説明

標的装置

【課題】標的のセンサ感度を調整を可能とし、射撃距離、標的種類、火器、弾種によらず、標的の隠顕制御を確実に行うことができる標的装置を提供する。
【解決手段】標的装置は、隠顕可能な標的33及びこの標的33への着弾を検知する衝撃センサ35を備える。統制装置は、標的装置に対して無線によりセンサ感度調整指示、標的隠顕制御を行う。標的装置は、衝撃センサ35の出力を検知するセンサ出力検知部43及び統制装置からの制御指令に従って動作し、標的隠顕駆動部42を駆動制御すると共にセンサ出力検知部43の検知感度を調整する標的制御部41を備える。実弾射撃訓練を行う際、事前に所定位置に設置した標的装置を銃により射撃し、標的33に着弾した際に標的33が隠蔽されるように統制装置から標的制御部41に感度調整指示を与え、センサ出力検知部43の検知感度を適正に調整する。センサ感度を調整した後、実弾射撃訓練を実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば銃などの発射装置から発射された実弾が着弾する標的部を備えた標的装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、実弾を使用した射撃訓練装置においては、銃などの火器(発射装置)から標的装置上の標的に向けて実弾を発射し、この発射した実弾が標的に着弾したかどうかを標的装置が検出して訓練者に知らせるようにしている(例えば、引用文献1参照)。
図6は、従来の射撃訓練装置1の概略構成例を示している。射撃訓練装置1は、1または複数の標的装置2と、射撃訓練用の銃3と、統制装置4からなり、該統制装置4は制御部(図示せず)及び通信用アンテナ5を備え、標的装置2と無線通信を行って標的隠顕制御を行うと共に着弾情報を収集する。
【0003】
上記標的装置2は、基台11上に標的支持部材12a、12bにより例えば板状に形成された標的13を支持している。上記標的支持部材12a、12bは、下端部が基台11の両側に回動可能に装着され、上部側において標的13を支持する。この標的13には、前面側に標的マーク14が示されている。
【0004】
上記基台11には、内部に標的制御器16が設けられると共に、側部にアンテナ17が設けられる。また、標的13には、実弾の着弾を検知する衝撃センサ15が設けられ、その検知信号は上記標的制御器へ送られる。上記衝撃センサ15は、着弾の虞がなく、かつ、標的13への着弾を検出できる場所に設けられる。上記基台11内に設けられた標的制御器16は、アンテナ17を介して統制装置4と通信を行い、統制装置4からの指示に従って標的13を隠顕制御する。すなわち、標的制御器16は、統制装置4からの指示に従って標的13を垂直状態(現出状態)に保持し、この状態で銃3から発射された実弾が標的13に着弾すると、その際の衝撃センサ15の検知信号によって標的13を倒して水平状態(隠蔽状態)となるように制御する。
【0005】
上記標的装置2は、射撃訓練に際して訓練者19から適正距離に設置され、予め指定された銃3または弾種が使用された場合に衝撃センサ15により着弾を検出して標的13が倒れるように設定される。
上記のように構成された射撃訓練装置1において、訓練管理者18は、射撃訓練を開始する際、統制装置4に対して予め作成した射撃訓練スケジュールに基づく訓練開始を指示する。統制装置4は、射撃訓練スケジュールに基づいて各種の指令データを生成し、標的装置2に設けられている標的制御器16へ送信する。例えば統制装置4は、標的装置2に対して標的13を現出させる指令を送信する。この指令を受信した標的制御器16は、標的13を垂直状態に起こして現出させる。
【0006】
訓練者19は、上記現出された標的13を狙って銃3により射撃を行う。銃3から発射された実弾が標的13に命中すると、そのときの衝撃または衝撃波による振動周波数を衝撃センサ15が検知し、その検知信号を標的制御器16へ出力する。標的制御器16は、衝撃センサ15の検知信号により実弾が標的13に着弾したかどうかを判断し、着弾した場合に標的13を横に倒して隠蔽し、銃弾が標的13に命中したことを訓練者19に知らせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−142097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように構成された射撃訓練装置1は、銃3から発射された実弾が標的13に着弾したかどうかを標的装置2において判断し、実弾が標的13に命中した場合に標的13を横に倒して隠蔽することにより、射撃の結果を訓練者19に知らせることができる。
【0009】
しかし、従来の標的装置2は、図7(a)に示すように訓練者19から適正距離に設置され、予め指定された銃3または弾種が使用された場合に着弾を検出して標的13が倒れるように設定されており、図7(b)に示すように標的13として予め指定されているものと異なる形状のものを使用した場合や、図7(c)に示すように予め指定された位置より遠距離に設置した場合には、銃3から発射された実弾が標的13に着弾しても衝撃センサ15の検知信号のレベルが小さく、着弾を正しく検知することができないという問題がある。
【0010】
上記標的13に着弾したときの振動または衝撃を検知する衝撃センサ15の感度は、着弾有無の誤判定を防止するため特定の銃と所定の射撃距離の仕様で予め作り込まれているが、銃により口径、弾種が異なるためセンサ感度の見極めが難しい。このため衝撃センサ15の感度は、実弾による試験を実施して作り込む必要がある。
【0011】
また、標的13が合板等の木製の場合、雨等により水分を吸収し、感度に影響を及ぼすことがあり、着弾判定の精度を高く保つことが困難である。
標的13が縦方向に長い場合、同じ銃を使用して射撃しても上の部分と下の部分で着弾による衝撃振動が異なるため、標的13の形状が予め指定されている形状と異なる場合には着弾の判定精度が低下する。
【0012】
更に、射撃距離の違いにより標的13における振動衝撃のレベルが異なるため、標的装置2は特定の距離しか使用することができない。
また、上記したように衝撃センサ15の感度を特定の仕様で予め作り込むため、新たな形の標的に対応することができない。このため標的13が規格化されて価格が上昇するという問題がある。
【0013】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、センサ感度の調整を可能とし、異なる射撃距離や発射装置に対してセンサ感度を作り込む必要がなく、射撃距離、標的種類、発射装置、弾種によらず、標的の隠顕制御を確実に行うことができ、かつ開発期間を短縮し得る標的装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、発射装置から発射される実弾が着弾する標的部を備えた標的装置において、前記標的部に生じる衝撃を検知する着弾検知部と、前記着弾検知部による着弾検知の感度を調整する感度調整部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、感度調整部により標的装置のセンサ感度を訓練時の条件に応じて事前に調整することにより、発射装置の種類、弾種、標的の種類、射撃距離等の条件が異なっていても、発射装置から発射された実弾が標的に着弾した場合に標的を確実に隠蔽制御でき、実弾射撃訓練を効率的に実施することができる。
また、異なる射撃距離や各種発射装置について標的装置のセンサ感度を作り込む必要が無く、ある程度の予測されるセンサ感度において評価することにより開発期間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例1に係る射撃訓練装置の全体の概略構成図である。
【図2】同実施例1における標的装置の構成図である。
【図3】同実施例1に係る射撃訓練装置の制御系統を示す系統図である。
【図4】同実施例1における標的装置の回路構成を示すブロック図である。
【図5】センサ感度を手動操作により設定する場合の標的装置の回路構成を示すブロック図である。
【図6】従来の射撃訓練装置の概略構成例を示す図である。
【図7】従来の射撃訓練装置における標的装置の動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は本発明の実施例1に係る射撃訓練装置の全体の概略構成例を示す図、図2は標的装置の外観構成図、図3は射撃訓練装置の系統図、図4は標的装置の詳細な構成を示すブロック図である。
図1に示すように射撃訓練装置20は、1または複数の標的装置21a、21b、21c、21d、…と、発射装置例えば銃22a、22b、…と、統制装置23とにより構成され、必要に応じて携帯型統制装置24が使用される。なお、上記銃22a、22b、…としては、例えば単発式の銃や機関銃など任意の火器を使用することが可能である。
【0019】
統制装置23は、図3に示すように制御部231、無線部232及び通信用アンテナ233を備え、標的装置21a、21b、21c、21d、…と無線通信を行ってセンサ感度調整、標的隠顕制御、着弾情報収集を行う。また、図1に示した携帯型統制装置24は、統制装置23と同様に構成されるが、少なくとも標的装置21a、21b、21c、21d、…に対するセンサ感度調整機能を備えている。上記統制装置23及び携帯型統制装置24は、訓練管理者25によって操作される。
【0020】
上記標的装置21a、21b、21c、21d、…は、図2に詳細を示すように基台31上に標的支持部材32a、32bにより標的33を支持している。なお、図2は、標的装置21aの構成を示しているが、他の標的装置21b、21c、21d、…も同様に構成される。上記標的支持部材32a、32bは、それぞれ下端部が基台31の両側に回動可能に装着され、上部側において標的33を支持する。この標的33には、前面側に標的マーク34が示されている。
【0021】
また、標的33には、実弾の着弾を検知する衝撃センサ35が設けられる。この衝撃センサ35は、例えば標的支持部材32a、32bの近傍等、着弾の虞がなく、かつ、標的33への着弾を確実に検出できる場所に設けられる。上記衝撃センサ35は、銃から発射された弾丸が標的33に当たったときの衝撃、あるいは衝撃波の周波数を検知する。衝撃センサ35で検知された信号は、ケーブル等の接続線36を介して基台31内の制御部へ送られる。
【0022】
上記基台31には、例えば側部にアンテナ37が設けられると共に、内部に図3に示すように無線部38及び制御部39が設けられる。制御部39は、無線部38及びアンテナ37を介して統制装置23との間で無線通信を行い、統制装置23からの指示に従って衝撃センサ35の感度調整を行う共に標的33の隠顕制御を行い、また、標的33の着弾情報を統制装置23へ送信する。
【0023】
上記制御部39は、図4に示すように標的制御部41、標的隠顕駆動部42、センサ出力検知部43、増幅器44、A/D変換器45、着弾判定部46、計数部47により構成される。上記センサ出力検知部43は、衝撃センサ35と共に着弾検知部を構成している。センサ出力検知部43は、衝撃センサ35から着弾時に出力される衝撃検知信号のレベルまたは衝撃波の周波数を検知し、増幅器44を介してA/D変換器45へ出力する。A/D変換器45は、増幅器44で増幅されたセンサ検知信号をデジタル信号に変換し、着弾判定部46へ出力する。着弾判定部46は、上記デジタル信号から着弾の有無を判定し、計数部47及び標的制御部41へ出力する。計数部47は、着弾判定部46の出力信号から着弾数を計数し、その計数結果を標的制御部41へ出力する。
【0024】
標的制御部41は、統制装置23から送られてくる制御指令をアンテナ37及び無線部38を介して受信し、制御指令が感度調整指示の場合はセンサ出力検知部43における衝撃の検知レベルまたは衝撃波の検知周波数を調整し、また、制御指令が標的隠顕指示の場合は標的隠顕駆動部42を駆動して標的33を隠顕駆動すると共に標的隠顕状態情報を無線部38から統制装置23へ送信する。
【0025】
また、標的制御部41は、統制装置23からの制御により動作モード、例えば着弾判定部46の判定出力により標的33を隠蔽制御する隠顕制御モードと、標的33を一定時間現出状態に保持し、その間の着弾数を計数する着弾計数モードに設定される。標的制御部41は、隠顕制御モードの場合、標的33を現出状態に保持した状態において、着弾判定部46から着弾信号が出力されると、標的隠顕駆動部42を駆動して標的33を隠蔽すると共に着弾情報を無線部38から統制装置23へ送信する。また、標的制御部41は、着弾計数モードの場合は、標的33を一定時間現出状態に保持し、その間に計数部47で計数された着弾計数結果を無線部38から統制装置23へ送信する。
【0026】
統制装置23は、上記着弾計数モードを指示した場合、射撃終了後、各銃22a、22b、…の発射弾数と各標的装置21a、21b、21c、21d、…の標的制御部41から送られてくる着弾数に基づいて命中率等を求め、訓練者の射撃結果を評価する。
【0027】
そして、上記のように構成された射撃訓練装置20により射撃訓練を行う場合、各標的装置21a、21b、21c、21d、…におけるセンサ感度、すなわち、衝撃センサ35の出力信号を検知するセンサ出力検知部43の検知レベルを事前に適正値に調整する。このセンサ感度の調整は、図1に示すように標的装置21a、21b、21c、21d、…を所定の位置に設置した後、各標的33を現出状態(垂直状態)に設定して銃22a、22b、…により実弾射撃を実施し、標的33に着弾しても標的33が隠蔽状態にならない場合に実施する。
【0028】
訓練管理者25は、衝撃センサ35の感度調整を行う場合、統制装置23を操作して各標的装置21a、21b、21c、21d、…の標的制御部41を隠顕制御モードに設定、すなわち、着弾判定部46の判定出力により標的33を隠蔽する隠顕制御モードに設定し、また、標的33が現出状態となるように指示する。この状態で、上記したように銃22a、22b、…により実弾射撃を実施する。ここで、射撃距離、銃22a、22b、…の種類、弾種、センサ感度の違いにより、標的33に着弾しても隠蔽状態(倒れた状態)にならない場合がある。このように標的33に着弾しても隠蔽状態とならない標的装置に対し、統制装置23から感度調整を指示する。標的制御部41は統制装置23から感度調整が指示されると、センサ出力検知部43における衝撃の検知レベルまたは衝撃波による検知周波数を調整する。このセンサ感度の調整は、標的33に着弾した際に標的33が隠蔽状態となるまで実施する。
【0029】
上記センサ感度の調整方法は、その他、例えば統制装置23からの指示により各標的装置21a、21b、21c、21d、…の標的制御部41を感度調整モードに設定し、当該モード中にセンサ出力検知部43が検知した着弾による衝撃レベルに基づいてセンサ出力検知部43のゲインあるいは閾値を自動調整するようにしても良い。例えば標的33に実弾が当たった際に生じる衝撃が小さければ、センサ出力検知部43のゲインを上げるか閾値を下げ、実弾が当たったときに標的33が隠蔽状態となるように標的制御部41により調整する。
【0030】
また、センサ感度の他の調整方法として、統制装置23からの指示により各標的装置21a、21b、21c、21d、…の標的制御部41を感度調整モードに設定し、標的制御部41が当該モード中にセンサ出力検知部43の出力信号から検知した着弾による衝撃波の周波数をセンサ出力検知部43の検知周波数に自動設定するようにしても良い。
【0031】
上記センサ出力検知部43は、衝撃センサ35から出力される着弾による衝撃レベル及び衝撃波の周波数を検知する機能を組み合わせたものでも良い。この場合、センサ出力検知部43のセンサ感度は、上記衝撃レベルに基づく調整方法及び衝撃波の周波数に基づく調整方法を用いて調整する。
【0032】
以上は統制装置23からの制御指令によって各標的装置21a、21b、21c、21d、…の衝撃センサ35の感度調整を行う場合について示したが、図1に示したように統制装置23の代わりに携帯型統制装置24を用いて各標的装置21a、21b、21c、21d、…の感度調整を行うようにしても良い。携帯型統制装置24を使用する場合においても、上記統制装置23の場合と同様にして感度調整を行うことができる。
【0033】
なお、上記実施例では、統制装置23あるいは携帯型統制装置24を用いて遠隔操作により各標的装置21a、21b、21c、21d、…のセンサ感度を調整する場合について示したが、その他、例えば図5に示すように標的装置21a、21b、21c、21d、…制御部39にセンサ感度調整スイッチ51を接続し、訓練管理者25がこのセンサ感度調整スイッチ51を直接手動操作してセンサ感度を調整するようにしても良い。
【0034】
上記センサ感度調整スイッチ51を使用する場合においても、遠隔操作によりセンサ感度を調整する場合と同様に標的33に着弾したときの衝撃レベル及び衝撃波の周波数検知によるセンサ感度を調整することができる。
上記したように標的装置21a、21b、21c、21d、…のセンサ感度を調整した後、図1に示すように訓練者26a、26b、…は、銃22a、22b、…及び標的装置21a、21b、21c、21d、…を使用して射撃訓練を行う。
【0035】
各標的装置21a、21b、21c、21d、…のセンサ感度を調整することにより、銃の種類、弾種、標的の種類、射撃距離等の射撃条件が異なっていても、射撃訓練時に銃22a、22b、…により発射された実弾が標的33に当たった場合に標的33が確実に隠蔽状態となるように制御される。
【0036】
例えば訓練者26aが銃22aを使用して標的装置21aを射撃する場合や、訓練者26bが銃22aとは異なる種類の銃22bを使用(あるいは弾種が異なる場合)して標的装置21bを射撃する場合、また、標的33の種類が異なる標的装置21cを射撃する場合、更には射撃距離が異なる標的装置21dを射撃する場合であっても、銃22a、22b、…により発射された実弾が標的33に命中すれば標的33を確実に隠蔽状態とすることができる。
【0037】
また、訓練管理者25は、訓練者26a、26b、…の射撃結果を評価する場合には、統制装置23を操作して各標的装置21a、21b、21c、21d、…の標的制御部41の動作モードを着弾計数モードに設定する。標的制御部41は、着弾計数モードが指定されると、統制装置23からの制御指示に従って標的33を一定時間現出状態に保持し、その後、標的33を倒して隠蔽状態とする。訓練者26a、26b、…は、標的装置21a、21b、21c、21d、…の標的33が現出状態となっている間、標的33に対して連続的に射撃を行う。このとき制御部39においては、標的33に着弾したかどうかを着弾判定部46で判定し、その着弾数を計数部47で計数して標的制御部41へ出力する。標的制御部41は、一定時間を経過すると、標的隠顕駆動部42を駆動して標的33を隠蔽状態とすると共に計数部47の着弾計数結果を無線部38から統制装置23へ送信する。
【0038】
統制装置23は、射撃終了後、各銃22a、22b、…の発射弾数と各標的装置21a、21b、21c、21d、…の標的制御部41から送られてくる着弾数に基づいて命中率等を求め、各訓練者26a、26b、…の射撃結果を評価する。
上記実施例で示したように各標的装置21a、21b、21c、21d、…のセンサ感度を射撃条件に応じて調整することにより、発射装置の種類、弾種、標的の種類、射撃距離等の射撃条件が異なっていても、射撃訓練時に銃22a、22b、…により発射された実弾が標的33に当たった場合に標的33を確実に隠蔽制御でき、実弾射撃訓練を効率的に実施することができる。
【0039】
また、統制装置23から無線により標的装置21a、21b、21c、21d、…のセンサ感度の調整が可能であり、遠隔地点において安全に調整することができる。
また、図1に示した実施例1では複数の標的装置21a、21b、21c、21d、…を用いた場合について示したが、1つの標的装置を使用して射撃訓練を行う場合であっても、使用する銃の種類に応じてその都度センサ感度を調整することにより、種類の異なる複数の銃に対応させることができる。
【0040】
また、標的装置のセンサ感度の傾向を把握することにより、標的装置のセンサ感度を予め設定することが可能である。
また、全ての射撃距離や異なる種類の火器(発射装置)についてセンサ感度を作り込む必要が無くなり、ある程度の予測されるセンサ感度において評価することにより開発期間を短縮することができる。
【0041】
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
【符号の説明】
【0042】
20…射撃訓練装置、21a、21b、21c、21d…標的装置、22a、22b…銃、23…統制装置、231…制御部、232…無線部、233…通信用アンテナ、24…携帯型統制装置、25…訓練管理者、26a、26b…訓練者、31…標的装置の基台、32a、32b…標的支持部材、33…標的、34…標的マーク、35…衝撃センサ、36…接続線、37…アンテナ、38…無線部、39…制御部、41…標的制御部、42…標的隠顕駆動部、43…センサ出力検知部、44…増幅器、45…A/D変換器、46…着弾判定部、47…計数部、51…センサ感度調整スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発射装置から発射される実弾が着弾する標的部を備えた標的装置において、
前記標的部に生じる衝撃を検知する着弾検知部と、
前記着弾検知部による着弾検知の感度を調整する感度調整部と、
を備えることを特徴とする標的装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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