説明

植物性タンパク質を基にした成形品

植物性タンパク質(TVP)を成形することにより形成される成形された動物用噛み玩具又はペットのおやつ。TVPは繊維質の材料を含み、樹脂(結合剤)及び可塑剤と混合されて、射出成形又は押出動作などの加熱成形機により形成されてもよい。樹脂及び可塑剤の含有量は成形処理を最適化するように選択可能である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2007年3月20日付で出願された米国特許出願第11/688,734号の出願日の利益を主張し、その教示は参照により本願に援用される。
[技術分野]
本開示は、動物用噛み物及びペットのおやつに関し、具体的には、イヌ、ネコ、及びその他の近縁動物用のものに関する。より具体的には、植物性タンパク質(TVP)を含み得る成形された動物用噛み物及びペットのおやつに関する。TVPは、他の成分と比べて比較的高い濃度で存在してもよく、樹脂結合剤及び可塑剤を含んでもよい。噛み物又はおやつは、ビタミン、ミネラル、及び/又はハーブ添加物で強化され、噛むという行為を通してそのような成分を動物へ供給するのを促進してもよい。
[背景]
多種多彩なイヌの好み又はニーズに合うように個々に調整可能な歯ごたえを有する、消化可能で栄養のある可食性イヌ用噛み物の開発についてはさまざまな開示が存在する。そこで、以下の例示的な開示に注意を向ける:米国特許第6,180,161号である「熱により変性可能な可食性イヌ用噛み物」;第6,159,516号である「可食性でんぷんの成形方法」、第6,126,978号である「可食性イヌ用噛み物」、第6,110,521号である「歯ごたえを変性可能な小麦及びカゼイン入りイヌ用噛み物」、第6,093,441号である「熱により変性可能なピーナツ入りイヌ用噛み物」、第6,093,427号である「野菜を基にしたイヌ用噛み物」、第6,086,940号である「でんぷん高含有イヌ用噛み物」、第6,067,941号である「動物用噛み物」、第6,056,991号である「歯ごたえを変性可能な七面鳥及び米入りイヌ用噛み物」、第5,941,197号である「にんじんを基にしたイヌ用噛み物」、第5,827,565号である「可食性イヌ用噛み物を製造するための処理」、第5,339,771号である「動物性粉末を含有する動物用噛み玩具」、第5,240,720号である「歯ごたえを変性可能なイヌ用噛み物」、第5,200,212号である「歯ごたえを変性可能なイヌ用噛み物」。また、「栄養補給用玩具のための特許出願」というタイトルの米国特許第6,165,474号と、「でんぷん材料及び分解性エチレン共重合体の動物用噛み玩具」というタイトルの米国特許第5,419,283号とにも注意を向ける。
【0002】
ともに「健康噛み玩具」というタイトルの米国特許第6,586,027号及び第6,916,497号は、本発明の譲受人に譲渡されており、その全体が参照により本願に援用される。これらの特許は、ビタミン、ミネラル及び/又はハーブ添加物で強化され、成形された、完全に消化可能で、栄養のある動物用噛み物に向けられている。
【0003】
噛み製品は、長い時間動物により咀嚼されることで、運動をもたらし、動物の歯を清潔にし、栄養をも提供することが意図され得る品物としてこれまで定義されてきている。ペットのおやつは、比較的短時間で咀嚼された後、消化されるものであって、しばしば芸や役割を達成した褒美として動物に与えられるものであることが意図され得る点で噛み物と区別され得る。いずれにせよ、今日のダイエット社会においては、ペットにとってさえも、おやつ及び噛み物に栄養があり、おやつ及び噛み物が、有機物であるとともに、そのような成分の一日あたりの推奨量の少なくとも一部を提供し、さらに、動物に機能的な恩恵をもたらすことは重要となり得る。そのような噛み物及びおやつには、動物の身体の中の特定の器官を対象とした、及び/又はそれらの器官を所定期間あるいは長期間にわたり適切に機能させることを目的とした、添加物が含有されていてもよい。特に興味深いのは、脂肪分が低く、グルテンを含有せず、比較的高タンパクとなる得るペット用の噛み物及びおやつである。
【0004】
上記は、動物に有効な多数の噛み物製品及びおやつに確かに寄与するが、それでもなお、特に熱形成(例えば成形)及びそのような噛み物製品の中にタンパク質製品を組み込むことについて、上記を改良する必要がある。
[概要]
第1実施例における本開示は、樹脂、可塑剤、植物性タンパク質(TVP)を含む、成形された動物用噛み物又はペットのおやつに関する。TVPは約50重量%以上のレベルで存在し、植物性タンパク質は繊維質の材料を含み、その繊維質の材料においては可塑剤の含有量が約40重量%以下である。
【0005】
第2実施例における本開示は、混合物を形成する、結合樹脂、可塑剤、TVPを含む可食性の動物用噛み玩具又はペットのおやつを形成する方法に関する。TVPは約50重量%以上のレベルで存在し、植物性タンパク質は繊維質の材料を含む。そして、混合物が加熱成形機に投入され、成形及び冷却されて、噛み玩具又はペットのおやつが形成されることが続いてもよいが、この噛み玩具の可塑剤含有量は、約40重量%以下である。
【0006】
第3実施例における本開示は、成形された動物用噛み物又はペットのおやつを製造するためのスクリュー、シリンダ(barrel)、金型を備えた射出成形機において植物性タンパク質を直接射出成形するための方法に関する。その方法においては、TVP、樹脂、可塑剤を射出成形機に直接投入することが含まれる。TVPは約50重量%以上のレベルで存在し、植物性タンパク質は繊維質の材料を含む。樹脂、植物性タンパク質、可塑剤をこの射出成形機において混合して、混合物を用意し、混合物を型の形に成形することが続いてもよい。このような直接射出成形処理に関しては、供給区間の長さの半分よりも長い移送区間を備え得る改良スクリューを使用してもよい。
[詳細な説明]
本発明は、植物性タンパク質(TVP)を含む、成形された樹脂系の可食性噛み玩具又はペットのおやつの開発に関する。植物性タンパク質は、約50重量%以上の範囲内の全ての値及び増分を含めた、約50重量%以上のレベルで存在してもよい。例えば、約50重量%から99重量%の間で存在してもよい。したがって、TVPは、例えば、成形品において50重量%〜60重量%の間の割合、成形品において50重量%〜75重量%の間の割合などを構成してもよい。
【0007】
TVPは、ビタミン、ミネラル、ハーブ、栄養補助食品、植物栄養素などでさらに強化され得る完全な有機製品を提供して、動物の全体的な栄養的ニーズや要求に寄与し得る。TVPはまた、分子量の比較的低い可塑剤(例えば、室温の液体を含んで、分子量が2500未満)を含有して、所定の加熱成形環境(例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、カレンダ成形など)におけるTVPの成形特性を向上させてもよい。可塑剤の含有量は、約40重量%以下の範囲内の全ての値及び増分を含めた、約40重量%以下であってもよい。例えば、最終成形品における可塑剤の含有量は約20重量%以下であってもよい。
【0008】
本願における植物性タンパク質は、繊維質構造を備えたあらゆる植物性タンパク質製品として理解され得る。繊維質構造により、TVPは長さ寸法が幅又は厚みの寸法を越える粒子状物質として理解されることができる。TVPは、大豆油の製造からの副産物として調達され得る脱脂大豆粉から形成されてもよく、50%の大豆タンパク質を含んでいてもよい。このため、TVPは使用前に水和されてもよい。その結果、TVPの繊維質構造は、肉の食感に近くなり得る。したがって、食感とは、例えば圧縮性などのような、食品の物理的特徴の考察として理解され得る。また、植物性タンパク質は、例えば、穀物(例えば、小麦)や穀物の加工品、ナッツ類、種子類、マメ科植物類、酵母、豆類及び/又は果物類、及びこれらの混合物などの他の多種の源に由来し得ることが理解され得る。
【0009】
本願での使用に適したTVPの一例は、イリノイ州デカツールにあるアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド社から調達され得るものであり、この一例は、粗タンパク質(53%)、水分(9%)、粗脂肪(3.0%)、食物繊維(18%)、約32%の炭水化物を含んでいると伝えられている。このような製品には、TVP163及び/又はTVP165と指定されて販売されている製品が具体的に含まれる。このような製品はまた、ビタミン、ミネラル、各種のアミノ酸を含んでいてもよい。したがって、本開示の内容において、TVPは、上述したような、繊維質構造を含み、他のさまざまな成分と共に、約50%を越えるタンパク質(大豆製品に由来してもよい)を含む製品として理解され得る。
【0010】
さらに、上記のTVPが使用されることで、本願で製造され得るおやつ又は噛み物においては、特に、比較的小麦グルテンが含まれない可能性があることがここで理解され得る。比較的小麦グルテンが含まれないとは、小麦グルテンのレベルが約5.0重量%以下であることとして理解され得る。小麦グルテンは、でんぷん成分が除去されることによって小麦及びその他の穀物の粉から通常調達されるタンパク質の非晶質混合物のことを指す。小麦グルテンはしばしば、練り生地の弾力性をもたらし得る成分であって、種々の焼き製品に通常存在し得る成分として特定される。さらに、繊維を含み、低脂肪であり、グルテンを含有せず、比較的タンパク質の含有量が高いおやつ又は噛み物は、貴重となり得る。
【0011】
それに応じ、例えば、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド社からのTVP(登録商標)163又は165などのような植物性タンパク質は、以下の表1に示す割合で水及びグリセリンと混合され、成形されたイヌ用の噛み物を形成するために射出成形機に供給された。
【0012】
【表1】

上記に示された配合物は、所定のペット製品のための所望の成形形状を形成するために、複数空洞の型に射出成形された。製品は、実質的に溶解して成形部品の形を成すTVP及びその他の成分を伴って可塑化することがわかった。
【0013】
したがって、本願のTVPは、押出機において樹脂及び、水などの可塑剤と混合されてもよく、その後、射出成形処理によって、又は、圧縮成形、押出成形、積層などのその他のプラスチック成形処理によって魅力的な形に形成されてもよい。さらに、本配合物は、射出成形/押出成形の組み合わせタイプの機械に入れられてもよい。
【0014】
まず、樹脂成分に注目すると、好ましくは、熱により流動可能であり、かつ加熱によって指示されたガラス転移温度(Tg)又は融点(Tm)を越え得る材料から樹脂が選択され得るのが好ましい。さらに、樹脂は、処理(例えば、押出成形又は射出成形)の間、(比較的固体粒子の形態で残り得る)TVPが樹脂内に比較的均等に分散及び結合することを可能にする分子量及び/又は溶融粘度を提供する(有する)ものであってもよい。樹脂はまた、重合体樹脂に特有の識別可能な繰り返し単位を有していてもよい。
【0015】
したがって、樹脂は、でんぷん(例えば、じゃがいもでんぷん、小麦でんぷん)、大豆粉、カゼイン、変性し及び部分的に加水分解されたコラーゲン、生皮(例えば、刻んだ又は細かく砕いた生皮)、熱可塑性高分子、及びそれらの混合物で構成される群から選択されてもよい。熱可塑性高分子には、例えば、ポリアミド及びポリウレタンなどの重合体だけでなく、例えば、ポリ(エチレンアクリル酸)及びポリ(エチレンビニルアルコール)などのエチレン共重合体が含まれる。生皮、例えば細かく砕いた生皮は、米国特許第5,476,069号に開示されている生皮であってもよく、この米国特許の教示は参照により本願に援用される。
【0016】
上記のように、可塑剤は、所定の加熱成形環境においてTVPの可塑化及び処理を改善するために使用され得ると考えられる。上記のように、可塑剤は、分子量が約2500以下の化合物を含んでいてもよい。したがって、可塑剤は水を含んでいてもよく、加熱成形環境における処理の間に所定の混合物から除去(揮発)され得るように可塑剤が選択されてもよい。可塑剤はまた、最終成形品に残るように設計されてもよい。例えば、最終成形品は、本願において、約20重量%以下の範囲内の全ての値及び増分を含む、約20重量%以下のレベルの可塑剤を含んでいてもよい。本願においては、例えばグリセリンと水との混合物などの可塑剤の混合物を使用可能であることが考えられる。その点において、共同所有される米国特許第6,159,516号に注意が向けられ、この米国特許の教示は参照により本願に援用される。したがって、本願の処理は、そのような溶融処理技術を利用することができ、例えば、グリセリン、TVP、及び水を混合するステップであって、水の含有量が初期に約25重量%を越える範囲、例えば、25重量%を超えて約40重量%に至る範囲であるステップと、押出機に前記混合物を投入して加熱するステップであって、前記押出機から排出される際の前記製品の含水量が前記押出機に投入される前記製品の含水量より少ないステップと、前記製品を、加熱した射出成形機に投入し、射出成形及び冷却することにより前記成形品を形成し、含水量が約15重量%以下であるステップとを含み得る。
【0017】
したがって、前記の好ましい処理との関連で、ビタミン、ミネラル、ハーブ、植物栄養素、酵素、酸化防止剤は、樹脂及び成形前の植物性タンパク質に添加されてもよく、又は樹脂がTVPと共に、例えば、成形のための射出成形機に投入される時点で、樹脂と任意に混合されてもよい。本発明において、ビタミン、ミネラル、ハーブ、植物栄養素、酵素、酸化防止剤の添加物が、著しく熱劣化することなく、すなわち、劣化によりその治療効果が弱められる又は失われてしまうようなことなく、樹脂/TVP/可塑剤の混合物に射出成形されることが可能である点は注目に値する。つまり、本発明において、添加物の少なくともいくらかの部分は劣化しないで残ることは好ましい点である。当業者は、本願の添加物の場合、約50ppmから1000ppmの間、及びその間の全ての値及び増分を含めて、50ppm程度のレベルが適しているであろうことに気付くだろう。
【0018】
添加物が著しく劣化しない可能性がある温度での処理に加え、この処理は、TVP製品を含む噛み製品を提供する方法を提供し、この方法では、噛み製品を、好ましくは気密されたパッケージにおいて長期間著しい損傷なく保存できるように、噛み製品は、例えば約15重量%以下に調整された水分量を有するのがよい。このやり方により、そのようなTVP製品及び添加物を、その栄養価又は薬効が維持され得るような保存状態で、成形された噛み玩具又はペットのおやつの中に配分できる。
【0019】
したがって、上述したTVP及び添加物を樹脂/可塑剤(流体)の混合物に組み込むことにより、本願発明は、例えば水などの流体の用途を拡大し、押出機又は射出成形機のどちらにおいても、可塑化(溶融処理動作で使用される軟化)の間、著しく熱劣化することなくそのような材料と樹脂との溶融混合を促進する。したがって、当業者は、より低い溶融処理温度を許容し、熱劣化が最小限にされると共に水分量が調整された製品を提供するため、必要に応じて水分量を容易に変更できることに気付くだろう。しかしながら、好ましくは、押出機への投入に際して加えられる可塑剤(水)のレベルは、押出機から出てくる際には約15〜20重量%のレベルとなり得る約20〜40重量%に設定されるのがよく、その時点で押出品は射出成形のステップのための状態であり得る。射出成形後において、水分レベルが約5〜20重量%となるように設定され、より好ましくは5〜15重量%に設定され、最も好ましい実施例において、(タンパク質を含む)成形品の水分レベルは約11〜14重量%に設定されてもよい。
【0020】
また、本願の混合物を具体的には通気式シリンダ押出機に投入して、さらなる処理のために寸法を縮小可能な押出製品を形成してもよく、押出機から出された際の含水量が、押出機に入れた前記混合物の含水量より少なくなり得ることは理解され得る。この押出製品は、ビーズ又はペレット又はシート状であって、さらなる溶融処理のためにぶつ切りにされてもよい。この後、押し出されたビーズ又はペレット又はぶつ切りにされた塊は、金型を備えた加熱された射出成形機に投入され、射出成形及び冷却されて成形品が形成されてもよく、成形品の含水量は約15重量%以下であり、射出成形機はホッパー供給部とシリンダ(barrel)と出力ノズルとを備える。前記シリンダ(barrel)には、前記ホッパー部から前記ノズルまで延在する複数の加熱区間が設けられ、前記複数の加熱区間は以下の温度範囲に設定される:区間1=約70°F以下;区間2=約150°F以下;区間3=約235°F以下;区間4=約250°F以下。金型自体は約35〜65°Fに冷却されるのが好ましい。
【0021】
これに関連して、指摘されるべきであるのは、上述した温度プロファイルは、射出成形機のシリンダ(barrel)近くに配置された冷却コイルの使用によって最も都合よく達成され得るということである。そのようなコイルには循環水を備えた銅製冷却コイルが含まれる。したがって、この特定の温度プロファイルの利点は、前記成分(例えば、樹脂、タンパク質、本願に記載した任意の栄養添加物)の熱劣化が最小限となり、最終的な成形品の含水量が調整され得るということである。
【0022】
本発明の別の実施例においては、TVPを含んだ、本発明の成形された噛み玩具は、直接射出成形により形成されてもよい。射出成形について、本願の成形品は、直接射出成形処理により製造されてもよく、次に「直接でんぷん成形」というタイトルで2005年8月5日に出願された米国特許出願第11/198,881号と、「樹脂の直接溶融処理」というタイトルで2005年10月14日及び2006年4月5日にそれぞれ出願された米国特許出願第11/251,261号及び11/278,735号とを参照する。これらは全て本発明の譲受人に譲渡され、これらの全体が参照により本願に援用される。これらの開示は直接射出成形処理について記載しており、その成分は機械のシリンダ(barrel)において混合され、密閉金型に注入されて固められる。
【0023】
これに応じて、本願で考慮される直接射出成形では、TVPは上述したように樹脂及び流体と混合されてもよい。したがって、本願のTVPは、本発明の譲受人に譲渡され、その全体が参照により本願に援用される米国特許出願第11/198,881号に開示された処理にしたがって直接射出成形されてもよい。そこで、理解され得るように、例えば成分を押出機で混合して中間品(ビーズ、ペレットなど)を形成する必要性があることに先んじて、TVP又は樹脂、流体及びTVPは、射出成形機のシリンダ(barrel)に直接投入され、シリンダ内で混合されて組成物が形成されてもよい。
【0024】
関連する実施例において、本発明の譲受人に譲渡され、その全体が参照により本願に援用される米国特許出願第11/251,261号及び第11/278,735号の教示にしたがって、直接射出成形用の改良スクリューを本願の成形品のために使用してもよい。改良スクリューは第1の長さL1を有する移送区間及び第2の長さL2を有する供給区間を備えていてもよく、L1>0.5×L2であってもよい。改良スクリューは長さL3を有する計量区間を備えていてもよく、L3>0.5×L2であってもよい。さらに、フライトの上端からスクリューの根元までの距離である溝の深さCDは、スクリューにおける異なる区間において変化してもよい。例えば、供給区間は第1の溝の深さCD1を有し、計量区間は第2の溝の深さCD2を有していてもよく、CD1>2.0×CD2であってもよい。
【0025】
射出成形機の改良スクリュー及び/又はシリンダ(barrel)は特別にコーティングされてもよく、コーティングは、5マイクロインチより大きい表面粗さ値“Ra”を与えてもよい。改良スクリューはまた、スクリューの全体又は一部に少なくとも2つのフライトを備えていてもよい。それらのフライトのうちの1つは障壁フライトであってもよい。
【0026】
最終的に、本願の噛み物又はペットのおやつのいずれかに他のタイプの成分を組み込んで、動物の関心を高め、及び/又は成形品の見栄えを改善してもよい。例えば、食品着色料だけでなく、香味料を、約0.1〜5重量%のレベルで任意に組み込んでもよい。さらに、硬さを増すことが知られている炭酸カルシウムを任意に組み込んでもよい。さらに、約0.1〜5.0重量%の範囲で例えばオート麦の繊維などの保湿剤を任意に組み込んでもよい。さらに、例えば安息香酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、またはプロピオン酸カルシウムなどの保存料を任意に含んでもよい。
【0027】
したがって、本発明と整合性のある処理は可食性の成形された動物用おやつ及び/又は可食性の動物用噛み物を製造するために使用されてもよい。本発明と整合性のある動物用おやつはペット又は動物によって十分に消費され得る。この結果、所望の製品が動物用おやつであるとき、所望の製品は、栄養面での恩恵を提供する成分から形成されてもよい。同様に、本発明と整合性のある動物用噛み物は、噛む行為などの間にペットの歯茎をマッサージするなどの役割を果たしながら、歯の健康面の恩恵と共に栄養価を提供することを意図されてもよい。さらに、あるいは、前述したように、本願の製品は、可食性の成分又は非可食性の成分からさえも形成されてもよく、非可食性の成分はとりわけ、動物に噛まれても長時間の耐久性を有するように選択され得る。
【0028】
しかしながら、さらに、当業者であれば、本願で使用される“おやつ”又は“噛み物”又は“噛み玩具”のいかなる分類も本発明の範囲に影響しないことは理解されるものとする。さらに、本願の動物用おやつ又は噛み物の概念には制限がなく、鳥や小型哺乳類などに拡張されてもよいこともまた留意されなければならない。
【0029】
本発明は詳細に説明されたが、本願のさまざまな例は説明の目的のみであり、それぞれの例又は実施例の特徴を相互に置換可能であることは当業者によって理解されるものとする。したがって、修正及び変形は明らかであり、修正及び変形は本発明の精神及び均等の範囲から逸脱することなく再分類され得る。したがって、そのような修正及び均等物は以下の請求項に記載の本発明の範囲内にあると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可食性動物用噛み玩具又はペットのおやつを形成する方法であって、
樹脂と、可塑剤と、植物性タンパク質(TVP)とを結合して混合物を形成するステップであって、前記TVPが約50重量%以上のレベルで存在し、前記植物性タンパク質が繊維質の材料を含むステップと
前記混合物を加熱成形機に投入し、前記混合物を成形及び冷却して、前記噛み玩具又はペットのおやつを形成するステップであって、前記噛み玩具における前記可塑剤の含有量が約40重量%以下であるステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記混合物を前記加熱成形機に投入する以前において、前記噛み玩具における前記可塑剤の含有量が約40重量%より大きいことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記可塑剤の分子量が約2500以下であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記植物性タンパク質が約60重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記植物性タンパク質が前記成形された噛み玩具に均等に分布していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記加熱成形機には、射出成形機又は押出成形機又はそれらの組み合わせが含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記樹脂が、でんぷんと、小麦粉と、カゼインと、変性し及び部分的に加水分解されたコラーゲンと、生皮と、熱可塑性高分子と、それらの混合物と、からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記可塑剤が水であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記動物用噛み玩具又はペットのおやつが約5.0%(wt)以下のレベルでグルテンを含有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記動物用噛み玩具又はペットのおやつが小麦グルテンを含有しないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ビタミンと、ミネラルと、ハーブと、植物栄養素と、酵素と、香味料と、レシチンと、酸化防止剤とのうちの1つ以上をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
成形された動物用噛み物又はペットのおやつを製造するためのスクリューと、バレルと、金型とを備えた射出成形機において植物性タンパク質を直接射出成形するための方法であって、
植物性タンパク質(TVP)と、樹脂と、可塑剤とを射出成形機に直接投入するステップであって、前記TVPは約50重量%以上のレベルで存在し、前記植物性タンパク質が繊維質の材料を含むステップと、
前記樹脂と、前記植物性タンパク質と、前記可塑剤とを前記射出成形機において混合して混合物を生成するステップと、
前記混合物を金型の形に成形するステップと
を含む方法。
【請求項13】
前記樹脂が、でんぷんと、小麦粉と、カゼインと、変性し及び部分的に加水分解されたコラーゲンと、生皮と、熱可塑性高分子と、それらの混合物とからなる群から選択されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記樹脂と、前記植物性タンパク質と、前記可塑剤とを射出成形機のシリンダ(barrel)に直接投入するステップがさらに1つ以上の添加物を組み込むステップを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記射出成形機が改良スクリューを備え、該改良スクリューが第1の長さL1を有する移送区間と、第2の長さL2を有する供給区間とを含み、L1>0.5×L2であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記改良スクリューがさらに第3の長さL3を有する計量区間を備え、L3>0.5×L2であることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記供給区間は第1の溝の深さCD1を有し、前記計量区間は第2の溝の深さCD2を有し、CD1>2.0×CD2であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記動物用噛み玩具又はペットのおやつが小麦グルテンを含まないことを特徴とする請求項13に記載の噛み物又はおやつ。
【請求項19】
樹脂と、可塑剤と、植物性タンパク質(TVP)とを含む成形された動物用噛み物又はペットのおやつであって、前記TVPが約50重量%以上のレベルで存在し、前記植物性タンパク質が繊維材料を含み、前記噛み玩具の可塑剤の含有量が約40重量%以下であることを特徴とする動物用噛み物又はペットのおやつ。
【請求項20】
前記噛み玩具又はペットのおやつが小麦グルテンを含まないことを特徴とする請求項19に記載の成形された動物用噛み物。

【公表番号】特表2010−521970(P2010−521970A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554716(P2009−554716)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/057520
【国際公開番号】WO2008/116000
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(500013142)ティー.エフ.エイチ.パブリケーションズ、インコーポレーテッド (18)
【Fターム(参考)】