説明

植物栽培装置

【課題】
有機物混合液とオゾン含有ガスとを繰り返し水と共に攪拌することができ、有機物混合液とオゾン含有ガスとを水に均一に混入させることができる植物栽培装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
水供給管12を介して貯水槽2に水を供給する。有機物混合液を貯水槽2内に有機物混合液供給ポンプ4で供給する。オゾン含有ガスを貯水槽2内にオゾン含有ガス供給装置5で供給する。水と有機物混合液とオゾン含有ガスとを貯水槽2内で攪拌装置6により攪拌して混合水を生成する。植物栽培用の土壌に混合水供給ポンプ43で混合水を供給する。混合水の供給を開始する時刻を制御装置50の時刻設定部50bで設定する。混合水の生成と同時に有機物混合液とオゾン含有ガスとの供給を開始し、混合水供給ポンプ43を作動させて土壌に混合水の供給を開始すると同時にオゾン含有ガスの供給と混合水の生成とを終了するように制御装置50により制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水田に植えられた稲、畑で栽培される野菜、庭園や果樹園の樹木、ゴルフ場の芝生、庭やプランターに栽培された草花等の植物を栽培するための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示されている従来の植物栽培装置においては、空気やオゾンガス等の気体と肥料やミネラル等の栄養物質とを混入させた加圧水を加圧型気体溶解装置により製造して、この加圧水を、周面に多数の小孔を有する灌水管に管路を介して導き、この灌水管を介して土壌に前記加圧水を供給するようにしている。
【特許文献1】特開平10−229752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の植物栽培装置は、空気やオゾンガス等の気体と肥料やミネラル等の栄養物質とが加圧型気体溶解装置内で攪拌されるものの、それらの気体と栄養物質とは、加圧型気体溶解装置およびそれに続く接続管,加圧タンク,耐圧管へと滞留することなく単に通過するように構成されている。このため、前記気体と栄養物質とは、加圧型気体溶解装置内を通過する間に攪拌されるだけなので十分攪拌することができず、加圧水に均一に混入させることができないという問題があった。
【0004】
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、有機物混合液とオゾン含有ガスとを繰り返し水と共に攪拌することができ、有機物混合液とオゾン含有ガスとを水に均一に混入させることができる植物栽培装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、本発明に係る植物栽培装置は、貯水槽と、前記貯水槽に水を供給するための水供給手段と、有機物と水分とを含む有機物混合液を前記貯水槽内に供給するための有機物混合液供給手段と、組成ガスとしてオゾンを含むオゾン含有ガスを前記貯水槽内に供給するためのオゾン含有ガス供給手段と、前記貯水槽内に前記各手段により供給された水と有機物混合液とオゾン含有ガスとを前記貯水槽内で攪拌する攪拌手段と、前記水と有機物混合液とオゾン含有ガスとが前記攪拌手段によって攪拌されて生成された混合水を、植物を栽培するための土壌に供給するための混合水供給手段と、前記混合水供給手段によって前記混合水の供給を開始する時刻を設定するための時刻設定手段と、前記水供給手段を作動させて予め設定された容量の水を前記貯水槽に供給する水供給工程と、前記有機物混合液供給手段を作動させて予め設定された容量の有機物混合液を前記貯水槽に供給する有機物混合液供給工程と、前記オゾン含有ガス供給手段を作動させて予め設定された容量のオゾン含有ガスを前記貯水槽に供給するオゾン含有ガス供給工程と、前記攪拌手段を作動させて前記水と有機物混合液とオゾン含有ガスとを攪拌して混合水を生成する混合水生成工程と、前記時刻設定手段によって設定された時刻に前記混合水供給手段を作動させて植物を栽培するための土壌に前記混合水の供給を開始する混合水供給工程とを行わせる制御手段とを備えた植物栽培装置であって、前記混合水供給工程を開始すると同時にまたは前記混合水供給工程を開始する直前に、前記水供給工程と前記混合水生成工程とのうち少なくとも前記混合水生成工程を終了するようにし、かつ、前記混合水生成工程における始期に前記有機物混合液供給工程を行うようにすると共に前記混合水生成工程における終期に前記オゾン含有ガス供給工程を終了するように前記水供給手段,前記有機物混合液供給手段,前記オゾン含有ガス供給手段および前記攪拌手段の各作動を前記制御手段により制御するようにしたものである。
【0006】
請求項2に記載した発明に係る植物栽培装置は、請求項1に記載の植物栽培装置において、前記攪拌手段は、前記貯水槽内の水を吸引するための吸水部と、前記吸水部から吸引された水を排出するための排水部と、複数の羽根が円周方向に並設された羽根車が配設されたポンプ部とを備え、前記羽根車の回転によるポンプ作用により、前記吸水部からの吸水と前記排水部からの排水とを行うと共に、前記有機物混合液供給手段によって供給された有機物混合液と前記オゾン含有ガス供給手段によって供給されたオゾン含有ガスとを前記吸水部内に導入するようにしたことを特徴とするものとする。
【0007】
請求項3に記載した発明に係る植物栽培装置は、請求項2に記載の植物栽培装置において、前記排水部は、前記ポンプ部から圧送された水が流入して、その流入の勢いにより渦流を発生させる渦流発生部と、前記渦流発生部に流入した水が渦流を発生したのち排出される排水口部とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項4に記載した発明に係る植物栽培装置は、請求項3に記載の植物栽培装置において、前記渦流発生部で発生した渦流の渦の中心を通る仮想軸芯に略沿って前記排水口部内に排水通路を形成し、水が流れる経路から見て前記排水通路の上流部に、前記排水通路の断面積が縮小された絞り部を形成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、有機物混合液とオゾン含有ガスとを貯水槽内で攪拌手段により攪拌して混合水を生成するようにしたので、攪拌する時間を任意に設定することができ、攪拌する時間を適宜設定することで、有機物混合液とオゾン含有ガスとを貯水槽内の水と共に繰り返し攪拌することができ、有機物混合液とオゾン含有ガスとを水に均一に混入させることができる。
【0010】
また、混合水供給工程を開始すると同時にまたは混合水供給工程を開始する直前に、水供給工程と混合水生成工程とのうち少なくとも混合水生成工程を終了するようにし、かつ、混合水生成工程における始期に有機物混合液供給工程を行うようにすると共に混合水生成工程における終期にオゾン含有ガス供給工程を終了するように水供給手段,有機物混合液供給手段,オゾン含有ガス供給手段および攪拌手段の各作動を制御手段により制御するようにしたので、混合水の供給の開始と同時または直前に混合水の生成が終了する結果、混合水の供給を開始する前に、混合水中の有機物による腐敗により悪臭が発生することがなく、また、オゾン含有ガスが混合水から空気中に放出されて混合水中に含まれるオゾン含有ガスの濃度が希釈化されることもない。
【0011】
また、混合水に混入している有機物は、オゾンにより低分子化されるため、有機物特有の臭いが脱臭され、悪臭に煩わされることがないだけでなく、混合水が土壌に供給されたとき、混合水に混入している有機物が微生物によって速やかに分解され、その分解された有機物を直ちに植物の肥料とすることができる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、ポンプ部の羽根車の回転によるポンプ作用により、吸水部からの吸水と排水部からの排水とを行うと共に、有機物混合液とオゾン含有ガスとを吸水部内に導入するようにしたので、有機物混合液とオゾン含有ガスとがポンプ部の羽根車の回転によって、水と十分攪拌されながら混合水となって排水部から排出されたのち、該混合水が再び吸水部から吸引される。このような工程が繰り返されることによって有機物混合液とオゾン含有ガスとが貯水槽内の水に均一に混入された混合水を生成することができる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、渦流を発生させる渦流発生部を攪拌手段の排水部に設けたので、有機物混合液とオゾン含有ガスとがポンプ部の羽根車の回転によって、水と十分攪拌されたのち、さらに渦流発生部での渦流によっても攪拌されるので、攪拌が十分に行われ、貯水槽内の水に対する有機物混合液とオゾン含有ガスとの均一化を一層向上させることができる。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、渦流発生部で発生した渦流の渦の中心を通る仮想軸芯に略沿って排水通路を形成し、排水通路の上流部に絞り部を形成したので、渦流の流速が最も早い渦の中心部から混合水が絞り部を通過する際に圧力が急激に変化し、乱流が発生する。このため、この圧力の急激な変化や乱流で混合水に溶解しているオゾン含有ガスが微細化され、混合水中にオゾン含有ガスが滞留する時間を長くすることができる。この結果、有機物混合液中の有機物とオゾン含有ガス中のオゾンとの反応が十分に行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る植物栽培装置の実施の形態を図1ないし図5によって詳細に説明する。
図1は本発明に係る植物栽培装置の構成を示すブロック図、図2は攪拌装置を、一部を破断して示した断面図であり、図3は図2の矢視A−A線に沿う断面図であり、図4は本発明に係る植物栽培装置を使用して、植物が植えられたビニールハウス内の土壌にオゾン含有ガスと有機物混合液と水との混合液を供給する配管の構成を示すブロック図であり、図5は本発明に係る植物栽培装置を使用して前記ビニールハウス内の土壌に前記混合液を供給する際のタイムチャートである。なお、図1および図4については、作図の都合上、それぞれの構成部材の縮尺の比率は互いに異ならせて図示している。
【0016】
図1において、符号1で示すものは、この実施の形態による植物栽培装置を示しており、この植物栽培装置1は、約200リットルの水を貯留する容量を有する貯水槽2と、この貯水槽2内に水を供給するための本発明でいう水供給手段を構成する電磁弁3と、有機物混合液を貯水槽2内に供給するための本発明でいう有機物混合液供給手段を構成する有機物混合液供給ポンプ4と、貯水槽2内にオゾン含有ガスを供給するための本発明でいうオゾン含有ガス供給手段を構成するオゾン含有ガス供給装置5と、前記電磁弁3の開弁によって供給された水と有機物混合液供給ポンプ4によって供給された有機物混合液とオゾン含有ガス供給装置5によって供給されたオゾン含有ガスとを貯水槽2内で攪拌するための攪拌装置6とを備えている。攪拌装置6は、本発明でいう攪拌手段を構成する。
貯水槽2内の上部には、貯水槽2の内壁に固定された基部7に対して浮部材11が上下方向に回動自在となるように軸支されている。浮部材11は、腕部材11aとこの腕部材11aの一端部に固定された浮体11bとからなり、腕部材11aの一端部が上下方向に回動自在となるように、腕部材11aの他端部が基部7に軸支されている。
【0017】
基部7には、水道水を供給する水供給管12と、水供給管12によって供給された水を貯水槽2内に導入する導入管13とが接続されており、基部7の内部には、浮部材11の回動と機械的に連動して水供給管12と導入管13との連通を開閉する開閉弁14が配設されている。而して、貯水槽2内の水位が上昇して水の浮力によって浮部材11が上方に回動し上限位置まで変位したとき、開閉弁14は閉弁される。
一方、貯水槽2内の水位が下降して浮部材11が下方に回動するにつれて開閉弁14は開弁され、その開度は徐々に大きくなる。また、水供給管12の中途部には前記電磁弁3が配設されている。
【0018】
貯水槽2内には、オゾン含有ガスがオゾン含有ガス供給管15を介して供給される。オゾン含有ガスは、酸素ボンベ16に貯留された酸素ガスが接続管17を介してオゾン含有ガス供給装置5に導入され、オゾン含有ガス供給装置5内で放電管による無声放電によってオゾンが発生し、酸素に対してオゾンが所定の割合(例えば、容積比でオゾンが3ないし5パーセントで残りが酸素)で混合されてオゾン含有ガスが生成される。
一方、有機物と水分とを所定の割合で含む有機物混合液が有機物混合液貯留槽21に貯留されており、この有機物混合液貯留槽21の下部の側部に一端部が接続された有機物混合液供給管22を介して該有機物混合液供給管22の中途部に配設された前記有機物混合液供給ポンプ4により前記有機物混合液が貯水槽2内に供給される。有機物は、例えば、魚介類の加工工場で排出された煮汁等を原料とするものからなる。
【0019】
有機物混合液供給管22の他端部は攪拌装置6に接続されており、該攪拌装置6は、水中ポンプからなり、図2および図3に示すように、攪拌装置本体24と電動モータ25とを備えている。攪拌装置本体24は、複数の羽根26aが所定の間隔を隔てて円周方向に配置された羽根車26が配設されたポンプ部27と、羽根車26の回転によるポンプ作用により貯水槽2内の水を吸引するための吸水部31と、該吸水部31から吸引された水を排出するための排水部32とを備えている。羽根車26は、電動モータ25の回転軸25aに一体的に固定され、回転軸25aの回転に伴って図3に示す矢印Yの方向に回転させられる。排水部32は、ポンプ部27の羽根車26の回転によるポンプ作用により圧送された水が流入して、その流入の勢いにより渦流を発生させる渦流発生部33と、ポンプ部27と渦流発生部33とを接続し、ポンプ部27から渦流発生部33に送水するための連結部34と、渦流発生部33に流入した水が渦流を発生したのち排出される排水口部35とを備えている。吸水部31および排水口部35は円管状に形成されている。
【0020】
また、渦流発生部33で発生した渦流の渦の中心を通る仮想軸芯L1に略沿って排水口部35内に排水通路35aが形成され、水が流れる経路から見て排水通路35aの上流部に、該排水通路35aの断面積が縮小された絞り部36が形成されている。
吸水部31の軸芯L2の方向に沿う中途部には、オゾン含有ガス供給管15と有機物混合液供給管22とがそれぞれ連結されたオゾン含有ガス供給連結管37と有機物混合液供給連結管38とが互いに対向するように軸芯L2に直交する方向にそれぞれ螺着されている。而して、オゾン含有ガス供給管15と有機物混合液供給管22とが、オゾン含有ガス供給連結管37と有機物混合液供給連結管38とをそれぞれ介して吸水部31内と連通している。
【0021】
また、オゾン含有ガス供給連結管37の先端部には、無数の微細な孔を有する有底円筒状のフィルタ41が固定されており、オゾン含有ガス供給管15を介してオゾン含有ガス供給連結管37から排出されたオゾン含有ガスがフィルタ41の無数の孔を通過する際に微細化されて細かな気泡となってフィルタ41から排出される。
【0022】
一方、図1に示すように、貯水槽2の側面部の下部には、水と有機物混合液とオゾン含有ガスとが攪拌装置6によって攪拌されて生成された混合水を、植物を栽培するための土壌に供給するための混合水供給管42の一端部が接続されている。また、本発明でいう混合水供給手段を構成する混合水供給ポンプ43が混合水供給管42の中途部に配設されており、該混合水供給ポンプ43により混合水供給管42を介して混合水が供給される。混合水供給管42における貯水槽2と混合水供給ポンプ43との間には、混合水供給管42内を混合水が流れていないことを検出したとき、その検出信号を、後述するする制御装置50に送信する水流検出センサ44が配設されている。
【0023】
図4に示すように、混合水供給管42の他端部は、3つに分岐して、植物を栽培するための3箇所のビニールハウス45a,45b,45c内にそれぞれ配管され、その配管の中途部には、ビニールハウス45a,45b,45cごとにそれぞれ電磁弁46a,46b,46cが配設されている。そしてさらに、3つに分岐されたそれぞれの先端部は、ビニールハウス45a,45b,45c内に土を盛り上げてできた畝47…のそれぞれの両側に対応するように6つに分岐され、その分岐されたそれぞれの先端部には、連結管48を介して灌水管49…がそれぞれ接続されている。該灌水管49…は、直径が約15ミリメートルで厚さが約150ミクロンの合成樹脂製(例えばポリプロピレン等の合成樹脂材)の管からなり、灌水管49…のそれぞれの先端部は栓部材によって閉鎖されていると共に灌水管49…のそれぞれの側面には、混合水を土の表面に供給するための細孔が一定の間隔を隔てて複数穿設されている。そして、灌水管49…は、前記細孔が下方を指向するようにそれぞれの畝47…の両側に沿って土の表面に設置され、灌水管49…の先端部に設けられた前記栓部材は、地面に打ち込まれた杭によって固定されている。これによって、灌水管49…が設置された位置が畝47…に対してずれたりすることが防止される。
【0024】
上述した貯水槽2,オゾン含有ガス供給装置5,攪拌装置6,オゾン含有ガス供給管15,有機物混合液供給管22,オゾン含有ガス供給連結管37,有機物混合液供給連結管38,フィルタ41,混合水供給管42,混合水供給ポンプ43,水流検出センサ44,電磁弁46a,46b,46c,連結管48等については、少なくともオゾン含有ガスと接触する部材は、オゾン含有ガス中のオゾンによって腐食しないように合成樹脂材またはステンレス鋼材等の耐蝕性を有する部材によって構成されている。
また、上述した電磁弁3,有機物混合液供給ポンプ4,オゾン含有ガス供給装置5,攪拌装置6の電動モータ25,混合水供給ポンプ43および電磁弁46a,46b,46cは、それぞれ電線(図示せず)を介して制御装置50に接続されており、それぞれの動作が該制御装置50によって適宜制御される。制御装置50は、本発明でいう制御手段を構成する。
【0025】
図1に示すように、制御装置50は時刻および経過時間を計測するタイマ50aを内蔵している。また、制御装置50の前面には、混合水供給ポンプ43によって混合水の供給を開始する時刻を設定するための時刻設定部50bが配設されている。時刻設定部50bは、本発明でいう時刻設定手段を構成する。
【0026】
以上のように構成された植物栽培装置1を使用して、ビニールハウス45a,45b,45c内の植物を栽培するための土壌にオゾン含有ガスと有機物混合液と水との混合水を供給するには、まず、その供給を開始したい時刻を作業者が時刻設定部50bを操作して設定する。その時刻は、1日のうちで1回(例えば6時)または複数回(例えば6時と11時と16時との3回)を設定することができる。
図5に示すタイムチャートを用いて説明すると、図5の横軸は時間の経過を示しており、長方形の横方向の長さはそれぞれの動作が行われている時間を示している。同図の(a)は電磁弁3の開弁時期を示しており、(b)は開閉弁14の開弁時期を示しており、(c)は有機物混合液が有機物混合液供給ポンプ4で供給される時期を示しており、(d)はオゾン含有ガスがオゾン含有ガス供給装置5で供給される時期を示しており、(e)は攪拌装置6の電動モータ25が作動する時期を示しており、(f)は混合水が混合水供給ポンプ43で供給される時期を示しており、(g)は電磁弁46aの開弁時期を示しており、(h)は電磁弁46bの開弁時期を示しており、(i)は電磁弁46cの開弁時期を示している。
【0027】
図5は、混合水の供給を開始する時刻として、1日のうちで時刻T11と時刻T21と時刻T31との3つの時刻が時刻設定部50bで設定された場合について示しており、作図の都合上、前記3つの時刻を設定した場合を重ねて図示している。
以下、図5等に基づいて、ビニールハウス45a,45b,45cに、これらの順番に混合水を供給する作業工程について説明する。
【0028】
(1−1)ビニールハウス45aに関する水供給工程
タイマ50aによって計測された時刻が時刻T11より時間ΔT1前の時刻T12に至ったとき、電磁弁3が開弁されて水供給管12を介して水が貯水槽2内に供給され、電磁弁3は、開弁されてから時間ΔT2が経過したことをタイマ50aが計測したとき閉弁される。前記時間ΔT1は、後述する水供給工程,有機物混合液供給工程,オゾン含有ガス供給工程および混合水生成工程の4つの全ての工程が終了するまでに要する時間を考慮して予め設定されている。
また、貯水槽2内の水位が上昇して水の浮力によって浮部材11が上方に回動し上限位置まで変位したとき開閉弁14は閉弁され、水の供給は停止され水供給工程が終了する。図5を見ると分かるように、必ず開閉弁14が閉弁されたのちに電磁弁3が閉弁されるように余裕をみて時間ΔT2が設定されている。
【0029】
(1−2)ビニールハウス45aに関するオゾン含有ガス供給工程,有機物混合液供給工程および混合水生成工程
時刻T12から時間ΔT3が経過したことをタイマ50aが計測したとき、有機物混合液供給ポンプ4とオゾン含有ガス供給装置5と攪拌装置6の電動モータ25とが作動する。これによって、有機物混合液とオゾン含有ガスとがそれぞれ有機物混合液供給管22とオゾン含有ガス供給管15とを介して攪拌装置6の吸水部31内に供給され、貯水槽2内の水と共に吸水部31内に吸引される。吸水部31内に吸引された有機物混合液とオゾン含有ガスと水とは、ポンプ部27の羽根車26の回転によって十分に攪拌されて有機物混合液とオゾン含有ガスと水との混合水が生成されたのち、該混合水は、羽根車26の回転によるポンプ作用により連結部34を介して圧送されて渦流発生部33内に流入し、その流入の勢いにより渦流発生部33内で渦流を発生する。この渦流により混合水は、渦流の仮想軸芯L1回りに回転しながら流速を速めて仮想軸芯L1に接近し、渦流発生部33内に新たに流入して来る混合水の水圧によって排水口部35に送出される。
【0030】
排水口部35に送出された混合水は、排水口部35に形成された絞り部36を通過するときに圧力が急激に上昇したのち絞り部36を通過した直後に圧力が急激に下降するため、この圧力の急激な変化で混合水に溶解しているオゾン含有ガスが一層微細化された状態で排水口部35から排出される。
【0031】
有機物混合液供給ポンプ4が作動してから時間ΔT4が経過したことをタイマ50aが計測したとき、有機物混合液供給ポンプ4の作動が停止されて有機物混合液の供給が停止され、有機物混合液供給工程が終了する。有機物混合液供給ポンプ4の時間ΔT4の作動で約0.4リットルの有機物混合液が供給される。
その後もオゾン含有ガス供給装置5および攪拌装置6は共に作動し続け、タイマ50aによって計測された時刻が時刻T11に至ったとき、両装置5,6は共に作動を停止し、オゾン含有ガス供給工程および混合水生成工程が終了する。これによって、両装置5,6は、約30分間作動し、微細化されたオゾン含有ガスが貯水槽2内の水中に過剰に供給され飽和状態となると共に有機物混合液が貯水槽2内の水と十分混合される。
【0032】
(1−3)ビニールハウス45aに関する混合水供給工程
前記オゾン含有ガス供給工程および混合水生成工程の終了と同時に、混合水供給ポンプ43が作動を開始する。これによって、混合水が混合水供給管42を介して供給される混合水供給工程が開始される。このとき、混合水供給管42に配設された電磁弁46aは、それまで閉弁であった状態から開弁され、混合水供給管42を介して供給された混合水は、電磁弁46aを介してビニールハウス45a内の畝47…の両側に配置された灌水管49…の細孔から畝47…の両側の土の表面に供給される。なお、混合水供給管42に配設された電磁弁46b,46cは、共に閉弁されたままである。
【0033】
貯水槽2内の混合水がなくなって混合水供給管42内を混合水が流れていないことを水流検出センサ44が検出したとき、その検出信号が制御装置50に送信され、混合水供給ポンプ43の作動が停止されると共に電磁弁46aは閉弁される。混合水供給ポンプ43の作動時間は約5分間である。これによって、混合水供給工程が終了する。
ところで、混合水の供給工程が終了すると、灌水管49…の細孔の周囲に付着したまま残存した混合水で土壌中の微生物が繁殖して微生物が分泌した分泌物によって灌水管49…の細孔が閉塞される虞があるが、混合水に含まれているオゾンには微生物の分泌物を分解する作用があるため、該分泌物による灌水管49…の細孔の閉塞は防止される。
【0034】
(2−1)ビニールハウス45bに関する水供給工程
前記混合水供給工程の終了と同時に、電磁弁3が開弁されて水供給管12を介して水が貯水槽2内に再び供給される。電磁弁3は、開弁されてから時間ΔT2が経過したことをタイマ50aが計測したとき閉弁される。
貯水槽2内の水位が上昇して浮部材11が上限位置まで変位したとき開閉弁14は閉弁され、水の供給は停止され水供給工程が終了する。
【0035】
(2−2)ビニールハウス45bに関するオゾン含有ガス供給工程,有機物混合液供給工程および混合水生成工程
電磁弁3が開弁されてから時間ΔT3が経過したことをタイマ50aが計測したとき、有機物混合液供給ポンプ4とオゾン含有ガス供給装置5と攪拌装置6の電動モータ25とが作動する。有機物混合液供給ポンプ4が作動してから時間ΔT4が経過したことをタイマ50aが計測したとき、有機物混合液供給ポンプ4の作動が停止されて有機物混合液の供給が停止され、有機物混合液供給工程が終了する。そして、電磁弁3が開弁されてから時間ΔT1が経過したことをタイマ50aが計測したとき、オゾン含有ガス供給装置5および攪拌装置6は共に作動を停止し、オゾン含有ガス供給工程および混合水生成工程が終了する。
【0036】
(2−3)ビニールハウス45bに関する混合水供給工程
前記オゾン含有ガス供給工程および混合水生成工程の終了と同時に、混合水供給ポンプ43が作動を開始し、混合水が混合水供給管42を介して供給される混合水供給工程が開始される。このとき、混合水供給管42に配設された電磁弁46bは、それまで閉弁であった状態から開弁され、混合水供給管42を介して供給された混合水は、電磁弁46bを介してビニールハウス45b内の畝47…の両側に配置された灌水管49…の細孔から畝47…の両側の土の表面に供給される。
【0037】
貯水槽2内の混合水がなくなって混合水供給管42内を混合水が流れていないことを水流検出センサ44が検出したとき、その検出信号が制御装置50に送信され、混合水供給ポンプ43の作動が停止されると共に電磁弁46bは閉弁される。これによって、混合水供給工程は終了する。
【0038】
(3−1)ビニールハウス45cに関する水供給工程
混合水供給工程の終了と同時に、電磁弁3が開弁されて水供給管12を介して水が貯水槽2内に再び供給される。電磁弁3は、開弁されてから時間ΔT2が経過したことをタイマ50aが計測したとき閉弁される。
貯水槽2内の水位が上昇して浮部材11が上限位置まで変位したとき開閉弁14は閉弁され、水の供給は停止され水供給工程が終了する。
(3−2)ビニールハウス45cに関するオゾン含有ガス供給工程,有機物混合液供給工程および混合水生成工程
電磁弁3が開弁されてから時間ΔT3が経過したことをタイマ50aが計測したとき、有機物混合液供給ポンプ4とオゾン含有ガス供給装置5と攪拌装置6の電動モータ25とが作動する。有機物混合液供給ポンプ4が作動してから時間ΔT4が経過したことをタイマ50aが計測したとき、有機物混合液供給ポンプ4の作動が停止され有機物混合液の供給が停止され、有機物混合液供給工程が終了する。そして、電磁弁3が開弁されてから時間ΔT1が経過したことをタイマ50aが計測したとき、オゾン含有ガス供給装置5および攪拌装置6は共に作動を停止し、オゾン含有ガス供給工程および混合水生成工程が終了する。
【0039】
(3−3)ビニールハウス45cに関する混合水供給工程
オゾン含有ガス供給工程および混合水生成工程の終了と同時に、混合水供給ポンプ43が作動を開始し、混合水が混合水供給管42を介して供給される。このとき、混合水供給管42に配設された電磁弁46cは、それまで閉弁であった状態から開弁され、混合水供給管42を介して供給された混合水は、電磁弁46cを介してビニールハウス45c内の畝47…の両側に配置された灌水管49…の細孔から畝47…の両側の土の表面に供給される。
【0040】
貯水槽2内の混合水がなくなって混合水供給管42内を混合水が流れていないことを水流検出センサ44が検出したとき、その検出信号が制御装置50に送信され、混合水供給ポンプ43の作動が停止されると共に電磁弁46cは閉弁される。これによって、時刻T11における混合水供給に関する第1回目の作業工程が終了する。
【0041】
やがて、タイマ50aによって計測された時刻が時刻T21より時間ΔT1前の時刻T22に至ったとき、上述した(1−1)ないし(3−3)の作業工程(時刻T11における混合水供給に関する第1回目の作業工程)と同様に、時刻T21における混合水供給に関する第2回目の作業工程が行われる。
【0042】
前記第2回目の作業工程が終了したのち、タイマ50aによって計測された時刻が時刻T31より時間ΔT1前の時刻T32に至ったとき、上述した(1−1)ないし(3−3)の作業工程(時刻T11における混合水供給に関する第1回目の作業工程)と同様に、時刻T31における混合水供給に関する第3回目の作業工程が行われる。
【0043】
そして、次の日に変わって、タイマ50aによって計測された時刻が時刻T11より時間ΔT1前の時刻T12に至ったとき、上述した(1−1)ないし(3−3)の時刻T11における混合水供給に関する第1回目の作業工程から前記第3回目の作業工程までが再び繰返される。
このようにして、ビニールハウス45a,45b,45c内の土壌に、設定された時刻T11,T21,T31に一定の容量の混合水が植物にとって必要な期間、毎日供給される。
なお、有機物混合液貯留槽21内の有機物混合液の補充および酸素ボンベ16の交換は作業者が適宜行う。
【0044】
上述したように構成された植物栽培装置1によれば、有機物混合液とオゾン含有ガスとを貯水槽2内で攪拌装置6により攪拌して混合水を生成するようにしたので、攪拌する時間を任意に設定することができ、攪拌する時間を適宜設定することで、有機物混合液とオゾン含有ガスとを貯水槽2内の水と共に繰り返し攪拌することができ、有機物混合液とオゾン含有ガスとが水に均一に混入した混合水を生成することができる。
この結果、前記混合水に混入している有機物は、オゾンにより低分子化されるため、有機物特有の臭いが脱臭され、悪臭に煩わされることがないだけでなく、前記混合水が土壌に供給されたとき、土壌中の微生物の活動に必要な酸素が十分に与えられたことと相俟って、混合水に混入している有機物が微生物によって速やかに分解され、その分解された有機物を直ちに植物の肥料とすることができる。
【0045】
また、この実施の形態による植物栽培装置1によれば、制御装置50の時刻設定部50bによって設定された時刻に至る直前に、水供給工程と有機物混合液供給工程とオゾン含有ガス供給工程と混合水生成工程とが終了するように電磁弁3,有機物混合液供給ポンプ4,オゾン含有ガス供給装置5および攪拌装置6の各作動を制御装置50により制御するようにしたので、混合水の供給を開始する直前に混合水が生成される結果、混合水の供給を開始する前に、混合水中の有機物による腐敗により悪臭が発生することがなく、また、オゾン含有ガスが混合水から空気中に放出されて混合水中に含まれるオゾン含有ガスの濃度が希釈化されることもない。
【0046】
また、この実施の形態による植物栽培装置1によれば、攪拌装置6のポンプ部27の羽根車26の回転によるポンプ作用により、吸水部31からの吸水と排水部32からの排水とを行うと共に、有機物混合液とオゾン含有ガスとを吸水部31内に導入するようにしたので、有機物混合液とオゾン含有ガスとがポンプ部27の羽根車26の回転によって、水と十分攪拌されながら混合水となって排水部32から排出されたのち、該混合水が再び吸水部31から吸引される。このような工程が繰り返されることによって有機物混合液とオゾン含有ガスとが貯水槽2内の水に均一に混入された混合水を生成することができる。
【0047】
また、この実施の形態による植物栽培装置1によれば、渦流を発生させる渦流発生部33を攪拌装置6の排水部32に設けたので、有機物混合液とオゾン含有ガスとが攪拌装置6のポンプ部27の羽根車26の回転によって、水と十分攪拌されたのち、さらに渦流発生部33での渦流によっても攪拌されるので、攪拌が十分に行われ、貯水槽2内の水に対して有機物混合液とオゾン含有ガスとを一層均一に混入させることができる。
【0048】
また、この実施の形態による植物栽培装置1によれば、攪拌装置6の渦流発生部33で発生した渦流の渦の中心を通る仮想軸芯L1に略沿って排水通路35aを形成し、排水通路35aの上流部に絞り部36を形成したので、渦流の流速が最も早い渦の中心部から混合水が絞り部36を通過する際に圧力が急激に変化し、乱流が発生する。このため、この圧力の急激な変化や乱流で混合水に溶解しているオゾン含有ガスが一層微細化され、混合水中にオゾン含有ガスが滞留する時間を長くすることができる。この結果、有機物混合液中の有機物とオゾン含有ガス中のオゾンとの反応が十分に行われる。
【0049】
なお、上述した実施の形態においては、混合水供給管42内を混合水が流れていないことを水流検出センサ44が検出したとき、その検出信号が制御装置50に送信され、混合水供給ポンプ43の作動が停止される例を示したが、本発明は、このような構成に囚われることなく、水流検出センサ44に代えて貯水槽2内に水位検出センサを配設し、該水位検出センサが貯水槽2内の水がなくなったことを検出したとき、その検出信号が制御装置50に送信され、混合水供給ポンプ43の作動が停止されるようにしてもよい。
【0050】
また、この実施の形態においては、電磁弁3を開閉して水供給管12を介して貯水槽2内に水道水を供給するようにしたが、本発明は、このような構成に囚われることなく、貯水タンクを別個に設け、該貯水タンクに予め貯留された水を、専用の給水用ポンプを制御装置50によって作動させ、貯水槽2内に供給するようにしてもよい。その場合は、前記給水用ポンプが本発明でいう水供給手段を構成する。
【0051】
また、この実施の形態においては、有機物混合液供給工程とオゾン含有ガス供給工程と混合水生成工程とを開始する前に水供給工程を終了するようにしたが、本発明は、このような構成に囚われることなく、混合水供給工程を開始すると同時にまたは混合水供給工程を開始する直前に水供給工程が終了するように、単位時間当たりの給水量を少なくして水供給工程の時間を長く設定するようにしてもよい。
【0052】
また、この実施の形態においては、有機物混合液供給工程とオゾン含有ガス供給工程と混合水生成工程とを同時に開始し、かつ、混合水供給工程を開始すると同時にオゾン含有ガス供給工程と混合水生成工程とを共に終了するようにしたが、本発明は、このような構成に囚われることなく、混合水供給工程を開始する直前にオゾン含有ガス供給工程と混合水生成工程とを終了するようにしてもよい。また、混合水生成工程が開始されてから所定の短い時間が経過した後に、有機物混合液供給工程やオゾン含有ガス供給工程を開始するようにしたり、混合水生成工程が終了する直前にオゾン含有ガス供給工程を終了するようにしてもよい。
そのようにしたとしても、混合水の供給が開始される直前に混合水が生成される結果、混合水の供給を開始する前に、混合水中の有機物による腐敗により悪臭が発生することがなく、また、オゾン含有ガスが混合水から空気中に放出されて混合水中に含まれるオゾン含有ガスの濃度が希釈化されることもない。
【0053】
また、この実施の形態においては、酸素に対してオゾンを所定の割合(例えば、容積比でオゾンが3ないし5パーセントで残りが酸素)で混合して生成したオゾン含有ガスを供給するようにしたが、本発明は、このような構成に囚われることなく、他の割合で混合してオゾン含有ガスを生成することもできる。また、酸素に代えて空気に対してオゾンを所定の割合(例えば、容積比でオゾンが0.1ないし1パーセントで残りが空気)で混合して生成したオゾン含有ガスを供給することもできる。
【0054】
また、この実施の形態においては、3箇所のビニールハウス45a,45b,45cのそれぞれについて、畝47は3箇所ずつ設けるようにしたが、本発明は、このような構成に囚われることなく1箇所または4箇所以上の適当な個数の畝を設けるようにしてもよい。また、畝47の長さに応じて灌水管49の長さも適宜変更することができる。
【0055】
さらにまた、この実施の形態においては、3箇所のビニールハウス45a,45b,45cの畝47…に順々に時間をずらして混合水を供給するようにしたが、本発明は、このような構成に囚われることなく、1箇所の畑等に混合水を供給するようにしてもよく、または4箇所以上の畑等に混合水を順々に時間をずらして、もしくは同時に供給するようにしてもよい。その場合は、貯水槽2および有機物混合液貯留槽21のそれぞれの容量や電磁弁3,有機物混合液供給ポンプ4,オゾン含有ガス供給装置5,攪拌装置6および混合水供給ポンプ43のそれぞれの作動時期を制御装置50により適宜制御するようにする。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は本発明に係る植物栽培装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は本発明でいう攪拌手段を構成する攪拌装置を、一部を破断して示した断面図である。
【図3】図3は図2の矢視A−A線に沿う断面図である。
【図4】図4は本発明に係る植物栽培装置を使用して土壌に混合液を供給する配管の構成を示すブロック図である。
【図5】図5は本発明に係る植物栽培装置を使用して土壌に混合液を供給する際のタイムチャートである。
【符号の説明】
【0057】
1 植物栽培装置
2 貯水槽
3 電磁弁(水供給手段)
4 有機物混合液供給ポンプ(有機物混合液供給手段)
5 オゾン含有ガス供給装置(オゾン含有ガス供給手段)
6 攪拌装置(攪拌手段)
26 羽根車
26a 羽根
27 ポンプ部
31 吸水部
32 排水部
33 渦流発生部
35 排水口部
35a 排水通路
36 絞り部
43 混合水供給ポンプ(混合水供給手段)
50 制御装置(制御手段)
50b 時刻設定部(時刻設定手段)
L1 仮想軸芯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯水槽と、
前記貯水槽に水を供給するための水供給手段と、
有機物と水分とを含む有機物混合液を前記貯水槽内に供給するための有機物混合液供給手段と、
組成ガスとしてオゾンを含むオゾン含有ガスを前記貯水槽内に供給するためのオゾン含有ガス供給手段と、
前記貯水槽内に前記各手段により供給された水と有機物混合液とオゾン含有ガスとを前記貯水槽内で攪拌する攪拌手段と、
前記水と有機物混合液とオゾン含有ガスとが前記攪拌手段によって攪拌されて生成された混合水を、植物を栽培するための土壌に供給するための混合水供給手段と、
前記混合水供給手段によって前記混合水の供給を開始する時刻を設定するための時刻設定手段と、
前記水供給手段を作動させて予め設定された容量の水を前記貯水槽に供給する水供給工程と、前記有機物混合液供給手段を作動させて予め設定された容量の有機物混合液を前記貯水槽に供給する有機物混合液供給工程と、前記オゾン含有ガス供給手段を作動させて予め設定された容量のオゾン含有ガスを前記貯水槽に供給するオゾン含有ガス供給工程と、前記攪拌手段を作動させて前記水と有機物混合液とオゾン含有ガスとを攪拌して混合水を生成する混合水生成工程と、前記時刻設定手段によって設定された時刻に前記混合水供給手段を作動させて植物を栽培するための土壌に前記混合水の供給を開始する混合水供給工程とを行わせる制御手段とを備えた植物栽培装置であって、
前記混合水供給工程を開始すると同時にまたは前記混合水供給工程を開始する直前に、前記水供給工程と前記混合水生成工程とのうち少なくとも前記混合水生成工程を終了するようにし、かつ、前記混合水生成工程における始期に前記有機物混合液供給工程を行うようにすると共に前記混合水生成工程における終期に前記オゾン含有ガス供給工程を終了するように前記水供給手段,前記有機物混合液供給手段,前記オゾン含有ガス供給手段および前記攪拌手段の各作動を前記制御手段により制御するようにした植物栽培装置。
【請求項2】
請求項1に記載の植物栽培装置において、
前記攪拌手段は、前記貯水槽内の水を吸引するための吸水部と、
前記吸水部から吸引された水を排出するための排水部と、
複数の羽根が円周方向に並設された羽根車が配設されたポンプ部とを備え、
前記羽根車の回転によるポンプ作用により、前記吸水部からの吸水と前記排水部からの排水とを行うと共に、
前記有機物混合液供給手段によって供給された有機物混合液と前記オゾン含有ガス供給手段によって供給されたオゾン含有ガスとを前記吸水部内に導入するようにしたことを特徴とする植物栽培装置。
【請求項3】
請求項2に記載の植物栽培装置において、
前記排水部は、前記ポンプ部から圧送された水が流入して、その流入の勢いにより渦流を発生させる渦流発生部と、
前記渦流発生部に流入した水が渦流を発生したのち排出される排水口部とを備えたことを特徴とする植物栽培装置。
【請求項4】
請求項3に記載の植物栽培装置において、
前記渦流発生部で発生した渦流の渦の中心を通る仮想軸芯に略沿って前記排水口部内に排水通路を形成し、
水が流れる経路から見て前記排水通路の上流部に、前記排水通路の断面積が縮小された絞り部を形成したことを特徴とする植物栽培装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−72903(P2008−72903A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−252400(P2006−252400)
【出願日】平成18年9月19日(2006.9.19)
【出願人】(591211711)カルト株式会社 (20)