説明

橋梁カルテ出力プログラム、橋梁カルテ出力方法及び高架構造物データ

【課題】複数の橋梁を連設した高架構造物について、高架構造物を構成する部材に関する情報を部材の種類毎に複数の台帳に分けて記録した部材台帳データと部材毎の保守履歴を記録した保守台帳データから、任意の橋梁を構成する部材と保守履歴に関する情報を抽出する。
【解決手段】複数の橋梁のそれぞれを支える橋脚を示す橋脚識別子及びこの橋脚により支えられる橋梁を示す橋梁識別子を組にして記録する橋梁台帳データを設け、部材台帳データ及び保守台帳データには少なくとも部材毎に異なるレコードを設け、これらレコードには当該部材が設けられる橋脚の橋脚識別子を記録し、選択した橋梁に関するレコードを橋梁台帳データから選択し、この選択されたレコードに記録される橋脚識別子と同一の橋脚識別子を記録するレコードを部材台帳データ及び保守台帳データから選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の橋梁を連設して構築した高架構造物について、この高架構造物を構成する部材に関する情報を記録した部材台帳データと、部材毎の保守履歴に関する情報を記録した保守台帳データから、高架構造物を構成する複数の橋梁のうちの任意の橋梁を構成する部材とその保守履歴に関する情報とをコンピュータに出力させるプログラム及び方法に関する。さらにこのような高架構造物を構成する部材に関する情報と、その部材の保守履歴に関する情報と、を記録する高架構造物データに関する。
【背景技術】
【0002】
図1に、道路を地上から高く架け渡す土木構造物の構成を示す。このような道路や線路などを地上から高く架け渡す土木構造物を、以下、本明細書及び特許請求の範囲において「高架構造物」と示す。
高架構造物50は、主に、架け渡される道路を支える主桁51や床版52などの上部構造の荷重を指示する橋脚53と、主桁51と橋脚53の接点にあって、上部構造の重量を下部構造に安全に伝達する支承54と、舗装面55などの部材から構成される。主桁51は2以上の橋脚53間(径間)に亘って架けられており、2つの橋脚53の間の間に架けられる主桁51は単純桁、3つ以上の橋脚53の間の間に架けられる主桁51は連続桁と呼ばれる。
ここで、「橋梁」の語は、一般に高架構造物全体を指す語として使用される場合もあるが、多数の橋脚53間に亘って連続して道路を架け渡す高架構造物においては、このような高架構造物をその延長方向に主桁51毎に区切って取り扱い、高架構造物全体のうち一本の主桁51によって掛け渡される範囲の長さ部分を、「橋梁」と呼ぶことがあり、本明細書及び特許請求の範囲でもこの用法に従って使用するものとする。
【0003】
また、高架構造物50を構成する部材として、他にも地覆56a、高欄56b、水切り57a及び57b、遮音壁58並びに裏面吸音板59などがある。
地覆56aは、車両が橋面外へ逸脱するのを防ぐために橋面の幅員最端部に設置される突起状の構造物であり、高欄56bは、車両が橋面外へ逸脱するのを防ぐために地覆上に設けられる防護柵である。
また、水切り57a及び57bは、床版52の下面をつたう雨滴が床版52内に漏洩することを防止するための凹条や突起である。裏面吸音板59は、下層の道路を走行する自動車騒音が高架道路の裏面で反射されることを防止する吸音板である。
その他にも、高架構造物には、異なる床版間に掛け渡された舗装面間を繋ぐための伸縮継手(図示せず)や、震災などの際に上部構造が落下することを防止するために主桁51と橋脚53とを繋ぐ橋梁落下防止装置(図示せず)や、震災などの際に橋脚が倒壊することを防止するための橋脚耐震補強装置(図示せず)などの部材が設けられている。
【0004】
なお、本発明に関して記載すべき先行技術文献はない。出願人が知っている先行技術が文献公知発明に係るものではないからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、上記のような高架構造物の設備諸元データは、高架構造物を構成する各部材(すなわち主桁51、床版52や橋脚53など)の種類毎に異なる設備台帳を作成して管理し、また高架構造物の保守履歴もまた、これら設備台帳とは別に点検補修台帳を作成して管理していた。
しかし近年では、高架構造物の維持管理費の一層の効率化の要請から、異なる種類の部材間において補修の優先順序を検討する必要性が生じている。このため点検計画及び補修計画の立案の際に、点検補修を行う橋梁部分を構成する多数の種類の部材の設備諸元データや保守履歴を、個々に作成された設備台帳や補修台帳から手作業で取得する必要があり、このために膨大な労力を払ってきた。
【0006】
上記問題点に鑑み、本発明では、複数の橋梁を連設して構築した高架構造物について、これら橋梁のうちの任意の橋梁を構成する部材とその保守履歴に関する情報とを、高架構造物を構成する部材に関する情報を部材の種類毎に複数の台帳に分けて記録した部材台帳データと部材毎の保守履歴に関する情報を記録した保守台帳データの中から、コンピュータに抽出させ出力させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、複数の橋梁のそれぞれを支える橋脚を示す橋脚識別子及びこの橋脚により支えられる橋梁を示す橋梁識別子を組にして記録する橋梁台帳データを設けた。また、部材台帳データ及び保守台帳データには、少なくとも部材毎に異なるレコードを設け、これらレコードには当該部材が設けられる橋脚の橋脚識別子を記録した。
そして、部材台帳データ、保守台帳データ及び橋梁台帳データに対してアクセス可能なコンピュータに、複数の橋梁のうちいずれかを指定する橋梁指定処理と、橋梁台帳データのうち指定された橋梁に関するレコードを選択する第1のレコード選択処理と、第1のレコード選択処理により選択されたレコードに記録される橋脚識別子と同一の橋脚識別子を記録するレコードを部材台帳データ及び保守台帳データから選択する第2のレコード選択処理と、第2のレコード選択処理により選択されたレコードに各々含まれる各フィールドのうち所定のフィールドのデータを出力するデータ出力処理と、を行わせることとした。
上記処理によって、高架構造物のうち橋梁指定処理で指定された橋梁の部分について、この橋梁の部分を構成する各部材の設備諸元データや保守履歴を、部材の種類毎に作成された複数の設備台帳やこれとは別に作成された補修台帳の中から、容易に抽出することが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によって、複数の橋梁を連設して構築した高架構造物の中から、任意の橋梁を構成する部材に係る設備諸元データや保守履歴を、部材の種類毎に作成された複数の設備台帳やこれとは別に作成された補修台帳の中からコンピュータに抽出させることが可能となるため、点検計画及び補修計画を立案する際に従来要していた膨大な労力を省力化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施例を説明する。図2は、本発明の実施例による橋梁カルテ出力プログラムを実行させるハードウエアの構成例を示すブロック図である。
コンピュータ1は、CPU2と、このCPU2に接続されるメモリ3、データ出力装置であるディスプレイ4及びプリンタ7、データ入力装置であるキーボード5、並びに記憶装置であるハードディスク6を備えて構成される。
ハードディスク6には、コンピュータ1を動作させるために必要なオペレーティングシステム(OS)10と、それぞれ本発明の実施例による橋梁カルテ出力プログラムを成す、橋梁カルテアプリケーションプログラム11と、リレーショナルデータベースアプリケーションプログラム12と、このリレーショナルデータベースアプリケーションプログラム12により作成された高架構造物データベース14と、橋梁カルテアプリケーションプログラム11に対して、高架構造物データベース14へのアクセス及びリレーショナルデータベースアプリケーションプログラム12のデータベース操作機能の利用を可能にするプログラムインタフェースコンポーネント13と、高架構造物を撮影した写真や竣工図面などの画像データ15が記憶されている。
【0010】
本構成例では、オペレーティングシステム10に、Microsoft社のMicrosoft Windows(登録商標)を用い、リレーショナルデータベースアプリケーションプログラム12には、同じくMicrosoft Access(登録商標)を用いることとした。
また、橋梁カルテアプリケーションプログラム11を、同じくMicrosoft Visual Basic(登録商標)を用いて作成し、プログラムインタフェースコンポーネント13としての、アクティブX・データ・オブジェクツ(ADO: ActiveX Data Objects)を介して、高架構造物データベース14へのアクセスし、リレーショナルデータベースアプリケーションプログラム12のデータベース操作機能を利用することとした。
【0011】
図3は、ハードディスク6に記憶される高架構造物データベース14内の各台帳データと、画像データ15の一覧を示すブロック図である。図示するとおり、高架構造物データベース14は、図1に示す高欄56b及び地覆56aの設備諸元データを記録する高欄地覆台帳と、舗装55の設備諸元データを記録する舗装台帳と、遮音壁58の設備諸元データを記録する遮音壁台帳と、裏面吸音板59の設備諸元データを記録する裏面吸音板台帳と、水切り57a及び57bの設備諸元データを記録する水切り台帳と、床版52の設備諸元データを記録する床版台帳と、伸縮継手(図示せず)の設備諸元データを記録する伸縮継手台帳と、支承54の設備諸元データを記録する支承台帳と、落橋防止装置(図示せず)の設備諸元データを記録する落橋防止台帳と、橋脚耐震補強装置(図示せず)を記録する橋脚耐震補強台帳と、を有している。
【0012】
また高架構造物データベース14は、主桁51上に設けられる構造物である上部工の設備諸元データを記録する上部工台帳と、上部工についてその所在地などの基本的な情報を記録するための基本台帳と、橋脚その他下部工の設備諸元データを記録する下部工台帳と、を有している。
これら各台帳データは、特許請求の範囲に記載される、高架構造物を構成する部材に関する情報を前記部材の種類毎に複数の台帳に分けて記録した部材台帳データに対応する。また本明細書では以下の説明において、上記各台帳データを総称して「部材台帳データ」と記すことがある。
【0013】
さらに、高架構造物データベース14は、高架構造物を構成する各部材を点検結果及び補修内容を記録する点検補修台帳を有しており、この点検補修台帳は、特許請求の範囲に記載される、前記部材毎の保守履歴に関する情報を記録した保守台帳データに対応する。
本実施例では、上記の各台帳データ(図示の点線で囲まれた範囲のデータ)は、リレーショナルデータベースアプリケーションプログラム12で作成される高架構造物データベース14に含まれるテーブルデータであって、表計算ソフトウエアなどを用いて予め作成されている既存のテーブルデータを高架構造物データベース14に読み込んで利用する。こうすることによって、従前にコンピュータ可読媒体に複数の台帳に分けて記録された部材台帳データや点検補修データを利用することが可能である。
【0014】
図4〜図8に、それぞれ基本台帳、高欄地覆台帳、舗装台帳、遮音壁台帳及び裏面吸音板台帳のテーブル構造を示す。各図は、テーブル中の1レコードに含まれるフィールドの列、フィールド名及びデータ型を示す。以下に示す、図10〜図15及び図17〜図21においても同様である。
図4〜図8に示されるグループの台帳では、部材毎に1レコードを使用して各部材の設置位置や設備諸元データが記録される。ここで、このグループの台帳の対象となるのは、図9の高架構造物の側面図に示す径間(すなわち隣接する橋脚53a及び53bの間並びに橋脚53b及び53cの間)に亘って設けられる種類の部材である。したがってこれらの台帳では、それぞれの部材が設けられる径間を区別するために、各レコードに径間が始まる橋脚番号である始脚番号を記録する始脚番号フィールドと、径間が終了する橋脚番号である終脚番号を記録する終脚番号フィールドを有している。
【0015】
また、本グループの台帳の対象となる部材は、上部工の上の道路の方向毎、又は本線やランプ車線毎に配置される部材である。したがって同じ上部工の上に異なる方向のレーンが設けられる場合や、同じ上部工の上に本線とランプ車線とが設けられる場合には、同じ径間内に異なるレーンに設けられた複数の部材が配置される。このため、本グループの台帳では、各部材が設けられる方向及び本線ランプを区別するため方向フィールドと本線ランプ区分フィールドが各レコードに設けられる。
したがって、本グループの台帳では、始脚番号フィールド、終脚番号フィールド、方向フィールド及び本線ランプ区分フィールドに格納されたデータの組合せをキーにして各部材毎のレコードを特定することができる。
【0016】
図10〜図12に、それぞれ上部工台帳、水切り台帳及び床版台帳のテーブル構造を示す。これらの台帳でも部材毎に1レコードを使用して各部材の設置位置や設備諸元データが記録される。
本グループの台帳の対象となるのは、径間に亘って設けられる種類の部材である。したがってこれらの台帳では、それぞれの部材が設けられる径間を区別するために、各レコードに径間が始まる橋脚番号である始脚番号を記録する始脚番号フィールドと、径間が終了する橋脚番号である終脚番号を記録する終脚番号フィールドを有している。
そして、本グループの台帳では、始脚番号フィールド及び終脚番号フィールドを特定することができる。
【0017】
なお、これら上部工台帳、水切り台帳及び床版台帳もまた、方向フィールド及び本線ランプ区分フィールドを有しているが、これらは当該上部工や、水切り及び床版が設けられる上部工の上に設置される道路の方向や本線ランプの別を示すために設けられたフィールドであって、上記の基本台帳のように同じ上部工の上に設けられた異なるレーンを区別するものではない。
【0018】
図13〜図15に、それぞれ伸縮継手台帳、支承台帳及び落橋防止台帳のテーブル構造を示す。これらの台帳でも部材毎に1レコードを使用して各部材の設置位置や設備諸元データが記録される。
本グループの対象となる部材は、上部工に設けられる部材であるが、上部工のように複数の橋脚の間に亘って設けられる部材ではなく各橋脚の箇所に設けられる部材である。したがって、このグループの台帳では、それぞれの部材が設けられる橋脚を示す橋脚番号を記録するための橋脚番号フィールドを有している。
【0019】
ここで、伸縮継手台帳の対象となる伸縮継手は、上部工の上の道路の方向毎又は本線やランプ車線毎に配置される部材である。このため、伸縮継手台帳では、各伸縮継手が設けられる方向及び本線ランプを区別するため方向フィールドと本線ランプ区分フィールドが各レコードに設けられる。
また支承台帳の対象となる支承は、橋脚の箇所に設けられる部材であるが、主桁の境界となる橋脚の箇所では、この橋梁に支えられる隣接する2つの主桁のそれぞれに対して支承が設けられる。この様子を図16を参照して説明する。
主桁51aは、3つの橋脚53a、53b及び53cによって支えられ、径間53a〜53bの間では橋脚53aを始脚とし橋脚53bを終脚と定められ、径間53b〜53cの間では、53bを始脚とし53cを終脚と定められているとする。
【0020】
図示するとおり、橋脚53aは、主桁51aとこれに隣接する主桁51bの境界となっており、主桁51a及び主桁51bをそれぞれ支えるための支承54aと54dが設けられ、橋脚53cは、主桁51aとこれに隣接する主桁51cの境界となっており、主桁51a及び主桁51cをそれぞれ支えるための支承54cと54eが設けられている。
このように主桁の境界となる橋脚では、この橋脚に支えられる隣接する2つの主桁を支える支承が設けられるため、支承台帳にはこれらの支承を区別するために支承位置フィールドが設けられる。本実施例では、始脚53aの終点側に設けられる支承54aを記録するレコードでは、支承位置フィールドに「終点側」が入力され、終脚53cの始点側に設けられる支承54cを記録するレコードでは、支承位置フィールドに「始点側」が入力される。主桁の中間部分を支える支承54bを記録するレコードでは、支承位置フィールドに「中間支点上」が入力される。
【0021】
同様に落橋防止台帳の対象となる落橋防止装置もまた、橋脚の箇所に設けられる部材であるが、各橋梁にはこれに連結される主桁毎にそれぞれ落橋防止装置が設けられる。この様子を図16を参照して説明する。
図示するとおり、橋脚53aには、主桁51aと橋脚53aを連結する落橋防止装置60aと、主桁51bと橋脚53aを連結する落橋防止装置60cが設けられ、また橋脚53cには、主桁51aと橋脚53cを連結する落橋防止装置60bと、主桁51cと橋脚53cを連結する落橋防止装置60dが設けられている。
このように、1つの橋脚に対して複数の落橋防止装置が設けられるため、落橋防止台帳にはこれらの落橋防止装置を区別するために始脚終脚区分フィールドが設けられる。本実施例では、始脚53aの終点側に設けられる落橋防止装置60aを記録するレコードでは、始脚終脚区分フィールドに「終脚」が入力され、終脚53cの始点側に設けられる落橋防止装置60bを記録するレコードでは、始脚終脚区分フィールドに「始脚」が入力される。
【0022】
図17及び図18に、それぞれ下部工台帳及び橋脚耐震補強台帳のテーブル構造を示す。これらの台帳でも部材毎に1レコードを使用して各部材の設置位置や設備諸元データが記録される。
本グループの対象となる部材は各橋脚の箇所に設けられる部材である。したがって、このグループの台帳ではそれぞれの部材が設けられる橋脚を示す橋脚番号を記録するフィールドが設けられており、下部工台帳では始脚番号フィールドに橋脚番号を記録し、橋脚耐震補強台帳では橋脚番号フィールドに橋脚番号を記録する。
【0023】
図19に、点検補修台帳のテーブル構造を示す。点検補修台帳は、高架構造物を点検した点検結果又は補修の内容を記録する台帳であって、各部材毎に、かつ点検又補修を実施する毎に異なるレコードに、点検結果又は補修の内容が記録される。
図示するとおり、点検補修台帳は、点検又補修を実施した年度を記録する年度フィールド(B列)、点検又補修を実施した部材の種類を示す構造物フィールド(D列)、点検箇所又は補修箇所を示す始脚番号フィールド及び終脚番号フィールド(F列及びG列)、点検の結果を示す二次判定フィールド(J列)、点検及び補修箇所の数を示す数量フィールド(K列)及び補修した日付を示す応急対応実施日フィールド(M列)などが設けられている。
【0024】
点検補修台帳では、点検又は補修の対象が上部工のような径間に亘って設けられる部材である場合には、点検又は補修の対象が設けられている径間の両端の橋脚番号を始脚番号フィールド及び終脚番号フィールドに記録し、点検又は補修の対象が下部工のような橋脚の箇所に設けられる部材である場合には、点検又は補修の対象が設けられている橋脚の橋脚番号を始脚番号フィールドに記録する。
【0025】
図3に戻り、高架構造物データベース14は、図3に示す点線によって囲まれた部材の種類毎に分けられた部材台帳データ及びこれとは別個に作成された点検補修台帳の中から、橋梁毎に、すなわち、上述した「橋梁」の語の用法によれば高架構造物全体のうち一本の主桁によって掛け渡される範囲の長さ部分毎に、その橋梁の範囲の部材の設備諸元データ及び点検補修データを抽出するために使用される橋梁台帳を有している。図20に橋梁台帳のテーブル構造を示す。
【0026】
橋梁台帳は、1つの橋梁について一意に割り当てられた橋梁識別子である橋梁IDを記録するための橋梁IDフィールド(A列)と、始脚番号フィールド及び終脚番号フィールド(F列及びG列)を有しており、始脚番号フィールド及び終脚番号フィールドで示された径間が、橋梁IDフィールドによって示される橋梁の範囲内に含まれることを示す台帳である。
そして橋梁台帳は径間毎に異なるレコードを有し、同じ橋梁に含まれる径間を示す各レコードの橋梁IDフィールドに、同じ橋梁IDを記録する。したがって、ある橋梁が複数の径間に亘っている(すなわち1つの主桁が3つ以上の橋脚に亘って架けられる)連続桁である場合には、1つの橋脚について複数のレコードが使用され、これらのレコードには各径間の両端の橋脚番号を示す始脚番号及び終脚番号がそれぞれ記録されるとともに、その橋梁IDフィールドには同一の橋梁IDが記録される。
【0027】
図9を参照して、1つの橋梁IDが示す構造物の範囲とこれに含まれる各径間の範囲を説明する。主桁52aが架けられた橋梁は2径間連続桁であって、主桁52aは3つの橋脚50a〜50cに架けられ、この橋梁には2つの径間53a〜53b及び53b〜53cが含まれている。
この場合に、橋梁台帳には、主桁52aが架けられた橋梁に対して、径間53a〜53bの両端の橋脚番号をそれぞれ始脚番号フィールド及び終脚番号フィールドに記録するレコードと、径間53b〜53cの両端の橋脚番号をそれぞれ始脚番号フィールド及び終脚番号フィールドに記録するレコードと、を別々に設け、これら2つのフィールドの橋梁IDフィールドには同一の橋梁IDを記録する。
また、橋梁台帳には、主桁52aの始点を支える橋脚53aの橋脚番号を記録する橋梁始脚番号フィールド(図20のD列)と、終点を支える橋脚53cの橋脚番号を記録する橋梁終脚番号フィールド(図20のG列)を設ける。
【0028】
このように橋梁台帳を定義すれば、データを表示及び出力すべき橋梁を記録したレコードを橋梁台帳の中から選択し、これと同じ橋梁IDを有する他の全てのレコードを抽出し、これらのレコードの始脚番号フィールド及び終脚番号フィールドを参照することによって、選択された橋梁を支える橋脚の橋脚番号を全て取得することが可能となる。そして取得した橋脚番号をキーとして使用してこれらの橋脚番号を記録したレコードを部材台帳データ及び点検補修台帳から抽出することによって、選択された橋梁の部分に設けられた部材の設備諸元データ及び点検補修データを記録したレコードを抽出することができる。
なお、図4〜図8、図10〜図15及び図17〜図20に示したテーブル構造は、本実施例を説明する上で必要なフィールド名のみを列挙した例示であって、各台帳には実際の管理項目に応じたより多くのフィールドを設けてもよい。
【0029】
高架構造物データベース14は、さらに図21に示す橋梁所見処方テーブル、備考テーブル及び図面写真テーブルを有する。
橋梁所見処方テーブルは、各橋梁毎に検査者の所見や補修作業の処方をコメントとして記録するテーブルであって、各レコードは、対象となる橋梁の橋梁IDを記録する橋梁IDフィールド(B列)と、所見を記録する所見フィールド(C列)と、処方を記録する処方フィールド(D列)を有する。
備考テーブルは、各橋梁毎にメモなどをコメントとして記録するテーブルであって、各レコードは、対象となる橋梁の橋梁IDを記録する橋梁IDフィールド(B列)と、コメントを記録する備考フィールド(C列)を有する。
図面写真テーブルは、各橋梁毎に、当該橋梁やこれを構成する各部材の図面や写真を記録するテーブルであって、各レコードは、対象となる橋梁の橋梁IDを記録する橋梁IDフィールド(B列)と、図面及び写真の区別を示す種別フィールド(C列)と、記録すべき図面や写真の画像データが保存されているハードディスク6内のパス名を記録するファイルパスフィールド(D列)と、記録すべき図面や写真の画像データのファイル名を記録するファイル名フィールド(E列)と、図面や写真についてメモを記録するコメントフィールド(F列)を有する。
【0030】
以下、図22〜図32を参照して、上述した各テーブルデータ間のリレーションシップについて説明する。周知のようにリレーショナルデータベースでは、複数のテーブル間においてそれぞれの共通するフィールドを関連付け、選択クエリを用いることによって、これら共通フィールドが同じ値を有する各テーブルのレコード同士を連結して、1つのテーブルのレコードのように取り扱うことができる。
本実施例では、主にリレーションシップを、橋梁台帳の始脚番号フィールドや終脚番号フィールドと、各部材台帳データ及び点検補修台帳の始脚番号フィールド、終脚番号フィールドや橋脚番号フィールドとの間に設けて、橋梁台帳と各部材台帳データ及び点検補修台帳とを連結するために使用している。
【0031】
図22は、橋梁台帳と上部工台帳との間に設けられるリレーションシップを示す図である。図10を参照して上述した通り、上部工台帳では部材が設けられる径間を区別するために、径間が始まる始脚番号を記録する始脚番号フィールドと、径間が終了する終脚番号を記録する終脚番号フィールドを有している一方、橋梁台帳は、上述の通り各橋梁の部分に含まれる各径間が始まる始脚番号を記録する始脚番号フィールドと、径間が終了する終脚番号を記録する終脚番号フィールドを有している。
そこで図示するとおり、上部工台帳の始脚番号フィールドと橋梁台帳の始脚番号フィールド同士の間、及び上部工台帳の終脚番号フィールドと橋梁台帳の始脚番号フィールド同士の間にそれぞれリレーションシップを設ける。
図22では、フィールド間にリレーションシップが設けられる様子を、リレーションシップが設けられたフィールド間を点線で接続して示している。図23〜図31及び図33においても同様である。
【0032】
また、道路の路線や方向、本線やランプ車線が異なる橋脚に同一の橋脚番号が割り当てられた場合でもこれらを区別できるように、上部工台帳及び橋梁台帳の路線名フィールド同士の間、上部工台帳及び橋梁台帳の方向フィールド同士の間、並びに上部工台帳及び橋梁台帳の本線ランプ区分同士の間にもリレーションシップを設ける。
【0033】
図23は、橋梁台帳と基本台帳との間に設けられるリレーションシップを示す図である。図4を参照して上述した通り、基本工台帳でも部材が設けられる径間を区別するために、径間が始まる始脚番号を記録する始脚番号フィールドと、径間が終了する終脚番号を記録する終脚番号フィールドを有している。そこで上部工台帳と同様に、上部工台帳の始脚番号フィールドと橋梁台帳の始脚番号フィールド同士の間、及び上部工台帳の終脚番号フィールドと橋梁台帳の始脚番号フィールド同士の間にそれぞれリレーションシップを設ける。また、上部工台帳と同様に、基本台帳及び橋梁台帳の路線名フィールド同士の間にもリレーションシップを設ける。
【0034】
一方で、図4を参照して上述した通り、同じ上部工の上に異なる方向のレーンが設けられる場合や同じ上部工の上に本線とランプ車線とが設けられる場合には、基本台帳では、同じ径間部分の上部工について、レーン毎及び又は本線ランプの別毎にそれぞれ異なるレコードが設けられる。このため方向フィールドには方向を区別するための識別情報が、本線ランプ区分フィールドには本線ランプを区別するための識別情報が記録される。
しかし、上部工台帳や橋梁台帳では、同じ上部工の上に異なる方向のレーンや本線とランプ車線とが設けられていても、1つの径間には原則として1レコードが割り当てられ、方向フィールド及び本線ランプ区分フィールドに記録される内容は方向及び本線ランプを区別できる情報ではない。このため基本台帳と橋梁台帳とでは、方向フィールド及び本線ランプ区分フィールドに記録される情報が異なることになる。
【0035】
このため、基本台帳のレコードには本線ランプ区分(上部工)フィールド及び方向(上部工)フィールド(図4のS列及びT列)が設けられる。基本台帳の各レコードの本線ランプ区分(上部工)フィールド及び方向(上部工)フィールドには、そのレコードの始脚番号フィールド及び橋脚番号フィールドの値と、同一の始脚番号フィールド及び橋脚番号フィールドの値を有する上部工台帳のレコードの本線ランプ区分フィールド及び方向フィールドと同じ内容を記録する。
そして、基本台帳の本線ランプ区分(上部工)フィールドと橋梁台帳の本線ランプ区分フィールド、基本台帳の方向(上部工)フィールドと橋梁台帳の方向フィールドとの間にリレーションシップを設ける。
【0036】
図24の(A)は高欄地覆台帳と基本台帳との間に設けられるリレーションシップを示す図であり、図24の(B)は舗装台帳と基本台帳との間に設けられるリレーションシップを示す図であり、図25の(A)は遮音壁台帳と基本台帳との間に設けられるリレーションシップを示す図であり、図25の(B)は裏面吸音板台帳と基本台帳との間に設けられるリレーションシップを示す図である。
図4〜図8を参照して上述したように、高欄地覆台帳、舗装台帳、遮音壁台帳及び裏面吸音板台帳では、基本台帳と同様に方向毎に又は本線ランプの別毎にレコードが割り当てられるので、これらの台帳のそれぞれと基本台帳との間では、路線名フィールド同士の間、始脚番号フィールド同士の間、終脚番号フィールド同士の間、本線ランプ区分フィールド同士の間及び方向フィールド同士の間にリレーションシップが設けられる。
そしてこれら4つの台帳は、それぞれの台帳と基本台帳との間のリレーションシップ及び基本台帳と橋梁台帳との間のリレーションシップによって、橋梁台帳に連結される。
【0037】
図26の(A)は水切り台帳と橋梁台帳との間に設けられるリレーションシップを示す図であり、図26の(B)は床版台帳と橋梁台帳との間に設けられるリレーションシップを示す図である。水切り台帳及び床版台帳は、それぞれの台帳と上部工台帳との間のリレーションシップ及び上部工台帳と橋梁台帳との間のリレーションシップによって、橋梁台帳に連結される。
図10〜図12を参照して説明したように、これらの水切り台帳及び床版台帳では、上部工台帳と同様に径間毎にレコードが割り当てられる。したがって、これらの台帳のそれぞれと上部工台帳との間では、始脚番号フィールド同士の間及び終脚番号フィールド同士の間にリレーションシップが設けられる。また、上部工台帳と橋梁台帳との間のリレーションシップと同様に、水切り台帳及び床版台帳と上部工台帳との間では、路線名フィールド同士の間、本線ランプ区分フィールド同士の間及び方向フィールド同士の間にもリレーションシップが設けられる。
【0038】
図27の(A)は支承台帳と以下に説明する橋脚番号クエリとの間に設けられるリレーションシップを示す図であり、図27の(B)は落橋防止台帳と橋脚番号クエリとの間に設けられるリレーションシップを示す図である。支承台帳及び落橋防止台帳は、橋梁台帳から作成したクエリである橋脚番号クエリとの間のリレーションシップによって、橋梁台帳に連結される。
【0039】
図13〜図15を参照して説明したように、高架構造物を構成する部材には、上部工のように径間に亘って設けられる種類の部材と、支承や落橋防止装置のように橋脚の箇所に設けられる種類の部材とがある。
径間に亘って設けられる種類の部材に関する台帳データ、例えば上部工台帳や基本台帳は、部材の設置箇所を示すデータとして径間を表す始脚番号及び終脚番号を持つ。また各橋梁の範囲に含まれる径間を示す橋梁台帳においても、各橋梁の範囲に含まれる径間を表す必要があることから、同様に始脚番号及び終脚番号によって径間を指定する。
【0040】
一方で、橋脚の箇所に設けられる種類の部材に関する台帳データである支承台帳及び落橋防止台帳は、図13〜図15を参照して説明したように、設置箇所を示すデータとして径間を表す始脚番号及び終脚番号を持たず、1つの橋脚番号を有する。
ここで、例えば橋梁台帳と支承台帳との間に、橋梁台帳と落橋防止台帳との間にリレーションシップを設けて、特定の橋梁区間に設けられた支承や落橋防止装置を抽出することを考える。このとき支承台帳及び落橋防止台帳(以下「支承台帳等」と示す)の橋脚番号フィールドと橋梁台帳の始脚番号フィールドとの間にリレーションシップを設けると、橋梁の終点側を支える橋脚に設けられた支承や落橋防止装置を抽出できなくなり、同様に支承台帳等の橋脚番号フィールドと橋梁台帳の終脚番号フィールドとの間にリレーションシップを設けると、橋梁の始点側を支える橋脚に設けられた支承や落橋防止装置を抽出できなくなる。
【0041】
このため、橋梁台帳の各レコードの橋梁ID及び始脚番号フィールドを取り出した選択クエリと、同じく橋梁ID及び終脚番号フィールドを取り出した選択クエリとを結合することによって、各橋梁毎に、橋梁IDと当該橋梁を支える橋脚の橋脚番号の対を、当該橋梁を支える橋脚の全てについて抽出する橋脚番号クエリを作成する。このような橋脚番号クエリの例をSQL(Structured Query Language)言語で記述すると以下のとおりとなる。
【0042】
SELECT 橋梁始脚.橋梁ID,
橋梁始脚.始脚番号 AS 橋脚番号,
橋梁始脚.路線名,
IIf(橋梁始脚.始脚番号=橋梁始脚.橋梁始脚番号, "終点側", "中間支点上") AS 支承
位置,
IIf(橋梁始脚.始脚番号=橋梁始脚.橋梁始脚番号, "終脚", Null) AS 始脚終脚区分,
橋梁始脚.本線ランプ区分,
橋梁始脚.方向
FROM 橋梁台帳 AS 橋梁始脚
UNION SELECT 橋梁終脚.橋梁ID,
橋梁終脚.終脚番号 AS 橋脚番号,
橋梁終脚.路線名,
IIf(橋梁終脚.終脚番号= 橋梁終脚.橋梁終脚番号,"始点側","中間支点上") AS 支承
位置,
IIf(橋梁終脚.終脚番号=橋梁終脚.橋梁終脚番号,"始脚",Null) AS 始脚終脚区分,
橋梁終脚.本線ランプ区分,
橋梁終脚.方向
FROM 橋梁台帳 AS 橋梁終脚;
【0043】
橋脚番号クエリを実行することにより、橋梁台帳から選択された所定の橋梁に関するレコードから、この橋梁を支える全ての橋梁の橋脚識別子が抽出されるので、橋脚番号クエリの実行は、特許請求の範囲に記載された橋脚識別子抽出処理に対応する。また橋脚番号クエリを記述する上記のSQL記述は、特許請求の範囲に記載されたクエリ定義データに対応する。
【0044】
そして橋脚番号クエリと支承台帳等の間では、路線名フィールド同士の間、橋脚番号フィールド同士の間、本線ランプ区分フィールド同士の間及び方向フィールド同士の間でリレーションシップが設けられる。
また、図16を参照して説明したように、支承台帳の各レコードには、同じ橋脚に設けられる支承であってもこの橋脚を始脚とする橋梁を支える支承であるのか、終脚とする橋梁を支える支承であるのかを区別するために、支承位置フィールドが設けられ、対象の支承が橋梁の始点側(すなわち主桁の始点側)を支える場合には支承位置フィールドに「終点側」が入力され、橋梁の終点側を支えるときには支承位置フィールドに「始点側」が入力される。中間部分を支えるときは支承位置フィールドに「中間支点上」が入力される。
このため上記のSQL記述に示すとおり、橋脚番号クエリは、橋脚番号が橋梁の始脚番号と等しいときは「終点側」の値を、橋脚番号が橋梁の終脚番号と等しいときは「始点側」の値を、それ以外の場合には「中間支点上」の値を有する支承位置フィールドを有し、橋脚番号クエリと支承台帳の間では、支承位置フィールド同士の間にリレーションシップが設けられる。
【0045】
同様に、落橋防止台帳の各レコードには、同じ橋脚に設けられる落橋防止装置であってもこの橋脚を始脚とする橋梁に連結されるのか、終脚とする橋梁に連結されるのかを区別するために、始脚終脚区分フィールドが設けられ、対象の落橋防止装置が橋梁の始点側(すなわち主桁の始点側)に連結される場合には始脚終脚区分フィールドに「終脚」が入力され、終点側に連結されるときには始脚終脚区分フィールドに「始脚」が入力される。
このため上記のSQL記述に示すとおり、橋脚番号クエリは、橋脚番号が橋梁の始脚番号と等しいときは「終脚」の値を、橋脚番号が橋梁の終脚番号と等しいときは「始脚」の値を持つ始脚終脚区分フィールドを有し、橋脚番号クエリと落橋防止台帳の間において、始脚終脚区分フィールド同士の間にリレーションシップが設けられる。
【0046】
図28は、橋脚番号クエリと基本台帳と伸縮継手台帳との間のリレーションシップを示す図である。伸縮継手台帳は、伸縮継手台帳と基本台帳との間のリレーションシップ及び基本台帳と橋脚番号クエリとの間のリレーションシップによって、橋梁台帳に連結される。伸縮継手台帳では、支承台帳等と同様に伸縮継手が設けられる橋脚毎にレコードが割り当てられており、また基本台帳と同様に方向毎に又は本線ランプの別毎にレコードが割り当てられる。
【0047】
したがって、まず橋脚番号クエリの路線名フィールド、橋脚番号フィールド、本線ランプ区分フィールド及び方向フィールドと、基本台帳の路線名フィールド、始脚番号フィールド、本線ランプ区分フィールド(上部工)及び方向フィールド(上部工)とのそれぞれの間にリレーションシップを設けて、橋脚番号クエリと基本台帳とを連結する。こうすることによって、橋脚番号クエリの各橋脚番号について、同じ橋脚上に異なる方向のレーンが設けられている場合には方向別にレコードが設けられ、同じ橋脚上に本線とランプ車線とが設けられる場合には、本線とランプ車線のそれぞれにレコードが設けられたテーブルが生成される。
そして、伸縮継手台帳の路線名フィールド、橋脚番号フィールド、本線ランプ区分フィールド及び方向フィールドと、基本台帳の路線名フィールド、始脚番号フィールド、本線ランプ区分フィールド及び方向フィールドとのそれぞれの間にリレーションシップを設けて、伸縮継手台帳と基本台帳とを連結する。
【0048】
図29の(A)は、下部工台帳と橋脚番号クエリとの間のリレーションシップを示す図であり、図29の(B)は、橋脚耐震補強台帳と橋脚番号クエリとの間のリレーションシップを示す図である。
下部工台帳では、支承台帳等と同様に下部工が設けられる橋脚の箇所毎にレコードが割り当てられているため、下部工台帳の路線名フィールド及び始脚番号フィールドと、橋脚番号クエリの路線名フィールド及び橋脚番号フィールドとのそれぞれの間にリレーションシップを設けて、下部工台帳と橋梁台帳とを連結しけている。
【0049】
橋脚耐震補強台帳においても、支承台帳等と同様に下部工が設けられる橋脚の箇所毎にレコードが割り当てられているため、橋脚耐震補強台帳及び橋脚番号クエリの路線名フィールド同士の間及び橋脚番号フィールド同士の間にリレーションシップを設けて、橋脚耐震補強台帳と橋梁台帳とを連結している。
【0050】
図30及び図31は、点検補修台帳と橋梁台帳とを連結して生成される結合点検補修クエリの生成方法を説明する図である。図19を参照して説明したとおり、点検補修台帳は、各部材毎に、かつ点検又補修を実施する毎に、異なるレコードが割り当てられて生成されており、点検又補修を実施した部材の種類を構造物フィールドに、点検箇所又は補修箇所を示す始脚番号フィールド及び終脚番号フィールドに格納している。
ここで、点検又補修を実施した部材が径間に亘って設置された部材であれば、この部材について生成されたレコードは、径間(すなわち始脚番号及び終脚番号)を指定して点検又補修を実施した箇所を特定し、点検又補修を実施した部材が橋脚の箇所に設置された部材であれば、橋脚番号を指定して点検又補修を実施した箇所を特定する必要がある。
【0051】
このため、図32に示すような構造物テーブルを高架構造物データベース14に設ける。構造物テーブルは、部材の種類を記録する構造物フィールドと、その部材が径間に亘って設置される種類の部材であるのか橋脚の箇所に設置される種類の部材であるのかを示す種別フィールドを有する。構造物フィールドに記録された部材が、径間に亘って設置された部材であるとき種別フィールドは「上部工」の値を有し、橋脚の箇所に設置される部材であるとき種別フィールドは「下部工」の値を有する。
【0052】
そして図30の(A)及び図31の(A)に示すように、点検補修台帳と構造物テーブルとを、構造物フィールド同士にリレーションシップを設けて結合する。
そして、このように結合して生成されたテーブルの種別フィールドの値が「上部工」であるレコードに対しては、図30の(A)に示すとおり、点検補修台帳及び橋梁台帳の路線名フィールド同士の間、始脚番号フィールド同士の間、終脚番号フィールド同士の間、本線ランプ区分フィールド同士の間及び方向フィールド同士の間にリレーションシップを設けて、点検補修台帳及び橋梁台帳同士を結合した上で、図30の(B)に示すフィールドを有する選択クエリを生成する。
【0053】
点検補修台帳と構造物テーブルと結合して生成された種別フィールドの値が「下部工」であるレコードに対しては、図30の(B)に示すとおり、点検補修台帳及び橋脚番号クエリの路線名フィールド同士の間、本線ランプ区分フィールド同士の間及び方向フィールド同士の間、並びに点検補修台帳の始脚番号フィールドと橋脚番号クエリの橋脚番号フィールド同士の間にリレーションシップを設けて、点検補修台帳及び橋脚番号クエリ同士を結合した上で、図31の(B)に示すフィールドを有する選択クエリを生成する。
【0054】
図30の(B)及び図31の(B)に示す選択クエリは、ともに橋梁IDフィールド、点検補修IDフィールド、年度フィールド、点検種別フィールド、A損傷フィールド、B損傷フィールド、A補修フィールド、B補修フィールド、数量フィールド、損傷概要フィールド、構造物フィールドを有し、それぞれフィールドは以下の値を有する。
【0055】
選択クエリ内のレコードの点検補修IDフィールド、年度フィールド、点検種別フィールド、数量フィールド、損傷概要フィールド及び構造物フィールドの値は、このレコードに対応する点検補修台帳のレコードの点検補修IDフィールド、年度フィールド、点検種別フィールド、数量フィールド、損傷概要フィールド及び構造物フィールドに記録された値となる。
【0056】
選択クエリ内のレコードのA損傷フィールドには、このレコードに対応する点検補修台帳のレコードの二次判定フィールドの値が「A」の場合に「A」の値が代入され、それ以外の場合は値を有しない。
選択クエリ内のレコードのB損傷フィールドには、このレコードに対応する点検補修台帳のレコードの二次判定フィールドの値が「B」の場合に「B」の値が代入され、それ以外の場合は値を有しない。
【0057】
選択クエリ内のレコードのA補修フィールドには、このレコードに対応する点検補修台帳のレコードの二次判定フィールドの値が「A」の場合に、この点検補修台帳のレコードの応急対応実施日フィールドの値が代入され、それ以外の場合は値を有しない。
選択クエリ内のレコードのB補修フィールドには、このレコードに対応する点検補修台帳のレコードの二次判定フィールドの値が「B」の場合に、この点検補修台帳のレコードの応急対応実施日フィールドの値が代入され、それ以外の場合は値を有しない。
【0058】
図30の(B)の選択クエリでは、クエリ内のレコードの橋梁IDフィールドには、このレコードに対応する点検補修台帳のレコードの始脚番号及び終脚番号の値の組と、同一の始脚番号及び終脚番号の値の組を有する橋梁台帳のレコードの橋梁IDの値が代入される。この値は、選択クエリ内のレコードに対応する点検補修台帳のレコードが示す点検又は補修の実施箇所である径間が属する橋梁の橋梁IDとなる。
一方で図31の(B)の選択クエリでは、クエリ内のレコードの橋梁IDフィールドには、このレコードに対応する点検補修台帳のレコードの始脚番号の値と、同一の値の橋脚番号の値を有する橋脚番号クエリの橋梁IDが代入される。この値は、選択クエリ内のレコードに対応する点検補修台帳のレコードが示す点検又は補修の実施箇所である橋脚が属する橋梁の橋梁IDとなる。
【0059】
そして図30の(B)及び図31の(B)に示す選択クエリを結合することにより、径間に亘って設置された部材及び橋脚の箇所に設置された部材の両方について、これら部材が設けられる橋梁の橋梁IDと、それぞれの部材について行った点検結果又補修内容とを連結した結合点検補修クエリを生成できる。橋梁IDをキーに用いてこの結合点検補修クエリ内のレコードを選択することによって、任意の橋梁を構成する各部材について行った点検結果又補修内容を抽出することができる。このような結合点検補修クエリの例をSQL言語で記述すると以下のとおりとなる。
【0060】
SELECT
上部工橋梁.橋梁ID AS 橋梁ID,
上部工点検.点検補修ID,
上部工点検.年度 AS 年度,
上部工点検.点検種別 AS 点検種別,
IIf(上部工点検.二次判定="A",上部工点検.二次判定) AS A損傷,
IIf(上部工点検.二次判定="B",上部工点検.二次判定) AS B損傷,
IIf(上部工点検.二次判定="A",上部工点検.応急対応実施日) AS A補修,
IIf(上部工点検.二次判定="B",上部工点検.応急対応実施日) AS B補修,
上部工点検.数量,
上部工点検.損傷概要,
上部工構造物.構造物 AS 構造物,
上部工構造物.種別
FROM 橋梁台帳 AS 上部工橋梁, 点検補修台帳 AS 上部工点検,
構造物テーブル AS 上部工構造物
WHERE 上部工構造物.種別="上部工"
AND 上部工橋梁.方向 = 上部工点検.方向
AND 上部工橋梁.本線ランプ区分 = 上部工点検.本線ランプ区分
AND 上部工橋梁.終脚番号 = 上部工点検.終脚番号
AND 上部工橋梁.始脚番号 = 上部工点検.始脚番号
AND 上部工橋梁.路線名 = 上部工点検.路線名
AND 上部工点検.構造物 = 上部工構造物.構造物
AND 上部工点検.二次判定 is not null
UNION SELECT
下部工橋梁.橋梁ID AS 橋梁ID,
下部工点検.点検補修ID,
下部工点検.年度 AS 年度,
下部工点検.点検種別 AS 点検種別,
IIf(上部工点検.二次判定="A",上部工点検.二次判定) AS A損傷,
IIf(上部工点検.二次判定="B",上部工点検.二次判定) AS B損傷,
IIf(上部工点検.二次判定="A",上部工点検.応急対応実施日) AS A補修,
IIf(上部工点検.二次判定="B",上部工点検.応急対応実施日) AS B補修,
下部工点検.数量,
下部工点検.損傷概要,
下部工構造物.構造物 AS 構造物,
下部工構造物.種別
FROM 橋脚番号クエリ AS 下部工橋梁, 点検補修台帳 AS 下部工点検, 構造物テーブル AS 下部工構造物
WHERE 下部工構造物.種別="下部工"
AND 下部工点検.路線名 = 下部工橋梁.路線名
AND 下部工点検.始脚番号 = 下部工橋梁.橋脚番号
AND 下部工点検.構造物 = 下部工構造物.構造物
AND 下部工点検.二次判定 is not null;
【0061】
図33の(A)は橋梁所見処方テーブルと橋梁台帳との間のリレーションシップを示す図であり、図33の(B)は備考テーブルと橋梁台帳との間のリレーションシップを示す図であり、図33の(C)は図面写真テーブルと橋梁台帳との間のリレーションシップを示す図である。橋梁所見処方テーブル、備考テーブル及び図面写真テーブルと橋梁台帳とは、橋梁ID同士にリレーションシップが設けられて連結されている。
【0062】
なお、上述した各リレーションシップを定めるリレーションシップ情報、並びに橋脚番号クエリ及び結合点検補修クエリを定めるクエリ定義データは、高架構造物データベース14内に保持することができる。
【0063】
続いて図34〜図56を参照して、橋梁カルテアプリケーションプログラム11の動作を説明する。図34は橋梁カルテアプリケーションプログラム11のメインルーチンのフローチャートである。橋梁カルテアプリケーションプログラム11はMicrosoft Visual Basic(登録商標)により記述され、オブジェクト指向プログラミング技法を用いて作成されている。橋梁カルテアプリケーションプログラム11では各オブジェクトを埋め込んだフォームをディスプレイ4上に表示し、表示されたオブジェクトをユーザが操作することによって、操作されたオブジェクトに対応する処理をコンピュータ1が実行されることによってプログラムが動作する。
【0064】
プログラムが実行されると、コンピュータ1は、ステップS10において図35に示される橋梁検索フォームを呼び出す。図35に示す橋梁検索フォームでは、予め定めた管理キーである「路線名」、「地点名称」、「本線ランプ区分」、「方向」、「橋脚番号」を入力することによって、橋梁台帳の中から入力された管理キーに適合するデータを有するレコードを検索する。
【0065】
図36は、橋梁検索フォームによって実行される処理手順を示すフローチャートである。
ステップS11において、コンピュータ1は、橋梁検索フォームの管理キー入力欄101に対するユーザからの管理キー(検索条件)の入力を受け付け、ステップS12にて、橋梁検索ボタン102が押下されるまで待機する。
橋梁検索ボタン102が押下されると、ステップS13にてコンピュータ1は、管理キー入力欄101に管理キーが適正に入力されているか否かを判定し、管理キーが設定されている場合には、ステップS14においてコンピュータ1は、上述のADO等であるプログラムインタフェースコンポーネント13を介して、橋梁台帳に対する選択クエリを実行することにより、入力された管理キーに適合するデータを有するレコードを橋梁台帳の中から検索する。検索の結果、そして選択されたレコードの一覧を橋梁一覧103に表示する。
【0066】
ステップS15において、コンピュータ1は、橋梁表示欄103に表示された橋梁一覧のうちのいずれかを選択するユーザの選択指示を受け付け、ステップS16にて橋梁カルテ表示ボタン104が押下されるまで待機する。
橋梁カルテ表示ボタン104が押下されると、ステップS17にてコンピュータ1は、表示された橋梁一覧のうちいずれかが選択されているか否かを判定し、橋梁が選択されている場合には、ステップS18においてコンピュータ1は、選択された橋梁の橋梁IDをデータ表示/入力フォームに渡して、データ表示/入力フォームを呼び出す(図34のステップS20)。
【0067】
図37は、橋梁検索フォームの他の実施例を示す図である。図37に示す橋梁検索フォームでは、橋梁台帳、もしくは上部工台帳や基本台帳などの部材台帳データのいずれかの台帳を選択し、選択された台帳中のフィールドを選択し、そのフィールドの値を検索条件として入力する。
図36のフローチャートのステップS11において、コンピュータ1は、橋梁検索フォームの台帳項目入力欄105に対するユーザからの台帳種別とフィールドの選択指示と、検索キーであるフィールドの値の入力を受け付ける。
またステップS14では、コンピュータ1は、ステップS11にて選択された台帳と橋梁台帳とが図22〜図29のいずれかに示すようにリレーションシップで連結された選択クエリを実行することにより、入力された検索キーに適合するデータを有するレコードを橋梁台帳の中から検索する。
【0068】
図38はデータ表示/出力フォームを示す図である。データ表示/出力フォームでは、ユーザは、橋梁検索フォームによって選択された橋梁に関して、橋梁台帳、部材台帳データ、点検補修台帳等に記録されている各データをディスプレイ4に表示し、またはファイルとして出力することができる。ユーザは、操作メニュー欄111に一覧表示された各フォームのいずれかを選択することにより、表示内容を選択することができる。図39は、データ表示/出力フォームによって実行される処理手順を示すフローチャートである。
【0069】
ステップS21において、コンピュータ1は、操作メニュー欄に表示されたフォーム一覧のうちのいずれかを選択するユーザの選択指示を受け付ける。
コンピュータ1は、ステップS21にて選択されたフォームが、橋梁カルテ、橋梁基本情報、橋梁構造諸元、吊足場上補修状況、部分足場上補修状況、高速上補修状況、点検補修履歴のいずれかである場合には、図38及び図40〜図45に示すそれぞれの表示フォームに表示を切替え(ステップS22及びS23)、各フォームの表示内容に応じたデータを表示する(ステップS24)。
【0070】
コンピュータ1は、ステップS21にて選択されたフォームが橋梁所見処方フォームであるときには、図46に示す橋梁所見処方フォームを呼び出す(ステップS25及びS40)。また、ステップS21にて選択されたフォームが備考フォームであるときには、図48に示す備考フォームを呼び出す(ステップS26及びS50)。
さらに、コンピュータ1は、ステップS21にて選択されたフォームが図面フォームであるときには、図50に示す図面フォームを呼び出す(ステップS27及びS60)。また、ステップS21にて選択されたフォームが写真フォームであるときには、図52に示す写真フォームを呼び出す(ステップS28及びS80)。
またコンピュータ1は、ステップS21にて選択されたフォームがデータ出力フォームであるときには、図54に示す図面フォームを呼び出す(ステップS29及びS100)。
そして、コンピュータ1は「橋梁検索へ戻る」ボタン112が押下されると、図35に示す橋梁検索フォームを再び呼び出してデータ表示/出力フォームを終了し(ステップS30及びステップS10)、終了ボタン113が押下されるとプログラムを終了する(ステップS31)。
【0071】
図38に示すフォームには、橋梁検索フォームによって選択された橋梁に関する構造概要や点検補修履歴概要などの橋梁カルテが表示される。各表示欄114〜116に表示する内容はそれぞれ以下の通りである。
橋梁情報欄114に表示される内容は次の表の通りである。
【0072】
【表1】

【0073】
表1において、「表示項目名」の列にはフォーム上に表示される項目名を示し、「取り出し元のテーブル/クエリ」の列には、表示されるデータを取り出す台帳やクエリの名称を示し、「取り出し元フィールド」の列には、「取り出し元のテーブル/クエリ」の列に指定されたテーブルやクエリの中からデータを取り出すフィールド名を示す。
また「表示形式」の列には、取り出したデータを表示の際に加工する場合にその表示方法を示し、取り出したデータをそのまま表示する際には空欄とする。
【0074】
「取り出し元のテーブル/クエリ」の列に示された各テーブルやクエリが橋梁台帳である場合には、コンピュータ1は、橋梁検索フォームにて選択された橋梁IDをキーとして使用して、プログラムインタフェースコンポーネント13を介して橋梁台帳に対する選択クエリを実行することにより選択された橋梁IDを有するレコードを抽出し、抽出されたレコードの中の「取り出し元フィールド」から表示すべきデータを取り出す。
【0075】
「取り出し元のテーブル/クエリ」の列に示された各テーブルやクエリが橋梁台帳以外の台帳又はクエリである場合には、コンピュータ1は、橋梁検索フォームにて選択された橋梁IDをキーに用いて、「取り出し元のテーブル/クエリ」に示された台帳又はクエリと橋梁台帳とをリレーションシップによって連結した選択クエリを実行する。
「取り出し元のテーブル/クエリ」に示された台帳又はクエリのそれぞれと、橋梁台帳との間に設けるべきリレーションシップは、図22〜図31においてそれぞれ示したとおりである。そしてコンピュータ1は、選択クエリの実行の結果として抽出された「取り出し元のテーブル/クエリ」に示された台帳又はクエリとレコードの「取り出し元フィールド」から表示すべきデータを取り出す。
以下、表2〜表21についても同様である。なお、コンピュータ1により実行される上記の各選択クエリを定めるクエリ定義データは、高架構造物データベース14内に保持することができる。
【0076】
構造概要欄115に表示される内容は次の表2の通りである。
【0077】
【表2】

【0078】
点検補修履歴概要116に表示される内容は次の表3の通りである。
【0079】
【表3】

【0080】
図40は、橋梁基本情報が表示された状態を示す図である。本表示画面は、橋梁検索フォームによって選択された橋梁に関する基本的な情報を表示し、径間情報欄120と位置情報欄121を有する。
径間情報欄120に表示される内容は次の表4の通りである。
【0081】
【表4】

【0082】
位置情報欄121に表示される内容は次の表5の通りである。
【0083】
【表5】

【0084】
図41は、橋梁構造諸元が表示された状態を示す図である。本表示画面は、橋梁検索フォームによって選択された橋梁の構造諸元情報を表示し、上部工欄130、床版欄131、高欄地覆欄132及び下部工欄133を有する。
上部工欄130に表示される内容は次の表6の通りである。
【0085】
【表6】

【0086】
床版欄131に表示される内容は次の表7の通りである。
【0087】
【表7】

【0088】
高欄地覆欄132に表示される内容は次の表8の通りである。
【0089】
【表8】

【0090】
下部工欄133に表示される内容は次の表9の通りである。
【0091】
【表9】

【0092】
図42は、吊足場上補修状況が表示された状態を示す図である。本画面は、橋梁検索フォームによって選択された橋梁に関して、吊足場を仮設した場合に実施可能な補修の状況を表示し、床版補強欄134、床版その他補強欄135、水切り欄136及び裏面吸音板欄137を有する。
床版補強欄134に表示される内容は次の表10の通りである。
【0093】
【表10】

【0094】
床版その他補強欄135に表示される内容は次の表11の通りである。
【0095】
【表11】

【0096】
水切り欄136に表示される内容は次の表12の通りである。
【0097】
【表12】

【0098】
裏面吸音板欄137に表示される内容は次の表13の通りである。
【0099】
【表13】

【0100】
図43は、部分足場上補修状況が表示された状態を示す図である。本画面は、橋梁検索フォームによって選択された橋梁に関して、橋脚およびその周囲に足場を仮設した場合に実施可能な補修の状況を表示し、下部工補強欄141、下部工耐震補強欄142、支承欄143及び落橋防止装置欄144を有する。
【0101】
下部工補強欄141に表示される内容は次の表14の通りである。
【0102】
【表14】

【0103】
下部工耐震補強欄142に表示される内容は次の表15の通りである。
【0104】
【表15】

【0105】
支承欄143に表示される内容は次の表16の通りである。
【0106】
【表16】

【0107】
落橋防止装置欄144に表示される内容は次の表17の通りである。
【0108】
【表17】

【0109】
図44は、高速上補修状況が表示された状態を示す図である。本画面は、、橋梁検索フォームによって選択された橋梁上に設けられた道路上から実施可能な補修の状況を表示し、舗装欄151、遮音壁欄152及び伸縮継手欄153を有する。
舗装欄151に表示される内容は次の表18の通りである。
【0110】
【表18】

【0111】
遮音壁欄152に表示される内容は次の表19の通りである。
【0112】
【表19】

【0113】
伸縮継手欄153に表示される内容は次の表20の通りである。
【0114】
【表20】

【0115】
図45は、点検補修履歴が表示された状態を示す図である。本画面は、橋梁検索フォームによって選択された橋梁に関して、過去に実施された点検の結果発見された損傷の種類や数量、又は補修が実施された損傷の種類や数量を表示し、点検補修履歴欄161を有する。
点検補修履歴欄161に表示される内容は次の表21の通りである。
【0116】
【表21】

【0117】
図46は、図39のフローチャートで呼び出される橋梁処方所見フォームを示す図である。橋梁処方所見フォームでは、橋梁検索フォームによって選択された橋梁について、検査者の所見や補修作業の処方をコメントとして表示又は入力する。
図47は、橋梁処方所見フォームによって実行される処理手順を示すフローチャートである。
【0118】
ステップS41において、コンピュータ1は、橋梁処方所見テーブルの中から、橋梁検索フォームにて選択された橋梁IDと同一のIDを有するレコードを選択する。
ステップS42において、コンピュータ1は、ステップS41で選択したレコードの所見フィールドに記録されているデータを所見欄171に表示し、処方フィールドに記録されているデータを処方欄172に表示する。
【0119】
ステップS43において、コンピュータ1は、テキストボックスである所見欄171及び処方欄172内のデータに対するユーザの編集操作を受け付ける。
このとき、ユーザが所見クリアボタン173を押下すると、コンピュータ1は、ステップS44及びステップS45において所見欄171に入力されているデータを削除する。またユーザが処方クリアボタン174を押下すると、コンピュータ1は、ステップS46及びステップS47において処方欄172に入力されているデータを削除する。
そして、ユーザが更新ボタン175を押下すると、コンピュータ1は、ステップS49においてステップS41で選択したレコードの所見フィールド及び処方フィールドの内容を、それぞれ所見欄171及び処方欄172に表示されている内容に更新する。
【0120】
図48は、図39のフローチャートで呼び出される備考フォームを示す図である。備考フォームでは、橋梁検索フォームによって選択された橋梁に関するメモなどをコメントとして橋梁毎に表示又は入力する。
図49は、備考フォームによって実行される処理手順を示すフローチャートである。
ステップS51において、コンピュータ1は、橋梁処方所見テーブルの中から、橋梁検索フォームにて選択された橋梁IDと同一のIDを有するレコードを選択する。
ステップS52において、コンピュータ1は、ステップS51で選択したレコードの備考フィールドに記録されているデータを備考欄181に表示する。
【0121】
ステップS53において、コンピュータ1は、テキストボックスである備考欄181内のデータに対するユーザの編集操作を受け付ける。
このとき、ユーザがクリアボタン182を押下すると、コンピュータ1は、ステップS54及びステップS55において備考欄181に入力されているデータを削除する。
そして、ユーザが更新ボタン183を押下すると、コンピュータ1は、ステップS57においてステップS51で選択したレコードの備考フィールドの内容を、備考欄181に表示されている内容に更新する。
【0122】
図50は、図39のフローチャートで呼び出される図面フォームを示す図である。図面フォームでは、橋梁検索フォームによって選択された橋梁に関する図面を表示及び登録する。
図51は、図面フォームによって実行される処理手順を示すフローチャートである。
ステップS61において、コンピュータ1は、図面写真テーブルの中から、橋梁検索フォームにて選択された橋梁IDと同一のIDを有し、かつ種別フィールドの値が「図面」であるレコードを選択する。
ステップS62において、コンピュータ1は、ステップS61で選択したレコードのファイルパスフィールドの値で示されたフォルダにある、同じくファイル名フィールドの値のファイル名を有する画像ファイルを、ハードディスク6の中から読み出して、各画像表示欄191に順次表示する。またそれぞれのコメントフィールドに記録されているコメントを各コメント欄192に表示する。
ステップS63において、コンピュータ1は、テキストボックスである各コメント欄192内のデータに対するユーザの編集操作を受け付ける。
【0123】
ステップS64において、コンピュータ1は、ユーザが各画像表示欄191に表示する画像ファイルの登録を受け付ける。画像ファイルは、例えばユーザがマウス装置などを使用して表示させる画像表示欄191に画像ファイルをドラッグアンドドロップして登録する。このときに橋梁カルテアプリケーションプログラム11は、OS10が生成するイベント情報を検出して、ドラッグアンドドロップされた位置に対応する表示欄、ファイルパス及びファイル名を決定して、これらファイルパス及びファイル名を画像写真テーブルに登録する。
【0124】
ユーザがいずれかの削除ボタン193を押下すると(ステップS65)、コンピュータ1はステップS66において、図面写真テーブルの中から、押下された削除ボタン193に対応する画像表示欄191に表示されている画像のファイル名及びファイルパスを記録しているレコードを削除する。
ユーザがいずれかのクリアボタン194を押下すると(ステップS67)、コンピュータ1はステップS68において、押下されたクリアボタン194に対応するコメント欄192のテキストボックスをクリアする。
【0125】
ユーザがコメント更新ボタン195を押下すると(ステップS69)、コンピュータ1は、ステップS70においてステップS61で選択したレコード及び、ステップS64で新たに画像が登録されたレコードのコメントフィールドの内容を、各コメント欄192に表示されている内容に更新する。
【0126】
図52は、図39のフローチャートで呼び出される写真フォームを示す図である。写真フォームでは、橋梁検索フォームによって選択された橋梁に関する写真(損傷写真や現況写真)を表示及び登録する。
図53は、写真フォームによって実行される処理手順を示すフローチャートである。
ステップS81において、コンピュータ1は、図面写真テーブルの中から、橋梁検索フォームにて選択された橋梁IDと同一のIDを有し、かつ種別フィールドの値が「写真」であるレコードを選択する。
【0127】
ステップS82において、コンピュータ1は、ステップS81で選択したレコードのファイルパスフィールドの値で示されたフォルダにある、同じくファイル名フィールドの値のファイル名を有する画像ファイルを、ハードディスク6の中から読み出して、各画像表示欄201に順次表示する。またそれぞれのコメントフィールドに記録されているコメントを各コメント欄202に表示する。
ステップS83において、コンピュータ1は、テキストボックスである各コメント欄202内のデータに対するユーザの編集操作を受け付ける。
ステップS84において、コンピュータ1は、ユーザが各画像表示欄201に表示する画像ファイルの登録を受け付ける。画像ファイルの登録は図面フォームについて上述した処理と同様に行う。
【0128】
ユーザがいずれかの削除ボタン203を押下すると(ステップS85)、コンピュータ1はステップS86において、図面写真テーブルの中から、押下された削除ボタン203に対応する画像表示欄201に表示されている画像のファイル名及びファイルパスを記録しているレコードを削除する。
ユーザがいずれかのクリアボタン204を押下すると(ステップS87)、コンピュータ1はステップS88において、押下されたクリアボタン204に対応するコメント欄202のテキストボックスをクリアする。
ユーザがコメント更新ボタン205を押下すると(ステップS89)、コンピュータ1は、ステップS90においてステップS81で選択したレコード及び、ステップS84で新たに画像が登録されたレコードのコメントフィールドの内容を、各コメント欄202に表示されている内容に更新する。
【0129】
図54は、図39のフローチャートで呼び出されるデータ力フォームを示す図である。本画面では、橋梁台帳、部材台帳データ及び点検補修台帳の中から、橋梁選択フォームで選択された橋梁の部分について抽出したデータを、予め定められた形式でファイルに出力する。
出力内容は、例えばデータ表示/入力フォームの各画面で表示した内容のうちの、構造諸元及び点検補修履歴概要、所見、処方、図面及び写真としてよく、出力するファイルは、例えばMicrosoft Excel(登録商標)のテーブルファイルとしてよい。
【0130】
図55は、データ力フォームによって実行される処理手順を示すフローチャートである。
ステップS101において、コンピュータ1は、ユーザがオプションボタン211及び212を操作して行う出力様式の選択指示を受け付ける。その結果、カルテ出力が選択された場合には処理をステップS103に進め、台帳出力が選択された場合には処理をステップS106に進める(S102)。
ステップS103では、コンピュータ1は、出力先フォルダ欄213への出力先の指定入力を受け付ける。そして「Excel 出力ボタン」が押下されると(S104)、指定された出力先へ、上記出力内容のファイルを出力する(S105)。
【0131】
ステップS101において台帳出力が選択されると、処理はステップS106に進み、表示画面は図56に示す画面に変わる。この画面では、台帳選択欄215で選択する台帳の中から橋梁選択フォームで選択された橋梁の部分について抽出したレコードを含むファイルを出力する。
ステップS106では、コンピュータ1は、出力先フォルダ欄216への出力先の指定入力を受け付ける。またステップS107では出力すべき台帳の選択指示を受け付ける。
そして「Excel 出力ボタン」が押下されると(S108)、ステップS107にて選択した台帳のうち、橋梁選択フォームで選択された橋梁の部分について抽出されたレコードを含むファイルを、ステップS106で指定された出力先へ出力する(S109)。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明は、複数の橋梁を連設して構築した高架構造物の設備台帳管理や点検補修台帳管理に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の実施例による橋梁カルテ出力プログラムの対象となる高架構造物の構成を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施例による橋梁カルテ出力プログラムを実行させるハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【図3】図2のハードディスクに記憶される高架構造物データベース内の各台帳データと、画像データの一覧を示すブロック図である。
【図4】基本台帳のテーブル構造を示す図である。
【図5】高欄地覆台帳のテーブル構造を示す図である。
【図6】舗装台帳のテーブル構造を示す図である。
【図7】遮音壁台帳のテーブル構造を示す図である。
【図8】裏面吸音板台帳のテーブル構造を示す図である。
【図9】高架構造物の側面図である。
【図10】上部工台帳のテーブル構造を示す図である。
【図11】水切り台帳のテーブル構造を示す図である。
【図12】床版台帳のテーブル構造を示す図である。
【図13】伸縮継手台帳のテーブル構造を示す図である。
【図14】支承台帳のテーブル構造を示す図である。
【図15】落橋防止台帳のテーブル構造を示す図である。
【図16】支承位置フィールド及び始脚終脚区分フィールドに格納されるデータ内容を説明する図である。
【図17】下部工台帳のテーブル構造を示す図である。
【図18】橋脚耐震補強台帳のテーブル構造を示す図である。
【図19】点検補修台帳のテーブル構造を示す図である。
【図20】橋梁台帳のテーブル構造を示す図である。
【図21】橋梁所見処方テーブル、備考テーブル及び図面写真テーブルの構造を示す図である。
【図22】橋梁台帳と上部工台帳との間に設けられるリレーションシップを示す図である。
【図23】橋梁台帳と基本台帳との間に設けられるリレーションシップを示す図である。
【図24】(A)は高欄地覆台帳と基本台帳との間に設けられるリレーションシップを示す図であり、(B)は舗装台帳と基本台帳との間に設けられるリレーションシップを示す図である。
【図25】(A)は遮音壁台帳と基本台帳との間に設けられるリレーションシップを示す図であり、(B)は裏面吸音板台帳と基本台帳との間に設けられるリレーションシップを示す図である。
【図26】(A)は水切り台帳と橋梁台帳との間に設けられるリレーションシップを示す図であり、(B)は床版台帳と橋梁台帳との間に設けられるリレーションシップを示す図である。
【図27】(A)は支承台帳と橋脚番号クエリとの間に設けられるリレーションシップを示す図であり、(B)は落橋防止台帳と橋脚番号クエリとの間に設けられるリレーションシップを示す図である。
【図28】橋脚番号クエリと基本台帳と伸縮継手台帳との間のリレーションシップを示す図である。
【図29】(A)は下部工台帳と橋脚番号クエリとの間のリレーションシップを示す図であり、(B)は橋脚耐震補強台帳と橋脚番号クエリとの間のリレーションシップを示す図である。
【図30】点検補修台帳と橋梁台帳とを連結して生成した結合点検補修クエリの生成方法を説明する図(その1)である。
【図31】点検補修台帳と橋梁台帳とを連結して生成した結合点検補修クエリの生成方法を説明する図(その2)である。
【図32】構造物テーブルを示す図である。
【図33】(A)は橋梁所見処方テーブルと橋梁台帳との間のリレーションシップを示す図であり、(B)は備考テーブルと橋梁台帳との間のリレーションシップを示す図であり、(C)は図面写真テーブルと橋梁台帳との間のリレーションシップを示す図である。
【図34】橋梁カルテアプリケーションプログラムのメインルーチンのフローチャートである。
【図35】管理キーによる検索を行う橋梁検索フォームを示す図である。
【図36】橋梁検索フォームによって実行される処理手順を示すフローチャートである。
【図37】台帳項目による検索を行う橋梁検索フォームを示す図である。
【図38】データ表示/出力フォームを示す図である。
【図39】データ表示/出力フォームによって実行される処理手順を示すフローチャートである。
【図40】橋梁基本情報が表示された状態を示す図である。
【図41】橋梁構造諸元が表示された状態を示す図である。
【図42】吊足場上補修状況が表示された状態を示す図である。
【図43】部分足場上補修状況が表示された状態を示す図である。
【図44】高速上補修状況が表示された状態を示す図である。
【図45】点検補修履歴が表示された状態を示す図である。
【図46】図39のフローチャートで呼び出される橋梁処方所見フォームを示す図である。
【図47】橋梁処方所見フォームによって実行される処理手順を示すフローチャートである。
【図48】図39のフローチャートで呼び出される備考フォームを示す図である。
【図49】備考フォームによって実行される処理手順を示すフローチャートである。
【図50】図39のフローチャートで呼び出される図面フォームを示す図である。
【図51】図面フォームによって実行される処理手順を示すフローチャートである。
【図52】図39のフローチャートで呼び出される写真フォームを示す図である。
【図53】写真フォームによって実行される処理手順を示すフローチャートである。
【図54】図39のフローチャートで呼び出されるデータ力フォームを示す図である。
【図55】データ力フォームによって実行される処理手順を示すフローチャートである。
【図56】台帳出力を行う場合のデータ力フォームを示す図である。
【符号の説明】
【0134】
1 コンピュータ
2 CPU
3 メモリ
4 ディスプレイ
5 キーボード
6 ハードディスク
7 プリンタ
10 オペレーティングシステム(OS)
11 橋梁カルテアプリケーションプログラム1
12 リレーショナルデータベースアプリケーションプログラム
13 プログラムインタフェースコンポーネント
14 高架構造物データベース
15 画像データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の橋梁を連設して構築した高架構造物について、この高架構造物を構成する部材に関する情報を前記部材の種類毎に複数の台帳に分けて記録した部材台帳データと、前記部材毎の保守履歴に関する情報を記録した保守台帳データと、前記複数の橋梁のそれぞれを支える橋脚を示す橋脚識別子及び当該橋脚により支えられる橋梁を示す橋梁識別子を組にして記録する橋梁台帳データと、にアクセス可能なコンピュータに、前記複数の橋梁のうちのいずれか選択された橋梁を構成する前記部材に関する情報とこの部材の保守履歴に関する情報とを出力する処理を行わせるプログラムであって、
前記部材台帳データ及び前記保守台帳データは、少なくとも各前記部材毎に異なるレコードを有し、各前記レコードには当該部材が設けられる橋脚の前記橋脚識別子が記録され、
前記プログラムは、
前記複数の橋梁のうちいずれかを指定する橋梁指定処理と、
前記橋梁台帳データのうち、指定された前記橋梁に関するレコードを選択する第1のレコード選択処理と、
前記第1のレコード選択処理により選択されたレコードに記録される橋脚識別子と同一の橋脚識別子を記録するレコードを、前記部材台帳データ及び前記保守台帳データから選択する第2のレコード選択処理と、
前記第2のレコード選択処理により選択されたレコードに各々含まれる各フィールドのうち所定のフィールドのデータを出力するデータ出力処理と、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする橋梁カルテ出力プログラム。
【請求項2】
前記部材には、径間に亘って設けられる部材と橋脚箇所に設けられる部材とがあり、
前記橋梁台帳データは前記径間毎にレコードを有し、該レコードには前記径間の両端の橋脚の橋脚識別子が記録され、
前記プログラムは、前記第1のレコード選択処理により前記橋梁台帳データから選択されたレコードから、当該橋梁を支える全ての橋脚の橋脚識別子を抽出する橋脚識別子抽出処理を更にコンピュータに実行させ、
前記第2のレコード選択処理は、前記部材台帳データのうち前記橋脚箇所に設けられる部材に関する情報を記録するレコードであって、前記橋脚識別子抽出処理により抽出された橋脚識別子と同一の橋脚識別子を記録するレコードを選択することを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の橋梁カルテ出力プログラム。
【請求項3】
複数の橋梁を連設して構築した高架構造物について、この高架構造物を構成する部材に関する情報を前記部材の種類毎に複数の台帳に分けて記録した部材台帳データと、前記部材毎の保守履歴に関する情報を記録した保守台帳データと、前記複数の橋梁のそれぞれを支える橋脚を示す橋脚識別子及び当該橋脚により支えられる橋梁を示す橋梁識別子を組にして記録する橋梁台帳データと、にアクセス可能なコンピュータを用いた、前記複数の橋梁のうちのいずれか選択された橋梁を構成する前記部材に関する情報とこの構造物の保守履歴に関する情報を出力する方法であって、
前記部材台帳データ及び前記保守台帳データは、少なくとも各前記部材毎に異なるレコードを有し、各前記レコードには当該部材が設けられる橋脚の前記橋脚識別子が記録され、
前記コンピュータは、
前記複数の橋梁のうちいずれかを指定する橋梁指定入力を受け付ける橋梁入力ステップと、
前記橋梁台帳データのうち、指定された前記橋梁に関するレコードを選択する第1のレコード選択ステップと、
前記第1のレコード選択ステップにより選択されたレコードに記録される橋脚識別子と同一の橋脚識別子を記録するレコードを、前記部材台帳データ及び前記保守台帳データから選択する第2のレコード選択ステップと、
前記第2のレコード選択ステップにより選択されたレコードに各々含まれる各フィールドのうち所定のフィールドのデータを出力するデータ出力ステップと、
を行うことを特徴とする橋梁カルテ出力方法。
【請求項4】
前記部材には、径間に亘って設けられる部材と橋脚箇所に設けられる部材とがあり、
前記橋梁台帳データは前記径間毎にレコードを有し、該レコードには前記径間の両端の橋脚の橋脚識別子が記録され、
前記コンピュータは、前記第1のレコード選択処理により前記橋梁台帳データから選択されたレコードから、当該橋梁を支える全ての橋脚の橋脚識別子を抽出する橋脚識別子抽出ステップを行い、
前記第2のレコード選択ステップは、前記部材台帳データのうち、前記橋脚箇所に設けられる部材に関する情報を記録するレコードであって、前記橋脚識別子抽出ステップにより抽出された橋脚識別子と同一の橋脚識別子を記録するレコードを選択するステップを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の橋梁カルテ出力方法。
【請求項5】
複数の橋梁を連設して構築した高架構造物について、この高架構造物を構成する部材に関する情報と、前記部材の保守履歴に関する情報とを記録する高架構造物データであって、
前記高架構造物を構成する前記部材の種類毎に複数の台帳に分けて、この部材に関する情報を記録する部材台帳データと、
前記部材毎の保守履歴に関する情報を記録する保守台帳データと、
前記複数の橋梁のそれぞれを支える橋脚を示す橋脚識別子及び当該橋脚により支えられる橋梁を示す橋梁識別子を組にして記録する橋梁台帳データと、を備え、
前記部材台帳データ及び前記保守台帳データは、少なくとも各前記部材毎に異なるレコードを有し、各前記レコードには当該部材が設けられる橋脚の前記橋脚識別子が記録され、
前記高架構造物データは、
前記橋脚識別子をキーとして、前記橋梁台帳データに含まれるレコードを、前記部材台帳データ及び前記保守台帳データに含まれるレコードへと関連付けるリレーションシップ情報と、
各前記橋梁を支持する橋脚に設けられた前記部材に関する情報と、この部材の保守履歴に関する情報とを、前記部材台帳データテーブル及び前記保守台帳データテーブルからそれぞれ抽出するクエリ定義データと、
をさらに備えることを特徴とする高架構造物データ。
【請求項6】
前記部材には、径間に亘って設けられる部材と橋脚箇所に設けられる部材とがあり、
前記橋梁台帳データは前記径間毎にレコードを有し、該レコードには前記径間の両端の橋脚の橋脚識別子が記録され、
前記クエリ定義データは、
前記橋梁台帳データの各レコードから、当該橋梁を支える全ての橋脚の橋脚識別子を抽出する第1のクエリ定義データと、
前記部材台帳データのうち、前記橋脚箇所に設けられる部材に関する情報を記録するレコードであって、前記第1のクエリ定義データにより抽出された橋脚識別子と同一の橋脚識別子を記録するレコードを抽出する第2のクエリ定義データと、を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の高架構造物データ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図36】
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【図39】
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【図47】
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【図49】
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【図51】
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【図53】
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【図55】
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【図35】
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【図37】
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【図38】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図48】
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【図50】
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【図52】
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【図54】
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【図56】
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【公開番号】特開2008−121194(P2008−121194A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302941(P2006−302941)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2006年5月23日発行の社会資本のアセットマネジメントセミナー(発行者、財団法人 首都高速道路技術センター)において発表
【出願人】(591216473)財団法人首都高速道路技術センター (8)
【Fターム(参考)】