説明

植栽方法

【課題】施工面における雑草の繁茂を防いで、当該施工面を所望の植物のみで緑化する方法を提供する。
【解決手段】底面が開口し、内部が中空の錐体形状からなり、当該中空の内部に植栽植物2が入れられた植栽ポット1と、施工面4上に敷かれて、施工面4からの雑草の生長を防除すると同時に、植栽植物2のランナーが施工面4に根を下ろすのを許容するシート状の基材であって、扁平な第一の糸と、扁平な第二の糸とからなり、第一の糸は、第二の糸よりも厚手且つ幅広に構成され、第二の糸は、第一の糸よりも薄手且つ幅狭に構成され、第一の糸と第二の糸とが交互に交錯して編み込まれた防草基材を備えた防草シート3とにより、施工面4を植栽植物2により緑化するための植栽方法であって、施工面4に防草シート3を敷設する工程と、植栽ポット1を、頂点側の端部から防草シート3を貫いて施工面4に挿し込む工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防草シートと植栽ポットを用い、雑草の繁茂を防ぐと同時に、施工面に所望の植物を植栽する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、植物の苗木を育成するために様々な育苗ポットや、植栽ポットが開発され実用化されてきた。また、育苗用ポットとして苗を生育させ、かつ移植用ポットとして土中への移植を可能とするポットが提案されていた。
【0003】
例えば、特許文献1には、地中に打ち込みやすくするために、下端部が尖った円錐型形状の筒体であり、材質がプラスチック製樹脂や生分解性プラスチックなどで構成され、苗木や培土の充填が容易にする目的で上記筒体が垂直二分割できる育苗ポットに関する技術が開示されている。
また、特許文献2、特許文献3には、空気中では分解されない紙製ポットであって、移植後の土中において、速やかに紙製ポットの分解を可能とする素材構成に関する技術が開示されている。
また、特許文献4には、活着カプセルであって、生分解性の紙材料により中空形状に形成され、内部に高分子保水材や肥料を充填させ、長期間保水可能な技術が開示されている。
【0004】
一方においては、飛来して来る雑草が発芽して生長することを抑止しながら、育成を希望する植物の生長させる技術が提案されてきた。
例えば、特許文献5には、所定厚さの矩形状の本体部と、前記本体部の隣接する2つの上面を所定幅だけ延設して形成された上面段差部と、前記上面段差部が形成された辺部以外の2つの辺部に前記上面段差部と同じ幅だけ下面を延設して形成された下面段差部とを備え、前記上面段差部及び下面段差部の厚さの合計値は前記本体部の厚さとほぼ同じとなるように設定された緑化用板状パネル材に関する技術が開示されている。また、当該緑化用板状パネルを複数枚平面状に配列し、隣接する前記緑化用板状パネル材の上面段差部及び下面段差部が所定長だけずらして重合した状態となるように敷設されており、このようにずらすことで形成された空き領域を植栽領域とするパネル構造に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4022484号公報
【特許文献2】特開平8−116797号公報
【特許文献3】特開平9−294481号公報
【特許文献4】特開2004−42号公報
【特許文献5】特開2008−307026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に係る育苗ポットは、素材に樹脂製プラスチックや生分解性プラスチックや崩壊性プラスチックを素材とするため、地中で分解までの時間がかかることが問題であった。
また、上記特許文献2、及び特許文献3に係る紙製ポットは、土中における分解が速やかになる構成であって、ポット自体を地面へ打ち込むことを目的とした素材の示唆や開示を行ったものではなかった。
また、上記特許文献4に係る活着カプセルは、地面に置くか、下端部を埋めるため、天候などによって、カプセルが移動してしまい、目的とする場所で育成しない恐れがあった。
【0007】
さらに、上記特許文献1から4記載の技術を単独で用いても、ポット内で植物を育苗させることが出来るに過ぎず、ポットを敷設した場所以外の施工面には、飛来してきた種子による雑草が繁茂するなどして、所望の植物のみで施工面全体をカバーすることはできなかった。
【0008】
一方、上記特許文献5に係るパネル材を施工面に敷設して所望の植物を生長させようとしても、夏などの暑い時期には特に、植物の生長のための水分の揮発や養分の流出が激しく、所望の植物を生長させることが容易でなかった。
【0009】
そこで本発明は、施工面における雑草の繁茂を防いで、当該施工面を所望の植物のみで緑化する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る植栽方法は、底面が開口し、内部が中空の錐体形状からなり、当該中空の内部に植栽を所望する植栽植物が入れられた植栽ポットと、施工面上に敷かれて、施工面からの雑草の生長を防除すると同時に、上記植栽植物のランナーが上記施工面に根を下ろすのを許容するシート状の基材であって、扁平な第一の糸と、扁平な第二の糸とからなり、上記第一の糸は、上記第二の糸よりも厚手且つ幅広に構成され、上記第二の糸は、上記第一の糸よりも薄手且つ幅狭に構成され、上記第一の糸と上記第二の糸とが交互に交錯して編み込まれた防草基材と、により、上記施工面を上記植栽植物により緑化するための植栽方法であって、上記施工面に上記防草基材を敷設する工程と、上記植栽ポットを、頂点側の端部から上記防草基材を貫いて上記施工面に挿し込む工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、上記防草基材には、上記植栽ポットを上記施工面に挿し込むための貫通孔が形成されているものとしてもよい。
【0012】
また、上記植栽ポットは紙製であるものとしてもよい。
【0013】
また、上記植栽ポットは、1枚の紙を円錐形状に巻いて形成され、上記円錐形の頂点部分に、紙を巻いた際に形成された孔を塞ぐための球体が配置されているものとしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、施工面における雑草の繁茂を防ぐと共に、所望の植物の生長に必要な水分や養分を保持して当該植物を生長させ、当該施工面を所望の植物のみで緑化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る植栽方法を施工した施工面を示す外観斜視図である。
【図2】本実施形態に係る植栽方法に用いられる植栽ポットの外観を示す斜視図である。
【図3】本実施形態に係る植栽方法に用いられる防草シートの積層構造を示す模式図である。
【図4】本実施形態に係る植栽方法に用いられる防草シートを構成する間隙形成基材の外観を示す斜視図である。
【図5】本実施形態に係る植栽方法に用いられる防草シートを構成する防草基材の外観を示す斜視図である。
【図6】本実施形態に係る植栽方法において、施工面に挿し込まれた植栽ポットとその周辺部を示す断面図である。
【図7】本実施形態に係る植栽方法に用いられる防草シートを構成する防草基材の他の例の外観を示す斜視図である。
【図8】本実施形態に係る植栽方法に用いられる防草シートを構成する防草基材の他の例において(a)外観を示す斜視図、(b)断面図である。
【図9】本実施形態に係る植栽方法に用いられる植栽ポットの他の例の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明を行う。
図1は、本実施形態に係る植栽方法を施工面4に従って、施工面4に防草シート3を敷設すると共に、所望の植栽植物2を植えた植栽ポット1を施工面4に挿し込んだ状態を示している。
施工面4上に敷設された防草シート3には、所々に植栽ポット1を挿し込むための貫通孔3aが形成されており、この貫通孔3aを介して、施工面4に植栽ポット1が挿し込まれている。なお、植栽ポット1を挿し込むための貫通孔3aは、予め設けておいてもよいし、植栽ポット1を挿し込む際に設けてもよい。
【0017】
ここで、施工面4は例えば、土壌、砂利や砕石等が堆積した地面等である。
また、植栽植物2は、生長した植物そのものや、当該植物の根や茎などであり、いわゆる株分けによって繁茂する。植栽植物2の種類は特に限定されるものではないが、いわゆるグランドカバーとしては、生長が早く耐踏性に優れたリピアなどが好適である。
【0018】
植栽ポット1は、図2に示されるように、内部が中空の円錐形状からなり、当該円錐形状の底面を形成する円部分は開口し、頂点側の先端部分が閉じた形状をしている。植栽ポット1内には、培土等と共に植栽植物2が入れられ、先端部分から、防草シート3の貫通孔3aを介して施工面4に挿し込まれる。
【0019】
植栽ポット1の材料には、天然繊維や、パルプ繊維などの紙が用いられる。そして、植栽ポット1を構成する紙は、植栽ポット1を地中に挿し込む際に、十分に地中へ挿し込める強度を有していればよい。
また、植栽ポット1は例えば、紙などのパルプ繊維により構成された紙製部材を用いて丸めることで、円錐型形状を形成して作製することができる。または、射出成型により円錐型形状である紙製の植栽ポット1を作製することもできる。
【0020】
防草シート3は、図3に示されるように、UVシート31、間隙形成基材32、防草基材33、ウールマット34を順次、積層させた多層構造からなる。
この防草シート3には、所定の箇所に、UVシート31、間隙形成基材32、防草基材33、及びウールマット34を一気に貫通した貫通孔3aが形成されており、この貫通孔3aを介して、植栽ポット1が施工面4に挿し込まれる。なお、貫通孔3aは予め設けなくても、植栽ポット1を施工面4に挿し込む際に設けるものとしてもよい。
【0021】
UVシート31は、施工面4に降り注ぐ紫外線(UV)を遮断するシートである。このUVシート31には、細かな孔31aが多数設けられている。この孔31aは、植栽ポット1中の植栽植物2のランナーを、施工面4に到達させるために形成されている。植栽植物2のランナーは、孔31aからUVシート31の下面側へ潜り込んで、施工面4に向かって伸長する。
【0022】
間隙形成基材32は、飛来してくる雑草の種子により、雑草が繁茂するのを防ぐために用いられるシート状の基材である。
図4に示されるように、この間隙形成基材4は一定の厚みを有し、表面から裏面へ貫通した小さな孔32aが全面に設けられている。
【0023】
全面に設けられた孔32aは、飛来してくる各種の雑草の種子が貫通不可能な程度に目を細かくして形成されている。また、植栽植物2のランナーは、孔32aを介して、上面から施工面4側へ伸長する。
【0024】
また、間隙形成基材32は保水性のない素材によって構成されている。具体的には、ナイロン系の樹脂が用いられる。
【0025】
このような構成からなる間隙形成基材32を敷設することで、間隙形成基材32上に、飛来してきた雑草の種子が着地した場合であっても、この種子は孔32aを通過することができず、施工面4に到達しない。この結果、施工面4上で、当該飛来してきた種子により雑草が繁茂するのを防ぐことができる。
また、間隙形成基材32が、一定の厚みを有し、保水性のない素材で構成されていることから、施工面4から毛管現象によって水が伝うことがない。そのため、間隙形成基材32上に着地した種子に、施工面4から水分が供給されず、種子の発芽が妨げられる。
【0026】
防草基材33は、施工面4上において、植栽ポット1内の植栽植物2から伸び出たランナーが根を生やして繁茂するのを許容する一方、施工面4から伸長してくる雑草の繁茂を防除する基材である。
この防草基材33は、図5に示されるように、複数本の糸33aと糸33bとが、緯方向ないし経方向に格子状ないしは網目状に編み込まれると共に、交互に交錯している。
【0027】
糸33aは、糸33bに比して、厚手で、幅広な扁平糸である。
糸33aの素材としては例えば、ポリプロピレンなどの各種高分子材料を用いることができるが、とりわけポリ乳酸等の生分解性の高分子材料を用いれば、環境にやさしく好適である。
【0028】
糸33bは、糸33aに比して、薄手で幅狭な扁平糸である。
糸33bの素材も糸33aと同様に、ポリプロピレンなどの各種高分子材料を用いることができるが、とりわけポリ乳酸等の生分解性の高分子材料を用いれば、環境にやさしく好適である。
【0029】
このような糸33aと糸33bは、交互に交錯して織り込まれ、全体としてシート形状の防草基材33を形成する。ここで、糸33aと糸33bを編み込んで構成される防草基材33の網目の大きさは、例えば1mm程度である。
また、編み込まれた糸33aと糸33bの間であって、一の糸33a又は糸33bが夫々、別の糸33b又は糸33aに潜り込む部分には、水平方向に僅かな隙間が形成されている。
【0030】
以上の構成からなる防草基材33により、施工面4から伸び出る雑草が真っ直ぐ直上に伸びようとしても、糸33aと糸33bとによって形成されたシート状の面にぶつかって、伸長を妨げられる。
一方、植栽ポット1から伸び出てきた植栽植物2のランナーは、防草基材33上において、直下のみならず、水平方向など多方向に伸び出るため、糸33aと糸33bとによって形成された水平方向の隙間を介して、あるいはこの隙間を押し広げて、防草基材33の下面側へ伸長し、施工面4に根を下ろすことができる。
【0031】
ウールマット34は、植栽植物の成形培地である。このウールマット34は例えばロックウールマットであり、ケイ酸等を主成分とした岩石を高温溶融した後に繊維状にし、シート状に成型したものである。
【0032】
以上の植栽ポット1と防草シート3を用いる場合にはまず、図6に示されるように、ポット内に培養土11、泥炭12、及び保水材13と共に所望の植栽植物2を一緒に入れる。
ここで、保水材13は例えば、水溶性モノマーの重合体である吸水性ポリマーであって、例えば、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、カルボキシメチルセルロース架橋体、架橋ポリアクリル酸(塩)、アクリル酸(塩)−ビニルアルコール共重合体および架橋ポリエチレンオキシド等である。
この保水材13により水分を保持して、植栽植物2の生長を促すことが出来る。
【0033】
それから、施工面4上に防草シート3を敷いた上、防草シート3に形成されている貫通孔3aを介して、植栽ポット1を、尖った先端部分から施工面4に挿し込む。なお、防草シート3に予め貫通孔3aを設けない場合には、植栽ポット1を挿し込む際に、所定の箇所に貫通孔3aを設ける。
【0034】
防草シート3に形成された貫通孔3aを介して施工面4に挿し込まれた植栽ポット1内では、備え付けから一定期間は、植栽植物2の成長に必要な水分や養分が、培養土11、泥炭12、及び保水材13によって保持され、これにより植栽植物2は生長する。
また、植栽植物2が一定程度生育した頃には、植栽ポット1が紙製であるために地中において生分解される。これにより、植栽ポット1が植栽植物2の生育を妨げることがない。
さらに、生長した植栽植物2のランナー(匍匐茎)は防草シート3上を這って伸び、植栽ポット1から離れた場所において、防草シート3を介して施工面4に根を下ろす。
このように、ランナーが多数伸長して根を下ろすことで、施工面4上が緑化する。
【0035】
以上において、防草シート3を構成した防草基材33は、図7に示されるような構造からなるものであってもよい。
図7に示される防草基材5は、前述した防草基材33とは異なり、複数本の緯糸5aと経糸5bとが夫々、緯方向ないし経方向に格子状ないしは網目状に編み込まれると共に、交互に交錯している。
【0036】
緯糸5aは、経糸5bに比して、厚手で、幅広な扁平糸であり、緯方向に編み込まれている。
緯糸5aの素材としては例えば、ポリプロピレンなどの各種高分子材料を用いることができるが、とりわけポリ乳酸等の生分解性の高分子材料を用いれば、環境にやさしく好適である。
【0037】
経糸5bは、糸1aに比して、薄手で幅狭な扁平糸であり、経方向に編み込まれている。
経糸5bの素材も緯糸5aと同様に、ポリプロピレンなどの各種高分子材料を用いることができるが、とりわけポリ乳酸等の生分解性の高分子材料を用いれば、環境にやさしく好適である。
【0038】
このような緯糸5aと経糸5bは、交互に交錯して織り込まれ、全体としてシート形状の防草基材5を形成する。ここで、緯糸5aと経糸5bを編み込んで構成される防草基材5の網目の大きさは、例えば1mm程度である。
また、隣り合う緯糸5aないしは経糸5b同士の間であって、一の緯糸5aないしは経糸5bが、別の経糸5bないしは緯糸5aに潜り込む部分には、水平方向に僅かな隙間が形成されている。
【0039】
以上の構成からなる防草基材5によっても、防草基材33と同様に、施工面4側から伸び出る雑草は、真っ直ぐ直上に伸びようとするが、緯糸5aと経糸5bとによって形成されたシート状の面にぶつかって、伸長を妨げられる。
一方、防草基材5の上方から来る植栽植物4のランナーは、直下のみならず、水平方向など多方向に伸び出るため、緯糸5aと経糸5bとによって形成された水平方向の隙間を介して、あるいはこの隙間を押し広げて、防草基材5の下面側へ伸長し、施工面4に根を下ろすことができる。
【0040】
さらに、防草基材33は、図8に示されるような構造からなるものとしてもよい。
即ち、図8に示される防草基材6は、幅方向に湾曲した略平板長尺状の構成部材61を複数、側端部を幅方向に順次重ね合わせてなる。
側端部には、縫着孔61aが設けられており、縫着孔61aを介して、隣り合う構成部材61同士が糸62で縫着されている。なお、各構成部材61は、凸面側ないし凹面側を同一の方向に向けて縫着されている。
【0041】
防草基材6は、各構成部材61の湾曲凸面側を施工面4側に向けた状態で、防草シート3を構成する。
この防草基材6によれば、施工面4側から伸び出る雑草は、各構成部材61の凸面側にぶつかるが、雑草が構成部材61を押し上げる力は、各構成部材61内において圧縮応力に変わる。この結果、施工面4側から伸び出した雑草は施工面4へ押し戻される。
一方、各構成部材61の上方から来る植栽植物2のランナーは、水平方向から各構成部材61の間を押し広げて防草基材6の下面側へ伸び出し、施工面4へ到達する。
【0042】
また、植栽ポット1の他の構成例として、植栽ポット7を図9に示す。
植栽ポット7は、植栽ポット1と同様に、円錐型形状からなり、当該円錐型の底面を形成する円部分が開口しているが、先端部分は開口した形状をしている。
【0043】
なお、植栽ポット7の材料には、植栽ポット1と同様に、天然繊維や、パルプ繊維などの紙が用いられる。そして、植栽ポット1を構成する紙は、植栽ポット1を地中に挿し込む際に、十分に地中へ挿し込める強度を有していればよい。
また、植栽ポット7は例えば、紙などのパルプ繊維により構成された紙製部材を用いて丸めることで、円錐型形状を形成して作製することができる。または、射出成型により円錐型形状である紙製の植栽ポット7を作製することもできる。
【0044】
この植栽ポット7を用いる場合にはまず、植栽ポット7の先端の開口部の直径よりも直径が大きいセラミックボール8を1粒、植栽ポット7の上端開口部から投入する。これにより、植栽ポット7の下端開口部を塞ぐ。
なお、セラミックボール8は多孔性を有していてもよい。続いて、ポット内に培養土11、泥炭12、及び保水材13と共に所望の植栽植物2を一緒に入れる。
【0045】
このように植栽ポット7に植栽植物2を入れた後に、施工面4上に敷いた防草シート3の貫通孔3aを介して、施工面4上に植栽ポット7を挿し込む。
【0046】
以上のような植栽ポット7においても、植栽ポット1を用いた場合と同様、施工面4に挿し込まれた植栽ポット1においては、備え付けから一定期間は、ポット内の培養土11、泥炭12、及び保水材13によって養分や水分が植栽植物2に供給され、植栽植物2にとって好適な生育環境が維持される。そして、植栽植物2が一定程度生育した頃には、植栽ポット1は紙製であるために地中において生分解され、これにより、植栽ポット1が植栽植物2の生育を妨げることがない。
【0047】
なお、以上の本発明の実施形態においては、植栽ポット1、7は円錐形状としたが、これに限らず、三角錐形状や四角錐形状など、各種の錐体形状としてもよい。
また、本実施形態においては、防草シート3は、UVシート31、間隙形成基材32、防草基材33、及びウールマット34を順次積層させてなるが、施工面4からの雑草の伸長を防止するためには、少なくとも防草基材33を備えていればよく、防草シート3として、防草基材33のみを施工面4に敷いてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 植栽ポット
11 培養土
12 泥炭
13 保水材
2 植栽植物
3 防草シート
3a 貫通孔
31 UVシート
31a 孔
32 間隙形成基材
33 防草基材
34 ウールマット
4 施工面
5 防草基材
5a 緯糸
5b 経糸
6 防草基材
61 構成部材
61a 縫着孔
7 植栽ポット
8 セラミックボール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面が開口し、内部が中空の錐体形状からなり、当該中空の内部に植栽を所望する植栽植物が入れられた植栽ポットと、
施工面上に敷かれて、施工面からの雑草の生長を防除すると同時に、上記植栽植物のランナーが上記施工面に根を下ろすのを許容するシート状の基材であって、扁平な第一の糸と、扁平な第二の糸とからなり、上記第一の糸は、上記第二の糸よりも厚手且つ幅広に構成され、上記第二の糸は、上記第一の糸よりも薄手且つ幅狭に構成され、上記第一の糸と上記第二の糸とが交互に交錯して編み込まれた防草基材と、により、上記施工面を上記植栽植物により緑化するための植栽方法であって、
上記施工面に上記防草基材を敷設する工程と、
上記植栽ポットを、頂点側の端部から上記防草基材を貫いて上記施工面に挿し込む工程と、を有する、
ことを特徴とする植栽方法。
【請求項2】
上記防草基材には、上記植栽ポットを上記施工面に挿し込むための貫通孔が形成されている、
請求項1記載の植栽方法。
【請求項3】
上記植栽ポットは紙製である、
請求項1又は2記載の植栽方法。
【請求項4】
上記植栽ポットは、1枚の紙を円錐形状に巻いて形成され、
上記円錐形の頂点部分に、紙を巻いた際に形成された孔を塞ぐための球体が配置されている、
請求項1乃至3いずれかの項に記載の植栽方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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