説明

検査および包装のため脱イオン水をガス抜きする装置および方法

【課題】コンタクトレンズを検査・包装用に取扱い、準備する自動装置を提供すること。
【解決手段】コンタクトレンズを検査・包装する際に脱イオン水をガス抜きする装置であって、(a)真空チャンバと、(b)前記真空チャンバの内部に取り付けられ、ガス抜き処理する脱イオン水を連続的に受け入れる複数のガス透過性チューブと、(c)前記脱イオン水を前記複数のガス透過性チューブを通して送るための圧力差を生起させる手段と、(d)前記ガス抜きした脱イオン水を複数の分配ポイントに分配するマニホールドと、(e)ガス抜きした脱イオン水の1mlより少ない量を測りとって前記各分配ポイントへ送り出す精密計測ポンプを少なくとも1個備える。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
[発明の属する技術分野]
本発明は、眼科用レンズの製造、特に成形済みの親水性コンタクトレンズに係り、より詳しくは、コンタクトレンズを検査・包装するために脱イオン水をガス抜きする装置および方法に関する。
【0002】
[従来の技術]
親水性コンタクトレンズの成形については、米国特許第4,495,313 号(Larsen)同第4,640,489 号(Larsen他)、同第4,460,336 号(Larsen他)、同第4,889,664 号(Larsen他)、および同第5,039,459 号(Larsen他)に記載がある(すべて本出願人に譲渡済み)。
【0003】
これらの従来技術文献は、2個×4個の成形用アレー(配列)に並べた前面(下方)曲線用型片と後面(上方)曲線用成型片の間に、コンタクトレンズをモノマーあるいはモノマー混合物をサンドイッチ状にして形成するコンタクトレンズの製造プロセスを開示したものである。モノマーは重合によってレンズに成形され、このレンズは型片から取り外してさらに水和浴で処理し、最終的な使用のために包装される。
【0004】
米国特許第5,080,839 号および同第5,094,609 号はそれぞれ、前述の各特許に開示されたモノマーおよびモノマー混合物から形成されたコンタクトレンズを水和するプロセスおよび、コンタクトレンズを水和するチャンバを開示している。これらの特許に開示されたプロセスは、脱イオン水と少量の界面活性剤(塩類は使わない)でレンズを水和し、型片から取り外すのに要する歩留り時間を大幅に削減するため、水和プロセスでレンズブランクの元になるポリマーに時間のかかる中和を施す必要はなくなる。脱イオン水を使用するときには、プロセスの最終工程において、緩衝用の生理食塩水を最終的なパッケージに導入し、ついでレンズをパッケージの中に密封する。これは、パッケージの中でレンズの最終的な平衡(中和、最終的な水和およびレンズの最終寸法の意味において)が、室温中あるいは殺菌工程中で達成されるようにするためである。
【0005】
米国特許第4,961,820 号(これも本出願人に譲渡済み)は、コンタクトレンズ用の最終的なパッケージを開示しているが、このパッケージは、透明なポリプロピレンブリスター(ふくれ)とこれにヒートシールされる箔のラミネートから形成される。
【0006】
[発明が解決しようとする課題]
ところで、米国特許第5,080,839 号および同第5,094,609 号は、水和プロセスの全体と最終包装への移行を完全に自動化することを企図しており、他方上述の各特許に記載されているチャンバとプロセスは水和中にレンズを自動的に取扱うことを可能にするが、完全に自動化された装置において、レンズの高生産性を実現するために、レンズを検査のために準備しレンズを高い生産速度で処理するのに適した自動化された装備は、これまでのところは知られていない。
【0007】
[課題を解決するための手段]
上述の各特許に係る方法によるコンタクトレンズの検査における新たな展開から、本出願人の米国特許出願第994,564 号(発明の名称:「レンズ検査方法および装置」)に記載したような自動レンズ検査が生まれた。さらに、湿潤したコンタクトレンズの水和と自動取扱いにおける最近の進歩からは、本出願人に係る米国特許出願第258,556 号(発明の名称:「ソフトコンタクトレンズを水和させる自動装置および方法」)にあるような、自動レンズ検査システムによる検査に先立って水和中にロボットでレンズを自動取扱いする方法も生まれた。
【0008】
そこで、本発明の目的は、コンタクトレンズを検査用に取扱い、準備する自動装置を提供することである。本発明はさらに、コンタクトレンズを検査と包装にかけるために取扱い、準備する自動装置(ここでレンズは先に述べたのと同様に検査され、包装される)を提供することも目的とする。
【0009】
さらに、自動検査手段におけるレンズの検査を容易にするため、ガス抜きした脱イオン水とともにキャリアの間で、レンズを移動させることも本発明の目的である。そして、自動レンズ検査システムにおける検査に先立って、レンズの表面に発生する気泡を除去する装置を提供することも本発明の目的である。
【0010】
その他、ガス抜きした脱イオン水中でレンズを検査することにより、自動レンズ検査の際に誤った否定的なデータを与えるおそれのある気泡の形成を最小限に抑える、成形済みコンタクトレンズの改善した検査方法を提供することも本発明の目的である。
【0011】
また、レンズをまず使い捨てのコンタクトレンズ用型フレーム中で成形し、ガス抜きした脱イオン水中で水和・検査し、そして生理食塩水中に包装してこの最終的な包装の中で重合により形成したレンズの時間のかかる中和を行う、ソフトコンタクトレンズの改善した製造方法を提供することも本発明の目的である。そして、上述の各方法に、欠陥レンズを包装に先立って、検査済レンズのラインから取り外す統合システムを付加することも本発明の目的である。
【0012】
本発明のもう一つの目的は、ガス抜きした脱イオン水中でコンタクトレンズを検査する方法、および検査の後脱イオン水を自動的に除去する方法を提供することである。
【0013】
最後に、本発明は、自動レンズ検査の際に誤った否定的なデータを与えるおそれのある気泡を吹き飛ばすステーションの付いた、コンタクトレンズを水和ステーションから検査ステーションへ移動させる装置を提供することも目的とする。
【0014】
本発明は、主として、米国特許出願第258,654 号(発明の名称:「コンタクトレンズ成形システム」)にあるような第1および第2の型片の間で成形したコンタクトレンズについて述べるが、本発明の成形システムに係る装置は、ヒドロゲルを乾燥状態に維持しながら、所望の光学面をもつよう切断・研磨する旋盤加工レンズの統合にも同じように適したものであることは理解されたい。さらに、本発明の装置は、液状のモノマーを遠心力にかけて所望のレンズ光学面の形状に成形するスピンキャスト法で形成するレンズの統合システムにも用いることができる。
【0015】
[発明の実施の形態]
上述の本発明に係る、検査・包装用に脱イオン水をガス抜きする装置および方法の目的・利点は、以下の添付の図面を参照して行う好ましい態様についての詳細な説明により、当業者には容易に理解されるであろう。なお、添付の図面において、各図に共通の要素には同一の参照符号を付した。
【0016】
本発明は、コンタクトレンズ自動製造装置における水和後の処理に係る部分のためのものである。米国特許出願第258,654 号(発明の名称:「水和中のコンタクトレンズを取扱うシステム」)にあるような自動製造ラインで成形され、米国特許出願第994,564 号(発明の名称:「レンズ検査方法および装置」)にあるように自動検査されたコンタクトレンズは、本発明の利点に与るところが大きい。
【0017】
(水和後プロセス)
本発明は、検査中にコンタクトレンズを移送し、また検査後には最終包装の一部として働く多目的使い捨てレンズパッケージキャリアを提案するものである。
【0018】
図1に示した適当なパッケージキャリア20は、射出成形あるいは熱形成されたポリプロピレンのようなプラスチックシート材料から製造され、一端に第1のフランジ部材をなす傾斜壁部38、そして他端にはロボットで扱うパッケージキャリアに整列させるための嵌め込みフランジ33aと33b(33aのみが図1に示されている)の対を有するほぼ矩形の平面状ベース部材34を含む。このパッケージキャリアは、本出願人の米国特許出願第995,607 号(発明の名称:「眼科用レンズパッケージ」)に詳しく記載されている。ベース34の各側には、嵌め込みノッチ31a,31bが設けてあり、これらのノッチは、パッケージキャリアとレンズをさらなる取扱いや処理にかける処理・包装操作において用いられる種々の支持パレットにある嵌め込みピンと共働する。パッケージに一体に形成され、コンタクトレンズ(図示せず)の曲線形状に一致するほぼ半球形の空隙36は、パッケージの中心からずれて設けられる。コンタクトレンズは、米国特許第4,691,820 号(Martinez;本出願人に譲渡済み)と同様の方法で適当な殺菌水溶液に審査されている間、この空隙36に密封状態で格納される。ベース部材34から延びるフランジ38の高さhは、空隙36の深さを補完するもので、後述する特別な形状のパレットキャリアにあるフランジ33a,33bと共働する際、パッケージキャリアの自己配列(セルフアラインメント)を可能にする。フランジ38はまた、製品の最終包装の際にも、複数の「シェブロン(山形の袖章)」形状の隆起32(この後出荷用にカートンに詰めるためひっくり返して重ね合わせたパッケージキャリアの空隙構造を支持する補助をする)と共働して使用される。
【0019】
空隙36はまた、複数の照合用マーク37を含む。このマークは、水和後の処理ステーションの一つで脱イオン水を除去する間、コンタクトレンズを空隙の中央位置に保持するのを補助する際に使用される。パッケージキャリアはまた、出荷の際にコンタクトレンズを気密状態に保つため、箔のラミネートカバーをヒートシールするのに用いられる環状フランジ39を備える。切り抜き部35は、ユーザがレンズを使用するためにカバーストックあるいは箔のラミネートを除去する際、フランジ38とパッケージの把持を容易にするのに用いられる。
【0020】
ベース部材34はまた、上側にある真空グリッパに適当な係合帯を提供する滑らかな平面34aを含む。この平面34aは、製造ラインの各段階においてパッケージキャリアを移送するのに用いられる。
【0021】
図2は、レンズ自動検査システムの中でパッケージキャリアを移送する検査キャリアを示す。検査キャリア10は、パッケージキャリアのボウル36を収め、またレンズ自動検査システムを目視するための通路を提供する空隙40の第1および第2の列10aおよび10bを含む。各側に等間隔に設けられた係合ピン41はパッケージキャリアに係合し、端部係合ピン41aは、ただ一個のパッケージに係合する。これらの係合ピンは、パッケージキャリアの係合ノッチ31a,31bに係合し、検査キャリアの長手方向において、パッケージキャリアとの正確な係合を達成する。他方硬質の縁部42a,42bは、下に延び出たフランジ33a,33bの符合の目印となり、またピン41とともにキャリアパッケージが回転するのを防止する。検査パレット10の各側には、さらに、3個の係合用の穴43が設けられる。これらの穴はパレットを自動レンズ検査ステーション内を移送したり、パッケージキャリアを装着・取り外しを行う際にパレットを所定の位置に固定するときに用いる。検査パレットにはその他、検査パレットを自動レンズ検査システムに設置し、またこれから取り外すオーバーヘッド移送システムを把持するための溝44a,44bの対が設けられる。斜面45の対は、パッケージキャリア30にある下に延び出たフランジ38が入り込むための隙間を与える。
【0022】
図1に示したように、ポリプロピレン製のレンズキャリア20には、二つの目的がある。一つは、自動レンズ検査システムでレンズを検査する際のキャリアとなることで、もう一つは、エンドユーザに出荷する際のレンズの最終的な包装のための容器となることである。これらのパッケージキャリアは、所定のアレーで典型的には1成形サイクル当り4×4列で計16個成形され、ロボット移送手段によって射出成形の型から取り外される。
【0023】
パッケージキャリアはついで、パレット装填ステーションにある検査パレット10に載置される。好ましい態様においては、パッケージキャリアは、このようなアレーでの製造効率を最大にするため、4×4個の配列で成形されるが、検査パレットに移す際には2×8個のアレーにする。パッケージキャリアを装填した検査パレット10は、ついでコンベアで、図10と11に示す脱イオン水射出ステーション16まで搬送される。検査パレット10とともに搬送される各パッケージキャリアは、この脱イオン水射出ステーション16で、一部にガス抜きした脱イオン水を充填される。検査パレット10は、この後プッシュコンベアでレンズ装填エリアまで移送される。このレンズ装填エリアでは、ガス抜きされた脱イオン水が充填された計32個のパッケージキャリアが連なる接触装填エリアを与えるよう、第2のパレットでバッチ処理される。
【0024】
(脱イオン水のガス抜き)
本発明は、米国特許出願第994,564 号にある自動レンズ検査システム用の検査媒体として少量の界面活性剤を含むガス抜き済み脱イオン水を利用する。
【0025】
パッケージキャリアボウルに脱イオン水のみを用いる場合には、コンタクトレンズとキャリア表面との間で摩擦や疎水性の吸引力が生じ、レンズを所望の位置へ移動させるのを妨げるくぼみが発生することがある。例えば、ある公知のプロセスにおいては、コンタクトレンズは、液状のヒドロゲモノマーから形成され、米国特許第4,495,313 号にあるように防砂エステルなどの不活性な希釈剤の存在下で重合される。この不活性の希釈剤は、重合の間ヒドロゲルレンズの空隙を充填し、ついで水和プロセスにおいて脱イオン水と交換される。
【0026】
ところで、水和プロセスが完了した後でも、少量の酸基はレンズの表面に残留していることがあるため、レンズをレンズキャリアのくぼみに載置したときに、これらの酸基のため、レンズがキャリアのボウル表面に付着することがある。そうすると、自由な移動が阻害されるため、レンズは所望の位置まで移動しないことがある。このような事態が起こったときにレンズを自動レンズ検査システムで検査すると、レンズが検査視野に入らないため拒絶されたり、不良品として誤って判断されることがある。
【0027】
米国特許出願第258,266 号(発明の名称:「光学検査の対象を中央に位置させる界面活性剤」)においては、この問題に対する解決策として、少量の界面活性剤を脱イオン水に添加することを提案している。界面活性剤は、レンズとレンズホルダとなるくぼみ表面の間の摩擦を減らし、また疎水性の吸引力が発生するのを防止して、レンズが所望の位置まで確実に引き寄せられるのを補助する。
【0028】
本発明には種々の界面活性剤を用いることができる。例えば、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエートで、ポリソルベート(Polysorbate )80あるいはtween 80、tween 80k°などの商品名で知られている。tween 80を溶液100万部当り25部程度の濃度で添加すると、レンズは、付着することなくパッケージキャリア20内を移動できるようになるが、これより高い濃度でも使用できる。例えば、溶液中の濃度が0.01〜5.0重量%でもよい。界面活性剤は、所望の溶液をつくるため、脱イオン水などの適当な液体キャリア(担体)と混合することができる。
【0029】
溶液中の界面活性剤の濃度は、上で述べた濃度範囲の下限が好ましい。例えば、脱イオン水100万部当り50部より低くてよい。このような低濃度で界面活性剤を使用すると、界面活性剤が泡立つのが避けられ、界面活性剤を所定の濃度以下にできる。
【0030】
水を圧縮した流体ラインから低圧(大気圧)の環境下に噴出させる際に、気泡あるいはガスの泡が生成するのを防止するには、ガス抜きした水を使うのが好ましい。ガス抜きしていない脱イオン水を用いると、小さな気泡が、レンズを移動する前にパッケージに生じたり、あるいはパッケージキャリアにコンタクトレンズを移す際にコンタクトレンズ上に生じたりする。これらの気泡は、脱イオン水に溶解しているガスから生じ、レンズの種(seed)、あるいはパッケージキャリア表面の小さなむらとなる。
【0031】
脱イオン水をガス抜きする装置は、図3〜5に示す。図3は、ガス抜きモジュールの模式図であり、他方図4はガス抜きユニット122の詳細な長手方向断面図である。脱イオン水は、入力ライン112を通して脱イオン水源(水和時の供給源にもなる)から供給される。コンテナから水を引く場合は、脱イオン水タンクあるいはポンプ114にエアブランケットをかける。
【0032】
脱イオン水はついで、水中に含まれているおそれのある外部からの粒子状汚染物を取り除くため、フィルタ118を通す。
【0033】
脱イオン水は、この後、ガス抜きユニット122の入口に供給する。ガス抜きユニット122の中では、脱イオン水はマニホールドに配置された複数のチューブ124に分岐され、ガス抜きユニット122の排出口126で再度合流する。ガス抜きユニット122は、真空ポンプ128を駆動して低圧(典型的には4〜25torr)の下で作動させる。この真空ポンプ128は、管130を介してガス抜きユニット122に接続され、管132を通じて過剰の空気をガス抜きユニットから排出する。
【0034】
脱イオン水は、ガス抜き抜きユニット122から排出管126を通じて外に出ると、管136a,136bおよび精密注入ポンプ140を介してマニホールド138a,138bに流入する。マニホールドは、注入ステーション16および、ロボット移行装置に取り付けたロボット移行アレー102において、各コンタクトレンズ用パッケージキャリアに複数のノズルを提供する共通の供給源として用いられる。ガス抜きした脱イオン水をマニホールド138に送り出すポンプ140には、FMIポンプ(ニューヨーク州オイスターベイのFluid Metering, Inc.製)を、ニューヨーク州オイスターベイのOyster Bay Pump Works, Inc. 製造のポンプ駆動装置に取り付けて用いた。これらのポンプは、ガス抜き済み脱イオン水の溶液を正確な量だけパッケージボウルに注入し、気泡の発生やレンズの付着を抑え、溶液があふれ出る(パッケージの密封領域に水が付着することになる)のを防止し、検査システムに適した水量に制御できる。
【0035】
ここで図4をみると、この図にはモノマー用のガス抜きユニット122が詳細に示されている。このガス抜きユニット122は、円筒形の側壁144、頂部プレート146および底部プレート148からなる圧力領域を含む。底部プレート148には、図5に示す用に、真空ポンプ128に連なる穴130が設けられる。
【0036】
頂部プレート146は、フランジ150とOリング152(フランジと頂部プレートの間で圧縮される)を使って円筒形の側壁144に取り付けられる。Oリング152の圧縮と頂部プレート146のフランジへの取付けは、頂部プレート146をフランジに取り付けるボルト156を使って行われる。
【0037】
水の流入管121は頂部プレート146を通って延び、チャンバ144a内でY字形コネクタにより2本以上の、好ましくは等しい長さの管に分岐し、均等な後方圧を与えて各分岐に均一な流量を実現する。これらの管は、シリコンマニホールド160に接続される。ガス抜きタンクの内部には、2〜10個のシリコンマニホールド(それぞれガスを透過する10本のチューブを有する)が配置される。本発明の好ましい態様においては、このマニホールドは6個用いる。マニホールド160は、二本を平行に配置したものを順に連結していく。
【0038】
ガス抜きユニットの内部構造は、マニホールドのパイプとガス透過マニホールド160の両方を支持するデルリン製ブロック167と168の対に取り付けられる。ガス抜きユニットのデルリン製ブロック167,168は、頂面フランジ146から吊り具282,284を使って釣り下げてもよい。そして、この頂面フランジ146は、頂面ブロックと吊り具286,288を吊し、これらの吊り具286,288は底面ブロックを吊す。流路は上から下に向かい、第1の平行アレーから流れる水は、チューブ290を備えた第2のアレーに向けて頂部に戻る。そして、次はこの第2のアレーからチューブ292を通って次の平行アレーに進む。ガス抜きをした水は、最終的には頂部の出口に向かい、排出パイプ244を介して放出管126に進む。
【0039】
シリコン製マニホールドに滞留している間、溶解したガスは、ポンプ126により生成した真空によりチャンバ130の出口を介して引かれ、マニホールド160のチューブ壁を通って脱イオン水から移行する。水がチャンバの頂部に近づくころには、溶解したガスはほぼなくなっている。
【0040】
図12と13には、マニホールド160の一つを示してある。このうち図12は、マニホールド160の拡大した部分図であり、図18は図12の13−13’線断面図である。図13に示すように、各マニホールド10は、3本−4本−3本に配列された複数のチューブ288を含む。各チューブ288は、マニホールドをデルリン製取付けブロック167,168に封止する一体封止部材296を含むマニホールド取付けブロック294a,294bに取り付けられる。
【0041】
マニホールド160の各チューブには、大量移送の効率を高めるため、スタティックミキサ170(図12にそのうちの一個を示す)を設置する。これらのスタティックミキサ(イリノイ州キャリーのKoflo 社製造)は、デルリン製で、直径が1/4インチ、長さが6インチである。
【0042】
ガス透過性チューブにとって好ましい材料は、ニュージャージィ州アンドーバーのSanitech社製STHTチューブ(ミシガン州ミッドランドのダウコーニング社製造のQ74780医用グレードのシリコンゴムから製造する)である。
【0043】
本発明の装置は、各マニホールド160が10本のチューブを含むように配置される。各チューブは、内径が1/8〜1/2インチ、好ましくは1/4インチ、壁厚が1/16〜1/32インチ、好ましくは1/32インチで、ジュロメータ硬度は80である。
【0044】
タンクの頂部と底部にあるヘッダーチューブは、シリコン、あるいは他の不透過性材料からもつくることができる。これらのチューブは、流れに不均衡が生じる元となる圧力差が生じないよう、どれも同じ長さにする。各ヘッダーチューブはついで、ガス抜き装置の出口を一つにするよう、Y字形に接続される。
【0045】
図5は、本発明で用いる流水系の模式図である。この図において、脱イオン水は再循環供給管202から、遮断弁204、フィルタ206、流量計208および、脱イオン水の供給を電気的に制御する電気作動式の空気圧弁210を通して供給される。逆止弁212と手動式遮断弁204は、導管202中で脱イオン水を再循環させるため隔離を行う。供給管214は、先に述べたtween 80のような界面活性剤を少量計量したものを供給する。
【0046】
脱イオン水は、保持タンク216に格納され、かつ圧力レギュレータ220、空気フィルタ222、および急速排出口226を備えた電気作動式ソレノイド弁224を有する導管218を通して供給システムから供給されるエアブランケット(air blanket )によって圧縮される。
【0047】
装置の通常の操作においては、タンク216内の脱イオン水は、10〜20psi 、好ましくは15psi に維持された空気圧のブランケットによって圧縮される。脱イオン水は、脱イオン水タンク216から、導管228とフィルタ230を介して第1のT字マニホールド232まで引かれ、ここで二つのプロセス流に分岐される。このプロセス流のうちの一つは、前にも述べた米国特許出願第256,556 号(発明の名称:「ソフトコンタクトレンズを水和する自動装置および方法」)にある水和装置に水を供給する。
【0048】
バイパス弁234と分岐導管236を含むバイパスシステムは、一対のT字導管238を介してシステムに接続される。通常の操作においては、バイパス弁234は閉止され、脱イオン水は、T字マニホールド238、遮断弁240および入口チューブ121を通って、本発明のガス抜きタンク122まで進む。ガス抜きした脱イオン水は、供給時には、ガス抜き真空タンク122から、出口導管244と弁246を通ってレンズ移送ノズルおよび検査パッケージに進む。
【0049】
所望の時に試料を取り出すため、試料用の穴248と250が設けられる。入口チューブ242と出口チューブ244にあるフランジ付きのコネクタ、および入口弁240と出口弁246、ならびにバイパス弁234を使うと、システムはガス抜き真空タンク122に向かう分路236を通って迂回し、排水時においても生産ラインの連続作動が維持される。
【0050】
蒸気再循環管252には、米国特許出願第432,927 号(発明の名称:「オンライン蒸気衛生設備」,本出願人に譲渡済)にあるように、分配チューブを定期的に殺菌するため、遮断弁254、圧力ゲージ256およびフィルタ258が設けられる。通常の操作の場合は、蒸気の供給は、ロック式の閉止弁260を使って、ガス抜きした脱イオン水の供給とは一緒にならないようにして行う。これら二つの弁は、分配系を隔離し、蒸気がガス抜き真空タンクおよび脱イオン水タンクに入ることのないようにする。また、分配系の殺菌中に脱イオン水も蒸気もシステムの中に入らないよう、逆止弁264も設置される。
【0051】
ガス抜きシステムの出力は、第1のT字形マニホールド266と第2のT字形マニホールド268を介して分岐され、本発明のガス抜き済脱イオン水に係る三つの主要なシステムが得られる。主要な各システムの圧力を計測するため、圧力ゲージ270と272が設けられる。精密計測ポンプ140aと140bの対は、ガス抜き済脱イオン水を、図6〜9に示した、レンズをあるシステムから次のシステムに移送する際に用いられるレンズ移送ノズルに送り出す。第3の精密計測ポンプ140cは、ガス抜き済脱イオン水を、図10に示したマニホールド178と複数のノズル174に送り出す。これらのノズルは、ガス抜き済脱イオン水を、正確に測って、すでに図1において説明した複数の検査パッケージ用キャリア20が収まったパレット10に注入する。
【0052】
ガス抜き真空タンク122は、真空ゲージ280、真空ポート130、感圧スイッチ282、真空ポンプ128および、空気や絞り出された脱イオン水をドレーン系に排出する排出口132を備える。すでに述べたように、タンク122の圧力は、通常は、スイッチ切替される真空ポンプ128を使って4〜25torrに維持される。ガス抜き装置を通常に操作する場合は、少量の脱イオン水が、シリコンチューブ160のカーブを透過して絞り出され、真空ポンプ128は、通常の操作時には、少量の水を取扱うことのできるダイアフラムポンプである。
【0053】
(検査前の準備)
本発明は、米国特許出願第258,556 号(発明の名称:「ソフトコンタクトレンズの自動水和装置および方法」,本出願人に譲渡済)に開示された発明の実施する際に特に適合する。
【0054】
図6に示すように、複数の、例えば32個のコンタクトレンズを搭載した水和キャリア860は、水和装置から移送位置まで移動する。各凸レンズキャリアによっては、ただ一個のレンズが搬送される。凸レンズキャリアの4×8個のアレー102(組み替えもできる)を備えた連接回動するロボット移送装置は、ついで、アレーを、図6と図7(A)に示す第2の水和キャリア860aの上方に位置させる。
【0055】
図7(A)に示すように、ただ1個のコンタクトレンズ8は、凹レンズキャリア861によって搬送され、4×8個のアレー102の上に設置された凸レンズキャリア104のすぐ下までもって来られる。凹レンズキャリア861は、流体を凹レンズキャリアの表面とレンズ8の間に導入するための少なくとも1個のポート862を含む。流体は、上方プレート867の下側を切り取ったチャネル866を通って供給される。このチャネル866は流体マニホールドと複数の流体コネクタ863をつなぐもので、また流体コネクタ863は、図6に最もよく示されている凹レンズキャリア861の表面上方まで延びる。流体コネクタ863は、4×8個のアレー102の上側に形成される流体カップリング864に係合するような形状にする。これらのカップリングはそれぞれ、コンタクトレンズ8を凹レンズ保持手段861から凸形レンズ保持手段104まで移送するのに用いる移送用の流体を供給する流体用導管874に接続される。
【0056】
コンタクトレンズを水和キャリア860からロボットアレー102に移送する、図6に示す態様においては、流体の移送は、空気圧によるのが好ましい。したがって導管874は、圧縮空気をカップリング864に送り、今度はカップリング部材864が、圧縮空気を流体カップリング863、チャネル通路866、およびポート862に送る。
【0057】
図7(A)に示すように、コンタクトレンズ8は、水和ステーションにおいて水和した後水を落されたばかりで依然として湿っている。さらに、レンズは、レンズ保持手段861の凹面内でレンズを中央に寄せることによって湿ったコンタクトレンズを取扱いやすくするために少量の界面活性剤を含む脱イオン水で水和されている。このため、空気圧縮ライン874を作動させると、ポート862を通じて空気による押し出しが起こり、コンタクトレンズは凹形レンズキャリアの表面から上方に引き揚げられ、凸形レンズキャリア104に係合する。レンズが界面活性剤とともに、あるいはこれなしで凸形レンズキャリア104に付着している間、界面活性剤は、凸形レンズキャリア104の表面を濡らし、脱イオン水の表面張力と周囲の大気圧によって、この表面への付着力を増大させる。移送の際には、直接的で正確な移送を確保するため、各凸形レンズキャリア104は、1.5mmのレンズの中に位置させるのが好ましい。
【0058】
レンズ8を凸形レンズキャリア104に移送した後は、ロボット移送装置はレンズのアレーを、マニホールド860に似た、複数のカップ部材104(このうちの1個を図7(B)に示した)を有するマニホールドを装備する「気泡吹き飛ばし」ステーションに移動させる。各カップ部材は、第2の凸形レンズキャリア104の凸面にほぼ同じ形状の凹面108を含む。このカップ部材の凹面には、このような凹面108が好ましいことは分っているが、単一のジェット装置でも同じような機能が得られる。凹面108はまた、圧縮流体をカップ部材に形成された中央通路を通して取り入れるための少なくとも1個のポート110を含む。脱イオン水に少量の界面活性剤を含ませると、レンズが第1のキャリアから第2のキャリアへ移動しやすくなるが、他面、コンタクトレンズ8を覆う脱イオン水の層に小さな気泡105の発生を引き起こす。レンズを噴出する圧縮流体に曝すと、小さな気泡105は、レンズを検査キャリアに移送する前に、外側に移行し、消滅する。自動レンズ検査システムで誤った否定的なデータがとられるのを防止するためには、このような気泡を取り除くのが好ましい。本発明の好ましい態様においては圧縮空気を使用したが、脱イオン水も使用することができる。
【0059】
(パッケージキャリアへの注入)
図3と5について説明したように、脱イオン水は、ガス抜きユニット122でガス抜きされ、また複数の精密注入ポンプ140によって脱イオン水注入ステーション(図10と11に詳しく示してある)に分配される。図11に示すように、ベルトの対を備えたゴム製ベルトコンベア12aは、検査キャリア10をパッケージキャリア装填エリア11(図3に示した)から脱イオン水注入ステーション16まで搬送する。一連の検査キャリア10を注入ステーション16の上流側に留めておくためには、つめ171を備えた空気圧しぼり170を用いる。新しい検査キャリア10を装填するときは、空気圧しぼり機構170がつめ171を引き込み、検査キャリア10が、コンベア12a上の注入ステーションに搬送されるようにする。もう一つの空気圧ロック機構に取り付けた離隔した顎の組は、同様の方法で検査パレット10に係合し、これをパッケージ注入位置にしっかりと保持する。複数の注入ノズル174は、水平往復ビーム支持部材176に取り付けられ、複数のチューブ部材178を介してFMI精密注入ポンプ140に接続する。このとき各ポンプはそれぞれのノズルに接続する。各ノズル174は、内径が0.045〜0.048インチの16個のゲージテフロン針で終端し、パッケージキャリア20のすぐ上、より詳しくはボウル部材36の上方に釣り下げられる。操作の際には、支持フレーム181と182にしっかりと固定された空気圧シリンダ180が、搬送部材184、垂直サポート185,186および水平取付けビーム176を往復させ、テフロン針の先端をパッケージキャリア20のくぼんだボウル36より下方に位置させる。テフロン針の先端は下方に向けて往復し、この針を通して、約600mlのガス抜き済み脱イオン水がボウル36を一部充填するために注入される。ボウル36に所定の脱イオン水が注入されると、空気圧シリンダ180が作動し、往復支持ビーム176が、パッケージキャリア20からテフロン針を持ち上げるために、引き上げられる。往復運動をする注入針を使うと、ガス抜き済み脱イオン水を注入する際に攪拌する必要がなくなる。不適当な攪拌をすると、空気が取り込まれ、気泡の発生(誤った否定的な検査結果の元になる)につながる。検査キャリア10は、ついで、注入ステーション16を出て、コンベア12aの端に向かう。そしてここで、検査キャリア10をステンレススチールのプラットホームを横切ってレンズ検査装填エリアまで押し込むプッシュコンベアに係合する。
【0060】
本発明に係る水和後の処理部では2×8個および4×8個のアレーが利用されるが、本発明においては、種々の配列のアレーを用いることができることは理解できるであろう。
【0061】
図6に示す水和キャリア860の4×8個のアレーは、パレット10の対によって形成されるレンズ装填エリアにあるパッケージキャリアの4×8個のアレーとは異なる。ロボット移送手段100に取り付けられた4×8個のアレー102は、水和キャリア860においてレンズとレンズの間に30mm四方の寸法をもつ4×8個のアレー、および「気泡吹き飛ばし」ステーション70を収めるように調整することができ、そうすると30×50mmの寸法に拡大する。検査パレット10の対によって形成されるレンズ装填エリア(図8および9のところで説明する)におけるこれは第3の4×8個のアレーの寸法に等しい。
【0062】
図8には拡大配置された4×8個のアレー102を、また図9にはこのアレーの縮小配置された模様を示す。アレー102は、先に図6と7について説明した32個の凸型レンズキャリア104を含む。アレーの中心線に沿って、導管863を第2の水和キャリア860に係合させる4個の流体カップリング部材864が並ぶ。アレーは、それぞれが8個の凸形キャリア104を搬送する4本のライン190〜193からなる。核ライン190〜193は、図8で詳しく説明するように、内部案内ロッド194と195に沿って往復するように設置される。空気圧チャック196と197は、アレーの各側に設けられ、作動と同時に最も外側にあるライン190と193を、図8に示すように、案内ロッド194,195に沿って外側に引き込む。最も外側のアレー190と193はそれぞれ、内部スライドしぼりの対(そのうちの1個を図8に符号198で示す。これは最も内側のライン191と192を外側に引き出す役割をする)を搬送する。このとき、ライン190はライン191を、またライン193はライン192を引っ張る。圧縮ばね199はまた、アレーの各ラインを分かつのを補助する。
【0063】
アレー102は、レンズを水和ステーションからレンズ装填エリアに移送する際、アレーに適切な方位を与えるため、ターンテーブル103の回りで回転できることにも留意すべきである。ターンテーブル103は、第1および第2の連接アームに取り付けられるため、4×8個のアレーに、ロボット移送装置が与える種々の移送ポイントの間で、完全な三次元方向の動きをさせることができる。
【0064】
図7(A)と図7(B)に示すように、凸形レンズキャリア104はまた、少なくとも1個のポート111で終端する内部導管110を含む。このポート111は、流体を凸形レンズキャリアとコンタクトレンズ8に間に導入するのに用いる。アレー102がレンズ装填エリアにおいて複数のレンズキャリア20の上方に位置しているときは、アレー190〜193は、各凸形レンズキャリア104と整列するように拡がるが、このとき関連するパッケージキャリア20のそのすぐ下にあり、少量(通常300μl)のガス抜き済み脱イオン水は、精密注入ポンプ140により導管110を通して送り出され、コンタクトレンズ8を凸形キャリア104からパッケージキャリア20のボウル36まで移送する。ここでもガス抜き済み脱イオン水を使用すると、レンズが、脱イオン水中に溶解していたガスから小さな気泡が発生するおそれなく(これはコンタクトレンズ8の上で「種」となる可能性がある)、移動できるようになる。レンズ8がパッケージキャリア20に移送されると、4×8個のアレー102は、空気チャック196,197(図8)を使ってつぶし、水和キャリア860の形状に合うよう形に戻す。
【0065】
検査キャリア10の対がレンズ装填エリアに装填されると、第2のサーボモータ駆動式プッシュアームが両パレットをレンズ装填エリアからオーバーヘッドダブル軸搬送キャリアまで移送する。この搬送キャリアは、検査キャリアのうちの一つを取り出し、自動レンズ検査ステーションに送るために拾い上げる。これについては、米国特許出願第258,557 号(発明の名称:「コンタクトレンズを準備するための自動装置および方法」)に詳細に記載してある。
【0066】
以上、本発明を好ましい態様に則して説明してきたが、当業者ならば、特許請求の範囲の記載から逸脱しない範囲で、本明細書で述べた態様に変更を加えることは想起し得るであろう。
【0067】
本発明の具体的な実施態様は、以下の通りである。
A) 複数のソフトコンタクトレンズを第1の処理ステーションから第2の処理ステーションに移動するロボット装置であって、
(a)複数の第1のコンタクトレンズキャリアを配備した第1のフレームであって、前記キャリアはそれぞれ凹形のレンズ保持面と移送するコンタクトレンズを保持し、前記凹形レンズ保持面は、この保持面とレンズの間に流体を導入する第1の流体手段を画定する第1のフレームと、
(b)前記レンズを前記第1の処理ステーションから第2の処理ステーションへ移送するのを容易にするロボット移送ヘッドであって、
(i)複数のコンタクトレンズキャリアであって、それぞれのキャリアが、コンタクトレンズを収めるための凸形のレンズ取付け面と、このレンズ取付け面と前記コンタクトレンズ表面の間に流体を導入するための第2の流体手段を画定するコンタクトレンズキャリアと、
(ii)前記移送ヘッドを前記第1の処理ステーションから第2の処理ステーションへ移動させるロボット移送手段を備える連接ロボット移送ヘッドと、
(c)ガス抜きした脱イオン水を前記第2の流体手段へ供給する流体供給手段と、
(d)移送されてくるコンタクトレンズを受け取る複数の第3のコンタクトレンズキャリアを載せた第2のフレームと、
(e)前記ロボット移送手段と第1の流体供給手段を作動して前記レンズを前記第1のキャリアから前記第2のキャリアへ移送するコントローラを具備するロボット装置。
1)前記流体供給手段はさらに、ガス抜き済みの脱イオン水を前記第2の流体手段に供給するための真空ガス抜き装置を具備する実施態様A)記載のロボット装置。
2)前記真空ガス抜き装置は真空チャンバと、脱イオン水をガス抜き用に受け取る複数のガス透過性チューブ、およびこのガス透過性チューブを通じて脱イオン水を流すための圧力差を生じさせる手段を備える上記実施態様1)記載のロボット装置。
3)前記真空ガス抜き装置はさらに、前記真空チャンバ中での真空レベルを4〜25torrに維持する真空ポンプを備える上記実施態様2)記載のロボット装置。
B) 成形したコンタクトレンズを自動生産ラインで検査・包装する方法であって、
(a)脱イオン水をガス抜きする工程と、
(b)前記のガス抜きした、少量の界面活性剤を含む脱イオン水でパッケージキャリアを一部充填する工程と、
(c)検査の後、前記脱イオン水を前記パッケージキャリアから自動的に取り除き、ついで前記パッケージキャリアを緩衝用生理食塩水で一部充填する工程と、(d)前記レンズと緩衝用生理食塩水を、ユーザに提供するため前記パッケージキャリアに密封する工程を含む方法。
4)前記脱イオン水をガス抜きする工程は、前記検査キャリアを一部充填する工程に先立って、真空ガス抜き装置中で行われる実施態様B)記載の方法。
5)前記真空ガス抜き装置は、真空チャンバと、このチャンバに取り付けられた、脱イオン水をガス抜き処理のために受け取る複数のガス透過性チューブを備え、前記ガス抜き工程は、脱イオン水を前記ガス透過性チューブを通じて送り込むための圧力差を生じさせる工程を含む上記実施態様4)記載の方法。
【0068】
6)前記真空ガス抜き工程はさらに、前記真空チャンバ中での真空レベルを4〜25torrに維持する工程を含む上記実施態様5)記載の方法。
7)前記圧力差を維持する工程は、脱イオン水を前記ガス抜き装置に供給する脱イオン水格納タンクをエアブランケットで覆うことによって達成される上記実施態様5)記載の方法。
C) コンタクトレンズを検査・包装する際に脱イオン水をガス抜きする装置であって、
(a)真空チャンバと、
(b)前記真空チャンバの内部に取り付けられ、ガス抜き処理する脱イオン水を連続的に受け入れる複数のガス透過性チューブと、
(c)前記脱イオン水を前記複数のガス透過性チューブを通して送るための圧力差を生起させる手段と、
(d)前記ガス抜きした脱イオン水を複数の分配ポイントに分配するマニホールドと、
(e)ガス抜きした脱イオン水の1mlより少ない量を測りとって前記各分配ポイントへ送り出す精密計測ポンプを少なくとも1個備える装置。
8)前記ガス透過性チューブは、ジュロメータ硬度が80のシリコーンゴムから形成される実施態様C)記載の装置。
9)前記各ガス透過性チューブは、内径が1/8〜1/2インチ、壁厚が1/16〜1/32である上記実施態様8)記載の装置。
10)前記各ガス透過性チューブの内径は1/4インチである上記実施態様9)記載の装置。
【0069】
11)前記各ガス透過性チューブの壁厚は1/32である上記実施態様9)記載の装置。
12)前記各ガス透過性チューブは複数のガス抜きマニホールドアセンブリに束ねられる上記実施態様9)記載の装置。
13)前記脱イオン水は、平行な流路を形成しながら前記マニホールドの各チューブに供給され、前記マニホールドにあってはシリアルな流路を形成する上記実施態様12)記載の装置。
14)前記装置はさらに、ガス抜き処理する脱イオン水を収納する格納タンクを具備する実施態様C)記載の装置。
15)前記圧力差を生起させる手段は、前記格納タンク内に維持される制圧のエアブランケットである上記実施態様14)記載の装置。
【0070】
16)前記マニホールドは、複数のコンタクトレンズパッケージの上方に取り付けられる複数のノズルを具備する実施態様C)記載の装置。
17)前記マニホールドは、前記ガス抜き済みの脱イオン水を前記コンタクトレンズパッケージに分配する際に、垂直方向に往復運動をする上記実施態様16)記載の装置。
18)前記ノズルは前記コンタクトレンズパッケージに垂直方向に入り込み、また前記精密測定された脱イオン水の流れは、前記各ノズルの先端が前記分配されたガス抜き済み脱イオン水に浸漬している間に終結し、前記ノズルの先端は、前記脱イオン水の流れが絶えたら、前記パッケージから垂直方向に引き上げられる上記実施態様17)記載の装置。
19)前記複数の分配ポイントには、複数のコンタクトレンズキャリアが含まれ、このキャリアのそれぞれは、コンタクトレンズを収める凸形のレンズ取付け面と、前記ガス抜きした脱イオン水を、前記凸形のコンタクトレンズ取付け面と凸形の面の間に導入する流体の通路を画定する実施態様C)記載の装置。
【0071】
[発明の効果]
以上説明したように、本発明によれば、コンタクトレンズを検査・包装用に取扱い、準備する自動装置が提供される。また本発明によれば、ガス抜きした脱イオン水とともにキャリアの間で、レンズを移動させ、自動検査手段におけるレンズの検査を容易にすることもできる。そして、自動レンズ検査システムにおける検査に先立って、レンズの表面に発生する気泡を除去する装置も提供される。その他、ガス抜きした脱イオン水中でレンズを検査することにより、自動レンズ検査の際に誤った否定的なデータを与えるおそれのある気泡の形成を最小限に抑える、成形済みコンタクトレンズの改善した検査方法も提供される。最後に、本発明によれば、自動レンズ検査の際に誤った否定的なデータを与えるおそれのある気泡を吹き飛ばすステーションの付いた、コンタクトレンズを水和ステーションから検査ステーションへ移動させる装置も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】検査キャリアでかつコンタクトレンズの最終的な包装の一部にもなるコンタクトレンズキャリアの等寸大図。
【図2】自動レンズ検査システムの全体を通して複数のコンタクトレンズキャリアを搬送するのに用いられる図1に示した検査キャリアの等寸大図。
【図3】本発明に係る脱イオン水ガス抜きシステムの構成要素を示すブロック図。
【図4】脱イオン水をガス抜きするのに用いられるガス抜き真空タンクの詳細断面図。
【図5】本発明に用いられる機械系および流水系各装置の模式図。
【図6】複数のコンタクトレンズを収めた水和キャリアのすぐ上に位置する凸レンズキャリアの調節可能アレーを有する連接ロボット搬送ヘッドの側面図。
【図7】(A)は湿潤したコンタクトレンズを水和キャリアの凹レンズ保持面から連接回動ロボットの搬送ヘッドにある凸レンズ保持面まで移行させる模様を示す模式断面図、(B)は自動レンズ検査の結果に誤った否定的な影響を与えかねない気泡をコンタクトレンズから除去する気泡吹き飛ばし機構の模式断面図である。
【図8】連接回動ロボットの延び出し位置における移行ヘッドを上から見た平面断面図。
【図9】連接回動ロボットの閉止位置における移行ヘッドを下から見た平面断面図。
【図10】本発明の方法に従ってパッケージキャリアにガス抜きした脱イオン水を充填する際に用いられる装置の側面図。
【図11】図10の装置の平面図。
【図12】図4に示したガス抜き真空タンク内で用いられるガス抜きマニホールドの内の一本の側面図。
【図13】図12の13−13’線断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形したコンタクトレンズを自動生産ラインで検査・包装する方法であって、
(a)脱イオン水をガス抜きする工程と、
(b)前記のガス抜きした、少量の界面活性剤を含む脱イオン水でパッケージキャリアを一部充填する工程と、
(c)検査の後、前記脱イオン水を前記パッケージキャリアから自動的に取り除き、ついで前記パッケージキャリアを緩衝用生理食塩水で一部充填する工程と、
(d)前記レンズと緩衝用生理食塩水を、ユーザに提供するため前記パッケージキャリアに密封する工程を含む方法。
【請求項2】
コンタクトレンズを検査・包装する際に脱イオン水をガス抜きする装置であって、
(a)真空チャンバと、
(b)前記真空チャンバの内部に取り付けられ、ガス抜き処理する脱イオン水を連続的に受け入れる複数のガス透過性チューブと、
(c)前記脱イオン水を前記複数のガス透過性チューブを通して送るための圧力差を生起させる手段と、
(d)前記ガス抜きした脱イオン水を複数の分配ポイントに分配するマニホールドと、
(e)ガス抜きした脱イオン水の1mlより少ない量を測りとって前記各分配ポイントへ送り出す精密計測ポンプを少なくとも1個備える装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−139898(P2008−139898A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−2008(P2008−2008)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【分割の表示】特願平9−46921の分割
【原出願日】平成9年2月17日(1997.2.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(591175675)ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド (44)
【Fターム(参考)】