説明

横長形油揚げの立て並べによる連続送り出し方法

【課題】 本発明は縦向きもまじえて走行し来たる油揚げを横向きにして揃え、さらに垂直立てして数十枚単位にて送り出すことを全自動にて衛生裡に作業することのできる新規な方法と装置を提供することを解決する課題とするものである。
【構成】 本発明は横長形の油揚げ列に縦向きの油揚げも交えて無端回転コンベア上を走行し来たる油揚げをコンベア端にて間歇回転する上下ロールにより一枚づつ挟んで一定の間隔を置いて傾斜路上に送って下端揃えするとともに、該傾斜路上にて縦向きの油揚げを横倒しして横長形にて揃え、次いで該油揚げを水平に戻して後、順次垂直立てして数十枚等の立て並び単位にて連続送り出しするようにしたことを特徴とする横長形油揚げの立て並べによる連続送り出し方法とその装置にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、食用とする横長形の油揚げを数十枚単位にて揃え立てして連続送り出しする方法とその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一定の大きさの横長矩形形状にて作られる油揚げ1は図1の左側部分に示すように縦向き、横向き、斜めなどにて無造作にコンベア上に載上され、これを交互等にて設けるガイド壁により整理して横長列の中に縦向きも含んで一列に並べて送り、これを作業者が横長形に揃えて立て並べて所定枚数づつにして梱包箱等に並べ入れてきたものである。
【特許文献1】なし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような方法は人手を要して省力化を妨げているほか、人手に触れることで衛生的でなく、また作業能率もきわめて低いという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、横長形による連続立て並べと送り出しを自動化して、かかる課題を解決するようにしたものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、無端回転コンベアの端末に間歇回転する上下ロールを設けて、走行し来たる油揚げを一枚づつ挟み送りするようにしたので、傾斜路上には一定の間隔を置いて油揚げを進めることができて傾斜に沿って下端揃えすることができることとなる。また縦向きにて走行し来たる油揚げは横向きにする手段によってすべての油揚げを横向きに等しく揃えることができ、また垂直立て手段にて油揚げは垂直立てすることができ、送り出しコンベアてに垂直立てした油揚げを数十枚づつの単位にて並び立てて連続送り出しすることができる。かくて全行程を自動化したことにより省力化を促進するほか、この間油揚げは人手に全く触れないことで衛生面を向上させることができるという効果を生ずる。
【0006】
そして油揚げの数十枚単位による立て並べ送り出し作業を著しく能率化することができるという効果を生ずる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、縦向き横向きを交えて走行する油揚げを間歇回転する上下ロールにて挟んで一定の間隔にして傾斜路上に送り出し、該傾斜路の下端にて油揚げ列を揃えるとともに、縦向きの状態で送られてきた油揚げは倒して横向きにして揃え、次いで油揚げを順次垂直立てして後、数十枚の単位にて立て並べして連続送り出しするようにしたのである。
【実施例】
【0008】
図1は本発明装置の全体平面図で、中心を境にして対称形に2列のラインを形成した例を示すものである。食用に作られた横長矩形形状の油揚げ1は無端回転コンベア2上に無造作に載せられ、左右交互に設けた傾斜ガイド壁2aにて縦向きもまじえて一列にして走行させ、該無端回転コンベア2の端末に間歇回転する上下ロール3a,3bを設けて油揚げ1を一枚づつ挟み送りして一定の間隔にして次の傾斜路4上に送り出す。
【0009】
そこで油揚げ1は図2に示すように傾斜下端受け4aに下端を接面させて位置揃えし、中間溝4b下より突出する間隔を置いた押棒5により押し送りされ、傾斜路4の中間に縦向きの油揚げを横向きに前倒しする手段として設けた、押し送りより早く回転する無端回転ベルト6に3枚等にて並列取付けした鉤板7にて、図3乃至図6に示すように縦向きの油揚げ1の後側上部を押して前倒しして横向きにするのである。この際下端のシリンダー杆8は信号により下降して油揚げ1の前側下部を止めて前倒しを助けるのである。鉤板7を3枚等にて並列取付けしたことにより、図8(a)に示すように油揚げ1が横倒しされたあとの反動による起き上がりみだれを押えることができ、また、シリンダー杆8の存在によって、図8(b)に示すように油揚げ1が縦向きに立ったまま横滑りしてしまうことを防止することができるので、横倒し工程を確実に行うことができる。
【0010】
横向きに揃えられた油揚げ1は図7に示すように鉤板7に触れないためにそのまま走行し、かくて、すべての油揚げ1は横向きの横長形に揃えられて走行して傾斜路4の終端に続いて設けられた水平台上にて水平に戻されて後、図9に示すように水平台上の上方に設けられた押し送りコンベア9の押し送り爪9aにて油揚げを順次垂直立てする手段として設けた回転ドラム10に載せ、該回転ドラム10の4分の1回転にてて垂直立てされる。回転ドラム10は両側周面の鋸歯状の凹んだ部分に油揚げ載せ10aを有して油揚げ1の両端を載せて垂直立てするのである。
【0011】
そして両側間の中間周面は図10(b)に示すように空間10bにしてあって90度下がったところで送り出しコンベア11の内端を進入させている。送り出しコンベア11は一定の間隔にて仕切板11aを設けていて、垂直立てした油揚げ1を数十枚づつの単位にして並べ立てて連続送り出しするようにしている。なお送り出しコンベア11は回転ドラム10の空間10bに入る内端の横幅が狭いだけで、内端以外は幅広にして油揚げ1を安定して立て並べ送りするようにしている。垂直立てされた油揚げ1は油揚げ載せ10aの回転方向の手前が図10乃至図11に示すように少し膨出10cしておりコンベア11上の油揚げ1列を押して隙間を生じさせるようにしているので、垂直立ちして降りてくる油揚げ1はスムーズに列の後端に入り立ち並ぶこととなるのである。
【0012】
以上の実施例は、1例を示すものであって、縦向きの油揚げを横向きに前倒しする手段としては、縦向きの油揚げを検知するカメラその他のセンサーと、センサーの信号により作動する横倒し用アームなどを設けるようにしてもよいし、油揚げを順次垂直立てする手段としては、挟み上げ移動するアーム機構或は油揚げが載ったときに垂直に起き上がる起倒台などにて構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0013】
この発明は以上のようにして、縦向き横向きが交じって走行し来るものを一律横向きに揃えて連続立て並べして送り出しすることを自動化することができるので、油揚げその他の矩形状の食品等の包装用の整理に広く利用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】装置の全体平面図
【図2】傾斜路の拡大縦断面図
【図3】縦向きの油揚げを横向きに前倒しする手段の1例としての鉤板部分を示す拡大平面図
【図4】同、鉤板が縦向きの油揚げの後側上端を押して前倒しする状態を示す図
【図5】同、横向きに倒された状態を示す図
【図6】同、その状態で押し送りされる状態の図
【図7】横向きの油揚げは鉤板に触れずにそのまま走行する状態を示す図
【図8】(a)は油揚げが倒された反動で起き上がりみだれるのを鉤板列の鉤部で抑止する状態を示す説明図、(b)はシリンダー杆がない場合に押された油揚げが横滑り移動してしまう状態を示す説明図
【図9】油揚げを順次垂直立てする手段の1例としての押し送りコンベア,回転ドラム,送り出しコンベアの部分を示す側面図
【図10】(a)は同、回転ドラムの拡大図、(b)は同、正面図
【図11】同、回転ドラムの膨出部が垂直立てした油揚げの後側を押して隙間を生じさせている状態を示す部分拡大図
【符号の説明】
【0015】
1は油揚げ
2は無端回転コンベア
2aは傾斜ガイド壁
3a,3bは間歇回転する上下ロール
4は傾斜路
4aは下端受け
4b中間溝
5は押棒
6は無端回転ベルト
7は3枚並列した鉤板
8はシリンダー杆
9押し送りコンベア
9aは押し送り爪
10は回転ドラム
10aは油揚げ載せ
10bは回転ドラム中間の空間
10cは膨出部
11は送り出しコンベア
11aは仕切板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横長形の油揚げ列に縦向きの油揚げも交えて無端回転コンベア上を走行し来たる油揚げをコンベア端にて間歇回転する上下ロールにより一枚づつ挟んで一定の間隔を置いて傾斜路上に送って下端揃えするとともに、該傾斜路上にて縦向きの油揚げを横倒しして横長形にて揃え、次いで該油揚げを水平に戻して後、順次垂直立てして数十枚等の立て並び単位にて連続送り出しするようにしたことを特徴とする横長形油揚げの立て並べによる連続送り出し方法。
【請求項2】
横長の矩形形状をした油揚げ列に縦向きの油揚げも交えて載上し走行させる無端回転コンベアと該油揚げを一枚づつ挟んで一定の間隔を置いて傾斜路上に送り出しする間歇回転の上下ロールと、該傾斜路上に縦向きの油揚げを横倒しする手段と、油揚げ列を水平に戻して進行させる手段と、該油揚げを順次垂直立てする手段および数十枚等の立て並べ単位にて連続送り出しする送り出しコンベアを設けたことを特徴とする横長形油揚げの立て並べによる連続送り出し装置。
【請求項3】
横長形の油揚げ列に縦向きの油揚げも交えて載上し走行させる無端回転コンベア乃至送り出しコンベアは2列乃至複数列にて並列して構成される請求項2に記載の装置。
【請求項4】
傾斜路の中間上において縦向きの油揚げを横向きにする手段は、早回転する無端回転ベルトに3個などの複数個にて並設する前倒し用の鉤板と前側下端を下動して止めるシリンダー杆とにて構成する請求項2に記載の装置。
【請求項5】
油揚げを垂直立てする手段は、回転ドラムである請求項2に記載の装置。
【請求項6】
回転ドラムは外周の両側に鋸歯状をした油揚げ載せを周設し、両側間の中間周面を空間とする請求項2に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−75131(P2006−75131A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−265639(P2004−265639)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(593178317)株式会社シンセイ (16)
【Fターム(参考)】