説明

構造部材の経年曲がり量予測方法

【課題】高温、高負荷応力等の環境で使用されクリープ変形が生じる構造部材において、構造部材の経年曲がり量を予測する経年曲がり量予測方法を提供する
【解決手段】構造部材の経年曲がり量を予測する経年曲がり量予測方法であって、前記構造部材のクリープ強度に影響を及ぼす因子の前記構造部材の周方向における偏差比を、クリープ速度の周方向における分布の偏差比としてFEMクリープ解析を行うことを特徴とする経年曲がり量予測方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タービンロータをはじめとする構造部材の経年曲がり量を非破壊評価により予測する経年曲がり量予測方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、高温高圧用蒸気タービンに用いられるロータには、運転時間の増加とともに、ロータ振れ量(経年曲がり量)が増大する経年曲がり事象が生じる。このロータ振れ量が許容値を超えた場合、運転を停止してバランス調整を行う等の対策が必要となる。
【0003】
ロータの経年曲がり事象は、高温かつ遠心力を負荷されて使用されたことに起因するクリープ変形にともなって発生するクリープひずみが、ロータの周方向に不均一に発生することにより生じるものである。したがって、経年曲がり事象を発生させないためには、ロータ製造時の周方向におけるクリープ強度のばらつきを極力低減することが重要である。クリープ強度の周方向における分布をロータの製造時に詳細に把握することは困難であり、従来、ロータ製造時のプロセス管理によって周方向に均質な特性を有するロータとする対策が取られていた。しかしながら、近年の蒸気タービンの蒸気温度の高温化により、ロータには経年曲がり事象がさらに顕在化する可能性があり、経年曲がり量の予測手法の確立が求められていた。
【0004】
タービンロータ経年曲がり予測手法として、例えば特許文献1では、ロータ外周の削り代部分より複数のクリープ試験片をロータの周方向から採取してクリープ試験を行い、このクリープ伸びの差からタービンロータの経年曲がりを予測評価する手法を提案している。
また、特許文献2では、予め定めたクリープ曲線に炭化物の分布状況を対応させて、クリープひずみを評価する方法を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公昭60−33966号公報
【特許文献2】特開平6−74951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1では、実際に使用されている構造部材からクリープ試験片を採取してクリープ伸びを評価しているが、試験に長時間を必要とする問題があった。さらには、運転時に最も高温となる部位において、試験片を採取するための十分な余肉がない場合があり問題があった。
また、特許文献2に開示されたクリープによる構造部材の損傷評価方法は、構造部材の劣化度を評価するものであり、経年曲がり量を評価し予測できるものではなかった。
【0007】
この発明は前述した事情に鑑みてなされたものであって、高温、高負荷応力等の環境で使用されクリープ変形が生じる構造部材において、構造部材の経年曲がり量を予測する経年曲がり量予測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題を解決するために、本発明は、構造部材の経年曲がり量を予測する経年曲がり量予測方法であって、前記構造部材のクリープ強度に影響を及ぼす因子の前記構造部材の周方向における偏差比を、クリープ速度の周方向における分布の偏差比としてFEMクリープ解析を行うことを特徴としている。
【0009】
本発明の経年曲がり量予測方法によれば、構造部材のクリープ強度に影響を及ぼす因子の周方向における偏差比を、クリープ速度の周方向の分布の偏差比として用いてFEMクリープ解析を実施する。そのため、構造部材のFEMクリープ解析によって、経年曲がり量を算出することができ、構造部材の経年曲がり量を予測することが可能となる。
【0010】
また、前記構造部材のクリープ強度に影響を及ぼす因子の周方向における値を少なくとも一つ以上測定し、測定する因子が一つの場合には、前記因子の測定値から周方向における偏差比を算出し、該偏差比をクリープ速度の周方向における分布の偏差比とし、測定する因子が複数の場合には、前記複数の因子の測定値から各因子の周方向における偏差比を算出し、該偏差比が最大となる因子を抽出し、該偏差比が最大となる因子をクリープ速度の周方向における分布の偏差比とすることが好ましい。
【0011】
FEM解析の前に、クリープ強度に影響を及ぼす因子を測定することにより、特定の因子について周方向の偏差比を求めることができる。また、クリープ強度に影響を及ぼす複数の因子から偏差比が最大となる因子を抽出し、この偏差比が最となる因子の偏差比をクリープ速度の周方向の分布の偏差比として用いてFEMクリープ解析を行うことにより、経年曲がり量の予測精度を向上させることが可能となる。
【0012】
また、前記因子として、硬さ、結晶粒度、又は析出物の分布のなかからいずれか一つ以上を用いても良い。
クリープ強度に影響を及ぼす因子を、硬さ、結晶粒度、析出物の分布のうちのいずれ一つ以上を選択することにより、構造部材のクリープ強度を正確に把握することができ、FEM解析の精度を向上させることが可能となる。また、これらの硬さ、結晶粒度、析出物の分布は、非破壊評価により測定することができるので、運転時に最も高温となる部位からクリープ試験片を採取する余肉が無い場合でも当該部を評価することができ、経年曲がり量の評価精度を高めることができる。
【0013】
また、前記析出物の分布として、全析出物の個数に対する100nm以下の微細析出物の個数を用いても良い。
クリープ強度に影響を及ぼす因子である析出物の分布を、全析出物の個数に対する100nm以下の微細析出物の個数率とすることにより、クリープ強度に寄与する微細析出物の分布を把握することができ、FEM解析の精度を向上させることが可能となる。
【0014】
また、前記析出物として、MX型炭窒化物の析出物を用いても良い。
析出物をMX型炭窒化物の析出物とすることにより、クリープ強度に寄与する微細析出物の分布を把握することができ、FEM解析の精度を向上させることが可能となる。
【0015】
さらに、本発明の構造部材の保全方法は、上記の経年曲がり量予測方法を、高クロム鋼で構成されたタービンロータに適用することを特徴としている。
高クロム鋼は、高強度かつ耐熱性が良好であり、高応力負荷かつ高温環境において使用される。この高クロム鋼で構成されたタービンロータは、高温かつ遠心力が負荷される厳しい環境下で使用され、クリープにより経年曲がりが生じる。このようなタービンロータに上述の経年曲がり量予測方法を適用することによって、使用環境が厳しく、評価が難しいタービンロータの経年曲がり量を予測し、経年曲がりに対する保全を効率的に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、高温、高負荷応力等の環境で使用されクリープ変形が生じる構造部材において、構造部材の経年曲がり量を予測する経年曲がり量予測方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】一実施形態に係るタービンロータを説明する図であり、(a)タービンロータの斜視図、(b)タービンロータの測定箇所を説明する断面図である。
【図2】一実施形態に係る経年曲がり量予測方法の手順を説明するフロー図である。
【図3】一実施形態に係る経年曲がり量予測方法の抽出工程において各因子の測定値から偏差比を算出した結果を示すグラフである。(a)は、硬さ測定の周方向における偏差比、(b)は、結晶粒度の周方向における偏差比、(c)は、析出物分布の周方向における偏差比である。
【図4】一実施形態に係る経年曲がり量予測方法のFEM解析結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施の形態について添付した図面を参照して説明する。
本実施形態は、高温、高負荷応力環境で使用されるタービンロータ(構造部材)の経年曲がり量を予測する経年曲がり量予測方法に関するものである。
【0019】
本実施形態の経年曲がり量予測方法が評価の対象とするタービンロータ1は、図1(a)で示すように、長手方向において径が変化する形状をしており、タービンロータ1の断面は図1(b)で示すように円形状となっている。このタービンロータ1は、実際の操業時には高速回転による遠心力が負荷された高温環境下で使用されるため、クリープ変形が生じてタービンロータ1に経年曲がりが生じることとなる。
本実施形態では、後述する方法により図1のA〜Hの点(タービンロータ1の周方向に45°毎に測定評価箇所が8点与えられている。)においてクリープ強度が把握される。
【0020】
本実施形態のタービンロータ1は、高強度かつ耐熱性が優れる高クロム鋼で構成されている。具体的には、例えば、9クロム鋼や12クロム鋼などが挙げられ、必要に応じて最適な材料を使用すれば良い。
高クロム鋼の金属組織には、ニオブ(Nb)又はバナジウム(V)が、炭素又は窒素と化合物を形成したMX型炭窒化物や、クロム(Cr)が炭素と化合物を形成したM23C6等が析出している。このうち、結晶粒内の微細なMX型化合物は、クリープ強度を向上させる効果がある。
【0021】
次に、本実施形態の経年曲がり量予測方法の手順について説明する。本実施形態の経年曲がり量予測方法は、図2で示すフロー図の手順に従って、構造物のクリープ強度に影響を及ぼす因子の周方向における偏差比を、クリープ速度の周方向の分布の偏差比としてFEMクリープ解析を行い、曲がり量を算出するものである。この経年曲がり量予測方法は、例えば、測定工程S10と、抽出工程S20と、解析工程S30と、を備えている。以下に、手順の詳細について説明する。
【0022】
(測定工程S10)
まず、周方向のクリープ強度を把握するために、クリープ強度に影響を及ぼす因子について測定を行う。本実施形態では、測定箇所は、図1で示したように、タービンロータ1の周方向のA〜Hの8箇所とされている。本実施形態では、クリープ強度に影響を及ぼす硬さ、結晶粒度、析出物の分布の3つの因子について測定を行っている。なお、これらの測定は、非破壊の測定手法によって行われる。以下に、各測定方法の詳細について説明する。
【0023】
(硬さ測定S11)
硬さ測定S11は、JIS Z 2243に準拠してブリネル硬さ試験により行われる。また、エコーチップや超音波硬さ計などを用いて測定しても良い。
【0024】
(結晶粒度測定S12)
例えば、結晶粒度測定S12のために、組織レプリカを採取することにより金属組織観察が行われる。組織レプリカは、研磨後にエッチング処理を施して現出させた測定部位の表面の金属組織に対応する凹凸を、レプリカフィルムに転写することによって得られる。この転写したレプリカの凹凸を光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡などを用いて組織観察を行う。金属組織写真を用いて、JIS G 0551に準拠して結晶粒度を測定する。
【0025】
(析出物の分布測定S13)
析出物の分布は、例えば、抽出レプリカを採取することによって測定される。抽出レプリカは、測定部位を研磨後にエッチング液を用いて組織が現出するまでエッチングし、このエッチング面にレプリカフィルムを貼り付けて、乾燥後に剥がして対象部位の析出物を転写し付着させることによって得られる。そして、この抽出レプリカを走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡などを用いて析出物の観察を行う。得られた組織観察写真から、例えば微細析出物の個数などの析出物の分布を解析する。
【0026】
(抽出工程S20)
上述のようにしてタービンロータ1の周方向において各因子の値を測定した後に、各因子の周方向の偏差比を算出する(S21)。本実施形態において、偏差比は、(因子の測定値)/(周方向において測定した因子の平均値)−1で求められる。
そして、偏差比が最大となる因子を抽出する(S22)。
【0027】
次に、抽出した因子の偏差比を、クリープ速度の周方向における分布の偏差比としてFEMクリープ解析を行う(S30)。
FEMクリープ解析では、応力と時間の関係でひずみ量を表したクリープ速度(クリープひずみ速度)を解析のパラメータとして用いている。具体的には、例えば、クリープひずみ量は、Norton−Baileyの式(ε=Cσn1+Cσn2t、ε:ひずみ量、t:経過時間、σ:解析部位における応力、n1、n2、C、C、m:材料により決定されるクリープ定数)で表され、これを時間で微分したものがクリープ速度である。
【0028】
そして、タービンロータ1の周方向におけるクリープ速度の分布の偏差比を、パラメータとして与えてFEMクリープ解析を行うことにより、時間変化によるタービンロータ1の曲がり量を解析できるようになっている。本実施形態では、クリープ速度の周方向における分布の偏差比として、析出物の分布の偏差比を入力してFEMクリープ解析を行い、経年曲がり量を解析している。FEMクリープ解析の際に入力するタービンロータ1の温度や負荷応力は、実際の使用状態を考慮して適宜最適な条件を選択すれば良い。
なお、本実施形態において曲がり量とは、タービンロータ1の中心軸(回転軸)からの振れ量を表している。
【0029】
上述のようにして、経過時間に対する曲がり量を予測するグラフを得ることができ、このグラフをもとに経年曲がり量を把握することができる。
【0030】
次に、具体的に測定を行った結果について説明する。本実施形態では、上述した方法により、硬さ測定S11、結晶粒度測定S12、析出物の分布測定S13を、図1のA〜Hにおいて行っている。硬さ測定S11により測定された測定値から、上述した式により偏差比を算出し、A点に対する角度θとの関係で示したグラフを図3(a)に示す。同様にして、結晶粒度の偏差比とθとの関係で示したグラフを図3(b)に、析出物の分布の偏差比とθとの関係で示したグラフを図3(c)に示す。
【0031】
なお、ここでは析出物の分布として、クリープ強度への影響が特に大きい100nm以下のMX型の微細析出物の個数率を測定している。本実施形態において、個数率とは、全析出物の個数に対する微細析出物の個数の比を意味している。析出物の測定は、次のようにして行った。まず、抽出レプリカを、透過型電子顕微鏡を用いて2万倍の倍率で観察し、炭化物の構成元素であるCrと、MX型の微細析出物の構成元素であるVおよびNbの元素マッピングを行い、マッピング像を得た。そして、マッピング像をもとに画像処理を行い、各析出物のサイズおよび個数を計測して100nm以下のMX型の微細析出物の個数率を計測した。
図3(a)、(b)、(c)で示すように、本実施形態では、硬さの偏差比のばらつきは小さく、結晶粒度及び析出物の分布の偏差比のばらつきが大きくなっている。
【0032】
次に、偏差比が最大となる因子を抽出する(S21)。図3(a)より、硬さの周方向の最大偏差比(偏差比の最大値と平均値の差、及び、偏差比の最小値と平均値の差)は+0.2%、−0.3%、図3(b)より、結晶粒度の周方向の最大偏差比は+11%、−15%、図3(c)より、析出物の周方向の最大偏差比は+20%、−18%、となっていることがわかる。この結果から、偏差比が最大となる因子として析出物の分布を抽出する。
【0033】
そして、図3(c)で表されるように、析出物の分布の偏差比をクリープ速度の周方向における分布の偏差比として、FEMクリープ解析を行う。本実施形態では、例えば、566℃の温度において、遠心力が負荷される場合のタービンロータ1についてFEMクリープ解析を行った。解析結果は、図4のように得られ、経過時間と曲がり量の関係を把握することが可能である。
【0034】
本実施形態に係る経年曲がり量予測方法によれば、タービンロータ1の周方向におけるクリープ強度に影響を及ぼす因子の偏差比を、クリープ速度の周方向における分布の偏差比としてFEMクリープ解析を行っている。そのため、経年曲がり量を算出し、構造部材の経年曲がり量を予測することが可能となる。さらには、タービンロータ1の曲がり量が許容値を越えてタービンロータ1が停止する前に、定期検査時において事前に対策を講じることが可能となる。
【0035】
また、本実施形態では、クリープ強度に影響を及ぼす因子として、硬さ、結晶粒度、析出物の分布の3つの因子のうちから、偏差比が最大となる因子を抽出してFEMクリープ解析を行うので、経年クリープ曲がり量をより精度高く予測することが可能である。
【0036】
また、本実施形態では、析出物の分布を、全析出物の個数に対する100nm以下のMX型の微細析出物の個数率とされており、クリープ強度に大きな影響を及ぼす因子を測定するので、FEMクリープ解析の精度を向上させることができる。
【0037】
また、本実施形態では、非破壊の測定手法によってクリープ強度に影響を及ぼす因子を把握するので、簡易な方法によりタービンロータ1の寿命を縮めることなくタービンロータ1の曲がり量を予測することが可能である。
【0038】
以上、本発明の一実施形態である、タービンロータの経年曲がり量を予測する方法について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、この発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0039】
上記実施の形態では、クリープ強度に影響を及ぼす因子として、硬さ、結晶粒度、析出物の分布を測定したが、測定する因子は三つである必要はなく、一つ以上であれば良い。また、クリープ強度に影響を及ぼす因子として、例えば、結晶粒径など他の因子を測定する構成としても良い。
【0040】
また、上記実施の形態では、析出物の分布として、全析出物の個数に対する100nm以下のMX型の微細析出物の個数を測定する場合について説明したが、構造部材に選択した合金系や構造部材の使用環境などに応じて、最適な析出物の分布を因子とすれば良い。
【0041】
また、上記実施の形態では、タービンロータの軸方向1箇所の周方向分布についてFEMクリープ解析を行う構成について説明したが、複数の軸方向位置において周方向の因子の測定を行い、長手方向にもクリープ速度分布を与えてFEMクリープ解析を行う構成としても良い。
【0042】
また、上記実施の形態では、測定された複数の因子の中から最大偏差比を有する因子を抽出する構成について説明したが、特にクリープへの影響が顕著な因子がある場合には、その因子の偏差比を重みづけして行う構成としても良い。
【符号の説明】
【0043】
1 タービンロータ(構造部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造部材の経年曲がり量を予測する経年曲がり量予測方法であって、
前記構造部材のクリープ強度に影響を及ぼす因子の前記構造部材の周方向における偏差比を、クリープ速度の周方向における分布の偏差比としてFEMクリープ解析を行うことを特徴とする構造部材の経年曲がり量予測方法。
【請求項2】
請求項1に記載の経年曲がり量測定方法であって、前記構造部材のクリープ強度に影響を及ぼす因子の周方向における値を少なくとも一つ以上測定し、
測定する因子が一つの場合には、前記因子の測定値から周方向における偏差比を算出し、該偏差比をクリープ速度の周方向における分布の偏差比とし、
測定する因子が複数の場合には、前記複数の因子の測定値から各因子の周方向における偏差比を算出し、該偏差比が最大となる因子を抽出し、該偏差比が最大となる因子をクリープ速度の周方向における分布の偏差比とすることを特徴とする構造部材の経年曲がり量予測方法。
【請求項3】
前記因子として、硬さ、結晶粒度、析出物の分布のなかからいずれか一つ以上を用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の構造部材の経年曲がり量予測方法。
【請求項4】
前記析出物の分布として、全析出物の個数に対する100nm以下の微細析出物の個数の比を用いることを特徴とする請求項3に記載の構造部材の経年曲がり量予測方法。
【請求項5】
前記析出物として、MX型炭窒化物の析出物を用いることを特徴とする請求項4に記載の構造部材の経年曲がり量予測方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の経年曲がり量予測方法を、高クロム鋼で構成されたタービンロータに適用することを特徴とする構造部材の保全方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−113144(P2013−113144A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257883(P2011−257883)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】