説明

樹脂注入装置

【課題】樹脂を注入する隙間部に充分な量の樹脂が充填されたかを確認しながら注入作業ができること、特殊な油圧発生機構を採用しなくても、手動による注入シリンダの押圧機構のみで注入作業を行うことができること、耐久性の高い樹脂注入装置を提供できること。
【解決手段】樹脂シリンダ収容部10とピストン軸作動部20とピストン軸カバー部30とが樹脂シリンダ11の軸方向に沿って接続配備されており、ピストン軸作動部20は、ピストン軸21と作動軸22との間に構成されたウォームギア機構と、ピストン軸21にねじ溝が形成されて作動軸22の回転によってピストン軸21を摺動支持するボールねじ機構と、作動軸22の一端側に装備された手動回転ハンドル23と、作動軸22の他端側に装備され、ピストン軸21を押圧方向にのみ移動させるように作動軸22を回転規制する解除可能なラチェット機構部24を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隙間部を樹脂で埋めて封止処理を施す際に用いられる手動式の樹脂注入装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
隙間部を樹脂で埋めるには、隙間部全体に樹脂を充填させるために、樹脂に所定の圧力を付加して注入することが必要になる。シール材としての樹脂を注入することが行われる箇所としては、ガス導管,水道管,工業用流体の導管等の管路継手部に採用されているフランジ継手の隙間部等がある。
【0003】
このようなシール材としての樹脂を隙間に圧入させるための装置としては、例えば、下記特許文献1に記載のものが知られている。これによると、油圧発生用加圧機構を備え、この油圧発生用加圧機構を駆動するためのハンドルが一つの支点を中心に揺動可能に設けられており、このハンドルを繰り返し揺動させることで油圧を発生させ、この油圧を利用してシール材充填口からシール材を吐出させるものである。
【特許文献1】特開平10−132190号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この従来技術では、シール材としての樹脂をどの程度吐出したかが明確に分からず、隙間に十分な量の樹脂が注入されているか否かが分からないという問題があった。これに対して、例えば、管路のフランジ継手部の漏洩修理方法として、フランジ継手部の外周縁にリングを取り付け、このリングの内側に樹脂を注入する工法が開発されているが、この工法に従来技術を採用した場合には、フランジ内部の隙間に充分な量の樹脂が充填されたかが確認できない問題があった。
【0005】
また、前述の従来技術は油圧発生用加圧機構を備えているが、このような機構を省いて機械的な注入シリンダの押圧機構のみにすると、充填圧の大きな反発力が作用するので常時注入シリンダを押圧し続けなければならない。そこで、ねじ軸を回転させ、充填圧をねじの傾斜面に沿った力に分解してねじ面の摩擦抵抗でこの分解した力を受けながら注入シリンダを押圧する、ねじ式の注入シリンダが一般に用いられている。この際、ねじ面の摩擦抵抗に勝る力でねじを回転させる必要があるので、大きな回転トルクが必要になり、燃焼性ガスの流通導管の継手部を作業する場合等は駆動力を用いない作業が好ましいにも拘わらず、動力式の回動工具を用いて作業せざるを得ない問題があった。
【0006】
また、ねじ式の注入シリンダを動力式の回動工具で回動操作すると、ねじ面の摩擦に抗してねじ軸が回転駆動されるので、ねじ面の摩耗が著しく、注入シリンダの耐久性が低くなる問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、樹脂を注入する隙間部に充分な量の樹脂が充填されたかを確認しながら注入作業ができること、特殊な油圧発生機構を採用しなくても、手動による注入シリンダの押圧機構のみで注入作業を行うことができること、耐久性の高い樹脂注入装置を提供できること等が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明による樹脂注入装置は、以下の特徴を少なくとも具備するものである。
【0009】
隙間部を樹脂で埋めて封止処理を施す際に用いられる樹脂注入装置であって、樹脂が装填されて一端に樹脂出口が形成された樹脂シリンダと、該樹脂シリンダ内を該樹脂シリンダの軸方向に沿って摺動して前記樹脂出口から樹脂を押し出すピストンと、前記ピストンを一端に備えて前記樹脂シリンダの軸方向に沿って延設されたピストン軸と、前記樹脂シリンダが収容されて一端に前記樹脂出口に接続される樹脂吐出口が設けられた樹脂シリンダ収容部と、前記ピストン軸を前記樹脂シリンダの軸方向に沿って摺動させるピストン軸作動部と、前記ピストン軸の摺動スペースを確保しながら該ピストン軸の他端側を覆うピストン軸カバー部とを備え、前記樹脂シリンダ収容部と前記ピストン軸作動部と前記ピストン軸カバー部とが前記樹脂シリンダの軸方向に沿って接続配備されており、前記ピストン軸作動部は、前記ピストン軸と該ピストン軸に交差配置される作動軸との間に構成されたウォームギア機構と、前記ピストン軸にねじ溝が形成されて前記作動軸の回転によって前記ピストン軸を摺動支持するボールねじ機構と、前記作動軸の一端側に装備された手動回転ハンドルと、前記作動軸の他端側に装備され、前記ピストン軸を押圧方向にのみ移動させるように前記作動軸を回転規制する解除可能なラチェット機構部を備えることを特徴とする樹脂注入装置。
【発明の効果】
【0010】
このような特徴を有する本発明の樹脂注入装置は、ピストン軸の摺動距離を目視することによって、樹脂を注入する隙間部に充分な量の樹脂が充填されたかを確認しながら注入作業を行うことができる。ピストン軸を摺動させるための作動軸の回転がラチェット機構部によって一方向のみに回転規制されているので、充填圧に対向するように回転規制を行うことで、特殊な油圧発生機構を採用しなくても、手動による注入シリンダの押圧機構のみで注入作業を行うことができる。更には、ピストン軸をボールねじ機構で摺動支持しているので、ピストン軸の摺動時に大きな抵抗が作用することがない。これによって、耐久性の高い樹脂注入装置を提供できると共に、スムースな樹脂シリンダの押圧操作が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る樹脂注入装置の全体構成を示した説明図である。樹脂注入装置1は、樹脂シリンダ収容部10、ピストン軸作動部20、ピストン軸カバー部30を備えている。
【0012】
樹脂シリンダ収容部10は、内部に樹脂シリンダ11が収容されており、樹脂シリンダ11の樹脂出口11Aに接続される樹脂吐出口12が設けられている。樹脂シリンダ11は、シール材となる樹脂が装填されており、一端に前述した樹脂出口11Aが形成され、他端側からピストン13が挿入されている。ピストン13は、樹脂シリンダ11内をこの樹脂シリンダの軸方向に沿って摺動して樹脂出口11Aから樹脂を押し出すものである。
【0013】
樹脂シリンダ11はカセット式に樹脂シリンダ収容部10内に装填できることが好ましく、樹脂シリンダ収容部10を取り外して、その中にカセット式に樹脂シリンダ11を収容し、樹脂シリンダ11内にピストン13が挿入されるように樹脂シリンダ収容部10をピストン軸作動部20に着脱自在に装着する。
【0014】
ピストン軸作動部20は、ピストン軸21を樹脂シリンダ11の軸方向に沿って摺動させる機構を備えている。ピストン軸21は一端に前述したピストン13を備えて樹脂シリンダ11の軸方向に沿って延設されている。図示の例では、樹脂シリンダ11の軸方向を鉛直方向に配置しているので、それに沿ってピストン軸21も鉛直方向に沿って配置されている。
【0015】
また、ピストン軸作動部20は、ピストン軸21に交差配置される作動軸22が設けられ、このピストン軸21と作動軸22との間にウォームギア機構が構成されている。更には、ピストン軸21にねじ溝が形成されて作動軸22の回転によってピストン軸21を摺動支持するボールねじ機構が構成されている。そして、作動軸22の一端側には手動回転ハンドル23が装備され、作動軸22の他端側にはラチェット機構部24が装備されている。このラチェット機構部24は、ピストン軸21を押圧方向のみに移動させるように作動軸22を回転規制するものであり、この回転規制を解除可能な構造になっている。
【0016】
ピストン軸カバー部30は、ピストン軸21の摺動スペースを確保しながらピストン軸21の他端側(図示の例では上端側)を覆うようにピストン軸作動部20に装着されている。ピストン軸カバー部30は、必要に応じて、窓部31が形成されており、この窓部31によって、ピストン軸21の軸端21Aの移動を目視できるようになっている。また、窓部31には、必要に応じて、目盛り32U,32Dが付いており、この目盛り32U,32D間の距離(ピストン軸のストローク)Lが必要な樹脂の注入量に対応するようになっている。
【0017】
そして、樹脂シリンダ収容部10とピストン軸作動部20とピストン軸カバー部30とが樹脂シリンダ11の軸方向に沿って接続配備されており、これらを一体に垂直支持する支持台40が備えられ、支持台40に取っ手41を設けている。また、樹脂シリンダ収容部10とピストン軸作動部20とピストン軸カバー部30とを一体に支持台40に対して着脱自在に支持している。支持台40に支持する場合には作業者は取っ手41を持って、手動回転ハンドル23を操作する。支持台40から取り外した場合には、ピストン軸作動部20を何らかの支持手段で支持して手動回転ハンドル23を操作する。
【0018】
図2は、前述したピストン軸作動部20の動作機構の具体例を示した説明図である。ここでは、フレーム20Aに対して、ピストン軸21が軸受け25で軸支され、作動軸22が軸受け26で軸支されている。そして、作動軸22には、ウォーム22Aが形成され、このウォーム22Aに噛み合うようにウォームホイール27が装備され、このウォームホイール27も軸受け25にスラスト支持されている。そしてウォームホイール27はピストン軸21のねじ溝21Pと螺合して、更にピストン軸21のねじ溝21Bに対してボールねじ機構28が形成されている。このように、ピストン軸21と作動軸22との間にはウォーム22Aとウォームホイール27からなるウォームギア機構が構成されており、更に、ピストン軸21はボールねじ機構28によって摺動自在に支持されている。
【0019】
このピストン軸作動部20の動作機構によると、手動回転ハンドル23を回転操作することによって、作動軸22の回転がスムースにピストン軸21の摺動動作に変換されることになり、非常に低い抵抗でピストン軸21を摺動させることができる。
【0020】
このような樹脂注入装置1の操作について説明する。先ず、樹脂シリンダ収容部10に樹脂が装填されている樹脂シリンダ11を収容し、樹脂シリンダ11内にピストン13が挿入されるように、樹脂シリンダ収容部10をピストン軸作動部20に装着する。そして、ラチェット機構部24を回転規制状態にセットして、手動回転ハンドル23を回転操作し、ピストン軸21を樹脂シリンダ11の軸方向に沿って摺動させる(図1の例では下方に摺動させる)。これによって、樹脂シリンダ11内の樹脂が樹脂出口11Aから押し出され、樹脂吐出口12を介して吐出されることになる。樹脂吐出口12には図示省略の注入ホースが接続され、この注入ホースを通って封止処理が必要な隙間部に樹脂が注入されることになる。
【0021】
この際、樹脂が隙間部に注入されると、樹脂の充填圧力によってピストン軸21には反発力が作用することになるが、この樹脂注入装置1では作動軸22が逆回転しないようにラチェット機構部24によって回転規制しているので、手動回転ハンドル23の回動操作はピストン13を押圧する方向にのみ操作すれば良く、前述した反発力に対応するように常時回転力を加えておく必要がない。また、樹脂を注入した後は、ラチェット機構部の回転規制を解除して、手動回転ハンドルを逆回転することによって、抵抗無くスムースにピストン13を元のストローク位置に戻すことができる。
【0022】
また、このような操作時の樹脂注入量は、ピストン13のストローク長さによって決まることになるが、この樹脂注入装置1では、ピストン13のストローク長さをピストン軸21の軸端21Aの移動を目視することによって把握できるようにしている。すなわち、この樹脂注入装置1は、ピストン軸カバー部30に設けられている窓部31からピストン軸21の軸端21Aを目視できるようにすることで、手動回転ハンドル23のハンドル操作を行いながら、樹脂の注入量がどの程度まで行われているかを把握できるようにしている。この際、窓部31に前述した目盛り32U,32Dを設けておくことで、隙間部に対して確実に必要な樹脂量を注入させることができる。
【0023】
このような特徴を備えた本発明の実施形態に係る樹脂注入装置1は、管路のフランジ接続部における漏洩修理工法において特に有効に利用することができる。図3は、管路のフランジ接続部への樹脂注入を説明する説明図(部分断面図)である。フランジ接続部Jによって管路P1と管路P2が接続されている。フランジ接続部Jでは、一対のフランジF,F間にシール部材F1を介在させ、フランジFに形成されたボルト穴を通して、ボルト・ナットMによる機械的な接続が行われている。図示のようにフランジ接続部Jには、ボルト・ナットMによる機械的な接続箇所に隙間部Sが形成され、この隙間Sがシール部材F1内の隙間部に連通している。
【0024】
そして、フランジ接続部Jの老朽化対策等として、この隙間部Sを樹脂で埋めて封止処理する修理工法が行われている。この際には、フランジFの外周縁にシールリング51を介在させて注入リング50を装着し、注入リング50の注入口50Aから注入リング50内に樹脂を注入して、隙間部Sを介してシール部材F1内の隙間部に樹脂を注入している。注入リング50をフランジFに装着するには固定具50Rを用いてボルト50Sで固定している。
【0025】
図4は、本発明の実施形態に係る樹脂注入装置を用いた管路のフランジ接続部における漏洩修理工法を説明する説明図である。
【0026】
先ず、同図(a)に示すように、分割された注入リング50D1,50D2,50D3をフランジFの外周縁に装着して、同図(b)に示すような一体の注入リング50を形成する。そして、注入リング50の注入口50Aに注入ホース52を介して樹脂注入装置1を接続する。注入ホース52には圧力計52Aとバルブ52Bが装着されている。
【0027】
樹脂を注入するには、注入に先立ってフランジ接続部Jでのガス漏洩を抑えるために、ボルト・ナットMを増し締めすることが好ましい。この際、注入ホース52が接続される注入口50Aは、フランジFの下側に位置するものを採用し、樹脂を下方から充填して、フランジFの上側に位置した注入口を開放して空気抜きを行うようにする。
【0028】
樹脂注入装置1の接続後には、手動回転ハンドル23を回転操作して、注入リング50内に樹脂を注入する。空気抜き用の注入口を開放して、注入ホース52が接続された注入口50Aから樹脂を注入する。開放されている空気抜き用の注入口から樹脂がオーバーフローすることによって、隙間部S全体に樹脂が充填されたことを確認することができる。また、樹脂注入装置1を異なる注入口に接続することによって、樹脂を隙間部S全体に均等に充填させることができる。例えば、フランジFの下方に位置する注入口50Aから最初に樹脂を充填し、その後に、やや側方の位置の注入口から同様に樹脂を充填することで、隙間部S全体に均一にシール材を充填させることができる。
【0029】
樹脂の充填が完了すると、隙間部Sを気密状態にしてから、再度樹脂を加圧充填する。この際の充填圧は通じる流体の最高使用圧の2〜3割増しになり、この樹脂の再充填によって、隙間部S内或いはシール部材F1内に残された微細な空隙が樹脂で埋められることになる。
【0030】
その後、樹脂注入装置1を注入リング50の注入口50Aから取り外し、注入リング50をフランジFに装着したままの状態で、樹脂を硬化させる。樹脂が硬化するとフランジFに注入リング50を装着したままの状態で、フランジ接続部を管理する。
【0031】
用いられる樹脂は、隙間部S及びシール部材F1の隙間部内に隈無く入り込む流動性と固化後に高いシール性が得られるものであれば、どのようものであってもよい。好適例を挙げると、液状反応性シリコーンゴムを挙げることができる。反応形式は1液型であっても2液型であってもよいが、作業性を考慮すると、1液型反応性シリコーンゴムが好ましい。
【0032】
1液型反応性シリコーンゴムは、脱オキシムタイプ、脱アルコールタイプ、脱アセトンタイプ、脱酢酸タイプがあるが、いずれも使用可能である。但し、より使用性の良好なタイプは脱アルコールタイプである。1液型反応性シリコーンゴムは、充填剤として、炭酸カルシウム、無定形シリカなどを含有しているものであっても良い。
【0033】
樹脂の粘度は、粘調な液体からペースト状まで使用可能であり、好ましくは、100Pa・sからペースト状が適している。タックフリータイム(23℃)は、5〜120分、伸び率は、50〜600%で使用可能である。
【0034】
このような本発明の実施形態に係るフランジ接続部の補修工法よると、補修対象のフランジ接続部において、流体の流通を維持した状態で、補修作業を行うことができる。そして、老朽化したフランジ接続部の機械的な接続部分における隙間部Sやシール部材F1内の隙間部を樹脂で充填し、樹脂を硬化させるので、フランジ接続部の接続強度を高めることが可能になり、また、老朽化したフランジ接続部の気密性を高めることができる。
【0035】
このようなフランジ接続部の補修工法を施工するためには、樹脂充填圧を1.0MPa以上にすることが必要になる。本発明の実施形態に係る樹脂注入装置1は、手動で充分な樹脂充填圧を得ることができる。また、使用を繰り返してもピストン軸の摺動抵抗がボールねじ機構で低減されているので、ねじの摩耗が無く、高い耐久性を維持することができる。
【0036】
更には、樹脂注入時の手動回転ハンドル23の操作は、ピストン軸の摺動抵抗がボールねじ機構で低減されているので大きな操作力を要さない。また、樹脂の充填圧力はラチェット機構の回転規制で受け止めるようにしているので、充填圧に対応するように操作力をかけ続けることも必要ない。したがって、作業性良く注入リング内への樹脂の注入を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態に係る樹脂注入装置の全体構成を示した説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る樹脂注入装置におけるピストン軸作動部の動作機構の具体例を示した説明図である。
【図3】管路のフランジ接続部への樹脂注入を説明する説明図(部分断面図)である。
【図4】本発明の実施形態に係る樹脂注入装置を用いた管路のフランジ接続部における漏洩修理工法を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0038】
1:樹脂注入装置,10:樹脂シリンダ収容部,20:ピストン軸作動部,ピストン軸カバー部30,
11:樹脂シリンダ,11A:樹脂出口,12:樹脂吐出口,13:ピストン,
21:ピストン軸,21A:軸端,22:作動軸,23:手動回転ハンドル,24:ラチェット機構部,25,26:軸受け,27:ウォームホイール,
28:ボールねじ機構,
31:窓部,32U,32D:目盛り,40:支持台,41:取っ手,
50:注入リング,50A:注入口,52:注入ホース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隙間部を樹脂で埋めて封止処理を施す際に用いられる樹脂注入装置であって、
樹脂が装填されて一端に樹脂出口が形成された樹脂シリンダと、
該樹脂シリンダ内を該樹脂シリンダの軸方向に沿って摺動して前記樹脂出口から樹脂を押し出すピストンと、
前記ピストンを一端に備えて前記樹脂シリンダの軸方向に沿って延設されたピストン軸と、
前記樹脂シリンダが収容されて一端に前記樹脂出口に接続される樹脂吐出口が設けられた樹脂シリンダ収容部と、
前記ピストン軸を前記樹脂シリンダの軸方向に沿って摺動させるピストン軸作動部と、
前記ピストン軸の摺動スペースを確保しながら該ピストン軸の他端側を覆うピストン軸カバー部とを備え、
前記樹脂シリンダ収容部と前記ピストン軸作動部と前記ピストン軸カバー部とが前記樹脂シリンダの軸方向に沿って接続配備されており、
前記ピストン軸作動部は、
前記ピストン軸と該ピストン軸に交差配置される作動軸との間に構成されたウォームギア機構と、
前記ピストン軸にねじ溝が形成されて前記作動軸の回転によって前記ピストン軸を摺動支持するボールねじ機構と、
前記作動軸の一端側に装備された手動回転ハンドルと、
前記作動軸の他端側に装備され、前記ピストン軸を押圧方向にのみ移動させるように前記作動軸を回転規制する解除可能なラチェット機構部を備えることを特徴とする樹脂注入装置。
【請求項2】
前記ピストン軸カバー部には、前記ピストン軸の他端の移動を目視できる窓部が形成されており、該窓部には樹脂の注入量に対応した目盛りが付いていることを特徴とする請求項1に記載された樹脂注入装置。
【請求項3】
前記樹脂シリンダ収容部と前記ピストン軸作動部と前記ピストン軸カバー部とを一体に垂直支持する支持台を備え、該支持台に取っ手を設けることを特徴とする請求項1又は2に記載された樹脂注入装置。
【請求項4】
前記樹脂シリンダ収容部と前記ピストン軸作動部と前記ピストン軸カバー部とを一体に前記支持台に対して着脱自在に支持したことを特徴とする請求項3記載の樹脂注入装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−127317(P2010−127317A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−299861(P2008−299861)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(593080294)株式会社カンドー (20)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【Fターム(参考)】