説明

機種設定ユニット及び画像形成装置

【課題】基板を共通化して在庫負担を低減するとともに、別個の機種設定作業を不要にすることができる機種設定ユニット及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】機種情報設定部31は、取付部21、22、23と取付部11、12、13を螺子5で固定した場合、接地レベルの電位を検出し、取付部21、22、23に螺子5を固定していない場合には、所定の電圧Vccを検出する。例えば、機種情報設定部31は、取付部21、22、23の電位が、それぞれVcc、0、0である場合、機種を下位機種であると判定する。また、取付部21、22、23の電位が、それぞれ0、Vcc、0である場合、中位機種であると判定する。また、取付部21、22、23の電位が、それぞれ0、0、Vccである場合、上位機種であると判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器の機種を低コストかつ簡便な作業で設定することができる機種設定ユニット及び該機種設定ユニットを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のインターネットに代表される情報処理の高速化又は情報量の増大化に伴って、デジタル複写機、複合機、プリンタ装置などの画像形成装置は、ユーザの多様なニーズに応えるため、多数の機種が製品化され、また、多くのオプション機能を備えている。
【0003】
このような画像形成装置は、例えば、原稿読取機構、画像処理機構、印字処理機構、用紙搬送制御機構など多くの機構を備え、各機構を構成するための多数の回路基板を搭載している。これらの回路基板をいずれの機種に用いるかの設定には、例えば、チップ抵抗方式が用いられている。これは、回路基板に複数の入力ポートを設け、チップ抵抗を用いて各入力ポートの電圧を所定の電圧又は接地レベルに設定することにより機種を設定するものである。
【0004】
また、回路基板の機種設定には、DIPスイッチ方式がある。DIPスイッチ方式は、回路基板を予め複数の機種で動作可能に設計しておき、DIPスイッチを変更することにより、機種設定を行うものである。
【0005】
また、複数の機種に対応可能なプログラムを記憶した回路基板を、接続端子を備える積層バスバーに連結させ、接続端子の長短に応じた機種信号を取得して機種を設定することができる電子制御ユニットが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−103301号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のチップ抵抗方式にあっては、機種毎に異なる回路基板を予め用意しておく必要があり、回路基板の在庫負担が増大するという問題があった。また、DIPスイッチ方式は、回路基板を共通化することができるものの、回路基板を取り付ける際にDIPスイッチの設定を行う必要があり設定作業が煩雑であるのみならず、誤って機種を設定するおそれもあった。また、特許文献1の例にあっては、機種毎に異なる積層バスバーを予め用意しておく必要があり、また、電子制御ユニットを組み立てる際には、所要の積層バスバーを組み込む必要があり、DIPスイッチによる設定と同様に作業が煩雑であった。そこで、回路基板の在庫負担を増大させることなく作業性を向上させることが望まれていた。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、基板を取付部材に取り付ける取付箇所の電気的接続に応じて機種を設定することにより、基板を共通化して在庫負担を低減するとともに、別個の機種設定作業を不要にすることができる機種設定ユニット及び該機種設定ユニットを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明の他の目的は、基板と取付部材が電気的に接続されていない取付箇所に絶縁部材を備えることにより、確実に機種を設定することができる機種設定ユニット及び該機種設定ユニットを備える画像形成装置を提供する。
【0009】
また、本発明の他の目的は、取付部材の接続部を取り外して基板と取付部材が電気的に接続されないようにすることで、簡単な作業で確実に機種を設定することができる機種設定ユニット及び該機種設定ユニットを備える画像形成装置を提供する。
【0010】
また、本発明の他の目的は、基板と取付部材との取付箇所の電圧を検出し、検出した電圧に応じて機種を設定することにより、簡便な構成で機種を設定することができる機種設定ユニット及び該機種設定ユニットを備える画像形成装置を提供する。
【0011】
また、本発明の他の目的は、基板の取付箇所の電位を接続部材で接地レベルにすることにより、基板を取付部材に取り付けるだけで、別個の設定作業をすることなく機種を設定することができる機種設定ユニット及び該機種設定ユニットを備える画像形成装置を提供する。
【0012】
また、本発明の他の目的は、螺子で基板を取付部材に取り付けるとともに、絶縁部材で螺子を挿通する挿通孔を遮蔽することにより、誤って機種が設定されることを確実に防止することができる機種設定ユニット及び該機種設定ユニットを備える画像形成装置を提供する。
【0013】
また、本発明の他の目的は、基板の取付箇所をスルーホール構造にすることにより、螺子で基板を取り付ける場合に、確実に機種を設定することができる機種設定ユニット及び該機種設定ユニットを備える画像形成装置を提供する。
【0014】
また、本発明の他の目的は、基板を筐体又は該筐体に固定した板状体に取り付ける構造にすることで、取り付け構造を簡単にすることができる機種設定ユニット及び該機種設定ユニットを備える画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る機種設定ユニットは、設定により複数の機種のいずれかに使用可能な基板と、該基板を複数の取付箇所で取り付け可能な金属製の取付部材とを備え、電気機器の機種を設定する機種設定ユニットにおいて、前記基板の取付箇所に導電性パターンを形成してあり、前記取付箇所で前記導電性パターン及び取付部材を電気的に接続する接続部材と、前記取付箇所それぞれの電気的接続に応じていずれかの機種を設定する機種設定手段と を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る機種設定ユニットは、前記接続部材が接続されていない取付箇所に前記基板の導電性パターン及び取付部材を絶縁する絶縁部材を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る機種設定ユニットは、前記取付部材の取付箇所に前記基板の導電性パターンと当接する取り外し可能な接続部を備え、前記接続部材が接続されていない取付箇所で前記接続部を取り外してあることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る機種設定ユニットは、前記基板の各取付箇所に所定の電圧を印加する電圧印加手段と、前記取付箇所それぞれの電圧を検出する電圧検出手段とを備え、前記機種設定手段は、前記電圧検出手段で検出した電圧に応じて機種を設定するように構成してあることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る機種設定ユニットは、前記取付部材は、接地レベルの電位にしてあり、前記接続部材は、前記基板の取付箇所の電位を接地レベルにするように構成してあることを特徴とする。
【0020】
本発明に係る機種設定ユニットは、前記接続部材は、螺子であり、前記基板及び取付部材それぞれは、前記螺子を挿通する挿通孔を備え、前記絶縁部材は、前記挿通孔を遮蔽するように設けてあることを特徴とする。
【0021】
本発明に係る機種設定ユニットは、前記取付箇所で前記基板の両面に導電性パターンを形成してあり、該導電性パターンに接続された導電性パターンを前記挿通孔表面に形成してあることを特徴とする。
【0022】
本発明に係る機種設定ユニットは、前記取付部材は、筐体又は該筐体に固定した板状体であることを特徴とする。
【0023】
本発明に係る画像形成装置は、前述の発明のいずれか1つに係る機種設定ユニットと、該機種設定ユニットで設定した機種に応じた処理を行う画像形成処理部とを備えることを特徴とする。
【0024】
本発明にあっては、接続部材は、基板と取付部材との取付箇所で基板の導電性パターン及び取付部材を電気的に接続する。機種設定手段は、取付箇所それぞれの電気的接続に応じていずれかの機種を設定する。例えば、取付箇所が4箇所ある場合、4箇所の取付箇所のうち、いずれの箇所が電気的に接続されているかに応じて機種を設定することができる。これにより、基板を取付部材に取り付けるだけで機種を設定することができ、基板を共通化して在庫負担を低減するとともに、別個の機種設定作業を不要にすることができる。
【0025】
本発明にあっては、絶縁部材は、基板の導電性パターン及び取付部材を絶縁する。これにより、接続部材が接続されていない取付箇所を絶縁して確実に機種を設定することができる。
【0026】
本発明にあっては、取付部材は、取付箇所で基板の導電性パターンに当接する取り外し可能な接続部を備え、接続部材を取り外すことにより基板の導電性パターンと取付部材との電気的接続を阻止することができる。これにより、簡単な取り外し作業で確実に機種を設定することができる。
【0027】
本発明にあっては、電圧印加手段は、基板の導電性パターンを通じて取付箇所に所定の電圧を印加する。電圧検出手段は取付箇所の電圧を検出する。機種設定手段は検出された電圧に応じて機種を設定する。これにより、簡便な構成で機種を設定することができる。
【0028】
本発明にあっては、取付部材は接地レベルの電位にしてあり、接続部材は、基板を取付部材に取り付けることにより基板の取付箇所の電位を接地レベルにする。これにより、基板を取付部材に取り付けるだけで、別個の設定作業をすることなく機種を設定することができる。
【0029】
本発明にあっては、螺子を基板及び取付部材に設けられた挿通孔に挿通して基板を取付部材に取り付けるとともに、絶縁部材は、挿通孔を遮蔽することにより、誤って機種が設定されることを確実に防止することができる。
【0030】
本発明にあっては、取付箇所で基板の両面に導電性パターンを形成してあり、基板の挿通孔表面に形成された導電性パターンに接続されたスルーホール構造にしてある。これにより、螺子で基板を取り付ける場合に、確実に機種を設定することができる。
【0031】
本発明にあっては、基板を筐体又は該筐体に固定した板状体に取り付ける構造にすることで、取り付け構造を簡単にすることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明にあっては、基板を共通化して在庫負担を低減するとともに、別個の機種設定作業を不要にすることができる。
【0033】
本発明にあっては、接続部材が接続されていない取付箇所を絶縁して確実に機種を設定することができる。
【0034】
本発明にあっては、簡単な取り外し作業で確実に機種を設定することができる。
【0035】
本発明にあっては、簡便な構成で機種を設定することができる。
【0036】
本発明にあっては、基板を取付部材に取り付けるだけで、別個の設定作業をすることなく機種を設定することができる。
【0037】
本発明にあっては、誤って機種が設定されることを確実に防止することができる。
【0038】
本発明にあっては、螺子で基板を取り付ける場合に、確実に機種を設定することができる。
【0039】
本発明にあっては、取り付け構造を簡単にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明に係る機種設定ユニットを実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る機種設定ユニットの構成を示す模式図である。機種設定ユニットは、矩形状の金属製の固定板10、固定板10と略同寸法の基板20などを備えている。なお、固定板10、基板20の形状は矩形状に限定されるものではなく、どのような形状であってもよい。
【0041】
固定板10の四隅には、基板20を取り付けるための取付部11、12、13、14を設けている。取付部11は、基板20を支持するためのL字状の取付座11bを立設してあり、後述する金属製の螺子5を螺嵌するための孔11aが取付座11bに形成されている。他の取付部12、13、14についても、同様に、取付座12b、13b、14bを立設し、孔12a、13a、14aを形成してある。また、固定板10は、装置の筐体に接地されている。なお、固定板10に代えて、装置の筐体を固定板10の如く形成することもできる。
【0042】
基板20の四隅には、基板20を取付板10に取り付けた状態で、固定板10の取付部11、12、13、14に対応する位置に取付部21、22、23、24を設けている。各取付部21〜24には、孔11a、12a、13a、14aに対応する位置に挿通孔21a、22a、23a、24aを形成してある。挿通孔21a、22a、23aの表面には導電性パターンを形成してあり、基板20の挿通孔21a、22a、23a付近の両面にも導電性パターン21b、22b、23bを形成してあり、挿通孔21a〜23aはスルーホール構造にしてある。
【0043】
基板20を固定板10に取り付ける場合には、孔11a、12a、13a、14aに挿通孔21a、22a、23a、24aを合わせた状態で、螺子5を基板20の挿通孔21a〜24aに挿通し、孔11a〜14aに螺挿して固定する。これにより、導電性パターン21b、22b、23bの電位は、螺子5を通じて接地レベルの電位に保持することができる。
【0044】
基板20には、機種情報設定部31、制御部32、ROM33、RAM34、インタフェース部35などの回路部品を実装している。取付部21、22、23の導電性パターン21b、22b、23bは、機種情報設定部31に接続されている。
【0045】
図2は機種情報設定部31の構成を示すブロック図である。機種情報設定部31は、電源部311、抵抗312〜312、CPU313などを備えている。機種情報設定部31は、基板20の取付部21、22、23の導電性パターン21b、22b、23bそれぞれに抵抗312を通じて電圧Vccを印加している。なお、電源部311は、機種情報設定部31に内蔵する構成に限定されるものではなく、外部電源を用いることもできる。
【0046】
CPU313は、取付部21、22、23の電位を検出する。例えば、取付部21、22、23に螺子5を固定した場合には、CPU313は、接地レベルの電位を検出する。また、取付部21、22、23に螺子5を固定していない場合には、CPU313は、所定の電圧Vccを検出する。なお、取付部21、22、23に螺子5を固定していない場合には、後述する絶縁シート51、52、53を基板20と固定板10との間に装着し、螺子5の挿通を阻止することにより、確実に取付部21、22、23の電位をVccに保持することができる。
【0047】
図3は機種判定の例を示す説明図である。図3に示すように、CPU313は、取付部21、22、23の電位が、それぞれVcc、0、0である場合に対応して機種情報Lを記憶しておき、この場合の機種を下位機種であると判定する。また、CPU313は、取付部21、22、23の電位が、それぞれ0、Vcc、0である場合に対応して機種情報Mを記憶しておき、この場合の機種を中位機種であると判定する。
【0048】
また、CPU313は、取付部21、22、23の電位が、それぞれ0、0、Vccである場合に対応して機種情報Hを記憶しておき、この場合の機種を上位機種であると判定する。なお、機種判定は、一例であって、これに限定されるものではない。例えば、取付部の数、組み合わせは適宜決定することができ、また、機種判定も上位、中位、下位に限定されるものではない。
【0049】
CPU313は、判定した機種情報を制御部32へ出力する。
【0050】
制御部32は、機種情報設定部31から出力された機種情報に応じて、例えば、予めROM33に格納した機種毎の制御プログラム(例えば、上位機種プログラム、中位機種プログラム、下位機種プログラムなど)の中から、判定された機種に対応する制御プログラムを読み出す。制御部32は、読み出した制御プログラムをRAM34にロードして実行することにより、機種に対応した処理を実行する。
【0051】
また、制御部32は、インタフェース部35を通じて、センサ41、ドライバ42、機種毎に特性が異なるモータ/ソレノイド43などとの間で機種に応じた処理を行うためのデータの入出力を行う。
【0052】
図4は絶縁シート51、52、53の取り付け例を示す説明図である。図4(a)に示すように、絶縁シート51を固定板10の取付部11と基板20の取付部21との間に装着する。これにより、取付部11と取付部21とは絶縁される。この場合、設定される機種は下位機種(低速機)である。
【0053】
また、図4(b)に示すように、絶縁シート52を固定板10の取付部12と基板20の取付部22との間に装着する。これにより、取付部12と取付部22とは絶縁される。この場合、設定される機種は中位機種(中速機)である。
【0054】
また、図4(c)に示すように、絶縁シート53を固定板10の取付部13と基板20の取付部23との間に装着する。これにより、取付部13と取付部23とは絶縁される。この場合、設定される機種は上位機種(高速機)である。なお、絶縁シート51、52、53は、電気的接続を阻止できるものであれば、どのような材質のものでもよく、また、形状、大きさ、厚み等も適宜設定することができる。
【0055】
図5は固定板10への基板20の取り付け例を示す斜視図である。図5(a)〜図5(c)は、それぞれ図4(a)〜図4(c)に対応している。図5に示すように、螺子5で固定板10に基板20を取り付けるだけで機種の設定をすることができる。基板20を機種に関わらず共通にすることができる。また、基板20を取り付ける固定板10も共通化することができる。さらに、DIPスイッチのような別個の設定作業も不要であり、在庫負担の低減と作業性の向上を図ることができる。
【0056】
図6は固定板10への基板20の取り付け例を示す模式図である。図6に示すように、螺子5で固定板10に基板20を取り付けるだけで機種の設定をすることができる。すなわち、螺子5を締め付けることにより、基板20の導電性パターン21b、22bは、それぞれ取付座11b、12bに圧接して電気的に接続されるとともに、螺子5を挿通孔21a、22aに挿通し、螺子5を通じて電気的に接続される。
【0057】
図7は固定板10への基板20の他の取り付け例を示す模式図である。図7に示すように、取付座11b、12b、13b、14bを取り外し可能に形成しておく。例えば、指で押さえることで簡単に切り取ることができる程度に切り込み溝などを予め形成しておく。螺子5を取り付けない箇所の取付座11bを切り取ることにより、導電性パターン21bと固定板10との間を絶縁することができる。この場合には、絶縁シート51〜53を用いる必要がなくなる。
【0058】
上述の例では、基板20の取り付けに螺子5を用いる場合について説明したが、螺子5に限定されるものではなく、金属製のピンを嵌合させるような構成にすることもできる。また、固定板10に金属製のピンを立設しておき、基板20のスルーホールに嵌合させるような構成にすることもできる。この場合には、ピンを切り取ることで電気的接続を阻止することができる。
【0059】
図8は機種情報設定部31の処理手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、基板20を固定板10に取り付けた後、例えば、電源が投入されて基板20の機能を初期化するような場合に行われる。機種情報設定部31は、取付箇所(取付部21、22、23)の電圧を検出し(S11)、機種情報を取得する(S12)。
【0060】
機種情報設定部31は、取得した機種情報が機種情報Hであるか否かを判定し(S13)、機種情報Hである場合(S13でYES)、上位機種と判定し、制御部32に上位機種プログラムを選択するよう通知し(S14)、処理を終了する。
【0061】
機種情報Hでない場合(S13でNO)、機種情報設定部31は、取得した機種情報が機種情報Mであるか否かを判定し(S15)、機種情報Mである場合(S15でYES)、中位機種と判定し、制御部32に中位機種プログラムを選択するよう通知し(S16)、処理を終了する。
【0062】
機種情報Mでない場合(S15でNO)、機種情報設定部31は、取得した機種情報が機種情報Lであるか否かを判定し(S17)、機種情報Lである場合(S17でYES)、下位機種と判定し、制御部32に下位機種プログラムを選択するよう通知し(S18)、処理を終了する。
【0063】
機種情報Lでない場合(S17でNO)、機種情報設定部31は、エラー表示を行い(S19)、処理を終了する。
【0064】
図9は本発明に係る機種情報設定装置を備える画像形成装置の要部構成を示すブロック図である。図9に示すように、画像形成装置は、例えば、画像形成に関する処理を複数の基板に実装された回路により実現している。画像形成装置は、機種情報設定部31を有する操作表示部制御基板100、メイン制御基板110、印字部制御基板120、画像処理部制御基板130、原稿読取部制御基板140などを備え、各基板はハーネスにより相互に接続されている。
【0065】
操作表示部制御基板100、メイン制御基板110、印字部制御基板120、画像処理部制御基板130、原稿読取部制御基板140それぞれは、制御部32、111、121、131、141を備え、予め機種毎に対応した制御プログラムを格納してあり、機種情報設定部31から出力される機種情報に応じた制御プログラムを実行するようになっている。
【0066】
操作表示部制御基板100を上述の基板20と同様の構成にすることにより、操作表示部制御基板100を固定板(不図示)に固定するだけで、機種情報設定部31は、機種を設定し、設定した機種情報を各基板へ出力し、画像形成装置全体を設定した機種に応じて動作するように構成することができる。
【0067】
なお、上述の例では、操作表示部制御基板100に機種情報設定部31を備える構成であったが、これに限定されるものではなく、メイン制御基板110、印字部制御基板120、画像処理部制御基板130、原稿読取部制御基板140それぞれに機種情報設定部を設け、各基板を固定板へ取り付ける際に個別に機種を設定する構成とすることもできる。
【0068】
以上説明したように、本発明にあっては、基板を共通化して在庫負担を低減するとともに、別個の機種設定作業を不要にすることができる。また、螺子が接続されていない取付箇所を絶縁して確実に機種を設定することができる。また、取付座を切り取る如く簡単な取り外し作業で確実に機種を設定することができる。また、簡便な構成で機種を設定することができる。また、誤って機種が設定されることを確実に防止することができる。さらに、取り付け構造を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に係る機種設定ユニットの構成を示す模式図である。
【図2】機種情報設定部の構成を示すブロック図である。
【図3】機種判定の例を示す説明図である。
【図4】絶縁シートの取り付け例を示す説明図である。
【図5】固定板への基板の取り付け例を示す斜視図である。
【図6】固定板への基板の取り付け例を示す模式図である。
【図7】固定板への基板の他の取り付け例を示す模式図である。
【図8】機種情報設定部の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係る機種情報設定装置を備える画像形成装置の要部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0070】
5 螺子(接続部材)
10 固定板(取付部材)
11、12、13、14 取付部
11a、12a、13a、14a 孔
11b、12b、13b、14b 取付座(接続部)
20 基板
21、22、23、24 取付部
21a、22a、23a、24a 挿通孔
21b、22b、23b 導電性パターン
31 機種情報設定部
32 制御部
33 ROM
34 RAM
35 インタフェース部
51、52、53 絶縁シート
100 操作表示部制御基板
110 メイン制御基板
120 印字部制御基板
130 画像処理部制御基板
140 原稿読取部制御基板
311 電源部
312 抵抗
313 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定により複数の機種のいずれかに使用可能な基板と、該基板を複数の取付箇所で取り付け可能な金属製の取付部材とを備え、電気機器の機種を設定する機種設定ユニットにおいて、
前記基板の取付箇所に導電性パターンを形成してあり、
前記取付箇所で前記導電性パターン及び取付部材を電気的に接続する接続部材と、
前記取付箇所それぞれの電気的接続に応じていずれかの機種を設定する機種設定手段と
を備えることを特徴とする機種設定ユニット。
【請求項2】
前記接続部材が接続されていない取付箇所に前記基板の導電性パターン及び取付部材を絶縁する絶縁部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の機種設定ユニット。
【請求項3】
前記取付部材の取付箇所に前記基板の導電性パターンと当接する取り外し可能な接続部を備え、
前記接続部材が接続されていない取付箇所で前記接続部を取り外してあることを特徴とする請求項1に記載の機種設定ユニット。
【請求項4】
前記基板の各取付箇所に所定の電圧を印加する電圧印加手段と、
前記取付箇所それぞれの電圧を検出する電圧検出手段と
を備え、
前記機種設定手段は、
前記電圧検出手段で検出した電圧に応じて機種を設定するように構成してあることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の機種設定ユニット。
【請求項5】
前記取付部材は、接地レベルの電位にしてあり、
前記接続部材は、前記基板の取付箇所の電位を接地レベルにするように構成してあることを特徴とする請求項4に記載の機種設定ユニット。
【請求項6】
前記接続部材は、螺子であり、
前記基板及び取付部材それぞれは、前記螺子を挿通する挿通孔を備え、
前記絶縁部材は、前記挿通孔を遮蔽するように設けてあることを特徴とする請求項2に記載の機種設定ユニット。
【請求項7】
前記取付箇所で前記基板の両面に導電性パターンを形成してあり、
該導電性パターンに接続された導電性パターンを前記挿通孔表面に形成してあることを特徴とする請求項6に記載の機種設定ユニット。
【請求項8】
前記取付部材は、
筐体又は該筐体に固定した板状体であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の機種設定ユニット。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の機種設定ユニットと、該機種設定ユニットで設定した機種に応じた処理を行う画像形成処理部とを備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−225371(P2008−225371A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−67309(P2007−67309)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】