説明

横編機の複合針

【課題】 スライダーのタングが針本体のフックを越えて歯口に進出する場合に、案内を受けるカムへの掛り代を充分に確保することが可能な、横編機の複合針を提供する。
【解決手段】 スライダー13の基体15の後方アーム15cは、後部に段差15dが設けられ、段差15dの後側でニードルジャック6の分岐アーム6dとの隙間が大きくなる。タング4aがフック2aを越えて歯口14に進出すると、分岐アーム6dと段差15dの後側のみが対向するようになる。ニードルジャック6が針溝10内に沈められても、分岐アーム6dに段差15dの後側で大きな隙間Sを挟んで対向する後方アーム15cは沈みにくくなり、バット15bの沈む量を減少させ、カムへの掛り代を充分に確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前端にフックが設けられる針本体と、二枚に分れるブレードの前端のタングで開閉するとともに、フックを越えてタングを歯口に進出させることも可能なスライダーとを含む横編機の複合針に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、横編機では、針床に針溝を並設させ、各針溝に収容する編針の前端に設けるフックを歯口に進退させ、歯口で供給される編糸をフックで捕捉して編目を形成しながら編地を編成している。以下、本明細書では、編針の進退方向を前後方向とし、歯口に接近する方向を前、歯口から離れる方向を後とする。また、針溝内では、針床の表面側に浮上する方向を上、底部に沈下する方向を下とする。
【0003】
編針としては、フックを針本体の針幹の前端に設け、針本体に対して相対的に前後移動可能なスライダーの先端に設けるタングでフックの鈎口を開閉する複合針も使用されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に示す複合針では、タングを二枚に分れるブレードの前端に形成し、フックを越えて歯口に進出するブレードで目移しなどを行うことも可能にしている。スライダーと針本体とを独立して駆動するために、スライダーの基体と、針本体に結合されるニードルジャックとにそれぞれバットを設け、針床に沿って走行するキャリッジに搭載するカムでバットを案内するようにしている。
【0004】
図5は、スライダーの基体とニードルジャックとの関係では、特許文献1に記載されている複合針と基本的に同等な複合針1の概略的な構成を、針溝に収容されている状態で示す。ただし、針溝に関連する構成は、図示を省略する。複合針1では、針本体2のフック2aが針幹2bの前端に形成され、フック2aの鈎口の開閉は、スライダー3のブレード4の前端に形成されるタング4aで行われる。ブレード4は二枚に分れ、ニットなどの編目形成動作では、図5(a)に示すようなタング4aの前端がフック2aの鈎先端に当接して鈎口を閉じる状態まで、針本体2に対してスライダー3を前進させる。フック2aの鈎口を開く際には、タング4aの前端がフック2aの鈎先端から離れるように、針本体2に対してスライダー3を後退させる。
【0005】
スライダー3では、二枚のブレード4が基体5に組合わされる。基体5は、針溝の側壁に摺接して摺動抵抗となる摺接部5a、針溝内から針床の表面側に突出するバット5b、およびバット5bから後方に延びる後方アーム5cを有する。針本体2は、針幹2bの後部に嵌合凹部2cを有し、針幹2bの上部には、二枚のブレード4の下部を収容するブレード溝2dを有する。複合針1には、ニードルジャック6も含まれる。ニードルジャック6は、前方に延びる前方アーム6aと、前方アーム6aの基部から上方に延びるバット6bとを有する。前方アーム6aの先端には、針本体2の嵌合凹部2cと嵌合する嵌合凸部6cが設けられ、嵌合によって、針本体2とニードルジャック6とが結合される。バット6bの途中からは、前方に延びる分岐アーム6dが分岐する。脚6eは、バット6bから後方に湾曲して延びる。脚6eの弾発力でニードルジャック6の他の部分は針溝内で浮上する。脚6eで、図示している部分よりも後方には、セレクトジャックやセレクタなど、選針に必要な部材が設けられる。セレクトジャックは、針溝内から針床の表面側に突出するバットを有し、選針状態に応じて、バットへの押圧を受ける。前方アーム6aと分岐アーム6dとの間の隙間には、スライダー3の基体5の後方アーム5cが挿入される。後方アーム5cが分岐アーム6dの下に挿入されるので、セレクトジャックを介して、ニードルジャック6の脚6eが針溝に沈むように押圧されると、バット6bとともに、基体5のバット5bも針溝の上方への突出高さが減少して針溝に沈む。
【0006】
図5(b)に示すように、スライダー3は、タング4aが針本体2のフック2aを越えて前方に進出させることもできる。後方アーム5cおよび分岐アーム6dの長さは、針本体2に対してスライダー3を前進させても、後方アーム5cがニードルジャック6の前方アーム6aと分岐アーム6dとの間の隙間から抜けないようにしておく。後方アーム5cがニードルジャック6の隙間から抜けてしまうと、スライダー3が針本体2に対して後退する際に、後方アーム5cの後端と分岐アーム6dの前端とが当って、再挿入ができないなどの事態が生じうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3085657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述の複合針では、特許文献1の図12や段落[0037]に記載されているように、目移し動作の編目渡し側として動作させる場合がある。この場合、セレクトジャックのバットがプレッサーの作用を受けて沈められ、ニードルジャックのバットも沈んだ状態で、スライダーのバットのみがスライダーカムのカム溝で案内される。本願の図5の複合針1では、このような場合、図5(b)に示すように、分岐アーム6dと後方アーム5cとが上下に重なった位置関係となるので、ニードルジャック6のバット6bが沈められると、スライダー3のバット5bもその影響で若干は沈んでしまい、バット5bが針床の表面から突出する出代が減り、スライダーカムのカム溝で案内を受ける掛り代を充分に確保することができなくなるおそれがある。
【0009】
本発明の目的は、スライダーのタングが針本体のフックを越えて歯口に進出する場合に、案内を受けるカムへの掛り代を充分に確保することが可能な、横編機の複合針を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、針幹の前端のフックを歯口に進退させることが可能な針本体と、
基体と二枚に分れるブレードとを組合せて形成され、ブレード前端のタングでフックの鈎口を開閉するとともに、フックを越えてタングを歯口に進出させることも可能なスライダーと、
前方アームの前端が針本体の針幹後部に結合されるニードルジャックと
を含み、
針本体、スライダー、およびニードルジャックは、針床に並設される針溝に収容され、
ニードルジャックは、
前方アームの後端で、針溝内から浮上する方向に突出するバットと、
バットの途中から分岐して、前方に延びる分岐アームと
を有し、
スライダーの基体は、
針溝内から浮上する方向に突出するバットと、
バットよりも後方に延び、ニードルジャックの分岐アームと前方アームとの間に挿入される後方アームと
を有し、
スライダーの基体の後方アームと、ニードルジャックの分岐アームとのうちの少なくとも一方には、後方アームと分岐アームとがスライダーのタングが針本体のフックを越えない状態で対向する範囲内で、スライダーのタングが針本体のフックを越えて前方に進出する状態で対向する部分よりも前方の位置に、対向する隙間が後側で広くなり、前側で狭くなる段差が設けられることを特徴とする横編機の複合針である。
【0011】
また本発明で、前記段差は、前記スライダーの基体の後方アームのみに設けられることを特徴とする。
【0012】
また本発明では、前記スライダーのタングが前記フックを越えて前方に進出する状態では、タングに編目を係止して歯口に進出させ、目移しの渡し側として動作させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複合針のスライダーは、二枚に分れるブレード前端のタングで針本体のフックを開閉し、フックを越えてタングを歯口に進出させることも可能である。スライダーの基体から後方に延びる後方アームは、針本体の針幹後部に結合されるニードルジャックの前方アームと、前方アームの後端から分岐して前方に延びる分岐アームとの間に挿入される。後方アームと分岐アームとが対向する部分には、タングがフックを越えて歯口に進出する状態で、後方アームまたは分岐アームのうちの少なくとも一方に、対向する部分での隙間が前側よりも後側で広くなる段差が設けられる。タングがフックを越えて歯口に進出する状態で、後方アームと分岐アームとの隙間が広くなるので、ニードルジャックのバットが針溝内に沈む状態でも、スライダーのバットの突出量を減らさないで、案内を受けるカムへの掛り代を充分に確保することが可能となる。
【0014】
また本発明によれば、スライダーの基体の後方アームに、スライダーのタングが針本体のフックを越える状態で、越えない状態よりも、ニードルジャックの分岐アームと対向する隙間が広くなる段差が設けられる。段差を分岐アームに設けるとすれば、段差の後側は針溝内で上方に向かう。分岐アームで段差の後側の部分が針溝外に出ないように針溝内に収容しようとすると、針溝が深くなる。後方アームにのみ段差を設け、分岐アームには段差を設けなければ、針溝を深くしないでもよい。
【0015】
また本発明によれば、スライダーのタングを、針本体のフックを越えて歯口に進出させ、歯口を挟んで対向する針床側に渡す目移しの渡し側としての動作を、スライダーのバットを確実にカムで案内して行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の一実施例として、針溝10に収容される複合針11の概略的な構成を示す側面断面図である。
【図2】図2は、図1の複合針11の主要な構成部品となるスライダー13、ニードルジャック6および針本体2を示す側面図である。
【図3】図3は、図1の複合針11のスライダー13の基体15の後方アーム15cがニードルジャック6の分岐アーム6dと前方アーム6aとの隙間に挿入されている状態を示す側面図である。
【図4】図4は、図1の複合針11を目移しの渡し側として動作させるためのカムの例を、スライダー13の基体15のバット15bの軌跡25と、ニードルジャック6のバットの軌跡26とともに示す平面図である。
【図5】図5は、スライダー3の基体5の後方アーム5cがニードルジャック6の分岐アーム6dと前方アーム6aとの隙間に挿入されている状態に関して従来と同様な複合針1の場合を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1〜図4で、本発明の一実施例としての複合針11について説明する。複合針11で、図5に示す複合針1に対応する部分には同一の参照符を付して、重複する説明を省略する場合がある。また、説明対象の図面には記載されていない部分について、先にしてある参照符を付して言及する場合がある。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明の一実施例として、針溝10に収容される複合針11の概略的な構成を示す。針溝10は、横編機の針床12の基板12aの表面で、紙面に垂直な方向に、一定間隔で立設されるニードルプレート12bの間に形成され、紙面に垂直な方向に並設される。複合針11は、針本体2、スライダー13およびニードルジャック6を含む。針本体2の前端のフック2aと、スライダー13の前端のタング4aとは、歯口14側に進出させることができる。複合針11の歯口14に対する進退方向は、歯口14側が高く、歯口14から離れる側が低くなるように傾斜しているけれども、図では、説明の便宜上、ほぼ水平に表示する。スライダー13は、二枚のブレード4と基体15とを含む。基体15は、摺接部15aおよびバット15bが図5の摺接部5aおよびバット5bと基本的に同等であるけれども、後方アーム15cの後部に段差15dが設けられている点で、後方に延びているだけの後方アーム5cと相違している。段差15dは、スライダー13のタング4aが針本体2のフック2aを越えない状態で、後方アーム15cと分岐アーム6dとが対向する範囲内に設けられる。この範囲内では、段差15dに関して、後側の隙間Sが広くなり、前側の隙間が狭くなる。なお、これらの隙間は、ニードルジャック6が針溝10内に沈む状態に応じても変化する。
【0019】
針溝10内で、ニードルジャック6の後部の脚6eは、後端が針溝10の底部に当接し、バット6bや、下方から押上げる後方アーム15cのバット15bが針溝10の表面から外部に突出するように、弾発的に付勢している。バット6b,15bは、針溝10から突出している状態で、針床12に沿って、紙面に垂直な方向に往復走行するキャリッジに搭載されているカム機構の作用を受ける。
【0020】
脚6eの上方には、セレクタ16およびセレクトジャック17が配置される。セレクトジャック17の前端部17aは、脚6eの湾曲部分を押圧する位置に配置される。セレクタ16およびセレクトジャック17は、キャリッジに搭載される選針機構の作用を受け、セレクトジャック17の前端部分17aから上方に突出するバット17bの位置が予め定められるAポジション、Hポジション、またはBポジションのいずれかとなるように選針される。各ポジションに応じてキャリッジに配置されるプレッサーの作用でバット17bが押圧されると、脚6eを針溝10内で沈め、ニードルジャック6のバット6bも針溝10内に沈める。
【0021】
図2は、図1の複合針11の主要な構成部品となるスライダー13、ニードルジャック6および針本体2を示す。スライダー13の後方アーム15cは、後側が下方にずれる段差15dとなっている。段差15dは、後方アーム15cを、分岐アーム6dと前方アーム6aとの隙間に、円滑に挿入可能な程度の大きさに留める。分岐アーム6dの前端付近の下部には、小さな突起6fが設けられる。
【0022】
図3は、図1の複合針11の後方アーム15cが分岐アーム6dと前方アーム6aとの隙間に挿入されている状態を示す。図3(a)および図3(b)は、フック2aとタング4aとの位置関係に関し、図5(a)および図5(b)とそれぞれ対応する。図3(a)では、分岐アーム6dと段差15dを含む後方アーム15cとが対向しているけれども、分岐アーム6dと後方アーム15cとが対向する隙間は、分岐アーム6dの前端付近の突起6fの位置で最小となり、接触している場合もある。ニードルジャック6が針溝10内に沈められれば、分岐アーム6dで後方アーム15cが沈められ、基体15のバット15bも沈む。図3(b)では、分岐アーム6dと段差15dの後側とが大きな隙間Sを介して対向する。隙間Sがあるので、ニードルジャック6が針溝10内に沈められても、後方アーム15cは針溝10内に沈みにくくなり、バット15bが針溝10内に沈む量を減少させることができる。
【0023】
図4は、図1の複合針11を目移しの渡し側として動作させるためのカムシステム20の例を示す。カムシステム20は、キャリッジが針床12に臨む表面のカム板に搭載され、ニードルレイジングカム21、度山カム22,23、スライダーガイドカム24などを含む。目移しの渡し側として動作させる場合、スライダー13のバット15bと、ニードルジャック6のバット6bとは、軌跡25,26を描くように、それぞれ案内される。このような軌跡25,26は、カムとともに、AポジションおよびHポジションに配置されるウェルトプレッサー27a,27d;28a,28dと、タックプレッサー27b,27c;28b,28cとからの作用を受けて決定される。これらのプレッサーは可動で、作用と不作用とを切換え可能であり、図の場合、タックプレッサー27c,28cのみが作用し、他のプレッサーは作用しないように設定されている。ただし、Bポジションの固定プレッサー29は、常に作用するように設定されている。
【0024】
キャリッジが左行する場合、AポジションまたはHポジションに選針されていれば、位相30から位相31に至る途中までは、バット15b,6bがそれぞれ独立に、カムの案内を受ける。バット6bは、位相31でカム経路21aに入り、位相32までの間に、最大の前進位置まで達し、フック2aとともにタング4aも歯口14に進出する。軌跡26に沿って、針本体2が歯口14から後退を開始しても、編目を係止しているタング4aは歯口14に留まる。バット15bがスライダーガイドカム24によって、カム経路24aに案内されると、タング4aはさらに前進する。
【0025】
位相32からは、ウェルトプレッサー27cまたはウェルトプレッサー28cによる作用で、バット6bは沈められ、カム経路21bで横方向に案内される。バット15bは、カム経路24bに案内され、位相33まで、スライダー13は、目移しの渡し側としての動作を行う。タング4aはフック4aを越えて歯口14に進出しているので、図3(b)に示すように、分岐アーム6dに対し、後方アーム15cは段差15dの後側の隙間Sで対向している。ウェルトプレッサー27c,28cでバット6bが針溝10内に沈められても、後方アーム15cは針溝10内で沈みにくくなる。バット15bは、針溝10外への突出量が減りにくくなるので、スライダーガイドカム24への掛り代を充分に確保し、目移しの渡し側としての動作を確実に行わせることが可能となる。
【0026】
なお、段差15dを後方アーム15cの後部に設けているけれども、分岐アーム6dの前部に上方側にずれる段差を設けるようにしてもよい。また、後方アーム15cの後部と分岐アーム6dの前部との両方に段差を設けるようにしてもよい。すなわち、後方アーム15cと、分岐アーム6dとのうちの少なくとも一方には、タング4aがフック2aを越えて前方に進出する状態で、タング4aがフック2aを越えない状態よりも、対向する隙間が広くなる段差を設ければよい。
【0027】
ただし、段差を分岐アーム6dに設けるとすれば、段差の後側は針溝10内で上方に向かう。分岐アーム6dで段差の後側が針溝10外に出ないようにすると、針溝10が深くなる。後方アーム15cのみに段差15dが設けられ、分岐アーム6dには段差が設けられないようにすれば、針溝10を深くする必要がない。
【符号の説明】
【0028】
2 針本体
2a フック
4 ブレード
4a タング
6 ニードルジャック
6a 前方アーム
6b バット
6d 分岐アーム
10 針溝
11 複合針
12 針床
13 スライダー
14 歯口
15 基体
15b バット
15c 後方アーム
15d 段差
20 カムシステム
21 ニードルレイジングカム
24 スライダーガイドカム
25,26 軌跡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
針幹の前端のフックを歯口に進退させることが可能な針本体と、
基体と二枚に分れるブレードとを組合せて形成され、ブレード前端のタングでフックの鈎口を開閉するとともに、フックを越えてタングを歯口に進出させることも可能なスライダーと、
前方アームの前端が針本体の針幹後部に結合されるニードルジャックと
を含み、
針本体、スライダー、およびニードルジャックは、針床に並設される針溝に収容され、
ニードルジャックは、
前方アームの後端で、針溝内から浮上する方向に突出するバットと、
バットの途中から分岐して、前方に延びる分岐アームと
を有し、
スライダーの基体は、
針溝内から浮上する方向に突出するバットと、
バットよりも後方に延び、ニードルジャックの分岐アームと前方アームとの間に挿入される後方アームと
を有し、
スライダーの基体の後方アームと、ニードルジャックの分岐アームとのうちの少なくとも一方には、後方アームと分岐アームとがスライダーのタングが針本体のフックを越えない状態で対向する範囲内で、スライダーのタングが針本体のフックを越えて前方に進出する状態で対向する部分よりも前方の位置に、対向する隙間が後側で広くなり、前側で狭くなる段差が設けられることを特徴とする横編機の複合針。
【請求項2】
前記段差は、前記スライダーの基体の後方アームのみに設けられることを特徴とする請求項1記載の横編機の複合針。
【請求項3】
前記スライダーのタングが前記フックを越えて前方に進出する状態では、タングに編目を係止して歯口に進出させ、目移しの渡し側として動作させることを特徴とする請求項1または2記載の横編機の複合針。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−132125(P2012−132125A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286674(P2010−286674)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000151221)株式会社島精機製作所 (357)
【Fターム(参考)】