説明

模様付きグラス

【課題】娯楽性に優れているとともに、容易に模様の加工を施すことが可能な模様付きグラスを提供する。
【解決手段】内表面にサンドブラスト加工により模様12が施されていることを特徴とする模様付きグラス10である。外表面に前記内表面に施された模様12と関連する模様14が施されており、前記内表面に施された模様12は、グラス10内に液体16が充填された際に外側からは認識できないように調整されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填された液体の量に応じて模様が変化する模様付きグラスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、飲料を食する際にその飲料が注がれるものとして、ガラス製のコップであるグラスが利用されている。このグラスには、様々な形状、様々な模様が施されており、娯楽性を高めるために、模様の施し方にも様々な工夫がなされている。例えば、ガラスの外表面に濡れ性の異なる膜層を部分的に設け、膜層を設けた部分と膜層を設けない部分とで絵柄などの模様を構成することによって、グラスに冷たい飲料が注がれると模様が白く浮き出てくるように構成されたグラスがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−51044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献1に開示されているものは、娯楽性に優れているものの、濡れ性の異なる複数の膜層を設けるなど加工処理が煩雑であるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、娯楽性に優れているとともに、容易に模様の加工を施すことが可能な模様付きグラスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の目的を達成するため、本発明は、内表面にサンドブラスト加工により模様が施されていることを特徴とする模様付きグラスである。
【0007】
本発明に係る模様付きグラスは、内表面にサンドブラスト加工による模様が施されているので、グラス内に飲料を注ぐと、サンドブラスト加工による模様が濡れて、外側からは認識できないか、あるいはほとんど認識できない程度に薄くなる。このグラスに飲料を注ぐと内面の模様が認識できないか、あるいはほとんど認識できなくなるので、意外性が生じる。また、グラスに注がれた飲料が飲まれて少なくなってくると、徐々に模様が浮き出てくることとなる。よって、娯楽性に優れている。また、サンドブラスト加工によって模様が施されるので、容易に模様の加工を行うことができる。
【0008】
本発明に係る模様付きグラスにおいて、外表面に前記内表面に施された模様と関連する模様が施されていることが好ましく、このように内表面の模様を外表面と関連させることによって、娯楽性を向上させることができる。また、内表面の模様と外表面の模様とが関連した一対の図柄となり、物語性のある絵とすることもできる。
【0009】
本発明に係る模様付きグラスにおける外表面の模様は、ガラスエナメルを用いて印刷焼付けをすることにより施されることが好ましい。外表面の模様もサンドブラスト加工として、内表面と外表面に模様を加工した場合、飲料を入れる際に外表面も濡れることで、内表面と外表面の模様がともに認識できないか、あるいはほとんど認識できなくなってしまう。ここで外表面の模様をガラスエナメル焼きつけ加工とすることにより、外表面の模様が消えることはない。また、エナメルに色彩をつけてコントラストを強調することができ、視覚効果をあげることもできる。
【0010】
また、本発明に係る模様付きグラスにおいて、前記内表面に施された模様は、グラス内に液体が充填された際に外側からは認識できないように調整されていることが好ましく、このような調整は、サンドブラスト加工を粗く施すことによって行うことができる。
【0011】
本発明に係る模様付きグラスにおいて、サンドブラスト加工は、既知の方法によって施すことができる。例えば、模様を施す部分を薄くするか、あるいは切り抜いた状態で、樹脂でグラスの内外表面全域をコーティングし、高圧エアーによってガラスビーズなどの微粒子をグラスの内外表面全域を吹き付けることによって行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明に係るグラスによれば、娯楽性に優れているとともに、容易に模様の加工を施すことが可能な模様付きグラスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る模様付きグラスの実施例の正面斜視図である。
【図2】本実施例に係る模様付きグラスの動作を示す正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る模様付きグラスの実施例について図面に基づいて説明する。図1は、本実施例に係る模様付きグラスの正面斜視図である。本実施例に係る模様付きグラス10の内表面10Aに内側模様12は既知の方法のサンドブラスト加工によって施されている。また、その外表面10Bに外側模様14は既知の方法のガラスエナメル焼きつけ加工によって施されている。本実施例に係る模様付きグラスにおいて、これら内側模様12と外側模様14は、関連している。すなわち、内側模様12として、男性が描写されており、外側模様14として、その男性と向かい合った女性が描写されている。また、内側模様12は、飲料がグラス10に注がれると、外側から認識することができないか、あるいは薄くほとんど認識できないように、サンドブラスト加工を粗くすることによって調整されている。
【0015】
次に、本実施例に係る模様付きグラスの動作を図2に基づいて説明する。先ず、図2(a)に示すように、内側模様12が隠れる程度、飲料16がグラス10内に注がれると、内側模様12は、外側からは、認識できなくなる。そして、グラス10内の飲料16が減ってくると、図2(b)に示すように内側模様12の上方部分が徐々に外側から認識できるようになってくる。最後に、飲料16がなくなると、図2(c)に示すように内側模様12が外側から完全に認識できるようになる。
【符号の説明】
【0016】
10 模様付きグラス
12 内側模様
14 外側模様
16 飲料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内表面にサンドブラスト加工により模様が施されたことを特徴とする模様付きグラス。
【請求項2】
外表面に、前記内表面に施された模様と関連する模様が施されていることを特徴とする請求項1記載の模様付きグラス。
【請求項3】
前記外表面に施された模様は、ガラスエナメル焼付け加工によって施されていることを特徴とする請求項2記載の模様付きグラス。
【請求項4】
前記内表面に施された模様は、グラス内に液体が充填された際に外側からは認識できないか、あるいはほとんど認識できない程度に薄くなるように調整されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の模様付きグラス。



【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−29672(P2010−29672A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207626(P2009−207626)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3130981号
【原出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000181756)株式会社ハリオ研究所 (2)
【Fターム(参考)】