説明

樹脂成形体、及びそれを用いた積層体

【課題】 耐熱性と剛性を有し、かつ、防眩機能を併せ持つ樹脂成形体を提供することを提供すること。
【解決手段】 光重合性組成物[I]を硬化して得られる厚さ0.1〜1mmの樹脂成形体であり、かつ、次の2つの条件を満たす樹脂成形体。
(1)一方の面が防眩機能を有する凹凸が形成された面(A)であり、その表面粗さ(Ra)が、JIS B0601:2001において50〜100nmであること。
(2)他方の面が平滑な面(B)であり、その表面粗さ(Ra)が、JIS B0601:2001において30nm以下であること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光重合性組成物を光硬化してなる樹脂成形体に関し、特に、シート状もしくはフィルム状の樹脂成形体であって、優れた防眩機能を有し、透明電極の形成に有利な樹脂成形体であり、とりわけ、タッチパネル用のプラスチック基板として有用である樹脂成形体に関するものである。
【従来の技術】
【0002】
従来、タッチパネル用の基板としては、ガラスや、ポリエチレンテレフタレート(PET)あるいはポリカーボネートなどのプラスチックフィルムが汎用されてきた。例えば、抵抗膜式のタッチパネルは、これらの基板の表面にインジウム・スズの酸化物(ITO)などの透明電極を形成し、得られた透明電極付き基板を2枚用いて、電極同士が対向する様にセルを形成することにより製造される。ガラスを基板として用いた場合は、剛性や耐熱性に優れたタッチパネルが得られるが、割れやすく重たいと言った欠点がある。
【0003】
一方、従来のプラスチックフィルムを基板として用いた場合は、割れにくく軽いタッチパネルが得られるものの、たわむためデバイス内の他の素子を破壊したり、耐熱性の不足から、高性能な透明電極を成膜できなかったり、タッチパネルが変形してくるなどの問題がある。これらの問題を解決するために、剛性と耐熱性を有するプラスチック基板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、タッチパネルは、ペン入力や指入力のために表示デバイスの最外層に位置し、見やすい画像を提供する必要があり、このためには、タッチパネル基板の表面(入力面)に防眩処理や無反射処理を施す必要がある。特に、防眩処理は必須であり、基板表面を粗面化したり、基板表面に光散乱層を形成したり、あるいは偏光板を貼付する技術などが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平9−152510号公報
【特許文献2】特開平4−249145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これらの開示技術をもってしても全ての性能を満足しているとは言いがたく、耐熱性と剛性を有し、かつ高度な防眩機能を具備したプラスチック基板が望まれていた。特に、防眩機能に関しては、サンドブラストによる粗面化やコーティングなどの2次加工、あるいは偏光板貼付などの加工を要さず、安価に製造できる手法が望まれていた。
【0007】
そこで、本発明ではこのような背景下において、耐熱性と剛性を有する樹脂成形体であり、かつ、防眩機能を併せ持つ樹脂成形体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らが上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、従来のポリエチレンテレフタレートやポリカーボネート等のプラスチック板とは全く異なる、光重合性組成物を硬化して得られる樹脂成形体を用いて、かかる樹脂成形体の一方の面の表面粗さを従来より大きくすることにより、耐熱性と剛性、更に防眩機能を有する基板を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
即ち、本発明の要旨は、光重合性組成物[I]を硬化して得られる厚さ0.1〜1mmの樹脂成形体であり、かつ、次の2つの条件を満たすことを特徴とする樹脂成形体、及び、かかる樹脂成形体を用いてなる積層体に関するものである。
(1)一方の面が防眩機能を有する凹凸が形成された面(A)であり、その表面粗さ(Ra)が、JIS B0601:2001において50〜100nmであること。
(2)他方の面が平滑な面(B)であり、その表面粗さ(Ra)が、JIS B0601:2001において30nm以下であること。
【発明の効果】
【0010】
本発明の樹脂成形体は、光学特性と熱特性、機械特性に優れ、特に優れた耐熱性と剛性を有し、防眩機能をも具備するディスプレイ用のプラスチック基板に適した樹脂成形体であり、更に、高い耐熱性を有するため、高性能な導電膜の積層が容易であり、タッチパネル用、液晶ディスプレイ用、及び有機ELディスプレイ用の基板として非常に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明につき詳細に説明する。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの総称である。
【0012】
本発明の樹脂成形体は、光重合性組成物[I]を硬化して得られる厚さ0.1〜1mmの樹脂成形体であり、かつ、次の2つの条件を満たすことを特徴とする樹脂成形体である。
(1)一方の面が防眩機能を有する凹凸が形成された面(A)であり、その表面粗さ(Ra)が、JIS B0601:2001において50〜100nmであること。
(2)他方の面が平滑な面(B)であり、その表面粗さ(Ra)が、JIS B0601:2001において30nm以下であること。
なお、本発明における表面粗さ(Ra)の測定長は4mmである。
また、上記の防眩機能を有する凹凸が形成された面(A)、平滑な面(B)とは、それぞれ、一枚ものの樹脂成形体それ自身の各面のことである。
【0013】
樹脂成形体の厚さは、プラスチック基板の剛性に直接影響する。厚さが下限値未満であると、たわみやすくタッチパネルの形状維持が困難となり、逆に、上限値を超えると、タッチパネルの軽量化が困難となる。厚さの好ましい範囲は0.2〜0.7mm、より好ましくは0.2〜0.5mm、特に好ましくは0.2〜0.4mmである。
【0014】
防眩機能は、樹脂成形体の片面に微細な凹凸を形成することにより付与される。この凹凸面(A)の表面粗さ(Ra)が下限値未満では、十分な防眩機能が発現せず、逆に、上限値を超えると、光散乱によりパネルの透明性が低下することとなる。表面粗さ(Ra)の好ましい範囲は60〜95nm、より好ましくは65〜90nm、特に好ましくは70〜85nmである。
【0015】
本発明において、防眩機能を有する凹凸が形成された面(A)は、(1)凹凸を有する型に光重合性組成物[I]を接触させて、活性エネルギー線を照射することにより硬化させる転写方式により形成させる方法や、(2)光硬化性組成物[I]を用いて一旦半硬化の樹脂成形体を形成した後に、凹凸を有する型を用いてプレスなどして転写し、更に再硬化させる方法等が挙げられ、特に限定されるものではないが、低コスト化、生産性の点で特に(1)の方法が好ましい。
【0016】
即ち、特定の表面粗さを有する型の微細な凹凸を、樹脂成形体の表面(A)に転写することにより得られる。型の表面粗さ(Ra)の好ましい範囲は50〜100nm、より好ましくは60〜95nm、更に好ましくは65〜90nm、特に好ましくは70〜85nmである。
【0017】
型の材質は特に限定されず、ガラス製、金属製、樹脂製のものを使用することができる。これらの中では、活性エネルギー線の透光性の点で、ガラス製もしくは透明樹脂製の型が好ましい。不透明な型を用いる場合は、反対面(B)(平滑面側)から活性エネルギー線を照射する。また、型の表面粗さを上記した範囲内で、樹脂成形体の脱型性を向上するために、型の表面に剥離剤を塗布することも可能である。
【0018】
樹脂成形体の平滑面(B)は、平滑な表面を有する型を用いて、その平滑面を転写することにより得られる。樹脂成形体の平滑面(B)の表面粗さ(Ra)が上限値を超えると、均一な透明電極を形成することが困難になる。表面粗さ(Ra)の好ましい範囲は20nm以下、より好ましくは15nm以下、特に好ましくは10nm以下である。なお、通常、表面粗さ(Ra)の下限値は1nmである。
【0019】
平滑な表面を有する型の材質は特に限定されず、ガラス製、金属製、樹脂製のものを使用することができる。これらの中では、活性エネルギー線の透光性の点で、ガラス製もしくは透明樹脂製の型が好ましい。型の表面粗さ(Ra)の好ましい範囲は20nm以下、より好ましくは15nm以下、更に好ましくは12nm以下、特に好ましくは10nm以下である。平滑面の形成に不透明な型を用いる場合は、反対面(A)(凹凸面)の型に透明な材質の型を使用し、かかる反対面(A)(凹凸面)側から活性エネルギー線を照射する。また、型の表面粗さを上記した範囲内で、樹脂成形体の脱型性を向上するために、型の表面に剥離剤を塗布することも可能である。
【0020】
次に、本発明の樹脂成形体の製造方法について説明する。
本発明の樹脂成形体は、上述のように、光硬化性組成物[I]を用いて一旦半硬化の樹脂成形体を形成した後に、かかる半硬化の樹脂成形体を微細な凹凸面を有する型と平滑な面を有する型の間に設置しプレスなどして転写させ、更に再硬化する方法などもあるが、好ましくは、光重合性組成物[I]を、微細な凹凸面を有する型と平滑な面を有する型の間に設け、両面もしくは片面から活性エネルギー線を照射して、硬化させることにより製造される。
【0021】
活性エネルギー線の照射は、微細な凹凸形状の転写精度を向上させるため、凹凸を有する型の面側からなされることが好ましい。そして、更に、両面から照射して硬化を完了させることが好ましい。この場合、凹凸を有する型の面側のみからの照射エネルギーは、全照射エネルギーの1/1000〜1/10であることが好ましい。硬化の促進や完了のために、活性エネルギーの照射時や照射後に、樹脂成形体を加熱することも可能である。
【0022】
使用される活性エネルギー線としては、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から紫外線照射による硬化が有利である。
紫外線照射における光源としては、ケミカルランプ、キセノンランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が通常使用される。
照射エネルギーとしては特に限定されないが、通常1〜100J/cm2程度照射すればよい。
【0023】
本発明で使用される光重合性組成物[I]は特に限定されないが、型から微細な凹凸を精度良く転写できる観点から、23℃における粘度が10〜1000mPa・sであることが好ましい。光重合性組成物の粘度が低すぎると、重合後の樹脂成形体を型から剥離するのが困難となる傾向があり、逆に、高すぎると転写精度が低下する傾向がある。粘度の好ましい範囲は20〜800mPa・s、より好ましくは30〜700mPa・s、更に好ましくは40〜600mPa・s、特に好ましくは50〜500mPa・sである。
【0024】
本発明で用いられる光重合性組成物[I]としては、特に限定されないが、重合性化合物と光重合開始剤を含有することが好ましい。重合性化合物を光硬化させることにより、耐熱性と剛性に優れた樹脂成形体を得ることができる。
【0025】
かかる重合性化合物としては、多官能(メタ)アクリレート系化合物や、多官能エポキシ(メタ)アクリレート系化合物、多官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、多官能ポリエステル(メタ)アクリレート系化合物、多官能ポリエーテル(メタ)アクリレート系化合物等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレート系化合物としては、2官能(メタ)アクリレート系化合物、3官能以上の(メタ)アクリレート系化合物が挙げられる。
【0026】
2官能(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートジエステル等の脂肪族系化合物、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=ジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=ジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)シクロヘキシル]プロパン、1,3−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス((メタ)アクリロイルオキシエチルオキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス((メタ)アクリロイルオキシエチルオキシメチル)シクロヘキサン等の脂環式系化合物、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA(2,2’−ジフェニルプロパン)型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2,2’−ジフェニルプロパン)型ジ(メタ)アクリレート等の芳香族系化合物が挙げられる。
【0027】
3官能以上の(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の脂肪族系化合物、1,3,5−トリス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、1,3,5−トリス((メタ)アクリロイルオキシエチルオキシメチル)シクロヘキサン等の脂環式化合物が挙げられる。
【0028】
これら上記の重合性化合物の中でも、耐熱性の点で、多官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物や、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが好ましく、更に、硬化収縮が抑えられる点で、脂環式構造を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、脂環式構造を有する多官能(メタ)アクリレート系化合物であるビス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジ(メタ)アクリレートが好ましく、これらを併用することが特に好ましい。
【0029】
本発明で好適に使用される多官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、ポリイソシアネート系化合物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物を、必要に応じてジブチルチンジラウレートなどの触媒を用いて反応させて得られるものであることが好ましい。
【0030】
ポリイソシアネート系化合物の具体例としては、例えば、エチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族系ポリイソシアネート系化合物、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ノルボルナンイソシアナトメチル、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)プロパン、水添化キシリレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートの3量体化合物などの脂環構造を有するポリイソシアネート系化合物や、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなどの芳香環を有するポリイソシアネート系化合物などが挙げられる。
【0031】
水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0032】
ポリイソシアネート系化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物との反応により得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物は、2種以上混合して用いても良い。これらの反応物の中では、吸水率の点から、脂環骨格を有することが好ましく、また硬化速度の点からアクリレート系化合物がさらに好ましく、特に耐熱性と曲げ弾性率の観点から2〜9官能、特には2〜6官能が好ましい。
【0033】
また、重合性化合物として、耐熱性や剛性を阻害しない程度に、単官能(メタ)アクリレート系化合物を含有してもよい。
単官能(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)クリレート、グリシジル(メタ)クリレート等の脂肪族系化合物、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロデシル(メタ)アクリレート、トリシクロデシルオキシメチル(メタ)アクリレート、トリシクロデシルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシメチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート等の脂環式系化合物、ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族系化合物、単官能エポキシ(メタ)アクリレート系化合物、単官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、単官能ポリエステル(メタ)アクリレート系化合物、単官能ポリエーテル(メタ)アクリレート系化合物等が挙げられる。
これらの単官能(メタ)アクリレート系化合物は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0034】
これらの単官能(メタ)アクリレート系化合物は、光重合性組成物[I]100重量部に対して、通常50重量部以下の割合で使用されることが好ましく、更には30重量部以下、特には20重量部以下が好ましい。かかる使用量が多すぎると、得られる成形体の耐熱性や剛性が低下する傾向がある。
【0035】
更に、本発明の光重合性組成物[I]は、耐熱性や剛性を阻害しない程度に多官能メルカプタン化合物を添加しても良い。
【0036】
多官能メルカプタン化合物としては、例えば、ペンタエリスルトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスルトールテトラキスチオプロピオネートなどが挙げられる。これらの多官能メルカプタン系化合物は、光重合性組成物100重量部に対して、通常20重量部以下の割合で使用されることが好ましく、更には10重量部以下、特には5重量部以下が好ましい。かかる使用量が多すぎると、得られる成形体の耐熱性や剛性が低下する傾向がある。
【0037】
本発明で用いられる光重合開始剤としては、活性エネルギー線の照射によってラジカルを発生し得るものであれば特に制限されず、各種の光重合開始剤を使用することができる。例えば、ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホシフィンオキシド等が挙げられる。これらの中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなどの光重合開始剤が特に好ましい。これらの光重合開始剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0038】
これらの光重合開始剤は、重合性化合物100重量部に対して、通常0.1〜10重量部の割合で使用されることが好ましく、更には0.2〜5重量部、特には0.2〜3重量部が好ましい。かかる使用量が少なすぎると重合速度が低下し、重合が十分に進行しない傾向があり、多すぎると得られる樹脂成形体の光線透過率が低下(黄変)する傾向がある。
【0039】
また、光重合開始剤とともに、熱重合開始剤を併用しても良い。熱重合開始剤としては、公知の化合物を用いることができ、例えば、ハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)等のパーオキシエステル、ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート等のパーオキシカーボネート、パーオキシケタール、ケトンパーオキサイド等の過酸化物が挙げられる。
【0040】
また、本発明で用いられる光重合性組成物[I]には、上記の重合性化合物及び光重合開始剤の他に、適宜、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増粘剤、帯電防止剤、難燃剤、消泡剤、着色剤、及び各種フィラーなどの補助成分を含有していても良い。
【0041】
特に、本発明で使用される光重合性組成物[I]においては、紫外線吸収剤を含有することが、タッチパネルの耐光性の点から好ましい。
紫外線吸収剤の具体例としては、重合性化合物に溶解するものであれば特に限定されず、各種紫外線吸収剤を使用することができる。具体的には、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、トリアゾール系、ヒドロキシベンゾエート系、シアノアクリレート系などが挙げられる。これらの紫外線吸収剤は複数を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、重合性化合物との相溶性の点で、ベンゾフェノン系またはトリアゾール系、具体的には、(2−ヒドロキシ−4−オクチロキシ−フェニル)−フェニル−メタノン、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4−tert−オクチル−フェノール等の紫外線吸収剤が好ましい。紫外線吸収剤の含有割合は、重合性化合物100重量部に対して、通常0.001〜1重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.01〜0.1重量部である。かかる紫外線吸収剤が少なすぎると樹脂成形体の耐光性が低下する傾向があり、多すぎると樹脂成形体の光線透過率が低下するため光電変換効率が低くなる傾向がある。
【0042】
かくして上記の光硬化性組成物[I]を光硬化することにより、本発明の樹脂成形体が得られる。
本発明の樹脂成形体は、透明であることが好ましく、ヘイズが5〜10%であることが、防眩機能の点から好ましい。ヘイズが小さすぎると、十分な防眩機能が発揮されない傾向があり、大きすぎるとタッチパネルの光線透過率が低下する傾向がある。ヘイズの好ましい範囲は5.5〜9.5%、より好ましくは6〜9%、特に好ましくは6.5〜8.5%である。
【0043】
本発明の樹脂成形体は、ガラス転移温度が150℃以上であり、かつ曲げ弾性率が4GPa以上であることが、耐熱性及び剛性の点から好ましい。
【0044】
ガラス転移温度が小さすぎると、高性能な透明電極を形成することが困難となる傾向がある。例えば、タッチパネルにおける耐摺動性や耐湿性を確保するためにはITOの結晶化が有効であるが、この結晶化のためには150℃以上での加熱が必要であり、プラスチック基板の耐熱性が低い場合には、うねりが生じたり、色相が悪化する傾向がある。ガラス転移温度の好ましい範囲は180〜500℃、より好ましくは200〜400℃、更に好ましくは220〜350℃である。かかるガラス転移温度を上記範囲に調整するに当たっては、上述した光重合性組成物[I]の種類や成分の配合量を適宜コントロールする手法が挙げられる。例えば、アクリレート系化合物とメタクリレート系化合物とを併用し、その混合比率においてメタクリレート系化合物のほうを多めに配合するなどが挙げられる。
【0045】
曲げ弾性率が小さすぎると、樹脂成形体の剛性が不足する傾向があり、タッチパネルに変形が生じやすくなる傾向がある。曲げ弾性率は4〜6GPaであることが好ましく、より好ましくは4.1〜5.5GPa、更に好ましくは4.2〜5GPaである。かかる曲げ弾性率を上記範囲に調整するに当たっては、上述した光重合性組成物[I]の種類や成分の配合量を適宜コントロールする手法が挙げられる。例えば、2官能(メタ)アクリレート系化合物と3官能以上の(メタ)アクリレート系化合物とを併用し、その混合比率において2官能(メタ)アクリレート系化合物のほうを多めに配合するなどが挙げられる。
【0046】
本発明の樹脂成形体は、該樹脂成形体の平滑面(B)に、表面抵抗値が10〜1000Ω/□の透明導電膜を形成し、透明電極付きの積層体とすることができる。
【0047】
透明導電膜としては、インジウムとスズの酸化物であるITO膜が好ましい。膜厚は50〜500Å、より好ましくは100〜400Å、更に好ましくは150〜300Åである。かかる膜厚が厚すぎると基板に反りが発生する傾向にあり、薄すぎると導電性が不十分となる傾向がある。さらに、表面抵抗値としては、100〜1000Ω/□が好ましく、より好ましくは200〜900Ω/□以下、更に好ましくは300〜800Ω/□以下である。かかる表面抵抗値が高すぎると導電性が不足する傾向となり、小さすぎるとタッチパネルの位置検出精度が低下する傾向がある。
【0048】
かくして得られる積層体を用いて、表示デバイス用の透明電極付き防眩シートとすることができる。
【実施例】
【0049】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
【0050】
(1)表面粗さ(Ra)(nm)
JIS B0601:2001に準じて、東京精密社製「サーフコム570A」を用いて、樹脂成形体両面のRaを測定した(カットオフ:0.8μm、測定長:4mm)。
(2)ヘイズ(%)
スガ試験機(株)製、カラーコンピューターを用いて測定した。
(3)ガラス転移温度(℃)
長さ20(mm)×幅5(mm)の試験片を用いて、レオロジ社製動的粘弾性装置「DVE−V4型 FTレオスペクトラー」の引っ張りモードを用いて、周波数10Hz、昇温速度3℃/分、歪0.025%で測定を行った。得られた複素弾性率の実数部(貯蔵弾性率)に対する虚数部(損失弾性率)の比(tanδ)を求め、このtanδの最大ピーク温度をガラス転移温度とした。
【0051】
(4)曲げ弾性率(GPa)
長さ25(mm)×幅10(mm)の試験片を用いて、島津製作所社製オートグラフAG−5kNE(支点間距離20mm、0.5mm/分)にて、25℃で曲げ弾性率(GPa)を測定した。
(5)粘度(mPa・s)
芝浦システム社製、B型粘度計「ビスメトロンVS−A1」を用いて、23℃、回転数60rpm(No.3回転子)で測定した。
(6)表面抵抗値(Ω/□)
150mm角の試験片を用いて、三菱化学社製の4端子法抵抗測定器(ロレスターMP)を用いて測定した。
【0052】
<実施例1>
[脂環構造を有する多官能ウレタンアクリレート(IP6AA)の合成]
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート53.34g(0.24モル)、ペンタエリスリトールトリアクリレート143.19g(0.48モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.02g、ジブチルスズジラウレート0.02g、メチルエチルケトン500gを仕込み、60℃で3時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、溶剤を留去して6官能ウレタンアクリレート(IP6AA)を得た。
【0053】
[光重合性組成物[I−1]の調製]
上記6官能ウレタンアクリレート(IP6AA)10部、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート(新中村化学社製「DCP」)87部、ペンタエリスルトールテトラキスチオプロピオネート(淀化学製「PETP」)3部、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(共同薬品株式会社製、「viosorb 130」)0.1部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバスペシャリティケミカルズ社製「Irgacure184」)1部を、60℃にて均一になるまで撹拌した後、10μmのフィルターで濾過して光重合性組成物[I−1]を得た。この光重合性組成物の23℃における粘度は200mPa・sである。
【0054】
[樹脂成形体の作製]
表面粗さ(Ra)70nmの微細な凹凸を有するガラス面(A面)と、表面粗さ(Ra)6nmの光学研磨ガラス面(B面)を、内側に向けて対向させ、厚さ0.2mmのシリコン板をスペーサーとした成形型に、光重合性組成物[I−1]を23℃で注液し、メタルハライドランプを用いて、A面側から光量0.3J/cm2で紫外線を照射した。次いで、メタルハライドランプを用いて、両面から光量10J/cm2で紫外線を照射した。
【0055】
得られた樹脂成形体を、200℃の真空オーブン中で2時間加熱して、長さ400mm、幅300mm、厚さ0.2mmの防眩機能付き樹脂成形体を得た。得られた防眩機能付き樹脂成形体の表面粗さ(Ra)は、凹凸面側が70nm、平滑面側が6nmであった。また、得られた樹脂成形体のヘイズは6.5%、ガラス転移温度は270℃、曲げ弾性率は4.2GPaであった。
【0056】
[透明電極付き積層体の作製]
得られた樹脂成形体の平滑面に、スパッタ法にて200℃で厚さ200ÅのITO膜を成膜して、透明電極付き積層体を得た。かかる透明電極付き積層体の表面抵抗値は500Ω/□であった。
【0057】
<実施例2>
[光重合性組成物[I−2]の調製]
6官能ウレタンアクリレート(IP6AA)30部、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート(新中村化学社製「DCP」)67部を用いる以外は実施例1と同様にして光重合性組成物[I−2]を得た。この光重合性組成物の23℃における粘度は700mPa・sである。
【0058】
[樹脂成形体の作製]
光重合性組成物[I−2]を用いて実施例1と同様にして樹脂成形体を得、更に、防眩機能付き樹脂成形体を得た。得られた防眩機能付き樹脂成形体の表面粗さ(Ra)は、凹凸面側が65nm、平滑面側が7nmであった。また、得られた樹脂成形体のヘイズは6%、ガラス転移温度は300℃、曲げ弾性率は4.8GPaであった。
【0059】
[透明電極付き積層体の作製]
得られた樹脂成形体の平滑面に、スパッタ法にて200℃で厚さ200ÅのITO膜を成膜して、透明電極付き積層体を得た。かかる透明電極付き積層体の表面抵抗値は500Ω/□であった。
【0060】
<実施例3>
[樹脂成形体の作製]
表面粗さ(Ra)85nmの微細な凹凸を有するガラス面(A面)と、表面粗さ(Ra)6nmの光学研磨ガラス面(B面)を、内側に向けて対向させ、厚さ0.2mmのシリコン板をスペーサーとした成形型に、実施例1で用いた光重合性組成物[I−1]を23℃で注液し、メタルハライドランプを用いて、A面側から光量0.3J/cm2で紫外線を照射した。次いで、メタルハライドランプを用いて、両面から光量10J/cm2で紫外線を照射した。
【0061】
得られた樹脂成形体を、200℃の真空オーブン中で2時間加熱して、長さ400mm、幅300mm、厚さ0.2mmの防眩機能付き樹脂成形体を得、更に、防眩機能付き樹脂成形体を得た。得られた防眩機能付き樹脂成形体の表面粗さ(Ra)は、凹凸面側が85nm、平滑面側が6nmであった。また、得られた樹脂成形体のヘイズは8.5%、ガラス転移温度は270℃、曲げ弾性率は4.2GPaであった。
【0062】
[透明電極付き積層体の作製]
得られた樹脂成形体の平滑面に、スパッタ法にて200℃で厚さ200ÅのITO膜を成膜して、透明電極付き積層体を得た。かかる透明電極付き積層体の表面抵抗値は500Ω/□であった。
【0063】
<比較例>
片面が防眩加工されたPETフィルムの未加工面(表面粗さ(Ra)30nm)に、実施例1と同様にしてITO膜を成膜しようとしたが、熱による変形のため透明電極付き積層体を得ることができなかった。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の樹脂成形体は、様々な光学材料、電子材料に有利に利用できる。例えば、液晶基板、有機/無機EL用基板、電子ペーパー用基板、導光板、位相差板、タッチパネル、光学フィルター等、各種ディスプレイ用部材、光ディスク基板を初めとする記憶・記録用途、薄膜電池基板、太陽電池基板などのエネルギー用途、光導波路などの光通信用途、更には機能性フィルム・シート、各種光学フィルム・シート用途に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光重合性組成物[I]を硬化して得られる厚さ0.1〜1mmの樹脂成形体であり、かつ、次の2つの条件を満たすことを特徴とする樹脂成形体。
(1)一方の面が防眩機能を有する凹凸が形成された面(A)であり、その表面粗さ(Ra)が、JIS B0601:2001において50〜100nmであること。
(2)他方の面が平滑な面(B)であり、その表面粗さ(Ra)が、JIS B0601:2001において30nm以下であること。
【請求項2】
樹脂成形体のヘイズが5〜10%であることを特徴とする請求項1記載の樹脂成形体。
【請求項3】
樹脂成形体のガラス転移温度が150℃以上であり、かつ曲げ弾性率が4GPa以上であることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂成形体。
【請求項4】
光重合性組成物[I]の23℃における粘度が10〜1000mPa・sであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の樹脂成形体。
【請求項5】
光重合性組成物[I]が、更に紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の樹脂成形体。
【請求項6】
面(A)の凹凸が、凹凸を有する型に光重合性組成物を接触させ、活性エネルギー線の照射により光重合性組成物を硬化させて凹凸を形成する転写方式により形成されてなることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の樹脂成形体。
【請求項7】
活性エネルギー線の照射が、凹凸を有する型の面側からなされることを特徴とする請求項6記載の樹脂成形体。
【請求項8】
請求項1〜7いずれか記載の樹脂成形体の平滑な面(B)に、更に表面抵抗値が10〜1000Ω/□の透明導電膜が形成されてなることを特徴とする積層体。
【請求項9】
表示デバイス用の防眩シートとして用いることを特徴とする請求項8記載の積層体。

【公開番号】特開2008−150433(P2008−150433A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−337360(P2006−337360)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(000004101)日本合成化学工業株式会社 (572)
【Fターム(参考)】