説明

植物生育抑制装置及びこれを用いた植物生育抑制方法

【課題】重曹を用いて雑草を効果的に矮化あるいは枯死させることができる植物生育抑制装置を提供する。
【解決手段】本装置は、粒状物(砂9)を噴射する粒状物噴射手段3と、重曹水溶液10を噴射する重曹噴射手段4と、を備えた植物生育抑制装置1であって、上記粒状物噴射手段3及び上記重曹噴射手段4の両方から対象の植物に向けて噴射する。上記粒状物噴射手段3及び上記重曹噴射手段4は同時に噴射することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物生育抑制装置及びこれを用いた植物生育抑制方法に関し、さらに詳しくは、重曹を用いて効果的に直物の生育を抑制することができる植物生育抑制装置及びこれを用いた植物生育抑制方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、街路樹や公園の草花や芝生や高速道路の中央分離帯など、街中の僅かな空間にも植物が植生されている。このような街中の植物は人々に心理的に安らぎを与えるだけでなく、二酸化炭素を吸収したり気温の上昇を抑えたりするなど、地球温暖化の防止に貢献するもので、その価値は益々高まっている。これらの植物を良好に維持するためには周囲の雑草の処理が不可欠である。このような雑草の除草方法としては、かつては除草剤(農薬)の散布が主流であった。しかし、除草剤は殆どが合成化合物を主成分とするものであり、環境汚染の恐れを考慮すると濃度を十分に低くして使用しなければならず、必要な除草効果を得られない場合がある。
【0003】
そこで、近年では除草剤の代わりに、特定農薬である重曹を用いた除草方法が開発されている。この重曹を用いた除草方法としては、例えば、重曹粉体または重曹懸濁液を植物に衝突させて組織に傷をつけ、雑草を枯死させる方法が知られている(特許文献1)。また、重曹の水溶液を小型のウッドチップに含浸させて土壌表面に敷き詰め、雑草の生育を抑制する方法が知られている(特許文献2)。更には、重曹の水溶液を100〜2500kgf/cmの吐出圧力で雑草にブラストし、除草する方法が知られている(特許文献3)。
【0004】
しかし、上述した重曹粉体または重曹懸濁液を植物に衝突させて組織に傷をつける方法では、重曹粉体または重曹懸濁液は植物を傷つけるためにも用いられるので、傷つけるために用いられた重曹粉体または重曹懸濁液は植物に染み込むことなく落下して無駄になってしまい割高になってしまう。しかも、重曹粉体または重曹懸濁液は比較的軟らかいので、植物の損傷を大きくすることが困難である。このため、雑草の生育を効率よく抑制することが困難である。また、重曹の水溶液を小型のウッドチップに含浸させて土壌表面に敷き詰める方法では、既に生えている雑草を除草するためにはウッドチップから土壌に染み出した重曹を雑草の根が吸収する必要があり、即効性に欠ける。更に、重曹の水溶液を100〜2500kgf/cmの吐出圧力で雑草にブラストする方法では、水溶液により雑草を傷つけるために通常の散布に比べて非常に高い吐出圧力にしなければならず、大型のブラスト装置を使用しなければならず作業が煩雑になってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−18919号公報
【特許文献2】特開2003−201206号公報
【特許文献3】特開2003−277209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、重曹を用いて雑草を効果的に矮化あるいは枯死させることができる植物生育抑制装置及びこれを用いた植物生育抑制方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の通りである。
1.粒状物を噴射する粒状物噴射手段と、重曹水溶液を噴射する重曹噴射手段と、を備えた植物生育抑制装置であって、
上記粒状物噴射手段及び上記重曹噴射手段の両方から対象の植物に向けて噴射することを特徴とする植物生育抑制装置。
2.上記粒状物噴射手段及び上記重曹噴射手段は同時に噴射する上記1.記載の植物生育抑制装置。
3.上記重曹噴射手段は、上記粒状物噴射手段により噴射された粒状物の周囲を囲うように上記重曹水溶液を噴射する上記1.又は2.に記載の植物生育抑制装置。
4.上記粒状物は砂である上記1.乃至3.のいずれか一項に記載の植物生育抑制装置。
5.上記重曹水溶液は、重曹の濃度が5〜6重量%である上記1.乃至4.のいずれか一項に記載の植物生育抑制装置。
6.上記重曹水溶液は、重曹の濃度が6〜8重量%である上記1.乃至4.のいずれか一項に記載の植物生育抑制装置。
7.上記請求項1.乃至6.のいずれか一項に記載の植物生育抑制装置を用いた植物生育抑制方法であって、
上記粒状物噴射手段から噴射した上記粒状物により対象の植物に微小な傷を形成すると共に、上記重曹噴射手段から噴射した上記重曹水溶液を上記傷に染み込ませることにより上記植物の生育を抑制することを特徴とする植物生育抑制方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の植物生育抑制装置によると、粒状物噴射手段から粒状物を噴射すると共に重曹噴射手段から重曹水溶液を噴射して、両方を対象の植物に別々に噴き付けるので、粒状物により植物に形成された傷に重曹水溶液が染み込むようになり、これにより植物を矮化あるいは枯れ死させることができる。このため、粒状物が植物を傷つけるので、従来のように重曹粉体または重曹懸濁液が植物を傷つける場合に比べ、割高になることを抑制することができる。また、植物を傷つけて重曹を染み込ませているので、重曹の水溶液を小型のウッドチップに含浸させて土壌表面に敷き詰める場合に比べて高い即効性を得ることができる。更に、粒状物を利用して植物を傷つけているので、従来のように重曹水溶液を極めて高い吐出圧力で噴射することにより傷つける場合に比べて遥かに低い吐出圧力に設定することができ、低圧力かつ少量で効率よく、また噴射装置の小型軽量化を図り作業性を高めることができる。なお、重曹水溶液の濃度により植物の生育の抑制の程度を変えることができる。即ち、比較的薄い濃度の重曹水溶液を使用することにより、植物を枯らさずに矮化させることができる。このため、雑草を枯らさない程度に保ったままにして管理することができる。一方、比較的濃い濃度の重曹水溶液を使用することにより、雑草を枯らして必要な植物だけを残して管理することができる。
また、粒状物噴射手段からの粒状物と重曹噴射手段からの重曹水溶液とが同時に噴射される場合は、重曹水溶液の付着していない部分に粒状物により傷を付けてから重曹水溶液が付着して傷から染み込んだり、あるいは重曹水溶液が付着した部分に粒状物により傷を付けると同時に重曹水溶液がその傷から染み込んだりするようにできる。従って、粒状物による傷つけと重曹水溶液の傷からの染み込みが連続してなされるので、粒状物と重曹水溶液の噴射を別個に行う場合に比べて作業時間を短縮することができる。
また、重曹噴射手段が粒状物噴射手段により噴射された粒状物の周囲をカーテン状に囲うように重曹水溶液を噴射する場合は、粒状物が作業箇所の周囲に飛散して作業者に掛かってしまうことを防止できる。
また、粒状物が砂である場合は、砂は植物よりも十分に硬くかつ角部は鋭いので、従来のように比較的軟らかい重曹粉体または重曹懸濁液を噴き付ける場合に比べ、少量かつ低吐出圧力で同程度の植物の損傷を図ることができるようになる。
また、重曹水溶液の重曹の濃度が5〜6重量%である場合は、雑草の成長を止めて枯らすことなく矮化を図ることができる。
さらに、重曹水溶液の重曹の濃度が6〜8重量%である場合は、雑草を効率よく枯らすことができる。
【0009】
本発明の植物生育抑制方法によると、粒状物噴射手段から噴射した粒状物により対象の植物に微小な傷を形成すると共に、重曹噴射手段から噴射した重曹水溶液を傷に染み込ませ、これらにより植物の生育を抑制するので、迅速かつ効率よく、しかも作業性よく雑草の生育の抑制を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施例に係る植物生育抑制装置の使用状態を示す図であり、(A)は縦断面側面図、(B)は斜視図である。
【図2】上記植物生育抑制装置を地面からの距離を異ならせて使用した状態を比較して示す側面図であり、(A)は近づけた場合、(B)は遠ざけた場合をそれぞれ示す。
【図3】上記植物生育抑制装置の使用形態を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る植物生育抑制装置は、粒状物を噴射する粒状物噴射手段と、重曹水溶液を噴射する重曹噴射手段と、を備えたものである。
【0012】
上記「粒状物」は、対象の植物に向けて噴射されて傷を付ける限り、その大きさ、形状、材質、量等は特に問わない。粒状物としては、例えば、砂や土や石の破砕物とすることができる。粒状物の大きさは、通常、0.2〜1.2mm(好ましくは0.5〜0.8mm)である。
【0013】
上記「粒状物噴射手段」は、粒状物を対象の植物に向けて噴射して傷を付ける限り、その吐出圧力、吐出量、形状、大きさ、構造、数量等は特に問わない。
【0014】
上記「重曹水溶液」は、対象の植物に形成された傷から染み込んでその植物の生育を抑制する限り、その濃度、量、他の成分の含有等は特に問わない。植物の抑制の態様としては、枯れ死、あるいは枯れない程度に僅かに成長する矮化がある。重曹水溶液の重曹の濃度としては、植物を矮化させる程度であれば約3〜6重量%(好ましくは5〜6重量%)、植物を枯死させるのであれば約6〜8重量%(好ましくは6〜12重量%)とすることが好ましい。
【0015】
上記「重曹噴射手段」は、重曹水溶液を傷ついた対象の植物に向けて噴射して植物の傷に染み込ませて生育を抑制する限り、その吐出圧力、吐出量、形状、大きさ、構造、数量等は特に問わない。この重曹噴射手段は、粒状物噴射手段により噴射された粒状物の周囲を囲うように重曹水溶液を噴射するようにできる。この場合、重曹水溶液は中空円錐形状あるいは中空円柱形状に噴射するようにする。この重曹噴射手段は、例えば、上記流状物噴射手段の吐出口を囲むように設けられる噴射口を有することができる。具体的には、例えば、上記粒状物噴射手段は、筒状本体と、この筒状本体の先端側に設けられる吐出口とを有し、上記重曹噴射手段は、筒状本体の外周側に設けられる容器状本体と、この容器状本体の先端底面側に設けられ且つ吐出口を囲むように設けられる噴射口と、を有していることができる(例えば、図1(A)等参照)。この噴射口の配置形態としては、例えば、多数の噴射口を環状に配置してもよいし、1本の環状の噴射口を設けるようにしてもよい。
【0016】
上記粉状物噴射手段及び重曹噴射手段としては、例えば、ブラスト装置を使用することができる。また、粒状物噴射手段及び重曹噴射手段の各噴射は同時、あるいは別々にするようにできる。
【0017】
本発明に係る植物生育抑制方法は、粒状物噴射手段から噴射した粒状物により対象の植物に微小な傷を形成すると共に、重曹噴射手段から噴射した重曹水溶液を傷に染み込ませることにより植物の生育を抑制するものである。この植物生育抑制方法では、例えば、上記流状物噴射手段及び上記重曹噴射手段を移動させて、重曹水溶液の付着していない部分に粒状物により傷を付けてから重曹水溶液を付着させて染み込ませたり、重曹水溶液が付着した部分に粒状物により傷を付けて重曹水溶液がその傷から染み込ませたりすることができる(例えば、図3等参照)。
【実施例】
【0018】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
【0019】
(1)植物生育抑制装置の構成
本実施例に係る植物生育抑制装置1は、ブラスト装置を使用している。このブラスト装置は、ノズル2を有している。このノズル2は、中心部に設けられた粒状物噴射手段3と、その周囲を囲む重曹噴射手段4とを一体に備えている。
【0020】
上記粒状物噴射手段3は、筒状の本体3aと、この本体3aの先端側に形成された円形状の吐出口5と、本体3aの基端側に形成されたホース取り付け部6とを有している。このため、粒状物噴射手段3からの吐出物は柱状又は中実円錐状に噴き出される。また、上記重曹噴射手段4は、本体3aの外周側に設けられる容器状の本体4aと、この本体4aの先端底面側に形成されその先端部が外側を向いた多数の噴出口7と、この本体4aの基端側の一部に形成されたホース取り付け部8とを有している。これら多数の噴射口7は、上記吐出口5を囲むようにリング状に配置されている。このため、重曹噴射手段4からの吐出物は中空円錐状に噴き出される。なお、上記本体3aの先端側外周面と本体4aの先端側内周面との間には、所定量の重曹水溶液を貯留し得る貯留空間Sが形成されている。、また、本体3aの後端側外周面と本体4aの後端側内周面とは接合されている。
【0021】
また、上記粒状物噴射手段3及び重曹噴射手段4の各ホース取り付け部6,8はいずれもホースに連結されている。更に、このホースは本体に連結されている。なお、上記ブラスト装置のホースと本体については、既知のあるいは新規の適宜なものを採用することができるので、詳細な説明は省略する。
【0022】
上記粒状物噴射手段3からは空気と共に吐出物として砂9が噴き出される。即ち、本体に砂9を貯留し、これを本体のポンプにより空気と共にホースを介して粒状物噴射手段3から噴き出すようにしている。ここでの砂9としては、直径が最大で1.2mm程度のものを使用している。また、上記重曹噴射手段4からは吐出物として重曹水溶液10が噴き出される。即ち、本体に重曹水溶液10を貯留し、これを本体のポンプによりホースを介して重曹噴射手段4から噴き出すようにしている。ここでの重曹水溶液10の重曹の濃度としては、5〜6重量%としている。
【0023】
(2)植物生育抑制装置の作用
次に、上記構成の植物生育抑制装置1の作用について説明する。
【0024】
植物生育抑制装置1の稼動時は、粒状物噴射手段3から砂9が柱状に噴き出されると同時に、重曹噴射手段4から重曹水溶液10が中空円錐状に噴き出される。この状態より、図3に示すように、作業者により植物生育抑制装置1を所望の方向Fに移動させると、最初に砂9が噴き付けられた雑草には微小な傷が多数形成され、その後、その雑草に重曹水溶液10が噴き付けられて付着して傷から染み込む。一方、最初に重曹水溶液10が噴き付けられた雑草には重曹水溶液10が付着し、その後、砂9が噴き付けられて微小な傷が多数形成され、その傷から重曹水溶液が染み込む。これにより、雑草の組織中に重曹水溶液10が吸収され、雑草の生育が抑制されて矮化されるようになり、雑草も緑の一部として残存される。
【0025】
また、図2に示すように、ノズル2と地面11との距離を変更することにより、重曹水溶液10の噴き出し範囲を変更することができる。例えば、ノズル2を地面11に近づけることにより、重曹水溶液10の噴き出し範囲を狭くすることができる(図2(A)参照)。これは比較的狭い間隔で花が植えられた花壇等の管理に適している。一方、ノズル2を地面11から遠ざけることにより、重曹水溶液10の噴き出し範囲を広くすることができる(図2(B)参照)。これは例えば樹木の間や芝生などのように広い範囲を一律に矮化する等の管理に適している。
【0026】
(3)実施例の効果
本実施例の植物生育抑制装置1によると、粒状物噴射手段3から砂9を噴射すると共に重曹噴射手段4から重曹水溶液10を噴射して、両方を対象の植物に別々に噴き付けるようにしたので、砂9により植物に形成された傷に重曹水溶液10が染み込むようになり、これにより植物を矮化させることができる。このため、従来の重曹を利用した除草方法に比べて低圧力かつ少量で効率よく、簡易かつ安価で作業性よく矮化を図ることができるようになる。
【0027】
また、本実施例では、粒状物噴射手段3からの砂9と重曹噴射手段4からの重曹水溶液10とを同時に噴射しているので、砂9による傷形成と重曹水溶液10の傷からの染み込みが連続してなされるようになり効率よく矮化を図ることができる。
【0028】
また、本実施例では、重曹水溶液10の重曹の濃度が5〜6重量%であるので、雑草を枯らすことなく矮化を図ることができる。このため、必要以上に植物を枯らしてしまうことを抑制し、雑草をも緑の一部として維持することができる。
【0029】
また、本実施例では、重曹噴射手段4が砂9の周囲をカーテン状に囲うように重曹水溶液10を噴射しているので、砂9が周囲に飛散して作業者や必要な植物等に掛かってしまうことを防止できる。
【0030】
さらに、本実施例では、粒状物が砂9であるので、砂9は植物よりも十分に硬くかつ角部は鋭いので、従来のように比較的軟らかい重曹粉体または重曹懸濁液を噴き付ける場合に比べ、少量かつ低吐出圧力で同程度の植物の損傷を図ることができるようになる。特に、砂9が破砕して得られたものであることが好ましい。
【0031】
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記実施例では、重曹噴射手段4に本体のポンプにより重曹水溶液10を供給する構造としたが、これに限定されず、例えば粒状物噴射手段3の噴き出し時の負圧を利用して重曹水溶液10を吸引して噴き出させる構造としてもよい。この場合、重曹水溶液10を吐出するためのポンプを不要とすることができる。
【0032】
また、上記実施例では、重曹の濃度を5〜6重量%としたが、これに限定されず、例えば、6〜8重量%としてもよい。この場合、雑草を効率よく枯らすことができ、必要な植物だけを残して管理することができる。
【0033】
また、上記実施例では、粒状物として砂9を使用したが、これに限定されず、例えば石の粉砕物や土を使用してもよい。
【0034】
また、上記実施例では、重曹噴射手段4が砂9の周囲を囲うように重曹水溶液10を噴射しているが、これに限定されず、例えば、重曹水溶液10も柱状又は中実円錐状に噴き出すようにしてもよい。この場合、ノズル2の構造を簡素化することができる。
【0035】
さらに、上記実施例では、粒状物噴射手段3からの砂9と重曹噴射手段4からの重曹水溶液10とを同時に噴射しているが、これに限定されず、順に別々に噴き出すようにしてもよい。例えば、先に砂9を噴き出して、その直後に重曹水溶液10を噴き出すようにしたり、あるいはその逆としたりすることができる。
【0036】
また、上記実施例では、重量噴射手段4から噴射される中空円錐状の吐出物の厚さt(図1(A)参照)を一定値としたが、これに限定されず、例えば、中空円錐状の膜厚さが下方に向かって広がるように噴射口を設けるようにしてもよい。
【0037】
さらに、上記実施例では、重曹噴射手段4として多数の噴射口7を備えるものを例示したが、これに限定されず、例えば、1本のリング状の噴射口を供える重量噴射手段としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
雑草などの植物の生育を抑制するための技術として利用される。特に、重曹を用いて効果的に植物の生育を抑制する技術として好適に利用される。
【符号の説明】
【0039】
1;植物生育抑制装置、2;ノズル、3;粒状物噴射手段、4;重曹噴射手段、9;砂、10;重曹水溶液。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状物を噴射する粒状物噴射手段と、重曹水溶液を噴射する重曹噴射手段と、を備えた植物生育抑制装置であって、
上記粒状物噴射手段及び上記重曹噴射手段の両方から対象の植物に向けて噴射することを特徴とする植物生育抑制装置。
【請求項2】
上記粒状物噴射手段及び上記重曹噴射手段は同時に噴射する請求項1記載の植物生育抑制装置。
【請求項3】
上記重曹噴射手段は、上記粒状物噴射手段により噴射された粒状物の周囲を囲うように上記重曹水溶液を噴射する請求項1又は2に記載の植物生育抑制装置。
【請求項4】
上記粒状物は砂である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の植物生育抑制装置。
【請求項5】
上記重曹水溶液は、重曹の濃度が5〜6重量%である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の植物生育抑制装置。
【請求項6】
上記重曹水溶液は、重曹の濃度が6〜8重量%である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の植物生育抑制装置。
【請求項7】
上記請求項1乃至6のいずれか一項に記載の植物生育抑制装置を用いた植物生育抑制方法であって、
上記粒状物噴射手段から噴射した上記粒状物により対象の植物に微小な傷を形成すると共に、上記重曹噴射手段から噴射した上記重曹水溶液を上記傷に染み込ませることにより上記植物の生育を抑制することを特徴とする植物生育抑制方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−254625(P2010−254625A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−107106(P2009−107106)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(509119371)綜合管理サービス株式会社 (1)
【Fターム(参考)】