、図7(b)に示すように、長尺材3の長手方向に沿って構造物の屋上面100に設けられた接続金具2から伸びるボルト部23の位置に対応して形成されている。接続金具2から伸びる、ナット71より突き出したボルト部23がその孔部45から突き出ている。突き出ているボルト部23に通された座金73は、図5(a)に示すように、平面部41上に載置されており、座金73より突き出したボルト部23にナット72を螺合することで第一押え材4が配置されている。以上のようにして、第一押え材4が配置されることにより、接続金具2に固定された長尺材3と植栽基盤1とが連結されている。
【0037】
また、図3に示すように、中央に配置された(両端の接続金具2の列に対向して配置された)接続金具2の列同士の間に設けられた下網部51と重なり合うようにして第二網部である上網部52が設けられている。本例で用いる上網部52は下網部51より網目の大きい金属製であり、網目は50mm×50mmの正方形の網目であるが、網目は、このような形状に限定されることなく、蔓性植物の蔓が繁ることができれば、どんな形状でもかまわず、例えば、50mm×50mmから150mm×300mmの正方形、或いは長方形の網目で、網目が長方形の場合には、長尺材の長手方向と平行な方向を網目の広い辺と狭い辺の内、狭い辺とすることになる。本例では、図3に示すように、下網部51上に配置された長尺材3、3から突き出たボルト部23、23の列同士の間に、上網部52が長尺材3、3の先端23a、23aを被うようにして配置されている。
【0038】
上網部52は、図5(b)に示すように、下網部51と同様に、上網部52の、長尺材3の長手方向となる一列に並んだ接続金具2から伸びるボルト部23に対して交差する方向の上網部52の縁部52a、52a側の網目が、接続金具2、2のボルト部23、23を通り、上網部52の縁部52a、52a側を長尺材3、3の先端32a、32aに載置されている。つまり、図3(a)に示すように、上網部52は、中央に配置された(両端の接続金具2の列に対向して配置された)接続金具2の列同士の間を被い、上網部52の縁部52a、52a側が対向する長尺材3、3の先端32a、32aに載置されることで、接続金具2の上面部22から伸びるボルト部23が上網部52の縁部52a側の網目を通り抜け、上網部52の保持及び位置決めが行われている。
【0039】
このように上網部52が載置されることで、上網部52は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになる(上網部52は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになる)。その結果、上網部52は下網部51に対向して重なり合い、下網部51と上網部52とが対向して空間523が形成されている。以上のようにして、複数配置された植栽基盤1の列同士の間には、下網部51と上網部52とからなる二層構造の網部5が設けられている。図5(b)に示すように、上網部52の縁部52a側の網目を通り抜け突き出したボルト部23には固定部材であるナット71が螺合されて、下網部51の縁部51a側、長尺材3及び上網部52の縁部52a側が接続金具2側に固定されている。
【0040】
さらに、複数配置された植栽基盤1の列と隣接する長尺材3(接続金具2から伸びるナット71から突き出したボルト部23)とを連結するために、第一押え材4と対向して、上網部52の縁部52a側のナット71上には第二押え材6が配置されている。第二押え材6は、第一押え材4と同様に、長手方向の長さが長尺材3の長手方向の長さとが略同一となっている。この第二押え材6は、図5(b)及び図8に示すように、本例の植栽基盤1が略四角錐台の形状をなし、植栽基盤1の、傾斜した側面部14に沿って伸長部62が伸びており、伸長部62の一方の端部側より(折れ曲がり)植栽基盤1の上面部11上に(載り)、上面部11と平行に平面部63が植栽ポット12へ伸びている。また、伸長部62の他方の端部側より(折れ曲がり)上網部52の縁部52a側上に、上網部52に沿って伸びる平面部61が形成されている。
【0041】
本例の植栽基盤1と異なり、例えば、直方体形状の植栽基盤であれば、植栽基盤1の側面部14は傾斜しないことになり、平面部61から伸びる伸長部62も傾斜せずに植栽基盤1の側面部14に沿って伸びることになる。植栽基盤1の側面部14に沿って伸びた伸長部62より(折れ曲がり)植栽基盤1の上面部11上に、上面部11と平行に平面部63が植栽ポット12に向かって伸びている。そして、図5(b)及び図8(a)に示すように、平面部61は上網部52の縁部52a側のナット71上に載置され、平面部61には、孔部64が設けられており、孔部64は、図8(b)に示すように、長尺材3の長手方向に沿って構造物の屋上面100に設けられた接続金具2から伸びるボルト部23の位置に対応して形成されている。
【0042】
そして、接続金具2から伸びるボルト部23が孔部64から突き出ている。この孔部64から突き出ているボルト部23に通された座金73は、図5(b)に示すように、平面部61上に載置されており、座金73より突き出したボルト部23にナット72を螺合し
ている。ナット72を螺合することで第二押え材6を上網部52及び植栽基盤1側に固定することで植栽基盤1の側面部14を押さえることになる。以上のようにして、第二押え材6が配置されることにより、下網部51の縁部51a側、長尺材3及び上網部52の縁部52a側を固定された接続金具2と植栽基盤1とが連結されている。以上のようにして、一列に並べた植栽基盤1同士の間に二層構造の網部5が設けられている。
【0043】
また、二層構造の網部5内には、第一掃除用網である掃除用網53を配置することも可能であり、図9では、二層構造の網部5内に掃除用網53を配置した状態が示してある。本例で用いる掃除用網53は樹脂製であり、網目の大きさは1mm×1mmの正方形の網目であり、下網部51の網目と同じ大きさである。掃除用網53の網目は下網部51の網目と同じ大きさであれば1mm×1mmの大きさに限定されることなく、例えば、1mmから5mmの正方形、或いは長方形の網目で、ごみが下網部51へ落ちないで、しかも風が通る程度の網目の大きさが確保できていればよく、網目の形状は特に問わない。そして、二層構造の網部5内に配置される掃除用網53の大きさは、同じ大きさで重なり合っている(下網部51に対向するとともに上網部52に対向し)、下網部51と上網部52との大きさにほぼ等しい大きさである。
【0044】
具体的には、掃除用網53の、長尺材3の長手方向に沿う長さは、下網部51及び上網部52の、長尺材3の長手方向に沿う長さと同じであり、掃除用網53の、長尺材3の長手方向と交差する横断方向の長さ(掃除用網53の幅)は、図9(a)に示すように、下網部51及び上網部52の、長尺材3の長手方向と交差する横断方向の長さ(下網部51及び上網部52の幅)より短い。そして、掃除用網53は、図9(a)に示すように、二層構造の網部5内の空間523に下網部51と上網部52とに挟み込まれて配置されている。そのため、掃除用網53は、二層構造の網部5内の空間523に配置されることで、下網部51に対向するとともに、上網部52に対向することになる(図10(a)参照)。
【0045】
また、掃除用網53は、図10に示すように、掃除用網53を形成する、掃除用網53の長手方向に沿う(長尺材3の長手方向に沿う)縦糸54と、掃除用網53を形成する、掃除用網53の長手方向(長尺材3の長手方向)と交差する横断方向に沿う横糸55とが交差して形成されている。そして、横糸55は容易に折れ曲がらない強度を有する素材、例えば、樹脂、金属で成形されており、これに対して、縦糸54は柔軟性に富んだ素材、例えば、繊維等で成形されている。また、横糸55、縦糸54の素材を同じにして、横糸55、縦糸54の太さを異なるようにして、つまり、横糸55より縦糸54を細くすることで横糸55を縦糸54より折れ曲がらない強度を上げることも可能である。さらに、図10(b)に示すように、掃除用網53の他方の端部532には、掃除用網53の縁部53a、53a側に二本の引戻し紐56、56が取り付けられている。このように、掃除用網53は、横糸55は容易に折れ曲がらない強度を有する素材からなるため、収納等に際して横糸55を中心に掃除用網53の長手方向に沿って巻き取ることにより掃除用網53をまとめることが可能である。
【0046】
そして、掃除用網53は、下網部51と上網部52との間に配置されるに際しては、掃除用網53の取り外しを考慮に入れて、上網部52の、第二押え材(長尺材3)6側である、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側を上網部52の縁部52a、52a側に針金で縛って固定することで配置している。具体的には、図9(b)に示すように、上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側との複数箇所で上網部52の縁部52a、52a側と掃除用網53の縁部53a、53a側を固定している。
【0047】
この上網部52の縁部52a、52a側と掃除用網53の縁部53a、53a側との固定が行われる固定位置533、534、535、・・・は、図9(b)に示すように、第二押え材6の長手方向(上網部52の縁部52a、52a及び掃除用網53の縁部53a、53a)に沿って複数形成されている。本例では、固定位置533、534、535、・・・は等間隔で形成されているが、等間隔で形成される必要はない。上網部52に対して掃除用網53を固定(取り付け)ができれば固定位置533、534、535、・・・の間隔は自由に設定することが可能である。
【0048】
固定位置では、上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側とを紐状部材である針金により縛っている。単に針金により上網部52の縁部52a、52a側と掃除用網53の縁部53a、53a側とを縛っているに過ぎないので針金を解くことにより、上網部52と掃除用網53とを分離することが可能になっている。本例では、針金を用いて上網部52に掃除用網53を固定しているが、針金の他にフック状の部材を用いて上網部52に掃除用網53を固定して配置することも可能である。
【0049】
フック状の部材を用いる場合には、上網部52の縁部52a、52a側の固定位置533、534、535、・・・の網目にフック状の部材の一端を取り付け(引っ掛け)、掃除用網53の縁部53a、53a側の固定位置533、534、535、・・・の網目にフック状の部材の他端を取り付け(引っ掛け)ることにより、上網部52に掃除用網53を固定して配置することになる。以上のようにして、針金、或いはフック状の部材を用いることにより、針金を縛ったり、解いたりしたり、或いはフック状の部材を取り付けたり、外したりすることで上網部52に掃除用網53の着脱を可能にしている。
【0050】
そして、構造物の屋上面100上に二列に並んだ植栽基盤1、1の列同士の間の二層構造の網部5の中に(二層構造の網部5である、下網部51と上網部52とで挟み込んで)掃除用網53を設けるには、重なり合っている、上網部52及び下網部51の一方の端部側(上網部52及び下網部51の長手方向に沿う両端の一方の端部側)から掃除用網53を、上網部52と下網部51とで形成された空間523内に挿入する。挿入することで掃除用網53を下網部51に対向させるとともに、上網部52に対向させることで、二層構造の網部5の中に掃除用網53を設けることになる。
【0051】
つぎに、固定位置533、534、535、・・・で上網部52に掃除用網53を針金で固定することで掃除用網53が配置される。そして、掃除用網53を二層構造の網部5の中から取り出すには、固定位置533、534、535、・・・に取り付けられた針金を解き(掃除用網53から針金を取り除き)、掃除用網53を矢印A方向へ移動して、掃除用網53を二層構造の網部5の外に出す。掃除用網53には、枯葉等のごみが載っているので掃除用網53を二層構造の網部5から取り出すことで二層構造の網部5から枯葉等のごみを除去することが可能になる。
【0052】
(例2)
例2では、図11に示すように、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設けて、植栽基盤1、1の列同士の間に配置して植栽基盤1、1の列同士を連結するとともに通路となる第三押え材8を設ける構造について説明する。特に、例2では、例1と異なる、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列同士の連結について中心に説明する。例2においても、二層構造の網部5側と植栽基盤1の列との連結は、例1と同様にして行われている。例2では、例1で用いた部材と同じ部材については同じ参照番号を用いて示してある。
【0053】
接続金具2は、図11に示すように、構造物の屋上面100上に所定の間隔で複数列平行に配置されている(図11では、接続金具2が五列平行に配置されている)。各列では、図24に示すように、間隔をあけて複数の接続金具2が配置されて、接続金具2の列が形成されている。接続金具2の列は、構造物の屋上面100に長尺材3を配置するために、長尺材3の長手方向に沿うように、真っ直ぐに一列に並べられており、対向する接続金具2の列同士では、接続金具2、2同士が対向している。構造物の屋上面100への接続金具2の配置では、接続金具2の下面部21を例1と同様にして構造物の屋上面100へ固定している。
【0054】
例2で用いる接続金具2は、基本的には、例1で用いた接続金具2と同じである。つまり、接続金具2(の上面部22)に対して垂直方向に伸びて設けられているボルト部23は、図11に示すように、長尺材3の突出部32を突き出て、さらに上網部52を突き出る長さであればよい。ただし、本例では、植栽基盤1、1に挟み込まれる、長尺材3を配置することになる中央の接続金具2の凸部であるボルト部24は、図11及び図12(a)に示すように、例1で用いた接続金具2のボルト部23とは異なり、接続金具2に対して垂直方向に伸びて設けられているボルト部24の長さが、例1で用いた接続金具2に設けられたボルト部23より長い。ただし、ボルト部24の長さは、植栽基盤1の厚さ方向(植栽ポットの深さ方向)の長さに応じて、ボルト部24に固定される第三押え材8の通路としての幅を有する底面部83がボルト部24の先端側に固定可能となればよく、必ずしもボルト部23より長くする必要はない。
【0055】
図11に示す、構造物の屋上面100上に所定の間隔で五列に平行に配置された接続金具2の列の内、中央の接続金具2の列には、例1と同一の長尺材3が配置されている。中央の接続金具2の列に対向するそれぞれ接続金具2の列(中央の接続金具2の列の両側の接続金具2、2の列)には、下網部51の、長尺材3の長手方向となる、一列に並んだ、中央の接続金具2の列の両側の接続金具2、2の列の方向に対応する下網部51の縁部51a、51a側の網目が、中央の接続金具2の列の両側の接続金具2、2の列の接続金具2、2のボルト部23、23を通り、下網部51の縁部51a、51a側を接続金具2、2の上面部22、22に載置されて配置されている。
【0056】
つまり、図11に示すように、中央の接続金具2の列の両側の、対向する二列に並んだ接続金具2、2の列に下網部51が載置されて配置されることで、下網部51により、二列に並んだ接続金具2、2同士の間(中央の接続金具2の両側の接続金具2、2の列と両側の接続金具2、2の列に対向した別の接続金具2、2との間)を被うことになる。そして、下網部51の縁部51a、51a側が対向する接続金具2、2の上面部22(中央の接続金具2の列の両側の接続金具2、2の上面部22、22と中央の接続金具2の列の両側の接続金具2、2の列に対向した別の接続金具2、2の上面部22、22)に載置されることで、接続金具2の上面部22から伸びるボルト部23が下網部51の縁部51a側の網目を通り抜け、下網部51の保持及び位置決めが行われている。このように下網部51が配置されることで、下網部51は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになる(下網部51は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになる)。
【0057】
そして、構造物の屋上面100に一列に設けられた接続金具2の上には、それぞれ例1と同一の長尺材3が配置されている。接続金具2への長尺材3の配置は、図11に示すように、例1と同様に、接続金具2の上面部22に長尺材3の底面部34、34を載せて、接続金具2に対して垂直方向に伸びるボルト部23の先端側を長尺材3の突出部32の先端32aに設けられた孔部33から突き出させている。
【0058】
このように、図11では、接続金具2上に長尺材3を配置して、構造物の屋上面100に長尺材3が五列並べられている。長尺材3がこのように並べられることで、図11に示す中央の接続金具2の列に配置された長尺材3と、中央の接続金具2の列の両側の接続金具2、2の列に配置された長尺材3、3とは対向している。そのため、接続金具2、2に載った、対向する長尺材3、3により、長尺材3、3の長手方向の、底面部34、34と突出部32、32と形成される角部35、35が向き合う(対向する)ことで、角部35、35が植栽基盤1の底面部13の縁部13a側を支持することが可能になっている。そして、対向する長尺材3、3の角部35、35に植栽基盤1が載置されている。
【0059】
そして、例1と同様に、植栽基盤1は、長尺材3、3の長手方向に沿って複数、長尺材3、3の角部35、35に載置されている(配置されている)。つまり、植栽基盤1は三列の長尺材3の長手方向に沿って、長尺材3、3同士の間に複数載置されることで(配置されることで)、図12(a)及び図12(b)に示すように、長尺材3の長手方向に沿って、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列が形成されることになる。本例では、三列に並べられた長尺材3の内、植栽基盤1、1に挟み込まれた長尺材3が他の長尺材3と対向することになるため、図12(b)に示すように、植栽基盤1、1に挟み込まれることになる長尺材3の角部35、35には一列目の植栽基盤1と二列目の植栽基盤1の、底面部13の縁部13a側を支持することになり、植栽基盤1、1に挟み込まれることになる長尺材3の角部35、35には一列目の植栽基盤1と二列目の植栽基盤1の、底面部13の縁部13a側が載置されている。
【0060】
そして、図11に示すように、接続金具2の列同士の間(中央の接続金具2の両側の接続金具2、2の列と両側の接続金具2、2の列に対向した別の接続金具2、2との間)に設けられた下網部51と重なり合うようにして上網部52が設けられている。図11に示すように、下網部51上に配置された長尺材3から突き出たボルト部23の列同士の間に、上網部52が長尺材3の先端23aを被うようにして配置されている。上網部52は、図11に示すように、下網部51と同様に、上網部52の、長尺材3の長手方向となる、一列に並んだ、接続金具2から伸びるボルト部23の列に対応する上網部52の縁部52a、52a側の網目が、接続金具2、2のボルト部23、23(中央の接続金具2の両側の接続金具2、2のボルト部23の列と、中央の接続金具2の両側の接続金具2、2の列に対向した別の接続金具2、2のボルト部23の列と)を通り、上網部52の縁部52a、52a側を長尺材3、3の先端32a、32a(中央の接続金具2の両側の接続金具2、2の列に載置された長尺材3の先端32aと、中央の接続金具2の両側の接続金具2、2の列に対向した別の接続金具2、2の列に載置された長尺材3の先端32aと)に載置されて配置されている。
【0061】
つまり、図11に示すように、上網部52は、二列に並んだ長尺材3、3同士の間(中央の接続金具2の両側の接続金具2、2の列に載置された長尺材3と、中央の接続金具2の両側の接続金具2、2の列に対向した別の接続金具2、2の列に載置された長尺材3と)を被い、上網部52の縁部52a、52a側が対向する長尺材3、3の先端32a、32aに載置されることで、接続金具2の上面部22から伸びるボルト部23が上網部52の縁部52a側の網目を通り抜け、上網部52の保持及び位置決めが行われている。このように上網部52が配置されることで、上網部52は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになる(上網部52は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになる)。その結果、上網部52は下網部51に対向して重なり合い、下網部51と上網部52とが対向して空間523が形成されている。以上のようにして、例1と同様にして、複数配置された植栽基盤1、1の列同士の間には、下網部51と上網部52とからなる二層構造の網部5が設けられている。
【0062】
そして、例1と同様に、上網部52の縁部52a側の網目を通り抜け突き出したボルト部23には固定部材であるナット71が螺合されて、下網部51の縁部51a側、長尺材3及び上網部52の縁部52a側が接続金具2側に固定されている。また、例1と同様に、複数配置された植栽基盤1の列と隣接する長尺材3(接続金具2から伸びるナット71から突き出したボルト部23)とを連結するために、第二押え材6が配置されている。第二押え材6は、例1と同様に、長手方向の長さが長尺材3の長手方向の長さとが略同一となっている。そして、植栽基盤1が、例1と同様に、略四角錐台の形状をなし植栽基盤1の側面部14が傾斜している。
【0063】
第二押え材6が配置されることで、植栽基盤1の側面部14に沿って伸びた第二押え材6の伸長部62より植栽基盤1の上面部11上に載り、上面部11と平行に第二押え材8の平面部63が植栽ポット12に向かって伸びている。そして、例1と同様に、平面部61の植栽基盤1側に設けられた孔部64からは、接続金具2から伸びるボルト部23が突き出ており、このボルト部23に通された座金73は平面部61上に載置されている。座金73より突き出たボルト部23にナット72を螺合することで第二押え材6を上網部52及び植栽基盤1側に固定して植栽基盤1の側面部14を第二押え材6により押さえることになる。
【0064】
以上のようにして、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より二層構造の網部5が挟み込んだ構成となっている。
【0065】
また、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1同士の間では、図11に示すように、植栽基盤1、1に長尺材3が挟み込まれており、その長尺材3が載置された接続金具2から接続金具2に対して垂直に伸びるボルト部24が長尺材3の孔部33から突き出ている。そして、このボルト部24に通された座金73は長尺材3の突出部32の先端32a上に載置されている。この座金73より突き出たボルト部24にはナット72が螺合されて、長尺材3は接続金具2に固定されている。
【0066】
また、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1同士の間には、図11及び図12に示すように、第三押え材8が取り付けられている。第三押え材8は、図13に示すように、板状部材を折り曲げて形成されている。第三押え材8は、図13(b)に示すように、第三押え材8の(長手方向を横断する方向の)中央では第三押え材8の長手方向に沿って、平面部81、81より隆起した突出部84が形成されている。突出部84は断面がT字状の形状をなしており、折曲部82、82と底面部83とで形成されている(図13(a)参照)。
【0067】
つまり、突出部84は、平面部81、81より略垂直に折れ曲がって伸びる折曲部82、82が形成されている。本例での植栽基盤1の側面部14が傾斜しているため、折曲部82、82は植栽基盤1の側面部14に沿うために、植栽基盤1の側面部14に沿えるように平面部81、81より略垂直に折れ曲がって伸びている。そして、底面部83は、図13に示すように、折曲部82、82から折れ曲がり、折曲部82、82と連続する水平な平面状の平板部として形成されている。また、底面部83には、図13(b)に示すように、第三押え材8の長手方向に沿って接続金具2が設けられる位置に対応して孔部85が設けられている。そして、第三押え材8は、第一押え材4及び第二押え材6と同様に、長手方向の長さが長尺材3の長手方向の長さとが略同一となっている。
【0068】
第三押え材8は、図12(b)に示すように、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の間に配置され、第三押え材8の長手方向は二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の上面部11、11の列に沿って伸びている。二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の側面部14、14の間では側面部14、14の間に、第三押え材8の長手方向と交差する横断方向の中央側の突出部84が挟み込まれている。つまり、図12(b)に示すように、第三押え材8が二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の間に配置されることで、第三押え材8の折曲部82、82が二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の側面部14、14に沿って伸び、第三押え材8の長手方向と交差する横断方向の縁部側では、第三押え材8の平面部81が植栽基盤1の上面部11に載り、植栽基盤1の上面部11上を植栽基盤1の上面部11と平行に、植栽ポット12に向かって伸びている。
【0069】
植栽基盤1は略四角錐台の形状をなし植栽基盤1の側面部14が傾斜しているため、図12(b)に示すように、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1同士の上面部11、11の縁部11a、11a同士の間の長さは、底面部13、13の縁部13a、13a同士の間の長さよりも長くなっている。そのため、植栽基盤1、1同士を隣り合わせても(底面部13、13の縁部13a、13a同士を接近させても、底面部13、13の縁部13a、13a同士の間の距離より上面部11、11の縁部11a、11a同士の間の距離は長くなり)、第三押え材8の底面部83の長手方向と交差する横断方向の長さを長くする(第三押え材8の底面部83の幅を広くとる)ことが可能になる。その結果、第三押え材8の底面部83は人が通る通路として用いることが可能になる。
【0070】
また、図13(b)に示すように、第三押え材8の底面部83には、第三押え材8の長手方向に沿って接続金具2が設けられる位置に対応して孔部85が設けられており、第三押え材8が植栽基盤1、1同士の間に取り付けられると、接続金具2から伸びるボルト部24の先端側が第三押え材8の孔部85を貫通して突き出ている。この孔部85から突き出ているボルト部24には座金73が通されており、その座金73は底面部83上に載置されている。さらに座金73より突き出たボルト部24にはナット72を螺合することで第三押え材8を二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の上面部11、11側に固定することで二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1同士の間隔を保持する(固定する)とともに、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1同士の間に通路を形成することになる。
【0071】
以上のようにして、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より二層構造の網部5で挟み込んで、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列同士の間に第三押え材8を配置して植栽基盤1、1の列同士を連結するとともに通路を設けることになる。
【0072】
また、二層構造の網部5内には、第三掃除用網である掃除用網53を配置することも可能であり、図14では、二層構造の網部5、5内それぞれに掃除用網53、53を配置した状態が示してある。掃除用網53、53は、図14に示すように、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込んだ二層構造の網部5、5内の空間523に配置されている。本例での第三掃除用網である掃除用網53は、例1に示す第一掃除用網と実質的に同じである。本例で用いる掃除用網53は、例1と同様に、樹脂製であり、網目の大きさは1mm×1mmの正方形の網目であり、下網部51の網目と同じ大きさである。
【0073】
例1と同様に、掃除用網53の網目は下網部51の網目と同じ大きさであれば1mm×1mmの大きさに限定されることなく、例えば、1mmから5mmの正方形、或いは長方形の網目で、ごみが下網部51へ落ちないで、しかも風が通る程度の網目の大きさが確保できていればよく、網目の形状は特に問わない。そして、例1と同様に、二層構造の網部5内に、下網部51に対向するとともに上網部52に対向して配置される掃除用網53の大きさは、同じ大きさで重なり合っている、下網部51と上網部52との大きさにほぼ等しい大きさである。本例では、掃除用網53が、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込んだ両方の二層構造の網部5内に配置されている。
【0074】
そして、例1と同様に、掃除用網53の、長尺材3の長手方向に沿う長さは、下網部51及び上網部52の、長尺材3の長手方向に沿う長さと同じであり、掃除用網53の、長尺材3の長手方向と交差する横断方向の長さ(掃除用網53の幅)は、図14に示すように、下網部51及び上網部52の、長尺材3の長手方向と交差する横断方向の長さ(下網部51及び上網部52の幅)より短い。そして、掃除用網53は、例1と同様に、図14に示すように、二層構造の網部5内の空間523に下網部51と上網部52とに挟み込まれて配置されている。そのため、掃除用網53は、二層構造の網部5内の空間523に配置されることで、下網部51に対向するとともに、上網部52に対向することになる(図14参照)。
【0075】
また、掃除用網53は、例1と同様に、図15に示すように、掃除用網53を形成する、掃除用網53の長手方向に沿う(長尺材3の長手方向に沿う)縦糸54と、掃除用網53を形成する、掃除用網53の長手方向(長尺材3の長手方向)と交差する横断方向に沿う横糸55とが交差して形成されている。そして、横糸55は容易に折れ曲がらない強度を有する素材、例えば、樹脂、金属で成形されており、これに対して、縦糸54は柔軟性に富んだ素材、例えば、繊維等で成形されている。また、横糸55、縦糸54の素材を同じにして、横糸55、縦糸54の太さを異なるようにして、つまり、横糸55より縦糸54を細くすることで横糸55を縦糸54より折れ曲がらない強度を上げることも可能である。さらに、例1と同様に、図15に示すように、掃除用網53の他方の端部532には、掃除用網53の縁部53a、53a側に二本の引戻し紐56、56が取り付けられている。このように、掃除用網53は、横糸55は容易に折れ曲がらない強度を有する素材からなるため、収納等に際して横糸55を中心に掃除用網53の長手方向に沿って巻き取ることにより掃除用網53をまとめることが可能である。
【0076】
そして、掃除用網53は、二層構造の網部5内の空間523に配置される(下網部51と上網部52との間に配置される)に際しては、掃除用網53の取り外しを考慮に入れて、例1と同様に、上網部52の、第二押え材(長尺材3)6側である、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側を上網部52の縁部52a、52a側に針金で縛って固定することで配置している。具体的には、図15(a)に示すように、上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側との複数箇所で上網部52の縁部52a、52a側と掃除用網53の縁部53a、53a側を固定している。
【0077】
この上網部52の縁部52a、52a側と掃除用網53の縁部53a、53a側との固定が行われる固定位置533、534、535、・・・は、図15に示すように、第二押え材6の長手方向(上網部52の縁部52a、52a及び掃除用網53の縁部53a、53a)に沿って複数形成されている。本例では、固定位置533、534、535、・・・は等間隔で形成されているが、等間隔で形成される必要はない。上網部52に対して掃除用網53を固定(取り付け)ができれば固定位置533、534、535、・・・の間隔は自由に設定することが可能である。
【0078】
固定位置では、上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側とを紐状部材である針金により縛っている。単に針金により上網部52の縁部52a、52a側と掃除用網53の縁部53a、53a側とを縛っているに過ぎないので針金を解くことにより、上網部52と掃除用網53とを分離することが可能になっている。本例では、針金を用いて上網部52に掃除用網53を固定しているが、針金の他にフック状の部材を用いて上網部52に掃除用網53を固定して配置することも可能である。
【0079】
フック状の部材を用いる場合には、上網部52の縁部52a、52a側の固定位置533、534、535、・・・の網目にフック状の部材の一端を取り付け(引っ掛け)、掃除用網53の縁部53a、53a側の固定位置533、534、535、・・・の網目にフック状の部材の他端を取り付け(引っ掛け)ることにより、上網部52に掃除用網53を固定して配置することになる。以上のようにして、針金、或いはフック状の部材を用いることにより、針金を縛ったり、解いたりしたり、或いはフック状の部材を取り付けたり、外したりすることで上網部52に掃除用網53の着脱を可能することになる。
【0080】
そして、構造物の屋上面100上に二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列同士の間の二層構造の網部5の中に(二層構造の網部5である、下網部51と上網部52とで挟み込んで)掃除用網53を設けるには、重なり合っている、上網部52及び下網部51の一方の端部側(上網部52及び下網部51の長手方向に沿う両端の一方の端部側)から掃除用網53を、上網部52と下網部51とで形成された空間523内に挿入する。挿入することで掃除用網53を下網部51に対向させるとともに、上網部52に対向させることで、二層構造の網部5の中に掃除用網53を設けることになる。
【0081】
つぎに、固定位置533、534、535、・・・で上網部52に掃除用網53を針金で固定することで掃除用網53が配置される。本例では、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列同士を水平方向より、二層構造の網部5、5が挟み込んでいるため、例1とは異なり、一つの掃除用網53を用いるのではなく、二層構造の網部5、5それぞれに掃除用網53、53が組み込まれている。そのため、本例では、図15(b)に示すように、掃除用網53、53が二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列同士を挟み込んで対向している。
【0082】
そして、掃除用網53を二層構造の網部5の中から取り出すには、固定位置533、534、535、・・・に取り付けられた針金を解き(掃除用網53から針金を取り除き)、掃除用網53を矢印A方向へ移動して、掃除用網53を二層構造の網部5の外に出す。掃除用網53には、枯葉等のごみが載っているので掃除用網53を二層構造の網部5から取り出すことで二層構造の網部5から枯葉等のごみを除去することが可能になる。そして、掃除用網53から枯葉等を含むゴミを除去した後、掃除用網53の他方の端部に取り付けられた引戻し紐56、56を引っ張り、掃除用網53を二層構造の網部5内へ戻し(挿入し)、再び上網部52の、第二押え材(長尺材3)6側である、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側を上網部52の縁部52a、52a側で複数箇所(固定位置533、534、535、・・・)を針金で縛ることになる。
【0083】
また、本例においては、上網部52は、図16に示すように、下網部51(長尺材3)の長手方向に沿って一つの上網部52を配置するのとは異なり、第二網片である小型の上網片521を下網部51(長尺材3)の長手方向に沿って、ボルト部23、23の列同士の間に一列に複数配置することで上網部52の形成を行うことも可能である。
【0084】
本例で用いる小型の上網片521は例1の上網部52と同一の網目の大きさであり、また、小型の上網片521は、図16(a)に示すように、略正方形形状をなしているが、略長方形形状をなすことも可能である。また、隣り合う小型の上網片521、521同士の間には隙間522が形成されている。つまり、小型の上網片521は、下網部51の縁部51a、51a側の網目から突き出たボルト部23、23の列の長手方向に沿って、隣り合う小型の上網片521、521同士の間には隙間522を形成して複数配置されている(図16参照)。小型の上網片521は、下網部51の縁部51a、51a側の網目から突き出たボルト部23、23の列同士の間を被うようにして載置されている。
【0085】
小型の上網片521の縁部521a、521a側の網目が、一列に並んだ、下網部51の縁部51a、51aの網目から突き出たボルト部23、23の列を通ることで、小型の上網片521の縁部521a、521a側が長尺材3、3の先端32a、32aに載置されている(図16(b)参照)。載置された小型の上網片521と隙間522を経て、同じように、小型の上網片521は、小型の上網片521の縁部521a、521a側の網目が、下網部51の縁部51a、51aの網目から突き出たボルト部23、23を通して、小型の上網片521の縁部521a、521a側を長尺材3、3の先端32a、32aに載置する、ということを複数の小型の上網片521についても行うことで複数の小型の上網片521が長尺材3、3の先端32a、32aに載置されることで上網部52が長尺材3、3の先端32a、32aに配置されている。
【0086】
上網部52は、図16(b)に示すように、長尺材3の先端32a、32a同士の間を被い、上網部52の縁部52a、52a側が対向する長尺材3の先端32a、32a上に載置されることで、接続金具2、2の上面部22、22から伸びるボルト部23、23が上網部52の縁部52a、52a側の網目を通り抜け、上網部52の保持及び位置決めが行われている。このように上網部52が配置されることで、上網部52は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになり(上網部52は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになり)、上網部52は下網部51に対向して重なり合うようになっている。以上のようにして、下網部51と上網部52とからなる二層構造の網部5が設けられている。
【0087】
そして、植栽基盤1は、長尺材3、3の長手方向に沿って複数、長尺材3、3の角部35、35に載置されている(配置されている)。つまり、長尺材3の長手方向に沿って、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列が形成されている(図16(b)参照)。そして、上網部52の縁部52a側の網目を通り抜け突き出したボルト部23には固定部材であるナット71が螺合されて、下網部51の縁部51a側、長尺材3及び上網部52の縁部52a側が接続金具2側に固定されている。また、複数配置された植栽基盤1の列と隣接する長尺材3(接続金具2から伸びるナット71から突き出したボルト部23)とを連結するために、同様に、第二押え材6が配置されている。
【0088】
また、二層構造の網部5内には、第二掃除用網である掃除用網53を配置することも可能であり、図14では、二層構造の網部5内に掃除用網53を配置した状態が示してある。本例で用いる掃除用網53は樹脂製であり、網目の大きさは1mm×1mmの正方形の網目であり、下網部51の網目と同じ大きさである。掃除用網53の網目は下網部51の網目と同じ大きさであれば1mm×1mmの大きさに限定されることなく、例えば、1mmから5mmの正方形、或いは長方形の網目で、ごみが下網部51へ落ちないで、しかも風が通る程度の網目の大きさが確保できていればよく、網目の形状は特に問わない。
【0089】
また、掃除用網53は、例1に示す掃除用網53と同様に、掃除用網53を形成する、長尺材3の長手方向に沿う縦糸54と、掃除用網53を形成する、長尺材3の長手方向と交差する横断方向に沿う横糸55とが交差して形成されている。そして、例1における掃除用網53では、横糸55及び縦糸54は同じ素材で成形されているが、例1における掃除用網53と同様に、横糸55は容易に折れ曲がらない強度を有する素材、例えば、樹脂、金属で成形されており、これに対して、縦糸54は柔軟性に富んだ素材、例えば、繊維等で成形することも可能である。また、掃除用網53では、例1における掃除用網53とは異なり引戻し紐56、56を取り付けていないが、例1における掃除用網53と同様に、掃除用網53の他方の端部532に、掃除用網53の縁部53a、53a側に二本の引戻し紐56、56を取り付けることも可能である。
【0090】
下網部51と上網部52との間に挟み込む第二掃除用網である掃除用網53は、小型の上網片521と対向して重なり合うように配置されている。図16(a)に示すように、掃除用網53は小型の上網片521と略同一の略正方形形状をなしている。ただし、掃除用網53の形状は略正方形形状に限定されることなく、小型の上網片521の形状と略同一形状をとることになる。例えば、小型の上網片521が略長方形形状であれば、掃除用網53は小型の上網片521は略同一形状の略長方形形状をとることになる。掃除用網53は、小型の上網片521と同様に、小型の上網片521と対向して重なり合うようにして、第二押え材(長尺材3)6の長手方向に沿って複数配置されている。また、掃除用網53の(一方の)端部531側は、図16(b)に示すように、隣り合う小型の上網片521、521同士の間に形成された隙間522から出ている。つまり、掃除用網53の(一方の)端部531側は隣り合う小型の上網片521、521同士の間の位置になるように配置されている(図16(a)参照)。
【0091】
図14及び図16に示すように、掃除用網53は、下網部51と上網部52との間に配置されており、配置に際しては、掃除用網53の取り外しを考慮に入れて、上網部52の第二押え材(長尺材3)6側である、上網部52の縁部52a、52a(小型の上網片521の縁部521a、521a)側と対向する掃除用網53の縁部53a、53aで掃除用網53の、一方の端部531側と他方の端部532側とを針金で縛って固定している。具体的には、図16(b)に示すように、上網部52の縁部52a、52a(小型の上網片521の縁部521a、521a)側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側で掃除用網53の、一方の端部531側に固定位置533、533を形成し、上網部52の縁部52a、52a(小型の上網片521の縁部521a、521a)側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側で掃除用網53の、他方の端部532側に固定位置534、534を形成している。
【0092】
ただし、針金で縛ることに限定されずフック状の部材を上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53aとに引っ掛けることで下網部51と上網部52との間に掃除用網53を固定して配置することも可能である。さらに、掃除用網53の、一方の端部531側と他方の端部532側とを上網部52に針金等で固定することに限定されず、例えば、掃除用網53の一方の端部531側については、上網部52の縁部52a、52a側に固定して、掃除用網53の他方の端部532側については、隣りの掃除用網53に重ね合わせることで順次、掃除用網53をつなぐことで、掃除用網53を下網部51と上網部52との間に、第二押え材(長尺材3)6の長手方向に沿って複数配置することも可能である。
【0093】
以上のようにして、構造物の屋上面100上に二列に並んだ植栽基盤1、1の列同士の間の二層構造の網部5の中に(二層構造の網部5である、下網部51と上網部52とで挟み込んで)掃除用網53を設けることになる。そして、掃除用網53を取り出す際には、図16(b)に示す、隣り合う小型の上網片521、521同士の間に形成された隙間522から掃除用網53を取り出すことになる。具体的には、図16(b)に示すように、掃除用網53の一方の端部531側の固定位置533、533と掃除用網53の他方の端部531側の固定位置534、534とにある針金を解き、掃除用網53を矢印A方向へ移動して、隙間522の間に出ていた掃除用網53の一方の端部531を小型の上網片521上へ乗り上げて行き、小型の上網片521上に掃除用網53を載せることで掃除用網53を取り出すことになる。掃除用網53には、枯葉等のごみが載っているので掃除用網53を二層構造の網部5から取り出すことで二層構造の網部5から枯葉等のごみを除去することが可能になる。そして、掃除用網53から枯葉等を含むゴミを除去した後、掃除用網53を隙間522により二層構造の網部5内へ戻し、再び上網部52に針金で固定することになる。
【0094】
本例では、図11から図16に示すように、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設けるとともに、植栽基盤1、1の列同士の間に第三押え材8を配置して植栽基盤1、1の列同士を連結することで通路を設ける構造について示している。ただし、必ずしも長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を両側から水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける必要はなく、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設けることも可能である。長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設ける場合でも二層構造の網部5側と植栽基盤1の列との連結は、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を両側から水平方向より挟み込む場合と同様に、例1と同様にして行われている。
【0095】
長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設ける場合の一つの例が図17に示されている。図17では、接続金具2が、構造物の屋上面100上に所定の間隔で複数列平行に配置されている(図17では、接続金具2が四列平行に配置されている)。各列では、図24に示すように、間隔をあけて複数の接続金具2が配置されて、接続金具2の列が形成されている。特に、図17では、構造物の屋上面100の縁部100aである壁部に隣接して接続金具2の列が一列形成されている。そして、接続金具2の構造物の屋上面100への固定は長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より挟み込む場合と同様して行われている。
【0096】
ここでも、接続金具2は、基本的には、例1で用いた接続金具2と同じである。接続金具2(の上面部22)のボルト部23及び植栽基盤1、1に挟み込まれる、長尺材3を配置することになる接続金具2の凸部であるボルト部24は、図17に示すように、図11と同じである。構造物の屋上面100上に所定の間隔で四列に平行に配置された接続金具2の列の内、植栽基盤1、1に挟み込まれる、長尺材3を配置することになる接続金具2の列には、例1と同一の長尺材3が配置されている。そして、植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3を配置することになる接続金具2の列に隣り合う一方の接続金具2の列には、下網部51の縁部51aの網目がボルト部23を通り、下網部51の縁部51a側を接続金具2の上面部22に載置されて配置されている。
【0097】
植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3を配置することになる接続金具2の列に下網部51が載置されて配置されることで、下網部51により、二列に並んだ接続金具2、2同士の間(植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3を配置することになる接続金具2の列に隣り合う一方の接続金具2の列に対向した別の接続金具2との間)を被うことになる。そして、下網部51の縁部51a、51a側が対向する接続金具2、2の上面部22(植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3を配置することになる接続金具2の列に隣り合う一方の接続金具2の列と、植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3を配置することになる接続金具2の列に隣り合う一方の接続金具2の列に対向した別の接続金具2との間)に載置されることで、接続金具2の上面部22から伸びるボルト部23が下網部51の縁部51a側の網目を通り抜け、下網部51の保持及び位置決めが行われている。このように下網部51が配置されることで、下網部51は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになる(下網部51は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになる)。
【0098】
そして、構造物の屋上面100に一列に設けられた接続金具2の上には、それぞれ例1と同一の長尺材3が配置されている。接続金具2への長尺材3の配置は、図17に示すように、例1と同様に、接続金具2の上面部22に長尺材3の底面部34、34を載せて、接続金具2に対して垂直方向に伸びるボルト部23の先端側を長尺材3の突出部32の先端32aに設けられた孔部33から突き出ている。
【0099】
このように、図17では、接続金具2上に長尺材3を配置して、構造物の屋上面100に長尺材3が四列並べられている。長尺材3がこのように並べられることで、図17に示す植栽基盤1、1に挟み込まれる、接続金具2の列に配置された長尺材3と、植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3を配置することになる接続金具2の列の両側の接続金具2、2の列に配置された長尺材3、3とは対向している。そのため、接続金具2、2に載った、対向する長尺材3、3により、長尺材3、3の長手方向の、底面部34、34と突出部32、32と形成される角部35、35が向き合う(対向する)ことで、角部35、35が植栽基盤1の底面部13の縁部13a側を支持することが可能になっている。そして、対向する長尺材3、3の角部35、35に植栽基盤1が載置されている。
【0100】
そして、例1と同様に、植栽基盤1は、長尺材3、3の長手方向に沿って複数、長尺材3、3の角部35、35に載置されている(配置されている)。つまり、植栽基盤1は三列の長尺材3の長手方向に沿って、長尺材3、3同士の間に複数載置されることで(配置されることで)、長尺材3の長手方向に沿って、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列が形成されることになる。二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列の形成は長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を両側から水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構造と同じである(図12(a)及び図12(b)参照)。
【0101】
そして、図17に示すように、接続金具2の列同士の間(植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3を配置することになる接続金具2の列に隣り合う一方の接続金具2の列と、植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3を配置することになる接続金具2の列に隣り合う一方の接続金具2の列に対向した別の接続金具2との間)に設けられた下網部51と重なり合うようにして上網部52が設けられている。図17に示すように、下網部51上に配置された長尺材3から突き出たボルト部23の列同士の間に、上網部52が長尺材3の先端23aを被うようにして配置されている。上網部52は、図17に示すように、下網部51と同様に、上網部52の、長尺材3の長手方向となる、一列に並んだ、接続金具2から伸びるボルト部23の列に対応する上網部52の縁部52a、52a側の網目が、接続金具2、2のボルト部23、23(植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3を配置することになる接続金具2のボルト部24の列に隣り合う一方の接続金具2のボルト部23の列と、植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3を配置することになる接続金具2のボルト部24の列に隣り合う一方の接続金具2のボルト部23の列に対向した別の接続金具2のボルト部23の列と)を通り、上網部52の縁部52a、52a側を長尺材3、3の先端32a、32a(植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3に隣り合う一方の接続金具2の列に載置された長尺材3の先端32aと、植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3に隣り合う一方の接続金具2の列に載置された長尺材3に対向した別の接続金具2の列に載置された長尺材3の先端32aと)に載置されて配置されている。
【0102】
つまり、図17に示すように、上網部52は、二列に並んだ長尺材3、3同士の間(植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3に隣り合う一方の接続金具2の列に載置された長尺材3と、植栽基盤1、1に挟み込まれる長尺材3に隣り合う一方の接続金具2の列に載置された長尺材3に対向した別の接続金具2の列に載置された長尺材3と)を被い、上網部52の縁部52a、52a側が対向する長尺材3、3の先端32a、32aに載置されることで、接続金具2の上面部22から伸びるボルト部23が上網部52の縁部52a側の網目を通り抜け、上網部52の保持及び位置決めが行われている。このように上網部52が配置されることで、上網部52は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになる(上網部52は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになる)。その結果、上網部52は下網部51に対向して重なり合い、下網部51と上網部52とが対向して空間523が形成されている。以上のようにして、例1と同様にして、複数配置された植栽基盤1、1の列同士の間には、下網部51と上網部52とからなる二層構造の網部5が設けられている。
【0103】
そして、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を両側から水平方向より挟み込む場合と同様に、上網部52の縁部52a側の網目を通り抜け突き出したボルト部23には固定部材であるナット71が螺合されて、下網部51の縁部51a側、長尺材3及び上網部52の縁部52a側が接続金具2側に固定されている。また、例1と同様に、複数配置された植栽基盤1の列と隣接する長尺材3(接続金具2から伸びるナット71から突き出したボルト部23)とを連結するために、第二押え材6が配置されている。第二押え材6は、例1と同様に、長手方向の長さが長尺材3の長手方向の長さとが略同一となっている。そして、植栽基盤1が、例1と同様に、略四角錐台の形状をなし植栽基盤1の側面部14が傾斜している。
【0104】
第二押え材6が配置されることで、植栽基盤1の側面部14に沿って伸びた第二押え材6の伸長部62より植栽基盤1の上面部11上に載り、上面部11と平行に第二押え材8の平面部63が植栽ポット12に向かって伸びている。そして、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を両側から水平方向より挟み込む場合と同様に、平面部61の植栽基盤1側に設けられた孔部64からは、接続金具2から伸びるボルト部23が突き出ており、このボルト部23に通された座金73は平面部61上に載置されている。座金73より突き出たボルト部23にナット72を螺合することで第二押え材6を上網部52及び植栽基盤1側に固定して植栽基盤1の側面部14を第二押え材6により押さえることになる。
【0105】
以上のようにして、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設けた構成となっている。長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設ける構成においても、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様に、図17に示すように、ボルト部24に座金73が通されナット72が螺合され長尺材3は接続金具2に固定されている。そして、第三押え材8についても長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様に取り付けられることで、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列同士の間に第三押え材8を配置して植栽基盤1、1の列同士を連結するとともに通路を設けることになる。
【0106】
長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設ける構成においても、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様に、図18に示すように、二層構造の網部5内には、第三掃除用網である掃除用網53を配置することも可能である。図18に示す掃除用網53は、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様の掃除用網53である。ただし、図18では、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設けているため、片側から水平方向に設けた二層構造の網部5内に配置されている。
【0107】
図18においても、二層構造の網部5内の空間523に配置された掃除用網53は、二層構造の網部5内の空間523に配置されることで、下網部51に対向するとともに、上網部52に対向しており、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様に、掃除用網53の取り外しを考慮に入れて、図19(a)に示すように、上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側との複数箇所で上網部52の縁部52a、52a側と掃除用網53の縁部53a、53a側を針金で縛って固定している。そして、上網部52の縁部52a、52a側と掃除用網53の縁部53a、53a側との固定が行われる固定位置533、534、535、・・・についても図15(a)に示すように、図19(a)に示すように、第二押え材6の長手方向(上網部52の縁部52a、52a及び掃除用網53の縁部53a、53a)に沿って複数形成されている。
【0108】
そして、掃除用網53を二層構造の網部5の中から取り出すには、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設ける構成においても、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様に、固定位置533、534、535、・・・に取り付けられた針金を解き(掃除用網53から針金を取り除き)、掃除用網53を矢印A方向へ移動して、掃除用網53を二層構造の網部5の外に出す。掃除用網53には、枯葉等のごみが載っているので掃除用網53を二層構造の網部5から取り出すことで二層構造の網部5から枯葉等のごみを除去することが可能になる。そして、掃除用網53から枯葉等を含むゴミを除去した後、掃除用網53の他方の端部に取り付けられた引戻し紐56、56を引っ張り、掃除用網53を二層構造の網部5内へ戻し(挿入し)、再び上網部52の、第二押え材(長尺材3)6側である、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側を上網部52の縁部52a、52a側で複数箇所(固定位置533、534、535、・・・)を針金で縛ることになる。
【0109】
また、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設ける構成においても、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様に、上網部52は、図20に示すように、下網部51(長尺材3)の長手方向に沿って一つの上網部52を配置するのとは異なり、第二網片である小型の上網片521を下網部51(長尺材3)の長手方向に沿って、ボルト部23、23の列同士の間に一列に複数配置することで上網部52の形成を行うことも可能である。
【0110】
長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設ける構成においても、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様の小型の上網片521を用いており、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様に小型の上網片521は、下網部51の縁部51a、51a側の網目から突き出たボルト部23、23の列の長手方向に沿って、隣り合う小型の上網片521、521同士の間には隙間522を形成して複数配置されている(図20(a)参照)。長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様に、複数の小型の上網片521からなる上網部52は、図20(b)に示すように、上網部52の縁部52a、52a側が対向する長尺材3の先端32a、32a上に載置されることで、上網部52は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになり(上網部52は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになり)、上網部52は下網部51に対向して重なり合うようになっている。以上のようにして、下網部51と上網部52とからなる二層構造の網部5が設けられている。
【0111】
そして、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設ける構成においても、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成と同様に、ナット71及び第二押え材6が配置されることで複数配置された植栽基盤1の列と隣接する長尺材3が連結されている。そして、二層構造の網部5内には、第二掃除用網である掃除用網53を配置することも可能であり、図18では、二層構造の網部5内に掃除用網53を配置した状態が示してある。図18で用いる掃除用網53は長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列を水平方向より挟み込むように二層構造の網部5を設ける構成で用いた掃除用網53と同様である。
【0112】
つまり、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設ける構成において用いる、下網部51と上網部52との間に挟み込む第二掃除用網である掃除用網53は、小型の上網片521と対向して重なり合うように配置されており、掃除用網53の(一方の)端部531側は、図20(b)に示すように、隣り合う小型の上網片521、521同士の間に形成された隙間522から出ている。つまり、掃除用網53の(一方の)端部531側は隣り合う小型の上網片521、521同士の間の位置になるように配置されている(図20(a)参照)。配置に際しては、掃除用網53の取り外しを考慮に入れて、図20(b)に示すように、上網部52の縁部52a、52a(小型の上網片521の縁部521a、521a)側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側で掃除用網53の、一方の端部531側に針金で縛って固定位置533、533を形成し、上網部52の縁部52a、52a(小型の上網片521の縁部521a、521a)側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側で掃除用網53の、他方の端部532側に針金で縛って固定位置534、534を形成している。
【0113】
以上のようにして、構造物の屋上面100上に二列に並んだ植栽基盤1、1の列同士の間の二層構造の網部5の中に(二層構造の網部5である、下網部51と上網部52とで挟み込んで)掃除用網53を設けることになる。そして、掃除用網53を取り出す際には、図20(b)に示す、隣り合う小型の上網片521、521同士の間に形成された隙間522から掃除用網53を取り出すことになる。具体的には、図20(b)に示すように、掃除用網53の一方の端部531側の固定位置533、533と掃除用網53の他方の端部531側の固定位置534、534とにある針金を解き、掃除用網53を矢印A方向へ移動して、隙間522の間に出ていた掃除用網53の一方の端部531を小型の上網片521上へ乗り上げて行き、小型の上網片521上に掃除用網53を載せることで掃除用網53を取り出すことになる。掃除用網53には、枯葉等のごみが載っているので掃除用網53を二層構造の網部5から取り出すことで二層構造の網部5から枯葉等のごみを除去することが可能になる。そして、掃除用網53から枯葉等を含むゴミを除去した後、掃除用網53を隙間522により二層構造の網部5内へ戻し、再び上網部52に針金で固定することになる。
【0114】
図17及び図18では、構造物の屋上面100の縁部100aである壁部がある場合を例にして、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側(一方の側)から水平方向より二層構造の網部5を設ける構造について示しているが、必ずしも、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側から水平方向より二層構造の網部5を設ける構造は構造物の屋上面100の縁部100aである壁部がある場合に限定されるものではない。例えば、構造物の屋上面100全面にわたって緑化する必要がない場合、長尺材3の長手方向に沿って二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列に片側(一方の側)に水平方向より二層構造の網部5を設け、他方の側に二層構造の網部5を設けず他方の側を空間としておくことも可能である。
【0115】
(例3)
例3では、構造物の屋上面100上に二列に並んだ植栽基盤1、1の列同士の間の二層構造の網部5の中に(二層構造の網部5である、下網部51と上網部52との間に挟み込んで)掃除用網53を設ける構造について説明する。例3では、例1及び例2で用いた部材と同じ部材については同じ参照番号を用いて示してある。また、例3では、例1及び例2と異なる、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の列同士の間に二層構造の網部5を設けるに際して、スペーサー74及び掃除用網53を設ける構造について中心に説明する。
【0116】
接続金具2は、図21(a)に示すように、構造物の屋上面100上に所定の間隔で二列に平行に配置されている。各列では、図28に示すように、間隔をあけて複数の接続金具2が配置されて、接続金具2の列が形成されている。接続金具2の列は、構造物の屋上面100に長尺材3を配置するために、長尺材3の長手方向に沿うように、真っ直ぐに一列に並べられており、対向する接続金具2の列同士では、接続金具2、2同士が対向している。構造物の屋上面100への接続金具2の配置では、接続金具2の下面部21を例1と同様にして構造物の屋上面100へ固定している。
【0117】
例3で用いる接続金具2は、基本的には、例1で用いた接続金具2と同じである。ただし、接続金具2(の上面部22)に対して垂直方向に伸びて設けられている凸部であるボルト部26は、図21(b)に示すように、長尺材3の突出部32を突き出て、さらにスペーサー74を突き出る必要があるため例1及び例2に示すボルト部23より長い。また、構造物の屋上面100上には図示していない、少なくとも植栽基盤1を配置するために、図21(a)に示す二列の接続金具2の列の他に二列の接続金具2の列に平行な接続金具2の列が複数設けられている。
【0118】
図21(a)に示すように、構造物の屋上面100に配置された接続金具2の列同士の間には二層構造の網部5の下網部51が設けられて、下網部51が二例の接続金具2の列同士の間に挟み込まれて配置されている。構造物の屋上面100上に配置された接続金具2の列同士の間に下網部51が配置されることで、下網部51が接続金具2の列同士を被っている。下網部51は、下網部51の、長尺材3の長手方向となる一列に並んだ接続金具2の列に対して交差する方向の下網部51の縁部51a、51a側の網目が、接続金具2、2のボルト部26、26を通り、下網部51の縁部51a、51a側を接続金具2、2の上面部22、22に載置されて配置されている。
【0119】
そして、図21(a)に示すように、下網部51は、二列に並んだ接続金具2、2同士の間を被い、下網部51の縁部51a、51a側が対向する接続金具2、2の上面部22、22に載置されることで、接続金具2、2の上面部22、22から伸びるボルト部26、26が下網部51の縁部51a、51aの網目を通り抜け、下網部51の保持及び位置決めが行われている。このように下網部51が配置されることで、下網部51は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになる(下網部51は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになる)。
【0120】
下網部51が配置された接続金具2、2の列には、図21に示すように、例1及び例2と同一の長尺材3が配置されている。構造物の屋上面100上に、複数配置された接続金具2の上面部22に、長尺材3の長手方向に沿って、長尺材3の底面部34、34を載せると、図21(b)に示すように、接続金具2のボルト部26の先端側が長尺材3の突出部32の先端32aの孔部33から突き出すことになる。そして、本例では、図21(b)に示すように、両端側の接続金具2の列の上に配置された長尺材3の突出部32の孔部33から突き出したボルト部26には、下網部51と上網部52との距離を長くするための部材としてスペーサー74が取り付けられている。
【0121】
スペーサー74は、図21(b)に示すように、円筒状の部材であり、スペーサー74の中心孔741にはボルト部26と螺合可能な雌ねじ部が形成されている。スペーサー74は、ボルト部26と螺合してスペーサー74の端面742が長尺材3の突出部32の先端32aと当接しており、スペーサー74の端面743側からはボルト部26(の先端側)が突き出ている。このようにして、長尺材3の上にスペーサー74が配置されている。そして、スペーサー74の端面743側にはスペーサー用平板75が載置されている。スペーサー用平板75は、長方形形状の板部材であり、長尺材3の長手方向の長さと略同一になっている。長尺材3の長手方向に沿う中央には孔部751が形成されており、孔部751は、長尺材3の長手方向に沿って構造物の屋上面100に設けられた接続金具2から伸びるボルト部26の位置に対応して形成されている。
【0122】
図21(b)に示すように、スペーサー74の端面743側から突き出たボルト部26(の先端側)がスペーサー用平板75の孔部751を通り、スペーサー用平板75はスペーサー74の端面743上に載置されることでスペーサー用平板75が配置されている。スペーサー用平板75、75同士の間には、接続金具2の列同士の間に設けられた下網部51と対向して重なり合うようにして上網部52が設けられている。本例では、上網部52は、図22に示すように、下網部51(長尺材3)の長手方向に沿って一つの上網部52を配置するのとは異なり、第二網片である小型の上網片521を下網部51(長尺材3)の長手方向に沿って、ボルト部26、26の列同士の間に一列に複数配置することで上網部52の形成が行われている。
【0123】
小型の上網片521は例1及び例2の上網部52と同一の網目の大きさであり、また、小型の上網片521は、図22に示すように、略正方形形状をなしているが、略長方形形状をなすことも可能である。また、隣り合う小型の上網片521、521同士の間には隙間522が形成されている。つまり、小型の上網片521は、ボルト部26、26の列の長手方向に沿って、隣り合う小型の上網片521、521同士の間には隙間522を形成して複数配置されている。つまり、小型の上網片521は、図21(b)に示すように、スペーサー用平板75、75の孔部751、751から突き出たボルト部26、26の列同士の間に、隙間522を形成してスペーサー用平板75、75を被うようにして載置されている(図22参照)。
【0124】
小型の上網片521の縁部521a、521a側の網目が、下網部51と同様に、一列に並んだ、スペーサー用平板75、75の孔部751、751から突き出たボルト部26、26の列を通ることで、小型の上網片521の縁部521a、521a側がスペーサー用平板75、75に載置されている(図22参照)。載置された小型の上網片521と隙間522を経て、同じように、小型の上網片521は、小型の上網片521の縁部521a、521a側の網目が、スペーサー用平板75、75の孔部751、751から突き出たボルト部26、26を通して、小型の上網片521の縁部521a、521a側をスペーサー用平板75、75に載置する、ということを複数の小型の上網片521についても行うことで複数の小型の上網片521がスペーサー用平板75、75に載置されることで上網部52がスペーサー用平板75、75に配置されている。
【0125】
上網部52は、図21(a)に示すように、スペーサー用平板75、75同士の間を被い、上網部52の縁部52a、52a側が対向するスペーサー用平板75、75上に載置されることで、接続金具2の上面部22から伸びるボルト部26が上網部52の縁部52a側の網目を通り抜け、上網部52の保持及び位置決めが行われている。このように上網部52が配置されることで、上網部52は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになり(上網部52は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになり)、上網部52は下網部51に対向して重なり合うようになっている。以上のようにして、下網部51と上網部52とからなる二層構造の網部5が設けられている。
【0126】
そして、長尺材3、3の、二層構造の網部5が設けられた(配置された)角部35、35側とは反対の角部35、35側の、複数の植栽基盤1が載置されて(配置されて)植栽基盤1、1の列と、上網部52の縁部52a、52aとの間には、図21に示すように、第四押え材65が取り付けられている。つまり、複数配置された植栽基盤1の列と隣接する長尺材3(接続金具2から伸びる上網部52から突き出したボルト部26)とを連結するために、第二押え材6が配置されることになる。本例では、第二押え材6の代わりに第四押え材65が配置されているが、実質的には第二押え材6が配置されたことと同じである。第四押え材65は、基本的に第二押え材6と同じ形状をなしており、第二押え材6と同様に、長手方向の長さが長尺材3の長手方向の長さとが略同一となっている。
【0127】
つまり、第二押え材6の平面部63が第四押え材65の平面部653に対応し、第二押え材6の伸長部62が第四押え材65の伸長部652に対向し、第二押え材6の平面部61が第四押え材65の平面部651に対応し、第二押え材6の孔部64が第四押え材65の孔部654に対応している。そして、第四押え材65と第二押え材6との相違は第四押え材65の伸長部652が第二押え材6の伸長部62より短いことである。これは、本例では、長尺材3にスペーサー74を載置する構造をとっているため、スペーサー74と植栽基盤1とを結ぶ距離が短くなり、第二押え材6の伸長部62より第四押え材65の伸長部652を短くしたことによるものである。それ故、伸長部62を短して第四押え材65の伸長部652と同じにすれば第二押え材6は第四押え材65と同一になる。本例においては第四押え材65を用いて説明しているが、伸長部65を短くした第二押え材6を用いても同じである。
【0128】
この第四押え材65は、図21(b)に示すように、本例の植栽基盤1が略四角錐台の形状をなし、植栽基盤1の、傾斜した側面部14に沿って伸長部652が伸びており、伸長部652の一方の端部側より(折れ曲がり)植栽基盤1の上面部11上に(載り)、上面部11と平行に平面部653が植栽ポット12へ伸びている。また、伸長部652の他方の端部側より(折れ曲がり)上網部52の縁部52a側上に、上網部52に沿って伸びる平面部651が形成されている。平面部651には、孔部654が設けられており、接続金具2から伸びるボルト部26が孔部654から突き出ている。この孔部654から突き出ているボルト部26に通された座金73は平面部651上に載置されており、座金73より突き出したボルト部26にナット72を螺合している。
【0129】
ナット72を螺合することで第四押え材65を上網部52及び植栽基盤1側に固定することで植栽基盤1の側面部14を押さえている。また、第四押え材65の代わりに伸長部62の長さが第四押え材65の伸長部652と同じ第二押え材6を用いれば、図21(b)に示すように、植栽基盤1の、傾斜した側面部14に沿って伸長部62が伸び、伸長部62の一方の端部側より(折れ曲がり)植栽基盤1の上面部11上に(載り)、上面部11と平行に平面部63が植栽ポット12へ伸び、また、伸長部62の他方の端部側より(折れ曲がり)上網部52の縁部52a側上に、上網部52に沿って伸びる平面部61が形成され、平面部651には、孔部64が設けられ、接続金具2から伸びるボルト部26が孔部64から突き出ている。この孔部64から突き出ているボルト部26に通された座金73は平面部61上に載置されており、座金73より突き出したボルト部26にナット72を螺合することで第四押え材65を上網部52及び植栽基盤1側に固定し、植栽基盤1の側面部14を押さえることになる。
【0130】
以上のようにして、第四押え材65、或いは第二押え材6が配置されることにより、下網部51の縁部51a側、長尺材3、スペーサー74、及び上網部52の縁部52a側を配置された接続金具2と植栽基盤1とが連結されている。以上のようにして、一列に並べた植栽基盤1同士の間に二層構造の網部5が設けられている。
【0131】
本例では、図21に示すように、二層構造の網部5である、下網部51と上網部52との間に掃除用網53が挟み込まれている。本例で用いる掃除用網53は樹脂製であり、網目の大きさは1mm×1mmの正方形の網目であり、下網部51の網目と同じ大きさである。掃除用網53の網目は下網部51の網目と同じ大きさであれば1mm×1mmの大きさに限定されることなく、例えば、1mmから5mmの正方形、或いは長方形の網目で、ごみが下網部51へ落ちないで、しかも風が通る程度の網目の大きさが確保できていればよく、網目の形状は特に問わない。
【0132】
また、例3における掃除用網53は、例1に示す掃除用網53と同様に、掃除用網53を形成する、長尺材3の長手方向に沿う縦糸54と、掃除用網53を形成する、長尺材3の長手方向と交差する横断方向に沿う横糸55とが交差して形成されている。そして、例3における掃除用網53では、横糸55及び縦糸54は同じ素材で成形されているが、例1における掃除用網53と同様に、横糸55は容易に折れ曲がらない強度を有する素材、例えば、樹脂、金属で成形されており、これに対して、縦糸54は柔軟性に富んだ素材、例えば、繊維等で成形することも可能である。また、例3における掃除用網53では、例1における掃除用網53とは異なり引戻し紐56、56を取り付けていないが、例1における掃除用網53と同様に、掃除用網53の他方の端部532に、掃除用網53の縁部53a、53a側に二本の引戻し紐56、56を取り付けることも可能である。
【0133】
下網部51と上網部52との間に挟み込む第二掃除用網である掃除用網53は、小型の上網片521と対向して重なり合うように配置されている。図22に示すように、掃除用網53は小型の上網片521と略同一の略正方形形状をなしている。ただし、掃除用網53の形状は略正方形形状に限定されることなく、小型の上網片521の形状と略同一形状をとることになる。例えば、小型の上網片521が略長方形形状であれば、掃除用網53は小型の上網片521は略同一形状の略長方形形状をとることになる。掃除用網53は、小型の上網片521と同様に、小型の上網片521と対向して重なり合うようにして、第四押え材(長尺材3)65の長手方向に沿って複数配置されている。また、掃除用網53の(一方の)端部531側は、図22に示すように、隣り合う小型の上網片521、521同士の間に形成された隙間522から出ている。つまり、掃除用網53の(一方の)端部531側は隣り合う小型の上網片521、521同士の間の位置になるように配置されている(図23(a)参照)。
【0134】
図21及び図22に示すように、掃除用網53は、下網部51と上網部52との間に配置されており、配置に際しては、掃除用網53の取り外しを考慮に入れて、上網部52の、第四押え材(長尺材3)65側である上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側を針金で縛って固定している。具体的には、図23(b)に示すように、上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側で掃除用網53の一方の端部531側に固定位置533、533が形成されている。図23(b)に示すように、小型の上網片521上に固定位置533、533が形成されることになる。また、図23(b)に示すように、上網部52の、第四押え材(長尺材3)65側である上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側を針金で縛って固定している。具体的には、図23(b)に示すように、上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側で掃除用網53の他方の端部532側に固定位置534、534が形成されている。図23(b)に示すように、小型の上網片521上に固定位置534、534が形成されることになる。
【0135】
ただし、掃除用網53を上網部53に固定する際に、針金で縛ることに限定されずフック状の部材を上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53aとに引っ掛けることで下網部51と上網部52との間に掃除用網53を固定して配置することも可能である。さらに、掃除用網53の、一方の端部531側と他方の端部532側とを上網部52に針金等で固定することに限定されず、例えば、掃除用網53の一方の端部531側については、上網部52の縁部52a、52a側に固定して、掃除用網53の他方の端部532側については、隣りの掃除用網53に重ね合わせることで順次、掃除用網53をつなぐことで、掃除用網53を下網部51と上網部52との間に、第四押え材(長尺材3)65の長手方向に沿って複数配置することも可能である。
【0136】
以上のようにして、構造物の屋上面100上に二列に並んだ植栽基盤1、1の列同士の間の二層構造の網部5の中に(二層構造の網部5である、下網部51と上網部52とで挟み込んで)掃除用網53を設けることになる。そして、掃除用網53を取り出す際には、図23(b)に示す、隣り合う小型の上網片521、521同士の間に形成された隙間522から掃除用網53を取り出すことになる。具体的には、図23(b)に示すように、掃除用網53の一方の端部531側の固定位置533、533と掃除用網53の他方の端部531側の固定位置534、534とにある針金を解き、掃除用網53を矢印A方向へ移動して、隙間522の間に出ていた掃除用網53の一方の端部531を小型の上網片521上へ乗り上げて行き、小型の上網片521上に掃除用網53を載せることで掃除用網53を取り出すことになる。掃除用網53には、枯葉等のごみが載っているので掃除用網53を二層構造の網部5から取り出すことで二層構造の網部5から枯葉等のごみを除去することが可能になる。
【0137】
(例4)
例4では、例3に示す二層構造の網部5が構造物の屋上面100上に広く形成される場合に植栽基盤1等の管理のために人が通ることができる通路を設ける構造について説明する。例4では、例1乃至例3で用いた部材と同じ部材については同じ参照番号を用いて示してある。また、例4では、例1乃至例3と異なる、二列に並んだ植栽基盤1、1の列同士の間に二層構造の網部5を設けるに際して、二層構造の網部5上を通るための通路材(第一通路材86、第二通路材87)の構造について中心に説明する。
【0138】
接続金具2は、図24(a)に示すように、構造物の屋上面100上に所定の間隔で三列に平行に配置されている。各列では、図24(a)に示すように、間隔をあけて複数の接続金具2が配置されて、接続金具2の列が形成されている。接続金具2の列は、構造物の屋上面100に長尺材3を配置するために、長尺材3の長手方向に沿うように、真っ直ぐに一列に並べられており、対向する接続金具2の列同士では、接続金具2、2同士が対向している。構造物の屋上面100への接続金具2の配置では、接続金具2の下面部21を例1と同様にして構造物の屋上面100へ固定している。
【0139】
例4で用いる接続金具2は、基本的には、例1で用いた接続金具2と同じである。ただし、接続金具2(の上面部22)に対して垂直方向に伸びて設けられている凸部であるボルト部27は、図24に示すように、長尺材3の突出部32を突き出て、さらにスペーサー74を突き出る必要があるため例1及び例2に示すボルト部23より長い。また、構造物の屋上面100上には図示していない、少なくとも植栽基盤1を配置するために、図24(a)に示す三列の接続金具2の列の他に三列の接続金具2の列に平行な接続金具2の列が複数設けられている。
【0140】
図24(a)に示すように、構造物の屋上面100上に配置されてた、三列の接続金具2の列の内、両側の接続金具2、2の列(外側の二列の接続金具2、2の列)同士の間は、二層構造の網部5の下網部51を設けられる間隔になっている。また、三列の接続金具2の列の内、中央に配置された接続金具2の列は、両側の二列の接続金具2、2の列同士の間の中央に配置されている。本例では中央に配置された接続金具2の列は、両側の二列の接続金具2、2の列同士の間の中央に配置されているが、中央に配置された接続金具2の列は、両側の二列の接続金具2、2の列同士の間の中央に配置されることに限定されず、両側の二列の接続金具2、2の列のいずれか一方の接続金具2の列寄りに配置することも可能である。
【0141】
図24(a)に示すように、構造物の屋上面100に配置された、両端の接続金具2、2の列同士の間には下網部51が設けられている。構造物の屋上面100に配置された、両端の接続金具2、2の列同士の間に下網部51が配置されることで、下網部51が三列の接続金具2の列を被っている。下網部51は、下網部51の、両側の接続金具2の列に対して交差する方向である下網部51の縁部51a、51a側の網目が、両側の接続金具2、2のボルト部27、27の列を通り、中央の接続金具2の列に対して下網部51の中央側の網目が、中央の接続金具2のボルト部27の列を通り、下網部51の縁部51a、51a側を両側の接続金具2、2の上面部22、22に載置され、下網部51の中央側を中央の接続金具2の上面部22に載置されて下網部51が配置されている。
【0142】
つまり、図24(a)に示すように、下網部51は、三列の内、両端の接続金具2、2の列同士の間を被い、下網部51の縁部51a、51a側が両側の接続金具2、2の上面部22、22に載置されることで、両側の接続金具2、2の上面部22、22から伸びるボルト部27、27が下網部51の縁部51a、51aの網目を通り抜け、下網部51の中央側が中央の接続金具2、2の上面部22に載置されることで、中央側の接続金具2の上面部22から伸びるボルト部27が下網部51の中央側の網目を通り抜けて下網部51の保持及び位置決めが行われることで下網部51が配置されている。このように下網部51が配置されることで、下網部51は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになる(下網部51は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになる)。
【0143】
下網部51が配置された、三列に並んだ接続金具2の列には、図24(a)に示すように、例1乃至例3と同一の長尺材3が配置されている。構造物の屋上面100に、長尺材3の長手方向に沿うように、複数配置された接続金具2の上面部22に長尺材3の底面部34、34を載せると、図24(a)に示すように、接続金具2のボルト部27の先端側が長尺材3の突出部32の先端32aの孔部33から突き出すことになる。そして、本例では、図24(a)に示すように、三列で並んだ接続金具2の列の上に配置された長尺材3の突出部32の孔部33から突き出したボルト部27には固定部材であるとともに、下網部51と上網部52との距離を長くするための部材としてスペーサー74が設けられている。スペーサー74は、例3で用いたスペーサー74と同一である。
【0144】
例3と同様に、図24(a)に示すように、スペーサー74は、ボルト部27と螺合してスペーサー74の端面742が長尺材3の突出部32の先端32aと当接しており、スペーサー74の端面743側からはボルト部27(の先端側)が突き出ている。このようにして、長尺材3の上にスペーサー74が配置されている。そして、両側の接続金具2、2側では、例3と同様に、スペーサー74の端面743側にはスペーサー用平板75が載置されている。スペーサー用平板75も、例3で用いたスペーサー用平板75と同一である。例3と同様に、図24(b)に示すように、スペーサー74の端面743側から突き出たボルト部27(の先端側)がスペーサー用平板75の孔部751を通り、スペーサー用平板75はスペーサー74の端面743上に載置されることでスペーサー用平板75が配置されている。
【0145】
図24(a)に示すように、三列の内、中央に配置された接続金具2の列の上に載置された長尺材3の先端32aの孔部33から突き出ているボルト部27に通された座金73は先端32a上に載置されており、座金73より突き出したボルト部27にナット71を螺合している。ナット71を螺合することで長尺材3を接続金具2に固定し、長尺材3を配置している。そして、図24(a)に示すように、中央の長尺材3の上には第一通路材86が載置されている。第一通路材86は、図26(a)に示すように、断面が逆T字状の形状をなした部材である。第一通路材86は、図25(a)に示すように、長尺材3の長手方向に沿って配置されることになる。本例では、第一通路材86の長手方向の長さは、長尺材3の長手方向の長さと同じになっている。そして、第一通路材86が長尺材3上に載置されることで、図25(a)に示す、第一通路材86の、長尺材3の長手方向に沿う側方端861、861側が長尺材3の底面部34、34に沿い底面部864、864が同一平面をなすことになる。
【0146】
ただし、第一通路材86の長手方向の長さは、必ずしも長尺材3の長手方向の長さと同じである必要はなく、第一通路材86の長手方向の長さを長尺材3の長手方向の長さよりも短くすることも可能である。その場合、第一通路材86を長尺材3の長手方向に沿って配置すると、図25(b)に示すように、長尺材3の長手方向にわたって複数の第一通路材86が間隔(隙間)を隔てて配置されることになる。この場合でも、第一通路材86が長尺材3上に載置されることで、図25(a)に示す、第一通路材86の、長尺材3の長手方向に沿う側方端861、861側が長尺材3の底面部34、34に沿い底面部864、864が同一平面をなすことになる。
【0147】
底面部864、864に連続する、長尺材3の長手方向に沿う第一通路材86の中央部には、底面部864、864から隆起した矩形形状の突出部862が形成されている。突出部862は、長尺材3の長手方向と交差する方向の長さが通路として機能するように形成されている。つまり、突出部862上に人が載った場合にも突出部862が変形し難くなるように矩形形状にするとともに、第一通路材86の板厚も人が載った場合に変形し難くなるような厚みになっている。本例では第一通路材86の板厚を6mmとしているが、第一通路材86の設置状況によっては第一通路材86の板厚を変更することも可能である。
【0148】
第一通路材86の突出部862の水平な先端862aには、接続金具2から伸びるボルト部27が突出部862の水平な先端862aから突き出るための孔部863が形成されている。以上の第一通路材86は、図24(b)に示すように、三列の長尺材3の内、中央の長尺材3の底面部34、34上に第一通路材86の底面部864、864を載置すること配置されている。つまり、長尺材3の底面部34、34上に第一通路材86の底面部864、864が載置されることにより、第一通路材86の突出部862が長尺材3の突出部32を被い、第一通路材86の水平な先端862aに設けられた孔部863から接続金具2から伸びるボルト部27が突き出している。以上のように、第一通路材86は、図25(a)に示すように、長尺材3の長手方向に沿って構造物の屋上面100に設けられた接続金具2から伸びるボルト部27が第一通路材86の突出部862の孔部863を貫通するように長尺材3の長手方向に対向して配置されている。
【0149】
また、第一通路材86の長手方向の長さを長尺材3の長手方向の長さよりも短い場合には、第一通路材86は、図25(b)に示すように、長尺材3の長手方向に沿って構造物の屋上面100に設けられた接続金具2から伸びるボルト部27が第一通路材86の突出部862の孔部863を貫通するように長尺材3の長手方向に沿って複数配置されることになる。
【0150】
そして、図24(a)に示すように、スペーサー用平板75、75同士の間には、接続金具2の列同士の間に設けられた下網部51と対向して重なり合うようにして上網部52が設けられている。例3と同様に、図24(a)に示すように、スペーサー用平板75、75の孔部751、751から突き出たボルト部27、27の列同士の間に、上網部52がスペーサー用平板75、75を被うようにして配置されている。本例では、上網部52は、例3と同様に、下網部51(長尺材3)の長手方向に沿って一つの上網部52を配置するのとは異なり、第二網片である小型の上網片521を下網部51(長尺材3)の長手方向に沿って、ボルト部27、27同士の間に一列に複数配置することで上網部52の形成が行われている。
【0151】
小型の上網片521は例1及び例2の上網部52と同一の網目の大きさであり、また、例3の小型の上網片521と実質的には同じであるが、両側の接続金具2、2の列(外側の二列の接続金具2、2の列)同士の間の間隔が例3の接続金具2、2の列同士の間の間隔よりも広いため、略長方形形状をなしている。また、例3と同様に、隣り合う小型の上網片521、521同士の間には隙間522が形成されている。つまり、小型の上網片521は、ボルト部27、27の列の長手方向に沿って、隣り合う小型の上網片521、521同士の間には隙間522を形成して複数配置されている。小型の上網片521は、図24(a)に示すように、スペーサー用平板75、75の孔部751、751から突き出たボルト部26、26の列同士の間に、小型の上網片521がスペーサー用平板75、75を被い、中央に配置された接続金具2の列の上の第一通路材86の水平な先端862a被って載置されている。
【0152】
小型の上網片521の縁部521a、521a側の網目が、下網部51と同様に、スペーサー用平板75、75の孔部751、751から突き出たボルト部27、27の列を通ることで、小型の上網片521の縁部521a、521a側がスペーサー用平板75、75に載置され、小型の上網片521の中央側の網目が、第一通路材86の水平な先端862aの孔部863から突き出たボルト部27の列を通ることで、小型の上網片521の中央側が第一通路材86の水平な先端862aに載置されている(図24(a)参照)。載置された小型の上網片521と隙間522を経て、同じように、小型の上網片521は、小型の上網片521の縁部521a、521a側の網目が、スペーサー用平板75、75の孔部751、751から突き出たボルト部26、26を通して、小型の上網片521の縁部521a、521a側をスペーサー用平板75、75に載置し、小型の上網片521の中央側の網目が、第一通路材86の水平な先端862aの孔部863から突き出たボルト部27を通して、小型の上網片521の中央側を第一通路材86の水平な先端862aに載置する、ということを複数の小型の上網片521についても行うことで複数の小型の上網片521がスペーサー用平板75、75及び第一通路材86の水平な先端862aに載置されることで上網部52がスペーサー用平板75、75及び一列に並んだ第一通路材86の水平な先端862aに配置されている。
【0153】
上網部52は、図24(a)に示すように、スペーサー用平板75、75同士の間を被い、上網部52の縁部52a、52a側が対向するスペーサー用平板75、75上に載置され、上網部52の中央側が第一通路材86の水平な先端862a上に載置されることで、接続金具2の上面部22から伸びるボルト部27が上網部52の、中央側及び縁部52a側の網目を通り抜け、上網部52の保持及び位置決めが行われている。このように上網部52が配置されることで、上網部52は構造物の屋上面100に沿う方向に設けられることになり(上網部52は構造物の屋上面100に対して平行に設けられることになり)、上網部52は下網部51に対向して重なり合うようになっている。以上のようにして、下網部51と上網部52とからなる二層構造の網部5が設けられている。
【0154】
そして、長尺材3、3の、二層構造の網部5が設けられた(配置された)角部35、35側とは反対の角部35、35側の、複数の植栽基盤1が載置されて(配置されて)植栽基盤1、1の列と、上網部52の縁部52a、52aとの間には、例3と同様に、図24(a)に示すように、例3と同一の第四押え材65が取り付けられている。つまり、複数配置された植栽基盤1の列と隣接する長尺材3(接続金具2から伸びる上網部52から突き出したボルト部26)とを連結するために、第四押え材65が配置されている。第四押え材65は、例3と同様に、複数配置された植栽基盤1の列と隣接する長尺材3(接続金具2から伸びる上網部52から突き出したボルト部27とを連結するために配置されている。第四押え材65は、図24(a)に示すように、植栽基盤1の側面部14に沿って伸びた伸長部652より植栽基盤1の上面部11上に(載り)、上面部11と平行に平面部653が植栽ポット12へ伸びており、上網部52の縁部52aに沿って伸びる平面部651に設けられた孔部654から接続金具2から伸びるボルト部27が突き出ている(図24(b)参照)。
【0155】
例3と同様に、この孔部654から突き出ているボルト部27に通された座金73は平面部651上に載置され、座金73より突き出したボルト部27にナット71を螺合している。ナット71を螺合することで第四押え材65を上網部52及び植栽基盤1側に固定することで植栽基盤1の側面部14を押さえている。以上のようにして、第四押え材65が配置されることにより、下網部51の縁部51a側、長尺材3、スペーサー74、及び上網部52の縁部52a側を配置された接続金具2と植栽基盤1とが連結されている。
【0156】
上網部52の中央側では、上網網52の中央側を介して第一通路材86の突出部862の水平な先端862aに対向して第二通路材87が載置されている。第二通路材87は、図26(b)に示すように、断面略M字状の形状をした長尺の部材であり、長手方向の長さが長尺材3の長手方向の長さとが略同一となっている。また、第二通路材87の、長尺材3の長手方向に沿う側方端871、871側に突出部872、872が形成されており、突出部872、872同士の間には、第二通路材87の長手方向に沿って底面部874が形成されている。底面部874には、底面部874の中央に第二通路材87の長手方向に沿って孔部873が複数形成されている。孔部873は、長尺材3の長手方向に沿って構造物の屋上面100に設けられた接続金具2から伸びるボルト部27の位置に対応して形成されている。
【0157】
また、第二通路材87の底面部874は、第一通路材86の突出部862と同様に、長尺材3の長手方向と交差する方向の長さが通路として機能するように形成されている。つまり、第二通路材87の底面部874上に人が載った場合にも第二通路材87が変形し難くなるような厚みになっている。本例では、第二通路材87も第一通路材86と同様に板厚を6mmとしているが、第一通路材86と同様に、第二通路材87の設置状況によっては第二通路材87の板厚を変更することも可能である。また、本例では、第二通路材87の幅の長さ(側方端871、871同士の間の長さ)が第一通路材86の水平な先端862aの長さ(長尺材3の長手方向と交差する方向の長さ)と同一としてある。ただし、第二通路材87の幅の長さ(側方端871、871同士の間の長さ)と第一通路材86の水平な先端862aの長さ(長尺材3の長手方向と交差する方向の長さ)とを異ならせることも可能である。例えば第二通路材87の幅の長さ(側方端871、871同士の間の長さ)より第一通路材86の水平な先端862aの長さ(長尺材3の長手方向と交差する方向の長さ)を長くすることも可能である。
【0158】
以上の第二通路材87は、図24(b)に示すように、三列の長尺材3の内、中央の長尺材3を被って配置してある第一通路材86の突出部862の水平な先端862aと対向して小型の上網片521上に載置され、上網部52の中央側の網目から伸びるボルト部27(第一通路材86の水平な先端862aの孔部863から接続金具2から伸びるボルト部27)が第二通路材87の底面部874の孔部873から突き出している。この孔部873から突き出ているボルト部27に通された座金73は底面部874上に載置され、座金73より突き出したボルト部27にナット72を螺合している。ナット72を螺合することで、上網部52を介して、接続金具2側に配置されている長尺材3の突出部32を被っている第一通路材86と第二通路材87とを固定することで第二通路材87を配置している。
【0159】
図27(a)に示すように、本例でも、例3と同様に、二層構造の網部5である、下網部51と上網部52との間に掃除用網53が挟み込まれている。本例で用いる掃除用網53は例3と同一である。例3と同様に、掃除用網53の網目は下網部51の網目と同じ大きさであれば1mm×1mmの大きさに限定されることなく、例えば、1mmから5mmの正方形、或いは長方形の網目で、ごみが下網部51へ落ちないで、しかも風が通る程度の網目の大きさが確保できていればよく、網目の形状は特に問わない。また、本例では、例3と同様の小型の上網片521を第四押え材(長尺材3)65及び第二通路材87、の長手方向に沿って、第二通路材87と対向する第四押え材(長尺材3)65、65との間にそれぞれ一列に複数配置することで上網部52の形成が行われている。また、例3と同様に、隣り合う小型の上網片521、521同士の間には隙間522が形成されている。つまり、小型の上網片521は、第四押え材(長尺材3)65及び第二通路材87、の長手方向に沿って、隣り合う小型の上網片521、521同士の間には隙間522を形成して複数配置されている。
【0160】
例3と同様に、下網部51と上網部52との間に挟み込む掃除用網53は、小型の上網片521と対向して重なり合うように配置されている。具体的には、図27に示すように、例3と同様に、掃除用網53は、小型の上網片521と対向して重なり合うようにして、第二通路材87及び第四押え材(長尺材3)65、65の長手方向に沿って複数配置されている。また、掃除用網53の(一方の)端部531側は、図27(b)に示すように、隣り合う小型の上網片521、521同士の間に形成された隙間522から出ている。つまり、掃除用網53の(一方の)端部531側は隣り合う小型の上網片521、521同士の間の位置になるように配置されている。
【0161】
図27(a)に示すように、掃除用網53は、例3と同様に、下網部51と上網部52との間に配置されており、配置に際しては、掃除用網53の取り外しを考慮に入れて、上網部52の第四押え材(長尺材3)65側である、上網部52の縁部52a、52a側(小型の上網片521の縁部521a、521a)と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側を上網部52の縁部52a、52a側(小型の上網片521の縁部521a、521a)に針金で縛って固定するとともに、上網部52の通路材(第一通路材86及び第二通路材87)側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側を上網部52の通路材(第一通路材86及び第二通路材87)側に針金で縛って固定することで配置している(図27(b)参照)。
【0162】
この上網部52の縁部52a、52a側と、上網部52の縁部52a、52a側と掃除用網53の縁部53a、53a側との固定が行われる固定位置535、535、535、・・・は、図27(b)に示すように、第四押え材65の長手方向(上網部52の縁部52a、52a及び掃除用網53の縁部53a、53a)に沿って複数形成されている。また、図27(b)に示すように、この上網部52の通路材(第一通路材86及び第二通路材87)側と、上網部52の通路材(第一通路材86及び第二通路材87)側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側との固定が行われる固定位置536、536、536、・・・は、第一通路材86及び第二通路材87の長手方向に沿って複数形成されている。そして、図27(b)に示すように、一つの掃除用網53は四箇所の固定位置535、535、536、536で上網部52に針金で縛られて固定されている。
【0163】
ただし、掃除用網53を上網部53に固定する際に、針金で縛ることに限定されずフック状の部材を上網部52の縁部52a、52b側と、上網部52の縁部52a、52b側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側とに引っ掛け、また、フック状の部材を上網部52の通路材(第一通路材86及び第二通路材87)側と、上網部52の通路材(第一通路材86及び第二通路材87)側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側とに引っ掛けることで下網部51と上網部52との間に掃除用網53を固定して配置することも可能である。さらに、掃除用網53の、一方の端部531側と他方の端部532側とを上網部52に針金等で固定することに限定されず、例えば、掃除用網53の一方の端部531側については、上網部52の縁部52a、52a側に固定して、掃除用網53の他方の端部532側については、隣りの掃除用網53に重ね合わせることで順次、掃除用網53をつなぐことで、掃除用網53を下網部51と上網部52との間に、第四押え材(長尺材3)65の長手方向に沿って複数配置することも可能である。
【0164】
以上のようにして、構造物の屋上面100上に少なくとも二列に並んだ植栽基盤1、1の列同士の間の二層構造の網部5の中に(二層構造の網部5である、下網部51と上網部52とで挟み込んで)掃除用網53を設けて、二層構造の網部5を横切る通路(第一通路材86及び第二通路材87)が形成されている。そして、掃除用網53を取り出す際には、例3と同様にして、図27(b)に示す、隣り合う小型の上網片521、521同士の間に形成された隙間522から掃除用網53を取り出すことになる。具体的には、図27(b)に示すように、掃除用網53の、第四押え材(長尺材3)65側の固定位置535、535と第二通路材87側の固定位置536、536とにある針金を解き、掃除用網53を矢印A方向へ移動して、隙間522の間に出ていた掃除用網53の一方の端部531を小型の上網片521上へ乗り上げて行き、小型の上網片521上に掃除用網53を載せることで掃除用網53を取り出すことになる。掃除用網53には、枯葉等のごみが載っているので掃除用網53を二層構造の網部5から取り出すことで二層構造の網部5から枯葉等のごみを除去することが可能になる。
【0165】
つぎに、上記に示した植栽基盤1の列同士の間に二層構造の網部5を設ける植栽基盤1を用いた緑化構造の施工方法について説明する。
【0166】
まず、構造物の屋上面100に接続金具2を配置する。本例では、図28に示すように、構造物の縁部100aに沿って、構造物の屋上面100に接続金具2が配置されている。配置に際しては、図28(b)に示すように、接続金具2の下面部21が構造物の屋上面100と接触し、ボルト部23が設けられた上面部22が構造物の屋上面100と同じ方向に向く。また、接続金具2の配置に際しては、図28(a)に示すように、構造物の屋上面100に長尺材3を配置するために、長尺材3の長手方向に沿うように、構造物の屋上面100に複数の接続金具2が一列に並べられている。本例では、複数の接続金具2が、構造物の縁部100aに沿って、等間隔aで一列に並べられているが、接続金具2が複数列並べられたときに、接続金具2同士が対向すれば、等間隔である必要はなく任意の間隔とすることも可能である。
【0167】
また、構造物の屋上面100に配置された接続金具2は、接続金具2の下面部21にボルト24を設けて構造物の屋上面100に埋め込むことで固定されている。ただし、構造物の屋上面100への接続金具2の固定に際しては、接続金具2の下面部21に接着剤を塗布することにより、構造物の屋上面100に固定することも可能である。さらに、本例では、図28(a)に示すように、構造物の縁部100aに沿って、接続金具2を二列に並べ、二列に並んだ接続金具2から間隔bをおいて接続金具2を三列に並べ、また、間隔bをおいて三列に並んだ接続金具2から間隔cをおいて接続金具2を三列並べる。構造物の屋上面100に並べられた接続金具2の内、構造物の縁部100aに沿って、二列に並んだ接続金具2から間隔bをおいて三列に並んだ接続金具2の真ん中の列の接続金具2と、間隔bをおいて三列に並んだ接続金具2から間隔cをおいて三列に並んだ接続金具2の真ん中の列の接続金具2と、は他の列の接続金具2に設けられたボルト部23より長いボルト部24が設けられた接続金具2が配置される。
【0168】
つぎに、接続金具2上に下網部51を載置する(図29参照)。本例では、図29(a)に示すように、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ接続金具2の内、間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2に近い列の接続金具2と、間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2の内、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ接続金具2に近い列の接続金具2との間を被うように接続金具2上に下網部51を載置する。また、二列に並んだ接続金具2から間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2の内、間隔cをおいて三列に並べられた接続金具2に近い列の接続金具2と、間隔cをおいて三列に並べられた接続金具2の内、二列に並んだ接続金具2から間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2に近い列の接続金具2との間を被うように接続金具2上に下網部51を載置する。
【0169】
下網部51の載置に際しては、下網部51の、長尺材3の長手方向となる一列に並んだ接続金具2に対して交差する方向の下網部51の縁部51a、51a側の網目を、接続金具2のボルト部23に通す(図29(b)参照)。つまり、下網部51が、少なくとも二列に並んだ接続金具2、2同士の間を被い、下網部51の縁部51a、51a側が対向する接続金具2、2上に載り、接続金具2の上面部22から伸びるボルト部23が下網部51の縁部51a側の網目を通り抜け、下網部51を保持する。その結果、少なくとも二列に並んだ接続金具2、2同士が対向して形成された間隔に下網部51が配置される。本例では、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ接続金具2と、隣り合う、間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2との間に下網部51が配置され、間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2と、隣り合う、間隔cをおいて三列に並べられた接続金具2との間に下網部51が配置される。
【0170】
下網部51を配置した後に、構造物の屋上面100に一列に並んで、固定されている接続金具2上に長尺材3を配置する。接続金具2は長尺材3の長手方向に沿う方向に配置(固定)されているので、構造物の屋上面100に一列に並んで、固定されている接続金具2の上に長尺材3を配置することで、構造物の屋上面100に一列に並んで、固定されている接続金具2を被う。長尺材3が接続金具2を被うことで、接続金具2の上面部22上に長尺材3の底面部34、34が載り、長尺材3の長手方向に沿う中央部の矩形形状の突出部32が接続金具2から伸びるボルト部23の外径を収納し、長尺材3の突出部32の先端32aに設けられた孔部33より、接続金具2から伸びるボルト部23が突き出る。
【0171】
本例では、図30に示すように、下網部51が配置されていない接続金具2については、構造物の屋上面100に一列に並んで、固定されている接続金具2の上面部22上に長尺材3の底面部34、34を載せることで接続金具2上に長尺材3を配置する(図30(b)参照)。また、下網部51が配置されている(下網部51の縁部51a側が接続金具2上に載っている)接続金具2については、下網部51の縁部51a側に長尺材3の底面部34、34を載せて下網部51の縁部51a側を長尺材3の底面部34、34と接続金具2の上面部22と挟み込んで、接続金具2上に長尺材3を配置する(図30(b)参照)。
【0172】
本例では、図30(a)に示すように、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ接続金具2の内、間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2に近い列の接続金具2と、三列に並べられた接続金具2の内、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ接続金具2に近い列の接続金具2と、には、長尺材3の底面部34、34を下網部51の縁部51a側に載せ接続金具2の上面部22とで下網部51の縁部51a側を挟む込んで長尺材3を配置する。また、二列に並んだ接続金具2から間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2の内、間隔cをおいて三列に並べられた接続金具2に近い列の接続金具2と、間隔cをおいて三列に並べられた接続金具2の内、二列に並んだ接続金具2から間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2に近い列の接続金具2と、にも、長尺材3の底面部34、34を下網部51の縁部51a側に載置して接続金具2の上面部22とで下網部51の縁部51a側を挟む込んで長尺材3を配置する。
【0173】
長尺材3の底面部34と接続金具2の上面部22との間に下網部51の縁部51a側挟み込むことにより、下網部51が構造物の屋上面100に沿う方向に設けられる。そして、それ以外の接続金具2には、接続金具2の上面部22に直接長尺材3の底面部34、34を載せることで長尺材3を配置する。具体的には、図30(a)に示すように、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ接続金具2の内、構造物の縁部100aに近い列の接続金具2と、間隔cをおいて三列に並べられた接続金具2の内、最も外側の列の接続金具2(間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2から最も遠い列の接続金具2)とには、接続金具2の上面部22に直接長尺材3の底面部34、34を載せることで長尺材3を配置する。
【0174】
長尺材3を配置した後に、対向する長尺材3、3同士の間に植栽基盤1を配置する。つまり、接続金具2(或いは、下網部51の縁部51a側を介して接続金具2)に載った、対向する長尺材3、3の、底面部34、34と突出部32、32と形成される角部35、35が向き合う(対向する)ことで、角部35、35で植栽基盤1の底面部13の縁部13a側を支持させることで、対向する長尺材3、3の角部35、35に植栽基盤1を配置する(載せる)。対向する長尺材3、3の角部35、35への植栽基盤1の配置に際しては、対向する長尺材3、3の長手方向に沿う、一方の端部から他方の端部へ植栽基盤1を並べて敷き詰める。
【0175】
本例では、図31に示すように、対向する長尺材3、3の長手方向に沿う、他方の端部側に植栽基盤1を積み上げておき、対向する長尺材3、3の長手方向に沿う角部35、35に沿って、他方の端部側に積み上げられた植栽基盤1を一方の端部側へ移動する。移動に際しては、他方の端部側に積み上げられた植栽基盤1を、対向する長尺材3、3の角部35、35である長尺材3の、底面部34、34と突出部32、32とを摺動させることで移動し、対向する長尺材3、3の長手方向に沿う、一方の端部側を植栽基盤1で敷き詰める。
【0176】
図31では、下網部51、51で挟み込まれた、対向する長尺材3、3の間に植栽基盤1を並べて敷き詰める状態が示されているが、他の、下網部51が配置されていない、対向する長尺材3、3の間にも植栽基盤1を並べて敷き詰める。最終的に植栽基盤1の配置は、本例では、図32(a)に示すように、下網部51が配置されていない、対向する長尺材3、3の間にも、対向する長尺材3、3の長手方向に沿う、一方の端部から他方の端部へ植栽基盤1を並べて敷き詰める。その結果、本例では、図32に示すように、構造物の縁部100a寄りに植栽基盤1が一列に並び、下網部51を経て植栽基盤1、1が二列に並び、さらに下網部51を経て植栽基盤1、1が二列に並ぶ(図32(b)参照)。
【0177】
植栽基盤1を並べて敷き詰めて配置した後に、図33に示すように、下網部51と重なり合うように上網部52を配置する(図33(b)参照)。本例では、図33(a)に示すように、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ接続金具2の内、間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2に近い列の接続金具2と、三列に並べられた接続金具2の内、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ接続金具2に近い列の接続金具2との間を被うように接続金具2上に上網部52を載置する。また、二列に並んだ接続金具2から間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2の内、間隔cをおいて三列に並べられた接続金具2に近い列の接続金具2と、間隔cをおいて三列に並べられた接続金具2の内、二列に並んだ接続金具2から間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2に近い列の接続金具2との間を被うように接続金具2上に上網部52を載置する(図33(b)参照)。
【0178】
上網部52の載置に際しては、上網部52の、長尺材3の長手方向に対して交差する方向の縁部52a、52a側を、接続金具2のボルト部23に通す。つまり、長尺材3の底面部34から隆起した、突出部32の先端32aに設けられた孔部33より突き出た、接続金具2から伸びるボルト部23に上網部52の縁部52aを通す。具体的には、上網部52が、下網部51が配置された、少なくとも二列に並んだ長尺材3、3同士の間を被い、上網部52の縁部52a、52a側が対向する長尺材3、3の突出部32、32の先端32a、32a上に載り、接続金具2の上面部22、22から伸びるボルト部23、23が上網部52の縁部52a側の網目を通り抜け、上網部52を保持する。
【0179】
その結果、少なくとも二列に並んだ長尺材3、3(接続金具2、2)同士が対向して形成された間隔に上網部52が配置される。本例では、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ長尺材3(接続金具2)と、隣り合う、間隔bをおいて三列に並べられた長尺材3(接続金具2)との間に上網部52が配置され、間隔bをおいて三列に並べられた長尺材3(接続金具2)と、隣り合う、間隔cをおいて三列に並べられた長尺材3(接続金具2)との間に上網部52が配置される。つまり、上網部52は、下網部51と対向させて、下網部51との間に空間を形成して、構造物の屋上面100に沿う方向に設けられる。
【0180】
上網部52を配置した後に、上網部52の縁部52a側の網目から突き出したボルト部23に固定部材であるナット71を螺合して、接続金具2上の下網部51の縁部51a側、長尺材3及び上網部52の縁部52a側を固定する。
【0181】
下網部51の縁部51a側、長尺材3及び上網部52の縁部52a側を固定された接続金具2と植栽基盤1とを連結するために第二押え材6を配置する。本例では、図34に示すように、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ長尺材3(接続金具2)の内、間隔bをおいて三列に並べられた長尺材3(接続金具2)に近い列の接続金具2と、植栽基盤1との間に長尺材3の長手方向に沿って第二押え材6を載置し、三列に並べられた長尺材3(接続金具2)の内、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ長尺材3(接続金具2)に近い列の長尺材3(接続金具2)と、植栽基盤1との間に長尺材3の長手方向に沿って第二押え材6を載置する。
【0182】
また、二列に並んだ接続金具2から間隔bをおいて三列に並べられた長尺材3(接続金具2)の内、間隔cをおいて三列に並べられた長尺材3(接続金具2)に近い列の長尺材3(接続金具2)と、植栽基盤1との間に長尺材3の長手方向に沿って第二押え材6を載置し、間隔cをおいて三列に並べられた長尺材3(接続金具2)の内、二列に並んだ長尺材3(接続金具2)から間隔bをおいて三列に並べられた長尺材3(接続金具2)に近い列の長尺材3(接続金具2)と、植栽基盤1との間に長尺材3の長手方向に沿って第二押え材6を載置する。
【0183】
第二押え材6の載置に際しては、第二押え材6の平面部61に設けられた孔部64へナット71を螺合したボルト部23を通して、第二押え材6の平面部61をナット71上に載置する。第二押え材6の平面部61をナット71上に載置することで、第二押え材6の平面部63は植栽基盤1の上面部11の植栽ポット12にかかるところに載る。そして、ナット71より突き出したボルト部23に座金73を通しナット71上に載置し、座金73より突き出したボルト部23にナット72を螺合する。その結果、下網部51の縁部51a側、長尺材3及び上網部52の縁部52a側を固定された接続金具2に第二押え材6が固定され、第二押え材6の平面部63が植栽基盤1の上面部11に押圧を加えた状態になる。
【0184】
以上のようにして、第二押え材6により、下網部51の縁部51a側、長尺材3及び上網部52の縁部52a側を固定された接続金具2側と植栽基盤1とが連結される。そして、下網部51を設けた、対向する植栽基盤1、1の列同士の間で、上網部52の、長尺材3の長手方向に対して交差する方向の縁部52a、52a側を、長尺材3の、底面部34から隆起した突出部32の先端32aと、植栽基盤1と接続金具2側とを連結する第二押え材6との間に挟み込むことで、上網部52を下網部51と対向させて上網部52と下網部51との間に形成された空間が保持される。
【0185】
また、接続金具2の上面部22に直接長尺材3の底面部34、34を載せることで長尺材3を配置した、上網部52が配置されていない、接続金具2には、長尺材3の突出部32から突き出たボルト部23にナット71を螺合して接続金具2に長尺材3を固定する。本例では、図34(a)に示すように、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ接続金具2の内、構造物の縁部100aに近い列の接続金具2と、間隔cをおいて三列に並べられた接続金具2の内、最も外側の列の接続金具2(間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2から最も遠い列の接続金具2)とには、長尺材3の突出部32から突き出たボルト部23にナット71を螺合して接続金具2に長尺材3を固定する。
【0186】
そして、接続金具2に固定された長尺材3と植栽基盤1とを連結するために第一押え材4を配置する。本例では、図34(b)に示すように、構造物の縁部100aに近い二列に並んだ接続金具2の内、構造物の縁部100aに近い列の接続金具2と、植栽基盤1との間に長尺材3の長手方向に沿って第一押え材4を載置し、間隔cをおいて三列に並べられた接続金具2の内、最も外側の列の接続金具2(間隔bをおいて三列に並べられた接続金具2から最も遠い列の接続金具2)と、植栽基盤1との間に長尺材3の長手方向に沿って第一押え材4を載置する。
【0187】
第一押え材4の載置に際しては、第一押え材6の平面部41に設けられた孔部45へナット71を螺合したボルト部23を通して、第一押え材4の平面部41をナット71上に載置する。第一押え材4の平面部41をナット71上に載置することで、第一押え材4の平面部44は植栽基盤1の上面部11に載り、第一押え材4の折曲部42により、長尺材3の、突出部32と底面部34を囲む。そして、ナット71より突き出したボルト部23に座金73を通しナット71上に載置し、座金73より突き出したボルト部23にナット72を螺合する。その結果、長尺材3を固定された接続金具2に第一押え材4が固定され、第一押え材4の平面部44が植栽基盤1の上面部11に押圧を加えた状態になる。以上のようにして、長尺材3を固定された接続金具2側と植栽基盤1とが連結される。
【0188】
また、二列に並んだ植栽基盤1、1同士を連結するために第三押え材8を配置する。本例では、図34(a)に示すように、構造物の縁部100aに沿って、二列に並んだ接続金具2から間隔bをおいて三列に並んだ接続金具2の真ん中の列の接続金具2と、重なり合うように第三押え材8を配置し、また、間隔bをおいて三列に並んだ接続金具2から間隔cをおいて三列に並んだ接続金具2の真ん中の列の接続金具2と、重なり合うように第三押え材8を配置する。
【0189】
具体的には、図34(b)に示すように、第三押え材8を二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の間に組み込む。第三押え材8の突出部84を二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1の間に挟み込まれるように組み込み、接続金具2から伸びるボルト部24を第三押え材8の突出部84の底面部83に設けられた孔部85から突き出させる。そして、第三押え材8の平面部81、81が植栽基盤1の上面部11に載せ、孔部85から突き出たボルト部24に座金73を通し、座金73を第三押え材8の突出部84の底面部83に載置し、座金73より突き出したボルト部24にナット72を螺合する。その結果、第三押え材8を植栽基盤1、1に固定することになり、二列に隣接して並んだ植栽基盤1、1同士を連結する。
【0190】
そして、第一掃除用網である掃除用網53を用いる場合には、図35に示すように、二層構造の網部5内の空間523に掃除用網53を掃除用網53の一方の端部531より挿入する。挿入後に、図35(a)に示すように、上網部52の、第二押え材(長尺材3)6側である、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側を上網部52の縁部52a、52a側で複数箇所(固定位置533、534、535・・・)を針金で縛る。その結果、図35(b)に示すように、掃除用網53は二層構造の網部5内の空間523に下網部51及び上網部52と対向するように配置され、掃除用網53は、下網部51に対向するとともに、上網部52に対向することになる。また、掃除用網53は、横糸55が容易に折れ曲がらない強度を有する素材、本例では樹脂で成形されるため、風が吹くと掃除用網は下網部と上網部の間を上下するだけで、掃除用網がめくり上がり難くなり下網部51の上に掃除用網がない部分が発生し難い。
【0191】
つぎに灌水パイプ9を配置する。灌水パイプ9の配置に際しては、長尺の灌水パイプ9を長尺材3の長手方向と平行な状態にして、灌水パイプ9を一列に並んだ植栽基盤1の上に配置する(図36参照)。本例では、図36(a)に示すように、全ての、一列に並んだ植栽基盤1上の植栽ポット12、12同士の間に長尺の灌水パイプ9が配置され(図36(b)参照)、長尺の灌水パイプ9の長手方向の所々に塗布された接着剤又は針金により植栽基盤1に固定される。また、灌水パイプ9には、図示しない多数の孔部が形成されており、灌水パイプ9内に水を通すと、図示しない多数の孔部より水が飛び出し植栽基盤1の植栽ポット12へ水の供給を行う。
【0192】
植栽基盤1の植栽ポット12へ水の供給が行われることで、図37に示すように、植栽ポット12より蔓性植物10が成長し、植栽基盤1から二層構造の網部5(上網部52)に育っていく。このように、植栽基盤1からの蔓性植物10が植栽基盤1から二層構造の網部5(上網部52)に育っていくことで、二層構造の網部5(上網部52)上に蔓性植物10が繁ることになり、構造物の屋上面100の緑化が行われる。植栽ポット12から成長する蔓性植物10として、本例では冬枯れない植物であるヘデラ類を植栽しているが、ヘデラ類の他に冬枯れない植物であるキヅタ、オオイタビ、ムベ等を植栽することも可能である。また、蔓性植物10としては冬枯れない植物に限定されることなく、冬枯れる植物であるナツヅタ、ノウゼンカズラ類とすることも可能である。
【0193】
上網部52の縁部52a、52a側と掃除用網53の縁部53a、53a側とを複数箇所(固定位置533、534、535・・・)で単に針金により縛っているに過ぎないので針金を解くことにより、上網部52と掃除用網53とを分離し、二層構造の網部5内の空間523から掃除用網53の一方の端部531を引き出す。その結果、二層構造の網部5内へ入り込んだ枯葉等を含むゴミを取り出すことが可能になる。掃除用網53から枯葉等を含むゴミを除去した後、掃除用網53の他方の端部に取り付けられた引戻し紐56、56を引っ張り、掃除用網53を二層構造の網部5内へ挿入し、再び上網部52の、第二押え材(長尺材3)6側である、上網部52の縁部52a、52a側と対向する掃除用網53の縁部53a、53a側を上網部52の縁部52a、52a側で複数箇所(固定位置533、534、535・・・)針金で縛る。
【0194】
なお、接続金具2は、図38(a)に示すように、例えば、折板屋根190に配置する場合には、別の形態をとることも可能である。例えば、山部191の頂面192にハゼ部193が形成された折板屋根190の場合、そのハゼ部193を両側から挟む込む形式の接続金具29を使用することになる。接続金具29は、図38(a)に示すように、略対称な一対の金具片291よりなり、その一対の金具片291を重ね合わせることでハゼ部193を挟み込むことになる。金具片291は、頂面192に対して配置可能なように頂面192に沿って伸びる傾斜した平面状の脚部292が形成されている。脚部292から連続して膨出部293が形成されており、脚部292と膨出部293との間にはくびれた絞り部294が形成されている。
【0195】
膨出部293は、図38(a)に示すように、円弧状の形状をなし、金具片291、291同士を重ね合わせることで中空部295が形成されることになる。膨出部293に連続して平板状に伸びる締結部296が形成されており、締結部296には、ボルト298を挿通させるための孔部297が形成されている。そして、締結部296より略直角に折れ曲がって平板状に伸びる張出部300が形成されている。張出部300に対して垂直に伸びる凸部を形成するために孔部301が形成されている。
【0196】
接続金具29を折板屋根190に配置すると、図38(a)に示すように、一対の金具片291、291同士を重ね合わせ、膨出部293、293が折板屋根190のハゼ部193を挟み込み、膨出部293、293で形成される中空部295内にハゼ部193を収容し、絞り部294、294がハゼ部193の脚部194に当接した状態で挟み込んでいる。また、脚部292、292は頂面192に対して開いた状態で当接することで頂面192に配置されている。さらに、膨出部293、293より伸びる重ね合わされた締結部296、296にはボルト298が孔部297、297を挿通されて、ボルト298にはナット299が螺合されることで一対の金具片291、291が固定されるとともに折板屋根190の頂面192に配置されている。そして、張出部300の孔部301には、棒状部材(凸部)であるボルト部302が組み込まれている。そのボルト部302を張出部300に固定するためにナット303が螺合されている(ボルト部302の頭部とナット303とで張出部300を挟み込んでいる)。
【0197】
接続金具29を用いて構造物の屋上面100である折板屋根190に二層構造の網部5を設ける場合には、接続金具2を用いた場合と同様に、折板屋根190の山部191の長手方向に沿って、図38(a)に示すように複数の接続金具29を配置して接続金具29の列を形成することになる。そして、接続金具29の列には下網部51の縁部51aが配置され、下網部51の縁部51a側の網目が、接続金具29のボルト部303を通り、下網部51の縁部51a側を接続金具29の張出部300に載置されて配置されている。接続金具29の張出部300に長尺材3の底面部34、34を載せると、図38(b)に示すように、接続金具29のボルト部303の先端側が長尺材3の突出部32の先端32aの孔部33から突き出ることになる。
【0198】
接続金具29の張出部300から伸びるボルト部302が上網部52の縁部52a側の網目を通り抜け、上網部52の保持及び位置決めが行われ、ボルト部302には固定部材であるナット71が螺合されている。そして、接続金具29から伸びるボルト部302が第二押え材6(或いは第四押え材65)孔部64(或いは孔部654)から突き出ている。この孔部64(或いは孔部654)から突き出ているボルト部302に通された座金73は平面部61(或いは平面部651)上に載置されており、座金73より突き出したボルト部302にナット72を螺合している。以上のようにして、接続金具29を用いることでも、構造物の屋上面100である折板屋根190に二層構造の網部5を設けることが可能になる。
【0199】
なお、本例では、接続金具2、29に取り付けられた凸部としてナット71等と螺合するボルト部23、24、26、27、302を用いているが、凸部は雄ねじ部が設けられたボルト部23、24、26、27、302に限定されることなく、雄ねじ部が設けられていない単なる棒状部材であっても可能である。その場合には、凸部に通された下網部51、長尺材3等の配置を可能にするためにナット状の雌ねじ部が設けられていない部材(例えば、固定部材)を凸部の先端側に嵌合させることで下網部51、長尺材3等の配置を行うことになる。
【符号の説明】
【0200】
1…植栽基盤、11…上面部、12…植栽ポット、13…底面部、14…側面部
2…接続金具、20…略立方体状の箱体、21…下面部、22…上面部、212、213、23、24、26、27…ボルト部(凸部)、211…本体部、221…蓋部、231…頭部、214、232…ナット、233…座金、215…孔部、216…座金、217…壁面
29…接続金具、291…金具片、292…脚部、293…膨出部、294…絞り部、295…中空部、296…締結部、297…孔部、298…ボルト、299…ナット、300…張出部、301…孔部、302…ボルト部(凸部)、303…ナット
3…長尺材、31…側方端、32…突出部、32a…先端、33…孔部、34…底面部、35…角部
4…第一押え材、41、44…平面部、42…折曲部、43…伸長部、45…孔部
5…二層構造の網部、51…下網部(第一網部)、51a…下網部の縁部、52…上網部(第二網部)、521…小型の上網部、52a…上網部の縁部、522…隙間、523…空間
53…掃除用網、531…一方の端部、532…他方の端部、533、534、535、536…固定位置
54…縦糸、55…横糸、56…引戻し紐
6…第二押え材、61、63…平面部、62…伸長部、64…孔部
65…第四押え材(第二押え材)、651、653…平面部、652…伸長部、654…孔部
71、72…ナット、73…座金、
74…スペーサー、741…中心孔、742、743…端面
75…スペーサー用平板、751…孔部
8…第三押え材、81…平面部、82…折曲部、83…底面部、84…突出部、85…孔部
86…第一通路材、861…側方端、862…突出部、862a…先端、863…孔部、864…底面部
87…第二通路材、871…側方端、862…突出部、863…孔部、864…底面部
9…灌水パイプ
100…構造物の屋上面、100a…構造物の縁部(壁部)
190…折板屋根、191…山部、192…頂面、193…ハゼ部、194…脚部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物に配置された、植栽基盤に連結された二層構造の網部を備えた、植栽基盤を用いた緑化構造において、
前記構造物の屋上面に、間隔を隔てて複数配置することで列を形成し、対向する前記列同士では、各々対向し、前記構造物の屋上面側の上面部に凸部が取り付けられた接続金具と、
対向する、前記接続金具の列の上に配置されることで、前記接続金具の列側の網目が前記接続金具の凸部を通り、前記接続金具の上面部に載置されることで配置され、前記二層構造の網部を形成する、前記構造物の屋上面に沿う方向に設けた第一網部と、
前記第一網部を介して、前記接続金具の列の上に載置された底面部と、該底面部と連続して前記底面部から隆起した突出部とを備え、前記底面部が前記接続金具の列の上に載置されると前記接続金具の凸部が前記突出部の先端に形成された孔部より突き出る、前記接続金具の列の長手方向に沿って伸びた長尺材と、
対向する、前記長尺材の前記突出部に形成された前記孔部より突き出た、前記接続金具の凸部には、前記接続金具の凸部側の網目が前記接続金具の凸部を通り、前記長尺材の先端に載置されることで配置され、前記第一網部と対向して前記第一網部との間に空間を形成して、前記二層構造の網部を形成する、前記構造物の屋上面に沿う方向に設けた、前記第一網部より網目が大きい第二網部と、
対向する前記長尺材の、前記第一網部及び前記第二網部が配置された、前記突出部と前記底面部とでなす角部とは反対側の角部と、対向する前記長尺材の間の前記長尺材の、前記突出部と前記底面部とでなす角部との間に、前記植栽基盤が複数載置されることで、対向する前記長尺材の間の前記長尺材を挟み込んで配置された二列の隣接した植栽基盤の列と、備え、
二列の隣接した前記植栽基盤の列同士の間で、前記植栽基盤の側面部同士に挟み込まれ、水平方向に前記植栽基盤の列の長手方向に沿って形成された底面部と、
前記底面部に連続して、二列の隣接した前記植栽基盤の列同士の上面部に載置され、前記植栽基盤の列の長手方向に形成された平面部と、
前記底面部に設けられた、前記長尺材の突出部の先端から前記接続金具の凸部の先端側が突き出た孔部と、を備える第三押え材が配置されていることを特徴とする植栽基盤を用いた緑化構造。
【請求項2】
構造物に配置された、植栽基盤に連結された二層構造の網部を備えた、植栽基盤を用いた緑化構造において、
前記構造物の屋上面に、間隔を隔てて複数配置することで列を形成し、対向する前記列同士では、各々対向し、前記構造物の屋上面側の上面部に凸部が取り付けられた接続金具と、
対向する、前記接続金具の列の上に配置されることで、前記接続金具の列側の網目が前記接続金具の凸部を通り、前記接続金具の上面部に載置されることで配置され、前記二層構造の網部を形成する、前記構造物の屋上面に沿う方向に設けた第一網部と、
前記第一網部を介して、前記接続金具の列の上に載置された底面部と、該底面部と連続して前記底面部から隆起した突出部とを備え、前記底面部が前記接続金具の列の上に載置されると前記接続金具の凸部が前記突出部の先端に形成された孔部より突き出る、前記接続金具の列の長手方向に沿って伸びた長尺材と、
対向する、前記長尺材の前記突出部に形成された前記孔部より突き出た、前記接続金具の凸部には、前記接続金具の凸部側の網目が前記接続金具の凸部を通り、前記長尺材の先端に載置されることで配置され、前記第一網部と対向して前記第一網部との間に空間を形成して、前記二層構造の網部を形成する、前記構造物の屋上面に沿う方向に設けた、前記第一網部より網目が大きい第二網部と、
対向する前記長尺材の一方の前記長尺材の、前記第一網部及び前記第二網部が配置された、前記突出部と前記底面部とでなす角部とは反対側の角部と、その反対側の角部と対向する、前記第一網部及び前記第二網部が配置されていない他方の前記長尺材の、前記突出部と前記底面部とでなす角部と、対向する前記長尺材の間の前記長尺材の、前記突出部と前記底面部とでなす角部との間に、前記植栽基盤が複数載置されることで、対向する前記長尺材の間の前記長尺材を挟み込んで配置された二列の隣接した植栽基盤の列と、備え、
二列の隣接した前記植栽基盤の列同士の間で、前記植栽基盤の側面部同士に挟み込まれ、水平方向に前記植栽基盤の列の長手方向に沿って形成された底面部と、
前記底面部に連続して、二列の隣接した前記植栽基盤の列同士の上面部に載置され、前記植栽基盤の列の長手方向に形成された平面部と、
前記底面部に設けられた、前記長尺材の突出部の先端から前記接続金具の凸部の先端側が突き出た孔部と、を備える第三押え材が配置されていることを特徴とする植栽基盤を用いた緑化構造。
【請求項3】
前記第一網部と前記第二網部との間に形成された前記空間内で、前記第一網部に対向するとともに前記第二網部に対向し、前記第二網部に着脱可能に取り付けられ、
前記第一網部及び前記第二網部に対向して、前記長尺材の長手方向に沿う方向に設けられた縦糸と、
前記第一網部及び前記第二網部に対向して、前記縦糸と交差して設けられた、前記縦糸より折り曲げ強度がある横糸と、
前記長尺材の長手方向に沿う端部側に取り付けられ、前記長尺材の長手方向に沿う方向に引っ張ることで、前記第一網部及び前記第二網部に対して移動させる引戻し紐と、を備える第一掃除用網を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の植栽基盤を用いた緑化構造。
【請求項4】
前記第二網部は、対向する、前記長尺材の先端より突き出た、前記接続金具の凸部の列には、前記接続金具の凸部側の網目が前記接続金具の凸部の列を通り、前記長尺材の先端側に載置され、前記接続金具の凸部の列方向に沿って、複数配置されることで前記第一網部と対向して前記第一網部との間に前記空間を形成して、前記構造物の屋上面に沿う方向に設けた複数の第二網片からなり、
前記第一網部と、前記第一網部と対向して設けられた前記第二網部との間に、前記第二網片に対向して重なり合うように、前記第二網片に着脱可能に取り付けられ、
前記第一網部及び前記第二網部に対向して、前記長尺材の長手方向に沿うように設けられた縦糸と、
前記第一網部及び前記第二網部に対向して、前記縦糸と交差して設けられた、前記縦糸より折り曲げ強度がある横糸と、を備える第二掃除用網を備えることを特徴する請求項1又は2に記載の植栽基盤を用いた緑化構造。
【請求項5】
前記第一網部と対向して、接続金具の凸部の列方向に沿って、複数の前記第二網片が配置されることで前記第一網部との間に前記空間を形成して、複数の前記第二網片が前記構造物の前記屋上面に沿う方向に設けられ、隣り合う前記第二網片同士の間には隙間が設けられ、前記隙間には、前記第二網片に着脱可能に取り付けられた前記第二掃除用網の、前記長尺材の長手方向に沿う、端部が出ていることを特徴とする請求項4に記載の植栽基盤を用いた緑化構造。
【請求項1】
構造物に配置された、植栽基盤に連結された二層構造の網部を備えた、植栽基盤を用いた緑化構造において、
前記構造物の屋上面に、間隔を隔てて複数配置することで列を形成し、対向する前記列同士では、各々対向し、前記構造物の屋上面側の上面部に凸部が取り付けられた接続金具と、
対向する、前記接続金具の列の上に配置されることで、前記接続金具の列側の網目が前記接続金具の凸部を通り、前記接続金具の上面部に載置されることで配置され、前記二層構造の網部を形成する、前記構造物の屋上面に沿う方向に設けた第一網部と、
前記第一網部を介して、前記接続金具の列の上に載置された底面部と、該底面部と連続して前記底面部から隆起した突出部とを備え、前記底面部が前記接続金具の列の上に載置されると前記接続金具の凸部が前記突出部の先端に形成された孔部より突き出る、前記接続金具の列の長手方向に沿って伸びた長尺材と、
対向する、前記長尺材の前記突出部に形成された前記孔部より突き出た、前記接続金具の凸部には、前記接続金具の凸部側の網目が前記接続金具の凸部を通り、前記長尺材の先端に載置されることで配置され、前記第一網部と対向して前記第一網部との間に空間を形成して、前記二層構造の網部を形成する、前記構造物の屋上面に沿う方向に設けた、前記第一網部より網目が大きい第二網部と、
対向する前記長尺材の、前記第一網部及び前記第二網部が配置された、前記突出部と前記底面部とでなす角部とは反対側の角部と、対向する前記長尺材の間の前記長尺材の、前記突出部と前記底面部とでなす角部との間に、前記植栽基盤が複数載置されることで、対向する前記長尺材の間の前記長尺材を挟み込んで配置された二列の隣接した植栽基盤の列と、備え、
二列の隣接した前記植栽基盤の列同士の間で、前記植栽基盤の側面部同士に挟み込まれ、水平方向に前記植栽基盤の列の長手方向に沿って形成された底面部と、
前記底面部に連続して、二列の隣接した前記植栽基盤の列同士の上面部に載置され、前記植栽基盤の列の長手方向に形成された平面部と、
前記底面部に設けられた、前記長尺材の突出部の先端から前記接続金具の凸部の先端側が突き出た孔部と、を備える第三押え材が配置されていることを特徴とする植栽基盤を用いた緑化構造。
【請求項2】
構造物に配置された、植栽基盤に連結された二層構造の網部を備えた、植栽基盤を用いた緑化構造において、
前記構造物の屋上面に、間隔を隔てて複数配置することで列を形成し、対向する前記列同士では、各々対向し、前記構造物の屋上面側の上面部に凸部が取り付けられた接続金具と、
対向する、前記接続金具の列の上に配置されることで、前記接続金具の列側の網目が前記接続金具の凸部を通り、前記接続金具の上面部に載置されることで配置され、前記二層構造の網部を形成する、前記構造物の屋上面に沿う方向に設けた第一網部と、
前記第一網部を介して、前記接続金具の列の上に載置された底面部と、該底面部と連続して前記底面部から隆起した突出部とを備え、前記底面部が前記接続金具の列の上に載置されると前記接続金具の凸部が前記突出部の先端に形成された孔部より突き出る、前記接続金具の列の長手方向に沿って伸びた長尺材と、
対向する、前記長尺材の前記突出部に形成された前記孔部より突き出た、前記接続金具の凸部には、前記接続金具の凸部側の網目が前記接続金具の凸部を通り、前記長尺材の先端に載置されることで配置され、前記第一網部と対向して前記第一網部との間に空間を形成して、前記二層構造の網部を形成する、前記構造物の屋上面に沿う方向に設けた、前記第一網部より網目が大きい第二網部と、
対向する前記長尺材の一方の前記長尺材の、前記第一網部及び前記第二網部が配置された、前記突出部と前記底面部とでなす角部とは反対側の角部と、その反対側の角部と対向する、前記第一網部及び前記第二網部が配置されていない他方の前記長尺材の、前記突出部と前記底面部とでなす角部と、対向する前記長尺材の間の前記長尺材の、前記突出部と前記底面部とでなす角部との間に、前記植栽基盤が複数載置されることで、対向する前記長尺材の間の前記長尺材を挟み込んで配置された二列の隣接した植栽基盤の列と、備え、
二列の隣接した前記植栽基盤の列同士の間で、前記植栽基盤の側面部同士に挟み込まれ、水平方向に前記植栽基盤の列の長手方向に沿って形成された底面部と、
前記底面部に連続して、二列の隣接した前記植栽基盤の列同士の上面部に載置され、前記植栽基盤の列の長手方向に形成された平面部と、
前記底面部に設けられた、前記長尺材の突出部の先端から前記接続金具の凸部の先端側が突き出た孔部と、を備える第三押え材が配置されていることを特徴とする植栽基盤を用いた緑化構造。
【請求項3】
前記第一網部と前記第二網部との間に形成された前記空間内で、前記第一網部に対向するとともに前記第二網部に対向し、前記第二網部に着脱可能に取り付けられ、
前記第一網部及び前記第二網部に対向して、前記長尺材の長手方向に沿う方向に設けられた縦糸と、
前記第一網部及び前記第二網部に対向して、前記縦糸と交差して設けられた、前記縦糸より折り曲げ強度がある横糸と、
前記長尺材の長手方向に沿う端部側に取り付けられ、前記長尺材の長手方向に沿う方向に引っ張ることで、前記第一網部及び前記第二網部に対して移動させる引戻し紐と、を備える第一掃除用網を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の植栽基盤を用いた緑化構造。
【請求項4】
前記第二網部は、対向する、前記長尺材の先端より突き出た、前記接続金具の凸部の列には、前記接続金具の凸部側の網目が前記接続金具の凸部の列を通り、前記長尺材の先端側に載置され、前記接続金具の凸部の列方向に沿って、複数配置されることで前記第一網部と対向して前記第一網部との間に前記空間を形成して、前記構造物の屋上面に沿う方向に設けた複数の第二網片からなり、
前記第一網部と、前記第一網部と対向して設けられた前記第二網部との間に、前記第二網片に対向して重なり合うように、前記第二網片に着脱可能に取り付けられ、
前記第一網部及び前記第二網部に対向して、前記長尺材の長手方向に沿うように設けられた縦糸と、
前記第一網部及び前記第二網部に対向して、前記縦糸と交差して設けられた、前記縦糸より折り曲げ強度がある横糸と、を備える第二掃除用網を備えることを特徴する請求項1又は2に記載の植栽基盤を用いた緑化構造。
【請求項5】
前記第一網部と対向して、接続金具の凸部の列方向に沿って、複数の前記第二網片が配置されることで前記第一網部との間に前記空間を形成して、複数の前記第二網片が前記構造物の前記屋上面に沿う方向に設けられ、隣り合う前記第二網片同士の間には隙間が設けられ、前記隙間には、前記第二網片に着脱可能に取り付けられた前記第二掃除用網の、前記長尺材の長手方向に沿う、端部が出ていることを特徴とする請求項4に記載の植栽基盤を用いた緑化構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
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【図37】
【図38】
【図39】
【公開番号】特開2011−94(P2011−94A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147893(P2009−147893)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(390014649)日本地工株式会社 (20)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(390014649)日本地工株式会社 (20)
【Fターム(参考)】
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