説明

機体に付着した氷や霜を検知しこれを除去する装置

【課題】 本発明は、飛行機構造体(6)の外表面上に付着した氷の存在、あるいはある構造体の内部および/または構造体の材料の中にしみ込んだ液体の存在を検出し除去する装置を提供する。
【解決手段】少なくとも一対の導電素子サブネットワーク(2a、2b)を備え、各サブネットワークが少なくとも1つの導電素子連(3)を含み、前記サブネットワークが、第1サブネットワークの導電素子(3)と第2サブネットワークの導電素子(3)の接合部が容量センサネットワーク(1)を形成するよう配置され、前記導電素子が絶縁材料(4)内に埋め込まれ、各導電素子サブネットワークがフレキシブル支持体(5、5a、5b)内に組み込まれ、全体がフレキシブルな被覆(1)を形成することを特徴とする装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行機構造体の外表面上に付着した霜や氷を検知し、これを、除去する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
翼、尾翼およびスタビライザなど、飛行機の中で最も露出され最も重要な装置類の上に霜や氷が存在すると、飛行機の動作が影響を受ける。まず、霜や氷の堆積があると、飛行機の重量の他に氷または霜の重みが加わることにより總重量が増し、離陸時に、より大きな推力を必要とすることになる。さらに、氷または霜が存在することによって生じる厚さ0.4mmとごく薄い表面のきわめて微細な粗状面は、飛行機の揚力および操舵のレベルにおける空気の流れを変化させる。この粗状面の結果として、飛行機の特に離陸および初期上昇の局面における揚力の大幅な減少、制動力の増加、および操作性の低下が生じることになる。
【0003】
飛行機の離陸または上昇中に翼または胴体から付着した氷が剥離するが、胴体の後部に取り付けられたエンジン内に吸気により取り込まれ、エンジンの損傷さらには停止を引き起こすことにより別の大きな結果を生じさせることもある。また、剥離した氷はスタビライザなどの臨界表面に対する衝撃を原因とする損害を引き起こすこともある。
【0004】
今日では、触検を実施するか、地表氷検出装置(GIDS)のようにもっぱら氷や霜を検出するよう設計されたシステムを使用して、霜または氷の存在を検出することができる検出手段が存在する。しかしながらこれらの手段は組み付けが困難であり、飛行機の構造体には不適当である。
【0005】
またこれらの検出手段は主翼、尾翼や機体へ付着した霜や氷を、融氷材を散布することにより除去する「デアイシング(除氷装置)」手段からは間隔をおいて設置されている。現状では、離陸前に飛行機の重要な表面部から霜および氷を除去しているが、霜が形成される気候下での飛行の場合、デアイシング手段または防氷装置(「アンチアイシング装置」)が存在している。この作業を行うために、霜の形成を制限および遅延するために重要な表面にある物質を塗布すること、あるいは構造体から滲出する液体を加えることを内容とする物理化学的手段が用いられる。これらの手段は、空港内でこれらの手段に物質を供給するのに特別な設備を必要とする。デアイシング液は構造体上の目詰まりの問題を生じさせるおそれがある。またこれらの物理化学的手段の場合、重要な表面のデアイシングを行うにあたり、飛行機が地面に固定されなければならない。そのため、飛行機の離陸前の時間が比較的長くなるとともに、有資格作業者の立会いが必要となるため、結果としてコストが比較的高くなる。
【0006】
デアイシング装置としては前縁に格納された可撓性を有する材質の管で構成され、霜が形成されたとき交互に膨張および収縮することにより霜を破壊する空圧システムを使用する装置が知られており、また、アンチアイシング装置としてはエンジンから採取した高温空気を通過させる管路で構成される熱的装置などが知られており、飛行機の飛行時に適するようになされたデアイシング装置も知られている。しかしながら、これらの手段は全て大量の空気の取り込みを必要とするため、燃料消費の増加をきたすとともに、パワープラントの性能を低下させるものである。またそのような装置は、配管および付帯する制御装置を格納するための充分なスペースが存在することを必要とする。
【0007】
さらに、現状では、付着した氷の存在を検出する手段と、特に飛行機の飛行中にリアルタイムで付着した氷を剥離させるためのデアイシング手段の双方を兼備するシステムは存在しない。
【0008】
本発明は、接近可能であるか否かを問わず、検査すべき構造体の重要ゾーンを監視することができるよう適合化がなされた検出およびデアイシング装置を提供すること、および付着した氷の存在を検出した時デアイシングを行う装置を目的とする。
【0009】
本発明の装置は、構造体の機械的強度を悪化させるおそれのある、構造体の内部に浸入したかつ/または構造体の材料内に浸入した液体の存在を除去するのにも適している。この液体の存在は主に構造体の使用中に累積した浸入によるものであって、構造体の組み立て時の構造体の異常によるものではない。この液体は構造体の内部数センチメートルにわたって存在することがある。この液体は、凝縮効果により堆積した水、あるいはたとえば構造体に対しきわめて腐食性が高い液体であるSkydrollオイルなど油圧オイルであり、望ましいことではないがそれが存在するのは、アクチュエータのレベルにおける漏れに由来することが考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そのような装置に関して解決すべき課題は:
− 軽量かつ小型であり、またその運転についての電力消費量が少ない、構造体の内部に接近できるか否かに関わらず、検査すべき構造体の表面上に容易に貼付するようなされた検出および除去手段を提供すること、
− メンテナンスコストを低減する目的で作業者およびパイロットの仕事を最大限に少なくするために自動管理が可能な手段を提供すること、
である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的のため本発明は、飛行機構造体の外表面上に付着した氷の存在、あるいはある構造体の内部および/または構造体の材料の中にしみ込んだ液体の存在を検出し除去する装置を対象とする。
【0012】
本発明によれば、本装置は少なくとも一対の導電素子サブネットワークを備え、各サブネットワークは少なくとも1つの導電素子連を含み、前記サブネットワークは、第1サブネットワークの導電素子と第2サブネットワークの導電素子の接合部が容量センサネットワークを形成するよう配置され、前記導電素子は絶縁材料内に埋め込まれ、各導電素子サブネットワークはフレキシブル支持体内に組み込まれ、全体はフレキシブル被覆を形成する。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、絶縁材料が付着した氷に直接接触し構造体の表面の近傍になるよう、前記フレキシブル支持体が構造体の表面に対し直角に配置される。
【0014】
本発明の別の一実施形態によれば、前記フレキシブル支持体が構造体の表面の面に平行な面内に配置され、絶縁材料内に氷または液体が浸入できるようにするよう、前記被覆の外面を構成する支持体が部分的に小孔を有する。
【0015】
機体に付着した氷を除去するためには、前記被覆は、構造体の形状に従いながら構造体の前記表面の一部分上に固定されるのが好ましい。
【0016】
液体の存在を除去するためには、前記被覆は、構造体の内部に挿入されるか、構造体の内表面上に固定されるか、構造体を構成する材料内に組み込まれるのが好ましい。
【0017】
有利には、構造体の表面は一連のデアイシングセクタに分割され、前記装置は、各セクタについて氷または液体の除去を行う一式の容量センサネットワークを含む。
【0018】
絶縁材料内に浸入した氷または液体が存在することによって生じる容量の変化を検出することができるよう、導電素子の寸法および配置が決められる。
【0019】
本発明によれば、本装置は前記導電素子を制御するための少なくとも1つの容量センサネットワークの周辺に設置されたインタフェース電子機器をさらに備え、前記電子機器は、前記導電素子への電源供給を確保するための少なくとも1つの制御回路と1つのマイクロプロセッサとを備える。
【0020】
有利には、マイクロプロセッサは、一対の導電素子あたりの基準容量値の表を有するメモリと、基準表の容量値に対する測定容量値の差分解析手段とを含む。前記基準容量値の表はモデリングまたは実験によってあらかじめ決められるのが好ましい。
【0021】
本発明によれば、差分解析手段は、基準容量値と容量センサの端子において測定した容量値との差分平均値が、前記構造体の表面に付着した氷が存在することあるいは構造体内および/または構造体の材料内に液体が存在することを表す閾値を超えたということに特徴的な状態信号Sの生成手段を含み、前記導電素子を経由する電流の送信を開始するために、前記マイクロプロセッサにより前記状態信号Sが前記制御回路に送信される。
【0022】
本発明によれば、上で説明したそのような装置を含む飛行機の場合、装置は、動作パラメータを表示し前記装置を制御するための通信ボックスを経由して、操縦室内に位置するダッシュボードに接続することができる。
【0023】
本発明のその他の特徴および長所は添付の図面を参照して行う以下の説明を読むことにより、よりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1A】本発明の2つの実施形態による容量センサネットワークの部分断面斜視図である。
【図1B】本発明の2つの実施形態による容量センサネットワークの部分断面斜視図である。
【図2】インタフェースと3つの容量センサネットワークとの間の結合構成例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、飛行機構造体の外表面上に付着した氷の存在、あるいはある構造体の内部および/または構造体の材料の中にしみ込んだ液体の存在を検出し除去することができる装置に関し、本発明は、飛行機の飛行中の複雑な形状の飛行機構造に特に適用される。
【0026】
本装置は、リアルタイム除去手段の実施の一環として、機体に付着した氷の形成または液体の存在を予測および検出するよう適合化された手段と、除去装置として働くよう適合された手段とを含む。
【0027】
そのような装置ならびにその作動システムを図1および図2に示す。
【0028】
図1Aは、本装置が2つの導電素子サブネットワーク2a、2bを含む本発明の第1実施形態を示す。
【0029】
2つのサブネットワークは、第1サブネットワーク2aの導電素子と第2サブネットワーク2bの導電素子の接合部が容量センサネットワークを形成するよう、導電素子3に対向して配置される。
【0030】
たとえば、第1サブネットワーク2aの各導電素子3は第2サブネットワーク2bの隣接する2つの素子の間に挿入される。こうして2つのサブネットワークは容量センサ1のネットワークを形成する。導電素子ユニットは絶縁材料4内に埋め込まれる。
【0031】
図1Aに示すように、導電素子3は、構造体6の表面の面に対し平行な面内に配置された上側フレキシブル支持体5aおよび下側フレキシブル支持体5bの中にそれぞれ組み込まれる。絶縁材料4内に氷または液体が浸入できるようにするため、面7が外部に向いている上側支持体5aは部分的に小孔を有する。全体はフレキシブルな被覆を形成する。
【0032】
図1Bは、2つの支持体の間にはさまれた絶縁材料4が外部に直接触れるように、特に、付着した氷が万一あった場合あるいは液体があった場合これに接触し構造体の近傍になるよう、フレキシブル支持体5が構造体6の表面の面に対し直角な面内に配置される本発明の第2の実施形態を示す図である。さらに、構造体の表面に接着されるようになっている面は、容量センサネットワークが組み込まれたフレキシブルフィルムを含み、同じく全体がフレキシブルな被覆を形成する。
【0033】
機体に付着した氷を除去するためには、前記被覆は、構造体6の形状に従いながら構造体の前記外表面の一部分上に固定されるのが好ましい。
【0034】
液体の存在を除去するために、前記被覆は、たとえば構造体の製造段階時に、構造体の内部に挿入されるか、構造体の内表面上に固定されるか、構造体を構成する材料内に組み込まれる。
【0035】
2つの実施形態においては、下側フレキシブル支持体またはフレキシブルフィルムは、接着材により構造体の表面に固設される。
【0036】
図1Aおよび図1Bに示すように、容量センサネットワークは機体に付着した氷または液体の存在を検出する手段を構成する。
【0037】
実際、氷または液体が絶縁材料の中に浸入すると、それらが存在することにより導電素子が埋め込まれている材料の誘電率εの変化が生じ、この誘電率の変化が、導電素子により形成されたコンデンサの端子における容量の変化をもたらす。測定した容量値の平均と、付着した氷または液体が存在しない場合の値に相当する基準容量値の平均とを比較すると、その差により付着した氷または液体の存在を定量的に示すことができる。こうして、付着した氷または液体が実際に存在することを表す閾値が決められる。
【0038】
有利には、絶縁材料の誘電率の変化によって生じる容量の変化を検出することができるよう、導電素子の寸法および配置が決められる。各導電素子は、適切な絶縁を確保するのに充分な距離だけ、隣接する導電素子から間隔が空けられる。
【0039】
デアイシング手段も、装置が除去モードで動作する時ジュール効果により電力を散逸することができる加熱抵抗素子である、絶縁材料の中に埋め込まれた導電素子で構成される。
【0040】
誘電素子は、たとえば銀または銅の合金などの金属製抵抗材料で作製される。導電素子ネットワークはマスクを通した光リソグラフィにより得られ、次に、プラズマその他の任意の蒸着手段による金属化工程により結合される。導電素子の寸法は10ミクロン程度である。
【0041】
導電素子が埋め込まれている絶縁材料は、高い透過率を有する材料群に属する材料で作製されるのが好ましい。
【0042】
装置は、その起動および制御のためにさらにインタフェース電子機器を備える。このインタフェース電子機器も各容量センサネットワークの周囲に組み込まれるのが好ましい。このインタフェースは、導電素子を電源供給ボックスに接続する制御回路8と、導電素子ネットワークをボックス11に接続するマイクロプロセッサ9とを備える。各行または各列の導電要素は、ある行または列の導電素子の故障時でもネットワークが作動し続けるよう、制御回路により別々に制御される。
【0043】
図2は、たとえば構造体の表面の1つのゾーンを覆う3つの容量センサネットワークの制御回路の例を示す。電源供給ボックスは、それぞれ電流入出力線201a、201b、202a、202b、203a、203bを経て、3つのネットワーク101、102、103に接続され、ボックス自体も直流電圧発生源または交流電圧発生源に接続される。各ネットワークからボックスへの配線は、装置の故障のリスクを最小にするよう、隣接するネットワークの配線からは独立している。
【0044】
有利には、構造体の表面を一連のデアイシングセクタに分割することができ、各セクタについて氷または液体の除去を行うために当該表面を覆うカーペットを作製するよう、構造体の表面上に本装置をネットワーク状に配置するのが有利である。ネットワークの密度は、覆う表面の寸法ならびに当該ゾーンのリスクの度合によって異なる。このネットワーク状構成により、装置のうちの1つの故障時でも除去およびデアイシング機能を継続して確保できるのが有利である。
【0045】
図2は、隣接するように配置された3つのセンサネットワークで構成された装置を例示する図であるが、一定間隔または任意の間隔で個別に配置することもできる。全体は、臨界表面のある1つのゾーンに固定されるようになるフレキシブル被覆を形成する。表面積が広い場合、複数の装置が、付着した氷または液体を除去するのに最適な構成においてネットワーク状あるいは任意の間隔に配置される。
【0046】
電源供給ボックス11は、動作パラメータの表示および装置の制御のための通信ボックス10を経由して、制御キャビン内に位置するダッシュボード14に接続される。
【0047】
リアルタイムの霜または液体保護装置の一環として、マイクロプロセッサは、一対の導電素子あたりの基準容量値の表を有するメモリと、基準表の容量値に対する測定容量値の差分解析手段とを含む。前記基準容量値の表はモデリングまたは実験によってあらかじめ決められる。
【0048】
差分解析手段は、基準容量値と容量センサの端子において測定した容量値との差分平均値が、構造体の表面に付着した氷が存在することあるいは構造体内および/または構造体の材料内に液体が存在することを表す閾値を超えたということに特徴的な状態信号Sの生成手段を含む。導電素子を経由する電流の送信を開始するために、マイクロプロセッサにより状態信号Sが電源ボックスに送信される。
【0049】
一式の導電素子ネットワークへの送電は、シーケンシャルな加熱を実現するよう、シーケンシャル送電とすることができる。図2においては、3つのネットワーク101、102および103は順次行われる。またこの送電は3つのネットワークへの同時送信とすることもできる。
【0050】
充分なデアイシングまたは液体の蒸発を得るため散逸させるのに必要な出力は少なくて済む。実際、検出装置により、閾値に応じて、比較的早期に氷または液体の形成を防止することができるほか、デアイシング時に付着した氷が導電素子ネットワークに直接接触している。導電素子内を電流が通過することにより、装置の表面に直接付着している氷の溶解が生じ、それにより付着した氷の剥離が発生する。また、表面の溶解に必要な温度の上昇に必要な出力も比較的少ない。一般的に、充分なデアイシングを得るために導電素子内に送るべき電流は5mAから10mAの間である。
【0051】
有利には、本発明の装置は、飛行機の飛行中の飛行機の構造体の表面層の湿度および温度の測定手段と組み合わされる。これらの手段により、装置を氷の形成条件に応じた氷の検出モードで自動的に起動することができる。
【0052】
その一方、氷または液体の検出および除去装置は、予防処理を行う目的でパイロットが手動で起動することもできる。この場合、装置は除去運転モードで直接作動し、導電素子には連続的に電源が供給される。
【0053】
電子インタフェースを容量センサネットワークと組み合わせる本発明の装置により、付着した氷または液体が存在する場合だけ、最適な応答時間で本装置の除去機能を起動することが可能であり、装置の電気消費量を最適化することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 容量センサネットワーク
2a、2b 導電素子サブネットワーク
3 導電素子
4 絶縁材料
5、5a、5b フレキシブル支持体
6 構造体
7 外面
8 制御回路
9 マイクロプロセッサ
10 通信ボックス
11 電源ボックス
14 ダッシュボード
101、102、103 ネットワーク
201a、201b、202a、202b、203a、203b 電流入出力線
VDA 交流電圧発生源
VDC 直流電圧発生源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行機構造体(6)の外表面上に付着した氷の存在、あるいはある構造体の内部および/または構造体の材料の中にしみ込んだ液体の存在を検出し除去する装置であって、少なくとも一対の導電素子サブネットワーク(2a、2b)を備えた装置において、各サブネットワークが少なくとも1つの導電素子連(3)を含み、前記サブネットワークが、第1サブネットワークの導電素子(3)と第2サブネットワークの導電素子(3)の接合部が容量センサネットワーク(1)を形成するよう配置され、前記導電素子が絶縁材料(4)内に埋め込まれ、各導電素子サブネットワークがフレキシブル支持体(5、5a、5b)内に組み込まれ、全体がフレキシブルな被覆(1)を形成することを特徴とする装置。
【請求項2】
絶縁材料(4)が氷に直接付着し構造体の表面の近傍になるよう、前記フレキシブル支持体(5)が構造体(6)の表面に対し直角に配置されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記フレキシブル支持体(5a、5b)が構造体(6)の表面の面に平行な面内に配置され、絶縁材料(4)内に氷または液体が浸入できるようにするため、前記被覆の外面(7)を構成する支持体(5a)が部分的に小孔を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記被覆が、構造体(6)の形状に従いながら構造体の前記表面の一部分上に固定されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記被覆が、構造体の内部に挿入されるか、構造体の内表面上に固定されるか、構造体を構成する材料内に組み込まれることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
構造体の表面が一連のデアイシングセクタに分割され、前記装置が、各セクタについて氷または液体の除去を行う一式の容量センサネットワークを含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
絶縁材料内に浸入した氷または液体が存在することによって生じる容量の変化を検出することができるよう、導電素子(3)の寸法および配置が決められることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記導電素子を制御するための少なくとも1つの容量センサネットワークの周辺に設置されたインタフェース電子機器をさらに備え、前記電子機器が、前記導電素子への電源供給を確保するための少なくとも1つの制御回路(8)と1つのマイクロプロセッサ(9)とを備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
マイクロプロセッサ(9)が、一対の導電素子あたりの基準容量値の表を有するメモリと、基準表の容量値に対する測定容量値の差分解析手段とを含むことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記基準容量値の表がモデリングまたは実験によってあらかじめ決められることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
差分解析手段が、基準容量値と容量センサの端子において測定した容量値との差分平均値が、前記構造体の表面に付着した氷が存在することあるいは構造体内および/または構造体の材料内に液体が存在することを表す閾値を超えたということに特徴的な状態信号Sの生成手段を含み、前記導電素子を経由する電流の送信を開始するために、前記マイクロプロセッサ(9)により前記状態信号Sが前記制御回路(8)に送信されることを特徴とする請求項9又は10に記載の装置。
【請求項12】
前記導電素子内に送られる電流が5mAから10mAまでの間に含まれることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記装置が、動作パラメータを表示し前記装置を制御するための通信ボックス(10)を経由して、操縦室内に位置するダッシュボード(14)に接続されることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の付着した氷または液体の存在を検出し除去する装置を備える飛行機。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−545481(P2009−545481A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−522311(P2009−522311)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【国際出願番号】PCT/FR2007/051703
【国際公開番号】WO2008/015356
【国際公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(501446228)エアバス・フランス (93)