検体分析システム、検体分析装置および管理装置
【課題】検査室への取扱説明書の設置に関し、サービスマンの負担を軽減することが可能な検体分析システム、検体分析装置および管理装置を提供する。
【解決手段】検体分析システム1は、検体分析装置3と、検体分析装置3と通信ネットワーク4を介して接続された管理装置2を備える。管理装置2は、情報処理装置31上で実行されるコンピュータプログラムと、コンピュータプログラムのバージョンに対応した電子マニュアルを記憶している。情報処理装置31は、管理装置2から、コンピュータプログラムと電子マニュアルを受信して記憶し、受信したプログラムを用いて分析装置32〜34を制御する。これにより、コンピュータプログラムに対応した取扱説明書を、サービスマンが検体分析装置3の設置場所まで持参する必要がなくなり、サービスマンの負担を軽減することが可能となる。
【解決手段】検体分析システム1は、検体分析装置3と、検体分析装置3と通信ネットワーク4を介して接続された管理装置2を備える。管理装置2は、情報処理装置31上で実行されるコンピュータプログラムと、コンピュータプログラムのバージョンに対応した電子マニュアルを記憶している。情報処理装置31は、管理装置2から、コンピュータプログラムと電子マニュアルを受信して記憶し、受信したプログラムを用いて分析装置32〜34を制御する。これにより、コンピュータプログラムに対応した取扱説明書を、サービスマンが検体分析装置3の設置場所まで持参する必要がなくなり、サービスマンの負担を軽減することが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体を分析する検体分析装置、検体分析装置とネットワークを介して接続された管理装置、および、検体分析装置と管理装置を備える検体分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信ネットワークを介してサーバと通信可能に接続された検体分析装置が知られている。
【0003】
たとえば、以下の特許文献1には、自動分析装置と通信ネットワークを介して通信可能に接続されたサーバが、自動分析装置から受信したコンピュータプログラムのバージョン情報に基づいてバージョンアップが必要なコンピュータプログラムを抽出し、この抽出したコンピュータプログラムを自動分析装置へ送信するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−85885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような検体分析装置が配置される検査室には、ユーザが検体分析装置を適切に使用できるように、検体分析装置を制御するコンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書を設置することが望まれている。しかしながら、上記特許文献1に記載のシステムでは、自動分析装置のコンピュータプログラムがバージョンアップされた場合には、バージョンアップ後のコンピュータプログラムに対応した取扱説明書をサービスマンが検査室に持参して設置する必要があり、サービスマンにかかる負担が重くなっていた。
【0006】
本発明は、上記要求に鑑みてなされたものであり、検査室への取扱説明書の設置に関し、サービスマンの負担を軽減することが可能な検体分析システム、検体分析装置および管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、検体分析システムに関する。本態様に係る検体分析システムは、検体を分析する検体分析装置、および、当該検体分析装置と通信ネットワークを介して接続された管理装置を備える。ここで、前記管理装置は、前記検体分析装置用のコンピュータプログラム、および、当該コンピュータプログラムのバージョンに対応し、前記検体分析装置の取り扱い方法が記述された取扱説明書データを記憶する第1記憶部と、前記検体分析装置との通信を行う第1通信部と、前記第1記憶部に記憶されているコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを、前記第1通信部を介して前記検体分析装置に送信する第1制御部と、を含んでいる。前記検体分析装置は、前記第1通信部との通信を行い、当該第1通信部から送信されたコンピュータプログラムおよび取扱説明書データを受信する第2通信部と、前記第2通信部が受信したコンピュータプログラムおよび取扱説明書データを記憶する第2記憶部と、前記第2記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを実行する第2制御部と、を含んでいる。
【0008】
本態様に係る検体分析システムによれば、管理装置から、コンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データが検体分析装置
に送信される。これにより、たとえば、コンピュータプログラムのバージョンアップを行う場合に、バージョンアップ後の取扱説明書をサービスマンが検体分析装置側に持参する必要がない。よって、検査室への取扱説明書の設置に関し、サービスマンの負担を軽減することが可能となる。
【0009】
本態様に係る検体分析システムにおいて、前記検体分析装置の前記第2記憶部には、前記検体分析装置用の第1コンピュータプログラムが記憶されており、前記管理装置の前記第1制御部は、前記第1コンピュータプログラムのバージョンよりも新しいバージョンの第2コンピュータプログラムを、前記第1通信部を介して前記検体分析装置に送信する場合には、当該第2コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを、前記第1通信部を介して前記検体分析装置に送信する構成とされ得る。こうすると、コンピュータプログラムのバージョンアップを行う場合に、新しいコンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを検体分析装置に届けることができ、サービスマンの負担を軽減することができる。
【0010】
ここで、前記検体分析装置の前記第2制御部は、前記第2記憶部に記憶されている前記第1コンピュータプログラムのバージョン情報を、前記第2通信部を介して、前記管理装置に送信し、前記管理装置の前記第1制御部は、前記検体分析装置から前記第1通信部を介して受信した前記第1コンピュータプログラムのバージョン情報に基づいて、前記第1コンピュータプログラムより新しいバージョンの前記第2コンピュータプログラムが前記第1記憶部に記憶されているか否かを判断し、前記第2コンピュータプログラムが前記第1記憶部に記憶されている場合に、前記第2コンピュータプログラムおよび当該第2コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを、前記第1通信部を介して、前記検体分析装置に送信する構成とされ得る。こうすると、管理装置は、バージョンが新しいコンピュータプログラムおよびそのバージョンに対応した取扱説明書データのみを検体分析装置に送信するため、通信負荷・通信時間等を削減することができる。
【0011】
また、前記検体分析装置の前記第2制御部は、前記第2コンピュータプログラムを実行可能な状態に設定する場合、前記第2記憶部に記憶されている前記第1コンピュータプログラムおよび当該第1コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを保存する構成とされ得る。こうすると、新しいバージョンのコンピュータプログラムが実行可能な状態に設定された後に、再度、古いバージョンのコンピュータプログラムを容易に実行可能な状態に設定することができる。また、その場合に、古いバージョンに対応する取扱説明書データを参照して円滑に検体分析動作を行うことができる。
【0012】
また、本態様に係る検体分析システムにおいて、前記検体分析装置の前記第2制御部は、前記管理装置から送信されたコンピュータプログラムを前記第2記憶部に格納し、当該第2記憶部に格納されたコンピュータプログラムを自動的に実行可能な状態に設定する構成とされ得る。こうすると、ユーザの手を介することなく、管理装置から受け取ったコンピュータプログラムを検体分析装置上で実行可能な状態に設定することができる。
【0013】
ここで、前記第2制御部は、前記検体分析装置の電源が投入されたときに、前記第2記憶部に格納された前記コンピュータプログラムを実行可能な状態に設定する構成とされ得る。こうすると、検体分析装置の電源が投入された時に自動的にコンピュータプログラムが実行可能な状態に設定されるため、新しく実行可能な状態に設定されたコンピュータプログラムで検体の分析を行なうことができる。また、検体分析装置の電源投入時以外には新たにコンピュータプログラムが検体分析装置に実行可能な状態に設定されないため、例えば分析動作の途中で、コンピュータプログラムの変更により分析条件が変更されることを防止することができる。
【0014】
また、本態様に係る検体分析システムにおいて、前記検体分析装置の前記第2制御部は、前記管理装置から送信されたコンピュータプログラムを実行可能な状態に設定する前に、前記検体分析装置に保存されている情報をバックアップする構成とされ得る。こうすると、新しいバージョンのコンピュータプログラムを実行可能な状態に設定する際に不具合が発生した場合でも、検体分析装置を、バックアップされた状態に戻すことが容易となる。なお、バックアップされる情報は、コンピュータプログラムや取扱説明書データの他、検体分析装置に保存されている一切の情報を含むものである。
【0015】
また、本態様に係る検体分析システムにおいて、前記検体分析装置の前記第2記憶部は、前記管理装置から送信されたコンピュータプログラムが格納される第1記憶領域と、前記第2制御部により実行されるコンピュータプログラムが格納される第2記憶領域とを含み、前記第2制御部は、前記管理装置から送信されたコンピュータプログラムを前記第2記憶部の前記第1記憶領域から前記第2記憶領域に移すことで、前記コンピュータプログラムを実行可能な状態に設定する構成とされ得る。こうすると、新しいバージョンのコンピュータプログラムを、円滑に実行可能な状態とすることができる。
【0016】
また、本態様に係る検体分析システムにおいて、前記管理装置の前記第1制御部は、一回の送信手順により、コンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを、前記第1通信部を介して、前記検体分析装置に送信する構成とされ得る。こうすると、コンピュータプログラムとそのコンピュータプログラム用の取扱説明書データとを同じタイミングで受信することができるため、検体分析装置はそれらを対応付けて管理することが容易となる。
【0017】
また、本態様に係る検体分析システムにおいて、前記管理装置の前記第1記憶部に記憶されたコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データが前記管理装置から前記検体分析装置に自動的に送信されるか否かを設定する自動送信設定手段を備える構成とされ得る。こうすると、ユーザの都合に合わせて、コンピュータプログラムおよび取扱説明書データのダウンロードの時期を決定することができる。これにより、たとえば、コンピュータプログラムの種類によっては、新しいバージョンのコンピュータプログラムを使用せず、ユーザが慣れているバージョンのコンピュータプログラムの使用を継続することも可能となる。
【0018】
また、本態様に係る検体分析システムにおいて、前記管理装置の前記第1記憶部は、一のバージョンのコンピュータプログラムに対応する取扱説明書データとして、第1の言語で記載された第1取扱説明書データおよび第2の言語で記載された第2取扱説明書データを記憶し、前記管理装置の前記第1制御部は、前記検体分析装置における取扱説明書の言語の設定情報に基づいて、前記第1取扱説明書データまたは前記第2取扱説明書データを、前記第1通信部を介して前記検体分析装置に送信する構成とされ得る。こうすると、検体分析装置のユーザが用いる言語で記載された取扱説明書データを送付することができる。
【0019】
ここで、前記検体分析装置の前記第2制御部は、前記第2通信部を介して、前記言語の設定情報を前記管理装置に送信し、前記管理装置の前記第1制御部は、前記検体分析装置から送信された前記言語の設定情報を、前記第1通信部を介して受信する構成とされ得る。
【0020】
また、前記検体分析装置の前記第2記憶部には、前記検体分析装置用のコンピュータプログラムが記憶されており、前記検体分析装置の第2制御部は、前記第2記憶部に記憶されているコンピュータプログラムのバージョン情報と対応付けて、前記言語の設定情報を、前記第2通信部を介して前記管理装置に送信する構成とされ得る。
【0021】
本発明の第2の態様は、管理装置と通信ネットワークを介して接続された検体分析装置に関する。本態様に係る検体分析装置は、前記管理装置からコンピュータプログラム、および、当該コンピュータプログラムのバージョンに対応し、前記検体分析装置の取り扱い方法が記述された取扱説明書データを受信する受信部と、前記受信部により受信されたコンピュータプログラムおよび取扱説明書データを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを実行する制御部と、を備える。
【0022】
本態様に係る検体分析装置によれば、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【0023】
本発明の第3の態様は、検体を分析する検体分析装置と通信ネットワークを介して接続された管理装置に関する。本態様に係る管理装置は、前記検体分析装置用のコンピュータプログラム、および、当該コンピュータプログラムのバージョンに対応し、前記検体分析装置の取り扱い方法が記述された取扱説明書データを記憶する記憶部と、送信部と、前記記憶部に記憶されているコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを、前記送信部を介して前記検体分析装置に送信する制御部と、を備える。
【0024】
本態様に係る管理装置によれば、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【発明の効果】
【0025】
以上のとおり、本発明によれば、検査室への取扱説明書の設置に関し、サービスマンの負担を軽減することが可能な検体分析システム、検体分析装置および管理装置を提供することができる。
【0026】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施の形態に係る検体分析システムの構成を示す図である。
【図2】実施の形態に係る管理装置の構成を示す図である。
【図3】実施の形態に係る情報処理装置の構成を示す図である。
【図4】実施の形態に係る分析装置の構成を示す図である。
【図5】実施の形態に係るファイル情報を概念的に示す例示図である。
【図6】実施の形態に係る設定情報を概念的に示す例示図および設定情報を設定するための設定画面を示す図である。
【図7】実施の形態に係る分析装置情報を概念的に示す例示図である。
【図8】実施の形態に係る情報処理装置による更新処理を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態に係る使用指示画面を示す図および格納情報を概念的に示す例示図である。
【図10】実施の形態に係る設定情報の一部を概念的に示す例示図、検索結果を概念的に示す例示図、ダウンロード要求の内容を概念的に示す例示図、および、分析装置情報の状態を概念的に示す例示図である。
【図11】実施の形態に係る検索依頼を受信した場合およびダウンロード要求を受信した場合の管理装置による処理を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態の変更例に係るバックアップ処理を示すフローチャートおよび記録媒体確認画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本実施の形態は、血液に関する検査および分析を行うための検体分析システムに本発明を適用したものである。本実施の形態に係る検体分析システムは、1台の情報処理装置と、3台の分析装置からなる検体分析装置を備えている。3台の分析装置では血液分析が並行して行われ、測定結果が情報処理装置に送信される。
【0029】
以下、本実施の形態に係る検体分析システムについて、図面を参照して説明する。
【0030】
図1は、検体分析システム1の構成を示す図である。本実施の形態に係る検体分析システム1は、図示の如く、管理装置2と検体分析装置3から構成されている。管理装置2と検体分析装置3とは、インターネットまたは専用線により構築されたネットワーク4を介して、通信可能に接続されている。
【0031】
検体分析装置3は、情報処理装置31と、分析装置32〜34を備えている。情報処理装置31は、分析装置32〜34と、それぞれ通信可能に接続されている。情報処理装置31は、分析装置32〜34を制御すると共に、分析装置32〜34から検体の測定結果を受信する。情報処理装置31の電源が投入されると、分析装置32〜34は起動状態となる。
【0032】
図2は、管理装置2の構成を示す図である。
【0033】
管理装置2は、本体200と、入力部210と、表示部220から構成されている。本体200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ハードディスク204と、R/W装置205と、入出力インターフェース206と、画像出力インターフェース207と、通信インターフェース208を有する。
【0034】
CPU201は、ROM202に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM203にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM203は、ROM202およびハードディスク204に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM203は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU201の作業領域としても利用される。
【0035】
ハードディスク204には、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU201に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータが格納されている。また、ハードディスク204には、情報処理装置31で実行されるコンピュータプログラムと、このコンピュータプログラムに対応した取扱説明書データ(以下、「電子マニュアル」という)とを含む情報(以下、「ファイル情報」という)が格納されている。ファイル情報については、追って、図5を参照して説明する。また、電子マニュアルについても後述する。
【0036】
R/W装置205は、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、CDドライブまたはDVDドライブ等によって構成されており、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムおよびデータを読み出すことができ、また、これらの記録媒体にコンピュータプログラムやデータを書き込むことができる。
【0037】
入出力インターフェース206には、マウスやキーボードからなる入力部210が接続されている。画像出力インターフェース207は、ディスプレイ等で構成された表示部220に接続されており、画像データに応じた映像信号を、表示部220に出力する。表示部220は、入力された映像信号をもとに画像を表示する。通信インターフェース208は、ネットワーク4に接続されている。これにより、管理装置2と検体分析装置3とのデ
ータの送受信が可能となっている。
【0038】
図3は、情報処理装置31の構成を示す図である。
【0039】
情報処理装置31は、管理装置2と同様の構成となっており、本体300と、入力部310と、表示部320から構成されている。本体300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、ハードディスク304と、R/W装置305と、入出力インターフェース306と、画像出力インターフェース307と、通信インターフェース308を有する。
【0040】
情報処理装置31のハードディスク304には、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU301に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータが格納されている。
【0041】
また、ハードディスク304には、情報処理装置31についての設定に関する情報(以下、「設定情報」という)が格納されている。また、ハードディスク304には、分析装置32〜34を制御するためのコンピュータプログラムと、このコンピュータプログラムに対応した電子マニュアル等とを含む情報(以下、「分析装置情報」という)が格納されている。また、ハードディスク304には、分析装置32〜34を制御するために過去に使用していたコンピュータプログラムと、このコンピュータプログラムに対応した電子マニュアル等とを含む情報(以下、「格納情報」という)が格納されている。設定情報と、分析装置情報と、格納情報については、追って、図6(a)と、図7(a)、(b)と、図9(b)を参照して説明する。
【0042】
なお、ハードディスク304以外の構成については、管理装置2と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0043】
図4は、分析装置32の構成を示す図である。なお、分析装置32〜34は略同じ構成であるため、便宜上、分析装置32の構成のみを説明することにする。
【0044】
分析装置32は、通信インターフェース401と、センサ部402と、駆動部403と、試料調製部404と、検出部405から構成されている。
【0045】
通信インターフェース401は、情報処理装置31の通信インターフェース308との間でデータ通信を行う。センサ部402は、分析装置32内に設置されたセンサを含んでいる。駆動部403は、分析装置32内の各部を駆動させるための機構を含んでいる。試料調製部404は、検体と試薬から測定用の試料を調製する。検出部405は、試料調製部404により調製された試料を測定する。
【0046】
センサ部402と、駆動部403と、試料調製部404と、検出部405は、通信インターフェース401を介して、情報処理装置31のCPU301によって制御される。また、センサ部402の検出信号と、検出部405による測定結果は、通信インターフェース401を介して、情報処理装置31に送信される。
【0047】
図5は、管理装置2のハードディスク204に格納されているファイル情報を概念的に示す例示図である。
【0048】
ファイル情報は、PSコードの種類と、バージョンと、地域と、プログラムと、言語と、取扱説明書の項目を有している。
【0049】
PSコードの種類の項目には、分析装置のPSコードの種類が記憶される。すなわち、分析装置には、種類を示すPSコード(たとえば、“A0000001”や“B0000004”など)が付されており、PSコードの種類の項目には、このようなPSコードの種類(たとえば、“PSコードA系”や“PSコードB系”)が記憶される。
【0050】
バージョンの項目には、プログラムの項目のコンピュータプログラム(以下、「プログラム」という)のバージョンと、取扱説明書の項目の電子マニュアルのバージョンが記憶される。地域の項目には、プログラムの項目のプログラムが使用される地域が記憶される。プログラムの項目には、情報処理装置31上で実行され、分析装置の制御に用いられるプログラム(データ)が記憶される。各プログラムは、地域の項目の国名に対応して記憶されている。言語の項目には、取扱説明書の項目の電子マニュアルに使用されている言語が記憶される。取扱説明書の項目には、対応するバージョンのプログラムについての電子マニュアルが記憶される。
【0051】
なお、本実施の形態の電子マニュアルには、情報処理装置31上で実行され、分析装置の制御に用いられるプログラムの取り扱い方法、すなわち、当該プログラムに基づく検体分析装置3の取り扱い方法が記載されている。この電子マニュアルは、冊子形式の取扱説明書と同様にページ順に分析装置の取り扱い方法が記載されたPDFファイルであり、章、節、項といった段落ごとに記載がなされている。ユーザは、たとえば、プログラムの操作がわからない場合に、この電子マニュアルの該当箇所を参照する。なお、この電子マニュアルは、プログラムの一部に組み込まれているものではなく、プログラムとは別のデータファイルである。ユーザは、この電子マニュアルをプリントアウトすることによって冊子形式の取扱説明書を作成することも可能である。
【0052】
ここで、図5に例示されているファイル情報には、PSコードがA系の分析装置の制御に用いる全てのバージョン(1〜3)のプログラムが記憶されている。これらのプログラムは、バージョンの数字が大きいほど新しいプログラムである。すなわち、図5の例では、バージョン3のプログラムが最も新しく、バージョン1が最も古い。各バージョンのプログラムは、それぞれ、日本、アメリカ等の地域に対応して用意されている。また、各バージョンのプログラムに対応して、それぞれ、複数の言語で記された電子マニュアルが記憶されている。なお、ファイル情報には、PSコードがA系の分析装置に関する情報と同様に、PSコードがA系以外の分析装置の制御に用いるための情報も記憶されている。
【0053】
なお、管理装置2のファイル情報に記憶されているプログラムと電子マニュアル等は、管理装置2と情報処理装置31との間の通信により、後述の如く、適宜、情報処理装置31に送信される。
【0054】
図6(a)は、情報処理装置31のハードディスク304に格納されている設定情報を概念的に示す例示図である。
【0055】
設定情報は、ログインIDと、パスワードと、国名と、言語と、ダウンロード対象と、ダウンロード設定の項目を有している。
【0056】
ログインIDとパスワードの項目には、情報処理装置31が管理装置2にアクセスする際に用いる文字列が記憶される。国名と言語の項目には、それぞれ、情報処理装置31を含む検体分析装置3が設置されている国名と使用される言語が記憶される。ダウンロード対象の項目には、管理装置2からダウンロードするファイルの種類が記憶される。本実施の形態のダウンロード対象の項目は、“プログラム”と“取扱説明書”に固定されている。
【0057】
ダウンロード設定の項目には、管理装置2からのダウンロードを自動的に行うか手動で行うかが記憶される。図6(a)に示す如く設定情報が設定されている場合、情報処理装置31は、管理装置2から、分析装置を制御するためのプログラムと、このプログラムに対応する電子マニュアルとを、自動的にダウンロードすることになる。
【0058】
図6(b)は、情報処理装置31の表示部320に表示される、設定情報を設定するための設定画面510を示す図である。
【0059】
設定画面510は、自動ダウンロード設定領域511と、本体情報設定領域512と、OKボタン513と、キャンセルボタン514を備えている。
【0060】
自動ダウンロード設定領域511は、“自動”と“手動”を択一的に選択可能なボタンを有している。ユーザにより何れかのボタンが押下されると、押下されたボタンが選択状態となる。
【0061】
本体情報設定領域512は、選択リスト512a、512bと、入力エリア512c、512dを有している。ユーザは、選択リスト512a、512bから、それぞれ国名と言語を選択することができ、入力エリア512c、512dに、それぞれ、ユーザIDとパスワードを入力することができる。
【0062】
ユーザによりOKボタン513が押下されると、自動ダウンロード設定領域511と本体情報設定領域512に設定された内容が、情報処理装置31の設定情報に上書きされる。また、ユーザによりキャンセルボタン514が押下されると、設定画面510上で新たに設定された内容が破棄される。
【0063】
図7(a)は、情報処理装置31のハードディスク304に格納されている分析装置情報を概念的に示す例示図である。
【0064】
分析装置情報は、分析装置と、PSコードと、シリアル番号と、装置名称と、実行バージョンと、待機バージョンの項目を有している。実行バージョンと待機バージョンの項目は、いずれも、プログラムのバージョンと、プログラムと、取扱説明書の項目を有している。
【0065】
分析装置と、PSコードと、シリアル番号と、装置名称の項目には、それぞれ、情報処理装置31に接続された分析装置の識別番号(配置順)と、PSコードと、シリアル番号と、装置名称が記載される。これらの項目は、情報処理装置31に分析装置が接続されたときに、あらかじめ、この分析装置情報に設定される。なお、PSコードは、上述したように分析装置の種類を示すコードであり、シリアル番号は、PSコード内での製造番号に対応する番号である。
【0066】
実行バージョンの項目には、現在使用されているプログラムのバージョンと、現在使用されているプログラムと、現在使用されている電子マニュアルが記憶される。すなわち、図7(a)に示す如く分析装置情報が設定されている場合、情報処理装置31は、現在、1台目と2台目の分析装置を駆動する際に、PSコードがA系で、バージョンが2であるプログラムを使用する。また、このプログラムに対応する電子マニュアルが、ユーザにより閲覧可能となる。同様に、情報処理装置31は、現在、3台目の分析装置を駆動する際に、PSコードがB系で、バージョンが2であるプログラムを使用する。また、このプログラムに対応する電子マニュアルが、ユーザにより閲覧可能となる。なお、情報処理装置31の表示部320に電子マニュアルが表示されると、ユーザはその電子マニュアルをスクロールすることにより、表示される箇所を変更することが可能である。
【0067】
待機バージョンの項目には、管理装置2からダウンロードされたプログラムのバージョンと、管理装置2からダウンロードされたプログラムと、管理装置2からダウンロードされた電子マニュアルが記憶される。図7(a)では、待機バージョンの項目は、空白となっている。
【0068】
分析装置情報が図7(a)に示す状態から、情報処理装置31により、管理装置2からプログラムと電子マニュアル等がダウンロードされると、分析装置情報は、図7(b)に示す状態となる。すなわち、図7(b)の破線部分に示す如く、1台目と2台目の分析装置を駆動するための、バージョンが3であるプログラムが、待機バージョンの項目のプログラムの項目に記憶される。また、このプログラムに対応する電子マニュアルが、待機バージョンの項目の取扱説明書の項目に記憶される。なお、ここでは、3台目の分析装置を駆動するための新しいプログラムは、ダウンロードされていない。この場合、図示の如く、3台目の分析装置に対応する待機バージョンの項目の各項目は、空白のままとなる。
【0069】
図8は、情報処理装置31による更新処理を示すフローチャートである。
【0070】
情報処理装置31のCPU301は、ユーザにより電源投入の指示を受け付けると(S11:YES)、分析装置情報の待機バージョンのチェックを行う(S12)。続いて、CPU301は、待機バージョンの有無を判定する(S13)。すなわち、分析装置情報の待機バージョンの全ての項目が、図7(a)に示すように空白であると、CPU301は待機バージョンなしと判定し、分析位置情報の待機バージョンの項目が、図7(b)に示すように空白でないと、CPU301は待機バージョンありと判定する。
【0071】
CPU301は、待機バージョンありと判定すると(S13:YES)、表示部320に使用指示画面520を表示して、ユーザにより待機バージョンを使用する指示が行われたかを判定する(S14)。他方、CPU301により、待機バージョンなしと判定されると(S13:NO)、処理がS16に進められる。
【0072】
図9(a)は、情報処理装置31の表示部320に表示される使用指示画面520を示す図である。
【0073】
使用指示画面520は、OKボタン521とキャンセルボタン522を備えている。ユーザによりOKボタン521が押下されると、待機バージョンを使用する指示が、情報処理装置31のCPU301に送信される。また、ユーザによりキャンセルボタン522が押下されると、待機バージョンを使用しない指示が、情報処理装置31のCPU301に送信される。
【0074】
図8に戻り、情報処理装置31のCPU301は、使用指示画面520のOKボタン521が押下されたことにより、使用指示を受け付けると(S14:YES)、待機バージョンのプログラム等を使用可能状態にする(S15)。すなわち、CPU301は、まず、実行バージョンの各項目のプログラム等を、後述する格納情報(図9(b)参照)の格納バージョンの対応する項目に追加する。その後、CPU301は、待機バージョンの各項目のプログラム等を、分析装置情報の実行バージョンの対応する項目に上書きする。他方、CPU301は、使用指示画面520のキャンセルボタン522が押下されたことにより、待機バージョンのプログラム等を使用しない指示を受け付けると、(S14:NO)、処理がS16に進められる。
【0075】
図9(b)は、情報処理装置31のハードディスク304に格納されている格納情報を概念的に示す例示図である。
【0076】
格納情報は、PSコードと、シリアル番号と、装置名称と、格納バージョンの項目を有している。格納バージョンの項目は、プログラムのバージョンと、プログラムと、取扱説明書の項目を有している。なお、格納情報のPSコードと、シリアル番号と、装置名称と、プログラムのバージョンと、プログラムと、取扱説明書の項目は、分析装置情報と同様である。
【0077】
格納情報の格納バージョンの項目には、図示の如く、過去に分析装置情報の実行バージョンの項目に記憶されていた全てのプログラム等が記憶されている。図8のS15の処理において、格納情報に実行バージョンの項目のプログラム等が追加される際には、PSコードと、シリアル番号と、装置名称とが一致する領域に、実行バージョンの項目のプログラムのバージョンと、プログラムと、電子マニュアルが記憶される。これにより、たとえば、実行バージョンの項目のプログラムに不具合があるような場合でも、適宜、格納バージョンに記憶されているバージョンのプログラムを使用可能状態に復帰させることが可能となる。
【0078】
図8に戻り、情報処理装置31のCPU301は、分析装置情報の実行バージョンの項目の各プログラムを起動する(S16)。これにより、情報処理装置31により、分析装置32〜34が駆動され、分析装置32〜34による測定動作が開始される。なお、分析装置32〜34の測定動作は、以下のS17〜S25の処理と並行して行われる。
【0079】
続いて、CPU301は、設定情報の自動ダウンロードの項目が、自動に設定されているかを判定する(S17)。自動ダウンロードの項目が手動に設定されていると(S17:NO)、処理がS26に進められ、情報処理装置31がシャットダウンされるまで、測定等の処理が継続される(S26)。他方、自動ダウンロードの項目が自動に設定されていると(S17:YES)、CPU301は、更新バージョンの検索依頼を管理装置2に送信する(S18)。
【0080】
ここで、情報処理装置31から管理装置2に送信される検索依頼は、図10(a)に示す情報と、図7(a)または(b)に示した分析装置情報を含んでいる。なお、図10(a)の情報は、図6(a)の設定情報からダウンロード設定を除いた項目からなっている。
【0081】
図11(a)は、情報処理装置31から更新バージョンの検索依頼を受信した場合の、管理装置2による処理を示すフローチャートである。
【0082】
管理装置2のCPU201は、情報処理装置31から検索依頼を受信すると(S101:YES)、検索依頼の内容に基づいてファイル情報を検索する(S102)。具体的には、CPU201は、検索依頼の内容に含まれるPSコードの項目に一致するファイル情報のバージョンの項目に、検索依頼に含まれる実行バージョンと待機バージョンよりも新しいバージョンがあるかを検索する。
【0083】
新しいバージョンのプログラム等があると(S103:YES)、図10(b)に示す検索結果のダウンロードリストの項目に、検索により見つかったプログラムのバージョンと、電子マニュアルのバージョンとをセットする(S104)。なお、プログラムのバージョンと、電子マニュアルのバージョンの替わりに、プログラムのファイル名と、電子マニュアルのファイル名がセットされるようにしても良い。続いて、CPU201は、図10(b)に示すような検索結果を、情報処理装置31に送信する(S106)。
【0084】
他方、新しいバージョンのプログラム等がないと(S103:NO)、検索結果のダウ
ンロード項目に空白をセットする(S105)。続いて、CPU201は、図10(b)においてダウンロード項目が空白となった検索結果を、情報処理装置31に送信する(S106)。
【0085】
なお、情報処理装置31が新規に設置された場合には、管理装置2が受信する検索依頼に含まれる実行バージョンと待機バージョンの項目は全て空白となっている。この場合、CPU201は、ファイル情報の中から最も新しいプログラムのバージョンを情報処理装置31に送信する。
【0086】
図8に戻り、情報処理装置31のCPU301は、管理装置2から検索結果を受信すると(S19:YES)、受信した検索結果に基づいて、分析装置のプログラムに更新情報があるかを判定する(S20)。すなわち、受信した検索結果のダウンロード項目が全て空白であった場合、更新情報なしとなり(S20:NO)、処理がS26に進められる。他方、受信した検索結果のダウンロード項目が全て空白でないと、更新情報ありとなり(S20:YES)、処理がS21に進められる。
【0087】
更新情報がありの場合、CPU301は、図10(a)に示すような設定情報の一部と、S19で受信した検索結果とを含むダウンロード要求を、管理装置2に送信する(S21)。
【0088】
図11(b)は、情報処理装置31からダウンロード要求を受信した場合の、管理装置2による処理を示すフローチャートである。
【0089】
管理装置2のCPU201は、情報処理装置31からダウンロード要求を受信すると(S201:YES)、ダウンロード要求の内容に基づいてファイルを送信する(S202)。すなわち、ダウンロード要求に含まれるダウンロードリストの項目のプログラムのバージョンと、電子マニュアルのバージョンとに基づいて、図10(c)に示すように、PSコードと、シリアル番号と、プログラム(データ)と、電子マニュアルを、1回の送信手順により情報処理装置31に送信する。これにより、プログラムと電子マニュアルは、情報処理装置31に同時に受信されることとなる。
【0090】
なお、情報処理装置31には、情報処理装置31から受信したダウンロード要求に含まれる国名に基づいて、対応する地域のプログラムが送信される。また、情報処理装置31には、情報処理装置31から受信したダウンロード要求に含まれる言語に基づいて、対応する言語の取扱説明書の電子マニュアルが送信される。
【0091】
図8に戻り、情報処理装置31のCPU301は、管理装置2からプログラムと電子マニュアル等を受信すると(S22:YES)、受信したファイルのチェックを行う(S23)。具体的には、まず、情報処理装置31のCPU301が、受信したファイルから生成したCRCコードを管理装置2に送信する。管理装置2のCPU201は、送信ファイルから生成したCRCコードと、情報処理装置31から受信したCRCコードを比較することにより、ファイルの送信に異常があったか否かの判定を行い、判定結果を情報処理装置31に送信する。
【0092】
CPU301は、管理装置2から受信した判定結果に基づいて、ダウンロードファイルに異常なしと判定すると(S24:YES)、待機バージョンの項目に、受信したファイル等を記憶する(S25)。他方、ダウンロードファイルに異常ありと判定されると(S24:NO)、処理がS18に戻され、CPU301は、正常なファイルを受信するまで、S19〜S24の処理を繰り返す。こうして、正常なファイルが受信されると、処理がS26に進められ、情報処理装置31がシャットダウンされるまで、測定等の処理が継続
される(S26)。
【0093】
このように、情報処理装置31による更新処理が行われると、情報処理装置31の電源投入時に、分析装置情報が図7(a)のような状態であると、自動ダウンロードが自動に設定されている場合、管理装置2から新しいバージョンのプログラムと電子マニュアルが送信され、分析装置情報が図7(b)のような状態となる。この後、情報処理装置31がシャットダウンされ、再び起動されると、分析装置情報が図7(b)のような状態であるため、図9(a)の画面にてユーザから更新指示を受けることで、待機バージョンの項目のプログラム等が実行バージョンの項目に上書きされる。これにより、分析装置情報は、図10(d)のような状態となり、新しいバージョンのプログラムと電子マニュアルが使用可能となる。
【0094】
以上、本実施の形態によれば、新しいバージョンのプログラムが情報処理装置31に送信される場合に、このプログラムに対応した電子マニュアルが併せて送信される。これにより、別途、バージョンアップ後のプログラムに対応した取扱説明書を、サービスマンが検体分析装置3(情報処理装置31)の設置場所まで持参する必要がなくなる。このため、サービスマンの負担を軽減することが可能となる。
【0095】
また、本実施の形態によれば、待機バージョンの項目のプログラムと電子マニュアルが実行バージョンの項目に上書きされる前に、実行バージョンの項目のプログラムと電子マニュアルが、格納情報の格納バージョンの項目に追加(バックアップ)される。これにより、実行バージョンの項目のプログラムの使用中に不具合が発生した場合でも、古いバージョンのプログラムと電子マニュアルを、再度実行バージョンとして用いることが容易となる。
【0096】
また、本実施の形態によれば、検体分析装置3(情報処理装置31)の電源が投入されたときに、待機バージョンの項目にあるプログラムと電子マニュアルが、実行バージョンの項目に上書きされ、この後で、情報処理装置31の各プログラムが実行される。これにより、新しいバージョンのプログラムにより分析装置32〜34を制御することができる。また、検体分析装置3(情報処理装置31)の電源投入時以外には、待機バージョンの項目にあるプログラムと電子マニュアルは、実行バージョンの項目に上書きされないため、たとえば、分析装置32〜34の分析動作の途中で、実行バージョンの項目のプログラムが変更されることにより、分析条件等が変更されることを防止することができる。
【0097】
また、本実施の形態によれば、設定情報のダウンロード設定の項目を設定することにより、新しいバージョンのプログラム等を自動的に取得するか否かを設定することができる。また、新しいバージョンのプログラム等を自動的に取得するように設定が行われても、図9(a)に示す画面にて、新しいバージョンのプログラム等を使用するか否かが、ユーザに確認される。これにより、ユーザが意図しないタイミングで、新しいバージョンのプログラム等が実行バージョンに上書きされることがないため、ユーザは、使い慣れたバージョンのプログラムの使用を継続することが可能となる。
【0098】
また、本実施の形態によれば、電子マニュアルがコンピュータプログラムの一部に組み込まれて情報処理装置31に送信されるのではなく、電子マニュアルがコンピュータプログラムとは別のデータファイルとして情報処理装置31に送信される。そのため、たとえば電子マニュアルの一部を改訂したい場合には、電子マニュアルが組み込まれたコンピュータプログラム自体を修正するといった手間を要することなく、電子マニュアルだけを改訂して再度情報処理装置31に送信することができる。
【0099】
また、仮に電子マニュアルがコンピュータプログラムの一部に組み込まれている場合に
、たとえば検体分析装置3にエラーが生じると、そのエラーが原因でコンピュータプログラムが良好に稼働せず、電子マニュアルを表示部320に表示させることができない惧れがある。しかしながら、本実施の形態では、電子マニュアルとコンピュータプログラムとが別のファイルとして存在するため、コンピュータプログラムが良好に稼働していない場合であってもユーザは電子マニュアルを参照することが可能である。
【0100】
また、本実施の形態では、電子マニュアルをプリントアウトすることによって冊子形式の取扱説明書を容易に作成することができるため、検体分析装置3に生じたエラーが原因で表示部320に電子マニュアルを表示させることができない場合であっても、ユーザは冊子形式の取扱説明書を参照しながらエラーに対処することが可能となる。また、表示部320から遠く離れた位置にある分析装置を、取扱説明書を参照しながら操作することも可能となる。
【0101】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら制限されるものではない。また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0102】
たとえば、上記実施の形態では、測定対象として血液を例示したが、尿についても測定対象とされ得る。すなわち、尿を検査する検体処理システムにも本発明を適用することができ、さらに、他の臨床検体を検査する臨床検体処理システムに本発明を適用することもできる。
【0103】
また、上記実施の形態では、プログラムと電子マニュアルが、管理装置2による1回の送信手順により、管理装置2から情報処理装置31に送信され、これらプログラムと電子マニュアルが、情報処理装置31により同時に受信された。しかしながら、これに限らず、プログラムと電子マニュアルが、管理装置2による2回以上の送信手順により、管理装置2から情報処理装置31に別々に送信され、これらプログラムと電子マニュアルが、情報処理装置31により別々のタイミングで受信されるようにしても良い。たとえば、情報処理装置31により受信したプログラムに異常なしと判定された後に、情報処理装置31により電子マニュアルが受信されるようにしても良い。また、情報処理装置31により受信した電子マニュアルに異常なしと判定した後に、情報処理装置31によりプログラムが受信されるようにしても良い。
【0104】
また、上記実施の形態では、プログラムと電子マニュアルが、管理装置2から、1つのファイルとして送信されるようにしても良い。この場合、たとえば、図10(c)に示す送信内容が、1つのファイルにまとめられた形で送信される。また、プログラムと電子マニュアルが、管理装置2から、別々のファイルとして送信されるようにしても良い。この場合、たとえば、図10(c)に示す送信内容が、管理装置2による1回の送信手順に含まれるようにして送信される。
【0105】
また、上記実施の形態では、情報処理装置31により、プログラムと電子マニュアルが受信されたが、これに限らず、情報処理装置31とは別の検体分析装置3内の別のダウンロード端末により、プログラムと電子マニュアルが受信されるようにしても良い。また、プログラムを受信する端末と、電子マニュアルを受信する端末とが、異なるようにしても良い。
【0106】
また、上記実施の形態では、情報処理装置31から管理装置2に更新バージョンの検索依頼が送信され、管理装置2で更新バージョンの検索が行われたが、これに限らず、更新バージョンの検索は、情報処理装置31によって行われるようにしても良い。この場合、管理装置2に記憶されている各PSコードの種類における全てのバージョンが、情報処理
装置31に送信され、この送信内容に基づいて情報処理装置31で新しいバージョンの検索が行われるようにしても良い。また、管理装置2に記憶されている各PSコードの種類の全てのバージョンのプログラムが、情報処理装置31に送信され、情報処理装置31での比較処理の結果、新しいバージョンのプログラムが存在すると情報処理装置31が判断した場合に、そのプログラムを情報処理装置31上で実行可能な状態とし、他のプログラムを破棄する構成であってもよい。
【0107】
また、上記実施の形態では、PDF形式の電子マニュアルが管理装置2から情報処理装置31に送信されているが、PDF形式に限らず、WORD形式、EXCEL形式等で電子マニュアルが送信されてもよい。
【0108】
また、上記実施の形態では、情報処理装置31の表示部320に表示された電子マニュアルをユーザがスクロールすることにより、表示される箇所を変更することが可能であるが、本発明はこれに限らない。たとえば、トラブル発生時に表示されるヘルプ画面において、ユーザにより、このヘルプ画面に配される表示指示ボタンが押下されると、情報処理装置31に格納されている電子マニュアルのうち、このトラブルの対処方法について記述された箇所のみが、情報処理装置31の表示部320に表示されるようにしても良い。すなわち、本発明では、電子マニュアルに記述された情報のうち、トラブル等に対する対応方法を示す部分が、何らかの形でユーザに提示されるもので有れば良い。
【0109】
また、上記実施の形態では、情報処理装置31は、実行バージョンと待機バージョンのバージョンを検索依頼に含めたが、これに限らず、さらに格納バージョンのバージョンを検索依頼に含めるようにしても良い。これにより、管理装置2は、情報処理装置31が記憶している全てのバージョンを把握することができるため、効率的にプログラム等を送信することが可能となる。
【0110】
また、上記実施の形態では、図8のS13で待機バージョンありと判定されると、図9(a)の使用指示画面520が表示され、待機バージョンのプログラムを使用可能状態にするか否かは、OKボタン521とキャンセルボタン522により決定された。しかしながら、これに限らず、待機バージョンありと判定されると、自動的に待機バージョンのプログラムを使用可能状態としても良い。この場合、待機バージョンのプログラムが自動的に使用可能状態とされるか否かが、ユーザにより、あらかじめ情報処理装置31に設定可能となるよう、情報処理装置31が構成される。
【0111】
また、上記実施の形態では、図8のS15で待機バージョンのプログラムを使用可能状態にする際には、実行バージョンのプログラム等が、図9(b)に示すような格納情報に追加された。しかしながら、これに限らず、情報処理装置31に保存されている一切の情報(設定情報、分析装置情報、測定データなどを含む)がバックアップされるようにしても良い。
【0112】
図12(a)は、情報処理装置31によるバックアップ処理を示すフローチャートである。図12(a)に示すS27は、図8のS14とS15の間に挿入される。
【0113】
情報処理装置31のCPU301は、ユーザにより待機バージョンの使用する指示がなされると(S14:YES)、ハードディスク304内の全ての情報を、ハードディスク304内の所定の場所にバックアップする(S27)。これにより、たとえば、待機バージョンの項目のプログラムが、実行バージョンに上書きされる際に不具合が発生した場合でも、ハードディスク304内のバックアップした情報に基づいて、情報処理装置31を、バックアップ時の状態に戻すことができる。
【0114】
なお、S27では、ハードディスク304内の情報が、ハードディスク304内にバックアップされたが、これに限らず、記録媒体に保存されるようにしても良い。この場合、図12(a)のS27の替わりに、図12(b)に示すように、S28、S29が挿入される。
【0115】
図12(b)を参照して、情報処理装置31のCPU301は、まず、図12(c)に示すような記録媒体確認画面530を表示する(S28)。続いて、CPU301は、ユーザによりR/W装置305(図3参照)に記憶媒体がセットされ、ユーザによりOKボタン531が押下されたかを判定する(S29)。記録媒体がセットされ、OKボタン531が押下されていると(S29:YES)、CPU301は、ハードディスク304内の全ての情報を、R/W装置305にセットされた記憶媒体にバックアップする(S30)。この場合も、記録媒体にバックアップした情報に基づいて、情報処理装置31をバックアップ時の状態に戻すことができる。
【0116】
また、上記実施の形態では、図6(a)に示すダウンロード対象の項目は、“プログラム”と“取扱説明書”に固定されたが、これに限らず、他のファイルを含むようにしても良い。また、ダウンロード対象の項目は、ユーザにより適宜設定できるようにしても良い。
【0117】
また、上記実施の形態では、情報処理装置31でユーザが用いる言語が、情報処理装置31内のハードディスク304(設定情報)に記憶されたが、これに限らず、管理装置2のハードディスク304に、あらかじめ記憶されるようにしても良い。
【0118】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0119】
1 … 検体分析システム
2 … 管理装置
3 … 検体分析装置
4 … ネットワーク
201 … CPU
204 … ハードディスク
208 … 通信インターフェース
301 … CPU
304 … ハードディスク
308 … 通信インターフェース
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体を分析する検体分析装置、検体分析装置とネットワークを介して接続された管理装置、および、検体分析装置と管理装置を備える検体分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信ネットワークを介してサーバと通信可能に接続された検体分析装置が知られている。
【0003】
たとえば、以下の特許文献1には、自動分析装置と通信ネットワークを介して通信可能に接続されたサーバが、自動分析装置から受信したコンピュータプログラムのバージョン情報に基づいてバージョンアップが必要なコンピュータプログラムを抽出し、この抽出したコンピュータプログラムを自動分析装置へ送信するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−85885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような検体分析装置が配置される検査室には、ユーザが検体分析装置を適切に使用できるように、検体分析装置を制御するコンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書を設置することが望まれている。しかしながら、上記特許文献1に記載のシステムでは、自動分析装置のコンピュータプログラムがバージョンアップされた場合には、バージョンアップ後のコンピュータプログラムに対応した取扱説明書をサービスマンが検査室に持参して設置する必要があり、サービスマンにかかる負担が重くなっていた。
【0006】
本発明は、上記要求に鑑みてなされたものであり、検査室への取扱説明書の設置に関し、サービスマンの負担を軽減することが可能な検体分析システム、検体分析装置および管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、検体分析システムに関する。本態様に係る検体分析システムは、検体を分析する検体分析装置、および、当該検体分析装置と通信ネットワークを介して接続された管理装置を備える。ここで、前記管理装置は、前記検体分析装置用のコンピュータプログラム、および、当該コンピュータプログラムのバージョンに対応し、前記検体分析装置の取り扱い方法が記述された取扱説明書データを記憶する第1記憶部と、前記検体分析装置との通信を行う第1通信部と、前記第1記憶部に記憶されているコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを、前記第1通信部を介して前記検体分析装置に送信する第1制御部と、を含んでいる。前記検体分析装置は、前記第1通信部との通信を行い、当該第1通信部から送信されたコンピュータプログラムおよび取扱説明書データを受信する第2通信部と、前記第2通信部が受信したコンピュータプログラムおよび取扱説明書データを記憶する第2記憶部と、前記第2記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを実行する第2制御部と、を含んでいる。
【0008】
本態様に係る検体分析システムによれば、管理装置から、コンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データが検体分析装置
に送信される。これにより、たとえば、コンピュータプログラムのバージョンアップを行う場合に、バージョンアップ後の取扱説明書をサービスマンが検体分析装置側に持参する必要がない。よって、検査室への取扱説明書の設置に関し、サービスマンの負担を軽減することが可能となる。
【0009】
本態様に係る検体分析システムにおいて、前記検体分析装置の前記第2記憶部には、前記検体分析装置用の第1コンピュータプログラムが記憶されており、前記管理装置の前記第1制御部は、前記第1コンピュータプログラムのバージョンよりも新しいバージョンの第2コンピュータプログラムを、前記第1通信部を介して前記検体分析装置に送信する場合には、当該第2コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを、前記第1通信部を介して前記検体分析装置に送信する構成とされ得る。こうすると、コンピュータプログラムのバージョンアップを行う場合に、新しいコンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを検体分析装置に届けることができ、サービスマンの負担を軽減することができる。
【0010】
ここで、前記検体分析装置の前記第2制御部は、前記第2記憶部に記憶されている前記第1コンピュータプログラムのバージョン情報を、前記第2通信部を介して、前記管理装置に送信し、前記管理装置の前記第1制御部は、前記検体分析装置から前記第1通信部を介して受信した前記第1コンピュータプログラムのバージョン情報に基づいて、前記第1コンピュータプログラムより新しいバージョンの前記第2コンピュータプログラムが前記第1記憶部に記憶されているか否かを判断し、前記第2コンピュータプログラムが前記第1記憶部に記憶されている場合に、前記第2コンピュータプログラムおよび当該第2コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを、前記第1通信部を介して、前記検体分析装置に送信する構成とされ得る。こうすると、管理装置は、バージョンが新しいコンピュータプログラムおよびそのバージョンに対応した取扱説明書データのみを検体分析装置に送信するため、通信負荷・通信時間等を削減することができる。
【0011】
また、前記検体分析装置の前記第2制御部は、前記第2コンピュータプログラムを実行可能な状態に設定する場合、前記第2記憶部に記憶されている前記第1コンピュータプログラムおよび当該第1コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを保存する構成とされ得る。こうすると、新しいバージョンのコンピュータプログラムが実行可能な状態に設定された後に、再度、古いバージョンのコンピュータプログラムを容易に実行可能な状態に設定することができる。また、その場合に、古いバージョンに対応する取扱説明書データを参照して円滑に検体分析動作を行うことができる。
【0012】
また、本態様に係る検体分析システムにおいて、前記検体分析装置の前記第2制御部は、前記管理装置から送信されたコンピュータプログラムを前記第2記憶部に格納し、当該第2記憶部に格納されたコンピュータプログラムを自動的に実行可能な状態に設定する構成とされ得る。こうすると、ユーザの手を介することなく、管理装置から受け取ったコンピュータプログラムを検体分析装置上で実行可能な状態に設定することができる。
【0013】
ここで、前記第2制御部は、前記検体分析装置の電源が投入されたときに、前記第2記憶部に格納された前記コンピュータプログラムを実行可能な状態に設定する構成とされ得る。こうすると、検体分析装置の電源が投入された時に自動的にコンピュータプログラムが実行可能な状態に設定されるため、新しく実行可能な状態に設定されたコンピュータプログラムで検体の分析を行なうことができる。また、検体分析装置の電源投入時以外には新たにコンピュータプログラムが検体分析装置に実行可能な状態に設定されないため、例えば分析動作の途中で、コンピュータプログラムの変更により分析条件が変更されることを防止することができる。
【0014】
また、本態様に係る検体分析システムにおいて、前記検体分析装置の前記第2制御部は、前記管理装置から送信されたコンピュータプログラムを実行可能な状態に設定する前に、前記検体分析装置に保存されている情報をバックアップする構成とされ得る。こうすると、新しいバージョンのコンピュータプログラムを実行可能な状態に設定する際に不具合が発生した場合でも、検体分析装置を、バックアップされた状態に戻すことが容易となる。なお、バックアップされる情報は、コンピュータプログラムや取扱説明書データの他、検体分析装置に保存されている一切の情報を含むものである。
【0015】
また、本態様に係る検体分析システムにおいて、前記検体分析装置の前記第2記憶部は、前記管理装置から送信されたコンピュータプログラムが格納される第1記憶領域と、前記第2制御部により実行されるコンピュータプログラムが格納される第2記憶領域とを含み、前記第2制御部は、前記管理装置から送信されたコンピュータプログラムを前記第2記憶部の前記第1記憶領域から前記第2記憶領域に移すことで、前記コンピュータプログラムを実行可能な状態に設定する構成とされ得る。こうすると、新しいバージョンのコンピュータプログラムを、円滑に実行可能な状態とすることができる。
【0016】
また、本態様に係る検体分析システムにおいて、前記管理装置の前記第1制御部は、一回の送信手順により、コンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを、前記第1通信部を介して、前記検体分析装置に送信する構成とされ得る。こうすると、コンピュータプログラムとそのコンピュータプログラム用の取扱説明書データとを同じタイミングで受信することができるため、検体分析装置はそれらを対応付けて管理することが容易となる。
【0017】
また、本態様に係る検体分析システムにおいて、前記管理装置の前記第1記憶部に記憶されたコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データが前記管理装置から前記検体分析装置に自動的に送信されるか否かを設定する自動送信設定手段を備える構成とされ得る。こうすると、ユーザの都合に合わせて、コンピュータプログラムおよび取扱説明書データのダウンロードの時期を決定することができる。これにより、たとえば、コンピュータプログラムの種類によっては、新しいバージョンのコンピュータプログラムを使用せず、ユーザが慣れているバージョンのコンピュータプログラムの使用を継続することも可能となる。
【0018】
また、本態様に係る検体分析システムにおいて、前記管理装置の前記第1記憶部は、一のバージョンのコンピュータプログラムに対応する取扱説明書データとして、第1の言語で記載された第1取扱説明書データおよび第2の言語で記載された第2取扱説明書データを記憶し、前記管理装置の前記第1制御部は、前記検体分析装置における取扱説明書の言語の設定情報に基づいて、前記第1取扱説明書データまたは前記第2取扱説明書データを、前記第1通信部を介して前記検体分析装置に送信する構成とされ得る。こうすると、検体分析装置のユーザが用いる言語で記載された取扱説明書データを送付することができる。
【0019】
ここで、前記検体分析装置の前記第2制御部は、前記第2通信部を介して、前記言語の設定情報を前記管理装置に送信し、前記管理装置の前記第1制御部は、前記検体分析装置から送信された前記言語の設定情報を、前記第1通信部を介して受信する構成とされ得る。
【0020】
また、前記検体分析装置の前記第2記憶部には、前記検体分析装置用のコンピュータプログラムが記憶されており、前記検体分析装置の第2制御部は、前記第2記憶部に記憶されているコンピュータプログラムのバージョン情報と対応付けて、前記言語の設定情報を、前記第2通信部を介して前記管理装置に送信する構成とされ得る。
【0021】
本発明の第2の態様は、管理装置と通信ネットワークを介して接続された検体分析装置に関する。本態様に係る検体分析装置は、前記管理装置からコンピュータプログラム、および、当該コンピュータプログラムのバージョンに対応し、前記検体分析装置の取り扱い方法が記述された取扱説明書データを受信する受信部と、前記受信部により受信されたコンピュータプログラムおよび取扱説明書データを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを実行する制御部と、を備える。
【0022】
本態様に係る検体分析装置によれば、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【0023】
本発明の第3の態様は、検体を分析する検体分析装置と通信ネットワークを介して接続された管理装置に関する。本態様に係る管理装置は、前記検体分析装置用のコンピュータプログラム、および、当該コンピュータプログラムのバージョンに対応し、前記検体分析装置の取り扱い方法が記述された取扱説明書データを記憶する記憶部と、送信部と、前記記憶部に記憶されているコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを、前記送信部を介して前記検体分析装置に送信する制御部と、を備える。
【0024】
本態様に係る管理装置によれば、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【発明の効果】
【0025】
以上のとおり、本発明によれば、検査室への取扱説明書の設置に関し、サービスマンの負担を軽減することが可能な検体分析システム、検体分析装置および管理装置を提供することができる。
【0026】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施の形態に係る検体分析システムの構成を示す図である。
【図2】実施の形態に係る管理装置の構成を示す図である。
【図3】実施の形態に係る情報処理装置の構成を示す図である。
【図4】実施の形態に係る分析装置の構成を示す図である。
【図5】実施の形態に係るファイル情報を概念的に示す例示図である。
【図6】実施の形態に係る設定情報を概念的に示す例示図および設定情報を設定するための設定画面を示す図である。
【図7】実施の形態に係る分析装置情報を概念的に示す例示図である。
【図8】実施の形態に係る情報処理装置による更新処理を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態に係る使用指示画面を示す図および格納情報を概念的に示す例示図である。
【図10】実施の形態に係る設定情報の一部を概念的に示す例示図、検索結果を概念的に示す例示図、ダウンロード要求の内容を概念的に示す例示図、および、分析装置情報の状態を概念的に示す例示図である。
【図11】実施の形態に係る検索依頼を受信した場合およびダウンロード要求を受信した場合の管理装置による処理を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態の変更例に係るバックアップ処理を示すフローチャートおよび記録媒体確認画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本実施の形態は、血液に関する検査および分析を行うための検体分析システムに本発明を適用したものである。本実施の形態に係る検体分析システムは、1台の情報処理装置と、3台の分析装置からなる検体分析装置を備えている。3台の分析装置では血液分析が並行して行われ、測定結果が情報処理装置に送信される。
【0029】
以下、本実施の形態に係る検体分析システムについて、図面を参照して説明する。
【0030】
図1は、検体分析システム1の構成を示す図である。本実施の形態に係る検体分析システム1は、図示の如く、管理装置2と検体分析装置3から構成されている。管理装置2と検体分析装置3とは、インターネットまたは専用線により構築されたネットワーク4を介して、通信可能に接続されている。
【0031】
検体分析装置3は、情報処理装置31と、分析装置32〜34を備えている。情報処理装置31は、分析装置32〜34と、それぞれ通信可能に接続されている。情報処理装置31は、分析装置32〜34を制御すると共に、分析装置32〜34から検体の測定結果を受信する。情報処理装置31の電源が投入されると、分析装置32〜34は起動状態となる。
【0032】
図2は、管理装置2の構成を示す図である。
【0033】
管理装置2は、本体200と、入力部210と、表示部220から構成されている。本体200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ハードディスク204と、R/W装置205と、入出力インターフェース206と、画像出力インターフェース207と、通信インターフェース208を有する。
【0034】
CPU201は、ROM202に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM203にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM203は、ROM202およびハードディスク204に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM203は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU201の作業領域としても利用される。
【0035】
ハードディスク204には、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU201に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータが格納されている。また、ハードディスク204には、情報処理装置31で実行されるコンピュータプログラムと、このコンピュータプログラムに対応した取扱説明書データ(以下、「電子マニュアル」という)とを含む情報(以下、「ファイル情報」という)が格納されている。ファイル情報については、追って、図5を参照して説明する。また、電子マニュアルについても後述する。
【0036】
R/W装置205は、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、CDドライブまたはDVDドライブ等によって構成されており、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムおよびデータを読み出すことができ、また、これらの記録媒体にコンピュータプログラムやデータを書き込むことができる。
【0037】
入出力インターフェース206には、マウスやキーボードからなる入力部210が接続されている。画像出力インターフェース207は、ディスプレイ等で構成された表示部220に接続されており、画像データに応じた映像信号を、表示部220に出力する。表示部220は、入力された映像信号をもとに画像を表示する。通信インターフェース208は、ネットワーク4に接続されている。これにより、管理装置2と検体分析装置3とのデ
ータの送受信が可能となっている。
【0038】
図3は、情報処理装置31の構成を示す図である。
【0039】
情報処理装置31は、管理装置2と同様の構成となっており、本体300と、入力部310と、表示部320から構成されている。本体300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、ハードディスク304と、R/W装置305と、入出力インターフェース306と、画像出力インターフェース307と、通信インターフェース308を有する。
【0040】
情報処理装置31のハードディスク304には、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU301に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータが格納されている。
【0041】
また、ハードディスク304には、情報処理装置31についての設定に関する情報(以下、「設定情報」という)が格納されている。また、ハードディスク304には、分析装置32〜34を制御するためのコンピュータプログラムと、このコンピュータプログラムに対応した電子マニュアル等とを含む情報(以下、「分析装置情報」という)が格納されている。また、ハードディスク304には、分析装置32〜34を制御するために過去に使用していたコンピュータプログラムと、このコンピュータプログラムに対応した電子マニュアル等とを含む情報(以下、「格納情報」という)が格納されている。設定情報と、分析装置情報と、格納情報については、追って、図6(a)と、図7(a)、(b)と、図9(b)を参照して説明する。
【0042】
なお、ハードディスク304以外の構成については、管理装置2と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0043】
図4は、分析装置32の構成を示す図である。なお、分析装置32〜34は略同じ構成であるため、便宜上、分析装置32の構成のみを説明することにする。
【0044】
分析装置32は、通信インターフェース401と、センサ部402と、駆動部403と、試料調製部404と、検出部405から構成されている。
【0045】
通信インターフェース401は、情報処理装置31の通信インターフェース308との間でデータ通信を行う。センサ部402は、分析装置32内に設置されたセンサを含んでいる。駆動部403は、分析装置32内の各部を駆動させるための機構を含んでいる。試料調製部404は、検体と試薬から測定用の試料を調製する。検出部405は、試料調製部404により調製された試料を測定する。
【0046】
センサ部402と、駆動部403と、試料調製部404と、検出部405は、通信インターフェース401を介して、情報処理装置31のCPU301によって制御される。また、センサ部402の検出信号と、検出部405による測定結果は、通信インターフェース401を介して、情報処理装置31に送信される。
【0047】
図5は、管理装置2のハードディスク204に格納されているファイル情報を概念的に示す例示図である。
【0048】
ファイル情報は、PSコードの種類と、バージョンと、地域と、プログラムと、言語と、取扱説明書の項目を有している。
【0049】
PSコードの種類の項目には、分析装置のPSコードの種類が記憶される。すなわち、分析装置には、種類を示すPSコード(たとえば、“A0000001”や“B0000004”など)が付されており、PSコードの種類の項目には、このようなPSコードの種類(たとえば、“PSコードA系”や“PSコードB系”)が記憶される。
【0050】
バージョンの項目には、プログラムの項目のコンピュータプログラム(以下、「プログラム」という)のバージョンと、取扱説明書の項目の電子マニュアルのバージョンが記憶される。地域の項目には、プログラムの項目のプログラムが使用される地域が記憶される。プログラムの項目には、情報処理装置31上で実行され、分析装置の制御に用いられるプログラム(データ)が記憶される。各プログラムは、地域の項目の国名に対応して記憶されている。言語の項目には、取扱説明書の項目の電子マニュアルに使用されている言語が記憶される。取扱説明書の項目には、対応するバージョンのプログラムについての電子マニュアルが記憶される。
【0051】
なお、本実施の形態の電子マニュアルには、情報処理装置31上で実行され、分析装置の制御に用いられるプログラムの取り扱い方法、すなわち、当該プログラムに基づく検体分析装置3の取り扱い方法が記載されている。この電子マニュアルは、冊子形式の取扱説明書と同様にページ順に分析装置の取り扱い方法が記載されたPDFファイルであり、章、節、項といった段落ごとに記載がなされている。ユーザは、たとえば、プログラムの操作がわからない場合に、この電子マニュアルの該当箇所を参照する。なお、この電子マニュアルは、プログラムの一部に組み込まれているものではなく、プログラムとは別のデータファイルである。ユーザは、この電子マニュアルをプリントアウトすることによって冊子形式の取扱説明書を作成することも可能である。
【0052】
ここで、図5に例示されているファイル情報には、PSコードがA系の分析装置の制御に用いる全てのバージョン(1〜3)のプログラムが記憶されている。これらのプログラムは、バージョンの数字が大きいほど新しいプログラムである。すなわち、図5の例では、バージョン3のプログラムが最も新しく、バージョン1が最も古い。各バージョンのプログラムは、それぞれ、日本、アメリカ等の地域に対応して用意されている。また、各バージョンのプログラムに対応して、それぞれ、複数の言語で記された電子マニュアルが記憶されている。なお、ファイル情報には、PSコードがA系の分析装置に関する情報と同様に、PSコードがA系以外の分析装置の制御に用いるための情報も記憶されている。
【0053】
なお、管理装置2のファイル情報に記憶されているプログラムと電子マニュアル等は、管理装置2と情報処理装置31との間の通信により、後述の如く、適宜、情報処理装置31に送信される。
【0054】
図6(a)は、情報処理装置31のハードディスク304に格納されている設定情報を概念的に示す例示図である。
【0055】
設定情報は、ログインIDと、パスワードと、国名と、言語と、ダウンロード対象と、ダウンロード設定の項目を有している。
【0056】
ログインIDとパスワードの項目には、情報処理装置31が管理装置2にアクセスする際に用いる文字列が記憶される。国名と言語の項目には、それぞれ、情報処理装置31を含む検体分析装置3が設置されている国名と使用される言語が記憶される。ダウンロード対象の項目には、管理装置2からダウンロードするファイルの種類が記憶される。本実施の形態のダウンロード対象の項目は、“プログラム”と“取扱説明書”に固定されている。
【0057】
ダウンロード設定の項目には、管理装置2からのダウンロードを自動的に行うか手動で行うかが記憶される。図6(a)に示す如く設定情報が設定されている場合、情報処理装置31は、管理装置2から、分析装置を制御するためのプログラムと、このプログラムに対応する電子マニュアルとを、自動的にダウンロードすることになる。
【0058】
図6(b)は、情報処理装置31の表示部320に表示される、設定情報を設定するための設定画面510を示す図である。
【0059】
設定画面510は、自動ダウンロード設定領域511と、本体情報設定領域512と、OKボタン513と、キャンセルボタン514を備えている。
【0060】
自動ダウンロード設定領域511は、“自動”と“手動”を択一的に選択可能なボタンを有している。ユーザにより何れかのボタンが押下されると、押下されたボタンが選択状態となる。
【0061】
本体情報設定領域512は、選択リスト512a、512bと、入力エリア512c、512dを有している。ユーザは、選択リスト512a、512bから、それぞれ国名と言語を選択することができ、入力エリア512c、512dに、それぞれ、ユーザIDとパスワードを入力することができる。
【0062】
ユーザによりOKボタン513が押下されると、自動ダウンロード設定領域511と本体情報設定領域512に設定された内容が、情報処理装置31の設定情報に上書きされる。また、ユーザによりキャンセルボタン514が押下されると、設定画面510上で新たに設定された内容が破棄される。
【0063】
図7(a)は、情報処理装置31のハードディスク304に格納されている分析装置情報を概念的に示す例示図である。
【0064】
分析装置情報は、分析装置と、PSコードと、シリアル番号と、装置名称と、実行バージョンと、待機バージョンの項目を有している。実行バージョンと待機バージョンの項目は、いずれも、プログラムのバージョンと、プログラムと、取扱説明書の項目を有している。
【0065】
分析装置と、PSコードと、シリアル番号と、装置名称の項目には、それぞれ、情報処理装置31に接続された分析装置の識別番号(配置順)と、PSコードと、シリアル番号と、装置名称が記載される。これらの項目は、情報処理装置31に分析装置が接続されたときに、あらかじめ、この分析装置情報に設定される。なお、PSコードは、上述したように分析装置の種類を示すコードであり、シリアル番号は、PSコード内での製造番号に対応する番号である。
【0066】
実行バージョンの項目には、現在使用されているプログラムのバージョンと、現在使用されているプログラムと、現在使用されている電子マニュアルが記憶される。すなわち、図7(a)に示す如く分析装置情報が設定されている場合、情報処理装置31は、現在、1台目と2台目の分析装置を駆動する際に、PSコードがA系で、バージョンが2であるプログラムを使用する。また、このプログラムに対応する電子マニュアルが、ユーザにより閲覧可能となる。同様に、情報処理装置31は、現在、3台目の分析装置を駆動する際に、PSコードがB系で、バージョンが2であるプログラムを使用する。また、このプログラムに対応する電子マニュアルが、ユーザにより閲覧可能となる。なお、情報処理装置31の表示部320に電子マニュアルが表示されると、ユーザはその電子マニュアルをスクロールすることにより、表示される箇所を変更することが可能である。
【0067】
待機バージョンの項目には、管理装置2からダウンロードされたプログラムのバージョンと、管理装置2からダウンロードされたプログラムと、管理装置2からダウンロードされた電子マニュアルが記憶される。図7(a)では、待機バージョンの項目は、空白となっている。
【0068】
分析装置情報が図7(a)に示す状態から、情報処理装置31により、管理装置2からプログラムと電子マニュアル等がダウンロードされると、分析装置情報は、図7(b)に示す状態となる。すなわち、図7(b)の破線部分に示す如く、1台目と2台目の分析装置を駆動するための、バージョンが3であるプログラムが、待機バージョンの項目のプログラムの項目に記憶される。また、このプログラムに対応する電子マニュアルが、待機バージョンの項目の取扱説明書の項目に記憶される。なお、ここでは、3台目の分析装置を駆動するための新しいプログラムは、ダウンロードされていない。この場合、図示の如く、3台目の分析装置に対応する待機バージョンの項目の各項目は、空白のままとなる。
【0069】
図8は、情報処理装置31による更新処理を示すフローチャートである。
【0070】
情報処理装置31のCPU301は、ユーザにより電源投入の指示を受け付けると(S11:YES)、分析装置情報の待機バージョンのチェックを行う(S12)。続いて、CPU301は、待機バージョンの有無を判定する(S13)。すなわち、分析装置情報の待機バージョンの全ての項目が、図7(a)に示すように空白であると、CPU301は待機バージョンなしと判定し、分析位置情報の待機バージョンの項目が、図7(b)に示すように空白でないと、CPU301は待機バージョンありと判定する。
【0071】
CPU301は、待機バージョンありと判定すると(S13:YES)、表示部320に使用指示画面520を表示して、ユーザにより待機バージョンを使用する指示が行われたかを判定する(S14)。他方、CPU301により、待機バージョンなしと判定されると(S13:NO)、処理がS16に進められる。
【0072】
図9(a)は、情報処理装置31の表示部320に表示される使用指示画面520を示す図である。
【0073】
使用指示画面520は、OKボタン521とキャンセルボタン522を備えている。ユーザによりOKボタン521が押下されると、待機バージョンを使用する指示が、情報処理装置31のCPU301に送信される。また、ユーザによりキャンセルボタン522が押下されると、待機バージョンを使用しない指示が、情報処理装置31のCPU301に送信される。
【0074】
図8に戻り、情報処理装置31のCPU301は、使用指示画面520のOKボタン521が押下されたことにより、使用指示を受け付けると(S14:YES)、待機バージョンのプログラム等を使用可能状態にする(S15)。すなわち、CPU301は、まず、実行バージョンの各項目のプログラム等を、後述する格納情報(図9(b)参照)の格納バージョンの対応する項目に追加する。その後、CPU301は、待機バージョンの各項目のプログラム等を、分析装置情報の実行バージョンの対応する項目に上書きする。他方、CPU301は、使用指示画面520のキャンセルボタン522が押下されたことにより、待機バージョンのプログラム等を使用しない指示を受け付けると、(S14:NO)、処理がS16に進められる。
【0075】
図9(b)は、情報処理装置31のハードディスク304に格納されている格納情報を概念的に示す例示図である。
【0076】
格納情報は、PSコードと、シリアル番号と、装置名称と、格納バージョンの項目を有している。格納バージョンの項目は、プログラムのバージョンと、プログラムと、取扱説明書の項目を有している。なお、格納情報のPSコードと、シリアル番号と、装置名称と、プログラムのバージョンと、プログラムと、取扱説明書の項目は、分析装置情報と同様である。
【0077】
格納情報の格納バージョンの項目には、図示の如く、過去に分析装置情報の実行バージョンの項目に記憶されていた全てのプログラム等が記憶されている。図8のS15の処理において、格納情報に実行バージョンの項目のプログラム等が追加される際には、PSコードと、シリアル番号と、装置名称とが一致する領域に、実行バージョンの項目のプログラムのバージョンと、プログラムと、電子マニュアルが記憶される。これにより、たとえば、実行バージョンの項目のプログラムに不具合があるような場合でも、適宜、格納バージョンに記憶されているバージョンのプログラムを使用可能状態に復帰させることが可能となる。
【0078】
図8に戻り、情報処理装置31のCPU301は、分析装置情報の実行バージョンの項目の各プログラムを起動する(S16)。これにより、情報処理装置31により、分析装置32〜34が駆動され、分析装置32〜34による測定動作が開始される。なお、分析装置32〜34の測定動作は、以下のS17〜S25の処理と並行して行われる。
【0079】
続いて、CPU301は、設定情報の自動ダウンロードの項目が、自動に設定されているかを判定する(S17)。自動ダウンロードの項目が手動に設定されていると(S17:NO)、処理がS26に進められ、情報処理装置31がシャットダウンされるまで、測定等の処理が継続される(S26)。他方、自動ダウンロードの項目が自動に設定されていると(S17:YES)、CPU301は、更新バージョンの検索依頼を管理装置2に送信する(S18)。
【0080】
ここで、情報処理装置31から管理装置2に送信される検索依頼は、図10(a)に示す情報と、図7(a)または(b)に示した分析装置情報を含んでいる。なお、図10(a)の情報は、図6(a)の設定情報からダウンロード設定を除いた項目からなっている。
【0081】
図11(a)は、情報処理装置31から更新バージョンの検索依頼を受信した場合の、管理装置2による処理を示すフローチャートである。
【0082】
管理装置2のCPU201は、情報処理装置31から検索依頼を受信すると(S101:YES)、検索依頼の内容に基づいてファイル情報を検索する(S102)。具体的には、CPU201は、検索依頼の内容に含まれるPSコードの項目に一致するファイル情報のバージョンの項目に、検索依頼に含まれる実行バージョンと待機バージョンよりも新しいバージョンがあるかを検索する。
【0083】
新しいバージョンのプログラム等があると(S103:YES)、図10(b)に示す検索結果のダウンロードリストの項目に、検索により見つかったプログラムのバージョンと、電子マニュアルのバージョンとをセットする(S104)。なお、プログラムのバージョンと、電子マニュアルのバージョンの替わりに、プログラムのファイル名と、電子マニュアルのファイル名がセットされるようにしても良い。続いて、CPU201は、図10(b)に示すような検索結果を、情報処理装置31に送信する(S106)。
【0084】
他方、新しいバージョンのプログラム等がないと(S103:NO)、検索結果のダウ
ンロード項目に空白をセットする(S105)。続いて、CPU201は、図10(b)においてダウンロード項目が空白となった検索結果を、情報処理装置31に送信する(S106)。
【0085】
なお、情報処理装置31が新規に設置された場合には、管理装置2が受信する検索依頼に含まれる実行バージョンと待機バージョンの項目は全て空白となっている。この場合、CPU201は、ファイル情報の中から最も新しいプログラムのバージョンを情報処理装置31に送信する。
【0086】
図8に戻り、情報処理装置31のCPU301は、管理装置2から検索結果を受信すると(S19:YES)、受信した検索結果に基づいて、分析装置のプログラムに更新情報があるかを判定する(S20)。すなわち、受信した検索結果のダウンロード項目が全て空白であった場合、更新情報なしとなり(S20:NO)、処理がS26に進められる。他方、受信した検索結果のダウンロード項目が全て空白でないと、更新情報ありとなり(S20:YES)、処理がS21に進められる。
【0087】
更新情報がありの場合、CPU301は、図10(a)に示すような設定情報の一部と、S19で受信した検索結果とを含むダウンロード要求を、管理装置2に送信する(S21)。
【0088】
図11(b)は、情報処理装置31からダウンロード要求を受信した場合の、管理装置2による処理を示すフローチャートである。
【0089】
管理装置2のCPU201は、情報処理装置31からダウンロード要求を受信すると(S201:YES)、ダウンロード要求の内容に基づいてファイルを送信する(S202)。すなわち、ダウンロード要求に含まれるダウンロードリストの項目のプログラムのバージョンと、電子マニュアルのバージョンとに基づいて、図10(c)に示すように、PSコードと、シリアル番号と、プログラム(データ)と、電子マニュアルを、1回の送信手順により情報処理装置31に送信する。これにより、プログラムと電子マニュアルは、情報処理装置31に同時に受信されることとなる。
【0090】
なお、情報処理装置31には、情報処理装置31から受信したダウンロード要求に含まれる国名に基づいて、対応する地域のプログラムが送信される。また、情報処理装置31には、情報処理装置31から受信したダウンロード要求に含まれる言語に基づいて、対応する言語の取扱説明書の電子マニュアルが送信される。
【0091】
図8に戻り、情報処理装置31のCPU301は、管理装置2からプログラムと電子マニュアル等を受信すると(S22:YES)、受信したファイルのチェックを行う(S23)。具体的には、まず、情報処理装置31のCPU301が、受信したファイルから生成したCRCコードを管理装置2に送信する。管理装置2のCPU201は、送信ファイルから生成したCRCコードと、情報処理装置31から受信したCRCコードを比較することにより、ファイルの送信に異常があったか否かの判定を行い、判定結果を情報処理装置31に送信する。
【0092】
CPU301は、管理装置2から受信した判定結果に基づいて、ダウンロードファイルに異常なしと判定すると(S24:YES)、待機バージョンの項目に、受信したファイル等を記憶する(S25)。他方、ダウンロードファイルに異常ありと判定されると(S24:NO)、処理がS18に戻され、CPU301は、正常なファイルを受信するまで、S19〜S24の処理を繰り返す。こうして、正常なファイルが受信されると、処理がS26に進められ、情報処理装置31がシャットダウンされるまで、測定等の処理が継続
される(S26)。
【0093】
このように、情報処理装置31による更新処理が行われると、情報処理装置31の電源投入時に、分析装置情報が図7(a)のような状態であると、自動ダウンロードが自動に設定されている場合、管理装置2から新しいバージョンのプログラムと電子マニュアルが送信され、分析装置情報が図7(b)のような状態となる。この後、情報処理装置31がシャットダウンされ、再び起動されると、分析装置情報が図7(b)のような状態であるため、図9(a)の画面にてユーザから更新指示を受けることで、待機バージョンの項目のプログラム等が実行バージョンの項目に上書きされる。これにより、分析装置情報は、図10(d)のような状態となり、新しいバージョンのプログラムと電子マニュアルが使用可能となる。
【0094】
以上、本実施の形態によれば、新しいバージョンのプログラムが情報処理装置31に送信される場合に、このプログラムに対応した電子マニュアルが併せて送信される。これにより、別途、バージョンアップ後のプログラムに対応した取扱説明書を、サービスマンが検体分析装置3(情報処理装置31)の設置場所まで持参する必要がなくなる。このため、サービスマンの負担を軽減することが可能となる。
【0095】
また、本実施の形態によれば、待機バージョンの項目のプログラムと電子マニュアルが実行バージョンの項目に上書きされる前に、実行バージョンの項目のプログラムと電子マニュアルが、格納情報の格納バージョンの項目に追加(バックアップ)される。これにより、実行バージョンの項目のプログラムの使用中に不具合が発生した場合でも、古いバージョンのプログラムと電子マニュアルを、再度実行バージョンとして用いることが容易となる。
【0096】
また、本実施の形態によれば、検体分析装置3(情報処理装置31)の電源が投入されたときに、待機バージョンの項目にあるプログラムと電子マニュアルが、実行バージョンの項目に上書きされ、この後で、情報処理装置31の各プログラムが実行される。これにより、新しいバージョンのプログラムにより分析装置32〜34を制御することができる。また、検体分析装置3(情報処理装置31)の電源投入時以外には、待機バージョンの項目にあるプログラムと電子マニュアルは、実行バージョンの項目に上書きされないため、たとえば、分析装置32〜34の分析動作の途中で、実行バージョンの項目のプログラムが変更されることにより、分析条件等が変更されることを防止することができる。
【0097】
また、本実施の形態によれば、設定情報のダウンロード設定の項目を設定することにより、新しいバージョンのプログラム等を自動的に取得するか否かを設定することができる。また、新しいバージョンのプログラム等を自動的に取得するように設定が行われても、図9(a)に示す画面にて、新しいバージョンのプログラム等を使用するか否かが、ユーザに確認される。これにより、ユーザが意図しないタイミングで、新しいバージョンのプログラム等が実行バージョンに上書きされることがないため、ユーザは、使い慣れたバージョンのプログラムの使用を継続することが可能となる。
【0098】
また、本実施の形態によれば、電子マニュアルがコンピュータプログラムの一部に組み込まれて情報処理装置31に送信されるのではなく、電子マニュアルがコンピュータプログラムとは別のデータファイルとして情報処理装置31に送信される。そのため、たとえば電子マニュアルの一部を改訂したい場合には、電子マニュアルが組み込まれたコンピュータプログラム自体を修正するといった手間を要することなく、電子マニュアルだけを改訂して再度情報処理装置31に送信することができる。
【0099】
また、仮に電子マニュアルがコンピュータプログラムの一部に組み込まれている場合に
、たとえば検体分析装置3にエラーが生じると、そのエラーが原因でコンピュータプログラムが良好に稼働せず、電子マニュアルを表示部320に表示させることができない惧れがある。しかしながら、本実施の形態では、電子マニュアルとコンピュータプログラムとが別のファイルとして存在するため、コンピュータプログラムが良好に稼働していない場合であってもユーザは電子マニュアルを参照することが可能である。
【0100】
また、本実施の形態では、電子マニュアルをプリントアウトすることによって冊子形式の取扱説明書を容易に作成することができるため、検体分析装置3に生じたエラーが原因で表示部320に電子マニュアルを表示させることができない場合であっても、ユーザは冊子形式の取扱説明書を参照しながらエラーに対処することが可能となる。また、表示部320から遠く離れた位置にある分析装置を、取扱説明書を参照しながら操作することも可能となる。
【0101】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら制限されるものではない。また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0102】
たとえば、上記実施の形態では、測定対象として血液を例示したが、尿についても測定対象とされ得る。すなわち、尿を検査する検体処理システムにも本発明を適用することができ、さらに、他の臨床検体を検査する臨床検体処理システムに本発明を適用することもできる。
【0103】
また、上記実施の形態では、プログラムと電子マニュアルが、管理装置2による1回の送信手順により、管理装置2から情報処理装置31に送信され、これらプログラムと電子マニュアルが、情報処理装置31により同時に受信された。しかしながら、これに限らず、プログラムと電子マニュアルが、管理装置2による2回以上の送信手順により、管理装置2から情報処理装置31に別々に送信され、これらプログラムと電子マニュアルが、情報処理装置31により別々のタイミングで受信されるようにしても良い。たとえば、情報処理装置31により受信したプログラムに異常なしと判定された後に、情報処理装置31により電子マニュアルが受信されるようにしても良い。また、情報処理装置31により受信した電子マニュアルに異常なしと判定した後に、情報処理装置31によりプログラムが受信されるようにしても良い。
【0104】
また、上記実施の形態では、プログラムと電子マニュアルが、管理装置2から、1つのファイルとして送信されるようにしても良い。この場合、たとえば、図10(c)に示す送信内容が、1つのファイルにまとめられた形で送信される。また、プログラムと電子マニュアルが、管理装置2から、別々のファイルとして送信されるようにしても良い。この場合、たとえば、図10(c)に示す送信内容が、管理装置2による1回の送信手順に含まれるようにして送信される。
【0105】
また、上記実施の形態では、情報処理装置31により、プログラムと電子マニュアルが受信されたが、これに限らず、情報処理装置31とは別の検体分析装置3内の別のダウンロード端末により、プログラムと電子マニュアルが受信されるようにしても良い。また、プログラムを受信する端末と、電子マニュアルを受信する端末とが、異なるようにしても良い。
【0106】
また、上記実施の形態では、情報処理装置31から管理装置2に更新バージョンの検索依頼が送信され、管理装置2で更新バージョンの検索が行われたが、これに限らず、更新バージョンの検索は、情報処理装置31によって行われるようにしても良い。この場合、管理装置2に記憶されている各PSコードの種類における全てのバージョンが、情報処理
装置31に送信され、この送信内容に基づいて情報処理装置31で新しいバージョンの検索が行われるようにしても良い。また、管理装置2に記憶されている各PSコードの種類の全てのバージョンのプログラムが、情報処理装置31に送信され、情報処理装置31での比較処理の結果、新しいバージョンのプログラムが存在すると情報処理装置31が判断した場合に、そのプログラムを情報処理装置31上で実行可能な状態とし、他のプログラムを破棄する構成であってもよい。
【0107】
また、上記実施の形態では、PDF形式の電子マニュアルが管理装置2から情報処理装置31に送信されているが、PDF形式に限らず、WORD形式、EXCEL形式等で電子マニュアルが送信されてもよい。
【0108】
また、上記実施の形態では、情報処理装置31の表示部320に表示された電子マニュアルをユーザがスクロールすることにより、表示される箇所を変更することが可能であるが、本発明はこれに限らない。たとえば、トラブル発生時に表示されるヘルプ画面において、ユーザにより、このヘルプ画面に配される表示指示ボタンが押下されると、情報処理装置31に格納されている電子マニュアルのうち、このトラブルの対処方法について記述された箇所のみが、情報処理装置31の表示部320に表示されるようにしても良い。すなわち、本発明では、電子マニュアルに記述された情報のうち、トラブル等に対する対応方法を示す部分が、何らかの形でユーザに提示されるもので有れば良い。
【0109】
また、上記実施の形態では、情報処理装置31は、実行バージョンと待機バージョンのバージョンを検索依頼に含めたが、これに限らず、さらに格納バージョンのバージョンを検索依頼に含めるようにしても良い。これにより、管理装置2は、情報処理装置31が記憶している全てのバージョンを把握することができるため、効率的にプログラム等を送信することが可能となる。
【0110】
また、上記実施の形態では、図8のS13で待機バージョンありと判定されると、図9(a)の使用指示画面520が表示され、待機バージョンのプログラムを使用可能状態にするか否かは、OKボタン521とキャンセルボタン522により決定された。しかしながら、これに限らず、待機バージョンありと判定されると、自動的に待機バージョンのプログラムを使用可能状態としても良い。この場合、待機バージョンのプログラムが自動的に使用可能状態とされるか否かが、ユーザにより、あらかじめ情報処理装置31に設定可能となるよう、情報処理装置31が構成される。
【0111】
また、上記実施の形態では、図8のS15で待機バージョンのプログラムを使用可能状態にする際には、実行バージョンのプログラム等が、図9(b)に示すような格納情報に追加された。しかしながら、これに限らず、情報処理装置31に保存されている一切の情報(設定情報、分析装置情報、測定データなどを含む)がバックアップされるようにしても良い。
【0112】
図12(a)は、情報処理装置31によるバックアップ処理を示すフローチャートである。図12(a)に示すS27は、図8のS14とS15の間に挿入される。
【0113】
情報処理装置31のCPU301は、ユーザにより待機バージョンの使用する指示がなされると(S14:YES)、ハードディスク304内の全ての情報を、ハードディスク304内の所定の場所にバックアップする(S27)。これにより、たとえば、待機バージョンの項目のプログラムが、実行バージョンに上書きされる際に不具合が発生した場合でも、ハードディスク304内のバックアップした情報に基づいて、情報処理装置31を、バックアップ時の状態に戻すことができる。
【0114】
なお、S27では、ハードディスク304内の情報が、ハードディスク304内にバックアップされたが、これに限らず、記録媒体に保存されるようにしても良い。この場合、図12(a)のS27の替わりに、図12(b)に示すように、S28、S29が挿入される。
【0115】
図12(b)を参照して、情報処理装置31のCPU301は、まず、図12(c)に示すような記録媒体確認画面530を表示する(S28)。続いて、CPU301は、ユーザによりR/W装置305(図3参照)に記憶媒体がセットされ、ユーザによりOKボタン531が押下されたかを判定する(S29)。記録媒体がセットされ、OKボタン531が押下されていると(S29:YES)、CPU301は、ハードディスク304内の全ての情報を、R/W装置305にセットされた記憶媒体にバックアップする(S30)。この場合も、記録媒体にバックアップした情報に基づいて、情報処理装置31をバックアップ時の状態に戻すことができる。
【0116】
また、上記実施の形態では、図6(a)に示すダウンロード対象の項目は、“プログラム”と“取扱説明書”に固定されたが、これに限らず、他のファイルを含むようにしても良い。また、ダウンロード対象の項目は、ユーザにより適宜設定できるようにしても良い。
【0117】
また、上記実施の形態では、情報処理装置31でユーザが用いる言語が、情報処理装置31内のハードディスク304(設定情報)に記憶されたが、これに限らず、管理装置2のハードディスク304に、あらかじめ記憶されるようにしても良い。
【0118】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0119】
1 … 検体分析システム
2 … 管理装置
3 … 検体分析装置
4 … ネットワーク
201 … CPU
204 … ハードディスク
208 … 通信インターフェース
301 … CPU
304 … ハードディスク
308 … 通信インターフェース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を分析する検体分析装置、および、当該検体分析装置と通信ネットワークを介して接続された管理装置を備え、
前記管理装置は、
前記検体分析装置用のコンピュータプログラム、および、当該コンピュータプログラムのバージョンに対応し、前記検体分析装置の取り扱い方法が記述された取扱説明書データを記憶する第1記憶部と、
前記検体分析装置との通信を行う第1通信部と、
前記第1記憶部に記憶されているコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを、前記第1通信部を介して前記検体分析装置に送信する第1制御部と、を含み、
前記検体分析装置は、
前記第1通信部との通信を行い、当該第1通信部から送信されたコンピュータプログラムおよび取扱説明書データを受信する第2通信部と、
前記第2通信部が受信したコンピュータプログラムおよび取扱説明書データを記憶する第2記憶部と、
前記第2記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを実行する第2制御部と、を含む、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項2】
請求項1に記載の検体分析システムにおいて、
前記検体分析装置の前記第2記憶部には、前記検体分析装置用の第1コンピュータプログラムが記憶されており、
前記管理装置の前記第1制御部は、前記第1コンピュータプログラムのバージョンよりも新しいバージョンの第2コンピュータプログラムを、前記第1通信部を介して前記検体分析装置に送信する場合には、当該第2コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを、前記第1通信部を介して前記検体分析装置に送信する、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項3】
請求項2に記載の検体分析システムにおいて、
前記検体分析装置の前記第2制御部は、前記第2記憶部に記憶されている前記第1コンピュータプログラムのバージョン情報を、前記第2通信部を介して、前記管理装置に送信し、
前記管理装置の前記第1制御部は、前記検体分析装置から前記第1通信部を介して受信した前記第1コンピュータプログラムのバージョン情報に基づいて、前記第1コンピュータプログラムより新しいバージョンの前記第2コンピュータプログラムが前記第1記憶部に記憶されているか否かを判断し、前記第2コンピュータプログラムが前記第1記憶部に記憶されている場合に、前記第2コンピュータプログラムおよび当該第2コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを、前記第1通信部を介して、前記検体分析装置に送信する、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載の検体分析システムにおいて、
前記検体分析装置の前記第2制御部は、前記第2コンピュータプログラムを実行可能な状態に設定する場合、前記第2記憶部に記憶されている前記第1コンピュータプログラムおよび当該第1コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを保存する、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載の検体分析システムにおいて、
前記検体分析装置の前記第2制御部は、前記管理装置から送信されたコンピュータプログラムを前記第2記憶部に格納し、当該第2記憶部に格納されたコンピュータプログラムを自動的に実行可能な状態に設定する、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項6】
請求項5に記載の検体分析システムにおいて、
前記第2制御部は、前記検体分析装置の電源が投入されたときに、前記第2記憶部に格納された前記コンピュータプログラムを実行可能な状態に設定する、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一項に記載の検体分析システムにおいて、
前記検体分析装置の前記第2制御部は、前記管理装置から送信されたコンピュータプログラムを実行可能な状態に設定する前に、前記検体分析装置に保存されている情報をバックアップする、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項8】
請求項4ないし7の何れか一項に記載の検体分析システムにおいて、
前記検体分析装置の前記第2記憶部は、前記管理装置から送信されたコンピュータプログラムが格納される第1記憶領域と、前記第2制御部により実行されるコンピュータプログラムが格納される第2記憶領域とを含み、
前記第2制御部は、前記管理装置から送信されたコンピュータプログラムを前記第2記憶部の前記第1記憶領域から前記第2記憶領域に移すことで、前記コンピュータプログラムを実行可能な状態に設定する、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れか一項に記載の検体分析システムにおいて、
前記管理装置の前記第1制御部は、一回の送信手順により、コンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを、前記第1通信部を介して、前記検体分析装置に送信する、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか一項に記載の検体分析システムにおいて、
前記管理装置の前記第1記憶部に記憶されたコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データが前記管理装置から前記検体分析装置に自動的に送信されるか否かを設定する自動送信設定手段を備える、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項11】
請求項1ないし10の何れか一項に記載の検体分析システムにおいて、
前記管理装置の前記第1記憶部は、一のバージョンのコンピュータプログラムに対応する取扱説明書データとして、第1の言語で記載された第1取扱説明書データおよび第2の言語で記載された第2取扱説明書データを記憶し、
前記管理装置の前記第1制御部は、前記検体分析装置における取扱説明書の言語の設定情報に基づいて、前記第1取扱説明書データまたは前記第2取扱説明書データを、前記第1通信部を介して前記検体分析装置に送信する、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項12】
請求項11に記載の検体分析システムにおいて、
前記検体分析装置の前記第2制御部は、前記第2通信部を介して、前記言語の設定情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置の前記第1制御部は、前記検体分析装置から送信された前記言語の設定情報を、前記第1通信部を介して受信する、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項13】
請求項12に記載の検体分析システムにおいて、
前記検体分析装置の前記第2記憶部には、前記検体分析装置用のコンピュータプログラムが記憶されており、
前記検体分析装置の第2制御部は、前記第2記憶部に記憶されているコンピュータプログラムのバージョン情報と対応付けて、前記言語の設定情報を、前記第2通信部を介して前記管理装置に送信する、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項14】
管理装置と通信ネットワークを介して接続された検体分析装置であって、
前記管理装置からコンピュータプログラム、および、当該コンピュータプログラムのバージョンに対応し、前記検体分析装置の取り扱い方法が記述された取扱説明書データを受信する受信部と、
前記受信部により受信されたコンピュータプログラムおよび取扱説明書データを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを実行する制御部と、を備える、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項15】
検体を分析する検体分析装置と通信ネットワークを介して接続された管理装置であって、
前記検体分析装置用のコンピュータプログラム、および、当該コンピュータプログラムのバージョンに対応し、前記検体分析装置の取り扱い方法が記述された取扱説明書データを記憶する記憶部と、
送信部と、
前記記憶部に記憶されているコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを、前記送信部を介して前記検体分析装置に送信する制御部と、を備える、
ことを特徴とする管理装置。
【請求項1】
検体を分析する検体分析装置、および、当該検体分析装置と通信ネットワークを介して接続された管理装置を備え、
前記管理装置は、
前記検体分析装置用のコンピュータプログラム、および、当該コンピュータプログラムのバージョンに対応し、前記検体分析装置の取り扱い方法が記述された取扱説明書データを記憶する第1記憶部と、
前記検体分析装置との通信を行う第1通信部と、
前記第1記憶部に記憶されているコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを、前記第1通信部を介して前記検体分析装置に送信する第1制御部と、を含み、
前記検体分析装置は、
前記第1通信部との通信を行い、当該第1通信部から送信されたコンピュータプログラムおよび取扱説明書データを受信する第2通信部と、
前記第2通信部が受信したコンピュータプログラムおよび取扱説明書データを記憶する第2記憶部と、
前記第2記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを実行する第2制御部と、を含む、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項2】
請求項1に記載の検体分析システムにおいて、
前記検体分析装置の前記第2記憶部には、前記検体分析装置用の第1コンピュータプログラムが記憶されており、
前記管理装置の前記第1制御部は、前記第1コンピュータプログラムのバージョンよりも新しいバージョンの第2コンピュータプログラムを、前記第1通信部を介して前記検体分析装置に送信する場合には、当該第2コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを、前記第1通信部を介して前記検体分析装置に送信する、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項3】
請求項2に記載の検体分析システムにおいて、
前記検体分析装置の前記第2制御部は、前記第2記憶部に記憶されている前記第1コンピュータプログラムのバージョン情報を、前記第2通信部を介して、前記管理装置に送信し、
前記管理装置の前記第1制御部は、前記検体分析装置から前記第1通信部を介して受信した前記第1コンピュータプログラムのバージョン情報に基づいて、前記第1コンピュータプログラムより新しいバージョンの前記第2コンピュータプログラムが前記第1記憶部に記憶されているか否かを判断し、前記第2コンピュータプログラムが前記第1記憶部に記憶されている場合に、前記第2コンピュータプログラムおよび当該第2コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを、前記第1通信部を介して、前記検体分析装置に送信する、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載の検体分析システムにおいて、
前記検体分析装置の前記第2制御部は、前記第2コンピュータプログラムを実行可能な状態に設定する場合、前記第2記憶部に記憶されている前記第1コンピュータプログラムおよび当該第1コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを保存する、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載の検体分析システムにおいて、
前記検体分析装置の前記第2制御部は、前記管理装置から送信されたコンピュータプログラムを前記第2記憶部に格納し、当該第2記憶部に格納されたコンピュータプログラムを自動的に実行可能な状態に設定する、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項6】
請求項5に記載の検体分析システムにおいて、
前記第2制御部は、前記検体分析装置の電源が投入されたときに、前記第2記憶部に格納された前記コンピュータプログラムを実行可能な状態に設定する、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一項に記載の検体分析システムにおいて、
前記検体分析装置の前記第2制御部は、前記管理装置から送信されたコンピュータプログラムを実行可能な状態に設定する前に、前記検体分析装置に保存されている情報をバックアップする、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項8】
請求項4ないし7の何れか一項に記載の検体分析システムにおいて、
前記検体分析装置の前記第2記憶部は、前記管理装置から送信されたコンピュータプログラムが格納される第1記憶領域と、前記第2制御部により実行されるコンピュータプログラムが格納される第2記憶領域とを含み、
前記第2制御部は、前記管理装置から送信されたコンピュータプログラムを前記第2記憶部の前記第1記憶領域から前記第2記憶領域に移すことで、前記コンピュータプログラムを実行可能な状態に設定する、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れか一項に記載の検体分析システムにおいて、
前記管理装置の前記第1制御部は、一回の送信手順により、コンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを、前記第1通信部を介して、前記検体分析装置に送信する、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか一項に記載の検体分析システムにおいて、
前記管理装置の前記第1記憶部に記憶されたコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データが前記管理装置から前記検体分析装置に自動的に送信されるか否かを設定する自動送信設定手段を備える、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項11】
請求項1ないし10の何れか一項に記載の検体分析システムにおいて、
前記管理装置の前記第1記憶部は、一のバージョンのコンピュータプログラムに対応する取扱説明書データとして、第1の言語で記載された第1取扱説明書データおよび第2の言語で記載された第2取扱説明書データを記憶し、
前記管理装置の前記第1制御部は、前記検体分析装置における取扱説明書の言語の設定情報に基づいて、前記第1取扱説明書データまたは前記第2取扱説明書データを、前記第1通信部を介して前記検体分析装置に送信する、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項12】
請求項11に記載の検体分析システムにおいて、
前記検体分析装置の前記第2制御部は、前記第2通信部を介して、前記言語の設定情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置の前記第1制御部は、前記検体分析装置から送信された前記言語の設定情報を、前記第1通信部を介して受信する、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項13】
請求項12に記載の検体分析システムにおいて、
前記検体分析装置の前記第2記憶部には、前記検体分析装置用のコンピュータプログラムが記憶されており、
前記検体分析装置の第2制御部は、前記第2記憶部に記憶されているコンピュータプログラムのバージョン情報と対応付けて、前記言語の設定情報を、前記第2通信部を介して前記管理装置に送信する、
ことを特徴とする検体分析システム。
【請求項14】
管理装置と通信ネットワークを介して接続された検体分析装置であって、
前記管理装置からコンピュータプログラム、および、当該コンピュータプログラムのバージョンに対応し、前記検体分析装置の取り扱い方法が記述された取扱説明書データを受信する受信部と、
前記受信部により受信されたコンピュータプログラムおよび取扱説明書データを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを実行する制御部と、を備える、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項15】
検体を分析する検体分析装置と通信ネットワークを介して接続された管理装置であって、
前記検体分析装置用のコンピュータプログラム、および、当該コンピュータプログラムのバージョンに対応し、前記検体分析装置の取り扱い方法が記述された取扱説明書データを記憶する記憶部と、
送信部と、
前記記憶部に記憶されているコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムのバージョンに対応した取扱説明書データを、前記送信部を介して前記検体分析装置に送信する制御部と、を備える、
ことを特徴とする管理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−68172(P2012−68172A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214540(P2010−214540)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
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