説明

標本回収バッグのための取り外し可能なラチェット式シャフト

【課題】標本の回収のためのシステムを提供すること。
【解決手段】 第一の嵌合部材を有する折り畳み可能なバッグ;第二の嵌合部材を有するハウジングを有する回収デバイスであって、該第二の嵌合部材は、該バッグが患者の身体の内側にある場合に、該バッグを該回収デバイスに結合させるために、該第一の嵌合部材と協働する、回収デバイス;および該回収デバイスの中に設置された回転機構であって、該回転機構の起動は、該折り畳み可能なバッグの余分な部分を該回収デバイスに引き込む、回転機構、を備える、標本を回収するためのシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、2011年10月24日に出願された、米国仮出願番号61/550,549の利益および優先権を主張する。この米国仮出願の全内容は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(背景)
1.技術分野
本開示は、最小侵襲性手順において使用するための外科手術システムに関する。より特定すると、本開示は、最小侵襲性外科手術部位からの標本の回収のためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の背景
腹腔鏡外科手術手順および内視鏡外科手術手順は、最小侵襲性手順であり、これらの手順において、身体の小さい入口開口部またはアクセス開口部(例えば、身体の自然な通路によって規定される開口部、組織穿孔器具(例えば、トロカール)によって作製された開口部など)を通して挿入された細長い器具によって、手術が身体内で行われる。
【0004】
最小侵襲性手順はしばしば、身体組織または器官を、身体の内部から部分的にかまたは完全に取り出すために使用される(例えば、腎摘出術、胆嚢切除術、および他のこのような手順)。このような手順中、罹患した組織または器官が、皮膚のアクセス開口部を介して、またはカニューレを通して、取り出されなければならないことは、一般的なことである。この手順を容易にするための種々の型の捕捉デバイスが当該分野において公知である。
【0005】
多くの捕捉デバイスは、組織の取り出しを容易にするために、組織の体積を減少させるように、または他の方法で組織の形状を変えるように、構成される。例えば、経皮的に組織を減量するように構成された細切手段を備える標本回収バッグが使用され得る。別の例において、標本回収デバイスは、標本回収バッグおよびその中の組織の体積を減少させるための、引き紐を備える。捕捉デバイスは、理想的には、開口部を通してのこの捕捉デバイスの通過、および内腔におけるこの捕捉デバイスの操作を容易にするために、最小の体積および/または断面積のものである。体積が減少され、操作性が改善された、改善された標本回収デバイスに対する必要性が、引き続き存在する。身体の開口部から標本を取り出す改善された方法もさらに、依然として必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
第一の嵌合部材を有する折り畳み可能なバッグ;
第二の嵌合部材を有するハウジングを有する回収デバイスであって、該第二の嵌合部材は、該バッグが患者の身体の内側にある場合に、該バッグを該回収デバイスに結合させるために、該第一の嵌合部材と協働する、回収デバイス;および
該回収デバイスの中に設置された回転機構であって、該回転機構の起動は、該折り畳み可能なバッグの余分な部分を該回収デバイスに引き込む、回転機構、
を備える、標本を回収するためのシステム。
(項目2)
前記余分な部分が前記回収デバイスのハウジングに引き込まれる、上記項目に記載のシステム。
(項目3)
前記回転機構が、該回転機構を起動させるためのノブを備える、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目4)
前記回収デバイスが、前記回転機構の少なくとも1つの方向への回転を妨げるためのラチェット機構を備える、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目5)
前記第一の嵌合部材がリップであり、そして前記第二の嵌合部材がスリットである、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目6)
前記回転機構がノブおよび軸を備える、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目7)
前記回収デバイスが内側部材を備え、該内側部材の周りに前記バッグが巻きつけられる、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目8)
前記第一の嵌合部材が、前記第二の嵌合部材と係合するようにスライドする、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目9)
前記回転機構が、第一の幅を有するスロットを備え、そして前記ハウジングが、該第一の幅より大きい第二の幅を有するスロットを備える、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目10A)
該体腔に挿入されるように構成された標本回収バッグ;
該体腔に挿入されるように構成された回収デバイス;
を備え、
該標本回収バッグは、標本を入れるように構成されており、
該回収バッグは、該回収デバイスと係合させられるように構成されており、
該回収バッグの余分な部分が、該回収デバイスの軸の周りで回転させられて、該回収バッグの該余分な部分を該回収デバイスに引き込むように構成されており、そして
該回収デバイスおよび該回収バッグが該体腔から取り出されるように構成されている、
組織標本を体腔から回収するためのシステム。
(項目11A)
前記回収バッグが、前記回収デバイスのスロットと係合するように構成されたリップを備える、上記項目に記載のシステム。
(項目12A)
前記回収デバイスが、前記回収バッグの前記余分な部分を回転させるためのノブおよび軸を備える、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目13A)
前記回収デバイスが、回転機構の少なくとも1つの方向への回転を妨げるためのラチェット機構を備える、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目14A)
前記余分な部分が前記ハウジングに収納されるように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目10B)
組織標本を体腔から回収する方法であって、
標本回収バッグを該体腔に挿入する工程;
標本を該回収バッグに入れる工程;
回収デバイスを該体腔に挿入する工程;
該回収バッグを該回収デバイスと係合させる工程;
該回収バッグの余分な部分を該回収デバイスの軸の周りで回転させて、該回収バッグの該余分な部分を該回収デバイスに引き込む工程;ならびに
該回収デバイスおよび該回収バッグを該体腔から取り出す工程、
を包含する、方法。
(項目11B)
前記回収バッグを係合させる工程が、該バッグのリップを前記回収デバイスのスロットと係合させる工程を包含する、上記項目に記載の方法。
(項目12B)
前記回収デバイスが、前記回収バッグの前記余分な部分を回転させるためのノブおよび軸を備える、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目13B)
前記回収デバイスが、回転機構の少なくとも1つの方向への回転を妨げるためのラチェット機構を備える、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目14B)
前記余分な部分を回転させる工程が、該余分な部分を前記ハウジングに収納する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0007】
(摘要)
標本を回収するためのシステムは、第一の嵌合部材を有する折り畳み可能なバッグ、および第二の嵌合部材を有する回収デバイスを備える。この第二の嵌合部材は、この折り畳み可能なバッグをこの回収デバイスと結合させるために、この第一の嵌合部材と協働する。回転機構が、この回収デバイスの中に設置される。この回転機構の起動は、この折り畳み可能なバッグの余分な部分を折り畳む。
【0008】
(要旨)
1つの局面において、組織標本を回収するためのシステムが提供され、このシステムは、第一の嵌合部材を有する標本回収バッグ、および第二の嵌合部材を有するハウジングを有する回収デバイスを備える。この第二の嵌合部材は、このバッグをこの回収デバイスと結合させるために、この第一の嵌合部材と協働する。回転機構が、この回収デバイスに入れられる。この回転機構の起動は、このバッグの余分な部分を、この回収デバイスに引き込む。
【0009】
このシステムは、このバッグの余分な部分を、この回収デバイスのハウジングに引き込み得る。この回転機構は、この回転機構を起動させるためのノブを備え得る。この回収デバイスは、この回転機構の少なくとも1つの方向への回転を妨げるための、ラチェット機構を備え得る。この第一の嵌合部材は、リップであり得、そしてこの第二の嵌合部材は、スリットであり得る。この回収デバイスは、内側部材を備え得、この内側部材の周りにこのバッグが巻きつけられる。いくつかの実施形態において、この第一の嵌合部材は、この第二の嵌合部材と係合するようにスライドする。いくつかの実施形態において、この回転機構は、第一の幅を有するスロットを備え、そしてこのハウジングは、この第一の幅より大きい第二の幅を有するスロットを備える。
【0010】
別の局面において、組織標本を体腔から回収するための方法が提供され、この方法は、回収バッグを体腔に挿入する工程、標本をこのバッグに入れる工程、回収デバイスをこの体腔に挿入する工程、このバッグをこの回収デバイスと係合させる工程、このバッグの余分な部分をこの回収デバイスの軸の周りで回転させて、このバッグの余分な部分をこの回収デバイスに引き込む工程、ならびにこの回収デバイスおよびこのバッグをこの体腔から取り出す工程を包含する。
【0011】
このバッグを係合させる工程は、このバッグのリップを、この回収デバイスのスリットと係合させる工程を包含し得る。この回収デバイスは、この方法において、このバッグの余分な部分を回転させるための、ノブおよび軸を備え得る。この回収デバイスは、回転機構の少なくとも1つの方向への回転を妨げるための、ラチェット機構を備え得る。この回転させる工程は、このバッグの余分な部分を収納し得る。
【0012】
本開示の種々の実施形態が、図面を参照しながら本明細書中で以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本開示の原理による標本回収システムの側面斜視図である。
【図2】図2は、図1の標本回収システムの回収デバイスの側面斜視図である。
【図3】図3は、図2の回収デバイスの遠位端の底面斜視図である。
【図4A】図4Aは、図2の回収デバイスのラチェット機構の側面斜視図である。
【図4B】図4Bは、図4Aのラチェット機構の側面断面図である。
【図5A】図5A〜図5Dは、体腔から開口部を通して組織を取り出している、図1の標本回収システムの側面斜視図である。
【図5B】図5A〜図5Dは、体腔から開口部を通して組織を取り出している、図1の標本回収システムの側面斜視図である。
【図5C】図5A〜図5Dは、体腔から開口部を通して組織を取り出している、図1の標本回収システムの側面斜視図である。
【図5D】図5A〜図5Dは、体腔から開口部を通して組織を取り出している、図1の標本回収システムの側面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態の詳細な説明)
本開示の実施形態が、ここで図面を参照しながら詳細に記載される。図面において、類似の参照番号は、数枚の図の各々において、同じ要素または対応する要素を表す。本明細書中で使用される場合、用語「遠位」とは、器具の使用者から最も遠い部分をいい、一方で、用語「近位」とは、器具の使用者に最も近い部分をいう。以下の説明において、本開示を不必要な細部において曖昧にすることを回避するために、周知の機能または構成は、詳細には記載されない。
【0015】
本開示に関して本明細書中で使用される場合、用語「最小侵襲性」とは、カニューレ内、皮膚の小さい切開部内、または身体開口部を通しての挿入のための、比較的狭い動作部分を有する器具をいう。最小侵襲性外科手術手順としては、例えば、腹腔鏡手順、内視鏡手順、ビデオ補助下胸部手順などが挙げられる。本開示は、身体の内部へのアクセスが、最小侵襲性手順においてのように、カニューレを用いるかまたは用いない、比較的小さい切開部に制限されるあらゆる手順において、用途を見出し得ると考えられる。
【0016】
図1を参照すると、本開示の実施形態による標本回収システム10が図示されている。標本回収システム10は、一緒に嵌合するために構成された、回収デバイス100および折り畳み可能な標本回収バッグ200を備える。標本回収システム10は、任意の適切な生体適合性材料(例えば、生体適合性プラスチック)から構成され得る。
【0017】
回収システム100は、ノブ110、軸120、ハウジング130、およびハウジングスリット140を備える。バッグ200は、リップ240、接続部230、および本体250を備える。接続部230は、リップ240と本体250とを相互に接続する。接続部230は、実質的に平坦である。1つの実施形態において、リップ240は、実質的に円柱形である。しかし、リップ240は、代替的に、回収デバイス100との嵌合が可能な任意の形状を有し得る。
【0018】
本体250は、回収デバイス100により巻かれるか、畳まれるか、または他の方法で圧縮されるために充分に可撓性である。本体250は、開口端210および閉鎖端220を有する。開口端210は、本体250の近位端であり、そして閉鎖端220は、本体250の遠位端である。本体250は、標本「S」を受容するために、標本「S」より大きい体積を有する。開口端210は、この開口端を通る物質の通過を可能にし、そしてこの開口端を通る標本「S」の通過のために充分な周辺の長さを有する。
【0019】
図2を参照すると、回収デバイス100は、軸120を通るように規定された長手方向軸「A」を有する。ノブ110は、回収機構100の近位端に位置し、そして軸120にしっかりと取り付けられ、その結果、ノブ110の回転が軸120を回転させる。軸120は、ノブ110からハウジング130を通って延びる。ハウジング130は、円筒形の中空構造体であり、ラチェット機構150、軸120の軸セグメント122、およびバッグ200の一部分を収容するために構成される。ハウジング130は、ノブ110の遠位に近位端を有する。ラチェット機構150は、ハウジング130の近位端に位置し、そして軸120の漸増的な回転を提供する。軸セグメント122は、ラチェット機構150の遠位で、ハウジング130内に位置する。軸セグメント122は、中空であり、そしてリップ240の受容のために構成される。ハウジングスリット140は、回収デバイス100の細長い開口部であり、ラチェット機構150の遠位の位置から、ハウジング130の遠位端まで延びる。
【0020】
図3に見られるように、軸セグメント122は、リップ240を受容するための通路144を有する。軸セグメント122は、軸スリット142を有し、この軸スリットは、軸120の回転の際に、ハウジングスリット140と整列し得る。軸スリット142は、リップ240を通路144内に摩擦により保持するために、リップ240の幅より小さい幅を有する。ハウジングスリット140は、リップ240の幅と少なくとも同程度の広さの幅「W」を有して、リップ240が通路144に入ることを可能にする。ギャップ146が、軸セグメント122とハウジング130との間に存在する。ギャップ146は、バッグ200のかなりの部分が軸セグメント122の周りに巻きつけられることを可能にするために充分に大きい。
【0021】
図4A〜図4Bを参照すると、ラチェット機構150は、歯車152、つめ154、歯156、およびばね158を備える。少なくとも1つのつめ154および少なくとも1つの歯156が提供されるが、種々の実施形態は、より多数の歯およびつめを有し得る。歯車152は、軸120と同心状であり、そして歯車152は、軸120の半径より広い半径を有する。歯156は、歯車152から遠位に延びる。つめ154は、ハウジング130の内側に、歯車152より遠位の位置にしっかりと取り付けられ、そして歯156とスライド可能に接触する。ばね158は、ハウジング130内で、歯車152の近位端とハウジング130の近位端との間に位置する。ばね158は、歯車152を遠位に押す力を加える。
【0022】
各歯156は、歯車152から鋭角で延びる鋭角面156a、および歯車152から垂直に延びる垂直面156bを有する。歯車152の一方向への動きを補助する歯156の他の構成もまた想定され、この構成としては、弓形の歯、および歯車152から鈍角で延びる面を有する歯が挙げられる。あるいは、歯車152の二方向への動きが必要とされる場合、歯156が2つの鋭角面156aを有することが望ましくあり得る。
【0023】
ノブ110の第一の方向への回転は、軸120を第一の方向に回転させ、そしてさらに、歯車152を第一の方向に回転させる。歯車152の第一の方向への回転は、少なくとも1つの面156aを少なくとも1つのつめ154に接触させるように配置する。歯車152の第一の方向への回転中の、面156aとつめ154との接触は、歯156をつめ154に沿って近位にスライドさせ、そして歯車152を軸「A」に沿って近位に並進させる。歯156が完全につめ154の近位に来ると、歯車152の第一の方向への回転は、歯156がつめ154ともはや接触しなくなるまで、歯156を第一の方向に回転させ、歯156がもはや完全につめ154の近位にならなくなるまで、ばね158の力が歯車152を遠位に押すことを可能にする。面156bは、つめ154とこの面との回転接触が面156bをつめ154に沿って近位にスライドさせないように構成され、これによって、歯車152が第二の方向に回転することを妨げる。
【0024】
図5A〜図5Dを参照すると、標本回収システム10の例示的な使用方法が図示されている。一般的に公知である任意の外科手術道具(例えば、外科手術用鉗子)が、標本回収システム10をこの方法に従って操作するために適切であり得る。図5Aに見られるように、組織標本「S」は、組織「T」の下にある腔「C」内にある。開口部「O」が組織「T」に存在し、そしてこの開口部を通る標本回収システム10の通過を可能にするために充分に広い。アクセスポート(図示せず)が、開口部「O」を通して挿入され得、このアクセスポートを通して、システム10が挿入される。最初に、バッグ200の断面積は、例えば本体250を巻くか畳むことによって、開口部「O」を通しての挿入のために減少させられる。図5Bに見られるように、バッグ200は、外科手術器具(例えば、把持具(図示せず))によって、腔「C」内で広げられ得、このバッグへの標本「S」の挿入を可能にする。標本「S」は、開口端210を通して挿入され、そしてバッグ250に入れられる。従って、バッグ250は、この外科手術手順中、ハウジング130なしで体腔「C」に挿入され、そして取り出しが望まれるまで、ハウジング130なしで体腔「C」内に残り得る。外科手術中にこのような細長いハウジングが存在しないことによって、腔「C」内でのアクセスおよび操作が容易になる。
【0025】
図5Cに見られるように、バッグを取り出すことが望まれる場合、回収デバイス100は、開口「O」を通して挿入され、そしてバッグ200と嵌合させられる。リップ240が通路144を通して挿入され、そして接続部230が、ハウジングスリット140および軸スリット142を通して挿入される。次いで、ノブ110が回転させられて、バッグ250の余分な部分をハウジング130のギャップ160に引き込み得、これにより、バッグ250の体積および/または断面積が減少し、そして標本「S」を圧縮し得る。このようなバッグサイズの減少および標本の圧縮は、取り出しを容易にする。ラチェット機構150は、バッグ250の余分な部分がハウジング130の外側に戻ることを妨げる。図5Dに見られるように、回収デバイス100は、標本回収デバイス10が開口部「O」を通過するために充分に小さい断面積を有するようになるまで、バッグ250を圧縮する。この時点で、標本回収デバイス10は、開口部「O」を通して近位に持ち上げられて、その取り出しが完了し得る。
【0026】
理解され得るように、標本が挿入された後に、バッグが体腔内に依然としてある間に、このバッグのサイズを調節することが可能であることにより、より大きいサイズのバッグが可能になる。これはまた、広範な標本サイズのために1つのサイズのバッグが使用されることを可能にする。なぜなら、異なるサイズの標本について異なるサイズのバッグに依存するのではなく、バッグのサイズがインサイチュで調節され得るからである。
【0027】
本開示の例示的な実施形態が、添付の図面を参照しながら本明細書中に記載されたが、上記説明、開示および図は、限定であると解釈されるべきではなく、単に、特定の実施形態の例示であると解釈されるべきである。従って、本開示はこれらの正確な実施形態に限定されないこと、ならびに種々の他の変更および改変が、本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく、本開示において当業者により行われ得ることが、理解されるべきである。
【符号の説明】
【0028】
10 標本回収システム
100 回収デバイス
110 ノブ
120 軸
130 ハウジング
140 ハウジングスリット
200 標本回収バッグ
210 開口端
220 閉鎖端
230 接続部
240 リップ
250 本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の嵌合部材を有する折り畳み可能なバッグ;
第二の嵌合部材を有するハウジングを有する回収デバイスであって、該第二の嵌合部材は、該バッグが患者の身体の内側にある場合に、該バッグを該回収デバイスに結合させるために、該第一の嵌合部材と協働する、回収デバイス;および
該回収デバイスの中に設置された回転機構であって、該回転機構の起動は、該折り畳み可能なバッグの余分な部分を該回収デバイスに引き込む、回転機構、
を備える、標本を回収するためのシステム。
【請求項2】
前記余分な部分が前記回収デバイスのハウジングに引き込まれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記回転機構が、該回転機構を起動させるためのノブを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記回収デバイスが、前記回転機構の少なくとも1つの方向への回転を妨げるためのラチェット機構を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第一の嵌合部材がリップであり、そして前記第二の嵌合部材がスリットである、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記回転機構がノブおよび軸を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記回収デバイスが内側部材を備え、該内側部材の周りに前記バッグが巻きつけられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第一の嵌合部材が、前記第二の嵌合部材と係合するようにスライドする、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記回転機構が、第一の幅を有するスロットを備え、そして前記ハウジングが、該第一の幅より大きい第二の幅を有するスロットを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
該体腔に挿入されるように構成された標本回収バッグ;
該体腔に挿入されるように構成された回収デバイス;
を備え、
該標本回収バッグは、標本を入れるように構成されており、
該回収バッグは、該回収デバイスと係合させられるように構成されており、
該回収バッグの余分な部分が、該回収デバイスの軸の周りで回転させられて、該回収バッグの該余分な部分を該回収デバイスに引き込むように構成されており、そして
該回収デバイスおよび該回収バッグが該体腔から取り出されるように構成されている、
組織標本を体腔から回収するためのシステム。
【請求項11】
前記回収バッグが、前記回収デバイスのスロットと係合するように構成されたリップを備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記回収デバイスが、前記回収バッグの前記余分な部分を回転させるためのノブおよび軸を備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記回収デバイスが、回転機構の少なくとも1つの方向への回転を妨げるためのラチェット機構を備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記余分な部分が前記ハウジングに収納されるように構成されている、請求項10に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【公開番号】特開2013−90929(P2013−90929A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−233887(P2012−233887)
【出願日】平成24年10月23日(2012.10.23)
【出願人】(512269650)コヴィディエン リミテッド パートナーシップ (6)
【Fターム(参考)】