説明

極板積載装置

【課題】本発明は、極板、セパレータ、またはセパレータで包装された極板などの蓄電用材料に係るワークを積層状態に安定良く積載することができる極板積載装置を提供することを目的とする。
【解決手段】極板積載装置100は、セパレータで包装された正極の極板Pおよび裸の状態の負極の極板Nを積載ステージ420に積層状態に積載する。そして、装置中心に垂直に立設された装置本体としての回転軸110と、該回転軸110の周面に設けられた第1移載アーム120および第2移載アーム130とを備え、セパレータで包装された正極の極板Pおよび裸の状態の負極の極板Nの保持および積載に際して、第1移載アーム120および第2移載アーム130の高さ位置が個別に制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極板、セパレータ、またはセパレータで包装された極板などの蓄電用材料に係るワークを積載ステージに順次積載する極板積載装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、自動車用電池、太陽電池、電子機器用電池など各種電池において、積層型電池が使用されるようになっている。この積層型電池は、正極の極板、セパレータ、負極の極板、セパレータ・・・のワークの順で交互に積層状態に積載されて構成される。このような積層型電池の製造において、各ワークを所定の順で積層状態に積載する技術が従来より知られており、例えば、下記特許文献1および特許文献2に開示されている。
【0003】
これら特許文献1および特許文献2においては、各極板およびセパレータを所定の順に積層状態に積載するための積載ステージが昇降自在に構成されており、積載ステージ上に積載された各極板およびセパレータの状態に応じて積載ステージを昇降させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−102871号公報
【特許文献2】特許第4351737号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1および特許文献2の技術は、積載ステージ上に積層状態に積載した全ワークの厚みに基づいて積載ステージが昇降するため、その昇降過程において積載ステージ上に積載されている各ワークの各々がずれてしまうなどして、ワークを積層状態に安定良く積載することができない場合があった。
【0006】
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであって、極板、セパレータ、またはセパレータで包装された極板などの蓄電用材料に係るワークを積層状態に安定良く積載することができる極板積載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る極板積載装置は、上記目的を達成するために、極板、セパレータ、またはセパレータで包装された極板などの蓄電用材料に係るワークを積載ステージに順次積載する極板積載装置であって、装置本体と、前記装置本体に接続されるとともに、一方側に配置されたワークを保持し、前記積載ステージまで移送したあと、前記積載ステージ上に積層状態に積載する第1移載アームと、前記装置本体に接続されるとともに、他方側に配置されたワークを保持し、前記積載ステージまで移送したあと、前記積載ステージ上に積層状態に積載する第2移載アームとを備え、ワークの保持および積載に際して、前記第1移載アームおよび前記第2移載アームの高さ位置が個別に制御されることを特徴とする。
【0008】
これによれば、ワークの保持および積載に際して、第1移載アームおよび第2移載アームの高さ位置が個別に制御されるため、積載ステージを昇降させる必要がなくなり、極板、セパレータ、またはセパレータで包装された極板などの蓄電用材料に係るワークを積層状態に安定良く積載することができる。
【0009】
また、第1移載アームおよび第2移載アームは、ワークの保持に際しては一方側および他方側に配置されたワークの上方位置から該ワークの高さ位置まで移動するとともに、ワークの積載に際しては積載ステージ上に積層状態に積載された最上層のワークの上方位置から該ワークの高さ位置まで移動するのが好ましい。これによれば、ワークの保持と積載に際して、第1移載アームおよび第2移載アームを適正な高さ位置に個別に移動させることができる。
【0010】
また、積載ステージに積層状態に積載された最上層のワークの高さ位置を検知する検知装置を備え、検知装置により検知した最上層のワークの高さ位置に基づいて、第1移載アームおよび第2移載アームは、積載ステージ上に積層状態に積載された最上層のワークの上方位置から該ワークの高さ位置まで移動するのが好ましい。これによれば、積載ステージに積載された最上層のワークの高さ位置を正確に検知することができるため、ワークの積載に際して第1移載アームおよび第2移載アームをより一層適正な高さ位置に移動させることが可能となる。
【0011】
また、第1移載アームまたは第2移載アームのいずれか一方がワークを保持すると同時に、他方がワークを積載ステージ上に積層状態に積載することを交互に繰り返すのが好ましい。これによれば、ワークの保持と積載を同時に行うことができ、ワークを積層状態に効率的に積載することができる。
【0012】
また、第1移載アームおよび第2移載アームは、装置本体の動作に追随する態様でワークを積載ステージまで移送するのが好ましい。これによれば、装置本体が所定の動作を行うことにより、それに追随するようにして第1移載アームおよび第2移載アームがワークを移載ステージまで移送することができる。
【0013】
また、前記装置本体は軸線方向に回転する回転軸となされ、前記第1移載アームおよび前記第2移載アームは、前記回転軸の周面において前記回転軸の軸線方向に沿って移動可能な態様で接続されているのが好ましい。これによれば、回転軸が揺動回転することにより第1移載アームと第2移載アームが追随して回転するため、ワークの移送範囲が小さくなって省スペース化を図ることができる。しかも、第1移載アームおよび第2移載アームが回転軸の軸線方向に移動することにより第1移載アームおよび第2移載アームの高さ位置を個別に制御し易くなる。
【0014】
また、前記第1移載アームおよび前記第2移載アームは、前記回転軸から互いに所定角度で延びる態様で前記回転軸に接続されるとともに、前記回転軸の周りにおいて、一方側のワーク、前記積載ステージ、他方側のワークが所定角度で順に配置されているのが好ましい。これによれば、回転軸90度の角度で左右に揺動回転することによって、一方側のワークの保持および積載ステージ上のワークの積載と、他方側のワークの保持および積載ステージ上のワークの積載とを交互に行うことができ、省スペースを図りながらワークを効率的に積載することができる。
【0015】
また、前記第1移載アームおよび前記第2移載アームは、それぞれ第1移載アーム用駆動モータおよび第2移載アーム用駆動モータにより伝達機構を介して個別に制御され、前記伝達機構は、回転軸の内部に配置された軸受けと、軸受けに対して摺動可能に配置された第1ガイド部材および第2ガイド部材とからなり、該第1ガイド部材および第2ガイド部材は前記第1移載アームおよび第2移載アームに接続されるとともに、第1移載アーム用駆動モータおよび第2移載アーム用駆動モータにより前記回転軸の軸方向に沿って移動するのが好ましい。これによれば、第1移載アームおよび第2移載アームを回転軸の軸方向に沿って精度良く移動させることができる。
【0016】
また、第1移載アームおよび第2移載アームは、搬送装置により一枚ずつ搬送されてきたワークを保持するのが好ましい。これによれば、ワークの搬送から第1移送アームまたは第2移送アームの保持、移送および積載までの一連の動作を連続的に行うことができ、ワークを効率的に積載することが可能になる。
【0017】
また、第1移載アームおよび第2移載アームは、ワークを吸着することにより保持するのが好ましい。これによれば、第1移載アームおよび第2移載アームはワークを簡単かつ確実に保持することができる。
【0018】
また、第1移載アームは、一方側に配置されたセパレータで包装された極板を保持し、積載ステージまで移送したあと、積載ステージ上に積層状態に積載し、第2移載アームは、他方側に配置された対極の裸の極板を保持し、積載ステージまで移送したあと、積載ステージ上に積層状態に積載することを交互に繰り返すことにより、積載ステージ上に極板をセパレータを介して積層状態に積載するのが好ましい。これによれば、一方側のワークは既にセパレータで包装されているため、それと裸の極板を交互に積載するだけで、所定枚数のワークからなる極板積層群(電池セル)を簡単かつ確実に形成することができる。
【0019】
また、所定枚数のワークが積載された場合、該所定枚数のワークからなる極板積層群を別工程に移送したあとに、第1移載アームまたは第2移載アームが、当該極板積層群の最上層の極板と同一極性の極板から積載ステージ上への積載を開始するのが好ましい。これによれば、最上層および最下層が同じ極板積層群(電池セル)を順次形成することができ、後工程において各極板積層群(電池セル)からなる電池を製造し易くなる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ワークの保持および積載に際して、第1移載アームおよび第2移載アームの高さ位置が個別に制御されるため、積載ステージを昇降させる必要がなくなり、極板、セパレータ、またはセパレータで包装された極板などの蓄電用材料に係るワークを積層状態に安定良く積載することができ、ひいては後工程において品質の高い電池を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】極板積載装置を含む極板積載システムの構成概略図である。
【図2】極板積載装置の斜視図である。
【図3】極板積載装置における(a)第1状態を示す平面図であり、(b)第2状態を示す平面図である。
【図4】極板積載装置の側面図である。
【図5】極板積載装置における伝達機構を示す斜視図である。
【図6】本システムの電気的な構成を示すブロック図である。
【図7】極板積載装置による極板積層群の形成の動作を示す第1の図である。
【図8】極板積載装置による極板積層群の形成の動作を示す第2の図である。
【図9】極板積載装置による次の極板積層群の形成開始の動作を示す図である。
【図10】第2の実施形態に係る極板積載装置による極板積層群の形成の動作を示す第1の図である。
【図11】第2の実施形態に係る極板積載装置による極板積層群の形成の動作を示す第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1の実施形態>
次に本発明の第1の実施形態に係る極板積載装置(以下、本装置100という)について図面を参照しつつ説明する。
【0023】
図1は、本装置を含む極板積載システムの構成概略図である。
【0024】
本システムは、本装置100と、本装置100の右側に配置された第1搬送装置200と、本装置100の左側に配置された第2搬送装置300と、本装置100の正面側に配置された第3搬送装置400とを備える。すなわち、本装置100の周囲において、第1搬送装置200、第2搬送装置300および第3搬送装置400が、第1、第3、第2の順で90度の角度で配置されている。
【0025】
前記第1搬送装置200は、図1に示すように、セパレータで包装された正極の極板Pを連続して一枚ずつ搬送する第1コンベア210と、該正極の極板Pが載置される第1アライメントステージ220とを備え、第1コンベア210から搬送されてきた正極の極板Pが第1アライメントステージ220に1枚ずつ順次載置されるようになっている。
【0026】
前記第2搬送装置300は、図1に示すように、負極の極板Nを連続して一枚ずつ搬送する第2コンベア310と、負極の極板Nが載置される第2アライメントステージ320とを備え、第2コンベア310から搬送されてきた負極の極板Nが第2アライメントステージ320に1枚ずつ順次載置されるようになっている。
【0027】
前記第3搬送装置は、図1に示すように、セパレータで包装された正極の極板Pと負極の極板Nが交互に積層状態に積載される積載ステージ420と、所定枚数積載された極板積層群Gを別工程に搬送する第3コンベア410とを備え、積載ステージ420に所定枚数積載された極板積層群Gが第3コンベア410により別工程に順次搬送されるようになっている。なお、本実施形態では、第3搬送装置は、コンベア方式としているが、極板積層群Gの積層状態を崩すことなくスムーズに搬送するために、極板積層群Gの全体をチャックして搬送するものとしてもよい。
【0028】
本装置100は、前記第1搬送装置200から搬送されてきたセパレータで包装された正極の極板Pと、前記第2搬送装置300から搬送されてきた負極の極板Nとを前記第3搬送装置400の積載ステージ420に順次積載することにより、正極の極板Pと負極の極板Nとをセパレータを介して積層状態にする。このように、正極の極板Pが既にセパレータで包装されているため、それと裸の負極の極板Nを交互に積載するだけで簡単に所定枚数の極板積層群Gを形成することができる。なお、以下の説明においては、セパレータで包装された正極の極板Pを、適宜、正極の極板Pという。
【0029】
本装置100は、図2に示すように、装置中心に垂直に立設された装置本体としての回転軸110と、該回転軸110の周面に設けられた第1移載アーム120および第2移載アーム130を備えてなる。
【0030】
前記回転軸110は、回転軸用駆動モータ112により90度の角度で揺動回転し、それに伴って回転軸110の揺動回転に追随する態様で第1移載アーム120および第2移載アーム130も揺動回転し、正極の極板Pまたは負極の極板Nを第1アライメントステージ220または第2アライメントステージ320から積載ステージ420まで移送するようになっている。
【0031】
この回転軸110が、図3(a)に示すように、反時計方向に向かって一杯に回転した状態であるとき、第1移載アーム120が第1アライメントステージ220の上方に位置し、かつ第2移載アーム130が積載ステージ420の上方に位置しており、この状態を「第1状態」とする。一方、回転軸110が、図3(b)に示すように、時計方向に向かって一杯に回転した状態であるとき、第1移載アーム120が積載ステージ420の上方に位置し、かつ第2移載アーム130が第2アライメントステージ320の上方に位置しており、この状態を「第2状態」とする。
【0032】
なお、回転軸110の周面には、90度の角度で接続口111が2箇所設けられている。第1移載アーム120および第2移載アーム130は該接続口111を介して後述する回転軸110内部の伝達機構140に連結される。
【0033】
前記第1移載アーム120または第2移載アーム130は、第1アライメントステージ220または第2アライメントステージ320に載置された正極の極板Pまたは負極の極板Nを保持し、積載ステージ420まで移送したあと、積載ステージ420上に積層状態に積載することを交互に繰り返すことにより、前記積載ステージ420上に正極の極板Pと負極の極板Nをセパレータを介して積層状態にするものである。以下、第1移載アーム120および第2移載アーム130について具体的に説明する。
【0034】
前記第1移載アーム120および第2移載アーム130は、互いに90度の角度で、かつ回転軸110から直交して延びる態様で回転軸110に接続されている。このため、第1移載アーム120および第2移載アーム130は、図3(a)および図3(b)に示すように、回転軸110の揺動回転に追随して第1状態および第2状態の間を水平方向に揺動回動し得る。
【0035】
すなわち、回転軸110が第1状態から第2状態に90度回転したとき、第1移載アーム120が第1アライメントステージ220の上方位置から積載ステージ420の上方位置まで移動すると同時に、第2移載アーム130が積載ステージ420の上方位置から第2アライメントステージ320の上方位置に移動する。また、回転軸110が第2状態から第1状態に90度回転したとき、第2移載アーム130が第2アライメントステージ320の上方位置から積載ステージ420の上方位置まで移動すると同時に、第1移載アーム120が積載ステージ420の上方位置から第1アライメントステージ220の上方位置に移動する。
【0036】
第1移載アーム120は、図4に示すように、径方向先端部において第1アライメントステージ220の上面と対向するように設けられた第1吸着ヘッド121を備えている。この第1吸着ヘッド121は、平面視略矩形状の平板状に形成されており、下面において複数の吸引孔121aを有しており、図示略の空気吸引装置によって該吸引孔121aから空気を吸引することにより、第1アライメントステージ220に載置された正極の極板Pを吸着させて保持する。また、第1吸着ヘッド121は、空気吸引装置の吸引が停止することにより吸引力を失って、正極の極板Pの保持を解除して積載ステージ420に積載する。
【0037】
一方、第2移載アーム130は、第1移載アーム120と同一の構造を有しており、径方向先端部において第2アライメントステージ320の上面と対向するように設けられた第2吸着ヘッド131を備えている。この第2吸着ヘッド131は、平面視略矩形状の平板状に形成されており、下面において複数の吸引孔131aを有しており、図示略の空気吸引装置によって該吸引孔131aから空気を吸引することにより、第2アライメントステージ320に載置された負極の極板Nを吸着させて保持する。また、第2吸着ヘッド131は、空気吸引装置の吸引が停止することにより吸引力を失って、負極の極板Nの保持を解除して積載ステージ420に積載する。
【0038】
また、第1移載アーム120および第2移載アーム130は、上述のように前記回転軸110の周面において前記回転軸110の軸線方向に移動可能な状態で接続されている。すなわち、第1移載アーム120および第2移載アーム130は、それぞれ回転軸110の接続口111を通じて回転軸110の内部の伝達機構140に接続されており、別々の第1移載アーム用駆動モータ122と第2移載アーム用駆動モータ132により個別に昇降するようになっている。
【0039】
この伝達機構140は、図5に示すように、回転軸110の内部で軸方向に並んで配置された2枚の環状の軸受け141、142と、該軸受け141、142に対して摺動可能に配置された第1ガイド部材143および第2ガイド部材144とからなる。この第1ガイド部材143および第2ガイド部材144は、軸方向に延びる態様で並んだ3本の支柱143a、144aおよび該支柱143a、144aの上端部に設けられたガイドレール143b、144bおよび支柱143a、144aの下端部に設けられた支持部材143cおよび支持部材144cとからなる。
【0040】
この第1ガイド部材143および第2ガイド部材144は、それぞれガイドレール143b、144bが第1移載アーム120および第2移載アーム130に接続され、第1移載アーム120および第2移載アーム130が回転軸110の揺動回転に追随して移動するときにガイドレール143b、144b上を摺動するようになっている。
【0041】
また、第1ガイド部材143および第2ガイド部材144は、支持部材143c、144cにねじ孔143d、144dが形成され、該ねじ孔143d、144dにボールねじ143e、144eが螺着されている。このボールねじ143e、144eは、第1移載アーム用駆動モータ122および第2移載アーム用駆動モータ132により自軸回転するようになっている。このため第1移載アーム用駆動モータ122または第2移載アーム用駆動モータ132によりボールねじ143eまたはボールねじ144eが自軸回転すると、第1ガイド部材143または第2ガイド部材144が昇降し、それに伴って第1移載アーム120または第2移載アーム130が接続口111を通じて昇降することができる。なお、第1ガイド部材143および第2ガイド部材144は、軸受け141、142により周方向には移動しないように固定されている。
【0042】
而して、本装置100が第1状態の場合(図3(a))、第1移載アーム120は、正極の極板Pを保持するために、第1アライメントステージ220の上方位置から第1アライメントステージ220に載置されている正極の極板Pの高さ位置まで下降して、正極の極板Pを吸着したあと、下降する前に位置していた元の第1アライメントステージ220の上方位置まで上昇する。このとき第2移載アーム130は、負極の極板Nを積載するために、積載ステージ420上に積載された最上層の正極の極板Pの上方位置から当該正極の極板Pの高さ位置まで下降して、負極の極板Nを積載したあと、下降する前に位置していた元の積載ステージ420の上方位置に戻る。このように、第1移載アーム120は正極の極板Pの高さ位置まで下降する一方、第2移載アーム130は積載ステージ420に積層状態に積載されている最上層の正極の極板Pの高さ位置まで下降し、第1移載アーム120と第2移載アーム130との高さ位置が異なるように個別に制御されている。
【0043】
また、本装置100が第2状態の場合(図3(b))、第2移載アーム130は、負極の極板Nを保持するため、第2アライメントステージ320の上方位置から第2アライメントステージ320に載置されている負極の極板Nの高さ位置まで下降して、負極の極板Nを吸着したあと、下降する前に位置していた元の第2アライメントステージ320の上方位置まで上昇する。このとき、第1移載アーム120は、正極の極板Pを積載するため、積載ステージ420上に載置された最上層の負極の極板Nの上方位置から当該負極の極板Nの高さ位置まで下降して、正極の極板Pを積載したあと、下降する前に位置していた元の積載ステージ420の上方位置に戻る。このように第2移載アーム130は負極の極板Nの高さ位置まで下降する一方、第1移載アーム120は積載ステージ420に積層状態に積載されている負極の極板Nの高さ位置まで下降し、第1移載アーム120と第2移載アーム130の高さ位置が異なるように個別に制御されている。
【0044】
前記検知センサ150は、図2に示すように、積載ステージ420の上方位置に設けられており、積載ステージ420上に積層状態に積載された最上層の正極の極板Pまたは負極の極板Nの高さ位置を検知する。具体的には、検知センサ150は、積載ステージ420上に積載された最上層の正極の極板Pまたは負極の極板Nにレーザ光を照射し、該レーザ光の照射光の反射光を受光して距離を検知することにより行う。ここにおいて、検知センサ150が検知した最上層の正極の極板Pまたは負極の極板Nの高さ位置は、データとして後述の制御部500に送信される。なお、ここにおける「最上層の正極の極板Pまたは負極の極板Nの高さ」とは、積載ステージ420の載置面から積載ステージ420上に積載された最上層の正極の極板Pまたは負極の極板Nの表面までの高さのことである。
【0045】
図6は、本装置100の電気的構成を示すブロック図である。
【0046】
本装置100では、制御部500が、積載ステージ420上に積載さた最上層の正極の極板Pまたは負極の極板Nの高さ位置を検知する検知センサ150、第1移載アーム120を駆動する第1移載アーム用駆動モータ122、および第2移載アーム130を駆動する第2移載アーム用駆動モータ132、第1搬送装置200の第1コンベア210を駆動する第1コンベア用駆動モータ230、第2搬送装置300の第2コンベア310を駆動する第2コンベア用駆動モータ330、および第3搬送装置400の第3コンベア410を駆動する第3コンベア用駆動モータ430に電気的に接続されている。
【0047】
よって、制御部500は、第1移載アーム120、第2移載アーム130、第1コンベア210、第2コンベア310、第3コンベア410を所定の命令に従って制御している。
【0048】
例えば、制御部500は、検知センサ150から送信されてきた積載ステージ420上の極板積層群Gにおける最上層の正極の極板Pまたは負極の極板Nの高さ位置のデータを受信し、当該最上層の正極の極板Pまたは負極の極板Nの高さ位置のデータに基づいて第1移載アーム用駆動モータ122または第2移載アーム用駆動モータ132を制御する。これにより、第1移載アーム120または第2移載アーム130は、積載ステージ420の上方位置から積載ステージ420上に積層状態に積載された最上層の負極の極板Nまたは正極の極板Pの高さ位置まで下降する。制御部500は、その他、回転軸110の揺動回転、第1移載アーム120および第2移載アーム130の昇降も後述の動作で説明するように制御している。
【0049】
また、制御部500は、第1コンベア用駆動モータ230よび第2コンベア用駆動モータ330を制御し、これにより第1コンベア210および第2コンベア310が所定の動作を行う。すなわち、第1移載アーム120および第2移載アーム130による積載動作および保持動作が交互に繰り返し行われることに同期して、第1コンベア210または第2コンベア310から正極の極板Pまたは負極の極板Nが第1アライメントステージ220または第2アライメントステージ320に連続して一枚ずつ順次載置される。
【0050】
さらに、制御部500は、第3コンベア用駆動モータ430を制御し、これにより第3コンベア410が所定の動作を行う。すなわち、積載ステージ420上に所定枚数の正極の極板Pおよび負極の極板Nが積載された場合、その所定枚数の極板積層群Gを第3コンベア410から後工程に搬送していく。
【0051】
次に本装置100の動作について図7〜図9を参照しつつ説明する。
【0052】
なお、本説明では、既に積載ステージ420に複数枚の正極の極板Pと負極の極板Nが交互に積層状態に積載された極板積層群Gの形成途中から説明することとする。
【0053】
(1)まず、図7(a)に示すように、第1移載アーム120は、第1アライメントステージ220に載置された正極の極板Pの上方に位置している。また、第2移載アーム130は、第2吸着ヘッド131で負極の極板Nを吸着保持した状態で、積載ステージ420上に積載された最上層の正極の極板Pの上方に位置している。
【0054】
(2)次に、図7(b)に示すように、第1移載アーム120は、第1アライメントステージ220の上方位置から第1アライメントステージ220に載置されている正極の極板Pの高さ位置まで下降して、正極の極板Pを吸着する。また、第2移載アーム130は、検知センサ150により検知した最上層の正極の極板Pの高さ位置に基づいて、積載ステージ420上に積載された最上層の正極の極板Pの上方位置から当該正極の極板Pの高さ位置まで下降して、負極の極板Nを積載する。
【0055】
(3)次に、図7(c)に示すように、第1移載アーム120は、第1吸着ヘッド121で正極の極板Pを吸着した状態で、下降する前に位置していた元の第1アライメントステージ220の上方位置まで上昇する。また、第2移載アーム130は、下降する前に位置していた元の積載ステージ420の上方位置まで上昇する。
【0056】
(4)次に、図8(a)に示すように、回転軸110が第1状態から第2状態に90度回転したとき、第1移載アーム120が第1アライメントステージ220の上方位置から積載ステージ420の上方位置まで移動すると同時に、第2移載アーム130が積載ステージ420の上方位置から第2アライメントステージ320の上方位置まで移動する。なお、このとき第1アライメントステージ220には、第1コンベア210から搬送されてきた次の正極の極板Pが載置されている。
【0057】
(5)次に、図8(b)に示すように、第1移載アーム120は、検知センサ150により検知した最上層の負極の極板Nの高さ位置に基づいて、積載ステージ420上に積載された最上層の負極の極板Nの上方位置から当該負極の極板Nの高さ位置まで下降して、正極の極板Pを積載する。また、第2移載アーム130は、第2アライメントステージ320の上方位置から第2アライメントステージ320に載置されている負極の極板Nの高さ位置まで下降して、負極の極板Nを吸着する。
【0058】
(6)次に、図8(c)に示すように、第1移載アーム120は、下降する前に位置していた元の積載ステージ420の上方位置まで上昇する。また、第2移載アーム130は、第2吸着ヘッド131で負極の極板Nを吸着した状態で、下降する前に位置していた元の第2アライメントステージ320の上方位置まで上昇する。
【0059】
(7)次に、再び図7(a)に示すように、回転軸110が第2状態から第1状態に90度回転したとき、第1移載アーム120が積載ステージ420の上方位置から第1アライメントステージ220の上方位置に移動し、第2移載アーム130が第2アライメントステージ320の上方位置から積載ステージ420の上方位置まで移動する。なお、このとき第2アライメントステージ320には、第2コンベア310から搬送されてきた次の負極の極板Nが載置されている。
【0060】
(8)このあと上記(1)〜(7)の工程を繰り返すことにより、正極の極板Pと負極の極板Nとが所定枚数になるまで交互に積層状態に順次積載されていく。そして、最後に、図9(a)に示すように、第2移載アーム130は、負極の極板Nを積載するために、積載ステージ420上に積載された最上層の正極の極板Pの上方位置から当該正極の極板Pの高さ位置まで下降して、負極の極板Nを積載する。このとき、第1移載アーム120は、第1アライメントステージ220に載置されている正極の極板Pの高さ位置まで下降せずに、第1アライメントステージ220の上方位置を維持することにより正極の極板Pの吸着動作を1回休止する。
【0061】
(9)次に、図9(b)に示すように、回転軸110が第1状態から第2状態に90度回転したとき、第1移載アーム120が第1アライメントステージ220の上方位置から積載ステージ420の上方位置まで移動すると同時に、第2移載アーム130が積載ステージ420の上方位置から第2アライメントステージ320の上方位置に移動する。このとき積載ステージ420上に積層状態に積載された極板積層群Gは第3コンベア410により後工程に搬送されていく。
【0062】
(10)そして、第2移載アーム130は、第2アライメントステージ320の上方位置から第2アライメントステージ320に載置されている負極の極板Nの高さ位置まで下降して、負極の極板Nを吸着する。このとき、第1移載アーム120は、正極の極板Pを吸着保持していないため、積載ステージ420の表面まで下降せずに、積載ステージ420の上方位置を維持している。
【0063】
(11)このあと回転軸110が第2状態から第1状態に90度回転して、上記(1)〜(8)の工程を繰り返すことにより、正極の極板Pと負極の極板Nとが所定枚数になるまで交互に積層状態に順次積載されていく。
【0064】
このように正極の極板Pまたは負極の極板Nの保持および積載に際して、第1移載アーム120および第2移載アーム130の高さ位置が個別に制御されるため、積載ステージ420を昇降させる必要がなくなり、正極の極板Pまたは負極の極板Nを積層状態に安定良く積載することができ、ひいては後工程において品質の高い電池を製造することが可能となる。
【0065】
なお、本実施形態では、第1移載アーム120および第2移載アーム130が昇降する場合について説明したが、正極の極板Pまたは負極の極板Nの搬送の向きに応じてその他の方向に移動してもよい。
【0066】
また、積載ステージ420に積載された最上層のワークの高さ位置をレーザ光で検知する検知センサ150を設けたが、その他の検知センサあるいはカメラなどの検知装置でもよいし、検知装置を設けなくてもよい。なお、このように検知装置を設けない場合、第1移載アーム120および第2移載アーム130は予め設定された高さ位置に個別に制御される。
【0067】
また、第1移載アーム120が正極の極板Pを保持または積載すると同時に、第2移載アーム130が負極の極板Nを積載または保持するものとしたが、それらの保持または積載の動作を同時に行わなくてもよい。
【0068】
また、第1移載アーム120および第2移載アーム130は、回転軸110に追随する態様で揺動回転するものとしたが、個別に揺動回転するものとしてもよい。
【0069】
また、第1移載アーム120および第2移載アーム130は、回転軸110から互いに90度の角度で延びる態様で回転軸110に接続したが、第1アライメントステージ220、第2アライメントステージ320、積載ステージ420の位置に応じてその他の角度で接続されてもよい。
【0070】
また、第1移載アーム120および第2移載アーム130のみとしたが、3本以上の移載アームであってもよい。
【0071】
また、第1移載アーム120および第2移載アーム130は、搬送装置により一枚ずつ搬送されてくる正極の極板Pまたは負極の極板Nを保持するものとしたが、積層状態の正極の極板Pまたは負極の極板Nの最上層から保持してもよい。
【0072】
また、第1移載アーム120および第2移載アーム130は、空気の吸引力により正極の極板Pまたは負極の極板Nを吸着したが、その他の方法により吸着してもよいし、あるいは吸着以外の方法により保持してもよい。
【0073】
また、第1移載アーム120および第2移載アーム130は、セパレータで包装された正極の極板Pと裸の負極の極板Nを交互に積載するものとしたが、正極の極板Pと負極の極板Nがセパレータを介して積層状態に積層されるものであれば、保持する正極の極板P、負極の極板N、セパレータ、セパレータで包装された正極の極板Pまたは負極の極板Nの組み合わせは任意である。
【0074】
また、伝達機構140は回転軸110の内部に設けるものとしたが、回転軸110の外部に設けるものとしてもよい。
【0075】
また、本システムは、一つの極板積層群Gを形成する場合について説明したが、本システムを複数設置して複数の極板積層群Gを同時に形成してもよい。
【0076】
<第2の実施形態>
次に本発明の第2の実施形態に係る極板積載装置(以下、本装置100という)について図10および図11を参照しつつ説明する。
【0077】
第1実施形態では、第1移載アームと第2移載アームが回転軸を中心に揺動回転する装置であったが、本実施形態では第1移載アームと第2移載アームが左右に直線状に揺動する装置である。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同一の機能を有するものについては同一の符号を付す。
【0078】
本システムは、本装置100と、本装置100における右側に配置された第1搬送装置200と、本装置100における左側に配置された第2搬送装置300と、本装置100における中央に配置された第3搬送装置400とを備える。すなわち、本装置100の周囲において、第1搬送装置200、第2搬送装置300および第3搬送装置400の順に直線状に配置されている。
【0079】
前記第1搬送装置200は、セパレータで包装された正極の極板Pを一枚ずつ搬送する第1コンベア210と、該正極の極板Pを載置する第1アライメントステージ220とを備え、第1コンベア210から搬送されてきた正極の極板Pが第1アライメントステージ220に1枚ずつ順次載置されるようになっている。
【0080】
前記第2搬送装置300は、負極の極板Nを一枚ずつ搬送する第2コンベア310と、負極の極板Nを載置する第2アライメントステージ320とを備え、第2コンベア310から搬送されてきた負極の極板Nが第2アライメントステージ320に1枚ずつ順次載置されるようになっている。
【0081】
前記第3搬送装置400は、正極の極板Pと負極の極板Nがセパレータを介して積層状態に積載される積載ステージ420と、所定枚数積載された極板積層群Gを別工程に搬送する第3コンベア410とを備え、積載ステージ420に所定枚数積載された極板積層群Gが図示略の第3コンベア410により別工程に順次搬送されるようになっている。
【0082】
本装置100は、装置本体600と、装置本体600の一端部に昇降可能に設けられた第1移載アーム120と、装置本体の他端部に昇降可能に設けられた第2移載アーム130とを備え、第1移載アーム120および第2移載アーム130は装置本体600による左右の揺動に追随して揺動する。そして、第1移載アーム120と第2移載アーム130は、図示略の駆動モータにより個別に昇降するようになっている。
【0083】
次に本装置100の動作について図10および図11を参照しつつ説明する。
【0084】
(1)まず、図10(a)に示すように、第1移載アーム120は、第1アライメントステージ220に載置された正極の極板Pの上方に位置している。また、第2移載アーム130は、第2吸着ヘッド131で負極の極板Nを吸着保持した状態で、積載ステージ420上に積載された最上層の正極の極板Pの上方に位置している。
【0085】
(2)次に、図10(b)に示すように、第1移載アーム120は、第1アライメントステージ220の上方位置から第1アライメントステージ220に載置されている正極の極板Pの高さ位置まで下降して、正極の極板Pを吸着する。また、第2移載アーム130は、積載ステージ420上に積載された最上層の正極の極板Pの上方位置から当該正極の極板Pの高さ位置まで下降して、負極の極板Nを積載する。このとき第2移載アーム130は、第1実施形態1と同様に検知センサにより積載ステージ420上に積載された最上層の正極の極板Pの上方位置を検知するのがよい。
【0086】
(3)次に、図10(c)に示すように、第1移載アーム120は、第1吸着ヘッド121で正極の極板Pを吸着した状態で、下降する前に位置していた元の第1アライメントステージ220の上方位置まで上昇する。また、第2移載アーム130は、下降する前に位置していた元の積載ステージ420の上方位置まで上昇する。
【0087】
(4)次に、図11(a)に示すように、装置本体600が右側から左側に移動したとき、第1移載アーム120が第1アライメントステージ220の上方位置から積載ステージ420の上方位置まで移動すると同時に、第2移載アーム130が積載ステージ420の上方位置から第2アライメントステージ320の上方位置に移動する。なお、このとき第1アライメントステージ220には、第1コンベア210から搬送されてきた次の正極の極板Pが載置されている。
【0088】
(5)次に、図11(b)に示すように、第1移載アーム120は、積載ステージ420上に積載された最上層の負極の極板Nの上方位置から当該負極の極板Nの高さ位置まで下降して、正極の極板Pを積載する。また、第2移載アーム130は、第2アライメントステージ320の上方位置から第1アライメントステージ220に載置されている負極の極板Nの高さ位置まで下降して、負極の極板Nを吸着する。このとき第1移載アーム120は、第1実施形態1と同様に検知センサにより積載ステージ420上に積載された最上層の負極の極板Nの上方位置を検知するのがよい。
【0089】
(6)次に、図11(c)に示すように、第1移載アーム120は、下降する前に位置していた元の積載ステージ420の上方位置まで上昇する。また、第2移載アーム130は、第2吸着ヘッド131で負極の極板Nを吸着した状態で、下降する前に位置していたも元の第2アライメントステージ320の上方位置まで上昇する。
【0090】
(7)次に、再び図10(a)に示すように、装置本体600が左側から右側に移動したとき、第1移載アーム120が積載ステージ420の上方位置から第1アライメントステージ220の上方位置に移動し、第2移載アーム130が第2アライメントステージ320の上方位置から積載ステージ420の上方位置まで移動する。なお、このとき第2アライメントステージ320には、第2コンベア310から搬送されてきた次の負極の極板Nが載置されている。
【0091】
(8)このあと上記(1)〜(7)の工程を繰り返すことにより、正極の極板Pと負極の極板Nとが所定枚数になるまで交互に積層状態に順次積載されていく。
【0092】
以上、第1および第2実施形態のように、極板積載装置における装置本体、第1移載アーム、第2移載アームの構造は特に限定されるものではなく、ワークの保持および積載に際して、装置本体に対して第1移載アームおよび第2移載アームの高さ位置が個別に制御されるものであればよい。なお、ワークは、正極の極板、負極の極板、セパレータあるいはセパレータで包装された正極または負極の極板に限定されるものではなく、蓄電用材料であればその他のものであってもよい。
【符号の説明】
【0093】
100…本装置
110…回転軸
111…接続口
112…回転軸用駆動モータ
120…第1移載アーム
121…第1吸着ヘッド
121a…吸引孔
122…第1移載アーム用駆動モータ
130…第2移載アーム
131…第2吸着ヘッド
131a…吸引孔
132…第2移載アーム用駆動モータ
140…伝達機構
141、142…軸受け
143…第1ガイド部材
144…第2ガイド部材
144a…支柱
144b…ガイドレール
144c…支持部材
144d…ねじ孔
145…ボールねじ
146…サーボモータ
150…検知センサ
200…第1搬送装置
210…第1コンベア
220…第1アライメントステージ
230…第1コンベア用駆動モータ
300…第2搬送装置
310…第2コンベア
320…第2アライメントステージ
330…第2コンベア用駆動モータ
400…第3搬送装置
410…第3コンベア
420…積載ステージ
430…第3コンベア用駆動モータ
500…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
極板、セパレータ、またはセパレータで包装された極板などの蓄電用材料に係るワークを積載ステージに順次積載する極板積載装置であって、
装置本体と、
前記装置本体に接続されるとともに、一方側に配置されたワークを保持し、前記積載ステージまで移送したあと、前記積載ステージ上に積層状態に積載する第1移載アームと、
前記装置本体に接続されるとともに、他方側に配置されたワークを保持し、前記積載ステージまで移送したあと、前記積載ステージ上に積層状態に積載する第2移載アームとを備え、
ワークの保持および積載に際して、前記第1移載アームおよび前記第2移載アームの高さ位置が個別に制御されることを特徴とする極板積載装置。
【請求項2】
前記第1移載アームおよび前記第2移載アームは、ワークの保持に際しては一方側および他方側に配置されたワークの上方位置から該ワークの高さ位置まで移動するとともに、ワークの積載に際しては前記積載ステージ上に積層状態に積載された最上層のワークの上方位置から該ワークの高さ位置まで移動する請求項1に記載の極板積載装置。
【請求項3】
前記積載ステージに積層状態に積載された最上層のワークの高さ位置を検知する検知装置を備え、
前記検知装置により検知した最上層のワークの高さ位置に基づいて、前記第1移載アームおよび前記第2移載アームは、前記積載ステージ上に積層状態に積載された最上層のワークの上方位置から該ワークの高さ位置まで移動する請求項2に記載の極板積載装置。
【請求項4】
前記第1移載アームまたは前記第2移載アームのいずれか一方がワークを保持すると同時に、他方がワークを前記積載ステージ上に積層状態に積載することを交互に繰り返す請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の極板積載装置。
【請求項5】
前記第1移載アームおよび前記第2移載アームは、前記装置本体の動作に追随する態様でワークを前記積載ステージまで移送する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の極板積載装置。
【請求項6】
前記装置本体は軸線方向に回転する回転軸となされ、前記第1移載アームおよび前記第2移載アームは、前記回転軸の周面において前記回転軸の軸線方向に沿って移動可能な態様で接続されている請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の極板積載装置。
【請求項7】
前記第1移載アームおよび前記第2移載アームは、前記回転軸から互いに所定角度で延びる態様で前記回転軸に接続されるとともに、前記回転軸の周りにおいて、一方側のワーク、前記積載ステージ、他方側のワークが所定角度で順に配置されている請求項6に記載の極板積載装置。
【請求項8】
前記第1移載アームおよび前記第2移載アームは、それぞれ第1移載アーム用駆動モータおよび第2移載アーム用駆動モータにより伝達機構を介して個別に制御され、
前記伝達機構は、回転軸の内部に配置された軸受けと、軸受けに対して摺動可能に配置された第1ガイド部材および第2ガイド部材とからなり、該第1ガイド部材および第2ガイド部材は前記第1移載アームおよび第2移載アームに接続されるとともに、第1移載アーム用駆動モータおよび第2移載アーム用駆動モータにより前記回転軸の軸方向に沿って移動する請求項6または請求項7に記載の極板積載装置。
【請求項9】
前記第1移載アームおよび前記第2移載アームは、搬送装置により一枚ずつ搬送されてきたワークを保持する請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の極板積載装置。
【請求項10】
前記第1移載アームおよび前記第2移載アームは、ワークを吸着することにより保持する請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の極板積載装置。
【請求項11】
前記第1移載アームは、一方側に配置されたセパレータで包装された極板を保持し、前記積載ステージまで移送したあと、前記積載ステージ上に積層状態に積載し、
前記第2移載アームは、他方側に配置された対極の裸の極板を保持し、前記積載ステージまで移送したあと、前記積載ステージ上に積層状態に積載することを交互に繰り返すことにより、前記積載ステージ上に極板をセパレータを介して積層状態に積載する請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の極板積載装置。
【請求項12】
所定枚数のワークが積載された場合、該所定枚数のワークからなる極板積層群を別工程に移送したあとに、前記第1移載アームまたは前記第2移載アームが、当該極板積層群の最上層の極板と同一極性の極板から前記積載ステージ上への積載を開始する請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の極板積載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−174389(P2012−174389A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32834(P2011−32834)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000141886)株式会社京都製作所 (83)
【Fターム(参考)】