説明

植物の液胞におけるアルミニウム集積に関わる遺伝子及び当該遺伝子がコードするタンパク質

【課題】アルミニウムの高蓄積に寄与する、Al無毒化機構に関与するタンパク質及びその遺伝子を同定し、その遺伝子の利用方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム高集積植物であるアジサイから、ガク片由来cDNAライブラリーを作製し、その遺伝子配列の解析とマイクロアレイ解析による発現差をみてアルミニウム集積に関わる遺伝子の候補を絞り、アルミニウム感受性出芽酵母株を用いたアルミニウム耐性試験により、アジサイ由来のアルミニウム集積遺伝子を同定した。その配列を特定するとともに、出芽酵母Al耐性能を高めることを確認した。その結果、細胞内Alの無毒化に寄与する液胞膜アルミニウム輸送体タンパク質の遺伝子を同定し、新規遺伝子として単離した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム集積に関与する新規遺伝子およびその利用に関するものであり、より詳細にはアルミニウム高集積植物であるアジサイから単離されたアルミニウムを集積する遺伝子およびその利用に関すものである。
【背景技術】
【0002】
酸性土壌は、世界の耕地面積の約4割を占めており、日本を含め、中国、東南アジア、オーストラリア、北米、南米と世界に広がっている。酸性土壌は、植物の生育を阻害することが問題となる土壌である。酸性土壌では、pHが低く、アルミニウムイオンが可溶化する環境であり、植物の根の周辺にはアルミニウムイオンが溶け出している。植物の生育阻害は、アルミニウム毒性によって引き起こされる。アルミニウムイオンは、低濃度(数μM)でも、すばやく根の伸張阻害を引き起こし、根からの養水分の吸収を阻害する。その結果、植物が、様々なストレスに弱くなる。このため、酸性土壌での植物の生産性は、非常に低い。
【0003】
アルミニウムによる生育阻害は、植物の種類によって異なる。つまり、植物の種類によって、アルミニウム耐性は大きく異なる。その中でも、アルミニウムを高濃度に植物体内に集積するものがあり、アジサイ、ソバ、チャがそれに当たる。
【0004】
アルミニウム耐性は、植物により異なり、その耐性度によりその機構も異なることが推察される。しかしながら、その機構は、イネ科植物で得られたように、主に根より有機酸を分泌し、アルミニウムの細胞内への侵入を防ぐというもののみである。
【0005】
食糧となるイネ科植物の生産量が多い地域は、酸性土壌であることが多い。例えば、強酸性である酸性硫酸塩土壌は、水稲栽培地域および陸稲栽培地域であることが多い。このため、生産性が、非常に低くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−105164号公報
【特許文献2】特開2008−54532号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】International Reviews of Cytology, (2000) 200, 1-46
【非特許文献2】Annual Review of Plant Biology, (2004) 55(1), 459-93
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、酸性土壌での植物の生産性を向上するために、アルミニウムの毒性を緩和するために土壌から除去して積極的に植物体内に集積する植物の作出が求められる。
アルミニウムを高濃度に集積する植物の無毒化機構を明らかにすることは、土壌からアルミニウムを除去し、植物の生産性を向上させることにつながる。これまでに報告されたものとしては、高濃度に集積する植物、アジサイ、ソバ、チャの葉で有機酸とアルミニウムの錯体形成が示唆されたということのみである。その無毒化機構に関わる遺伝子はまだ同定されていない。
【0009】
アジサイは酸性土壌に耐性を持ちアルミニウムを高濃度に集積する植物種である。しかし、この耐性と高集積に耐えうるために寄与する遺伝子は、まだ同定されていない。このため、アジサイのアルミニウム集積に寄与遺伝子を同定することができれば、酸性土壌に耐え、土壌からアルミニウムを積極的に除去し高集積の機能を付与した形質転換体の作製およびその利用によるアルミニウム除去方法を提供できる。
【0010】
本発明の目的は、アジサイのアルミニウム集積に関与する遺伝子を同定し、その遺伝子の利用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、これまでに取得されていなかったアルミニウム集積に関与する遺伝子について鋭意に検討した。その結果、アジサイガク片由来cDNAライブラリーを作製し、その遺伝子配列の解析とマイクロアレイ解析による発現差をみてアルミニウム集積に関わる遺伝子の候補を絞り、アルミニウム感受性出芽酵母株を用いたアルミニウム耐性試験により、アジサイ由来のアルミニウム集積遺伝子を同定し、その配列を特定するとともに、出芽酵母Al耐性能を高めることを確認した。本発明はこれらの知見に基づき完成したものである。
【0012】
すなわち、本発明にかかるポリヌクレオチドは、上記の課題を解決するために、アルミニウム集積に関与するポリヌクレオチドであって、下記の(a)または(b)のポリヌクレオチド:
(a)配列番号1に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(b)以下の(i)もしくは(ii)のいずれかとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド:
(i)配列番号1に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド;もしくは
(ii)配列番号1に示される塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドからなることを特徴としている。
【0013】
ここで、本発明において、上記「アルミニウム集積」とは、アルミニウム存在下においても正常に成長でき得る植物の能力のことである。「アルミニウム」は、イオン化されているものでも、塩を形成しているものであってもよい。また、「アルミニウム」は、アルミニウムおよびアルミニウムを含む化合物を示すものとする。「アルミニウム集積に関与する」とは、アルミニウム集積能を有する(付与する)ことを示す。
【0014】
上記のポリヌクレオチドによれば、アルミニウム集積に関与するポリペプチドを翻訳産物として得ることができる。
本発明にかかるポリペプチドは、上記の課題を解決するために、アルミニウム集積に関与するポリペプチドであって、
下記の(a)または(b)のポリペプチド:
(a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、もしくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであることを特徴としている。
【0015】
上記のポリペプチドによれば、アルミニウムに加えて、鉄、鉛、あるいはその両方を液胞に集積し、無毒化を付与することができる。
本発明にかかるポリヌクレオチドは、上記いずれかのポリペプチドをコードするものであってもよい。上記のポリヌクレオチドによれば、アルミニウム集積に関与するポリペプチドを、翻訳産物として得ることができる。なお、このポリヌクレオチドとしては、例えば、前述した、上記(a)または(b)のポリヌクレオチド等が挙げられる。
【0016】
本発明にかかる組換え発現ベクターは、上記の何れかのポリヌクレオチドを含むものである。
本発明にかかる形質転換体は、上記のポリヌクレオチドまたは上記の組換え発現ベクターが導入されており、かつ、アルミニウム集積に関与するポリペプチドを発現しているものである。
【0017】
また、本発明にかかる形質転換体は、下記の(a)または(b)のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが導入されており、かつ、アルミニウム集積に関与するポリペプチドを発現してなるものである
(a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、もしくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチド。
【0018】
また、本発明にかかる形質転換体を用いてアルミニウムに加えて、鉄、鉛、又はその両方を該形形質転換体に蓄積することを特徴とする、土壌の浄化方法。
ここで、上記ポリヌクレオチドは、アルミニウム集積に関与するポリヌクレオチドであるため、上記形質転換体は、植物(形質転換植物)であることが好ましい。
【0019】
アルミニウム集積が高められた形質転換体は、アルミニウムによる生育阻害が低減されるため、酸性土壌での生産性を高めることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明にかかるポリヌクレオチドによれば、アルミニウム集積性に関与するポリペプチドを産生することによって、アルミニウム無毒化を付与することができる。本発明のポリヌクレオチドまたは当該ポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクターが導入された本発明の形質転換体には、アルミニウム無毒化が付与されるため、アルミニウムによる生育阻害を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】アジサイガク片の色付き具合の異なる3つのステージを示すものである。
【図2】アルミニウム集積能を持つ候補遺伝子を形質転換した分裂酵母のアルミニウムによる固形培地での生育阻害を示すものである。
【図3】アルミニウム集積能を持つ候補遺伝子を形質転換した分裂酵母のアアルミニウムによる液体培地での生育阻害を示すグラフである。
【図4】Al-2遺伝子産物と同じタンパク質ファミリーに属し、元素の輸送体と同定されているものとAl-2タンパク質との配列の比較を示す図である。
【図5】Al-2遺伝子の組織別、ガク片の異なるステージ別の発現量を示す図である。
【図6】Al-2タンパク質の局在部位を示す図である。
【図7】Al-2タンパク質の(半)金属の集積能を示す図である。
【図8】Al-2タンパク質の(半)金属の集積能を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本発明は、これに限定されるものではない。なお、配列番号1は、アルミニウム高集積植物アジサイに由来するアルミニウム集積遺伝子である。配列番号2は、配列番号1の遺伝子にコードされるタンパク質のアミノ酸配列である。
【0023】
(1)本発明にかかるポリヌクレオチド
本発明にかかるポリヌクレオチドは、アルミニウム集積に関与するポリペプチドをコードするものである。
【0024】
ここで、上記「ポリヌクレオチド」は、「核酸」または「核酸分子」とも換言でき、ヌクレオチドの重合体が意図されている。また、「塩基配列」は、「核酸配列」または「ヌクレオチド配列」とも換言でき、デオキシリボヌクレオチド(A、G、CおよびTと省略される)の配列として示される。また、「配列番号1に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド」とは、配列番号1の各デオキシヌクレオチドA、G、Cおよび/またはTによって示される配列からなるポリヌクレオチドを示している。
【0025】
本発明にかかるポリヌクレオチドは、RNA(例えば、mRNA)の形態、またはDNAの形態(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)で存在し得る。DNAは、二本鎖であっても、一本鎖であってもよい。一本鎖DNAまたはRNAは、コード鎖(センス鎖としても知られる)であっても、非コード鎖(アンチセンス鎖としても知られる)であってもよい。
【0026】
本発明にかかるポリヌクレオチドは、アルミニウム集積に関与するポリヌクレオチドであって、下記の(a)または(b)のポリヌクレオチドである。
(a)配列番号1に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(b)以下の(i)もしくは(ii)のいずれかとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド:
(i)配列番号1に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド;もしくは
(ii)配列番号1に示される塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド。
【0027】
上記(a)または(b)のポリヌクレオチドは、アルミニウム集積に関与するポリヌクレオチドである。
上記「ストリンジェントな条件」とは、少なくとも90%の同一性、好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97%の同一性が配列間に存在するときにのみハイブリダイゼーションが起こることを意味し、例えば、60℃で2×SSC 洗浄条件下で結合することを意味する。上記ハイブリダイゼーションは、「Molecular Cloning (Third Edition)」 (J. Sambrook & D. W. Russell, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2001) に記載されている方法等、従来公知の方法で行うことができる。通常、温度が高いほど、塩濃度が低いほどストリンジェンシーは高くなる。
【0028】
上記のポリヌクレオチドのうち、配列番号1に示される塩基配列からなるポリヌクレオチドは、アジサイにおいて初めて同定された、アルミニウム集積に関与する遺伝子である。すなわち、配列番号1のポリヌクレオチドは、アルミニウム高集積植物アジサイに由来するアルミニウム集積遺伝子の塩基配列(cDNA配列)である。
【0029】
本発明にかかるポリヌクレオチドは、アルミニウム集積に関与するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドであって、以下の(a)または(b)のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0030】
(a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、もしくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチド。
【0031】
上記「1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、もしくは付加された」とは、部位特異的突然変異誘発法等の公知の変異ポリペプチド作製法により欠失、置換、もしくは付加ができる程度の数(例えば20個以下、好ましくは10個以下、より好ましくは7個以下、さらに好ましくは5個以下、特に好ましくは3個以下)のアミノ酸が置換、欠失、もしくは付加されることを意味する。このような変異ポリペプチドは、公知の変異ポリペプチド作製法により人為的に導入された変異を有するポリペプチドに限定されるものではなく、天然に存在する同様の変異ポリペプチドを単離精製したものであってもよい。
【0032】
配列番号2は、本発明が見出したアルミニウム集積に関与するポリペプチドである。このポリペプチドは、例えば、配列番号1に示される遺伝子(アルミニウム集積遺伝子)にコードされる。
【0033】
なお、本発明にかかるポリヌクレオチドは、上記ポリヌクレオチドのフラグメントであるオリゴヌクレオチドであってもよい。ここで、このオリゴヌクレオチドは、本発明のポリヌクレオチドと同様に、2本鎖DNAのみならず、それを構成するセンス鎖(コード鎖)およびアンチセンス鎖(非コード鎖)といった各1本鎖DNAやRNA(例えば、mRNA)を包含する。また、DNAには例えばクローニングや化学合成技術またはそれらの組み合わせで得られるようなcDNAやゲノムDNAなどが含まれる。
【0034】
さらに、本発明にかかるポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドは、非翻訳領域(UTR)の配列やベクター配列(発現ベクター配列を含む)などの配列を含むものであってもよい。例えば、配列番号1に示すcDNA配列は、配列番号2に示すポリペプチドのORF(Open Reading Frame)である。
【0035】
本発明にかかるポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドを取得する方法として、公知の技術により、本発明にかかるポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドを含むDNA断片を単離し、クローニングする方法が挙げられる。例えば、本発明におけるポリヌクレオチドの塩基配列の一部と特異的にハイブリダイズするプローブを調製し、ゲノムDNAライブラリーやcDNAライブラリーをスクリーニングすればよい。このようなプローブとしては、本発明にかかるポリヌクレオチドの塩基配列またはその相補配列の少なくとも一部に特異的にハイブリダイズするプローブであれば、いずれの配列および/または長さのものを用いてもよい。これにより、確実にアルミニウム集積に関与する遺伝子を取得できる。
【0036】
また、本発明にかかるポリヌクレオチドを取得する方法として、PCR等の増幅手段を用いる方法を挙げることができる。例えば、本発明におけるポリヌクレオチドのcDNAのうち、5’側および3’側の配列(またはその相補配列)の中からそれぞれプライマーを調製し、これらプライマーを用いてゲノムDNA(またはcDNA)等を鋳型にしてPCR等を行い、両プライマー間に挟まれるDNA領域を増幅することで、本発明にかかるポリヌクレオチドを含むDNA断片を大量に取得できる。
【0037】
本発明にかかるポリヌクレオチドを取得するための供給源としては、特に限定されないが、アルミニウム高集積植物であることが好ましい。後述する実施例においては、アジサイから本発明にかかるポリヌクレオチドの1つを取得しているが、これに限定されるものではない。
【0038】
なお、本発明にかかるポリヌクレオチドは、これまでに明らかにされてこなかった、植物(特にアジサイ)のアルミニウム集積メカニズムの解明に利用することができる。
(2)本発明にかかるポリペプチド
本発明にかかるポリペプチドは、上記(1)に記載したポリヌクレオチドの翻訳産物であり、少なくともアルミニウム集積に関与するものである。
【0039】
ここで、上記「ポリペプチド」は、「ペプチド」または「タンパク質」とも換言できる。また、ポリペプチドの「フラグメント」は、当該ポリペプチドの部分断片を示している。
【0040】
本発明にかかるポリペプチドは、天然供給源より単離されても、化学合成されてもよい。ここで、「単離された」ポリペプチドまたはタンパク質は、その天然の環境から取り出されたポリペプチドまたはタンパク質を示す。例えば、宿主細胞中で発現された組換え産生されたポリペプチドおよびタンパク質は、任意の適切な技術によって実質的に精製されている天然または組換えのポリペプチドおよびタンパク質と同様に、単離されたものとする。
【0041】
本発明にかかるポリペプチドは、天然の精製産物、化学合成手順の産物、および原核生物宿主または真核生物宿主(例えば、細菌細胞、酵母細胞、高等植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞を含む)から組換え技術によって産生された産物を含む。組換え産生手順において用いられる宿主によっては、本発明にかかるポリペプチドは、グリコシル化など、糖鎖修飾される場合もある。本発明にかかるポリペプチドには、このような修飾されたポリペプチドも含まれる。
【0042】
本発明にかかるポリペプチドとしては、例えば、少なくともアルミニウム集積に関与するポリペプチドであって、以下の(a)または(b)のポリペプチドである。
(a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、もしくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドである。
【0043】
配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドは、遺伝子にコードされる252アミノ酸からなるタンパク質である。配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドは、例えば、配列番号1に示される塩基配列からなるポリヌクレオチドの翻訳産物である。
【0044】
また、上記ポリペプチドは、アミノ酸がペプチド結合してなるポリペプチドであればよいが、これに限定されるものではなく、ポリペプチド以外の構造を含むものであってもよい。ここでいうポリペプチド以外の構造としては、糖鎖やイソプレノイド基等を挙げることができるが、特に限定されるものではない。
【0045】
(3)本発明にかかる組換え発現ベクターおよびその利用
本発明にかかる組換え発現ベクターは、上記(1)に記載した本発明にかかるポリヌクレオチドを含むものであれば、特に限定されるものではない。例えば、配列番号1〜2に示すcDNAが挿入された組換え発現ベクターが挙げられる。組換え発現ベクターの作製には、プラスミド、ファージ、またはコスミドなどを用いることができるが特に限定されるものではない。また、作製方法も公知の方法を用いて行えばよい。
【0046】
ベクターの具体的な種類は特に限定されるものではなく、ホスト細胞中で発現可能なベクターを適宜選択すればよい。すなわち、ホスト細胞の種類に応じて、確実に遺伝子を発現させるために適宜プロモーター配列を選択し、これと本発明にかかるポリヌクレオチドを各種プラスミド等に組み込んだものを発現ベクターとして用いればよい。
【0047】
上記ホスト細胞は、特に限定されるものではなく、従来公知の各種細胞を好適に用いることができる。具体的には、例えば、イネ,オオムギ,きゅうり,アブラナ,またはトマト等を挙げることができるが、特に限定されるものではない。
【0048】
上記発現ベクターをホスト細胞に導入する方法、すなわち形質転換方法も特に限定されるものではなく、アグロバクテリウム感染法、電気穿孔法(エレクトロポレーション法)、リン酸カルシウム法、プロトプラスト法、酢酸リチウム法、およびパーティクルガン法等の従来公知の方法を好適に用いることができる。
【0049】
(5)本発明にかかる形質転換体およびその生産方法
本発明にかかる形質転換体は、上記(1)に記載した本発明にかかるポリヌクレオチド、または、上記(4)に記載の組換え発現ベクターが導入されており、かつ、アルミニウム集積に関与するポリペプチドが発現している形質転換体であれば、特に限定されるものではない。ここで「形質転換体」とは、細胞・組織・器官のみならず、生物個体を含む意味である。
【0050】
また、ここで、「ポリヌクレオチドが導入された」とは、公知の遺伝子工学的手法(遺伝子操作技術)により、対象細胞(宿主細胞)内に発現可能に導入されることを意味するが、本発明では、これに加えてゲノム中に含まれる本発明のポリヌクレオチドが生体内で発現している場合も含むものとする。
【0051】
形質転換体の作製方法(アルミニウム高集積植物の生産方法)は特に限定されるものではないが、例えば、上述した組換え発現ベクターをホスト細胞に導入して形質転換する方法を挙げることができる。また、形質転換の対象となる生物も特に限定されるものではなく、上記(4)においてホスト細胞として例示した植物細胞等を挙げることができる。
【0052】
本発明にかかる形質転換体は、植物細胞または植物体であることが好ましい。このような形質転換植物には、アルミニウム高集積能が付与される。このため、細胞内または植物体内において、アルミニウムの含有量(蓄積量)が増加するものの、液胞に集積することで無毒化される。そして、上記ポリヌクレオチドまたは組み換え発現ベクターが、ポリペプチドの発現を促進させるプロモーターとともに導入された上記形質転換体では、アルミニウム集積能が付与されることにより、土壌からアルミニウムを吸収する結果、土壌中のアルミニウムを減少させることができる。これにより、アルミニウムによる生育阻害を低減できる。
【0053】
このように、本発明の形質転換体は、本発明にかかるポリヌクレオチドを導入されているため、アルミニウム集積能を有する。このため、アルミニウムによる生育阻害を低減することができる。
【0054】
なお、植物体の形質転換に用いられる組換え発現ベクターは、当該植物細胞内で挿入遺伝子を発現させることが可能なものであれば、特に限定されるものではない。特に、植物体へのベクターの導入法がアグロバクテリウムを用いる方法である場合には、pBI系等のバイナリーベクターを用いることが好ましい。バイナリーベクターとしては、具体的には、例えば、pBIG、pBIN19、pBI101、pBI121、pBI221等を挙げることができる。また、植物体内で遺伝子を発現させることが可能なプロモーターを有するベクターであることが好ましい。プロモーターとしては公知のプロモーターを好適に用いることができ、具体的には、例えば、カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーター(CaMV35S)、ユビキチンプロモーターやアクチンプロモーターを挙げることができる。なお、植物細胞には、種々の形態の植物細胞、例えば、懸濁培養細胞、プロトプラスト、葉の切片、カルスなどが含まれる。
【0055】
植物細胞への組み換え発現ベクターの導入には、アグロバクテリウム感染法、電気穿孔法(エレクトロポレーション法)、リン酸カルシウム法、プロトプラスト法、酢酸リチウム法、およびパーティクルガン法等、従来公知の方法を用いることができる。また、形質転換細胞から植物体の再生は、植物細胞の種類に応じて公知の方法で行うことが可能である。
【0056】
ゲノム内に本発明にかかるポリヌクレオチドが導入された形質転換植物体がいったん得られれば、当該植物体から得られる種子にも当該ポリヌクレオチドが導入されている。本発明には、形質転換植物から得られる種子も含まれる。
【0057】
(6)本発明の形質転換体を用いた土壌の浄化方法
本発明はまた、アルミニウムの高蓄積に関与する本発明の遺伝子を有する形質転換体を用いてアルミニウムに加えて、鉄と鉛、あるいはその両方を該形形質転換体に蓄積することを特徴とする、土壌の浄化方法にも関する。本発明の形質転換体は、アルミニウムの高蓄積に関与する遺伝子を含み、この遺伝子のコードするタンパク質はアルミニウムのみならず、鉄、鉛を輸送する能力を持つ可能性があるため、細胞内にアルミニウムに加えて、鉄、鉛、又はその両方を蓄積することができる。このような形質転換体をアルミニウムに加えて、鉄、鉛、又はその両方を含む土壌中に置くこと(例えば、形質転換植物をアルミニウムに加えて、鉄、鉛、又はその両方を含む土壌で生育させること等)により、形質転換体内に取り込むことができ、これにより土壌から主にアルミニウムに加えて、鉄、鉛、又はその両方を除去して土壌を浄化することができる。本発明の形質転換体は、環境修復のために植物を用いる方法であるファイトレメディエーション(phytoremediation)に有用である。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例】
【0058】
1.cDNAライブラリーの作製
アジサイのガク片の色付き具合が異なる3つのステージからmRNAを抽出し、それぞれにタグ配列のついた形でをcDNAを合成した。 cDNAはファージλ-FLCIIIに挿入した後、loxP部位に挿入されているFLCIIIプラスミドをCreリコンビナーゼにより切り出した。その結果、完成したアジサイガク片cDNAライブラリーは約9.5×105の独立クローンを含み、90個の独立クローンよりプラスミドを抽出したところ、pFLCIIIに挿入されているcDNAは、様々な大きさに分布しており、平均は1800bpであった。
【0059】
2.シークエンス解析
cDNAライブラリーのうち6.7×105の独立クローンから11451個の遺伝子について両端から配列を解析した。得られた配列から、解析ソフトEMBOSSを用いて、遺伝子配列の翻訳を行った。さらに、翻訳されたアミノ酸配列から局在部位予測ソフトWolF PSORTを用いて、細胞内の局在部位を推定した。
【0060】
配列を読まれた11451個の遺伝子から、35merのオリゴマイクロアレイを作製した(コンビマトリックス社)。そのマイクロアレイを用いて、ガク片の色付き具合の異なる3つのステージ(図1)から抽出したRNAを蛍光ラベル(蛍光色素Cy5)し、それぞれのステージで遺伝子の発現の変化を調べた。ガク片は、ステージ1では、開きかかっている状態で、まだ青色の状態ではなく、ステージ2では、大きく開きかけるものも見られ、ガク片の外側が青色になっている状態である。ステージ3では、ほぼ開ききっており、全体が青くなっている状態である。
【0061】
アジサイにおいて、ガク片へのアルミニウム集積はステージが進むごとに増加することが知られており、上述のマイクロアレイによる解析で、ステージの最も進んだステージ3で発現が誘導される遺伝子の中に、アルミニウム集積とその無毒化に寄与する遺伝子が含まれると考えられる。また、アルミニウム集積とその無毒化を担う部位として、液胞が挙げられ、その中へアルミニウムを輸送するタンパク質が、アルミニウム集積に重要な役割を果たすと考えられる。マイクロアレイ解析でステージ3において発現が誘導される遺伝子の中から、上述で予測された細胞内局在部位で液胞にスコアが高いものを絞り、さらに、その中から膜貫通ドメインを持ち、膜に局在するものに絞った(53個)。
【0062】
絞った遺伝子の配列がアルミニウムを輸送する可能性があるか、少なくとも何らかの物質を輸送する可能性があるものを絞るために、その遺伝子に相同性の高い公知の遺伝子の機能を検索した。その結果、6個の遺伝子(Al-1、Al-2、Al-3、Al-4、Al-5、Al-6とする。)が特に輸送体としての機能を持つ可能性が高いものとして絞られた。
【0063】
3.Al集積株のスクリーニング
酵母発現システムを用いてアジサイの植物細胞内のAl集積機構に関与する遺伝子のスクリーニングを以下の通り行った。上述で絞られた6個の遺伝子(Al-1、Al-2、Al-3、Al-4、Al-5、Al-6)を、出芽酵母アルミニウム感受性株のYJL159w株にそれぞれ形質転換した。得られた形質転換体をそれぞれ菌体濃度OD600=10-1、10-2、10-3、10-4に調整し(ここで、OD600は600nmでの吸光度として菌体濃度を表す。)、各濃度の菌体および比較として空のベクターを導入した菌体(図2では、各遺伝子に対応する菌体をAl-1ほか、比較をvectorと表示。)を、1mM、または1.5mM、2mM、3mM 塩化アルミニウム(AlCl3)を含むLPP-ura培地(固体培地)で30℃で3日間培養して、生育阻害の少ない形質転換体を選抜した。スクリーニングの結果、菌体濃度OD600=10-4の菌体をスポットしたところを比較すると、Al3+全ての濃度において、空のベクターを導入したものに比べてAl-2において、コロニーが最も大きく、最も生育阻害が少なかった(図2)。
【0064】
固形培地による結果について液体培地で確認した。2 mMのAlを含むLPP-ura培地(WT株、YJL159w株ではLPP培地)で30℃、培養し、21.1、30.4、45.8、 54.5時間の菌体の濁度を測定し、その生育阻害をみた。ベクター(pYES2)のみ、あるいはAl-1、Al-3、Al-4、Al-5、Al-6をYJL159w株に形質転換した場合、その形質転換体はAlを含む培地では、YJL159w株のように生育阻害を受けているが、Al-2を形質転換した場合にはWT株と同様に生育阻害は少なかった(図3)。この結果から、プラスミドに挿入されているcDNAの発現が酵母のAl集積能の上昇に関与していることが確認され、Alの無毒化に有効であることがわかった。
【0065】
4.Al-2のシークエンス解析
Al-2遺伝子は992塩基対の核酸の長さのcDNAを示した。遺伝子の推定アミノ酸配列は、26.2kDaの予想分子量 を有する、252個の残基から構成されていた。得られた遺伝子(cDNA)の配列を配列番号1に、それから得られた推定アミノ酸配列を配列番号2に示す。
【0066】
蛋白質データベース(BLAST serch,http://www.ncbi.nlm.nih.gov/ )を検索したところ、この遺伝子の産物はブドウとダイズにおけるタンパク質のアミノ酸配列と、87から82%の相同性を有することを見いだした。また、そのタンパク質は水を輸送体であるアクアポリンファミリーに属し、そのファミリーに属するもので、これまでに元素を輸送するものとして、シロイヌナズナのホウ素輸送体(AtNIP5;1)、オオムギのケイ素輸送体(HvLsi1)の2つが報告されている。それらの遺伝子産物との配列の比較が図4である。
【0067】
5.Al-2遺伝子の発現解析
Al-2遺伝子についてRT-PCR法を用いて、組織別、あるいは、ガク片のステージ別の発現量の差異を調べた。結果を図5に示す。Al-2は、根と地上部の両方で発現していて、ガク片のステージに関わらず発現していることがわかった。
【0068】
6.Al-2タンパク質の局在解析
次に、アルミニウム集積遺伝子Al-2にコードされるタンパク質(以下、「Al-2タンパク質」という。)の局在性を検討した。図6は、Al-2タンパク質の局在部位を示す図である。まず、玉ねぎの表皮細胞に、mCherry−Al-2融合遺伝子を、液胞局在既知タンパク質であるγ-TIP-GFP融合遺伝子と共に、パーティクルガンで導入し、蛍光顕微鏡で観察した(mCherryは赤色蛍光タンパク質、GFPは緑色蛍光タンパク質)。いずれの融合遺伝子も、35SCaMVプロモーター(35S)で過剰発現している。その結果、図6のmCherryおよびGFPのそれぞれの蛍光発光波長の観察像、微分干渉像、前記3つの重ね合わせ像の通り、発現したmCherry−Al-2融合タンパク質はγ-TIPの局在と重なり(重ね合わせ像では赤色と緑色が重なって黄色に見える。)、液胞に局在化していることが確認された。
【0069】
以上のように、Al-2タンパク質は、アルミニウム集積に必要な輸送体であり、アルミニウムを細胞内に取り込んでも、液胞に隔離することでアルミニウム無毒化を行い、植物のアルミニウムによる生育阻害を防ぐことができる。従って、Al-2遺伝子を植物体内に導入することによって、アルミニウム集積能を付与し、酸性土壌での作物の生産性を改善できる。
【0070】
7.Al-2遺伝子による金属、半金属の集積能の解析
Al-2遺伝子産物が他の金属等を集積するかについて、酵母発現システムを用いて調べた。
【0071】
分裂酵母の液胞膜輸送体変異株が知られており、亜鉛はΔzrc1株、鉄はΔccc1株、ニッケル、コバルトはΔcot1株、5価のヒ素、3価のヒ素、カドミウム、鉛はΔycf1株である。これらの分裂酵母変異株にAl-2遺伝子を形質転換した。出芽酵母アルミニウム感受性株のYJL159w株からの形質転換体の代わりにそれぞれの金属または半金属に適切な分裂酵母変異株からの形質転換体を、塩化アルミニウムの代わりに各金属または半金属の化合物(塩化亜鉛(ZnCl2)、硫酸鉄(FeSO4)、硫酸ニッケル(NiSO4)、塩化コバルト(CoCl2)、ヒ酸ナトリウム(Na2AsO4)、亜ヒ酸ナトリウム(NaAsO2)、塩化カドミウム(CdCl2)、硫酸鉛(PbSO4))を用いた以外はAl集積株のスクリーニングと同様にして、それぞれの金属または半金属に対する耐性能に変化があるかについて、調べた。
その結果が、図7に鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、図8にコバルト(Co)、5価のヒ素(As(V))、3価のヒ素(As(III))で、ベクターのみを形質転換したもの(図7、図8でvectorと表示。)に比べて生育阻害の少なく、液胞への集積能を持つものとして、鉄と鉛が示唆された。
この結果より、Al-2遺伝子産物がアルミニウムのみならず、鉄と鉛について集積能と無毒化に寄与する可能性が示された。これは、土壌中の鉛を除去する可能性を示しており、また鉄を土壌から効率的に植物体内に貯め、鉄分を多く含む作物などを創出する可能性を示すものである。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明のポリヌクレオチドは、アジサイにおいて初めて同定された、アルミニウム集積とその無毒化に関与する遺伝子である。この遺伝子を発現させることにより、アルミニウムによる植物の酸性土壌での生育阻害を、低減でき、本発明は農業、食品産業に利用できる。また、鉄、鉛の集積能を持つことから、鉄は、高蓄積作物の創出、鉛は土壌からの除去というファイトレメディエーションにおいて利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム集積に関与するポリヌクレオチドであって、
下記の(a)または(b)のポリヌクレオチド:
(a)配列番号1に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(b)以下の(i)もしくは(ii)のいずれかとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド:
(i)配列番号1に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド;もしくは
(ii)配列番号1に示される塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド。
【請求項2】
アルミニウム集積に関与するポリペプチドであって、
下記の(a)または(b)のポリペプチド:
(a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、もしくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチド。
【請求項3】
アルミニウムを液胞に集積し、無毒化できるものである請求項2に記載のポリペプチド。
【請求項4】
請求項2または3に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
【請求項5】
請求項1または4に記載のポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクター。
【請求項6】
請求項1または4に記載のポリヌクレオチド、または、請求項5に記載の組換え発現ベクターが導入されており、かつ、アルミニウム集積に関与するポリペプチドを発現してなる形質転換体。
【請求項7】
下記の(a)または(b)のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが導入されており、かつ、アルミニウム集積に関与するポリペプチドを発現してなる形質転換体。
(a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、もしくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチド。
【請求項8】
請求項6または7に記載の形質転換体を用いて土壌中のアルミニウムを該形形質転換体に蓄積することを特徴とする、土壌の浄化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−55219(P2012−55219A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−200882(P2010−200882)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成22年3月12日 第51回日本植物生理学会年会委員会発行の「第51回日本植物生理学会年会要旨集」に発表
【出願人】(504139662)国立大学法人名古屋大学 (996)
【Fターム(参考)】