植物栽培用の継ぎ足し式支柱
【課題】製造コストの低減、輸送の容易化と輸送コストの低減、売場スペースの削減、流通時や販売時における各種の管理を容易化し得る、植物栽培用の継ぎ足し式支柱を提供する。
【解決手段】下の単位支柱2aと中の単位支柱2bと上の単位支柱2cとを具える。3本の単位支柱は夫々、全長が400〜750mmである。そして、下端に下キャップ部材5が取着されてなる下の単位支柱2aの上端に連結部材7を取着することにより第1タイプの支柱3aを構成できる。その連結部材7に、中の単位支柱2bの下端部分を連結すると共にその単位支柱の上端部分に他の連結部材7を取着することにより第2タイプの支柱を構成できる。その連結部材7に上の単位支柱2cの下端部分を連結すると共に単位支柱2cの上端に上キャップ部材6を取着することにより第3タイプの支柱を構成できる。
【解決手段】下の単位支柱2aと中の単位支柱2bと上の単位支柱2cとを具える。3本の単位支柱は夫々、全長が400〜750mmである。そして、下端に下キャップ部材5が取着されてなる下の単位支柱2aの上端に連結部材7を取着することにより第1タイプの支柱3aを構成できる。その連結部材7に、中の単位支柱2bの下端部分を連結すると共にその単位支柱の上端部分に他の連結部材7を取着することにより第2タイプの支柱を構成できる。その連結部材7に上の単位支柱2cの下端部分を連結すると共に単位支柱2cの上端に上キャップ部材6を取着することにより第3タイプの支柱を構成できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の成長に合わせて継ぎ足すことにより支柱高さを高く設定し得る植物栽培用の継ぎ足し式支柱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
植物栽培に一般的に用いられている従来の市販の支柱は、その長さが、栽培せんとする植物に合わせて予め所定長さに設定された、長さが決まった1本物の支柱であった。その支柱の長さは、例えばピーマンを栽培する場合は750〜900mmに設定されていた。又、ナスを栽培する場合は900〜1200mmに設定されており、トマトを栽培する場合は1500〜2100mmに設定されていた。因みに、本出願人が製造販売している支柱の規格としては、900mm、1200mm、1500mm、1800mmの4種類があった。
【0003】
しかしながら例えば1000mmを超える長い支柱にあっては、梱包形態が大きくなるために、購入者が車に積んで持ち帰りにくい問題があった。又、支柱長さが長いほどそれだけ多くのスペースを要したため、輸送コストの上昇を招いた他、店舗や倉庫でも広いスペースを要する問題があった。加えて、植物に合わせて何種類もの長さの支柱を設計、製作せざるを得ず、製造コストの上昇を招いたばかりでなく、在庫管理や、店舗での販売管理等に多くの手間を要して販売価格の上昇を招く問題もあった。
【0004】
このような問題点を解決する手段の一つとして、本出願人は、特開平10−52344号において、太い支柱部材から細い支柱部材をスライドにより引き出すことによって支柱長さを伸ばせるように構成された伸縮式支柱を提案した。
【0005】
該伸縮式支柱は、太い支柱部材からの細い支柱部材の引き出し量に応じて、植物の成長に合わせて支柱を高く形成できる利点があった。又、支柱長さを短くして販売できるために梱包形態を小さくでき、購入者が持ち帰りやすく、加えて、コンパクトに梱包して出荷できるために輸送コストの低減を期し得る利点があった。その他、倉庫や店舗において、何種類もの長さの支柱を管理しなければならない煩わしさがなく、流通時や販売時における取り扱いが容易となる利点もあった。
【0006】
しかしながら、かかる従来の伸縮式支柱は、太い支柱部材から細い支柱部材をスライドにより引き出す仕組みであったために、上の段の支柱ほど細くなった。その結果、ピーマンやナス、トマト等の実を付ける野菜を栽培する場合は、植物の全体重量が大となるために、成長した植物を安定的に支持できない場合があった。又、複数本の支柱を周方向に所要間隔で立設状態にして植物栽培を行う場合は、全ての支柱の長さを所要に揃えるのが難しい問題があった。更に該伸縮式支柱は、スライドにより所要長さに設定された支柱の接続部分の固定手段が簡易なものであったため、一旦所要長さに調整された支柱が縮小する恐れがあった。
【0007】
又、長さの決まった1本物の支柱の複数本を用いて、植物を取り囲むようにこれらの支柱を所要間隔で立設し、その後、隣り合う支柱相互を支柱連結具で連結して支柱枠体を構成し、この支柱枠体を用いて植物栽培を行うときは次のような問題点があった。
【0008】
即ち、植物が成長するにつれて枝も延びるが、植物の栽培を安定的に行わんとすれば、植物の成長に合わせて、延びた枝部分を下方から支持するように前記支柱連結具を配置するのがよい。しかしながら前記支柱枠体にあっては、植物が未だ十分に成長していない段階で支柱連結具が複数段に取り付けられるために、該支柱連結具が、伸びた枝部分を下方から支持できる位置に取り付けられているとは限らない。そのため、伸びた枝部分を下方から支持できるように、支柱連結具を取り付け直さなければならない面倒さがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−52344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、コンパクトに梱包できるために購入者が容易に持ち帰ることができ、何種類もの長さの支柱を設計製作する必要がないために製造コストの低減を達成でき、又、梱包形態がコンパクトであるために輸送コストの低減、売場スペースの削減を期し得ると共に、製品の種類を減ずることができるために流通時や販売時における各種の管理を容易化できる植物栽培用の継ぎ足し式支柱の提供を課題とするものである。加えて、植物の成長に合わせて上方に継ぎ足すことにより支柱長さを所要に設定できると共に、継ぎ足して長く形成された支柱であっても植物を安定的に支持でき、又、全ての支柱の長さを容易に揃えることができ、且つ、設定された支柱長さを確実に保持させ得る植物栽培用の継ぎ足し式支柱の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち、発明に係る植物栽培用の継ぎ足し式支柱(以下継ぎ足し式支柱という)の第1の態様は、単位支柱を継ぎ足して所要長さの支柱を形成できる植物栽培用の継ぎ足し式支柱であって、下段に配置される下の単位支柱と、中段に配置される中の単位支柱と、上段に配置される上の単位支柱と、該下の単位支柱の下端に取着される下キャップ部材と、該上の単位支柱の上端に取着される上キャップ部材と、該単位支柱相互を直線状に連結する連結部材とを具えている。該単位支柱の3本は、共に、略同一長さで略同一太さを有する直棒状のパイプからなり、且つ、全長が400〜750mmに設定されており、前記下キャップ部材は、前記下の単位支柱の下端部分を密接に挿入させる挿入孔部を有しており、又、前記上キャップ部材は、前記上の単位支柱の上端部分を密接に挿入させる挿入孔部を有しており、又、前記連結部材は、下の単位支柱の上端部分と上の単位支柱の下端部分を密接に挿入させる上下の連結孔部が仕切り部を介して設けられており、該仕切り部は、該上下に位置する単位支柱内に雨水が進入するのを防止する蓋として機能できるものである。そして、前記下の単位支柱の下端部分が前記下キャップ部材の前記挿入孔部に挿入される共に、該下の単位支柱の上端部分が前記連結部材の下の連結孔部に挿入されることによって第1タイプの支柱を構成でき、該連結部材の上の連結孔部に前記中の単位支柱の下端部分が挿入されると共に、該中の単位支柱の上端部分が別の前記連結部材の下の連結孔部に挿入されることによって第2タイプの支柱を構成でき、該別の連結部材の上の連結孔部に前記上の単位支柱の下端部分が挿入されると共に、該上の単位支柱の上端部分が前記上キャップ部材の挿入孔部に挿入されることによって第3タイプの支柱を構成できることを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る継ぎ足し式支柱の第2の態様は、単位支柱を継ぎ足して所要長さの支柱を形成できる植物栽培用の継ぎ足し式支柱であって、下段に配置される下側の単位支柱と、上段に配置される上側の単位支柱と、該下側の単位支柱の下端に取着される下キャップ部材と、該上側の単位支柱の上端に取着される上キャップ部材と、該単位支柱相互を直線状に連結する連結部材とを具えている。該単位支柱の2本は、共に、略同一長さで略同一太さを有する直棒状のパイプからなり、且つ、全長が400〜750mmに設定されており、前記下キャップ部材は、前記下側の単位支柱の下端部分を密接に挿入させる挿入孔部を有しており、又、前記上キャップ部材は、前記上側の単位支柱の上端部分を密接に挿入させる挿入孔部を有しており、又、前記連結部材は、下側の単位支柱の上端部分と上側の単位支柱の下端部分を密接に挿入させる上下の連結孔部が仕切り部を介して設けられており、該仕切り部は、該下側の単位支柱と該上側の単位支柱内に雨水が進入するのを防止する蓋として機能できるものである。そして、前記下側の単位支柱の下端部分が前記下キャップ部材の前記挿入孔部に挿入される共に、該下側の単位支柱の上端部分が前記連結部材の下の連結孔部に挿入されることによって第1型の支柱を構成でき、該連結部材の上の連結孔部に前記上側の単位支柱の下端部分が挿入されると共に、該上側の単位支柱の上端部分が前記上キャップ部材の挿入孔部に挿入されることによって第2型の支柱を構成できることを特徴とするものである。
【0013】
前記の各継ぎ足し式支柱において、前記単位支柱の表面には、引っ掛り用の突部が、該単位支柱の長さ方向に不連続状態で突設されて不連続突部列が設けられたものとし、前記連結部材の挿入孔部の内面には、該不連続突部列を嵌入させる逃がし溝部が設けられたものとして構成するのがよい。
【0014】
前記の各継ぎ足し式支柱において、前記単位支柱の表面には、周方向に略90度の角度を置いて、引っ掛り用の突部が、該単位支柱の長さ方向に不連続状態で突設されて不連続突部列が設けられたものとし、前記連結部材の挿入孔部の内面には、該不連続突部列を嵌入させる逃がし溝部が設けられたものとして構成するのがよい。
【0015】
本発明に係る植物栽培装置の第1の態様は、前記第1の態様に係る継ぎ足し式支柱と、隣り合う前記支柱相互を連結する支柱連結具とを具えることを特徴とするものである。
【0016】
本発明に係る植物栽培装置の第2の態様は、前記第2の態様に係る継ぎ足し式支柱と、隣り合う前記支柱相互を連結する支柱連結具とを具えることを特徴とするものである。
【0017】
前記植物栽培装置において、前記支柱連結具は、連結棒材の両端側の夫々に支柱挾持部が設けられたものとし、該支柱挾持部は、前記支柱を嵌入させる嵌入凹部を有し該嵌入凹部に嵌入された支柱を弾性的に挾持し得るC字状の挾持部本体を具えたものとし、該挾持部本体の支柱導入口の開口幅は前記支柱の径よりも小さく形成されると共に、該支柱導入口の両端部に、両者間の幅が先端に向けて拡大するハの字状を呈するように互いに逆方向に屈曲するガイド片が突設されたものとして構成するのがよい。
【0018】
本発明に係る植物栽培方法は、前記第1の態様に係る植物栽培装置を用いる植物の栽培方法であって、苗を取り囲むように3本以上の前記第1タイプの支柱を立設すると共に、隣り合う支柱相互を前記支柱連結具で連結して後、該第1タイプの支柱の上端に前記連結部材を介して前記中の単位支柱を継ぎ足して前記第2タイプの支柱を構成し、必要に応じて、該第2タイプの支柱の上端に前記連結部材を介して前記上の単位支柱を継ぎ足して前記第3タイプの支柱を構成し、このように継ぎ足しによって形成された隣り合う支柱相互を前記支柱連結具で連結するに際し、該支柱連結具を、伸びた枝部分を下方から支持するように配置することを特徴とするものである。
【0019】
本発明に係る植物栽培方法は、前記第2の態様に係る植物栽培装置を用いる植物の栽培方法であって、苗を取り囲むように3本以上の前記第1型の支柱を立設すると共に、隣り合う支柱相互を前記支柱連結具で連結して後、該第1型の支柱の上端に前記連結部材を介して前記上の単位支柱を継ぎ足して前記第2型の支柱を構成し、このように継ぎ足しによって形成された隣り合う支柱相互を前記支柱連結具で連結するに際し、該支柱連結具を、伸びた枝部分を下方から支持するように配置することを特徴とするものである。
【0020】
なお前記の各継ぎ足し式支柱において、「略同一長さで略同一太さ」とは、長さや太さに関して製作上の誤差範囲にあって同一と見做すことができるものも含まれることを意味している。
【発明の効果】
【0021】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る継ぎ足し式支柱によるときは、コンパクトに梱包できるために購入者が容易に持ち帰ることができる。
又、長さが決まった1本物の従来支柱のように何種類もの長さの支柱を設計製作する必要がないために製造コストの低減を達成でき、しかも梱包形態がコンパクトであるために、輸送コストの低減や売場スペースの削減を期し得るだけでなく、製品の種類を減ずることができるために流通時や販売時における各種の管理を容易化できる。
【0022】
(2) 本発明に係る継ぎ足し式支柱によるときは、植物を、苗の段階、成長がある程度進んだ段階、成熟した段階と、植物の成長に合わせて単位支柱を継ぎ足して栽培できる。そして、前記支柱枠体を構成する前記単位支柱は略同一太さを有するため、形成された支柱は、全長に亘って略同一太さである。かかることから、単位支柱を2段、3段に継ぎ足して形成された支柱の強度を確保でき、ピーマンやナス、トマト等の実を付ける植物であっても、これらを安定的に支持できることとなる。
【0023】
(3) 本発明に係る継ぎ足し式支柱は、単位支柱が略同一長さのものであり、単位支柱の継ぎ足しは、各単位支柱の端部分を連結部材の連結孔部に挿入して行う仕組みであるため、前記従来の伸縮式支柱とは異なり、全ての支柱の長さを容易に揃えることができ、且つ、設定された支柱長さを確実に保持できる。
【0024】
(4) 本発明に係る継ぎ足し式支柱によるときは、苗の段階では、1本の単位支柱だけからなる最小長さの前記第1タイプの支柱や前記第1型の支柱を用いて植物栽培を行い得る。かかることから、長さが決まった1本物の従来支柱を苗の段階から立設する場合とは異なり、苗に対する水やりや追肥、除草等の栽培に伴う作業を容易化し得る。又、プランタで植物栽培を行う場合は、苗に対する日当たりを良好としたり、風から苗を保護する等の目的でプランタを移動させる際、支柱が低い分だけその移動作業を容易化し得る。
【0025】
(5) 単位支柱の表面に、引っ掛かり用の突部を、単位支柱の長さ方向に不連続状態で突設するときは、蔓性植物の栽培時における蔓の巻き付きを確実として栽培を安定化させ得る。又、支柱相互を前記支柱連結具で連結した際に、該支柱連結具の支柱挟持部を該引っ掛かり用の突部で下方から支持できるため、該支柱連結具が不用意にずり落ちるのを防止できることとなる。
【0026】
(6) 本発明に係る植物栽培装置によるときは、前記構成を有する第1タイプの支柱、第2タイプ支柱、第3タイプ支柱、第1型の支柱、第2型の支柱の所要本数と、支柱相互を連結する支柱連結具の所要個数を用いることにより、平面視で、例えば三角形状や正方形状、長方形状、五角形状、菱形状、ジグザグ状、直線状等を呈する各種の支柱枠体を構成でき、この支柱枠体を用いて植物を安定状態で多彩に栽培できることになる。
【0027】
(7) 本発明に係る植物栽培方法によるときは、各種の植物を、その苗の段階から最大成長段階まで最適状態で支持できるのがあるが、その際、植物の成長に合わせて、伸びた枝部分を下方から支持するように、植物の成長に合わせて適切な位置で、隣り合う支柱相互を前記連結部材で連結できる。これによって、植物を安定的に支持してその成長を促すことができる。
このように本発明によるときは、長さが決まった1本物の従来支柱を用いる場合のように、伸びた枝部分を下方から支持するために、植物の成長に合わせて支柱連結具を取り付け直さなければならないといった面倒さがない利点が大きい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る継ぎ足し式支柱を示す斜視図とその部分拡大図である。
【図2】継ぎ足し式支柱を示す分解斜視図である。
【図3】400mm長さに設定された単位支柱を用いて形成した3種類の支柱を地面に立設した状態で示す正面図である。
【図4】750mm長さに設定された単位支柱を用いて形成した3種類の支柱を地面に立設した状態で示す正面図である。
【図5】支柱を示す平面図である。
【図6】単位支柱相互を連結する連結部材を、連結される単位支柱の端部分と共に示す斜視図である。
【図7】その連結部材を示す断面図である。
【図8】その連結部材を示す平面図である。
【図9】500mm長さに設定された単位支柱を用いてなる第1タイプの支柱を示す斜視図と、該単位支柱を地面に立設した状態を示す正面図である。
【図10】単位支柱の下端に下キャップ部材を取着した状態を示す断面図と、単位支柱の上端に上キャップ部材を取着した状態を示す断面図と、上下に位置する単位支柱相互を連結した状態を示す断面図である。
【図11】2本の単位支柱相互を連結してなる第2タイプの支柱を示す斜視図と、その支柱を地面に立設した状態を示す正面図である。
【図12】3本の単位支柱を連結してなる第3タイプの支柱を示す斜視図と、該支柱を地面に立設した状態を示す正面図である。
【図13】第1タイプの支柱の3本を円筒状の布製プランタに立設すると共に隣り合う支柱相互を支柱連結具で連結して構成された三角形枠状の支柱枠体を示す斜視図である。
【図14】第1タイプの支柱の下端側部分の安定的な支持状態を示す断面図である。
【図15】支柱連結具を示す斜視図と平面図である。
【図16】第2タイプの支柱の3本を円筒状の布製プランタに立設すると共に、隣り合う支柱相互を支柱連結具で連結して構成された三角形枠状の支柱枠体を示す斜視図である。
【図17】植物の延びた枝部分を支柱連結具で下方から支持した状態を示す斜視図である。
【図18】第3タイプの支柱の3本を円筒状の布製プランタに立設すると共に、隣り合う支柱相互を支柱連結具で連結して構成された三角形枠状の支柱枠体を示す斜視図である。
【図19】支柱連結具の端部分を支柱に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図20】直方体状の布製プランタに第3タイプの支柱の5本を立設すると共に、隣り合う支柱相互を支柱連結具で連結して構成された三角形枠状の左右の支柱枠体を示す斜視図である。
【図21】直方体状の布製プランタを示す斜視図である。
【図22】直方体状の布製プランタに第1タイプの支柱の5本を立設すると共に、隣り合う支柱相互を支柱連結具で連結して構成された三角形枠状の左右の支柱枠体を示す斜視図である。
【図23】直方体状の布製プランタに第2タイプの支柱の5本を立設すると共に隣り合う支柱相互を支柱連結具で連結して構成された三角形枠状の左右の支柱枠体を示す斜視図である。
【図24】直方体状の布製プランタに、高さの異なる左右の支柱枠体を形成した状態を示す斜視図である。
【図25】2本の単位支柱を連結する継ぎ足し式支柱を示す斜視図と部分拡大斜視図である。
【図26】その分解斜視図である。
【図27】400mm長さに設定された単位支柱を用いて形成した2種類の支柱を地面に立設した状態を示す正面図である。
【図28】750mm長さに設定された単位支柱を用いて形成した2種類の支柱を地面に立設した状態を示す正面図である。
【図29】450mm長さに設定された単位支柱を用いてなる第1型の支柱を示す斜視図と、該単位支柱を地面に立設した状態を示す正面図である。
【図30】2本の単位支柱相互を連結してなる第2型の支柱を示す斜視図と、該支柱を地面に立設した状態を示す正面図である。
【図31】円筒状の布製プランタに第1型の支柱の3本を立設すると共に、隣り合う支柱相互を支柱連結具で連結して構成された三角形枠状の支柱枠体を示す斜視図である。
【図32】円筒状の布製プランタに第2型の支柱の3本を立設すると共に、隣り合う支柱相互を支柱連結具で連結してなる三角形枠状の支柱枠体を示す斜視図である。
【図33】単位支柱の他の態様を示す部分斜視図である。
【図34】下キャップ部材の他の態様を示す斜視図と該下キャップ部材が取り付けられた単位支柱を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0029】
図1〜2において本発明に係る植物栽培用の継ぎ足し式支柱(以下継ぎ足し式支柱という)1は、単位支柱2を順次継ぎ足して所要長さの支柱3を形成できる継ぎ足し式支柱であって、下段に配置される下の単位支柱2aと、中段に配置される中の単位支柱2bと、上段に配置される上の単位支柱2cと、該下の単位支柱2aの下端に取着される下キャップ部材5と、該上の単位支柱2cの上端に取着される上キャップ部材6と、単位支柱相互を直線状に連結する連結部材7とを具えており、該単位支柱2a,2b,2cの3本は、共に、略同一長さで略同一太さを有する直線状の丸パイプからなり、且つ、全長が400〜750mmに設定されている。
【0030】
該単位支柱2a,2b,2cの最低長さを400mmに設定したのは次の理由による。即ち、本発明が対象とする植物は、主としては実を付ける野菜であり、その代表的なものとして、ピーマン、ナス、トマトを挙げることができる。本発明に係る継ぎ足し式支柱1は、これらの植物を、苗の段階から最大に成長した段階まで安定的に支持せんとするものであり、植物の成長に合わせて単位支柱2を上方に継ぎ足すことにより所要長さの支柱3を得ようとするものである。ピーマンの場合は、地面からの最大成長高さは550〜700mm程度であり、ナスの場合は、地面からの最大成長高さは700〜1100mm程度であり、トマトの場合は、地面からの最大成長高さは1300〜1900mm程度である。そして、これらの植物の苗の段階での高さは100mm前後であり、又、植物栽培のために支柱を地面に安定的に立設させるに際しては、一般的に、支柱の下端側の200mm程度の長さの部分を地面に突き刺すことが必要とされている。
【0031】
これらのこと及び苗の成長速度を考慮して、本発明においては、単位支柱2a,2b,2cの最低長さを400mmに設定している。単位支柱の長さを400mmに設定したとき、図3(A)に示すように、1本の単位支柱2(前記下の単位支柱2a)だけからなる第1タイプの支柱3aを用いて植物を支持する場合は、支柱の下端側の200mm程度の長さ部分9を土に突き刺した状態で、土の表面10から200mm程度上方に突出した支柱部分11が形成されることになる。該支柱部分11で、苗を、ある程度の余裕高さを以て支持できることになる。そして、これらの植物の成長の途中段階においては、図3(B)に示すように、その成長に合わせて2本の単位支柱2,2(前記下の単位支柱2aと中の単位支柱2b)を前記連結部材7を介して連結して、第2タイプの支柱3bを構成すれば、土の表面10から600mm程度上方に突出した支柱部分11を形成できることになる。これにより、成長の途中段階の植物を安定的に支持できることになる。植物が更に成長した後は、図3(C)に示すように、連結部材7を介して単位支柱2(前記上の単位支柱2c)を更に継ぎ足して第3タイプの支柱3cを構成することにより、土の表面10から1000mm程度上方に突出した支柱部分11を形成できることになる。これによって、ピーマンや、ナスの一部の品種のものを支持できることとなる。
【0032】
又、前記単位支柱2a,2b,2cの最大長さを750mmに設定したのは次の理由による。即ち、単位支柱2の運搬時、流通時、販売時等におけるその取り扱い長さとして支障がないこと、及び、3本の単位支柱2a,2b,2cを連結部材7を介して連結したときにピーマンやナス、トマト等の植物を、これらが最大に成長した段階においても支障なく支持できることを考慮したものである。
【0033】
後者についてより詳しく説明すれば、単位支柱の長さを750mmに設定したとき、図4(A)に示すように、1本の単位支柱2(前記下の単位支柱2a)だけからなる第1タイプの支柱3aを用いて植物を支持する場合は、支柱の下端側の200mm程度の長さ部分9を地面に突き刺した状態で、地面10から550mm程度上方に突出した支柱部分11が形成されることになり、該支柱部分11で苗を支持できることになる。そして図4(B)に示すように、2本の単位支柱2,2(前記下の単位支柱2aと中の単位支柱2b)を前記連結部材7を介して連結して第2タイプの支柱3bを構成した場合は、土の表面10から1300mm程度上方に突出した支柱部分11を形成できることになる。これにより、ピーマンやナスをその最大成長段階で支持できると共に、成長の途中段階にあるトマトを支持できることとなる。又、図4(C)に示すように、3本の単位支柱2,2,2(前記下の単位支柱2aと中の単位支柱2bと上の単位支柱2c)を前記連結部材7を介して連結して第3タイプの支柱3cを構成した場合は、地面10から2050mm程度上方に突出した支柱部分11を形成できることになり、これにより、トマトをその最大成長段階でも支持できることとなる。
【0034】
このように単位支柱の長さは400〜750mmの範囲で所要に設定できるのであり、例えば500mm、600mm、700mmに設定することができる。
【0035】
以下、前記単位支柱2a,2b,2cの全長を例えば500mmに設定した場合についてより具体的に説明する。これらの単位支柱2a,2b,2cは、本実施例においては図1〜2、図5に示すように、500mm長さを有する鋼製の直線状パイプ本体12の表面13を樹脂被覆してなる、外径が11mm程度に設定された直線状樹脂被覆パイプとして構成されている。3本の単位支柱2a,2b,2cは、このように直線状樹脂被覆パイプとして構成されているが、その樹脂被覆状態は異なっている。
【0036】
下の単位支柱2aにあっては、図2に示すように、下端側の80mm程度の長さ部分14は表面が平滑な樹脂被覆面15として形成されており、それより上側部分の平滑な樹脂被覆面16には、図2、図5〜6に示すように、支柱の長さ方向に延長する不連続突部列17が、支柱の周方向に略90度の角度を置いて4列設けられている。該不連続突部列17は、長さが5mm程度で幅が1mm程度、突出量が0.8mm程度の縦長(支柱の延長方向に長い)の樹脂製の突部19を、支柱の長さ方向に9mm程度の間隔を置いて不連続状態に突設して形成されている。
【0037】
又、前記中の単位支柱2bは、図2に示すように、表面が平滑な樹脂被覆面20の周方向に90度の角度を置いて、前記と同様構成の不連続突部列17が支柱の全長に亘って4列設けられている。
【0038】
又、前記上の単位支柱2cは、図1〜2に示すように、上端側の80mm程度の長さ部分21は、表面が平滑な樹脂被覆面22として形成されると共に、それより下側部分23は、表面が平滑な樹脂被覆面25の周方向に略90度の角度を置いて、前記と同様構成の不連続突部列17が4列設けられている。
【0039】
前記下キャップ部材5は、本実施例においては図1〜2に示すように、前記下の単位支柱2aの下端部分26を密接に挿入させ得る挿入孔部27を有した、下端29が丸味を帯びた樹脂製のキャップ部材として構成されており、又、前記上キャップ部材6は、前記上の単位支柱2cの上端部分30を密接に挿入させる挿入孔部31を有した、上端32が丸味を帯びたキャップ部材として構成されている。
【0040】
又、前記連結部材7は、図2、図6〜10に示すように、下に位置する単位支柱の上端部分33と上に位置する単位支柱の下端部分35を密接に挿入させる上下の連結孔部36,37が仕切り部39を介して設けられてなる円筒状を呈しており、該仕切り部39は、該上下に位置する単位支柱内に雨水が進入するのを防止する蓋40として機能できる。本実施例においては、該連結部材7の外周面44の長さ方向の中央部位に、植物栽培に際して用いられるネット状物を引っ掛けるための引っ掛け突部41,41が上下に設けられてなるネット引っ掛け部42が、周方向に90度の角度を置いて4個設けられている。そして該上下の連結孔部36,37には、前記不連続突部列17の前記突部19を嵌入させるための逃がし溝部43が、前記単位支柱2における前記不連続突部列17の配置に合わせて90度の角度を置いて4本設けられており、上下の挿入溝部43,43は、前記仕切り部39を介して上下方向に一直線を呈するようになされており、上下の挿入溝部43,43は、上下の連結孔部36,37で上下端が開放している。
【0041】
ここで、前記第1タイプの支柱3a、前記第2タイプの支柱3b、前記第3タイプの支柱3cの構成をより具体的に説明する。
【0042】
該第1タイプの支柱3aは、図9、図10(A)に示すように、下の単位支柱2aの下端部分(平滑な樹脂被覆の周面を有する)26が、前記下キャップ部材5の前記挿入孔部27に挿入されると共に、図9、図10(B)に示すように、該下の単位支柱2aの上端部分33が前記連結部材(下の連結部材7a)7の下の連結孔部37に挿入されることによって構成されており、該下の連結孔部37への該上端部分33の挿入は、前記不連続突部列17の各突部19を、前記連結部材7の下の連結孔部37に設けられている下端開放の逃がし溝部43にスライドにより嵌め入れて行われている。そして、該上端部分33の上端側の内周面33aは、前記仕切り部39に下設された筒部34の外周面34aに圧接される如くなされており、この状態で、該下の単位支柱2aの上端46が該仕切り部39の下面39aの、前記筒部34の外側に存する円環状部39bに当接される。これによって、該下の単位支柱2aの下端45は前記下キャップ部材5で閉蓋されると共に、該下の単位支柱2aの上端46は、前記仕切り部39からなる前記蓋40で閉蓋されるため、該下の単位支柱2a内に雨水等が進入するのが防止される。
【0043】
又、前記第2タイプの支柱3bは、図2、図11に示すように、前記中の単位支柱2bの下端部分35が前記連結部材(下の連結部材7a)7の上の連結孔部36に挿入されると共に、該中の単位支柱2bの上端部分33が別の連結部材(上の連結部材7b)7の下の連結孔部37に挿入されることによって構成されており、該上の連結孔部36への該下端部分35の挿入及び、該下の連結孔部37への該上端部分33の挿入は、共に、図10(B)に示すと同様に、前記不連続突部列17の各突部19を前記逃がし溝部43にスライドにより嵌め入れて行われている。これにより、前記と同様に、下の単位支柱2a内に水が進入するのが防止されている。又、該中の単位支柱2bの下端47は、下の連結部材7aの前記仕切り部39からなる前記蓋40で閉蓋されると共に、該中の単位支柱2bの上端49は上の連結部材7bの前記仕切り部39からなる前記蓋40で閉蓋されているため、該中の単位支柱2b内に水が進入するのが防止される。そして、上下の単位支柱に設けられている上下の不連続突部列17,17は上下方向で直線状に連なる。
【0044】
又、前記第3タイプの支柱3cは、図2、図12に示すように、前記上の単位支柱2cの下端部分35が前記連結部材(上の連結部材7b)7の上の連結孔部36に挿入され、その際に、図10(B)に示すと同様に、前記不連続突部列17の各突部19を該上の連結孔部36の逃がし溝部43にスライドにより嵌め入れて行われている。且つ、上の単位支柱2cの上端部分(平滑な樹脂被覆の周面を有する)30が、図10(C)に示すように、前記上キャップ部材6の前記挿入孔部31に挿入されている。これにより、前記のように下の単位支柱2a内、中の単位支柱2b内に水が進入するのが防止されている。又、該上の単位支柱2cの上端50は前記上キャップ部材6で閉蓋されると共にその下端は、図10(B)に示すと同様にして前記仕切り部39からなる前記蓋部40で閉蓋されているため、該上の単位支柱2c内に水が進入するのが防止されている。
【0045】
以下、かかる構成を有する継ぎ足し式支柱1の使用態様を、これを用いて構成された3本の支柱3,3,3をセットとして布製プランタ51に立設し例えば小玉トマトの栽培を行う場合を例にとって、図13に基づいて説明する。
【0046】
該布製プランタ51は、本実施例においては、有底で上端52が開放した土収容部53を有する円筒状を呈した布製(例えば、ポリエステル製の比較的厚手の不織布製)であり、その側壁部55の内面側56には、その周方向に120度の角度を置いて支柱支持筒部57,57,57が設けられている。該支柱支持筒部57,57,57は、共に、支柱3の下端側部分59を挿入させる、孔心が上下方向の布製(例えば、前記と同様の不織布製)の筒体である。又、該土収容部53の深さは例えば25cm程度に設定されている。
【0047】
図13〜14は、各支柱支持筒部57,57,57に前記第1タイプの支柱3aの下端側部分59を挿入して後、前記土収容部53に20cm程度の深さで土60を収容して、これら3本の支柱3a,3b,3cを立設した状態を示すものである。土収容部53に土60が収容されることにより、前記布製プランタ51は、収容された土60がウエイトとなって安定的に自立できる。そして、各支柱支持筒部57は、収容された土60の重量と土による押し付け作用によって潰れ、前記支柱3aの下端側部分59の内面側に密着状態となると共に、該支柱3aの下端側部分59の外面側が前記布製プランタ51で外側から安定的に支持されることになる。これにより、該第1タイプの支柱3aの上端62は土の表面10から300mm程度の高さにある。
【0048】
このように収容された土60に、平面視で中央部分に位置させてトマトの苗が植えられる。その後、図13に示すように、隣り合う支柱3a,3a相互を支柱連結具64で連結することにより、平面視で正三角形状を呈する安定構造の支柱枠体65を構成できる。
【0049】
前記支柱連結具63は、図15に示すように、全体が合成樹脂製であり、直線状を呈する連結棒材66の両端側をなす支柱連結部分67,67の夫々に支柱挾持部69が設けられている。該支柱挾持部69は、図15(C)に拡大して示すように、前記支柱3aを嵌入させる嵌入凹部70を有し、該嵌入凹部70に嵌入された支柱3aを安定的に挾持し得るC字状の挾持部本体71を具え、該挾持部本体71の支柱導入口72の開口幅は前記支柱3aの径よりも小さく形成されると共に、該支柱導入口72の両端部73,73に、両者間の幅が先端に向けて拡大するハの字状を呈するように互いに逆方向に屈曲するガイド片75,75が突設されている。本実施例においては各支柱連結部分67,67の夫々に、支柱挾持部69が所要間隔を置いて3個ずつ設けられている。このように支柱挾持部69を複数個設けているのは、立設状態とされた隣り合う支柱3a,3a間の間隔の大小に応じられるようにするためである。
【0050】
このようにして布製プランタ51上で支柱枠体65を構成することにより、該支柱枠体65を苗の添え木として使用できる。又、前記支柱3a,3a,3aを支えとして、ポリエチレンシートや塩化ビニルシート等の被覆材を被せて苗を包むことにより、朝の冷え込みの場合の保温を図ることができ、又、霜除けや雨避けを図ることもできる。更に、目の細かいネットを被せることによって防虫を図ることもできる。
【0051】
図16は、前記第1タイプの支柱3aの上端に設けられている前記連結部材(下の連結部材7a)7の上の連結孔部36に前記中の単位支柱2bの下端部分35を前記のように挿入すると共に該中の単位支柱2bの上端部分33を別の連結部材(上の連結部材7b)7の下の連結孔部37に前記のように挿入することによって、該中の単位支柱2bを該下の単位支柱2aに継ぎ足して2本継ぎの前記第2タイプの支柱3bを構成した状態を示すものである。これにより、該第2タイプの支柱3bの上端77は土の表面10から800mm程度の高さにある。
【0052】
このように2本繋ぎの第2タイプの支柱3b,3b,3bを構成した後、図16〜17に示すように、その後の植物の成長に合わせて、伸びた枝部分79を下方から支持するように適宜の部位に、前記と同様の要領で、隣り合う支柱相互を前記支柱連結具64で連結する。これにより、平面視で正三角形状を呈する安定構造の支柱枠体65を構成できる。
【0053】
図18は、前記第2タイプの支柱3bの上端に設けられている前記連結部材(上の連結部材7b)7の上の連結孔部36に前記上の単位支柱2cの下端部分35を前記のように挿入すると共に該上の単位支柱2cの上端部分(平滑な樹脂被覆の周面を有する)33を、前記上キャップ部材6の前記挿入孔部31に挿入することによって、該上の単位支柱2cを該中の単位支柱2bに継ぎ足して3本継ぎの前記第3タイプの支柱3cを構成した状態を示すものである。これにより、該第3タイプの支柱3cの上端80は土の表面10から1300mm程度の高さにある。これにより、例えば小玉トマトの最大成長高さに応じ得ることとなる。
【0054】
このように3本継ぎの第3タイプの支柱3c,3c,3cを構成した後、図18、図17に示すように、その後の植物の成長に合わせて、伸びた枝部分79を下方から支持するように適宜の部位に、前記と同様の要領で、隣り合う支柱相互を前記支柱連結具64で連結する。これにより、平面視で正三角形状を呈する安定構造の支柱枠体65を構成できる。
【0055】
本実施例においては前記のように、単位支柱の表面に、引っ掛り用の突部19が、単位支柱の長さ方向に不連続状態で突設されているため、支柱3,3相互を支柱連結具64で連結したとき、図19に示すように、前記支柱挟持部69が該引っ掛り用の突部19で下方から支持されるため、該支柱連結具64の不用意なずり落ちが防止される。
【0056】
図20は、直方体状の布製プランタ81を用い、これに5本の支柱3,3,3,3,3を組み合わせて立設すると共に隣り合う支柱相互を支柱連結具64で連結してなる支柱枠体65を用いて植物を栽培する場合を示すものである。
【0057】
該直方体状の布製プランタ81は、図21に示すように、全体が例えばポリエステル製の比較的厚手の不織布を用いて構成された、平面視で長方形状を呈する布製容器であり、その長辺側の側壁部82,82の長さ方向の中央部位83,83相互が繋ぎ片85で連結されることによって左右の土収容部分86,87が形成されている。そして、内側の四隅部と、前記繋ぎ片85の長さ方向の中央部分には、支柱支持筒部57,57,57,57,57が、孔心を上下方向にして設けられている。
【0058】
これらの支柱支持筒部57の夫々に、所要長さの支柱3の下端側部分59を挿入させると共に該左右の土収容部分86,87に土58を収容することにより5本の支柱3,3,3,3,3を立設状態とする。そして、左右の土収容部分86,87に植物を植える。
【0059】
図20においては、前記第3タイプの支柱3cの5本を立設した状態が示されている。同図においては、中央の支柱3c1と前記一方の土収容部分86で立設された2本の隅角の支柱3c2,3c2とにより第1の支柱組89が形成されると共に、該中央の支柱3c1と前記他方の土収容部分87で立設された2本の隅角の支柱3c3,3c3とにより第2の支柱組90が形成されている。そして、該第1の支柱組89及び第2の支柱組90に関して、隣り合う支柱3c,3c相互が前記支柱連結具64で連結されることにより、平面視で正三角形状乃至二等辺三角形状を呈する安定構造の支柱枠体65a,65bが左右隣り合わせて構成されている。
【0060】
このようにして隣り合う支柱3c,3c相互を支柱連結具64で連結するに先立って或いは連結した後に、左右の土収容部分86,87に土58が収容され、前記左右の支柱枠体65a,65bによって、同種又は異種の植物(ピーマンやナス、トマト等)を左右に一株ずつ栽培できることになる。
【0061】
図20には、植物の最大成長高さに適合した左右の支柱枠体65a,65bが示されているが、植物が苗の段階にあっては、図22に示すように、前記第1タイプの支柱3aを用いて、安定構造の左右の支柱枠体65a,65bを構成できる。又、植物の成長がある程度進んだ段階にあっては、図23に示すように、前記中の単位支柱2bを継ぎ足すことによって前記第2タイプの支柱3bを用いた安定構造の左右の支柱枠体65a,65bを構成できる。植物が成熟段階に入ったら、前記したところと同様に前記上の単位支柱2cを継ぎ足すことによって、図20に示すような前記第3タイプの支柱3cを用いた安定構造の左右の支柱枠体65a,65bを構成できる。このように植物の成長に合わせて単位支柱を継ぎ足すことにより、苗の段階から最大成長段階まで植物を安定的に支持できるのは前記と同様である。
【0062】
図24は、左右の支柱枠体65a,65bを、第3タイプの支柱3cと第2タイプの支柱3bを用いて構成した場合を示すものであり、最大成長高さの異なる異種の植物を一つの布製プランタ81によって栽培できることになる。例えば、高さの高い支柱枠体65aに対してはトマトを、高さの低い支柱枠体65bに対してはピーマンを栽培できる。
【0063】
このようにして植物を、苗の段階、成長がある程度進んだ段階、成熟した段階と、植物の成長に合わせて単位支柱2を継ぎ足して栽培できるのであるが、前記支柱枠体65を構成する前記単位支柱は略同一太さのものであるため、形成された支柱は略同一太さである。かかることから、単位支柱を2段、3段に継ぎ足して形成された支柱の強度を確保でき、ピーマンやナス、トマト等の実を付ける植物であっても、これらを安定的に支持できることとなる。
【実施例2】
【0064】
図25〜26は、本発明に係る植物栽培用の継ぎ足し式支柱(以下継ぎ足し式支柱という)1の他の実施例を示すものであり、下段に配置される下側の単位支柱2dと、上段に配置される上側の単位支柱2eと、該下側の単位支柱2dの下端に取着される、前記と同様構成の下キャップ部材5と、該上側の単位支柱2eの上端に取着される、前記と同様構成の上キャップ部材6と、単位支柱相互を直線状に連結する、前記と同様構成の連結部材7とを具えており、該下側の単位支柱2dに上側の単位支柱2eを継ぎ足して所要長さの支柱3を形成できる継ぎ足し式支柱である。該単位支柱2d,2eは、共に、略同一長さで略同一太さを有する直線状の丸パイプからなり、且つ、全長が400〜750mmに設定されている。
【0065】
該単位支柱2d,2eの最低長さを400mmに設定したのは前記実施例における場合と同様の理由による。このように単位支柱の長さを400mmに設定した場合は、図27(A)に示すように、1本の単位支柱2(前記下側の単位支柱2d)だけからなる第1型の支柱3dを用いて植物を支持する場合は、支柱の下端側の200mm程度の長さ部分9を地面に突き刺したとして、土の表面10から200mm程度上方に突出した支柱部分11が形成されることになり、該支柱部分11で、苗を、ある程度の余裕高さを以て支持できることになる。又、図26(B)に示すように、これらの植物の成長に合わせて2本の単位支柱2,2(前記下側の単位支柱2dと上側の単位支柱2e)を前記連結部材7を介して連結して、第2型の支柱3eを構成すれば、土の表面10から600mm程度上方に突出した支柱部分11を形成できることになり、これにより、品種にもよるが、例えばピーマンをその最大成長段階で支持できる。
【0066】
又、前記単位支柱2d,2eの最大長さを750mmに設定したのは前記実施例における場合と同様の理由による。即ち、単位支柱2の運搬時や流通時、販売時等における取り扱いに支障がないこと、及び、2本の単位支柱2d,2eを連結部材7を介して連結したときに、ピーマンやナス、又、トマトの一部の品種のもの等の植物を、これらが最大に成長した段階においても支障なく支持できることを考慮したものである。
【0067】
このように、単位支柱3d,3eの長さを750mmに設定した場合は、図28(A)に示すように、1本の単位支柱2(前記下側の単位支柱2d)だけからなる第1型の支柱3dを用いて植物を支持する場合は、支柱の下端側の200mm程度の長さ部分9を土に突き刺した状態で、土の表面10から550mm程度上方に突出した支柱部分11が形成されることになり、該支柱部分11で、苗を支持できることになる。又、図28(B)に示すように、2本の単位支柱2,2(前記下側の単位支柱2dと上側の単位支柱2e)を前記連結部材7を介して連結して、第2型の支柱3eを構成した場合は、土の表面10から1300mm程度上方に突出した支柱部分11を形成できることになり、これにより、ピーマンやナス、又、トマトの一部の品種のものをその最大成長段階で支持できることとなる。
【0068】
このように単位支柱の長さは400〜750mmの範囲で所要に設定できるのであり、例えば450mm、600mm、750mmに設定することができる。
【0069】
以下、前記単位支柱2d,2eの全長を例えば450mmに設定した場合についてより具体的に説明する。
【0070】
これらの単位支柱2d,2eは、本実施例においては図25〜26、図5に示すと同様に、450mm長さを有する鋼製の直線状パイプ本体12の表面13を樹脂被覆してなる、外径が11mm程度に設定された直線状樹脂被覆パイプとして構成されている。2本の単位支柱2d,2eは、このように直線状樹脂被覆パイプとして形成されているが、その樹脂被覆状態は異なっている。
【0071】
下側の単位支柱2dにあっては、図25〜26に示すように、下端側の80mm程度の長さ部分93は表面が平滑な樹脂被覆面95として形成されており、それより上側部分の平滑な樹脂被覆面96には、支柱の長さ方向に延長する不連続突部列17が、支柱の周方向に略90度の角度を置いて4列設けられている。該不連続突部列17は、図5〜6に示すと同様にして、長さが5mm程度で幅が1mm程度、突出量が0.8mm程度の縦長(支柱の延長方向に長い)の樹脂製の突部19を、支柱の長さ方向に9mm程度の間隔を置いて不連続状態に突設して形成されている。
【0072】
又、前記上側の単位支柱2eは、上端側の80mm程度の長さ部分97が平滑な樹脂被覆面99として形成されると共に、それより下側部分の平滑な樹脂被覆面100には、支柱の周方向に略90度の角度を置いて、前記と同様構成の不連続突部列17が4列設けられている。
【0073】
ここで、前記第1型の支柱3d、前記第2型の支柱3eの構成をより具体的に説明する。該第1型の支柱3dは、図29に示すように、下側の単位支柱2dの下端部分(平滑な樹脂被覆の周面を有する)26が、前記下キャップ部材5の前記挿入孔部27(図26)に挿入されると共に、該下側の単位支柱2dの上端部分33(図26)が前記連結部材7の下の連結孔部37(図26)に挿入されることによって構成されており、該下の連結孔部37への該上端部分33の挿入は、図10に示すと同様にして、前記不連続突部列17の各突部19を、前記連結部材7の下の連結孔部37に設けられている下端開放の逃がし溝部43にスライドにより嵌め入れて行われている。該下側の単位支柱2dの下端102(図26)は前記下キャップ部材5で閉蓋されると共に、該下側の単位支柱3dの上端103(図26)は、前記仕切り部39からなる前記蓋40(図7)で閉蓋されているため、該下側の単位支柱3d内に水が進入するのが防止される。
【0074】
又、前記第2型の支柱3eは、図30に示すように、前記上側の単位支柱2eの下端部分35(図26)が前記連結部材7の上の連結孔部36に挿入され、その際に、前記と同様にして、前記不連続突部列17の各突部19を該上の連結孔部36の逃がし溝部43にスライドにより嵌め入れて行われている。且つ、上側の単位支柱3eの上端部分(平滑な樹脂被覆の周面を有する)30が、前記上キャップ部材6の前記挿入孔部31に挿入されている。これにより、前記と同様に、下側の単位支柱2d内、上側の単位支柱2e内に雨水が進入するのが防止される。そして、上側と下側の単位支柱2d,2eの表面に設けられている上下の不連続突部列17,17が上下方向で直線状に連なる。
【0075】
以下、かかる構成を有する継ぎ足し式支柱1の使用態様を、これを用いて構成された3本の支柱3,3,3をセットとして布製プランタ51に立設し例えばピーマンを栽培する場合を例にとって、図31に基づいて説明する。
【0076】
該布製プランタ51は前記と同様の構成を有しており、有底で上端52が開放した土収容部53を有する円筒状を呈しており、その側面部55の内面側56には、その周方向に120度の角度を置いて支柱支持筒部57,57,57が設けられている。図31は、各支柱支持筒部57,57,57に前記第1型の支柱3dの下端側部分59を挿入して後、前記土収容部53に20cm程度の深さで土を収容して、これら3本の支柱3d,3d,3dを立設した状態を示すものであり、該第1型の支柱3dの上端106は土の表面10から350mm程度の高さにある。
【0077】
このように収容された土に、平面視で中央部分に位置させてピーマンの苗が植えられる。その後、図31に示すように、隣り合う支柱3d,3d相互を、前記と同様構成の支柱連結具64で連結することにより、平面視で正三角形状を呈する安定構造の支柱枠体65を構成できる。該支柱連結具64は、前記と同様の構成を有している。
【0078】
このようにして布製プランタ51上で支柱枠体65を構成することにより、該支柱枠体65を苗の添え木として使用できる。又、前記支柱3d,3d,3dを支えとして、ポリエチレンシートや塩化ビニルシート等の被覆材を被せて苗を包むことにより、朝の冷え込みの場合の保温を図ることができ、又、霜除けを図り得る。更に、目の細かいネットを被せることによって防虫を図ることもできる。
【0079】
図32は、前記第1型の支柱3dの上端に設けられている前記連結部材7の上の連結孔部36に前記上側の単位支柱2eの下端部分35を前記のように挿入すると共に、該上側の単位支柱2eの上端部分(平滑な樹脂被覆の周面を有する)30を、前記上キャップ部材6の前記挿入孔部31に挿入することによって、該上側の単位支柱2eを該下側の単位支柱2dに継ぎ足して2本継ぎの前記第2型の支柱3eを構成した状態を示すものである。これにより、該第2型の支柱3eの上端109は土の表面10から700mm程度の高さにある。これにより、例えばピーマンの最大成長高さに応じ得ることとなる。
【0080】
このように2本継ぎの第2型の支柱3e,3e,3eを構成した後、図17に示すと同様に、その後の植物の成長に合わせて、伸びた枝部分79を下方から支持するように適宜の部位に、前記と同様の要領で、隣り合う支柱相互を前記支柱連結具64で連結する。
【0081】
なお前記第1型の支柱3dや前記第2型の支柱3eを用いることによっても、図20に示したと同様にして、前記直方体状の布製プランタ81を用い、これに5本の支柱3,3,3,3,3を組み合わせて、植物の成長に合わせて植物を安定的に支持できる。
【実施例3】
【0082】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0083】
(1) 前記構成を有する第1タイプの支柱3a、第2タイプ支柱3b、第3タイプ支柱3c、第1型の支柱3d、第2型の支柱3eの所要本数と、支柱相互を連結する支柱連結具64の所要個数を用いることにより、平面視で、前記した三角形状を呈する支柱枠体の他、例えば正方形状や長方形状、五角形状、菱形状、ジグザグ状等を呈する各種の支柱枠体65を構成でき、この支柱枠体を用いることにより、植物を安定状態で多彩に支持して栽培できることになる。
【0084】
(2) 前記支柱枠体65は、プラスチック製のプランタを用いて設けることもでき、又、支柱3を地面に立設して支柱枠体65を構成することもできる。
【0085】
(3) 前記単位支柱2は、全体が合成樹脂製の直棒状の丸パイプとして構成されることの他、アルミニウム製やステンレス製の直棒状の丸パイプとして構成されることもある。
単位支柱2が丸パイプからなるとは、全長さに亘って横断面が完全な円形を呈するものには限られず、図6に示すように、不連続突部列17が設けられたり、図33に示すように、単位支柱2の長さ方向に所要間隔で節状部110が設けられたもの等も含まれる。
【0086】
(4) 前記第1タイプの支柱3aは、前記のように布製プランタに立設されることの他、支柱の下端側部分が地面111に直接押し込まれることもあるが、このように地面に直接押し込む場合は、押し込みを容易化するために、前記下キャップ部材5は、例えば図34に示すように、下端に向かって先細となる剣先状に形成するのがよい。
【0087】
(5) 表面が合成樹脂で被覆されてなる前記単位支柱2に、合成樹脂製の前記上キャップ部材6、合成樹脂製の前記下キャップ部材5を取着する場合は、該上キャップ部材6と該下キャップ部材5を該単位支柱2に高周波溶着により強固に固定することができる。
【0088】
(6) 前記単位支柱2は、丸パイプとしての他、横断面外形が楕円形状を呈する楕円形状パイプとしてや、四角形状や六角形状、八角形状等の角パイプ状等に構成されることもある。又、前記のような突部19が表面に設けられることの他、その全長に亘って、表面が平滑面に形成されることもある。
【0089】
(7) 前記連結部材7は、前記単位支柱2の端部分の表面が平滑面に形成される場合等にあっては、前記上下の連結孔部36,37に前記のような逃がし溝部43が設けられず、平滑な内周面を有するものとして構成されることもある。
【0090】
(8) 前記支柱連結具64を構成する前記支柱挾持部69は、前記連結棒材66の両端側をなす支柱連結部分67,67の夫々に1個ずつ設けられることもある。
【0091】
(9) 本発明に係る継ぎ足し式支柱1によって形成される支柱3は、植物の種類や植物の成長度合いに応じて、単位支柱2の継ぎ足し本数が設定されるものである。又、単位支柱2の長さも、栽培対象の植物に合わせて適宜に設定される。使用者は、栽培せんとする植物に合わせて、所要の第1タイプの支柱3a、第2タイプの支柱3b、第3タイプの支柱3c、第1型の支柱3d、第2型の支柱3eを適宜選択すればよい。
【0092】
(10)本発明に係る継ぎ足し式支柱1によって形成される支柱3は各種の植物の栽培に用いることができるものであり、前記したピーマン、ナス、トマトの他、胡瓜や朝顔、クレマチス等の蔓性植物の栽培にも用いることができる。蔓性植物の栽培に際しては、苗が蔓を伸ばして巻き付け始める頃に、前記支柱枠体にネットを被せればよい。このネットは、前記連結部材7に設けられている前記ネット引っ掛け部42に引っ掛けることができる。
【0093】
(11)なお本発明に係る継ぎ足し式支柱1は、単位支柱2の長さによっては、単位支柱1本だけからなる前記第1タイプの支柱3aや前記第1型の支柱3d、2本の単位支柱相互を連結してなる前記第2タイプの支柱3bや前記第2型の支柱3e、或いは、3本の単位支柱を連結してなる第3タイプの支柱3cだけを用いて(即ち、継ぎ足しせずに)、植物を、その苗の段階から最大成長段階に亘って使用されることもある。例えば、背丈の小さい白菜やほうれん草等の葉物野菜を栽培する場合は、前記第1タイプの支柱3aだけを用いて、その苗の段階から最大成長段階までをカバーでき、該第1タイプの支柱3aを添え木としてや温室形成のために用いることもできる。
【符号の説明】
【0094】
1 継ぎ足し式支柱
2 単位支柱
2a 下の単位支柱
2b 中の単位支柱
2c 上の単位支柱
2e 上側の単位支柱
2d 下側の単位支柱
3 支柱
3d 第1型の支柱
3e 第2型の支柱
5 下キャップ部材
6 上キャップ部材
7 連結部材
10 土の表面
17 不連続突部列
19 突部
43 逃がし溝部
64 支柱連結具
65 支柱枠体
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の成長に合わせて継ぎ足すことにより支柱高さを高く設定し得る植物栽培用の継ぎ足し式支柱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
植物栽培に一般的に用いられている従来の市販の支柱は、その長さが、栽培せんとする植物に合わせて予め所定長さに設定された、長さが決まった1本物の支柱であった。その支柱の長さは、例えばピーマンを栽培する場合は750〜900mmに設定されていた。又、ナスを栽培する場合は900〜1200mmに設定されており、トマトを栽培する場合は1500〜2100mmに設定されていた。因みに、本出願人が製造販売している支柱の規格としては、900mm、1200mm、1500mm、1800mmの4種類があった。
【0003】
しかしながら例えば1000mmを超える長い支柱にあっては、梱包形態が大きくなるために、購入者が車に積んで持ち帰りにくい問題があった。又、支柱長さが長いほどそれだけ多くのスペースを要したため、輸送コストの上昇を招いた他、店舗や倉庫でも広いスペースを要する問題があった。加えて、植物に合わせて何種類もの長さの支柱を設計、製作せざるを得ず、製造コストの上昇を招いたばかりでなく、在庫管理や、店舗での販売管理等に多くの手間を要して販売価格の上昇を招く問題もあった。
【0004】
このような問題点を解決する手段の一つとして、本出願人は、特開平10−52344号において、太い支柱部材から細い支柱部材をスライドにより引き出すことによって支柱長さを伸ばせるように構成された伸縮式支柱を提案した。
【0005】
該伸縮式支柱は、太い支柱部材からの細い支柱部材の引き出し量に応じて、植物の成長に合わせて支柱を高く形成できる利点があった。又、支柱長さを短くして販売できるために梱包形態を小さくでき、購入者が持ち帰りやすく、加えて、コンパクトに梱包して出荷できるために輸送コストの低減を期し得る利点があった。その他、倉庫や店舗において、何種類もの長さの支柱を管理しなければならない煩わしさがなく、流通時や販売時における取り扱いが容易となる利点もあった。
【0006】
しかしながら、かかる従来の伸縮式支柱は、太い支柱部材から細い支柱部材をスライドにより引き出す仕組みであったために、上の段の支柱ほど細くなった。その結果、ピーマンやナス、トマト等の実を付ける野菜を栽培する場合は、植物の全体重量が大となるために、成長した植物を安定的に支持できない場合があった。又、複数本の支柱を周方向に所要間隔で立設状態にして植物栽培を行う場合は、全ての支柱の長さを所要に揃えるのが難しい問題があった。更に該伸縮式支柱は、スライドにより所要長さに設定された支柱の接続部分の固定手段が簡易なものであったため、一旦所要長さに調整された支柱が縮小する恐れがあった。
【0007】
又、長さの決まった1本物の支柱の複数本を用いて、植物を取り囲むようにこれらの支柱を所要間隔で立設し、その後、隣り合う支柱相互を支柱連結具で連結して支柱枠体を構成し、この支柱枠体を用いて植物栽培を行うときは次のような問題点があった。
【0008】
即ち、植物が成長するにつれて枝も延びるが、植物の栽培を安定的に行わんとすれば、植物の成長に合わせて、延びた枝部分を下方から支持するように前記支柱連結具を配置するのがよい。しかしながら前記支柱枠体にあっては、植物が未だ十分に成長していない段階で支柱連結具が複数段に取り付けられるために、該支柱連結具が、伸びた枝部分を下方から支持できる位置に取り付けられているとは限らない。そのため、伸びた枝部分を下方から支持できるように、支柱連結具を取り付け直さなければならない面倒さがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−52344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、コンパクトに梱包できるために購入者が容易に持ち帰ることができ、何種類もの長さの支柱を設計製作する必要がないために製造コストの低減を達成でき、又、梱包形態がコンパクトであるために輸送コストの低減、売場スペースの削減を期し得ると共に、製品の種類を減ずることができるために流通時や販売時における各種の管理を容易化できる植物栽培用の継ぎ足し式支柱の提供を課題とするものである。加えて、植物の成長に合わせて上方に継ぎ足すことにより支柱長さを所要に設定できると共に、継ぎ足して長く形成された支柱であっても植物を安定的に支持でき、又、全ての支柱の長さを容易に揃えることができ、且つ、設定された支柱長さを確実に保持させ得る植物栽培用の継ぎ足し式支柱の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち、発明に係る植物栽培用の継ぎ足し式支柱(以下継ぎ足し式支柱という)の第1の態様は、単位支柱を継ぎ足して所要長さの支柱を形成できる植物栽培用の継ぎ足し式支柱であって、下段に配置される下の単位支柱と、中段に配置される中の単位支柱と、上段に配置される上の単位支柱と、該下の単位支柱の下端に取着される下キャップ部材と、該上の単位支柱の上端に取着される上キャップ部材と、該単位支柱相互を直線状に連結する連結部材とを具えている。該単位支柱の3本は、共に、略同一長さで略同一太さを有する直棒状のパイプからなり、且つ、全長が400〜750mmに設定されており、前記下キャップ部材は、前記下の単位支柱の下端部分を密接に挿入させる挿入孔部を有しており、又、前記上キャップ部材は、前記上の単位支柱の上端部分を密接に挿入させる挿入孔部を有しており、又、前記連結部材は、下の単位支柱の上端部分と上の単位支柱の下端部分を密接に挿入させる上下の連結孔部が仕切り部を介して設けられており、該仕切り部は、該上下に位置する単位支柱内に雨水が進入するのを防止する蓋として機能できるものである。そして、前記下の単位支柱の下端部分が前記下キャップ部材の前記挿入孔部に挿入される共に、該下の単位支柱の上端部分が前記連結部材の下の連結孔部に挿入されることによって第1タイプの支柱を構成でき、該連結部材の上の連結孔部に前記中の単位支柱の下端部分が挿入されると共に、該中の単位支柱の上端部分が別の前記連結部材の下の連結孔部に挿入されることによって第2タイプの支柱を構成でき、該別の連結部材の上の連結孔部に前記上の単位支柱の下端部分が挿入されると共に、該上の単位支柱の上端部分が前記上キャップ部材の挿入孔部に挿入されることによって第3タイプの支柱を構成できることを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る継ぎ足し式支柱の第2の態様は、単位支柱を継ぎ足して所要長さの支柱を形成できる植物栽培用の継ぎ足し式支柱であって、下段に配置される下側の単位支柱と、上段に配置される上側の単位支柱と、該下側の単位支柱の下端に取着される下キャップ部材と、該上側の単位支柱の上端に取着される上キャップ部材と、該単位支柱相互を直線状に連結する連結部材とを具えている。該単位支柱の2本は、共に、略同一長さで略同一太さを有する直棒状のパイプからなり、且つ、全長が400〜750mmに設定されており、前記下キャップ部材は、前記下側の単位支柱の下端部分を密接に挿入させる挿入孔部を有しており、又、前記上キャップ部材は、前記上側の単位支柱の上端部分を密接に挿入させる挿入孔部を有しており、又、前記連結部材は、下側の単位支柱の上端部分と上側の単位支柱の下端部分を密接に挿入させる上下の連結孔部が仕切り部を介して設けられており、該仕切り部は、該下側の単位支柱と該上側の単位支柱内に雨水が進入するのを防止する蓋として機能できるものである。そして、前記下側の単位支柱の下端部分が前記下キャップ部材の前記挿入孔部に挿入される共に、該下側の単位支柱の上端部分が前記連結部材の下の連結孔部に挿入されることによって第1型の支柱を構成でき、該連結部材の上の連結孔部に前記上側の単位支柱の下端部分が挿入されると共に、該上側の単位支柱の上端部分が前記上キャップ部材の挿入孔部に挿入されることによって第2型の支柱を構成できることを特徴とするものである。
【0013】
前記の各継ぎ足し式支柱において、前記単位支柱の表面には、引っ掛り用の突部が、該単位支柱の長さ方向に不連続状態で突設されて不連続突部列が設けられたものとし、前記連結部材の挿入孔部の内面には、該不連続突部列を嵌入させる逃がし溝部が設けられたものとして構成するのがよい。
【0014】
前記の各継ぎ足し式支柱において、前記単位支柱の表面には、周方向に略90度の角度を置いて、引っ掛り用の突部が、該単位支柱の長さ方向に不連続状態で突設されて不連続突部列が設けられたものとし、前記連結部材の挿入孔部の内面には、該不連続突部列を嵌入させる逃がし溝部が設けられたものとして構成するのがよい。
【0015】
本発明に係る植物栽培装置の第1の態様は、前記第1の態様に係る継ぎ足し式支柱と、隣り合う前記支柱相互を連結する支柱連結具とを具えることを特徴とするものである。
【0016】
本発明に係る植物栽培装置の第2の態様は、前記第2の態様に係る継ぎ足し式支柱と、隣り合う前記支柱相互を連結する支柱連結具とを具えることを特徴とするものである。
【0017】
前記植物栽培装置において、前記支柱連結具は、連結棒材の両端側の夫々に支柱挾持部が設けられたものとし、該支柱挾持部は、前記支柱を嵌入させる嵌入凹部を有し該嵌入凹部に嵌入された支柱を弾性的に挾持し得るC字状の挾持部本体を具えたものとし、該挾持部本体の支柱導入口の開口幅は前記支柱の径よりも小さく形成されると共に、該支柱導入口の両端部に、両者間の幅が先端に向けて拡大するハの字状を呈するように互いに逆方向に屈曲するガイド片が突設されたものとして構成するのがよい。
【0018】
本発明に係る植物栽培方法は、前記第1の態様に係る植物栽培装置を用いる植物の栽培方法であって、苗を取り囲むように3本以上の前記第1タイプの支柱を立設すると共に、隣り合う支柱相互を前記支柱連結具で連結して後、該第1タイプの支柱の上端に前記連結部材を介して前記中の単位支柱を継ぎ足して前記第2タイプの支柱を構成し、必要に応じて、該第2タイプの支柱の上端に前記連結部材を介して前記上の単位支柱を継ぎ足して前記第3タイプの支柱を構成し、このように継ぎ足しによって形成された隣り合う支柱相互を前記支柱連結具で連結するに際し、該支柱連結具を、伸びた枝部分を下方から支持するように配置することを特徴とするものである。
【0019】
本発明に係る植物栽培方法は、前記第2の態様に係る植物栽培装置を用いる植物の栽培方法であって、苗を取り囲むように3本以上の前記第1型の支柱を立設すると共に、隣り合う支柱相互を前記支柱連結具で連結して後、該第1型の支柱の上端に前記連結部材を介して前記上の単位支柱を継ぎ足して前記第2型の支柱を構成し、このように継ぎ足しによって形成された隣り合う支柱相互を前記支柱連結具で連結するに際し、該支柱連結具を、伸びた枝部分を下方から支持するように配置することを特徴とするものである。
【0020】
なお前記の各継ぎ足し式支柱において、「略同一長さで略同一太さ」とは、長さや太さに関して製作上の誤差範囲にあって同一と見做すことができるものも含まれることを意味している。
【発明の効果】
【0021】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る継ぎ足し式支柱によるときは、コンパクトに梱包できるために購入者が容易に持ち帰ることができる。
又、長さが決まった1本物の従来支柱のように何種類もの長さの支柱を設計製作する必要がないために製造コストの低減を達成でき、しかも梱包形態がコンパクトであるために、輸送コストの低減や売場スペースの削減を期し得るだけでなく、製品の種類を減ずることができるために流通時や販売時における各種の管理を容易化できる。
【0022】
(2) 本発明に係る継ぎ足し式支柱によるときは、植物を、苗の段階、成長がある程度進んだ段階、成熟した段階と、植物の成長に合わせて単位支柱を継ぎ足して栽培できる。そして、前記支柱枠体を構成する前記単位支柱は略同一太さを有するため、形成された支柱は、全長に亘って略同一太さである。かかることから、単位支柱を2段、3段に継ぎ足して形成された支柱の強度を確保でき、ピーマンやナス、トマト等の実を付ける植物であっても、これらを安定的に支持できることとなる。
【0023】
(3) 本発明に係る継ぎ足し式支柱は、単位支柱が略同一長さのものであり、単位支柱の継ぎ足しは、各単位支柱の端部分を連結部材の連結孔部に挿入して行う仕組みであるため、前記従来の伸縮式支柱とは異なり、全ての支柱の長さを容易に揃えることができ、且つ、設定された支柱長さを確実に保持できる。
【0024】
(4) 本発明に係る継ぎ足し式支柱によるときは、苗の段階では、1本の単位支柱だけからなる最小長さの前記第1タイプの支柱や前記第1型の支柱を用いて植物栽培を行い得る。かかることから、長さが決まった1本物の従来支柱を苗の段階から立設する場合とは異なり、苗に対する水やりや追肥、除草等の栽培に伴う作業を容易化し得る。又、プランタで植物栽培を行う場合は、苗に対する日当たりを良好としたり、風から苗を保護する等の目的でプランタを移動させる際、支柱が低い分だけその移動作業を容易化し得る。
【0025】
(5) 単位支柱の表面に、引っ掛かり用の突部を、単位支柱の長さ方向に不連続状態で突設するときは、蔓性植物の栽培時における蔓の巻き付きを確実として栽培を安定化させ得る。又、支柱相互を前記支柱連結具で連結した際に、該支柱連結具の支柱挟持部を該引っ掛かり用の突部で下方から支持できるため、該支柱連結具が不用意にずり落ちるのを防止できることとなる。
【0026】
(6) 本発明に係る植物栽培装置によるときは、前記構成を有する第1タイプの支柱、第2タイプ支柱、第3タイプ支柱、第1型の支柱、第2型の支柱の所要本数と、支柱相互を連結する支柱連結具の所要個数を用いることにより、平面視で、例えば三角形状や正方形状、長方形状、五角形状、菱形状、ジグザグ状、直線状等を呈する各種の支柱枠体を構成でき、この支柱枠体を用いて植物を安定状態で多彩に栽培できることになる。
【0027】
(7) 本発明に係る植物栽培方法によるときは、各種の植物を、その苗の段階から最大成長段階まで最適状態で支持できるのがあるが、その際、植物の成長に合わせて、伸びた枝部分を下方から支持するように、植物の成長に合わせて適切な位置で、隣り合う支柱相互を前記連結部材で連結できる。これによって、植物を安定的に支持してその成長を促すことができる。
このように本発明によるときは、長さが決まった1本物の従来支柱を用いる場合のように、伸びた枝部分を下方から支持するために、植物の成長に合わせて支柱連結具を取り付け直さなければならないといった面倒さがない利点が大きい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る継ぎ足し式支柱を示す斜視図とその部分拡大図である。
【図2】継ぎ足し式支柱を示す分解斜視図である。
【図3】400mm長さに設定された単位支柱を用いて形成した3種類の支柱を地面に立設した状態で示す正面図である。
【図4】750mm長さに設定された単位支柱を用いて形成した3種類の支柱を地面に立設した状態で示す正面図である。
【図5】支柱を示す平面図である。
【図6】単位支柱相互を連結する連結部材を、連結される単位支柱の端部分と共に示す斜視図である。
【図7】その連結部材を示す断面図である。
【図8】その連結部材を示す平面図である。
【図9】500mm長さに設定された単位支柱を用いてなる第1タイプの支柱を示す斜視図と、該単位支柱を地面に立設した状態を示す正面図である。
【図10】単位支柱の下端に下キャップ部材を取着した状態を示す断面図と、単位支柱の上端に上キャップ部材を取着した状態を示す断面図と、上下に位置する単位支柱相互を連結した状態を示す断面図である。
【図11】2本の単位支柱相互を連結してなる第2タイプの支柱を示す斜視図と、その支柱を地面に立設した状態を示す正面図である。
【図12】3本の単位支柱を連結してなる第3タイプの支柱を示す斜視図と、該支柱を地面に立設した状態を示す正面図である。
【図13】第1タイプの支柱の3本を円筒状の布製プランタに立設すると共に隣り合う支柱相互を支柱連結具で連結して構成された三角形枠状の支柱枠体を示す斜視図である。
【図14】第1タイプの支柱の下端側部分の安定的な支持状態を示す断面図である。
【図15】支柱連結具を示す斜視図と平面図である。
【図16】第2タイプの支柱の3本を円筒状の布製プランタに立設すると共に、隣り合う支柱相互を支柱連結具で連結して構成された三角形枠状の支柱枠体を示す斜視図である。
【図17】植物の延びた枝部分を支柱連結具で下方から支持した状態を示す斜視図である。
【図18】第3タイプの支柱の3本を円筒状の布製プランタに立設すると共に、隣り合う支柱相互を支柱連結具で連結して構成された三角形枠状の支柱枠体を示す斜視図である。
【図19】支柱連結具の端部分を支柱に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図20】直方体状の布製プランタに第3タイプの支柱の5本を立設すると共に、隣り合う支柱相互を支柱連結具で連結して構成された三角形枠状の左右の支柱枠体を示す斜視図である。
【図21】直方体状の布製プランタを示す斜視図である。
【図22】直方体状の布製プランタに第1タイプの支柱の5本を立設すると共に、隣り合う支柱相互を支柱連結具で連結して構成された三角形枠状の左右の支柱枠体を示す斜視図である。
【図23】直方体状の布製プランタに第2タイプの支柱の5本を立設すると共に隣り合う支柱相互を支柱連結具で連結して構成された三角形枠状の左右の支柱枠体を示す斜視図である。
【図24】直方体状の布製プランタに、高さの異なる左右の支柱枠体を形成した状態を示す斜視図である。
【図25】2本の単位支柱を連結する継ぎ足し式支柱を示す斜視図と部分拡大斜視図である。
【図26】その分解斜視図である。
【図27】400mm長さに設定された単位支柱を用いて形成した2種類の支柱を地面に立設した状態を示す正面図である。
【図28】750mm長さに設定された単位支柱を用いて形成した2種類の支柱を地面に立設した状態を示す正面図である。
【図29】450mm長さに設定された単位支柱を用いてなる第1型の支柱を示す斜視図と、該単位支柱を地面に立設した状態を示す正面図である。
【図30】2本の単位支柱相互を連結してなる第2型の支柱を示す斜視図と、該支柱を地面に立設した状態を示す正面図である。
【図31】円筒状の布製プランタに第1型の支柱の3本を立設すると共に、隣り合う支柱相互を支柱連結具で連結して構成された三角形枠状の支柱枠体を示す斜視図である。
【図32】円筒状の布製プランタに第2型の支柱の3本を立設すると共に、隣り合う支柱相互を支柱連結具で連結してなる三角形枠状の支柱枠体を示す斜視図である。
【図33】単位支柱の他の態様を示す部分斜視図である。
【図34】下キャップ部材の他の態様を示す斜視図と該下キャップ部材が取り付けられた単位支柱を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0029】
図1〜2において本発明に係る植物栽培用の継ぎ足し式支柱(以下継ぎ足し式支柱という)1は、単位支柱2を順次継ぎ足して所要長さの支柱3を形成できる継ぎ足し式支柱であって、下段に配置される下の単位支柱2aと、中段に配置される中の単位支柱2bと、上段に配置される上の単位支柱2cと、該下の単位支柱2aの下端に取着される下キャップ部材5と、該上の単位支柱2cの上端に取着される上キャップ部材6と、単位支柱相互を直線状に連結する連結部材7とを具えており、該単位支柱2a,2b,2cの3本は、共に、略同一長さで略同一太さを有する直線状の丸パイプからなり、且つ、全長が400〜750mmに設定されている。
【0030】
該単位支柱2a,2b,2cの最低長さを400mmに設定したのは次の理由による。即ち、本発明が対象とする植物は、主としては実を付ける野菜であり、その代表的なものとして、ピーマン、ナス、トマトを挙げることができる。本発明に係る継ぎ足し式支柱1は、これらの植物を、苗の段階から最大に成長した段階まで安定的に支持せんとするものであり、植物の成長に合わせて単位支柱2を上方に継ぎ足すことにより所要長さの支柱3を得ようとするものである。ピーマンの場合は、地面からの最大成長高さは550〜700mm程度であり、ナスの場合は、地面からの最大成長高さは700〜1100mm程度であり、トマトの場合は、地面からの最大成長高さは1300〜1900mm程度である。そして、これらの植物の苗の段階での高さは100mm前後であり、又、植物栽培のために支柱を地面に安定的に立設させるに際しては、一般的に、支柱の下端側の200mm程度の長さの部分を地面に突き刺すことが必要とされている。
【0031】
これらのこと及び苗の成長速度を考慮して、本発明においては、単位支柱2a,2b,2cの最低長さを400mmに設定している。単位支柱の長さを400mmに設定したとき、図3(A)に示すように、1本の単位支柱2(前記下の単位支柱2a)だけからなる第1タイプの支柱3aを用いて植物を支持する場合は、支柱の下端側の200mm程度の長さ部分9を土に突き刺した状態で、土の表面10から200mm程度上方に突出した支柱部分11が形成されることになる。該支柱部分11で、苗を、ある程度の余裕高さを以て支持できることになる。そして、これらの植物の成長の途中段階においては、図3(B)に示すように、その成長に合わせて2本の単位支柱2,2(前記下の単位支柱2aと中の単位支柱2b)を前記連結部材7を介して連結して、第2タイプの支柱3bを構成すれば、土の表面10から600mm程度上方に突出した支柱部分11を形成できることになる。これにより、成長の途中段階の植物を安定的に支持できることになる。植物が更に成長した後は、図3(C)に示すように、連結部材7を介して単位支柱2(前記上の単位支柱2c)を更に継ぎ足して第3タイプの支柱3cを構成することにより、土の表面10から1000mm程度上方に突出した支柱部分11を形成できることになる。これによって、ピーマンや、ナスの一部の品種のものを支持できることとなる。
【0032】
又、前記単位支柱2a,2b,2cの最大長さを750mmに設定したのは次の理由による。即ち、単位支柱2の運搬時、流通時、販売時等におけるその取り扱い長さとして支障がないこと、及び、3本の単位支柱2a,2b,2cを連結部材7を介して連結したときにピーマンやナス、トマト等の植物を、これらが最大に成長した段階においても支障なく支持できることを考慮したものである。
【0033】
後者についてより詳しく説明すれば、単位支柱の長さを750mmに設定したとき、図4(A)に示すように、1本の単位支柱2(前記下の単位支柱2a)だけからなる第1タイプの支柱3aを用いて植物を支持する場合は、支柱の下端側の200mm程度の長さ部分9を地面に突き刺した状態で、地面10から550mm程度上方に突出した支柱部分11が形成されることになり、該支柱部分11で苗を支持できることになる。そして図4(B)に示すように、2本の単位支柱2,2(前記下の単位支柱2aと中の単位支柱2b)を前記連結部材7を介して連結して第2タイプの支柱3bを構成した場合は、土の表面10から1300mm程度上方に突出した支柱部分11を形成できることになる。これにより、ピーマンやナスをその最大成長段階で支持できると共に、成長の途中段階にあるトマトを支持できることとなる。又、図4(C)に示すように、3本の単位支柱2,2,2(前記下の単位支柱2aと中の単位支柱2bと上の単位支柱2c)を前記連結部材7を介して連結して第3タイプの支柱3cを構成した場合は、地面10から2050mm程度上方に突出した支柱部分11を形成できることになり、これにより、トマトをその最大成長段階でも支持できることとなる。
【0034】
このように単位支柱の長さは400〜750mmの範囲で所要に設定できるのであり、例えば500mm、600mm、700mmに設定することができる。
【0035】
以下、前記単位支柱2a,2b,2cの全長を例えば500mmに設定した場合についてより具体的に説明する。これらの単位支柱2a,2b,2cは、本実施例においては図1〜2、図5に示すように、500mm長さを有する鋼製の直線状パイプ本体12の表面13を樹脂被覆してなる、外径が11mm程度に設定された直線状樹脂被覆パイプとして構成されている。3本の単位支柱2a,2b,2cは、このように直線状樹脂被覆パイプとして構成されているが、その樹脂被覆状態は異なっている。
【0036】
下の単位支柱2aにあっては、図2に示すように、下端側の80mm程度の長さ部分14は表面が平滑な樹脂被覆面15として形成されており、それより上側部分の平滑な樹脂被覆面16には、図2、図5〜6に示すように、支柱の長さ方向に延長する不連続突部列17が、支柱の周方向に略90度の角度を置いて4列設けられている。該不連続突部列17は、長さが5mm程度で幅が1mm程度、突出量が0.8mm程度の縦長(支柱の延長方向に長い)の樹脂製の突部19を、支柱の長さ方向に9mm程度の間隔を置いて不連続状態に突設して形成されている。
【0037】
又、前記中の単位支柱2bは、図2に示すように、表面が平滑な樹脂被覆面20の周方向に90度の角度を置いて、前記と同様構成の不連続突部列17が支柱の全長に亘って4列設けられている。
【0038】
又、前記上の単位支柱2cは、図1〜2に示すように、上端側の80mm程度の長さ部分21は、表面が平滑な樹脂被覆面22として形成されると共に、それより下側部分23は、表面が平滑な樹脂被覆面25の周方向に略90度の角度を置いて、前記と同様構成の不連続突部列17が4列設けられている。
【0039】
前記下キャップ部材5は、本実施例においては図1〜2に示すように、前記下の単位支柱2aの下端部分26を密接に挿入させ得る挿入孔部27を有した、下端29が丸味を帯びた樹脂製のキャップ部材として構成されており、又、前記上キャップ部材6は、前記上の単位支柱2cの上端部分30を密接に挿入させる挿入孔部31を有した、上端32が丸味を帯びたキャップ部材として構成されている。
【0040】
又、前記連結部材7は、図2、図6〜10に示すように、下に位置する単位支柱の上端部分33と上に位置する単位支柱の下端部分35を密接に挿入させる上下の連結孔部36,37が仕切り部39を介して設けられてなる円筒状を呈しており、該仕切り部39は、該上下に位置する単位支柱内に雨水が進入するのを防止する蓋40として機能できる。本実施例においては、該連結部材7の外周面44の長さ方向の中央部位に、植物栽培に際して用いられるネット状物を引っ掛けるための引っ掛け突部41,41が上下に設けられてなるネット引っ掛け部42が、周方向に90度の角度を置いて4個設けられている。そして該上下の連結孔部36,37には、前記不連続突部列17の前記突部19を嵌入させるための逃がし溝部43が、前記単位支柱2における前記不連続突部列17の配置に合わせて90度の角度を置いて4本設けられており、上下の挿入溝部43,43は、前記仕切り部39を介して上下方向に一直線を呈するようになされており、上下の挿入溝部43,43は、上下の連結孔部36,37で上下端が開放している。
【0041】
ここで、前記第1タイプの支柱3a、前記第2タイプの支柱3b、前記第3タイプの支柱3cの構成をより具体的に説明する。
【0042】
該第1タイプの支柱3aは、図9、図10(A)に示すように、下の単位支柱2aの下端部分(平滑な樹脂被覆の周面を有する)26が、前記下キャップ部材5の前記挿入孔部27に挿入されると共に、図9、図10(B)に示すように、該下の単位支柱2aの上端部分33が前記連結部材(下の連結部材7a)7の下の連結孔部37に挿入されることによって構成されており、該下の連結孔部37への該上端部分33の挿入は、前記不連続突部列17の各突部19を、前記連結部材7の下の連結孔部37に設けられている下端開放の逃がし溝部43にスライドにより嵌め入れて行われている。そして、該上端部分33の上端側の内周面33aは、前記仕切り部39に下設された筒部34の外周面34aに圧接される如くなされており、この状態で、該下の単位支柱2aの上端46が該仕切り部39の下面39aの、前記筒部34の外側に存する円環状部39bに当接される。これによって、該下の単位支柱2aの下端45は前記下キャップ部材5で閉蓋されると共に、該下の単位支柱2aの上端46は、前記仕切り部39からなる前記蓋40で閉蓋されるため、該下の単位支柱2a内に雨水等が進入するのが防止される。
【0043】
又、前記第2タイプの支柱3bは、図2、図11に示すように、前記中の単位支柱2bの下端部分35が前記連結部材(下の連結部材7a)7の上の連結孔部36に挿入されると共に、該中の単位支柱2bの上端部分33が別の連結部材(上の連結部材7b)7の下の連結孔部37に挿入されることによって構成されており、該上の連結孔部36への該下端部分35の挿入及び、該下の連結孔部37への該上端部分33の挿入は、共に、図10(B)に示すと同様に、前記不連続突部列17の各突部19を前記逃がし溝部43にスライドにより嵌め入れて行われている。これにより、前記と同様に、下の単位支柱2a内に水が進入するのが防止されている。又、該中の単位支柱2bの下端47は、下の連結部材7aの前記仕切り部39からなる前記蓋40で閉蓋されると共に、該中の単位支柱2bの上端49は上の連結部材7bの前記仕切り部39からなる前記蓋40で閉蓋されているため、該中の単位支柱2b内に水が進入するのが防止される。そして、上下の単位支柱に設けられている上下の不連続突部列17,17は上下方向で直線状に連なる。
【0044】
又、前記第3タイプの支柱3cは、図2、図12に示すように、前記上の単位支柱2cの下端部分35が前記連結部材(上の連結部材7b)7の上の連結孔部36に挿入され、その際に、図10(B)に示すと同様に、前記不連続突部列17の各突部19を該上の連結孔部36の逃がし溝部43にスライドにより嵌め入れて行われている。且つ、上の単位支柱2cの上端部分(平滑な樹脂被覆の周面を有する)30が、図10(C)に示すように、前記上キャップ部材6の前記挿入孔部31に挿入されている。これにより、前記のように下の単位支柱2a内、中の単位支柱2b内に水が進入するのが防止されている。又、該上の単位支柱2cの上端50は前記上キャップ部材6で閉蓋されると共にその下端は、図10(B)に示すと同様にして前記仕切り部39からなる前記蓋部40で閉蓋されているため、該上の単位支柱2c内に水が進入するのが防止されている。
【0045】
以下、かかる構成を有する継ぎ足し式支柱1の使用態様を、これを用いて構成された3本の支柱3,3,3をセットとして布製プランタ51に立設し例えば小玉トマトの栽培を行う場合を例にとって、図13に基づいて説明する。
【0046】
該布製プランタ51は、本実施例においては、有底で上端52が開放した土収容部53を有する円筒状を呈した布製(例えば、ポリエステル製の比較的厚手の不織布製)であり、その側壁部55の内面側56には、その周方向に120度の角度を置いて支柱支持筒部57,57,57が設けられている。該支柱支持筒部57,57,57は、共に、支柱3の下端側部分59を挿入させる、孔心が上下方向の布製(例えば、前記と同様の不織布製)の筒体である。又、該土収容部53の深さは例えば25cm程度に設定されている。
【0047】
図13〜14は、各支柱支持筒部57,57,57に前記第1タイプの支柱3aの下端側部分59を挿入して後、前記土収容部53に20cm程度の深さで土60を収容して、これら3本の支柱3a,3b,3cを立設した状態を示すものである。土収容部53に土60が収容されることにより、前記布製プランタ51は、収容された土60がウエイトとなって安定的に自立できる。そして、各支柱支持筒部57は、収容された土60の重量と土による押し付け作用によって潰れ、前記支柱3aの下端側部分59の内面側に密着状態となると共に、該支柱3aの下端側部分59の外面側が前記布製プランタ51で外側から安定的に支持されることになる。これにより、該第1タイプの支柱3aの上端62は土の表面10から300mm程度の高さにある。
【0048】
このように収容された土60に、平面視で中央部分に位置させてトマトの苗が植えられる。その後、図13に示すように、隣り合う支柱3a,3a相互を支柱連結具64で連結することにより、平面視で正三角形状を呈する安定構造の支柱枠体65を構成できる。
【0049】
前記支柱連結具63は、図15に示すように、全体が合成樹脂製であり、直線状を呈する連結棒材66の両端側をなす支柱連結部分67,67の夫々に支柱挾持部69が設けられている。該支柱挾持部69は、図15(C)に拡大して示すように、前記支柱3aを嵌入させる嵌入凹部70を有し、該嵌入凹部70に嵌入された支柱3aを安定的に挾持し得るC字状の挾持部本体71を具え、該挾持部本体71の支柱導入口72の開口幅は前記支柱3aの径よりも小さく形成されると共に、該支柱導入口72の両端部73,73に、両者間の幅が先端に向けて拡大するハの字状を呈するように互いに逆方向に屈曲するガイド片75,75が突設されている。本実施例においては各支柱連結部分67,67の夫々に、支柱挾持部69が所要間隔を置いて3個ずつ設けられている。このように支柱挾持部69を複数個設けているのは、立設状態とされた隣り合う支柱3a,3a間の間隔の大小に応じられるようにするためである。
【0050】
このようにして布製プランタ51上で支柱枠体65を構成することにより、該支柱枠体65を苗の添え木として使用できる。又、前記支柱3a,3a,3aを支えとして、ポリエチレンシートや塩化ビニルシート等の被覆材を被せて苗を包むことにより、朝の冷え込みの場合の保温を図ることができ、又、霜除けや雨避けを図ることもできる。更に、目の細かいネットを被せることによって防虫を図ることもできる。
【0051】
図16は、前記第1タイプの支柱3aの上端に設けられている前記連結部材(下の連結部材7a)7の上の連結孔部36に前記中の単位支柱2bの下端部分35を前記のように挿入すると共に該中の単位支柱2bの上端部分33を別の連結部材(上の連結部材7b)7の下の連結孔部37に前記のように挿入することによって、該中の単位支柱2bを該下の単位支柱2aに継ぎ足して2本継ぎの前記第2タイプの支柱3bを構成した状態を示すものである。これにより、該第2タイプの支柱3bの上端77は土の表面10から800mm程度の高さにある。
【0052】
このように2本繋ぎの第2タイプの支柱3b,3b,3bを構成した後、図16〜17に示すように、その後の植物の成長に合わせて、伸びた枝部分79を下方から支持するように適宜の部位に、前記と同様の要領で、隣り合う支柱相互を前記支柱連結具64で連結する。これにより、平面視で正三角形状を呈する安定構造の支柱枠体65を構成できる。
【0053】
図18は、前記第2タイプの支柱3bの上端に設けられている前記連結部材(上の連結部材7b)7の上の連結孔部36に前記上の単位支柱2cの下端部分35を前記のように挿入すると共に該上の単位支柱2cの上端部分(平滑な樹脂被覆の周面を有する)33を、前記上キャップ部材6の前記挿入孔部31に挿入することによって、該上の単位支柱2cを該中の単位支柱2bに継ぎ足して3本継ぎの前記第3タイプの支柱3cを構成した状態を示すものである。これにより、該第3タイプの支柱3cの上端80は土の表面10から1300mm程度の高さにある。これにより、例えば小玉トマトの最大成長高さに応じ得ることとなる。
【0054】
このように3本継ぎの第3タイプの支柱3c,3c,3cを構成した後、図18、図17に示すように、その後の植物の成長に合わせて、伸びた枝部分79を下方から支持するように適宜の部位に、前記と同様の要領で、隣り合う支柱相互を前記支柱連結具64で連結する。これにより、平面視で正三角形状を呈する安定構造の支柱枠体65を構成できる。
【0055】
本実施例においては前記のように、単位支柱の表面に、引っ掛り用の突部19が、単位支柱の長さ方向に不連続状態で突設されているため、支柱3,3相互を支柱連結具64で連結したとき、図19に示すように、前記支柱挟持部69が該引っ掛り用の突部19で下方から支持されるため、該支柱連結具64の不用意なずり落ちが防止される。
【0056】
図20は、直方体状の布製プランタ81を用い、これに5本の支柱3,3,3,3,3を組み合わせて立設すると共に隣り合う支柱相互を支柱連結具64で連結してなる支柱枠体65を用いて植物を栽培する場合を示すものである。
【0057】
該直方体状の布製プランタ81は、図21に示すように、全体が例えばポリエステル製の比較的厚手の不織布を用いて構成された、平面視で長方形状を呈する布製容器であり、その長辺側の側壁部82,82の長さ方向の中央部位83,83相互が繋ぎ片85で連結されることによって左右の土収容部分86,87が形成されている。そして、内側の四隅部と、前記繋ぎ片85の長さ方向の中央部分には、支柱支持筒部57,57,57,57,57が、孔心を上下方向にして設けられている。
【0058】
これらの支柱支持筒部57の夫々に、所要長さの支柱3の下端側部分59を挿入させると共に該左右の土収容部分86,87に土58を収容することにより5本の支柱3,3,3,3,3を立設状態とする。そして、左右の土収容部分86,87に植物を植える。
【0059】
図20においては、前記第3タイプの支柱3cの5本を立設した状態が示されている。同図においては、中央の支柱3c1と前記一方の土収容部分86で立設された2本の隅角の支柱3c2,3c2とにより第1の支柱組89が形成されると共に、該中央の支柱3c1と前記他方の土収容部分87で立設された2本の隅角の支柱3c3,3c3とにより第2の支柱組90が形成されている。そして、該第1の支柱組89及び第2の支柱組90に関して、隣り合う支柱3c,3c相互が前記支柱連結具64で連結されることにより、平面視で正三角形状乃至二等辺三角形状を呈する安定構造の支柱枠体65a,65bが左右隣り合わせて構成されている。
【0060】
このようにして隣り合う支柱3c,3c相互を支柱連結具64で連結するに先立って或いは連結した後に、左右の土収容部分86,87に土58が収容され、前記左右の支柱枠体65a,65bによって、同種又は異種の植物(ピーマンやナス、トマト等)を左右に一株ずつ栽培できることになる。
【0061】
図20には、植物の最大成長高さに適合した左右の支柱枠体65a,65bが示されているが、植物が苗の段階にあっては、図22に示すように、前記第1タイプの支柱3aを用いて、安定構造の左右の支柱枠体65a,65bを構成できる。又、植物の成長がある程度進んだ段階にあっては、図23に示すように、前記中の単位支柱2bを継ぎ足すことによって前記第2タイプの支柱3bを用いた安定構造の左右の支柱枠体65a,65bを構成できる。植物が成熟段階に入ったら、前記したところと同様に前記上の単位支柱2cを継ぎ足すことによって、図20に示すような前記第3タイプの支柱3cを用いた安定構造の左右の支柱枠体65a,65bを構成できる。このように植物の成長に合わせて単位支柱を継ぎ足すことにより、苗の段階から最大成長段階まで植物を安定的に支持できるのは前記と同様である。
【0062】
図24は、左右の支柱枠体65a,65bを、第3タイプの支柱3cと第2タイプの支柱3bを用いて構成した場合を示すものであり、最大成長高さの異なる異種の植物を一つの布製プランタ81によって栽培できることになる。例えば、高さの高い支柱枠体65aに対してはトマトを、高さの低い支柱枠体65bに対してはピーマンを栽培できる。
【0063】
このようにして植物を、苗の段階、成長がある程度進んだ段階、成熟した段階と、植物の成長に合わせて単位支柱2を継ぎ足して栽培できるのであるが、前記支柱枠体65を構成する前記単位支柱は略同一太さのものであるため、形成された支柱は略同一太さである。かかることから、単位支柱を2段、3段に継ぎ足して形成された支柱の強度を確保でき、ピーマンやナス、トマト等の実を付ける植物であっても、これらを安定的に支持できることとなる。
【実施例2】
【0064】
図25〜26は、本発明に係る植物栽培用の継ぎ足し式支柱(以下継ぎ足し式支柱という)1の他の実施例を示すものであり、下段に配置される下側の単位支柱2dと、上段に配置される上側の単位支柱2eと、該下側の単位支柱2dの下端に取着される、前記と同様構成の下キャップ部材5と、該上側の単位支柱2eの上端に取着される、前記と同様構成の上キャップ部材6と、単位支柱相互を直線状に連結する、前記と同様構成の連結部材7とを具えており、該下側の単位支柱2dに上側の単位支柱2eを継ぎ足して所要長さの支柱3を形成できる継ぎ足し式支柱である。該単位支柱2d,2eは、共に、略同一長さで略同一太さを有する直線状の丸パイプからなり、且つ、全長が400〜750mmに設定されている。
【0065】
該単位支柱2d,2eの最低長さを400mmに設定したのは前記実施例における場合と同様の理由による。このように単位支柱の長さを400mmに設定した場合は、図27(A)に示すように、1本の単位支柱2(前記下側の単位支柱2d)だけからなる第1型の支柱3dを用いて植物を支持する場合は、支柱の下端側の200mm程度の長さ部分9を地面に突き刺したとして、土の表面10から200mm程度上方に突出した支柱部分11が形成されることになり、該支柱部分11で、苗を、ある程度の余裕高さを以て支持できることになる。又、図26(B)に示すように、これらの植物の成長に合わせて2本の単位支柱2,2(前記下側の単位支柱2dと上側の単位支柱2e)を前記連結部材7を介して連結して、第2型の支柱3eを構成すれば、土の表面10から600mm程度上方に突出した支柱部分11を形成できることになり、これにより、品種にもよるが、例えばピーマンをその最大成長段階で支持できる。
【0066】
又、前記単位支柱2d,2eの最大長さを750mmに設定したのは前記実施例における場合と同様の理由による。即ち、単位支柱2の運搬時や流通時、販売時等における取り扱いに支障がないこと、及び、2本の単位支柱2d,2eを連結部材7を介して連結したときに、ピーマンやナス、又、トマトの一部の品種のもの等の植物を、これらが最大に成長した段階においても支障なく支持できることを考慮したものである。
【0067】
このように、単位支柱3d,3eの長さを750mmに設定した場合は、図28(A)に示すように、1本の単位支柱2(前記下側の単位支柱2d)だけからなる第1型の支柱3dを用いて植物を支持する場合は、支柱の下端側の200mm程度の長さ部分9を土に突き刺した状態で、土の表面10から550mm程度上方に突出した支柱部分11が形成されることになり、該支柱部分11で、苗を支持できることになる。又、図28(B)に示すように、2本の単位支柱2,2(前記下側の単位支柱2dと上側の単位支柱2e)を前記連結部材7を介して連結して、第2型の支柱3eを構成した場合は、土の表面10から1300mm程度上方に突出した支柱部分11を形成できることになり、これにより、ピーマンやナス、又、トマトの一部の品種のものをその最大成長段階で支持できることとなる。
【0068】
このように単位支柱の長さは400〜750mmの範囲で所要に設定できるのであり、例えば450mm、600mm、750mmに設定することができる。
【0069】
以下、前記単位支柱2d,2eの全長を例えば450mmに設定した場合についてより具体的に説明する。
【0070】
これらの単位支柱2d,2eは、本実施例においては図25〜26、図5に示すと同様に、450mm長さを有する鋼製の直線状パイプ本体12の表面13を樹脂被覆してなる、外径が11mm程度に設定された直線状樹脂被覆パイプとして構成されている。2本の単位支柱2d,2eは、このように直線状樹脂被覆パイプとして形成されているが、その樹脂被覆状態は異なっている。
【0071】
下側の単位支柱2dにあっては、図25〜26に示すように、下端側の80mm程度の長さ部分93は表面が平滑な樹脂被覆面95として形成されており、それより上側部分の平滑な樹脂被覆面96には、支柱の長さ方向に延長する不連続突部列17が、支柱の周方向に略90度の角度を置いて4列設けられている。該不連続突部列17は、図5〜6に示すと同様にして、長さが5mm程度で幅が1mm程度、突出量が0.8mm程度の縦長(支柱の延長方向に長い)の樹脂製の突部19を、支柱の長さ方向に9mm程度の間隔を置いて不連続状態に突設して形成されている。
【0072】
又、前記上側の単位支柱2eは、上端側の80mm程度の長さ部分97が平滑な樹脂被覆面99として形成されると共に、それより下側部分の平滑な樹脂被覆面100には、支柱の周方向に略90度の角度を置いて、前記と同様構成の不連続突部列17が4列設けられている。
【0073】
ここで、前記第1型の支柱3d、前記第2型の支柱3eの構成をより具体的に説明する。該第1型の支柱3dは、図29に示すように、下側の単位支柱2dの下端部分(平滑な樹脂被覆の周面を有する)26が、前記下キャップ部材5の前記挿入孔部27(図26)に挿入されると共に、該下側の単位支柱2dの上端部分33(図26)が前記連結部材7の下の連結孔部37(図26)に挿入されることによって構成されており、該下の連結孔部37への該上端部分33の挿入は、図10に示すと同様にして、前記不連続突部列17の各突部19を、前記連結部材7の下の連結孔部37に設けられている下端開放の逃がし溝部43にスライドにより嵌め入れて行われている。該下側の単位支柱2dの下端102(図26)は前記下キャップ部材5で閉蓋されると共に、該下側の単位支柱3dの上端103(図26)は、前記仕切り部39からなる前記蓋40(図7)で閉蓋されているため、該下側の単位支柱3d内に水が進入するのが防止される。
【0074】
又、前記第2型の支柱3eは、図30に示すように、前記上側の単位支柱2eの下端部分35(図26)が前記連結部材7の上の連結孔部36に挿入され、その際に、前記と同様にして、前記不連続突部列17の各突部19を該上の連結孔部36の逃がし溝部43にスライドにより嵌め入れて行われている。且つ、上側の単位支柱3eの上端部分(平滑な樹脂被覆の周面を有する)30が、前記上キャップ部材6の前記挿入孔部31に挿入されている。これにより、前記と同様に、下側の単位支柱2d内、上側の単位支柱2e内に雨水が進入するのが防止される。そして、上側と下側の単位支柱2d,2eの表面に設けられている上下の不連続突部列17,17が上下方向で直線状に連なる。
【0075】
以下、かかる構成を有する継ぎ足し式支柱1の使用態様を、これを用いて構成された3本の支柱3,3,3をセットとして布製プランタ51に立設し例えばピーマンを栽培する場合を例にとって、図31に基づいて説明する。
【0076】
該布製プランタ51は前記と同様の構成を有しており、有底で上端52が開放した土収容部53を有する円筒状を呈しており、その側面部55の内面側56には、その周方向に120度の角度を置いて支柱支持筒部57,57,57が設けられている。図31は、各支柱支持筒部57,57,57に前記第1型の支柱3dの下端側部分59を挿入して後、前記土収容部53に20cm程度の深さで土を収容して、これら3本の支柱3d,3d,3dを立設した状態を示すものであり、該第1型の支柱3dの上端106は土の表面10から350mm程度の高さにある。
【0077】
このように収容された土に、平面視で中央部分に位置させてピーマンの苗が植えられる。その後、図31に示すように、隣り合う支柱3d,3d相互を、前記と同様構成の支柱連結具64で連結することにより、平面視で正三角形状を呈する安定構造の支柱枠体65を構成できる。該支柱連結具64は、前記と同様の構成を有している。
【0078】
このようにして布製プランタ51上で支柱枠体65を構成することにより、該支柱枠体65を苗の添え木として使用できる。又、前記支柱3d,3d,3dを支えとして、ポリエチレンシートや塩化ビニルシート等の被覆材を被せて苗を包むことにより、朝の冷え込みの場合の保温を図ることができ、又、霜除けを図り得る。更に、目の細かいネットを被せることによって防虫を図ることもできる。
【0079】
図32は、前記第1型の支柱3dの上端に設けられている前記連結部材7の上の連結孔部36に前記上側の単位支柱2eの下端部分35を前記のように挿入すると共に、該上側の単位支柱2eの上端部分(平滑な樹脂被覆の周面を有する)30を、前記上キャップ部材6の前記挿入孔部31に挿入することによって、該上側の単位支柱2eを該下側の単位支柱2dに継ぎ足して2本継ぎの前記第2型の支柱3eを構成した状態を示すものである。これにより、該第2型の支柱3eの上端109は土の表面10から700mm程度の高さにある。これにより、例えばピーマンの最大成長高さに応じ得ることとなる。
【0080】
このように2本継ぎの第2型の支柱3e,3e,3eを構成した後、図17に示すと同様に、その後の植物の成長に合わせて、伸びた枝部分79を下方から支持するように適宜の部位に、前記と同様の要領で、隣り合う支柱相互を前記支柱連結具64で連結する。
【0081】
なお前記第1型の支柱3dや前記第2型の支柱3eを用いることによっても、図20に示したと同様にして、前記直方体状の布製プランタ81を用い、これに5本の支柱3,3,3,3,3を組み合わせて、植物の成長に合わせて植物を安定的に支持できる。
【実施例3】
【0082】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0083】
(1) 前記構成を有する第1タイプの支柱3a、第2タイプ支柱3b、第3タイプ支柱3c、第1型の支柱3d、第2型の支柱3eの所要本数と、支柱相互を連結する支柱連結具64の所要個数を用いることにより、平面視で、前記した三角形状を呈する支柱枠体の他、例えば正方形状や長方形状、五角形状、菱形状、ジグザグ状等を呈する各種の支柱枠体65を構成でき、この支柱枠体を用いることにより、植物を安定状態で多彩に支持して栽培できることになる。
【0084】
(2) 前記支柱枠体65は、プラスチック製のプランタを用いて設けることもでき、又、支柱3を地面に立設して支柱枠体65を構成することもできる。
【0085】
(3) 前記単位支柱2は、全体が合成樹脂製の直棒状の丸パイプとして構成されることの他、アルミニウム製やステンレス製の直棒状の丸パイプとして構成されることもある。
単位支柱2が丸パイプからなるとは、全長さに亘って横断面が完全な円形を呈するものには限られず、図6に示すように、不連続突部列17が設けられたり、図33に示すように、単位支柱2の長さ方向に所要間隔で節状部110が設けられたもの等も含まれる。
【0086】
(4) 前記第1タイプの支柱3aは、前記のように布製プランタに立設されることの他、支柱の下端側部分が地面111に直接押し込まれることもあるが、このように地面に直接押し込む場合は、押し込みを容易化するために、前記下キャップ部材5は、例えば図34に示すように、下端に向かって先細となる剣先状に形成するのがよい。
【0087】
(5) 表面が合成樹脂で被覆されてなる前記単位支柱2に、合成樹脂製の前記上キャップ部材6、合成樹脂製の前記下キャップ部材5を取着する場合は、該上キャップ部材6と該下キャップ部材5を該単位支柱2に高周波溶着により強固に固定することができる。
【0088】
(6) 前記単位支柱2は、丸パイプとしての他、横断面外形が楕円形状を呈する楕円形状パイプとしてや、四角形状や六角形状、八角形状等の角パイプ状等に構成されることもある。又、前記のような突部19が表面に設けられることの他、その全長に亘って、表面が平滑面に形成されることもある。
【0089】
(7) 前記連結部材7は、前記単位支柱2の端部分の表面が平滑面に形成される場合等にあっては、前記上下の連結孔部36,37に前記のような逃がし溝部43が設けられず、平滑な内周面を有するものとして構成されることもある。
【0090】
(8) 前記支柱連結具64を構成する前記支柱挾持部69は、前記連結棒材66の両端側をなす支柱連結部分67,67の夫々に1個ずつ設けられることもある。
【0091】
(9) 本発明に係る継ぎ足し式支柱1によって形成される支柱3は、植物の種類や植物の成長度合いに応じて、単位支柱2の継ぎ足し本数が設定されるものである。又、単位支柱2の長さも、栽培対象の植物に合わせて適宜に設定される。使用者は、栽培せんとする植物に合わせて、所要の第1タイプの支柱3a、第2タイプの支柱3b、第3タイプの支柱3c、第1型の支柱3d、第2型の支柱3eを適宜選択すればよい。
【0092】
(10)本発明に係る継ぎ足し式支柱1によって形成される支柱3は各種の植物の栽培に用いることができるものであり、前記したピーマン、ナス、トマトの他、胡瓜や朝顔、クレマチス等の蔓性植物の栽培にも用いることができる。蔓性植物の栽培に際しては、苗が蔓を伸ばして巻き付け始める頃に、前記支柱枠体にネットを被せればよい。このネットは、前記連結部材7に設けられている前記ネット引っ掛け部42に引っ掛けることができる。
【0093】
(11)なお本発明に係る継ぎ足し式支柱1は、単位支柱2の長さによっては、単位支柱1本だけからなる前記第1タイプの支柱3aや前記第1型の支柱3d、2本の単位支柱相互を連結してなる前記第2タイプの支柱3bや前記第2型の支柱3e、或いは、3本の単位支柱を連結してなる第3タイプの支柱3cだけを用いて(即ち、継ぎ足しせずに)、植物を、その苗の段階から最大成長段階に亘って使用されることもある。例えば、背丈の小さい白菜やほうれん草等の葉物野菜を栽培する場合は、前記第1タイプの支柱3aだけを用いて、その苗の段階から最大成長段階までをカバーでき、該第1タイプの支柱3aを添え木としてや温室形成のために用いることもできる。
【符号の説明】
【0094】
1 継ぎ足し式支柱
2 単位支柱
2a 下の単位支柱
2b 中の単位支柱
2c 上の単位支柱
2e 上側の単位支柱
2d 下側の単位支柱
3 支柱
3d 第1型の支柱
3e 第2型の支柱
5 下キャップ部材
6 上キャップ部材
7 連結部材
10 土の表面
17 不連続突部列
19 突部
43 逃がし溝部
64 支柱連結具
65 支柱枠体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単位支柱を継ぎ足して所要長さの支柱を形成できる植物栽培用の継ぎ足し式支柱であって、下段に配置される下の単位支柱と、中段に配置される中の単位支柱と、上段に配置される上の単位支柱と、該下の単位支柱の下端に取着される下キャップ部材と、該上の単位支柱の上端に取着される上キャップ部材と、該単位支柱相互を直線状に連結する連結部材とを具えており、
該単位支柱の3本は、共に、略同一長さで略同一太さを有する直棒状のパイプからなり、且つ、全長が400〜750mmに設定されており、前記下キャップ部材は、前記下の単位支柱の下端部分を密接に挿入させる挿入孔部を有しており、又、前記上キャップ部材は、前記上の単位支柱の上端部分を密接に挿入させる挿入孔部を有しており、又、前記連結部材は、下の単位支柱の上端部分と上の単位支柱の下端部分を密接に挿入させる上下の連結孔部が仕切り部を介して設けられており、該仕切り部は、該上下に位置する単位支柱内に雨水が進入するのを防止する蓋として機能できるものであり、
前記下の単位支柱の下端部分が前記下キャップ部材の前記挿入孔部に挿入される共に、該下の単位支柱の上端部分が前記連結部材の下の連結孔部に挿入されることによって第1タイプの支柱を構成でき、該連結部材の上の連結孔部に前記中の単位支柱の下端部分が挿入されると共に、該中の単位支柱の上端部分が別の前記連結部材の下の連結孔部に挿入されることによって第2タイプの支柱を構成でき、該別の連結部材の上の連結孔部に前記上の単位支柱の下端部分が挿入されると共に、該上の単位支柱の上端部分が前記上キャップ部材の挿入孔部に挿入されることによって第3タイプの支柱を構成できることを特徴とする植物栽培用の継ぎ足し式支柱。
【請求項2】
単位支柱を継ぎ足して所要長さの支柱を形成できる植物栽培用の継ぎ足し式支柱であって、下段に配置される下側の単位支柱と、上段に配置される上側の単位支柱と、該下側の単位支柱の下端に取着される下キャップ部材と、該上側の単位支柱の上端に取着される上キャップ部材と、該単位支柱相互を直線状に連結する連結部材とを具えており、
該単位支柱の2本は、共に、略同一長さで略同一太さを有する直棒状のパイプからなり、且つ、全長が400〜750mmに設定されており、前記下キャップ部材は、前記下側の単位支柱の下端部分を密接に挿入させる挿入孔部を有しており、又、前記上キャップ部材は、前記上側の単位支柱の上端部分を密接に挿入させる挿入孔部を有しており、又、前記連結部材は、下側の単位支柱の上端部分と上側の単位支柱の下端部分を密接に挿入させる上下の連結孔部が仕切り部を介して設けられており、該仕切り部は、該下側の単位支柱と該上側の単位支柱内に雨水が進入するのを防止する蓋として機能できるものであり、
前記下側の単位支柱の下端部分が前記下キャップ部材の前記挿入孔部に挿入される共に、該下側の単位支柱の上端部分が前記連結部材の下の連結孔部に挿入されることによって第1型の支柱を構成でき、該連結部材の上の連結孔部に前記上側の単位支柱の下端部分が挿入されると共に、該上側の単位支柱の上端部分が前記上キャップ部材の挿入孔部に挿入されることによって第2型の支柱を構成できることを特徴とする継ぎ足し式支柱。
【請求項3】
前記単位支柱の表面には、引っ掛り用の突部が、該単位支柱の長さ方向に不連続状態で突設されて不連続突部列が設けられており、前記連結部材の挿入孔部の内面には、該不連続突部列を嵌入させる逃がし溝部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の継ぎ足し式支柱。
【請求項4】
前記単位支柱の表面には、周方向に略90度の角度を置いて、引っ掛り用の突部が、該単位支柱の長さ方向に不連続状態で突設されて不連続突部列が設けられており、前記連結部材の挿入孔部の内面には、該不連続突部列を嵌入させる逃がし溝部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の継ぎ足し式支柱。
【請求項5】
請求項1記載の継ぎ足し式支柱と、隣り合う前記支柱相互を連結する支柱連結具とを具えることを特徴とする植物栽培装置。
【請求項6】
請求項2記載の継ぎ足し式支柱と、隣り合う前記支柱相互を連結する支柱連結具とを具えることを特徴とする植物栽培装置。
【請求項7】
前記支柱連結具は、連結棒材の両端側の夫々に支柱挾持部が設けられており、該支柱挾持部は、前記支柱を嵌入させる嵌入凹部を有し該嵌入凹部に嵌入された支柱を弾性的に挾持し得るC字状の挾持部本体を具え、該挾持部本体の支柱導入口の開口幅は前記支柱の径よりも小さく形成されると共に、該支柱導入口の両端部に、両者間の幅が先端に向けて拡大するハの字状を呈するように互いに逆方向に屈曲するガイド片が突設されていることを特徴とする請求項5又は6記載の植物栽培装置。
【請求項8】
請求項5記載の植物栽培装置を用いる植物の栽培方法であって、苗を取り囲むように3本以上の前記第1タイプの支柱を立設すると共に、隣り合う支柱相互を前記支柱連結具で連結して後、該第1タイプの支柱の上端に前記連結部材を介して前記中の単位支柱を継ぎ足して前記第2タイプの支柱を構成し、必要に応じて、該第2タイプの支柱の上端に前記連結部材を介して前記上の単位支柱を継ぎ足して前記第3タイプの支柱を構成し、このように継ぎ足しによって形成された隣り合う支柱相互を前記支柱連結具で連結するに際し、該支柱連結具を、伸びた枝部分を下方から支持するように配置することを特徴とする植物栽培方法。
【請求項9】
請求項6記載の植物栽培装置を用いる植物の栽培方法であって、苗を取り囲むように3本以上の前記第1型の支柱を立設すると共に、隣り合う支柱相互を前記支柱連結具で連結して後、該第1型の支柱の上端に前記連結部材を介して前記上の単位支柱を継ぎ足して前記第2型の支柱を構成し、このように継ぎ足しによって形成された隣り合う支柱相互を前記支柱連結具で連結するに際し、該支柱連結具を、伸びた枝部分を下方から支持するように配置することを特徴とする植物栽培方法。
【請求項1】
単位支柱を継ぎ足して所要長さの支柱を形成できる植物栽培用の継ぎ足し式支柱であって、下段に配置される下の単位支柱と、中段に配置される中の単位支柱と、上段に配置される上の単位支柱と、該下の単位支柱の下端に取着される下キャップ部材と、該上の単位支柱の上端に取着される上キャップ部材と、該単位支柱相互を直線状に連結する連結部材とを具えており、
該単位支柱の3本は、共に、略同一長さで略同一太さを有する直棒状のパイプからなり、且つ、全長が400〜750mmに設定されており、前記下キャップ部材は、前記下の単位支柱の下端部分を密接に挿入させる挿入孔部を有しており、又、前記上キャップ部材は、前記上の単位支柱の上端部分を密接に挿入させる挿入孔部を有しており、又、前記連結部材は、下の単位支柱の上端部分と上の単位支柱の下端部分を密接に挿入させる上下の連結孔部が仕切り部を介して設けられており、該仕切り部は、該上下に位置する単位支柱内に雨水が進入するのを防止する蓋として機能できるものであり、
前記下の単位支柱の下端部分が前記下キャップ部材の前記挿入孔部に挿入される共に、該下の単位支柱の上端部分が前記連結部材の下の連結孔部に挿入されることによって第1タイプの支柱を構成でき、該連結部材の上の連結孔部に前記中の単位支柱の下端部分が挿入されると共に、該中の単位支柱の上端部分が別の前記連結部材の下の連結孔部に挿入されることによって第2タイプの支柱を構成でき、該別の連結部材の上の連結孔部に前記上の単位支柱の下端部分が挿入されると共に、該上の単位支柱の上端部分が前記上キャップ部材の挿入孔部に挿入されることによって第3タイプの支柱を構成できることを特徴とする植物栽培用の継ぎ足し式支柱。
【請求項2】
単位支柱を継ぎ足して所要長さの支柱を形成できる植物栽培用の継ぎ足し式支柱であって、下段に配置される下側の単位支柱と、上段に配置される上側の単位支柱と、該下側の単位支柱の下端に取着される下キャップ部材と、該上側の単位支柱の上端に取着される上キャップ部材と、該単位支柱相互を直線状に連結する連結部材とを具えており、
該単位支柱の2本は、共に、略同一長さで略同一太さを有する直棒状のパイプからなり、且つ、全長が400〜750mmに設定されており、前記下キャップ部材は、前記下側の単位支柱の下端部分を密接に挿入させる挿入孔部を有しており、又、前記上キャップ部材は、前記上側の単位支柱の上端部分を密接に挿入させる挿入孔部を有しており、又、前記連結部材は、下側の単位支柱の上端部分と上側の単位支柱の下端部分を密接に挿入させる上下の連結孔部が仕切り部を介して設けられており、該仕切り部は、該下側の単位支柱と該上側の単位支柱内に雨水が進入するのを防止する蓋として機能できるものであり、
前記下側の単位支柱の下端部分が前記下キャップ部材の前記挿入孔部に挿入される共に、該下側の単位支柱の上端部分が前記連結部材の下の連結孔部に挿入されることによって第1型の支柱を構成でき、該連結部材の上の連結孔部に前記上側の単位支柱の下端部分が挿入されると共に、該上側の単位支柱の上端部分が前記上キャップ部材の挿入孔部に挿入されることによって第2型の支柱を構成できることを特徴とする継ぎ足し式支柱。
【請求項3】
前記単位支柱の表面には、引っ掛り用の突部が、該単位支柱の長さ方向に不連続状態で突設されて不連続突部列が設けられており、前記連結部材の挿入孔部の内面には、該不連続突部列を嵌入させる逃がし溝部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の継ぎ足し式支柱。
【請求項4】
前記単位支柱の表面には、周方向に略90度の角度を置いて、引っ掛り用の突部が、該単位支柱の長さ方向に不連続状態で突設されて不連続突部列が設けられており、前記連結部材の挿入孔部の内面には、該不連続突部列を嵌入させる逃がし溝部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の継ぎ足し式支柱。
【請求項5】
請求項1記載の継ぎ足し式支柱と、隣り合う前記支柱相互を連結する支柱連結具とを具えることを特徴とする植物栽培装置。
【請求項6】
請求項2記載の継ぎ足し式支柱と、隣り合う前記支柱相互を連結する支柱連結具とを具えることを特徴とする植物栽培装置。
【請求項7】
前記支柱連結具は、連結棒材の両端側の夫々に支柱挾持部が設けられており、該支柱挾持部は、前記支柱を嵌入させる嵌入凹部を有し該嵌入凹部に嵌入された支柱を弾性的に挾持し得るC字状の挾持部本体を具え、該挾持部本体の支柱導入口の開口幅は前記支柱の径よりも小さく形成されると共に、該支柱導入口の両端部に、両者間の幅が先端に向けて拡大するハの字状を呈するように互いに逆方向に屈曲するガイド片が突設されていることを特徴とする請求項5又は6記載の植物栽培装置。
【請求項8】
請求項5記載の植物栽培装置を用いる植物の栽培方法であって、苗を取り囲むように3本以上の前記第1タイプの支柱を立設すると共に、隣り合う支柱相互を前記支柱連結具で連結して後、該第1タイプの支柱の上端に前記連結部材を介して前記中の単位支柱を継ぎ足して前記第2タイプの支柱を構成し、必要に応じて、該第2タイプの支柱の上端に前記連結部材を介して前記上の単位支柱を継ぎ足して前記第3タイプの支柱を構成し、このように継ぎ足しによって形成された隣り合う支柱相互を前記支柱連結具で連結するに際し、該支柱連結具を、伸びた枝部分を下方から支持するように配置することを特徴とする植物栽培方法。
【請求項9】
請求項6記載の植物栽培装置を用いる植物の栽培方法であって、苗を取り囲むように3本以上の前記第1型の支柱を立設すると共に、隣り合う支柱相互を前記支柱連結具で連結して後、該第1型の支柱の上端に前記連結部材を介して前記上の単位支柱を継ぎ足して前記第2型の支柱を構成し、このように継ぎ足しによって形成された隣り合う支柱相互を前記支柱連結具で連結するに際し、該支柱連結具を、伸びた枝部分を下方から支持するように配置することを特徴とする植物栽培方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2011−229408(P2011−229408A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−100159(P2010−100159)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(392003225)第一ビニール株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(392003225)第一ビニール株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
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