槓桿式秤
【課題】ベースへの組付作業を簡略化することのできる槓桿式秤を提供する。
【解決手段】体重計1が備える各ユニット4,6は、それぞれ2つの槓桿41,61を連結片46,66で連結して構成されている。各長機槓桿61の基端部61bは、支点エッジ34で支持されている。各長機槓桿61の先端部61aの固定された長機連結片66は、取付片74で支持されている。また、各短機槓桿41の基端部41bは、支点エッジ34で支持されている。各短機槓桿41の先端部41aの固定された短機連結片46は、各長機槓桿61で支持されている。また、各重点エッジ25は、各槓桿41,61で支持されている。
【解決手段】体重計1が備える各ユニット4,6は、それぞれ2つの槓桿41,61を連結片46,66で連結して構成されている。各長機槓桿61の基端部61bは、支点エッジ34で支持されている。各長機槓桿61の先端部61aの固定された長機連結片66は、取付片74で支持されている。また、各短機槓桿41の基端部41bは、支点エッジ34で支持されている。各短機槓桿41の先端部41aの固定された短機連結片46は、各長機槓桿61で支持されている。また、各重点エッジ25は、各槓桿41,61で支持されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、槓桿の長機及び短機をそれぞれ複数備える槓桿式秤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カバーをベースに取り付けて構成される槓桿式秤としては、下記の特許文献1に記載の体重計が開示されている。この体重計は、ベースの内面の4隅にある支点エッジで、それぞれベースの中央部側に向けて延びた各槓桿の一端を支持している。ベースの前側隅部の支点エッジで支持された各長機槓桿は、ベースの後端部まで延びて先端部を受け台に固定されている。受け台はロードセルの可動部に取り付けられている。
【0003】
ベースの後側隅部の支点エッジで支持された各短機槓桿は、ベースの左側及び右側で向かい合う長機槓桿の中央部に掛けられた中間エッジにその先端を掛けられ、中間エッジを介して長機槓桿に吊り下げられている。これにより、短機槓桿に加えられた荷重が中間エッジを介して長機槓桿に伝達される。
【0004】
カバーの内面の4隅の中央部寄りには、それぞれ重点エッジが取り付けられている。各重点エッジは、それぞれ各槓桿に支持されている。ベースとカバーとの間には引っ張りバネが介装されており、この引っ張りバネによりカバーはベース側に付勢されている。
【0005】
上方からカバーに荷重が加えられると、この荷重は重点エッジを介して各槓桿に伝達される。後側隅部の支点エッジで支持された各短機槓桿は、前側隅部の支点エッジで支持された長機槓桿を下方に付勢する。前側隅部の支点エッジで支持された各長機槓桿は、カバーから直接加えられる荷重と、後側隅部の支点エッジで支持された各短機槓桿から加えられる荷重とを、受け台を介してロードセルに伝達する。これによりカバーに加えられた荷重がロードセルで検知され、体重が計量される。
【0006】
【特許文献1】特開平8−86686号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この体重計では、先端部を受け台に固定された一対の長機槓桿と、各短機槓桿とをそれぞれベースの支点エッジに取り付けると共に、各短機槓桿の先端とこの短機槓桿に向かい合う長機槓桿の中央部とを、それぞれ中間エッジに挿通して、中間エッジを介して短機槓桿を長機槓桿に吊り下げることにより、各槓桿がベースに組み付けられる。このため、複数ある槓桿の支点エッジへの取り付けや、短機槓桿及び長機槓桿を複数の中間エッジに挿通する作業が、煩雑であった。
【0008】
本発明は、上記した点に鑑み、部品点数を抑えてベースへの組付作業を簡略化することのできる槓桿式秤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この欄の記載は特許請求の範囲の記載に応じて変更されます。
このような課題を解決するために、本発明の槓桿式秤は、槓桿の複数の短機を連結して構成された短機ユニット、及び、槓桿の複数の長機を連結して構成された長機ユニットの何れか一方を、他方で支持し、この他方の前記短機ユニット又は前記長機ユニットが受けた荷重に基づき計量を行うことを特徴とする。
また、本発明は、前記一方の短機ユニットが備える複数の前記短機を連結する連結部材、又は、前記一方の長機ユニットが備える複数の前記長機を連結する連結部材を、前記他方の短機ユニット又は長機ユニットで支持して構成されたことを特徴とする。
また、本発明は、前記他方の短機ユニット又は長機ユニットが備える前記連結部材から伝達される荷重に基づき計量を行うことを特徴とする。
また、本発明は、前記短機ユニット及び前記長機ユニットの何れか一方に設けた窪みで、他方に設けた突起を支承することにより、前記短機ユニット及び前記長機ユニットの一方を他方で支持したことを特徴とする。
また、本発明は、前記短機ユニット及び前記長機ユニットと、各前記ユニットに支持される重点刃との何れか一方に設けた窪みで、他方に設けた突起を支承することにより、前記短機ユニット及び前記長機ユニットで前記重点刃を支持したことを特徴とする。
また、本発明は、前記短機ユニット及び前記長機ユニットと、各前記ユニットを支持する支点刃との何れか一方に設けた窪みで、他方に設けた突起を支承することにより、前記短機ユニット及び前記長機ユニットを前記支点刃で支持したことを特徴とする。
また、本発明は、前記窪みが円錐状に窪んでおり、前記突起が円錐状に縮径した先端を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、部品点数を抑えてベースへの組付作業を簡略化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の最良の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の体重計1を上方から見た斜視図である。また、図2は、体重計1のカバー2を内面側から見た斜視図である。また、図3は、体重計1のベース3を内面側から見た分解斜視図である。また、図4は、体重計1のベース3を内面側から見た斜視図である。
【0012】
図1に示すように、体重計1は、荷重の加えられるカバー2を、ベース3に取り付けて構成されている。カバー2の外面は平坦に構成されており、前端部の左右方向の中央部には、カバー2に加えられた荷重を計量値として表示する表示部2aが設けられている。表示部2aは、カバー2の内面側からカバー2の外面側を臨んで配置されている。カバー2の外面の左右方向の両側部は、それぞれ被験者が左右の足を載置する載置部2bとなっている。
【0013】
図2に示すように、カバー2は、略四角形状の板状体から構成される荷重受部21と、この荷重受部21の縁部から内面側に延びる側壁部22とを備えて構成されている。荷重受部21の内面の左右の一対の側壁部22の近傍には、図示しないサイドスプリングが備えるフック部の掛けられる係止片28が形成されている。また、荷重受部21の内面の四隅には連結部23が固定されている。各連結部23は、互いに向かい合う一対のカバーエッジ24を備えている。両カバーエッジ24の対向する位置には、連結溝24aが形成されている。連結溝24aは、カバーエッジ24の両主面間を貫通し、カバーエッジ24の上縁から下縁側に向けて垂直に延びている。カバーエッジ24には、重点エッジ25が取り付けられている。
【0014】
図2に示すように、各重点エッジ25は、支持突起26を下方に向けてカバー2の連結部23が備える一対のカバーエッジ24間に掛け渡され、各カバーエッジ24の連結溝24aにそれぞれ支持部27を支持されて、図2中の矢印A方向に揺動自在にカバーエッジ24に支持されている。支持突起26は、後述する短機ユニット4及び長機ユニット6の各槓桿41,61が備える重点凹部43,63に支承されて、重点エッジ25を支持する突起である。支持突起26は、両支持部27を連結する重点エッジ25の底面から先端部を両支持部27の延設方向に向けて突出させている。
【0015】
荷重受部21の後端側の左右の隅部に位置するカバーエッジ24は、重点エッジ25の一主面を荷重受部21の前端側の左右の幅方向の中央部に向けて荷重受部21に固定されている。また、荷重受部21の前端側の左右の隅部に位置するカバーエッジ24は、重点エッジ25の一主面を荷重受部21の後端側に向けて荷重受部21に固定されている。
【0016】
図3に示すように、ベース3は、略四角形状の板状体から構成される底板部31と、この底板部31の縁部から内面側に延びる側壁部32とを備えて構成されている。底板部31の内面の左右の一対の側壁部32の近傍には、図示しないサイドスプリングが備える係止部の係止されるバネ固定孔36が形成されている。サイドスプリングは、バネ固定孔36と荷重受部21の係止片28との間に掛け渡されてカバー2とベース3との間に介装され、バネ固定孔36の周縁部に向けて係止片28を付勢している。
【0017】
また、底板部31の内面の四隅には、ベースエッジ33が固定されている。各ベースエッジ33は、その上縁から下縁側に向けて延びる支点溝34aが形成された支点エッジ34を備えている。支点エッジ34が備える支点溝34aの底面には、支持突起35が設けられている。支持突起35は、後述する短機ユニット4及び長機ユニット6の各槓桿41,61が備える支点凹部42,62に支承されて、図4に示すように各ユニット4,6を支持する突起である。支持突起35は、支点溝34aの底面から先端部を上方に向けて突出させている。
【0018】
底板部31の後端側の左右の隅部に位置するベースエッジ33は、支点エッジ34の一主面を底板部31の前端側の左右の幅方向の中央部に向けて底板部31に固定されている。また、底板部31の前端側の左右の隅部に位置するベースエッジ33は、支点エッジ34の一主面を底板部31の後端側に向けて底板部31に固定されている。
【0019】
また、底板部31の後端部の左右方向の中央部には、固定片37を介してロードセルRが取り付けられている。ロードセルRは、その固定部を固定片37に取り付けられている。また、ロードセルRの可動部には、取付片74が固定されている。取付片74は、前端部の下面をロードセルRの可動部に支持されており、後端部の上面には取付凹部75が設けられている。取付凹部75は、後述する長機ユニット6の長機連結片66が備える支持突起67を支承して、図4に示すように長機ユニット6を支持する凹部である。
【0020】
図5は、短機ユニット4の構成の概略を示す斜視図である。図6は、短機ユニット4が備える短機槓桿41の側面図である。図7は、短機ユニット4が備える短機連結片46を示す図であり、(a)は底面図,(b)は正面図である。図5に示すように、短機ユニット4は、2つの短機槓桿41の先端部41aを短機連結片46で連結して構成されている。図6に示すように、各短機槓桿41の基端部41bの下端面には、支点エッジ34を受ける支点凹部42が形成されている。支点凹部42は、支点エッジ34が備える支持突起35を支承して、支点エッジ34を受ける凹部である。
【0021】
また、基端部41b寄りの中央部41cの上端面には、重点エッジ25を受ける重点凹部43が形成されている。短機槓桿41は、基端部41b寄りの中央部41cが、下方に向けて大きく湾曲した側面形状を呈しており、重点凹部43はこの湾曲部分に設けられている。重点凹部43は、重点エッジ25が備える支持突起26を支承して、重点エッジ25を受ける凹部である。
【0022】
また、先端部41aには、短機連結片46に固定される固定部44が形成されている。短機槓桿41は、先端部41aの下縁部が下方に向けて矩形状に突出した側面形状を有した突出部を備えており、この矩形の突出部から固定部44が構成されている。また、固定部44の上方に位置する先端部41aには、2つのネジ孔45が形成されている。ネジ孔45は、短機槓桿41の両主面を貫通している。短機槓桿41には、カバー2に加えられた荷重が、重点エッジ25を介して重点凹部43に伝達される。
【0023】
図7に示すように、短機連結片46は、略四角形の底面形状を有しており、左右の両側部には両主面を貫通する固定孔47が、それぞれ形成されている。固定孔47の延設方向に沿った固定孔47の後方には、この固定孔47に近接して、支持突起48が設けられている。支持突起48は、後述する長機ユニット6の各長機槓桿61が備える中間凹部64に支承されて、短機ユニット4を支持する突起である。支持突起48は、短機連結片46の下面から先端部を下方に向けて突出させている。固定孔47に近接する短機連結片46の左右の両側部には、それぞれ1つのネジ孔49が形成されている。ネジ孔49は、短機連結片46の両主面を貫通している。
【0024】
図5に示すように、短機連結片46が備える固定孔47には、短機槓桿41の固定部44が嵌合している。固定部44と固定孔47とが嵌め合わされた各短機槓桿41と短機連結片46とは、固定片5で連結されている。具体的には、短機連結片46の上面と、この短機連結片46の上面から上方に向けて立ち上がる短機槓桿41の側面とにあてがわれた固定片5を、ネジ孔45及びネジ孔49を用いて短機槓桿41及び短機連結片46にネジ止めすることにより、短機連結片46と短機槓桿41とが固定片5を介して互いに固定されている。
【0025】
図8は、長機ユニット6の構成の概略を示す斜視図である。また、図9は、長機ユニット6が備える長機槓桿61の側面図である。図10は、長機ユニット6が備える長機連結片66を示す図であり、(a)は底面図,(b)は背面図である。図8に示すように、長機ユニット6は、2つの長機槓桿61の先端部61aを長機連結片66で連結して構成されている。図9に示すように、各長機槓桿61の基端部61bの下端面には、支点エッジ34を受ける支点凹部62が形成されている。また、基端部61b寄りの中央部61cの上端面には、重点エッジ25を受ける重点凹部63が形成されている。また、中央部61c寄りの先端部61aの上端面には、短機ユニット4を受ける中間凹部64が形成されている。
【0026】
長機槓桿61は、基端部61bから中央部61c寄りの先端部61aにかけてが、下方に向けて湾曲した側面形状を呈しており、この湾曲部分の基端部61b寄りに重点凹部63が、また、先端部61a寄りに中間凹部64が、それぞれ設けられている。支点凹部62は、支点エッジ34が備える支持突起35を支承して、支点エッジ34を受ける凹部である。重点凹部63は、重点エッジ25が備える支持突起26を支承して、重点エッジ25を受ける凹部である。中間凹部64は、短機ユニット4の短機連結片46が備える支持突起48を支承して、短機ユニット4を受ける凹部である。
【0027】
また、先端部61aには、長機連結片66に固定される固定部65が形成されている。長機槓桿61は、先端部61aの下縁部が下方に向けて矩形状に突出した側面形状の突出部を2つ備えており、これらの突出部から固定部65が構成されている。長機槓桿61には、カバー2に加えられた荷重が、重点エッジ25を介して重点凹部63に伝達される。
【0028】
図10に示すように、長機連結片66は、略四角形の平面形状を有しており、左右方向の中央部には、前後方向の中央部から後端にかけてが上方に向けて湾曲した湾曲部66aが設けられている。湾曲部66aの後端部には、下方に向けて突出した支持突起67が設けられている。支持突起67は、取付片74が備える取付凹部75に支承されて長機ユニット6を支持する突起である。支持突起67は、湾曲部66aの下面から先端部を下方に向けて突出させている。長機連結片66の左右の両側部には、両主面を貫通する固定孔68が2つずつ形成されている。また、湾曲部66aの前端部には、長機連結片66の両主面を貫通する貫通孔69が形成されている。貫通孔69は、長機連結片66を取付片74に組み付けた際に、取付片74をロードセルRに固定するネジと干渉するのを避けるための孔である。
【0029】
図8に示すように、長機連結片66が備える固定孔68には、長機槓桿61の固定部65が嵌合している。固定部65と固定孔68とが嵌め合わされた各長機槓桿61と長機連結片66とは、固定孔68の下面から突出した固定部65の下端部を拡開させ、この拡開部分を固定孔68の周縁部に係止させることにより、互いが固定されている。
【0030】
図11は、体重計1が備える各支持突起とこれを支承する凹部との構成の概略を説明する図であり、(a)は平面図,(b)は(a)のA−A線断面図である。同図には、長機槓桿61の中間凹部64,各槓桿41,61の重点凹部43,63,取付片74の取付凹部75,各槓桿41,61の支点凹部42,62と、短機連結片46の支持突起48,重点エッジ25の支持突起26,長機連結片66の支持突起67,支点エッジ34の支持突起35がこれら各凹部に支承されている状態が示されている。
【0031】
同図に示すように、本実施形態では、体重計1が備える各支持突起26,48,67,35は、円錐状の先端部を備えている。また、各凹部42,43,62,63,64,75は、円錐状の窪みから構成されている。これら各凹部42,43,62,63,64,75は、支承する各支持突起26,35,48,67の先端部の傾斜面よりもやや緩やかな傾斜面を有しており、各支持突起26,48,67,35が支承された各凹部42,43,62,63,64,75上を移動できるように構成されている。
【0032】
次に、本実施形態の体重計1を組み立てる手順について説明する。
まず、各長機槓桿61の基端部61bがベース3の前端側の支点エッジ34の支点溝34aに侵入し、長機連結片66が取付片74の上面を覆うようにして、ベース3の上方から長機ユニット6を、図3に一点鎖線で示すように、支点エッジ34及び取付片74に組み付ける。この際、図11(b)に示すように、各長機槓桿61の支点凹部62に各支点エッジ34の支持突起35を挿入し、支点凹部62で支持突起35を支承させると共に、長機連結片66の支持突起67を取付片74の取付凹部75に挿入し、取付凹部75で支持突起67を支承させる。これにより、図4に示すように、各長機槓桿61の基端部61bが支点エッジ34に支持され、各長機槓桿61の先端部61aの固定された長機連結片66が取付片74に支持される。この組付作業により、各長機槓桿61が上下方向に揺動自在にベース3の前端側の支点エッジ34に支持され、上方から加えられた荷重が取付片74を介してロードセルRの可動部に伝達される状態となる。
【0033】
次に、短機槓桿41の基端部41bがベース3の後端側の支点エッジ34の支点溝34aに侵入し、短機連結片46が長機ユニット6の各長機槓桿61間に掛け渡されるようにして、図3に一点鎖線で示すように、ベース3の上方から短機ユニット4を支点エッジ34及び長機ユニット6に組み付ける。この際、図11(b)に示すように、各短機槓桿41の支点凹部42に各支点エッジ34の支持突起35を挿入し、支点凹部42で支持突起35を支承させると共に、短機連結片46の支持突起48を長機槓桿61の中間凹部64に挿入し、各中間凹部64で支持突起48を支承させる。これにより、図4に示すように、各短機槓桿41の基端部41bが支点エッジ34に支持され、各短機槓桿41の先端部41aの固定された短機連結片46が各長機槓桿61に支持される。この組付作業により、各短機槓桿41が上下方向に揺動自在にベース3の後端側の支点エッジ34に支持され、上方から加えられた荷重が各長機槓桿61に伝達される状態となる。
【0034】
そして、バネ固定孔36にサイドスプリングの係止部を係止させてベース3に取り付ける等の作業を行った後、短機ユニット4及び長機ユニット6が図4に示すように組み付けられたベース3の上方からカバー2を被せ、ベース3にカバー2を取り付ける。この際、サイドスプリングのフック部をカバー2の係止片28に係止したり、必要に応じて、カバー2に取り付けられた表示部2aとベース3に取り付けられた回路基板等とを電気的に接続する等の作業を行う。
【0035】
また、カバー2をベース3に取り付ける際には、カバーエッジ24に取り付けられた重点エッジ25を、長機ユニット6の各長機槓桿61、及び、短機ユニット4の各短機槓桿41に組み付ける。この際、図11(b)に示すように、各重点エッジ25の支持突起26を各槓桿41,61の支点凹部42,62に挿入し、各支点凹部42,62で支持突起26を支承させる。これにより、各重点エッジ25が各槓桿41,61に支持されて、カバー2に加えられた荷重が重点エッジ25を介して各槓桿41,61に伝達される状態となる。
【0036】
このようにして組み立てられた体重計1は、図4に示すように、底板部31の後端側のベースエッジ33が備える各支点エッジ34に、それぞれ短機ユニット4が備える短機槓桿41の基端部41bが支持されている。また、底板部31の前端側のベースエッジ33が備える各支点エッジ34には、それぞれ長機ユニット6が備える長機槓桿61の基端部61bが支持されている。また、各短機槓桿41の先端部41aが固定された短機連結片46が、長機ユニット6が備える長機槓桿61の中央部61c寄りの先端部61aに支持されている。各長機槓桿61の先端部61aが固定された長機連結片66は、取付片74を介してロードセルRに支持されている。このような状態で、短機ユニット4の短機槓桿41、及び、長機ユニット6の長機槓桿61により、重点エッジ25を介してカバー2が支持されている。また、図示しないが、カバー2の荷重受部21とベース3の底板部31との間に介装されたサイドスプリングの付勢力により、ベース3の底板部31のバネ固定孔36の周縁部が、カバー2の荷重受部21の係止片28に向けて付勢されている。
【0037】
次に、本実施形態の体重計1での計量時の動作について説明する。ベース3が床面上に
載置された状態において、カバー2の重量やサイドスプリングの付勢力により、各槓桿41,61には、重点エッジ25を介して所定の大きさの荷重が加えられている。短機槓桿41で受けられたこの荷重は、短機連結片46を介して長機槓桿61に伝達される。長機槓桿61は、重点エッジ25から直接受けた荷重と、短機連結片46を介して短機槓桿41から伝達された荷重とを、先端部61aの固定された長機連結片66に伝達する。
【0038】
このようにして長機連結片66に伝達された荷重は、取付片74を介してロードセルRに伝達され、ロードセルRが撓む。撓んだロードセルRに生じた弾発力で、各槓桿41,61には重点エッジ25から加えられる荷重に抗してカバー2を上方に押し付ける力が働く。これにより、ベース3に対するカバー2の取付位置が所定の位置に保たれている。
【0039】
この状態で、被験者がカバー2の載置部2bに両足を載置する等して、カバー2に荷重が加えられると、カバー2のカバーエッジ24から重点エッジ25を介して各槓桿41,61に荷重が伝達される。このようにして加えられた荷重は、支点エッジ34との接触点を支点として各槓桿41,61をベース3の底板部31側に回動させるように働き、ロードセルRの撓み量が大きくなる。この撓み量の変化を検知することにより、荷重の計量が行われる。
【0040】
上述したように、本実施形態の体重計1によれば、複数の短機槓桿41を短機連結片46で連結して構成された短機ユニット4を、複数の長機槓桿61を短機連結片66で連結して構成された長機ユニット6で支持し、長機ユニット6が受けた荷重に基づき計量を行うことから、長機ユニット6の組付作業を行った後に、短機ユニット4を長機ユニット6に組み付けることにより、短機ユニット4を長機ユニット6で支持して、両ユニット4,6で受けた荷重に基づく計量を行うことが可能となる。このため、複数ある槓桿41,61を別々に組み付ける作業を行う場合に比べて、組付けを行う部品の点数を抑えて、各部品のベース3への組付作業を簡略化することができる。
【0041】
また、本実施形態の体重計1によれば、複数の短機槓桿41を連結する短機連結片46を、長機ユニット6に支持させることにより、短機ユニット4の長機ユニット6への組み付けが行われることから、各短機槓桿41に加えられた荷重が短機連結片46を介して長機ユニット6に伝達されることとなる。このため、各短機槓桿41から直接荷重が伝達される場合に比べて、各短機槓桿41に加えられる荷重の大きさが異なることに基づき生じる長機ユニット6の歪みを抑え、計量値に誤差が生じるのを防止することができる。
【0042】
また、本実施形態の体重計1によれば、複数の長機槓桿61を連結する長機連結片66を、取付片74に支持させることにより、長機ユニット6の組み付けが行われることから、各長機槓桿61に加えられた荷重が長機連結片66を介して取付片74に伝達されることとなる。このため、各長機槓桿61から直接荷重が伝達される場合に比べて、各長機槓桿61に加えられる荷重の大きさが異なることに基づき生じる取付片74やロードセルRの歪みを抑え、計量値に誤差が生じるのを防止することができる。
【0043】
また、本実施形態の体重計1によれば、短機ユニット4の短機連結片46に設けた支持突起48を、長機ユニット6の長機槓桿61に設けた中間凹部64で支承することにより、短機ユニット4を長機ユニット6で支持していることから、従来の体重計が備える中間エッジを削減することができる。このため、各短機槓桿及び長機槓桿を中間エッジに挿通させることにより長機槓桿で短機槓桿を支持する従来の体重計に比べて、体重計1の組立作業を簡略化することができる。
【0044】
また、本実施形態の体重計1によれば、各支持突起26,48,67,35が各凹部42,43,62,63,64,75に支承されて、支点エッジ34と各ユニット4,6、重点エッジ25と各ユニット4,6、取付片74と長機ユニット6、及び、各ユニット4,6間での支持が行われていることから、各凹部42,43,62,63,64,75の傾斜面により各支持突起26,48,67,35の水平方向への移動を妨げて、カバー2の側方に向けて荷重が働くことや、体重計1を構成する各部品の仕上がり状態によって、これらの各支持位置がずれることに伴い生じる計量値の誤差を抑え、計量の精度を高めることができる。
【0045】
また、各凹部42,43,62,63,64,75が、支承する各支持突起26,48,67,35の先端部の傾斜面よりもやや緩やかな傾斜面を有して、各支持突起26,48,67,35が支承された各凹部42,43,62,63,64,75上を移動できるように構成されていることから、各凹部42,43,62,63,64,75の傾斜面上での各支持突起26,48,67,35の移動を円滑に行わせることができる。このため、各凹部42,43,62,63,64,75と各支持突起26,48,67,35との間の移動に伴い両者に生じる摩耗や各部品の損傷を抑え、これらの摩耗や損傷が生じることに伴い、各部品の取付姿勢等が変化するのを防止できる。従って、計量の精度をより高めることができる。
【0046】
さらに、円錐状に窪んだ各凹部42,43,62,63,64,75に、円錐状に縮径した各支持突起26,48,67,35の先端部が支承されていることから、各凹部42,43,62,63,64,75の傾斜面上での各支持突起26,48,67,35の移動をより円滑に行わせることができる。このため、各凹部42,43,62,63,64,75と各支持突起26,48,67,35との間の移動に伴い、両者に生じる摩耗や各部品の損傷を効果的に抑え、これらの摩耗や損傷が生じることに伴い、各部品の取付姿勢等が変化するのを防止できる。従って、計量の精度をより高めることができる。
【0047】
上記実施形態の説明では、短機ユニット4を構成する各短機槓桿41と短機連結片46とが別体に形成されており、短機槓桿41の固定部44と短機連結片46の固定孔47を嵌合させると共に固定片5を用いたネジ止めで、短機槓桿41と短機連結片46とを連結した場合について説明した。しかしながら、各短機槓桿41と短機連結片46とが一体に形成されている構成としてもよい。この構成によれば、短機ユニット4の組付けを行う前に、予め各短機槓桿41と短機連結片46とを連結させる工程を省くこともできる。
【0048】
また、上記実施形態の説明では、短機ユニット4が備える短機連結片46を長機ユニット6が備える長機槓桿61で支持した場合について説明したが、長機連結片66で支持する構成としてもよい。また、上記実施形態の説明では、短機ユニット4を長機ユニット6で支持し、短機ユニット4で受けた荷重を長機ユニット6を介してロードセルRに伝達した場合について説明した。しかしながら、長機ユニット6を短機ユニット4で支持し、長機ユニット6で受けた荷重を短機ユニット4を介してロードセルRに伝達する構成としてもよい。この場合、長機連結片66を各短機槓桿41又は短機連結片46で支持しても、長機槓桿61を各短機槓桿41又は短機連結片46で支持してもよい。
【0049】
また、上記実施形態の説明では、長機連結片66から伝達される荷重に基づき計量を行った場合について説明したが、各長機槓桿61から伝達される荷重に基づき計量を行う構成としてもよい。また、支点エッジ34と各ユニット4,6、重点エッジ25と各ユニット4,6、取付片74と長機ユニット6、及び、各ユニット4,6間での支持方法は、任意である。例えば、何れか一方に設けた窪みで他方に設けた突起を支承する場合には、これらの何れに窪みや突起が設けられていてもよい。
【0050】
また、上記実施形態の説明では、各ユニット4,6がそれぞれ2つの槓桿41,61を連結片46,66で連結して構成されていた場合について説明した。しかしながら、各ユニット4,6が備える槓桿41,61の数量は任意であり、例えば、それぞれ3つの槓桿41,61を連結することにより構成してもよい。
【0051】
また、体重計1が備える各支持突起26,48,67,35、及び、これらの支持突起を支承する各凹部42,43,62,63,64,75の形状は、上記各支持突起を対応する凹部により支承することができるのであれば任意であり、各支持突起26,48,67,35は必ずしも円錐状に縮径したの先端部を備える必要はない。また、各凹部42,43,62,63,64,75も、円錐状に窪んでいる必要はない。
【0052】
また、短機槓桿41と短機連結片46との連結方法も任意であり、短機槓桿41及び短機連結片46の一方に設けた突起を、他方に設けた孔に挿通させると共に拡開させ、拡開部分を孔の周縁部に係止させることにより、互いを固定してもよい。例えば、固定孔47に挿通させた固定部44の下端部を拡開させ、拡開部分を固定孔47の周縁部に係止させることにより、互いを固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態の体重計の外観構成の概略を示す斜視図である。
【図2】図1に示す体重計が備えるカバーの構成の概略を示す斜視図である。
【図3】図1に示す体重計が備えるベースの構成の概略を示す分解斜視図である。
【図4】図1に示す体重計が備えるベースの構成の概略を示す斜視図である。
【図5】図3に示すベースが備える短機ユニットの構成の概略を示す斜視図である。
【図6】図5に示す短機ユニットが備える短機槓桿の構成の概略を示す図である。
【図7】図5に示す短機ユニットが備える短機連結片の構成の概略を示す図である。
【図8】図3に示すベースが備える長機ユニットの構成の概略を示す斜視図である。
【図9】図8に示す長機ユニットが備える長機槓桿の構成の概略を示す図である。
【図10】図8に示す長機ユニットが備える長機連結片の構成の概略を示す図である。
【図11】図1に示す体重計が備える各支持突起とこれを支承する凹部との構成の概略を説明する図であり、(a)は平面図,(b)はA−A線断面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 体重計
2 カバー
25 重点エッジ
26 支持突起
3 ベース
33 ベースエッジ
34 支点エッジ
35 支持突起
4 短機ユニット
41 短機槓桿
42 支点凹部
43 重点凹部
46 短機連結片
48 支持突起
6 長機ユニット
61 長機槓桿
62 支点凹部
63 重点凹部
64 中間凹部
66 長機連結片
67 支持突起
74 取付片
75 取付凹部
【技術分野】
【0001】
本発明は、槓桿の長機及び短機をそれぞれ複数備える槓桿式秤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カバーをベースに取り付けて構成される槓桿式秤としては、下記の特許文献1に記載の体重計が開示されている。この体重計は、ベースの内面の4隅にある支点エッジで、それぞれベースの中央部側に向けて延びた各槓桿の一端を支持している。ベースの前側隅部の支点エッジで支持された各長機槓桿は、ベースの後端部まで延びて先端部を受け台に固定されている。受け台はロードセルの可動部に取り付けられている。
【0003】
ベースの後側隅部の支点エッジで支持された各短機槓桿は、ベースの左側及び右側で向かい合う長機槓桿の中央部に掛けられた中間エッジにその先端を掛けられ、中間エッジを介して長機槓桿に吊り下げられている。これにより、短機槓桿に加えられた荷重が中間エッジを介して長機槓桿に伝達される。
【0004】
カバーの内面の4隅の中央部寄りには、それぞれ重点エッジが取り付けられている。各重点エッジは、それぞれ各槓桿に支持されている。ベースとカバーとの間には引っ張りバネが介装されており、この引っ張りバネによりカバーはベース側に付勢されている。
【0005】
上方からカバーに荷重が加えられると、この荷重は重点エッジを介して各槓桿に伝達される。後側隅部の支点エッジで支持された各短機槓桿は、前側隅部の支点エッジで支持された長機槓桿を下方に付勢する。前側隅部の支点エッジで支持された各長機槓桿は、カバーから直接加えられる荷重と、後側隅部の支点エッジで支持された各短機槓桿から加えられる荷重とを、受け台を介してロードセルに伝達する。これによりカバーに加えられた荷重がロードセルで検知され、体重が計量される。
【0006】
【特許文献1】特開平8−86686号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この体重計では、先端部を受け台に固定された一対の長機槓桿と、各短機槓桿とをそれぞれベースの支点エッジに取り付けると共に、各短機槓桿の先端とこの短機槓桿に向かい合う長機槓桿の中央部とを、それぞれ中間エッジに挿通して、中間エッジを介して短機槓桿を長機槓桿に吊り下げることにより、各槓桿がベースに組み付けられる。このため、複数ある槓桿の支点エッジへの取り付けや、短機槓桿及び長機槓桿を複数の中間エッジに挿通する作業が、煩雑であった。
【0008】
本発明は、上記した点に鑑み、部品点数を抑えてベースへの組付作業を簡略化することのできる槓桿式秤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この欄の記載は特許請求の範囲の記載に応じて変更されます。
このような課題を解決するために、本発明の槓桿式秤は、槓桿の複数の短機を連結して構成された短機ユニット、及び、槓桿の複数の長機を連結して構成された長機ユニットの何れか一方を、他方で支持し、この他方の前記短機ユニット又は前記長機ユニットが受けた荷重に基づき計量を行うことを特徴とする。
また、本発明は、前記一方の短機ユニットが備える複数の前記短機を連結する連結部材、又は、前記一方の長機ユニットが備える複数の前記長機を連結する連結部材を、前記他方の短機ユニット又は長機ユニットで支持して構成されたことを特徴とする。
また、本発明は、前記他方の短機ユニット又は長機ユニットが備える前記連結部材から伝達される荷重に基づき計量を行うことを特徴とする。
また、本発明は、前記短機ユニット及び前記長機ユニットの何れか一方に設けた窪みで、他方に設けた突起を支承することにより、前記短機ユニット及び前記長機ユニットの一方を他方で支持したことを特徴とする。
また、本発明は、前記短機ユニット及び前記長機ユニットと、各前記ユニットに支持される重点刃との何れか一方に設けた窪みで、他方に設けた突起を支承することにより、前記短機ユニット及び前記長機ユニットで前記重点刃を支持したことを特徴とする。
また、本発明は、前記短機ユニット及び前記長機ユニットと、各前記ユニットを支持する支点刃との何れか一方に設けた窪みで、他方に設けた突起を支承することにより、前記短機ユニット及び前記長機ユニットを前記支点刃で支持したことを特徴とする。
また、本発明は、前記窪みが円錐状に窪んでおり、前記突起が円錐状に縮径した先端を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、部品点数を抑えてベースへの組付作業を簡略化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の最良の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の体重計1を上方から見た斜視図である。また、図2は、体重計1のカバー2を内面側から見た斜視図である。また、図3は、体重計1のベース3を内面側から見た分解斜視図である。また、図4は、体重計1のベース3を内面側から見た斜視図である。
【0012】
図1に示すように、体重計1は、荷重の加えられるカバー2を、ベース3に取り付けて構成されている。カバー2の外面は平坦に構成されており、前端部の左右方向の中央部には、カバー2に加えられた荷重を計量値として表示する表示部2aが設けられている。表示部2aは、カバー2の内面側からカバー2の外面側を臨んで配置されている。カバー2の外面の左右方向の両側部は、それぞれ被験者が左右の足を載置する載置部2bとなっている。
【0013】
図2に示すように、カバー2は、略四角形状の板状体から構成される荷重受部21と、この荷重受部21の縁部から内面側に延びる側壁部22とを備えて構成されている。荷重受部21の内面の左右の一対の側壁部22の近傍には、図示しないサイドスプリングが備えるフック部の掛けられる係止片28が形成されている。また、荷重受部21の内面の四隅には連結部23が固定されている。各連結部23は、互いに向かい合う一対のカバーエッジ24を備えている。両カバーエッジ24の対向する位置には、連結溝24aが形成されている。連結溝24aは、カバーエッジ24の両主面間を貫通し、カバーエッジ24の上縁から下縁側に向けて垂直に延びている。カバーエッジ24には、重点エッジ25が取り付けられている。
【0014】
図2に示すように、各重点エッジ25は、支持突起26を下方に向けてカバー2の連結部23が備える一対のカバーエッジ24間に掛け渡され、各カバーエッジ24の連結溝24aにそれぞれ支持部27を支持されて、図2中の矢印A方向に揺動自在にカバーエッジ24に支持されている。支持突起26は、後述する短機ユニット4及び長機ユニット6の各槓桿41,61が備える重点凹部43,63に支承されて、重点エッジ25を支持する突起である。支持突起26は、両支持部27を連結する重点エッジ25の底面から先端部を両支持部27の延設方向に向けて突出させている。
【0015】
荷重受部21の後端側の左右の隅部に位置するカバーエッジ24は、重点エッジ25の一主面を荷重受部21の前端側の左右の幅方向の中央部に向けて荷重受部21に固定されている。また、荷重受部21の前端側の左右の隅部に位置するカバーエッジ24は、重点エッジ25の一主面を荷重受部21の後端側に向けて荷重受部21に固定されている。
【0016】
図3に示すように、ベース3は、略四角形状の板状体から構成される底板部31と、この底板部31の縁部から内面側に延びる側壁部32とを備えて構成されている。底板部31の内面の左右の一対の側壁部32の近傍には、図示しないサイドスプリングが備える係止部の係止されるバネ固定孔36が形成されている。サイドスプリングは、バネ固定孔36と荷重受部21の係止片28との間に掛け渡されてカバー2とベース3との間に介装され、バネ固定孔36の周縁部に向けて係止片28を付勢している。
【0017】
また、底板部31の内面の四隅には、ベースエッジ33が固定されている。各ベースエッジ33は、その上縁から下縁側に向けて延びる支点溝34aが形成された支点エッジ34を備えている。支点エッジ34が備える支点溝34aの底面には、支持突起35が設けられている。支持突起35は、後述する短機ユニット4及び長機ユニット6の各槓桿41,61が備える支点凹部42,62に支承されて、図4に示すように各ユニット4,6を支持する突起である。支持突起35は、支点溝34aの底面から先端部を上方に向けて突出させている。
【0018】
底板部31の後端側の左右の隅部に位置するベースエッジ33は、支点エッジ34の一主面を底板部31の前端側の左右の幅方向の中央部に向けて底板部31に固定されている。また、底板部31の前端側の左右の隅部に位置するベースエッジ33は、支点エッジ34の一主面を底板部31の後端側に向けて底板部31に固定されている。
【0019】
また、底板部31の後端部の左右方向の中央部には、固定片37を介してロードセルRが取り付けられている。ロードセルRは、その固定部を固定片37に取り付けられている。また、ロードセルRの可動部には、取付片74が固定されている。取付片74は、前端部の下面をロードセルRの可動部に支持されており、後端部の上面には取付凹部75が設けられている。取付凹部75は、後述する長機ユニット6の長機連結片66が備える支持突起67を支承して、図4に示すように長機ユニット6を支持する凹部である。
【0020】
図5は、短機ユニット4の構成の概略を示す斜視図である。図6は、短機ユニット4が備える短機槓桿41の側面図である。図7は、短機ユニット4が備える短機連結片46を示す図であり、(a)は底面図,(b)は正面図である。図5に示すように、短機ユニット4は、2つの短機槓桿41の先端部41aを短機連結片46で連結して構成されている。図6に示すように、各短機槓桿41の基端部41bの下端面には、支点エッジ34を受ける支点凹部42が形成されている。支点凹部42は、支点エッジ34が備える支持突起35を支承して、支点エッジ34を受ける凹部である。
【0021】
また、基端部41b寄りの中央部41cの上端面には、重点エッジ25を受ける重点凹部43が形成されている。短機槓桿41は、基端部41b寄りの中央部41cが、下方に向けて大きく湾曲した側面形状を呈しており、重点凹部43はこの湾曲部分に設けられている。重点凹部43は、重点エッジ25が備える支持突起26を支承して、重点エッジ25を受ける凹部である。
【0022】
また、先端部41aには、短機連結片46に固定される固定部44が形成されている。短機槓桿41は、先端部41aの下縁部が下方に向けて矩形状に突出した側面形状を有した突出部を備えており、この矩形の突出部から固定部44が構成されている。また、固定部44の上方に位置する先端部41aには、2つのネジ孔45が形成されている。ネジ孔45は、短機槓桿41の両主面を貫通している。短機槓桿41には、カバー2に加えられた荷重が、重点エッジ25を介して重点凹部43に伝達される。
【0023】
図7に示すように、短機連結片46は、略四角形の底面形状を有しており、左右の両側部には両主面を貫通する固定孔47が、それぞれ形成されている。固定孔47の延設方向に沿った固定孔47の後方には、この固定孔47に近接して、支持突起48が設けられている。支持突起48は、後述する長機ユニット6の各長機槓桿61が備える中間凹部64に支承されて、短機ユニット4を支持する突起である。支持突起48は、短機連結片46の下面から先端部を下方に向けて突出させている。固定孔47に近接する短機連結片46の左右の両側部には、それぞれ1つのネジ孔49が形成されている。ネジ孔49は、短機連結片46の両主面を貫通している。
【0024】
図5に示すように、短機連結片46が備える固定孔47には、短機槓桿41の固定部44が嵌合している。固定部44と固定孔47とが嵌め合わされた各短機槓桿41と短機連結片46とは、固定片5で連結されている。具体的には、短機連結片46の上面と、この短機連結片46の上面から上方に向けて立ち上がる短機槓桿41の側面とにあてがわれた固定片5を、ネジ孔45及びネジ孔49を用いて短機槓桿41及び短機連結片46にネジ止めすることにより、短機連結片46と短機槓桿41とが固定片5を介して互いに固定されている。
【0025】
図8は、長機ユニット6の構成の概略を示す斜視図である。また、図9は、長機ユニット6が備える長機槓桿61の側面図である。図10は、長機ユニット6が備える長機連結片66を示す図であり、(a)は底面図,(b)は背面図である。図8に示すように、長機ユニット6は、2つの長機槓桿61の先端部61aを長機連結片66で連結して構成されている。図9に示すように、各長機槓桿61の基端部61bの下端面には、支点エッジ34を受ける支点凹部62が形成されている。また、基端部61b寄りの中央部61cの上端面には、重点エッジ25を受ける重点凹部63が形成されている。また、中央部61c寄りの先端部61aの上端面には、短機ユニット4を受ける中間凹部64が形成されている。
【0026】
長機槓桿61は、基端部61bから中央部61c寄りの先端部61aにかけてが、下方に向けて湾曲した側面形状を呈しており、この湾曲部分の基端部61b寄りに重点凹部63が、また、先端部61a寄りに中間凹部64が、それぞれ設けられている。支点凹部62は、支点エッジ34が備える支持突起35を支承して、支点エッジ34を受ける凹部である。重点凹部63は、重点エッジ25が備える支持突起26を支承して、重点エッジ25を受ける凹部である。中間凹部64は、短機ユニット4の短機連結片46が備える支持突起48を支承して、短機ユニット4を受ける凹部である。
【0027】
また、先端部61aには、長機連結片66に固定される固定部65が形成されている。長機槓桿61は、先端部61aの下縁部が下方に向けて矩形状に突出した側面形状の突出部を2つ備えており、これらの突出部から固定部65が構成されている。長機槓桿61には、カバー2に加えられた荷重が、重点エッジ25を介して重点凹部63に伝達される。
【0028】
図10に示すように、長機連結片66は、略四角形の平面形状を有しており、左右方向の中央部には、前後方向の中央部から後端にかけてが上方に向けて湾曲した湾曲部66aが設けられている。湾曲部66aの後端部には、下方に向けて突出した支持突起67が設けられている。支持突起67は、取付片74が備える取付凹部75に支承されて長機ユニット6を支持する突起である。支持突起67は、湾曲部66aの下面から先端部を下方に向けて突出させている。長機連結片66の左右の両側部には、両主面を貫通する固定孔68が2つずつ形成されている。また、湾曲部66aの前端部には、長機連結片66の両主面を貫通する貫通孔69が形成されている。貫通孔69は、長機連結片66を取付片74に組み付けた際に、取付片74をロードセルRに固定するネジと干渉するのを避けるための孔である。
【0029】
図8に示すように、長機連結片66が備える固定孔68には、長機槓桿61の固定部65が嵌合している。固定部65と固定孔68とが嵌め合わされた各長機槓桿61と長機連結片66とは、固定孔68の下面から突出した固定部65の下端部を拡開させ、この拡開部分を固定孔68の周縁部に係止させることにより、互いが固定されている。
【0030】
図11は、体重計1が備える各支持突起とこれを支承する凹部との構成の概略を説明する図であり、(a)は平面図,(b)は(a)のA−A線断面図である。同図には、長機槓桿61の中間凹部64,各槓桿41,61の重点凹部43,63,取付片74の取付凹部75,各槓桿41,61の支点凹部42,62と、短機連結片46の支持突起48,重点エッジ25の支持突起26,長機連結片66の支持突起67,支点エッジ34の支持突起35がこれら各凹部に支承されている状態が示されている。
【0031】
同図に示すように、本実施形態では、体重計1が備える各支持突起26,48,67,35は、円錐状の先端部を備えている。また、各凹部42,43,62,63,64,75は、円錐状の窪みから構成されている。これら各凹部42,43,62,63,64,75は、支承する各支持突起26,35,48,67の先端部の傾斜面よりもやや緩やかな傾斜面を有しており、各支持突起26,48,67,35が支承された各凹部42,43,62,63,64,75上を移動できるように構成されている。
【0032】
次に、本実施形態の体重計1を組み立てる手順について説明する。
まず、各長機槓桿61の基端部61bがベース3の前端側の支点エッジ34の支点溝34aに侵入し、長機連結片66が取付片74の上面を覆うようにして、ベース3の上方から長機ユニット6を、図3に一点鎖線で示すように、支点エッジ34及び取付片74に組み付ける。この際、図11(b)に示すように、各長機槓桿61の支点凹部62に各支点エッジ34の支持突起35を挿入し、支点凹部62で支持突起35を支承させると共に、長機連結片66の支持突起67を取付片74の取付凹部75に挿入し、取付凹部75で支持突起67を支承させる。これにより、図4に示すように、各長機槓桿61の基端部61bが支点エッジ34に支持され、各長機槓桿61の先端部61aの固定された長機連結片66が取付片74に支持される。この組付作業により、各長機槓桿61が上下方向に揺動自在にベース3の前端側の支点エッジ34に支持され、上方から加えられた荷重が取付片74を介してロードセルRの可動部に伝達される状態となる。
【0033】
次に、短機槓桿41の基端部41bがベース3の後端側の支点エッジ34の支点溝34aに侵入し、短機連結片46が長機ユニット6の各長機槓桿61間に掛け渡されるようにして、図3に一点鎖線で示すように、ベース3の上方から短機ユニット4を支点エッジ34及び長機ユニット6に組み付ける。この際、図11(b)に示すように、各短機槓桿41の支点凹部42に各支点エッジ34の支持突起35を挿入し、支点凹部42で支持突起35を支承させると共に、短機連結片46の支持突起48を長機槓桿61の中間凹部64に挿入し、各中間凹部64で支持突起48を支承させる。これにより、図4に示すように、各短機槓桿41の基端部41bが支点エッジ34に支持され、各短機槓桿41の先端部41aの固定された短機連結片46が各長機槓桿61に支持される。この組付作業により、各短機槓桿41が上下方向に揺動自在にベース3の後端側の支点エッジ34に支持され、上方から加えられた荷重が各長機槓桿61に伝達される状態となる。
【0034】
そして、バネ固定孔36にサイドスプリングの係止部を係止させてベース3に取り付ける等の作業を行った後、短機ユニット4及び長機ユニット6が図4に示すように組み付けられたベース3の上方からカバー2を被せ、ベース3にカバー2を取り付ける。この際、サイドスプリングのフック部をカバー2の係止片28に係止したり、必要に応じて、カバー2に取り付けられた表示部2aとベース3に取り付けられた回路基板等とを電気的に接続する等の作業を行う。
【0035】
また、カバー2をベース3に取り付ける際には、カバーエッジ24に取り付けられた重点エッジ25を、長機ユニット6の各長機槓桿61、及び、短機ユニット4の各短機槓桿41に組み付ける。この際、図11(b)に示すように、各重点エッジ25の支持突起26を各槓桿41,61の支点凹部42,62に挿入し、各支点凹部42,62で支持突起26を支承させる。これにより、各重点エッジ25が各槓桿41,61に支持されて、カバー2に加えられた荷重が重点エッジ25を介して各槓桿41,61に伝達される状態となる。
【0036】
このようにして組み立てられた体重計1は、図4に示すように、底板部31の後端側のベースエッジ33が備える各支点エッジ34に、それぞれ短機ユニット4が備える短機槓桿41の基端部41bが支持されている。また、底板部31の前端側のベースエッジ33が備える各支点エッジ34には、それぞれ長機ユニット6が備える長機槓桿61の基端部61bが支持されている。また、各短機槓桿41の先端部41aが固定された短機連結片46が、長機ユニット6が備える長機槓桿61の中央部61c寄りの先端部61aに支持されている。各長機槓桿61の先端部61aが固定された長機連結片66は、取付片74を介してロードセルRに支持されている。このような状態で、短機ユニット4の短機槓桿41、及び、長機ユニット6の長機槓桿61により、重点エッジ25を介してカバー2が支持されている。また、図示しないが、カバー2の荷重受部21とベース3の底板部31との間に介装されたサイドスプリングの付勢力により、ベース3の底板部31のバネ固定孔36の周縁部が、カバー2の荷重受部21の係止片28に向けて付勢されている。
【0037】
次に、本実施形態の体重計1での計量時の動作について説明する。ベース3が床面上に
載置された状態において、カバー2の重量やサイドスプリングの付勢力により、各槓桿41,61には、重点エッジ25を介して所定の大きさの荷重が加えられている。短機槓桿41で受けられたこの荷重は、短機連結片46を介して長機槓桿61に伝達される。長機槓桿61は、重点エッジ25から直接受けた荷重と、短機連結片46を介して短機槓桿41から伝達された荷重とを、先端部61aの固定された長機連結片66に伝達する。
【0038】
このようにして長機連結片66に伝達された荷重は、取付片74を介してロードセルRに伝達され、ロードセルRが撓む。撓んだロードセルRに生じた弾発力で、各槓桿41,61には重点エッジ25から加えられる荷重に抗してカバー2を上方に押し付ける力が働く。これにより、ベース3に対するカバー2の取付位置が所定の位置に保たれている。
【0039】
この状態で、被験者がカバー2の載置部2bに両足を載置する等して、カバー2に荷重が加えられると、カバー2のカバーエッジ24から重点エッジ25を介して各槓桿41,61に荷重が伝達される。このようにして加えられた荷重は、支点エッジ34との接触点を支点として各槓桿41,61をベース3の底板部31側に回動させるように働き、ロードセルRの撓み量が大きくなる。この撓み量の変化を検知することにより、荷重の計量が行われる。
【0040】
上述したように、本実施形態の体重計1によれば、複数の短機槓桿41を短機連結片46で連結して構成された短機ユニット4を、複数の長機槓桿61を短機連結片66で連結して構成された長機ユニット6で支持し、長機ユニット6が受けた荷重に基づき計量を行うことから、長機ユニット6の組付作業を行った後に、短機ユニット4を長機ユニット6に組み付けることにより、短機ユニット4を長機ユニット6で支持して、両ユニット4,6で受けた荷重に基づく計量を行うことが可能となる。このため、複数ある槓桿41,61を別々に組み付ける作業を行う場合に比べて、組付けを行う部品の点数を抑えて、各部品のベース3への組付作業を簡略化することができる。
【0041】
また、本実施形態の体重計1によれば、複数の短機槓桿41を連結する短機連結片46を、長機ユニット6に支持させることにより、短機ユニット4の長機ユニット6への組み付けが行われることから、各短機槓桿41に加えられた荷重が短機連結片46を介して長機ユニット6に伝達されることとなる。このため、各短機槓桿41から直接荷重が伝達される場合に比べて、各短機槓桿41に加えられる荷重の大きさが異なることに基づき生じる長機ユニット6の歪みを抑え、計量値に誤差が生じるのを防止することができる。
【0042】
また、本実施形態の体重計1によれば、複数の長機槓桿61を連結する長機連結片66を、取付片74に支持させることにより、長機ユニット6の組み付けが行われることから、各長機槓桿61に加えられた荷重が長機連結片66を介して取付片74に伝達されることとなる。このため、各長機槓桿61から直接荷重が伝達される場合に比べて、各長機槓桿61に加えられる荷重の大きさが異なることに基づき生じる取付片74やロードセルRの歪みを抑え、計量値に誤差が生じるのを防止することができる。
【0043】
また、本実施形態の体重計1によれば、短機ユニット4の短機連結片46に設けた支持突起48を、長機ユニット6の長機槓桿61に設けた中間凹部64で支承することにより、短機ユニット4を長機ユニット6で支持していることから、従来の体重計が備える中間エッジを削減することができる。このため、各短機槓桿及び長機槓桿を中間エッジに挿通させることにより長機槓桿で短機槓桿を支持する従来の体重計に比べて、体重計1の組立作業を簡略化することができる。
【0044】
また、本実施形態の体重計1によれば、各支持突起26,48,67,35が各凹部42,43,62,63,64,75に支承されて、支点エッジ34と各ユニット4,6、重点エッジ25と各ユニット4,6、取付片74と長機ユニット6、及び、各ユニット4,6間での支持が行われていることから、各凹部42,43,62,63,64,75の傾斜面により各支持突起26,48,67,35の水平方向への移動を妨げて、カバー2の側方に向けて荷重が働くことや、体重計1を構成する各部品の仕上がり状態によって、これらの各支持位置がずれることに伴い生じる計量値の誤差を抑え、計量の精度を高めることができる。
【0045】
また、各凹部42,43,62,63,64,75が、支承する各支持突起26,48,67,35の先端部の傾斜面よりもやや緩やかな傾斜面を有して、各支持突起26,48,67,35が支承された各凹部42,43,62,63,64,75上を移動できるように構成されていることから、各凹部42,43,62,63,64,75の傾斜面上での各支持突起26,48,67,35の移動を円滑に行わせることができる。このため、各凹部42,43,62,63,64,75と各支持突起26,48,67,35との間の移動に伴い両者に生じる摩耗や各部品の損傷を抑え、これらの摩耗や損傷が生じることに伴い、各部品の取付姿勢等が変化するのを防止できる。従って、計量の精度をより高めることができる。
【0046】
さらに、円錐状に窪んだ各凹部42,43,62,63,64,75に、円錐状に縮径した各支持突起26,48,67,35の先端部が支承されていることから、各凹部42,43,62,63,64,75の傾斜面上での各支持突起26,48,67,35の移動をより円滑に行わせることができる。このため、各凹部42,43,62,63,64,75と各支持突起26,48,67,35との間の移動に伴い、両者に生じる摩耗や各部品の損傷を効果的に抑え、これらの摩耗や損傷が生じることに伴い、各部品の取付姿勢等が変化するのを防止できる。従って、計量の精度をより高めることができる。
【0047】
上記実施形態の説明では、短機ユニット4を構成する各短機槓桿41と短機連結片46とが別体に形成されており、短機槓桿41の固定部44と短機連結片46の固定孔47を嵌合させると共に固定片5を用いたネジ止めで、短機槓桿41と短機連結片46とを連結した場合について説明した。しかしながら、各短機槓桿41と短機連結片46とが一体に形成されている構成としてもよい。この構成によれば、短機ユニット4の組付けを行う前に、予め各短機槓桿41と短機連結片46とを連結させる工程を省くこともできる。
【0048】
また、上記実施形態の説明では、短機ユニット4が備える短機連結片46を長機ユニット6が備える長機槓桿61で支持した場合について説明したが、長機連結片66で支持する構成としてもよい。また、上記実施形態の説明では、短機ユニット4を長機ユニット6で支持し、短機ユニット4で受けた荷重を長機ユニット6を介してロードセルRに伝達した場合について説明した。しかしながら、長機ユニット6を短機ユニット4で支持し、長機ユニット6で受けた荷重を短機ユニット4を介してロードセルRに伝達する構成としてもよい。この場合、長機連結片66を各短機槓桿41又は短機連結片46で支持しても、長機槓桿61を各短機槓桿41又は短機連結片46で支持してもよい。
【0049】
また、上記実施形態の説明では、長機連結片66から伝達される荷重に基づき計量を行った場合について説明したが、各長機槓桿61から伝達される荷重に基づき計量を行う構成としてもよい。また、支点エッジ34と各ユニット4,6、重点エッジ25と各ユニット4,6、取付片74と長機ユニット6、及び、各ユニット4,6間での支持方法は、任意である。例えば、何れか一方に設けた窪みで他方に設けた突起を支承する場合には、これらの何れに窪みや突起が設けられていてもよい。
【0050】
また、上記実施形態の説明では、各ユニット4,6がそれぞれ2つの槓桿41,61を連結片46,66で連結して構成されていた場合について説明した。しかしながら、各ユニット4,6が備える槓桿41,61の数量は任意であり、例えば、それぞれ3つの槓桿41,61を連結することにより構成してもよい。
【0051】
また、体重計1が備える各支持突起26,48,67,35、及び、これらの支持突起を支承する各凹部42,43,62,63,64,75の形状は、上記各支持突起を対応する凹部により支承することができるのであれば任意であり、各支持突起26,48,67,35は必ずしも円錐状に縮径したの先端部を備える必要はない。また、各凹部42,43,62,63,64,75も、円錐状に窪んでいる必要はない。
【0052】
また、短機槓桿41と短機連結片46との連結方法も任意であり、短機槓桿41及び短機連結片46の一方に設けた突起を、他方に設けた孔に挿通させると共に拡開させ、拡開部分を孔の周縁部に係止させることにより、互いを固定してもよい。例えば、固定孔47に挿通させた固定部44の下端部を拡開させ、拡開部分を固定孔47の周縁部に係止させることにより、互いを固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態の体重計の外観構成の概略を示す斜視図である。
【図2】図1に示す体重計が備えるカバーの構成の概略を示す斜視図である。
【図3】図1に示す体重計が備えるベースの構成の概略を示す分解斜視図である。
【図4】図1に示す体重計が備えるベースの構成の概略を示す斜視図である。
【図5】図3に示すベースが備える短機ユニットの構成の概略を示す斜視図である。
【図6】図5に示す短機ユニットが備える短機槓桿の構成の概略を示す図である。
【図7】図5に示す短機ユニットが備える短機連結片の構成の概略を示す図である。
【図8】図3に示すベースが備える長機ユニットの構成の概略を示す斜視図である。
【図9】図8に示す長機ユニットが備える長機槓桿の構成の概略を示す図である。
【図10】図8に示す長機ユニットが備える長機連結片の構成の概略を示す図である。
【図11】図1に示す体重計が備える各支持突起とこれを支承する凹部との構成の概略を説明する図であり、(a)は平面図,(b)はA−A線断面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 体重計
2 カバー
25 重点エッジ
26 支持突起
3 ベース
33 ベースエッジ
34 支点エッジ
35 支持突起
4 短機ユニット
41 短機槓桿
42 支点凹部
43 重点凹部
46 短機連結片
48 支持突起
6 長機ユニット
61 長機槓桿
62 支点凹部
63 重点凹部
64 中間凹部
66 長機連結片
67 支持突起
74 取付片
75 取付凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
槓桿の複数の短機を連結して構成された短機ユニット、及び、槓桿の複数の長機を連結して構成された長機ユニットの何れか一方を、他方で支持し、この他方の前記短機ユニット又は前記長機ユニットが受けた荷重に基づき計量を行うことを特徴とする槓桿式秤。
【請求項2】
前記一方の短機ユニットが備える複数の前記短機を連結する連結部材、又は、前記一方の長機ユニットが備える複数の前記長機を連結する連結部材を、前記他方の短機ユニット又は長機ユニットで支持して構成されたことを特徴とする請求項1に記載の槓桿式秤。
【請求項3】
前記他方の短機ユニット又は長機ユニットが備える前記連結部材から伝達される荷重に基づき計量を行うことを特徴とする請求項2に記載の槓桿式秤。
【請求項4】
前記短機ユニット及び前記長機ユニットの何れか一方に設けた窪みで、他方に設けた突起を支承することにより、前記短機ユニット及び前記長機ユニットの一方を他方で支持したことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の槓桿式秤。
【請求項5】
前記短機ユニット及び前記長機ユニットと、各前記ユニットに支持される重点刃との何れか一方に設けた窪みで、他方に設けた突起を支承することにより、前記短機ユニット及び前記長機ユニットで前記重点刃を支持したことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の槓桿式秤。
【請求項6】
前記短機ユニット及び前記長機ユニットと、各前記ユニットを支持する支点刃との何れか一方に設けた窪みで、他方に設けた突起を支承することにより、前記短機ユニット及び前記長機ユニットを前記支点刃で支持したことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の槓桿式秤。
【請求項7】
前記窪みは円錐状に窪んでおり、前記突起は円錐状に縮径した先端を備えていることを特徴とする請求項4から請求項6の何れかに記載の槓桿式秤。
【請求項1】
槓桿の複数の短機を連結して構成された短機ユニット、及び、槓桿の複数の長機を連結して構成された長機ユニットの何れか一方を、他方で支持し、この他方の前記短機ユニット又は前記長機ユニットが受けた荷重に基づき計量を行うことを特徴とする槓桿式秤。
【請求項2】
前記一方の短機ユニットが備える複数の前記短機を連結する連結部材、又は、前記一方の長機ユニットが備える複数の前記長機を連結する連結部材を、前記他方の短機ユニット又は長機ユニットで支持して構成されたことを特徴とする請求項1に記載の槓桿式秤。
【請求項3】
前記他方の短機ユニット又は長機ユニットが備える前記連結部材から伝達される荷重に基づき計量を行うことを特徴とする請求項2に記載の槓桿式秤。
【請求項4】
前記短機ユニット及び前記長機ユニットの何れか一方に設けた窪みで、他方に設けた突起を支承することにより、前記短機ユニット及び前記長機ユニットの一方を他方で支持したことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の槓桿式秤。
【請求項5】
前記短機ユニット及び前記長機ユニットと、各前記ユニットに支持される重点刃との何れか一方に設けた窪みで、他方に設けた突起を支承することにより、前記短機ユニット及び前記長機ユニットで前記重点刃を支持したことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の槓桿式秤。
【請求項6】
前記短機ユニット及び前記長機ユニットと、各前記ユニットを支持する支点刃との何れか一方に設けた窪みで、他方に設けた突起を支承することにより、前記短機ユニット及び前記長機ユニットを前記支点刃で支持したことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の槓桿式秤。
【請求項7】
前記窪みは円錐状に窪んでおり、前記突起は円錐状に縮径した先端を備えていることを特徴とする請求項4から請求項6の何れかに記載の槓桿式秤。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−58465(P2009−58465A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−227860(P2007−227860)
【出願日】平成19年9月3日(2007.9.3)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月3日(2007.9.3)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
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