説明

標的解剖学的部位または環境へのアクセスを促進するためのシステム、方法、およびデバイス

標的解剖学的環境の生理的パラメータを検出するための方法および構造。デバイスは、プローブに連結可能な遠位部分の第1のポートおよび近位部分を有する筐体と、筐体によって携持される感知ユニットと、処理ユニットと、出力ユニットとを含み、出力ユニットは、圧力等の決定された生理的パラメータ値に基づいて報告信号を出力するように構成され、感知ユニット、処理ユニット、および出力ユニットは、実質的に筐体の第1のポートと近位部分との間に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/235,004号(2009年8月19日出願、代理人整理番号028267−000100US)および米国仮特許出願第61/300,794号(2010年2月2日出願、代理人整理番号028267−000200US)の米国特許法第119条第(e)項の優先権の利益を主張し、これらの出願の全内容は、本明細書に参照によって援用される。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、標的解剖学的部位へのアクセスを促進するためのシステム、方法、およびデバイスに関する。より具体的には、本開示の側面は、物体、プローブ、または針が、標的あるいは非標的の解剖学的部位、構造、または物質に挿入されているかどうかを示すか、または検証するように構成される1つ以上の感知ユニットまたはセンサを含むことができるシステム、方法、およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
針およびカテーテルは、種々の目的または適用のために、患者の体内に日常的に挿入または注入される。そのような挿入を含む一つの適用は、血管ラインまたはカテーテルの留置、例えば、中心静脈カテーテル(CVC)の留置である。CVCは、典型的には、大量の流体移行量および/または高い流体移行速度が所望される医療の局面において、流体(例えば、静注(IV)薬、化学療法剤、血液、または生理食塩水)を体内に投与するために使用される。一般的なCVCの挿入標的は、頸部に位置する内頸静脈、胸部に位置する鎖骨下静脈、または鼠径部に位置する大腿静脈を含む。CVCを体内に留置するために、セルディンガー法として知られている医療処置が典型的に採用される。
【0004】
セルディンガー法は、いくつかのステップを含む。セルディンガー法を介して静脈アクセスおよびCVC挿入を確立するために、標的静脈に対応すると見込まれる場所において、最初に針が患者の体内に留置または挿入される。次いで、ガイドワイヤが、針が存在する血管系または血管の中へ、針を通して前進または伸張させられる。後に、ガイドワイヤの一部分が血管内に保持されたままであり、ガイドワイヤの一部分が患者の体外にとどまっている間に、針が除去される。次に、CVCが、血管の中へガイドワイヤ上を前進させられる。最後に、CVCの一部分を血管内に残して、ガイドワイヤが除去される。
【0005】
セルディンガー法を介したCVC留置中に発生し得る1つの問題は、針およびCVCのいずれか一方または両方の誤留置である。例えば、静脈壁の意図しない穿刺あるいは裂傷、および/または動脈内への針およびCVCの一方あるいは両方の留置(すなわち、意図しない動脈挿管)が発生し得、これは、重度の出血、緊急血管手術、脳卒中、および場合によっては死亡を含む重篤かつ高価な合併症をもたらす場合がある。
【0006】
マノメトリは、(例えば、セルディンガー法と関連する)カテーテル法中に適切な種類の血管が標的化されていることを検証するために使用されてきた技法である。従来、血管標的検証に向けられたマノメトリ中に、延長セット(例えば、50センチメートル延長管セット)が、血管に挿入されている針またはカテーテル(例えば、18ゲージ針またはカテーテル)に取り付けられる。血液は、患者の身体から針またはカテーテルに流入し、さらに延長セットに沿って管の上昇部に流入し、それにより血液柱を形成する。
【0007】
管の上昇部内の血液柱の可視的特性が、外科医または他の医療関係者によって評価される。血液柱の評価、例えば、血液柱によって実現される高さは、検討中の血管内の血液の圧力に関する兆候を示す。そのような評価は、外科医が針またはカテーテルの静脈または動脈留置を検証することを可能にすることができる。しかしながら、針またはカテーテルの閉塞、あるいは患者の状態または症状が、血液柱の可視的特性、したがって、外科医の評価に影響を及ぼし得、これが、針またはカテーテル留置に関する誤った結論につながり得る。例えば、低血圧患者では、不慮の動脈針挿入が、管の上昇部内の血液柱の高さの肉眼評価からは容易に明瞭ではない場合がある。
【0008】
加えて、多くの医師が、針またはカテーテル留置を検証するためにマノメトリを日常的に利用していないことが分かっている。さらに、マノメトリを行った後に、針またはカテーテルが抜去または変位される場合があり、これは血管の場所を不確定にする場合がある。したがって、CVC挿入手技中の偶発的な動脈挿管の危険性は、マノメトリの使用によって排除されていない。マノメトリの使用は、患者体内の感染症または空気塞栓症の危険性を増加させる場合があると示唆されている。
【0009】
針、ガイドワイヤ、カテーテルを含む、体内の物体の位置を決定するために超音波が従来利用されてきた。しかしながら、超音波を用いて捕捉された画像は、十分な情報を提供しない、または明確ではない場合がある。例えば、超音波は、ある組織型を(例えば、静脈組織と動脈組織とを)正確に、または一貫して区別できない場合がある。超音波の使用にもかかわらず、CVC留置中の偶発的な動脈挿管の事例が報告されている。加えて、医療施設に属する超音波システムまたは装置は、典型的には、その医療施設の複数のグループまたは部門の間で共有され、したがって、常にすぐに利用可能であるわけはない場合がある。加えて、血管標的化を検証するための超音波の使用は、時間がかかり得、したがって、危機的または緊急の状況においては望ましくない場合がある。さらに、超音波システムの使用は、比較的費用がかかり、大きな労力を要し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、患者体内の解剖学的環境の生理的パラメータを検出または監視するステップを含むことができる、標的解剖学的部位へのアクセスを促進するためのシステム、デバイス、および関連方法を提供する。
【0011】
一実施形態では、本発明は、身体の中に挿入されたプローブの端が、標的解剖学的環境または非標的解剖学的環境内に位置するかどうかを選択的に示すためのデバイスを含む。デバイスは、プローブに着脱可能に連結可能な筐体と、筐体によって携持されるチャンバと、チャンバと通信している感知ユニットであって、筐体によって携持される感知ユニットと、感知ユニットに連結され、筐体によって携持される処理ユニットであって、第1組の感知信号を使用して第1の生理的パラメータ値を決定し、処理ユニットは、第1組の感知信号および第2組の感知信号のうちの少なくとも1つを使用して第2の生理的パラメータ値を決定するように構成され、第1および第2の生理的パラメータ値はそれぞれ、解剖学的環境内の第1の生理的パラメータおよび第2の生理的パラメータに対応する、処理ユニットと、処理ユニットに連結され、筐体によって携持される1組の出力デバイスであって、第1の生理的パラメータ値および第2の生理的パラメータ値のうちの少なくとも1つに対応する1組の報告信号を出力するように構成される1組の出力デバイスとを含むことができ、第2の生理的パラメータ値は、生理学的測定の種類ならびに第1組の感知信号および第2組の感知信号のうちの少なくとも1つに適用される1組の数値演算のうちの少なくとも1つにおいて、第1の生理的パラメータ値とは異なる。
【0012】
別の実施形態では、身体から獲得され、物質分析チャンバ内に存在する物質が、標的解剖学的場所に対応するかどうかを決定する方法が提供される。方法は、1組の感知デバイスと物質分析チャンバ内に存在する物質との間で信号連通および物質連通の群のうちの少なくとも1つを確立するステップであって、1組の感知デバイスは、少なくとも第1の感知デバイスを備え、1組の感知デバイス内の各感知デバイスは、感知モダリティに従って動作する、ステップと、1組の感知デバイスを使用して、複数の感知信号を獲得するステップと、複数の感知信号を使用して第1の生理的パラメータ値および第2の生理的パラメータ値を決定するステップであって、第2の生理的パラメータ値は、異なる感知デバイスモダリティに対応すること、ならびに第1組の感知信号および第2組の感知信号のうちの少なくとも1つに適用される異なる1組の数値演算に対応することのうちの少なくとも1つにおいて、第1の生理的パラメータ値とは異なる、ステップと、物質が標的解剖学的場所に対応するかどうかを能動的に示す1組の信号を出力するステップとを含む。
【0013】
さらに別の実施形態では、標的解剖学的部位に位置するプローブ端の能動的指示、または非標的解剖学的部位に位置するプローブ端の能動的指示を生成するように構成される処理ユニットを有するデバイスが提供される。そのようなデバイスは、プローブに連結可能な筐体と、筐体によって携持されるチャンバと、チャンバと通信している感知ユニットと、感知ユニットに連結され、筐体によって携持される処理ユニットと、プログラム命令を記憶する電子的にプログラム可能な媒体であって、プログラム命令は、処理ユニットに、感知信号を使用して第1の生理的パラメータ値を決定するステップと、プローブが標的解剖学的場所または非標的解剖学的場所に設置されているかどうかを示す報告信号を生成するステップとを行わせる、媒体と、処理ユニットに連結される出力デバイスとを含むことができる。
【0014】
別の実施形態では、身体の中に挿入されたプローブの端が、第1の解剖学的環境または第2の解剖学的環境内に位置しているかどうかを示すためのデバイスが提供される。デバイスは、第1のポートを有する筐体と、第1のポートに連結され、筐体によって携持されるチャンバと、チャンバと信号および物質のうちの少なくとも1つが連通している感知ユニットであって、筐体によって携持され、少なくとも1つの感知モダリティに従って複数の感知信号を生成するように構成される感知ユニットと、感知ユニットに連結され、筐体によって携持される処理ユニットであって、複数の感知信号を使用して複数の生理的パラメータ値を決定するように構成される処理ユニットと、処理ユニットに連結され、筐体によって携持される1組の出力デバイスであって、第1の解剖学的環境に対応する第1組の報告信号を能動的に出力するように構成され、第2の解剖学的環境に対応する第2組の報告信号を能動的に出力するように構成される1組の出力デバイスとを含むことができる。
【0015】
さらに別の実施形態では、本発明は、身体の中に挿入されたプローブの遠位部分が、標的解剖学的環境内に位置しているかどうかを検出するためのデバイスを提供する。デバイスは、プローブに着脱可能に連結可能である第1のポートを有する遠位部分、およびシリンジに着脱可能に連結可能である第2のポートを有する近位部分を有する筐体であって、第1のポートは、第2のポートに流体連結される筐体と、筐体によって携持される圧力感知ユニットであって、連結されたプローブが設置されている環境の圧力に応じて、圧力信号を生成するように構成される感知ユニットと、感知ユニットに連結され、筐体によって携持される処理ユニットであって、圧力信号を受信し、信号に基づいて連結されたプローブの近位部分の周囲の環境の圧力値を決定するように構成される処理ユニットと、処理ユニットに連結され、筐体によって携持される出力ユニットであって、決定された圧力値に基づいて報告信号を視覚ディスプレイに出力するように構成される出力ユニットとを含むことができ、圧力感知ユニット、処理ユニット、および出力ユニットは、実質的に筐体の第1のポートと第2のポートとの間に配置される。
【0016】
別の実施形態では、本発明は、近位部分、およびプローブに着脱可能に連結可能である第1のポートを有する遠位部分を有する筐体を含む、デバイスを含む。デバイスは、筐体によって携持される圧力感知ユニットと、感知ユニットに連結され、筐体によって携持される処理ユニットと、処理ユニットに連結され、筐体によって携持される出力ユニットと、筐体によって携持され、第1のポートに流体連結されるガイドワイヤポートとをさらに含む。
【0017】
さらに別の実施形態では、デバイスが含まれ、デバイスは、プローブに着脱可能に連結可能である第1のポートを有する遠位部分、および閉鎖近位部分を有する筐体と、筐体によって携持される圧力感知ユニットと、感知ユニットに連結され、筐体によって携持される処理ユニットと、処理ユニットおよび視覚ディスプレイに連結され、筐体によって携持される出力ユニットであって、視覚ディスプレイは、筐体によって携持されると近位に角度を成している出力ユニットとを有し、圧力感知ユニット、処理ユニット、および出力ユニットは、実質的に筐体の第1のポートと近位部分との間に配置される。
【0018】
本発明は、さらに別の実施形態では、患者の生理的パラメータを検出または監視する方法を提供する。そのような方法は、本明細書において説明されるようなデバイスを提供するステップと、デバイスに連結されるプローブの遠位部分を患者の組織または体内に挿入するステップと、プローブが設置されている環境の生理的パラメータを検出するステップと含む。
【0019】
本発明は、さらに別の実施形態によれば、キットまたは包装されたアセンブリをさらに提供する。キットは、本明細書において説明されるようなデバイス、および第1のポートに連結する1つ以上のプローブ、シリンジ、ガイドワイヤ、またはカテーテル、あるいはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0020】
本発明の性質および利点のより完全な理解のために、次の詳細な説明および添付図面を参照するべきである。本発明の他の側面、目的、および利点が、以下に続く図面および詳細な説明から明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】図1Aは、本開示の実施形態による、プローブ区分またはプローブ先端の場所を示すための装置の斜視図である。
【図1B】図1Bは、本開示の実施形態による、解剖学的環境特性化デバイス(AECD)のブロック図である。
【図1C】図1Cは、本開示の別の実施形態による、デバイスのブロック図である。
【図2A】図2Aは、本開示の別の実施形態による、プローブ区分またはプローブ先端の場所を示すための装置の斜視図である。
【図2B】図2Bは、本開示の実施形態による、皮膜状Oリング構造の断面図である。
【図2C】図2Cは、ガイドワイヤの周囲の密閉構成の図2Bの皮膜状Oリング構造の断面図である。
【図2D】図2Dは、本開示の実施形態による、可撓性シール構造の断面図である。
【図2E】図2Eは、本開示の実施形態による、ガイドワイヤの周囲の弛緩構成の係止可能密閉構造の断面図である。
【図2F】図2Fは、ガイドワイヤの周囲の図2Eの係止可能密閉構造の断面図である。
【図2G】図2Gは、本開示のさらなる実施形態による、プローブ区分またはプローブ先端の場所を示すための装置の斜視図である。
【図3】図3は、本開示の別の実施形態による、プローブ区分またはプローブ先端の場所を示すための装置の斜視図である。
【図4A】図4Aは、本開示の実施形態による、1組の感知要素を携持するプローブの斜視図である。
【図4B】図4Bは、本開示の実施形態による、プローブ感知付属品との信号通信のために構成されたデバイス感知継手の斜視図である。
【図5A】図5Aは、本開示の実施形態による、それぞれ、1組の光ファイバおよび/または1組の導線を携持するプローブまたは針の斜視図である。
【図5B】図5Bは、本開示の実施形態による、感知ガイドワイヤを携持する針の斜視図である。
【図6A】図6Aは、本開示の実施形態による、針デバイスの斜視図である。
【図6B】図6Bは、本開示の実施形態による、シリンジデバイスの斜視図である。
【図6C】図6Cは、本開示の実施形態による、デバイスの斜視図である。
【図7】図7は、本開示の実施形態による、特定の血管パラメータに対応する代表的なデータまたは値を記憶するデータ構造のブロック図である。
【図8】図8は、本開示の実施形態による、血管標的識別または検証過程のフロー図である。
【図9】図9は、本開示の実施形態による、腰椎穿刺標的識別および/または腰椎穿刺パラメータ報告過程のフロー図である。
【図10A】図10Aおよび10Bは、本開示の別の実施形態による、プローブおよびシリンジに連結された検出デバイスを含む、アセンブリを図示する。
【図10B】図10Aおよび10Bは、本開示の別の実施形態による、プローブおよびシリンジに連結された検出デバイスを含む、アセンブリを図示する。
【図11】図11は、本開示の別の実施形態による、プローブ区分または先端の場所を示すための装置の概略図である。
【図12】図12A〜12Dは、超音波誘導下のプローブ先端場所の検出を図示する。
【図13】図13A〜13Fは、圧力変換誘導下のプローブ先端場所の指示を図示する。
【図14】図14A〜14Cは、本開示の実施形態による、プローブ区分または先端の指示およびガイドワイヤの設置を図示する。
【図15】図15は、本開示の実施形態による、閉鎖近位部分およびプローブに連結された遠位部分を有する検出デバイスを含む、アセンブリを図示する。
【図16A】図16Aは、本開示の実施形態による、圧力緩衝システムの圧力緩和装置を含む、デバイスの概略図である。
【図16B】図16Bは、本開示の実施形態による、圧力緩衝システムの圧力緩和装置を含む、図16Aにおいて概して図解されるような構造を有するデバイスを図示する。
【図16C】図16Cは、圧力変化がデバイス取扱活動に起因するものである、デバイス貯留部容量に対する圧力変化を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
異なる種類の物体、例えば、針、プローブ、カテーテル、管、および組織切除デバイスを、種々の医療目的または適応で、人間または動物の体内に挿入することができる。体内のそのような物体の正確な留置または位置付けが、概して必要とされる。例えば、静脈カテーテル法中に、針またはカテーテルを標的静脈または静脈内部位の中へ留置し、動脈または非血管留置を回避することが重要である。
【0023】
本発明のデバイスは、単一の生理的パラメータ値、または複数の別個あるいは異なる種類の生理的パラメータを検出および/または利用するために構成することができる。生理的パラメータを検出するために使用される本発明のデバイスは、本明細書では検出デバイスと呼ばれることもある。
【0024】
以前のアプローチは、プローブまたは針先端が標的解剖学的環境の中へ遷移しているかどうかという能動的視覚指示、ならびに、プローブまたは針先端が非標的解剖学的環境、特に、検討中の所与の医療処置と関連して、デバイス挿入または留置が回避されるべき非標的環境(例えば、静脈アクセス手技中に回避されるべき動脈部位、または逆も同様)の中へ遷移しているかどうかという能動的視覚指示を提供することができない。
【0025】
本開示の実施形態は、少なくとも一種類の標的または意図した解剖学的環境、物質、部位、場所、構造、組織、器官、空洞、および/または管腔へのアクセスを促進、指示、および/または検証するためのシステム、デバイス、装置、方法、および過程を対象とする。特定の実施形態はさらに、(例えば、標的解剖学的環境に向けられた医療処置を考慮して)少なくとも一種類の非標的、意図しない、または勧められない解剖学的環境へのアクセスを示す、または検証するためのシステム、デバイス、装置、方法、および過程を対象とする。本開示の実施形態は、(例えば、標的または意図した解剖学的部位に対して)体内の物体の一部分の場所の識別、評価、または検証を促進するように、特定の生理的パラメータまたは状態と関連付けられる1つ以上の物質または信号を検出、感知、捕捉、測定、および/または分析するためのシステム、デバイス、装置、方法、または過程を含むか、または伴うことができる。
【0026】
本開示のいくつかの実施形態は、例えば、第1または標的解剖学的部位と標的解剖学的部位以外の部位(例えば、第2または非標的解剖学的部位)との間の差異を区別するか、または示すために、もしくは、解剖学的物質が、第1または標的解剖学的場所または構造、あるいは第2または非標的解剖学的場所または構造に由来する、あるいはそれによって供給された、そこから抽出された、あるいはそこで取得されたかどうかを判定するか、または示すために、1つ以上の解剖学的物質または部位の側面を分類または区別することを対象とする。そのような実施形態は、体内に挿入された物体の一部分が、標的物質または部位、あるいは1つ以上の非標的物質または部位の中へ遷移している、そこに、またはその内側に存在する、あるいはそこから離れて遷移しているという、自動または半自動検証または通知を促進することができる。本開示の特定の実施形態は、血管内部位と血管外部位、静脈部位と動脈部位、および/または静脈血と動脈血の側面を区別することを対象とする。
【0027】
簡潔かつ明確にする目的で、本明細書で説明される種々の実施形態に関して、身体的挿入を目的とした物体は、生物組織の中への挿入または注入のために構成されるプローブと呼ばれる。実施形態の詳細および/または検討中の医療処置に応じて、プローブは、針、カテーテル、カニューレ、管、組織切除デバイス、あるいは他の種類の医療用ツールまたは構造を含むことができるか、またはそれらであり得る。加えて、検討中の第1の解剖学的環境は、標的解剖学的環境と呼ばれ、検討中の第2の解剖学的環境は、非標的解剖学的環境と呼ばれ得る。本開示の選択された実施形態は、プローブまたは針の区分、端、極端部、先、または先端が、第1または標的解剖学的部位あるいは身体環境に存在する、第2または非標的解剖学的部位あるいは身体環境に存在する、もしくは第1/標的解剖学的部位または環境にも第2/非標的解剖学的部位または環境にも位置しないという判定または指示を促進する。
【0028】
いくつかの実施形態では、標的解剖学的部位または構造は、本質的に血管であり、例えば、静脈または動脈である。そのような実施形態では、対応する非標的解剖学的部位は、それぞれ、動脈または静脈であり得る。他の実施形態では、標的解剖学的部位は、本質的に血管外または非血管である。例えば、実施形態の詳細に応じて、標的解剖学的部位は、体腔または通路(例えば、硬膜外腔、膀胱、またはリンパ系)内の場所、器官、腺、組織、または特定の細胞群に対応することができる。標的解剖学的物質は、標的解剖学的構造または部位によって携持するか、またはそれと関連付けられることができる。例えば、非酸素化血液、酸素化血液、または脳脊髄液等の標的物質は、それぞれ、標的静脈、動脈、または硬膜下部位に対応することができる。
【0029】
本開示の実施形態による、プローブまたはプローブ先端の解剖学的場所を示すためのシステムまたは装置は、プローブの一部分に、またはそこに沿って(例えば、プローブの遠位区分または先端に)存在し得る信号および/または物質を検出、特性化、評価、または分析するための1つ以上のデバイスを携持するか、またはそれらに連結する筐体に連結される、プローブ(例えば、針)を含むことができる。システムまたは装置は、1回以上で、プローブの挿入経路または場所に対応する1つ以上の生理的パラメータ、生理的パラメータ相関要因、および/または化学物質の存在、不在、レベル、または変化を推定、検出、記録、または監視するように構成される、1組のセンサを含む。本開示との関連で、用語セットは、既知の数学的定義に従って(例えば、Peter J. EcclesによるAn Introduction to Mathematical Reasoning: Numbers, Sets, and Functions, “Chapter 11: Properties of Finite Sets”, Cambridge University Press (1998)(例えば、ページ140で示される)で説明されているものに対応する方式で)、少なくとも1の濃度を数学的に示す要素の非空有限組織として定義される(すなわち、本明細書で定義されるようなセットは、一重項または単一要素セット、あるいは複数要素セットに対応することができる)。一般に、セットの要素は、検討中のセットの種類に応じて、デバイス、構造、信号、機能または機能的過程、あるいは値を含むか、またはそれらであり得る。
【0030】
実施形態の詳細に応じて、感知することができる生理的パラメータ、生理的パラメータ相関要因、または化学物質の代表例は、圧力(例えば、静脈内圧力または動脈内圧力)、拍動性尺度、成分、または相関要因、温度、pH、流体流速、光学的性質(例えば、光吸収または分散性質)、酸素ヘモグロビンまたはデオキシヘモグロビン含有量または飽和、ヘモグロビン濃度、組織酸素含有量または飽和、二酸化炭素含有量または飽和、メトヘモグロビン濃度、酸化窒素含有量、水分含有量または濃度、電気的性質(例えば、電気伝導性)、グルコース値、ある種類の細胞(例えば、赤血球または白血球)の存在またはレベル、病原体の存在またはレベル、免疫調節因子(例えば、サイトカイン)、栄養素または主要栄養素(例えば、アミノ酸、タンパク質、脂質、または炭水化物)、酵素、ホルモン、成長因子、または遺伝子マーカーの存在またはレベル、薬物、薬物代謝産物、または造影剤等の物質の存在またはレベル、あるいは別のパラメータ、パラメータ相関要因、または化学物質のうちの1つ以上を含む。
【0031】
1つ以上の生理的パラメータ、生理的パラメータ相関要因、または化学物質の存在、不在、相対または絶対レベル、あるいは変化は、プローブの一部分が存在する解剖学的場所あるいは環境、および/または患者の状態あるいは症状に直接的または間接的に対応することができる。システムまたは装置は、加えて、a)1組のセンサによって出力される信号を使用して生理的パラメータ値を生成する、および/または、b)特定の生理的パラメータ値を分析または評価するように構成される処理ユニットを随意で含むことができる。システムまたは装置はさらに、検討中のプローブの一部分が、第1または標的解剖学的部位または物質、あるいは第2または非標的解剖学的部位または物質に暴露されているか、またはそこに存在するかどうかを示す、少なくとも1つの種類のフィードバック(例えば、音声および/または視覚フィードバック)を生成するように構成される出力ユニットを含む。種々の実施形態では、処理ユニットおよび出力ユニットのそれぞれは、単回使用または使い捨て構造(例えば、使い捨てカートリッジ)であり得る、筐体によって携持することができる。
【0032】
特定の医療適応または処置を考慮して、標的解剖学的部位または物質へのアクセスを促進するためのシステム、装置、デバイス、および過程の実施形態の代表的な側面は、類似または同様の要素または過程部分が、類似または同様の参照数字で番号付されて示されている、図1Aから図9を参照して、以降で詳細に説明される。図1B−9のうちの1つ以上に対応する記述的資料に対して、所与の参照数字の記載は、そのような参照数字が以前に示された図の同様のものを示すことができる。本明細書の説明は、静脈または動脈血管アクセスの成功または不成功を示すために好適である実施形態、腰椎穿刺、硬膜外腔、または脳脊髄液アクセスの成功または不成功を示すために好適である実施形態、および他の医療適応に好適な実施形態を提供する。本開示によって提供される実施形態は、構造、動作、あるいは解剖学的部位または物質の弁別特性等の、本明細書で説明される種々の実施形態の間に存在する特定の基本原理が所望される、用途または医療適応(例えば、乳房組織生検を例えば伴う、針生検用途、あるいは、体内へのポリマー成分球体もしくはナノ粒子またはナノ構造の導入または注入)から除外されない。
【0033】
代表的実施形態の構造および動作側面
図1Aは、本開示の実施形態による、プローブ先端の場所または環境を示すための装置10の斜視図である。実施形態では、装置10は、針20等のプローブに連結される、プローブ部位指示デバイス(PSID)、プローブ先端場所デバイス(PTLD)、または解剖学的環境特性化デバイス(AECD)100(または検出デバイス)を含む。針20は、第1または挿入端あるいは遠位先端24、および第2または近位端26を有する、細長い部材またはシャフト22を含む。針のシャフトは、中空であり、つまり、針の細長い部材は、針の先端24とその近位端26との間に延在する孔を含む。針の近位端26は、ルアーアダプタ、コネクタ、スリーブ、カラー、またはロック等の従来の針連結または継手構造28に連結することができる。ある実施形態では、装置10はさらに、例えば、ルアーアダプタ、コネクタ、スリーブ、カラー、またはロック等の従来のシリンジ連結器または継手を介して、AECD100に連結することができる、シリンジ50を含むことができる。
【0034】
図1Bは、本開示の実施形態による、AECD100のブロック図である。図1Aを同時に参照して、種々の実施形態では、AECD100は、第1の連結構造112、第1の開口部またはポート114、少なくとも1つの流体または物質検出または分析チャンバまたは回廊130(例えば、貫流チャンバ130)、感知ユニット140、処理ユニット160、メモリ170、出力ユニット180、電源190、および起動スイッチ192を携持する、筐体110を含む。いくつかの実施形態では、筐体110は、加えて、通路132、第2の開口部またはポート116、および第2の連結構造118を携持することができる。感知ユニット140、処理ユニット160、メモリ170、および出力ユニット180のそれぞれは、スイッチ192を介して電源190に連結される。所定のスイッチ位置またはスイッチトグルの選択は、AECD100を起動することができる。実施形態では、電源190は、所定または期待総時間量(例えば、約2時間、約12時間、約1日、または別の時間量)にわたって、AECD100に電力供給するように構成されるバッテリまたはコンデンサを含む。
【0035】
第1の連結構造112は、第1のポート114を携持し、所与の種類のプローブまたは針20と嵌合するように構成される、1つ以上の連結、継手、固定、保持、または接続要素を含む。同様に、第2の連結構造118は、第2のポート116を携持し、シリンジ50等の別の医療用備品と嵌合するように構成される、1つ以上の連結、継手、固定、保持、または接続要素を含む。第1および第2の連結構造112、118の一方または両方は、例えば、ルアーアダプタ、先細、カラー、スリップ、コネクタ、またはロック構造を含むことができるか、またはそれらであり得る。例えば、第1の連結構造112は、オスルアーロック継手を含むことができ、第2の連結構造118は、メスルアーロック継手を含むことができる。実施形態では、第1および第2の連結構造112、118は、筐体110の対向側または端で携持される。第1および第2の連結構造112、118のそれぞれは、AECD100内の制御された環境の維持を促進するように、可撤性または穿刺性/貫通性端部キャップまたはシール(図示せず)を携持することができる。
【0036】
実施形態では、チャンバ130は、流体または物質が流入することができる、あるいはその中へ流体または物質を引き込むことができる、空洞または区画を含むか、または形成し、通路132は、流体または物質がそれを通して流れることができる、あるいはそれを通して流体または物質を引き込むことができる、チャネルまたは孔を含むか、または形成する。チャンバ130および通路132は、第1のポート114を介して針20の孔と流体連通可能であるか、または流体連通している。通路132は、第1のポート114と第2のポート116との間に延在し、したがって、第2のポート116は、通路132を介して針20の孔と流体連通可能であるか、または流体連通している。個人の体内への針20の挿入または注入時に、血液等の体液は、針の先端24からチャンバ130および通路132の中へ流入することができ、または体液をチャンバおよび通路の中へ引き込むことができる。体液はさらに、通路132を通ってシリンジ50に流入することができるか、またはシリンジの中へ引き込むことができる。
【0037】
感知ユニット140は、チャンバ130と感知連通している、1組のセンサ、感知デバイス、または感知要素を含む。より具体的には、1組の感知要素が、信号をチャンバ内の物質に直接的または間接的に印加すること、チャンバ内に存在する物質の特定の性質を検出または測定すること、および/またはチャンバ内の物質に1つ以上の試験を受けさせることができるように、感知ユニット140は、チャンバ130と信号および/または物質連通している。特定の感知要素が、物質との直接接触を回避する方式で、チャンバ内の物質の性質を検出、測定、または検査し得る一方で、他の感知要素は、物質への直接アクセスまたは物質との物理的接触を介して、チャンバ内の物質の性質を検出、測定、または検査し得る。チャンバ130は、チャンバ130内で携持される物質への直接アクセスまたは物質との物理的接触を促進するように、1つ以上の開口部、窓、またはポートを含むことができる。
【0038】
特定のセンサまたは感知デバイスは、特定の時にチャンバ130内の物質の1つ以上の生理的性質に対応する感知信号を生成する。所与の1組の感知信号の性質または特性に応じて、1組の感知信号は、生理的パラメータの値または尺度を直接提供してもよく、または1組の感知信号は、生理的パラメータの相関要因または部分相関要因であり得る。1組の感知信号が1つ以上の生理的パラメータ相関要因または部分相関要因を提供する場合、少なくとも1つの生理的パラメータ値を生成、判定、または推定するように、いくつかの数値演算を、1組の感知信号内の信号の少なくとも一部に適用することができる。
【0039】
所与の感知デバイスは、感知デバイスが獲得するように構成されるある種類の信号、および/または感知信号を使用して生成する、あるいは得ることができる、ある種類の生理学的測定に対応する、感知デバイスモダリティに従って動作する。特定の感知デバイスは、圧力感知、光感知、温度感知、流体動態感知、化学種または生物学的種感知、または別のモダリティ等のモダリティに従って動作することができる。実施形態の詳細に応じて、1組のセンサまたは感知デバイスは、1つ以上の発光ダイオード(LED)、半導体レーザ、光学検出器(例えば、強度、ピークは長、または位相シフト等の光信号特性を検出するように構成することができる、フォトダイオード)、圧力センサ(例えば、ダイヤフラムおよび/または圧電変換器等の圧力変換器)、温度センサ(例えば、光学温度センサまたは熱電対)、流体流量センサ(例えば、ドップラ超音波変換器および検出器)、物質または環境感知電界効果トランジスタ(例えば、化学感知または化学修飾FET(ChemFET)、イオン感受性FET(ISFET)、酵素修飾FET(EnFET)、または電解質酸化物半導体FET(EOSFET))、電気泳動デバイス、生物学的マイクロチップ(例えば、バイオチップ)またはマイクロ流体ラボオンチップ(例えば、“An integrated microfluidic device for influenza and other genetic analyses,” Lab on a Chip, Royal Society of Chemistry 2005, 5, 1−9でRohit Palらによって説明されているような)、および/または他の感知要素あるいはデバイスを含むことができる。
【0040】
静脈対動脈プローブアクセスを示すことを対象とする実施形態では、1組の感知要素は、静脈対動脈血の異なる生理的性質を検出または区別するように構成される、1つ以上のデバイスを含むことができる。より具体的には、静脈血および動脈血は、異なる平均圧力、脈圧範囲、および血液酸素化特性を示す。実施形態では、1組の感知要素は、圧力センサと、血液酸素化センサとを含むことができる。例えば、圧力関連パラメータを感知することに関して、1組の感知要素は、チャンバ130の開口部に暴露されるダイヤフラム146に連結される、圧電圧力変換器144を含むことができる。チャンバ130が血管から供給される血液と流体連通している時、血管圧がダイヤフラム146に変位力を及ぼす。ダイヤフラム146は順に、遠位プローブ区分またはプローブ先端24における瞬間、準瞬間、または近瞬間血管圧力示度に対応する電気信号を生成する、圧電圧力変換器144に変位力を及ぼす。
【0041】
血液酸素化に関連するパラメータを感知するために、1組の感知要素は、1組のLED150(例えば、可視LEDおよび少なくとも1つの赤外線LED)と、光検出器152とを含むことができる。LED150は、特定の波長(例えば、約660nm、ならびに約905、910、および940nmのうちの1つ以上)における、またはそれを中心とした光信号を、チャンバ130の中へ発するように構成される。光検出器152は、チャンバ130を通して伝送される光信号を検出するように構成され、チャンバ130内の血液または別の物質による光信号吸収は、そのような信号の伝送強度に影響を及ぼす。特定の光波長に対応する、既知の酸素ヘモグロビンおよび/またはデオキシヘモグロビン吸光度スペクトルに基づいて、血液酸素化レベルまたは状態を判定することができる。したがって、この実施形態でのLED150および光検出器152が、酸素濃度計の複数部分を形成する。
【0042】
感知ユニット140は、連続的または周期的に、および/または、1つ以上のすでに感知したパラメータ値に対して所定の大きさを超える変化を示す、1つ以上の感知したパラメータ値に応答して、処理ユニット160および/またはメモリ170に信号(例えば、感知信号)を出力するように構成される。静脈対動脈プローブアクセスを示すことを対象とする上記の実施形態に関して、感知ユニット140は、一連の瞬間あるいは近瞬間圧力値および/または1組の測定された光信号値を、メモリ170に記憶することができる。
【0043】
処理ユニット160は、感知ユニット140の1つ以上の部分によって生成される信号を受信する、影響する、評価する、分析する、解釈する、および/または変換すること、ならびに針20の先端24が標的解剖学的部位、構造、または物質内に存在するかどうかを判定することを対象とする、プログラム命令シーケンス(例えば、ソフトウェアおよび/またはファームウェア)に対応するか、またはそれらを実行するように構成される、状態機械、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、あるいは特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはプログラマブル論理デバイス(PLD)を含むことができる。実施形態では、特定のプログラム命令シーケンスは、加えて、または代替として、針先端24が、1つ以上の非標的、望ましくない、勧められない解剖学的部位、構造、または物質内に存在するかどうかを判定することを対象とすることができる。さらに、そのようなプログラム命令シーケンスは、針先端24が、標的解剖学的目標または環境に向かった針挿入軌道に沿って、1つ以上の中間組織または解剖学的環境の中へ遷移しているか、その内側に存在するか、またはそこから離れて遷移しているかどうかを判定することを対象とすることができる。ある実施形態では、処理ユニット160の特定の構造部分または動作側面を、感知ユニット140内に含むか、または取り込むことができる。
【0044】
実施形態では、所与の種類の感知デバイスは、特定の感知モダリティに従って動作し、感知デバイスまたは感知信号の種類に応じて、直接的に、あるいは数値的相関または変換を介して、生理的パラメータ値、したがって、プローブ先端位置の指示を提供することができる、特定の種類の感知信号を生成する。処理ユニット160は、1組の数値演算によって、単一の種類の生理的パラメータ値、または互に異なる複数の別個の種類の生理的値を判定するように、所与の種類の感知デバイスに対応する1組の感知信号を使用するか、またはそれらに数値的に影響することができる。例えば、処理ユニット160は、所与の種類の感知デバイスによって生成される時系列の感知信号を使用して、生理的パラメータの平均値を生成することができる。加えて、または代替として、処理ユニット160は、加えて、または代替として、この時系列の感知信号を使用して、生理的パラメータ変動、範囲、振幅、または規模の最大または平均値を生成することができる。代表例として、処理ユニット160は、所定の期間(例えば、1〜10秒、30秒、1分、またはそれ以上)に関する平均血管圧値を判定するように、一連の感知した瞬間血管圧値を平均化することができる。処理ユニット160は、加えて、または代替として、所定の期間に対する最大および/または平均血管圧変動値を判定することができる。
【0045】
異なる種類の感知デバイスは、異なる、関連する、または同様の感知モダリティに従って感知信号を取得すること、あるいは異なる、関連する、または同様の種類の生理学的測定に対応する感知信号を生成することができる。例えば、圧力センサが、圧力測定に対応する信号を生成する一方で、化学種飽和センサは、化学種が身体的物質内で溶解または結合される程度に対応する信号を生成する。別の実施例として、ドップラ超音波デバイスおよび1組の光エミッタ/検出器/他の光学要素(例えば、ドップラまたは分光測定を行うように構成される)はそれぞれ、血流、血流変化、または血流の脈動側面を測定または推定するように構成することができる。一般に、処理ユニット160は、所与の生理的パラメータ値を生成または推定するように、単一または複数の種類の感知デバイスによって生成される感知信号に数値的に影響することができる。
【0046】
メモリ170は、a)プログラム命令シーケンス、b)感知ユニット140によって生成または出力される信号、あるいはそれらに対応する生理的パラメータ値、および、c)感知した生理的パラメータ値の判定、評価、または分析を促進する参照データを記憶するためのランダムアクセスメモリ(RAM)、ある種類のプログラム可能ROM(PROM)等の読み出し専用メモリ(ROM)、1組のレジスタ、または他のデータ記憶要素のうちの1つ以上を有する、電子的またはコンピュータプログラム可能または可読媒体を含むことができる。例えば、メモリ170は、感知した血液酸素化関連パラメータの評価または分析、および血液酸素化レベルまたは状態の判定を促進するように、1組のプログラム命令がアクセスできる、デジタル吸光スペクトルデータを記憶することができる。メモリ170はまた、以下でさらに詳述されるように、標的、非標的、および/または中間解剖学的構造あるいは物質に対する針先端の場所の分類への1組の感知した生理的パラメータ値の割当またはマッピングを促進するように、プログラム命令シーケンスがアクセスできる、(例えば、参照テーブル等のデータ構造内の)データも記憶することができる。1つ以上のプログラム命令シーケンスの実行と関連して、処理ユニット160は、針先端の感知した場所に対応する視覚および/または聴覚フィードバックの提供を促進するように、報告信号を出力ユニット180に発行または伝達する。種々の実施形態では、報告信号は、以下でさらに詳述されるように、針先端24が、(例えば、第1組の報告信号を介して)第1/標的解剖学的場所に存在するか、または(例えば、第1組の報告信号とは知覚的に異なる第2組の報告信号を介して)第2/非標的解剖学的場所に存在するかどうかを示すことができる。一実施形態では、報告信号はさらに、針先端24が、第1/標的解剖学的場所にも第2/非標的解剖学的場所にも存在しないかどうかを示すことができる(その場合、針先端24は、第1/標的解剖学的場所および第2/非標的解剖学的場所に無関係である解剖学的場所に存在し得る)。生理的パラメータ値をユーザ(例えば、外科医または他の医療専門家)または観察者に提示すること、および/または、標的、非標的、および/または中間解剖学的部位または構造に対するプローブ区分または先端24の位置を示すことを対象とする、自動シーケンス(例えば、プログラム命令実行を介して行われる)に対応することができる過程の特定の側面は、図8〜9を参照して以下で詳細に説明される。
【0047】
報告信号に応答して、出力ユニット180は、針先端24が標的または非標的解剖学的部位、構造、または物質に存在するか、あるいはその内側に存在するかどうかを(例えば、選択的に)示すことができる、視覚および/または聴覚信号を生成し、能動的に提供または伝達するように構成される。実施形態では、出力ユニット180は、非ゼロ量の電力を出力デバイスに印加することによって、針先端の場所の視覚および/または聴覚指示を能動的に提供または伝達し、それにより、出力デバイスを起動し、a)針先端24が第1または標的解剖学的部位に存在するかどうかを示すことができる、感覚フィードバック(視覚および/または聴覚フィードバック)をユーザまたは観察者に提供する第1の信号、および、b)針先端24が第2または非標的解剖学的部位に存在するかどうかを示すことができる、感覚フィードバックをユーザまたは観察者に提供する第2の信号を、選択的に発する、放射する、または外部に伝播する。一実施形態では、針先端24が、第1/標的解剖学的場所または第2/非標的解剖学的場所のいずれにも存在しないことを処理ユニット160が判定する場合に、出力ユニット180は、視覚および/または聴覚信号を能動的に出力することを回避するように構成することができる。代替として、出力ユニット180は、中立または中間針先端場所を示すことができる、感覚フィードバックをユーザまたは観察者に提供する、第3の信号を能動的に出力するように構成することができる。
【0048】
実施形態の詳細に応じて、報告信号は、通知信号および/またはアラート信号に対応することができる。通知信号は、感知ユニット動作に対応する、1つ以上の検出、測定、または推定された生理的パラメータ値を示すか、または提供することができる。通知信号は、例えば、血中酸素飽和レベル、血圧値、および/または拍動性尺度あるいは最高最低血圧差値等の1つ以上の生理的パラメータ値に対応する、視覚および/または聴覚信号を含むことができる。アラート信号は、二値または「はい/いいえ」の指示、あるいは意図した、または適切なプローブまたは針の位置付けの尤度指示(例えば、プログラム命令シーケンスの実行と関連して判定されるような、確率ベースの指示)を提供する、視覚および/または聴覚信号を含むことができる。実施形態では、アラート信号はさらに、二値または「はい/いいえ」の指示、あるいは意図しない、望ましくない、または正しくないプローブの位置付けの尤度指示を提供することができる。
【0049】
出力ユニット180は、同時または非同時(例えば、順次)に複数の報告信号を出力することができる。通知またはアラート信号は、AECDの起動後に本質的に継続的に、サンプル基準で、または周期的に、あるいは、標的または非標的解剖学的針先端留置に対応する1つ以上の生理的パラメータ値の最初の検出、もしくは生理的パラメータ値の所定の変化等のトリガイベントに応答して、提示することができる。
【0050】
一般に、出力ユニット180は、1つ以上の種類の出力デバイス、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)182、1組のLED184、および場合によってはスピーカ186等のオーディオデバイスを含むことができる。実施形態では、(例えば、リアルタイムで、近リアルタイムで、周期的に、または所与の量の生理的パラメータ変化に応じて)LCD182によって表示される通知信号は、特定の生理的パラメータ値、例えば、ヘモグロビン酸素飽和値、血圧値、および/または拍動性値を含むか、またはそれらに対応することができる。ユーザまたは観察者への特定の生理的パラメータ値の提示は、標的または非標的解剖学的部位に対するプローブ先端場所の判定または確認を促進することができる。先述に加えて、またはそれの代替案として、LCD182は、「静脈アクセス検出」および/または「警告―動脈アクセス検出」等のテキストアラート信号を表示することができ、そのようなアラート信号の一方または両方の視覚影響は、点滅等の視覚効果を介して強化され得る。
【0051】
1組のLED184は、1つ以上の感知、推定、または測定された生理的パラメータ値が、針先端24が標的部位(例えば、静脈)内に存在することを示す時または示している間に起動または照射される、第1のLED184aと、1つ以上の感知、推定、または測定された生理的パラメータ値が、針先端24が非標的部位(例えば、動脈)内に存在することを示す時または示している間に起動または照射される、第2のLED184bとを含むことができる。成功した静脈アクセスを示すこと、または確認すること、および動脈アクセスの場合にアラートを提供することを対象とする装置10について、第1のLED184aは、実質的に第1の色(例えば、青または緑)および場合によっては第1の起動パターン(例えば、連続照射)を有する、光を出力することができ、第2のLED184bは、実質的に第2の色(例えば、赤、または第1の色と視覚的に区別可能である別の色)および場合によっては第2の起動パターン(例えば、点滅)を有する、光を出力することができる。
【0052】
最終的に、スピーカ186は、針先端24が標的解剖学的部位に、またはその内側に位置付けられているかどうかを示す、音色またはデジタル音声信号等の第1の音響アラート信号を出力することができる。実施形態では、スピーカ186は、加えて、針先端24が非標的解剖学的部位に、またはその内側に位置付けられているかどうかを示す、第2の音響アラート信号を出力することができる。静脈アクセスを促進すること、および動脈アクセスを回避することを対象とする代表的実装では、第1音響信号は、「静脈アクセス検出」等の語句に対応するデジタル化音声信号を含むことができ、第2音響信号は、「警告―動脈アクセス検出」等の語句に対応するデジタル化音声信号を含むことができる。別の実施形態では、スピーカ186は、感知、推定、または測定された生理的パラメータの値に対応する、または値を示す、1つ以上の音響通知信号を出力することができる(例えば、スピーカ186は、内部身体音、圧力波、または圧力変化に対応する音響信号を出力することができる)。
【0053】
先述を考慮して、実施形態では、装置10は、出力デバイスの起動によって、標的および/または1組の非標的解剖学的部位、構造、あるいは物質に対するプローブ先端または遠位区分位置の1つ以上の指示を差異的に通信または伝達することができる。そのような実施形態では、出力ユニット180は、a)標的および非標的解剖学的部位に対する報告信号値またはプローブ先端位置のうちの少なくとも2つの状態活性指示を提供することが可能である、少なくとも1つの出力デバイス、または、b)標的および非標的解剖学的部位に対する報告信号値およびプローブ先端位置のうちの少なくとも単一の状態活性指示を提供することがそれぞれ可能である複数の出力デバイスを含むことができる。
【0054】
代表的実施形態では、表示デバイスは、2つの表示される値によって、2つの報告信号値の2状態活性指示を提供することができる。オーディオデバイスは、2種類の音色またはメッセージによって、2つの報告信号値の2状態活性指示を提供することができる。加えて、多色LEDまたは多色LEDアレイは、人間の眼によって容易に区別することができる異なる色の光を出力することによって、2つの報告信号値の2状態活性指示を提供することができる。
【0055】
図1Cは、本開示の別の実施形態によるAECD102のブロック図であり、図中、AECD102は、コンピュータシステム90(例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、または携帯用情報端末)または所与の医療機器92等の遠隔または外部デバイスと通信するように構成される。示された実施形態では、図1Bに関して上記で説明される要素を含むことに加えて、AECD102は、メモリ170、処理ユニット180、およびAECD102を電源190に選択的に連結するスイッチ192に連結される、通信ユニット185を含む。通信ユニット185はさらに、感知ユニット140に連結することができる。通信ユニット185は、超音波システムまたはデバイス(例えば、携帯用超音波ユニット)および同等物等の遠隔コンピュータシステム90または医療デバイス92を伴う、無線またはワイヤベースの信号伝達のために構成することができる。代表的実装では、通信ユニット185は、無線周波数(RF)通信回路を含む。
【0056】
したがって、ある実施形態では、本明細書で説明されるものを含む、本発明の感知デバイスは、遠隔デバイスへのデータの出力、遠隔デバイスからのデータのアップロードまたは受信、あるいはデータの出力および受信の両方を含む、別の別個または遠隔デバイスとの通信において動作可能であり得る。本発明のデバイスから遠隔デバイスへのデータの出力は、例えば、遠隔デバイスディスプレイまたは画面上の感知デバイスからのデータの視覚表示に対して選択され得る。遠隔デバイスからのデータは、ある場合においては、本発明の感知デバイスによって受信され得、遠隔デバイスからのデータは随意で、感知デバイス上に表示される。
【0057】
通信ユニット185によって、AECD102は、一連の生理的または生理的相関パラメータ値を、1つ以上の遠隔システムまたはデバイス90、92に伝達することができる。加えて、または代替として、通信ユニット185は、報告信号あるいは通知および/またはアラート信号を遠隔システムまたはデバイス90、92に伝達することができる。生理的または生理的相関パラメータ値、報告信号、通知信号、およびアラート信号のうちの1つ以上は、そのような伝達を促進するように、メモリ170の中に存在することができる。AECD102と遠隔システムまたはデバイス90、92との間の信号伝達は、AECD102が動作中である間に、リアルタイムで、近リアルタイムで、イベントに誘起されて、またはコマンド応答に基づいて発生することができる。実施形態では、遠隔システムまたはデバイス90、92への信号伝達は、チャンバ130内の血液または別の体液の検出(例えば、光学的検出)に応答して、開始または誘起することができる。加えて、または代替として、AECD102から遠隔システムまたはデバイス90、92への信号伝達は、医療処置データアップロード過程を含むことができ、該データアップロード過程は、医療処置に対応する1つ以上の時間間隔中(例えば、CVC留置手技と関連するAECD起動/チャンバ流体検出後15または30分の期間中)、またはそれらの全体を通して、感知および/または処理ユニット140、160がメモリ170に記憶または記録した生理的または生理的相関パラメータ値、報告信号、通知信号、および/またはアラート信号の伝達を伴う。さらに、実施形態では、(例えば、所与の医療適応を考慮して)必要に応じて(例えば、ファームウェア更新、プログラム命令シーケンス、またはプログラマブル論理構成ビットストリームの伝達によって)AECD102をプログラム可能に再構成することができるように、通信ユニット185は、遠隔コンピュータシステム90からメモリ170へ、AECD構成データまたはプログラム命令セットをダウンロードまたは受信することができる。
【0058】
実施形態では、感知ユニット140および/または処理ユニット160は、本質的に連続的に、またはサンプル基準で(例えば、約0.5〜500ミリ秒毎、または約2.5〜250ミリ秒毎、または約5、10、50、あるいは100ミリ秒毎)測定またはサンプリングされた圧力および/または生理的パラメータ値をメモリ170に記憶または記録することができる。通信ユニット185は、個々の圧力値を受信し、対応する圧力波形(例えば、血管圧波形)を表示および/または分析するように構成される遠隔デバイス92に、記憶された圧力値を伝達することができる。そのような伝達は、本質的にリアルタイムまたは近リアルタイムで、あるいは遅延基準で発生することができる。
【0059】
図2Aは、本開示の別の実施形態による、プローブ区分またはプローブ先端の場所を示すための装置12の斜視図である。実施形態では、装置は、少なくとも1つの補助、付加、従属、または補足のアクセス構造、部材、またはシャフト120を有する、AECD104に連結されるプローブまたは針20を含む。補助アクセス構造120は、AECDの通路132との流体連通のために構成される、補助アクセスポート122を含む。実施形態では、補助アクセスポート122は、補助アクセス構造120によって携持されるチャネル124の遠位部分または端に存在する。チャネル124の近位部分または端は、補助アクセスポート122が通路132と流体連通可能であるか、または流体連通しているように、開口部を介してAECDの通路132に連結される。補助アクセス構造120は、AECD104の表面または側面から離れて所定の角度(例えば、約45度)で延在することができる。一般に、補助アクセス構造120は、出力ユニット180を携持するAECD表面または側面からオフセットしている。
【0060】
補助アクセスポート122は、AECD104の通路132の中へ、および場合によってはAECD104を通して針20の中へ、または針を通した、1つ以上の種類の補助または付加デバイスの挿入を促進する。補助デバイスは、例えば、ガイドワイヤ60、または患者の体内への挿入のために構成される1組の感知要素を携持する感知デバイスを含むことができる。補助アクセス構造120は、シールが除去または穿刺されるまで、外部環境へのAECD104内に存在する流体の暴露を防止する、可撤性または穿刺性/貫通性端部キャップまたはシール(図示せず)を携持することができる。加えて、補助アクセス構造120は、補助アクセスデバイス挿入後に補助アクセスデバイスの周囲の漏出防止または耐漏出性シールの維持を促進する、1つ以上のOリング(例えば、補助アクセス構造120の遠位区分または端に位置する、または位置付けられる)等の1組の動的密閉要素128を含むことができる。動的密閉要素128の存在は、ガイドワイヤ60等の補助アクセスデバイスがAECD104の一部分内に存在した後に、感知した血圧値が正確または一貫したままであることを確実にすることができる。
【0061】
実施形態の詳細に応じて、補助アクセス構造120は、補助アクセスポート122および補助アクセス構造のチャネル124の中へのガイドワイヤまたは他のデバイス(例えば、1組の光ファイバ)の挿入後にAECD104内の圧力完全性の維持を促進する、1つ以上の種類の構造要素を携持するか、または含むことができる。ガイドワイヤまたは他のデバイスの周囲のシールの維持を促進する、特定の種類の構造要素は、以降で詳細に説明される。
【0062】
図2Bは、ウェブ付きOリング構造1000の断面図であり、図2Cは、本開示の実施形態による、ガイドワイヤ60の周囲の密閉構成のウェフ゛付きOリング構造1000の断面図である。実施形態では、ウェブ付きOリング構造1000は、Oリング1002の内径dに及ぶ弾力のある穿刺性皮膜または膜1010を携持する、Oリング1002を含む。膜1010を通したガイドワイヤ挿入時に、ガイドワイヤ60を包囲する膜1010の一部分は、ガイドワイヤの周囲に動的に一致し、それにより、ガイドワイヤ60と膜1010との間に連続シールを確立する。代表的実装では、Oリングおよび膜1010のそれぞれは、シリコーンを使用して作製することができる。
【0063】
図2Dは、本開示の実施形態による、可撓性シール構造1050の断面図である。実施形態では、可撓性シール構造1050は、補助アクセス構造120の挿入端に、それに近接して、またはそれに沿って携持される、複数の穿刺性シール要素1052を含む。各シール要素1052は、例えば、シリコーンを含むことができる、穿刺性で弾力がある、または可撓性の材料を含む。個別に、ガイドワイヤ挿入時に、ガイドワイヤ60を包囲する各所与のシール要素1052の一部分は、ガイドワイヤの周囲に動的に一致する。したがって、複数のシール要素1052を通したガイドワイヤ挿入後に、複数のシール要素1052は、AECD内環境の完全性の維持を促進する、複合シールを形成する。
【0064】
図2Eは、ガイドワイヤ60の周囲の弛緩構成の固定可能または係止可能密閉構造1080の断面図であり、図2Fは、本開示の実施形態による、ガイドワイヤ60の周囲の密閉構成の係止可能密閉構造1080の断面図である。実施形態では、係止可能密閉構造1080は、補助アクセスポートに近接する補助アクセス構造120の一部分によって携持されるOリング1082と、補助アクセスポート122の中へ嵌合して嵌入するノブ1084とを含む。ノブ1084は、ガイドワイヤ60または他のデバイスの周囲に適応するように寸法決定される、それを通る開口部またはチャネル1086を含む。
【0065】
ノブ1084の外側部分および補助アクセスポート122の内側部分は、補助アクセスポート122の中のノブ1084のネジ型挿入および選択可能係止(例えば、手動、またはノブ調整ツールの使用による)を促進する、対応ネジ山要素を携持することができる。ノブ1084が第1または非係止位置にとどまる時に、Oリング1082は圧縮されていない。したがって、ノブのチャネル1086を通って延在するガイドワイヤ60は、ガイドワイヤ60とのOリング接触に起因する摩擦が最小限であるか、わずかであるか、または全くない状態で補助アクセス構造のチャネル124の長さに沿って、その中へ摺動可能に移動することができる。第2または係止位置までノブ1084に回すことにより、Oリング1082を圧縮し、それにより、Oリング1082がガイドワイヤ60の周囲に隣接して包囲し、ガイドワイヤ60の周囲にシールを形成するように、Oリングの内径を減少させる。ノブ1084を係止位置に遷移させることにより、それに応答して、ガイドワイヤ60を定位置で係止することができる。
【0066】
図2Gは、本開示のさらなる実施形態による、プローブ区分またはプローブ先端の場所を示すための装置14の斜視図である。装置14は、プローブまたは針20と、補助アクセスポート122を有するAECD104と、場合によってはシリンジ50とを含む。実施形態では、装置14は、加えて、ガイドワイヤ60と、ガイドワイヤ保持デバイス70とを含む。一般に、ガイドワイヤ保持デバイス70は、AECD104の複数部分を解放可能に携持することができ、以下で詳述されるように、ガイドワイヤ保持デバイス70からのAECDの除去後にガイドワイヤ60を保持すること、把持すること、捕捉すること、または締め付けることができる、1組の受容構造を含む。ガイドワイヤ保持デバイス70は、ガイドワイヤの長さの所与の部分、またはそれに沿ったガイドワイヤ60の捕捉部と関連して、一体ユニットまたは別個のユニットとして、ガイドワイヤ60からのAECD104および針20の引き出しを促進する。
【0067】
ガイドワイヤ保持デバイス70は、第1の受容部分72aおよび第2の受容部分72bを含むことができ、それらは、第1および第2のヒンジ部材74a、74bによって第1および第2のヒンジ点で、またはその周囲で枢動可能に連結され、第1および第2のヒンジ部材74a、74bは、その一方または両方が弾性的に解放可能および/または位置的に係止可能である。ガイドワイヤ保持デバイス70は、捕捉端76と、受容端78とを含む。実施形態では、一方または両方のヒンジ部材74a、74bは、第1および第2の受容部分72a、72bの間の分離または間隙がガイドワイヤ60の直径よりもわずかに小さくなるように、第1および第2の受容部分72a、72bが、ガイドワイヤ保持デバイスの捕捉端76で相互に近くか、または略近接して保持される捕捉位置で、ガイドワイヤ保持デバイス70を維持する、バネ等の付勢要素を含むことができる。
【0068】
AECD104は、ガイドワイヤ保持デバイスの受容端78に挿入することができ、第1および第2の受容部分72a、72bは、AECDの周囲の部分の周辺に位置付けるか、または固定することができ、それにより、ガイドワイヤ保持デバイス70を携持位置で維持する。第1および第2の受容部分72a、72bの一方または両方は、ガイドワイヤ保持デバイス70の中へのAECD104の挿入に応答して、AECDの周囲の一部分の周辺で第1および/または第2の受容部分72a、72bの自動または半自動閉鎖を促進する、輪郭内面を含むことができる。携持位置にある間、第1および第2の受容部分72a、72bは、ガイドワイヤ保持デバイスの、a)受容端78で、AECD104の外側または外部外形に対応する距離だけ、および、b)捕捉端76で、ガイドワイヤ60の直径を超え、AECDの第1の連結構造112への針20の障害のない、または概して邪魔のない連結を促進する距離だけ、相互から分離される。
【0069】
代表的な医療処置と関連して、ガイドワイヤ保持デバイス70は最初に、AECD104を保持または携持することができ、針の連結構造28は、AECDの第1の連結構造112に嵌合することができる。本開示の実施形態に従って、患者の体内への針20の挿入、および、針20の先端24が標的解剖学的場所(例えば、左内頸静脈等の血管構造)に、またはその内側に存在するという判定後に、ガイドワイヤの一部分が標的解剖学的場所に、またはその内側に存在するように、AECD104および針20の中へ、かつそれらを通してガイドワイヤ60を挿入することができる。AECD104および針20は、後に、ガイドワイヤ保持デバイス70が静止または略静止位置で保持されている間に、例えば、患者の身体からAECD104および針20を引き離す力によって、ガイドワイヤ60から引き出すことができる。ガイドワイヤ保持デバイス70からのAECD104および針20の除去時に、第1および第2の受容部分72a、72bが、ガイドワイヤ保持デバイスの捕捉端76においてガイドワイヤ60を把持または保持するように、ガイドワイヤ保持デバイス70は、弾性的に、または自動的に、保持位置に遷移することができる。
【0070】
図3は、本開示の別の実施形態による、プローブ区分またはプローブ先端の場所を示すための装置16の斜視図である。実施形態では、装置16は、プローブまたは針20と、補助アクセスポート122を有し得るAECD104と、場合によってはシリンジ50とを含む。実施形態では、装置14は、加えて、AECD104に連結され、特定の実施形態では、除去可能、解放可能、または着脱可能にAECD104に連結される、可動または再配置可能拡張器または拡張器アセンブリ80を含む。一般に、再配置可能拡張器80は、拡張部材84、第1の位置付け部材85、および解放要素88を携持する、支持アーム82を含む。AECD104は、針20の孔に平行である方向または軸に沿ったAECD104に対する拡張器80の調整可能または摺動可能な移動を促進する方式で、第1の位置付け部材85の中へ嵌合して嵌入する、またはそれを受容する、第2の位置付け部材86を携持することができる。代表的実装では、第1の位置付け部材85は、溝またはスロットを有する受容構造を含むことができ、第2の位置付け部材86は、スロットの中への挿入、およびスロットの長さに沿った進行性変位のために構成される、背骨部を含むことができる。拡張器80は、レバーまたはノブ等の位置制御要素89を携持することができる。
【0071】
拡張部材84は、近位端で所定の最大直径、遠位端で所定の最小直径、ならびにその近位端と遠位端との間で進行性直径漸減を有する、先細の中空エンクロージャを含む。所定の最小直径は、針の直径よりもわずかに大きい。拡張器80は、一体ユニットとしてAECD104および針20を受容することができる。より具体的には、第1の位置付け部材85が、第2の位置付け部材86を携持するAECD104の側面または表面の一部分に沿って存在し、拡張部材84が針のシャフト22の一部分を包囲するように、拡張器80に連結されたAECD104および針20を拡張器80に載置することができる。
【0072】
位置制御要素89は、拡張器支持アーム82の平行移動、したがって、針のシャフト22に沿った拡張部材84の平行移動を促進する、ノブまたはレバーであり得る。外科医は、針20のシャフト22に沿って、針先端進入部位で患者の組織の中へ拡張部材84を前進させることができる。針20を患者の身体および拡張部材84から引き出すことができるように、解放要素88は、拡張器の第1の位置付け部位85からAECD104によって携持される第2の位置付け部位86を解放または切り離すことができる。
【0073】
ある実施形態では、感知動作を促進する1つ以上の要素またはデバイスを、患者の体内に携持または挿入することができる。より具体的には、特定の種類の信号および/または物質を、プローブ20内で、プローブの先端24において、またはそれに近接して、あるいは患者の体内のプローブの先端を越えた場所で検出することができるように、1組の感知要素またはデバイスを、針またはプローブ20のシャフト22の中へ前進させること、シャフト22によって携持すること、またはシャフト22を通して前進させることができる。内部身体使用に好適な感知要素またはデバイスは、光ファイバ、光学検出器、超音波変換器、超音波検出器、導線、電気センサ、圧力センサ、化学センサ、および/または他のデバイスのうちの1つ以上を含むことができる。AECD100、102、104の複数部分は、以降でさらに詳述されるように、内部身体感知要素またはデバイスに適応する、および/またはそれらと相互動作するように構成することができる。
【0074】
図4Aは、本開示の実施形態による、1組の感知要素210を携持するプローブ200の斜視図である。1組の感知要素210は、例えば、1つ以上の光ファイバ、発光または光学検出デバイス、導線、電極または電気接点、圧力センサ、超音波変換器または超音波検出器、生物学的または化学物質センサ、あるいは他の要素を含むことができる。実施形態では、プローブ200は、遠位区分または先端204、およびプローブ感知継手208に連結される近位端206を有する、シャフト202を含む。プローブ感知継手208は、1組の感知要素の一部分を携持、包囲、または封入する、ルアーまたは他の種類のアダプタ、コネクタ、スリーブ、カラー、またはロックを含むことができる。プローブ感知継手208は、例えば、メスルアーロック継手を含むか、またはそれに対応することができる。
【0075】
1組の感知要素210の少なくとも一部分は、プローブのシャフト202によって携持される。1組の感知要素210は、図4Bを参照して以下でさらに詳述されるように、AECD100、102、104との感知した信号の通信を促進する方式で、プローブ感知継手208に連結される。
【0076】
1組の感知要素210は、AECD100、102、104との信号通信を促進するように、プローブ感知継手208によって携持される1組の信号インターフェース要素または構造228を含むことができる。例えば、1組の信号インターフェース要素228は、光ファイバインターフェースまたはレンズ、あるいは電気接点またはピンのうちの1つ以上を含むことができる。そのような信号インターフェース要素228は、プローブ感知継手208に対する所定の位置に存在し、信頼できる信号通信を促進するように特定の方式でAECD100、102、104の特定の部分と嵌合することができる。
【0077】
実施形態では、プローブのシャフト24は、プローブの先端204と近位端206との間の流体連通を防止するように、実質的に、または完全に閉塞することができる。別の実施形態では、プローブのシャフト202は、そのような流体連通を促進するように、それを通る導管を含むことができる。プローブのシャフトが実質的に中空であるか、または導管を含む実施形態では、感知または分析のためにAECD100、102、104の中へ、および/またはAECD100、102、104に連結されるシリンジ50の中へ、体液が流入することができるか、または体液を引き込むことができる。
【0078】
図4Bは、本開示の実施形態による、プローブ感知継手208との信号通信のために構成されたAECD感知継手320の斜視図である。実施形態では、AECD感知継手320は、1組の信号インターフェース要素322を携持する1つ以上の連結、継手、固定、保持、または接続構造を含む。そのような連結構造は、ルアーまたは他の種類のアダプタ、先細部、カラー、スリップ、コネクタ、またはロックを含むことができる。例えば、AECD感知継手320は、オスルアーロック構造を含むか、またはそれに対応することができる。
【0079】
AECD感知継手320によって携持される信号インターフェース要素322は、プローブ感知継手208によって携持される信号インターフェース要素228と構造的に嵌合し、機能的にそれに対応するように構成される。したがって、AECD感知継手320によって携持される信号インターフェース要素322、およびプローブ感知継手208によって携持される信号インターフェース要素228は、プローブ200によって携持される1組の感知要素210とAECD100、102、104との間で一貫して信頼できるエラーのない信号伝達を促進する、構造および機能的対応物である。
【0080】
先述に加えて、感知動作を促進し、患者の体内に挿入され、体内で携持される、あるデバイスまたは要素は、例えば、AECDの補助アクセスポート122を介して、患者の体内の場所から、AECD100、102、104の中へ、かつそれらを通って遠隔または外部デバイス90、92まで延在するように、遠隔または外部デバイス90、92に連結することができる。そのようなデバイスまたは要素は、図5A−5Bを参照して以下でさらに詳述されるように、例えば、感知要素を携持する光ファイバ、導線、またはガイドワイヤを含むことができる。
【0081】
図5Aは、本開示の実施形態による、1組の感知要素300を携持するプローブまたは針20の斜視図である。そのような感知要素300は、実施形態の詳細に応じて、例えば、プローブまたは針20を通って延在する1つ以上の光ファイバおよび/または導線を含むことができる。そのような感知要素300はさらに、1つ以上の遠位信号伝達要素またはデバイス310を含むことができる。例えば、光ファイバを伴う実施形態での遠位信号伝達デバイス310は、プローブまたは針20の先端24において、それに近接して、またはそれを越えて位置付けられる、1つ以上のレンズ、回折格子、または他の光学要素を含むことができる。導線を伴う実施形態での遠位信号伝達デバイス310は、プローブの先端24において、それに近接して、またはそれを越えて携持される、特定の種類の電気、生物学的、または化学感知要素(例えば、電気センサ、圧力変換器、または超音波変換器)を含むことができる。所与の光ファイバ、光学要素、導線、および/または感知要素は、プローブまたは針20内の所定の位置で(例えば、プローブの先端24に近接して、および/またはプローブの連結構造28に近接して)保持または固定することができる。一般に、一群の光ファイバおよび/導線は、AECDの補助アクセスポート122の中へ、AECD100、102、104を通して、プローブまたは針20の中への挿入の容易性を促進するように、連結または結束することができる。1組の光ファイバおよび/または導線の遠隔または外部端は、遠隔または外部コンピュータシステムまたは医療デバイス90、92に連結することができる。
【0082】
図5Bは、本開示の実施形態による、感知ガイドワイヤ400を携持する針の斜視図である。実施形態では、感知ガイドワイヤ400は、例えば、1組の光ファイバおよび/または導線410、ならびに、それぞれ、光ファイバまたは導線の末端または遠位区分または端において、対応する1組の光学要素および/または感知デバイス412を携持することができる。以前に説明された方式で、感知ガイドワイヤ400を、AECD100、102、104の中へ、かつそれを通して、プローブまたは針20の中へ挿入することができる。感知ガイドワイヤ400の遠隔または外部端は、遠隔または外部コンピュータシステムまたは医療デバイス90、92に連結することができる。
【0083】
代表的な一体化実施形態の側面
ある実施形態では、プローブ先端の場所を示すか、または検証するための装置またはデバイスの1つ以上の部分を、プローブ、シリンジ、または別の装置あるいはデバイスの複数部分によって一体的に携持することができる。以下に続く説明では、図1A−5Bのうちの1つ以上に関して記載された参照番号と同一または類似である、参照番号の記載は、以前に説明されたものと同一または類似である要素を示す。
【0084】
図6Aは、本開示の実施形態による、代表的なAECD針アセンブリまたは針AECD500の斜視図である。実施形態では、針AECD500は、AECD部分510に一体的に連結される針部分520を含む。針部分は、シャフト522と、遠位端または先端524とを含む。シリンジ50への連結を促進することができる、ルアー型継手等の連結構造528を、AECD部分510によって携持することができる。針部分520は、先端524と連結構造528との間に延在する、それを通る孔または導管を含む。実施形態では、針部分の孔の一部が、AECD部分510内の通路532を形成する。
【0085】
AECD部分510は、図1Bおよび1Cを参照して上記で説明されるのと類似した方式で、感知ユニット140、処理ユニット160、メモリ170、および電源190を一体的に携持する。感知ユニット140、処理ユニット160、およびメモリ170のうちの1つ以上は、LCDディスプレイ182、1組のLED184、および/またはオーディオデバイス186等の1組の出力デバイスまたは要素を含む、出力ユニット180に連結することができる。LCDディスプレイ182および1組のLED184は、それにより針AECD500の外部に生成される視覚LCDおよびLED信号の伝送または伝播をそれぞれ促進する方式で、携持することができる。同様に、オーディオデバイス186は、それにより針AECD500の外部に生成される音響信号の伝送または伝播を促進する方式で、針AECD500によって携持することができる。起動スイッチ192が、感知ユニット140、処理ユニット160、メモリ170、および出力ユニット180を、電源190に選択的に連結することができる。
【0086】
図6Bは、本開示の実施形態による、代表的なAECDシリンジアセンブリまたはシリンジAECD550の斜視図である。実施形態では、シリンジAECD550は、プランジャ要素565が移動または存在することができる、中空または概して邪魔のないシャフト562を有する、シリンジ部分560を含む。シャフト562は、針20への連結を促進することができる、ルアー型継手等の連結または継手構造568を携持する、遠位部分または端564を含む。シリンジ部分560のシャフト562は、針AECD500について上記で説明されるものと同一または同様である方式で構成される、AECD部分580を一体的に携持する。
【0087】
図6Cは、本開示の実施形態による、ラインベースのAECDアセンブリまたはインラインAECD600の斜視図である。実施形態では、インラインAECD600は、上記で説明される1つ以上のAECD実施形態100、102、104、500、510と構造的および/または機能的に類似しているが、可撓性または剛体の第1の管またはライン620および/または第2の管またはライン625に着脱可能または着脱不可能に連結される、AECD部分610を含む。第1の管またはライン620は、針20に連結することができ、第2のライン625は、ライン継手または連結器(例えば、ルアー型継手)628に連結することができる。体液は、AECD部分610を通過することを介して、針先端24、第1の管またはライン620、および第2のライン625の間を流れることができる。実施形態では、AECD部分610が針20に直接連結されるように、第1の管またはライン620を省略することができる。
【0088】
代表的なプローブ場所指示過程の側面
関心の生理的パラメータに対して、特に、典型的、正常、または健康な患者、ならびにあまり典型的ではない、異常な、または健康を損なった患者等の、異なる患者下位集団が考慮される時に、所与の患者集団がある範囲の生理的パラメータ値を示し得る。例えば、血管アクセス手技に関連し得る、特定の生理的パラメータ値範囲が、表1〜3を参照して以下で示され、腰椎穿刺手技に関連し得る、ある生理的パラメータ値範囲が、表4を参照して以下で示される。
【0089】
表1は、低血圧状態、正常血圧状態、および高血圧状態に対応する、患者の状態と関連付けられる代表的な静脈および動脈血圧範囲を図示する。
【0090】
【表1】

表2は、代表的な静脈および動脈圧変動、つまり、静脈および動脈に対応する、典型的な、または予期される最高最低脈圧差を図示する。
【0091】
【表2−1】

【0092】
【表2−2】

表3は、低い、正常な、および高い患者ヘモグロビン酸素飽和状態に対応する、代表的な静脈および動脈ヘモグロビン酸素飽和値範囲を図示する。
【0093】
【表3】

表4は、浸透圧力、タンパク質濃度、グルコース濃度、赤血球濃度、および白血球濃度に対応する、低い、正常な、および高いパラメータ値を含む、特定の患者集団に対する腰椎穿刺手技に関連し得る脳脊髄液パラメータの代表的な値または値範囲を図示する。
【0094】
【表4−1】

【0095】
【表4−2】

上記の表1〜3または表4で示されるもの等の生理的パラメータ変動の結果として、標的解剖学的構造あるいは物質、非標的解剖学的構造あるいは物質、および/または患者状態あるいは分類に対応する、1つ以上の参照または閾値生理的パラメータ値または値範囲を、プログラム命令シーケンスがアクセスできるメモリ170の一部分に(例えば、表等のデータ構造に)記憶することができる。例えば、図7は、本開示の実施形態による、静脈血圧閾値、動脈血圧閾値、静脈ヘモグロビン飽和閾値、および動脈ヘモグロビン飽和閾値に対応するデータまたは値を記憶する、代表的なデータ構造または表700のブロック図である。実施形態では、データ構造または表700は、加えて、静脈の脈圧変動閾値および動脈の脈圧変動閾値を記憶することができる。データ構造または表700内の特定のデータ値は、メモリ170の中に存在することができる。
【0096】
所与の参照生理的パラメータ値または値範囲は、解剖学的環境、組織、または物質の種類に従って、非参照生理的パラメータ値の分類またはマッピングを促進する、値の遷移レベルまたは値の間隔をそれぞれ表すことができ、ここで、非参照生理的パラメータ値は、感知ユニット140によって生成された1組以上の感知信号を使用して、感知、測定、計算、または推定された。実施形態では、非参照感知生理的パラメータ値が、参照生理的パラメータ上限を下回る、参照生理的パラメータ下限を上回る、または所与の種類の解剖学的環境に対応する、あるいはそれを示す参照生理的パラメータ値範囲内である場合、非参照感知生理的パラメータは、解剖学的環境に対応する、あるいはそれを示すものとして定義されることができる。
【0097】
プログラム命令シーケンスは、参照生理的パラメータ値または値範囲の少なくとも一部に対して、1回以上、1組の感知したパラメータ値を評価または分析することができ、その後、出力ユニット180が、a)針先端24が現在存在している環境、組織、または物質の種類(例えば、標的解剖学的環境または非標的解剖学的環境)、b)医療処置の複数部分中に、針先端24が標的または非標的環境、組織、あるいは物質に、またはその内側に位置付けられているかどうかの可能性、および/または、b)患者状態情報を示す、または伝達する、いくつかの通知および/またはアラート信号を提示することができる。プローブ先端位置および/または患者状態情報を判定し、対応する通知またはアラート信号を提供するための代表的な過程は、図8〜9を参照して以降で詳細に説明される。
【0098】
図8は、本開示の実施形態による、標的血管構造または物質に対するプローブまたは針先端の位置付けを示すための過程800のフロー図である。例えば、処理ユニットのプログラム命令の実行を介して、過程800の特定の部分を行うことができる。実施形態では、過程800は、AECD100、102、104をプローブまたは針20に連結すること、および場合によってはAECD100、102、104をシリンジ50に連結することを伴う、第1の過程部分810を含む。第2の過程部分812は、(例えば、起動スイッチ192を介して)AECD100、102、104を起動することを伴い、第3の過程部分814は、患者の組織にプローブまたは針20を挿入することを伴う。
【0099】
過程800はさらに、例えば、プローブまたは針先端24からプローブまたは針20の孔を通して、チャンバ130の中へ流入する、または引き込まれる体液に起因する、光信号の変化および/またはチャンバ圧力遷移を検出することによって(例えば、光検出器152および/または圧電変換器144を介して)、AECDのチャンバ130内の身体物質または体液の存在を検出することを伴う、第4の過程部分820を含む。過程800はまた、チャンバ130の中の流体に対応する1組の生理的または生理的相関パラメータ、例えば、瞬間または平均流圧、最大流圧変動または範囲、およびヘモグロビン酸化状態と相関する1組の光学パラメータのうちの1つ以上を感知する、検出する、測定する、判定する、または推定することを伴う、第5の過程部分830も含む。
【0100】
第6の過程部分840は、チャンバ130内の流体に対応する1組の感知または測定された生理的パラメータ値を特性化する、評価する、または分析することを伴う。実施形態では、第6の過程部分840は、生理的パラメータの値の尺度または推定値への特定の感知された生理的パラメータ相関値の変換または換算を伴うことができる。例えば、第6の過程部分840は、参照光学的吸収スペクトルデータを考慮して、感知または測定された光信号に基づく、酸素化、脱酸素化、または他のガス飽和状態の判定または推定を伴うことができる。実施形態では、第6の過程部分840はさらに、静脈血と動脈血との区別、したがって、静脈または動脈内のプローブまたは針先端の位置付けの区別を促進するために、メモリ170の中に(例えば、データ構造700内に)記憶された1つ以上の参照または閾値生理的パラメータ値に対する感知または測定されたパラメータ値の比較を伴う。例えば、感知または測定されたパラメータ値が、約40mmHg未満の平均圧力、約15mmHg未満の圧力変動、および約60%未満のヘモグロビン酸素飽和を示す場合、第6の過程部分840は、プローブまたは針先端24が静脈の中に存在すると判定することができる。感知または測定されたパラメータ値が、約45mmHgより大きい平均圧力、約20mmHgより大きい圧力変動、および約80%より大きいヘモグロビン酸素飽和を示す場合、第6の過程部分840は、プローブまたは針先端24が動脈の中に存在すると判定することができる。
【0101】
実施形態では、1組の参照パラメータ値に対する1つ以上の感知または測定されたパラメータの比較、評価、または分析が、組織または流体種類の判定において不確定性を生じる場合、第6の過程部分840は、組織または流体種類の判定に対応する可能性または信頼値を生成することができる。そのような可能性または信頼値は、外科医または他の医療専門家への(例えば、通知信号としての)後続の提示または表示のために、1組の報告信号に含むことができる。
【0102】
第7の過程部分850は、報告信号を生成し、出力ユニット180に伝達または発行することを伴い、報告信号は、通知および/またはアラート信号に対応するか、またはそれらを含むことができる。第8の過程部分860は、例えば、以前に説明された1つ以上の方式で、1つ以上の出力デバイスを使用した、通知および/またはアラート信号の提示を伴う。第8の過程部分860を介して、a)LCD182または他の表示デバイスが、感知、測定、または推定された生理的パラメータ値を提示または出力することができ、および/または、b)プローブまたは針20の先端24が標的または非標的型の身体組織または体液の中に存在することを示すように、1組のLED184またはオーディオデバイス186を起動することができる。実施形態では、信頼値をLCD182または1組のLED184によって示すことができる。
【0103】
第9の過程部分870は、更新された通知および/またはアラート信号を連続または周期的に提示することができるように、第5から第8の過程部分830〜860を繰り返すことを伴う。第9の過程部分870は、プローブまたは針先端24が標的または意図した種類の身体組織または体液の中にとどまるか、非標的または意図しない種類の身体組織または体液の中に移動したかどうかという判定を促進することができる。
【0104】
第10の過程部分880は、針20が標的または意図した身体組織または物質の中に正しく位置付けられているか、あるいは位置するかどうかを判定することを伴う。もしそうでなければ、第11の過程部分885は、針20を再配置すること、または引き出すことを伴うことができる。実施形態の詳細または検討中の医療処置の性質に応じて、過程800は、針の再配置または引き出しと関連して第5の過程部分830に戻ることができる。
【0105】
(例えば、通知および/またはアラート信号に基づく)標的、意図した、または望ましいプローブまたは針先端の位置付けの指示または確認に基づき、第12の過程部分890は、AECDの補助アクセスポート122の中へ、AECD100、102、104を通し、およびプローブまたは針20の孔の中へ、またはそれを通した、ガイドワイヤまたは1組の光ファイバの挿入を伴うことができる。実施形態では、第13の過程部分895は、AECD100、102、104、および/またはプローブあるいは針20の除去、ならびに検討中の医療処置の継続を伴う。
【0106】
図9は、本開示の実施形態による、脊椎あるいは腰椎穿刺標的識別および/または脊椎あるいは腰椎穿刺パラメータ報告過程900のフロー図である。実施形態では、過程900は、AECD100、102、104を針20に連結し、さらにAECD100、102、104をシリンジ50に連結することを伴う、第1の過程部分910を含む。第2の過程部分912は、AECD100、102、104を起動することを伴う。第3の過程部分914は、AECDのチャンバ130内の圧力を測定することによって、初期圧力参照値を確立することを伴う。実施形態の詳細に応じて、第3の過程部分914は、針20の孔を通し、AECD100、102、104の中へ、かつそれを通して、シリンジ50の中へ空気を引き込み、それにより、それに対応して針20の先端24とAECDのチャンバ130との間に空気柱を確立することを伴うことができる。代替として、第3の過程部分914は、例えば、AECD100、102、104の中へ食塩水を引き込むことによって、針の先端24とチャンバ130との間に流体柱を確立することを伴うことができる。第4の過程部分916は、腰椎または他の脊柱場所における患者の組織にプローブまたは針20を挿入することを伴う。
【0107】
第5の過程部分920は、圧力値を連続的または周期的に感知し、報告信号を出力ユニット180に発行することを伴い、針20が脊柱管に向かって靱帯(例えば、黄色靱帯)等の非標的組織を通って前進している間に、外科医または医療専門家が既知またはほぼ一定の針挿入圧力を制御または維持することができるように、そのような信号は、感知または測定された圧力値を含むか、またはそれらに対応する。実施形態では、第6の過程部分930は、例えば、1組の最新の感知した圧力値または現在の感知した圧力値に対して、1組の以前の感知した圧力値を分析することによって、硬膜外腔または硬膜上腔の中への針先端の進入に対応することが見込まれる圧力降下(例えば、約5〜15mmHGの圧力変化)が発生しているかどうかを判定することを伴う。そのような圧力変化が発生している場合、第7の過程部分935は、硬膜外腔進入が発生していることを示すように、通知および/またはラート信号を出力することを伴う。そのような通知またはアラート信号は、LCD152、1組のLED154、および/またはオーディオデバイス156を介して提供することができる。
【0108】
第8の過程部分940は、針先端24が硬膜外腔に進入しているという指示後に(例えば、チャンバ130内の流体の存在が、硬膜またはくも膜下腔の中への針先端24のさらなる貫通から発生し得る、前述の圧力降下後に)、チャンバ130内の流体の存在を検出することを伴い、第9の過程部分945は、チャンバ130内に存在する流体が脳脊髄液であるかどうかを判定することを伴う。実施形態では、第8および第9の過程部分940、945は、圧力値、タンパク質濃度値、およびグルコース値等の、チャンバ内の流体に対応する1つ以上の生理的特性、性質、またはパラメータ値を感知または検出し、脳脊髄液の対応する参照値に対して、そのような感知した生理的パラメータ値を評価または分析することを伴うことができ、そのような参照値は、メモリ170に記憶することができる。
【0109】
感知した生理的値が、チャンバ130内の流体が脳脊髄液であると示す場合、第10の過程部分950は、脳脊髄液が検出されたことを示すように、(例えば、LCD152、1組のLED154、および/またはオーディオデバイス156を介して)通知および/またはアラート信号を出力することを伴う。第10の過程部分950は、CSF圧力値または開口圧力値を表示することを含むことができる。
【0110】
実施形態では、第11の過程部分960は、赤血球の存在または濃度、白血球の存在または濃度、および流体の色または透明度に対応することができる1組の光学的吸収値のうちの1つ以上等の、いくつかの脳脊髄液生理的パラメータ値を感知する、検出する、測定する、または推定することを含むことができる。最後に、第12の過程部分970は、そのような生理的パラメータ値に対応する通知および/またはアラート信号を出力することを伴うことができる。
【0111】
一実施形態では、デバイスは、一端(例えば、遠位部分)で標準針またはカテーテルに、反対端(例えば、近位部分)でシリンジに接続することができる、一体ディスプレイ付きの滅菌、使い捨て、軽量、安価、小型、内蔵型圧力センサを含むことができる。本明細書で使用されるような「シリンジ」という用語は、単純なピストンポンプを提供するよう、管に嵌入されたプランジャを含む、標準シリンジを含むことができ、またはより一般的に、デバイスに連結可能であり、プローブを通して近位に流体を引き込むこと等、連結されたプローブを通して流体の移動を引き起こすように動作可能である、任意のポンプ手段を指し得る。デバイスは、圧力性質等のパラメータに基づいてプローブの場所および/または組織型を識別するために、または体内の加圧領域内に留置されたカテーテルまたは針に取り付けられた場合の圧力値(例えば、血圧、CSF圧力、胸膜液圧力、区画圧力)をユーザに出力/報告するために、使用することができる。
【0112】
本発明のデバイスは、典型的には、プローブの場所を示す圧力および/またはその変化等の検出された生物学的パラメータの視覚表示を介した出力/報告のためのディスプレイを含む。ディスプレイは、検出された生物学的パラメータが、デバイスの動作中にユーザによって容易または便利に視認されるように、デバイスの筐体によって携持され得る。一実施形態では、手技中にディスプレイを容易に読み取ることができるように、ディスプレイは、直接的に角度を成すか、またはデバイス/針の平面に対してある角度で配向され、例えば、平坦ディスプレイが可視化しにくい場合がある、ある手技中に(例えば、内頸挿管中に)利点を提供する。さらに、デバイスは、典型的には、プローブおよび/またはシリンジと組み立てられた場合に、針およびシリンジと軸方向に整列させられるか、または実質的に「一列になっている」構成を含む。そのような構成は、多くの場合、より人間工学的であることを明示し、例えば、使用中にユーザがディスプレイおよび標的領域の両方を能動的に視認することを可能にし、それにより、遠隔ディスプレイの視認と関連付けられるユーザ移動を低減し、不要なプローブ移動、あるいは不慮のプローブ位置付けまたは誤留置による患者への結果として生じる損傷を制限することによって、向上した機能性を有利に提供することができる。加えて、軸方向に整列した構成は、ある場合において、ユーザがディスプレイを読み取りながら片手で手技をより容易に行うことを可能にすることによって、デバイスの機能性および有用性を増加させることができる。
【0113】
デバイスの実施形態は随意で、例えば、以下でさらに説明されるように、ガイドワイヤを導入するための一体化されたポートを含むことができる。そのような実施形態では、ポートは、例えば、自己密閉式ポートを提供するように、ポートの中にガイドワイヤを伴って、または伴わずに、圧力変換を可能にするシールを含むことができる。そのような一体化されたガイドワイヤポート設計は、構成要素の交換および/または不要なプローブ移動を最小限化または排除し、それにより、プローブ誤留置によるエラーまたは患者損傷の発生をさらに最小限化しながら、ユーザが標的場所または管腔にガイドワイヤを導入することを有利に可能にすることができる。
【0114】
デバイスは、シリンジポートをプローブポートに流体連結する、チャネル(例えば、体液または血液チャネル)を含むことができる。一体化ガイドワイヤポートの実施形態では、ガイドワイヤポートを血液チャネルに流体連結することができる。筐体またはその一部、および血液チャネルは随意で、体液がデバイス筐体の中へ引き込まれる際に、体液を可視化することができるように、半透明材料設計を含み得る。ある適応では、手術中にユーザが体液(例えば、血管アクセスおよび腰椎穿刺手技中の血液またはCSF)のフラッシュを見ることが望ましいことがある。
【0115】
図10Aおよび10Bは、本発明の実施形態による、検出デバイスアセンブリを図示する。アセンブリ1200は、遠位でプローブ1204に、近位でシリンジ1206に連結される、検出デバイス1202を含む。デバイス1202は、プローブ1204に着脱可能に連結されるポート1210を伴う遠位部分、およびシリンジ1206に着脱可能に連結されるポート1212を伴う近位部分を有する、筐体1208を含む。感知ユニット、処理ユニット、出力ユニット等の上記で説明されるものを含む、付加的な構成要素(図示せず)を、筐体1208によってさらに携持することができる。デバイスの筐体は、単一部品または多重部品アセンブリを含むことができる。デバイス1202は、加えて、圧力値等の判定された生物学的パラメータを報告または視覚的に表示するためのディスプレイ1214を含む。デバイス1202はさらに、筐体1208と一体化した、または筐体によって携持される、ガイドワイヤポート1216を含む。
【0116】
アセンブリの長軸1218は、デバイス1208と連結されたプローブ1204およびシリンジ1206を含む、構成要素の軸方向整列またはインラインアセンブリを図示するように示されている。構成要素は、長軸に対する特定の位置付けに限定される必要はない。しかし、軸方向整列またはインラインアセンブリは概して、長軸基準に対する、ある構成要素の規則正しい配置を指す。図10Bに図示された実施形態では(加えて、本明細書でさらに説明される、ある実施形態では)、アセンブリは、実質的に連結されたプローブ1204とシリンジ1206との間に配置されるデバイス1208を伴う、インライン配置を含む。デバイス1202を参照して、ある構成要素(例えば、感知ユニット、処理ユニット、出力ユニット、ディスプレイ等)は、実質的にポート1210とポート1212との間に配置されるよう、筐体1208によって携持することができる。ディスプレイ1214は、ディスプレイ1214またはその表面(例えば、外面)が、アセンブリ1200の長軸1218に対してある角度をなすように、筐体1208によって携持することができる。例えば、ディスプレイは、図10Aおよび10Bで図示されるように、直接的に角度を成すことができる。ディスプレイのそのような構成は、デバイスに略近位の場所からディスプレイを視認するユーザが、手術中にディスプレイをより容易に視認することを可能にするよう選択され得る。
【0117】
使用中、ユーザは、デバイス1202および/またはシリンジ1206の周囲でアセンブリを把持または保持しながら、アセンブリの位置付けを操作または制御することができる。プローブ1204の遠位部分は、患者の組織または身体に挿入することができる。位置付けとともに、プローブ1204が位置付けられる環境の物理的パラメータ(例えば、圧力)が、検出または判定され、パラメータ値または情報が、ディスプレイ1214上での可視化のために出力される。デバイスおよびアセンブリ動作は、本明細書の他の場所でさらに説明される。
【0118】
図11は、本発明の別の実施形態による、プローブ区分または先端の場所を示すための装置(例えば、図10Aおよび10Bにあるような)の略図である。アセンブリ1300は、デバイスの遠位部分に取り外し可能に連結されるプローブ1304、およびデバイスの近位部分に取り外し可能に連結されるシリンジ1306を伴う、デバイス1302を含む。プローブ1304は、遠位オスルアー継手を含む筐体1312によって携持されるポート1308の周囲でデバイスに連結され、シリンジ1306は、近位メスルアー継手を含むポート1310の周囲でデバイスに連結される。ポート1310およびポート1308は、チャネル1314の周囲で流体連結される。チャネル1314および/または筐体1312は、チャネル1314内の流体の可視化を可能にするよう、デバイスの外部へ少なくとも部分的に透明または半透明であり得る。デバイス1302はさらに、ガイドワイヤポートチャネル1318の周囲でチャネル1314に流体連結される、ガイドワイヤポート1316を含む。ガイドワイヤポート1316は、自己密閉式アセンブリを提供するよう、シールカップ1320およびシール1322と組み立てられる。デバイスはさらに、プローブ1304が位置付けられる環境のパラメータ(例えば、圧力)の検出を可能にするよう、チャネル1314と動作連通しているセンサ1324(例えば、圧力センサ)を含む。デバイス1302はさらに、プリント回路基板、プロセッサ、および同等物、ならびに電源1330を含む、電子機器および信号処理構成要素1326(例えば、上記で説明されるものと同様である)を含む。ディスプレイ1328は、筐体1312によって携持され、アセンブリの長軸に対して近位方向に角度を成す。
【0119】
上記で説明されるように、本発明のデバイスは随意で、付加的な構成要素交換ステップおよび/または望ましくないプローブ移動を制限しながら、ユーザが標的場所または管腔にガイドワイヤを導入することを有利に可能にし得る、ガイドワイヤを導入するための一体化ポートを含むことができる。ガイドワイヤ留置手技のそのような単純化は、図12から14を参照して図示されるように、プローブ誤留置によるエラーまたは患者損傷の発生を最小限化するのに役立つことができる。図12Aから12Dは、超音波誘導下のプローブ先端場所の検出を図示し、図12Cおよび12Dは、組織内に位置付けられたプローブの望ましくない移動および患者への潜在的損傷を引き起こす場合がある、構成要素交換ステップを図示する。図13Aから13Fは、圧力変換(例えば、カラムマノメトリ)誘導下のプローブ先端場所の指示を図示する。超音波誘導技法と同様に、圧力変換誘導は、プローブの望ましくない移動および患者への潜在的損傷を引き起こし得る、構成要素の交換(図13Eおよび13F)を含む。
【0120】
一体化ガイドワイヤ装置を伴うデバイスを使用した、本発明の方法によるガイドワイヤ留置が、図14Aから14Cを参照して図示される。示されるように、そのような方法は、組織にプローブ(例えば、針)を挿入すること(図14A)、および関心のパラメータの測定(図14B)を得ることを含むことができる。測定後、デバイスのポートおよびプローブを通して、患者の標的身体管腔の中へガイドワイヤを挿入すること(図14C)によって、ガイドワイヤ留置を達成することができる。ガイドワイヤ留置は、アセンブリ構成要素の除去および/または交換を制限または排除しながら達成することができる。
【0121】
さらに別の実施形態では、本発明のデバイスは、ポートを欠く閉鎖近位部分等の「閉鎖」部分を含むことができる。図15は、プローブ1404と検出デバイス1402を含む、アセンブリ1400を図示する。デバイス1402は、遠位部分および近位部分を含む、筐体1406を含む。筐体の遠位部分は、プローブ1404に連結可能なポート1408を含む。デバイス1402の近位部分は、ポートまたは開口部が欠けているという意味で閉じられている。感知ユニット、処理ユニット、出力ユニット等の上記で説明されるものを含む、付加的な構成要素(図示せず)を、筐体によってさらに携持することができ、デバイスの筐体は、単一部品または多重部品アセンブリを含む。アセンブリ1400は、上記と同様である、連結されたプローブ1404およびデバイス1402に対する「インライン」構成を含む。デバイス1402はさらに、筐体1406によって携持されるディスプレイ1410を含む。ディスプレイ1410は、患者の組織の中にプローブ1404の遠位部分を位置付けること等のアセンブリ1400の操作中に、より最適なユーザによる視認を可能にするよう、筐体1406の上に配置され、近位方向に角度を成し得る。
【0122】
さらに別の実施形態では、本発明のデバイスは随意で、生理的パラメータ検出/監視以外の要因により変調し得る、内部デバイス圧力を緩衝または緩和するための内蔵システムを含むことができる。そのような圧力変調は、例えば、デバイス取扱または位置付け中に発生し、それらのデバイスへの登録は、標的環境の最適な検出または監視を妨げ得る。そのようなものとして、場合によっては、本発明のデバイスは、デバイス取扱または位置付けにより発生する場合がある、圧力変化に適応し、組織または標的環境内の圧力のより正確または最適な検出を可能にするように設計されている、圧力緩和または緩衝システムを含み得る。
【0123】
圧力緩和/緩衝システムは、種々の異なる設計または構成に対して選択され得る。一実施例では、システムは、例えば、構成要素の圧縮および/またはデバイスの取扱から蓄積された圧力の漏出を可能にする、1つ以上の内蔵逃し弁を含み得る。別の代表例として、圧力緩和/緩衝システムは、再較正または再ゼロ化システムを含み得る。例えば、圧力蓄積は、デバイスを最初に握ること、または患者の組織の中への挿入等のデバイスの位置付けの初期段階中に予期され得る。デバイスが再較正/再ゼロ化システムを含む場合、最初の位置付け後に、次いで、例えば、患者の組織内の圧力の変化が、より明白であるか、またはより最適に検出/観察されるように、圧力示度を基準にリセットすることによって、デバイスが再較正され得る。
【0124】
別の実施形態では、デバイスの圧力緩和/緩衝システムは、組織/標的圧力監視以外の要因から圧力変化をもたらす、流体チャネル1514内のわずかな容量変動に適応する一種の緩衝器またはコンデンサとして機能するように、デバイスの中に配置される貯留部を含むことができる。デバイスの圧力管1512と流体チャネル1514との間に配置される貯留部1510を含む、デバイス1500の圧力緩衝/緩和システムが、図16Aおよび16Bを参照して図示されている。デバイスは、患者の組織に挿入される針に接続する遠位または前方部分1516を有する、流体チャネル1514を含む。デバイスの後方または近位部分1518は、デバイスの使用中にユーザの親指によって接触されるか、または覆われ得る、開口部を含む。圧力管1512は、デバイスの圧力センサ(図示せず)に連結する。流体チャネル1514が両端上で閉塞される場合、流体チャネルの中に閉じ込められた空気は、近位部分1518の開口部とユーザ(例えば、ユーザの手/指)との間の接触等による、デバイス取扱により圧縮され得、そのような空気の圧縮は、デバイス内の圧力の増加を潜在的に引き起こす。圧力緩衝/緩和システムは、そのような圧力変化の適応を可能にし、標的組織内の圧力の監視/検出への干渉を最小限化する。貯留部1510は、そのような軽微な空気変位による、圧力変動登録を最小限化する拡張空気容量を提供する。
【0125】
図示した実施形態(図16Aおよび16B)では、例えば、小さい穴または通路1520が流体チャネル1514から出て、空気貯留部1510に進入する。貯留部1510は、約数ccから12cc以上の容積を有することができる。圧力の変化が容積の相対的変化に比例する(ΔP=ΔV/V)ため、追加貯留部1510は、Vを増加させ、後に、空気の所与の圧縮によって引き起こされる圧力上昇を低減する。デバイスの遠位または組織端1516に進入する流体は、貯留部1510を充填することなく、組織端から流体チャネル1514を通って近位部分1518の外へ通過する。貯留部の容積は、異なる容積の貯留部を使用して、デバイス取扱活動による登録圧力変化について収集されたデータを示す、図16Cを参照して図示されるように、容積の変化を伴う圧力変化の規模(1/V関係)に比例する。
【0126】
デバイスは、流体(例えば、血液または脳脊髄液)がデバイスの空気貯留部内に閉じ込められないが、むしろ分析のために収集するようデバイスの後部から出て行くように設計され得る。例えば、腰椎穿刺法では、CSF腔の中への針の進入を確認するために、デバイスの後部でのCSFの出現を使用することができる。さらに、そのようなデバイス設計はまた、迅速に流体がデバイスの後部に出現することを促進させ得、デバイス内のチャンバがCSFで充填された場合、これは、デバイスの後部でのCSFの出現を遅延し、貴重なCSFを無駄にする。
【0127】
上記で説明されるものを含む、空気貯留部システムの代わりに、またはそれと併せて、他の緩和/緩衝システムが使用され得る。例えば、デバイスは、デバイスの近位端とのユーザ接触によって圧縮することができる空気の量を制限するよう、サイズが縮小された穴を伴うデバイスの端にキャップを含むことができる。さらに、デバイス取扱または初期位置付け中に急速な空気圧縮によって引き起こされる場合がある、圧力の急上昇を最小限化する、ソフトウェアアルゴリズムを利用することができる。代替として、流体がデバイスから出ていくことを可能にするが、ユーザによる近位端接触によるデバイスの本体内の空気圧縮は可能にしない、近位端における一方向弁が含まれ得る。
【0128】
本発明のデバイスは、種々の異なる動作モードのうちの1つ以上での動作のために構成することができる。一実施形態では、デバイスは、組織遷移検出モード(「遷移検出モード」)で動作可能である。例えば、デバイスは、ブラインド針挿入中にプローブ(例えば、針)の遠位先端場所を検出するように構成することができる。そのような動作中、2つの部位が異なる圧力を有するならば、針が1つの部位から別の部位へ(例えば、軟組織から血管へ、静脈から動脈へ、靱帯から硬膜外腔へ、靱帯からCSF腔へ)遷移する時に圧力が変化する。針の先端における圧力変化は、デバイス筐体の中にすでに存在している空気(または真空)を通して変換され、したがって、デバイス筐体の中への体液の到着前に、絶対圧力測定値が入手可能であることが観察されている。デバイスディスプレイは、組織遷移を示すために使用することができ、デバイスは、ディスプレイが適切な速度で更新するように構成される。ディスプレイが一定の速度で(例えば、4Hzで)更新する場合、またはディスプレイが平均圧力を表示している場合、いくつかの適応では、急速な圧力変化がユーザによって容易に識別されない場合がある。むしろ、可変表示速度が、視覚的に「目立つ」突然の非循環的表示変化を導入することによって、圧力変化をより明白にする。例えば、プローブが軟組織の中にある場合(例えば、約0mmHgの圧力)、ディスプレイは1Hzで更新することができる。血管の中への進入時の表示測定値のほぼ瞬間の(例えば、5ms以内)変化(例えば、0mmHgから25mmHg)は、組織境界を横断したという視覚的合図をユーザに提供することができる。デバイスは、一時的な1組の圧力測定値が与えられた場合に表示を更新すべき時を判定するように開発されたアルゴリズムを利用する。概して、針先端が静的環境内(例えば、動脈内)にある時に、ディスプレイは、所与の期間にわたって圧力測定値の移動平均を使用して、平均圧力を提供する。しかしながら、針が血管から除去された場合、ディスプレイは即座に瞬間測定値に戻る。
【0129】
別の実施形態では、デバイスはさらに、例えば、腰椎穿刺手技で使用するためのスタイレットを含むことができる。スタイレットは、腰椎穿刺および硬膜外針挿入中に使用され得る、針の挿入または除去中に針の中への組織の進入を防止するように、針に挿入された固体金属コアを含む。本発明のデバイスは、既存のスタイレットと同じ機能を果たすように、デバイス筐体の近位端を通り、血液チャネルを通り、次いで、針を通って挿入するカスタムスタイレットを装備し得る。
【0130】
別の実施形態では、デバイスは、固定位置での連続監視(「連続監視」または「固定位置」モード)のために構成することができる。連続監視中、異なる値の圧力、特に、ある期間にわたる平均圧力、または所与の期間にわたる最大および最小値(すなわち、収縮期および拡張期圧)が、ユーザにとって有用である。さらなる実施形態は、異なる動作モードの組み合わせを含み得る。例えば、ある適応(例えば、血管アクセス、腰椎穿刺、硬膜外カテーテル挿入)では、ブラインド針挿入および連続監視といった、これら2つのモードを切り替える(例えば、プログラムされた、または自動切替)ことが望ましいことがある。
【0131】
本発明の構造は、種々の異なる方法または適応に、またはそれらと併せて使用するために構成することができる。本発明のデバイスが含むように構成されることができる、または本発明のデバイスが併せて使用されることができる、例示的な適応は、限定するものではないが、血管または身体管腔アクセス、カテーテル留置(例えば、中心静脈カテーテル挿入)、酸素飽和/血液圧力(BP)監視、腰椎穿刺、硬膜外腔検出および/または針/カテーテル留置、胸腔穿刺(圧力監視)、抹消神経ブロック手技、疾患に関係する血管性質の評価(例えば、足関節上腕血圧比および狭窄病変の中または周囲の血圧の測定)、無線圧力モニタ、および区画圧力検出/監視等の適応/手技である。いくつかの例示的な適応および対応する実施形態が以下でさらに説明される。
【0132】
血管アクセス:この実施形態では、デバイスは、いつ、どのような種類の血管が針によって進入されたかを識別し、いったん針が血管に進入すると、血管の圧力パラメータ(例えば、平均圧力、脈圧の規模)を報告するように機能する。挿入中に、ディスプレイおよび関連構成要素(例えば、処理ユニット、命令、アルゴリズム)は、ディスプレイ更新速度および表示される測定の種類(例えば、平均圧力対瞬間圧力)を変更することによって、ユーザにとって容易に識別可能に組織境界において変化するように最適化される(例えば、上記の遷移検出モードを参照)。デバイスは、いったん血管の中に入ると、ディスプレイがより遅い更新速度に変化し、平均圧力を表示するようにプログラムまたは構成することができる(例えば、上記の連続/固定位置モードを参照)。しかしながら、圧力が監視され、圧力を急速に(例えば、200Hz)検出し、例えば、針が血管から抜去されたか、または移転された場合に瞬時に変化するディスプレイを用いて、出力を介して報告することができる。一体化ガイドワイヤポートを含むデバイスの実施形態では、ポートは、圧力を連続的に監視しながらガイドワイヤが血管に挿入されることを可能にする(ポートは、ガイドワイヤの触覚を保つように低摩擦シールを有するが、ポートは、正確な圧力監視を可能にするようにガイドワイヤの周囲を密閉する)。
【0133】
したがって、本発明のデバイスの使用は、患者の身体または組織にデバイス連結プローブの遠位部分を挿入することと、プローブが位置付けられる組織または環境の圧力値を、デバイスを用いて検出することとを含むことができる。デバイスによって検出および/または出力される圧力値または測定値に基づき、ユーザは、検出された圧力測定値に基づいてデバイスの位置付けを維持するか、またはデバイスの位置付けを改変することを選択し得る。ユーザはさらに、検出された圧力に応じて、患者の標的部位(例えば、静脈)にガイドワイヤおよび/またはカテーテルを導入することを選択し得る。本発明の血管アクセス構造および方法のさらなる論議については、参照することによって本明細書に組み込まれる、共有に係る米国特許出願第______(代理人整理番号28267−000400)も参照されたい。
【0134】
酸素飽和/EEG/EKG/BP監視:デバイスは、動脈留置カテーテルとともに、または動脈の直接針穿刺とともに患者で使用することができる。一実施形態では、デバイスの遠位ポートがカテーテルまたは針に接続する。近位端は密閉される(例えば、シリンジまたはガイドワイヤポート等の付加的なポートを含まない)。デバイスは随意で、標準パルス酸素濃度計プローブ(例えば、酸素飽和を判定するための1つ以上のLEDを含む指先プローブ)に付着する電気コネクタを含む。デバイスは、電力を酸素濃度計プローブに提供し、また、LEDから(電気)信号を受信し、血液の酸素飽和を判定するための処理命令またはアルゴリズムを使用する。随意で、デバイスは、標準EEGおよび/またはEKGリード線に付着する電気コネクタを含む。デバイスは、EEGおよび/またはEKGリード線からの電気信号を受信し、解釈する。デバイスは、単一パラメータまたは複数の異なるパラメータを受信または監視することができる。例えば、血中酸素飽和、EEG、EKG、および/または種々の血圧/脈拍測定(例えば、平均圧力、脈拍数、収縮期圧、および/または拡張期圧力)が、一体化ディスプレイ上に表示される。デバイスは、信号を遠隔デバイスまたは監視ディスプレイに伝送することができる。
【0135】
腰椎穿刺(アクセスおよびCSF測定値):本発明はさらに、腰椎穿刺手技を行うための方法および構造を含む。現在、医師は、腰椎穿刺中に圧力を測定するためにガラスまたはプラスチックカラムナノメータを使用している。該技法は扱いにくく、針の抜去という危険があり、時間がかかり、その結果として、多くの医師が腰椎穿刺中に圧力を測定しない。本発明の実施形態によるデバイスは、CSF腔の中への進入を識別すること、およびいったんCSFの内側に入ると連続圧力測定を提供することとの、この用途での2つの機能を果たすように構成することができる。腰椎穿刺用途のための処理命令および/またはアルゴリズムは、手技の初期中に、ディスプレイが上記で説明される遷移検出モードであり、つまり、ディスプレイが靱帯からCSF腔の中への針先端の遷移を検出するために最適化されるという点で、血管アクセス用途と同様であり得る。圧力が印加されない場合、針が靱帯からCSF腔の中へ遷移すると、圧力は、低い(0mmHg)圧力測定値から陽圧測定値(例えば、10mmHg)へと遷移する。針が靱帯の中にある時に陽圧が印加された(針先端が靱帯の中にある時に流体および/空気が針先端から出て行くことを妨げられる)場合、圧力は、CSF腔の中へ進入すると、高い(例えば、50mmHg)値から低い正の値(例えば、10mmHg)へと移る。いったん針がCSF腔に進入すると、ディスプレイは平均CSF圧力(「開口圧力」)を提供し、CSFサンプルが採取された後に「閉鎖圧力」を提供する。ディスプレイのグラフィック部分は、CSFの脈動を明示する。デバイスは、瞬間圧力を監視し、ユーザに針の抜去を警告する。頭蓋内圧を減少させるようにCSFが採取される手技中に、デバイスは、リアルタイムでCSFを監視する能力を提供する(現在、ユーザは、ガラス管マノメータを使用する必要があり、これは時間がかかる)。参照することによって本明細書に組み込まれる、共有に係る米国特許出願第____(代理人整理番号28267−000500)も参照されたい。
【0136】
デバイスはさらに、小児腰椎穿刺のために最適化され得る。そのような実施形態では、デバイスは、ユーザによって支持されない場合に脊髄針を抜去しないように、(例えば、フレキシブル回路およびディスプレイ等を使用することによって)サイズおよび重量が修正(例えば、低減)される。
【0137】
硬膜外腔検出:本発明はさらに、例えば、カテーテル留置および薬物送達等の硬膜外アクセス手技中の、硬膜外腔の検出のための構造および関連方法を提供する。一実施形態では、デバイスは、重度の頭痛を引き起こすCSFの中への針の進入、および麻酔の失敗をもたらす、筋肉または他の組織を硬膜外腔と間違えること(硬膜外カテーテルが硬膜外腔の代わりに誤って筋肉に挿入される)といった、2つの一般的な誤りをさらに防止するために使用することができる。硬膜外手技中に、針は、皮膚および脂肪、靱帯を通過し、最終的に硬膜外腔に進入する。針は、正中線に挿入されなければ筋肉に進入することができ、または針は、あまりに深く挿入された場合にCSF腔に進入し得る。現在、硬膜外腔の中への進入を識別し、針がCSF腔の中へ進み続けることを防止するために、「抵抗の損失」が使用されている。代わりに、硬膜外腔を識別するために圧力を使用することができる(加圧流体が使用される場合は圧力の損失、または加圧流体または空気柱が使用されることなく針が前進させられる場合はゼロ圧力から陽圧への変化)。筋肉は、陽圧の硬膜外波形の有無によって硬膜外腔と区別することができる。
【0138】
したがって、本発明のデバイスは、硬膜外腔の検出に利用することができる。一実施形態では、ユーザ(例えば、医師)が、背部の頑丈な靱帯に硬膜外針(例えば、針およびスタイレット)を挿入する。検出デバイスは、針に連結され、デバイスの後ろに接続されたシリンジを使用して、例えば、空気または生理食塩水によってわずかに加圧される(例えば、100mmHg)。次いで、針は、硬膜外腔に進入するまで靱帯を通して前進させられる。針が硬膜外腔に進入するにつれて、空気または生理食塩水は針の端から出て行くことができ、圧力は急速に降下し、硬膜外の中への進入を信号伝達する。圧力降下は、デバイスによって検出し、ユーザへの通知のためにデバイスディスプレイに出力することができる。圧力降下に加えて、次いで、針が実際に硬膜外腔内にある場合に、波形がデバイスに対して検出可能となり、デバイス(例えば、デバイスディスプレイ)を介して、波形の検出をユーザに出力することができる。一実施形態では、例えば、リアルタイムで、圧力波形をユーザによって可視化することができるように、圧力データ(例えば、圧力対時間)をデバイスディスプレイに出力することができる。別の実施形態では、デバイスは、硬膜外波形としての圧力信号/データを識別するよう圧力データを処理するために、コンピュータ可読媒体上に記憶されたプログラミングまたは命令を含むことができる。
【0139】
針が筋肉(例えば、靱帯の横の針挿入点)に進入した場合、誤った抵抗の損失(および圧力の降下)が発生する場合があるが、特徴的な圧力波形は存在しない。したがって、圧力波形検出がない場合の抵抗の損失が、硬膜外腔を筋肉等の他の組織と区別する。ユーザが偶発的に針を過度に深く挿入し、CSF腔に進入し得ることが起こり得る。CSF腔も圧力波形を示す。硬膜外腔をCSF腔または静脈と区別するために、ユーザは、それぞれ、CSF腔または静脈の中への針の進入を示す、CSF液または血液の帰還を求めてわずかに吸引することができる。流体の不在は、針がおそらく硬膜外腔の中にあることを示す。したがって、例えば、帰還CSF液または血液の識別のために流体を吸引することによって、抵抗の損失および波形圧力の検出の場合でさえも、硬膜外腔を他の組織と(例えば、CSF腔または静脈と)区別することができる。腰椎穿刺および硬膜外腔検出のさらなる論議については、参照することによって本明細書に組み込まれる共同所有された米国特許出願第____(代理人整理番号028267−000500)も参照されたい。
【0140】
胸腔穿刺(圧力監視):胸腔穿刺は、滞留した流体を排出するために、大型の針が肺の外側の胸膜腔に挿入される手技である。医師は、手技を行うときにジレンマに直面し、少なすぎる流体除去が症状を緩和しない一方で、多すぎる流体除去は、再膨張性の肺水腫として知られている致命的な症状をもたらし得る。肺水腫を発現する危険性のため、ほとんどの医師は、所与の手技中にわずか1〜1.5リットルの流体を除去する。しかしながら、この実践はしばしば、不良な症状緩和につながり、気分が良くなるために多くの患者が複数の手技を必要とする。本発明の別の実施形態では、デバイスは、除去された流体の量よりもむしろ圧力を測定することを含みつつ、手技を監視するように構成および利用することができる。手技を止めるときを決定するために(例えば、文献で報告されているものから選択される)標的圧力(−20cmH0)を使用して、少なすぎるか、または多すぎる流体採取に関係する合併症を予防しながら、最適な量の流体が除去される。圧力の測定を支援する過去20年間に収集された確かな臨床的証拠があるにもかかわらず、正しいツールが単に存在しないために、採用が限定されている。現在のデバイスは、医師が胸腔穿刺中に流圧を正確かつ連続的に監視することを可能にする。デバイスは、圧力が何らかの臨界値(例えば、−30cmH0であって、これは多すぎる流体が除去され、患者に再膨張性の肺水腫の危険性があることを示す)を超える場合に随意でアラート(視覚または聴覚)を含有することができる。この値は、事前にプログラムされるか、またはユーザによって選択可能であってもよい。
【0141】
区画圧力監視(腹部または四肢):筋区画症候群は、閉鎖身体空間(前腕、脚、または腹部のような)内の圧力が、血流が低下する点まで上昇するときに引き起こされる内科的救急疾患である。未治療のまま放置された場合、筋区画症候群は、四肢の切断、多臓器不全、または死亡にさえもつながり得る。筋区画症候群の診断は、区画に針を挿入し、圧力を測定することによって行われる。しかしながら、診断はしばしば見逃されるか、または遅延し、初期損傷の3時間後直ぐに不可逆的筋肉損傷が始まる。見逃された診断の一般的に挙げられる理由は、圧力を測定できなかったことである。近年の調査は、参加部門の半分に区画圧力を測定することが可能なツールがなかったことを記述している。現在のデバイスは高価で、使い捨てではなく、その結果として、全ての医師に利用可能とは限らない。現在のデバイスは、区画圧力を測定するために使用することができる一体ディスプレイ付きの滅菌、使い捨て、軽量、安価、小型、内蔵型圧力センサを提供する。
【0142】
抹消神経ブロック:本発明のデバイスはさらに、患者の抹消神経ブロックの投与において利用することができる。局所神経封鎖または抹消神経ブロックとは、疼痛の一時的な制御のための神経またはその付近での麻酔薬の注入を指す。ブロックの有効性を最大化するために、(麻酔薬を含有するシリンジに取り付けられた針を使用して)可能な限り神経の近くに麻酔薬が注入される。理想的には、注入は、神経束を包囲する神経上膜の下の軟組織の中となる。しかしながら、麻酔薬が神経束の中へ直接注入される場合、神経が損傷され、永久的な神経障害につながり得る。鋭い痛みが、切迫した神経内(神経束内)注入の1つの兆候である。しかしながら、これは、常にこの損傷を回避するための確実な方法とは限らない。神経束の中への注入および神経の損傷を回避するための別の方法は、注入圧力を測定することである。動物実験は、神経周囲注入(所望の場所である、神経束の周囲での注入)中の圧力が5psi未満であることを示唆している。
【0143】
臨床診療では、麻酔医は、典型的には、針の神経内留置から生じ得るような、注入に対する異常に高い抵抗であり得るものを計測するために、触覚に依存する。しかしながら、麻酔医は、神経ブロック中に適切な圧力および注入速度を知覚する能力が大きく異なる。
【0144】
本発明の検出デバイスの使用を含む、抹消神経ブロック中の注入圧力の定量的測定は、触覚アプローチよりも優れているはずである。注入圧力は、麻酔薬が偶発的にも神経(神経束)の中に注入されないことを確実にするために、5psi等の閾値をおよそ超えるべきではない。注入中に圧力が閾値を超え始めた場合、手技が一時中断され、針が移転される。
【0145】
抹消神経ブロック中に本発明のデバイスを利用する際に、針と麻酔薬を含有するシリンジとの間にデバイスを挿入することができる(すなわち、針がデバイス筐体の遠位ポートに取り付けられ、シリンジがデバイス筐体の近位ポートに取り付けられる)。針は、神経を含有する組織に挿入される。提供者は、注入を開始し、圧力を監視するために検出デバイスを使用することができる。麻酔薬の自由流れを伴わずに、圧力が閾値(例えば、約5psi)を上回るまで上昇した場合、提供者は、針が神経束に挿入されたと決定し、手技を止めることができる。次いで、閾値未満の圧力において麻酔薬を注入することができるまで、針をわずかに移転させることができる。インラインディスプレイは、フィードバックを提供して、提供者が最適な注入部位の場所をより良く特定することに役立つように都合よく設置される。定量的な圧力データは、触覚または機械的圧力目盛り、または色表示よりもむしろ、精密かつ正確な指示を提供し、医療の提供において精密および確実性の増加を可能にする。抹消神経ブロックのために構成されるデバイスは、随意で、偶発的な高圧注入を回避するための圧力逃し弁を含んでもよい。
【0146】
疾患に関係する血管性質の評価:本発明のデバイスは、疾患に関係する血管性質の検出または監視のために構成および/または利用されることができる(例えば、抹消動脈疾患における足関節上腕血圧の測定、あるいは透析グラフトまたは瘻孔の中または付近の血圧の測定)。抹消動脈疾患は、腕または脚の大動脈の閉塞によって引き起こされる。病歴または身体検査に加えて、抹消動脈疾患の臨床診断およびその定量化の確認のために、足関節上腕血圧比(ABPI)の非侵襲的検査(すなわち、血圧カフ監視)が現在使用されている。ABPIは、中心大動脈圧(腕の血圧を測定することによって概算される)に対する、脚に供給する動脈内の血圧の尺度である。ABPIは、足首で測定される収縮期血圧を、腕で測定される収縮期血圧で割ることによって計算される。
【0147】
中心血圧に対する足首の動脈内の血圧の低下が、大動脈と足首との間のどこかの血管内の狭窄を示唆するので、ABPIは、抹消動脈疾患について患者を評価するために使用される。情報源は、ABPIの正常範囲を0.91〜1.3であるものとして提示し、0.7〜0.9の範囲内の軽度の疾患、0.41〜0.69の比率の中程度の虚血性疾患を提示し、0.4以下の比率が重度の疾患において提示されており、危機的な虚血を臨床的に提示する。
【0148】
重度の動脈石灰化の高い危険性がある患者群等のある患者群においては、非侵襲的技法(すなわち、血圧カフ)を使用したABPI検出は、非実用的かつ診断不可能となる。例えば、高齢、糖尿病、および腎臓病患者では、抹消動脈の石灰化が動脈を非圧縮性にし得るので、閉塞性カフを用いた収縮期圧の測定に依存するABPI試験は、動脈壁の硬化の二次的な人工的に上昇した閉塞圧力により、診断不可能または不正確になる。文献中の1つの概算は、糖尿病患者の5%〜10%で閉塞性足関節血圧を測定できなかったことを報告している。したがって、例えば、長期にわたる糖尿病、腎不全、または抹消血管症状を示す患者といった患者群について、有意な動脈疾患の存在を評価するために現在の非侵襲的ABPIの臨床的代替案の必要性がある。
【0149】
本発明の検出デバイスは、小型の(例えば、30ゲージの)針を使用した動脈の直接穿刺によって、足首の動脈圧力を侵襲的に測定するために使用することができる。このシナリオでは、デバイスは、針の端に取り付けられ、次いで、針は、血圧を測定するように関心の血管に挿入される。針は、解剖学的目印を使用して、または超音波を用いて、適切な動脈(例えば、前または後脛骨動脈)の中へ誘導することができる。ABPIを計算するために動脈内の収縮期および拡張期圧を得て、腕で採取された血圧測定値と比較することができ、それらは抹消動脈疾患を示し得、またはその診断であり得る。
【0150】
抹消動脈疾患に加えて、狭窄性病変の別の一般的な部位は、透析のために作成されたグラフトおよび瘻孔である。本発明の検出デバイスは、開通性を評価し、より高価な検査(例えば、血管造影法)または手技(例えば、血管形成術)が正当であるかどうかを決定するために、これらのグラフトまたは瘻孔内の圧力(血管アクセス圧力比)を侵襲的に測定するように使用することができる。
【0151】
無線監視:一実施形態では、本発明のデバイスは、デバイスから遠位に設置される1つ以上のグラフィックディスプレイに無線で連結することができ、それにより、デバイスを用いた信号検出の無線監視を可能にする。実施例として、中心静脈カテーテルの留置中に針を誘導するために、携帯用超音波がしばしば使用される。典型的な中心線手順中に、医師は、針/検出デバイスアセンブリと超音波画面との両方に注意を払っている場合がある。検出デバイスは、局所ディスプレイを有するとともに、データ(例えば、圧力データ)を超音波モニタに無線で伝送することもできる。超音波モニタは、超音波画像とともに圧力データを表示する領域を含有する。
【0152】
別の実施例として、検出デバイスからのデータを記憶ユニットに無線で伝送することができ、データの記憶および後の回収を可能にする。そのような記憶および回収は、例えば、品質管理、診断、または研究目的で利用される場合がある。例えば、記憶ユニットは、腰椎穿刺手技中に開口圧力を保存することができる。タイムスタンプまたは特定の圧力変換器のシリアル番号が、後で日付を識別することに役立ち得る。検出データを収集および処理し、次いで、例えば、性能向上のために、新しいおよび/または既存のデバイスにおけるプログラミングを更新または再構成するために利用することができる。
【0153】
かさばるワイヤ等の付加的なハードウェアを移動させる必要なく、表示モニタを変更するために、無線システムも使用することができる。例えば、ドングル型または他の種類の無線受信機が、デバイスからデータを受信し、無線信号を標準電気出力信号(例えば、5μV/mmHg)に変換して遠隔モニタに帰属させることができる。患者が運ばれる場合、輸送のためにドングルを永久モニタから携帯用モニタに移動させ、次いで、いったん患者が新しい目的地に着くと、第2の永久遠隔モニタに接続することができる。代替として、デバイス上のLCDを輸送中に使用することができ、別個の輸送モニタの必要性を未然に防ぐ。データはまた、ドングルを必要とせずに、PDAデバイス等の代替の無線デバイスに直接伝送することもできる。特殊ソフトウェアが、使い捨て圧力センサをドングルまたはデバイスに登録し、複数の圧力センサ/無線受信機ユニット間のクロストークを回避することができる。代替として、ドングルおよび圧力センサは、使い捨てポーチの中に一緒に提供し、クロストークまたは他種を回避するように事前登録することができる。
【0154】
上記の用途および適応は、例示的目的で提供されている。本明細書で開示される適用は、限定的とはならず、本発明は、種々の付加的な用途で利用を見出す。
【0155】
デバイスは、単一の用途のために、または複数の異なる用途のために構成されることができる。デバイスは、デバイスアルゴリズムおよびディスプレイが、1つの適応(例えば、中心線挿入)から次の適応(例えば、腰椎穿刺)に遷移することを可能にするように、ボタンまたはスイッチを含んでもよい。この遷移は、棒グラフを拡大縮小すること、表示単位を変更すること(mmHgからcmH0)、表示速度を変更すること等を含む場合があり、デバイスがどのようなモードであるかをユーザに表示器が警告する。代替として、デバイスは、圧力測定値を監視すること(例えば、棒グラフを自動拡大縮小すること、あるいは圧力の大きさおよび/または圧力の変化速度に基づいてモードを変更すること)によって、自動的にモードを変更することができる。例えば、1Hzで60mmHgから120mHgまで変化する圧力は、動脈を示す場合があり、1Hzで0mmHgから20mmHgまで変化する圧力は、静脈またはCSF腔を示す場合があり、10mmHgの一定圧力は、区画を示す場合がある。
【0156】
さらに別の実施形態では、デバイスは、ある圧力範囲に遭遇すると誘起する表示器(視覚または聴覚)等のアラート手段を含有することができる(例えば、デバイス内の平均圧力が60mmHg以上であり、圧力が1秒の期間にわたって少なくとも20mmHgだけ変動するときに、動脈表示器が起動する場合がある)。アラートはまた、針またはカテーテルが加圧流体から除去された場合にも起動することができる(例えば、圧力が20mmHg以上の値から5mmHg未満の一定値に変化する場合に、「針抜去」表示器が起動する場合がある)。デバイスはまた、ユーザ設定アラートを有することもできる(例えば、圧力が15mmHgであるときにボタンを押すことができる)。ボタンは、ボタンが押されたとき(15mmHg)に、圧力が圧力値から5mmHg以上変化する場合にユーザに警告するアラートトリガを起動させる。デバイスは、ある圧力範囲を示す着色LED(または、特異的な音色)を有することができる(例えば、5mmHg未満の圧力については黄色、6〜30mmHgの間の圧力については緑、31mmHgを超える圧力については赤)。
【0157】
本明細書で説明される実施例および実施形態は、例証目的のためにすぎず、それらを踏まえた種々の修正および変更が、当業者に提案され得、本出願の精神および範囲ならびに添付の請求項内に含まれることが理解される。本明細書で説明される実施形態の多数の異なる組み合わせが可能であり、そのような組み合わせは、本発明の考慮された一部である。加えて、本明細書のいずれか1つの実施形態に関連して論議される全ての特徴は、本明細書の他の実施形態で使用するために容易に適合させることができる。異なる実施形態での同様の特徴に対する異なる用語または参照数字の使用は、明示的に記載され得るもの以外には必ずしも差異を暗示するとは限らない。したがって、本発明は、添付の請求項を参照することのみによって説明されることを目的とし、本明細書で開示される好ましい実施形態に限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の中に挿入されたプローブの端が、標的解剖学的環境または非標的解剖学的環境内に位置しているかどうかを選択的に示すためのデバイスであって、該デバイスは、
該プローブに着脱可能に連結可能である第1のポートを有する筐体と、
該第1のポートに連結され、該筐体によって携持されるチャンバと、
該チャンバと信号および物質のうちの少なくとも1つが連通している感知ユニットであって、該感知ユニットは該筐体によって携持され、第1組の感知信号および第2組の感知信号を生成するように構成される、感知ユニットと、
該感知ユニットに連結され、該筐体によって携持される処理ユニットであって、該処理ユニットは、該第1組の感知信号を使用して第1の生理的パラメータ値を決定すること、ならびに該第1組の感知信号および該第2組の感知信号のうちの少なくとも1つを使用して第2の生理的パラメータ値を決定することを行うように構成され、該第1および第2の生理的パラメータ値は、解剖学的環境内の第1の生理的パラメータおよび第2の生理的パラメータにそれぞれ対応する、処理ユニットと、
該処理ユニットに連結され、該筐体によって携持される1組の出力デバイスであって、該第1の生理的パラメータ値および該第2の生理的パラメータ値のうちの少なくとも1つに対応する1組の報告信号を出力するように構成される出力デバイスと
を備え、該第2の生理的パラメータ値は、生理学的測定の種類ならびに該第1組の感知信号および該第2組の感知信号のうちの少なくとも1つに適用される1組の数値演算のうちの少なくとも1つにおいて、該第1の生理的パラメータ値とは異なる、デバイス。
【請求項2】
前記第1の報告信号および前記第2の報告信号のうちの少なくとも1つは、視覚信号である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記筐体は、使い捨てカートリッジを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1の生理的パラメータ値は、血管圧に対応し、前記第2の生理的パラメータ値は、ヘモグロビン酸化状態に対応する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1の生理的パラメータ値は、所定の期間に対する血管圧に対応し、前記第2の生理的パラメータ値は、最大血管圧と最小血管圧との間の差に対応する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1の生理的パラメータ値は、第1の血管圧パラメータおよびヘモグロビン酸化状態のうちの1つに対応し、前記第2の生理的パラメータ値は、第2の血管圧パラメータ、血流速度、および血液化学種レベルのうちの1つに対応する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記感知ユニットは、圧力センサと、化学種飽和センサおよび多量栄養素センサのうちの1つとを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記化学種飽和センサは、酸素濃度計を備える、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記感知ユニットは、圧力センサ、光学センサ、温度センサ、流体流動性センサ、物質感知電界効果トランジスタ、および生物学的マイクロチップの群からの少なくとも2つを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1の生理的パラメータ値は、硬膜外腔圧力に対応し、前記第2の生理的パラメータ値は、脳脊髄液特性に対応する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記筐体によって携持され、通路を介して前記第1のポートに連結される補助アクセスポートをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記補助アクセスポートは、ガイドワイヤ、1組の光ファイバ、1組の光ファイバを携持するガイドワイヤ、および1組の導線を携持するガイドワイヤの群からの1つを受容するように寸法決定される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記筐体に選択的に連結可能であるガイドワイヤ保持デバイスをさらに備える、請求項11に記載のデバイス。
【請求項14】
拡張器アセンブリをさらに備え、該拡張器アセンブリは、
前記筐体に連結される支持アームと、
該支持アームに連結される拡張部材と
を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記支持アームは、可動式に前記筐体に連結される、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記支持アームは、着脱可能に前記筐体に連結される、請求項14に記載のデバイス。
【請求項17】
前記筐体によって携持される通路を介して前記第1のポートに連結される第2のポートをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記第2のポートは、シリンジに着脱可能に連結可能である、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記処理ユニットに連結されるメモリをさらに備え、該メモリは、前記標的解剖学的環境に対応する第1組の参照パラメータ値を記憶し、該第1組の参照パラメータ値は、前記第1の生理的パラメータ値に対応する第1の参照パラメータ値と、前記第2の生理的パラメータ値に対応する第2の参照パラメータ値とを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項20】
前記第1組の参照パラメータは、参照静脈血パラメータ値を備える、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記メモリは、前記標的解剖学的環境以外の解剖学的環境に対応する第2組の参照パラメータ値を記憶し、該第2組の参照パラメータ値は、第1の参照パラメータ値、および前記第2の生理的パラメータ値に対応する第2の参照パラメータ値を示す、請求項19に記載のデバイス。
【請求項22】
前記第2組の参照パラメータは、参照動脈血パラメータ値を備える、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記第2組の参照パラメータは、前記標的解剖学的環境に向けられた医療処置に関して医学的に勧められない解剖学的環境に対応する、請求項21に記載のデバイス。
【請求項24】
前記処理ユニットに連結され、前記筐体によって携持される通信ユニットをさらに備え、該通信ユニットは、携帯用超音波ユニット等の遠隔デバイスとの無線およびワイヤベース通信のうちの少なくとも1つのために構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項25】
前記1組の報告信号は、第1の報告信号と、第2の報告信号とを含み、前記1組の出力デバイスは、該第1および該第2の報告信号を同時に出力するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項26】
前記1組の出力デバイスは、前記1組の報告信号内の第1の報告信号の値および該1組の報告信号内の第2の報告信号の値の二状態活性指示を提供するように構成される少なくとも1つの出力デバイスを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項27】
前記1組の出力デバイスは、複数の出力デバイスを備え、該複数の出力デバイス内の各出力デバイスは、前記1組の報告信号内の1つの報告信号の値の少なくとも1つの単一状態活性指示を提供するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項28】
前記1組の出力デバイスは、
前記1組の報告信号内の第1の報告信号の値および該1組の報告信号内の第2の報告信号の値の二状態活性指示を提供するように構成される第1の出力デバイスと、
該1組の報告信号内の1つの報告信号の値の単一状態活性指示を提供するように構成される第2の出力デバイスと
を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項29】
前記1組の出力デバイスは、複数のLEDを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項30】
前記複数のLEDは、前記第1の生理的パラメータ値および前記第2の生理的パラメータ値のうちの少なくとも1つが静脈血に対応する場合に起動される第1のLEDと、該第1の生理的パラメータ値および該第2の生理的パラメータ値のうちの少なくとも1つが動脈血に対応する場合に起動される第2のLEDとを備える、請求項29に記載のデバイス。
【請求項31】
前記1組の出力デバイスは、第1の色に対応する第1のLEDと、該第1の色と視覚的に区別可能である第2の色に対応する第2のLEDとを備える、請求項29に記載のデバイス。
【請求項32】
前記1組の出力デバイスは、液晶ディスプレイ(LCD)を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項33】
前記1組の出力デバイスは、オーディオデバイス、1組のLED、およびLCDの群からの少なくとも2つを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項34】
前記1組の報告信号は、前記第1の生理的パラメータ値を能動的に示す通知信号と、前記プローブの端が前記標的解剖学的環境内に位置するかどうかを選択的に能動的に示すアラート信号とを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項35】
前記1組の報告信号は、前記プローブの端が非標的解剖学的環境内に位置するかどうかを選択的に能動的に示す第2のアラート信号をさらに含む、請求項34に記載のデバイス。
【請求項36】
前記1組の報告信号は、前記プローブの端が前記標的解剖学的環境内に位置するかどうかを能動的に示す第1の通知信号と、該プローブの端が非標的解剖学的環境内に位置するかどうかを能動的に示す第2の通知信号とを選択的に含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項37】
前記第1の通知信号は、静脈血に対応し、前記第2の通知信号は、動脈血に対応する、請求項36に記載のデバイス。
【請求項38】
身体から取得され、物質分析チャンバ内に存在する物質が、標的解剖学的場所に対応するかどうかを決定する方法であって、該方法は、
1組の感知デバイスと該物質分析チャンバ内に存在する該物質との間において、信号連通および物質連通の群のうちの少なくとも1つを確立することであって、該1組の感知デバイスは、少なくとも第1の感知デバイスを備え、該1組の感知デバイス内の各感知デバイスは、感知モダリティに従って動作する、ことと、
該1組の感知デバイスを使用して複数の感知信号を取得することと、
該複数の感知信号を使用して第1の生理的パラメータ値および第2の生理的パラメータ値を決定することであって、該第2の生理的パラメータ値は、異なる感知デバイスモダリティに対応していること、ならびに該第1組の感知信号および該第2組の感知信号のうちの少なくとも1つに適用される異なる1組の数値演算に対応していることのうちの少なくとも1つにおいて、該第1の生理的パラメータ値とは異なる、ことと、
該物質が該標的解剖学的場所に対応するかどうかを能動的に示す1組の信号を出力することと
を含む、方法。
【請求項39】
前記物質が前記標的解剖学的場所に対応するかどうかを能動的に示す1組の信号を出力することは、少なくとも1つの視覚信号を出力することを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記第1の生理的パラメータ値および前記第2の生理的パラメータ値に基づいて、前記物質が前記標的解剖学的場所に対応するかどうかを決定することをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記物質が前記標的解剖学的場所に対応するかどうかを決定することは、
該標的解剖学的場所に対応する第1組の参照生理的パラメータ値に対して、前記第1の生理的パラメータ値および前記第2の生理的パラメータ値のうちの少なくとも1つを評価することと、
非標的解剖学的場所に対応する第2組の参照生理的パラメータ値に対して、該第1の生理的パラメータ値および該第2の生理的パラメータ値のうちの少なくとも1つを評価することと
を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記物質が非標的解剖学的場所に対応するかどうかを能動的に示す1組の信号を出力することをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
前記物質が非標的解剖学的場所に対応するかどうかを能動的に示す1組の信号を出力することは、少なくとも1つの視覚信号を出力することを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
第1の生理的パラメータ値および第2の生理的パラメータ値を決定することは、血中酸素飽和値を決定することと、平均血管圧値および血管圧変動の群からの少なくとも1つを決定することとを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項45】
複数の感知信号を取得することは、
前記分析チャンバ内の圧力を検出することと、
該チャンバ内の前記物質の光学的性質を検出することと
を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項46】
前記チャンバ内の前記物質の光学的性質を検出することは、該チャンバ内の該物質が光信号を吸収する程度に対応する光信号強度レベルを取得することを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
第1の生理的パラメータ値および第2の生理的パラメータ値を決定することは、脳脊髄液圧力および脳脊髄液特性を決定することを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項48】
複数の感知信号を取得することは、
前記分析チャンバ内の圧力を検出することと、
該分析チャンバ内の前記物質に対応する少なくとも1つの化学種レベルを検出することと
を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項49】
前記分析チャンバ内の圧力を検出することは、脳脊髄液圧力を取得することを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記分析チャンバ内の前記物質に対応する少なくとも1つの化学種レベルを検出することは、少なくとも1つの脳脊髄液化学種レベルを検出することを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
少なくとも1つの脳脊髄液化学種レベルを検出することは、脳脊髄液のタンパク質濃度および脳脊髄液のグルコースレベルのうちの少なくとも1つを検出することを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
解剖学的環境評価デバイス(AECD)を、開口部を有するプローブに連結することであって、該AECDは、
該プローブに着脱可能に連結可能である第1のポートを有する筐体であって、該第1のポートは該プローブの該開口部と流体連通している、筐体と、
前記物質分析チャンバであって、該第1のポートに連結され、該筐体によって携持される物質分析チャンバと、
前記1組の感知デバイスであって、該筐体によって携持される1組の感知デバイスと、
前記感知ユニットに連結され、該筐体によって携持される処理ユニットと、
該処理ユニットに連結され、該筐体によって携持される1組の出力デバイスと
を備える、ことと、
該プローブを生物組織に挿入することと、
該プローブを介して該物質分析チャンバの中に前記物質を受容することと
をさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項53】
標的解剖学的部位に位置するプローブ端についての能動的指示、または非標的解剖学的部位に位置するプローブ端についての能動的指示を生成するように構成される処理ユニットを有するデバイスであって、該デバイスは、
プローブに連結可能である第1のポートを有する筐体と、
該第1のポートに連結され、該筐体によって携持されるチャンバであって、解剖学的物質を携持するチャンバと、
該チャンバと信号および物質のうちの少なくとも1つが連通している感知ユニットであって、第1組の感知信号および第2組の感知信号を生成するように構成される感知ユニットと、
該感知ユニットに連結され、該筐体によって携持される処理ユニットと、
プログラム命令を記憶する電子的にプログラム可能な媒体であって、該プログラム命令は、該処理ユニットに、
該第1組の感知信号を使用して第1の生理的パラメータ値を決定するステップと、
該第2組の感知信号を使用して第2の生理的パラメータ値を決定するステップであって、該第2の生理的パラメータは、生理学的測定の種類ならびに該第1組の感知信号および該第2組の感知信号のうちの少なくとも1つに適用される1組の数値演算のうちの少なくとも1つにおいて、該第1の生理的パラメータ値とは異なる、ステップと、
1組の報告信号を生成するステップであって、該報告信号は、該解剖学的物質が該標的解剖学的場所または該非標的解剖学的場所に対応するかどうかを能動的に示す、ステップと
を行わせる、媒体と、
該処理ユニットに連結され、該筐体によって携持される1組の出力デバイスであって、該1組の報告信号を出力するように構成される、出力デバイスと
を備える、デバイス。
【請求項54】
前記1組の出力デバイスは、少なくとも1つの視覚表示デバイスを含む、請求項53に記載のデバイス。
【請求項55】
前記電子的にプログラム可能な媒体は、前記処理ユニットに、前記標的解剖学的場所に対応する第1組の参照生理的パラメータ値に対して、前記第1の生理的パラメータ値および前記第2の生理的パラメータ値のうちの少なくとも1つを評価することを行わせるプログラム命令をさらに記憶する、請求項53に記載のデバイス。
【請求項56】
前記電子的にプログラム可能な媒体は、前記処理ユニットに、前記非標的解剖学的場所に対応する第2組の参照生理的パラメータ値に対して、前記第1の生理的パラメータ値および前記第2の生理的パラメータ値のうちの少なくとも1つを評価することを行わせるプログラム命令をさらに記憶する、請求項55に記載のデバイス。
【請求項57】
身体の中に挿入されたプローブの端が、第1の解剖学的環境または第2の解剖学的環境内に位置しているかどうかを示すデバイスであって、該デバイスは、
第1のポートを有する筐体と、
該第1のポートに連結され、該筐体によって携持されるチャンバと、
該チャンバと信号および物質のうちの少なくとも1つが連通している感知ユニットであって、該筐体によって携持され、少なくとも1つの感知モダリティに従って複数の感知信号を生成するように構成される感知ユニットと、
該感知ユニットに連結され、該筐体によって携持される処理ユニットであって、該複数の感知信号を使用して複数の生理的パラメータ値を決定するように構成される処理ユニットと、
該処理ユニットに連結され、該筐体によって携持される1組の出力デバイスであって、該第1の解剖学的環境に対応する第1組の報告信号を能動的に出力するように構成され、該第2の解剖学的環境に対応する第2組の報告信号を能動的に出力するように構成される出力デバイスと
を備える、デバイス。
【請求項58】
前記第1の解剖学的環境は、標的解剖学的環境に対応し、前記第2の解剖学的環境は、非標的解剖学的環境に対応する、請求項57に記載のデバイス。
【請求項59】
前記複数の生理的パラメータ値は、第1の感知モダリティに対応する第1の生理的パラメータ値と、該第1の感知モダリティとは異なる第2の感知モダリティに対応する第2の生理的パラメータ値とを含む、請求項57に記載のデバイス。
【請求項60】
前記処理ユニットに連結され、前記筐体によって携持されるメモリをさらに備え、該メモリは、前記第1の標的解剖学的環境を示す第1組の参照生理的パラメータ値、および前記第2の標的解剖学的環境を示す第2組の参照生理的パラメータ値を記憶する、請求項57に記載のデバイス。
【請求項61】
身体から取得され、物質分析チャンバ内に存在する物質が、第1の解剖学的環境または第2の解剖学的環境に対応するかどうかを決定する方法であって、該方法は、
筐体を提供することであって、該筐体は、ポート、該ポートに連結される物質分析チャンバ、感知ユニット、該感知ユニットに連結される処理ユニット、該処理ユニットに連結されるメモリ、および該処理ユニットに連結される出力ユニットを携持する、ことと、
該感知ユニットと、該物質分析チャンバ内に存在する該物質との間において信号連通および物質連通の群のうちの少なくとも1つを確立することであって、該感知ユニットは、少なくとも1つの感知モダリティに従って複数の感知信号を生成するように構成される、ことと、
該感知ユニットを使用して複数の感知信号を取得することと、
該複数の感知信号を使用して複数の生理的パラメータ値を決定することと、
該物質が該第1の解剖学的環境または該第2の解剖学的環境に対応するかどうかを能動的に示す1組の報告信号を出力することと
を含み、該1組の報告信号は、少なくとも1つの視覚信号を含む、方法。
【請求項62】
前記第1の解剖学的環境は、標的解剖学的環境に対応し、前記第2の解剖学的環境は、非標的解剖学的環境に対応する、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記第1の解剖学的環境は、静脈の場所に対応し、前記第2の解剖学的環境は、動脈の場所に対応する、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記第1の解剖学的環境を示す第1組の参照生理的パラメータ値、および前記第2の解剖学的環境を示す第2組の参照生理的パラメータ値を前記メモリに記憶することと、
前記複数の生理的パラメータ値が、該第1組の参照生理的パラメータ値または該第2組の参照生理的パラメータ値に対応するかどうかを決定することと
をさらに含む、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記1組の報告信号を出力することは、
前記複数の生理的パラメータ値が、前記第1組の参照生理的パラメータ値に対応する場合に、前記物質が前記第1の解剖学的環境に対応することを能動的に示す第1の報告信号を出力することと、
該複数の生理的パラメータ値が、前記第2組の参照生理的パラメータ値に対応する場合に、該物質が前記第2の解剖学的環境に対応することを能動的に示す第2の報告信号を出力することと
を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記複数の生理的パラメータ値が、前記第1の解剖学的環境または前記第2の解剖学的環境のうちのどちらにも対応しない場合に、前記第1報告信号を出力することを回避することと、前記第2報告信号を出力することを回避することとをさらに含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記1組の生理的パラメータ値内の1つの生理的パラメータ値および前記1組の報告信号内の1つの報告信号の群からの少なくとも1つを前記筐体の外部のデバイスに伝達することをさらに含む、請求項61に記載の方法。
【請求項68】
身体の中に挿入されたプローブの遠位部分が、標的解剖学的環境内に位置しているかどうかを検出するデバイスであって、該デバイスは、
筐体であって、該筐体は、該プローブに着脱可能に連結可能である第1のポートを有する遠位部分、およびシリンジに着脱可能に連結可能である第2のポートを有する近位部分を有し、該第1のポートは、該第2のポートに流体連結される、筐体と、
該筐体によって携持される圧力感知ユニットであって、連結されたプローブが設置されている環境の圧力に応じて、圧力信号を生成するように構成される圧力感知ユニットと、
該感知ユニットに連結され、該筐体によって携持される処理ユニットであって、該圧力信号を受信し、該信号に基づいて、該連結されたプローブの該遠位部分の周囲の該環境の圧力値を決定するように構成される処理ユニットと、
該処理ユニットに連結され、該筐体によって携持される出力ユニットであって、該決定された圧力値に基づいて、報告信号を視覚ディスプレイに出力するように構成される出力ユニットと
を備え、該圧力感知ユニット、処理ユニット、および出力ユニットは、実質的に該筐体の該第1のポートと該第2のポートとの間に配置される、デバイス。
【請求項69】
前記筐体は、実質的に前記遠位筐体部分と前記近位筐体部分との間に配置される中間部分を備え、該中間部分は、該圧力感知ユニット、処理ユニット、および出力ユニットを携持する、請求項68に記載のデバイス。
【請求項70】
前記視覚ディスプレイは、前記筐体と連結されると近位に角度を成している、請求項68に記載のデバイス。
【請求項71】
前記プローブは、針またはカテーテルである、請求項68に記載のデバイス。
【請求項72】
前記デバイスは、使い捨てである、請求項68に記載のデバイス。
【請求項73】
前記視覚ディスプレイは、検出された圧力のデジタルおよびアナログ表現の両方を含有する、請求項68に記載のデバイス。
【請求項74】
前記視覚ディスプレイと前記プローブの少なくとも一部分とは、両方とも、前記デバイスの使用中、可視的である、請求項68に記載のデバイス。
【請求項75】
前記筐体によって携持され、前記第1のポートに流体連結されるガイドワイヤポートをさらに備える、請求項68に記載のデバイス。
【請求項76】
前記第1のポートに連結されるプローブと、前記第2のポートに連結されるシリンジとをさらに備え、それにより、一緒に連結され、軸方向および順番に配設された該プローブと、該デバイスと、該シリンジとを備えるアセンブリを提供する、請求項68に記載のデバイス。
【請求項77】
前記デバイスは、医療提供者による手持ち式の使用のためにサイズ決定される、請求項68に記載のデバイス。
【請求項78】
患者の解剖学的環境内の圧力の変動以外の要因からの前記デバイス内の圧力の変動に適応するように構造化された圧力緩和または緩衝システムをさらに備える、請求項68に記載のデバイス。
【請求項79】
前記圧力緩和または緩衝システムは、前記デバイスの圧力管と流体チャネルとの間に配置される貯留部を備える、請求項78に記載のデバイス。
【請求項80】
身体の中に挿入されたプローブの遠位部分が標的解剖学的環境内に位置しているかどうかを検出するデバイスであって、該デバイスは、
筐体であって、近位部分、および該プローブに着脱可能に連結可能である第1のポートを有する遠位部分を有する筐体と、
該筐体によって携持される圧力感知ユニットであって、連結されたプローブが設置されている環境の圧力に応じて圧力信号を生成するように構成される感知ユニットと、
該感知ユニットに連結され、該筐体によって携持される処理ユニットであって、該圧力信号を受信し、該信号に基づいて該連結されたプローブの近位部分の周囲の該環境の圧力値を決定するように構成される処理ユニットと、
該処理ユニットに連結され、該筐体によって携持される出力ユニットであって、該決定された圧力値に基づいて報告信号を視覚ディスプレイに出力するように構成される出力ユニットと、
該筐体によって携持され、該第1のポートに流体連結されるガイドワイヤポートと
を備える、デバイス。
【請求項81】
前記筐体の前記近位部分は、シリンジに着脱可能に連結可能である第2のポートを備え、前記第1のポートは、チャネルの周囲において該第2のポートに流体連結される、請求項80に記載のデバイス。
【請求項82】
前記チャネルは、前記デバイスの外面に少なくとも部分的に半透明であることにより、該チャネル内の流体の可視化を可能にする、請求項81に記載のデバイス。
【請求項83】
前記ガイドワイヤポートは、前記チャネルに流体連結される、請求項81に記載のデバイス。
【請求項84】
前記圧力感知ユニットは、前記チャネルと動作可能に連通している、請求項81に記載のデバイス。
【請求項85】
前記視覚ディスプレイは、前記筐体によって携持されると近位に角度を成している、請求項80に記載のデバイス。
【請求項86】
請求項81に記載のデバイスと、前記第1のポートに連結されるプローブと、前記第2のポートに連結されるシリンジとを備える、アセンブリ。
【請求項87】
前記ガイドワイヤポートを通して前進させられるガイドワイヤをさらに備え、該ガイドワイヤの遠位部分は、前記プローブの遠位端から外に伸張する、請求項86に記載のアセンブリ。
【請求項88】
身体の中に挿入されたプローブの遠位部分が標的解剖学的環境内に位置しているかどうかを検出するデバイスであって、該デバイスは、
筐体であって、該プローブに着脱可能に連結可能である第1のポートを有する遠位部分、および閉鎖近位部分を有する筐体と、
該筐体によって携持される圧力感知ユニットであって、連結されたプローブが設置されている環境の圧力に応じて、圧力信号を生成するように構成される感知ユニットと、
該感知ユニットに連結され、該筐体によって携持される処理ユニットであって、該圧力信号を受信し、該信号に基づいて、該連結されたプローブの近位部分の周囲の該環境の圧力値を決定するように構成される処理ユニットと、
該処理ユニットに連結され、該筐体によって携持される出力ユニットであって、該出力ユニットは、該決定された圧力値に基づいて、報告信号を視覚ディスプレイに出力するように構成され、該視覚ディスプレイは、該筐体によって携持されると近位に角度を成している、出力ユニットと
を備え、該圧力感知ユニット、処理ユニット、および出力ユニットは、実質的に該筐体の該第1のポートと該近位部分との間に配置される、デバイス。
【請求項89】
請求項68、80、または88に記載のデバイスを提供することと、該デバイスの前記第1のポートに連結されるプローブの遠位部分を患者の前記身体の中に挿入することと、該プローブが設置されている環境の圧力を検出することと含む、方法。
【請求項90】
前記検出された圧力に応じて、前記デバイスまたは前記連結されたプローブの遠位部分の位置を操作または維持することをさらに含む、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記検出された圧力に応じて、ガイドワイヤ、カテーテル、または化学剤を導入することをさらに含む、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記検出された圧力に応じて、前記プローブが設置されている前記環境から流体を吸引することをさらに含む、請求項90に記載の方法。
【請求項93】
前記プローブが設置されている前記患者の身体環境は、血管、くも膜下腔、硬膜外腔、胸膜腔、血流低下の疑いがある身体区画、麻酔薬の注入のために標的化される神経に近接した組織、足首の動脈、血管移植片、または動静脈瘻を含む、請求項89に記載の方法。
【請求項94】
請求項68、80、または88に記載のデバイス、および前記第1のポートに連結するための1つ以上のプローブ、1つ以上のシリンジ、ガイドワイヤ、もしくはカテーテル、またはそれらの組み合わせを備える、キット。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図13F】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【公表番号】特表2013−502269(P2013−502269A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525532(P2012−525532)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/002305
【国際公開番号】WO2011/022073
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(512041115)ミラドール バイオメディカル, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】