説明

樹脂管継手

【課題】継手本体とユニオンナットとの2点で成る経済的なものとしながら、耐引抜性と良好なシール性との両立を図ることが可能となる樹脂管継手を提供する。
【解決手段】インナ筒部4と雄ねじ5とを備えるフッ素樹脂製継手本体1、及び、雌ねじ8と、チューブ3の拡径変化領域9の小径側部分に作用可能なシール用押圧部10と、拡径部3Aの拡径ストレート部12に作用可能な抜止め用内ねじ11とを備えるフッ素樹脂製ユニオンナット2を有し、インナ筒部4にチューブ3端が外嵌装着されて拡径部3Aが形成される状態でのユニオンナット2を締付回し操作しての螺進により、拡径変化領域9の小径側部分がシール用押圧部10で軸心P方向に押圧され、かつ、拡径ストレート部12が抜止め用内ねじ11で径方向に押圧されるように構成された樹脂管継手。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体移送路としてのチューブを拡径(フレア)させて接続させる構造の樹脂管継手に係り、詳しくは、半導体製造や医療・医薬品製造、食品加工、化学工業等の各種技術分野の製造工程で取り扱われる高純度液や超純水の配管にも好適であって、ポンプ、バルブ、フィルタ等の流体機器や流体移送路であるチューブの接続手段として用いられる樹脂管継手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の樹脂管継手としては、特許文献1において開示されるチューブ継手が知られている。即ち、合成樹脂製のチューブ1を継手本体4のインナ筒部5に強制的に押し込むか、又は特許文献1の図2に示されるように、予めチューブ端部2を拡径させてからインナ筒部5に嵌め込むかする。それから、予めチューブに嵌装されているユニオンナット6を継手本体に螺合させ、締込み操作して継手本体4の軸心方向に強制移動させることにより、チューブ1の拡径付け根部分2aをエッヂ部6aで軸心方向に強く押圧し、チューブ1とインナ筒部5との間をシールする構造である。
【0003】
上述の構造と同様なものとしては、特許文献2の図8,図9において開示されたものや、特許文献3の図6において開示された樹脂管継手が知られている。これらのように、チューブの先端を拡径(フレア)させて継手本体に嵌めてナット止めする継手構造は、特許文献2の図5や特許文献3の図5等において開示される構造、即ち、専用部品のインナーリングに拡径外嵌されているチューブ端を継手本体の筒状受口に内嵌させてユニオンナット止めする3部品構造の管継手に比べて、継手本体とユニオンナットという少ない部品点数(2点)で経済的に管継手を構成しながらも良好なシール機能が得られる利点がある。
【0004】
ところが、上述のように2点部品で成る従来の樹脂管継手では、チューブ端を拡径させて強固に嵌合させ、かつ、拡径根元部分をユニオンナットで締付けているが、その締付けはシール機能を出すためのものであるためか、チューブを継手本体から引抜こうとする力には比較的弱いという傾向があった。チューブが引抜き移動されること自体が問題であるが、それによってエッヂ部の押圧によるシールポイントもずれてしまい、シール性に悪影響が生じる問題もある。特に、100℃以上の高温流体を扱うべく樹脂管継手がフッ素樹脂等の大きな膨張係数を有する樹脂材料で形成されている場合には、それらの問題がより顕著化されてしまう。
【0005】
そこで、特許文献4にて開示されるように、チューブ拡径部とユニオンナットとの間にC字状の割リングをチューブ拡径部の周溝に嵌る状態で介装させる構造の耐引抜手段を設けることにより、シール機能だけでなくチューブの引抜に対しても強い樹脂管継手を得ることが知られている。しかしながら、その特許文献4で開示される樹脂管継手では、予めチューブ拡径部に周溝を形成する前処理が必要になるとともに、部品点数が増えて3部品となることから、元々有していた経済性の良さが損われてしまうという新たな問題が生じる。従って、継手本体とユニオンナットとの2点で成る樹脂管継手を、その新たな問題を招くことなく引抜に対しても強いものとするにはさらなる改善の余地が残されているものであった。
【特許文献1】実登3041899号公報
【特許文献2】特開平7−27274号公報
【特許文献3】特開2002−357294号公報
【特許文献4】実登2587449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記実情に鑑みて、継手本体とユニオンナットとの2点で成る経済的なものとしながら、耐引抜性と良好なシール性との両立を図ることが可能となる樹脂管継手を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、樹脂管継手において、合成樹脂製チューブ3の端部を拡径して外嵌装着可能なインナ筒部4と、雄ねじ5とを備える合成樹脂製の継手本体1、及び、
前記雄ねじ5に螺合可能な雌ねじ8と、前記チューブ3の前記インナ筒部4に外嵌される拡径部3Aにおける拡径変化領域9の小径側部分に作用可能なシール用押圧部10と、前記拡径部3Aにおける径一定の直胴筒部分4Bに外囲される拡径ストレート部12に作用可能な抜止め用内ねじ11と、を備える合成樹脂製のユニオンナット2を有し、
前記インナ筒部4に前記チューブ3端が外嵌装着されて前記拡径部3Aが形成される状態における前記雌ねじ8を前記雄ねじ5に螺合させての前記ユニオンナット2の前記継手本体1の軸心P方向への螺進により、前記拡径変化領域9の小径側部分が前記シール用押圧部10で前記軸心P方向に押圧され、かつ、前記拡径ストレート部12が前記抜止め用内ねじ11で径方向に押圧されるように構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の樹脂管継手において、前記抜止め用内ねじ11が、尖ったねじ山yを有するねじから形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の樹脂管継手において、前記抜止め用内ねじ11と前記雌ねじ8とが互いに同じピッチに設定されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の樹脂管継手において、前記拡径ストレート部12の外周面12aに、前記抜止め用内ねじ11に螺合可能な雄ねじ18が予め形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の樹脂管継手において、前記インナ筒部4が、前記チューブ3を徐々に拡径させる先端先窄まり筒部4Aと、前記先端先窄まり筒部4Aの大径側に続いて形成される前記直胴筒部分4Bとを有して形成されており、前記チューブ3の拡径変化領域9が前記先端先窄まり筒部4Aに被さる部分であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の樹脂管継手において、前記継手本体1及び前記ユニオンナット2が共にフッ素樹脂から成ることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、詳しくは実施形態の項にて説明するが、インナ筒部の先端箇所でシール部が形成されることになり、インナ筒部と拡径部との間に流体が入り込むことなくチューブと継手本体とが良好にシールされるようになる。そして、ユニオンナットの螺進に伴って、抜止め用内ねじが拡径ストレート部の外周部に螺合して行くかのように圧入されるので、ねじ山がその長い距離に亘って拡径ストレート部を押圧して、拡径部がインナ筒部から抜け出そうとする力に強く抗することが可能になる。その結果、継手本体とユニオンナットとの2点で成る経済的なものとしながら、耐引抜性と良好なシール性との両立を図ることが可能となる樹脂管継手を提供することができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、ユニオンナットの螺進により、恰も拡径ストレート部の外周面が抜止め用内ねじで螺刻されるように食い込むか、或いは傷を付けんばかりに径方向に強く押圧するようになり、耐引抜力が向上する利点がある。
【0015】
請求項3の発明によれば、ユニオンナットの締込み回し操作に伴って抜止め用内ねじによる拡径ストレート部への螺刻押圧作用が円滑に行われるとともに、ユニオンナットの緩み回し操作時における抜止め用内ねじの拡径ストレート部からの螺脱作用も円滑に行われるようになる。従って、抜止め用内ねじを設けることに起因してユニオンナットの回し操作が重くなることが殆ど無い、或いは可及的に少なくて済む利点が追加される。
【0016】
請求項4の発明によれば、ユニオンナットを回しての螺進時に、抜止め用内ねじで拡径ストレート部にねじを切って行くような作用が不要であり、有効な耐引抜力を得ながらもユニオンナットは軽く回し操作できる利点がある。
【0017】
請求項5の発明によれば、先端先窄まり筒部を使ってチューブを拡径させてのインナ筒部への外嵌装着が行い易いとともに、シール用押圧部の拡径変化領域への作用箇所と抜止め用押圧部の拡径変化領域への作用箇所とが互いに軸心方向で離れた箇所となり、シール機能と抜止め機能とのそれぞれを明確に発揮させ易くなって、請求項1〜4の発明による前記効果を強化可能となる利点がある。
【0018】
請求項6の発明によれば、継手本体もユニオンナットも耐薬品性及び耐熱性に優れた特性を有するフッ素系樹脂で形成されているので、流体が薬液であるとか化学液体であっても、或いは高温流体であっても継手構造部分が変形して漏れ易くなることがなく、良好なシール性や耐引抜力が維持できるようになる。尚、フッ素系樹脂は高温にも安定で、撥水性に優れ、摩擦係数が小さく、耐薬品性も極めて高く、電気絶縁性も高い点で好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明による樹脂管継手の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は実施例1による樹脂管継手の断面図、図2は図1の樹脂管継手の要部の拡大断面図、図3は実施例2による樹脂管継手の要部を示す作用図である。
【0020】
〔実施例1〕
実施例1による樹脂管継手Aは、図1,図2に示すように、フッ素樹脂(PFA、PTFE等に代表される合成樹脂の一例)製のチューブ3をポンプ、バルブ等の流体機器や、異径又は同径のチューブに連通接続するものであり、フッ素樹脂(PFA、PTFE等に代表される合成樹脂の一例)製の継手本体1とフッ素樹脂(PFA、PTFE等に代表される合成樹脂の一例)製ユニオンナット2との2部品で構成されている。尚、各図はユニオンナット2を所定量締め込んだ組付状態を示している。
【0021】
継手本体1は、図1,図2に示すように、チューブ3の端部を拡径して外嵌装着可能な一端のインナ筒部4と、インナ筒部4より大径の状態で設けられている外周の雄ねじ5と、軸心Pを持つ円柱空間状の流体経路7とを備える筒状部材に形成されている。インナ筒部4は、チューブ3を徐々に拡径させる先端先窄まり筒部4Aと、先端先窄まり筒部4Aの大径側に続いて形成される直胴筒部分4Bと、を有するストレート形のものに形成されている。
【0022】
雄ねじ5が形成される部分の径は、インナ筒部4の最大径を有する直胴筒部分4Bよりも明確に大であり、軸心Pに直交する側周壁15が形成されている。インナ筒部4の先端面は、径方向で内側ほど内奥側(軸心P方向で奥側)に寄る逆テーパの角度が施される、即ち、先端ほど大径となるカット面16が形成されており、チューブ3の内周面が拡径部(フレア部)に向けて拡がり変位することに因る液溜り周部17の形状を内周側拡がり形状として、その流体が液溜り周部17に停滞し難くしてある。尚、カット面16は、その最大径が自然状態のチューブ3の内径と外径の略中間値となるように形成されているが、それにはこだわらない。
【0023】
ユニオンナット2は、図1,図2に示すように、雄ねじ5に螺合可能な雌ねじ8と、チューブ3のインナ筒部4に外嵌される拡径部3Aにおける拡径変化領域9の小径側端部分(「小径側部分」の一例)に作用可能なシール用周エッヂ(シール用押圧部の一例)10と、径一定の直胴筒部分4Bに外囲される拡径ストレート部12に作用可能な抜止め用内ねじ11と、シール用周エッヂ10に続いてチューブ3を軸心P方向の所定長さに亘って外囲するガイド筒部14とを備えて形成されている。シール用周エッヂ10は、その内径がチューブ3の外径に略等しく、その押圧面10aは軸心Pに直交する側周面とされている。
【0024】
抜止め用内ねじ11は、拡径ストレート部12に面するナット中央部2Tの内周面側に、雌ねじ8と同じ軸心P方向のピッチ(即ち、雄ねじ5とも同ピッチ)を有し、かつ、先が尖る断面形状のねじ山yを呈する三角ねじで形成されている。そのねじ山yの先端は、拡径ストレート部12の外周面12aの径よりも少し小さい径となるように設定されている。従って、雄ねじ5と雌ねじ8とを螺合させてユニオンナット2を回し操作して螺進させると、恰も拡径ストレート部12の外周面12aが抜止め用内ねじ11で螺刻されるようにねじ山yが外周面12aに食い込むか、或いは傷を付けんばかりに径方向に強く押圧する状態が得られるようになっている。このねじ山yがその長い距離に亘って拡径ストレート部12を押圧する作用により、拡径部3Aがインナ筒部4から抜け出そうとする力に強く抗することが可能になる。
【0025】
次に、チューブ3の端部をインナ筒部4に外嵌挿入するには、常温下で強制的にチューブ3を押し込んで拡径させて装着するか、熱源を用いて暖めて膨張変形し易いようにしてから押し込むか、或いは拡径器(図示省略)を用いて予めチューブ端を拡径させておいてからインナ筒部4に押し込むかして、図1に示すように、チューブ端3tが側周壁15にほぼ達する程度の内奥にまで差し込む。実施例1においては、インナ筒部4に外嵌装着される拡径部3Aは、図1,図2に示すように、先端先窄まり筒部4Aの外周面4aに外嵌される拡径変化領域9と、直胴筒部分4Bの外周面4bに外嵌される拡径ストレート部12とで成っている。
【0026】
つまり、図1,図2に示すように、インナ筒部4にチューブ3が外嵌装着された状態における雌ねじ部8を雄ねじ部5に螺合させてのユニオンナット2の締込みによる継手本体1の軸心P方向への螺進により、拡径変化領域9の小径側部分がシール用周エッヂ10で軸心P方向に押圧され、かつ、拡径ストレート部12が抜止め用内ねじ11で径方向に押圧されるように構成されている。尚、チューブ3の流体移送路3Wの径と流体経路7の径とは、円滑な流体の流れとすべく互いに同径に設定されているが、互いに異なっていても良い。
【0027】
実施例1においては、チューブ3の拡径変化領域9が先端先窄まり筒部4Aに被さる部分として形成されている。拡径変化領域9は、徐々に拡がるテーパ管の状態であり、シール用周エッヂ10と抜止め用内ねじ11とは軸心P方向で互いに離れた位置関係にあるが、先端先窄まり筒部4Aの外周面4aの軸心Pに対する角度が急になればなる程、シール用周エッヂ10と抜止め用内ねじ11との軸心P方向の距離は接近する。また、シール用周エッヂ10とインナ筒部4の先端とは軸心P方向で少し離れている(図2等参照)が、前記外周面4aの角度が急になればその離間距離は拡大され、緩くなればその離間距離は縮小される。
【0028】
さて、図1,図2に示すように、樹脂管継手Aの所定の組付け状態においては、シール用周エッヂ10はチューブ3の拡径変化領域9の小径側端部分を軸心P方向に押圧するので、拡径変化領域9の外周面4aの小径側端と、その箇所に接するチューブ3の内周面とが強く圧接されてシール部Sが形成される。このインナ筒部4の先端箇所でのシール部Sにより、インナ筒部4と拡径部3Aと間に洗浄液、薬液等の流体が入り込むことなくチューブ3と継手本体1とが良好にシールされている。
【0029】
そして、インナ筒部4に圧入的に外嵌されている拡径部3Aの拡径ストレート部12が、その外周面12aに螺刻するかのように作用する抜止め用内ねじ11で径方向に押圧されている。従って、拡径部3Aが軸心P方向でインナ筒部4から抜け出る方向の移動が強固に規制される抜止め手段Nが構成されており、それによって優れた耐引抜力が実現されている。その結果、継手本体1とユニオンナット2とから成るフレア型の樹脂管継手Aを、チューブがインナ筒部に装着されている状態でのナット操作によって簡単に組付けできて組付性に優れるとともに、シール部Sによる優れたシール性と抜止め手段Nによる優れた耐引抜力との両立が図れる改善されたものとして実現できている。
【0030】
しかも、抜止め用内ねじ11と雌ねじ8とが互いに同ピッチであるから、ユニオンナット2の締込み方向への回し操作に伴って抜止め用内ねじ11による拡径ストレート部12への螺刻押圧作用が円滑に行われるとともに、ユニオンナット2の緩む方向への回し操作時における抜止め用内ねじ11の拡径ストレート部12からの螺脱作用も円滑に行われるようになり、抜止め手段Nを設けることに起因してユニオンナット2の回し操作が重くなることが殆ど無い、或いは可及的に少なくて済む利点もある。また、尖りねじ山yの採用により、チューブ3とユニオンナット2とが互いに同じフッ素樹脂製であるが、拡径ストレート部12にねじを形成しながら径方向に押圧できて、強い耐引抜力が得られる利点もある。
【0031】
〔実施例2〕
実施例2による樹脂管継手Aは、拡径ストレート部12の外周面12aに、抜止め用内ねじ11に螺合可能な雄ねじが予め形成されている以外は実施例1による樹脂管継手Aと同じである。即ち、図3に示すように、チューブ3の端部をインナ筒部4の外郭形状に沿うように予め拡径し、その予拡径されているチューブ端13の外周面13aに、抜止め用内ねじ11に螺合する雄ねじ18を形成する。この雄ねじ18は、例えば、図1,2に示す抜止め用内ねじ11に合せて、ねじ深さの極浅いねじ谷として形成する。
【0032】
そして、その雄ねじ18が形成されているチューブ端13をインナ筒部4に強制差込みして圧入する。それ以後は実施例1の場合と同様であるが、既に拡径ストレート部12の外周面12aには雄ねじ18が形成されているので、ユニオンナット2を回しての螺進時に、抜止め用内ねじ11で拡径ストレート部12にねじを切って行くような作用は不要となるため、ユニオンナット2の回し力が実施例1のものに比べて小で済む。つまり、有効な耐引抜力を得ながらもユニオンナットは軽く回し操作できる利点がある。
【0033】
〔別実施例〕
シール用押圧部10は、周方向で複数に分割された間欠周状のエッヂや、断面形状で角部の角度が80度や100度等、図2等に示される90度(直角)以外の角度でも良い。ユニオンナット2の樹脂料を、チューブ3の樹脂材料よりも機械的強度に優れるものに設定し、ユニオンナット2の継手本体1への螺装によって抜止め用内ねじ11が拡径ストレート部12により明確に螺刻形成できるとか、径方向により強く押圧することが可能である。
【0034】
合成樹脂としては、フッ素樹脂のほか、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PP(ポリプロピレン)等種々のものが可能である。また、フッ素樹脂としては、PTFE、PFA、PVDF、ETFE等種々のものが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】実施例1による樹脂管継手の構造を示す断面図
【図2】図1の要部を示す拡大断面図
【図3】実施例2の樹脂管継手におけるチューブ成形及び装着を示す作用図
【符号の説明】
【0036】
1 継手本体
2 ユニオンナット
3 チューブ
3A 拡径部
4 インナ筒部
4A 先端先窄まり筒部
4B 直胴筒部分
5 雄ねじ部
8 雌ねじ部
9 拡径変化領域
10 シール用押圧部
11 抜止め用内ねじ
12 拡径ストレート部
12a 外周面
18 雄ねじ
P 軸心
y ねじ山

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製チューブの端部を拡径して外嵌装着可能なインナ筒部と、雄ねじとを備える合成樹脂製の継手本体、及び、
前記雄ねじに螺合可能な雌ねじと、前記チューブの前記インナ筒部に外嵌される拡径部における拡径変化領域の小径側部分に作用可能なシール用押圧部と、前記拡径部における径一定の直胴筒部分に外囲される拡径ストレート部に作用可能な抜止め用内ねじと、を備える合成樹脂製のユニオンナットを有し、
前記インナ筒部に前記チューブが外嵌装着されて前記拡径部が形成される状態における前記雌ねじを前記雄ねじに螺合させての前記ユニオンナットの前記継手本体の軸心方向への螺進により、前記拡径変化領域の小径側部分が前記シール用押圧部で前記軸心方向に押圧され、かつ、前記拡径ストレート部が前記抜止め用内ねじで径方向に押圧されるように構成されている樹脂管継手。
【請求項2】
前記抜止め用内ねじが、尖ったねじ山を有するねじから形成されている請求項1に記載の樹脂管継手。
【請求項3】
前記抜止め用内ねじと前記雌ねじとが互いに同じピッチに設定されている請求項1又は2に記載の樹脂管継手。
【請求項4】
前記拡径ストレート部の外周面に、前記抜止め用内ねじに螺合可能な雄ねじが予め形成されている請求項3に記載の樹脂管継手。
【請求項5】
前記インナ筒部が、前記チューブを徐々に拡径させる先端先窄まり筒部と、前記先端先窄まり筒部の大径側に続いて形成される前記直胴筒部分とを有して形成されており、前記チューブの拡径変化領域が前記先端先窄まり筒部に被さる部分である請求項1〜4の何れか一項に記載の樹脂管継手。
【請求項6】
前記継手本体及び前記ユニオンナットが共にフッ素樹脂から成る請求項1〜5の何れか一項に記載の樹脂管継手

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−38268(P2010−38268A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−202368(P2008−202368)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(000229737)日本ピラー工業株式会社 (337)
【Fターム(参考)】