説明

樹脂フィルムの切断方法及び切断装置並びにそれらに用いるカッター

【課題】脆性材料基板の表面が傷ついたり、カッターの刃先が割れたりすることなく、脆性材料基板に積層された樹脂フィルムをカッターできれいに切断する。
【解決手段】刃先の稜線11に対して垂直な下平面12を有するカッター1aを用い、カッター1aの下平面12と脆性材料基板3の表面とが接触するようにして、カッター1aを脆性材料基板3に対して相対移動させて樹脂フィルム4を切断する。ここで、樹脂フィルム4をきれいに切断し且つ脆性材料基板3の表面を一層傷を付けないようにする観点からは、カッター1aの刃先硬度を、脆性材料基板3よりも低く、樹脂フィルム4よりも高くするのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脆性材料基板の一方面側に積層された1枚又は2枚以上の樹脂フィルムをカッターを用いて切断する方法及び装置並びにそれらに用いるカッターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
脆性材料基板に積層された樹脂フィルムを切断する場合、一般的にカッターを用いて切断していた。図8に従来の切断装置を示す。この図に示す従来の切断装置では、カッターホルダー2に取り付けられた、外周に刃先が形成された円盤状のカッター1’を、樹脂フィルム4の厚み方向に食い込ませた状態で、脆性材料基板3に対して相対移動させて樹脂フィルム4を切断していた(例えば特許文献1など)。
【0003】
このとき、カッター1’の先端部が脆性材料基板3の表面に接触すると、脆性材料基板3の表面が傷ついたり、あるいはカッター1’の刃先が割れたりすることがある。このため、カッター1’の先端部を脆性材料基板3の表面から所定距離隔てた位置とするように調整していた。
【特許文献1】特開平3-43189
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
脆性材料基板3に積層された樹脂フィルム4をカッター1’できれいに切断するためには、カッター1’の先端部と脆性材料基板3の表面との距離をできるだけ小さくして、カッター1’による樹脂フィルム4への切り込みを深くするのが望ましい。一方、脆性材料基板3の表面には微小な凹凸が不可避的に存在するため、カッター1’の先端部と脆性材料基板3の表面との距離を小さくすると、カッター1’の先端部が脆性材料基板3の表面に接触するおそれが高くなる。
【0005】
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、脆性材料基板の表面が傷ついたり、あるいはカッターの刃先が割れたりすることなく、脆性材料基板に積層された樹脂フィルムをカッターできれいに切断することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成する本発明に係る切断方法は、脆性材料基板の一方面側に積層された1枚又は2枚以上の樹脂フィルムをカッターを用いて切断する方法であって、前記カッターとして、刃先の稜線に対して垂直な平面を有するものを用い、前記カッターの平面と前記脆性材料基板の表面とが接触する又は微小間隙を隔てて略平行に対向するようにして、前記カッターを前記脆性材料基板に対して相対移動させて前記樹脂フィルムを切断することを特徴とする。
【0007】
ここで、樹脂フィルムをきれいに切断し且つ脆性材料基板の表面を一層傷を付けないようにする観点からは、前記カッターの刃先硬度を、前記脆性材料基板よりも低く、前記樹脂フィルムよりも高くするのが好ましい。
【0008】
本発明によれば、脆性材料基板の一方面側に積層された1枚又は2枚以上の樹脂フィルムをカッターで切断する装置であって、刃先の稜線に対して垂直な平面を有するカッターと、前記カッターを前記脆性材料基板に対して相対移動させる移動機構と、前記カッターの平面と前記脆性材料基板の表面とが接触する又は微小間隙を隔てて略平行に対向するように、前記カッターの平面と前記脆性材料基板の表面との距離を調整する高さ調整手段とを有し、前記カッターを前記脆性材料基板に対して相対移動させて前記樹脂フィルムを切断するとを特徴とする切断装置が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、脆性材料基板の一方面側に積層された1枚又は2枚以上の樹脂フィルムを切断するカッターであって、前記脆性材料基板の表面と接触する又は微小間隙を隔てて略平行に対向する、刃先の稜線に対して垂直な平面を有することを特徴とするカッターが提供される。
【0010】
刃先の割れ防止や耐久性等の観点からは、前記カッターとして、外周に刃先が形成された円盤の一部が除去されて、刃先の稜線に対して垂直な平面が形成された形状のものを用いるのが好ましい。また、カッターを相対移動させる際の抵抗を小さくする観点からは、前記平面から半径方向内方に、前記平面と平行な第2の平面を形成してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る切断方法及び切断装置では、カッターとして、刃先の稜線に対して垂直な平面を有するものを用い、前記カッターの平面と前記脆性材料基板の表面とが接触する又は微小間隙を隔てて略平行に対向するようにして、前記カッターを前記脆性材料基板に対して相対移動させて前記樹脂フィルムを切断するので、脆性材料基板の表面が傷ついたり、あるいはカッターの刃先が割れたりすることが格段に抑えられ、脆性材料基板に積層された樹脂フィルムをカッターできれいに切断できるようになる。
【0012】
前記カッターの刃先硬度を、前記脆性材料基板よりも低く、前記樹脂フィルムよりも高くすると、樹脂フィルムをきれいに切断し且つ脆性材料基板の表面を一層傷を付けないようにできる。
【0013】
前記カッターとして、外周に刃先が形成された円盤の一部が除去されて、刃先の稜線に対して垂直な平面が形成された形状のものを用いると、カッターの刃先の割れが抑えられまた耐久性も向上する。また、前記平面から半径方向内方に、前記平面と平行な第2の平面を形成すると、カッターを相対移動させる際の抵抗を小さくでき相対移動が円滑に行えるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る切断方法及び切断装置並びにそれらに用いるカッターについて、図に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
【0015】
本発明に係る切断装置の一実施形態を図1及び図2に示す。図1は切断装置の正面図であり、図2は側面図である。図1の切断装置Sは、架台61上に設けられた、図のY方向に移動自在のスライドテーブル62と、スライドテーブル62上に設けられた回転機構63とを備える。そして、この回転機構63上に回転テーブル64が設けられ、そこに樹脂フィルム4(図5に図示)が表面に積層された脆性材料基板3が載置・固定される。スライドテーブル62と回転機構63とからなる移動手段によって、脆性材料基板3は水平面内を自在に移動される。
【0016】
スライドテーブル62は、架台61の上面に所定距離隔てて平行に配置された一対のガイドレール65a,65b上に移動自在に取り付けられている。そして、一対のガイドレール65a,65bの間には、ガイドレール65a,65bと平行にボールネジ66が、モータ68によって正・逆回転自在に設けられている。また、スライドテーブル62の底面にはボールナット67が設けられている。このボールナット67はボールネジ66に螺合している。ボールネジ66が正転又は逆転することによって、ボールナット67はY方向に移動し、これによってボールナット67が取り付けられたスライドテーブル62が、ガイドレール65a,65b上をY方向に移動する。
【0017】
スライドテーブル62上には回転機構63が設けられている。そして、この回転機構63上に回転テーブル64が設けられている。樹脂フィルムが表面に積層された脆性材料基板3は、回転テーブル64上に真空吸着によって固定される。回転機構63は、回転テーブル64を垂直方向の中心軸の周りに回転させる。
【0018】
図2に示すように、回転テーブル64の上方にはX方向にレール51が水平に設けられている。このレール51に沿ってフィルムカッターホルダーヘッド5はカッター軸モータ52によって図のX方向に往復動する。図3に示すように、このフィルムカッターホルダーヘッド5の下部には、カッターホルダー2が設けられている。そして、カッターホルダー2にはカッター1aが交換可能に取り付けられている。
【0019】
カッター1aは、外周に刃先が形成された円盤状で、その上部と下部とが除去されて、刃先の稜線11に対して垂直で互いに平行な上平面13と下平面12とを有している。カッターホルダー2へのカッター1aの取付けは、カッター1aの上平面13をカッターホルダー2の内上部の平坦部21に当接させることによって位置決めされ取り付けられる。もちろん、カッターホルダー2へのカッター1aの取付けはこれに限定されるものではなく、例えば図4に示すように、カッター1bに、上平面13の他に横平面14を形成し、この上平面13及び横平面14をカッターホルダー2の内上部及び内横部の平坦部21,22にそれぞれ当接させて、カッター1bを位置決めするようにしても構わない。ここで重要なことは、カッター1bの下平面12が、脆性材料基板3の表面と略平行に対向するようにすることである。
【0020】
一方、カッターホルダー2は、フィルムカッターホルダーヘッド5から回転テーブル64の方向に出入自在に取り付けられている。カッターホルダー2のフィルムカッターホルダーヘッド5からの突出量を調整することによって、脆性材料基板3の表面に積層された樹脂フィルム4(図5に図示)へのカッター1aの切込み深さが調整される。本発明の切断方法では、カッター1aの下平面12が脆性材料基板3の表面と接触する又は微小間隙を隔てて略平行に対向するように、カッター1aを樹脂フィルム4(図5に図示)に切り込ませる。したがって、カッターホルダー2のフィルムカッターホルダーヘッド5からの突出量は、樹脂フィルム4(図5に図示)の厚みに合わせて適宜決定される。
【0021】
また、図2に示すように、回転テーブル64の上方には、脆性材料基板3に予め刻印されたアライメントマークを認識する一対のCCDカメラ7a,7bが設けられている。これらのCCDカメラ7a,7bにより、脆性材料基板3のセット時の位置ずれが検出される。例えば回転テーブル64の中心点から時計方向を+(プラス)、反時計方向を−(マイナス)とするとき、脆性材料基板3が角度+θずれていた場合は、回転テーブル64が−θだけ回転される。また、例えば、回転テーブル64上において脆性材料基板3が図中のY方向に距離+Yずれていた場合は、スライドテーブル62が−Yだけ移動される。
【0022】
このような構成の切断装置によって脆性材料基板3に積層された樹脂フィルム4を切断する場合には、まず、脆性材料基板3を回転テーブル64上に載置し吸引手段により固定する。そして、CCDカメラ7a,7bによって、脆性材料基板3に設けられたアライメントマークを撮像し、前述のように、撮像データに基づいて脆性材料基板3を所定の位置に位置決めする。
【0023】
そして、脆性材料基板3に積層された樹脂フィルム4の厚みから、カッターホルダー2のフィルムカッターホルダーヘッド5からの突出量が定められる。すなわち、カッターホルダー2をフィルムカッターホルダーヘッド5から突出させることによって、例えば図5に示すように、カッター1aが樹脂フィルム4に切込み、カッター1aの下平面12が脆性材料基板3の表面と接触するようにする。この状態で、フィルムカッターホルダーヘッド5及び回転テーブル64を同時に又は交互に移動及び回転させることによって、脆性材料基板3の表面を傷つけることなく、またカッター刃先の割れを生じさせることなく、脆性材料基板3に積層された樹脂フィルム4を所望の形状に切断できる。本発明の効果を効果的に得るためには、カッター1aの下平面12と脆性材料基板3の表面とは接触させることが推奨されるが、本発明の効果を阻害しない範囲において、カッター1aの下平面12と脆性材料基板3の表面とを微小間隙隔てるようにしても構わない。
【0024】
従来のフィルムカッターでは、脆性材料基板3を傷つけることなく樹脂フィルム4を貫通する切込みを入れることはできなかったので、切込みのない樹脂フィルム4の層を脆性材料基板3側にわずかに残した状態で、脆性材料基板3に対するブレイク工程を行い、さらに切込みのない樹脂フィルム4の層を脆性材料基板3の垂直クラックに沿って引き裂くように分離しなければならなかった。しかし、カッター1aを用いた場合には、脆性材料基板3を傷つけることなく樹脂フィルム4を貫通する切込みを入れることができるので、脆性材料基板3の表面に対してスクライビングホイールを転動したりレーザ光を照射したりして垂直クラックを形成した後、カッター1aを用いて樹脂フィルム4に切込みを入れ、ブレイク工程で前記垂直クラックに沿って脆性材料基板3を分断するだけで所望の大きさのフィルム積層基板を得ることができる。したがって、分断面の品質のよいフィルム積層基板を得ることができる。
【0025】
本発明で使用するカッター1aの形状としては、前記のように刃先の稜線11に対して垂直な平面12を有するものであれば特に限定はない。図3に示すカッター1aは、下平面12と上平面13及び刃先となる一対の稜線11を有し、カッター1aの上平面13をカッターホルダー2の内上部の平坦部21に当接させることによって位置決めされ取り付けられる。一方の稜線11の一部(樹脂フィルム4に接触する部分)や下平面12が摩耗あるいは損傷したときは、カッター1aの上下及び左右の向きを替えることによって、図5に示すように、カッター1aの稜線11を図中の4箇所の稜線11a,11b,11c,11dの各部位を刃先としてそれぞれ供することができるようになる。
【0026】
図4に示すカッター1bは、下平面12と上平面13、側平面14及び刃先となる稜線11を有し、カッター1bの上平面13及び側平面14をカッターホルダー2の内上部の平坦部21及び内側部の平坦部22にそれぞれ当接させることによって位置決めされ取り付けられる。一方の稜線11の一部(樹脂フィルム4に接触する部分)や下平面12が摩耗あるいは損傷したときは、カッター1bの上下の向きを替えることによって、カッター1bの稜線11のもう一方端部を刃先として供することができるようになる。
【0027】
カッター1aの材質については特に限定はないが、脆性材料基板3の表面を傷つけることなく、しかも樹脂フィルム4を円滑且つきれいに切断する観点からは、その硬度が、脆性材料基板3よりも低く、樹脂フィルム4よりも高いものが望ましい。例えば、脆性材料基板3がガラス基板であると、そのビッカース硬度は5000N/mm程度である。また、樹脂フィルム4がポリカーボネート樹脂フィルムやポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムであると、それらの大半のビッカース硬度は500N/mm未満である。したがって、ガラス基板に積層された上記樹脂フィルムを切断する場合には、ビッカース硬度が500〜5000N/mm未満のカッターを用いればよい。
【0028】
このようなビッカース硬度を有するカッター素材としては、例えば超硬合金(1500〜2000N/mm)や硬質クローム(700〜2500N/mm)、焼入れ鋼(500〜1000N/mm)、SUS304(3200N/mm)、SKH(790〜820N/mm)、セラミックス(1000N/mm)等が挙げられる。
【0029】
図6に、本発明で使用できるカッターの他の実施形態を示す。図6のカッター1bは、図3に示したカッター1aの下平面12から半径方向に距離dだけ内方に、下平面12と平行な第2下平面15を形成したものである。この距離dは、樹脂フィルム4の厚みよりも大きくする。このような第2下平面15を形成することによって、図7に示すように、樹脂フィルム4に食い込むカッター1bの体積を小さくでき、樹脂フィルム4を切断する際のカッター1bの相対移動抵抗を小さくできる。
【0030】
本発明に係る方法で切断できる樹脂フィルム4としては特に限定はなく、従来公知のものが切断できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)などのセルロースアセテート系樹脂、アクリル系樹脂、四フッ化エチレン/六フッ化プロピレン系共重合体のようなフッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン樹脂もしくはポリアミド系樹脂等の樹脂をフィルム状に成形加工したものが挙げられる。樹脂フィルム4は、脆性材料基板3の表面に2枚以上が積層されていてもよく、その場合それらの樹脂フィルム4は同じであってもよいし異なっていてもよい。1枚の樹脂フィルム4の厚さに特に限定はないが、通常は、500μm以下の範囲である。
【0031】
本発明において樹脂フィルム4を積層する脆性材料基板3としては、従来公知のものが挙げられる。例えば、ガラス、セラミック、シリコン、サファイア等の脆性材料基板が挙げられる。本発明の切断方法によれば、比較的柔らかい材質の脆性材料基板であっても基板を傷つけることなく、その表面に積層されている樹脂フィルム4を確実に切断できる。
【0032】
本発明に係る樹脂フィルムの切断方法は、例えば、液晶パネルのガラス基板に積層された樹脂フィルムの切断等に好適に使用できる。具体的には、ガラス基板に偏光板が積層されたもの等の切断に好適に使用できる。偏光板としては、通常は、偏光子の両面に支持フィルムを貼り合わせたものが使用される。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系の樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン/酢酸ビニル(EVA)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等の偏光子基板に、二色性染料又はヨウ素を吸着配向させたもの、分子的に配向したポリビニルアルコールフィルム中に、ポリビニルアルコールの二色性脱水生成物(ポリビニレン)の配向した分子鎖を含有するポリビニルアルコール/ポリビニレンコポリマーなどが挙げられる。偏光子の厚さに特に限定はないが、一般には偏光板の薄型化等を目的に、50μm以下の範囲とされる。一方、偏光子を支持・保護する支持フィルムとしては、例えば、TACフィルムやノルボルネン系フィルムなどが挙げられる。支持フィルムの厚さに特に限定はないが、一般には、300μm以下の範囲とされる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の切断方法では、脆性材料基板の表面が傷ついたり、カッターの刃先が割れたりすることなく、脆性材料基板に積層された樹脂フィルムをカッターできれいに切断でき有用である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る切断装置の一例を示す正面図である。
【図2】図1の切断装置の側面図である。
【図3】図1の切断装置のカッターホルダーの拡大図である。
【図4】本発明のカッターの他の例を示す正面図である。
【図5】図3に示すカッターによる樹脂フィルムの切断状態を示す概説図である。
【図6】本発明のカッターの他の例を示す正面図である。
【図7】図6に示すカッターによる樹脂フィルムの切断状態を示す概説図である。
【図8】従来の切断装置の概説図である。
【符号の説明】
【0035】
1a,1b,1c カッター
3 脆性材料基板
4 樹脂フィルム
11 刃先稜線
12 下平面
13 上平面
15 第2下平面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脆性材料基板の一方面側に積層された1枚又は2枚以上の樹脂フィルムをカッターを用いて切断する方法であって、
前記カッターとして、刃先の稜線に対して垂直な平面を有するものを用い、
前記カッターの平面と前記脆性材料基板の表面とが接触する又は微小間隙を隔てて略平行に対向するようにして、前記カッターを前記脆性材料基板に対して相対移動させて前記樹脂フィルムを切断することを特徴とする切断方法。
【請求項2】
前記カッターの刃先硬度が、前記脆性材料基板よりも低く、前記樹脂フィルムよりも高い請求項1記載の切断方法。
【請求項3】
前記カッターとして、外周に刃先が形成された円盤の一部が除去されて、刃先の稜線に対して垂直な平面が形成された形状のものを用いる請求項1又は2記載の切断方法。
【請求項4】
脆性材料基板の一方面側に積層された1枚又は2枚以上の樹脂フィルムをカッターで切断する装置であって、
刃先の稜線に対して垂直な平面を有するカッターと、
前記カッターを前記脆性材料基板に対して相対移動させる移動機構と、
前記カッターの平面と前記脆性材料基板の表面とが接触する又は微小間隙を隔てて略平行に対向するように、前記カッターの平面と前記脆性材料基板の表面との距離を調整する高さ調整手段とを有し、
前記カッターを前記脆性材料基板に対して相対移動させて前記樹脂フィルムを切断するとを特徴とする切断装置。
【請求項5】
脆性材料基板の一方面側に積層された1枚又は2枚以上の樹脂フィルムを切断するカッターであって、
前記脆性材料基板の表面と接触する又は微小間隙を隔てて略平行に対向する、刃先の稜線に対して垂直な平面を有することを特徴とするカッター。
【請求項6】
外周に刃先が形成された円盤の一部が除去されて、刃先の稜線に対して垂直な平面が形成された形状である請求項5記載のカッター。
【請求項7】
前記平面から半径方向内方に、前記平面と平行な第2の平面が形成された請求項6記載のカッター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−120119(P2010−120119A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−296156(P2008−296156)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(390000608)三星ダイヤモンド工業株式会社 (383)
【Fターム(参考)】