説明

横編機の生地払い装置

【課題】 組立の手間や調整を低減し、手動による開閉操作も容易な横編機の生地払い装置を提供する。
【解決手段】 生地払い板15は、編出しベッド6の昇降経路の前方の排出位置12aに臨んで基端側が支持され、レバー22にロックされる状態で、ロック軸23を中心として遊端側が前方に揺動変位して、編出しベッド6の昇降経路を開放する。編地の巻下げ時に、生地払い板15の遊端側が下降状態の編出しベッド6の上方位置12bを覆って編出しベッド6の昇降経路を閉鎖し、前方下方への傾斜で編地を排出する。生地払い板15の下方で、編出し装置4の下部に臨み、編出しベッド6の昇降に連動して、生地払い板15を開閉する駆動力を発生させる連動機構18が配置される。レバー22に対してロック軸23をロックさせなければ、生地払い板15を手動で開閉することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横編機の針床下方に、巻下げ装置および編出し装置とともに設けられる横編機の生地払い装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、図9に簡略化して示すような横編機1では、フレーム1aが設けられる下部に、生地払い装置2が巻下げ装置3および編出し装置4とともに用いられている(たとえば、特許文献1参照)。巻下げ装置3は、一対の巻下げローラ3a,3bを備える。巻下げ装置3の上方には、図示を省略しているけれども、少なくとも前後一対で対向する針床が設けられ、針床間の歯口で編地が編成される。編成された編地は、歯口から垂下し、巻下げローラ3a,3b間に挟まれて引下げられる。生地払い装置2は、生地払い板5を含み、生地払い角θで傾斜する上部の生地払い部5aで垂下する編地を前方の排出位置2aに案内し、横編機1の正面側に排出し、排出位置2aの下方の壁面部5bで、編出し装置4の前面側を覆う。なお、生地払い板5は、特許文献1の編地案内板に相当する。
【0003】
編出し装置4は、編出しベッド6および昇降機構7を含む。編出しベッド6は、頂部から立設され、紙面に垂直な方向に並ぶ複数の編出し針6aを有し、昇降機構7によって、編地の編成開始時に編出し針6aが歯口まで上昇し、針床間で編出し編成された編地を掛けて引下げる。編出しベッド6の上昇中、巻下げローラ3a,3b間は開き、生地払い部5aは昇降経路を空ける。編出し針6aが編地を引下げながら、巻下げローラ3a,3b間よりも下降すると、巻下げローラ3a,3b間が閉じ、編出し針6aは編地を解放して、編地は巻下げローラ3a,3b間で巻下げられるようになる。生地払い板5は、生地払い部5aが下降した編出し針6aの上方位置2b付近の昇降経路を閉じ、生地払い角θで傾斜して、編地を排出する。
【0004】
昇降機構7は、モータ7aの駆動出力で、歯車7b,7cでプーリ7d,7e間に掛け渡されるタイミングベルト7fを駆動する。タイミングベルト7fに取付けられる昇降ガイド7gは、案内軸7hに沿って昇降する。昇降ガイド7gは、編出しベッド6を支持し、側面にカム7iが設けられ、下降の下限を規制するストッパ7jも設けられる。カム7iは、生地払い装置2の連動機構8を作動させ、編出しベッド6の上昇時に、生地払い部5aが昇降経路を空けるように連動させる。連動機構8の連動部材8aは、カム7iの作用を受けるホロア8b、8cを備え、揺動軸8dを中心として揺動する。揺動軸8dは、生地払い板5も揺動可能に支持する。連動部材8aは、ばね8eによる引張りで、時計回り方向に付勢される。連動部材8aは、上方に突出する腕の上端に、ロック受け8fを有する。ロック受け8fは、生地払い板5の壁面部5bに設けるロック軸9と係合し、連動部材8aと生地払い板5とを連動させる。ロック受け8fからロック軸9を外すと、生地払い板5は、揺動軸8dの軸線まわりに、手動による揺動変位が可能となる。手動によって生地払い板5を開く操作は、編出し針6aに掛かった編糸を手で外す作業を行う場合などに必要となる。生地払い板5の壁面部5bの下方には、前面カバー10が設けられ、排出位置2aから落下する編地は、前面カバー10の下部の編地受け10aで受けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−231462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図9に示すような生地払い装置2では、生地払い板5を手動で開く操作を可能にするために、ロック受け8fと組合せるロック軸9を生地払い板5側に設ける必要がある。生地払い板5側には、揺動軸8dで揺動可能に支持される部分を設ける必要があるので、生地払い装置2としての組立の手間や調整を要する。
【0007】
本発明の目的は、組立の手間や調整を低減し、手動による開閉操作も容易な横編機の生地払い装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、昇降可能な編出しベッドを有する編出し装置、および巻下げ装置を歯口下方に備える横編機の生地払い装置において、
編出しベッドの昇降経路の前方で編地を排出すべき排出位置に臨んで基端側が支持され、編出し時に基端側を中心として遊端側が前方に揺動変位して編出しベッドの昇降経路を開放し、巻下げ装置による編成中の編地の巻下げ時に遊端側が下降状態の編出しベッドの上方位置を覆って編出しベッドの昇降経路を閉鎖し、基端側まで予め定める生地払い傾斜角で前方に下降する生地払い板と、
生地払い板の基端側の側方で揺動軸線上に配置される駆動部を有し、編出しベッドの昇降に連動して、生地払い板が揺動する駆動力を発生して駆動部から出力可能な連動機構と、
生地払い板の基端側に設けられ、揺動軸線に沿って連動機構の駆動部への進退が可能で、予め定められる進出位置以上の進出では駆動部から出力される駆動力を受けて生地払い板が揺動するようにロックされ、該進出位置まで達しない進出ではロックされないロック軸と、
を含むことを特徴とする横編機の生地払い装置である。
【0009】
また本発明で、前記ロック軸は、前記進出位置まで達しないで前記ロックされない進出のうちで、進出量の大小に応じて、前記連動機構の駆動部と係合して前記生地払い板が揺動する支持を受ける状態と、該駆動部と係合しないで、駆動部の軸線から離れる方向への離脱が可能になる状態とに切換えられる、
ことを特徴とする。
【0010】
また本発明で、前記連動機構は、
編出し装置の下部に臨んで配置され、前記編出しベッドの昇降に連動して生地払い板が揺動する駆動力を発生するカム機構と、
カム機構が発生する駆動力を、前記揺動軸線上に配置される駆動部まで伝達する伝達機構とを、
さらに含むことを特徴とする。
【0011】
また本発明で、前記連動機構は、前記生地払い板の一側方のみに設けられる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、生地払い板の基端側に設けるロック軸は揺動軸線に沿って側方の連動機構の駆動部側への進退が可能で、予め定める進出位置以上進出するか否かで、ロック軸と駆動部との間がロックされるか否かが決定される。ロック軸を進出位置まで進出させなければ、手動操作で生地払い板の揺動が可能となる。生地払い板には、連動機構の駆動部から揺動軸線まわりの駆動力を受けるためにロック軸を設ければよいので、組立の手間や調整を低減することができる。
【0013】
また本発明によれば、ロック軸を揺動軸線に沿って側方に進退させる操作で、ロック軸を連動機構の駆動部にロックさせるか、ロックさせずに手動で開閉するか、ロック軸を駆動部から離脱させるかを切換えることができる。
【0014】
また本発明によれば、カム機構で駆動力を発生し、伝達機構で駆動力を伝達することができるので、生地払い板は、編出しベッドの昇降経路を上方位置で閉じ、編地を前方に排出する排出位置まで傾斜するように設ければよく、小形化や軽量化を図ることができ、開閉操作も手動で容易に行うことができる。
【0015】
また本発明によれば、生地払い板の小形化や軽量化を図る結果、生地払い板の片側のみに、連動機構を設けても、充分に生地払い板を揺動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の一実施例としての横編機11の生地払い装置12の構成を簡略化して示す左側面図である。
【図2】図2は、図1の生地払い装置12で、生地払い板15を手動で開閉する状態を示す部分的な左側面図である。
【図3】図3は、図1の生地払い装置12で、生地払い板15を編出しベッド6の上昇と連動して開く状態を示す部分的な左側面図である。
【図4】図4は、図1の生地払い装置12で、伝達機構20を生地払い板15の片側のみに設ける構成、およびロック軸23でロックを行う構成を示す簡略化した正面図である。
【図5】図5は、図1の生地払い装置12に用いるロック軸23の構成を示す平面図、左側面図、正面図、および左側面断面図である。
【図6】図6は、図1の生地払い装置12に用いるレバー22の平面図、正面断面図、および右側面図である。
【図7】図7は、図1の生地払い装置12に用いる生地払い板15の左側面図である。
【図8】図8は、図1の生地払い装置12で、ロック軸23の側方への進出状態と、レバー22への結合状態の変化とを、部分的に断面で示す簡略化した正面図である。
【図9】図9は、従来からの横編機1の生地払い装置2の構成を簡略化して示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1〜図8で、本発明の一実施例としての生地払い装置12について説明する。ただし、本実施例について、図9に示す生地払い装置2に関して説明している部分と対応する部分には、同一の参照符を付して、重複する説明を省略する場合がある。また各図の説明では、先に説明している部分について、当該図には示されていない参照符号を記載して言及する場合がある。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明の一実施例として、横編機11の歯口下方に設ける生地払い装置12の構成を簡略化して示すけれども、歯口および針床の図示は省略する。針床は、フレーム11aの上方に設けられる。生地払い装置12は、生地払い板15で、巻下げ装置3の下方で昇降可能な編出し装置4の上方から前方を覆う。生地払い板15は、編出しベッド6の昇降経路の前方の排出位置12aに臨んで基端側が支持され、編出し時に基端側を中心として遊端側が前方に揺動変位して、編出しベッド6の昇降経路を開放する。巻下げ装置3による編成中の編地の巻下げ時に、生地払い板15の遊端側が下降状態の編出しベッド6の上方位置12bを覆って編出しベッド6の昇降経路を閉鎖し、排出位置12aに臨む基端側まで予め定める生地払い角度θの傾斜で前方に下降する。前面カバー16は、生地払い板15の基端側から下方で編出し装置4の前面を覆い、図9の前面カバー10と同様に、下部には編地受け16aが設けられる。生地払い板15の下方には、編出し装置4の下部に臨み、編出しベッド6の昇降に連動して、生地払い板15を開く駆動力を発生させる連動機構18が配置される。
【0019】
連動機構18は、編出し装置4の昇降機構7の昇降ガイド7gに設けるカム7iの作用を受ける連動部材18aと、ホロワ18b、18cと、揺動軸18dと、ばね18eとを含む。これらの構成部分に関して、連動機構18は、図9の連動機構8と同等である。カム7iおよび連動部材18aは、編出し装置4の下部に臨んで配置され、編出しベッド6の昇降に連動して生地払い板5が揺動する駆動力を発生するカム機構として機能する。連動機構18は、カム機構とともに、発生する駆動力を、生地払い板15の少なくとも一側方で、生地払い板15の基端側の揺動軸線23aを中心とする角変位として伝達する伝達機構20を含む。伝達機構20は、リンク21およびレバー22を含む。連動部材18aから前方に延びる揺動腕18fの先端は、リンク21の下端に連結される。リンク21の上端に連結されるレバー22は、生地払い板15に設けるロック軸23に対し、揺動軸線23aを中心として揺動させる駆動力を出力可能な駆動部となる。レバー22によるロック軸23の駆動は、レバー22にロック軸23がロックする状態で行われる。
【0020】
図2は、図1の生地払い装置12で、生地払い板15を手動で開閉する状態を示す。レバー22によるロック軸23へのロックを外すと、生地払い板15は、手動操作で揺動変位が可能となる。手動操作では、基端側が排出位置12aに臨んで揺動し、実線で示すように先端側が上方位置12bを覆う状態と、仮想線で示すように先端側が排出位置12aより下方となる状態との間の範囲を、矢符12cに示すように揺動変位させることができる。
【0021】
図3は、図1の生地払い装置12で、生地払い板15を編出しベッド6の上昇と連動して開く状態を示す。上昇するカム7iの作用で、連動部材18aが揺動軸18dを中心として時計回り方向に揺動し、生地払い板15は昇降経路の上方位置12bを開放する。連動部材18a、リンク21およびレバー22によって形成される連動機構18の動作で、編出しベッド6の上昇に伴い、生地払い板15も基端側のロック軸23を中心とする時計回り方向の揺動変位を行う。編出しベッド6の上昇中は、生地払い板15の開放状態が継続する。なお、リンク21を介するような駆動力の伝達は、ワイヤやタイミングベルトなどを介して行うこともできる。
【0022】
図4は、図1の生地払い装置12で、伝達機構20を生地払い板15の片側のみに設ける構成、およびロック軸23でロックを行う構成を示す。フレーム11aは、左側部分11aLと右側部分11aRとに分けられる。フレーム11aの左側部分11aLと右側部分11aRとの間で前面側の中間部から下部を前面カバー16で覆い、上部は生地払い板15で覆われる。生地払い板15の基端側には、ロック軸23が外側方に進退可能な状態で設けられる。ロック軸23の揺動軸線23aは、ロック軸23の先端と係合してロック可能なレバー22が揺動する中心線とも一致する。ロック軸23には、手動操作用の操作部23bが設けられ、生地払い板15に設ける抜き孔15aを介して、生地払い板15の正面側から操作部23bの操作穴23cを操作することができる。ロック軸23の右側には、ロック軸23を左方に押圧して付勢するばね24と、ばね24の右端を固定する固定ねじ25が配置される。リンク21やレバー22を含む伝達機構20は、生地払い板15とフレーム11aの左側部分11aLとの間に設けられ、フレーム内面カバー26Lで覆われる。フレーム内面カバー26L内には、編出し装置4の昇降機構7も収容される。
【0023】
生地払い板15の右方では、揺動軸線23aの延長に沿って、含油ブッシュ27が配置され、フレーム内面カバー26R内で支持される支持軸28の先端が挿入される状態で、揺動可能に支持される。生地払い板15が小さく、軽量化可能なので、フレーム内面カバー26R内には、編出し装置4の昇降機構7を収容し、伝達機構20は設けないようにすることもできる。伝達機構20を設けない場合、連動部材18aなど、連動機構18の他の構成部分も設ける必要がない。
【0024】
図5は、図1の生地払い装置12に用いるロック軸23の構成を、(a)で平面、(b)で左側面、(c)で正面、から見てそれぞれ示す。(d),(e),(f)は、(c)の切断面線D−D,E−E,F−Fから見た断面をそれぞれ示す。これらの断面で示すように、ロック軸23の左端側は丸断面部23dであり、次に突起付断面部23e,23fとなる。
【0025】
図6は、図1の生地払い装置12に用いるレバー22の構成を、(a)で平面、(b)で正面断面、(c)で右側面、から見てそれぞれ示す。レバー22には、リンク21の上端と連結するリンク腕22aが設けられる。レバー22の円筒状の軸受部22bには、支持孔22cと揺動孔22dとロック溝22eとが形成されている。揺動孔22dに、ロック軸23の丸断面部23dのみが挿入されている係合状態では、ロック軸23のレバー22に対する揺動変位が可能となる。ロック溝22eに、突起付断面部23eも挿入されれば、ロック軸23はレバー22にロックされ、生地払い板15は編出しベッド6の昇降と連動して開閉する。レバー22には、ロック状態を検出するスイッチ29も設けられている。
【0026】
図7は、図1の生地払い装置12に用いる生地払い板15を左側面から示す。生地払い板15は、アルミニウムなどの軽金属を押出し成型して製造することができる。生地払い板15の基端側には、軸収容部15bが設けられ、(a)に示すような固定ねじ25とともにばね24を収容することができる。軸収容部15bには突起収容溝15cが設けられているので、(b)に示すようにロック軸23の突起付断面部23fをまわり止めさせて収容することもできる。
【0027】
図8は、図1の生地払い装置12で、ロック軸23の側方への進出状態と、レバー22への係合状態の変化との関係を、部分的に断面で、かつ簡略化して示す。レバー22は、支持孔22cに挿入されている支持軸30によって、揺動軸線23aの延長上を中心とする揺動変位が可能な状態で支持されている。(a)は、ロック軸23がレバー22と離れている状態を示す。ロック軸23は駆動部であるレバー22と係合しないので、レバー22が揺動変位する軸線から離れる方向へのロック軸23の離脱が可能になる。(b)は、ロック軸23の先端の丸断面部23dがレバー22の揺動孔22dのみに挿入されている状態を示す。(c)は、ロック軸23の突起付断面部23eも突起部分がロック溝22eに挿入され、突起部分の先端でスイッチを作動させる状態を示す。ロック軸23はレバー22とロックし、ばね24による付勢でロックしている状態を続ける。
【0028】
すなわち、ロック軸23は、揺動軸線23aに沿って連動機構18の駆動部側への進退が可能である。(b)の状態を越えて、突起付断面部23eの突起部分がレバー22のロック溝22eに挿入開始するような進出位置を、予め定めておく。進出位置を越えてロック軸23を進出させれば、連動機構18の駆動部であるレバー22と生地払い板15との間をロックする。進出位置まで達しないロック軸23の進出では、ロックがされず、生地払い板15を手動操作で開閉することができる。
【0029】
このようなロック軸23の進退で駆動部とのロック状態を切換える構成は、図9の生地払い装置2にも適用することができる。すなわち、揺動軸8dを駆動部として、その揺動軸線にロック軸9の軸線を合わせて、ロック軸9を軸線に沿って側方に進退させるようにすればよい。
【符号の説明】
【0030】
3 巻下げ装置
4 編出し装置
6 編出しベッド
6a 編出し針
7 昇降機構
7i カム
11 横編機
12 生地払い装置
15 生地払い板
16 前面カバー
18 連動機構
18a 連動部材
20 伝達機構
21 リンク
22 レバー
23 ロック軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降可能な編出しベッドを有する編出し装置、および巻下げ装置を歯口下方に備える横編機の生地払い装置において、
編出しベッドの昇降経路の前方で編地を排出すべき排出位置に臨んで基端側が支持され、編出し時に基端側を中心として遊端側が前方に揺動変位して編出しベッドの昇降経路を開放し、巻下げ装置による編成中の編地の巻下げ時に遊端側が下降状態の編出しベッドの上方位置を覆って編出しベッドの昇降経路を閉鎖し、基端側まで予め定める生地払い傾斜角で前方に下降する生地払い板と、
生地払い板の基端側の側方で揺動軸線上に配置される駆動部を有し、編出しベッドの昇降に連動して、生地払い板が揺動する駆動力を発生して駆動部から出力可能な連動機構と、
生地払い板の基端側に設けられ、揺動軸線に沿って連動機構の駆動部への進退が可能で、予め定められる進出位置以上の進出では駆動部から出力される駆動力を受けて生地払い板が揺動するようにロックされ、該進出位置まで達しない進出ではロックされないロック軸と、
を含むことを特徴とする横編機の生地払い装置。
【請求項2】
前記ロック軸は、前記進出位置まで達しないで前記ロックされない進出のうちで、進出量の大小に応じて、前記連動機構の駆動部と係合して前記生地払い板が揺動する支持を受ける状態と、該駆動部と係合しないで、駆動部の軸線から離れる方向への離脱が可能になる状態とに切換えられる、
ことを特徴とする請求項1記載の横編機の生地払い装置。
【請求項3】
前記連動機構は、
編出し装置の下部に臨んで配置され、前記編出しベッドの昇降に連動して生地払い板が揺動する駆動力を発生するカム機構と、
カム機構が発生する駆動力を、前記揺動軸線上に配置される駆動部まで伝達する伝達機構とを、
さらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の横編機の生地払い装置。
【請求項4】
前記連動機構は、前記生地払い板の一側方のみに設けられる、
ことを特徴とする請求項3記載の横編機の生地払い装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−117187(P2012−117187A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270937(P2010−270937)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(000151221)株式会社島精機製作所 (357)
【Fターム(参考)】