説明

植物体健康組成物

本発明は、少なくとも1種の植物種の植物体健康を改善するための方法に関し、その方法は、式Iを有するアミド(化合物I)で植物体及び/又は植物体が生育している又は生育することが意図されている場所を処理することを含む。本発明は、また、少なくとも1種の植物種の植物体健康を改善するための方法に関し、その方法は、式Iを有するアミド化合物(化合物I)と、さらなる殺菌剤II(化合物II)、さらなる殺菌剤III(化合物IIb)、殺虫剤(化合物III)及び除草剤(化合物IV)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを含んでいる混合物で植物体及び/又は植物体が生育している又は生育することが意図されている場所を処理することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種の植物種の植物体健康を改善するための方法に関し、その方法は、次の式I
【化1】

【0002】
[式中の各置換基は以下に定義されているとおりである:
は、メチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルであり;
は、水素又はフッ素であり;
Mは、チエニル環又はフェニル環であって、フェニル環はフッ素原子で置換されているか又は置換されておらず;
Qは、直接結合、シクロプロピレン又はアネレイト(anellated)されたビシクロ[2.2.1]ヘプタン環であり;
は、シクロプロピル、1,3−ジメチルブチル、イソプロピル、2もしくは3個のハロゲン原子で置換されたフェニル、又はトリフルオロメチルチオ基である]
を有するアミド(化合物I)で植物体及び/又は植物体が生育している又は生育することが意図されている場所を処理することを含む。
【0003】
本発明は、少なくとも1種の植物種の植物体健康を改善するための方法に関し、その方法は、式Iのアミド(化合物I)とさらなる殺菌剤II(化合物II)又は殺虫剤(化合物III)又は除草剤(化合物IV)とを含んでいる混合物で植物体及び/又は植物体が生育している又は生育することが意図されている場所を処理することを含む。
【0004】
本発明は、また、少なくとも1種の植物種の植物体健康を改善するための方法に関し、その方法は、式Iのアミド(化合物I)及び第2の成分としてさらなる殺菌剤II(化合物II)又は殺虫剤(化合物III)並びに第3の成分としてさらなる殺菌剤III(化合物IIb)又は場合により除草剤(化合物IV)を含んでいる三成分混合物で植物体及び/又は植物体が生育している又は生育することが意図されている場所を処理することを含む。
【0005】
本発明は、また、少なくとも1種の植物種の植物体健康を改善するための方法に関し、その方法は、式Iのアミド(化合物I)及び殺虫剤(化合物III)並びに除草剤(化合物IV)を含んでいる三成分混合物で植物体及び/又は植物体が生育している又は生育することが意図されている場所を処理することを含む。
【0006】
本発明は、また、少なくとも1種の植物種の植物体健康を改善するための方法に関し、その方法は、式Iのアミド(化合物I)とさらなる殺菌剤II(化合物II)とさらなる殺菌剤III(化合物IIb)と除草剤(化合物IV)とを含んでいる四成分混合物で植物体及び/又は植物体が生育している又は生育することが意図されている場所を処理することを含む。
【0007】
本発明は、少なくとも1種の植物種の植物体健康を改善するための式Iを有するアミド(化合物I)の使用にも関する。
【背景技術】
【0008】
作物保護では、植物体の健康を改善する組成物に対する継続したニーズがある。より健康な植物体は、中でも、より良い作物収量、及び/又はより良い植物体又は作物の品質をもたらすので、望ましい。より健康な植物体は、非生物的ストレスにもより耐える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、上記で略述された問題を解決する、そして、特には、植物体健康を改善するであろう殺害虫剤組成物を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、この目的が、式I
【化2】

【0011】
[式中の各置換基は以下に定義されているとおりである:
は、メチル、ジフルオロメチル、又はトリフルオロメチルであり;
は、水素又はフッ素であり;
Mは、チエニル環又はフェニル環であって、フェニル環はフッ素原子で置換されているか又は置換されておらず;
Qは、直接結合、シクロプロピレン又はアネレイト(anellated)されたビシクロ[2.2.1]ヘプタン環であり;
は、シクロプロピル、1,3−ジメチルブチル、イソプロピル、2もしくは3個のハロゲン原子で置換されたフェニル、又はトリフルオロメチルチオ基である]
を有するアミド(化合物I)で植物体及び/又は植物体が生育している又は生育することが意図されている場所を処理することを含む、植物体の健康を改善するための方法によって達成されることを見出した。
【0012】
ある種の殺菌剤混合物は植物体健康相乗作用効果を示すことも本発明の方法で見出された。
【0013】
そのような混合物の内で、相乗作用殺菌活性を有する相乗作用混合物も見出された。
【0014】
国際公開第01/82701号パンフレットには、ストロビルリン型活性化合物を繰り返して適用することによる、ウイルス感染に対する植物体の抵抗性を引き出す方法が開示されている。しかしながら、殺菌剤の繰り返しの適用は、有害菌類の抵抗性個体群を選抜し得る。
【0015】
PCT/EP/2008/051672には、ある種のアニリドは、ウイルス耐性を引き出すことが開示されている。
【0016】
国際公開第07/104658号パンフレットには、植物体にアニリド化合物と共にストロビルリン系化合物を適用することにより、細菌症に対する植物体の耐性を引き出す方法が含まれている。
【0017】
国際公開第05/018324号パンフレットにはある種のアニリド化合物の植物体健康効果が開示されている。
【0018】
いくつかの殺菌剤と式Iのアミドとの組み合わせが国際公開第07/017416号パンフレット、PCT/EP2008/051331、PCT/EP2008/051375、国際公開第08/000377号パンフレット、国際公開第07/128756号パンフレット、欧州特許出願第08152059.5号、欧州特許出願第08155881.9号、欧州特許出願第07119858.4号及びPCT/EP2008/051955に開示されている。しかしながら、これらの公報においては、植物体健康相乗作用効果に向けての示唆は何も書かれていない。
【0019】
さらに、これらの文献は、いずれも、冒頭で定義した混合物の植物体健康相乗作用効果を開示することはなく、殺菌剤相乗作用混合物を詳細に記載している。
【0020】
式Iのアミド(化合物I)は殺菌剤として公知である(例えば、欧州特許出願公開第545099号明細書、欧州特許出願公開第589301号明細書、欧州特許出願公開第737682号明細書、欧州特許出願公開第824099号明細書、国際公開第99/09013号パンフレット、国際公開第03/010149号パンフレット、国際公開第03/070705号パンフレット、国際公開第03/074491号パンフレット、国際公開第2004/005242号パンフレット、国際公開第04/035589号パンフレット、国際公開第04/067515号パンフレット、国際公開第06/087343号パンフレットを参照されたい)。式Iのアミド(化合物I)は、これらの文献に記載されている方法で、調製され得る。
【0021】
さらなる殺菌剤II(化合物II)、殺虫剤(化合物III)及び除草剤(化合物IV)並びにそれらの殺害虫作用及びそれらの製造方法は、一般に、公知である。例えば、市販の化合物は、数ある他の刊行物の中でも、The Pesticide Manual, 13th Edition, British Crop Protection Council (2003)に見出され得る。
【発明を実施するための形態】
【0022】
式Iのアミド(化合物I)及び化合物(I)を含んでいるそれぞれの混合物の好ましい実施形態、それらの好ましい使用、及び、それらを用いる方法に関しての以下の見解は、それぞれがそれら自体で又は好ましくは互いとの組み合わせで理解すべきである。
【0023】
好ましい実施形態では、式Iのアミド(化合物I)は、次の式Ia
【化3】

【0024】
で表される化合物である。この化合物は、N−(3’,4’,5’−トリフルオロビフェニル−2−イル)−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドであり、以下の本明細書では「Ia」と呼ばれる。
【0025】
もう1つの好ましい実施形態によれば、式Iのアミド(化合物I)は、次の式Ib
【化4】

【0026】
で表される化合物である。この化合物は、N−[2−(4’−トリフルオロメチルチオ)−ビフェニル]−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドであり、以下の本明細書では「Ib」と呼ばれる。
【0027】
さらなる好ましい実施形態によれば、式Iのアミド(化合物I)は、次の式Ic
【化5】

【0028】
で表される化合物である。この化合物は、N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−3−ジフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:ビキサフェン)であり、以下の本明細書では「Ic」と呼ばれる。
【0029】
さらなる好ましい実施形態によれば、式Iのアミド(化合物I)は、次の式Id
【化6】

【0030】
で表される化合物である。この化合物は、N−[2−(1,3−ジメチルブチル)−フェニル]−1,3−ジメチル−5−フルオロ−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドであり、以下の本明細書では「Id」と呼ばれる。
【0031】
さらなる好ましい実施形態によれば、式Iのアミド(化合物I)は、次の式Ie
【化7】

【0032】
で表される化合物である。この化合物は、N−(2−ビシクロプロピル−2−イル−フェニル)−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドであり、この化合物はそのシス−異性体及びトランス−異性体のラセミ化合物として見出され得る(一般名:セダキサン)。
【0033】
さらなる好ましい実施形態によれば、式Iのアミド(化合物I)は、次の式If
【化8】

【0034】
で表される化合物である。この化合物は、N−[1,2,3,4−テトラヒドロ−9−(1−メチルエチル)−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:イソピラザム)であり、以下の本明細書では「If」と呼ばれる。
【0035】
さらなる好ましい実施形態によれば、式Iのアミド(化合物I)は、次の式Ig
【化9】

【0036】
で表される化合物である。N−[2−(1,3−ジメチルブチル)−3−チエニル]−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:ペンチオピラド)である、Igは、以下の本明細書では「Ig」と呼ばれる。
【0037】
より好ましい実施形態では、化合物(I)は、Ia、Ic、Ie、If及びIgからなる群から選択される。
【0038】
さらにより好ましい実施形態では、化合物(I)は、Ia、Ic、If及びIgからなる群から選択され、最も好ましくは化合物(I)は化合物Iaである。
【0039】
冒頭で言及したように、本発明は、少なくとも1種の植物種の植物体健康を改善するための方法にも関し、その方法は、化合物(I)又は特定された混合物で植物体及び/又は植物体が生育している又は生育することが予測されている場所を処理することを含む。一実施形態では、この混合物は、植物体健康相乗作用有効量で、
(1)式Iのアミド(化合物I);及び
(2)さらなる殺菌剤II(化合物II)[この場合、さらなる殺菌剤IIは、
(i)アゾキシストロビン(S1)、ジモキシストロビン(S2)、フルオキサストロビン(S3)、クレソキシム−メチル(S4)、メトミノストロビン(S5)、オリサストロビン(S6)、ピコキシストロビン(S7)、ピラクロストロビン(S8)及びトリフロキシストロビン(S9)から選択される、ストロビルリン系化合物;
(ii)ボスカリド、フェンヘキサミド、メタラキシル、ジメトモルフ、フルオピコリド(ピコベンズアミド)、ゾキサミド、マンジプロパミド及びカルプロパミドから選択される、カルボン酸アミド系化合物;
(iii)シプロコナゾール(A1)、ジフェノコナゾール(A2)、エポキシコナゾール(A3)、フルシラゾール(A4)、フルキンコナゾール(A5)、フルトリアホール(A6)、イプコナゾール(A7)、メトコナゾール(A8)、プロピコナゾール(A9)、プロチオコナゾール(A10)、テブコナゾール(A11)、シアゾファミド(A12)、プロクロラズ(A13)、エタボキサム(A14)及びトリアゾキシド(A15)から選択される、アゾール系化合物;
(iv)ファモキサドン、フルアジナム、シプロジニル、ピリメタニル、フェンプロピモルフ、イプロジオン、アシベンゾラル−S−メチル、プロキナジド、キノキシフェン、フェンピクロニル、カプタン、フェンプロピジン、カプタホール及びアニラジンから選択される、ヘテロ環式系化合物;
(v)マンコゼブ、メチラム、イプロバリカルブ、マネブ、プロピネブ、フルベンチアバリカルブ(ベンチアバリカルブ)及びプロパモカルブから選択される、カルバメート系並びにジチオカルバメート系化合物;
(vi)チオファネートメチル、クロロタロニル、トリルフルアニド及びフルスルファミドから選択される、オルガノクロロ化合物;
(vii)ボルドー液、酢酸銅、水酸化銅、オキシ塩化銅、塩基性硫酸銅及び硫黄から選択される、無機活性成分;
(viii)スピロキサミン、グアザチン、シモキサニル、シフルフェナミド、バリフェナール、メトラフェノン;ホセチル−アルミニウム及びジチアノンから選択される、他の化合物;
からなる群から選択される];
(3)並びに場合により第3の成分としてさらなる殺菌剤III(化合物IIb)[この場合、さらなる殺菌剤IIIは、
(iii)シプロコナゾール(A1)、ジフェノコナゾール(A2)、エポキシコナゾール(A3)、フルシラゾール(A4)、フルキンコナゾール(A5)、フルトリアホール(A6)、イプコナゾール(A7)、メトコナゾール(A8)、プロピコナゾール(A9)、プロチオコナゾール(A10)、テブコナゾール(A11)、シアゾファミド(A12)、プロクロラズ(A13)、エタボキサム(A14)及びトリアゾキシド(A15)から選択される、アゾール系化合物;
からなる群から選択される];
(4)又は第3の成分として場合により除草剤(化合物IV)[この場合、除草剤は、グリホセート(H1)、グリホシネート(H2)及びスルホニセート(H3)からなる群から選択される];
を含んでいる。
【0040】
用語「植物体健康有効量」とは、以下の本明細書に定義されている植物体健康効果を達成するのに十分である、化合物(I)、又は化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物との混合物の量を意味する。量についてのより例示的な情報、適用の方法、及び用いられるべき適する比は、以下に記載されている。とにかく、当業者なら、そのような量は、広い範囲で変わり得るものであり、さまざまな要因、例えば処理される栽培植物体又は物質及び気候条件によって左右されるものであるという事実をよく知っているものである。
【0041】
用語「相乗作用」とは、化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群の少なくとも1種の化合物とを同時に(すなわち一緒に又は別々に)適用することにより、又は化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群の少なくとも1種の化合物とを順次に適用することにより、個々の化合物で達成可能な植物体健康効果に比較して、向上した植物体健康効果がもたらされることを意味する。
【0042】
好ましくは、さらなる殺菌剤IIは、
(i)アゾキシストロビン(S1)、ジモキシストロビン(S2)、オリサストロビン(S6)、ピコキシストロビン(S7)、ピラクロストロビン(S8)及びトリフロキシストロビン(S9)から選択される、ストロビルリン系化合物;
(ii)ボスカリド及びジメトモルフから選択される、カルボン酸アミド系化合物;
(iii)シプロコナゾール(A1)、ジフェノコナゾール(A2)、エポキシコナゾール(A3)、メトコナゾール(A8)、プロピコナゾール(A9)、プロチオコナゾール(A10)及びテブコナゾール(A11)から選択される、アゾール系化合物;
(iv)シプロジニル、ピリメタニル、フェンプロピモルフ、イプロジオン、キノキシフェン及びアシベンゾラル−S−メチルから選択される、ヘテロ環式系化合物;
(v)マンコゼブ、メチラム、プロピネブ及びイプロバリカルブから選択される、カルバメート系並びにジチオカルバメート系化合物;
(viii)ジチアノン及びメトラフェノンから選択される、他の化合物;
からなる群から選択される。
【0043】
好ましくは、さらなる殺菌剤III(化合物IIb)は、
(iii)シプロコナゾール(A1)、ジフェノコナゾール(A2)、エポキシコナゾール(A3)、メトコナゾール(A8)、プロピコナゾール(A9)、プロチオコナゾール(A10)及びテブコナゾール(A11)から選択される、アゾール系化合物
からなる群から選択される。
【0044】
好ましい除草剤(化合物IV)は、グリホセート(H1)である。
【0045】
より好ましくは、さらなる殺菌剤II(化合物II)は、
(i)アゾキシストロビン(S1)、オリサストロビン(S6)、ピラクロストロビン(S8)、トリフロキシストロビン(S9)から選択される、ストロビルリン系化合物;
(iii)エポキシコナゾール(A3)、メトコナゾール(A8)、プロピコナゾール(A9)、プロチオコナゾール(A10)及びテブコナゾール(A11)から選択される、アゾール系化合物;
からなる群から選択される。
【0046】
最も好ましくは、さらなる殺菌剤II(化合物II)は、アゾキシストロビン(S1)、オリサストロビン(S6)、ピラクロストロビン(S8)、及びトリフロキシストロビン(S9)からなる群から選択され、この場合オリサストロビン(S6)及びピラクロストロビン(S8)が最も好ましい殺菌剤IIである。
【0047】
最も好ましくは、さらなる殺菌剤III(化合物IIb)は、エポキシコナゾール(A3)、メトコナゾール(A8)、プロピコナゾール(A9)、プロチオコナゾール(A10)及びテブコナゾール(A11)からなる群から選択される。
【0048】
本発明の用語では、「混合物」は、化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを含有している物理的混合物に限られるものではなく、化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とのあらゆる調製物形態のこともいい、その使用は、時間的なもの及び場所的なものである。
【0049】
本発明の一実施形態では、「混合物」とは、化合物(I)(=1種の化合物I)と、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される1種の化合物(=定義した特定の殺菌剤群IIの内の1種又は特定の殺菌剤群IIb又は殺虫剤群IIIの内の1種又は除草剤群IVの内の1種)との物理的混合物のことをいう。
【0050】
本発明のもう1つの実施形態では、「混合物」とは、化合物(I)と、1種の化合物(II)と、化合物(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される1種の化合物とを含んでいる三成分混合物のことをいう。
【0051】
本発明のもう1つの実施形態では、「混合物」とは、化合物(I)と、化合物(II)と、化合物(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される2種の化合物とを含んでいる四成分混合物のことをいう。
【0052】
本発明のもう1つの実施形態では、「混合物」とは、別々に製剤化されているが同じ植物体(又は植物体が生育している又は生育することが意図されている場所)に時間的な関係で(すなわち同時に又は順次に)適用される、1種の化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物のこととをいい、順次の適用は、それら化合物の組み合わせの作用を可能にする時間間隔を置いて行われる。
【0053】
さらに、キットの部剤又は二成分混合物の各部剤のような本発明による混合物の個々の化合物は、ユーザー自身によってスプレータンク中で混合され得、適切であれば、さらなる補助剤が加えられ得る(タンクミックス)。
【0054】
もう1つの実施形態では、そのような混合物は、植物体健康相乗作用有効量で、
(I)式Iのアミド化合物(化合物I)
及び
(III)フィプロニル(Fip)及びエチプロール(Ethi)からなる群から選択される殺虫剤(化合物III)
を含んでいる。
【0055】
好ましい殺虫剤(化合物III)は、フィプロニル(Fip)である。
【0056】
好ましくは、上記で言及した混合物は、全て、化合物(I)としてIa、Ib、Ic、Id、Ie、If又はIgを含んでいる。
【0057】
より好ましくは、これらの混合物は、化合物(I)としてIa、Ic、If又はIgを含んでいる。最も好ましくは、そのような混合物は、化合物(I)としてIa、Ic又はIfを含んでいる。
【0058】
特に好ましい実施形態では、そのような混合物は、化合物(I)としてIaを含んでいる。
【0059】
つまり、本発明の方法でのそのような混合物の意図される使用に関しては、以下の表に掲載されている化合物(I)と化合物(II)又は(III)又は(IV)との二成分混合物は、本発明の好ましい実施形態である:
表1
【表1】


【0060】
表1の混合物の中では、以下の混合物が特に好ましい:
M−1、M−2、M−3、M−4、M−5、M−6、M−7、M−8、M−9、M−10、M−27、M−28、M−29、M−30、M−31、M−32、M−33、M−34、M−35、M−36、M−53、M−54、M−55、M−56、M−57、M−58、M−59、M−60、M−61、M−62、M−79、M−80、M−81、M−82、M−83、M−84、M−85、M−86、M−87、M−88、M−105、M−106、M−107、M−108、M−109、M−110及びM−111。
【0061】
このサブセットの中では、以下の混合物がより好ましい:
M−1、M−2、M−3、M−4,M−10、M−27、M−28、M−29、M−30、M−36、M−53、M−54、M−55、M−56、M−62、M−79、M−80、M−81、M−82、M−88、M−105、M−107、M−110及びM−111。
【0062】
以下の混合物がさらにより好ましい:
M−1、M−2、M−3、M−4、M−27、M−28、M−29、M−30、M−53、M−54、M−55、M−56、M−79、M−80、M−81、M−82及びM−105。
【0063】
以下の混合物が最も好ましい:
M−2、M−3、M−28、M−29、M−54、M−55、M−80、M−81及びM−105。
【0064】
最も好ましいのは、混合物M−2、M−3及びM−105である。
【0065】
本発明の方法内での本発明混合物の意図される使用に関しては、以下の表2に掲載されている化合物(IIb)又は(IV)との組み合わせにある化合物(I)と化合物(II)又は(III)との以下の三成分混合物は、本発明の好ましい実施形態である。
【0066】
表2に開示されている混合物は、本発明のさらなる実施形態でもある。
【0067】
表2
【表2】











【0068】
表2の三成分混合物の中では、本発明によれば以下の混合物が特に好ましい:
N−1、N−2、N−3、N−4、N−5、N−6、N−7、N−8、N−9、N−10、N−11、N−12、N−13、N−14、N−15、N−16、N−17、N−18、N−19、N−20、N−21、N−22、N−23、N−24、N−25、N−26、N−27、N−28、N−29、N−30、N−31、N−32、N−33、N−34、N−35、N−36、N−37、N−38、N−39、N−40、N−41、N−42、N−43、N−44、N−45、N−46、N−47、N−48、N−49、N−50、N−51、N−52、N−53、N−54、N−55、N−56、N−57、N−58、N−59、N−60、N−61、N−62、N−63、N−64、N−65、N−66、N−67、N−68、N−69、N−70、N−71、N−72、N−73、N−74、N−75、N−76、N−77、N−78、N−79、N−80、N−81、N−82、N−83、N−84、N−85、N−86、N−87、N−88、N−89、N−90、N−91、N−92、N−93、N−94、N−95、N−96、N−97、N−98、N−99、N−100、N−101、N−102、N−103、N−104、N−105、N−106、N−107、N−108、N−109、N−110、N−111、N−112、N−113、N−114、N−115、N−116、N−117、N−118、N−119、N−120、N−121、N−122、N−123、N−124、N−125、N−126、N−127、N−128、N−129、N−130、N−131、N−132、N−133、N−134、N−135、N−960、N−961、N−962、N−963、N−964、N−965、N−966、N−967、N−968、N−969、N−970、N−971、N−972、N−973、N−974、N−1065、N−1066、N−1067、N−1068、N−1069、N−1070、N−1071、N−1072、N−1073、N−1083、N−1084、N−1085、N−1086、N−1087、N−1088、N−1089、N−1090、N−1091、N−1110、N−1111、N−1112、N−1113、N−1114、N−1115、N−1116、N−1117、N−1118、N−1119、N−1120、N−1121、N−1122、N−1123、N−1124、N−1125、N−1126及びN−1127。
【0069】
表2の混合物の中では、式Iaのアミド化合物と、さらなる殺菌剤IIとしてのオリサストロビン(S6)と、さらなる殺菌剤IIIとしてのエポキシコナゾール(A3)とを含んでいる、混合物N−78が最も好ましい。
【0070】
表2の混合物の中では、式Iaのアミド化合物と、さらなる殺菌剤IIとしてのピラクロストロビン(S8)と、さらなる殺菌剤IIIとしてエポキシコナゾール(A3)のとを含んでいる、混合物N−108が最も好ましい。
【0071】
表2の混合物の中では、式Iaのアミド化合物と、さらなる殺菌剤IIとしてのエポキシコナゾール(A3)と、グリホセート(H1)とを含んでいる、混合物N−962が最も好ましい。
【0072】
表2の混合物の中では、式Iaのアミド化合物と、さらなる殺菌剤IIとしてのオリサストロビン(S6)と、グリホセート(H1)とを含んでいる、混合物N−1070が最も好ましい。
【0073】
表2の混合物の中では、式Iaのアミド化合物と、さらなる殺菌剤IIとしてのピラクロストロビン(S8)と、グリホセート(H1)とを含んでいる、混合物N−1072が最も好ましい。
【0074】
表2の混合物の中では、式Icのアミド化合物(ビキサフェン)と、さらなる殺菌剤IIとしてのオリサストロビン(S6)と、グリホセート(H1)とを含んでいる、混合物N−1088が最も好ましい。
【0075】
表2の混合物の中では、式Icのアミド化合物(ビキサフェン)と、さらなる殺菌剤IIとしてのピラクロストロビン(S8)と、グリホセート(H1)とを含んでいる、混合物N−1090が最も好ましい。
【0076】
表2の混合物の中では、式Ifのアミド化合物(イソピラザム)と、さらなる殺菌剤IIとしてのオリサストロビン(S6)と、グリホセート(H1)とを含んでいる、混合物N−1115が最も好ましい。
【0077】
表2の混合物の中では、式Ifのアミド化合物(イソピラザム)と、さらなる殺菌剤IIとしてのピラクロストロビン(S8)と、グリホセート(H1)とを含んでいる、混合物N−1117が最も好ましい。
【0078】
表2の混合物の中では、式Igのアミド化合物(ペンチオピラド)と、さらなる殺菌剤IIとしてのオリサストロビン(S6)と、グリホセート(H1)とを含んでいる、混合物N−1124が最も好ましい。
【0079】
表2の混合物の中では、式Igのアミド化合物(ペンチオピラド)と、さらなる殺菌剤IIとしてのピラクロストロビン(S8)と、グリホセート(H1)とを含んでいる、混合物N−1126が最も好ましい。
【0080】
本発明の方法内での本発明混合物の意図される使用に関しては、上記表2に掲載されている混合物との組み合わせにあるストロビルリン化合物(2)(i)の以下の四成分混合物は、本発明の好ましい実施形態である:
【0081】
ストロビルリン化合物1と三成分混合物とを含み、三成分混合物が、各場合において、表2の混合物番号N−960〜N−1064から選択される1つの行に対応している四成分混合物(Q−1〜Q−105)。
【0082】
ストロビルリン化合物2と三成分混合物とを含み、三成分混合物が、各場合において、表2の混合物番号N−960〜N−1064から選択される1つの行に対応している四成分混合物(Q−106〜Q−210)。
【0083】
ストロビルリン化合物3と三成分混合物とを含み、三成分混合物が、各場合において、表2の混合物番号N−960〜N−1064から選択される1つの行に対応している四成分混合物(Q−211〜Q−315)。
【0084】
ストロビルリン化合物4と三成分混合物とを含み、三成分混合物が、各場合において、表2の混合物番号N−960〜N−1064から選択される1つの行に対応している四成分混合物(Q−316〜Q−420)。
【0085】
ストロビルリン化合物5と三成分混合物とを含み、三成分混合物が、各場合において、表2の混合物番号N−960〜N−1064から選択される1つの行に対応している四成分混合物(Q−421〜Q−525)。
【0086】
ストロビルリン化合物6と三成分混合物とを含み、三成分混合物が、各場合において、表2の混合物番号N−960〜N−1064から選択される1つの行に対応している四成分混合物(Q−526〜Q−630)。
【0087】
ストロビルリン化合物7と三成分混合物とを含み、三成分混合物が、各場合において、表2の混合物番号N−960〜N−1064から選択される1つの行に対応している四成分混合物(Q−631〜Q−735)。
【0088】
ストロビルリン化合物8と三成分混合物とを含み、三成分混合物が、各場合において、表2の混合物番号N−960〜N−1064から選択される1つの行に対応している四成分混合物(Q−736〜Q−840)。
【0089】
ストロビルリン化合物9と三成分混合物とを含み、三成分混合物が、各場合において、表2の混合物番号N−960〜N−1064から選択される1つの行に対応している四成分混合物(Q−841〜Q−945)。
【0090】
上記に開示されている四成分混合物の中では、式Iaのアミド化合物と、さらなる殺菌剤IIとしてのピラクロストロビン(S8)と、さらなる殺菌剤IIIとしてのエポキシコナゾール(A3)と、さらにグリホセート(H1)とを含んでいる混合物が最も好ましい。
【0091】
上記に開示されている四成分混合物の中では、式(Ia)のアミド化合物と、さらなる殺菌剤IIとしてのオリサストロビン(S6)と、さらなる殺菌剤IIIとしてのエポキシコナゾール(A3)と、さらにグリホセート(H1)とを含んでいる混合物が最も好ましい。
【0092】
本発明の方法に従って用いられる全ての混合物においては、化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)、(III)又は(IV)とは、相乗作用効果をもたらす量で用いられる。化合物(I)対化合物(II)、(IIb)、(III)又は(IV)の重量比は、好ましくは200:1〜1:200、より好ましくは100:1〜1:100、より好ましくは50:1〜1:50、特には20:1〜1:20である。最も好ましい比は、1:10〜10:1である。重量比とは、混合物中の、化合物(I)+化合物(II)、(IIb)、(III)又は(IV)の全体重量に対してのことである。
【0093】
上記で開示された混合物は、全て、本発明の実施形態でもある。
【0094】
上記で開示された混合物の実施形態は全て以下の本明細書では「本発明による混合物」と呼ばれる。
【0095】
先に記載したように、化合物(I)又は本発明による混合物は、植物体又は植物体の部分又は植物体が実際に生育している場所又は生育が意図されている場所に適用されて、植物体の健康を改善するのに用いられる。
【0096】
つまり、本発明は、植物体、植物体の部分、植物体が生育している又は生育することが予測されている場所を化合物(I)又は本発明による混合物で処理することを含む、植物体の健康を改善するための方法にも関する。
【0097】
この本発明の方法で本発明による混合物が用いられる場合、植物体、及び/又は、植物体が生育している又は生育することが予測されている場所は、式Iのアミド化合物(化合物I)と、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される少なくとも1種のさらなる化合物とで同時に(一緒に又は別々に)又は順次に好ましくは処理される。
【0098】
当然、順次の適用は、適用される各化合物の組み合わせの作用を可能にする時間間隔で行われる。好ましくは、化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)、(III)及び/又は(IV)との順次の適用のための時間間隔の範囲は、数秒から3ヶ月まで、好ましくは数秒から1ヶ月まで、より好ましくは数秒から2週間まで、さらにより好ましくは数秒から3日まで、特には1秒から24時間までである。
【0099】
用語「BBCH基本的成長段階[BBCH principal growth stage]」とは拡張されたBBCHスケールのことをいい、これは、全ての単子葉植物種及び双子葉植物種について植物成長期的に同じような成長段階を同一のコードとする方式のことであって、この方式では植物体の全体成長周期が明確に認識可能な、また区別可能なより長く続く成長期に小区分化されている。略語BBCHは、Biologische Bundesanstalt, Bundessortenamt and CHemical industryから来ている。
【0100】
「所在場所」とは、植物体が生育している又は生育することが意図されている土壌、土地、物質又は環境を意味する。
【0101】
当然のこととして、化合物(I)と、混合物が用いられる場合は化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される化合物とは、有効且つ植物非有害量で用いられる。これは、所望の効果を得ることを可能にする量であるが処理された植物体又は処理された珠芽もしくは処理された土壌から成長した植物体にはなんら植物有害症状を生じない量で化合物が用いられることを意味する。
【0102】
処理されることになる植物体は、一般には、経済的価値のある植物体及び/又は人が育てた植物体である。つまり、植物体は、好ましくは、農場植物、森林植物及び観葉植物から選択され、より好ましくは農場植物から選択される。
【0103】
一般には用語「植物体」には、品種改良、突然変異又は遺伝子工学によって改変された植物体も含まれる。遺伝子改変された植物体は、組み換えDNA手法を用いることによって遺伝物質が改変されている植物体である。組み換えDNA手法を用いると、自然状況下での交雑育種、突然変異又は自然組み換えによっては容易に得られ得ない改変が可能になる。
【0104】
つまり、本明細書で言われている好ましいダイズも、例えば伝統的な品種改良によって得られるような非遺伝子組み換え植物であり得るが、そうでなければ少なくとも1つの遺伝子組み換え事象を有し得る。一実施形態においては、ダイズ植物体は、好ましくは、殺害虫剤に対する抵抗性(好ましくは除草剤グリホサートに対する抵抗性)を賦与する遺伝子組み換え事象を有している遺伝子組み換え植物体であるのが好ましい。つまり、遺伝子組み換え植物体は、グリホサート抵抗性を賦与する遺伝子組み換え事象を有する植物体であるのが好ましい。グリホサート抵抗性を賦与する遺伝子組み換え事象を有するそのような好ましい遺伝子組み換え植物体のいくつかの例は、米国特許第5,914,451号明細書、米国特許第5,866,775号明細書、米国特許第5,804,425号明細書、米国特許第5,776,760号明細書、米国特許第5,633,435号明細書、米国特許第5,627,061号明細書、米国特許第5,463,175号明細書、米国特許第5,312,910号明細書、米国特許第5,310,667号明細書、米国特許第5,188,642号明細書、米国特許第5,145,783号明細書、米国特許第4,971,908号明細書及び米国特許第4,940,835号明細書に記載されている。より好ましくは、遺伝子組み換えダイズ植物体は、「Roundup−Ready」(RR)遺伝子組み換えダイズの特徴を有する植物体である(Monsanto Company(St.Louis、Mo.)から入手可能)。
【0105】
本発明の用語における「森林植物」は木であり、より具体的には森林再生又は工業的大農園で用いられている木である。工業的大農園は、一般に、木材、パルプ、紙、ゴム、クリスマスツリー、あるいは造園目的の若木のような森林産物を商業的に生産するのに役立つ。森林植物の例は、松(特にはピヌス属種(Pinus spec.))、モミ及びトウヒのような針葉樹、ユーカリの木、チーク等の熱帯木、ゴムの木、アブラヤシ、ヤナギ(Salix)(特にはサリックス属種(Salix spec.))、ポプラ(ハコヤナギ)(特にはポプルス属種(Populus spec.))、ブナ(特にはファグス属種(Fagus spec.))、カバ及びオークである。
【0106】
本発明のもう1つの実施形態では、本発明の組成物で処理することによって健康が改善されることになる植物体は、観葉植物である。「観葉植物」は、例えば公園、庭園及びバルコニーでの園芸で一般的に用いられている植物体である。例は、膨大な数ある観葉植物の中でほんの2〜3例を挙げると、シバ、ゼラニウム、ペラルゴニア、ペチュニア、ベゴニア、及びフクシアである。
【0107】
「農場植物」は、一部(例えば種子)又は全部が商業規模で収穫又は栽培される植物体、つまり飼料、食料、繊維(例えば、ワタ、アサ)、可燃物(例えば、木材、バイオエタノール、バイオディーゼル、バイオマス)又は他の化学化合物の重要な源として役立つ植物である。農場植物には、園芸植物、すなわち、一部の果樹及び野菜のような、(農場ではなく)菜園で成育される植物体も含まれ得る。好ましい農場植物は、例えば、禾穀類(例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、ライコムギ、オートムギ、モロコシ又はイネ)、テンサイ(例えば、サトウテンサイ又は飼料テンサイ);梨果、石果又は軟果のような、果樹、例えばリンゴ、ナシ、プラム、モモ、アーモンド、チェリー、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー又はグズベリー;マメ科植物、例えば、レンズ豆、エンドウ、アルファルファ又は大豆;油植物、例えば、アブラナ、ナタネ、カノーラ、アマニ、カラシナ、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、カカオ豆、ヒマシ油の木、アブラヤシ、落花生又はダイズ;ウリ科植物、例えばスカッシュ、キュウリ又はメロン;繊維植物、例えばワタ、アマ、アサ又はジュート;柑橘類果樹、例えばオレンジ、レモン、グレープフルーツ又はミカン;野菜、例えばホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、ウリ又はパプリカ;クスノキ科植物、例えばアボカド、シナモン又はショウノウ;エネルギー及び原材料植物、例えばトウモロコシ、ダイズ、アブラナ、カノーラ、サトウキビ又はアブラヤシ;トウモロコシ;タバコ;ナッツ;コーヒー;チャ;バナナ;匍匐植物(食用ブドウ及びグレープジュース匍匐植物);ホップ;シバ;天然ゴムの木又は観葉及び森林植物、例えば花木、潅木、広葉樹又は常緑樹(例えば針葉樹);である。
【0108】
本発明の一実施形態では、果実作物が好ましい。果実作物の中では、リンゴ、イチゴ及び柑橘類(例えばオレンジやレモン)が特に好ましい。
【0109】
より好ましい農場植物は、ジャガイモ、サトウテンサイ、禾穀類(例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、モロコシ、イネ)、トウモロコシ、ワタ、アブラナ、ナタネ及びカノラ、マメ科植物(例えば、ダイズ、エンドウ及びソラマメ)、ヒマワリ、サトウキビのような農作物;観葉植物;又は野菜、例えばキュウリ、トマト、あるいはタマネギ、リーキ、レタス、スコッシュ;であり、最も好ましい農場植物は、ジャガイモ、サトウテンサイ、禾穀類(例えばコムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、モロコシ、イネ)、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、ナタネ、カノラ、ヒマワリであり、最も好ましい植物体は、ダイズである。
【0110】
好ましい実施形態では、植物体の健康を改善するための上記した方法は、遺伝子組み換え又は非遺伝子組み換えのジャガイモ、サトウテンサイ、禾穀類(例えばコムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、モロコシ、イネ)、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、ナタネ、カノラ、ヒマワリからなる群から選択される農場植物及び/又はその植物体が生育している又は生育することが予測されている場所を本発明の組成物で処理することを含む(この場合ダイズが最も好ましい)。そのような植物体は、遺伝子組み換え又は非遺伝子組み換え植物体であり得る。
【0111】
本発明による混合物が用いられる場合は、植物体、植物体が生育している又は生育することが予測されている場所は、本発明の混合物中に存在している各成分で同時に(一緒に又は別々に)又は順次に好ましくは処理される。
【0112】
「植物体健康」とは、いくつかの外観単独で又は互いの組み合わせで決定される植物体健康状態を意味する。
【0113】
植物体の健康状態についての1つの指標(指標1)は収量であり、これは作物及び/又は果実収量である。「作物」及び「果実」とは、収穫の後さらに利用されるあらゆる植物体産物、例えば、植物体によって産生される少しは経済的価値のある、本来の意味での果実、野菜、ナッツ、禾穀類、種子、木材(例えば森林植物の場合における)、花(例えば、園芸植物、観葉植物の場合における)他と理解されるべきである。収量を測定する1つの方法は、収穫された穀物の千粒重(TGW)である。
【0114】
植物体の健康状態についてのもう1つの指標(指標2)は、植物体の活力である。植物体の活力も、いくつかの外観で明らかになるものであり、そのようなもののいくつかは、目で見る外観(例えば、葉の色、果実の色及び外観)、枯れた根出葉の量、及び/又は葉身長さ、植物体重さ、植物体高さ、植物体節[verse]長さ(倒状性[lodging])、出芽[tillering]又は枝もしくは茎の数、強さ及び繁殖力、円錐花序長さ、結実状態、根系長さ、根の強さ、根粒形成の(特には根粒菌による根粒形成の)程度、発芽の時間点、出現の時間点、開花の時間点、穀粒成熟の時間点及び/又は老化の時間点、タンパク質含有量、糖含有量等である。
【0115】
本発明の一実施形態では、植物体活力は、植物体高さ、穂の付いた茎の数、出芽、植物体新芽成長、1穂当たりの穀粒の数、及び緑葉面積の増大で明らかになる。
【0116】
植物体の健康状態についてのもう1つの指標(指標3)は、非生物的ストレス因子に対する植物体の耐性又は抵抗性である。非生物的ストレス(特に長い期間に亘っての)は、植物体に対して有害な影響を有し得る。非生物的ストレスは、例えば、熱気又は寒気のような極端な温度や温度の激しい変動あるいは季節外れの温度、日照り、洪水のような極端な水分又は水湿気、嫌気性状態、高い塩分、照射(例えばオゾン保護層が減少していることから来るUV照射の増大)、オゾン濃度の増大、及び有機物による公害(例えば植物に有害な量の殺害虫剤による)又は無機物による公害(例えば重金属を含む汚染物質による)によって引き起こされる。結果として、ストレスを受けた植物体、その作物及び果実の量と質は低下する。質に関しては、生殖発生が通常深刻な影響を受け、果実又は種子にとって重要である作物体に影響がある。タンパク質の合成、蓄積及び貯蔵は温度によって最も大きく影響を受け;成長はほとんど全てのストレスによって遅延され;組織合成及び貯蔵多糖類合成は低下させられる又は改変させられ;これらの影響はバイオマスの減少及びその産物の栄養的価値の変化をもたらす。
【0117】
本発明の一実施形態では、日照りストレス(非生物的ストレス)に対する植物体の耐性は、水利用効率の増大、植物体からの蒸散の減少で明らかになる。
【0118】
好ましい一実施形態において、本発明は、植物体の、好ましくは農場、森林及び/又は観葉植物の、より好ましくは農場植物の収量を増大させるための式Iの化合物(I)又は本発明による混合物の使用を提供する。
【0119】
本発明は、さらに、植物体の、好ましくは農場、森林及び/又は観葉植物の、より好ましくは農場植物の収量を増大させるための方法を提供する。
【0120】
より好ましい実施形態では、前記した植物体の収量を増大させるための方法は、植物体が、ジャガイモ、サトウテンサイ、禾穀類(例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、モロコシ、イネ)、トウモロコシ、ワタ、アブラナ、ナタネ及びカノラ、マメ科植物(例えば、ダイズ、エンドウ及びソラマメ)、ヒマワリ、サトウキビのような、農作物;観葉植物;又はキュウリ、トマト、あるいはタマネギ、リーキ、レタス、スコッシュのような、野菜;からなる群から好ましくは選択される、植物体(より好ましくは農場植物は、ジャガイモ、サトウテンサイ、禾穀類(例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、モロコシ、イネ)、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、ナタネ、カノラ、ヒマワリ、である)、及び/又は、植物体が生育している又は生育することが予測されている場所を化合物(I)又は本発明による混合物で処理することを含む。
【0121】
特に好ましい実施形態では、前記した植物体の収量を増大させるための方法は、植物体が、コムギ、トウモロコシ(コーン)、ダイズである、植物体、及び/又は、植物体が生育している又は生育することが予測されている場所を化合物(I)又は本発明による混合物で処理することを含む。
【0122】
特に好ましい実施形態では、前記した植物体の収量を増大させるための方法は、植物体が、遺伝子組み換え又は非遺伝子組み換えダイズである、植物体、及び/又は、植物体が生育している又は生育することが予測されている場所を化合物(I)又は本発明による混合物で処理することを含む。
【0123】
本発明によれば、植物体の、特には農場、森林及び/又は観葉植物の、より好ましくは農場植物の、「収量増大」とは、それぞれの植物体の産物の収量が、同じ条件下だが本発明の組成物の適用なしに産生された植物体の同じ産物の収量より測定可能な量だけ増大されていることを意味する。
【0124】
本発明によれば、収量は、少なくとも0.5%、より好ましくは少なくとも1%、さらにより好ましくは少なくとも2%、なおより好ましくは少なくとも4%だけ増大されているのが好ましい。
【0125】
本発明による収量増大の改善とは、特に、先に言及した植物体特性のいずれの1つ又はそのいくつかもしくは全ての改善も、化合物(I)又は本発明による混合物の殺害虫作用とは独立に改善されることを意味する。
【0126】
もう1つの好ましい実施形態において、本発明は、植物体の、例えば農場、森林及び/又は観葉植物の、より好ましくは農場植物の、収量を増大させるための及び/又はその活力を改善させるための化合物(I)又は本発明による混合物の使用を提供する。
【0127】
本発明は、さらに、植物体の、好ましくは農場、森林及び/又は観葉植物の、より好ましくは農場植物の、収量を増大させるための及び/又は活力を改善させるための方法を提供する。
【0128】
より好ましい実施形態では、前記した植物体の活力を増大又は改善させるための方法は、植物体が、ジャガイモ、サトウテンサイ、禾穀類(例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、モロコシ、イネ)、トウモロコシ、ワタ、アブラナ、ナタネ及びカノラ、マメ科植物(例えば、ダイズ、エンドウ及びソラマメ)、ヒマワリ、サトウキビのような、農作物;観葉植物;又はキュウリ、トマト、あるいはタマネギ、リーキ、レタス、スコッシュのような、野菜;からなる群から好ましくは選択される、植物体(より好ましくは農場植物は、ジャガイモ、サトウテンサイ、禾穀類(例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、モロコシ、イネ)、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、ナタネ、カノラ、ヒマワリ、である)、及び/又は、植物体が生育している又は生育することが予測されている場所を化合物(I)又は本発明による混合物で処理することを含む。
【0129】
特に好ましい実施形態では、前記した植物体の活力を増大させるための方法は、植物体が、遺伝子組み換え又は非遺伝子組み換えダイズである、植物体、及び/又は、植物体が生育している又は生育することが予測されている場所を化合物(I)又は本発明による混合物で処理することを含む。
【0130】
本発明によれば、「植物体活力の改善」とは、いくつかの作物特性が、同じ条件下だが本発明の組成物の適用なしに産生された植物体の同じ特性より測定可能な、又は認識可能な量だけ増大又は改善されていることを意味する。
【0131】
植物体活力の改善は、特に、以下の植物体特性改善の少なくとも1つによって特徴付けられ得る:
・植物体活力の改善、
・植物体及び/又は植物体産物の質の改善、例えば、タンパク質含有量の増大、果実サイズの増大、より均一な果実又は穀粒の色等、
・収穫された植物体又は植物体部分の貯蔵性の改善、
・目に見える外観の改善、
・老化の遅れ、つまり、より長続きする光合成活性葉器官、
・根成長の増大及び/又はより成長した根系、
・根粒形成の増大、特には根粒菌による根粒形成、
・より長い円錐花序、
・より大きい鞘、
・鞘形成の改善、
・種子形成の改善、
・果実形成の改善、
・開花中断の減少、
・鞘中断の減少、
・種子中断の減少、
・より大きい葉身、
・より少ない枯れた根出葉、
・葉面積指標の改善、
・木立ち密度の増大又は改善、
・より小さい植物体節長さ(倒状性[lodging])、
・植物体重さの増大、
・植物体高さの増大、
・新芽成長の増大、
・出芽の増加、
・分枝の増加、
・より強い及び/又はより繁殖力ある出芽又は分枝、
・より少ない貧繁殖力出芽、
・光合成活動の増大及び/又は色素含有量の増大又はより緑色の葉色、
・エチレン産生の減少及び/又は植物体によるその受容の抑制、
・より早いまた改善された発芽、
・発芽の改善、
・より早い開花、
・より早い結実、
・より早い穀粒成熟、
・より均一な成熟、
・より少なく必要とされる肥料、
・収穫指標の改善、
・貯蔵寿命の改善、
・水利用効率の上昇、
・緑葉面積の増大、
・より良い収穫性。
【0132】
本発明による植物体活力の改善とは、特に、先に言及した植物体特性のいずれの1つ又はそのいくつかもしくは全ての改善も、化合物(I)又は本発明による混合物の殺害虫作用とは独立に改善されることを意味する。
【0133】
本発明のより好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、植物体の活力を改善させるために用いられる。
【0134】
本発明のより好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、植物体の水利用効率を増大させるために用いられる。
【0135】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、植物体及び/又は、植物体産生物の品質を改善(例えばタンパク質含有量の増大)させるために用いられる。
【0136】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、収穫された植物体又は植物体部分の貯蔵性の改善のために用いられる。
【0137】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、老化の遅延、したがって葉器官のより長い光合成活動のために用いられる。
【0138】
本発明のもう1つのより好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、根成長を促進させるため及び/又は植物体のより発達した根系の形成を誘起させるために用いられる。
【0139】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、種子又は果実形成の改善のために用いられる。
【0140】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、開花中断及び/又は鞘中断及び/又は種子中断の減少のために用いられる。
【0141】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、より大きい葉身のために用いられる。
【0142】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、より少ない枯れた根出葉のために用いられる。
【0143】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、植物体節長さ(倒状性[lodging])の縮小のために用いられる。
【0144】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、式Iの化合物又は本発明の混合物は、植物体重量を増大させるために用いられる。
【0145】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、植物体高さを増大させるために用いられる。
【0146】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、より精力的な及び/又はより繁殖力ある出芽又は分枝のために用いられる。
【0147】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、光合成活動の増大及び/又は色素含有量の増大又はより緑色の葉色のために用いられる。
【0148】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、発芽改善のために用いられる。
【0149】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、新芽成長増大のために用いられる。
【0150】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、エチレン産生の減少及び/又は植物体によるエチレン受容阻止のために用いられる。
【0151】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、植物体、植物体部分又は果実のより均一な成熟のために用いられる。
【0152】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、収穫性改善のために用いられる。
【0153】
本発明の最も好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、植物体活力改善を増大させるために用いられる。
【0154】
本発明のもう1つの最も好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、老化の遅延つまり葉器官のより長い光合成活動のために用いられる。
【0155】
本発明のもう1つの最も好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、より大きい葉身のために用いられる。
【0156】
本発明のもう1つの最も好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、枯れた根出葉がより少なくなるように用いられる。
【0157】
本発明のもう1つの最も好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、種子又は果実形成改善のために用いられる。
【0158】
本発明のもう1つの最も好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、植物体重量増大のために用いられる。
【0159】
本発明のもう1つの最も好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、植物体高さ増大のために用いられる。
【0160】
本発明のもう1つの最も好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明の混合物は、新芽成長増大のために用いられる。
【0161】
なおもう1つの好ましい実施形態において、本発明は、非生物的ストレス因子に対する植物体の耐性又は抵抗性を増強させるための化合物(I)又は本発明の混合物の使用を提供する。
【0162】
本発明は、さらに、植物体及び/又は植物体が生育している又は生育することが予測されている場所を化合物(I)又は本発明による混合物で処理することを含む、非生物的ストレス因子に対する植物体の耐性又は抵抗性を増強させるための方法を提供する。
【0163】
より好ましい実施形態では、前記した非生物的ストレス因子に対する植物体の耐性又は抵抗性を増強させるための方法は、植物体が、ジャガイモ、サトウテンサイ、禾穀類(例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、モロコシ、イネ)、トウモロコシ、ワタ、アブラナ、ナタネ及びカノラ、マメ科植物(例えば、ダイズ、エンドウ及びソラマメ)、ヒマワリ、サトウキビのような、農作物;観葉植物;又はキュウリ、トマト、あるいはタマネギ、リーキ、レタス、スコッシュのような、野菜;からなる群から好ましくは選択される、植物体(より好ましくは農場植物は、ジャガイモ、サトウテンサイ、禾穀類(例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、モロコシ、イネ)、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、ナタネ、カノラ、ヒマワリ、である)、及び/又は、植物体が生育している又は生育することが予測されている場所を化合物(I)又は本発明による混合物で処理することを含む。
【0164】
特に好ましい実施形態では、前記した非生物的ストレス因子に対する植物体の耐性又は抵抗性を増強させるための方法は、植物体が、遺伝子組み換え又は非遺伝子組み換えダイズである、植物体、及び/又は、植物体が生育している又は生育することが予測されている場所を化合物(I)又は本発明による混合物で処理することを含む。
【0165】
非生物的ストレス因子は先に定義されている。
【0166】
本発明によれば、「非生物的ストレス因子に対する植物体の耐性又は抵抗性の増強」とは、(1.)非生物的ストレスによって引き起こされるある種のネガティブな特性が、同じ条件に曝されたが本発明の組成物で処理されていない植物体に比較して測定可能又は認識可能な量だけ減少させられており、(2.)そのネガティブな影響が、ストレス因子に対する組成物の直接的な作用によって(例えば微生物又は害虫を直接破壊するその殺菌又は殺害虫作用によって)減少させられるのではなく、むしろそのようなストレス因子に対する植物体自体の防衛的な反応を刺激することによって減少させられることを意味する。
【0167】
非生物的ストレスによって引き起こされるネガティブな特性もよく知られており、多くの場合、植物体活力の低下(上記を参照されたい)、例えば、ほんの2〜3の例を挙げると、斑点葉[dotted leaves]、「葉焼け[burned leaves]」、成長の低下、より少ない花、より少ないバイオマス、より少ない作物収量、作物栄養価の低下、より遅い作物成熟、として観察され得る。
【0168】
好ましい実施形態では、非生物的ストレス因子に対する耐性及び/又は非生物的ストレス因子に対する抵抗性が、増強される。つまり、本発明のさらなる実施形態によれば、本発明の組成物は、極端な温度(例えば、熱気又は寒気あるいは温度の激しい変動あるいは季節外れの温度)、日照り、極端な水分、高い塩分、照射(例えばオゾン保護層が減少していることから来るUV照射の増大)、オゾン濃度の増大、有機物による公害(例えば植物に有害な量の殺害虫剤による)及び/又は無機物による公害(例えば重金属を含む汚染物質による)のような非生物的ストレスに対する植物体自体の防衛的な反応を刺激するのに用いられる。
【0169】
より好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明による混合物は、非生物的ストレス因子が、極端な温度、日照り及び極端な水分から好ましくは選択される非生物的ストレスに対する植物体自体の防衛的な反応を刺激するのに用いられる。
【0170】
より好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明による混合物は、非生物的ストレス因子が、日照りストレスである非生物的ストレスに対する植物体自体の防衛的な反応を刺激するのに用いられる。
【0171】
もう1つのより好ましい実施形態では、化合物(I)又は本発明による混合物は、殺菌剤、除草剤及び/又は殺虫剤等の殺害虫剤の植物有害量によって植物体に引き起こされる傷害を減少又は阻止させるのに用いられる。
【0172】
本発明の期間中に、先に記載されている本発明による混合物から選択されるある種の混合物が、先行技術にはまだ明確に記載されていないことを見出した。この混合物は、しかしながら、本明細書中先に記載されている植物体健康相乗作用効果を有するだけでなく、殺菌相乗作用効果ももたらす。
【0173】
つまり、本発明者は、菌類、その生息地、繁殖地、その所在場所、又は菌類の攻撃から保護されるべき植物体、土壌もしくは種子がこの混合物の殺害虫有効量で処理される、植物病原性菌類の防除方法も見出したのである。
【0174】
本発明の一実施形態では、植物病原性菌類を防除するための殺菌剤混合物は、100kgの種子当たり0.001g〜1kgの量で種子に適用される。
【0175】
「所在場所」とは、害虫が成育している又は成育し得る植物体、種子、土壌、土地、物質又は環境を意味する。
【0176】
一般には、「殺害虫有効量」とは、成長に対する観察可能な効果(壊死の効果、死の効果、遅延の効果、予防の効果が挙げられる)、さらには標的生物の除去、破壊、又はそうでなければ発生及び活動の減少を達成するのに必要とされる本発明混合物又はその混合物を含んでいる組成物の量を意味する。殺害虫有効量は、本発明で用いるさまざまな混合物/組成物に応じて変わり得る。混合物/組成物の殺害虫有効量は、所望の殺害虫効果とその期間、天候、標的種、所在場所、適用の方式、等のようなその時の条件に応じても変わるものである。
【0177】
そのような混合物は、
(1)式Iのアミド(化合物I);及び
(2)
(ii)ボスカリド、フェンヘキサミド、メタラキシル、フルオピコリド(ピコベンズアミド)、ゾキサミド、マンジプロパミド及びカルプロパミドから選択される、カルボン酸アミド系化合物、
(iii)シプロコナゾール(A1)、エポキシコナゾール(A3)、フルシラゾール(A4)、イプコナゾール(A7)、プロピコナゾール(A9)、プロチオコナゾール(A10)、テブコナゾール(A11)、シアゾファミド(A12)及びトリアゾキシド(A15)から選択される、アゾール系化合物、
(iv)フルアジナム、シプロジニル、アシベンゾラル−S−メチル、プロキナジド、キノキシフェン、フェンピクロニル、カプタン、ホルペト及びフェンプロピジンから選択される、ヘテロ環式系化合物、
(v)イプロバリカルブ、マネブ、プロピネブ及びフルベンチアバリカルブ(ベンチアバリカルブ)から選択される、カルバメート系並びにジチオカルバメート系化合物、
(vi)フルスルファミド等のオルガノクロロ化合物、
(vii)硫黄等の無機活性成分、及び
(viii)スピロキサミン、シモキサニル、シフルフェナミド及びバリフェナールから選択される、他の化合物、
からなる群から選択されるさらなる殺菌剤II(化合物II);
を含んでいる。
【0178】
本発明のもう1つの実施形態では、そのような混合物は、
(1)式Iのアミド(化合物I);及び
(2)
(ii)ボスカリド、フェンヘキサミド、メタラキシル、フルオピコリド(ピコベンズアミド)、ゾキサミド、マンジプロパミド及びカルプロパミドから選択される、カルボン酸アミド系化合物、
(iii)シプロコナゾール(A1)、エポキシコナゾール(A3)、フルシラゾール(A4)、イプコナゾール(A7)、プロピコナゾール(A9)、プロチオコナゾール(A10)、テブコナゾール(A11)、シアゾファミド(A12)及びトリアゾキシド(A15)から選択される、アゾール系化合物、
(iv)フルアジナム、シプロジニル、アシベンゾラル−S−メチル、プロキナジド、キノキシフェン、フェンピクロニル、カプタン、ホルペト及びフェンプロピジンから選択される、ヘテロ環式系化合物、
(v)イプロバリカルブ、マネブ、プロピネブ及びフルベンチアバリカルブ(ベンチアバリカルブ)から選択される、カルバメート系並びにジチオカルバメート系化合物、
(vi)フルスルファミド等のオルガノクロロ化合物、
(vii)硫黄等の無機活性成分、及び
(viii)スピロキサミン、シモキサニル、シフルフェナミド及びバリフェナールから選択される、他の化合物、
からなる群から選択されるさらなる殺菌剤II(化合物II);及び
(3)場合によっては、グリホセート、スルホニセート及びグリホシネートから選択される除草剤(化合物IV);
を含んでいる。
【0179】
この混合物サブセットは、以下の本明細書中、「本発明による新規な混合物」と定義される。当然、このサブセットは、本発明による混合物に含まれる。つまり、この用語は、このサブセットが区別して指定される必要がある場合のみ、言及される。
【0180】
化合物(I)対化合物(II)又は(IV)の重量比は、好ましくは200:1〜1:200、より好ましくは100:1〜1:100、より好ましくは50:1〜1:50、特には20:1〜1:20である。最も好ましい比は、1:10〜10:1である。重量比は、混合物中の化合物(I)+化合物(II)の全体重量に対してのことである。
【0181】
この混合物の意図される使用に関しては、以下にある表3に掲載されている化合物(I)+化合物(II)又は(IV)の以下の二成分混合物は、特に好ましい。
【0182】
表3
【表3】




【0183】
表3の混合物の中では、以下の混合物が特に好ましい:
O−1、O−2、O−3、O−4、O−5、O−6、O−7、O−8、O−9、O−10、O−11、O−12、O−13、O−14、O−15、O−16、O−17、O−18、O−19、O−20、O−21、O−22、O−23、O−24、O−25、O−26、O−27、O−28、O−29、O−30、O−31、O−32、O−33、O−34、O−69、O−70、O−71、O−72、O−73、O−74、O−75、O−76、O−77、O−78、O−79、O−80、O−81、O−82、O−83、O−84、O−85、O−86、O−87、O−88、O−89、O−90、O−91、O−92、O−93、O−94、O−95、O−96、O−97、O−98、O−99、O−100、O−101、O−102、O−103、O−104、O−105、O−106、O−107、O−108、O−109、O−110、O−111、O−112、O−113、O−114、O−115、O−116、O−117、O−118、O−119、O−120、O−121、O−122、O−123、O−124、O−125、O−126、O−127、O−128、O−129、O−130、O−131、O−132、O−133、O−134、O−135、O−136、O−137、O−138、O−139、O−140、O−141、O−142、O−143、O−144、O−145、O−146、O−147、O−148、O−149、O−150、O−151、O−152、O−153、O−154、O−155、O−156、O−157、O−158、O−159、O−160、O−161、O−162、O−163、O−164、O−165、O−166、O−167、O−168、O−169、O−170、O−171、O−172、O−173、O−174、O−175、O−176、O−177、O−178、O−179、O−180、O−181、O−182、O−183、O−184、O−185、O−186、O−187、O−188、O−189、O−190、O−191、O−192、O−193、O−194、O−195、O−196、O−197、O−198、O−199、O−200、O−201、O−202、O−203、O−204、O−205、O−206、O−207、O−208、O−209、O−210、O−211、O−212、O−213、O−214、O−215、O−216、O−217、O−218、O−219、O−220、O−221、O−222、O−223、O−224、O−225、O−226、O−227、O−228、O−239、O−241、O−244及びO−245。
【0184】
このサブセットの中では、以下の混合物が好ましい:
O−1、O−2、O−3、O−4、O−5、O−6、O−7、O−8、O−9、O−10、O−11、O−12、O−13、O−14、O−15、O−16、O−17、O−18、O−19、O−20、O−21、O−22、O−23、O−24、O−25、O−26、O−27、O−28、O−29、O−30、O−31、O−32、O−33、O−34、O−69、O−70、O−71、O−72、O−73、O−74、O−75、O−76、O−77、O−78、O−79、O−80、O−81、O−82、O−83、O−84、O−85、O−86、O−87、O−88、O−89、O−90、O−91、O−92、O−93、O−94、O−95、O−96、O−97、O−98、O−99、O−100、O−101、O−102、O−171、O−172、O−173、O−174、O−175、O−176、O−177、O−178、O−179、O−180、O−181、O−182、O−183、O−184、O−185、O−186、O−187、O−188、O−189、O−190、O−191、O−192、O−193、O−194、O−195、O−196、O−197、O−198、O−199、O−200、O−201、O−202、O−203、O−204、O−205、O−206、O−207、O−208、O−209、O−210、O−211、O−212、O−213、O−214、O−215、O−216、O−217、O−218、O−219、O−220、O−221、O−222、O−223、O−224、O−225、O−226、O−227、O−228及びO−239。
【0185】
以下の混合物はさらにより好ましい:
O−1、O−2、O−3、O−4、O−5、O−6、O−7、O−8、O−9、O−10、O−11、O−12、O−13、O−14、O−15、O−16、O−17、O−18、O−19、O−20、O−21、O−22、O−23、O−24、O−25、O−26、O−27、O−28、O−29、O−30、O−31、O−32、O−33、O−34及びO−239。
【0186】
本発明において、本発明者は、化合物(I)と化合物(II)又は(IV)との同時の(すなわち一緒の又は別々の)適用又は化合物(I)と化合物(II)又は(IV)との順次の適用は、個々の化合物で可能である防除効果に比較して、植物体有害病原を意味する害虫の防除増強を可能にすることを見出した(相乗作用混合物)。
【0187】
加えて、本発明者は、表2に掲載されている化合物(I)と化合物(II)又は(III)と化合物(IIb)又は(IV)との同時の(すなわち一緒の又は別々の)適用又は化合物(I)と化合物(II)又は(III)と化合物(IIb)又は(IV)との順次の適用は、個々の化合物で可能である防除効果に比較して、植物体有害病原を意味する害虫の防除増強を可能にすることを見出した(相乗作用混合物)。
【0188】
害虫を防除するためのこれらの混合物の意図される使用に関しては、先の表2に掲載されている、化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)、(III)又は(IV)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物との三成分混合物が特に好ましい。
【0189】
表2の三成分混合物の中では、害虫防除のための意図される使用に関しては以下の混合物が特に好ましい:
N−1、N−2、N−3、N−4、N−5、N−6、N−7、N−8、N−9、N−10、N−11、N−12、N−13、N−14、N−15、N−16、N−17、N−18、N−19、N−20、N−21、N−22、N−23、N−24、N−25、N−26、N−27、N−28、N−29、N−30、N−31、N−32、N−33、N−34、N−35、N−36、N−37、N−38、N−39、N−40、N−41、N−42、N−43、N−44、N−45、N−46、N−47、N−48、N−49、N−50、N−51、N−52、N−53、N−54、N−55、N−56、N−57、N−58、N−59、N−60、N−61、N−62、N−63、N−64、N−65、N−66、N−67、N−68、N−69、N−70、N−71、N−72、N−73、N−74、N−75、N−76、N−77、N−78、N−79、N−80、N−81、N−82、N−83、N−84、N−85、N−86、N−87、N−88、N−89、N−90、N−91、N−92、N−93、N−94、N−95、N−96、N−97、N−98、N−99、N−100、N−101、N−102、N−103、N−104、N−105、N−106、N−107、N−108、N−109、N−110、N−111、N−112、N−113、N−114、N−115、N−116、N−117、N−118、N−119、N−120、N−121、N−122、N−123、N−124、N−125、N−126、N−127、N−128、N−129、N−130、N−131、N−132、N−133、N−134、N−135、N−960、N−961、N−962、N−963、N−964、N−965、N−966、N−967、N−968、N−969、N−970、N−971、N−972、N−973、N−974、N−1065、N−1066、N−1067、N−1068、N−1069、N−1070、N−1071、N−1072、N−1073、N−1083、N−1084、N−1085、N−1086、N−1087、N−1088、N−1089、N−1090、N−1091、N−1110、N−1111、N−1112、N−1113、N−1114、N−1115、N−1116、N−1117、N−1118、N−1119、N−1120、N−1121、N−1122、N−1123、N−1124、N−1125、N−1126及びN−1127。
【0190】
有利には、本発明混合物は、以下の植物体病原を防除するのに適している:
アルブゴ属菌[Albugo spp.](白さび病[white rust]):観葉植物、野菜(例えばアルブゴ・カンジダ[A. candida])及びヒマワリ(例えばアルブゴ・トラゴポゴニス[A. tragopogonis])につく;アルテルナリア属菌[Alternaria spp.](アルテルナリア黒斑病[Alternaria leaf spot]):野菜、アブラナ(アルテルナリア・ブラシッコラ[A. brassicola]又はブラシッカエ[brassicae])、サトウテンサイ(同・テヌイス[A. tenuis])、果物類、イネ、ダイズ、ジャガイモ(例えば同・ソラニ[A. solani]又は同・アルテルナタ[A. alternata])、トマト(例えば同・ソラニ[A. solani]又は同・アルテルナタ[A. alternata])及びコムギにつく;アファノミセス属菌[Aphanomyces spp.]:サトウテンサイ及び野菜につく;アスコキタ属菌[Ascochyta spp.]:禾穀類及び野菜につく、例えば同・トリチシ[A. tritici](炭疽病[anthracnose]):コムギにつく、及び同・ホルデイ[A. hordei]:オオムギにつく;ビポラリス属菌[Bipolaris]及びドレクスレラ属菌[Drechslera spp.](テレオモルフ:コクリオボルス属菌[Cochliobolus spp.]):トウモロコシ(例えば同・マイジス[D. maydis]、禾穀類(例えば同・ソロキニアナ[B. sorokiniana]:斑点病[spot blotch])、イネ(例えば同・オリザエ[B. oryzae])及びシバにつく;ブルメリア[Blumeria](以前はエリシフ[Erysiphe])・グラミニス[graminis](うどん粉病[powdery mildew]):禾穀類(例えば:コムギ又はオオムギ)につく;ボトリチス・シネレア[Botrytis cinerea](テレオモルフ:ボトリオチニア・フッケリアナ[Botryotinia fuckeliana]:灰色カビ病[grey mold]):果物類及びベリー(例えばイチゴ)、野菜(例えばレタス、ニンジン、セロリ及びキャベツ)、アブラナ、草花、匍匐植物、森林植物及びコムギにつく;ブレミア・ラクツカエ[Bremia lactucae](ベト病[downy mildew]):レタスにつく;セラトシスチス(別名オフィオストマ)属菌[Ceratocystis(syn. Ophiostoma)spp.](腐敗病[rot]又は青枯病[wilt]):広葉樹及び常緑樹につく、例えば同・ウルミ[C. ulmi](オランダニレ病[Dutch elm disease]):ニレにつく;セルコスポラ属菌[Cercospora spp.](セルコスポラ葉斑点病[Cercospora leaf spots]):トウモロコシ、イネ、サトウテンサイ(例えば同・ベチコラ[C. beticola])、サトウキビ、野菜、コーヒーの木、ダイズ(例えば同・ソジナ[C. sojina]又は同・キクチイ[C. kikuchii])及びイネにつく;クラドスポリウム属菌[Cladosporium spp.]:トマト(例えば同・フルブム[C. fulvum]:葉カビ病[leaf mold])及び禾穀類(例えば同・ヘルバルム[C. herbarum](黒耳病[black ear]):コムギにつく)につく;クラビセプス・プルプレア[Claviceps purpurea](麦角病[ergot]):禾穀類につく;コクリオボルス(アナモルフ:ビポラリスのヘルミトスポリウム)属菌[Cochliobolus(anamorph:Helminthosporium of Bipolaris)spp.](葉斑点病[leaf spots]):トウモロコシ(同・カルボヌム[C. carbonum])、禾穀類(例えば同・サチブス[C. sativus]、アナモルフ:同・ソロキニアナ[B. sorokiniana])及びイネ(例えば同・ミヤベアヌス[C. miyabeanus]、アナモルフ:同・オリザエ[H. oryzae])につく;コレトトリクム(テレオモルフ:グロメレラ)属菌[Colletotrichum (teleomorph:Glomerella)spp.](炭疽病):ワタ(例えば同・ゴッシピイ[C. gossypii])、トウモロコシ(例えば同・グラミニコラ[C. graminicola])、軟果実、ジャガイモ(例えば同・コッコデス[C. coccodes]:黒点病[black dot])、インゲンマメ(例えば同・リンデムチアヌム[C. lindemuthianum])及びダイズ(例えば同・トルンカツム[C. truncatum]又は同・グロエオスポリオイデス[C. gloeosporioides])につく;コルチシウム属菌[Corticium spp.]、例えば同・ササキイ[C. sasakii](紋枯病[sheath blight]):イネにつく;コリネスポラ・カッシイコラ[Corynespora cassiicola](葉斑点病):ダイズ及び観葉植物につく;シクロコニウム属菌[Cycloconium spp.]、例えば同・オレアギヌム[C. oleaginum]:オリーブの木につく;シルインドロカルポン属菌[Cylindrocarpon spp.](例えば果樹胴枯病[fruit tree canker]又は幼若匍匐植物衰弱病[young vine decline]、テレオモルフ:ネクトリア[Nectria]又はネオネクトリア[Neonectria]属菌):果樹、匍匐植物(例えば同・リリオデンドリ[C. liriodendri]、テレオモルフ:ネオネクトリア・リリオデンドリ[Neonectria liriodendri]:黒脚病[Black Foot Disease])及び観葉植物につく;デマトホラ[Dematophora](テレオモルフ:ロセリニア[Rosellinia])・ネカトリキス[necatrix](根及び幹腐敗病[root and stem rot]):ダイズにつく;ジアポルト属菌[Diaporthe spp.]、例えば同・ファセオロルム[D. phaseolorum](苗立枯病[damping off]):ダイズにつく;ドレクスレラ(別名ヘルミントスポリウム、テレオモルフ:ピレノホラ)属菌[Drechslera(syn. Helminthosporium, teleomorph:Pyrenophora)spp.]:トウモロコシ、禾穀類(例えばオオムギ(例えば同・テレス[D. teres]、網斑病[net blotch])及びコムギ(例えば同・トリチシ-レペンチス[D. tritici-repentis]:褐斑点病[tan spot]))、イネ及びシバにつく;黒色麻疹病[Esca](立ち枯病[dieback]、枝枯病[apoplexy]):匍匐植物につく(ホルミチポリア(別名フェリヌス)[Formitiporia(syn. Phellinus)])プンクタタ[punctata]、同・ムジテラネア[F. mediterranea]、ファエオモニエラ・クラミドスポラ[Phaeomoniella chlamydospora](以前はファエオアクレモニウム・クラミドスポルム[Phaeoacremonium chlamydosporum])、ファエオアクレモニウム・アレオフィルム[Phaeoacremonium aleophilum]及び/又はボトリオスファエリア・オブツサ[Botryosphaeria obtusa]によって引き起こされる);エルシノ属菌[Elsinoe spp.]:梨果果樹(同・ピリ[E. pyri])、軟果果樹(同・ベネタ[E. veneta]:炭疽病)及び匍匐植物(同・アンペリナ[E. ampelina]:炭疽病)につく;エンチルオマ・オリザエ[Entyloma oryzae](葉スス病[leaf smut]):イネにつく;エピコックム属菌[Epicoccum spp.](黒カビ病[black mold]):コムギにつく;エリシフェ属菌[Erysiphe spp.](うどん粉病):サトウテンサイ(同・ベタエ[E. betae])、野菜(例えば同・ピシ[E. pisi])、例えばウリ科植物(例えば同・シコラセアルム[E. cichoracearum])、キャベツ、アブラナ(例えば同・クルシフェラルム[E. cruciferarum])につく;オイチパ・ラタ[Eutypa lata](オイチパ 胴枯病又は立ち枯病、アナモルフ:シトスポリナ・ラタ[Cytosporina lata]、別名リベルテラ・ブレファリス[Libertella blepharis]):果樹、匍匐植物及び観葉植物林につく;エキッセロヒルム[Exserohilum](別名ヘルミントスポリウム[Helminthosporium])属菌:トウモロコシ(例えば同・ツルシクム[E. turcicum])につく;フサリウム[Fusarium](テレオモルフ:ジベレラ[Gibberella])属菌(青枯病、根腐敗病又は幹腐敗病):さまざまな植物につく、例えば同・グラミネアルム[F. graminearum]又は同・クルモルム[F. culmorum](根腐敗病、かさぶた病[scab]又は頭枯病[head blight]):禾穀類(例えばコムギ又はオオムギ)につく、同・オキシスポルム[F. oxysporum]:トマトにつく、同・ソラニ[F. solani]:ダイズにつく、及び同・ベルチシリオイデス[F. verticillioides]:トウモロコシにつく;ガオイマンノミセス・グラミニス[Gaeumannomyces graminis](立ち枯病[take-all]):禾穀類(例えばコムギ又はオオムギ)及びトウモロコシにつく;ジベレラ属菌[Gibberella spp.]:禾穀類(例えば同・ゼアエ[G. zeae])及びイネ(例えば同・フジクロイ[G. fujikuroi]:ばか苗病[Bakanae disease])につく;グロメレラ・シングラタ[Glomerella cingulata]:匍匐植物、梨果果樹及び他の植物につく、及び同・ゴッシピイ[G. gossypii]:ワタにつく;グレインステイニング複合菌[Grainstaining complex]:イネにつく;グイグナルジア・ビドウェリイ[Guignardia bidwellii](黒腐敗病[black rot]):匍匐植物につく;ギムノスポランギウム属菌[Gymnosporangium spp.]:バラ科植物及びビャクシンにつく、例えば同・サビナエ[G. sabinae](さび病[rust]):ナシにつく;ヘルミントスポリウム属菌[Helminthosporium spp.](別名ドレクスレラ[Drechslera]、テレオモルフ:コクリオボルス[Cochliobolus]):トウモロコシ、禾穀類及びイネにつく;ヘミレイア属菌[Hemileia spp.]、例えば同・バスタトリキス[H. vastatrix](コーヒーの木葉さび病[coffee leaf rust]):コーヒーの木につく;イサリオプシス・クラビスポラ[Isariopsis clavispora](別名クラドスポリウム・ビチス[Cladosporium vitis]):匍匐植物につく;マクロホミナ・ファセオリナ[Macrophomina phaseolina](別名ファセオリ[phaseoli])(根及び幹腐敗病):ダイズ及びワタにつく;ミクロドキウム[Microdochium](別名フサリウム[Fusarium])ニバル[nivale](桃色雪カビ病[pink snow mold]):禾穀類(例えばコムギ又はオオムギ)につく;ミクロスファエラ・ジフサ[Microsphaera diffusa](うどん粉病):ダイズにつく;モニリニア属菌[Monilinia spp.]、例えば同・ラキサ[M. laxa]、同・フルクチコラ[M. fructicola]及び同・フルクチゲナ[M. fructigena](花・枝枯病[bloom and twig blight]、茶腐敗病):石果果樹及び他のバラ科植物につく;ミコスファエレラ属菌[Mycosphaerella spp.]:禾穀類、バナナ、軟果実及びラッカセイにつく、例えば同・グラミニコラ[M. graminicola](アナモルフ:セプトリア・トリチシ[Septoria tritici]、セプトリア斑点病[Septoria blotch]):コムギにつく、又は同・フィジエンシス[M. fijiensis](黒シガトカ病[black Sigatoka disease]):バナナにつく;ペロノスポラ属菌[Peronospora spp.](ベト病):キャベツ(例えば同・ブラッシカエ[P. brassicae])、アブラナ(例えば同・パラシチカ[P. parasitica])、タマネギ(例えば同・デストルクトル[P. destructor])、タバコ(同・タバシナ[P. tabacina])及びダイズ(例えば同・マンシュリカ[P. manshurica])につく;ファコプソラ・パキリジ[Phakopsora pachyrhizi]及び同・メイボミアエ[P. meibomiae](ダイズ さび病):ダイズにつく;フィアロホラ属菌[Phialophora spp.]:例えば匍匐植物(例えば同・トラケイフィラ[P. tracheiphila]及び同・テトラスポラ[P. tetraspora])及びダイズ(例えば同・グレガタ[P. gregata]:幹腐敗病)につく;ホマ・リンガム[Phoma lingam](根及び幹腐敗病):アブラナ及びキャベツにつく、及び同・ベタエ[P. betae](根腐敗病、葉斑点病及び苗立枯病):サトウテンサイにつく;ホモプシス属菌[Phomopsis spp.]:ヒマワリ、匍匐植物(例えば同・ビチコラ[P. viticola]:カン[can]及び葉斑点病[can and leaf spot])及びダイズ(例えば幹腐敗病:同・ファセオリ[P. phaseoli]、テレオモルフ:ジアポルト・ファセオロルム[Diaporthe phaseolorum])につく;フィソデルマ・マイジス[Physoderma maydis](茶斑点病):トウモロコシにつく;フィトフトラ属菌[Phytophthora spp.](青枯病、根腐敗病、葉腐敗病、果実腐敗病及び幹腐敗病):さまざまな植物、例えばパプリカ及びウリ科植物(例えば同・カプシシ[P. capsici])、ダイズ(例えば同・メガスペルマ[P. megasperma]、別名同・ソジャエ[P. sojae])、ジャガイモ及びトマト(例えば同・インフェスタンス[P. infestans]:疫病[late blight])並びに広葉樹(例えば同・ラモルム[P. ramorum]:オーク突然死病[sudden oak death])につく;プラスモジオホラ・ブラッシカエ[Plasmodiophora brassicae](棒状組織腐敗病[club root]):キャベツ
、アブラナ、テンサイ及び他の植物につく;プラスモパラ属菌[Plasmopara spp.]、例えば同・ビチコラ[P. viticola](ブドウの木ベト病):匍匐植物につく、及び同・ハルストジイ[P. halstedii]:ヒマワリにつく;ポドスファエラ属菌[Podosphaera spp.](うどん粉病):バラ科植物、ホップ、梨果及び軟果果樹につく、例えば同・ロイコトリカ[P. leucotricha]:リンゴにつく;ポリミキサ属菌[Polymyxa spp.]:例えば禾穀類(例えばオオムギ及びコムギ)(同・グラミニス[P. graminis])及びサトウテンサイ(同・ベタエ[P. betae])につく、及びそれらによって伝染されるウイルス性病原;プソイドセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス[Pseudocercosporella herpotrichoides](眼紋病[eyespot]、テレオモルフ:タペシア・ヤルンダエ[Tapesia yallundae]):禾穀類(例えばコムギ又はオオムギ)につく;プソイドペロノスポラ属菌[Pseudoperonospora spp.](ベト病):さまざまな植物につく、例えば同・キュベンシス[P. cubensis]:ウリ科植物につく、又は同・フミリ[P. humili]:ホップにつく;プソイドペジクラ・トラケイフィラ[Pseudopezicula tracheiphila](赤火傷病[red fire disease]又はロットブレナー[rotbrenner]、アナモルフ:フィアロホラ[Phialophora]):匍匐植物につく;プッシニア属菌[Puccinia spp.](さび病):さまざまな植物につく、例えば同・トリチシナ[P. triticina](茶さび病又は葉さび病)、同・ストリイホルミス[P. striiformis](筋又は黄さび病[stripe or yellow rust])、同・ホルデイ[P. hordei](小さび病[dwarf rust])、同・グラミニス[P. graminis](幹黒さび病[stem and black rust])又は同・レコンジタ[P. recondita](茶葉さび病):例えばコムギ、オオムギ又はライ麦等の禾穀類につく、及びアスパラガス(例えば同・アスパラギ[P. asparagi])につく;ピレノホラ[Pyrenophora](アナモルフ:ドレクスレラ[Drechslera])トリチシ-レペンチス[tritici-repentis](褐斑点病):コムギにつく、又は同・テレス[P. teres](網斑病):オオムギにつく;ピリクラリア属菌[Pyricularia spp.]、例えば同・オリザエ[P. oryzae](テレオモルフ:マグナポルト・グリセア[Magnaporthe grisea]、イネいもち病[rice blast]):イネにつく、及び同・グリセア[P. grisea]:シバ及び禾穀類につく;ピチウム属菌[Pythium spp.](苗立枯病[damping-off]):シバ、イネ、トウモロコシ、コムギ、ワタ、アブラナ、ヒマワリ、ダイズ、サトウテンサイ、野菜及びさまざまな他の植物につく(例えば同・ウルチムム[P. ultimum]又は同・アファニデルマツム[P. aphanidermatum]);ラムラリア属菌[Ramularia spp.]、例えば同・コロ-シグニ[R. collo-cygni](ラムラリア葉斑点病、植物生理的病原性葉斑点病[Physiological leaf spots]):オオムギにつく、及び同・ベチコラ[R. beticola]:サトウテンサイにつく;リゾクトニア属菌[Rhizoctonia spp.]:ワタ、イネ、ジャガイモ、シバ、トウモロコシ、アブラナ、ジャガイモ、サトウテンサイ、野菜及びさまざまな他の植物につく、例えば同・ソラニ[R. solani]([根及び幹腐敗病]):ダイズにつく、同・ソラニ[R. solani](紋枯病):イネにつく、又は同・セレアリス[R. cerealis](リゾクトニア春枯病[Rhizoctonia spring blight]):コムギ又はオオムギにつく;リゾプス・ストロニフェル[Rhizopus stolonifer](黒色カビ病[black mold]、軟腐敗病[soft rot]):イチゴ、ニンジン、キャベツ、匍匐植物及びトマトにつく;リンコスポリウム・セカリス[Rhynchosporium secalis](火傷病[scald]):オオムギ、ライ麦及びライ小麦につく;サロクラジウム・オリザエ[Sarocladium oryzae]及び同・アッテヌアツム[S. attenuatum](鞘腐敗病[sheath rot]):イネにつく;スクレロチニア属菌[Sclerotinia spp.](茎腐敗病又は白色カビ病):野菜及び農場作物、例えばアブラナ、ヒマワリ(例えば同・スクレロチオルム[S. sclerotiorum])及びダイズ(例えば同・ロルフシイ[S. rolfsii]又は同・スクレロチオルム[S. sclerotiorum])につく;セプトリア属菌[Septoria spp.]:さまざまな植物につく、例えば同・グリシネス[S. glycines](茶斑点病[brown spot]):ダイズにつく、同・トリチシ[S. tritici](セプトリア斑点病[Septoria blotch]):コムギにつく、及び同(別名スタゴノスポラ[Stagonospora])・ノドルム[nodorum](スタゴノスポラ斑点病[Stagonospora blotch]):禾穀類につく;ウンシヌラ[Uncinula](別名エリシフェ[Erysiphe])ネカトル[necator](うどん粉病、アナモルフ:オイジウム・ツッケリ[Oidium tuckeri]):匍匐植物につく;セトスパエリア属菌[Setospaeria spp.](葉斑点病):トウモロコシ(例えば同・ツルシクム[S. turcicum]、別名ヘルミントスポリウム・ツルシクム[Helminthosporium turcicum])及びシバにつく;スファセロテカ属菌[Sphacelotheca spp.](スス病[smut]):トウモロコシにつく(例えば同・レイリアナ[S. reiliana]:頭部スス病)、モロコシ及びサトウキビにつく;スファエロテカ・フリギネア[Sphaerotheca fuliginea](うどん粉病):ウリ科植物につく;スポンゴスポラ・スブテラネア[Spongospora subterranea](うどん粉かさぶた病):ジャガイモにつく、及びそれらによって伝染されるウイルス性の病原菌;スタゴノスポラ属菌[Stagonospora spp.]:禾穀類につく、例えば同・ノドルム[S. nodorum](スタゴノスポラ斑点病、テレオモルフ:レプトスファエリア[Leptosphaeria](別名ファエオスファエリア[Phaeosphaeria])ノドルム[nodorum]):コムギにつく;シンキトリウム・エンドビオチクム[Synchytrium endobioticum]:ジャガイモ(ジャガイモ疣贅病[potato wart disease])につく;タフリナ属菌[Taphrina spp.]、例えば同・デホルマンス[T. deformans](葉巻病[leaf curl disease]):モモにつく、及び同・プルニ[T. pruni](袋実病[plum pocket]):プラムにつく;チエラビオプシス属菌[Thielaviopsis spp.](黒根腐敗病):タバコ、梨果果樹、野菜、ダイズ及びワタにつく、例えば同・バシコラ[T. basicola](別名カララ・エレガンス[Chalara elegans]);チレチア属菌[Tilletia spp.](汎黒穂病[common bunt]又は悪臭スス病[stinking smut]):禾穀類につく、例えば同・トリチシ[T. tritici](別名同・カリエス[T. caries]、小麦黒穂病)及び同・コントロベルサ[T. controversa](萎縮黒穂病):コムギにつく;チフラ・インカルナタ[Typhula incarnata](灰色雪カビ病[grey snow mold]):オオムギ又はコムギにつく;ウロシスチス属菌[Urocystis spp.]、例えば同・オックルタ[U. occulta](幹スス病):ライ麦につく;ウロミセス属菌[Uromyces spp.](さび病):野菜、例えばインゲンマメ(例えば同・アッペンジクラツス[U. appendiculatus]、別名同・ファセオリ[U. phaseoli])及びサトウテンサイ(例えば同・ベタエ[U. betae])につく;ウスチラゴ属菌[Ustilago spp.](裸黒穂病[loose smut]):禾穀類(例えば同・ヌダ[U. nuda]及び同・アバエナエ[U. avaenae])、トウモロコシ(例えば同・マイジス[U. maydis]:トウモロコシスス病)及びサトウキビにつく;ベンツリア属菌[Venturia spp.](かさぶた病):リンゴ(例えば同・イナエクアリス[V. inaequalis])及びナシにつく;及びベルチシリウム属菌[Verticillium spp.](萎凋病[wilt]):さまざまな植物、例えば果物類及び観葉植物、匍匐植物、軟果実、野菜さらには農場作物につく、例えば同・ダーリアエ[V. dahliae]:イチゴ、アブラナ、ジャガイモ及びトマトにつく。
【0191】
本発明混合物は、物質(例えば木、紙、塗料ディスパージョン、繊維又は布)の保護における及び貯蔵産物の保護における有害菌類の防除にも適している。木材及び建材の保護に関しては、以下の有害菌類:オフィオストマ属の菌[Ophiostoma spp.]、セラトシスチス属の菌[Ceratocystis spp.]、アウレオバシジウム・プルランス[Aureobasidium pullulans]、スクレロホマ属の菌[Sclerophoma spp.]、カエトミウム属の菌[Chaetomium spp.]、フミコラ属の菌[Humicola spp.]、ペトリエラ属の菌[Petriella spp.]、トリクルス属の菌[Trichurus spp.]等のアスコミセテス[Ascomycetes;子嚢菌]の群;コニオホラ属の菌[Coniophora spp.]、コリオルス属の菌[Coriolus spp.]、グロエオフィルム属の菌[Gloeophyllum spp.]、レンチヌス属の菌[Lentinus spp.]、プロイロツス属の菌[Pleurotus spp.]、ポリア属の菌[Poria spp.]、セルプラ属の菌[Serpula spp.]及びチロミセス属の菌[Tyromyces spp.]等のバシジオミセテス[Basidiomycetes;担子菌]の群;アスペルギルス属の菌[Aspergillus spp.]、クラドスポリウム属の菌[Cladosporium spp.]、ペニシリウム属の菌[Penicillium spp.]、トリコルマ属の菌[Trichorma spp.]、アルテルナリア属の菌[Alternaria spp.]、パエシロミセス属の菌[Paecilomyces spp.]等のデュウテロミセテス[Deuteromycetes;不完全菌]の群;及びムコル属の菌[Mucor spp.]等のジゴミセテス[Zygomycetes:接合菌]の群;が特に注目に値し、加えて貯蔵産物の保護では以下の酵母菌の群:カンジダ属の菌[Candida spp.]及びサッカロマイセス・セレヴィシエ[Saccharomyces cerevisae];が注記に値する。
【0192】
本発明の混合物は、例えば、禾穀類(例えばコムギ、ライムギ、オオムギ、ライコムギ、オートムギ又はイネ);テンサイ(たとえばサトウテンサイ又は飼料テンサイ);梨果、石果又は軟果のような果樹(例えばリンゴ、西洋ナシ、プラム、桃、アーモンド、サクランボ、イチゴ、キイチゴ、ブラックベリー又はグースベリー);レンズ豆、エンドウ、アルファルファ又は大豆のようなマメ科植物;菜種、マスタード、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、カカオ豆、ヒマシ油の木、アブラヤシ、グランドナッツ又は大豆のような油性植物;スカッシュ、キュウリ又はメロンのようなウリ科植物;綿、亜麻、麻又はジュートのような繊維植物;オレンジ、レモン、グレープフルーツ又はミカンのような柑橘類果樹;ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、ウリ又はパプリカのような野菜;アボカド、シナモン又は樟脳のようなクス科植物;コーン、大豆、菜種、サトウキビ又はアブラヤシのようなエネルギー及び原材料植物;トウモロコシ;タバコ;クルミ;コーヒー;茶;バナナ;匍匐植物(テーブルワインブドウの木及びグレープジュースブドウの木);ホップ;芝;天然ゴムの木又は観葉植物及び森林植物、例えば花木、潅木、広葉樹又は常緑植物(例えば針葉樹);のような各種の栽培植物につく、さらには、種子のような植物体繁殖物並びにこれら植物体の収穫物につくさまざまな菌類を防除するのに特に重要である。
【0193】
好ましくは、本発明混合物は、ジャガイモ、サトウテンサイ、禾穀類(例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、モロコシ、イネ)、トウモロコシ、ワタ、アブラナ、カノラ、マメ科植物(例えば、ダイズ、エンドウ及びソラマメ)、ヒマワリ、コーヒーの木、サトウキビ;果樹;匍匐植物;観葉植物;又は野菜(例えばキュウリ、トマト、タマネギ、リーキ、レタス、インゲンマメ又はスコッシュ);等の、農作物につくさまざまな菌類の防除に用いられる。
【0194】
式Iの化合物又は本発明による混合物で植物体又はその生育場所又はその繁殖産物(例えば種子)を処理するのは、さまざまな方法でなされ得る。成分(I)及び(II又はIII)は、直接、珠芽(特には種子)に、及び/又は、種子が植えつけられることになる土壌に(又は植え付けの前又は移植の前に)、あるいは、例えば、植え付けの時に種子と一緒に(例えば鋤溝への適用)に適用され得る。
【0195】
化合物(I)又は本発明による混合物は、また、溶媒又は固体担体を含んでいてよく、化合物(I)、及び混合物が用いられる場合は化合物(II)又は(III)(及び/又はそれらの塩)は、一緒に又は別々に、慣用のタイプの農薬製剤、例えば、溶液剤、エマルジョン剤、懸濁液剤、粉末剤、粉粒剤、ペースト剤及び顆粒剤に変換され得る。製剤タイプは、具体的な意図される目的によって決まるものであるが、それぞれのケースにおいては、本発明による化合物の微細で均質な分布を確保するものでなければならない。
【0196】
製剤タイプの例は、懸濁液剤(SC、OD、FS)、ペースト剤、固形燻蒸剤、水和性粉粒剤又は粉末剤(WP、SP、SS、WS、DP、DS)又は顆粒剤(GR、FG、GG、MG)(これらは水可溶性又は水和性であり得る)、及び種子のような植物体繁殖物処理用ゲル剤(GF)である。
【0197】
通常、製剤タイプ(例えばSC、OD、FS、WG、SG、WP、SP、SS、WS、GF)は希釈して用いられる。DP、DS、GR、FG、GG及びMGのような製剤タイプは、通常、希釈せずに用いられる。
【0198】
製剤は、公知の方法で調製される(米国特許第3,060,084号明細書、欧州特許出願公開第707445号明細書(液剤用);Browning: "Agglomeration", Chemical Engineering, Dec. 4, 1967, 147-48;Perry's Chemical Engineer's Handbook, 4th Ed., McGraw-Hill, New York, 1963, S. 8-57;国際公開第91/13546号パンフレット、米国特許第4,172,714号明細書、米国特許第4,144,050号明細書、米国特許第3,920,442号明細書、米国特許第5,180,587号明細書、米国特許第5,232,701号明細書、米国特許第5,208,030号明細書、英国特許第2,095,558号明細書、米国特許第3,299,566号明細書;Klingman:Weed Control as a Science (J. Wiley & Sons, New York, 1961);Hance et al.: Weed Control Handbook (8th Ed., Blackwell Scientific, Oxford, 1989);及びMollet, H. and Grubemann, A.: Formulation technology(Wiley VCH Verlag, Weinheim, 2001;を参照されたい)。
【0199】
農薬製剤は、農薬製剤で慣用されている補助剤も含み得る。用いられる補助剤は、具体的な適用剤形及び活性物質によってそれぞれ決まるものである。
【0200】
適する補助剤の例は、溶媒、固体担体、分散剤又は乳化剤(さらには可溶化剤、保護コロイド、界面活性剤、結着剤等)、有機及び無機増粘剤、静菌剤、凍結防止剤、消泡剤、適切であれば着色剤、及び粘着付与剤又は結着剤(例えば種子処理用製剤)である。
【0201】
適する溶媒は、水、有機溶媒、例えば中〜高沸点の鉱油留分(例えばケロシン又はディーゼルオイル)さらにはコールタールオイル及び植物又は動物由来のオイル、脂肪族、環状及び芳香族炭化水素(例えばトルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン又はその誘導体)、アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール及びシクロヘキサノール)、グリコール、ケトン(例えばシクロヘキサノン及びガンマ−ブチロラクトン)、脂肪酸ジメチルアミド、脂肪酸及び脂肪酸エステル、及び強極性溶媒(例えばN−メチルピロリドンのようなアミン)である。
【0202】
固体担体は、鉱物質土類(例えば、ケイ酸塩、シリカゲル、タルク、カオリン、石灰石、石灰、チョーク、ボール、黄土、クレイ、ドロマイト、珪藻土)、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕合成物質、肥料(例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素、ほか)、さらには栽培植物由来の産物(例えば、禾穀類殻粉、樹皮挽き粉、木材挽き粉、及び堅果殻引き粉)、セルロース粉末、及び他の固体担体である。
【0203】
適する界面活性剤(補佐剤、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤又は乳化剤)は、芳香族スルホン酸の、例えば、リグニンスルホン酸の(Borresperse(登録商標)タイプ、Borregard、ノルウェー)、フェノールスルホン酸の、ナフタレンスルホン酸の(Morwet(登録商標)タイプ、Akzo Nobel、米国)、ジブチルナフタレン−スルホン酸の(Nekal(登録商標)タイプ、BASF、独国)、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及びアンモニウム塩、並びに脂肪酸、アルキルスルホナート、アルキルアリールスルホナート、アルキルスルファート、ラウリルエテルスルファート、脂肪アルコールスルファート、及び硫酸化ヘキサ−、ヘプタ−、及びオクタ−デカノラート、硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテル、さらにはナフタレン又はナフタレンスルホン酸とフェノール及びホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシ−エチレンオクチルフェニルエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、アルキルフェニルポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、アルコール及び脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシル化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステル、リグニン−亜硫酸塩廃液さらには蛋白、変性蛋白、多糖類(例えばメチルセルロース)、疎水変性されたスターチ、ポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)タイプ、Clariant、スイス)、ポリカルボキシラート(Sokolan(登録商標)タイプ、BASF、独国)、ポリアルコキシラート、ポリビニルアミン(Lupasol(登録商標)タイプ、BASF、独国)、ポリビニルピロリドン及びそのコポリマーである。
【0204】
増粘剤(すなわち、改変された流動性、すなわち静的条件下では高粘度及び撹拌の間は低粘度を製剤に賦与する化合物)の例は、多糖類、有機質及び無機質クレイ、例えば、キサンタンガム(Kelzan(登録商標)、CP Kelco、米国)、Rhodopol(登録商標)23(Rhodia、仏国)、Veegum(登録商標)(R.T.Vanderbilt、米国)又はAttaclay(登録商標)(Engelhard Corp.、NJ、米国)である。
【0205】
静菌剤は、製剤を防腐するため及び安定化させるために加えられ得る。適する静菌剤の例は、ジクロロフェン及びベンジルアルコールヘミホルマールをベースにするもの(ICI社から販売のProxel(登録商標)又はThor Chemie社から販売のActicide(登録商標)RS及びRohm & Haas社から販売のKathon(登録商標)MK)、イソチアゾリノン誘導体例えばアルキルイソチアゾリノン及びベンゾイソチアゾリノンをベースにするもの(Thor Chemie社から販売のActicide(登録商標)MBS)である。
【0206】
適する凍結防止剤の例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、尿素及びグリセリンである。
【0207】
消泡剤の例は、シリコーンエマルジョン(例えばSilikon(登録商標)SRE(Wacker、独国)又はRhodorsil(登録商標)(Rhodia、仏国)等)、長鎖アルコール、脂肪酸、脂肪酸の塩、フルオロ有機化合物、及びこれらの混合物である。
【0208】
適する着色剤は、低水溶解度の顔料(ピグメント)及び水溶性の染料である。例としてはローダミンB、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ソルベントレッド1、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー80、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー13、ピグメントレッド112、ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:1、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド53:1、ピグメントオレンジ43、ピグメントオレンジ34、ピグメントオレンジ5、ピグメントグリーン36、ピグメントグリーン7、ピグメントホワイト6、ピグメントブラウン25、ベイシックバイオレット10、ベイシックバイオレット49、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド14、アシッドブルー9、アシッドイエロー23、ベイシックレッド10、ベイシックレッド108表記のものが言及される。
【0209】
粘着付与剤又は結着剤の例は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタート、ポリビニルアルコール及びセルロースエーテル(Tylose(登録商標)(Shin−Etsu、日本))である。
【0210】
粉粒剤、散布剤及び粉末剤は、化合物I(及び場合により化合物II)及び適切ならさらなる活性物質を、少なくとも1種の固体担体と混合又は同時粉砕することで調製され得る。
【0211】
顆粒剤、例えば被覆顆粒剤、含浸顆粒剤及び均質顆粒剤は、活性物質を固体担体に結着させることで調製され得る。固体担体の例は、鉱物質土類(例えばシリカゲル、シリケート、タルク、カオリン、アッタクレイ、石灰石、石灰、チョーク、ボール、黄土、クレイ、ドロマイト、珪藻土)、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕合成物質、肥料(例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素等)、さらには栽培植物由来の産物(例えば、禾禾穀類殻粉、樹皮挽き割り粉、木材挽き割り粉、及び堅果殻引き割り粉)、セルロース粉末、及び他の固体担体である。
【0212】
製剤タイプの例には、以下がある:
【0213】
1.水で希釈する製剤タイプ
【0214】
i)液剤[Water-soluble concentrates](SL、LS)
本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物)10重量部を90重量部の水又は水溶性溶媒に溶解する。別法としては、湿潤剤又は他の助剤を加える。水で希釈すると活性物質は溶解する。このようにして、活性物質の含有量が10重量%である製剤が得られる。
【0215】
ii)分散製剤[Dispersible concentrates](DC)
本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物)20重量部を10重量部の分散剤[例えばポリビニルピロリドン)を加えてある70重量部のシクロヘキサノンに溶解する。水で希釈するとディスパージョンが得られる。活性物質の含有量は20重量%である。
【0216】
iii)乳剤[Emulsifiable concentrates](EC)
本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物)15重量部をドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムとヒマシ油エトキシレートを加えてある(それぞれのケースで5重量部)75重量部のキシレンに溶解する。水で希釈するとエマルションが得られる。この製剤の活性物質の含有量は15重量%である。
【0217】
iv)エマルション製剤[Emulsions](EW、EO、ES)
本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物)25重量部をドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムとヒマシ油エトキシレートを加えてある(それぞれのケースで5重量部)35重量部のキシレンに溶解する。乳化装置(Ultraturax)を用いてこの混合物を30重量部の水に導入し、均質なエマルションを作製する。水で希釈するとエマルションが得られる。この製剤の活性物質の含有量は25重量%である。
【0218】
v)懸濁製剤[Suspensions](SC、OD、FS)
撹拌下にあるボールミル中で、本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物)20重量部を10重量部の分散剤+湿潤剤及び70重量部の水又は有機溶媒を加えて粉砕し、微細活性物質懸濁液を得る。水で希釈すると活性物質の懸濁液が得られる。この製剤の活性物質含有量は20重量%である。
【0219】
vi)顆粒水和剤及び顆粒水溶剤[Water-dispersible granules and water-soluble granules](WG、SG)
専用の装置(例えば、押出機、噴霧塔、流動床)を用いて、本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物)50重量部を50重量部の分散剤+湿潤剤を加えて細かく粉砕し、顆粒水和剤又は顆粒水溶剤として調製する。水で希釈すると活性物質の安定なディスパージョン又は溶液が得られる。この製剤の活性物質含有量は50重量%である。
【0220】
vii)粉粒水和剤及び粉粒水溶剤[Water-dispersible powders and water-soluble powders](WP、SP、SS、WS)
ローター・ステーター・ミル中で、本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物)75重量部を25重量部の分散剤+湿潤剤+シリカゲルを加えて粉砕する。水で希釈すると活性物質の安定なディスパージョン又は溶液が得られる。この製剤の活性物質の含有量は75重量%である。
【0221】
viii)ゲル剤(GF)
撹拌ボールミル中で、本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物)20重量部を、分散剤10重量部、ゲル化湿潤剤1重量部、及び水又は有機溶媒70重量部を加えて共に粉砕して、活性物質の微細懸濁液を得る。水で希釈すると活性物質の安定な懸濁液が得られ、これにより活性物質が20%(w/w)の製剤が得られる。
【0222】
2.希釈せずに適用する製剤タイプ
【0223】
ix)粉粒散布剤[Dustable powders](DP、DS)
本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物)5重量部を細かく粉砕し、95重量部の微粉砕カオリンと緊密に混合する。これにより、活性物質の含有量が5重量%の散粉可能製剤が得られる。
【0224】
x)顆粒剤[Granules](GR、FG、GG、MG)
本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物)0.5重量部を細かく粉砕し、95.5重量部の担体と組み合わせる。最新の方法は、押し出し、噴霧乾燥又は流動床である。これにより、活性物質の含有量が0.5重量%である希釈せずに適用される顆粒剤が得られる。
【0225】
xi)ULV溶液剤[ULV solutions](UL)
本発明による化合物(I)(及び、場合によっては、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物)10重量部を90重量部の有機溶媒(例えばキシレン)に溶解する。これにより、活性物質の含有量が10重量%である希釈せずに適用される製剤が得られる。
【0226】
農薬製剤は、一般には、0.01〜95%(重量)、好ましくは0.1〜90%(重量)、最も好ましくは0.5〜90%(重量)の活性物質を含んでいる。活性物質は、90%〜100%(好ましくは95%〜100%)(NMRスペクトルによる)の純度で用いられる。
【0227】
植物体繁殖産物処理(特には種子処理)の目的に特に有用である組成物は、例えば、
A 液剤(SL、LS)
D エマルジョン製剤(EW、EO、ES)
E 懸濁製剤(SC、OD、FS)
F 顆粒水和剤及び顆粒水溶剤(WG、SG)
G 粉粒水和剤及び粉粒水溶剤(WP、SP、WS)
H ゲル剤(GF)
I 粉粒散布剤(DP、DS)
である。
【0228】
これらの組成物は、植物体繁殖産物(特には種子)に、希釈して又は希釈せずに適用され得る。
【0229】
これらの組成物は、2〜10倍希釈すると、0.01〜60重量%(好ましくは0.1〜40重量%)の活性物質濃度を、使用準備ができた調製物中にもたらす。適用は、播種の前又は播種の間に行われ得る。植物体繁殖物(特には種子)に、農薬化合物、その組成物を、適用又は処置する方法は、当技術分野では、それぞれ、公知であって、繁殖物をドレッシングする適用方法、コーティングする適用方法、ペレッティングする適用方法、ダスティングする適用方法及びソーキングする適用方法が挙げられる(さらには鋤溝中処置も)。好ましい実施形態では、化合物又はその組成物は、それぞれ、発芽が含まれないような方法で、例えば、種子ドレッシングにより、ペレッティングにより、コーティングにより、及びダスティングにより、植物体繁殖物に適用される。
【0230】
式Iの化合物又は本発明化合物混合物は、そのままで、あるいはその製剤の形態で(例えば、直接噴霧可能な溶液剤、粉粒剤、懸濁液剤、ディスパージョン剤、エマルジョン剤、オイルディスパージョン剤、ペースト剤、散粉可能製剤、散布用物質剤、又は顆粒剤の形態で)、噴霧、霧化、散粉、散布、ブラシ塗り、浸漬、又は注液により用いられ得る。施用剤形は、完全に、その意図される目的によって決まるものであるが、いずれの場合においても、式Iの化合物又は本発明化合物混合物の可能な限りの微細な分散が確保されるよう図られる。
【0231】
水性の施用形態は、エマルジョン製剤、ペースト剤又は水和性粉粒剤(噴霧可能粉粒剤、オイルディスパージョン剤)から、水を加えることにより調製され得る。エマルジョン剤、ペースト剤又はオイルディスパージョン剤を調製するためには、式Iの化合物又は本発明化合物混合物は、そのままであるいはオイル又は溶媒に溶解させて、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤又は乳化剤の助けを借りて水に均質化され得る。別の形態として、活性物質、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤又は乳化剤、及び適切であれば溶媒及びオイルからなる製剤が調製され得、そしてそのような製剤は水で希釈するのに適している。
【0232】
使用準備ができた調製物中の活性物質濃度は、比較的広い範囲内で変わり得るものである。一般には、濃度は、式Iの化合物又は本発明化合物混合物が0.0001〜10重量%(好ましくは0.001〜1重量%)である。
【0233】
化合物(I)又は本発明化合物混合物は、超低量法(ULV[ultra-low-volume process])でもうまく用いられ得るものであり、95重量%超の活性物質を含んでいる組成物を適用すること、あるいは添加剤なしの活性物質を適用することさえ、可能である。
【0234】
もう1つの実施形態では、本発明の組成物は、植物有害量の殺害虫剤(例えば殺菌剤)、除草剤及び/又は殺虫剤によって植物体に引き起こされる傷害を低減又は阻止するのに用いられる。
【0235】
本発明による組成物は、化合物(I)の植物体健康有効量を含むか、又は、化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とが植物体健康相乗作用効果をもたらす、そのような化合物(I)と、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物との植物体健康有効量を含む。
【0236】
本発明による新規な混合物を含む本発明による組成物は、化合物(I)と(II)とが殺害虫相乗作用効果をもたらす、そのような化合物(I)と化合物(II)(又はIII)との殺害虫有効量を含む。
【0237】
活性物質又は活性物質を含む組成物には、さまざまなタイプのオイル、湿潤剤、補佐剤、除草剤、殺菌剤、他の殺菌剤、及び/又は殺害虫剤が、適切であれば使用直前に加えられ得る(タンクミックス)。そのような添加剤は、1:100〜100:1(好ましくは1:10〜10:1)の重量比で化合物I又は本発明による本発明混合物と混ぜ合わせられ得る。
【0238】
用いられ得る補佐剤は、特には、有機変性ポリシロキサン例えばBreak Thru S 240(登録商標);アルコールアルコキシラート例えばAtplus 245(登録商標)、Atplus MBA 1303(登録商標)、Plurafac LF 300(登録商標)、及びLutensol ON 30(登録商標);EO/POブロックポリマー、例えばPluronic RPE 2035(登録商標)及びGenapol B(登録商標);アルコールエトキシラート例えばLutensol XP 80(登録商標);ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム例えばLeophen RA(登録商標);である。
【0239】
殺菌剤としての使用剤形にある本発明による化合物(I)又は本発明による混合物は、他の活性物質(例えば、除草剤、殺虫剤、成長調節剤、殺菌剤)と一緒にあるいはそうでなければ肥料又は播種原と一緒に、プレミックスとしても存在し得る(又は適切であれば使用直前に(タンクミックス))。
【0240】
本発明による混合物が用いられる場合、本発明による組成物を調製するためには、化合物(I)と、場合によっては化合物(II)、(IIb)、(III)又は(IV)とは、個々に又は既に部分的又は完全に互いとが混合されて、用いられ得る。各化合物をパックして、さらに、部剤キットのような組み合わせ組成物として用いることも可能である。
【0241】
本発明の一実施形態では、キットには、例えば農薬製剤の形態にある組成物を調製するのに用いられ得る1種又はそれ以上の(全部を含めて)成分が含まれ得る。そのようなキットには、化合物(I)及び/又は補佐剤成分及び/又は殺虫剤成分及び/又は成長調節剤成分及び/又は除草剤及び/又は播種原が含まれ得る。1種又はそれ以上の各成分は、すでに一緒に組み合わせられていてもよいし、あるいは予備的に製剤化されていてもよい。キット中に3種以上の成分が提供されている実施形態では、各成分はすでに一緒に組み合わせられていてよく、そのまま1個の収容器(例えばバイアル、ボトル、缶、パウチ、バッグ又はキャニスター)にパックされる。他の実施形態では、3種以上の成分からなるキットは、別々に、すなわち、予備的に処方化されずに、パックされ得る。そのようなことなので、キットには、1又は複数個の別々の収容器(例えばバイアル、カン、ボトル、パウチ、バッグ又はキャニスター)が含まれ得、それぞれの収容器には、農薬組成物用の別々の成分が含有されている。いずれの形態でも、キットの成分は、さらなる成分とは別々に、又はそれと一緒に、あるいは本発明による組成物を調製するための本発明による組み合わせ組成物の成分として、適用され得る。
【0242】
ユーザーは、通常、事前調剤装置、ナップザック式噴霧器、噴霧タンク、又は噴霧飛行機から本発明による組成物を適用する。この場合、農薬組成物は、水及び/又は緩衝液で所望適用濃度に作り上げられ、適切であれば、さらなる補助剤を加えることが可能であり、そうして使用準備が整った噴霧液つまり本発明による農薬組成物がこのようにして得られる。通常、農場として使っている面積1ヘクタール当たり、50〜500リットル(好ましくは80〜400リットル)の使用準備が整った噴霧液が適用される。
【0243】
一実施形態によれば、本発明による製剤の個々の成分、例えば、キットの部剤又は二成分あるいは三成分混合物の部剤が、ユーザー自身によって噴霧タンク中で混合され得、適切であれば、さらなる補助剤が加えられ得る(タンクミックス)。
【0244】
以下の実施例は本発明を例示するものであって、限定を加えるものではない。
【実施例】
【0245】
(実施例1)
重さが分かっているMitcherlichポットを5.5kgの乾燥砂土(pH6.8)で満たし、肥料(P、K及びMg)を施して、至適生育条件にした。作物は、春小麦(栽培品種Passat);1ポット当たり12植物体;であった。実験は、6複製で植生ホール[vegetation hall]中で行われた。実験は、半管理条件下で、いずれの望まれていない雨又は水の衝撃からも保護されて、ほとんど無視できる程度の感染の速度の非常に低い疾病圧力で行われた。それぞれのポットの水消費は、既定の設定点まで灌漑する各事象の前のポットの重量の測定記録値を基に計算した。
【0246】
生育周期の間中至適生育条件にするために窒素肥料を3つのステージにおいて等しい量で加えた(全体としては1.75g N/ポット)。土壌の水保持能力の60%まで1日2〜3回注水することにより植物体/ポットは全て至適水供給で生育された。
【0247】
生育段階39/49で、化合物IaのEC製剤である、化合物Ia(62.5g/L、400L水/ha中2L)を適用した。対照植物体は処理しなかった。
【0248】
結球後、植物体活力の指標としての植物体高さを測定した。植物体が成熟した時点で、収量の指標としての穀物を収穫し、5%含水量まで均一に乾燥させた。成熟時点では、植物体収量のもう1つの指標としての藁収量も測定し、1ポット当たりの穂のついた茎の数を計数した。収穫の後1ポット当たりの穀粒の数を計数した。1ポット当たりの穀物収量及び1ポット当たりの穀粒の数を基に、植物体収量のなおもう1つの指標としての千粒重(TGW)を計算した。
【0249】
表4
【表4】

【0250】
表4の結果は、化合物Iaは、小麦作物の出芽[tillering]を改善することを例証している。植物体新芽成長の促進は、藁収量及び植物体高さの増大にも見られ得る。1つの穂当たりに形成されている穀粒の数並びに穀物重量(TGW)のほかに、穂を有する茎の数は、一般に、禾穀類作物の最終穀物収量を決めるものである。表4に見られるように、記載の実施例では測定されたパラメーターは全て化合物Iaの適用によって増大されていた。つまり、化合物Iaは、植物体の健康を明らかに増進させて植物体活力増強及び収量増大をもたらす。
【0251】
(実施例2)
上記実施例1に記載されていると同じようにして春小麦(栽培品種Passat)をMitcherlichポットで栽培した。実験は、6複製で植生ホール[vegetation hall]中で行われた。実験は、半管理条件下で、いずれの望まれていない雨又は水の衝撃からも保護されて、ほとんど無視できる程度の感染の速度の非常に低い疾病圧力で行われた。それぞれのポットの水消費は、既定の設定点まで灌漑する各事象の前のポットの重量の測定記録値を基に計算した。
【0252】
生育周期の間中至適生育条件にするために窒素肥料を3つのステージにおいて等しい量で加えた(全体としては1.75g N/ポット)。生育段階55(BBCH)までは土壌の水保持能力の60%まで1日2〜3回注水することにより植物体/ポットは全て至適水供給で生育された。続いて、厳しい日照りストレスを適用するための明らかな水ストレス症状が植物体に認められ得た後、ポットは、1回のみ、土壌の最大水保持能力の60%まで注水した。
【0253】
生育段階39/49で、化合物IaのEC製剤である、化合物Ia(62.5g/L、400L水/ha中2L)を適用した。対照植物体は処理しなかった。
【0254】
植物体が成熟した後、穀物を収穫し、5%含水量まで均一に乾燥させた。植物体活力及び植物体収量の指標としての、1ポット当たりの穀物収量、1穂当たりの穀物収量、1穂当たりの穀粒の数、及び1ポット当たりの穀粒の数を測定した。穀物収量対その穀物収量+藁収量の関係を用いて収穫指標を計算した。
【0255】
表5
【表5】

【0256】
表5の結果は、化合物Iaは、特にこの実施例におけるような日照りストレス下の、小麦植物体の種子形成を改善することを例証している。1穂当たりより多くの穀粒が発生されており、これが1穂当たりの収量の増大をもたらした。結果として、化合物Iaは、日照りストレスのような厳しい非生物的ストレス条件下でさえ明らかに植物体活力並びにその収量を増大させる。つまり、化合物Iaは、本発明に記載の全体的植物体健康を増進させる。
【0257】
(実施例3)
上記実施例1に記載されていると同じようにして春小麦(栽培品種Passat)をMitcherlichポットで栽培した。実験は、6複製で植生ホール[vegetation hall]中で行われた。実験は、半管理条件下で、いずれの望まれていない雨又は水の衝撃からも保護されて、ほとんど無視できる程度の感染の速度の非常に低い疾病圧力で行われた。それぞれのポットの水消費は、既定の設定点まで灌漑する各事象の前のポットの重量の測定記録値を基に計算した。作物で覆われていないポットを用いて、土壌からの蒸発を推定した。
【0258】
生育周期の間中至適生育条件にするために窒素肥料を3つのステージにおいて等しい量で加えた(全体としては1.75g N/ポット)。生育段階55(BBCH)までは土壌の水保持能力の60%まで1日2〜3回注水することにより植物体/ポットは全て至適水供給で生育された。続いて、中程度の日照りストレスを適用するために、ポットは、1回のみ、土壌の最大水保持能力の30%まで注水した。生育段階39/49で、化合物IaのEC製剤である、化合物Ia(62.5g/L、400L水/ha中2L)を適用した。対照植物体は処理しなかった。
【0259】
植物体が成熟した時点で穀物を収穫し、5%含水量まで均一に乾燥させた。収穫の後1穂当たりの穀粒の数を計数した。1ポット当たりの穀物収量及び1ポット当たりの穀粒の数を基に、植物体収量の指標としての、千粒重(TGW)を計算した。それぞれのポットに加えられた水の量及び推定土壌蒸発水量を基に蒸散を計算した。
【0260】
表6
【表6】

【0261】
化合物Iaは、穀物量という意味での種子成長を改善した。適用した日照りストレス条件では化合物Iaは水の蒸散の低下をもたらした。つまり、化合物Ia処理小麦植物体は、増大穀物収量を産生するのにより少ない水、したがって1kgの穀物当たりより少ない水を利用した。加えて、蒸散の低下、したがって水利用効率の上昇は、植物体活力の増強をもたらした。改善された水利用効率は、非生物的ストレス(特には日照りストレス)に対する化合物Iaによる改善された耐性、及び、本発明に記載の植物体活力及び収量のようなさらなる植物体健康効果に対する化合物Iaの有益な効果を示している。
【0262】
(実施例4)
2008年にDinuba(10181 Avenue 416、CA、米国)にあるBASF実験農場での2つの圃場試験でダイズを生育した。第1の試験では、品種Pioneer 93−M−11を88kg/haの播種量で植え付けた。第2の試験では、品種Crow C300 42を同じ播種量で植え付けた。いずれの試験も、それぞれ、5複製で無作為完全ブロックデザインとして設定した。区画サイズは42mであった。化合物IaはEC製剤(62.5g a.i./L)として1ヘクタール当たり0.64Lの薬量で用いた(40g a.i./ha)。製剤は300L/haの全体スプレー量で適用した。生育段階34/37(BBCH)で化合物Iaを3barのスプレー圧力にあるVS11003スプレーノズルを有するトラクター据付スプレーブームでスプレーした。
【0263】
適用時点では疾病症状は認められなかったし、後の段階でも症状は検出されなかった。
【0264】
第2の試験(品種Crow C300 42)では全ての鞘がその最終サイズに到達したとき1区画当たり10無作為選択植物体の緑葉面積を推定することにより、植物体活力の指標としての緑葉面積を評定した。成熟した時点で穀物を収穫し、植物体収量の指標としての、1区画当たりの穀物収量を測定した(kg/区画)。最後に、1ヘクタール当たりの穀物収量を計算した(dt/ha)。第2の試験(Crow C300 42)では千粒重(TGW)を測定した。
【0265】
表7:緑葉面積、TGW、及び穀物収量/ダイズ、第1の試験、Dinuba、CA、2008年
【表7】

【0266】
表8:ダイズ穀物収量(dt/ha)、第2の圃場試験、Dinuba、CA、2008年
【表8】

【0267】
化合物Iaは、光合成活性緑葉面積を無処理対照に比較して5%超増大させた。この実施例で観察されたように、より大きい光合成活性葉面積はより大きい穀物収量をもたらす。化合物Ia処理植物体の無処理対照を超える増大によって示されているように、穀粒サイズ及び穀粒重量は、化合物Iaによって改善されていた(表7)。
【0268】
最後のこととして、表8に示されているように、化合物Iaは、ダイズの種子収量を改善した。ダイズの穀物収量は2つの試験の平均で8.5%化合物Iaによって改善されていた(1つの試験は12%に近い増大を示した)。
【0269】
見られ得るように、化合物Iaの適用は、明らかに植物体の健康を増進し、植物体活力及び収量の増大をもたらす。
【0270】
(実施例5)
2008年にDinuba(10181 Avenue 416、CA、米国)にあるBASF実験農場での圃場試験でトウモロコシを生育した。品種Dekalb RX940を10植物体/mの播種量で植え付けた。0.75mの列間隔を置いて1区画当たり4列を植え付けた。実験は、それぞれ、5複製で無作為ブロックデザインとして設定した。区画サイズは43mであった。化合物IaはEC製剤(62.5g a.i./L)として1ヘクタール当たり0.8Lの薬量で用いた(50g a.i./ha)。製剤は400L/haの全体スプレー量で適用した。生育段階51/55(BBCH)で化合物Iaを3barのスプレー圧力にあるVS11003スプレーノズルを有するトラクター据付スプレーブームでスプレーした。
【0271】
適用時点では疾病症状は認められなかったし、後の段階でも症状は検出されなかった。
【0272】
成熟の開始時点で1区画当たり10無作為選択植物体の緑葉面積を推定することにより、植物体活力の指標としての緑葉面積を評定した。
【0273】
成熟した時点で穀物を収穫し、植物体収量の指標としての、1区画当たりの穀物収量を測定した(kg/区画)。最後に、植物体収量のさらなる指標としての、1ヘクタール当たりの穀物収量を計算した(dt/ha)。さらに、第2の試験(Crow C300 42)では千粒重(TGW)を測定した。
【0274】
表9:緑葉面積、TGW、及び穀物収量/トウモロコシ、第1の試験、Dinuba、CA、2008年
【表9】

【0275】
化合物Iaは、無処理対照に比較するとほぼ14%光合成活性緑葉面積を増大させた。つまり、葉面積のより高い割合が光合成活性であり続ける。より多くの貯蔵化合物(すなわち炭水化物)が合成され、これはこのあと転流されて穀物になる。1穂軸当たりより大きいまたより多くの穀物が形成される。表9に示されているTGWの増大は穀粒サイズの増大を示唆するものである。つまり、化合物Iaでの処理は、トウモロコシ穀物収量の増大をもたらす。この実施例では、化合物Iaで処理した区画は、無処理区画に比較すると4.5%の収量増大を示した。見られ得るように、化合物Iaの適用は、明らかに、植物体の健康を増進させる。
【0276】
(実施例6)
2008年にDinuba(10181 Avenue 416、CA、米国)にあるBASF実験農場での圃場試験でトウモロコシを生育した。品種Pioneer 34−N−45を35,000植物体/haの播種量で植え付けた。実験は、それぞれ、5複製で無作為ブロックデザインとして設定した。区画サイズは43mであった。
【0277】
トウモロコシ植物体は、無処理であったか、エポキシコナゾール(A3)で、化合物Iaで、及び化合物Iaとエポキシコナゾールとを含んでいる混合物で処理した。エポキシコナゾールは市販の製剤OPUSTM(125g a.i./L、SC製剤)として0.4L/ha(50g a.i./ha)の薬量で適用した。化合物IaはEC製剤(62.5g a.i./L)として1ヘクタール当たり0.8Lの薬量で用いた(50g a.i./ha)。エポキシコナゾールと化合物Iaとの共製剤(EC製剤、それぞれ62.5g a.i./L)を用いてエポキシコナゾールは化合物Iaと一緒に(混合物として)0.8L/haの製造物量で適用した。製剤は300L/haの全体スプレー量で適用した。生育段階51/55(BBCH)で製剤を3barのスプレー圧力にあるVS11003スプレーノズルを有するトラクター据付スプレーブームでスプレーした。
【0278】
適用時点では疾病症状は認められなかったし、後の段階でも症状は検出されなかった。
【0279】
成熟した時点で穀物を収穫し、植物体収量の指標としての、1区画当たりの穀物収量を測定した(kg/区画)。最後に、1ヘクタール当たりの穀物収量を計算した(dt/ha)。
【0280】
無処理対照に比較しての各処理による穀物収量(dt/ha)の%増大としての有効性を計算した。
【0281】
コルビーの式(Colby, S.R.、Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations, Weeds, 15, pp. 20-22, 1967)を用いて各活性化合物組み合わせの予測有効性を推算し、実測された有効性と比較した。
【0282】
コルビーの式: E=x+y−x・y/100
E 濃度a及びbにある活性化合物A及びBの混合物を用いた場合の、無処理対照の%で表される、予測有効性。
x 濃度aにある活性化合物Aを用いた場合の、無処理対照の%で表される、有効性。
y 濃度bにある活性化合物Bを用いた場合の、無処理対照の%で表される、有効性。
【0283】
表10:TGW、実測有効性、及びコルビーの式による予測された有効性
【表10】

【0284】
結果は、表10に示されている活性化合物の組み合わせ比での有効性は、コルビーの式を用いて計算された予測有効性よりも高いことを示している。つまり、表10に記載されている二成分混合物は、本発明の植物体健康相乗作用的増大性混合物である。
【0285】
(実施例7)
2008年にSao Jose do Cerrito(Santa Catarina、ブラジル)にあるCEDUP「Caetano Vieira da Costa」でダイズを生育した。品種M−SOY 6001 RRは、2007年11月11日に、1ha当たり300,000植物体の播種量で植え付けた。試験は、4複製で無作為ブロックデザインとして設定された。区画サイズは12.5mであった。
【0286】
殺菌性処理剤は、BBCH GS 70−79(鞘は15〜20mmの最終長さに到達していた)で適用した。
【0287】
化合物IaはEC製剤(62.5g/L−EC)として0.64L/haで適用した(40g ai/ha)。エポキシコナゾール(A3)及びピラクロストロビン(S8)はSC製剤中に共製剤化され(160g/Lのエポキシコナゾール+260g/Lのピラクロストロビン−SC)、0.25L/haの薬量でスプレーした(40g a.i./haエポキシコナゾール及び65g a.i./haピラクロストロビン)。スプレータンクに0.3%(v/v)で補佐剤DASH HCを加えた。
【0288】
最後に、化合物Iaを、本発明の三成分混合物を形成しているエポキシコナゾール及びピラクロストロビンと一緒の混合物で、三化合物全ての共製剤(50g/Lの化合物Ia+50g/Lのエポキシコナゾール+81g/Lのピラクロストロビン−EC)を用いて適用した。この製剤は0.8L/haの量でスプレーした(40g a.i./ha化合物Ia+40g a.i./haエポキシコナゾール+65g a.i./haピラクロストロビン)。製剤は水に希釈した。葉適用のための全体スプレー量は150L/haであった。
【0289】
試験は低疾病圧力下で行われた。各化学処理間には差は観察され得なかった。
【0290】
ダイズ作物が成熟した時点で各区画を収穫し、その収量(千粒重)を測定した(表11)。収量増大の有効性を無処理対照に比較しての各処理による千粒重(TGW)の%増大として計算した。
【0291】
活性化合物組み合わせの予測有効性を上記に定義されているコルビーの式を用いて計算し、実測有効性と比較した。
【0292】
表11
【表11】

【0293】
結果は、エポキシコナゾール(A3)と、ピラクロストロビン(S8)と、アミド化合物Iaとを含んでいる、本発明による三成分混合物を適用した場合、収量が増大するだけでなく、加えて、実測された有効性はコルビーの式を用いて計算された予測有効性よりも高いことを示している。つまり、表11に記載されている混合物は、本発明の植物体健康相乗作用的増大性混合物である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の植物種の植物体健康を改善するための方法であって、式I
【化1】

[式中の各置換基は以下に定義されているとおりである:
は、メチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルであり;
は、水素又はフッ素であり;
Mは、チエニル環又はフェニル環であって、フェニル環はフッ素原子で置換されているか又は置換されておらず;
Qは、直接結合、シクロプロピレン又はアネレイトされたビシクロ[2.2.1]ヘプタン環であり;
は、シクロプロピル、1,3−ジメチルブチル、イソプロピル、2もしくは3個のハロゲン原子で置換されたフェニル、又はトリフルオロメチルチオ基である]
で表されるアミド(化合物I)で、植物体及び/又は植物体が生育している又は生育することが意図されている場所を処理することを含む方法。
【請求項2】
式Iのアミド(化合物I)が、N−(3’,4’,5’−トリフルオロビフェニル−2−イル)−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、N−[2−(4’−トリフルオロメチルチオ)−ビフェニル]−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−3−ジフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:ビキサフェン)、N−[2−(1,3−ジメチルブチル)−フェニル]−1,3−ジメチル−5−フルオロ−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、N−(2−ビシクロプロピル−2−イル−フェニル)−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:セダキサン)、N−[1,2,3,4−テトラヒドロ−9−(1−メチルエチル)−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:イソピラザム)及びN−[2−(1,3−ジメチルブチル)−3−チエニル]−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:ペンチオピラド)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式Iのアミド(化合物I)が、N−(3’,4’,5’−トリフルオロビフェニル−2−イル)−3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−3−ジフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:ビキサフェン)、N−[1,2,3,4−テトラヒドロ−9−(1−メチルエチル)−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:イソピラザム)及びN−[2−(1,3−ジメチルブチル)−3−チエニル]−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(一般名:ペンチオピラド)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
式Iのアミド化合物(化合物I)と、さらなる殺菌剤II(化合物II)との混合物が植物体健康相乗作用有効量で適用され、さらなる殺菌剤IIが、
(i)アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン及びトリフロキシストロビンから選択される、ストロビルリン系化合物;
(ii)ボスカリド、フェンヘキサミド、メタラキシル、ジメトモルフ、フルオピコリド(ピコベンズアミド)、ゾキサミド、マンジプロパミド及びカルプロパミドから選択される、カルボン酸アミド系化合物;
(iii)シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルシラゾール、フルキンコナゾール、フルトリアホール、イプコナゾール、メトコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、テブコナゾール、シアゾファミド、プロクロラズ、エタボキサム及びトリアゾキシドから選択される、アゾール系化合物;
(iv)ファモキサドン、フルアジナム、シプロジニル、ピリメタニル、フェンプロピモルフ、イプロジオン、アシベンゾラル−S−メチル、プロキナジド、キノキシフェン、フェンピクロニル、カプタン、フェンプロピジン、カプタホール及びアニラジンから選択される、ヘテロ環式系化合物;
(v)マンコゼブ、メチラム、イプロバリカルブ、マネブ、プロピネブ、フルベンチアバリカルブ(ベンチアバリカルブ)及びプロパモカルブから選択される、カルバメート系並びにジチオカルバメート系化合物;
(vi)チオファナートメチル、クロロタロニル、トリルフルアニド及びフルスルファミドから選択される、オルガノクロロ化合物;
(vii)ボルドー液、酢酸銅、水酸化銅、オキシ塩化銅、塩基性硫酸銅及び硫黄から選択される、無機活性成分;
(viii)スピロキサミン、グアザチン、シモキサニル、シフルフェナミド、バリフェナール、メトラフェノン、ホセチル−アルミニウム及びジチアノンから選択される、他の化合物;
からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
さらなる殺菌剤II(化合物II)が、
(i)アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン及びトリフロキシストロビンから選択される、ストロビルリン系化合物;
(ii)ボスカリド及びジメトモルフから選択される、カルボン酸アミド系化合物;
(iii)シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、メトコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール及びテブコナゾールから選択される、アゾール系化合物;
(iv)シプロジニル、ピリメタニル、フェンプロピモルフ、イプロジオン、キノキシフェン及びアシベンゾラル−S−メチルから選択される、ヘテロ環式系化合物;
(v)マンコゼブ、メチラム、プロピネブ及びイプロバリカルブから選択される、カルバメート系並びにジチオカルバメート系化合物;
(viii)ジチアノン及びメトラフェノンから選択される、他の化合物;
からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
さらなる殺菌剤II(化合物II)が、
(i)アゾキシストロビン、オリサストロビン、ピラクロストロビン及びトリフロキシストロビンから選択される、ストロビルリン系化合物;
(iii)エポキシコナゾール、メトコナゾール、プロチオコナゾール、テブコナゾール及びプロピコナゾールから選択される、アゾール系化合物;
からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
さらなる殺菌剤II(化合物II)が、オリサストロビン、ピラクロストロビン、アゾキシストロビン及びトリフロキシストロビンからなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
さらなる殺菌剤II(化合物II)が、オリサストロビン又はピラクロストロビンである、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
さらに、フィプロニル及びエチプロールから選択される殺虫剤(化合物III)を含んでいる、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
さらに、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルシラゾール、フルキンコナゾール、フルトリアホール、イプコナゾール、メトコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、テブコナゾール、シアゾファミド、プロクロラズ、エタボキサム及びトリアゾキシドから選択される、さらなる殺菌剤III(化合物IIb)を含んでいる、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
さらに、グリホセート、スルホシネート及びグリホシネートから選択される除草剤(化合物IV)を含んでいる、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
植物体が、農場植物、森林植物及び観葉植物から選択される、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
式Iのアミド化合物(化合物I)と、化合物(II)、(IIb)、(III)及び(IV)からなる群から選択される少なくとも1種のさらなる化合物とが、同時に(混合物として又は別々に)又は順次に、植物体及び/又は植物体が生育している又は生育することが意図されている場所に適用される、請求項4〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
式Iのアミド化合物(化合物I)が、前記植物体及び/又は植物体が生育している場所に、約0.005kg/ha〜約2.0kg/haの適用量で前記植物体及び/又は植物体が生育している場所に適用される、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1種の植物種の植物体健康を改善するための請求項1に定義されている式Iで表されるアミド(化合物I)の使用。
【請求項16】
相乗作用有効量で、
式I
【化2】

[式中の各置換基は以下に定義されているとおりである:
は、メチル、ジフルオロメチル、又はトリフルオロメチルであり;
は、水素又はフッ素であり;
Mは、チエニル環又はフェニル環であって、フェニル環はフッ素原子で置換されているか又は置換されておらず;
Qは、直接結合、シクロプロピレン又はアネレイトされたビシクロ[2.2.1]ヘプタン環であり;
は、シクロプロピル、1,3−ジメチルブチル、イソプロピル、2もしくは3個のハロゲン原子で置換されたフェニル、又はトリフルオロメチルチオ基である]
で表されるアミド(化合物I)と;
(ii)ボスカリド、フェンヘキサミド、メタラキシル、フルオピコリド(ピコベンズアミド)、ゾキサミド、マンジプロパミド及びカルプロパミドから選択される、カルボン酸アミド系化合物;
(iii)シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フルシラゾール、イプコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、テブコナゾール、シアゾファミド及びトリアゾキシドから選択される、アゾール系化合物;
(iv)フルアジナム、シプロジニル、アシベンゾラル−S−メチル、プロキナジド、キノキシフェン、フェンピクロニル、カプタン、ホルペト及びフェンプロピジンから選択される、ヘテロ環式系化合物;
(v)イプロバリカルブ、マネブ、プロピネブ及びフルベンチアバリカルブ(ベンチアバリカルブ)から選択される、カルバメート系並びにジチオカルバメート系化合物;
(vi)フルスルファミドのようなオルガノクロロ化合物;
(vii)硫黄のような無機活性成分;及び
(viii)スピロキサミン、シモキサニル、シフルフェナミド及びバリフェナールから選択される、他の化合物;
からなる群から選択される、さらなる殺菌剤II(化合物II);
又は
グリホセート、スルホシネート及びグリホシネートから選択される除草剤(化合物IV)と;
を含んでいる、殺菌剤混合物。
【請求項17】
さらに、グリホセート、スルホシネート及びグリホシネートから選択される除草剤(化合物IV)を含んでいる、請求項16に記載の殺菌剤混合物。
【請求項18】
害虫、その生息地、繁殖地、その所在場所、害虫の攻撃から保護されるべき植物体、土壌及び/又は種子を請求項16又は17に定義されている混合物の有効量で処理する、害虫の防除方法。
【請求項19】
100kgの種子当たり0.001g〜1kgの量で請求項16又は17に定義されている混合物を含んでいる、種子。

【公表番号】特表2011−511032(P2011−511032A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545452(P2010−545452)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【国際出願番号】PCT/EP2009/051241
【国際公開番号】WO2009/098218
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】