楔開き骨切り術のために骨に楔状開口を形成するための方法及び装置
本発明の一つの形態においては、楔開き骨切り術のために骨内に楔状開口を形成するための装置が提供される。当該装置は、骨内を通る切り込み面と当該切り込み面に沿って形成される切り込みを終端させるための境界線とを特定するための目標装置と、前記境界線に沿って配置された尖端ピンであり、(i)切り込み面に沿った切り込みを制限するために境界線に確実なストッパと、(ii)骨内に楔状開口を形成するために切り込みの両側の骨が相互に分離されたときに、骨内の応力集中部の発生を最少化するために前記境界線に沿って延びている円筒形開口と、を提供するための尖端ピンと、を含んでいる。本発明のもう一つ別の形態においては、楔開き骨切り術のために骨に楔状開口を形成するための方法が提供される。当該方法は、骨内の切り込み面と当該切り込み面に沿ってなされた切り込みを終端させるための境界線とを特定するために、目標装置を骨に対して位置決めするステップを含んでおり、前記境界線は、(i)切り込み面に沿った切り込みを制限するために境界線に確実なストッパを提供し、(ii)切り込みの両側の骨が分離されて骨に楔状開口を形成するときに、骨内に応力集中部の発生を最少化するために境界線に沿って延びている円筒形開口を提供するために境界線に沿って尖端ピンを位置決めするステップと、切り込み面に沿って骨を切り込み、当該切り込みを前記境界線において終端させるステップと、前記切り込みの両側に位置する骨を動かして、骨内に楔状開口を形成するステップと、を含んでいる。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、概して、外科手術方法及び装置に関し、より特定すると、膝の楔開き骨切り術を行うための外科手術方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(係属中の先行特許出願)
本特許出願は、
(i)“楔開き骨切り術装置及び方法”という名称のVincent P. Novakによって2005年1月31日に出願された係属中の先行米国特許出願第11/047,159号の一部継続出願であり、
(ii)“楔開き骨切り術装置及び方法”という名称のVincent P. Novakによって2005年1月31日に出願された係属中の先行米国特許出願第11/047,551号の一部継続出願であり、
(iii)“楔開き骨切り術装置及び方法”という名称のVincent P. Novakらによって2005年2月9日に出願された係属中の先行米国特許出願第60/651,304号による利益を主張している。
上記の3つの特許出願は、本明細書において、参考として組み入れられている。
【0003】
膝の骨切り術は、膝の変性関節疾患を治療するための重要な技術である。本質的には、膝の骨切り術は、全荷重負荷を関節の関節炎部分から関節の非病変部位へ移動させるために、膝関節の幾何学的構造を調節する。
【0004】
殆どの膝骨切り術は、脛骨が大腿骨と係合する方法、従って、荷重が関節を介して伝達される位置を調節するために、上脛骨の幾何学的構造を改造できるように設計されている。
【0005】
基本的には、脛骨の向きを調節するための2つの方法、すなわち、(i)閉じ合わせ楔技術及び(ii)開き楔技術が存在する。
閉じ合わせ楔技術においては、骨が楔状に除去され、その結果得られる空隙の両側部分がまとめられ、それによって、脛骨プラトーが再配向され、従って、脛骨が大腿骨に結合する形態が調節される。
【0006】
開き楔技術においては、脛骨内に切り込みが形成され、当該切り込みの両側部分が分離されて骨内に楔状の開口が形成され、次いで、この部分に骨が(例えば、金属板を骨にねじ止めするか又は骨内の穴に楔形状のインプラントを挿入することによって、)固着され、それによって、脛骨プラトーが再配向され、従って、脛骨が大腿骨と係合する形態が調節される。
【0007】
閉じ合わせ楔状骨切り術と楔開き骨切り術とは、両方とも、患者に対して実質的な利点を提供するけれども、これらは、外科医にとっては処置として難しい。とりわけ、楔開き骨切り術においては、必要とされる正確さ及び周囲組織に対する創傷が最少の状態で骨内に楔状開口を形成することは困難であり得る。
【発明の開示】
【0008】
本発明は、楔開き骨切り術に関し且つ脛骨内に楔状開口を形成するための方法及び装置に関する。
本発明は、楔開き骨切り術のために、脛骨内に楔状開口を形成するための新規な方法及び装置を含んでいる。より特別には、本発明は、楔開き骨切り術のために、前−内側アプローチ方法を使用して脛骨内に楔状開口を形成するための新規な方法及び装置の提供及び使用方法を含んでいる。
【0009】
本発明の一つの形態においては、楔開き骨切り術のために骨内に楔状開口を形成するための装置が提供されている。当該装置は、
切り込み面に沿って形成された切り込みを終端させるために、骨内の切り込み面と骨内に配置された境界線とを特定するための目標装置と、
(i)前記切り込み面に沿った切り込みを制限するために、前記境界線に確実なストッパと、(ii)骨に楔状開口を形成するために、切り込み面の両側に位置する骨を相対的に分離させたときに、骨への応力集中部の発生を最少化するために、前記境界線に沿って延びている円筒形の開口と、を提供するために、前記境界線に沿って配置された尖端ピンとを含んでいる。
【0010】
本発明のもう一つ別の形態においては、楔開き骨切り術のために骨に楔状開口を形成するための方法が提供されており、当該方法は、
骨内を通る切り込み面と、骨内に配置され且つ前記切り込み面に沿ってなされる切り込みを終端させるための境界線とを特定するために、骨に対して目標装置を位置決めするステップと、
(i)前記切り込み面に沿った切り込みを制限するために、前記境界線に正確なストッパを提供し、(ii)前記切り込みの両側に位置する骨が相対的に分離されて骨に楔状開口が形成されたときに、骨内での応力集中部の発生を最少化するために境界線に沿って延びている円筒形の開口を提供するために、前記境界線に沿って尖端ピンを位置決めするステップと、
前記切り込み面に沿って骨を切り込み、当該切り込みを前記境界線で終端させるステップと、
前記切り込みの両側に位置する骨を相対的に分離させて骨に楔状開口を形成するステップと、を含んでいる。
【0011】
本発明のもう一つ別の形態においては、楔開き骨切り術のために脛骨内に楔状開口を形成するための方法が提供される。当該方法は、
前−後傾斜、脛骨内に延びている切り込み面及び当該切り込み面に沿った切り込みの形成を終端させるための境界線であって骨のヒンジ線を規定する境界線を規定するために、脛骨の近くに位置決めガイドを配置するステップと、
前記位置決めガイドを貫通させて且つ前記境界線に沿って尖端ピンを挿入するステップと、
位置決めガイド上に切り込みガイドを取り付けて、当該切り込みガイド内の切り込み溝穴が前記切り込み面と同一平面に整合されるようにするステップと、
前記切り込み面に沿って前記境界線まで骨切り術切り込みを形成するステップと、
前記切り込み部の両側の骨を相対的に分離するように動かして骨に楔状開口を形成するステップと、を含んでいる。
【0012】
本発明のもう一つ別の形態においては、楔開き骨切り術のために脛骨内に楔状開口を形成するための方法が提供される。当該方法は、
脛骨の一部分を取り囲むために、位置決めガイドを、脛骨の内側面の近くに頂端縁が脛骨プラトーに対して位置決めされるように配置するステップと、
第一のストレートピンを、前記位置決めガイドを貫通して脛骨内へ配置して、前記位置決めガイドを脛骨に対して枢動可能に固定するステップと、
前記位置決めガイドを、当該位置決めガイドの頂端縁が前記前−後傾斜に平行となるまで、前記第一のピンを中心に回転させるステップと、
第二のピンを、前記位置決めガイドを貫通して脛骨内へ配置して、前記位置決めガイドを、当該位置決めガイドが前−後脛骨傾斜部、脛骨内を延びている切り込み面及び前記切り込み面に沿って形成された切り込み部を終端させるための境界線を規定して骨のヒンジ線を規定するようにさせるステップと、
尖端ピンを、前記位置決めガイドを通り且つ前記境界線に沿って挿入するステップと、
切り込みガイドを前記位置決めガイドに取り付けて、前記切り込みガイドの切り込み溝穴が前記切り込み面と同一平面に整合されるようにするステップと、
前記切り込み面に沿って前記境界線まで骨切り術用切り込みを形成するステップと、
前記切り込み部の両側の骨を互いに分離されるように動かして、骨内に楔状開口を形成するステップと、を含んでいる。
【好ましい実施形態の説明】
【0013】
本発明のこれらの及びその他の目的及び特徴は、同様の符号が同様の部品を示している添付図面と共に考慮されるべきである以下の詳細な説明によって更に十分に開示され又は明らかとされるであろう。
【0014】
概要
図1乃至3を参照すると、楔開き骨切り術が行われるべき膝関節5が示されている。膝関節5は、一般的には、脛骨10と大腿骨15とを含んでいる。本発明に従って、楔開き骨切り術は、最初に、上方脛骨内に切り込み20(図1)を形成し、次いで、切り込み20の両側に位置する骨部分を相対的に分離するように動かして骨に楔状の開口25(図2)を形成する。当該楔状開口25は、脛骨プラトー30が大腿骨15に対して所望の向きを付与されるような構造とすることによって行われる。切り込み20及び楔状開口25は、当該技術においてよく知られている種々の方法で形成することができる。
【0015】
本発明は、以下において詳細に説明するように、前−内側アプローチ方法を使用して、切り込み20及び楔状の開口25を形成するための新規且つ改良された方法及び装置を提供する。
【0016】
ひとたび、脛骨10内に所望の楔状開口25が形成され、脛骨プラトー30がその所望の向きを付与されると、骨は、当該技術においてよく知られている種々の方法によって(例えば、骨に金属板をねじ止めすることによるか又は骨に形成された開口内に楔状のインプラントを挿入することによって)、骨が定位置に固定され、それによって、脛骨プラトーが再配向され、従って、脛骨が大腿骨に係合する形態が調整される。例えば、図3は、脛骨内に形成された楔状開口内に挿入された楔状のインプラント35を示している。
【0017】
高位脛骨骨切り術内の関連する平面の説明
本発明のある種の特徴を理解するためには、高位脛骨骨切り術の実施に関連する脛骨の平らな面を十分に理解することが役に立つ。従って、以下の説明は、楔開き骨切り術高位脛骨骨切り術に対して関連する平らな面の幾何学的な説明を提供する。
【0018】
より特別には、図4を参照すると、脛骨プラトー30は、脛骨10の上面と交差する水平な面(又は外側面)として説明することができる。参考として、正中面32もまた示されている。図5に示されているように、脛骨プラトー30もまた、前面40に直角である。前−後(A−P)傾斜面は、前から後への脛骨の傾斜面と交差している前−後(A−P)傾斜面45によって規定される。公開された研究結果は、前−後傾斜は、典型的には、脛骨プラトー30に対して約7°〜11°の角度であるけれども、この特有の角度は、個人毎に変わるかも知れないことを実証している。
【0019】
次に、図6を参照すると、高位脛骨骨切りは、A−P傾斜面45に対して約2cm下に留まることが典型的である。この片寄りは、A−P片寄り面50と称することができる。
図7に見られるように、外側面と切り込み深さとは、外側面55と切り込み深さ面60とによって規定することができ、切り込み深さは、脛骨の外側面に対して約1cm内側である。
【0020】
次に、図8を参照すると、骨切り術切り込み面65(直接前面から見たとき)は、切り込み深さ面60とA−P片寄り面50との交差によって形成された軸線を介してA−P片寄り面50から離れる方向に回転される。これらの面は、A−P傾斜面45(図6)の傾斜に従っているので、直接前方面から見たとき若干“傾斜”せしめられていることは注目されるべきである。A−P片寄り面50と切り込み深さ面60との交差は、骨切り術用切り込みの端部に軸線70を形成する。言い換えると、軸線70は、脛骨内への骨切り術用切り込みの最も深い深さを規定し且つ骨切り術切り込み面65と同一面の脛骨を通る線を規定している。
【0021】
図9に見られるように、骨切り術面の直接A−P面は、骨切り術と一直線の直接的な面である。この図は、直接前方面から下方へ(すなわち、約7°)傾斜せしめられている。同じく、下方への傾斜角度はA−P傾斜に等しい。
【0022】
脛骨内に前−内側楔状開口を形成するための新規な方法及び装置
本発明の好ましい実施形態においては、前−内側アプローチ方法を使用して高位脛骨骨切り術のための正確で且つ繰り返し可能な骨切り術切り込みを形成するのに使用することを意図されている新規な骨切り術装置100(図18)が提供されている。装置100は、概して、位置決めガイド105、尖端ピン110及び切り込みガイド115を含んでおり、これらを以下において更に詳細に説明する。
【0023】
装置100は、脛骨の前−後(A−P)傾斜に平行で且つ脛骨プラトーに平行に脛骨の内側面に対して配置されるように意図されており、前記尖端ピンは、軸70に沿って、そなわち、以下において更に詳細にされるように、骨切り術用切り込みの基部又は横ヒンジとなる位置において、脛骨を貫通している。
【0024】
次に、図10を参照すると、位置決めガイド105が、脛骨の内側面の周囲を覆うように、脛骨10の上端の近くに配置されている。位置決めガイド105は、必ずしも脛骨と接触状態となる必要はないことは理解されるべきである。
【0025】
図11に見られるように、位置決めガイド105は、当該位置決めガイドの頂部端縁が脛骨プラトーの約1〜2cm下方に配置されるように操作される。次いで、第一のストレートピン120が、位置決めガイドが脛骨から若干離れる方向に伸長してA−P傾斜面に平行な調整を可能とする状態で、位置決めガイド105内の第一の穴125内に進入せしめられる。次に、A−P傾斜を示しているX線透視装置を使用して、位置決めガイド105は、位置決めガイドの頂部端縁がA−P傾斜面と平行になるまで回転せしめられる。
【0026】
ひとたびこの動作がなされると、次に、図12を見ると、第二のストレートピン130が、位置決めガイド105内の第二の穴135(図13)の中を進入せしめられる。この第二のストレートピン130は、脛骨10に対する位置決めガイドの位置を安定化させる。上記の結果として、第一及び第二のストレートピン120,130の位置決め及び配置によって、脛骨10に対して位置決めガイド105を固定し、その結果、位置決めガイドの頂部端縁がA−P脛骨傾斜に平行となる。このプロセスは、尖端ピン穴140(図13)がA−P片寄り面50と骨切り術の切り込みの遠方側端部にある切り込み深さ面60との交差点に配置されている軸線70(図8)と整合され且つ当該軸線を規定することを確保している。
【0027】
次に図14〜17を参照すると、尖端ピン110が位置決めガイドの尖端ピン穴140及び脛骨10内へ進入せしめられる。この結果、尖端ピン110は、軸線70すなわちA−P片寄り面50と切り込み深さ面60との交差部に沿って延びる。このようにして、尖端ピン110の軸線は、骨切り術切り込み部の面と同一面である骨切り術切り込み部の遠方端部に配置されている。
【0028】
この時点で、止めねじ145(図14)が止めねじ穴150内に挿入され且つ脛骨10に当接されて、脛骨10に対する位置決めガイド105の位置に残っている遊びを無くする。この点において、脛骨10に対する位置決めガイドの整合に対する悪影響を避けるために、この動作中に止めねじ145を締め過ぎないことは重要であることは理解されるべきである。
【0029】
次に、図18〜21を参照すると、切り込みガイド115が位置決めガイド105上に取り付けられる。これは、位置決めガイド105に抗して切り込みガイド115を進入させて、位置決めガイドの位置決めピン155が切り込みガイドの穴157を介して受け入れられるようにしている。切り込みガイド115は、切り込みガイド内の穴165を介して且つ位置決めガイド内の穴170内へとねじ160を進入させることによってこの位置に固定される。この作用により、切り込みガイド115内の切り込み溝穴175が、骨切り術の切り込み面65及び尖端ピン110と全てが同一平面にあるという意味で整合せしめられる。この作用の結果として、切り込み溝穴175が所望の骨切り術の切り込み面と整合せしめられる。
【0030】
この時点で、切り込み溝穴175の整合が点検されて、当該切り込み溝穴が脛骨結節180の十分上方にあり(図19)且つ脛骨プラトー30の十分下方にあることが確保される。切り込み溝穴175が頸骨結節180の十分上方でなく且つ脛骨プラトー30の十分下方でない場合には、当該装置は取り外され且つ上記の動作が繰り返される。
【0031】
次に、図21〜23を参照すると、振動鋸(図示せず)が切り込み溝穴175を介して脛骨10内へ進入せしめられて所望の骨切り術切り込みが形成される。このとき、尖端ピン110は、振動鋸が脛骨を過剰に切り込み、それによって、骨切り術の切り込みに対して横方向の脛骨の部分を損傷させるのを防止するためのストッパとして機能する。このことは、この切り込まれていない骨は、骨切り術切り込みが開かれて骨内に楔状開口を形成するときに、基部又は横方向ヒンジとして機能するので重要である。更に、尖端ピンはまた、骨切り術の切り込みの基部にある脛骨内に丸い穴をも形成し、これは、骨切り術用切り込みが開かれて骨内に楔状開口が形成されるときに生じる応力集中部を取り除く役目を果たすであろう。脛骨が骨切り術用切り込みを横切って十分切り込まれていることを確認するために、切り込み深さはX線透視装置によって検査される。次いで、切り込みガイド115、尖端ピン110及び位置決めガイド105が取り除かれ、X線透視装置を使用して切り込み位置が検査され、適切な骨切り術(図示せず)によって骨切り術用の切り込みが完了する(脛骨10内に形成された骨切り術用切り込み20を示している図23Aを参照のこと)。
【0032】
図23Bを参照すると、一つの好ましい構造においては、尖端ピンは、骨切り術用の切り込み20の基部に形成された丸い穴20Aが骨切り術用切り込み20の厚み20Bよりも大きな直径を有するような大きさとされている。
【0033】
図23Cを参照すると、一つの好ましい構造においては、尖端ピンは、骨切り術用の切り込み20の基部に形成された丸い穴20Aが骨切り術用切り込み20の厚み20Bとほぼ同じ直径を有するような大きさとされている。
【0034】
ひとたび骨切り術用切り込みが完了すると(図1)、当該骨切り術用切り込みの両側に位置している骨の部分は、骨内に所望の楔状開口25(図2)を形成するのに適するように相互に分離され、それによって、脛骨プラトー30に大腿骨15に対する所望の向きが付与される。次いで、脛骨は、例えば、骨に金属板をねじ止めするか又は楔状インプラント35(図3)を骨の開口内へ挿入することによって、この状態で安定化される。
【0035】
次いで、図24を参照すると、前内側アプローチ方法を使用して高位脛骨骨切り術のための正確且つ反復可能な骨切り術を形成する際に使用するように意図されている別の装置185が示されている。装置185は、(i)脛骨10内に尖端ピン110を適切に位置決めし、(ii)切り込み溝穴175を指定された切り込み面と整合させるために、位置決めガイド/切り込みガイド190の組み合わせを含んでいる。これは、最初に、位置決めガイド/切り込みガイドの組み合わせ190内の開口194内に位置決めピン192を通し、位置決めピン192が指定された切り込み面と同一面に配置されるようにすることによって行われる。次いで、位置決めガイド/切り込みガイドの組み合わせ190は、当該位置決めガイド/切り込みガイドの組み合わせ190の面が指定された切り込み面と同一面となるまで、位置決めピン192を中心に回転せしめられる。次いで、尖端ピン110が位置決めガイド/切り込みガイドの組み合わせ190内の第一の穴196内を通され、脛骨10内を通され、次いで、位置決めガイド/切り込みガイドの組み合わせ190の遠い方の側に形成された第二の穴196内を通される。これによって、切り込みガイド溝穴175が指定された切り込み面と整合せしめられ、尖端ピン110が骨切り術用切り込みの遠い方の端部に配置された状態で、位置決めガイド/切り込みガイドの組み合わせ190が脛骨10に対して適切な位置に固定される。次いで、位置決めガイド/切り込みガイドの組み合わせ190が使用されて脛骨10内に所望の切り込み20(図1)が形成され、それによって、骨内に楔状開口25(図2)が形成される。ここでも同様に、尖端ピン110は、脛骨の切り込み過ぎを防止するためのストッパとして機能し且つ骨に楔状開口を形成するために骨切り術用切り込みが開かれたときに生じるかも知れない応力集中部を取り除く機能を果たす丸い開口を、骨切り術用切り込みの基部において脛骨内に形成するであろう。
【0036】
発明の利点
本発明の提供及び使用によって多くの利点が得られる。限定的ではないが、例として、
(i)位置決めガイドと組み合わせて尖端ピンを提供し且つ使用することにより、骨の切り込みの横方向ヒンジ又は終点が規定され、これは、A−P脛骨傾斜に対して特別な関係にあり、A−P脛骨傾斜を中断するか又は不意の変化をもたらさないように楔状空隙内に骨切り術用切り込みの最終的な開口を提供する。
(ii)前記尖端ピンは、横方向の皮質骨折を防止するために、振動鋸のブレード又は手動骨切り術のための確実なストッパとして作用する。
(iii)尖端ピンによってもたらされる切り込み面の終点における円の直径は、楔状空隙内に骨切り術を開く際に、関節腔内の骨折又は側部皮質骨折を生じさせる応力集中部を減じる。
(iv)前記切り込みガイドは、基端の脛骨上の前内側アプローチにおいて使用するための傾斜が付けられた又は角度が付けられた切り込みガイドを組み込んでおり、この角度が付けられた切り込みガイドは、脛骨上の前−内側位置から提供され且つ所望の骨切り術用切り込み面と整合せしめられる。
(v)傾斜が付けられた溝穴の設計は、尖端ピンの軸によって規定されている軸線を中心に、上記した片寄り面から下方へと回転された面である所望の切り込み面を形成する。
(vi)骨に切り込みを入れる(すなわち、骨切り術を行う)過程は、安全で且つ処置毎に容易に再現できる。
(vii)この過程は、脛骨の前−後傾斜に対して不利な影響を及ぼさない。
【0037】
改良
本発明の特性を説明するために本明細書に記載され且つ図示された細部、材料、ステップ及び部品の配置に対して、当業者が、特許請求の範囲に示されている本発明の原理及び範囲内で多くの付加的な変更を施すことができることは理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、楔開き骨切り術のために脛骨内に楔状開口を形成すること及び脛骨内の楔状開口内に楔状インプラントを位置決めすることを示している図である。
【図2】図2は、楔開き骨切り術のために脛骨内に楔状開口を形成すること及び脛骨内の楔状開口内に楔状インプラントを位置決めすることを示している図である。
【図3】図3は、楔開き骨切り術のために脛骨内に楔状開口を形成すること及び脛骨内の楔状開口内に楔状インプラントを位置決めすることを示している図である。
【図4】図4は、高位脛骨骨切り術の関連する平面を示している図である。
【図5】図5は、高位脛骨骨切り術の関連する平面を示している図である。
【図6】図6は、高位脛骨骨切り術の関連する平面を示している図である。
【図7】図7は、高位脛骨骨切り術の関連する平面を示している図である。
【図8】図8は、高位脛骨骨切り術の関連する平面を示している図である。
【図9】図9は、高位脛骨骨切り術の関連する平面を示している図である。
【図10】図10は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図11】図11は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図12】図12は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図13】図13は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図14】図14は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図15】図15は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図16】図16は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図17】図17は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図18】図18は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図19】図19は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図20】図20は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図21】図21は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図22】図22は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図23】図23は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図23A】図23Aは、脛骨内に形成された種々の骨切り術用切り込みを示している。
【図23B】図23Bは、脛骨内に形成された種々の骨切り術用切り込みを示している。
【図23C】図23Cは、脛骨内に形成された種々の骨切り術用切り込みを示している。
【図24】図24は、本発明の代替的な形態を示している。
【発明の分野】
【0001】
本発明は、概して、外科手術方法及び装置に関し、より特定すると、膝の楔開き骨切り術を行うための外科手術方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(係属中の先行特許出願)
本特許出願は、
(i)“楔開き骨切り術装置及び方法”という名称のVincent P. Novakによって2005年1月31日に出願された係属中の先行米国特許出願第11/047,159号の一部継続出願であり、
(ii)“楔開き骨切り術装置及び方法”という名称のVincent P. Novakによって2005年1月31日に出願された係属中の先行米国特許出願第11/047,551号の一部継続出願であり、
(iii)“楔開き骨切り術装置及び方法”という名称のVincent P. Novakらによって2005年2月9日に出願された係属中の先行米国特許出願第60/651,304号による利益を主張している。
上記の3つの特許出願は、本明細書において、参考として組み入れられている。
【0003】
膝の骨切り術は、膝の変性関節疾患を治療するための重要な技術である。本質的には、膝の骨切り術は、全荷重負荷を関節の関節炎部分から関節の非病変部位へ移動させるために、膝関節の幾何学的構造を調節する。
【0004】
殆どの膝骨切り術は、脛骨が大腿骨と係合する方法、従って、荷重が関節を介して伝達される位置を調節するために、上脛骨の幾何学的構造を改造できるように設計されている。
【0005】
基本的には、脛骨の向きを調節するための2つの方法、すなわち、(i)閉じ合わせ楔技術及び(ii)開き楔技術が存在する。
閉じ合わせ楔技術においては、骨が楔状に除去され、その結果得られる空隙の両側部分がまとめられ、それによって、脛骨プラトーが再配向され、従って、脛骨が大腿骨に結合する形態が調節される。
【0006】
開き楔技術においては、脛骨内に切り込みが形成され、当該切り込みの両側部分が分離されて骨内に楔状の開口が形成され、次いで、この部分に骨が(例えば、金属板を骨にねじ止めするか又は骨内の穴に楔形状のインプラントを挿入することによって、)固着され、それによって、脛骨プラトーが再配向され、従って、脛骨が大腿骨と係合する形態が調節される。
【0007】
閉じ合わせ楔状骨切り術と楔開き骨切り術とは、両方とも、患者に対して実質的な利点を提供するけれども、これらは、外科医にとっては処置として難しい。とりわけ、楔開き骨切り術においては、必要とされる正確さ及び周囲組織に対する創傷が最少の状態で骨内に楔状開口を形成することは困難であり得る。
【発明の開示】
【0008】
本発明は、楔開き骨切り術に関し且つ脛骨内に楔状開口を形成するための方法及び装置に関する。
本発明は、楔開き骨切り術のために、脛骨内に楔状開口を形成するための新規な方法及び装置を含んでいる。より特別には、本発明は、楔開き骨切り術のために、前−内側アプローチ方法を使用して脛骨内に楔状開口を形成するための新規な方法及び装置の提供及び使用方法を含んでいる。
【0009】
本発明の一つの形態においては、楔開き骨切り術のために骨内に楔状開口を形成するための装置が提供されている。当該装置は、
切り込み面に沿って形成された切り込みを終端させるために、骨内の切り込み面と骨内に配置された境界線とを特定するための目標装置と、
(i)前記切り込み面に沿った切り込みを制限するために、前記境界線に確実なストッパと、(ii)骨に楔状開口を形成するために、切り込み面の両側に位置する骨を相対的に分離させたときに、骨への応力集中部の発生を最少化するために、前記境界線に沿って延びている円筒形の開口と、を提供するために、前記境界線に沿って配置された尖端ピンとを含んでいる。
【0010】
本発明のもう一つ別の形態においては、楔開き骨切り術のために骨に楔状開口を形成するための方法が提供されており、当該方法は、
骨内を通る切り込み面と、骨内に配置され且つ前記切り込み面に沿ってなされる切り込みを終端させるための境界線とを特定するために、骨に対して目標装置を位置決めするステップと、
(i)前記切り込み面に沿った切り込みを制限するために、前記境界線に正確なストッパを提供し、(ii)前記切り込みの両側に位置する骨が相対的に分離されて骨に楔状開口が形成されたときに、骨内での応力集中部の発生を最少化するために境界線に沿って延びている円筒形の開口を提供するために、前記境界線に沿って尖端ピンを位置決めするステップと、
前記切り込み面に沿って骨を切り込み、当該切り込みを前記境界線で終端させるステップと、
前記切り込みの両側に位置する骨を相対的に分離させて骨に楔状開口を形成するステップと、を含んでいる。
【0011】
本発明のもう一つ別の形態においては、楔開き骨切り術のために脛骨内に楔状開口を形成するための方法が提供される。当該方法は、
前−後傾斜、脛骨内に延びている切り込み面及び当該切り込み面に沿った切り込みの形成を終端させるための境界線であって骨のヒンジ線を規定する境界線を規定するために、脛骨の近くに位置決めガイドを配置するステップと、
前記位置決めガイドを貫通させて且つ前記境界線に沿って尖端ピンを挿入するステップと、
位置決めガイド上に切り込みガイドを取り付けて、当該切り込みガイド内の切り込み溝穴が前記切り込み面と同一平面に整合されるようにするステップと、
前記切り込み面に沿って前記境界線まで骨切り術切り込みを形成するステップと、
前記切り込み部の両側の骨を相対的に分離するように動かして骨に楔状開口を形成するステップと、を含んでいる。
【0012】
本発明のもう一つ別の形態においては、楔開き骨切り術のために脛骨内に楔状開口を形成するための方法が提供される。当該方法は、
脛骨の一部分を取り囲むために、位置決めガイドを、脛骨の内側面の近くに頂端縁が脛骨プラトーに対して位置決めされるように配置するステップと、
第一のストレートピンを、前記位置決めガイドを貫通して脛骨内へ配置して、前記位置決めガイドを脛骨に対して枢動可能に固定するステップと、
前記位置決めガイドを、当該位置決めガイドの頂端縁が前記前−後傾斜に平行となるまで、前記第一のピンを中心に回転させるステップと、
第二のピンを、前記位置決めガイドを貫通して脛骨内へ配置して、前記位置決めガイドを、当該位置決めガイドが前−後脛骨傾斜部、脛骨内を延びている切り込み面及び前記切り込み面に沿って形成された切り込み部を終端させるための境界線を規定して骨のヒンジ線を規定するようにさせるステップと、
尖端ピンを、前記位置決めガイドを通り且つ前記境界線に沿って挿入するステップと、
切り込みガイドを前記位置決めガイドに取り付けて、前記切り込みガイドの切り込み溝穴が前記切り込み面と同一平面に整合されるようにするステップと、
前記切り込み面に沿って前記境界線まで骨切り術用切り込みを形成するステップと、
前記切り込み部の両側の骨を互いに分離されるように動かして、骨内に楔状開口を形成するステップと、を含んでいる。
【好ましい実施形態の説明】
【0013】
本発明のこれらの及びその他の目的及び特徴は、同様の符号が同様の部品を示している添付図面と共に考慮されるべきである以下の詳細な説明によって更に十分に開示され又は明らかとされるであろう。
【0014】
概要
図1乃至3を参照すると、楔開き骨切り術が行われるべき膝関節5が示されている。膝関節5は、一般的には、脛骨10と大腿骨15とを含んでいる。本発明に従って、楔開き骨切り術は、最初に、上方脛骨内に切り込み20(図1)を形成し、次いで、切り込み20の両側に位置する骨部分を相対的に分離するように動かして骨に楔状の開口25(図2)を形成する。当該楔状開口25は、脛骨プラトー30が大腿骨15に対して所望の向きを付与されるような構造とすることによって行われる。切り込み20及び楔状開口25は、当該技術においてよく知られている種々の方法で形成することができる。
【0015】
本発明は、以下において詳細に説明するように、前−内側アプローチ方法を使用して、切り込み20及び楔状の開口25を形成するための新規且つ改良された方法及び装置を提供する。
【0016】
ひとたび、脛骨10内に所望の楔状開口25が形成され、脛骨プラトー30がその所望の向きを付与されると、骨は、当該技術においてよく知られている種々の方法によって(例えば、骨に金属板をねじ止めすることによるか又は骨に形成された開口内に楔状のインプラントを挿入することによって)、骨が定位置に固定され、それによって、脛骨プラトーが再配向され、従って、脛骨が大腿骨に係合する形態が調整される。例えば、図3は、脛骨内に形成された楔状開口内に挿入された楔状のインプラント35を示している。
【0017】
高位脛骨骨切り術内の関連する平面の説明
本発明のある種の特徴を理解するためには、高位脛骨骨切り術の実施に関連する脛骨の平らな面を十分に理解することが役に立つ。従って、以下の説明は、楔開き骨切り術高位脛骨骨切り術に対して関連する平らな面の幾何学的な説明を提供する。
【0018】
より特別には、図4を参照すると、脛骨プラトー30は、脛骨10の上面と交差する水平な面(又は外側面)として説明することができる。参考として、正中面32もまた示されている。図5に示されているように、脛骨プラトー30もまた、前面40に直角である。前−後(A−P)傾斜面は、前から後への脛骨の傾斜面と交差している前−後(A−P)傾斜面45によって規定される。公開された研究結果は、前−後傾斜は、典型的には、脛骨プラトー30に対して約7°〜11°の角度であるけれども、この特有の角度は、個人毎に変わるかも知れないことを実証している。
【0019】
次に、図6を参照すると、高位脛骨骨切りは、A−P傾斜面45に対して約2cm下に留まることが典型的である。この片寄りは、A−P片寄り面50と称することができる。
図7に見られるように、外側面と切り込み深さとは、外側面55と切り込み深さ面60とによって規定することができ、切り込み深さは、脛骨の外側面に対して約1cm内側である。
【0020】
次に、図8を参照すると、骨切り術切り込み面65(直接前面から見たとき)は、切り込み深さ面60とA−P片寄り面50との交差によって形成された軸線を介してA−P片寄り面50から離れる方向に回転される。これらの面は、A−P傾斜面45(図6)の傾斜に従っているので、直接前方面から見たとき若干“傾斜”せしめられていることは注目されるべきである。A−P片寄り面50と切り込み深さ面60との交差は、骨切り術用切り込みの端部に軸線70を形成する。言い換えると、軸線70は、脛骨内への骨切り術用切り込みの最も深い深さを規定し且つ骨切り術切り込み面65と同一面の脛骨を通る線を規定している。
【0021】
図9に見られるように、骨切り術面の直接A−P面は、骨切り術と一直線の直接的な面である。この図は、直接前方面から下方へ(すなわち、約7°)傾斜せしめられている。同じく、下方への傾斜角度はA−P傾斜に等しい。
【0022】
脛骨内に前−内側楔状開口を形成するための新規な方法及び装置
本発明の好ましい実施形態においては、前−内側アプローチ方法を使用して高位脛骨骨切り術のための正確で且つ繰り返し可能な骨切り術切り込みを形成するのに使用することを意図されている新規な骨切り術装置100(図18)が提供されている。装置100は、概して、位置決めガイド105、尖端ピン110及び切り込みガイド115を含んでおり、これらを以下において更に詳細に説明する。
【0023】
装置100は、脛骨の前−後(A−P)傾斜に平行で且つ脛骨プラトーに平行に脛骨の内側面に対して配置されるように意図されており、前記尖端ピンは、軸70に沿って、そなわち、以下において更に詳細にされるように、骨切り術用切り込みの基部又は横ヒンジとなる位置において、脛骨を貫通している。
【0024】
次に、図10を参照すると、位置決めガイド105が、脛骨の内側面の周囲を覆うように、脛骨10の上端の近くに配置されている。位置決めガイド105は、必ずしも脛骨と接触状態となる必要はないことは理解されるべきである。
【0025】
図11に見られるように、位置決めガイド105は、当該位置決めガイドの頂部端縁が脛骨プラトーの約1〜2cm下方に配置されるように操作される。次いで、第一のストレートピン120が、位置決めガイドが脛骨から若干離れる方向に伸長してA−P傾斜面に平行な調整を可能とする状態で、位置決めガイド105内の第一の穴125内に進入せしめられる。次に、A−P傾斜を示しているX線透視装置を使用して、位置決めガイド105は、位置決めガイドの頂部端縁がA−P傾斜面と平行になるまで回転せしめられる。
【0026】
ひとたびこの動作がなされると、次に、図12を見ると、第二のストレートピン130が、位置決めガイド105内の第二の穴135(図13)の中を進入せしめられる。この第二のストレートピン130は、脛骨10に対する位置決めガイドの位置を安定化させる。上記の結果として、第一及び第二のストレートピン120,130の位置決め及び配置によって、脛骨10に対して位置決めガイド105を固定し、その結果、位置決めガイドの頂部端縁がA−P脛骨傾斜に平行となる。このプロセスは、尖端ピン穴140(図13)がA−P片寄り面50と骨切り術の切り込みの遠方側端部にある切り込み深さ面60との交差点に配置されている軸線70(図8)と整合され且つ当該軸線を規定することを確保している。
【0027】
次に図14〜17を参照すると、尖端ピン110が位置決めガイドの尖端ピン穴140及び脛骨10内へ進入せしめられる。この結果、尖端ピン110は、軸線70すなわちA−P片寄り面50と切り込み深さ面60との交差部に沿って延びる。このようにして、尖端ピン110の軸線は、骨切り術切り込み部の面と同一面である骨切り術切り込み部の遠方端部に配置されている。
【0028】
この時点で、止めねじ145(図14)が止めねじ穴150内に挿入され且つ脛骨10に当接されて、脛骨10に対する位置決めガイド105の位置に残っている遊びを無くする。この点において、脛骨10に対する位置決めガイドの整合に対する悪影響を避けるために、この動作中に止めねじ145を締め過ぎないことは重要であることは理解されるべきである。
【0029】
次に、図18〜21を参照すると、切り込みガイド115が位置決めガイド105上に取り付けられる。これは、位置決めガイド105に抗して切り込みガイド115を進入させて、位置決めガイドの位置決めピン155が切り込みガイドの穴157を介して受け入れられるようにしている。切り込みガイド115は、切り込みガイド内の穴165を介して且つ位置決めガイド内の穴170内へとねじ160を進入させることによってこの位置に固定される。この作用により、切り込みガイド115内の切り込み溝穴175が、骨切り術の切り込み面65及び尖端ピン110と全てが同一平面にあるという意味で整合せしめられる。この作用の結果として、切り込み溝穴175が所望の骨切り術の切り込み面と整合せしめられる。
【0030】
この時点で、切り込み溝穴175の整合が点検されて、当該切り込み溝穴が脛骨結節180の十分上方にあり(図19)且つ脛骨プラトー30の十分下方にあることが確保される。切り込み溝穴175が頸骨結節180の十分上方でなく且つ脛骨プラトー30の十分下方でない場合には、当該装置は取り外され且つ上記の動作が繰り返される。
【0031】
次に、図21〜23を参照すると、振動鋸(図示せず)が切り込み溝穴175を介して脛骨10内へ進入せしめられて所望の骨切り術切り込みが形成される。このとき、尖端ピン110は、振動鋸が脛骨を過剰に切り込み、それによって、骨切り術の切り込みに対して横方向の脛骨の部分を損傷させるのを防止するためのストッパとして機能する。このことは、この切り込まれていない骨は、骨切り術切り込みが開かれて骨内に楔状開口を形成するときに、基部又は横方向ヒンジとして機能するので重要である。更に、尖端ピンはまた、骨切り術の切り込みの基部にある脛骨内に丸い穴をも形成し、これは、骨切り術用切り込みが開かれて骨内に楔状開口が形成されるときに生じる応力集中部を取り除く役目を果たすであろう。脛骨が骨切り術用切り込みを横切って十分切り込まれていることを確認するために、切り込み深さはX線透視装置によって検査される。次いで、切り込みガイド115、尖端ピン110及び位置決めガイド105が取り除かれ、X線透視装置を使用して切り込み位置が検査され、適切な骨切り術(図示せず)によって骨切り術用の切り込みが完了する(脛骨10内に形成された骨切り術用切り込み20を示している図23Aを参照のこと)。
【0032】
図23Bを参照すると、一つの好ましい構造においては、尖端ピンは、骨切り術用の切り込み20の基部に形成された丸い穴20Aが骨切り術用切り込み20の厚み20Bよりも大きな直径を有するような大きさとされている。
【0033】
図23Cを参照すると、一つの好ましい構造においては、尖端ピンは、骨切り術用の切り込み20の基部に形成された丸い穴20Aが骨切り術用切り込み20の厚み20Bとほぼ同じ直径を有するような大きさとされている。
【0034】
ひとたび骨切り術用切り込みが完了すると(図1)、当該骨切り術用切り込みの両側に位置している骨の部分は、骨内に所望の楔状開口25(図2)を形成するのに適するように相互に分離され、それによって、脛骨プラトー30に大腿骨15に対する所望の向きが付与される。次いで、脛骨は、例えば、骨に金属板をねじ止めするか又は楔状インプラント35(図3)を骨の開口内へ挿入することによって、この状態で安定化される。
【0035】
次いで、図24を参照すると、前内側アプローチ方法を使用して高位脛骨骨切り術のための正確且つ反復可能な骨切り術を形成する際に使用するように意図されている別の装置185が示されている。装置185は、(i)脛骨10内に尖端ピン110を適切に位置決めし、(ii)切り込み溝穴175を指定された切り込み面と整合させるために、位置決めガイド/切り込みガイド190の組み合わせを含んでいる。これは、最初に、位置決めガイド/切り込みガイドの組み合わせ190内の開口194内に位置決めピン192を通し、位置決めピン192が指定された切り込み面と同一面に配置されるようにすることによって行われる。次いで、位置決めガイド/切り込みガイドの組み合わせ190は、当該位置決めガイド/切り込みガイドの組み合わせ190の面が指定された切り込み面と同一面となるまで、位置決めピン192を中心に回転せしめられる。次いで、尖端ピン110が位置決めガイド/切り込みガイドの組み合わせ190内の第一の穴196内を通され、脛骨10内を通され、次いで、位置決めガイド/切り込みガイドの組み合わせ190の遠い方の側に形成された第二の穴196内を通される。これによって、切り込みガイド溝穴175が指定された切り込み面と整合せしめられ、尖端ピン110が骨切り術用切り込みの遠い方の端部に配置された状態で、位置決めガイド/切り込みガイドの組み合わせ190が脛骨10に対して適切な位置に固定される。次いで、位置決めガイド/切り込みガイドの組み合わせ190が使用されて脛骨10内に所望の切り込み20(図1)が形成され、それによって、骨内に楔状開口25(図2)が形成される。ここでも同様に、尖端ピン110は、脛骨の切り込み過ぎを防止するためのストッパとして機能し且つ骨に楔状開口を形成するために骨切り術用切り込みが開かれたときに生じるかも知れない応力集中部を取り除く機能を果たす丸い開口を、骨切り術用切り込みの基部において脛骨内に形成するであろう。
【0036】
発明の利点
本発明の提供及び使用によって多くの利点が得られる。限定的ではないが、例として、
(i)位置決めガイドと組み合わせて尖端ピンを提供し且つ使用することにより、骨の切り込みの横方向ヒンジ又は終点が規定され、これは、A−P脛骨傾斜に対して特別な関係にあり、A−P脛骨傾斜を中断するか又は不意の変化をもたらさないように楔状空隙内に骨切り術用切り込みの最終的な開口を提供する。
(ii)前記尖端ピンは、横方向の皮質骨折を防止するために、振動鋸のブレード又は手動骨切り術のための確実なストッパとして作用する。
(iii)尖端ピンによってもたらされる切り込み面の終点における円の直径は、楔状空隙内に骨切り術を開く際に、関節腔内の骨折又は側部皮質骨折を生じさせる応力集中部を減じる。
(iv)前記切り込みガイドは、基端の脛骨上の前内側アプローチにおいて使用するための傾斜が付けられた又は角度が付けられた切り込みガイドを組み込んでおり、この角度が付けられた切り込みガイドは、脛骨上の前−内側位置から提供され且つ所望の骨切り術用切り込み面と整合せしめられる。
(v)傾斜が付けられた溝穴の設計は、尖端ピンの軸によって規定されている軸線を中心に、上記した片寄り面から下方へと回転された面である所望の切り込み面を形成する。
(vi)骨に切り込みを入れる(すなわち、骨切り術を行う)過程は、安全で且つ処置毎に容易に再現できる。
(vii)この過程は、脛骨の前−後傾斜に対して不利な影響を及ぼさない。
【0037】
改良
本発明の特性を説明するために本明細書に記載され且つ図示された細部、材料、ステップ及び部品の配置に対して、当業者が、特許請求の範囲に示されている本発明の原理及び範囲内で多くの付加的な変更を施すことができることは理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、楔開き骨切り術のために脛骨内に楔状開口を形成すること及び脛骨内の楔状開口内に楔状インプラントを位置決めすることを示している図である。
【図2】図2は、楔開き骨切り術のために脛骨内に楔状開口を形成すること及び脛骨内の楔状開口内に楔状インプラントを位置決めすることを示している図である。
【図3】図3は、楔開き骨切り術のために脛骨内に楔状開口を形成すること及び脛骨内の楔状開口内に楔状インプラントを位置決めすることを示している図である。
【図4】図4は、高位脛骨骨切り術の関連する平面を示している図である。
【図5】図5は、高位脛骨骨切り術の関連する平面を示している図である。
【図6】図6は、高位脛骨骨切り術の関連する平面を示している図である。
【図7】図7は、高位脛骨骨切り術の関連する平面を示している図である。
【図8】図8は、高位脛骨骨切り術の関連する平面を示している図である。
【図9】図9は、高位脛骨骨切り術の関連する平面を示している図である。
【図10】図10は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図11】図11は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図12】図12は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図13】図13は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図14】図14は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図15】図15は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図16】図16は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図17】図17は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図18】図18は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図19】図19は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図20】図20は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図21】図21は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図22】図22は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図23】図23は、本発明に従って、高位脛骨骨切り術を行うための一つの好ましい方法及び装置を示している。
【図23A】図23Aは、脛骨内に形成された種々の骨切り術用切り込みを示している。
【図23B】図23Bは、脛骨内に形成された種々の骨切り術用切り込みを示している。
【図23C】図23Cは、脛骨内に形成された種々の骨切り術用切り込みを示している。
【図24】図24は、本発明の代替的な形態を示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
楔開き骨切り術を行うために骨に楔状開口を形成するための装置であり、
骨内の切り込み面と、骨内に配置され且つ当該切り込み面に沿ってなされた切り込みを終端させるための境界線と、を特定するための目標装置と、
(i)前記切り込み面に沿った切り込みを制限するために前記境界線に確実なストッパ及び(ii)骨内に楔状開口を形成するために、前記切り込みの両側に位置する骨が相対的に分離されるときに生じる骨内の応力集中部の発生を最少化するために、前記境界線に沿って延びている円筒形開口を提供するために、前記境界線に沿って配置される尖端ピンと、を含む装置。
【請求項2】
請求項1の装置であり、
前記骨が脛骨であり、更に、前記目標装置が、前記切り込みアプローチが概して前−内側方向においてなされる装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であり、
前記目標装置が、前記境界線が概して前−後方向に延びるような構造とされている装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であり、
前記骨が脛骨であり、更に、前記目標装置が、前記切り込み面と境界線とが脛骨プラトーを基準にして決定される構造とされている装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であり、
前記目標装置が整合端縁を含んでおり、更に、前記目標装置が、前記整合端縁が前記前−後傾斜に対して適正に配置されたときに、前記切り込み面と境界線とが正しく配置されるような構造とされている装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であり、
前記整合端縁が、前記目標装置の頂面を含んでいる装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であり、
前記尖端ピンが、前記切り込み面に沿って形成された切り込みの厚みよりも大きな直径を有している円筒形開口を提供するための構造とされている装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であり、
前記尖端ピンが、前記切り込み面に沿って形成された切り込みの厚みとほぼ同じ直径を有している円筒形開口を提供する構造とされている装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であり、
前記目標装置が、位置決めガイドと切り込みガイドとを含んでおり、
前記位置決めガイドは、切り込み面と骨に対する境界線とを形成するために骨に取り付ける構造とされており、
前記切り込みガイドは、切り込み溝穴を前記切り込み面と整合させるために、前記位置決めガイドに取り付ける構造とされている装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置であり、
前記切り込みガイドが、前記切り込みアプローチが概して前−内側方向においてなされる構造とされている装置。
【請求項11】
楔開き骨切り術のために骨に楔状開口を形成する方法であり、
骨内の切り込み面及び骨内に配置され且つ当該切り込み面に沿ってなされた切り込みを終端させるための境界線とを特定するために、目標装置を骨に対して位置決めするステップと、
(i)前記切り込み面に沿った切り込みを制限するために境界線に設けられた確実なストッパ及び(ii)前記切り込みの両側に位置する骨が相互に分離されて骨内に楔状開口が形成されるときに骨内の応力集中部の発生を最少化するために、前記境界線に沿って延びている円筒形の開口を提供するために、尖端ピンを前記境界線に沿って位置決めするステップと、
前記切り込み面に沿って骨を切り込み、当該切り込みを前記境界線において終端させるステップと、
骨内に楔状開口を形成するために、前記切り込み部の両側に位置する骨を相互に分離するステップと、を含む方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であり、
前記骨が脛骨であり、更に、前記目標装置が、前記切り込みアプローチが概して前−内側方向においてなされるような構造とされている方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であり、
前記骨が脛骨であり、更に、前記目標装置が、前記境界線が概して前−後方向に延びるような構造とされている方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であり、
前記骨が脛骨であり、前記目標装置が、前記切り込み面及び境界線が、脛骨プラトーを基準に決定される構造とされている方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であり、
前記目標装置が整合端縁を含んでおり、更に、目標装置は、前記切り込み面と前記境界線とが、整合端縁が前−後傾斜に対して正しく配置されたときに正しく配置されるような構造とされている方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であり、
前記整合端縁が前記目標装置の頂面を含んでいる方法。
【請求項17】
請求項11に記載の方法であり、
前記尖端ピンが、前記切り込み面に沿ってなされる切り込みの厚みよりも大きな直径を有する円筒形開口を提供する構造とされている方法。
【請求項18】
請求項11に記載の方法であり、
前記尖端ピンが、前記切り込み面に沿って形成された切り込みの厚みとほぼ同じ直径を有する円筒形の開口を提供する構造とされている方法。
【請求項19】
請求項11に記載の方法であり、
前記目標装置が、位置決めガイドと切り込みガイドとを含んでおり、
前記位置決めガイドが、骨に対する前記切り込み面及び境界線を確立するために骨に取り付ける構造とされており、
前記切り込みガイドが、切り込み溝穴を前記切り込み面に整合させるために、前記位置決めガイドに取り付ける構造とされている方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であり、
前記切り込みガイドが、前記切り込みアプローチが概して前−内側方向でなされるような構造とされている方法。
【請求項21】
楔開き骨切り術のために脛骨内に楔状開口を形成するための方法であり、
前−後脛骨傾斜面、脛骨内を通る切り込み面及び当該切り込み面に沿ってなされる切り込みを終端させるための境界線であって骨ヒンジ線を規定している境界線を規定するために、脛骨の近くに位置決めガイドを配置するステップと、
前記位置決めガイド内に且つ前記境界線に沿って尖端ピンを挿入するステップと、
前記位置決めガイドに切り込みガイドを取り付けて、当該切り込みガイド内の切り込み溝穴が前記切り込み面と同一面状に整合されるようにするステップと、
前記切り込み面に沿って前記境界線まで骨切り術用切り込みを形成するステップと、
前記切り込みの両側に位置する骨を相互に分離して、骨内に楔状開口を形成するステップと、を含む方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であり、
前記切り込みアプローチが概して前−内側方向においてなされる方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であり、
前記位置決めガイドが、前記境界線が概して前−後方向に延びるような構造とされている方法。
【請求項24】
請求項21に記載の方法であり、
前記骨が脛骨であり、更に、前記位置決めガイドが、前記切り込み面と境界線とが脛骨プラトーを基準として決定されるような構造とされている方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法であり、
前記位置決めガイドが整合端縁を含んでおり、更に、位置決めガイドが、前記整合端縁が前記前−後傾斜に対して正しく位置決めされたときに、前記切り込み面と境界線とが正しく配置される構造とされている方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法であり、
前記整合端縁が、前記目標装置の頂面を含んでいる方法。
【請求項27】
請求項21に記載の方法であり、
前記尖端ピンが、前記切り込み面に沿ってなされた切り込みの厚みよりも大きい直径を有している円筒形開口を提供する構造とされている方法。
【請求項28】
請求項21に記載の方法であり、
前記尖端ピンが、前記切り込み面に沿ってなされた切り込みの厚みとほぼ同じ直径を有している円筒形開口を提供する構造とされている方法。
【請求項29】
楔開き骨切り術のために脛骨内に楔状開口を形成する方法であり、
脛骨の一部分を包囲するために、脛骨の内側面の近くに位置決めガイドを頂端縁が脛骨プラトーに対して位置決めされるようにして配置するステップと、
第一のストレートピンを、前記位置決めガイドを通し且つ脛骨内へ配置して、前記位置決めガイドを脛骨に対して枢動可能に固定するステップと、
前記位置決めガイドを、当該位置決めガイドの頂端縁が前記前−後頸骨傾斜に対して平行となるまで、前記第一のストレートピンを中心に回転させるステップと、
第二のストレートピンを、前記位置決めガイド内を通し且つ脛骨内へ配置して、位置決めガイドが前−後脛骨傾斜面を規定し、切り込み面が脛骨及び切り込み面に沿ってなされた切り込みを終端させるための境界線内を伸長するようにし、当該境界線が骨ヒンジ線を規定するようにして、前記位置決めガイドを脛骨に固定するステップと、
前記位置決めガイドを通り且つ前記境界線に沿って尖端ピンを挿入するステップと、
切り込みガイドを前記位置決めガイド上に、前記切り込みガイド内の切り込み溝穴が前記切り込み面と同一面に整合されるように取り付けるステップと、
前記切り込み面に沿って前記境界線まで骨切り術用切り込みを形成するステップと、
前記切り込みの両側の骨を相互に分離して骨内に楔状開口を形成するステップと、を含む方法。
【請求項1】
楔開き骨切り術を行うために骨に楔状開口を形成するための装置であり、
骨内の切り込み面と、骨内に配置され且つ当該切り込み面に沿ってなされた切り込みを終端させるための境界線と、を特定するための目標装置と、
(i)前記切り込み面に沿った切り込みを制限するために前記境界線に確実なストッパ及び(ii)骨内に楔状開口を形成するために、前記切り込みの両側に位置する骨が相対的に分離されるときに生じる骨内の応力集中部の発生を最少化するために、前記境界線に沿って延びている円筒形開口を提供するために、前記境界線に沿って配置される尖端ピンと、を含む装置。
【請求項2】
請求項1の装置であり、
前記骨が脛骨であり、更に、前記目標装置が、前記切り込みアプローチが概して前−内側方向においてなされる装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であり、
前記目標装置が、前記境界線が概して前−後方向に延びるような構造とされている装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であり、
前記骨が脛骨であり、更に、前記目標装置が、前記切り込み面と境界線とが脛骨プラトーを基準にして決定される構造とされている装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であり、
前記目標装置が整合端縁を含んでおり、更に、前記目標装置が、前記整合端縁が前記前−後傾斜に対して適正に配置されたときに、前記切り込み面と境界線とが正しく配置されるような構造とされている装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であり、
前記整合端縁が、前記目標装置の頂面を含んでいる装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であり、
前記尖端ピンが、前記切り込み面に沿って形成された切り込みの厚みよりも大きな直径を有している円筒形開口を提供するための構造とされている装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であり、
前記尖端ピンが、前記切り込み面に沿って形成された切り込みの厚みとほぼ同じ直径を有している円筒形開口を提供する構造とされている装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であり、
前記目標装置が、位置決めガイドと切り込みガイドとを含んでおり、
前記位置決めガイドは、切り込み面と骨に対する境界線とを形成するために骨に取り付ける構造とされており、
前記切り込みガイドは、切り込み溝穴を前記切り込み面と整合させるために、前記位置決めガイドに取り付ける構造とされている装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置であり、
前記切り込みガイドが、前記切り込みアプローチが概して前−内側方向においてなされる構造とされている装置。
【請求項11】
楔開き骨切り術のために骨に楔状開口を形成する方法であり、
骨内の切り込み面及び骨内に配置され且つ当該切り込み面に沿ってなされた切り込みを終端させるための境界線とを特定するために、目標装置を骨に対して位置決めするステップと、
(i)前記切り込み面に沿った切り込みを制限するために境界線に設けられた確実なストッパ及び(ii)前記切り込みの両側に位置する骨が相互に分離されて骨内に楔状開口が形成されるときに骨内の応力集中部の発生を最少化するために、前記境界線に沿って延びている円筒形の開口を提供するために、尖端ピンを前記境界線に沿って位置決めするステップと、
前記切り込み面に沿って骨を切り込み、当該切り込みを前記境界線において終端させるステップと、
骨内に楔状開口を形成するために、前記切り込み部の両側に位置する骨を相互に分離するステップと、を含む方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であり、
前記骨が脛骨であり、更に、前記目標装置が、前記切り込みアプローチが概して前−内側方向においてなされるような構造とされている方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であり、
前記骨が脛骨であり、更に、前記目標装置が、前記境界線が概して前−後方向に延びるような構造とされている方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であり、
前記骨が脛骨であり、前記目標装置が、前記切り込み面及び境界線が、脛骨プラトーを基準に決定される構造とされている方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であり、
前記目標装置が整合端縁を含んでおり、更に、目標装置は、前記切り込み面と前記境界線とが、整合端縁が前−後傾斜に対して正しく配置されたときに正しく配置されるような構造とされている方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であり、
前記整合端縁が前記目標装置の頂面を含んでいる方法。
【請求項17】
請求項11に記載の方法であり、
前記尖端ピンが、前記切り込み面に沿ってなされる切り込みの厚みよりも大きな直径を有する円筒形開口を提供する構造とされている方法。
【請求項18】
請求項11に記載の方法であり、
前記尖端ピンが、前記切り込み面に沿って形成された切り込みの厚みとほぼ同じ直径を有する円筒形の開口を提供する構造とされている方法。
【請求項19】
請求項11に記載の方法であり、
前記目標装置が、位置決めガイドと切り込みガイドとを含んでおり、
前記位置決めガイドが、骨に対する前記切り込み面及び境界線を確立するために骨に取り付ける構造とされており、
前記切り込みガイドが、切り込み溝穴を前記切り込み面に整合させるために、前記位置決めガイドに取り付ける構造とされている方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であり、
前記切り込みガイドが、前記切り込みアプローチが概して前−内側方向でなされるような構造とされている方法。
【請求項21】
楔開き骨切り術のために脛骨内に楔状開口を形成するための方法であり、
前−後脛骨傾斜面、脛骨内を通る切り込み面及び当該切り込み面に沿ってなされる切り込みを終端させるための境界線であって骨ヒンジ線を規定している境界線を規定するために、脛骨の近くに位置決めガイドを配置するステップと、
前記位置決めガイド内に且つ前記境界線に沿って尖端ピンを挿入するステップと、
前記位置決めガイドに切り込みガイドを取り付けて、当該切り込みガイド内の切り込み溝穴が前記切り込み面と同一面状に整合されるようにするステップと、
前記切り込み面に沿って前記境界線まで骨切り術用切り込みを形成するステップと、
前記切り込みの両側に位置する骨を相互に分離して、骨内に楔状開口を形成するステップと、を含む方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であり、
前記切り込みアプローチが概して前−内側方向においてなされる方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であり、
前記位置決めガイドが、前記境界線が概して前−後方向に延びるような構造とされている方法。
【請求項24】
請求項21に記載の方法であり、
前記骨が脛骨であり、更に、前記位置決めガイドが、前記切り込み面と境界線とが脛骨プラトーを基準として決定されるような構造とされている方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法であり、
前記位置決めガイドが整合端縁を含んでおり、更に、位置決めガイドが、前記整合端縁が前記前−後傾斜に対して正しく位置決めされたときに、前記切り込み面と境界線とが正しく配置される構造とされている方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法であり、
前記整合端縁が、前記目標装置の頂面を含んでいる方法。
【請求項27】
請求項21に記載の方法であり、
前記尖端ピンが、前記切り込み面に沿ってなされた切り込みの厚みよりも大きい直径を有している円筒形開口を提供する構造とされている方法。
【請求項28】
請求項21に記載の方法であり、
前記尖端ピンが、前記切り込み面に沿ってなされた切り込みの厚みとほぼ同じ直径を有している円筒形開口を提供する構造とされている方法。
【請求項29】
楔開き骨切り術のために脛骨内に楔状開口を形成する方法であり、
脛骨の一部分を包囲するために、脛骨の内側面の近くに位置決めガイドを頂端縁が脛骨プラトーに対して位置決めされるようにして配置するステップと、
第一のストレートピンを、前記位置決めガイドを通し且つ脛骨内へ配置して、前記位置決めガイドを脛骨に対して枢動可能に固定するステップと、
前記位置決めガイドを、当該位置決めガイドの頂端縁が前記前−後頸骨傾斜に対して平行となるまで、前記第一のストレートピンを中心に回転させるステップと、
第二のストレートピンを、前記位置決めガイド内を通し且つ脛骨内へ配置して、位置決めガイドが前−後脛骨傾斜面を規定し、切り込み面が脛骨及び切り込み面に沿ってなされた切り込みを終端させるための境界線内を伸長するようにし、当該境界線が骨ヒンジ線を規定するようにして、前記位置決めガイドを脛骨に固定するステップと、
前記位置決めガイドを通り且つ前記境界線に沿って尖端ピンを挿入するステップと、
切り込みガイドを前記位置決めガイド上に、前記切り込みガイド内の切り込み溝穴が前記切り込み面と同一面に整合されるように取り付けるステップと、
前記切り込み面に沿って前記境界線まで骨切り術用切り込みを形成するステップと、
前記切り込みの両側の骨を相互に分離して骨内に楔状開口を形成するステップと、を含む方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図23A】
【図23B】
【図23C】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図23A】
【図23B】
【図23C】
【図24】
【公表番号】特表2008−529607(P2008−529607A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−554340(P2007−554340)
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/004440
【国際公開番号】WO2006/086476
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(506144983)アイバランス・メディカル・インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/004440
【国際公開番号】WO2006/086476
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(506144983)アイバランス・メディカル・インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】
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