説明

機器のパッケージング

本発明は、少なくとも第1セル(21)および第1セル(21)から気密的に分離される第2セル(22)からなる、機器(6)の衝撃吸収パッケージングのためのパッケージング構造(1)であって、セル(21・22)は気体、好ましくは空気で充満され、個々のセル(21・22)は互いに略平行に配置されくし状構造を形成する接続された複数の管状空洞(210・220)からなり、第1セル(21)および第2セル(22)のくし状構造は連結されるとともに、第1セル(21)の個々の管状空洞(210)は隣接する第2セル(22)の管状空洞(220)と機械的に結合され、機械的に結合された管状空洞(210・220)の第1マット(11)を形成し、これによって輸送される機器(6)を梱包するものとするパッケージング構造に関する。本発明はさらに、少なくとも2つの前記パッケージング構造(1)からなるパッケージングシステム(10)、および該パッケージング構造を機器(6)の梱包に適用する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器の衝撃吸収パッケージングのためのパッケージング構造、パッケージングシステムおよびこのようなパッケージング構造を適用するための対応する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な機器が長距離を輸送されている。脆い物品または傷つきやすい機器は、輸送中に機器にはたらく機械的衝撃から安全としなければならない。よって、一般に、機器はパッケージング材料に封入され、例えばコンテナ壁と物品との間の異なる種類の気泡によって、ありうる機械的衝撃が吸収される。異なるサイズの機器の包装を可能とするために、現在、20より多い異なるタイプの衝撃吸収パッケージング材料が用いられている。多数の異なるパッケージング材料のタイプによって、輸送会社のロジスティックスのコストが増加している。さらに、気泡は容易に損傷しうるとともに、それによって衝撃吸収の信頼性が消失しうる。加えて、このパッケージング材料は一般に使い捨て材料である。気泡およびカートン部分は最終的に接着され、パッケージング材料をリサイクルできなくしている。現在、資源を節約すること、そのため再使用およびリサイクルが可能なパッケージング材料を提供することへの要求は強い。
【発明の開示】
【0003】
本発明の目的は、複数回使用することができるとともにリサイクルが可能でロジスティックスのコストを減少させることができる、機器の衝撃吸収パッケージングのためのパッケージング構造の提供である。さらに、このパッケージング構造を機器のパッケージングに適用するための方法の提供も目的とする。
【0004】
この目的は、少なくとも第1セルおよび第1セルから気密的に分離される第2セルからなる機器のパッケージング構造によって達成される。該セルは気体、好ましくは空気で充満され、それぞれのセルはくし型構造において複合的に接続され互いに略平行に配置される管状の空洞からなる。少なくとも第1および第2セルのくし型構造は連結されるとともに、第1セルの個々の管状の空洞は第2セルの隣接する管状の空洞と機械的に結合され、機械的に結合される管状の空洞の第1マットを確立し、輸送される機器を包む。
【0005】
パッケージング構造の形状には、輸送される機器の特定の形状および/またはサイズを適用する必要は無い。パッケージング構造はどのような形状またはサイズの機器にも用いることが可能であり、複数の異なるタイプのパッケージング材料を提供する必要が無くなるために、このようなパッケージング材料の製造コストを大きく減少させられる。あらゆる種類の機器に1つのタイプのパッケージング構造を用いることで、輸送センターは1つのタイプのパッケージング構造のみをストックに持てばよいため、パッケージングのロジスティックスの労力が大きく減少する。パッケージング材料が無いために機器を輸送できない状況は、完全に回避することができる。このパッケージング構造のための製造機械は標準化が可能であるとともに1つのタイプの機械のみが必要であるため、このパッケージング構造の製造コストはより低くなるので、このパッケージング構造の製造はより効率的であろう。
【0006】
機械的に結合される管状の空洞のマットによって風船構造が提供され、機器が輸送の間の機械的衝撃から防護され、重く大きい機器の輸送に適している。少なくとも2つの分離されたセルによって、たとえセルの1つが損傷および/または漏れを生じたとしても衝撃吸収構造が提供され、充満した気体をセルから抜くことで特定のセルを収縮させる。衝撃吸収構造の冗長性は、気密的に分離されたセルの数を増やすことでさらに向上する。3つのセルの場合、2つのセルが損傷してもパッケージング構造の衝撃吸収特性は失われない。4つ以上の分離されたセルのパッケージング構造によって、梱包される機器の防護の信頼性は非常に向上する。充満されたセルの中の気体圧は少なくとも1気圧とし、好ましくは圧力は環境より高くすることでパッケージング構造の衝撃吸収特性に信頼性を与える。より好ましくは、セル内部の気体圧は2気圧とする。1気圧の標準圧力は101325バールに相当する。セルを充満する気体は、例えば空気、窒素等の適当な気体でありうる。空気は労力なしに適用できるので、最も安価な適用可能な気体である。しかし、窒素等の不燃性気体をセルの充満に用いることは、さらなる安全性を要する機器の輸送の際に有利でありうる。
【0007】
実施形態の1つにおいて、個々のセルは少なくとも1つの、気体をセルに充満させるのに適した閉塞可能なバルブを有する。これによってセル内の圧力を所望の圧力値に調節でき、輸送される機器の大きさ、重量および形状に合わせた最適な衝撃吸収特性が得られる。好ましい実施形態において、バルブはセルからの気体の除去にも適したものとし、気体の複合的な充満および除去を可能とする。使用後(機器を降ろした後)、セルから気体を除去することでパッケージング構造のサイズを縮小することができる。パッケージング構造は折り畳んで小さいパッケージにして機器配送センターへ戻し、輸送される次の機器の梱包に用いることが可能である。パッケージング構造は100回までの再使用が可能である。適当なバルブは、例えば自転車のタイヤに用いられるようなチェックバルブ、好ましくはパッケージング構造のセルからの気体の除去が容易なダブルチェックバルブである。これらのバルブは6気圧までの気体圧に適合するものとする。あるいは15気圧までに適合する、いわゆるスクラブランドバルブを用いてもよい。パッケージング構造のセルはハンドポンプで手動で充満されてもよいし、充満ステーションで自動的に充満し特定の所望の圧力値に調節してもよい。当業者は本発明の範囲内で他の適当なバルブを選んでもよい。
【0008】
実施形態の1つにおいて、パッケージング構造のセルは樹脂材料から作られる。樹脂材料は樹脂をその原料状態に戻すことで容易にリサイクルできる。古いパッケージング構造を原料に戻すとともにこの原料から新たなパッケージング構造を製造するリサイクル工程は40回まで適用することが可能で、材料廃棄物処理を大きく減少させることができる。これらのパッケージング構造のその全体ライフサイクルにおける環境に関係する二酸化炭素総放出は、対応する従来のパッケージング材料(例えば気泡)の二酸化炭素放出の3%へと有意に削減される。この値はパッケージング材料の製造および廃棄物処理の二酸化炭素放出に基づく。複数回使用およびリサイクルによって、パッケージング材料の環境に関係する二酸化炭素総放出を大きく減少させられる。
【0009】
好ましい実施形態において、樹脂材料は延伸に耐性のあるポリアミド、ポリエチレンおよび強化ナイロンからなる。この材料のパッケージング構造の損傷(セルの1つからの漏れ)の数が大きく減少され、したがって従来のパッケージング構造に比してこのパッケージング構造の信頼性が大きく向上する。この材料によって、重量1メートルトンのサーバーといった大きい機器を梱包し衝撃吸収パッケージング内で輸送することができる。このパッケージング構造によって、5メートルトンまでの重量の機器の衝撃吸収パッケージングが可能である。請求項の樹脂材料は、1気圧より下、例えば0.79気圧まで下がる空輸(飛行機内)等の不安定圧力条件でも適用可能である。
【0010】
他の実施形態において、パッケージング構造はさらに、第1マットに機械的に好ましくは接続ラインに沿って接続される管状空洞の少なくとも第2マットからなり、輸送される機器を包む互いに接続される気密的に分離されたセルの数を増加させる。第2マットの構成は好ましくは第1マットと同一とする。第2マットは第3セルおよび第3セルから気密的に分離される第4セルからなる。セルは気体、好ましくは空気で膨らまされ、それぞれのセルはくし型構造において複合的に接続され互いに略平行に配置される管状の空洞からなる。第3および第4セルのくし型構造は連結されるとともに、第3セルの個々の管状の空洞は第4セルの隣接する管状の空洞と機械的に結合され、機械的に結合される管状の空洞の第2マットを確立し、輸送される機器を包む。管状の空洞の長手方向に略直角なセルの側で、第2セルと第3セルとの間で機械的接続が確立される。機械的接続は好ましくは、第2セルと第3セルとの間に配置される接続線を経て確立され、それは剛直または柔軟でありうる。第1および第2マットは同一平面状に配置してもよい。あるいは第1および第2マットの接続線に沿った柔軟な機械的接続によって互いの頂部上に配置することで、第1および第2マットを同一平面状に配置可能としパッケージング構造の面積を増加させてもよい。または、第1および第2マットを互いの頂部上に配置することでパッケージング構造の衝撃吸収特性を向上させてもよい。
【0011】
他の実施形態において、パッケージング構造は少なくとも1つの第1接続手段および少なくとも1つの第2接続手段からなり、これらは第1の方向に沿って別のパッケージング構造の第1および第2接続手段と接続されるのに適しており、これによってパッケージング構造が機器に密接する。2つのパッケージング構造を容易に接続し、輸送される機器の両側、機器の前後および/または左右を包むことができる。後/前および左/右の方向は、例えばコンピューターサーバー等の機器を直立させた場合で理解されるであろう。第1および第2接続手段は2つのパッケージング構造の接続に適した手段、例えばクリップ、クランプ、ファスナーまたはベルト、およびこれらの手段の対応部、例えば孔、スリット、凹部等である。当業者は本発明の範囲内で他の適当な手段を考慮してもよい。好ましい実施形態において、第1接続手段および/または第2接続手段は少なくとも1つの弾性部からなる。弾性部は特定の力をパッケージング構造に加え、梱包される機器にパッケージング構造を密接させることができる。弾性部はこのような力を加えるのに適したどのような部品でもよく、例えば弾性ベルトまたはスプリングである。当業者は本発明の範囲内で他の適当な弾性部を考慮してもよい。
【0012】
他の実施形態において、パッケージング構造は少なくとも1つの第1取付手段および第2取付手段からなり、これらは第1の方向に直角な第2の方向に沿って別のパッケージング構造の第1および第2取付手段と接続されるのに適しており、これによって結合されたパッケージング構造の面積を増加させ、より大きい機器を包装する。さらなるパッケージング構造をパッケージング構造に取り付け可能とすることで、機器の種類によって大きく変動する包装される機器のサイズに合わせてパッケージング構造の面積を調節(増加)することが可能となる。第1および第2取付手段はパッケージング構造を互いに取り付け可能な手段であればよい。例えば、適した第1および第2取付手段はマジックテープ、ジッパー、スライドファスナー、フッククリップ、クランプ、ベルトまたはスプリングおよびこれらの手段の対応部、例えば孔、スリット、凹部等である。当業者は本発明の範囲内で他の適当な第1および第2取付手段を考慮してもよい。
【0013】
本発明はさらに、本発明に係る少なくとも2つのパッケージング構造からなるパッケージングシステムに関する。該パッケージング構造はそれぞれ、互いに接続して輸送される機器の衝撃吸収パッケージングのための外部カバーを形成する第1接続手段および第2接続手段からなる。パッケージングシステムは輸送される機器の両側、機器の前後および/または左右を包むことができる。
【0014】
本発明はさらに、本発明に係るパッケージング構造を用いた機器の衝撃吸収パッケージングのための方法に関する。該方法は、気体、好ましくは空気によるバルブを経てのセルの充満、セルの充満後のバルブの閉塞、およびパッケージング構造による機器の梱包の手順からなる。セルはパッケージング目的に適合する気体圧、例えばより重い機器またはより衝撃に敏感な機器のためのより高い気体圧で充満することができる。バルブはセルから気体を除去することで包装していないパッケージング構造の返送を可能としている。セルが未充満のパッケージング構造はセルが充満されたパッケージング構造に比して体積が非常に小さい。よって、体積を削減した多数のパッケージング構造を1つの輸送車両で輸送することができ、パッケージング構造あたりの輸送コストが低下する。
【0015】
前記方法の有利な実施形態において、包装手順は、パッケージング構造の少なくとも1つの第1接続手段および別のパッケージング構造の少なくとも1つの第2接続手段を経ての第1の方向に沿ったパッケージング構造の接続による、パッケージング構造の機器への密接からなる。好ましい実施形態において、方法はさらに、パッケージング構造の少なくとも1つの第1取付手段および別のパッケージング構造の第2取付手段を介した、第1の方向に直角な第2の方向に沿ったパッケージング構造同士の接続によって、結合されたパッケージング構造の面積をより大きい包装される機器に合わせて調節する手順からなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る第1マットからなるパッケージング構造の実施例の平面図。
【図2】本発明に係る第1および第2マットからなるパッケージング構造の別実施例の平面図。
【図3】本発明に係る互いに取り付けられたパッケージング構造の平面図。
【図4】本発明に係る輸送される機器を包むパッケージングシステムの実施例。
【図5】本発明に係る輸送される大きい機器を包むパッケージングシステムの別実施例。
【図6】本発明に係る輸送される大きい周縁を有する機器を包むパッケージングシステムの別実施例。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は本発明に係るパッケージング構造1の実施例である。第1セル21(グレーの領域)は互いに略平行な管状空洞210からなり、くし型構造を形成している。第2セル22(白い領域)は同じ配置の管状空洞220を有する。第1セル21および第2セル22のくし型構造は連結され、これによって機器を包んで衝撃吸収パッケージングを提供する第1マット11を形成する。マット11の剛性の向上のために、第1セル21および第2セル22、特に管状空洞210・220は機械的に結合される。図1に示す空洞210・220の管状形状は単に1つの例である。他の実施例においてセルの形状はくし型構造を維持できる範囲で変更しうる。セルおよび管状形状の寸法は単に1つの特定の例である。当業者は本発明の範囲内でセルおよび管状形状の異なる寸法を選択しうる。セル21・22は気体、例えば窒素で、セル21・22の充満およびセル21・22からの気体の除去を可能とするバルブ3を経て充満される。バルブの位置は単に1つの例であり、他の実施例において変更しうる。気体を抜かれセルが空のパッケージング構造1は大幅に少ない輸送体積での輸送が可能であり、これによって次の輸送される機器を梱包する(複数回使用)ためにパッケージング構造を配送センターへ戻す輸送コストが低下する。本発明の範囲内で、パッケージング構造によって輸送される機器を別のやり方で梱包することができる。パッケージング構造は機器に接着によって取り付けてもよく、ロープまたはテープで機器に固定してもよい。図1に示す好ましい実施例において、パッケージング構造1は第1接続手段41および第2接続手段42からなり、互いに接続されて小さい機器を梱包するか、あるいは別のパッケージング構造1の第2接続手段42および第1接続手段41と接続されてより大きい機器を梱包しうる。この実施例において、第1接続手段41および第2接続手段42はパッケージング構造1の高さにおいて略中途部であり、ここで第1接続手段はストライプであるとともにその対応部は第2接続手段42としてのノブであり、ストライプはノブに固定される。パッケージング構造1の高さは、管状空洞210・220の方向(図3の方向5)の延伸である。接続手段41・42の数、タイプおよび位置は他の実施例において変更しうる。当業者は本発明の範囲内で接続手段41・42の必要な位置および数を選択しうる。
【0018】
図2は本発明に係るパッケージング構造1の別実施例を示す。パッケージング構造はさらに、管状空洞230を有する第3セル23および管状空洞240を有する第4セル24からなり、第1マット11に取り付けられる管状空洞からなる第2マット12を形成する。主要な構造は図1に示されるものと同様であるが、分離されたセルの数によって1つのセルの損傷に対する信頼性が倍増する。1つのセルで漏出が生じた場合でも、3つのセルが残ることで梱包された機器の保護のための充分な衝撃吸収が得られる。第1マット11および第2マット12は、対面する第2セル22および第3セル23の側の間に配置される接続ライン13に沿って機械的に接続される。接続ライン13は管状空洞220・230の長手側に略直角なセル22・23の側に配置される。接続ライン13はパッケージング構造1のセル21・22・23・24と同じ材料からなるものとしてもよい。あるいは、接続ライン13はマット11・12を永続的に接続するのに適した材料、好ましくは柔軟性の材料からなりうる。当業者はマット11・12の適当な機械的接続を選択できる。あるいは、マット11・12を互いに接着してもよい。
【0019】
図3は本発明に係るパッケージング構造1の別実施例を示す。図2に対し、ここでは2つのパッケージング構造1が可逆的に接続される。図3に示すパッケージング構造はそれぞれ、パッケージング構造の下側の2つの第1取付手段51およびパッケージング構造の上側の2つの第2取付手段52からなり、個別のパッケージング構造1を取付手段51・52に接続する。パッケージング構造の間での接続を形成するために、第1のパッケージング構造1の第1取付手段51を第2のパッケージング構造1の第2取付手段52へ(あるいはその逆に)、機器をパッケージング構造で梱包するための接続手段の接続方向である方向4に直角な方向5に沿って取り付ける。この実施例において、第1取付手段51および第2取付手段52はマジックテープである。しかし、取付手段の数およびタイプは他の実施例において変更しうる。当業者は本発明の範囲内で取付手段の別の位置および数を選択しうる。
【0020】
図4は、適当な接続手段41・42で互いに接続される2つのパッケージング構造1からなるパッケージングシステム10を示す。第1のパッケージング構造(右側)の第1接続手段41を第2のパッケージング構造(左側)の第2接続手段42に接続し、機器6を梱包する。第1・第2のパッケージング構造1の間と同じ接続が機器6の後方(ここでは図示しない)にも存在する。パッケージングシステム10と機器6との密接のために、第1接続手段41および/または第2接続手段42は少なくとも1つの、例えばスプリング等の弾性部を有し、ある力をパッケージング構造1に加える。
【0021】
図5は、図4において梱包される機器よりも高さが大きい梱包される機器6の別実施例を示し、ここでは第1取付手段51および第2取付手段52を有するパッケージング構造(詳細を図3に示す)を4つ用いて梱包している。4つのパッケージング構造は取付手段51・52によって方向5(図3参照)において互いに取り付けられるとともに、方向5に直角な方向4(図1参照)において互いに接続され、機器6の衝撃吸収パッケージングを提供する。ポリアミド、ポリエチレンおよび強化ナイロンの樹脂材料をパッケージング構造のセルの材料として用いるパッケージング構造を、5メートルトンまでの重い機器に適用することができる。
【0022】
図6は、図4において梱包される機器よりも周縁が大きい梱包される機器6の別実施例を示し、ここではパッケージング構造(詳細を図3に示す)を4つ適用している。4つのパッケージング構造は方向4(図1参照)において互いに接続され、機器6の衝撃吸収パッケージングを提供する。ここで、取付手段51・52は必要ではない。同じ目的のために、取付手段の無いパッケージング構造を適用することもできる。
【0023】
図1〜6に示す全ての実施例において、セル内の気体圧は輸送される特定の機器のための要求に合わせて調節されうる。チェックバルブ、ダブルチェックバルブあるいはいわゆるスクラブランドバルブ等のバルブが、6気圧またはそれ以上のセル内の気体圧に適している。
【0024】
本発明は図面および先の記述において説明されるが、このような説明は例証または典型であるとともに制限的ではないとみなされるべきであり、本発明は開示される実施例に限定されない。
【0025】
本発明の実施において、図面、開示および添付の請求項の研究から、当業者には開示される実施例への他の改変は理解および実行できる。請求項において、“からなる”という語は他の要素または手順を除外するものではなく、指定の無い名詞は単数に限られない。特定の事項が複数の異なる独立請求項に記載される事実は、これらの事項の組み合わせを有利に用いることができないということを示すものではない。請求項の符号は範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0026】
1 パッケージング構造
10 パッケージングシステム
11 第1マット
12 第2マット
13 接続ライン
21 第1セル
22 第2セル
23 第3セル
24 第4セル
210 第1セルの管状空洞
220 第2セルの管状空洞
230 第3セルの管状空洞
240 第4セルの管状空洞
3 バルブ
4 第1の方向
41 第1接続手段
42 第2接続手段
5 第2の方向
51 第1取付手段
52 第2取付手段
6 梱包される機器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1セル(21)および第1セル(21)から気密的に分離される第2セル(22)からなる、機器(6)の衝撃吸収パッケージングのためのパッケージング構造(1)であって、セル(21・22)は気体、好ましくは空気で充満され、個々のセル(21・22)は互いに略平行に配置されくし状構造を形成する接続された複数の管状空洞(210・220)からなり、第1セル(21)および第2セル(22)のくし状構造は連結されるとともに、第1セル(21)の個々の管状空洞(210)は隣接する第2セル(22)の管状空洞(220)と機械的に結合され、機械的に結合された管状空洞(210・220)の第1マット(11)を形成し、これによって輸送される機器(6)を梱包するものとするパッケージング構造(1)。
【請求項2】
前記セル(21・22)はそれぞれ少なくとも1つの、気体をセルに充満させるのに適した閉塞可能なバルブ(3)を有する、請求項1に記載のパッケージング構造(1)。
【請求項3】
前記バルブ(3)は気体をセル(21・22)から除去するのにも適していることによって気体の複数回の充満および除去を可能とする、請求項2に記載のパッケージング構造(1)。
【請求項4】
前記セル(21・22)は樹脂材料からなるものとする、前記請求項のいずれかに記載のパッケージング構造(1)。
【請求項5】
前記樹脂材料はポリアミド、ポリエチレンおよび強化ナイロンからなる、請求項4に記載のパッケージング構造(1)。
【請求項6】
パッケージング構造(1)はさらに、第1マット(11)と機械的に、好ましくは接続ライン(13)に沿って接続される管状空洞(230・240)の第2マット(12)からなり、互いに接続されて輸送される機器(6)を梱包する気密的に分離されたセル(21・22・23・24)の数を増加させるものとする、前記請求項のいずれかに記載のパッケージング構造(1)。
【請求項7】
他のパッケージング構造(1)の第2接続手段(42)および第1接続手段(41)との第1の方向(4)に沿った接続に適した少なくとも1つの第1接続手段(41)および少なくとも1つの第2接続手段(42)をさらに有し、パッケージング構造(1)を機器(6)に密接させる、前記請求項のいずれかに記載のパッケージング構造(1)。
【請求項8】
前記第1接続手段(41)および/または第2接続手段(42)は少なくとも1つの弾性部からなるものとする、請求項6に記載のパッケージング構造(1)。
【請求項9】
他のパッケージング構造(1)の第2取付手段(52)および第1取付手段(51)との第1の方向(4)に直角な第2の方向(5)に沿った接続に適した少なくとも1つの第1取付手段(51)および少なくとも1つの第2取付手段(52)をさらに有することで、結合されたパッケージング構造(1)の面積をより大きい梱包される機器(6)のサイズへと増加させる、請求項7または8に記載のパッケージング構造(1)。
【請求項10】
少なくとも2つの請求項1に係るパッケージング構造(1)からなり、該パッケージング構造はそれぞれ第1接続手段(41)および第2接続手段(42)を有し互いに接続されることで輸送される機器(6)の衝撃吸収パッケージングのための外部カバーを形成するものとする、パッケージングシステム(10)。
【請求項11】
請求項1に係るパッケージング構造(1)による機器(6)の衝撃吸収パッケージングのための方法であって、
気体、好ましくは空気によるバルブ(3)を経てのセル(21・22・23・24)の充満、
セル(21・22・23・24)の充満後のバルブの閉塞、および
パッケージング構造(1)による機器(6)の梱包の手順からなる方法。
【請求項12】
前記梱包手順が、パッケージング構造(1)の少なくとも1つの第1接続手段(41)および別のパッケージング構造(1)の少なくとも1つの第2接続手段(42)による第1の方向(4)に沿ったパッケージング構造(1)の接続による、パッケージング構造(1)の機器(6)への密接の手順を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記梱包手順が、パッケージング構造(1)の少なくとも1つのの第1取付手段(51)および別のパッケージング構造(1)の少なくとも1つの第2取付手段(52)による第1の方向(4)に直角な第2の方向(5)に沿ったパッケージング構造(1)の接続による、梱包されるより大きいサイズの機器(6)への結合されたパッケージング構造(1)の面積の調節を含む、請求項12に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−511440(P2013−511440A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539186(P2012−539186)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008224
【国際公開番号】WO2011/060800
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(503276470)ドイチェ ポスト アーゲー (50)
【Fターム(参考)】