機能強化標識を有する吸収性物品の使用方法
湾曲した脚開口部の部分によって両側が境界付けられるクロッチ部分を有する下着のクロッチ部分に婦人衛生物品を設置するための方法。この方法は、身体に面する表面と、身体に面する表面から目視できる少なくとも一つの機能強化標識と、を有する婦人衛生物品を提供する工程であって、機能強化標識が、婦人衛生物品の一部分に明確な視覚的強調を提供する、工程;少なくとも1つの機能強化標識が下着の前部に向かって配向されるように、婦人衛生物品をクロッチ部分に対して配向する工程;及び婦人衛生物品を下着のクロッチ部分に取り付ける工程、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨て吸収性製品に関し、更にとりわけ、婦人の下着内での着用を意図されている婦人衛生物品に関する。
【背景技術】
【0002】
生理用ナプキンのような吸収性物品は、下着が汚れるのを防ぐために、経血及び他の膣排泄物を受け取り、収容するために主として月経期間中に女性に用いられる。失禁パッドのような他の物品は、軽い尿失禁を制御するために同様に着用される。生理用ナプキン及び失禁パッドは、装置をユーザーの下着、通常は女性のパンティーのクロッチ領域に一時的に接着するための、接着剤取り付け手段を典型的には有する。
【0003】
吸収性物品を下着内に設置するとき、物品が、下着のクロッチ部分に対して正しく位置付けられることが多くの場合、重要である。吸収性物品の不適切な位置付けは、結果として、身体からの排泄物が吸収性物品に入り込む代わりに、着用者の衣類又は下着に接触する可能性がある。例えば、吸収性物品が、下着のあまりにも前部の方に設置される場合、下着の後部は吸収性物品で覆われず、その結果、経血などの流体が、下着を汚す場合がある。吸収性物品が、適切な設置についての本来の表示を提供しないような、非対称形状であるときには、問題は更に悪くなる。更に、製品が、クロッチ領域で着用者の下着の縁部を包む、及び/又は物品を下着に取り付けることを意図されている「ウイング」又は「フラップ」と一般に称されるものを有する場合、物品の置き間違いは、結果として、折り目が不十分になり、時期尚早に脱離することになる可能性がある。
【0004】
前部が狭く後部が広い、或いは「梨形」生理用ナプキンのような横断方向中心線について対称でない吸収性物品などの非対称形状の吸収性物品が、当該技術分野において既知である。こうした物品は、より大きな表面積の領域が着用者の後部に向かって配向されて着用するように意図されている。このように設計された生理用ナプキンは、下着を汚すのを防ぐために、より有効であり得る。非対称形状の吸収性物品はまた、軽い尿失禁の制御のためにも既知である。例えば、米国特許第5,439,458号(ノエル(Noel)らに発行)は、改善された形状を有する成人用失禁パッドのような吸収性物品を開示する。形状は、その長手方向中心線について対称であるが、その横断方向中心線については非対称であるとして記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特に婦人衛生物品として用いるための物品などの、非対称形状吸収性物品に関する問題は、パッドの非対称の性質が、ユーザーの下着内に正しく設置することを困難にしているということである。具体的には、生理用ナプキン及び失禁パッドに関して、非対称形状の末端部のどちらが、下着に対して後部又は前部になるのかが、ユーザーにとって分かりにくい。例えば、失禁パッドについては、月経時の使用を対象とする同様な形状の生理用ナプキンに関して望ましいように、あるユーザーは、より大きい表面積の部分を後部に直感的に設置する傾向があるが、実際には、その場合、より大きい表面積の部分は女性の下着の前部に向かって配向されることが意図されている。
【0006】
婦人衛生物品に付随する他の問題には、特有の物品の特有の利益をユーザーに有効に伝達することが挙げられる。例えば、生理用ナプキンのような物品は、一つの末端部又はもう一つの末端部の、より近くにおける強化された吸収力など、ある部分における強化機能を有することも可能である。物品のどの部分が強化された吸収力を持つかを知る何らかの方法をユーザーが持つことは有益である。これを知ることは、下着内での物品の適切な配向及び設置を容易にする。
【0007】
それ故に、ユーザーの下着内での適切な設置及び位置付けを容易にするように設計されている生理用ナプキン又はパンティーライナーのような改善された婦人衛生物品への必要性が取り組まれずに残っている。
【0008】
更に、吸収性物品が、その長手方向及び/又は横断方向中心線について対称でないときに、下着内に婦人衛生物品を適切に設置及び位置付けするための手段の必要性が、取り組まれずに存在している。
【0009】
また、婦人衛生物品又は婦人衛生物品の配列の様々な部分に存在する場合がある機能性の違いについて、ユーザーに有効に伝達する婦人衛生物品、又は婦人衛生物品の配列に関する必要性が、取り組まれずに存在している。こうした必要性は、対称及び非対称形状の物品の両方について、取り組まれていない。
【0010】
最後に、適切な配向及び/又は設置を容易にするための手段を含む、非対称形状の失禁パッドへの必要性が、取り組まれずに存在している。
【課題を解決するための手段】
【0011】
湾曲した脚開口部の部分によって両側が境界付けられるクロッチ部分を有する下着のクロッチ部分に、婦人衛生物品を設置するための方法が開示される。この方法は、身体に面する表面と、身体に面する表面から目視できる少なくとも一つの機能強化標識と、を有する婦人衛生物品を提供する工程であって、機能強化標識が、婦人衛生物品の一部分に明確な視覚的強調を提供する、工程;少なくとも一つの機能強化標識が下着の前部に向かって配向されるように、婦人衛生物品をクロッチ部分に対して配向する工程;及び婦人衛生物品を下着のクロッチ部分に取り付ける工程、を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「吸収性物品」とは、液体を吸収及び収容する装置を指し、より具体的には、着用者の身体に接触して又は近接して設置され、身体からの様々な排泄物を吸収及び収容する装置を指す。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「婦人衛生物品」とは、月経及び/又は軽い失禁制御のために婦人によって着用される使い捨て吸収性物品を指す。婦人衛生物品は、外部から目視できるユーザーの性器(即ち、外陰部)に隣接する適所に、ユーザーの下着によって一般的に保持される。婦人衛生物品は、ユーザーの下着内に設置され、接着剤又は他の接合手段を介して取り付けられ得る。婦人衛生物品は、乳児用おむつを含まない。
【0014】
本発明の婦人衛生物品の一つの実施形態である、失禁パッド10が、図1の一部切欠平面図及び図2の断面図に示される。本発明は、失禁パッド10の実施形態として、図1に開示されるが、本発明の開示された機構はまた、生理用ナプキン及びパンティーライナーのような他の婦人衛生物品に組み込まれたときにも有用であり得る。そのため、以下の開示は、失禁パッドに関連するものであるが、一般に婦人衛生物品に適用可能である。本発明はまた、肛門の排泄物用パッド、痔用パッド、陰唇間用パッド、又は下着内での適切な設置及び配向が望ましい、いずれかの他の吸収性物品であり得る。
【0015】
失禁パッド10は、各々が全長の約3分の1を構成する2つの末端部領域12及び14、並びに中間領域16の3つの領域によると考えることができる。本発明の失禁パッド10の関連では、末端部領域12はパッドの前部、即ち、使用中にユーザーの下着の前部の方に向けられることを意図されている失禁パッド10の部分を表す。本発明の生理用ナプキン又はパンティーライナー11の関連では、末端部領域12はパッドの後部、即ち、使用中にユーザーの下着の後部に向かうことを意図されている生理用ナプキン又はパンティーライナー11の部分を表す。
【0016】
失禁パッド10は、使用中にユーザーの身体に接触する身体に面する表面(又は側)15、及び使用中にユーザーの下着に接触する衣類に面する表面(又は側)17を有する。一般に、失禁パッド10の各構成要素の層は、身体に面する側及び衣類に面する側を有し、それらの側は、物品の使用中の配向に対する配向により決定されると言うことができる。失禁パッド10は、長手方向中心線L及び横断方向中心線Tを有し、この中心線は、図1に示されるように、平らに置かれた配置にあるときの生理用ナプキンの平面内で互いに垂直である。一つの実施形態では、失禁パッドは、両方の中心線についてほぼ対称であり得るのに対して、他の実施形態では、失禁パッドは、どちらかの中心線についてほぼ非対称であり得る。図1に示される実施形態では、失禁パッド10は長手方向中心線Lについて対称であり、横断方向中心線Tについて非対称である。以下、更に十分に論じられるように、婦人衛生物品はまた、ユーザの下着のクロッチ領域で折り重ねられ、パンティーの弾性体を覆うことが意図されている「フラップ」又は「ウイング」(図1に示されず)として、当該技術分野において既知である横方向延伸部を備えることもできる。
【0017】
失禁パッド10は、婦人衛生物品について当該技術分野において既知のいずれかの形状を有することができ、それには、一つの末端部領域の部分内の相対的により大きい横断方向の幅から、中央領域での相対的により小さい横断方向の幅まで、内側に向かって次第に細くなる、ほぼ対称の「砂時計」形状が挙げられる。しかしながら、本発明は、パッドの一つの末端部、例えば末端部領域12の最大の横断方向の幅が、他方の末端部、例えば末端部領域14の最大の横断方向の幅より大きいように、横断方向軸について非対称である失禁パッド及びその他の婦人衛生物品のために特に有益である。横断方向の幅は、本明細書では、横断方向中心線Tに対して平行に測定される、物品を横切る端から端までの寸法として定義される。こうしたパッドは、梨形状、自転車の腰掛け台の形状、台形状、くさび形の形状として記載され得るか、又はさもなければ、最大幅寸法において一つの末端部が他方より大きい2つの末端部を有する2次元の形状を暗示する形で記載され得る。
【0018】
失禁パッド10は、使用中に排泄された体液を吸収及び蓄えるための吸収性コア20を有することができる。失禁パッド、パンティーライナー、生理用ナプキン、又は本発明の他のこうしたデバイスの幾つかの実施形態では、吸収性コアは必要ではなく、パッドはトップシート(それはいくらかの吸収力を有することができる)及び流体不透過性のバックシートのみから成る。吸収性コア20は、当業者に周知の材料のいずれから形成され得る。こうした材料の例には、多プライの捲縮セルロース塊、毛羽立てられたセルロース繊維、エアフェルトとしても既知である木材パルプ繊維、織物繊維、繊維の混合物、繊維の塊又は芯、繊維のエアレイドウェブ、高分子繊維のウェブ、及び高分子繊維の混合物が挙げられる。
【0019】
一つの実施形態では、吸収性コア20は相対的に薄く、厚さが約5mm未満、又は厚さが約3mm未満、又は厚さが約1mm未満であり得る。1.72kPa(0.25psi)の均一の圧力下にある間は、厚さは、当該技術分野において測定するために既知のいずれの手段でも測定することができる。吸収性コアは、当該技術分野において既知であるような、吸収性ゲル材料(AGM)の繊維を包含する吸収性ゲル材料を含むことができる。
【0020】
吸収性コア20は、ある形に成形又は切断されることができ、その外側縁部がコア周辺部30を画定する。吸収性コア20の形状は、一般に矩形、円形、卵形、楕円形などであり得る。吸収性コア20は、長手方向中心線L及び横断方向中心線Tに対してほぼ中央に存在し得る。
【0021】
吸収された排泄物が、着用者の衣類に接触するのを防ぐために、失禁パッド10は、液体不透過性バックシート22を有することができる。バックシート22は、ポリマーフィルム及びフィルム/不織布ラミネートのような当該技術分野において既知のバックシート用材料のいずれかを含むことができる。生理用ナプキン10の衣類に面する側に、ある程度の柔軟性及び蒸気透過性を提供するために、バックシート22が、生理用ナプキン20の衣類に面する側上の蒸気透過性外側層であることができる。バックシート22は、当該技術分野において既知のいずれかの蒸気透過性材料から形成され得る。バックシート22は、ミクロ孔質フィルム、孔あき成形フィルム、又は蒸気透過性であるか若しくは蒸気透過性にされた、当該技術分野において既知であるような他のポリマーフィルムを含むことができる。一つの好適な材料は、疎水性であるか、又は実質的に液体不透過性であるように疎水性にされた不織布ウェブなど、柔軟で、滑らかで、適応性のある蒸気透過性材料である。不織布ウェブは、柔軟性及び適合性を提供して快適さをもたらし、並びに動作に伴って不必要な音を生じないように、音の発生を抑える。
【0022】
身体に隣接して柔軟性を提供するために、失禁パッド10は、本明細書ではトップシート26と称される身体に面する層を有することができる。トップシート26は、人間の皮膚に対して快適で、尿又は膣の排泄物などの流体が通過できる、柔軟で、滑らかで、適応性のあるいずれかの多孔質材料から形成され得る。トップシート26は、繊維性不織布ウェブを含むことができ、並びに二成分及び/又は成形した繊維を包含する、当該技術分野において既知であるような繊維を含むことができる。トップシート26はまた、孔あきフィルムなどの液体透過性ポリマーフィルムであるか、又はオールウェイズ(ALWAYS)(登録商標)の銘柄の生理用ナプキンなどの生理用ナプキン上において既知であるような孔あき成形フィルムであり得る。
【0023】
トップシート26及びバックシート22の内の少なくとも一つ、並びに好ましくは両方が形状を画定し、その縁部が失禁パッド10の外側周辺部28を画定する。好ましい実施形態では、トップシート26及びバックシート22の両方が、失禁パッド10の外側周辺部28を画定する。これら二層は、例えば、すべての構成要素を、本明細書に記載されるような失禁パッド10の構造に組み合わせた後に、当該技術分野において既知であるように型抜きされ得る。しかしながら、トップシート26又はバックシート22のいずれかの形状は、独立して画定され得る。
【0024】
少なくとも一つの流体透過性第2トップシート24が、吸収性コア20とトップシート26との間に配置され得る。第2トップシート24は、流体の迅速な獲得及び/又は分配を助けることができ、並びに好ましくは、吸収性コア20と流体連通である。一つの実施形態では、第2トップシート24は、吸収性コア20を完全には覆わないが、コア周辺部30まで横方向に伸びることができる。一つの実施形態では、トップシート、第2トップシート、又は吸収性コアは、重層構造体であり得、層は毛管圧などの流体輸送特性の差により流体輸送を促進する。
【0025】
一つの実施形態では、吸収性コア20は、トップシート26又はバックシート22のいずれかと同程度までは横方向外側に伸びないが、失禁パッド10の外側周辺部28は、コアの外側周辺部30より実質的に大きい可能性がある。このように、コア周辺部30と失禁パッド10の外側周辺部28との間の失禁パッド10の領域は、通気性ゾーン32を画定し得て、このゾーンによって、着用時に、蒸気が生理用ナプキンの部分を通過して脱出し、より乾燥した快適性を提供する。通気性ゾーンを有する、通気性ゾーン失禁パッドは、米国特許出願10/790,418(U.S. Ser. No. 10/790,418)(2004年3月1日出願)の教示によることができる。
【0026】
当該技術分野において既知であるように、すべての構成要素は、ホットメルト接着剤を包含する接着剤により共に接着され得る。接着剤は、フィンドレイ(Findlay)H2128UN又はサバレ(Savare)PM17であることができ、ダイナファイバー(Dynafiber)HTWシステムを用いて適用され得る。
【0027】
生理用ナプキンなどに典型的であるように、本発明の失禁パッド10は、バックシート22の衣類に面する側17の上に配置されたパンティー固定用接着剤36を有することができる。パンティー固定用接着剤36は、この目的のために当該技術分野において用いられる既知の接着剤のいずれかであることができ、当該技術分野において周知であるように、使用前には剥離紙で覆われ得る。
【0028】
上記の開示は、当該技術分野において既知であるような生理用ナプキン及び失禁パッドなどのような婦人衛生物品の基本部品の概要を与えることを意図する。この記載は、限定することを意図していない。特定用途の利益のために所望されるか又は必要とされるとき、既知の生理用ナプキン、パンティーライナー、失禁用パッドなどの様々な既知の要素、機構、プロセスのいずれか及びすべてが、本発明の婦人衛生物品に組み込まれることができる。例えば、生理用ナプキンは、米国特許第4,950,264号(オズボーン3世(Osborn III)、1990年8月21日発行)の開示によることができ、失禁パッドは、米国特許第5,439,458号(ノエル(Noel)ら、1995年8月8日発行)の開示によることができる。次に、残りの開示に関して、本発明の新しい機構及び利益が記載される。
【0029】
本発明の婦人衛生物品は、長手方向及び横断方向中心線の両方について対称であることができる。しかしながら、本発明は、形状又は機能パラメータのいずれかにおいて非対称であることを特徴とする婦人衛生物品との関連において、最も有用である。例えば、一つの実施形態では、婦人衛生物品は、長手方向及び横断方向中心線の両方について対称形状であるが、少なくとも一つの中心線で分かれているある領域が機能強化されているという意味では、機能的に非対称であり、これは、例えば、第2末端部領域に比べて第1末端部領域に、より近いところに配置される、より高い吸収能力を有することによる。こうしたパッドでは、ユーザーが、パッドのどちらの末端部が機能強化されているかを知覚することは、使用目的並びに下着内への適切な設置について、物品の適切な選択を容易にするために重要である。一つの実施形態では、婦人衛生物品は、一つの末端部が、より大きい表面積を有することにより機能強化されるように、横断方向中心線について非対称である。また、より大きい表面積の部分がパッドの特定用途のために機能強化されていると、ユーザーが知覚することは重要である。即ち、より大きい表面積の適切な配向、即ち前部又は後部の配向を助けるために、物品の周辺部の形状及び一つの末端部と他方の末端部との間の表面積の違いだけではなく、視覚的又は触知的標識から、ユーザーは利益を得ることができる。
【0030】
そのため、以下に十分に開示されるように、物品の適切な選択、並びに物品の適切な設置及び使用についてユーザーを助けるために、本発明の婦人衛生物品は、機能強化標識34を含む。機能強化標識34は、婦人衛生物品の機能的に区別可能な部分に対応する、ユーザーが知覚できる標示又は信号であり得る。婦人衛生物品の機能的に区別可能な部分は、物品の隣接部分と比べて、組成、配置、又は構造において異なる部分である。機能強化標識34は、ユーザーが知覚できる標示又は信号であり得、これがなければユーザーが知覚できない、婦人衛生物品の機能的に区別可能な部分に対応している。機能強化標識34は、ユーザーが知覚できる標示又は信号であり得、意図された特有の機能を対象としていることを、これがなければユーザーが知覚できない、婦人衛生物品の機能的に区別可能な部分に対応している。一つの実施形態では、機能強化標識34は、インクジェット印刷のような印刷により適用される。一つの実施形態では、機能強化標識34は、インクジェット印刷によるなど印刷によってのみ、物品構成要素の一つの上に適用され、均一に着色された不織布のような、前もって着色された、又は染色された構成要素を含まない。
【0031】
機能強化標識34は、視覚的にのみ知覚可能であり得、即ち視覚的に知覚可能な機能強化標識であることができる。機能強化標識は、触知的にのみ知覚可能であることができ、即ち触知的に知覚可能な機能強化標識であることができる。機能強化標識は、以下において、主に視覚的に知覚可能である好ましい実施形態において開示される。「視覚的に知覚可能である」とは、ヒトの観察者が、標準100ワットの白熱電球の照明と少なくとも同等な照明において、1mの距離で、肉眼により(近視、遠視、若しくは正視を補正するために適合される標準的な矯正レンズ、又は他の矯正視力を例外とする)、機能強化標識を視覚的にはっきりと識別できることを意味する。「視覚的にのみ知覚可能である」とは、機能強化標識が、婦人衛生物品の身体に面する表面上において、感触、音、又はにおいによって、容易に知覚できないことを意味する。そのため、婦人衛生物品の溝、エンボス、房、折り目、ひだ、及び他の触知的に知覚可能な要素は、視覚的にのみ知覚可能であるとは見なされない。しかしながら、視覚的にのみ知覚可能である機能強化標識は、こうした溝、エンボスなどと併せて用いることはできる、例えば、機能強化標識は、強化された流体収容を知らせるために、失禁パッドの周辺部周囲の縁部のけん縮と併せて用いることができる。
【0032】
機能強化標識34は、婦人衛生物品の中心から外れて配置され得て、即ちそれは、少なくとも横断方向中心線Tに対してそれ自体が中心でない、視覚的に知覚できる印又は信号であり得る。一つの実施形態では、図1に示されるように、機能強化標識34は、横断方向中心線に対して中心から外れているが、長手方向中心線に対しては対称である。このように、機能強化標識34は、婦人衛生物品の一つの末端部領域を、特有の機能的に重要な領域であるとして、例えば意図された流体の入り口の領域として識別することができる。機能強化標識34はまた、失禁パッド10の前部を知らしめて、尿及び膣排泄物を吸収する機能のために設置を意図される物品の部分を、ユーザーに示すことができる。機能強化標識34はまた、他の強化機能、例えばより大きい吸収力、より大きい流体の収容、より少ない漏れ、より良い乾燥性、より良い凝縮感、より多くの悪臭防止添加剤などを有するパッドの領域を特定することができる。
【0033】
図1に示されるように、失禁パッド10は、横断方向中心線Tについて非対称であり得る。こうした失禁パッド10を表す一つの方法は、末端部領域12又は14の一つが、その身体に面する表面上で、他方より大きい表面積を有すると言うことである。こうした物品は、下着内に適切に設置されたときには、より多くの被覆、例えば使用中に、ユーザーの下着の前部又は後部のいずれかに向かって、より多くのパッド表面積をもたらすことができる。生理用ナプキンについては、汚れをより良く防ぐために、消費者は典型的には、より大きい末端部領域12をパンティーの後部に向かって設置する。しかしながら、失禁パッドの非対称の設計はユーザーに対して問題を提示する。パッドは、より大きい末端部分12が下着の後部に向かって配向されるように設計されていないため、ユーザーは、パッドの意図されている配向を補強する視覚信号によって利益を得る。ユーザーは、非対称の婦人衛生物品を、より大きい末端部分がユーザーの下着の後部の部分に配向されるように、一般的に設置するため、視覚信号は、ユーザーのこうした習慣力を克服するために必要であると考えられている。
【0034】
上記の問題を解決するために、婦人衛生物品、例えば本発明の失禁パッド10は、失禁パッド10の身体に面する表面15から目視できる少なくとも一つの機能強化標識34を有し、第1又は第2末端部領域12又は14の内の一つにより近いパッドの一部分に明確な視覚的強調を提供する。失禁パッド10に照らして、例えば、機能強化標識34は、着用者のパンティーのような下着内に、失禁パッド10を設置及び位置付けするときに、下着に対して失禁パッド10の適切な配向を容易にするために、パッドの前部であるという視覚的に知覚可能な標示を提供する印又は信号であることができる。
【0035】
機能強化標識34は、印刷された印、例えば、インクジェット印刷図、デザイン、線若しくは線分、又はエンボス加工された尾根部若しくは隆起部、折り目、ひだ、或いは視覚的標示を提供する当該技術分野において既知のいずれかの他の手段を含むことができ、この手段は、婦人衛生物品の一部分を他の部分から区別する機能を果し、例えば、ユーザーが、下着内への非対称形状の失禁パッドの適切な前部から後部への配向の設置を決定するのを助ける具体的には、図1に示されるように、機能強化標識34は、失禁パッド10のどちらの末端部領域が、流体の入口領域に企図されているか、又は流体の入口領域に境界付けられるかを示すために配置され得る。従って、失禁パッド10について、機能強化標識34は、パッド10のより大きい末端部分12が、ユーザーの下着の全部に配向されるよう企図されていることをユーザーに示す、視覚的に知覚可能な識別力を提供する。
【0036】
そのため、機能強化標識34の一つの基準は、それが一つの部分、例えば物品の一つの末端部分をその他の部分とは機能的に異なるとして、その周辺部あたりの物品の全体形状から異なる視覚信号により、明らかに識別するというものであり、その形状は、実際には、ユーザーに反直感的応答を提供してもよい。本発明の非対称の物品を表す一つの方法は、そのため、物品は、横断方向中心線に対して平行に測定される最大の幅が、各々他方とは異なる、並びに周辺部及び横断方向中心線に対して測定された表面積が異なる二つの末端部分を有するというものであるが、その物品は、着用者に視覚的に知覚可能な信号を含み、視覚的に知覚可能な信号は、物品の一つの末端部分を、特定の重要な領域であるとして、例えば企図された流体の入り口の領域として、明確に識別する。ユーザーの知覚とは、パッドの標示部分が、より大きい吸収力、より大きい流体収容能力、より少ない漏れ、より良い乾燥性、より良い悪臭防止、改善された柔軟性、又は機能強化標識を適切に、例えば下着の前部に配向するための直感的応答を促進する他の信号の内の一つである場合がある、というものであってもよい。
【0037】
非対称形状の失禁パッドについて、機能強化標識34の効果は、失禁パッド10のユーザーに、失禁制御のために着用されるとき、着用者のパンティーの前部に配向されるよう意図されるパッドの部分について、視覚信号を与えることである。ユーザーの直感的発想は、より大きい部分をユーザーのパンティーの後部に向けて、パッドを「逆向き」に設置することであるため、本発明の機能強化標識34により提示される視覚信号は、下着内での正しい配向を通じて、改善された使用の利益を提供する。機能強化標識34により知らされる特有の領域にユーザーの注意が引き付けられて、こうした領域は、その使用目的のために機能的に重要であるという反応を引き出す。そのため、尿を吸収する使用目的の失禁パッドについて、ユーザーは直感的に、使用中に、より大きい表面積部分を下着の前部に向けてパッドを配向する。
【0038】
機能強化標識34は、ユーザーが物品の標示部分の重要性に注意を喚起するように標示され、身体に面する表面15から目視できるように婦人衛生物品の上又は内部に配置され得る。機能強化標識は、強化された機能の領域、例えば強化された吸収力、強化された流体収容能力、強化された漏れ制御、強化された悪臭防止、ローション又はスキンケア剤の強化された表面処理などの領域を示すことができる。機能強化標識は、強化された流体収容の領域を知らせることができ、追加の流体収容機構、例えば溝、ゲルブロッキングコーティング、及び当該技術分野において既知の同様のものを含むことができる。機能強化標識34はまた、下着内に適切に位置付けするのに用いるためのフィットガイド、例えば米国特許出願10/852,709(US Ser. No. 10/852,709)(デジアコマントニオ(Digiacomantonio)らにより出願)に開示されるフィットガイドと併せて用いることができる。
【0039】
図3は、長手方向中心線L及び横断方向中心線Tの両方について対称形状の生理用ナプキン11である婦人衛生物品を示す。機能強化標識34は、長手方向軸Lについてほぼ対称に配置され、横断方向中心線Tに対して、第1の末端部領域12のより近くに、中心を外れて設置される。機能強化標識34は、図3に示されるように、横断方向中心線Tの一つの側に完全に存在する。他の実施形態では、機能強化標識は、横断方向中心線Tの両側上に伸びることができる。このような場合には、機能強化標識34の第1縁部34A又は第2縁部34Bの内の一つが、婦人衛生物品の一つの末端縁部に他方より近い場合は、機能標識は第1末端部12により近いと考えられる。
【0040】
機能強化標識34は、トップシート26上若しくは下に存在する吸収性コア20上、又は生理用ナプキン11の別の部分の上に、その身体に面する表面15から視覚的に知覚可能である限り、印刷され得る。機能強化標識34により標識された生理用ナプキン11の部分に対応する生理用ナプキン11の領域は、強化された吸収力の領域であることができる。例えば、吸収性コア20は、機能強化標識34により示された生理用ナプキン11の領域において、より高い坪量、又は吸収性ゲル材料(AGM)のより高い濃度、又はより暑い厚さ、又はより高い吸収力のその他の手段を有することができる。従って、機能強化標識34は、強化された吸収力を最大限に利用できるように、ユーザーが、下着内に生理用ナプキンを配向及び設置するのを助けることができる。
【0041】
機能強化標識34は、生理用ナプキン10の身体に面する表面から目視できる表面上に印刷され得る。機能強化標識34は、下着内に物品を設置及び位置付けする間にユーザーが、それを目視できる限り、トップシート26の下の表面上に印刷され得る。そのため、機能強化標識34は、第2トップシート、サージ層、獲得層、吸収性コアなどの上に、印刷、コーティング、噴霧、ないしは別の方法で配置されたインク又は染料であることができる。機能強化標識34は、物品の機能強化に関する適切な使用についてのユーザーへの信号又はガイドを提供する目的を有する線、線分、曲線、バンド、矢印、言葉、絵、又はいずれかの他の印刷された印として配置されることができる。また、視覚的な印は、婦人衛生物品の身体に面する側15の上に印刷される必要はないが、ユーザーが下着内に物品を設置する又は下着から物品を取り外すときにユーザーが印を見ることができるように、その身体に面する側から目視できることだけは必要である。
【0042】
図4は、パンティー39のクロッチ部分38内に適切に位置付けられた失禁パッド10を示す。図4に示される失禁パッド10は、下着の脚開口部の縁部を包むことを企図されているフラップを持たない本発明の物品の実施例である。図4に示されるように、脚開口部35を画定するパンティー39の部分、例えば脚部弾性体36は、失禁パッド10がパンティーのクロッチ領域38内に適切に設置されるとき、失禁パッド10の側縁部と接線方向に一致するように位置付けられることができる。そのため、失禁パッド10の適切な設置及び配向は、パンティーの前部に配向されることを企図されている失禁パッド10の部分を示す機能強化標識34を使用することにより、所望であれば、適切な前部から後部への位置付けを示す側縁部を使用することにより、実現され得る。更に、失禁パッド10を適切に設置及び位置付けするのを助けるために、一つの実施形態では、下着39の脚開口部35の湾曲に対して、婦人衛生物品10の適切な位置合わせを示すように、機能強化標識34が配置され得る。
【0043】
機能強化標識34は、図4ではページの上部に向かって配向される、着用者の前部に向かって配向される物品の部分上に視覚的標示を提供することにより、下着内の物品の適切な設置についての視覚的標示をユーザーに与えるように設置され得る。図4に示されるように、機能強化標識34は、適切な配向及び設置についての他の手がかりを提供するための、形状並びに視覚的定義及び識別力を有することができる。例えば、機能強化標識34の第1縁部34Aは、機能強化標識34の後方又は「後」部に関連することができ、第2縁部34Bは、機能強化標識34の前方又は「前」部に関連することができる。図4に示される実施形態では、第1縁部34Aは、縫い込みクロッチパネルの縫い目のような、下着の縫い目37の湾曲とほぼ同様の湾曲を有する。加えて、第2縁部34Bのほぼ先の尖った形状は、着用者の身体及び下着に対してパッドの前部を示すために、配向の方向をユーザーに示すことができる。
【0044】
一つの実施形態では、図5に示されるように、機能強化標識34は、視覚的強調における勾配を特徴とする視覚信号であることができる。視覚的強調における勾配は、例えば、色の強度の勾配、又は視覚的に知覚可能な分離性の要素の密度における勾配の結果であることができる。例えば、機能強化標識34は、第1縁部34Aから第2縁部34Bまでの増加する密度の模様において設置される視覚的に知覚可能なドット又は斑点44の模様であることができる。こうした実施形態では、用語「縁部」は、横断方向中心線Tに平行な機能強化標識34の前部及び後部の境界を示すために用いられる。一般に、第1縁部34A及び第2縁部及び34Bは、機能強化標識34のすべての部分を、長手方向中心線Lに沿って前から後ろまで境界付ける。幾つかの実施形態では、第1縁部34A及び第2縁部及び34Bは、失禁パッド10の周辺部28の部分と一致することができる。
【0045】
図5に示されるように、ドット又は斑点のような分離性の視覚的要素は、失禁パッド10の一部分上、例えばトップシート26又は第2トップシート24上に、増加する密度の均一な勾配として目視できるように広がり得る。従って、第1縁部34A及び第2縁部34Bが、物品のそれらそれぞれの末端縁部とほとんど等距離であり得るとしても、機能強化標識34は、第2末端部領域14とは対照的に、第1末端部領域12に向かって視覚的な強調を置いていることが容易に見られる。別の実施形態では、勾配は非均一であり得、パッドの末端部領域12が着用者の下着39の前部に配向されるべきことを更に強調するために、パッドのその部分に主として局在することができる。
【0046】
機能強化標識(類)34は、印刷、刻印、エンボス加工、折り畳み、又は婦人衛生物品の一部分が特定用途のために強化されていることを示す視覚的な又は更には触知的な印象を与えるいずれかの他の既知のプロセスにより作製され得る。機能強化標識34は、陰影領域、縞模様領域、斑点領域、又は他の不連続な領域であることができる。機能強化標識34に、視覚的印象が、連続的着色バンドの一つであるように、陰影を付けることができる。一つの実施形態では、連続的着色バンドは、失禁パッド10の一つの部分から別の部分に強度が増加する1以上の色から成ることができる。「強度の増加」とは、色相、飽和、色、又は色の特性の組み合わせにおける強度の増加を意味する。一つの実施形態では、機能強化標識34は一つの色を含むことができ、別の実施形態では、機能強化標識34は一を超える色を含むことができる。印刷は、既知のプロセス、例えばグラビア印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、及びこれらの組み合わせによることができる。一つの実施形態では、機能強化標識34は、失禁パッド10の身体に面する側15を見るときに、模様がユーザーに目視できるように、失禁パッド10の一部分上に、予め定められた模様をインクジェット印刷することにより作製されることができる。一つの実施形態では、インクはトップシート上に直接印刷され得る。別の実施形態では、色はトップシートの下の失禁パッドの一部分上に印刷され得るが、トップシートを通して目視することができる。
【0047】
図6は、折り重ねられ、下着の弾性体を包むことを意図されているフラップ52を有する失禁パッド10を示す(図6のフラップ52は、折り畳まれていない、平らな状態で示されている)。フラップ52は、当該技術分野において既知であるように、生理用ナプキンを下着の下面に取り付けるための取り付け手段(示されず)を有することができる。当該技術分野において既知の様々な取り付け手段のいずれかが、本発明と共に使用されることができ、それには、感圧接着剤手段が挙げられ、その場合、剥離ストリップも同様に組み込まれることができる。脆弱線又は可撓性ゾーンを作製して、生理用ナプキンのフラップの折り畳みを容易にすることが既知である。
【0048】
図6に示されるように、機能強化標識34は、単一の着色領域又は複数の着色領域を含むことができる。複数の着色領域は、領域の重複性により、色のグラデーション又は強度の変化を定義する色の重複領域46として配置され得る。例えば、複数の着色又は陰影領域46(3つが図6に示される)が、図示されるように、個別に印刷され得るか、ないしは、領域の重複区域において、より暗い又はより強い領域を定義するような方式で適用され得る。着色又は陰影領域46は、花弁、太陽光線、大洋の波などのような心地よい感じを喚起する形状が挙げられる、いずれの形状であることもできる。着色又は陰影領域46の色は、均一であることもできるし、又は一つの色の異なる陰影又は色相であることもできるし、又は異なる色であることもできる。機能強化標識34は、他の印刷された印又は機構、例えば上述のフィットガイドと共に、婦人衛生物品の機構であり得る。
【0049】
失禁パッド10の別の実施形態が、図7に示される。図7に示されるように、機能強化標識34は、複数の異なる視覚的効果を含むことができ、それらのすべてが婦人衛生物品の予め定められた部分又は部分類への視覚的に知覚可能な区別をもたらす。例えば、機能強化標識34は、失禁パッド10の一つの領域から別の領域に増加する密度の配列のドット又は斑点44の領域を含むことができる。加えて、失禁パッド10の前部に配向された部分の視覚的標示を補強するために、色の強度を変える色のバンド48が適用でき、より強い色の強度は失禁パッド10の前部に配向される部分を示している。更には、加えて、又は個別に、流体の入口及び収容の、所望の位置に視覚的標示を与えるために、エンボス加工された溝50を、失禁パッド10の身体に面する表面上に配置することができる身体に面する表面。エンボス加工された溝50は、連続凹部、又は一連の個別圧縮された、密集したエンボスであることができる。エンボス加工は、当該技術分野において周知の手段により実現することができる一つの実施形態では、機能強化標識34は、明白に知覚可能であることだけを意味し、即ちそれは、物品の視覚的に知覚可能な部分のみを含み、触知的に知覚可能な部分、例えば溝を含まない。即ち、一つの実施形態では、機能強化標識34は、エンボス、溝などを除外する。
【0050】
図8は、エンボス加工と印刷と、又は機能強化標識34を作製するための色並びに孔を付与するために当該技術分野において既知の他の方法とを組み合わせる、本発明の別の実施形態を示す。図8に示されるように、失禁パッド10は、曲線状の視覚的に明確な機能強化標識34を共に形成する複数のエンボス52を含む機能強化標識34を含むことができる。図9の断面図に示されるように、エンボス加工された凹部52の一以上、又はすべてのエンボス加工された凹部は、目視できる色58を提供するためのインクのような物質をその中に有することができる。目視できる色は、エンボスと位置合わせして印刷され得るか、又はエンボスが当該技術分野において既知の手段、例えばPCT国際公開特許WO04/057110、又は米国特許第6,780,270号に記載される方法により作製されると同時に印刷されることができる。色58は、印刷インク、染料、塗料、又は着色接着剤によることができる。色58はまた、トップシートの下、更には別個の層の上(どちらも図8に示されていない)にあることもでき、その結果エンボス加工の際に、色58は、エンボス加工された部分を通して見え、それによってエンボス加工された機能強化標識34と位置合わせして印刷された外観を与える。
【0051】
また図8に示されるように、機能強化標識34は、強化された吸収力の領域の視覚的標示を与えるために、さもなければ、強化された機能性の領域を示すために、明確な方式で集団化した複数の視覚的に知覚可能な孔を含むことができる。孔は視覚的に知覚可能であるが、触知的には知覚可能でないこともあり得る。孔54は、米国特許第5,628,097号及びPCT国際公開特許WO01/45616に記載される方法が挙げられる、当該技術分野において既知の手段により形成できる。
【0052】
別の実施形態では、機能強化標識34は、触知的にのみ感知される、即ち、視覚的に明白には感知されない、機能強化標識構成要素を有することにより実現可能である。こうした、触知的機構は、表面の滑らかさの変化、摩擦係数の変化、又は材料特性の他の触知的に感知される変化を用いて、機能強化標識34としての役割を果すことができる。一般に、材料特性の変化は、本明細書に開示されるように、目視できる機能強化標識34の位置に対応することができる。
【0053】
長手方向軸Lについても、また横断方向軸Tについても対称でない失禁パッド10の実施例が、図10に示される。図10は、いわゆるヒモ、又はストリングパンティーに用いるために設計された失禁パッド10又はパンティーライナー11を示す。非常に狭いクロッチ幅は、用いられる場合には、重複を避けるために互いにずれたフラップ51を必要とし得る。機能強化標識34は、この場合、図示されるように、印刷された、着色された、型にはめられた「V」字形の1対が、流体入口の領域又は強化された吸収力の領域又は強化された流体収容の領域を示すことができる。
【0054】
図10に示されるように、いわゆるヒモ、又はストリングパンティーに用いるために設計された婦人衛生物品は、非常に狭い幅にまで次第に細くなる一つの末端部を有するとして記載されることができる。例えば、ストリングパンティーに用いるために設計された生理用ナプキンは、一つの末端部において、約27mmの端から端までの幅まで次第に細くなることができる(物品の最も狭い末端部から10mmで、横断方向中心線に平行に測定される)。本発明の一つの態様では、こうした高度に非対称形状の物品は、パンティーに対する前部又は後部への僅かな置き間違いが、性能に大きな差を生じる可能性があるため、機能強化標識の使用により最も利益を受けられる。そのため、本発明の一つの実施形態では、婦人衛生物品は、一つの末端部から約10mmで、横断方向中心線に平行に測定された、約30mm未満の、端から端までの最小幅を有すると記載できるものを含む。「ヒモ状でない婦人衛生物品」と称せられる他の実施形態は、横断方向中心線に平行に測定された、約30mmを超える端から端までの最小幅を有することを特徴とする。別の実施形態では、本発明の婦人衛生物品は、横断方向中心線に平行に測定された、約30mmを超える端から端までの最小幅を有することを特徴とする。別の実施形態では、本発明の婦人衛生物品は、横断方向中心線に平行に測定された、約30mmを超える端から端までの最小幅を有する吸収性コア部材を有することを特徴とする。
【0055】
機能強化標識(類)34は、これがなければ、外観が実質的に等しい婦人衛生物品の配列のパッドを区別するために有益に使用され得る。図11は、例として、3つの生理用ナプキン11の配列75を示し、その中で、3つの生理用ナプキン11の各々は、機能特性に関して異なる。例えば、図11の各生理用ナプキン11は、吸収能力、悪臭防止、配送感(sensate delivery)、ローションの送達、スキンケア剤濃度、又は婦人衛生物品との関連において有益ないずれかの他の機能属性において異なることができる。図11に描かれるように、機能強化標識34は、左の最初のパッドから右の最後のパッドまで、配列75内で視覚的強調が増加する。視覚的強調の増加は、パッドからパッドへの色強度若しくは色密度、又は線密度、又は該当する機能強化の相対量について視覚的に明確な信号をユーザーに与える、いずれかの他の視覚的印の増加によるものであることができる一つの実施形態では、複数の生理用ナプキンが婦人衛生物品の配列75として同じ包装内で販売され、これらは、ユーザーが所与の個人的状況に応じて特定の生理用ナプキンを選択するのを助ける機能強化標識34を、各々の上に有する。例えば、図11の機能強化標識34は、吸収能力の相対量を示すことができ、ユーザーは、特定時期における特定流量のためのパッドを選択するために視覚的標示を用いることができる。
【0056】
別の実施形態では、所与の機能特性の婦人衛生物品が、袋、箱、又は段ボール箱のような入れ物の中に包装され得て、それらは、ユーザーが適切な機能について適切なパッドを選択するのを助ける同様な視覚信号を有する。例えば、図12に示されるように、図11に記載される生理用ナプキンは、視覚的な区別という点で、機能強化標識34に対応する視覚信号又は標識62を有する、箱又は段ボール箱60の配列77の中に包装され得る。従って、機能強化標識34が色の陰影である場合、視覚標識62は、適合する又は実質的に適合する色の陰影であり得る。「実質的に適合する」とは、人がパッドと包装を比べると、パッドと包装が容易に十分に調和し得る程、色が近いことを意味する。例えば、実質的に調和する陰影は、インク、染料、若しくは色を生じる他の媒体のロットからロットへの色の通常の相違の範囲内において、又はフィルム対紙などにおいて知覚される僅かな差違による通常の相違内において適合することができる。対応した視覚上の区別をする他の手段には、視覚標識62の形状、型、又は全体の外観を、対応する機能強化標識34と適合させることが挙げられる。婦人衛生物品の消費者又はユーザーは、所望の機能特性を有する婦人衛生物品を、包装内部の各パッド上のその機能特性の確認又は補強と合わせて、包装に基づいて、より容易に選択することができる。
【0057】
別の実施形態では、図13に示されるように、包装60の配列77は、包装60内部の生理用ナプキン11のような婦人衛生物品の少なくとも一部分がそれを通して見える、少なくとも一つの窓又は他の実質的に透明な開口部66を有することができる。窓66(又は2以上が存在する場合は窓類66)は、包装60の切り取り部分であるか、又は透明なポリマーの被覆を有する切り取りであるか、或いは、不透明である包装内部に包装された物品の、機能強化標識34の視覚的識別を容易にするために当該技術分野において既知のいずれかの他の手段であることができる。一つの実施形態では、婦人衛生物品は、パッケージ60の配列77の中に包装される前に、個別に折り畳まれ及び/又は個別の包装材(wrappers)の中に包装され得る。こうした実施形態では、窓66を通して、機能特性の配列を示すために必要なときに、対応する視覚標識が婦人衛生物品又は個々の包装材(wrappers)の他の部分上で使用され得る。
【0058】
別の実施形態では、婦人衛生物品、例えば生理用ナプキン11は、直接的な情報保持信号、例えば数字又は等級の明らかに分かるグラデーションにより情報を伝達する書かれた印をユーザーに提供する、機能強化標識34を有することができる。例えば、図14に示されるように、生理用ナプキン11の配列75は数字により識別され得、増加する数字は、機能特性の増加を示している。例えば、増加する数字は、より低い番号が付けられた物品に比べて増加する吸収能力の量を知らせることができる。図14に示されるように、例えば、一番右の数字「3」の番号が付けられた物品は、中央の数字「2」の番号が付けられた物品の吸収能力より大きい吸収能力を有することができる。他の機能強化標識34は、より審美的な外観のために用いることができる。前に開示されたように、複数個の生理用ナプキン11は、ユーザーが所与の個人的状況について特定の生理用ナプキンを選択するのを助ける機能強化標識34と共に、同じパッケージ内で販売されることができる。
【0059】
幾つかの実施形態、例えば図14に示される実施形態では、機能強化標識34が、物品の一つの末端部に他方より近いことが必要ではないことに留意されたい。図14では示されているが、機能強化標識34が、長手方向及び横断方向中心線の両方に対して中心にある場合、示される機能強化標識34の利益は同じである。直接的な情報保持信号をユーザーに提供する機能強化標識34、例えば、同程度のグラデーションが明白に分かる方法で、情報伝達する数字又は書かれた印が、着用者の下着内の物品の適切な配向を容易にするために機能できることにも留意されたい。これは、多くのこうした信号に付随する生来の直立性によるものである。従って、ユーザーは、図14の中間のパッドを、「2」の最上部がパッドの前部になるように配向する。
【0060】
直接的な情報保持信号をユーザーに提供する婦人衛生物品は、袋、箱、又は段ボール箱のような入れ物の配列の中に包装されることができ、それらは、ユーザーが適切な機能について適切なパッドを選択するのを助けるための類似した情報保持信号を持っている。例えば、図15に示されるように、図14に記載される生理用ナプキンは、視覚的区別において機能強化標識34に対応する視覚標識62を有するポリ袋60の配列77の中に包装され得る。従って、機能強化標識34が数字である場合、視覚標識62は、適合する数字であり得る。従って、婦人衛生物品の消費者又はユーザーは、所望の機能特性を有する婦人衛生物品を、包装に基づき、包装内部の各パッド上の機能特性を確認し、又、機能特性が正しいと判断して、より容易に選択することができる。包装は、パッドのうちの一つのパッド上の機能強化標識34が包装を通して見え、機能強化標識34及び視覚標識62の両方の役割を果すように、少なくとも部分的には透明であることができる。
【0061】
図16は、複数の機能強化標識34を有する失禁パッド10の配列75を示す。図示されるように、各パッド10は、低い尿収容能力、中間程度の尿収容能力、又は高い尿収容能力のような機能特性を文字通り「書き出す」、情報を保持する書かれた印70を有することができる。加えて又は別個に、パッドの配列は、図16に示されるハート型のように、視覚的に明確な模様要素72の数により区別され得る。従って、ハートの数が多くなればなるほど、機能強化標識34により示される特性は大きくなる。加えて又は別個に、機能強化標識34は、低い尿吸収能力に対して「L」などのように、情報を保持する書かれた印の短縮形74を含むことができる。
【0062】
図11〜16に示される本発明の実施形態の各場合における、ユーザーにとっての一つの利益は、ユーザーが機能特性の異なる製品の配列を識別して、自分の特定の必要性に応じた製品又は製品類を選択できることである。更に、ユーザーにとっての別の利益は、製品の使用後に、将来的な使用のために製品を識別する、視覚上の注意を払えるということである。つまり、ユーザーは、例えば、図16に示される中間程度のパッドを使用して、それが自分の必要性を完全に満たすものであると分かる場合がある。パッドを取り外す際に、ユーザーは、あらゆる様々な種類の内のどのパッドであるかについて、直接、視覚上の確認を再度行う。これによりユーザーは、どの種類のパッドを自分が使用したかを覚える必要なく、同種のパッドと容易に交換することができる。この理由のために、模様要素72又は書かれた印74など機能強化標識34を、パッドの中に吸収された流体が標識を変えたり又は隠したりしないように、パッドの周辺部近くに設置することが望ましい場合がある。
【0063】
重ねて、図16に示されるパッドに関して、各失禁パッド10は、図17に示されるように、可撓性のポリ包装材(poly wrappers)の配列77の中に個別に包装されることができる。包装材(wrapper)、及びそのように包装される場合には個別に包まれたパッドの箱又は袋は、一以上の機能強化標識34に対応する視覚信号62により識別することができる。図17に示されるように、各パッドは三つ折りにされ、当該技術分野において既知であるように、パッド上のパンティー固定用接着剤のための剥離紙としても機能できる可撓性包装材(wrapper)の中に包まれ得る。包装材(wrapper)は、その上に、印刷によるなど視覚的に明確な方式で、機能強化標識34の一以上に対応する視覚信号62、例えば明確なハート型模様要素72を有することができる。
【0064】
上記の機能強化標識について多くの変形が企図される。例えば、機能強化標識は、失禁パッドが適切に設置され、着用されるときにユーザーに冷たい爽快な感覚を与えるために十分な量で、感覚認知剤、例えばメントールラクテートを含むことができる。機能強化標識は、インクによる印刷ではなくむしろ材料が、機能強化標識であることを意図されている領域において、異なる反射率を有するように、又は更には透明に変わるように作製され得る。同様に、インクの代わりに着色した材料を適切な場所に加えることによって色を加えることができ、着色した材料は、追加のフィルム、不織布、又はのり及びホットメルト接着剤を包含する接着剤であることができる。こうした色は、ユーザーが失禁パッドを下着内に位置付けるときにユーザーに目視できる限り、婦人衛生物品のいずれかの構成要素の内部又は上に加えることができる。
【0065】
一つの実施形態では、本発明の使い捨て婦人衛生物品は、一つずつであるか、又はパッケージ内に、他の吸収性パッド若しくはタンポンのような他の使い捨て吸収性物品と共にであるかの、いずれかにより包装され得る。パッケージは、使用目的、並びに使用上の注意、即ち下着内に婦人衛生物品を適切に設置及び位置付ける方法について、ラベル表示され得る。
【0066】
ユーザーが、機能強化標識を有する失禁パッドのような婦人衛生物品を適切に位置付けするのを助けるために、即ちユーザーが、機能強化標識を配向ガイドとして用いるのを助けるために、婦人衛生物品は使用上の注意と共に提供され得る。使用上の注意は、婦人衛生物品が販売される包装の上若しくは内部、関連する広告若しくは表示媒体上、又は婦人衛生物品自体の上に提供され得る。説明は、包装の外側表面上などの包装上に、又は包装の内側に設置された別個の紙の上に印刷され得る。パッケージは、複数の婦人衛生物品を含むことができ、各婦人衛生物品は、当該技術分野において一般に既知であるように、個別に包まれ又は包装され得る。使用上の注意には、印、例えば文章及び絵図を挙げることができる。印刷される注意は、本発明の婦人衛生物品を、ユーザーの下着のサイズ、ユーザーの流量の要件、ユーザーの年齢若しくは体重、又は有効な婦人衛生物品を選択するのに有用ないずれかの他の基準に基づいて選択するための注意を含み得る。
【0067】
本発明の婦人衛生物品は、本明細書に記載される方法に従うことにより使用され得る。第1に、月経用途又は失禁用途のような使用目的により区別される婦人衛生物品の選択がある場合、ユーザーはどちらか一方を選択することができる。ユーザーは、所望の機能強化特性を有する婦人衛生物品を、場合によっては、機能強化特性で区別される製品の配列から選択することができる。別の実施形態では、ユーザーは、婦人用保護物の様々な選択を示し、ユーザーの要求に対応する機能強化標識又は視覚信号に対応する、はっきりと目視できる表示又は大見出し上に掲示される使用案内を参照することにより選択することができる。一つの実施形態では、使用案内は、インターネットを介してなど、電子的に利用可能にできる。ユーザーが、婦人衛生物品を選択し取得したら、次の方法の工程がその後に続く。
【0068】
ユーザーが、婦人衛生物品を下着内に、つまり、下着が着用されているが、そのクロッチ部分が目視でき、クロッチ部分に届くように、脚のあたりに引き下ろされている間に設置することが好ましい。ユーザーは次に、一つの婦人衛生物品を、その包装から(任意の個々の包装紙がある場合はそれから)取り出すことができる。婦人衛生物品が、感圧接着剤取り付け手段を備える場合、ユーザは、いずれかの裏材ストリップ、剥離紙、又は他の覆いを取り除いて、接着剤を暴露させることができる。
【0069】
婦人衛生物品を、包装から取り出し、折り畳みを広げ、ないしは別の方法で設置のために用意すれば、婦人衛生物品上に提供され、その身体に面する表面から目視できるほど明確な機能強化標識(類)をユーザーは見ることができ、そのクロッチ部分を脚で広げている間に、婦人衛生物品を下着内に設置する用意をすることができる。ユーザーは次に、必要であれば、機能強化領域の設置に留意しながら、婦人衛生物品をパンティー内に設置することができる。従って、非対称形状失禁パッド(図1に示されるように)に関して、ユーザーは、パッドのより広い末端部を下着の前部に向かって配向するために、その一つの末端部上の機能強化標識の印を用いることができる。
【0070】
設置は、婦人衛生物品の衣類に面する側上の感圧接着剤を暴露することにより(例えば、剥離紙を取り外すことによる)、並びに婦人衛生物品を下着のクロッチ部分の中に押し付けることによるなど既知の方法により実現することができる。
【0071】
設置後、ユーザーは適切な位置付けについて確認することができ、並びに必要であれば、より良い位置合わせのために婦人衛生物品を取り外して再配置することができる。この段階は、必要なだけ繰り返すことができる。
【0072】
婦人衛生物品がフラップを備えている場合、ユーザは次にフラップを下方に、下着のクロッチ部分の下へ折り重ねることができ、接着剤取り付け手段を備えている場合には、フラップを提供された手段により下着に取り付けることができる。
【0073】
ユーザーは次に、衣類を汚すことにつながり得る製品の配置間違いを最小にしながら、最適な機能を得るために婦人衛生物品が適切に設置されていることを確信して、下着を引き上げることができる。
【0074】
「発明を実施するための最良の形態」において引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈されるべきではない。
【0075】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の婦人衛生物品の一部切欠平面図。
【図2】図1に示される2〜2の切口での切断断面図。
【図3】本発明の婦人衛生物品の平面図。
【図4】下着内に適切に位置付けされた、本発明の婦人衛生物品の平面図。
【図5】下着内に適切に位置付けされた、本発明の婦人衛生物品の別の実施形態の平面図。
【図6】下着内に適切に位置付けされた、本発明の婦人衛生物品の別の実施形態の平面図。
【図7】本発明の婦人衛生物品の別の実施形態の平面図。
【図8】本発明の婦人衛生物品の別の実施形態の平面図。
【図9】図8に示される9〜9の切口の切断断面図。
【図10】本発明の婦人衛生物品の別の実施形態の平面図。
【図11】本発明の婦人衛生物品の配列の図。
【図12】本発明の婦人衛生物品の配列及び対応する包装の配列の図。
【図13】本発明の婦人衛生物品の配列及び対応する包装の配列の図。
【図14】本発明の婦人衛生物品の配列の図。
【図15】本発明の婦人衛生物品の配列及び対応する包装の配列の図。
【図16】本発明の婦人衛生物品の配列の図。
【図17】本発明の婦人衛生物品の配列及び対応する包装の配列の図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨て吸収性製品に関し、更にとりわけ、婦人の下着内での着用を意図されている婦人衛生物品に関する。
【背景技術】
【0002】
生理用ナプキンのような吸収性物品は、下着が汚れるのを防ぐために、経血及び他の膣排泄物を受け取り、収容するために主として月経期間中に女性に用いられる。失禁パッドのような他の物品は、軽い尿失禁を制御するために同様に着用される。生理用ナプキン及び失禁パッドは、装置をユーザーの下着、通常は女性のパンティーのクロッチ領域に一時的に接着するための、接着剤取り付け手段を典型的には有する。
【0003】
吸収性物品を下着内に設置するとき、物品が、下着のクロッチ部分に対して正しく位置付けられることが多くの場合、重要である。吸収性物品の不適切な位置付けは、結果として、身体からの排泄物が吸収性物品に入り込む代わりに、着用者の衣類又は下着に接触する可能性がある。例えば、吸収性物品が、下着のあまりにも前部の方に設置される場合、下着の後部は吸収性物品で覆われず、その結果、経血などの流体が、下着を汚す場合がある。吸収性物品が、適切な設置についての本来の表示を提供しないような、非対称形状であるときには、問題は更に悪くなる。更に、製品が、クロッチ領域で着用者の下着の縁部を包む、及び/又は物品を下着に取り付けることを意図されている「ウイング」又は「フラップ」と一般に称されるものを有する場合、物品の置き間違いは、結果として、折り目が不十分になり、時期尚早に脱離することになる可能性がある。
【0004】
前部が狭く後部が広い、或いは「梨形」生理用ナプキンのような横断方向中心線について対称でない吸収性物品などの非対称形状の吸収性物品が、当該技術分野において既知である。こうした物品は、より大きな表面積の領域が着用者の後部に向かって配向されて着用するように意図されている。このように設計された生理用ナプキンは、下着を汚すのを防ぐために、より有効であり得る。非対称形状の吸収性物品はまた、軽い尿失禁の制御のためにも既知である。例えば、米国特許第5,439,458号(ノエル(Noel)らに発行)は、改善された形状を有する成人用失禁パッドのような吸収性物品を開示する。形状は、その長手方向中心線について対称であるが、その横断方向中心線については非対称であるとして記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特に婦人衛生物品として用いるための物品などの、非対称形状吸収性物品に関する問題は、パッドの非対称の性質が、ユーザーの下着内に正しく設置することを困難にしているということである。具体的には、生理用ナプキン及び失禁パッドに関して、非対称形状の末端部のどちらが、下着に対して後部又は前部になるのかが、ユーザーにとって分かりにくい。例えば、失禁パッドについては、月経時の使用を対象とする同様な形状の生理用ナプキンに関して望ましいように、あるユーザーは、より大きい表面積の部分を後部に直感的に設置する傾向があるが、実際には、その場合、より大きい表面積の部分は女性の下着の前部に向かって配向されることが意図されている。
【0006】
婦人衛生物品に付随する他の問題には、特有の物品の特有の利益をユーザーに有効に伝達することが挙げられる。例えば、生理用ナプキンのような物品は、一つの末端部又はもう一つの末端部の、より近くにおける強化された吸収力など、ある部分における強化機能を有することも可能である。物品のどの部分が強化された吸収力を持つかを知る何らかの方法をユーザーが持つことは有益である。これを知ることは、下着内での物品の適切な配向及び設置を容易にする。
【0007】
それ故に、ユーザーの下着内での適切な設置及び位置付けを容易にするように設計されている生理用ナプキン又はパンティーライナーのような改善された婦人衛生物品への必要性が取り組まれずに残っている。
【0008】
更に、吸収性物品が、その長手方向及び/又は横断方向中心線について対称でないときに、下着内に婦人衛生物品を適切に設置及び位置付けするための手段の必要性が、取り組まれずに存在している。
【0009】
また、婦人衛生物品又は婦人衛生物品の配列の様々な部分に存在する場合がある機能性の違いについて、ユーザーに有効に伝達する婦人衛生物品、又は婦人衛生物品の配列に関する必要性が、取り組まれずに存在している。こうした必要性は、対称及び非対称形状の物品の両方について、取り組まれていない。
【0010】
最後に、適切な配向及び/又は設置を容易にするための手段を含む、非対称形状の失禁パッドへの必要性が、取り組まれずに存在している。
【課題を解決するための手段】
【0011】
湾曲した脚開口部の部分によって両側が境界付けられるクロッチ部分を有する下着のクロッチ部分に、婦人衛生物品を設置するための方法が開示される。この方法は、身体に面する表面と、身体に面する表面から目視できる少なくとも一つの機能強化標識と、を有する婦人衛生物品を提供する工程であって、機能強化標識が、婦人衛生物品の一部分に明確な視覚的強調を提供する、工程;少なくとも一つの機能強化標識が下着の前部に向かって配向されるように、婦人衛生物品をクロッチ部分に対して配向する工程;及び婦人衛生物品を下着のクロッチ部分に取り付ける工程、を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「吸収性物品」とは、液体を吸収及び収容する装置を指し、より具体的には、着用者の身体に接触して又は近接して設置され、身体からの様々な排泄物を吸収及び収容する装置を指す。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「婦人衛生物品」とは、月経及び/又は軽い失禁制御のために婦人によって着用される使い捨て吸収性物品を指す。婦人衛生物品は、外部から目視できるユーザーの性器(即ち、外陰部)に隣接する適所に、ユーザーの下着によって一般的に保持される。婦人衛生物品は、ユーザーの下着内に設置され、接着剤又は他の接合手段を介して取り付けられ得る。婦人衛生物品は、乳児用おむつを含まない。
【0014】
本発明の婦人衛生物品の一つの実施形態である、失禁パッド10が、図1の一部切欠平面図及び図2の断面図に示される。本発明は、失禁パッド10の実施形態として、図1に開示されるが、本発明の開示された機構はまた、生理用ナプキン及びパンティーライナーのような他の婦人衛生物品に組み込まれたときにも有用であり得る。そのため、以下の開示は、失禁パッドに関連するものであるが、一般に婦人衛生物品に適用可能である。本発明はまた、肛門の排泄物用パッド、痔用パッド、陰唇間用パッド、又は下着内での適切な設置及び配向が望ましい、いずれかの他の吸収性物品であり得る。
【0015】
失禁パッド10は、各々が全長の約3分の1を構成する2つの末端部領域12及び14、並びに中間領域16の3つの領域によると考えることができる。本発明の失禁パッド10の関連では、末端部領域12はパッドの前部、即ち、使用中にユーザーの下着の前部の方に向けられることを意図されている失禁パッド10の部分を表す。本発明の生理用ナプキン又はパンティーライナー11の関連では、末端部領域12はパッドの後部、即ち、使用中にユーザーの下着の後部に向かうことを意図されている生理用ナプキン又はパンティーライナー11の部分を表す。
【0016】
失禁パッド10は、使用中にユーザーの身体に接触する身体に面する表面(又は側)15、及び使用中にユーザーの下着に接触する衣類に面する表面(又は側)17を有する。一般に、失禁パッド10の各構成要素の層は、身体に面する側及び衣類に面する側を有し、それらの側は、物品の使用中の配向に対する配向により決定されると言うことができる。失禁パッド10は、長手方向中心線L及び横断方向中心線Tを有し、この中心線は、図1に示されるように、平らに置かれた配置にあるときの生理用ナプキンの平面内で互いに垂直である。一つの実施形態では、失禁パッドは、両方の中心線についてほぼ対称であり得るのに対して、他の実施形態では、失禁パッドは、どちらかの中心線についてほぼ非対称であり得る。図1に示される実施形態では、失禁パッド10は長手方向中心線Lについて対称であり、横断方向中心線Tについて非対称である。以下、更に十分に論じられるように、婦人衛生物品はまた、ユーザの下着のクロッチ領域で折り重ねられ、パンティーの弾性体を覆うことが意図されている「フラップ」又は「ウイング」(図1に示されず)として、当該技術分野において既知である横方向延伸部を備えることもできる。
【0017】
失禁パッド10は、婦人衛生物品について当該技術分野において既知のいずれかの形状を有することができ、それには、一つの末端部領域の部分内の相対的により大きい横断方向の幅から、中央領域での相対的により小さい横断方向の幅まで、内側に向かって次第に細くなる、ほぼ対称の「砂時計」形状が挙げられる。しかしながら、本発明は、パッドの一つの末端部、例えば末端部領域12の最大の横断方向の幅が、他方の末端部、例えば末端部領域14の最大の横断方向の幅より大きいように、横断方向軸について非対称である失禁パッド及びその他の婦人衛生物品のために特に有益である。横断方向の幅は、本明細書では、横断方向中心線Tに対して平行に測定される、物品を横切る端から端までの寸法として定義される。こうしたパッドは、梨形状、自転車の腰掛け台の形状、台形状、くさび形の形状として記載され得るか、又はさもなければ、最大幅寸法において一つの末端部が他方より大きい2つの末端部を有する2次元の形状を暗示する形で記載され得る。
【0018】
失禁パッド10は、使用中に排泄された体液を吸収及び蓄えるための吸収性コア20を有することができる。失禁パッド、パンティーライナー、生理用ナプキン、又は本発明の他のこうしたデバイスの幾つかの実施形態では、吸収性コアは必要ではなく、パッドはトップシート(それはいくらかの吸収力を有することができる)及び流体不透過性のバックシートのみから成る。吸収性コア20は、当業者に周知の材料のいずれから形成され得る。こうした材料の例には、多プライの捲縮セルロース塊、毛羽立てられたセルロース繊維、エアフェルトとしても既知である木材パルプ繊維、織物繊維、繊維の混合物、繊維の塊又は芯、繊維のエアレイドウェブ、高分子繊維のウェブ、及び高分子繊維の混合物が挙げられる。
【0019】
一つの実施形態では、吸収性コア20は相対的に薄く、厚さが約5mm未満、又は厚さが約3mm未満、又は厚さが約1mm未満であり得る。1.72kPa(0.25psi)の均一の圧力下にある間は、厚さは、当該技術分野において測定するために既知のいずれの手段でも測定することができる。吸収性コアは、当該技術分野において既知であるような、吸収性ゲル材料(AGM)の繊維を包含する吸収性ゲル材料を含むことができる。
【0020】
吸収性コア20は、ある形に成形又は切断されることができ、その外側縁部がコア周辺部30を画定する。吸収性コア20の形状は、一般に矩形、円形、卵形、楕円形などであり得る。吸収性コア20は、長手方向中心線L及び横断方向中心線Tに対してほぼ中央に存在し得る。
【0021】
吸収された排泄物が、着用者の衣類に接触するのを防ぐために、失禁パッド10は、液体不透過性バックシート22を有することができる。バックシート22は、ポリマーフィルム及びフィルム/不織布ラミネートのような当該技術分野において既知のバックシート用材料のいずれかを含むことができる。生理用ナプキン10の衣類に面する側に、ある程度の柔軟性及び蒸気透過性を提供するために、バックシート22が、生理用ナプキン20の衣類に面する側上の蒸気透過性外側層であることができる。バックシート22は、当該技術分野において既知のいずれかの蒸気透過性材料から形成され得る。バックシート22は、ミクロ孔質フィルム、孔あき成形フィルム、又は蒸気透過性であるか若しくは蒸気透過性にされた、当該技術分野において既知であるような他のポリマーフィルムを含むことができる。一つの好適な材料は、疎水性であるか、又は実質的に液体不透過性であるように疎水性にされた不織布ウェブなど、柔軟で、滑らかで、適応性のある蒸気透過性材料である。不織布ウェブは、柔軟性及び適合性を提供して快適さをもたらし、並びに動作に伴って不必要な音を生じないように、音の発生を抑える。
【0022】
身体に隣接して柔軟性を提供するために、失禁パッド10は、本明細書ではトップシート26と称される身体に面する層を有することができる。トップシート26は、人間の皮膚に対して快適で、尿又は膣の排泄物などの流体が通過できる、柔軟で、滑らかで、適応性のあるいずれかの多孔質材料から形成され得る。トップシート26は、繊維性不織布ウェブを含むことができ、並びに二成分及び/又は成形した繊維を包含する、当該技術分野において既知であるような繊維を含むことができる。トップシート26はまた、孔あきフィルムなどの液体透過性ポリマーフィルムであるか、又はオールウェイズ(ALWAYS)(登録商標)の銘柄の生理用ナプキンなどの生理用ナプキン上において既知であるような孔あき成形フィルムであり得る。
【0023】
トップシート26及びバックシート22の内の少なくとも一つ、並びに好ましくは両方が形状を画定し、その縁部が失禁パッド10の外側周辺部28を画定する。好ましい実施形態では、トップシート26及びバックシート22の両方が、失禁パッド10の外側周辺部28を画定する。これら二層は、例えば、すべての構成要素を、本明細書に記載されるような失禁パッド10の構造に組み合わせた後に、当該技術分野において既知であるように型抜きされ得る。しかしながら、トップシート26又はバックシート22のいずれかの形状は、独立して画定され得る。
【0024】
少なくとも一つの流体透過性第2トップシート24が、吸収性コア20とトップシート26との間に配置され得る。第2トップシート24は、流体の迅速な獲得及び/又は分配を助けることができ、並びに好ましくは、吸収性コア20と流体連通である。一つの実施形態では、第2トップシート24は、吸収性コア20を完全には覆わないが、コア周辺部30まで横方向に伸びることができる。一つの実施形態では、トップシート、第2トップシート、又は吸収性コアは、重層構造体であり得、層は毛管圧などの流体輸送特性の差により流体輸送を促進する。
【0025】
一つの実施形態では、吸収性コア20は、トップシート26又はバックシート22のいずれかと同程度までは横方向外側に伸びないが、失禁パッド10の外側周辺部28は、コアの外側周辺部30より実質的に大きい可能性がある。このように、コア周辺部30と失禁パッド10の外側周辺部28との間の失禁パッド10の領域は、通気性ゾーン32を画定し得て、このゾーンによって、着用時に、蒸気が生理用ナプキンの部分を通過して脱出し、より乾燥した快適性を提供する。通気性ゾーンを有する、通気性ゾーン失禁パッドは、米国特許出願10/790,418(U.S. Ser. No. 10/790,418)(2004年3月1日出願)の教示によることができる。
【0026】
当該技術分野において既知であるように、すべての構成要素は、ホットメルト接着剤を包含する接着剤により共に接着され得る。接着剤は、フィンドレイ(Findlay)H2128UN又はサバレ(Savare)PM17であることができ、ダイナファイバー(Dynafiber)HTWシステムを用いて適用され得る。
【0027】
生理用ナプキンなどに典型的であるように、本発明の失禁パッド10は、バックシート22の衣類に面する側17の上に配置されたパンティー固定用接着剤36を有することができる。パンティー固定用接着剤36は、この目的のために当該技術分野において用いられる既知の接着剤のいずれかであることができ、当該技術分野において周知であるように、使用前には剥離紙で覆われ得る。
【0028】
上記の開示は、当該技術分野において既知であるような生理用ナプキン及び失禁パッドなどのような婦人衛生物品の基本部品の概要を与えることを意図する。この記載は、限定することを意図していない。特定用途の利益のために所望されるか又は必要とされるとき、既知の生理用ナプキン、パンティーライナー、失禁用パッドなどの様々な既知の要素、機構、プロセスのいずれか及びすべてが、本発明の婦人衛生物品に組み込まれることができる。例えば、生理用ナプキンは、米国特許第4,950,264号(オズボーン3世(Osborn III)、1990年8月21日発行)の開示によることができ、失禁パッドは、米国特許第5,439,458号(ノエル(Noel)ら、1995年8月8日発行)の開示によることができる。次に、残りの開示に関して、本発明の新しい機構及び利益が記載される。
【0029】
本発明の婦人衛生物品は、長手方向及び横断方向中心線の両方について対称であることができる。しかしながら、本発明は、形状又は機能パラメータのいずれかにおいて非対称であることを特徴とする婦人衛生物品との関連において、最も有用である。例えば、一つの実施形態では、婦人衛生物品は、長手方向及び横断方向中心線の両方について対称形状であるが、少なくとも一つの中心線で分かれているある領域が機能強化されているという意味では、機能的に非対称であり、これは、例えば、第2末端部領域に比べて第1末端部領域に、より近いところに配置される、より高い吸収能力を有することによる。こうしたパッドでは、ユーザーが、パッドのどちらの末端部が機能強化されているかを知覚することは、使用目的並びに下着内への適切な設置について、物品の適切な選択を容易にするために重要である。一つの実施形態では、婦人衛生物品は、一つの末端部が、より大きい表面積を有することにより機能強化されるように、横断方向中心線について非対称である。また、より大きい表面積の部分がパッドの特定用途のために機能強化されていると、ユーザーが知覚することは重要である。即ち、より大きい表面積の適切な配向、即ち前部又は後部の配向を助けるために、物品の周辺部の形状及び一つの末端部と他方の末端部との間の表面積の違いだけではなく、視覚的又は触知的標識から、ユーザーは利益を得ることができる。
【0030】
そのため、以下に十分に開示されるように、物品の適切な選択、並びに物品の適切な設置及び使用についてユーザーを助けるために、本発明の婦人衛生物品は、機能強化標識34を含む。機能強化標識34は、婦人衛生物品の機能的に区別可能な部分に対応する、ユーザーが知覚できる標示又は信号であり得る。婦人衛生物品の機能的に区別可能な部分は、物品の隣接部分と比べて、組成、配置、又は構造において異なる部分である。機能強化標識34は、ユーザーが知覚できる標示又は信号であり得、これがなければユーザーが知覚できない、婦人衛生物品の機能的に区別可能な部分に対応している。機能強化標識34は、ユーザーが知覚できる標示又は信号であり得、意図された特有の機能を対象としていることを、これがなければユーザーが知覚できない、婦人衛生物品の機能的に区別可能な部分に対応している。一つの実施形態では、機能強化標識34は、インクジェット印刷のような印刷により適用される。一つの実施形態では、機能強化標識34は、インクジェット印刷によるなど印刷によってのみ、物品構成要素の一つの上に適用され、均一に着色された不織布のような、前もって着色された、又は染色された構成要素を含まない。
【0031】
機能強化標識34は、視覚的にのみ知覚可能であり得、即ち視覚的に知覚可能な機能強化標識であることができる。機能強化標識は、触知的にのみ知覚可能であることができ、即ち触知的に知覚可能な機能強化標識であることができる。機能強化標識は、以下において、主に視覚的に知覚可能である好ましい実施形態において開示される。「視覚的に知覚可能である」とは、ヒトの観察者が、標準100ワットの白熱電球の照明と少なくとも同等な照明において、1mの距離で、肉眼により(近視、遠視、若しくは正視を補正するために適合される標準的な矯正レンズ、又は他の矯正視力を例外とする)、機能強化標識を視覚的にはっきりと識別できることを意味する。「視覚的にのみ知覚可能である」とは、機能強化標識が、婦人衛生物品の身体に面する表面上において、感触、音、又はにおいによって、容易に知覚できないことを意味する。そのため、婦人衛生物品の溝、エンボス、房、折り目、ひだ、及び他の触知的に知覚可能な要素は、視覚的にのみ知覚可能であるとは見なされない。しかしながら、視覚的にのみ知覚可能である機能強化標識は、こうした溝、エンボスなどと併せて用いることはできる、例えば、機能強化標識は、強化された流体収容を知らせるために、失禁パッドの周辺部周囲の縁部のけん縮と併せて用いることができる。
【0032】
機能強化標識34は、婦人衛生物品の中心から外れて配置され得て、即ちそれは、少なくとも横断方向中心線Tに対してそれ自体が中心でない、視覚的に知覚できる印又は信号であり得る。一つの実施形態では、図1に示されるように、機能強化標識34は、横断方向中心線に対して中心から外れているが、長手方向中心線に対しては対称である。このように、機能強化標識34は、婦人衛生物品の一つの末端部領域を、特有の機能的に重要な領域であるとして、例えば意図された流体の入り口の領域として識別することができる。機能強化標識34はまた、失禁パッド10の前部を知らしめて、尿及び膣排泄物を吸収する機能のために設置を意図される物品の部分を、ユーザーに示すことができる。機能強化標識34はまた、他の強化機能、例えばより大きい吸収力、より大きい流体の収容、より少ない漏れ、より良い乾燥性、より良い凝縮感、より多くの悪臭防止添加剤などを有するパッドの領域を特定することができる。
【0033】
図1に示されるように、失禁パッド10は、横断方向中心線Tについて非対称であり得る。こうした失禁パッド10を表す一つの方法は、末端部領域12又は14の一つが、その身体に面する表面上で、他方より大きい表面積を有すると言うことである。こうした物品は、下着内に適切に設置されたときには、より多くの被覆、例えば使用中に、ユーザーの下着の前部又は後部のいずれかに向かって、より多くのパッド表面積をもたらすことができる。生理用ナプキンについては、汚れをより良く防ぐために、消費者は典型的には、より大きい末端部領域12をパンティーの後部に向かって設置する。しかしながら、失禁パッドの非対称の設計はユーザーに対して問題を提示する。パッドは、より大きい末端部分12が下着の後部に向かって配向されるように設計されていないため、ユーザーは、パッドの意図されている配向を補強する視覚信号によって利益を得る。ユーザーは、非対称の婦人衛生物品を、より大きい末端部分がユーザーの下着の後部の部分に配向されるように、一般的に設置するため、視覚信号は、ユーザーのこうした習慣力を克服するために必要であると考えられている。
【0034】
上記の問題を解決するために、婦人衛生物品、例えば本発明の失禁パッド10は、失禁パッド10の身体に面する表面15から目視できる少なくとも一つの機能強化標識34を有し、第1又は第2末端部領域12又は14の内の一つにより近いパッドの一部分に明確な視覚的強調を提供する。失禁パッド10に照らして、例えば、機能強化標識34は、着用者のパンティーのような下着内に、失禁パッド10を設置及び位置付けするときに、下着に対して失禁パッド10の適切な配向を容易にするために、パッドの前部であるという視覚的に知覚可能な標示を提供する印又は信号であることができる。
【0035】
機能強化標識34は、印刷された印、例えば、インクジェット印刷図、デザイン、線若しくは線分、又はエンボス加工された尾根部若しくは隆起部、折り目、ひだ、或いは視覚的標示を提供する当該技術分野において既知のいずれかの他の手段を含むことができ、この手段は、婦人衛生物品の一部分を他の部分から区別する機能を果し、例えば、ユーザーが、下着内への非対称形状の失禁パッドの適切な前部から後部への配向の設置を決定するのを助ける具体的には、図1に示されるように、機能強化標識34は、失禁パッド10のどちらの末端部領域が、流体の入口領域に企図されているか、又は流体の入口領域に境界付けられるかを示すために配置され得る。従って、失禁パッド10について、機能強化標識34は、パッド10のより大きい末端部分12が、ユーザーの下着の全部に配向されるよう企図されていることをユーザーに示す、視覚的に知覚可能な識別力を提供する。
【0036】
そのため、機能強化標識34の一つの基準は、それが一つの部分、例えば物品の一つの末端部分をその他の部分とは機能的に異なるとして、その周辺部あたりの物品の全体形状から異なる視覚信号により、明らかに識別するというものであり、その形状は、実際には、ユーザーに反直感的応答を提供してもよい。本発明の非対称の物品を表す一つの方法は、そのため、物品は、横断方向中心線に対して平行に測定される最大の幅が、各々他方とは異なる、並びに周辺部及び横断方向中心線に対して測定された表面積が異なる二つの末端部分を有するというものであるが、その物品は、着用者に視覚的に知覚可能な信号を含み、視覚的に知覚可能な信号は、物品の一つの末端部分を、特定の重要な領域であるとして、例えば企図された流体の入り口の領域として、明確に識別する。ユーザーの知覚とは、パッドの標示部分が、より大きい吸収力、より大きい流体収容能力、より少ない漏れ、より良い乾燥性、より良い悪臭防止、改善された柔軟性、又は機能強化標識を適切に、例えば下着の前部に配向するための直感的応答を促進する他の信号の内の一つである場合がある、というものであってもよい。
【0037】
非対称形状の失禁パッドについて、機能強化標識34の効果は、失禁パッド10のユーザーに、失禁制御のために着用されるとき、着用者のパンティーの前部に配向されるよう意図されるパッドの部分について、視覚信号を与えることである。ユーザーの直感的発想は、より大きい部分をユーザーのパンティーの後部に向けて、パッドを「逆向き」に設置することであるため、本発明の機能強化標識34により提示される視覚信号は、下着内での正しい配向を通じて、改善された使用の利益を提供する。機能強化標識34により知らされる特有の領域にユーザーの注意が引き付けられて、こうした領域は、その使用目的のために機能的に重要であるという反応を引き出す。そのため、尿を吸収する使用目的の失禁パッドについて、ユーザーは直感的に、使用中に、より大きい表面積部分を下着の前部に向けてパッドを配向する。
【0038】
機能強化標識34は、ユーザーが物品の標示部分の重要性に注意を喚起するように標示され、身体に面する表面15から目視できるように婦人衛生物品の上又は内部に配置され得る。機能強化標識は、強化された機能の領域、例えば強化された吸収力、強化された流体収容能力、強化された漏れ制御、強化された悪臭防止、ローション又はスキンケア剤の強化された表面処理などの領域を示すことができる。機能強化標識は、強化された流体収容の領域を知らせることができ、追加の流体収容機構、例えば溝、ゲルブロッキングコーティング、及び当該技術分野において既知の同様のものを含むことができる。機能強化標識34はまた、下着内に適切に位置付けするのに用いるためのフィットガイド、例えば米国特許出願10/852,709(US Ser. No. 10/852,709)(デジアコマントニオ(Digiacomantonio)らにより出願)に開示されるフィットガイドと併せて用いることができる。
【0039】
図3は、長手方向中心線L及び横断方向中心線Tの両方について対称形状の生理用ナプキン11である婦人衛生物品を示す。機能強化標識34は、長手方向軸Lについてほぼ対称に配置され、横断方向中心線Tに対して、第1の末端部領域12のより近くに、中心を外れて設置される。機能強化標識34は、図3に示されるように、横断方向中心線Tの一つの側に完全に存在する。他の実施形態では、機能強化標識は、横断方向中心線Tの両側上に伸びることができる。このような場合には、機能強化標識34の第1縁部34A又は第2縁部34Bの内の一つが、婦人衛生物品の一つの末端縁部に他方より近い場合は、機能標識は第1末端部12により近いと考えられる。
【0040】
機能強化標識34は、トップシート26上若しくは下に存在する吸収性コア20上、又は生理用ナプキン11の別の部分の上に、その身体に面する表面15から視覚的に知覚可能である限り、印刷され得る。機能強化標識34により標識された生理用ナプキン11の部分に対応する生理用ナプキン11の領域は、強化された吸収力の領域であることができる。例えば、吸収性コア20は、機能強化標識34により示された生理用ナプキン11の領域において、より高い坪量、又は吸収性ゲル材料(AGM)のより高い濃度、又はより暑い厚さ、又はより高い吸収力のその他の手段を有することができる。従って、機能強化標識34は、強化された吸収力を最大限に利用できるように、ユーザーが、下着内に生理用ナプキンを配向及び設置するのを助けることができる。
【0041】
機能強化標識34は、生理用ナプキン10の身体に面する表面から目視できる表面上に印刷され得る。機能強化標識34は、下着内に物品を設置及び位置付けする間にユーザーが、それを目視できる限り、トップシート26の下の表面上に印刷され得る。そのため、機能強化標識34は、第2トップシート、サージ層、獲得層、吸収性コアなどの上に、印刷、コーティング、噴霧、ないしは別の方法で配置されたインク又は染料であることができる。機能強化標識34は、物品の機能強化に関する適切な使用についてのユーザーへの信号又はガイドを提供する目的を有する線、線分、曲線、バンド、矢印、言葉、絵、又はいずれかの他の印刷された印として配置されることができる。また、視覚的な印は、婦人衛生物品の身体に面する側15の上に印刷される必要はないが、ユーザーが下着内に物品を設置する又は下着から物品を取り外すときにユーザーが印を見ることができるように、その身体に面する側から目視できることだけは必要である。
【0042】
図4は、パンティー39のクロッチ部分38内に適切に位置付けられた失禁パッド10を示す。図4に示される失禁パッド10は、下着の脚開口部の縁部を包むことを企図されているフラップを持たない本発明の物品の実施例である。図4に示されるように、脚開口部35を画定するパンティー39の部分、例えば脚部弾性体36は、失禁パッド10がパンティーのクロッチ領域38内に適切に設置されるとき、失禁パッド10の側縁部と接線方向に一致するように位置付けられることができる。そのため、失禁パッド10の適切な設置及び配向は、パンティーの前部に配向されることを企図されている失禁パッド10の部分を示す機能強化標識34を使用することにより、所望であれば、適切な前部から後部への位置付けを示す側縁部を使用することにより、実現され得る。更に、失禁パッド10を適切に設置及び位置付けするのを助けるために、一つの実施形態では、下着39の脚開口部35の湾曲に対して、婦人衛生物品10の適切な位置合わせを示すように、機能強化標識34が配置され得る。
【0043】
機能強化標識34は、図4ではページの上部に向かって配向される、着用者の前部に向かって配向される物品の部分上に視覚的標示を提供することにより、下着内の物品の適切な設置についての視覚的標示をユーザーに与えるように設置され得る。図4に示されるように、機能強化標識34は、適切な配向及び設置についての他の手がかりを提供するための、形状並びに視覚的定義及び識別力を有することができる。例えば、機能強化標識34の第1縁部34Aは、機能強化標識34の後方又は「後」部に関連することができ、第2縁部34Bは、機能強化標識34の前方又は「前」部に関連することができる。図4に示される実施形態では、第1縁部34Aは、縫い込みクロッチパネルの縫い目のような、下着の縫い目37の湾曲とほぼ同様の湾曲を有する。加えて、第2縁部34Bのほぼ先の尖った形状は、着用者の身体及び下着に対してパッドの前部を示すために、配向の方向をユーザーに示すことができる。
【0044】
一つの実施形態では、図5に示されるように、機能強化標識34は、視覚的強調における勾配を特徴とする視覚信号であることができる。視覚的強調における勾配は、例えば、色の強度の勾配、又は視覚的に知覚可能な分離性の要素の密度における勾配の結果であることができる。例えば、機能強化標識34は、第1縁部34Aから第2縁部34Bまでの増加する密度の模様において設置される視覚的に知覚可能なドット又は斑点44の模様であることができる。こうした実施形態では、用語「縁部」は、横断方向中心線Tに平行な機能強化標識34の前部及び後部の境界を示すために用いられる。一般に、第1縁部34A及び第2縁部及び34Bは、機能強化標識34のすべての部分を、長手方向中心線Lに沿って前から後ろまで境界付ける。幾つかの実施形態では、第1縁部34A及び第2縁部及び34Bは、失禁パッド10の周辺部28の部分と一致することができる。
【0045】
図5に示されるように、ドット又は斑点のような分離性の視覚的要素は、失禁パッド10の一部分上、例えばトップシート26又は第2トップシート24上に、増加する密度の均一な勾配として目視できるように広がり得る。従って、第1縁部34A及び第2縁部34Bが、物品のそれらそれぞれの末端縁部とほとんど等距離であり得るとしても、機能強化標識34は、第2末端部領域14とは対照的に、第1末端部領域12に向かって視覚的な強調を置いていることが容易に見られる。別の実施形態では、勾配は非均一であり得、パッドの末端部領域12が着用者の下着39の前部に配向されるべきことを更に強調するために、パッドのその部分に主として局在することができる。
【0046】
機能強化標識(類)34は、印刷、刻印、エンボス加工、折り畳み、又は婦人衛生物品の一部分が特定用途のために強化されていることを示す視覚的な又は更には触知的な印象を与えるいずれかの他の既知のプロセスにより作製され得る。機能強化標識34は、陰影領域、縞模様領域、斑点領域、又は他の不連続な領域であることができる。機能強化標識34に、視覚的印象が、連続的着色バンドの一つであるように、陰影を付けることができる。一つの実施形態では、連続的着色バンドは、失禁パッド10の一つの部分から別の部分に強度が増加する1以上の色から成ることができる。「強度の増加」とは、色相、飽和、色、又は色の特性の組み合わせにおける強度の増加を意味する。一つの実施形態では、機能強化標識34は一つの色を含むことができ、別の実施形態では、機能強化標識34は一を超える色を含むことができる。印刷は、既知のプロセス、例えばグラビア印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、及びこれらの組み合わせによることができる。一つの実施形態では、機能強化標識34は、失禁パッド10の身体に面する側15を見るときに、模様がユーザーに目視できるように、失禁パッド10の一部分上に、予め定められた模様をインクジェット印刷することにより作製されることができる。一つの実施形態では、インクはトップシート上に直接印刷され得る。別の実施形態では、色はトップシートの下の失禁パッドの一部分上に印刷され得るが、トップシートを通して目視することができる。
【0047】
図6は、折り重ねられ、下着の弾性体を包むことを意図されているフラップ52を有する失禁パッド10を示す(図6のフラップ52は、折り畳まれていない、平らな状態で示されている)。フラップ52は、当該技術分野において既知であるように、生理用ナプキンを下着の下面に取り付けるための取り付け手段(示されず)を有することができる。当該技術分野において既知の様々な取り付け手段のいずれかが、本発明と共に使用されることができ、それには、感圧接着剤手段が挙げられ、その場合、剥離ストリップも同様に組み込まれることができる。脆弱線又は可撓性ゾーンを作製して、生理用ナプキンのフラップの折り畳みを容易にすることが既知である。
【0048】
図6に示されるように、機能強化標識34は、単一の着色領域又は複数の着色領域を含むことができる。複数の着色領域は、領域の重複性により、色のグラデーション又は強度の変化を定義する色の重複領域46として配置され得る。例えば、複数の着色又は陰影領域46(3つが図6に示される)が、図示されるように、個別に印刷され得るか、ないしは、領域の重複区域において、より暗い又はより強い領域を定義するような方式で適用され得る。着色又は陰影領域46は、花弁、太陽光線、大洋の波などのような心地よい感じを喚起する形状が挙げられる、いずれの形状であることもできる。着色又は陰影領域46の色は、均一であることもできるし、又は一つの色の異なる陰影又は色相であることもできるし、又は異なる色であることもできる。機能強化標識34は、他の印刷された印又は機構、例えば上述のフィットガイドと共に、婦人衛生物品の機構であり得る。
【0049】
失禁パッド10の別の実施形態が、図7に示される。図7に示されるように、機能強化標識34は、複数の異なる視覚的効果を含むことができ、それらのすべてが婦人衛生物品の予め定められた部分又は部分類への視覚的に知覚可能な区別をもたらす。例えば、機能強化標識34は、失禁パッド10の一つの領域から別の領域に増加する密度の配列のドット又は斑点44の領域を含むことができる。加えて、失禁パッド10の前部に配向された部分の視覚的標示を補強するために、色の強度を変える色のバンド48が適用でき、より強い色の強度は失禁パッド10の前部に配向される部分を示している。更には、加えて、又は個別に、流体の入口及び収容の、所望の位置に視覚的標示を与えるために、エンボス加工された溝50を、失禁パッド10の身体に面する表面上に配置することができる身体に面する表面。エンボス加工された溝50は、連続凹部、又は一連の個別圧縮された、密集したエンボスであることができる。エンボス加工は、当該技術分野において周知の手段により実現することができる一つの実施形態では、機能強化標識34は、明白に知覚可能であることだけを意味し、即ちそれは、物品の視覚的に知覚可能な部分のみを含み、触知的に知覚可能な部分、例えば溝を含まない。即ち、一つの実施形態では、機能強化標識34は、エンボス、溝などを除外する。
【0050】
図8は、エンボス加工と印刷と、又は機能強化標識34を作製するための色並びに孔を付与するために当該技術分野において既知の他の方法とを組み合わせる、本発明の別の実施形態を示す。図8に示されるように、失禁パッド10は、曲線状の視覚的に明確な機能強化標識34を共に形成する複数のエンボス52を含む機能強化標識34を含むことができる。図9の断面図に示されるように、エンボス加工された凹部52の一以上、又はすべてのエンボス加工された凹部は、目視できる色58を提供するためのインクのような物質をその中に有することができる。目視できる色は、エンボスと位置合わせして印刷され得るか、又はエンボスが当該技術分野において既知の手段、例えばPCT国際公開特許WO04/057110、又は米国特許第6,780,270号に記載される方法により作製されると同時に印刷されることができる。色58は、印刷インク、染料、塗料、又は着色接着剤によることができる。色58はまた、トップシートの下、更には別個の層の上(どちらも図8に示されていない)にあることもでき、その結果エンボス加工の際に、色58は、エンボス加工された部分を通して見え、それによってエンボス加工された機能強化標識34と位置合わせして印刷された外観を与える。
【0051】
また図8に示されるように、機能強化標識34は、強化された吸収力の領域の視覚的標示を与えるために、さもなければ、強化された機能性の領域を示すために、明確な方式で集団化した複数の視覚的に知覚可能な孔を含むことができる。孔は視覚的に知覚可能であるが、触知的には知覚可能でないこともあり得る。孔54は、米国特許第5,628,097号及びPCT国際公開特許WO01/45616に記載される方法が挙げられる、当該技術分野において既知の手段により形成できる。
【0052】
別の実施形態では、機能強化標識34は、触知的にのみ感知される、即ち、視覚的に明白には感知されない、機能強化標識構成要素を有することにより実現可能である。こうした、触知的機構は、表面の滑らかさの変化、摩擦係数の変化、又は材料特性の他の触知的に感知される変化を用いて、機能強化標識34としての役割を果すことができる。一般に、材料特性の変化は、本明細書に開示されるように、目視できる機能強化標識34の位置に対応することができる。
【0053】
長手方向軸Lについても、また横断方向軸Tについても対称でない失禁パッド10の実施例が、図10に示される。図10は、いわゆるヒモ、又はストリングパンティーに用いるために設計された失禁パッド10又はパンティーライナー11を示す。非常に狭いクロッチ幅は、用いられる場合には、重複を避けるために互いにずれたフラップ51を必要とし得る。機能強化標識34は、この場合、図示されるように、印刷された、着色された、型にはめられた「V」字形の1対が、流体入口の領域又は強化された吸収力の領域又は強化された流体収容の領域を示すことができる。
【0054】
図10に示されるように、いわゆるヒモ、又はストリングパンティーに用いるために設計された婦人衛生物品は、非常に狭い幅にまで次第に細くなる一つの末端部を有するとして記載されることができる。例えば、ストリングパンティーに用いるために設計された生理用ナプキンは、一つの末端部において、約27mmの端から端までの幅まで次第に細くなることができる(物品の最も狭い末端部から10mmで、横断方向中心線に平行に測定される)。本発明の一つの態様では、こうした高度に非対称形状の物品は、パンティーに対する前部又は後部への僅かな置き間違いが、性能に大きな差を生じる可能性があるため、機能強化標識の使用により最も利益を受けられる。そのため、本発明の一つの実施形態では、婦人衛生物品は、一つの末端部から約10mmで、横断方向中心線に平行に測定された、約30mm未満の、端から端までの最小幅を有すると記載できるものを含む。「ヒモ状でない婦人衛生物品」と称せられる他の実施形態は、横断方向中心線に平行に測定された、約30mmを超える端から端までの最小幅を有することを特徴とする。別の実施形態では、本発明の婦人衛生物品は、横断方向中心線に平行に測定された、約30mmを超える端から端までの最小幅を有することを特徴とする。別の実施形態では、本発明の婦人衛生物品は、横断方向中心線に平行に測定された、約30mmを超える端から端までの最小幅を有する吸収性コア部材を有することを特徴とする。
【0055】
機能強化標識(類)34は、これがなければ、外観が実質的に等しい婦人衛生物品の配列のパッドを区別するために有益に使用され得る。図11は、例として、3つの生理用ナプキン11の配列75を示し、その中で、3つの生理用ナプキン11の各々は、機能特性に関して異なる。例えば、図11の各生理用ナプキン11は、吸収能力、悪臭防止、配送感(sensate delivery)、ローションの送達、スキンケア剤濃度、又は婦人衛生物品との関連において有益ないずれかの他の機能属性において異なることができる。図11に描かれるように、機能強化標識34は、左の最初のパッドから右の最後のパッドまで、配列75内で視覚的強調が増加する。視覚的強調の増加は、パッドからパッドへの色強度若しくは色密度、又は線密度、又は該当する機能強化の相対量について視覚的に明確な信号をユーザーに与える、いずれかの他の視覚的印の増加によるものであることができる一つの実施形態では、複数の生理用ナプキンが婦人衛生物品の配列75として同じ包装内で販売され、これらは、ユーザーが所与の個人的状況に応じて特定の生理用ナプキンを選択するのを助ける機能強化標識34を、各々の上に有する。例えば、図11の機能強化標識34は、吸収能力の相対量を示すことができ、ユーザーは、特定時期における特定流量のためのパッドを選択するために視覚的標示を用いることができる。
【0056】
別の実施形態では、所与の機能特性の婦人衛生物品が、袋、箱、又は段ボール箱のような入れ物の中に包装され得て、それらは、ユーザーが適切な機能について適切なパッドを選択するのを助ける同様な視覚信号を有する。例えば、図12に示されるように、図11に記載される生理用ナプキンは、視覚的な区別という点で、機能強化標識34に対応する視覚信号又は標識62を有する、箱又は段ボール箱60の配列77の中に包装され得る。従って、機能強化標識34が色の陰影である場合、視覚標識62は、適合する又は実質的に適合する色の陰影であり得る。「実質的に適合する」とは、人がパッドと包装を比べると、パッドと包装が容易に十分に調和し得る程、色が近いことを意味する。例えば、実質的に調和する陰影は、インク、染料、若しくは色を生じる他の媒体のロットからロットへの色の通常の相違の範囲内において、又はフィルム対紙などにおいて知覚される僅かな差違による通常の相違内において適合することができる。対応した視覚上の区別をする他の手段には、視覚標識62の形状、型、又は全体の外観を、対応する機能強化標識34と適合させることが挙げられる。婦人衛生物品の消費者又はユーザーは、所望の機能特性を有する婦人衛生物品を、包装内部の各パッド上のその機能特性の確認又は補強と合わせて、包装に基づいて、より容易に選択することができる。
【0057】
別の実施形態では、図13に示されるように、包装60の配列77は、包装60内部の生理用ナプキン11のような婦人衛生物品の少なくとも一部分がそれを通して見える、少なくとも一つの窓又は他の実質的に透明な開口部66を有することができる。窓66(又は2以上が存在する場合は窓類66)は、包装60の切り取り部分であるか、又は透明なポリマーの被覆を有する切り取りであるか、或いは、不透明である包装内部に包装された物品の、機能強化標識34の視覚的識別を容易にするために当該技術分野において既知のいずれかの他の手段であることができる。一つの実施形態では、婦人衛生物品は、パッケージ60の配列77の中に包装される前に、個別に折り畳まれ及び/又は個別の包装材(wrappers)の中に包装され得る。こうした実施形態では、窓66を通して、機能特性の配列を示すために必要なときに、対応する視覚標識が婦人衛生物品又は個々の包装材(wrappers)の他の部分上で使用され得る。
【0058】
別の実施形態では、婦人衛生物品、例えば生理用ナプキン11は、直接的な情報保持信号、例えば数字又は等級の明らかに分かるグラデーションにより情報を伝達する書かれた印をユーザーに提供する、機能強化標識34を有することができる。例えば、図14に示されるように、生理用ナプキン11の配列75は数字により識別され得、増加する数字は、機能特性の増加を示している。例えば、増加する数字は、より低い番号が付けられた物品に比べて増加する吸収能力の量を知らせることができる。図14に示されるように、例えば、一番右の数字「3」の番号が付けられた物品は、中央の数字「2」の番号が付けられた物品の吸収能力より大きい吸収能力を有することができる。他の機能強化標識34は、より審美的な外観のために用いることができる。前に開示されたように、複数個の生理用ナプキン11は、ユーザーが所与の個人的状況について特定の生理用ナプキンを選択するのを助ける機能強化標識34と共に、同じパッケージ内で販売されることができる。
【0059】
幾つかの実施形態、例えば図14に示される実施形態では、機能強化標識34が、物品の一つの末端部に他方より近いことが必要ではないことに留意されたい。図14では示されているが、機能強化標識34が、長手方向及び横断方向中心線の両方に対して中心にある場合、示される機能強化標識34の利益は同じである。直接的な情報保持信号をユーザーに提供する機能強化標識34、例えば、同程度のグラデーションが明白に分かる方法で、情報伝達する数字又は書かれた印が、着用者の下着内の物品の適切な配向を容易にするために機能できることにも留意されたい。これは、多くのこうした信号に付随する生来の直立性によるものである。従って、ユーザーは、図14の中間のパッドを、「2」の最上部がパッドの前部になるように配向する。
【0060】
直接的な情報保持信号をユーザーに提供する婦人衛生物品は、袋、箱、又は段ボール箱のような入れ物の配列の中に包装されることができ、それらは、ユーザーが適切な機能について適切なパッドを選択するのを助けるための類似した情報保持信号を持っている。例えば、図15に示されるように、図14に記載される生理用ナプキンは、視覚的区別において機能強化標識34に対応する視覚標識62を有するポリ袋60の配列77の中に包装され得る。従って、機能強化標識34が数字である場合、視覚標識62は、適合する数字であり得る。従って、婦人衛生物品の消費者又はユーザーは、所望の機能特性を有する婦人衛生物品を、包装に基づき、包装内部の各パッド上の機能特性を確認し、又、機能特性が正しいと判断して、より容易に選択することができる。包装は、パッドのうちの一つのパッド上の機能強化標識34が包装を通して見え、機能強化標識34及び視覚標識62の両方の役割を果すように、少なくとも部分的には透明であることができる。
【0061】
図16は、複数の機能強化標識34を有する失禁パッド10の配列75を示す。図示されるように、各パッド10は、低い尿収容能力、中間程度の尿収容能力、又は高い尿収容能力のような機能特性を文字通り「書き出す」、情報を保持する書かれた印70を有することができる。加えて又は別個に、パッドの配列は、図16に示されるハート型のように、視覚的に明確な模様要素72の数により区別され得る。従って、ハートの数が多くなればなるほど、機能強化標識34により示される特性は大きくなる。加えて又は別個に、機能強化標識34は、低い尿吸収能力に対して「L」などのように、情報を保持する書かれた印の短縮形74を含むことができる。
【0062】
図11〜16に示される本発明の実施形態の各場合における、ユーザーにとっての一つの利益は、ユーザーが機能特性の異なる製品の配列を識別して、自分の特定の必要性に応じた製品又は製品類を選択できることである。更に、ユーザーにとっての別の利益は、製品の使用後に、将来的な使用のために製品を識別する、視覚上の注意を払えるということである。つまり、ユーザーは、例えば、図16に示される中間程度のパッドを使用して、それが自分の必要性を完全に満たすものであると分かる場合がある。パッドを取り外す際に、ユーザーは、あらゆる様々な種類の内のどのパッドであるかについて、直接、視覚上の確認を再度行う。これによりユーザーは、どの種類のパッドを自分が使用したかを覚える必要なく、同種のパッドと容易に交換することができる。この理由のために、模様要素72又は書かれた印74など機能強化標識34を、パッドの中に吸収された流体が標識を変えたり又は隠したりしないように、パッドの周辺部近くに設置することが望ましい場合がある。
【0063】
重ねて、図16に示されるパッドに関して、各失禁パッド10は、図17に示されるように、可撓性のポリ包装材(poly wrappers)の配列77の中に個別に包装されることができる。包装材(wrapper)、及びそのように包装される場合には個別に包まれたパッドの箱又は袋は、一以上の機能強化標識34に対応する視覚信号62により識別することができる。図17に示されるように、各パッドは三つ折りにされ、当該技術分野において既知であるように、パッド上のパンティー固定用接着剤のための剥離紙としても機能できる可撓性包装材(wrapper)の中に包まれ得る。包装材(wrapper)は、その上に、印刷によるなど視覚的に明確な方式で、機能強化標識34の一以上に対応する視覚信号62、例えば明確なハート型模様要素72を有することができる。
【0064】
上記の機能強化標識について多くの変形が企図される。例えば、機能強化標識は、失禁パッドが適切に設置され、着用されるときにユーザーに冷たい爽快な感覚を与えるために十分な量で、感覚認知剤、例えばメントールラクテートを含むことができる。機能強化標識は、インクによる印刷ではなくむしろ材料が、機能強化標識であることを意図されている領域において、異なる反射率を有するように、又は更には透明に変わるように作製され得る。同様に、インクの代わりに着色した材料を適切な場所に加えることによって色を加えることができ、着色した材料は、追加のフィルム、不織布、又はのり及びホットメルト接着剤を包含する接着剤であることができる。こうした色は、ユーザーが失禁パッドを下着内に位置付けるときにユーザーに目視できる限り、婦人衛生物品のいずれかの構成要素の内部又は上に加えることができる。
【0065】
一つの実施形態では、本発明の使い捨て婦人衛生物品は、一つずつであるか、又はパッケージ内に、他の吸収性パッド若しくはタンポンのような他の使い捨て吸収性物品と共にであるかの、いずれかにより包装され得る。パッケージは、使用目的、並びに使用上の注意、即ち下着内に婦人衛生物品を適切に設置及び位置付ける方法について、ラベル表示され得る。
【0066】
ユーザーが、機能強化標識を有する失禁パッドのような婦人衛生物品を適切に位置付けするのを助けるために、即ちユーザーが、機能強化標識を配向ガイドとして用いるのを助けるために、婦人衛生物品は使用上の注意と共に提供され得る。使用上の注意は、婦人衛生物品が販売される包装の上若しくは内部、関連する広告若しくは表示媒体上、又は婦人衛生物品自体の上に提供され得る。説明は、包装の外側表面上などの包装上に、又は包装の内側に設置された別個の紙の上に印刷され得る。パッケージは、複数の婦人衛生物品を含むことができ、各婦人衛生物品は、当該技術分野において一般に既知であるように、個別に包まれ又は包装され得る。使用上の注意には、印、例えば文章及び絵図を挙げることができる。印刷される注意は、本発明の婦人衛生物品を、ユーザーの下着のサイズ、ユーザーの流量の要件、ユーザーの年齢若しくは体重、又は有効な婦人衛生物品を選択するのに有用ないずれかの他の基準に基づいて選択するための注意を含み得る。
【0067】
本発明の婦人衛生物品は、本明細書に記載される方法に従うことにより使用され得る。第1に、月経用途又は失禁用途のような使用目的により区別される婦人衛生物品の選択がある場合、ユーザーはどちらか一方を選択することができる。ユーザーは、所望の機能強化特性を有する婦人衛生物品を、場合によっては、機能強化特性で区別される製品の配列から選択することができる。別の実施形態では、ユーザーは、婦人用保護物の様々な選択を示し、ユーザーの要求に対応する機能強化標識又は視覚信号に対応する、はっきりと目視できる表示又は大見出し上に掲示される使用案内を参照することにより選択することができる。一つの実施形態では、使用案内は、インターネットを介してなど、電子的に利用可能にできる。ユーザーが、婦人衛生物品を選択し取得したら、次の方法の工程がその後に続く。
【0068】
ユーザーが、婦人衛生物品を下着内に、つまり、下着が着用されているが、そのクロッチ部分が目視でき、クロッチ部分に届くように、脚のあたりに引き下ろされている間に設置することが好ましい。ユーザーは次に、一つの婦人衛生物品を、その包装から(任意の個々の包装紙がある場合はそれから)取り出すことができる。婦人衛生物品が、感圧接着剤取り付け手段を備える場合、ユーザは、いずれかの裏材ストリップ、剥離紙、又は他の覆いを取り除いて、接着剤を暴露させることができる。
【0069】
婦人衛生物品を、包装から取り出し、折り畳みを広げ、ないしは別の方法で設置のために用意すれば、婦人衛生物品上に提供され、その身体に面する表面から目視できるほど明確な機能強化標識(類)をユーザーは見ることができ、そのクロッチ部分を脚で広げている間に、婦人衛生物品を下着内に設置する用意をすることができる。ユーザーは次に、必要であれば、機能強化領域の設置に留意しながら、婦人衛生物品をパンティー内に設置することができる。従って、非対称形状失禁パッド(図1に示されるように)に関して、ユーザーは、パッドのより広い末端部を下着の前部に向かって配向するために、その一つの末端部上の機能強化標識の印を用いることができる。
【0070】
設置は、婦人衛生物品の衣類に面する側上の感圧接着剤を暴露することにより(例えば、剥離紙を取り外すことによる)、並びに婦人衛生物品を下着のクロッチ部分の中に押し付けることによるなど既知の方法により実現することができる。
【0071】
設置後、ユーザーは適切な位置付けについて確認することができ、並びに必要であれば、より良い位置合わせのために婦人衛生物品を取り外して再配置することができる。この段階は、必要なだけ繰り返すことができる。
【0072】
婦人衛生物品がフラップを備えている場合、ユーザは次にフラップを下方に、下着のクロッチ部分の下へ折り重ねることができ、接着剤取り付け手段を備えている場合には、フラップを提供された手段により下着に取り付けることができる。
【0073】
ユーザーは次に、衣類を汚すことにつながり得る製品の配置間違いを最小にしながら、最適な機能を得るために婦人衛生物品が適切に設置されていることを確信して、下着を引き上げることができる。
【0074】
「発明を実施するための最良の形態」において引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈されるべきではない。
【0075】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の婦人衛生物品の一部切欠平面図。
【図2】図1に示される2〜2の切口での切断断面図。
【図3】本発明の婦人衛生物品の平面図。
【図4】下着内に適切に位置付けされた、本発明の婦人衛生物品の平面図。
【図5】下着内に適切に位置付けされた、本発明の婦人衛生物品の別の実施形態の平面図。
【図6】下着内に適切に位置付けされた、本発明の婦人衛生物品の別の実施形態の平面図。
【図7】本発明の婦人衛生物品の別の実施形態の平面図。
【図8】本発明の婦人衛生物品の別の実施形態の平面図。
【図9】図8に示される9〜9の切口の切断断面図。
【図10】本発明の婦人衛生物品の別の実施形態の平面図。
【図11】本発明の婦人衛生物品の配列の図。
【図12】本発明の婦人衛生物品の配列及び対応する包装の配列の図。
【図13】本発明の婦人衛生物品の配列及び対応する包装の配列の図。
【図14】本発明の婦人衛生物品の配列の図。
【図15】本発明の婦人衛生物品の配列及び対応する包装の配列の図。
【図16】本発明の婦人衛生物品の配列の図。
【図17】本発明の婦人衛生物品の配列及び対応する包装の配列の図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲した脚開口部の部分によって両側が境界付けられるクロッチ部分を有する下着のクロッチ部分に婦人衛生物品を設置するための方法であって、該方法が:
a.身体に面する表面と、前記身体に面する表面から目視できる少なくとも1つの機能強化標識と、を有する婦人衛生物品を提供する工程であって、前記機能強化標識が、前記婦人衛生物品の一部分に明確な視覚的強調を提供する、工程;
b.前記少なくとも1つの機能強化標識が前記下着の前部に向かって配向されるように、前記婦人衛生物品を前記クロッチ部分に対して配向する工程;及び
c.前記婦人衛生物品を前記下着の前記クロッチ部分に取り付ける工程、
を含む婦人衛生物品を設置するための方法。
【請求項2】
前記婦人衛生物品が、横方向に伸びるフラップを含み、前記方法が、前記フラップを、前記脚開口部の前記部分の周囲に巻き付ける工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記婦人衛生物品が、長手方向中心線と、前記長手方向中心線に垂直な横断方向中心線とを含み、前記婦人衛生物品が、前記横断方向中心線に関して非対称形状である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記機能強化標識が、視覚的に知覚できる色を含み、前記視覚的に知覚できる色が、前記横断方向中心線から前記第1の末端部領域に向かって縦方向に測定された増加距離に比例して、より濃くなる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記機能強化標識が、前記第2末端部より前記第1末端部に近い、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記婦人衛生物品が生理用ナプキンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記婦人衛生物品が失禁パッドである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
婦人衛生物品の配列から婦人衛生物品を選択するための方法であって、前記方法が:
a.湾曲した脚開口部の部分によって両側が境界付けられるクロッチ部分を有する下着内への設置のために、婦人衛生物品の配列を提供する工程であって、前記配列の内の各前記婦人衛生物品が、身体に面する表面並びに第1及び第2末端部領域を有し、前記婦人衛生物品の配列が、少なくとも1つの機能特性において異なる、少なくとも第1及び第2の前記婦人衛生物品を含み、前記第1及び第2の婦人衛生物品の各々が、前記身体に面する表面から目視できる機能強化標識を含み、前記第1及び第2の婦人衛生物品の前記機能強化標識が、前記第1の婦人衛生物品と前記第2の婦人衛生物品とを区別するために、目視できるほど異なる工程;
b.前記機能強化標識を観察する工程;
c.前記婦人衛生物品の配列の中から、前記第1又は第2の婦人衛生物品の内の一つを、前記機能強化標識に基づいて区別する工程;及び
d.前記婦人衛生物品の配列の中から、前記第1又は第2の婦人衛生物品の内の一つを選ぶ工程、
を含む婦人衛生物品を選択するための方法。
【請求項9】
前記婦人衛生物品が生理用ナプキンである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記婦人衛生物品が失禁パッドである、請求項8に記載の方法。
【請求項1】
湾曲した脚開口部の部分によって両側が境界付けられるクロッチ部分を有する下着のクロッチ部分に婦人衛生物品を設置するための方法であって、該方法が:
a.身体に面する表面と、前記身体に面する表面から目視できる少なくとも1つの機能強化標識と、を有する婦人衛生物品を提供する工程であって、前記機能強化標識が、前記婦人衛生物品の一部分に明確な視覚的強調を提供する、工程;
b.前記少なくとも1つの機能強化標識が前記下着の前部に向かって配向されるように、前記婦人衛生物品を前記クロッチ部分に対して配向する工程;及び
c.前記婦人衛生物品を前記下着の前記クロッチ部分に取り付ける工程、
を含む婦人衛生物品を設置するための方法。
【請求項2】
前記婦人衛生物品が、横方向に伸びるフラップを含み、前記方法が、前記フラップを、前記脚開口部の前記部分の周囲に巻き付ける工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記婦人衛生物品が、長手方向中心線と、前記長手方向中心線に垂直な横断方向中心線とを含み、前記婦人衛生物品が、前記横断方向中心線に関して非対称形状である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記機能強化標識が、視覚的に知覚できる色を含み、前記視覚的に知覚できる色が、前記横断方向中心線から前記第1の末端部領域に向かって縦方向に測定された増加距離に比例して、より濃くなる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記機能強化標識が、前記第2末端部より前記第1末端部に近い、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記婦人衛生物品が生理用ナプキンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記婦人衛生物品が失禁パッドである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
婦人衛生物品の配列から婦人衛生物品を選択するための方法であって、前記方法が:
a.湾曲した脚開口部の部分によって両側が境界付けられるクロッチ部分を有する下着内への設置のために、婦人衛生物品の配列を提供する工程であって、前記配列の内の各前記婦人衛生物品が、身体に面する表面並びに第1及び第2末端部領域を有し、前記婦人衛生物品の配列が、少なくとも1つの機能特性において異なる、少なくとも第1及び第2の前記婦人衛生物品を含み、前記第1及び第2の婦人衛生物品の各々が、前記身体に面する表面から目視できる機能強化標識を含み、前記第1及び第2の婦人衛生物品の前記機能強化標識が、前記第1の婦人衛生物品と前記第2の婦人衛生物品とを区別するために、目視できるほど異なる工程;
b.前記機能強化標識を観察する工程;
c.前記婦人衛生物品の配列の中から、前記第1又は第2の婦人衛生物品の内の一つを、前記機能強化標識に基づいて区別する工程;及び
d.前記婦人衛生物品の配列の中から、前記第1又は第2の婦人衛生物品の内の一つを選ぶ工程、
を含む婦人衛生物品を選択するための方法。
【請求項9】
前記婦人衛生物品が生理用ナプキンである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記婦人衛生物品が失禁パッドである、請求項8に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2008−521584(P2008−521584A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−544650(P2007−544650)
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/045481
【国際公開番号】WO2006/066032
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/045481
【国際公開番号】WO2006/066032
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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