説明

構造物の目地構造およびその施工方法

【課題】地震時などの急激な動きに対しても対応して遮水状態を維持することができる構造物の目地構造およびその施工方法を提供すること。
【解決手段】目地2を挟んで対向するそれぞれの構造物1,1に目地2の間隔方向Xで対向する固定支持部材12、12を取り付け、これら固定支持部材12,12を挟む両側に跨って配置されるとともに、固定支持部材を挟んで間隔が保持された移動支持部材14を設け、これら移動支持部材14に止水部材18を取り付けて、圧着してシールするようにしてある。
これにより、地震時などの急激な固定支持部材12、12の変位に対して移動支持部材14を対応させて変位させることができ、これらの変位が生じても止水部材18の圧着力を保持でき、遮水性を確保できるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、構造物の目地構造およびその施工方法に関し、ケーソンを並べて構築する護岸壁や管理型廃棄物最終処分場の護岸壁などの構造物の目地の止水性を高めることができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
護岸壁などの構造物の1つである管理型廃棄物最終処分場では、護岸壁を構築し、その内側に廃棄物を投入して埋め立てることが行われている。
【0003】
従来、このような護岸壁は、通常、ケーソンを並べて構築されており、廃棄物や汚水などの流出を防止するため、ケーソン間の目地を遮水する必要があり、種々の目地構造が提案されている。
【0004】
これまでの目地構造の一例は、図10に示すように、ケーソン1、1の対向する目地2間に、中空の大円筒状目地材3aと中空小円筒状の加圧流体用目地材3bとを組み合せた目地材3,3を間隔をあけて配置し、大円筒状目地材3a、3aの内部に砂、アスファルト、モルタルなどの充填材4を注入充填して膨らませた後、加圧流体用目地材3b、3bに水などの流体5を加圧注入して目地材3、3をケーソン1、1の対向する壁面に圧着させ、これら目地材3、3の間の目地2内にアスファルトマスチックなどの充填材を注入充填することにより不透水層6を形成することで遮水するようにしている(特許文献1など参照)。
【特許文献1】特開平04−38324号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、このようなケーソン用の目地構造では、通常想定されている地震などが発生しても目地材3、3間に充填したアスファルトマスチックを充填した不透水層6がケーソン1、1間の目地2の開きなどに対応して遮水状態を維持することができるものの、大地震などの急激なケーソンの動きに対しては、アスファルトマスチックなどの充填材が一時的に追従できなくなるおそれがある。
【0006】
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、地震時などの急激な動きに対しても対応して遮水状態を維持することができる構造物の目地構造およびその施工方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる従来技術の課題を解決するこの発明の請求項1記載の構造物の目地構造は、目地を挟んで対向する構造物間の目地構造であって、前記それぞれの構造物に取り付けられて前記目地の間隔方向で対向する固定支持部材と、これら固定支持部材を挟む両側に跨って配置されるとともに、前記固定支持部材を挟んで間隔が保持された移動支持部材と、前記固定支持部材と前記移動支持部材とのいずれか一方に取り付けられ、いずれか他方に圧着されてシールする止水部材とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
この構造物の目地構造によれば、目地を挟んで対向するそれぞれの構造物に目地の間隔方向で対向する固定支持部材を取り付け、これら固定支持部材を挟む両側に跨って配置されるとともに、固定支持部材を挟んで間隔が保持された移動支持部材を設け、これら固定支持部材と移動支持部材とのいずれか一方に止水部材を取り付けて、いずれか他方に圧着してシールするようにしており、地震時などの急激な固定支持部材の変位に対して移動支持部材を対応させて変位させることができ、これらの変位が生じても止水部材の圧着力を保持でき、遮水性を確保できるようにしている。
【0009】
また、この発明の請求項2記載の構造物の目地構造は、請求項1記載の構成に加え、前記移動支持部材の間隔を調整可能に構成したことを特徴とするものである。
【0010】
この構造物の目地構造によれば、前記移動支持部材の間隔を調整可能に構成しており、移動支持部材の間隔を調整することで止水部材の圧着力を変えることができ、遮水性能を調整できるとともに、圧着が生じないようにすることで簡単に施工できるようになる。
【0011】
さらに、この発明の請求項3記載の構造物の目地構造は、請求項1または2記載の構成に加え、前記移動支持部材を、長手方向に分割し、連結して構成したことを特徴とするものである。
【0012】
この構造物の目地構造によれば、前記移動支持部材を、長手方向に分割し、連結して構成するようにしており、運搬性や施工性を向上でき、現地で組立ながら施工できるようになる。
【0013】
また、この発明の請求項4記載の構造物の目地構造は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加え、前記固定支持部材および前記移動支持部材を、前記目地に隣接して形成した凹部に設けたことを特徴とするものである。
【0014】
この構造物の目地構造によれば、前記固定支持部材および前記移動支持部材を、前記目地に隣接して形成した凹部に設けるようにしており、構造物の壁面から突き出す部分をなくし、これまでと同様の外観形状にすることができるようになる。
【0015】
さらに、この発明の請求項5記載の構造物の目地構造は、請求項1〜4のいずれかに記載の構成に加え、前記固定支持部材と前記移動支持部材とのいずれか一方に、前記止水部材の抜けを防止する突起部を設けたことを特徴とするものである。
【0016】
この構造物の目地構造によれば、前記固定支持部材と前記移動支持部材とのいずれか一方に、前記止水部材の抜けを防止する突起部を設けており、移動支持部材変形の片利きを防ぎ、止水部材が外れることを防止して、安定した変位追従性、止水性を確保できるようにしている。
【0017】
また、この発明の請求項6記載の構造物の目地構造は、請求項1〜5のいずれかに記載の構成に加え、前記前記固定支持部材および前記移動支持部材に、防錆処理を施したことを特徴とするものである。
【0018】
この構造物の目地構造によれば、前記前記固定支持部材および前記移動支持部材に、防錆処理を施すようにしており、腐食を防止して耐久性を大幅に向上できるようにしている。
【0019】
さらに、この発明の請求項7記載の構造物の目地の施工方法は、目地を挟んで対向する構造物間を止水する目地を施工するに際し、前記それぞれの構造物に前記目地の間隔方向に対向する固定支持部材を取り付けた後、これら固定支持部材を挟む両側に跨って配置されるとともに、前記固定支持部材を挟んで間隔が保持された移動支持部材を挿入するようにし、前記固定支持部材と前記移動支持部材とのいずれか一方には、いずれか他方に圧着されてシールする止水部材を予め取り付けて施工するようにしたことを特徴とするものである。
【0020】
この構造物の目地の施工方法によれば、目地を挟んで対向するそれぞれの構造物に目地の間隔方向に対向する固定支持部材を取り付けた後、これら固定支持部材を挟む両側に跨って配置されるとともに、固定支持部材を挟んで間隔が保持された移動支持部材を挿入するようにし、これら固定支持部材と移動支持部材とのいずれか一方に、いずれか他方に圧着されてシールする止水部材を予め取り付けて施工するようにしており、いずれかに止水部材を取り付けておき、固定支持部材に2枚の間隔をあけた移動支持部材を挿入することで簡単に施工することができるようになる。
【0021】
また、この発明の請求項8記載の構造物の目地の施工方法は、請求項7記載の構成に加え、前記移動支持部材を挿入後その間隔を調整して前記止水部材の圧着力を調整するようにしたことを特徴とするものである。
【0022】
この構造物の目地の施工方法によれば、前記移動支持部材を挿入後その間隔を調整して前記止水部材の圧着力を調整するようにしており、移動支持部材の間隔を調整することで止水部材の圧着力を変えることができ、遮水性能を調整できるとともに、圧着が生じないようにすることで簡単に施工できるようになる。
【0023】
さらに、この発明の請求項9記載の構造物の目地の施工方法は、請求項7または8記載の構成に加え、前記移動支持部材を、長手方向に分割し、挿入しながら連結して組み立てるようにしたことを特徴とするものである。
【0024】
この構造物の目地の施工方法によれば、前記移動支持部材を、長手方向に分割し、挿入しながら連結して組み立てるようにしており、運搬性や施工性を向上でき、現地で組立ながら施工できるようになる。
【0025】
また、この発明の請求項10記載の構造物の目地の施工方法は、請求項7〜9のいずれかに記載の構成に加え、前記移動支持部材に前記止水部材を取り付ける一方、当該止水部材が破損した場合に移動支持部材を引き抜き、止水部材を交換後再挿入して施工するようにしたことを特徴とするものである。
【0026】
この構造物の目地の施工方法によれば、前記移動支持部材に前記止水部材を取り付ける一方、当該止水部材が破損した場合に移動支持部材を引き抜き、止水部材を交換後再挿入して施工するようにしており、止水部材に破損などが生じても移動支持部材ごと引き抜いて交換でき、再挿入することで簡単に再施工できるようにしている。
【発明の効果】
【0027】
この発明の請求項1記載の構造物の目地構造によれば、目地を挟んで対向するそれぞれの構造物に目地の間隔方向で対向する固定支持部材を取り付け、これら固定支持部材を挟む両側に跨って配置されるとともに、固定支持部材を挟んで間隔が保持された移動支持部材を設け、これら固定支持部材と移動支持部材とのいずれか一方に止水部材を取り付けて、いずれか他方に圧着してシールするようにしたので、地震時などの急激な固定支持部材の変位に対して移動支持部材を対応させて変位させることができ、これらの変位が生じても止水部材の圧着力を保持することもでき、遮水性を確保することができる。
【0028】
また、この発明の請求項2記載の構造物の目地構造によれば、前記移動支持部材の間隔を調整可能に構成したので、移動支持部材の間隔を調整することで止水部材の圧着力を変えることができ、遮水性能を調整することができるとともに、圧着が生じないようにすることで簡単に施工することもできる。
【0029】
さらに、この発明の請求項3記載の構造物の目地構造によれば、前記移動支持部材を、長手方向に分割し、連結して構成するようにしたので、運搬性や施工性を向上することができ、現地で組立ながら施工することもできる。
【0030】
また、この発明の請求項4記載の構造物の目地構造によれば、前記固定支持部材および前記移動支持部材を、前記目地に隣接して形成した凹部に設けるようにしたので、構造物の壁面から突き出す部分をなくすことができ、これまでと同様の外観形状にすることができる。
【0031】
さらに、この発明の請求項5記載の構造物の目地構造によれば、前記固定支持部材と前記移動支持部材とのいずれか一方に、前記止水部材の抜けを防止する突起部を設けたので、止水部材が外れることを防止することができ、確実に大きな変位に追従させることができるとともに、遮水性を保持することができる。
【0032】
また、この発明の請求項6記載の構造物の目地構造によれば、前記固定支持部材および前記移動支持部材に、防錆処理を施すようにしたので、海洋などに構築する場合でも、腐食を防止して耐久性を大幅に向上することができる。
【0033】
さらに、この発明の請求項7記載の構造物の目地の施工方法によれば、目地を挟んで対向するそれぞれの構造物に目地の間隔方向に対向する固定支持部材を取り付けた後、これら固定支持部材を挟む両側に跨って配置されるとともに、固定支持部材を挟んで間隔が保持された移動支持部材を挿入するようにし、これら固定支持部材と移動支持部材とのいずれか一方に、いずれか他方に圧着されてシールする止水部材を予め取り付けて施工するようにしたので、いずれかに止水部材を取り付けておき、固定支持部材に2枚の間隔をあけた移動支持部材を挿入することで簡単に施工することができるとともに、急激な変位に対してもこれを吸収して遮水することができる。
【0034】
また、この発明の請求項8記載の構造物の目地の施工方法によれば、前記移動支持部材を挿入後その間隔を調整して前記止水部材の圧着力を調整するようにしたので、移動支持部材の間隔を調整することで止水部材の圧着力を変えることができ、遮水性能を調整することができるとともに、圧着が生じないようにすることで簡単に施工することができる。
【0035】
さらに、この発明の請求項9記載の構造物の目地の施工方法によれば、前記移動支持部材を、長手方向に分割し、挿入しながら連結して組み立てるようにしたので、運搬性や施工性を向上することができ、現地で組立ながら施工することもできる。
【0036】
また、この発明の請求項10記載の構造物の目地の施工方法によれば、前記移動支持部材に前記止水部材を取り付ける一方、当該止水部材が破損した場合に移動支持部材を引き抜き、止水部材を交換後再挿入して施工するようにしたので、止水部材に破損などが生じても移動支持部材ごと引き抜いて交換でき、再挿入することで簡単に再施工することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1および図2は、この発明の構造物の目地構造をケーソンに適用した一実施の形態にかかり、図1は部分拡大斜視図、図2は平面図および部分拡大平面図である。
【0038】
この構造物の目地構造10では、ケーソン1、1間の目地2を挟んで対向する端面1aのそれぞれの両端部に段差状に切り欠いた凹部11が形成され、対向する凹部11,11同士で矩形の空間が形成されるようにしてある。
【0039】
そして、これら凹部11、11の中央部には、目地2の間隔方向(目地の幅方向)Xで対向する板状の固定支持部材12、12がそれぞれのケーソン1,1の端面1a、1aに埋設されるなどで取り付けられており、ケーソン1,1の高さ方向全長にわたって配置されるとともに、先端面同士にほぼ目地2の間隔程度の隙間が形成されて対向するようになっている。
【0040】
また、板状の固定支持部材相12,12の先端部両側には、止水部材の抜け出しを防止する突起部13として丸棒が溶接などで取り付けてある。
【0041】
このような固定支持部材12,12の両側には、2枚の板状材14a、14aを対向させて連結して構成される移動支持部材14がケーソン1の高さ方向の全長にわたって設けられ、2枚の板状材14a、14aが固定支持部材12、12を挟むように配置されるとともに、各板状材14aが2つの固定支持部材12、12を跨ぐように配置され、中央部に貫通して設けた間隔調整ボルト15およびナット16を2枚の金属製ワッシャ17aおよびその間のゴム製ワッシャ17bを介して水密状態で間隔を調整して連結できるようにしてある。
【0042】
そして、この移動支持部材14の2枚の板状材14aの内側には、2つの固定支持部材12、12のそれぞれに圧着される止水部材18がケーソン1の高さ方向全長に渡って対向するよう取り付けてあり、合計4個の止水部材18が用いられている。
【0043】
この止水部材18としては、例えば横断面形状が略三角形状のものが用いられ、底辺部分を移動支持部材14に接着などで取り付け、頂部を固定支持部材12、12の表面に圧着するようにする。
【0044】
したがって、2枚の板状材14a、14aの間隔は、組立状態では、止水部材18の頂部同士で固定支持部材12、12を圧着状態で挟むことができるように調整される。
【0045】
また、ケーソン1、1の目地2には、これまでと同様、アスファルトマスチックなどの目地充填材19が充填してある。
【0046】
このような構造物の目地構造10は、例えば図3に示すように、ケーソン1、1の凹部11にそれぞれ固定支持部材12、12を取り付けた状態で端面1a同士を目地2の間隔をあけて対向させて設置した後、2枚の板状材14a、14aの内側に4個の止水部材18が取り付けられて間隔調整ボルト15およびナット16で連結された移動支持部材14を吊り下ろすようにして止水部材18の頂部の間に固定支持部材12、12が位置するようにする。
【0047】
このとき、移動支持部材14の2枚の板状材14a、14aの間隔を広げた状態として止水部材18の頂部が圧着状態とならないようにすれば、吊り下ろしを簡単に行なうことができ、吊り下ろし後に調整ボルト15およびナット16による間隔を調整して止水部材18が所定の圧着力で圧着されるようにする。
【0048】
なお、作業現場によって吊り下ろし後の調整ボルト15およびナット16の締め付け作業などが困難な場合には、間隔調整後吊り下ろすようにしても良い。
【0049】
こうして目地構造10の組立施工が完了した後、目地2にアスファルトマスチックなどの目地充填材19を充填し、目地の遮水が完了する。
【0050】
このように構成した構造物の目地構造10およびその施工方法では、図4および図5に示すように、目地2の間隔が設置時の初期状態から狭くなったり、開いて広くなる場合でも止水部材18が固定支持部材12、12に圧着された状態が保持され、目地2がずれるように変位する場合でも同様に、止水部材18が固定支持部材12,12に圧着された状態が保持される。
【0051】
これにより、地震時などの急激な動きがケーソン1、1間に生じても完全な遮水状態を維持することができ、常時不透水性地層が保たれる。
【0052】
また、止水部材18が損傷するようなことが生じても、移動支持部材14ごと引き抜くようにすることで、止水部材18も引き上げることができ、間隔調整ボルト15およびナット16を緩めて止水部材18を交換後、再び挿入するようにすることで、簡単に止水部材18を交換することができる。
【0053】
なお、上記実施の形態では、移動支持部材14の2枚の板状材14a、14aの内側に止水部材18を取り付けるようにしたが、図6に示すように、固定支持部材12のそれぞれの両側に止水部材18を取り付けて移動支持部材14の板状材14a,14aに圧着してシールするようにしても良い。この場合には、止水部材18の抜けを防止する突起部13を移動支持部材14の2枚の板状材14a,14aの両端部に設けるようにする。
【0054】
また、上記実施の形態では、移動支持部材14をケーソン1の高さ方向に一体構造として構成したが、図7に示すように、ケーソン1の高さ方向に分割構造とし、連結板14bを当てて連結するようにしても良く、施工に際しては、分割したものを吊り下ろすように挿入しながらその上端部に連結することを繰り返すようにすれば良い。
これにより、現場への運搬性や施工性を向上することができる。
【0055】
また、上記実施の形態では、固定支持部材12、12をケーソン1の端面1aの両側に形成した凹部11に取り付けるようにしたが、図8に示すように、ケーソン1の側壁部にブラケット20を突き出すように取り付け、このブラケット20、20間に目地2の間隔方向Xで対向するように固定支持部材12、12を取り付けるようにしても良い。
【0056】
さらに、上記実施の形態では、止水部材18を、横断面形状が略三角形状とした場合で説明したが、図9に示すように、横断面形状が略半円形状の止水部材18Aとしたり、略台形状の止水部材18Bとするなど他の形状のものを用いることもできる。
【0057】
また、この構造物の目地構造10を海洋構造物に適用する場合には、固定支持部材12や移動支持部材14などの鋼材に防錆処理を施すことが耐久性向上に有効であり、たとえば重防食またはゴムライニングなどを施すようにする。
【0058】
さらに、上記実施の形態では、ケーソンの両端部に目地構造10を設けるようにしたが、一端部または中央部の一ヶ所だけとしたり、さらに複数箇所としても良い。
【0059】
また、上記実施の形態では、ケーソンの目地に適用する場合で説明したが、ケーソンに限らず他の構造物の目地にも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】この発明の構造物の目地構造をケーソンに適用した一実施の形態にかかる部分拡大斜視図である。
【図2】この発明の構造物の目地構造をケーソンに適用した一実施の形態にかかる平面図および部分拡大平面図である。
【図3】この発明の構造物の目地の施工方法をケーソンに適用した一実施の形態にかかる概略斜視図である。
【図4】この発明の構造物の目地構造をケーソンに適用した一実施の形態にかかる初期状態と変位状態の部分拡大平面図である。
【図5】この発明の構造物の目地構造をケーソンに適用した一実施の形態にかかるそれぞれ変位状態の部分拡大平面図である。
【図6】この発明の構造物の目地構造をケーソンに適用した他の一実施の形態にかかる部分拡大平面図である。
【図7】この発明の構造物の目地の施工方法をケーソンに適用した他の一実施の形態にかかる概略斜視図である。
【図8】この発明の構造物の目地構造をケーソンに適用したさらに他の一実施の形態にかかる平面図である。
【図9】この発明の構造物の目地構造をケーソンに適用した他の一実施の形態にかかる止水部材の横断面図である。
【図10】従来のケーソンの目地構造の概略斜視図である。
【符号の説明】
【0061】
1 ケーソン
1a 端面
2 目地
10 構造物の目地構造
11 凹部
12 固定支持部材
13 突起部
14 移動支持部材
14a 板状材
14b 連結板
15 間隔調整ボルト
16 ナット
17 シール材
17a 金属製ワッシャ
17b ゴム製ワッシャ
18 止水部材
18A 止水部材
18B 止水部材
19 目地用充填材
20 ブラケット
X 目地の間隔方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目地を挟んで対向する構造物間の目地構造であって、
前記それぞれの構造物に取り付けられて前記目地の間隔方向で対向する固定支持部材と、
これら固定支持部材を挟む両側に跨って配置されるとともに、前記固定支持部材を挟んで間隔が保持された移動支持部材と、
前記固定支持部材と前記移動支持部材とのいずれか一方に取り付けられ、いずれか他方に圧着されてシールする止水部材とを備えることを特徴とする構造物の目地構造。
【請求項2】
前記移動支持部材の間隔を調整可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の構造物の目地構造。
【請求項3】
前記移動支持部材を、長手方向に分割し、連結して構成したことを特徴とする請求項1または2記載の構造物の目地構造。
【請求項4】
前記固定支持部材および前記移動支持部材を、前記目地に隣接して形成した凹部に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の構造物の目地構造。
【請求項5】
前記固定支持部材と前記移動支持部材とのいずれか一方に、前記止水部材の抜けを防止する突起部を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の構造物の目地構造。
【請求項6】
前記前記固定支持部材および前記移動支持部材に、防錆処理を施したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の構造物の目地構造。
【請求項7】
目地を挟んで対向する構造物間を止水する目地を施工するに際し、
前記それぞれの構造物に前記目地の間隔方向に対向する固定支持部材を取り付けた後、これら固定支持部材を挟む両側に跨って配置されるとともに、前記固定支持部材を挟んで間隔が保持された移動支持部材を挿入するようにし、
前記固定支持部材と前記移動支持部材とのいずれか一方には、いずれか他方に圧着されてシールする止水部材を予め取り付けて施工するようにしたことを特徴とする構造物の目地の施工方法。
【請求項8】
前記移動支持部材を挿入後その間隔を調整して前記止水部材の圧着力を調整するようにしたことを特徴とする請求項7記載の構造物の目地の施工方法。
【請求項9】
前記移動支持部材を、長手方向に分割し、挿入しながら連結して組み立てるようにしたことを特徴とする請求項7または8記載の構造物の目地の施工方法。
【請求項10】
前記移動支持部材に前記止水部材を取り付ける一方、当該止水部材が破損した場合に移動支持部材を引き抜き、止水部材を交換後再挿入して施工するようにしたことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の構造物の目地の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−100376(P2007−100376A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−291176(P2005−291176)
【出願日】平成17年10月4日(2005.10.4)
【出願人】(000196624)西武ポリマ化成株式会社 (60)