説明

横型多段プレス装置

【課題】 複数の押圧シリンダの駆動を個別に又は一括して制御することによって、例えば搬入される板材の大きさが変化したとき押圧シリンダの押圧位置を移動調節しなくても、加熱圧着後の板材(積層合板)の厚さを許容寸法の範囲内に保持でき、さらに板材の材質の変化等にも適応できる横型多段プレス装置を提供する。
【解決手段】 各押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLのラム153LH,153RH,153LL,153RLは、押圧盤140F,140Bの押圧面141に対する押圧位置が不変となるように、それぞれ押圧盤140F,140Bに固定されている。押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLは、例えば被処理板材W1の大きさや材質が変化しても、加熱押圧後の被処理体Wの全体厚さが押圧面141の全体にわたって所定の許容寸法の範囲内にあるように、個別に駆動制御されて加熱押圧処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板材を加熱押圧処理する横型多段プレス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
合板、化粧板、ベニヤ単板等の板材(被処理板材)を加熱押圧して所定の板厚に成形する多段プレス装置(ホットプレス)において、多数の板材を複数配置された熱板の間にそれぞれ起立状態で搬入し、両外側に配置された押圧盤の少なくとも一方を駆動することによって加熱押圧する横型方式が知られている。この横型方式(横型ホットプレス)は、水平方向に保持された板材と熱板とを上下方向に交互に積み重ねて加熱押圧する縦型方式(縦型ホットプレス)に比して、板材や熱板自身の重量の影響による成形ムラ(板厚の不揃い)が発生しにくい利点を有する。
【0003】
そして、このような横型ホットプレスでは、矩形状の板材の長辺の一方(下辺)を搬送基準面としてプレス装置に搬入し、長手方向(左右方向)に配置する2個の押圧シリンダ(例えば油圧シリンダ)の押圧位置を板材の短辺方向(上下方向)の中心位置と合致させるようにして加熱押圧するのが一般的である。ところが、昨今では板材の大きさが多様化し、例えば、従来一般的であった通称6尺(6尺(1.8m)×3尺(0.9m))だけでなく、通称8尺(8尺(2.4m)×4尺(1.2m))や通称10尺(10尺(3m)×5尺(1.5m))の板材も多く出回っている。
【0004】
このように、搬入される板材の大きさが変化すると、板材に対する押圧シリンダの押圧位置が変動し、板材の傾きが大きくなって加熱圧着後の厚さが部位により不均一になることがある。そこでこれまでは、搬入される板材の大きさに応じて、押圧シリンダの押圧位置を移動調節機構(例えば昇降用油圧シリンダ)によって押圧盤の押圧面に対して移動調節(昇降)し、板材に対する押圧シリンダの相対的な押圧位置が変動しないようにしていた(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2007−313864号公報
【0006】
特許文献1のように、押圧盤(押圧面)に対して押圧シリンダの押圧位置を移動調節することによって、板材の大きさの多様化に対して適用範囲を広げることが可能となる。しかし、押圧シリンダの押圧位置移動調節機構は、多数(例えば数十枚)の板材と熱板とからなる被処理体を押圧するために頑丈で重い構造物となる押圧シリンダを移動調節(昇降)しなければならないので、上記した昇降用油圧シリンダのようにさらに頑丈で強固な構造が必要となり、ホットプレスの製造コストが上昇する。
【0007】
また、板材は、その大きさとともに、材質(木質)によっても異なる性質を有している。例えば、欅、ラワンのように硬く弾力性や反発力が相対的に大きい合板等(硬質材)では、反発による戻り(スプリングバック)現象で板材が傾いたり、厚さが不揃いになったりしやすい。一方、杉、桐のように軟らかく弾力性や反発力が相対的に小さい合板等(軟質材)では、押圧によって容易に厚さが減少しやすく、規定の駆動圧力であっても加熱圧着後の厚さが部分的に(特にシリンダ押圧位置で)規定より薄くなりやすい。したがって、押圧シリンダの押圧位置移動調節機構だけでは、このような板材の大きさや材質による差異に十分に対応することができず、加熱圧着後の板材である積層合板に、傾きの発生に伴う厚さの不揃いや、シリンダ押圧位置での規格外れ厚さ等が発生しやすかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、複数の押圧シリンダの駆動を個別に又は一括して制御することによって、例えば搬入される板材の大きさが変化したとき押圧シリンダの押圧位置を移動調節しなくても、加熱圧着後の板材(積層合板)の厚さを許容寸法の範囲内に保持でき、さらに板材の材質の変化等にも適応できる横型多段プレス装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の横型多段プレス装置は、
単板の接合面に接着剤を塗布して積層された矩形状の板材の長辺の一方を搬送基準面とし、複数配置された熱板の間にそれぞれ起立状態で搬入して、厚さ方向に重ね合わせることにより被処理体を構成し、その被処理体の重ね合わせ方向の外側から押圧することにより前記板材を加熱圧着し、複数の木製積層合板を一括して製造する横型多段プレス装置において、
前記板材の板面に対して互いに異なる複数の位置に配置され、前記被処理体をそれぞれ重ね合わせ方向から押圧する複数の押圧シリンダと、
それら複数の押圧シリンダの駆動を個別に又は一括して制御するシリンダ制御部とを備え、
前記複数の押圧シリンダのうち、少なくとも前記板材の搬送基準面寄りに配置された押圧シリンダは、前記板材の板面に対する押圧位置が不変とされ(た固定式押圧シリンダを構成す)ることを特徴とする。
【0010】
さらに具体的には、
単板の接合面に接着剤を塗布して積層された矩形状の板材の長辺の一方を搬送基準面とし、複数配置された熱板の間にそれぞれ起立状態で搬入して、厚さ方向に重ね合わせることにより被処理体を構成し、その被処理体の重ね合わせ方向の両外側に配置された押圧盤の少なくとも一方を駆動することにより前記板材を加熱圧着し、複数の木製積層合板を一括して製造する横型多段プレス装置において、
前記押圧盤の押圧面に対して互いに異なる複数の位置に配置され、その押圧盤を駆動して前記被処理体をそれぞれ重ね合わせ方向から押圧する複数の押圧シリンダと、
それら複数の押圧シリンダの駆動を個別に又は一括して制御するシリンダ制御部とを備え、
前記複数の押圧シリンダのうち、少なくとも前記板材の搬送基準面寄りに配置された押圧シリンダは、前記押圧盤の押圧面に対する押圧位置が不変とされ(た固定式押圧シリンダを構成す)る場合がある。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明の横型多段プレス装置の具体的態様は、
単板の接合面に接着剤を塗布して積層された矩形状の板材の長辺の一方を搬送基準面とし、複数配置された熱板の間にそれぞれ起立状態で搬入して、厚さ方向に重ね合わせることにより被処理体を構成し、その被処理体の重ね合わせ方向の両外側に配置された押圧盤の少なくとも一方を駆動することにより前記板材を加熱圧着し、複数の木製積層合板を一括して製造する横型多段プレス装置において、
前記押圧盤の押圧面にて中央付近に配置され、その押圧盤を接近・離間させて閉鎖・開放する開閉シリンダと、
その開閉シリンダの周囲を取り巻くように(放射状に)前記押圧盤の押圧面に対して互いに異なる複数の位置に配置され、その押圧盤を駆動して前記被処理体をそれぞれ重ね合わせ方向から押圧する複数の押圧シリンダと、
それら複数の押圧シリンダの駆動を個別に又は一括して制御するシリンダ制御部とを備え、
前記複数の押圧シリンダのうち、少なくとも前記開閉シリンダよりも前記板材の搬送基準面寄りに配置された押圧シリンダは、前記押圧盤の押圧面に対する押圧位置が不変とされ(た固定式押圧シリンダを構成す)ることを特徴とする。
【0012】
これらの横型多段プレス装置では、例えば搬入される板材の大きさや材質が変化した場合でも、複数の押圧シリンダ(例えば4本の油圧シリンダ(流体圧シリンダ))の駆動を個別に又は一括して制御することによって加熱圧着後の板材の厚さを許容寸法の範囲内に保持できるようになる。したがって、頑丈で重い構造物である押圧シリンダのうちの少なくとも板材の搬送基準面寄りに配置されたものについて、押圧位置を移動調節するための押圧位置移動調節機構を設けなくてもよくなるので、構造の簡素化を図り、組立・設置等に要する製造コストや稼動・修理等に要するランニングコストを削減できる。また、加熱圧着後の個々の板材(積層合板)の厚さではなく被処理体(板材+熱板)の全体厚さを押圧シリンダの駆動距離にて検出できるので、検出に要する時間も減らすことができる。したがって、制御の遅れが原因となって、板材の傾きが発生し厚さの不揃いとなったり、押圧シリンダの停止が遅れて規格外れ厚さとなったりすることを防止できる。
【0013】
しかも、押圧シリンダの他に、押圧盤の開閉専用の開閉シリンダ(例えば1本の油圧シリンダ(流体圧シリンダ))を設ける場合には、ロングスパンでの高速移動を要する開閉シリンダとショートスパンでの微細移動を要する押圧シリンダとを使い分けることができる。したがって、押圧盤の開閉動作の迅速化によりホットプレスの作業能率が向上するとともに、押圧シリンダの駆動制御が押圧盤の開閉動作に影響されずに高精度で行える。
【0014】
さらに、複数の押圧シリンダは、開閉シリンダの周囲を取り巻くように(放射状に)押圧盤の押圧面に対して配置されている。これにより、押圧盤に対して複数の押圧シリンダを同時に押圧駆動させても、板材(すなわち押圧盤)に傾きが発生しにくくなる。例えば、複数の押圧シリンダが、開閉シリンダに関して互いに点対称及び/又は線対称の位置になるように配置されていると、各押圧シリンダの駆動圧力が押圧盤に対して同時にかつ均等に作用するようになる。
【0015】
なお、複数のうち少なくともいずれか(例えば4本のうち2本)の押圧シリンダが、板材の板面(押圧盤の押圧面)に対して押圧位置が不変とされた固定式に構成されていればよい。したがって、残り(例えば2本)の押圧シリンダを、押圧位置が板材の搬入方向と交差(直交)する方向(例えば上下方向)へ変更(昇降)可能な移動式に構成した場合であっても、押圧シリンダの押圧位置移動調節機構の簡素化を図ることができる。
【0016】
また、複数の押圧シリンダを、板材の板面(押圧盤の押圧面)に対する押圧位置が搬送基準面に沿って複数の列状(例えば2列状)に並ぶように分散して配置することができる。このように、複数の押圧シリンダを搬送基準面に沿って複数の列状に並べることによって、搬送基準面から同じ距離にある同列の押圧シリンダ群に対して、押圧シリンダの駆動圧力や駆動距離を共通設定することができ、プレス制御を円滑に実行することができる。
【0017】
そして、複数の押圧シリンダは、
(開閉シリンダよりも)板材の搬送基準面寄りの(下側)領域に配置され、かつ板材の板面(押圧盤の押圧面)に対する押圧位置が不変とされた複数の固定式押圧シリンダと、
(同じく)前記搬送基準面から遠い(上側)領域に配置され、かつ板材の板面(押圧盤の押圧面)に対する押圧位置が固定式押圧シリンダの押圧位置に対して(上下方向へ)変更可能とされた複数の移動式押圧シリンダとを含む場合がある。
【0018】
このように、複数の押圧シリンダの一部(例えば4本のうちの2本)を固定式押圧シリンダとすることによって、押圧シリンダの押圧位置移動調節機構の簡素化を図ることができる。また、搬送基準面から遠い側の押圧シリンダが移動式押圧シリンダとして位置変更可能となったことにより、板材の大きさが変化したとき板材(搬送基準面と反対側の長辺)との相対的な位置関係が変動しても、移動式押圧シリンダの押圧位置を変更することができる。なお、移動式押圧シリンダの押圧位置移動調節機構には、例えば昇降用油圧シリンダ(流体圧シリンダ)を用いることができる。このようにして、板材の大きさが変化したときに、押圧シリンダの駆動圧力の調整幅(目標値の許容差)や押圧シリンダの駆動距離の調整幅(設定値の許容差)を小幅に留めることができる。
【0019】
あるいは、複数の押圧シリンダは、押圧盤の押圧面に対する押圧位置が不変とされた偶数の固定式押圧シリンダで構成され、開閉シリンダに関して互いに点対称及び/又は線対称の位置になるように配置される場合がある。
【0020】
このように、すべての押圧シリンダを固定式とすることによって、押圧シリンダの押圧位置移動調節機構を設けずにすみ、一層の簡素化を図ることができる。また、複数の押圧シリンダが、開閉シリンダに関して互いに点対称及び/又は線対称の位置になるように配置されていると、各押圧シリンダの駆動圧力が押圧盤に対して同時にかつ均等に作用するようになる。
【0021】
以上のような横型多段プレス装置において、シリンダ制御部は、複数の押圧シリンダが被処理体を押圧する際の駆動距離をそれぞれ検出する距離検出手段と、それら複数の押圧シリンダに付与される駆動圧力をそれぞれ検出する圧力検出手段とを有し、加熱押圧後の被処理体全体の厚さを許容寸法の範囲内とするために、距離検出手段で検出される各押圧シリンダの駆動距離が所定の設定範囲内において偏りなく均一に近づくように各押圧シリンダを個別に駆動制御することが望ましい。
【0022】
このように、押圧シリンダに付与される駆動圧力や押圧シリンダの駆動距離を各押圧シリンダ毎に検出して制御するので、各押圧シリンダから得られる検出値(駆動圧力と駆動距離)に基づいて直ちに各押圧シリンダの駆動を個別に制御することができ、制御の簡素化と迅速化を図ることができる。なお、押圧シリンダに付与される駆動圧力を検出する圧力検出手段として、例えば押圧シリンダのシリンダ内圧を検出する圧力センサを用いることができる。また、押圧シリンダの駆動距離を検出する距離検出手段として、例えば押圧シリンダのラム移動量を検出するリニアエンコーダを用いることができる。
【0023】
このような横型多段プレス装置において、例えば硬い材質で弾力性・反発力が大きい合板(硬質材)の場合、
上記シリンダ制御部は、
複数の押圧シリンダの押圧駆動に伴って各押圧シリンダの駆動圧力が所定の目標範囲に達したとき、距離検出手段で検出される各押圧シリンダの駆動距離が設定範囲内であり、かつ偏りなく均一とみなせる均一範囲内にある場合には、複数の押圧シリンダの押圧駆動を停止することができる。
【0024】
具体的には、上記シリンダ制御部は、
複数の押圧シリンダの押圧駆動に伴って各押圧シリンダの駆動圧力が所定の目標範囲に達したとき、距離検出手段で検出される各押圧シリンダの駆動距離が設定範囲内であり、かつ偏りなく均一とみなせる均一範囲内にある場合には、複数の押圧シリンダの押圧駆動を停止する一方、
いずれかの押圧シリンダの駆動距離が均一範囲内にない場合には、その押圧シリンダの駆動圧力に係る目標範囲の上下限を拡大する(広げる)ことによって、対応する押圧シリンダの駆動圧力を増圧又は減圧可能とすることができる。
【0025】
欅、ラワンのように硬く弾力性や反発力が相対的に大きい合板等(硬質材)では、反発による戻り(スプリングバック)現象で板材が傾きやすい。そこで、まず各押圧シリンダの駆動圧力を目標範囲内に到達させ、そのときの各押圧シリンダの駆動距離が設定範囲内であってかつ均一範囲内であれば、板材の傾きは0か極めて小さいと考えられるので、押圧シリンダの押圧駆動を停止する。他方、いずれかの押圧シリンダの駆動距離が均一範囲内になければ、是正(緩和)すべき傾きが板材に発生していると考えられるので、押圧シリンダの駆動圧力に係る目標範囲の上下限を許容できる範囲まで広げて対応する押圧シリンダの駆動圧力を増圧(又は減圧)する。このように押圧シリンダの駆動を圧力重視で個別に制御するので、特に硬質材における戻り現象によって板材が一時的に傾いても、被処理体(板材+熱板)の全体厚さを所定の許容寸法に仕上げる過程において板材の傾きを是正(緩和)できるので、不良品の発生を抑制し製品歩留まりを向上させることができる。
【0026】
一方、例えば軟らかい材質で弾力性・反発力が小さい合板(軟質材)の場合、
上記シリンダ制御部は、
複数の押圧シリンダの押圧駆動に伴って各押圧シリンダの駆動距離が設定範囲に達したとき、圧力検出手段で検出される各押圧シリンダの駆動圧力が所定の目標範囲内であり、かつ距離検出手段で検出される各押圧シリンダの駆動距離が偏りなく均一とみなせる均一範囲内にある場合には、複数の押圧シリンダの押圧駆動を停止することができる。
【0027】
具体的には、上記シリンダ制御部は、
複数の押圧シリンダの押圧駆動に伴って各押圧シリンダの駆動距離が設定範囲の下限に達したとき、圧力検出手段で検出される各押圧シリンダの駆動圧力が所定の目標範囲の上限以下であり、かつ距離検出手段で検出される各押圧シリンダの駆動距離が偏りなく均一とみなせる均一範囲内にある場合には、複数の押圧シリンダの押圧駆動を停止する一方、
いずれかの押圧シリンダの駆動距離が均一範囲内にない場合には、対応する押圧シリンダの駆動距離が設定範囲の上限以下であればその駆動圧力を増圧可能とすることができる。
【0028】
杉、桐のように軟らかく弾力性や反発力が相対的に小さい合板等(軟質材)では、押圧によって容易に厚さが減少しやすく、規定の駆動圧力であっても加熱圧着後の厚さが部分的に(特にシリンダ押圧位置で)規定より薄くなりやすい。そこで、各押圧シリンダの駆動距離が設定範囲(の下限)に到達したとき、各押圧シリンダの駆動圧力が所定の目標範囲内(目標範囲の上限以下)であって、かつ各押圧シリンダの駆動距離が均一範囲内であれば、板材の傾きは0か極めて小さいと考えられるので、押圧シリンダの押圧駆動を停止する。他方、いずれかの押圧シリンダの駆動距離が均一範囲内になければ、是正(緩和)すべき傾きが板材に発生していると考えられるので、対応する押圧シリンダの駆動距離が設定範囲の上限以下であればその駆動圧力を増圧する。このように押圧シリンダの駆動を距離重視で個別に制御するので、特に軟質材に対して押圧過剰の発生を防止(監視)しつつ、被処理体(板材+熱板)の全体厚さを所定の許容寸法に仕上げる過程において板材の傾きを是正(緩和)できるので、不良品の発生を抑制し製品歩留まりを向上させることができる。
【0029】
ところで、押圧シリンダの駆動距離が均一範囲内にあるか否かは、距離検出手段で検出された各々の押圧シリンダの駆動距離の差の大小、又はそれら駆動距離の検出値から演算された板材の傾きの大小によって判定することができる。
【0030】
これによって、被処理体(板材+熱板)の全体厚さを所定の許容寸法に仕上げる過程において、各押圧シリンダの駆動距離の検出値から駆動距離の差又は板材の傾きを求め、駆動距離が均一範囲内にあるか否かを判定して、板材の傾きを迅速に是正(緩和)できるので、不良品の発生を抑制し製品歩留まりを飛躍的に向上させることができる。なお、駆動距離が均一範囲内にあるか否かを駆動距離の差の大小によって判定する場合には、判定に用いる駆動距離の差(最大許容幅;例えば20mm)は駆動距離の設定範囲の幅(最大許容幅;例えば40mm=±20mm)よりも小さく(例えば1/2)設定されるのが通常である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
(実施例1)
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。図1はプレス構造を含む横型多段プレス装置の一例を示す正面図である。図1に示す横型多段プレス装置1は、合板、化粧板等のように、複数枚のベニヤ単板の接合面に接着剤を塗布して積層し、矩形板状となした水平状態の多数の被処理板材W1(板材)を、ローダ部200(搬入部)で起立状態に保持してホットプレス部100(加熱加圧部)へ搬入する。ホットプレス部100で所定時間加熱加圧して、所定の厚みに成形された処理済板材W2(積層合板)を、アンローダ部300(搬出部)で再び水平状態に戻して搬出する。
【0032】
ホットプレス部100には、上下方向(起立方向)及び左右方向(搬送方向;搬入方向)に各々所定の間隔を隔てて配置された各一対の上下の横梁101L,101R、102L,102Rを介して、前後方向(押圧方向)に一対の固定フレーム103F,103B(図3参照)が配設されている。上方の横梁101L,101Rに敷設された軌条104L,104Rには、移動ローラ105L,105R(移動部材)が取り付けられている。軌条104L,104R間には、移動ローラ105L,105Rを介して、多数段の熱板130と前後方向に一対又は単一(例えば一対)の押圧盤140F,140B(図3参照)が吊下げ支持されている。固定フレーム103F,103Bには、所定の間隔を隔てて複数(例えば4個)の押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RL(油圧シリンダ;流体圧シリンダ)がそれぞれ挿通され、そのラム153LH,153RH,153LL,153RLの先端が押圧盤140F,140Bに取り付けられている(図3参照)。なお、固定フレーム103F,103Bのうちいずれか一方が押圧盤を兼ねてもよい。
【0033】
熱板130の下方には、起立状態の被処理板材W1を下側から支持して、ローダ部200からホットプレス部100へ搬入するローラコンベヤ160(搬送体)が配置されている。ローラコンベヤ160は、被処理板材W1を搬入するために、すべての搬入径路K(図3参照)に跨る前後方向の幅を有する複数(例えば4本)の爪付きローラ161を備え、下方の横梁102L,102Rに掛け渡された機枠108に配設されている。ローダ部200からローラコンベヤ160で搬入された被処理板材W1は熱板130で加熱圧着された後、処理済板材W2となって再びローラコンベヤ160でアンローダ部300へ搬出される。
【0034】
ホットプレス部100の搬入側(搬送方向の上流側(後方側))には、ローダ部200が配設されている。ローダ部200には、架台201上に所定の間隔を隔てて左右一対のチェンコンベヤ202L,202R(無端体)が配置されている。チェンコンベヤ202L,202Rにはローダ棚203が設けられている。架台201上には、ホットプレス部100のローラコンベヤ160へ起立状態の被処理板材W1を受け渡すための搬入コンベヤ210(搬入体)が配置されている。搬入コンベヤ210は、すべての被処理板材W1(搬入径路K;図3参照)に跨る前後方向の幅を有する複数(例えば4本)の爪付きローラ211を備えている。
【0035】
ホットプレス部100の搬出側(搬送方向の下流側(前方側))には、アンローダ部300が配設されている。アンローダ部300には、架台301上に所定の間隔を隔てて左右一対のチェンコンベヤ302L,302R(無端体)が配置されている。チェンコンベヤ302L,302Rにはアンローダ棚303が設けられている。架台301上には、ホットプレス部100のローラコンベヤ160から起立状態の処理済板材W2を受け取るための搬出コンベヤ310(搬出体)が配置されている。搬出コンベヤ310は、すべての処理済板材W2に跨る前後方向の幅を有する複数(例えば4本)の爪付きローラ311を備えている。
【0036】
次に、図2はプレス構造の一例を示す平面図、図3はその側面図、図4はプレス閉鎖状態を示す側面図である。図2に示すホットプレス部100(加熱加圧部;プレス構造)には、水平方向における前後位置に固定フレーム103F,103Bを固定配置し、固定フレーム103F,103B間の上部に、平行状態で上方の横梁101L,101Rを設けてある。横梁101L,101Rに設けられた軌条104L,104Rには、前後方向に移動自在な複数の移動ローラ105L,105R(移動部材)を設けている。移動ローラ105L,105Rは、周知のごとくコロの転動状態や、面接触による摺動状態で移動するものであり、要するに水平方向に直線的に移動可能な手段であればよい。
【0037】
各移動ローラ105L,105Rは、プレス閉鎖時に上下方向に起立した被処理板材W1を間に挟んで加熱するために、熱板130の上方側が連結され、これら複数の熱板130は、前後方向に並設状態で吊持されて熱板群を構成する。またプレス開放時には、被処理板材W1が熱板群における熱板130の間に介挿できるように、隣り合う熱板130は搬送方向に平行に位置して所定間隔を保つようにしている。なお、熱板130の内部に、蒸気、熱油などを給排し、その温度を被処理板材W1の種類に応じて維持している。
【0038】
また、熱板群の熱板130に連繋し、熱板130を前後方向に移動し、プレス閉鎖およびプレス開放を行うようにした前後一対の押圧盤140F,140Bを備えている。押圧盤140F,140Bは、熱板群における前後方向の両側に位置するそれぞれの熱板130に対向して配設され、押圧盤140F,140Bの上方側を移動ローラ105L,105Rに連結して前後方向に移動自在に吊持する。また、押圧盤140F,140Bは、固定フレーム103F,103Bに設けられる押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLのラム153LH,153RH,153LL,153RLと連結し、ラム153LH,153RH,153LL,153RLによって前後方向に往復動自在となしている。なお、図2の押圧盤140F,140Bは、固定フレーム103F,103Bに対していずれも前後方向に往復動する。
【0039】
この実施例では、各押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLのラム153LH,153RH,153LL,153RLは、押圧盤140F,140Bの押圧面141に対する押圧位置が不変となるように、それぞれ押圧盤140F,140Bに固定されている。そして、押圧盤140F,140Bの両外側であって押圧面141の中央付近には、押圧盤140F,140Bを接近・離間させて閉鎖・開放する開閉シリンダ180(油圧シリンダ;流体圧シリンダ)が配置されている(図3,図4参照)。
【0040】
したがって、起立状の被処理板材W1は、矩形状の長辺の一方(下辺)を搬送基準面B(図5参照)として熱板130の間に搬入される。被処理板材W1と熱板130とは厚さ方向に多数重ね合わされて、ホットプレス用の被処理体Wを構成する。押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLによる被処理体W(被処理板材W1)の加熱押圧処理に先立ち、開閉シリンダ180が押圧盤140F,140Bを閉鎖する。押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLは、例えば被処理板材W1の大きさや材質が変化しても、加熱押圧後の被処理体Wの全体厚さが押圧面141の全体にわたって所定の許容寸法の範囲内にあるように、個別に駆動制御されて加熱押圧処理を行う。押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLによる加熱押圧処理が完了すると、開閉シリンダ180は押圧盤140F,140Bを開放する。
【0041】
次に、本発明に係るプレス制御システムの具体的構造を図5〜図7に示す。図5はプレス制御システムの配置関係の一例を示す正面図、図6はその油圧回路図、図7はその電気的構成を示すブロック図を表わす。
【0042】
図5の配置図に示すように、4本の押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLは、開閉シリンダ180の周囲を取り巻くように(放射状に)押圧盤140F,140Bの押圧面141に対して配置されている。具体的には、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLは、開閉シリンダ180に関して互いに点対称及び線対称になるように配置されているので、各押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLに付与される駆動圧力(すなわちシリンダ内圧)が押圧盤140F,140Bに対して同時にかつ均等に作用するようになる。
【0043】
また、4本の押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLは、押圧盤140F,140Bの押圧面141に対する押圧位置が搬送基準面B(ローラコンベヤ160)に沿って上下2列に並ぶように分散配置されている。すなわち、開閉シリンダ180よりも搬送基準面Bから遠い上側領域に配置される左上押圧シリンダ150LH及び右上押圧シリンダ150RHが上方列、搬送基準面B寄りの下側領域に配置される左下押圧シリンダ150LL及び右下押圧シリンダ150RLが下方列を構成する。このように、押圧盤140F,140Bの押圧面141に対して押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLを均等に配置することにより、加熱押圧時に被処理板材W1の傾きが発生しにくくなる。
【0044】
各押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLは、被処理体Wの全体厚さの減少量をラム153LH,153RH,153LL,153RLの移動量(駆動距離)として検出する押圧シリンダ用リニアエンコーダ151LH,151RH,151LL,151RL(移動量検出手段;距離検出手段)と、押圧盤140F,140Bの押圧力を押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLのシリンダ内圧(駆動圧力)として検出する押圧シリンダ用圧力センサ152LH,152RH,152LL,152RL(圧力検出手段)とを備えている。一方、開閉シリンダ180は、押圧盤140F,140Bの閉鎖・開放をシリンダ内圧の高低で検出する開閉シリンダ用圧力スイッチ181(圧力検出手段)を備えている。なお、ラム移動量表示部106LH,106RH,106LL,106RL及びシリンダ内圧表示部107LH,107RH,107LL,107RLが設けられ、リニアエンコーダ151LH,151RH,151LL,151RLや圧力センサ152LH,152RH,152LL,152RLの検出値がトランスミッタ(送信器)等を介して表示される。
【0045】
図6の油圧回路図に示すように、電動モータ108で駆動される可変容量型の押圧シリンダ用油圧ポンプ154と各押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLとの間には、4ポート3位置切換型の電磁切換弁155LH,155RH,155LL,155RLがそれぞれ配置されている。各電磁切換弁155LH,155RH,155LL,155RLは、中立のa位置からb位置に切り換えられたとき油圧ポンプ154と押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLとを押圧盤140F,140Bの閉鎖方向に接続するとともに、c位置に切り換えられたとき同じく押圧盤140F,140Bの開放方向に接続する。なお、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLを高精度で駆動制御するために、これらの電磁切換弁155LH,155RH,155LL,155RLに対して、例えばデューティ比に基づくPWM制御(デューティ制御とも通称される)を適用することが望ましい。
【0046】
電動モータ108で駆動される可変容量型の開閉シリンダ用油圧ポンプ182と開閉シリンダ180との間には、4ポート3位置切換型の電磁切換弁183が配置されている。電磁切換弁183は、中立のa位置からb位置に切り換えられたとき油圧ポンプ154と開閉シリンダ180とを押圧盤140F,140Bの閉鎖方向に接続するとともに、c位置に切り換えられたとき同じく押圧盤140F,140Bの開放方向に接続する。
【0047】
図7のブロック図に示すように、プレス制御システムのシリンダ制御部である制御基板20は、演算装置であるCPU21と、読み取り専用記憶装置であるROM23と、読み書き可能な主記憶装置でありワークエリアとして使用されるRAM22と、入出力インターフェイス(I/F)24とを中心に構成されている。これらの装置は、バス25で相互に送受信可能に接続されている。ROM23には、プレス制御を実行するための各種制御プログラム23a,23b,23cや加熱押圧時の被処理板材W1の傾きを押圧盤140F,140B(押圧面141)の傾きとして演算するための傾き算出プログラム23dの他、被処理板材W1の大きさや材質を初期設定するための選択テーブル23e,23f等が予め格納・記憶されている。
【0048】
図7に示すように、ホットプレス部100の各部から次の信号が入出力インターフェース24を介して制御基板20へ入力されている。
・大きさ選択スイッチ10:被処理板材W1の大きさを押しボタン等によって人為的に選択入力又はデータ入力したときのスイッチ信号;
・材質選択スイッチ11:被処理板材W1の材質(硬質材、軟質材)を押しボタン等によって人為的に選択入力又はデータ入力したときのスイッチ信号;
・開閉シリンダ用圧力スイッチ181:開閉シリンダ180によって押圧盤140F,140Bを閉鎖・開放したときのシリンダ内圧の高低検出信号;
・押圧シリンダ用リニアエンコーダ151LH,151RH,151LL,151RL:ラム153LH,153RH,153LL,153RLの移動量の検出信号;
・押圧シリンダ用圧力センサ152LH,152RH,152LL,152RL:押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLのシリンダ内圧の検出信号。
【0049】
同様に、次の信号が入出力インターフェース24を介して制御基板20からホットプレス部100の各部へ出力されている。
・押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RL:押圧盤140F,140B(押圧面141)を押圧し、被処理体W(被処理板材W1)の傾きを是正(緩和)しつつ加熱押圧するための制御出力信号;
・開閉シリンダ180:押圧盤140F,140B(押圧面141)を接近・離間させて閉鎖・開放するための制御出力信号。
【0050】
次に、図8〜図10のフローチャートを用い、図5の表示部106LH〜107RLを参照して、ホットプレス部100におけるプレス制御について説明する。図8は図7のプレス準備処理プログラム23aに対応している。同様に、図9は硬質材用プレス処理プログラム23bに、図10は軟質材用プレス処理プログラム23cに、それぞれ対応している。
【0051】
図8に示すプレス準備処理では、まず、S1にて大きさ選択スイッチ10及び材質選択スイッチ11により被処理板材W1の大きさ(6尺材、8尺材、10尺材等)と材質(硬質材、軟質材等)を手操作入力する。その入力内容に基づき、ROM23の選択テーブル23e,23f(図7)を参照して微調整を行う。具体的には、S2において、被処理板材W1の大きさに応じて、ラム移動量の設定値S及びシリンダ内圧の目標値Pを微調整する。次いで、S3にて選択した材質を確認し、材質が硬質材であれば(S3でYES)、S4にて硬質材用プレス処理を実行してプレス準備処理を終了し、材質が軟質材であれば(S3でNO)、S6にて軟質材用プレス処理を実行する。
【0052】
図9は図8の硬質材用プレス処理サブルーチン(S4)を示す。被処理板材W1が硬質材の場合、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLによる押圧盤140F,140Bの押圧に伴って、各シリンダ内圧を所定の目標範囲P±ΔP内に到達させる。そのとき各押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLのラム移動量が所定の設定範囲S±ΔS内であれば、各ラム移動量の検出値から、傾き算出プログラム23d(図7参照)にて被処理板材W1の傾きを押圧盤140F,140B(押圧面141)の傾きとして演算する。その傾きが所定値を超える場合には、是正(緩和)すべき傾きが被処理板材W1に発生していると考えられるので、シリンダ内圧に係る目標範囲P±ΔPの上下限値P+ΔP,P−ΔPを各々P+2ΔP,P−2ΔPに広げて対応するシリンダ内圧を増圧(又は減圧)する。
【0053】
具体的には、プレス開始スイッチ(図示せず)がONされると(S41でYES)、S42にて電磁切換弁183をb位置に切り換えて、開閉シリンダ180により押圧盤140F,140Bを閉鎖駆動させ、圧力スイッチ181の検知により駆動を停止する。その後S43にて、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLにより押圧盤140F,140Bを一斉に押圧駆動する。S44にて各押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLの内圧が目標範囲P±ΔP(例えば、7.0±0.2MPa)内に到達したかを、圧力センサ152LH,152RH,152LL,152RLで確認する。図5のように各シリンダ内圧が目標範囲P±ΔP内に到達していれば(S44でYES)、S45にて各ラム移動量が設定範囲S±ΔS(例えば、1770±20mm)内であるかをリニアエンコーダ151LH,151RH,151LL,151RLで確認する。図5のように各ラム移動量が設定範囲S±ΔS内であれば(S45でYES)、S46にて各ラム移動量の検出値から、押圧盤140F,140B(押圧面141)の傾きを演算する。
【0054】
次に、S47にて、S46で算出した傾きの大小を判別する。傾きが所定値(例えば5°)を超える場合には(S47でNO)、S48にて、押圧盤140F,140B(押圧面141)の傾きから判断して、傾きを是正(緩和)するためにさらに押圧する(あるいは、場合によっては逆に戻す)必要のある押圧シリンダを決定する。さらにS49にて、傾きを是正(緩和)するためにさらに押圧する場合には押圧シリンダの内圧がP+2ΔP(例えば、7.0+0.4MPa)以下であるかを確認し、戻す場合には押圧シリンダの内圧がP−2ΔP(例えば、7.0−0.4MPa)以上であるかを確認する。そのシリンダ内圧がP+2ΔP以下(又はP−2ΔP以上)であれば(S49でYES)、S50にて対応する押圧シリンダの内圧を増加(又は減少)して、押圧盤140F,140B(押圧面141)の傾きを是正(緩和)し、S45に戻る。
【0055】
図5において、下方列の押圧シリンダ150LL,150RLのラム移動量(1750mm)が相対的に小であり、傾きが所定値超と算出された場合(S47でNO)、下方列の押圧シリンダ150LL,150RLをさらに押圧する必要があると決定する(S48)。押圧シリンダ150LL,150RLのシリンダ内圧(7.0MPa)はP+2ΔP以下であるから(S49でYES)、傾きを是正(緩和)するために電磁切換弁155LL,155RLのデューティ比を高め、押圧シリンダ150LL,150RLへの流量を増加する(S50)。
【0056】
このようにして、押圧盤140F,140B(押圧面141)の傾きが所定値以下に是正(緩和)されたとき、あるいは当初から傾きが所定値以下であったとき(S47でYES)、S52にて全押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLの押圧駆動を停止する。さらにS53にて、所定時間経過後(例えば、10秒後)に電磁切換弁155LH,155RH,155LL,155RL,183を各々c位置に切り換えて、全押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RL及び開閉シリンダ180により押圧盤140F,140Bを開放駆動させ、圧力センサ152LH,152RH,152LL,152RL及び圧力スイッチ181の検知により駆動を停止して硬質材用プレス処理を終了する。なお、各ラム移動量が設定範囲S±ΔS内でない場合(S45でNO)、及び傾きを是正(緩和)するためにさらに押圧する(又は戻す)必要のある押圧シリンダの内圧がP+2ΔP超(又はP−2ΔP未満)である場合(S49でNO)には、不良品となる可能性が大きいので、S51にて警報を発して処理を中断する。
【0057】
欅、ラワンのように硬く弾力性や反発力が相対的に大きい硬質材では、反発による戻り(スプリングバック)現象で押圧盤140F,140Bが傾きやすい。そこで、まず各シリンダ内圧を目標範囲P±ΔP内に到達させ、そのときの各押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLのラム移動量が設定範囲S±ΔS内であって、押圧盤140F,140Bの傾きが所定値を超える場合には、さらにシリンダ内圧を許容範囲P+2ΔPまで高めて傾きを是正(緩和)する。このようにして、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLの駆動を圧力重視で個別に制御する。特に硬質材における戻り現象によって押圧盤140F,140Bが傾いても、被処理体W(被処理板材W1+熱板130)の全体厚さを所定の許容寸法に仕上げる過程において押圧盤140F,140Bの傾きを是正(緩和)できるので、不良品の発生を抑制し製品歩留まりを向上させることができる。
【0058】
図10は図8の軟質材用プレス処理サブルーチン(S6)を示す。被処理板材W1が軟質材の場合、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLによる押圧盤140F,140Bの押圧に伴って、各ラム移動量を所定の設定範囲S±ΔSの下限値S−ΔSに到達させる。そのとき、各シリンダ内圧が所定の目標範囲P±ΔPの上限値P+ΔP以下であれば、各ラム移動量の検出値から、傾き算出プログラム23d(図7参照)にて押圧盤140F,140B(押圧面141)の傾きを演算する。その傾きが所定値を超える場合には、是正(緩和)すべき傾きが被処理板材W1に発生していると考えられるので、対応する押圧シリンダのラム移動量が設定範囲S±ΔS内において対応するシリンダ内圧を目標範囲P±ΔP内で増圧する。
【0059】
具体的には、プレス開始スイッチ(図示せず)がONされると(S61でYES)、S62にて電磁切換弁183をb位置に切り換えて、開閉シリンダ180により押圧盤140F,140Bを閉鎖駆動させ、圧力スイッチ181の検知により駆動を停止する。その後S63にて、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLにより押圧盤140F,140Bを一斉に押圧駆動する。S64にて各ラム153LH,153RH,153LL,153RLの移動量が設定範囲S±ΔS(例えば、1770±20mm)の下限値S−ΔS(例えば1750mm)に到達したかを、リニアエンコーダ151LH,151RH,151LL,151RLで確認する。図5のように、各ラム移動量が下限値S−ΔS以上であれば(S64でYES)、S65にて各押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLの内圧が目標範囲P±ΔP(例えば、7.0±0.2MPa)の上限値P+ΔP(例えば、7.2MPa)以下であるかを、圧力センサ152LH,152RH,152LL,152RLで確認する。図5のように各シリンダ内圧が上限値P+ΔP以下であれば(S65でYES)、S66にて各ラム移動量の検出値から、押圧盤140F,140B(押圧面141)の傾きを演算する。
【0060】
次に、S67にてS66で算出した傾きの大小を判別する。傾きが所定値(例えば5°)を超える場合には(S67でNO)、S68にて、押圧盤140F,140B(押圧面141)の傾きから判断して、傾きを是正(緩和)するためにさらに押圧する必要のある押圧シリンダを決定する。さらにS69にて、傾きを是正(緩和)するためにさらに押圧する押圧シリンダのラム移動量が設定範囲S±ΔSの上限値S+ΔS(例えば、1790mm)以下であるかを確認する。そのラム移動量が上限値S+ΔS以下であれば(S69でYES)、S70にて対応する押圧シリンダの内圧を増加して、押圧盤140F,140B(押圧面141)の傾きを是正(緩和)し、S65に戻る。
【0061】
図5において、下方列の押圧シリンダ150LL,150RLのラム移動量(1750mm)が相対的に小であり、傾きが所定値超と算出された場合(S67でNO)、下方列の押圧シリンダ150LL,150RLをさらに押圧する必要があると決定する(S68)。押圧シリンダ150LL,150RLのラム移動量(1750mm)は上限値S+ΔS以下であるから(S69でYES)、傾きを是正(緩和)するために電磁切換弁155LL,155RLのデューティ比を高め、押圧シリンダ150LL,150RLへの流量を増加する(S70)。
【0062】
このようにして、押圧盤140F,140B(押圧面141)の傾きが所定値以下に是正(緩和)されたとき、あるいは当初から傾きが所定値以下であったとき(S67でYES)、S72にて全押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLの押圧駆動を停止する。さらにS73にて、所定時間経過後(例えば10秒後)に電磁切換弁155LH,155RH,155LL,155RL,183を各々c位置に切り換えて、全押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RL及び開閉シリンダ180により押圧盤140F,140Bを開放駆動させ、圧力センサ152LH,152RH,152LL,152RL及び圧力スイッチ181の検知により駆動を停止して軟質材用プレス処理を終了する。なお、各シリンダ内圧が上限値P+ΔP超である場合(S65でNO)、及び傾きを是正(緩和)するためにさらに押圧する必要のある押圧シリンダのラム移動量が上限値S+ΔS超である場合(S69でNO)には、不良品となる可能性が大きいので、S71にて警報を発して処理を中断する。
【0063】
杉、桐のように軟らかく弾力性や反発力が相対的に小さい軟質材では、押圧によって容易に厚さが減少しやすく、目標範囲P±ΔP内のシリンダ内圧であっても加熱圧着後の厚さが部分的に(特にシリンダ押圧位置で)規定より薄くなりやすい。そこで、まず各ラム移動量を設定範囲S±ΔSの下限値S−ΔSに到達させ、そのときの各押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLのシリンダ内圧が上限値P+ΔP以下であって、押圧盤140F,140Bの傾きが所定値を超える場合には、さらにラム移動量を上限値S+ΔSまで高めて傾きを是正(緩和)する。このようにして、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLの駆動を距離重視で個別に制御する。特に軟質材に対して押圧過剰の発生を防止(監視)しつつ、被処理体W(被処理板材W1+熱板130)の全体厚さを所定の許容寸法に仕上げる過程において押圧盤140F,140Bの傾きを是正(緩和)できるので、不良品の発生を抑制し製品歩留まりを向上させることができる。
【0064】
以上のように、被処理板材W1の大きさや材質が変化した場合でも、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLの駆動を個別に制御することによって処理済板材W2の厚さを許容寸法の範囲内に保持できるようになる。したがって、頑丈で重い構造物である押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLについて、押圧位置を移動調節するための押圧位置移動調節機構を設けなくてもよくなるので、構造の簡素化を図り、組立・設置等に要する製造コストや稼動・修理等に要するランニングコストを削減できる。
【0065】
また、シリンダ内圧やラム移動量を各押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RL毎に検出して制御するので、各押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLから得られる検出値(シリンダ内圧とラム移動量)に基づいて直ちに各押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLの作動を制御することができ、制御の簡素化と迅速化を図ることができる。さらに、処理済板材W2の個々の厚さではなく被処理体W(処理済板材W2+熱板130)の全体厚さをラム移動量にて検出するので、検出に要する時間も減らすことができる。したがって、制御の遅れが原因となって、押圧盤140F,140Bの傾きが発生し処理済板材W2の厚さの不揃いとなったり、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLの停止が遅れて規格外れ厚さとなったりすることを防止できる。
【0066】
しかも、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLの他に、押圧盤140F,140Bの開閉専用の開閉シリンダ180を設けたので、ロングスパンでの高速移動を要する開閉シリンダ180とショートスパンでの微細移動を要する押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLとを使い分けることができる。したがって、押圧盤140F,140Bの開閉動作の迅速化によりホットプレスの作業能率が向上するとともに、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLの駆動制御が押圧盤140F,140Bの開閉動作に影響されずに高精度で行える。
【0067】
(変形例1−1)
図11は図6の変形例を示す油圧回路図である。図11に示す押圧シリンダには、入力信号に基づいて流量又は圧力を制御する制御弁(サーボ弁)と、最終制御位置(駆動距離=ラム移動量)をフィードバック制御する追従機構とが一体化されたサーボアクチュエータであるサーボシリンダ150LH’,150RH’,150LL’,150RL’が用いられている。このように、サーボシリンダ150LH’,150RH’,150LL’,150RL’はサーボ弁と結合・一体化されている(又は、サーボ弁を内蔵していると見ることもできる)ので、図11では図6の電磁切換弁155LH,150RH,150LL,155RLが不要となり、油圧回路の簡素化を図ることができる。また、サーボ弁は総流量と流速とを同時に制御する機能を有しているので、被処理体Wの加熱押圧時に押圧シリンダ150LH’,150RH’,150LL’,150RL’のラム移動量とラム移動速度とを複合調整することができ、一層精密な制御が可能となる。
【0068】
(変形例1−2)
図12は図9の変形例を示すフローチャートである。図12に示す硬質材用プレス処理サブルーチン(S4)では、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLのラム移動量(駆動距離)が均一範囲内にあるか否かを判定する指標として、図9のS46で演算する押圧盤140F,140B(押圧面141)の傾き(すなわち被処理板材W1の傾き)に代わり、リニアエンコーダ151LH,151RH,151LL,151RL(移動量検出手段;距離検出手段)で検出された各ラム移動量の差(S46’)を用いている。したがって、この変形例では、図7に示す傾き算出プログラム23dを省略して制御の簡素化を図ることができる。
【0069】
具体的には、図12のS47’にて各ラム移動量の差の大小を判定する場合、判定に用いるラム移動量の差(最大許容幅;例えば20mm)はラム移動量の設定範囲S±ΔS(例えば、1770±20mm)の幅(最大許容幅;例えば40mm=±20mm)よりも小さく(例えば1/2)設定されている。図5において、下方列の押圧シリンダ150LL,150RLのラム移動量(1750mm)と右上押圧シリンダ150RHのラム移動量(1775mm)との幅(25mm)は最大許容幅(20mm)を超えている(S47’でNO)。そこで、下方列の押圧シリンダ150LL,150RLをさらに押圧する必要があると決定する(S48’)。
【0070】
(変形例1−3)
図13は図10の変形例を示すフローチャートである。図13に示す軟質材用プレス処理サブルーチン(S6)でも、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLのラム移動量(駆動距離)が均一範囲内にあるか否かを判定する指標として、図10のS66で演算する押圧盤140F,140B(押圧面141)の傾き(すなわち被処理板材W1の傾き)に代わり、リニアエンコーダ151LH,151RH,151LL,151RL(移動量検出手段;距離検出手段)で検出された各ラム移動量の差(S66’)を用いている。したがって、この変形例でも、図7に示す傾き算出プログラム23dを省略して制御の簡素化を図ることができる。
【0071】
具体的には、図13のS67’にて各ラム移動量の差の大小を判定する場合、判定に用いるラム移動量の差(最大許容幅;例えば20mm)はラム移動量の設定範囲S±ΔS(例えば、1770±20mm)の幅(最大許容幅;例えば40mm=±20mm)よりも小さく(例えば1/2)設定されている。図5において、下方列の押圧シリンダ150LL,150RLのラム移動量(1750mm)と右上押圧シリンダ150RHのラム移動量(1775mm)との幅(25mm)は最大許容幅(20mm)を超えている(S67’でNO)。そこで、下方列の押圧シリンダ150LL,150RLをさらに押圧する必要があると決定する(S68’)。
【0072】
(実施例2)
図14はプレス制御システムの配置関係の他の例を示す正面図、図15はその油圧回路図、図16はその電気的構成を示すブロック図である。図14の配置図に示すホットプレス部100(加熱加圧部;プレス構造)では、下方列の押圧シリンダ150LL,150RL(油圧シリンダ;流体圧シリンダ)は、押圧盤140F,140Bの押圧面141に対する押圧位置が不変とされた固定式押圧シリンダを構成している。一方、上方列の押圧シリンダ150LH,150RH(油圧シリンダ;流体圧シリンダ)は、押圧面141に対する押圧位置が上下方向へ変更可能な移動式押圧シリンダを構成している。そして、上方列の押圧シリンダ150LH,150RHの押圧位置移動調節機構として、昇降シリンダ170LH,170RH(油圧シリンダ;流体圧シリンダ)が設けられている。また、昇降シリンダ170LH,170RHは、押圧シリンダ150LH,150RHの上昇・下降位置を検出する昇降シリンダ用光電センサ171LH,171RH(移動検出手段)を備えている。
【0073】
図15の油圧回路図に示すように、電動モータ108で駆動される可変容量型の昇降シリンダ用油圧ポンプ172と各昇降シリンダ170LH,170RHとの間には、4ポート3位置切換型の電磁切換弁173が配置されている。電磁切換弁173は、中立のa位置からb位置に切り換えられたとき油圧ポンプ172と各昇降シリンダ170LH,170RHとを押圧シリンダ150LH,150RHの上昇方向に接続するとともに、c位置に切り換えられたとき同じく下降方向に接続する。
【0074】
図16のブロック図に示すように、大きさ選択スイッチ10の入力に伴って、押圧シリンダ150LH,150RHを上昇・下降するための制御出力信号が、入出力インターフェース24を介して制御基板20(シリンダ制御部)から各昇降シリンダ170LH,170RHへ出力されている。一方、昇降シリンダ170LH,170RHによる押圧シリンダ150LH,150RHの上昇・下降に伴い、光電センサ171LH,171RHの位置検出信号が入出力インターフェース24を介して制御基板20へ入力される。
【0075】
したがって、実施例1(図8)で説明したプレス準備処理のフローチャートは、本実施例では図17のように変更される。
【0076】
図17に示すプレス準備処理では、まず、S1にて大きさ選択スイッチ10及び材質選択スイッチ11により被処理板材W1の大きさ(6尺材、8尺材、10尺材等)と材質(硬質材、軟質材等)を手操作入力する。その入力内容に基づき、S102において、被処理板材W1の大きさに応じて、電磁切換弁173をb位置又はc位置に切り換えて、昇降シリンダ170LH,170RHを上昇又は下降駆動させ、光電センサ171LH,171RHの検知により昇降駆動を停止する。次いで、S3にて選択した材質を確認し、材質が硬質材であれば(S3でYES)、S4にて硬質材用プレス処理を実行してプレス準備処理を終了し、材質が軟質材であれば(S3でNO)、S6にて軟質材用プレス処理を実行する。
【0077】
この実施例では、上方列の押圧シリンダ150LH,150RHを押圧位置変更可能な移動式押圧シリンダとした。そこで、被処理板材W1の大きさが変化したとき被処理板材W1の上辺の高さ位置が変動しても、上方列の押圧シリンダ150LH,150RHの押圧位置を調整することによって、被処理板材W1の傾きの発生を抑えることができる。
【0078】
(変形例2)
図18は図15の変形例を示す油圧回路図である。図18に示す押圧シリンダにも、変形例1−1(図11)と同様にサーボシリンダ150LH’,150RH’,150LL’,150RL’が用いられている。したがって、この変形例においても油圧回路の簡素化と精密な制御が可能となる。
【0079】
(実施例3)
図19はプレス制御システムのさらに他の例を示す油圧回路図、図20はその電気的構成を示すブロック図である。この実施例に示すプレス制御システムでは、複数(例えば4本)の押圧シリンダの駆動を個別(個々単独)にではなく一括(共通)して制御する方式を採用しているが、その配置関係は実施例1(図5)と同様である。
【0080】
ただし、図19の油圧回路図では、実施例1(図6)と異なり、電動モータ108で駆動される可変容量型の押圧シリンダ用油圧ポンプ154と各押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RL(油圧シリンダ;流体圧シリンダ)との間には、4ポート3位置切換型の単一の電磁切換弁155が配置されている。電磁切換弁155は、中立のa位置からb位置に切り換えられたとき油圧ポンプ154と押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLとを同時に押圧盤140F,140Bの閉鎖方向に接続するとともに、c位置に切り換えられたとき同じく押圧盤140F,140Bの開放方向に接続する。また、図20のブロック図では、実施例1(図7)と異なり、制御基板20(シリンダ制御部)のROM23において傾き算出プログラムが省略されている。
【0081】
したがってこの実施例では、プレス準備処理(図8参照)に続いて実行される硬質材用プレス処理サブルーチン(S4)は図21のように表され、軟質材用プレス処理サブルーチン(S6)は図22のように表される。
【0082】
図21は図9に代わる硬質材用プレス処理サブルーチン(S4)を示す。被処理板材W1が硬質材の場合、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLによる押圧盤140F,140Bの押圧に伴って、各シリンダ内圧を目標範囲P±ΔP内に到達させる。そのときに検出された各ラム移動量に、所定の設定範囲S±ΔSの下限値であるS−ΔSを下回るものがある場合には、被処理板材W1(すなわち押圧盤140F,140B(押圧面141))に傾きが発生している可能性が高い。そこで、その傾きを是正(緩和)するために、各押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLのシリンダ内圧を目標範囲P±ΔPよりも高く設定された許容範囲(例えばP+2ΔP)内で増加して追加押圧駆動する。
【0083】
具体的には、被処理板材W1の大きさに応じて微調整されたラム移動量の設定値Sとシリンダ内圧の目標値P(図8のS2参照)とに基づき、S40にてラム移動量の設定範囲S±ΔS(例えば、1770±15mm)とシリンダ内圧の目標範囲P±ΔP(例えば、7.0±0.2MPa)とを決定する。プレス開始スイッチ(図示せず)がONされると(S41でYES)、S42にて電磁切換弁183をb位置に切り換えて、開閉シリンダ180により押圧盤140F,140Bを閉鎖駆動させ、圧力スイッチ181の検知により駆動を停止する。その後S43にて、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLにより押圧盤140F,140Bを一斉に押圧駆動する。S144にて各押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLの内圧が目標範囲P±ΔP(ここでは、7.0±0.2MPa)内に到達したかを、圧力センサ152LH,152RH,152LL,152RLで確認する。
【0084】
図5のように各シリンダ内圧が目標範囲P±ΔP内に到達していれば(S144でYES)、S145にて各ラム移動量が設定範囲S±ΔS(ここでは、1770±15mm)内に到達したかを、リニアエンコーダ151LH,151RH,151LL,151RLで確認する。図5のように下方列の押圧シリンダ150LL,150RLのラム移動量が設定範囲S±ΔS外の場合には(S145でNO)、次にS146にていずれかのラム移動量が、設定範囲S±ΔSの下限値であるS−ΔS(ここでは、1755mm)を下回っているかを確認する。図5において、下方列の押圧シリンダ150LL,150RLのラム移動量が下限値S−ΔS未満の場合には(S146でYES)、被処理板材W1(すなわち押圧盤140F,140B(押圧面141))に傾きが発生している可能性が高く、かつ被処理板材W1には押圧処理の余裕分があることになる。そこでその傾きを是正(緩和)すべく、S147にてシリンダ内圧の目標範囲をP+2ΔP(ここでは、7.4MPa)に変更(増圧)して、S43に戻り一斉押圧駆動を継続する。
【0085】
このようにして、押圧駆動続行により各ラム移動量が設定範囲S±ΔS内となったとき、あるいは当初から設定範囲内であったとき(S145でYES)、傾きが是正(緩和)された、あるいは傾きがなかったと判断して、S52にて全押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLの押圧駆動を停止する。さらにS53にて、所定時間経過後(例えば10秒後)に電磁切換弁155,183をc位置に切り換えて、全押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RL及び開閉シリンダ180により押圧盤140F,140Bを開放駆動させ、圧力スイッチ181の検知により駆動を停止して硬質材用プレス処理を終了する。なお、いずれかのラム移動量が上限値S+ΔSを上回っている場合には(S146でNO)、不良品となる可能性が大きいので、S148にて警報を発して処理を中断する。
【0086】
欅、ラワンのように硬く弾力性や反発力が相対的に大きい硬質材では、反発による戻り(スプリングバック)現象で押圧盤140F,140Bが傾きやすい。そこで、まず各シリンダ内圧を目標範囲P±ΔP内に到達させてそのときのラム移動量から、押圧盤140F,140Bの傾きの有無と押圧駆動続行(増圧)の可否とを判定(推測)する。「傾き有」かつ「増圧可」と判定されれば、さらにシリンダ内圧を許容範囲P+2ΔP内で高めて傾きを是正(緩和)する。このようにして、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLの駆動を圧力重視で一括して制御する。特に硬質材における戻り現象によって押圧盤140F,140Bが傾いても、被処理体W(被処理板材W1+熱板130)の全体厚さを所定の許容寸法に仕上げる過程において押圧盤140F,140Bの傾きを是正(緩和)できるので、不良品の発生を抑制し製品歩留まりを向上させることができる。
【0087】
図22は図10に代わる軟質材用プレス処理サブルーチン(S6)を示す。被処理板材W1が軟質材の場合、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLによる押圧盤140F,140Bの押圧に伴って、各ラム移動量を所定の設定範囲S±ΔSの下限値S−ΔSに到達させる。そのとき、各シリンダ内圧が所定の目標範囲P±ΔPの下限値であるP−ΔPを下回るものがある場合には、被処理板材W1(すなわち押圧盤140F,140B(押圧面141))に傾きが発生している可能性がある。そこで、その傾きを是正(緩和)するために、ラム移動量が設定範囲S±ΔS内において追加押圧駆動する。
【0088】
具体的には、被処理板材W1の大きさに応じて微調整されたラム移動量の設定値Sとシリンダ内圧の目標値P(図8のS2参照)とに基づき、S60にてラム移動量の設定範囲S±ΔS(例えば、1770±20mm)とシリンダ内圧の目標範囲P±ΔP(例えば、7.5±0.2MPa)とを決定する。プレス開始スイッチ(図示せず)がONされると(S61でYES)、S62にて電磁切換弁183をb位置に切り換えて、開閉シリンダ180により押圧盤140F,140Bを閉鎖駆動させ、圧力スイッチ181の検知により駆動を停止する。その後S63にて、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLにより押圧盤140F,140Bを一斉に押圧駆動する。S164にて各ラム153LH,153RH,153LL,153RLの移動量が設定範囲S±ΔSの下限値S−ΔS(ここでは、1750mm)に到達したかを、リニアエンコーダ151LH,151RH,151LL,151RLで確認する。
【0089】
図5のように各ラム移動量が設定範囲S±ΔSの下限値S−ΔSに到達していれば(S164でYES)、S165にて各ラム移動量が設定範囲S±ΔS(ここでは、1770±20mm)内にあるかを再確認する。図5のように各ラム移動量が設定範囲S±ΔS内にあれば(S165でYES)、S166にて各シリンダ内圧が目標範囲P±ΔP(ここでは、7.5±0.2MPa)内に到達したかを、圧力センサ152LH,152RH,152LL,152RLで確認する。図5のようにすべてのシリンダ内圧が目標範囲P±ΔP外の場合には(S166でNO)、次にS167にていずれかのシリンダ内圧が、目標範囲P±ΔPの下限値P−ΔP(ここでは、7.3MPa)を下回っているかを確認する。図5において、下方列の押圧シリンダ150LL,150RLのラム移動量が下限値S−ΔSと等しく(S164でYES)、すべてのシリンダ内圧が下限値S−ΔS未満の場合には(S167でYES)、被処理板材W1(すなわち押圧盤140F,140B(押圧面141))に傾きが発生している可能性が高く、かつ被処理板材W1には押圧処理の余裕分があることになる。そこでその傾きを是正(緩和)すべく、S63に戻り一斉押圧駆動を継続する。
【0090】
このように、各ラム移動量が設定範囲S±ΔS内において(S165でYES)、押圧駆動続行により各シリンダ内圧が目標範囲P±ΔP内となったとき(S166でYES)、傾きが是正(緩和)されたと判断して、S72にて全押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLの押圧駆動を停止する。さらにS73にて、所定時間経過後(例えば10秒後)に電磁切換弁155,183をc位置に切り換えて、全押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RL及び開閉シリンダ180により押圧盤140F,140Bを開放駆動させ、圧力スイッチ181の検知により駆動を停止して軟質材用プレス処理を終了する。なお、いずれかのラム移動量が上限値S+ΔSを上回っている場合(S165でNO)、及びいずれかのシリンダ内圧が上限値P+ΔPを上回っている場合には(S167でNO)、不良品となる可能性が大きいので、S168にて警報を発して処理を中断する。
【0091】
杉、桐のように軟らかく弾力性や反発力が相対的に小さい軟質材では、押圧によって容易に厚さが減少しやすく、シリンダ内圧が目標範囲P±ΔPを少しでも超えると加熱圧着後の厚さが部分的に(特にシリンダ押圧位置で)規定より薄くなりやすい。そこで、まず各ラム移動量を設定範囲S±ΔSの下限値S−ΔSに到達させ、そのときの各シリンダ内圧から、押圧盤140F,140Bの傾きの有無と押圧駆動続行の可否とを判定(推測)する。「傾き有」かつ「続行可」と判定されれば、さらにラム移動量が設定範囲S±ΔS内で押圧駆動を続行して傾きを是正(緩和)する。このようにして、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLの駆動を距離重視で一括して制御する。特に軟質材に対して押圧過剰の発生を防止(監視)しつつ、被処理体W(被処理板材W1+熱板130)の全体厚さを所定の許容寸法に仕上げる過程において押圧盤140F,140Bの傾きを是正(緩和)できるので、不良品の発生を抑制し製品歩留まりを向上させることができる。
【0092】
以上のように、この実施例では、個々の押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLの作動を単独で制御しない(一括して制御する)ので、プレス制御システムの全体構成が実施例1(図5〜図10)からさらに簡素化される。また、加熱押圧途中で仮に被処理板材W1(すなわち押圧盤140F,140B(押圧面141))に傾きが発生しても、ラム移動量とシリンダ内圧とのうち少なくとも一方を制御することによって、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLの駆動を一括制御する途上でその傾きを解消できる。
【0093】
(変形例3)
図23は図19の変形例を示す油圧回路図である。図23に示す電動モータには、入力信号に基づいて回転方向及び回転数を制御することによって、最終制御位置(駆動距離=ラム移動量)をフィードバック制御する追従機構(サーボ機構)を連結・駆動するサーボモータ108’が用いられている。また、サーボモータ108’には、その回転方向及び回転数を検出するロータリエンコーダ156が備えられている。このように、サーボモータ108’によってサーボ機構を駆動するので、図23では図19の電磁切換弁155及びリニアエンコーダ151LH,151RH,151LL,151RLが不要となり、油圧回路の簡素化を図ることができる。また、サーボモータ108’は回転数(流速)を制御する機能を有しているので、被処理体Wの加熱押圧時に押圧シリンダ150LH’,150RH’,150LL’,150RL’のラム移動量とラム移動速度とを複合調整することができ、一層精密な制御が可能となる。
【0094】
(実施例4)
図24はプレス制御システムのさらに他の例を示す油圧回路図、図25はその電気的構成を示すブロック図である。この実施例に示すプレス制御システムでは、複数(例えば4本)の押圧シリンダの駆動を個別(個々単独)にではなく一括(共通)して制御する方式を採用しているが、その配置関係は実施例2(図14)と同様である。
【0095】
ただし、図24の油圧回路図では、実施例2(図15)と異なり、電動モータ108で駆動される可変容量型の押圧シリンダ用油圧ポンプ154と各押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RL(油圧シリンダ;流体圧シリンダ)との間には、4ポート3位置切換型の単一の電磁切換弁155が配置されている。電磁切換弁155は、中立のa位置からb位置に切り換えられたとき油圧ポンプ154と押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLとを同時に押圧盤140F,140Bの閉鎖方向に接続するとともに、c位置に切り換えられたとき同じく押圧盤140F,140Bの開放方向に接続する。また、図25のブロック図では、実施例2(図16)と異なり、制御基板20(シリンダ制御部)のROM23において傾き算出プログラムが省略されている。
【0096】
したがってこの実施例では、プレス準備処理(図17参照)に続いて実行される硬質材用プレス処理サブルーチン(S4)は図21のように表され、軟質材用プレス処理サブルーチン(S6)は図22のように表される。
【0097】
以上のように、この実施例では、個々の押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLの作動を単独で制御しない(一括して制御する)ので、プレス制御システムの全体構成が実施例2(図14〜図17)からさらに簡素化される。また、実施例3(図19〜図22)と同様に、加熱押圧途中で仮に被処理板材W1(すなわち押圧盤140F,140B(押圧面141))に傾きが発生しても、ラム移動量とシリンダ内圧とのうち少なくとも一方を制御することによって、押圧シリンダ150LH,150RH,150LL,150RLの駆動を一括制御する途上でその傾きを解消できる。
【0098】
(変形例4)
図26は図24の変形例を示す油圧回路図である。変形例3(図23)と同様に、図26に示す電動モータにもサーボモータ108’が用いられ、ロータリエンコーダ156が備えられている。したがって、この変形例においても油圧回路の簡素化と精密な制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明に係る横型多段プレス装置の一例を示す正面図。
【図2】図1のプレス構造の一例を示す平面図。
【図3】図2の側面図。
【図4】プレス閉鎖状態を示す側面図。
【図5】プレス制御システムの配置関係の一例を示す正面図。
【図6】図5の油圧回路図。
【図7】図5の電気的構成を示すブロック図。
【図8】プレス準備処理を示すフローチャート。
【図9】硬質材用プレス処理サブルーチンを示すフローチャート。
【図10】軟質材用プレス処理サブルーチンを示すフローチャート。
【図11】図6の変形例を示す油圧回路図。
【図12】図9の変形例を示すフローチャート。
【図13】図10の変形例を示すフローチャート。
【図14】プレス制御システムの配置関係の他の例を示す正面図。
【図15】図14の油圧回路図。
【図16】図14の電気的構成を示すブロック図。
【図17】プレス準備処理を示すフローチャート。
【図18】図15の変形例を示す油圧回路図。
【図19】プレス制御システムのさらに他の例を示す油圧回路図。
【図20】図19の電気的構成を示すブロック図。
【図21】硬質材用プレス処理サブルーチンを示すフローチャート。
【図22】軟質材用プレス処理サブルーチンを示すフローチャート。
【図23】図19の変形例を示す油圧回路図。
【図24】プレス制御システムのさらに他の例を示す油圧回路図。
【図25】図24の電気的構成を示すブロック図。
【図26】図24の変形例を示す油圧回路図。
【符号の説明】
【0100】
1 横型多段プレス装置
10 大きさ選択スイッチ
11 材質選択スイッチ
20 制御基板(シリンダ制御部)
100 ホットプレス部(加熱加圧部;プレス構造)
103F,103B 固定フレーム
130 熱板
140F,140B 押圧盤
141 押圧面
150LH,150RH,150LL,150RL 押圧シリンダ(油圧シリンダ;流体圧シリンダ)
151LH,151RH,151LL,151RL 押圧シリンダ用リニアエンコーダ(移動量検出手段;距離検出手段)
152LH,152RH,152LL,152RL 押圧シリンダ用圧力センサ(圧力検出手段)
153LH,153RH,153LL,153RL ラム
170LH,170RH,170LL,170RL 昇降シリンダ(油圧シリンダ;流体圧シリンダ)
171LH,171RH,171LL,171RL 昇降シリンダ用光電センサ(移動検出手段)
180 開閉シリンダ(油圧シリンダ;流体圧シリンダ)
181 開閉シリンダ用圧力スイッチ(圧力検出手段)
B 搬送基準面
P シリンダ内圧(駆動圧力)の目標値
S ラム移動量(駆動距離)の設定値
W 被処理体
W1 被処理板材(板材)
W2 処理済板材(積層合板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単板の接合面に接着剤を塗布して積層された矩形状の板材の長辺の一方を搬送基準面とし、複数配置された熱板の間にそれぞれ起立状態で搬入して、厚さ方向に重ね合わせることにより被処理体を構成し、その被処理体の重ね合わせ方向の外側から押圧することにより前記板材を加熱圧着し、複数の木製積層合板を一括して製造する横型多段プレス装置において、
前記板材の板面に対して互いに異なる複数の位置に配置され、前記被処理体をそれぞれ重ね合わせ方向から押圧する複数の押圧シリンダと、
それら複数の押圧シリンダの駆動を個別に又は一括して制御するシリンダ制御部とを備え、
前記複数の押圧シリンダのうち、少なくとも前記板材の搬送基準面寄りに配置された押圧シリンダは、前記板材の板面に対する押圧位置が不変とされることを特徴とする横型多段プレス装置。
【請求項2】
単板の接合面に接着剤を塗布して積層された矩形状の板材の長辺の一方を搬送基準面とし、複数配置された熱板の間にそれぞれ起立状態で搬入して、厚さ方向に重ね合わせることにより被処理体を構成し、その被処理体の重ね合わせ方向の両外側に配置された押圧盤の少なくとも一方を駆動することにより前記板材を加熱圧着し、複数の木製積層合板を一括して製造する横型多段プレス装置において、
前記押圧盤の押圧面にて中央付近に配置され、その押圧盤を接近・離間させて閉鎖・開放する開閉シリンダと、
その開閉シリンダの周囲を取り巻くように前記押圧盤の押圧面に対して互いに異なる複数の位置に配置され、その押圧盤を駆動して前記被処理体をそれぞれ重ね合わせ方向から押圧する複数の押圧シリンダと、
それら複数の押圧シリンダの駆動を個別に又は一括して制御するシリンダ制御部とを備え、
前記複数の押圧シリンダのうち、少なくとも前記開閉シリンダよりも前記板材の搬送基準面寄りに配置された押圧シリンダは、前記押圧盤の押圧面に対する押圧位置が不変とされることを特徴とする横型多段プレス装置。
【請求項3】
前記複数の押圧シリンダは、
前記板材の搬送基準面寄りの領域に配置され、かつ前記板材の板面に対する押圧位置が不変とされた複数の固定式押圧シリンダと、
前記搬送基準面から遠い領域に配置され、かつ前記板材の板面に対する押圧位置が前記固定式押圧シリンダの押圧位置に対して変更可能とされた複数の移動式押圧シリンダとを含む請求項1又は2に記載の横型多段プレス装置。
【請求項4】
前記複数の押圧シリンダは、前記押圧盤の押圧面に対する押圧位置が不変とされた偶数の固定式押圧シリンダで構成され、前記開閉シリンダに関して互いに点対称及び/又は線対称の位置になるように配置されている請求項2に記載の横型多段プレス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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