機器の外装構造
【課題】内部に構造物を有する機器の外装を構成する外装構造において、外装部材間の隙間が生じることなく組み付けることが可能であって、外観上の見栄えのよい機器の外装構造を提供する。
【解決手段】内部に構造物を有する機器であるカメラ1の外装を構成する外装構造として、カメラ本体ユニット2と、カメラ本体ユニット2の一表面である前方上面部3hと凹状平面部に載置固定された上メタルカバーユニット5と、カメラ本体ユニット2に載置され、左側面部2a、また、右側面部2bに向かって当て付けられた左、右メタルカバー11,12と、カメラ本体ユニット2の底面部2dに載置され、上記左、右メタルカバー11,12に向かって当て付けられた下メタルカバー13とを具備する。
【解決手段】内部に構造物を有する機器であるカメラ1の外装を構成する外装構造として、カメラ本体ユニット2と、カメラ本体ユニット2の一表面である前方上面部3hと凹状平面部に載置固定された上メタルカバーユニット5と、カメラ本体ユニット2に載置され、左側面部2a、また、右側面部2bに向かって当て付けられた左、右メタルカバー11,12と、カメラ本体ユニット2の底面部2dに載置され、上記左、右メタルカバー11,12に向かって当て付けられた下メタルカバー13とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に構造物を有する機器の外観を構成する外装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内部に構造物を有する機器、例えば、電子カメラ等の電子機器の外装を構成する外装構造を有するものとして、特許文献1に開示された電子機器としての電子カメラ100は、図23の電子カメラ断面図に示すように撮影レンズ104,106、ミラー105、撮像素子107等を内蔵する外装として前外装カバー101および後外装カバー102を備えている。前外装カバー101と後外装カバー102とは、該外装カバーの外周を囲むH型断面の枠状外装部材103を挟み込む状態で接合固着される。この電子カメラ101の外装構造によれば、前外装カバー101と後外装カバー102とを容易に接合隙間のない状態で組み付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−310949公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した特許文献1に開示された電子カメラ101の外装構造では、必ずしも必要部材ではない枠状外装部材103を用いなければならず、部品コスト上は、不利となる。また、枠状外装部材103が表面に露出しており、機器外観上、見方によっては好ましいとはいえない。
【0005】
本発明は、上述の不具合を解決するためになされたものであり、内部に構造物を有する機器の外装を構成する外装構造において、外装部材間の隙間が生じることなく組み付けることが可能であって、外観上の見栄えのよい機器の外装構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の機器の外装構造の1つは、内部に構造物を有する機器の外装を構成する外装構造において、カメラ内部本体と、上記カメラ内部本体の一表面である第一の表面に載置固定された第一の外装部材と、上記カメラ内部本体の上記第一の表面と異なり、上記第一の表面の延長面と交わる第二の表面に載置され、上記第一の外装部材に向かって当て付けられて上記カメラ内部本体に固定された第二の外装部材と、上記カメラ内部本体の上記第一の表面と上記第二の表面と異なり、上記第一の表面とで上記第二の表面を挟んで、上記第一の表面の法線が交わる第三の表面に載置され、上記第二の外装部材に向かって当て付けられて上記機器内部本体に固定された第三の外装部材とを具備している。
【0007】
本発明の機器の外装構造の他の1つは、内部に構造物を有する機器の外装を構成する外装構造において、機器内部本体と、上記機器内部本体の上面に載置固定された第一の外装部材と、上記機器内部本体の側面に載置され、上記第一の外装部材に対して下方から上方に向かって当て付けられて固定された第二の外装部材と、上記機器内部本体の下面に載置され、上記第二の外装部材に対し下方から上方に向かって当て付けられて固定された第三の外装部材とを具備している。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、内部に構造物を有する機器の外装を構成する外装構造において、外装部材間の隙間が生じることなく組み付けることが可能であり、外観上の見栄えのよい機器の外装構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の機器の外装構造を適用するカメラの外観を前面側から見た外観斜視図
【図2】図1のカメラの外観を背面側から見た外観斜視図である。
【図3】図1のカメラのカメラ本体ユニットと外装部材との前面側から見た分解斜視図であって、図中、P1−P1は、図1のXVII−XVII断面に沿った断面ラインを示し、P2−P2は、図1のXVIII−XVIII断面に沿った断面ラインを示し、P3−P3は、図1のXVI−XVI断面に沿った断面ラインを示す。
【図4】図1のカメラのカメラ本体ユニットと外装部材との背面側から見た分解斜視図である。
【図5】図1のカメラのカメラ本体ユニットの正面図であって、図中、P3−P3は、図1のXVI−XVI断面に沿った断面ライン示す。
【図6】図1のカメラのカメラ本体ユニットの背面図である。
【図7】図1のカメラのカメラ本体ユニットの平面図であって、図中、P1−P1は、図1のXVII−XVII断面に沿った断面ラインを示し、P2−P2は、図1のXVIII−XVIII断面に沿った断面ラインを示す。
【図8】図1のカメラのカメラ本体ユニットの下面図であって、図中、P1−P1は、図1のXVII−XVII断面に沿った断面ラインを示し、P2−P2は、図1のXVIII−XVIII断面に沿った断面ラインを示す。
【図9】図1のカメラのカメラ本体ユニットの左側面図である。
【図10】図1のカメラのカメラ本体ユニットの右側面図である。
【図11】図1のカメラにおける上メタルカバーユニット装着状態のカメラ本体ユニットと他の外装部材との分解斜視図である。
【図12】図11の上メタルカバーユニット装着状態のカメラ本体ユニットの正面図である。
【図13】図11の上メタルカバーユニット装着状態のカメラ本体ユニットの背面図である。
【図14】外装部材である上メタルカバーユニット、後メタルカバー、左右メタルカバー装着状態のカメラ本体ユニットと下メタルカバー(外装部材)との前面側から見た分解斜視図である。
【図15】外装部材である上メタルカバーユニット、後メタルカバー、左右メタルカバー装着状態のカメラ本体ユニットと下メタルカバー(外装部材)との背面側から見た分解斜視図である。
【図16】図1のXVI−XVI断面図である。
【図17】図1のXVII−XVII拡大断面図である。
【図18】図1のXVIII−XVIII拡大断面図である。
【図19】従来のカメラの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態である機器の外装構造を適用したカメラについて、図1〜18を用いて説明する。
【0011】
本発明の一実施形態の機器の外装構造を適用するカメラ1は、図1〜4に示すように撮像素子等からなる撮像部や電気制御部等の内部構造部材を内部に備えた電子機器であり、該カメラ1の外装構造を構成する部材として、機器内部本体であるカメラ本体ユニット2と、該カメラ本体ユニット2の外部を覆う複数の外装部材であって、カメラ本体上部を覆うための第一の外装部材である上メタルカバーユニット5と、カメラ本体背面LCD表示部を覆うための第二の外装部材である後メタルカバー9と、カメラ本体左側を覆うための第二の外装部材である左メタルカバー11と、カメラ本体右側を覆うための第二の外装部材である右メタルカバー12と、カメラ本体底面部を覆うための第三の外装部材である下メタルカバー13とを備えている。
【0012】
なお、カメラ1において、図中、装着されるレンズ鏡筒の光軸を「O」で示し、光軸Oと平行な方向をZ方向とし、被写体側を前方、結像側を後方(背面側)とする。また、光軸Oに直交する方向のうち、通常撮影姿勢における左右方向をX方向とし、上下方向をY方向とする。但し、左右は、前方側からカメラ1を見た側を示す。
【0013】
カメラ本体ユニット2は、合成樹脂で形成された前本体3と後本体4とからなり、上面凸部2cの下方に設けられ、第一の表面を形成するXZ平面に沿った前方上面部3hおよび後方凹状平面部4i(図7)と、上記第一の表面の延長面と交差する第二の表面を形成する左、右側面部2a,2bおよびカメラ背面のLCD保持枠部4fの表面と、さらに、上記第一の表面とで上記第二の表面を挟んで、上記第一の表面の法線が交わるXZ平面に沿った第三の表面を形成する底面部2dとを備えている。前本体3と後本体4とは、その内部に撮像部、電気制御部、LCD表示部等のカメラ構成部材が収納された状態で4本のビス51〜54により一体結合される(図5〜10)。
【0014】
前本体3の前面部開口部3aに交換式レンズ鏡筒が装着されるレンズマウント15が撮像部を支持する撮像本体(図示せず)を介して光軸Oを中心にして固着されている。そして、前本体3の上面部には、レリーズスイッチ操作釦16、モード設定スイッチ、さらに、フラッシュシュー17等が配される。左側面部にはUBS接続端子、AV接続端子用開閉蓋31が配される。左右の上方端部にハンドストラップ金具33,34が装着される。
【0015】
なお、前本体3の前面部は、レンズマウント15の中心(光軸O)に向けて僅かに前方に傾斜する左右傾斜平面3v,3wを形成している。また、前本体3の前面部に装着されるレンズマウント15は、左、右円周溝15a,15bを有しており、該左、右円周溝15a,15bそれぞれが前本体3の左右傾斜平面3v,3wの延長面から所定の隙間をもって配されている(図7)。
【0016】
後本体4の背面部の凸状LCD保持枠部4fにはLCD表示部19が固着して配され、その左方側(図6では右側)に操作スイッチ釦群が配されている。
【0017】
上メタルカバーユニット5は、上メタルカバー6と、前飾板7および後飾板8とからなり、上記他の外装部材に先立ってカメラ本体ユニット2に固着される(図3,4,11)。
【0018】
後飾板8は、左右に延び、L字断面を有する金属製の部材であり、後本体4の凹状平面部4iに当接可能な段状下端面8gと、後メタルカバー9の上端面9nに当接可能な凹状の切り欠き面8iと、左、右メタルカバー11,12に当接可能なXZ平面に沿った下端面8e,8fと、段状下端面8g上に配される締結用穴としてのビス挿通穴8c,8dとを備えている(図3,4)。
【0019】
上メタルカバー6は、左右に延びる上方凸形状の金属製の部材であり、前側下端面6iと、下端面6iに対して上方に切り欠かれた背面側下端面6jと、上面部に配されるレリーズ釦挿入開口部6bと、フラッシュシューカバー装着開口部6aと、背面に配される締結用穴としてのビス挿通穴6g,6hと、下方に突出して配される舌状突起部に配される締結用穴としてのビス挿通穴6c〜6fとを備えている。この上メタルカバー6には前飾板7が接着固定される(図3,4)。
【0020】
前飾板7は、左右に延び、表面にクロムメッキが施された合成樹脂製の枠部材であって、前本体3の前方上面部3hに当接可能な下端面7iと、下端面7iの裏面側(上側)に沿って配される溝7aと、レンズマウント15の外周面上部に密着可能な凹状円弧面部7jと、アース接続用としてのビス挿通穴7e,7gとを左右に備えている(図3,4)。
【0021】
後メタルカバー9は、金属製の四角形状枠部材であり、後本体4の凸状LCD保持枠部4fにXY平面上に載置され、LCD保持枠部4fの外周に対して上下に僅かな嵌合隙間のある状態で嵌入可能とする。そして、上、下、右端部から突出するアース接続片部が配されている(図3,4)。
【0022】
左メタルカバー11は、カメラ本体ユニット2の左側面2a、左傾斜前面部3vのXZ断面形状に合わせて折り曲げられた金属製の部材であり、前面部にはグリップ部11aが固着されている。
【0023】
この左メタルカバー11は、XZ平面に沿った平行な上、下端面11k,11m、および、Y方向に沿った直線状の背面側端面11dを有し、さらに、前面側先端部にレンズマウント15の左円周溝15aと係合可能な3つの突起部11cを有する円弧状段差部11bと、側面部に上下2つの締結用穴であるビス挿通穴11e,11fと、下部に突出するアース接続片部11g,11iとを備えている(図3,4)。
【0024】
右メタルカバー12は、カメラ本体ユニット2の右側面2b、右傾斜前面部3wのXZ断面形状に合わせて折り曲げられた金属製の部材である。
【0025】
この右メタルカバー12は、XZ平面に沿った平行な上、下端面12k,12m、および、Y方向に沿った直線状の背面側端面12dを有し、さらに、前面側先端部には、組み付け状態でレンズマウント15の右円周溝15bと係合可能な4つの突起部12cを有する円弧状段差部12bと、側面部に締結用穴であるビス挿通穴12eと、下部に突出するアース接続片部12g,12iとを備えている(図3,4)。
【0026】
下メタルカバー13は、左右に延びる略長方形の凹形状の金属製の部材であり、XZ平面に沿った上端面13c、および、上端面13cから下方に凹んだ切り欠き部13bと、組み付け状態でレンズマウント15の外径部と密着可能な凹状円弧面部13aと、底面部に締結用穴であるビス挿通穴13d〜13jとを備えている(図3,4)。
【0027】
次にカメラ本体ユニット2に対して上述した各外装部材を組み付ける手順にて、まず、上メタルカバーユニット5を組み付ける手順から説明する。
【0028】
上メタルカバーユニット5において、後飾板8は、上メタルカバー6および前飾板7よりも先にカメラ本体ユニット2の上部背面側に取り付けられる。そして、後飾板8の取り付け時に後メタルカバー9のアース接続片部9a,9c,9eを後本体4に対して後飾板8、上メタルカバー6と共締めにより装着する必要がある。
【0029】
すなわち、後飾板8をカメラ本体ユニット2に固着する場合、まず、後メタルカバー9を後本体4のLCD保持枠部4fに後メタルカバー9を被せ、アース接続片部9a,9c,9eを後本体4の後方上平面部4jに配されている凹面部4c,4d,4eに載せる。続いて、後飾板8の左右に延びる平面部に配される僅かな段差を持つ段状下端面8gを後本体4の後方上平面部4jの前側の僅かに凹む凹状平面部4iに当接させて載置する。その状態では、後メタルカバー9のアース接続片部9a,9c,9eの上面側に段状下端面部8gが位置する。上記載置状態にて、ビス36,37を段状下端面部8gに配されるビス挿通穴8c,8dに、さらに、アース接続片部9aのビス挿通穴9b,アース接続片部9eのビス挿通穴9fにそれぞれ挿通させ、後本体4の凹面部4c,4e上のネジ穴4g,4hに螺着し、固定する(図3,4,7)。但し、図7においては、操作部材、その他の部材を除いて示している。
【0030】
上記固定状態で後飾板8は、段状下端面部8gが後本体4の凹状平面部4iに密着し、後飾板8の下面(カメラ本体側の面)が後本体4の後方上平面部4jに対して僅かな隙間をもって保持される。従って、後飾板8はカメラ本体2に対してその上面が変形することなく正しく装着固定される(図11,17)。
【0031】
なお、後メタルカバー9のアース接続片部9a,9c,9e,9gは、剛性が低く、上述のように該アース接続片部がビスにより共締め状態で固定されたとしても後メタルカバー9自体は、XY平面上、完全には固定されず、LCD保持枠部4fに対する隙間分は微少変位可能である。
【0032】
前飾板7は、上メタルカバー6の前方下端面6iを前飾板7の溝7aに挿入し、当て付けた状態で前飾板7と上メタルカバー6とを接着固定して一体化される(図3、4)。
【0033】
上記前飾板7と上メタルカバー6との上述した一体化状態では、上メタルカバー6のビス挿通穴6c,6d,6e,6fが設けられた舌状凸部が前飾板7の貫通穴7c,7d,7f,7hを貫通して前飾板7の下端面7iから下方に突出した状態になっている。また、前飾板7には貫通穴7f,7hに沿って下方に突出するビス挿通穴7e,7gが設けられる舌状凸部が配されており、上記接着固定状態では、上メタルカバー6の上記舌状凸部と前飾板7の上記舌状凸部とが重なり、共締め可能な状態になる。
【0034】
前飾板7が接着固定された上メタルカバー6を上述した後飾板8が装着済みのカメラ本体ユニット2の上面凸部2cに嵌入させ、前飾板7の下端面7iを前本体3の前方上面部3hに当て付け、同時に上メタルカバー6の背面側下端面6jを後飾板8の段状下端面部8gの上面部8hに当て付ける(図11〜13,17)。該当て付け状態にて、ビス45,46を上メタルカバー6から前飾板7を貫通して突出しているビス挿通穴6c,6dに挿通させ、前本体3の前面上部に配されるネジ穴3b,3cに螺着し、固定する(図3,16)。但し、ビス45,46は、アース接続用接片21,22のビス挿通穴も同時に挿通させ、共締め状態で固定支持する。
【0035】
また、ビス43,44を上メタルカバー6の左右側面部のビス挿通穴6e,6fおよび前飾板7のビス挿通穴7e,7g、さらに、後メタルカバー9のアース接続片部9gのビス挿通穴9iにそれぞれ挿通させ、前本体3の左右側面上方部に配されるネジ穴3j,3pに螺着し、それぞれ共締め状態で固定する(図3〜6,16,17)。なお、前本体3のネジ穴3jの表面上にはカメラ制御回路部(図示せず)のアースラインに接続されるアース接続板20が固定配置されている(図9)。従って、ビス43の螺着により上メタルカバーユニット5は、上記カメラ制御回路部のアースラインに対して接続状態となる。
【0036】
またさらに、上記当て付け状態でビス41,42を上メタルカバー6の背面側のビス挿通穴6g,6hに挿通させ、後本体4の背面上部に配されるネジ穴4a,4bに螺着し、固定する。但し、ビス42は、後メタルカバー9のアース接続片部9cのビス挿通穴9dも挿通しており、アース接続片部9cが共締め状態で固定される(図3〜6,16)。
【0037】
なお、ビス挿通穴6c,6d,6e,6f,6g,6hは、上述した前飾板7と前本体3との密着状態、さらに、上メタルカバー6と後飾板8との密着状態を許容するため、各ビスに対して少なくともY方向に遊嵌寸法を有している。
【0038】
上述のようにカメラ本体2へ前飾板7と上メタルカバー6および後飾板8が取り付けられた固定状態においては、上メタルカバー6の内部下面が前本体3の上面部3iや後本体4の上面部4vに対して僅かな隙間をもって配されている。従って、上メタルカバー6を大きく変形させることなく、前飾板7の下端面7iが前本体3の前方上面部3hに対して密着する状態が得られ、さらに、上メタルカバー6の背面側下端面6jを後飾板8の段状下端面8gの上面部8hに密着する状態が得られる(図17)。
【0039】
なお、上述の固定状態において、前飾板7の凹状円弧面部7jは、レンズマウント15の外周面上部に隙間なく位置決めされる。また、前飾板7の下端面7iと後飾板8の下端面8eおよび8fとは、同一XZ平面上に段差が生じることなく位置する。
【0040】
その後、フラッシュシュー17およびシューカバー18を上メタルカバー6の開口部6aに装着し、共締め状態で固定する。
【0041】
上述したように上メタルカバー6,前飾板7,後飾板8からなる上メタルカバーユニット5は、前飾板7の下端面7iや上メタルカバー6の背面側下端面6jの隙間が生じない状態でカメラ本体ユニット2の上面凸部2cに組み付けることができる。また、上メタルカバー6,前飾板7,後飾板8、さらに、後メタルカバー9は、互いにアース接続された状態に保たれる。
【0042】
続いて、上メタルカバーユニット5が装着された状態のカメラ本体ユニット2の左、右側面部2a,2bに左メタルカバー11および右メタルカバー12を取り付ける(図11)。
【0043】
左メタルカバー11をカメラ本体ユニット2の左側面部2a側から挿入し、背面側端面11dを後本体4のY方向に沿った溝4n(図9)に嵌入させる。同時に左メタルカバー11の前面側を前本体3の前面部の左傾斜平面3vに沿って挿入し、円弧状段差部11bおよび該段差部内周に配される3つの係合突起部11cをレンズマウント15の左円周溝15aに嵌入、係合させる。
【0044】
上述のように左メタルカバー11をカメラ本体ユニット2の左方側に挿入してビス47,48をビス挿通穴11e,11fに挿通させ、前本体3のネジ穴3k,3mに螺合させる。そのとき、左メタルカバー11を上方に押圧して、上端面11kを前飾板7の下端面7iおよび後飾板8の下端面8eに当て付けた状態に保って、ビス47,48を締め込み、固定する(図11,14,15)。
【0045】
なお、ビス挿通穴11e,11fは、ビス47,48に対して上端面11kと下端面7i,8eとの当接を許容する少なくともY方向の遊嵌寸法を有している。
【0046】
また、左メタルカバー11のビス挿通穴11e,11fは、ビス頭の厚みに相当する分だけ内側に突出したそれぞれのエンボス凸部に設けられている。一方、前本体3のネジ穴3k,3mは、前本体3の各凹面部に設けられており、上記各エンボス凸部が前本体3の上記各凹面部に当接した状態で左メタルカバー11の内面は、左側面部2aに当接するか、僅かな隙間のある状態で保持される。
【0047】
さらに、左メタルカバー11をカメラ本体ユニット2の左側から挿入した状態では、左メタルカバー11の裏面上部が前本体3の前面に配されるアース接続用接片21に圧接し、左メタルカバー11と上メタルカバーユニット5側とがアース接続された状態に保持される。また、ビス47,48の螺着によって前本体3のネジ穴3k,3mの配設面上に配されるアース接続板20(図9)を介して左メタルカバー11が上記カメラ制御回路部のアースラインに接続される。
【0048】
右メタルカバー12をカメラ本体ユニット2の右側面部2b側から挿入し、背面側端面12dを後メタルカバー9の切り欠き9q(図13)に挿通し、後本体4のY方向に沿った溝4p(図10)に嵌入させる。同時に右メタルカバー12の前面側を前本体3の前面部の右傾斜平面3wに沿って挿入し、円弧状段差部12bおよび該段差部の内周に配される4つの係合突起部12cをレンズマウント15の右円周溝15bに嵌入、係合させる。
【0049】
上述のように右メタルカバー12をカメラ本体ユニット2の右方側に挿入し、ビス49をビス挿通穴12e、さらに、後メタルカバー9のアース接続片部9gのビス挿通穴9hに挿通させて前本体3のネジ穴3qに螺合させる。そのとき、右メタルカバー12を上方に押圧して、上端面12kを前飾板7の下端面7iおよび後飾板8の下端面8fに当て付けた状態に保って、ビス49を締め込み、固定する(図11,14,15)。
【0050】
なお、ビス挿通穴12eは、ビス49に対して上端面12kと下端面7i,8fとの当接を許容する少なくともY方向の遊嵌寸法を有している。
【0051】
また、右メタルカバー12のビス挿通穴12eは、ビス頭の厚みに相当する分だけ内側に突出したエンボス凸部に設けられている。前本体3のネジ穴3qは、前本体3の凹面部に設けられており、上記エンボス凸部が前本体3の上記凹面部に当接した状態で右メタルカバー12の内面は、右側面部2bに当接するか、僅かな隙間のある状態で保持される。
【0052】
さらに、右メタルカバー12をカメラ本体ユニット2の右側から挿入した状態では、左メタルカバー12の裏面上部が前本体3の前面に配されるアース接続用接片22に圧接し、右メタルカバー12と上メタルカバーユニット5側とがアース接続された状態に保持される。
【0053】
上述のようにカメラ本体ユニット2の両側面に左メタルカバー11および右メタルカバー12を装着し、固定した状態においては、上メタルカバーユニット5の下端面7i,8e,8fと左メタルカバー11の上端面11kおよび右メタルカバー12の上端面12kとは、それぞれが隙間のない当て付け状態になっており、左メタルカバー11および右メタルカバー12の前面部は、レンズマウント15に対してガタつきのない状態に保持され、さらに、左メタルカバー11の下端面11mと右メタルカバー12の下端面12mとは、同一XZ平面上に位置している(図14,15)。また、左メタルカバー11および右メタルカバー12は、上メタルカバーユニット5に対して確実にアース接続された状態に保持される。
【0054】
左メタルカバー11および右メタルカバー12の装着後、後メタルカバー9を上方に押圧して上端面9nを後飾板8の切り欠き面8iに当て付けた状態に保持する。その保持状態で後メタルカバー9を予めその内部に塗布されている接着により後本体4のLCD保持枠部4fに対して接着固定する。但し、この後メタルカバー9の接着固定は、後述するように下メタルカバー13の装着固定後に行ってもよい。
【0055】
続いて、上メタルカバーユニット5と後メタルカバー9および左、右メタルカバー11,12が装着済みのカメラ本体ユニット2の底面部2dに下メタルカバー13が装着、固定される(図1,2,14,15)。
【0056】
すなわち、上記各カバー装着済みカメラ本体ユニット2の底面部2dに下メタルカバー13を嵌め込み、上端面13cを左、右メタルカバー11,12の下端面11m,12mに当て付け、同時に切り欠き部13bを後メタルカバー9の下端面9pに当て付ける。その当て付け状態でビス51〜57をビス挿通穴13d〜13jに挿通し、カメラ本体ユニット2のネジ穴3t,4t,4s,3s,4q,3r,3nに螺合させる。
【0057】
なお、下メタルカバー13のビス挿通穴13d〜13jは、ビス頭の厚みに相当する分だけ上方(内側)に突出した各エンボス凸部に設けられている。一方、前、後本体3,4のネジ穴3t,4t,4s,3s,4q,3r,3nは、それぞれが各凹面部に設けられている。下メタルカバー13をカメラ本体ユニット2の底面部2dに嵌め込み、上端面13cを左、右メタルカバー11,12の下端面11m,12mに単に当接させた状態では、下メタルカバー13の上記各エンボス凸部と前、後本体3,4の上記各凹面部とは僅かな隙間のある状態である。
【0058】
また、ビス51〜57のうち、ビス51,54,55,56,57は、上述した下メタルカバー13の各ビス挿通穴13d,13g,13h,13i,13jを挿通し、さらに、左メタルカバー11,後メタルカバー9,右メタルカバー12の各アース接続片部11g,11i,9j,12g,12iのビス挿通穴11h,11j,9k,12j,12hを挿通して螺着する。すなわち、共締め状態とする(図4,15)。後メタルカバー9や左、右メタルカバー11,12の上記ビス挿通穴が設けられているアース接続片部9j,11g,11i,12g,12iが薄板部材で形成されているので、上記共締めによる後メタルカバー9や左、右メタルカバー11,12の固定位置に対する影響はない。
【0059】
そこで、ビス51〜57を締め込み、締結固定する。その締め込みにより下メタルカバー13の底面部が外観上、見栄えを落とすことなく僅かに変形し、上端面13cが左、右メタルカバー11,12の下端面11m,12mに隙間なく当接する。同時に切り欠き部13bも後メタルカバー9の下端面9pに隙間なく当接する。
【0060】
なお、上記締め込み固定状態において、前本体3の底面部3u,後本体4の底面部4uと下メタルカバー13の内面(上面部)とは僅かな隙間を残しており、下メタルカバー13の上端面13c,切り欠き部13bと下端面11m,12m,9pと確実に密着する状態が得られる。また、下メタルカバー13の凹状円弧面部13aもレンズマウント15の外周部に隙間なく位置する。そして、下メタルカバー13は、左、右メタルカバー11,12および後メタルカバー9に対してアース接続された状態となる。
【0061】
後メタルカバー9が未だ後本体4のLCD保持枠部4fに接着固定されていない場合には、上記ビス51〜57の締め込みによって後メタルカバー9の上端面9nが後飾板8の切り欠き面8iに、さらに、下メタルカバー13の切り欠き部13bが後メタルカバー9の下端面9pにそれぞれ隙間なく当接する。上記ビス51〜57の締め込み後、塗布済みの接着剤を固形化させ、後メタルカバー9を固定状態とする。
【0062】
上述した本実施形態のカメラ1の外装構造では、カメラ本体ユニット2に対して各外装部材を上方側から順次、接合隙間を取り除きながら締結固定することができる。すなわち、上方側に上メタルカバーユニット5が装着されたカメラ本体ユニット2に左、右メタルカバー11,12を固着するとき、上メタルカバーユニット5との接合隙間がないように当て付けてビスにより締結固定する。さらに、下メタルカバー13をカメラ本体ユニット2の底面部2dにビスにより締結するときのビス締め付けより左、右メタルカバー11,12との接合隙間のない状態として固定することができる。また、後メタルカバー9は、カメラ本体ユニット2に接着固定するとき、上メタルカバーユニット5との接合隙間のない状態で接着するか、あるいは、下メタルカバー13をカメラ本体ユニット2の底面部2dにビスにより締結するときのビス締め付けより接合隙間のない状態として固定することができる。
【0063】
上述のように本実施形態のカメラ1の外装構造によれば、カメラ本体ユニット2に対して各外装部材を接合隙間を取り除きながら締結固定することができ、見栄えのよい外装を得ることができる。
【0064】
この発明は、上記各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明による機器の外装構造は、内部に構造物を有する機器の外装を構成する外装構造において、外装部材間の隙間が生じることなく組み付けることが可能であって、外観上の見栄えもよい機器の外装構造として利用可能である。
【符号の説明】
【0066】
2 …カメラ本体ユニット(機器内部本体)
2a…カメラ本体ユニットの左側面部(第二の表面)
2b…カメラ本体ユニットの右側面部(第二の表面)
2d…カメラ本体ユニットの底面部(第三の表面)
3 …前本体(機器内部本体)
3h…前方上面部(第一の表面)
4 …後本体(機器内部本体)
4f…後本体のLCD保持枠部(第二の表面)
4i…凹状平面部(第一の表面)
5 …上メタルカバーユニット(第一の外装部材)
6 …上メタルカバー(第一の外装部材)
7 …前飾板(第一の外装部材)
8 …後飾板(第一の外装部材)
9 …後メタルカバー(第二の外装部材)
11…左メタルカバー(第二の外装部材)
11e,11f,12e
…ビス挿通穴(締結用穴)
12…右メタルカバー(第二の外装部材)
13…下メタルカバー(第三の外装部材)
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に構造物を有する機器の外観を構成する外装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内部に構造物を有する機器、例えば、電子カメラ等の電子機器の外装を構成する外装構造を有するものとして、特許文献1に開示された電子機器としての電子カメラ100は、図23の電子カメラ断面図に示すように撮影レンズ104,106、ミラー105、撮像素子107等を内蔵する外装として前外装カバー101および後外装カバー102を備えている。前外装カバー101と後外装カバー102とは、該外装カバーの外周を囲むH型断面の枠状外装部材103を挟み込む状態で接合固着される。この電子カメラ101の外装構造によれば、前外装カバー101と後外装カバー102とを容易に接合隙間のない状態で組み付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−310949公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した特許文献1に開示された電子カメラ101の外装構造では、必ずしも必要部材ではない枠状外装部材103を用いなければならず、部品コスト上は、不利となる。また、枠状外装部材103が表面に露出しており、機器外観上、見方によっては好ましいとはいえない。
【0005】
本発明は、上述の不具合を解決するためになされたものであり、内部に構造物を有する機器の外装を構成する外装構造において、外装部材間の隙間が生じることなく組み付けることが可能であって、外観上の見栄えのよい機器の外装構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の機器の外装構造の1つは、内部に構造物を有する機器の外装を構成する外装構造において、カメラ内部本体と、上記カメラ内部本体の一表面である第一の表面に載置固定された第一の外装部材と、上記カメラ内部本体の上記第一の表面と異なり、上記第一の表面の延長面と交わる第二の表面に載置され、上記第一の外装部材に向かって当て付けられて上記カメラ内部本体に固定された第二の外装部材と、上記カメラ内部本体の上記第一の表面と上記第二の表面と異なり、上記第一の表面とで上記第二の表面を挟んで、上記第一の表面の法線が交わる第三の表面に載置され、上記第二の外装部材に向かって当て付けられて上記機器内部本体に固定された第三の外装部材とを具備している。
【0007】
本発明の機器の外装構造の他の1つは、内部に構造物を有する機器の外装を構成する外装構造において、機器内部本体と、上記機器内部本体の上面に載置固定された第一の外装部材と、上記機器内部本体の側面に載置され、上記第一の外装部材に対して下方から上方に向かって当て付けられて固定された第二の外装部材と、上記機器内部本体の下面に載置され、上記第二の外装部材に対し下方から上方に向かって当て付けられて固定された第三の外装部材とを具備している。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、内部に構造物を有する機器の外装を構成する外装構造において、外装部材間の隙間が生じることなく組み付けることが可能であり、外観上の見栄えのよい機器の外装構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の機器の外装構造を適用するカメラの外観を前面側から見た外観斜視図
【図2】図1のカメラの外観を背面側から見た外観斜視図である。
【図3】図1のカメラのカメラ本体ユニットと外装部材との前面側から見た分解斜視図であって、図中、P1−P1は、図1のXVII−XVII断面に沿った断面ラインを示し、P2−P2は、図1のXVIII−XVIII断面に沿った断面ラインを示し、P3−P3は、図1のXVI−XVI断面に沿った断面ラインを示す。
【図4】図1のカメラのカメラ本体ユニットと外装部材との背面側から見た分解斜視図である。
【図5】図1のカメラのカメラ本体ユニットの正面図であって、図中、P3−P3は、図1のXVI−XVI断面に沿った断面ライン示す。
【図6】図1のカメラのカメラ本体ユニットの背面図である。
【図7】図1のカメラのカメラ本体ユニットの平面図であって、図中、P1−P1は、図1のXVII−XVII断面に沿った断面ラインを示し、P2−P2は、図1のXVIII−XVIII断面に沿った断面ラインを示す。
【図8】図1のカメラのカメラ本体ユニットの下面図であって、図中、P1−P1は、図1のXVII−XVII断面に沿った断面ラインを示し、P2−P2は、図1のXVIII−XVIII断面に沿った断面ラインを示す。
【図9】図1のカメラのカメラ本体ユニットの左側面図である。
【図10】図1のカメラのカメラ本体ユニットの右側面図である。
【図11】図1のカメラにおける上メタルカバーユニット装着状態のカメラ本体ユニットと他の外装部材との分解斜視図である。
【図12】図11の上メタルカバーユニット装着状態のカメラ本体ユニットの正面図である。
【図13】図11の上メタルカバーユニット装着状態のカメラ本体ユニットの背面図である。
【図14】外装部材である上メタルカバーユニット、後メタルカバー、左右メタルカバー装着状態のカメラ本体ユニットと下メタルカバー(外装部材)との前面側から見た分解斜視図である。
【図15】外装部材である上メタルカバーユニット、後メタルカバー、左右メタルカバー装着状態のカメラ本体ユニットと下メタルカバー(外装部材)との背面側から見た分解斜視図である。
【図16】図1のXVI−XVI断面図である。
【図17】図1のXVII−XVII拡大断面図である。
【図18】図1のXVIII−XVIII拡大断面図である。
【図19】従来のカメラの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態である機器の外装構造を適用したカメラについて、図1〜18を用いて説明する。
【0011】
本発明の一実施形態の機器の外装構造を適用するカメラ1は、図1〜4に示すように撮像素子等からなる撮像部や電気制御部等の内部構造部材を内部に備えた電子機器であり、該カメラ1の外装構造を構成する部材として、機器内部本体であるカメラ本体ユニット2と、該カメラ本体ユニット2の外部を覆う複数の外装部材であって、カメラ本体上部を覆うための第一の外装部材である上メタルカバーユニット5と、カメラ本体背面LCD表示部を覆うための第二の外装部材である後メタルカバー9と、カメラ本体左側を覆うための第二の外装部材である左メタルカバー11と、カメラ本体右側を覆うための第二の外装部材である右メタルカバー12と、カメラ本体底面部を覆うための第三の外装部材である下メタルカバー13とを備えている。
【0012】
なお、カメラ1において、図中、装着されるレンズ鏡筒の光軸を「O」で示し、光軸Oと平行な方向をZ方向とし、被写体側を前方、結像側を後方(背面側)とする。また、光軸Oに直交する方向のうち、通常撮影姿勢における左右方向をX方向とし、上下方向をY方向とする。但し、左右は、前方側からカメラ1を見た側を示す。
【0013】
カメラ本体ユニット2は、合成樹脂で形成された前本体3と後本体4とからなり、上面凸部2cの下方に設けられ、第一の表面を形成するXZ平面に沿った前方上面部3hおよび後方凹状平面部4i(図7)と、上記第一の表面の延長面と交差する第二の表面を形成する左、右側面部2a,2bおよびカメラ背面のLCD保持枠部4fの表面と、さらに、上記第一の表面とで上記第二の表面を挟んで、上記第一の表面の法線が交わるXZ平面に沿った第三の表面を形成する底面部2dとを備えている。前本体3と後本体4とは、その内部に撮像部、電気制御部、LCD表示部等のカメラ構成部材が収納された状態で4本のビス51〜54により一体結合される(図5〜10)。
【0014】
前本体3の前面部開口部3aに交換式レンズ鏡筒が装着されるレンズマウント15が撮像部を支持する撮像本体(図示せず)を介して光軸Oを中心にして固着されている。そして、前本体3の上面部には、レリーズスイッチ操作釦16、モード設定スイッチ、さらに、フラッシュシュー17等が配される。左側面部にはUBS接続端子、AV接続端子用開閉蓋31が配される。左右の上方端部にハンドストラップ金具33,34が装着される。
【0015】
なお、前本体3の前面部は、レンズマウント15の中心(光軸O)に向けて僅かに前方に傾斜する左右傾斜平面3v,3wを形成している。また、前本体3の前面部に装着されるレンズマウント15は、左、右円周溝15a,15bを有しており、該左、右円周溝15a,15bそれぞれが前本体3の左右傾斜平面3v,3wの延長面から所定の隙間をもって配されている(図7)。
【0016】
後本体4の背面部の凸状LCD保持枠部4fにはLCD表示部19が固着して配され、その左方側(図6では右側)に操作スイッチ釦群が配されている。
【0017】
上メタルカバーユニット5は、上メタルカバー6と、前飾板7および後飾板8とからなり、上記他の外装部材に先立ってカメラ本体ユニット2に固着される(図3,4,11)。
【0018】
後飾板8は、左右に延び、L字断面を有する金属製の部材であり、後本体4の凹状平面部4iに当接可能な段状下端面8gと、後メタルカバー9の上端面9nに当接可能な凹状の切り欠き面8iと、左、右メタルカバー11,12に当接可能なXZ平面に沿った下端面8e,8fと、段状下端面8g上に配される締結用穴としてのビス挿通穴8c,8dとを備えている(図3,4)。
【0019】
上メタルカバー6は、左右に延びる上方凸形状の金属製の部材であり、前側下端面6iと、下端面6iに対して上方に切り欠かれた背面側下端面6jと、上面部に配されるレリーズ釦挿入開口部6bと、フラッシュシューカバー装着開口部6aと、背面に配される締結用穴としてのビス挿通穴6g,6hと、下方に突出して配される舌状突起部に配される締結用穴としてのビス挿通穴6c〜6fとを備えている。この上メタルカバー6には前飾板7が接着固定される(図3,4)。
【0020】
前飾板7は、左右に延び、表面にクロムメッキが施された合成樹脂製の枠部材であって、前本体3の前方上面部3hに当接可能な下端面7iと、下端面7iの裏面側(上側)に沿って配される溝7aと、レンズマウント15の外周面上部に密着可能な凹状円弧面部7jと、アース接続用としてのビス挿通穴7e,7gとを左右に備えている(図3,4)。
【0021】
後メタルカバー9は、金属製の四角形状枠部材であり、後本体4の凸状LCD保持枠部4fにXY平面上に載置され、LCD保持枠部4fの外周に対して上下に僅かな嵌合隙間のある状態で嵌入可能とする。そして、上、下、右端部から突出するアース接続片部が配されている(図3,4)。
【0022】
左メタルカバー11は、カメラ本体ユニット2の左側面2a、左傾斜前面部3vのXZ断面形状に合わせて折り曲げられた金属製の部材であり、前面部にはグリップ部11aが固着されている。
【0023】
この左メタルカバー11は、XZ平面に沿った平行な上、下端面11k,11m、および、Y方向に沿った直線状の背面側端面11dを有し、さらに、前面側先端部にレンズマウント15の左円周溝15aと係合可能な3つの突起部11cを有する円弧状段差部11bと、側面部に上下2つの締結用穴であるビス挿通穴11e,11fと、下部に突出するアース接続片部11g,11iとを備えている(図3,4)。
【0024】
右メタルカバー12は、カメラ本体ユニット2の右側面2b、右傾斜前面部3wのXZ断面形状に合わせて折り曲げられた金属製の部材である。
【0025】
この右メタルカバー12は、XZ平面に沿った平行な上、下端面12k,12m、および、Y方向に沿った直線状の背面側端面12dを有し、さらに、前面側先端部には、組み付け状態でレンズマウント15の右円周溝15bと係合可能な4つの突起部12cを有する円弧状段差部12bと、側面部に締結用穴であるビス挿通穴12eと、下部に突出するアース接続片部12g,12iとを備えている(図3,4)。
【0026】
下メタルカバー13は、左右に延びる略長方形の凹形状の金属製の部材であり、XZ平面に沿った上端面13c、および、上端面13cから下方に凹んだ切り欠き部13bと、組み付け状態でレンズマウント15の外径部と密着可能な凹状円弧面部13aと、底面部に締結用穴であるビス挿通穴13d〜13jとを備えている(図3,4)。
【0027】
次にカメラ本体ユニット2に対して上述した各外装部材を組み付ける手順にて、まず、上メタルカバーユニット5を組み付ける手順から説明する。
【0028】
上メタルカバーユニット5において、後飾板8は、上メタルカバー6および前飾板7よりも先にカメラ本体ユニット2の上部背面側に取り付けられる。そして、後飾板8の取り付け時に後メタルカバー9のアース接続片部9a,9c,9eを後本体4に対して後飾板8、上メタルカバー6と共締めにより装着する必要がある。
【0029】
すなわち、後飾板8をカメラ本体ユニット2に固着する場合、まず、後メタルカバー9を後本体4のLCD保持枠部4fに後メタルカバー9を被せ、アース接続片部9a,9c,9eを後本体4の後方上平面部4jに配されている凹面部4c,4d,4eに載せる。続いて、後飾板8の左右に延びる平面部に配される僅かな段差を持つ段状下端面8gを後本体4の後方上平面部4jの前側の僅かに凹む凹状平面部4iに当接させて載置する。その状態では、後メタルカバー9のアース接続片部9a,9c,9eの上面側に段状下端面部8gが位置する。上記載置状態にて、ビス36,37を段状下端面部8gに配されるビス挿通穴8c,8dに、さらに、アース接続片部9aのビス挿通穴9b,アース接続片部9eのビス挿通穴9fにそれぞれ挿通させ、後本体4の凹面部4c,4e上のネジ穴4g,4hに螺着し、固定する(図3,4,7)。但し、図7においては、操作部材、その他の部材を除いて示している。
【0030】
上記固定状態で後飾板8は、段状下端面部8gが後本体4の凹状平面部4iに密着し、後飾板8の下面(カメラ本体側の面)が後本体4の後方上平面部4jに対して僅かな隙間をもって保持される。従って、後飾板8はカメラ本体2に対してその上面が変形することなく正しく装着固定される(図11,17)。
【0031】
なお、後メタルカバー9のアース接続片部9a,9c,9e,9gは、剛性が低く、上述のように該アース接続片部がビスにより共締め状態で固定されたとしても後メタルカバー9自体は、XY平面上、完全には固定されず、LCD保持枠部4fに対する隙間分は微少変位可能である。
【0032】
前飾板7は、上メタルカバー6の前方下端面6iを前飾板7の溝7aに挿入し、当て付けた状態で前飾板7と上メタルカバー6とを接着固定して一体化される(図3、4)。
【0033】
上記前飾板7と上メタルカバー6との上述した一体化状態では、上メタルカバー6のビス挿通穴6c,6d,6e,6fが設けられた舌状凸部が前飾板7の貫通穴7c,7d,7f,7hを貫通して前飾板7の下端面7iから下方に突出した状態になっている。また、前飾板7には貫通穴7f,7hに沿って下方に突出するビス挿通穴7e,7gが設けられる舌状凸部が配されており、上記接着固定状態では、上メタルカバー6の上記舌状凸部と前飾板7の上記舌状凸部とが重なり、共締め可能な状態になる。
【0034】
前飾板7が接着固定された上メタルカバー6を上述した後飾板8が装着済みのカメラ本体ユニット2の上面凸部2cに嵌入させ、前飾板7の下端面7iを前本体3の前方上面部3hに当て付け、同時に上メタルカバー6の背面側下端面6jを後飾板8の段状下端面部8gの上面部8hに当て付ける(図11〜13,17)。該当て付け状態にて、ビス45,46を上メタルカバー6から前飾板7を貫通して突出しているビス挿通穴6c,6dに挿通させ、前本体3の前面上部に配されるネジ穴3b,3cに螺着し、固定する(図3,16)。但し、ビス45,46は、アース接続用接片21,22のビス挿通穴も同時に挿通させ、共締め状態で固定支持する。
【0035】
また、ビス43,44を上メタルカバー6の左右側面部のビス挿通穴6e,6fおよび前飾板7のビス挿通穴7e,7g、さらに、後メタルカバー9のアース接続片部9gのビス挿通穴9iにそれぞれ挿通させ、前本体3の左右側面上方部に配されるネジ穴3j,3pに螺着し、それぞれ共締め状態で固定する(図3〜6,16,17)。なお、前本体3のネジ穴3jの表面上にはカメラ制御回路部(図示せず)のアースラインに接続されるアース接続板20が固定配置されている(図9)。従って、ビス43の螺着により上メタルカバーユニット5は、上記カメラ制御回路部のアースラインに対して接続状態となる。
【0036】
またさらに、上記当て付け状態でビス41,42を上メタルカバー6の背面側のビス挿通穴6g,6hに挿通させ、後本体4の背面上部に配されるネジ穴4a,4bに螺着し、固定する。但し、ビス42は、後メタルカバー9のアース接続片部9cのビス挿通穴9dも挿通しており、アース接続片部9cが共締め状態で固定される(図3〜6,16)。
【0037】
なお、ビス挿通穴6c,6d,6e,6f,6g,6hは、上述した前飾板7と前本体3との密着状態、さらに、上メタルカバー6と後飾板8との密着状態を許容するため、各ビスに対して少なくともY方向に遊嵌寸法を有している。
【0038】
上述のようにカメラ本体2へ前飾板7と上メタルカバー6および後飾板8が取り付けられた固定状態においては、上メタルカバー6の内部下面が前本体3の上面部3iや後本体4の上面部4vに対して僅かな隙間をもって配されている。従って、上メタルカバー6を大きく変形させることなく、前飾板7の下端面7iが前本体3の前方上面部3hに対して密着する状態が得られ、さらに、上メタルカバー6の背面側下端面6jを後飾板8の段状下端面8gの上面部8hに密着する状態が得られる(図17)。
【0039】
なお、上述の固定状態において、前飾板7の凹状円弧面部7jは、レンズマウント15の外周面上部に隙間なく位置決めされる。また、前飾板7の下端面7iと後飾板8の下端面8eおよび8fとは、同一XZ平面上に段差が生じることなく位置する。
【0040】
その後、フラッシュシュー17およびシューカバー18を上メタルカバー6の開口部6aに装着し、共締め状態で固定する。
【0041】
上述したように上メタルカバー6,前飾板7,後飾板8からなる上メタルカバーユニット5は、前飾板7の下端面7iや上メタルカバー6の背面側下端面6jの隙間が生じない状態でカメラ本体ユニット2の上面凸部2cに組み付けることができる。また、上メタルカバー6,前飾板7,後飾板8、さらに、後メタルカバー9は、互いにアース接続された状態に保たれる。
【0042】
続いて、上メタルカバーユニット5が装着された状態のカメラ本体ユニット2の左、右側面部2a,2bに左メタルカバー11および右メタルカバー12を取り付ける(図11)。
【0043】
左メタルカバー11をカメラ本体ユニット2の左側面部2a側から挿入し、背面側端面11dを後本体4のY方向に沿った溝4n(図9)に嵌入させる。同時に左メタルカバー11の前面側を前本体3の前面部の左傾斜平面3vに沿って挿入し、円弧状段差部11bおよび該段差部内周に配される3つの係合突起部11cをレンズマウント15の左円周溝15aに嵌入、係合させる。
【0044】
上述のように左メタルカバー11をカメラ本体ユニット2の左方側に挿入してビス47,48をビス挿通穴11e,11fに挿通させ、前本体3のネジ穴3k,3mに螺合させる。そのとき、左メタルカバー11を上方に押圧して、上端面11kを前飾板7の下端面7iおよび後飾板8の下端面8eに当て付けた状態に保って、ビス47,48を締め込み、固定する(図11,14,15)。
【0045】
なお、ビス挿通穴11e,11fは、ビス47,48に対して上端面11kと下端面7i,8eとの当接を許容する少なくともY方向の遊嵌寸法を有している。
【0046】
また、左メタルカバー11のビス挿通穴11e,11fは、ビス頭の厚みに相当する分だけ内側に突出したそれぞれのエンボス凸部に設けられている。一方、前本体3のネジ穴3k,3mは、前本体3の各凹面部に設けられており、上記各エンボス凸部が前本体3の上記各凹面部に当接した状態で左メタルカバー11の内面は、左側面部2aに当接するか、僅かな隙間のある状態で保持される。
【0047】
さらに、左メタルカバー11をカメラ本体ユニット2の左側から挿入した状態では、左メタルカバー11の裏面上部が前本体3の前面に配されるアース接続用接片21に圧接し、左メタルカバー11と上メタルカバーユニット5側とがアース接続された状態に保持される。また、ビス47,48の螺着によって前本体3のネジ穴3k,3mの配設面上に配されるアース接続板20(図9)を介して左メタルカバー11が上記カメラ制御回路部のアースラインに接続される。
【0048】
右メタルカバー12をカメラ本体ユニット2の右側面部2b側から挿入し、背面側端面12dを後メタルカバー9の切り欠き9q(図13)に挿通し、後本体4のY方向に沿った溝4p(図10)に嵌入させる。同時に右メタルカバー12の前面側を前本体3の前面部の右傾斜平面3wに沿って挿入し、円弧状段差部12bおよび該段差部の内周に配される4つの係合突起部12cをレンズマウント15の右円周溝15bに嵌入、係合させる。
【0049】
上述のように右メタルカバー12をカメラ本体ユニット2の右方側に挿入し、ビス49をビス挿通穴12e、さらに、後メタルカバー9のアース接続片部9gのビス挿通穴9hに挿通させて前本体3のネジ穴3qに螺合させる。そのとき、右メタルカバー12を上方に押圧して、上端面12kを前飾板7の下端面7iおよび後飾板8の下端面8fに当て付けた状態に保って、ビス49を締め込み、固定する(図11,14,15)。
【0050】
なお、ビス挿通穴12eは、ビス49に対して上端面12kと下端面7i,8fとの当接を許容する少なくともY方向の遊嵌寸法を有している。
【0051】
また、右メタルカバー12のビス挿通穴12eは、ビス頭の厚みに相当する分だけ内側に突出したエンボス凸部に設けられている。前本体3のネジ穴3qは、前本体3の凹面部に設けられており、上記エンボス凸部が前本体3の上記凹面部に当接した状態で右メタルカバー12の内面は、右側面部2bに当接するか、僅かな隙間のある状態で保持される。
【0052】
さらに、右メタルカバー12をカメラ本体ユニット2の右側から挿入した状態では、左メタルカバー12の裏面上部が前本体3の前面に配されるアース接続用接片22に圧接し、右メタルカバー12と上メタルカバーユニット5側とがアース接続された状態に保持される。
【0053】
上述のようにカメラ本体ユニット2の両側面に左メタルカバー11および右メタルカバー12を装着し、固定した状態においては、上メタルカバーユニット5の下端面7i,8e,8fと左メタルカバー11の上端面11kおよび右メタルカバー12の上端面12kとは、それぞれが隙間のない当て付け状態になっており、左メタルカバー11および右メタルカバー12の前面部は、レンズマウント15に対してガタつきのない状態に保持され、さらに、左メタルカバー11の下端面11mと右メタルカバー12の下端面12mとは、同一XZ平面上に位置している(図14,15)。また、左メタルカバー11および右メタルカバー12は、上メタルカバーユニット5に対して確実にアース接続された状態に保持される。
【0054】
左メタルカバー11および右メタルカバー12の装着後、後メタルカバー9を上方に押圧して上端面9nを後飾板8の切り欠き面8iに当て付けた状態に保持する。その保持状態で後メタルカバー9を予めその内部に塗布されている接着により後本体4のLCD保持枠部4fに対して接着固定する。但し、この後メタルカバー9の接着固定は、後述するように下メタルカバー13の装着固定後に行ってもよい。
【0055】
続いて、上メタルカバーユニット5と後メタルカバー9および左、右メタルカバー11,12が装着済みのカメラ本体ユニット2の底面部2dに下メタルカバー13が装着、固定される(図1,2,14,15)。
【0056】
すなわち、上記各カバー装着済みカメラ本体ユニット2の底面部2dに下メタルカバー13を嵌め込み、上端面13cを左、右メタルカバー11,12の下端面11m,12mに当て付け、同時に切り欠き部13bを後メタルカバー9の下端面9pに当て付ける。その当て付け状態でビス51〜57をビス挿通穴13d〜13jに挿通し、カメラ本体ユニット2のネジ穴3t,4t,4s,3s,4q,3r,3nに螺合させる。
【0057】
なお、下メタルカバー13のビス挿通穴13d〜13jは、ビス頭の厚みに相当する分だけ上方(内側)に突出した各エンボス凸部に設けられている。一方、前、後本体3,4のネジ穴3t,4t,4s,3s,4q,3r,3nは、それぞれが各凹面部に設けられている。下メタルカバー13をカメラ本体ユニット2の底面部2dに嵌め込み、上端面13cを左、右メタルカバー11,12の下端面11m,12mに単に当接させた状態では、下メタルカバー13の上記各エンボス凸部と前、後本体3,4の上記各凹面部とは僅かな隙間のある状態である。
【0058】
また、ビス51〜57のうち、ビス51,54,55,56,57は、上述した下メタルカバー13の各ビス挿通穴13d,13g,13h,13i,13jを挿通し、さらに、左メタルカバー11,後メタルカバー9,右メタルカバー12の各アース接続片部11g,11i,9j,12g,12iのビス挿通穴11h,11j,9k,12j,12hを挿通して螺着する。すなわち、共締め状態とする(図4,15)。後メタルカバー9や左、右メタルカバー11,12の上記ビス挿通穴が設けられているアース接続片部9j,11g,11i,12g,12iが薄板部材で形成されているので、上記共締めによる後メタルカバー9や左、右メタルカバー11,12の固定位置に対する影響はない。
【0059】
そこで、ビス51〜57を締め込み、締結固定する。その締め込みにより下メタルカバー13の底面部が外観上、見栄えを落とすことなく僅かに変形し、上端面13cが左、右メタルカバー11,12の下端面11m,12mに隙間なく当接する。同時に切り欠き部13bも後メタルカバー9の下端面9pに隙間なく当接する。
【0060】
なお、上記締め込み固定状態において、前本体3の底面部3u,後本体4の底面部4uと下メタルカバー13の内面(上面部)とは僅かな隙間を残しており、下メタルカバー13の上端面13c,切り欠き部13bと下端面11m,12m,9pと確実に密着する状態が得られる。また、下メタルカバー13の凹状円弧面部13aもレンズマウント15の外周部に隙間なく位置する。そして、下メタルカバー13は、左、右メタルカバー11,12および後メタルカバー9に対してアース接続された状態となる。
【0061】
後メタルカバー9が未だ後本体4のLCD保持枠部4fに接着固定されていない場合には、上記ビス51〜57の締め込みによって後メタルカバー9の上端面9nが後飾板8の切り欠き面8iに、さらに、下メタルカバー13の切り欠き部13bが後メタルカバー9の下端面9pにそれぞれ隙間なく当接する。上記ビス51〜57の締め込み後、塗布済みの接着剤を固形化させ、後メタルカバー9を固定状態とする。
【0062】
上述した本実施形態のカメラ1の外装構造では、カメラ本体ユニット2に対して各外装部材を上方側から順次、接合隙間を取り除きながら締結固定することができる。すなわち、上方側に上メタルカバーユニット5が装着されたカメラ本体ユニット2に左、右メタルカバー11,12を固着するとき、上メタルカバーユニット5との接合隙間がないように当て付けてビスにより締結固定する。さらに、下メタルカバー13をカメラ本体ユニット2の底面部2dにビスにより締結するときのビス締め付けより左、右メタルカバー11,12との接合隙間のない状態として固定することができる。また、後メタルカバー9は、カメラ本体ユニット2に接着固定するとき、上メタルカバーユニット5との接合隙間のない状態で接着するか、あるいは、下メタルカバー13をカメラ本体ユニット2の底面部2dにビスにより締結するときのビス締め付けより接合隙間のない状態として固定することができる。
【0063】
上述のように本実施形態のカメラ1の外装構造によれば、カメラ本体ユニット2に対して各外装部材を接合隙間を取り除きながら締結固定することができ、見栄えのよい外装を得ることができる。
【0064】
この発明は、上記各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明による機器の外装構造は、内部に構造物を有する機器の外装を構成する外装構造において、外装部材間の隙間が生じることなく組み付けることが可能であって、外観上の見栄えもよい機器の外装構造として利用可能である。
【符号の説明】
【0066】
2 …カメラ本体ユニット(機器内部本体)
2a…カメラ本体ユニットの左側面部(第二の表面)
2b…カメラ本体ユニットの右側面部(第二の表面)
2d…カメラ本体ユニットの底面部(第三の表面)
3 …前本体(機器内部本体)
3h…前方上面部(第一の表面)
4 …後本体(機器内部本体)
4f…後本体のLCD保持枠部(第二の表面)
4i…凹状平面部(第一の表面)
5 …上メタルカバーユニット(第一の外装部材)
6 …上メタルカバー(第一の外装部材)
7 …前飾板(第一の外装部材)
8 …後飾板(第一の外装部材)
9 …後メタルカバー(第二の外装部材)
11…左メタルカバー(第二の外装部材)
11e,11f,12e
…ビス挿通穴(締結用穴)
12…右メタルカバー(第二の外装部材)
13…下メタルカバー(第三の外装部材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に構造物を有する機器の外装を構成する外装構造において、
機器内部本体と、
上記機器内部本体の一表面である第一の表面に載置固定された第一の外装部材と、
上記機器内部本体の上記第一の表面と異なり、上記第一の表面の延長面と交わる第二の表面に載置され、上記第一の外装部材に向かって当て付けられて上記機器内部本体に固定された第二の外装部材と、
上記機器内部本体の上記第一の表面と上記第二の表面と異なり、上記第一の表面とで上記第二の表面を挟んで、上記第一の表面の法線が交わる第三の表面に載置され、上記第二の外装部材に向かって当て付けられて上記機器内部本体に固定された第三の外装部材と、
を具備したことを特徴とした機器の外装構造。
【請求項2】
内部に構造物を有する機器の外装を構成する外装構造において、
機器内部本体と、
上記機器内部本体の上面に載置固定された第一の外装部材と、
上記機器内部本体の側面に載置され、上記第一の外装部材に対して下方から上方に向かって当て付けられて固定された第二の外装部材と、
上記機器内部本体の下面に載置され、上記第二の外装部材に対し下方から上方に向かって当て付けられて固定された第三の外装部材と、
を具備したことを特徴とした機器の外装構造。
【請求項3】
上記機器内部本体の側面は、複数の上記第二の外装部材により覆われていることを特徴とした上記請求項1または2に記載の機器の外装構造。
【請求項4】
上記第二の外装部材は、上記機器内部本体に対して上下方向において隙間を有することを特徴とした上記請求項1乃至3のいずれかに記載の機器の外装構造。
【請求項5】
上記第二の外装部材は、上記機器内部本体とねじ固定されるための締結用穴を有し、該締結用穴は、少なくとも上下方向に該ねじと遊嵌することを特徴とした上記請求項1乃至4のいずれかに記載の機器の外装構造。
【請求項6】
上記第三の外装部材を上記機器内部本体下面に締結するために上記第二の外装部材に突き当てたとき、上記第三の外装部材と上記機器内部本体下面との間に隙間を有し、該締結が終了した後、上記第三の外装部材は、上記機器内部本体下面方向に撓んでいることを特徴とした上記請求項1乃至5のいずれかに記載の機器の外装構造。
【請求項1】
内部に構造物を有する機器の外装を構成する外装構造において、
機器内部本体と、
上記機器内部本体の一表面である第一の表面に載置固定された第一の外装部材と、
上記機器内部本体の上記第一の表面と異なり、上記第一の表面の延長面と交わる第二の表面に載置され、上記第一の外装部材に向かって当て付けられて上記機器内部本体に固定された第二の外装部材と、
上記機器内部本体の上記第一の表面と上記第二の表面と異なり、上記第一の表面とで上記第二の表面を挟んで、上記第一の表面の法線が交わる第三の表面に載置され、上記第二の外装部材に向かって当て付けられて上記機器内部本体に固定された第三の外装部材と、
を具備したことを特徴とした機器の外装構造。
【請求項2】
内部に構造物を有する機器の外装を構成する外装構造において、
機器内部本体と、
上記機器内部本体の上面に載置固定された第一の外装部材と、
上記機器内部本体の側面に載置され、上記第一の外装部材に対して下方から上方に向かって当て付けられて固定された第二の外装部材と、
上記機器内部本体の下面に載置され、上記第二の外装部材に対し下方から上方に向かって当て付けられて固定された第三の外装部材と、
を具備したことを特徴とした機器の外装構造。
【請求項3】
上記機器内部本体の側面は、複数の上記第二の外装部材により覆われていることを特徴とした上記請求項1または2に記載の機器の外装構造。
【請求項4】
上記第二の外装部材は、上記機器内部本体に対して上下方向において隙間を有することを特徴とした上記請求項1乃至3のいずれかに記載の機器の外装構造。
【請求項5】
上記第二の外装部材は、上記機器内部本体とねじ固定されるための締結用穴を有し、該締結用穴は、少なくとも上下方向に該ねじと遊嵌することを特徴とした上記請求項1乃至4のいずれかに記載の機器の外装構造。
【請求項6】
上記第三の外装部材を上記機器内部本体下面に締結するために上記第二の外装部材に突き当てたとき、上記第三の外装部材と上記機器内部本体下面との間に隙間を有し、該締結が終了した後、上記第三の外装部材は、上記機器内部本体下面方向に撓んでいることを特徴とした上記請求項1乃至5のいずれかに記載の機器の外装構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−286723(P2010−286723A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141415(P2009−141415)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
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