説明

機能水製造方法および装置

【課題】プラズマを利用して、安全かつ確実に消毒、殺菌を行うことができる方法を提供する。
【解決手段】処理槽1と、給水源2と、給水源から処理槽に水Wを供給する給水手段3、4と、処理槽の上方に配置され、処理槽の水面に向けてプラズマを照射するプラズマ発生手段5と、プラズマ発生手段を支持する支持手段と、プラズマ発生手段にガスを供給するガス供給源11と、処理槽から、プラズマ処理された水Wを排出する排水手段12、13を備える。プラズマ発生手段は、処理槽の水中に電流を流すことなく発生させたプラズマを照射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能水、特に、弱酸性を有し、菌の増殖を抑制する効果を備えた水を、化学薬品を利用することなく製造するための方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、大気圧低温プラズマを利用して対象物を消毒および殺菌する方法が知られている。このような方法としては、例えば、殺菌性液状物質を気化させた気体、反応性気体またはそれらの混合気体を放電領域に導入し、生成した大気圧低温プラズマ領域内のプラズマ活性種を、食品の包装材料や包装容器、または医療材料等に接触させる殺菌方法(例えば、特許文献1参照)や、大気圧低温プラズマを病原微生物に直接噴射することによって対象物を殺菌する方法(例えば、特許文献2参照)が存在する。
【0003】
また、対向する電極を有するプラズマ反応装置に希ガスまたは希ガスを主とした混合ガスを導入し、大気圧グロー放電によってプラズマを発生させ、対向する電極間に位置させた包装材料、容器、医療材料等にプラズマを照射することによって殺菌する方法が存在する(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
ところで、一般に、微生物は湿潤な環境中において活動しており、このため、大気圧中においてプラズマ発生装置で生成されたプラズマ放射光や活性種は、微生物に直接接触することがない。なぜなら、これらの微生物は水によって取り囲まれているからである。
したがって、上述のような従来のプラズマを利用した殺菌方法では、微生物を取り囲む水のシールドという障壁を確実に打ち破ることができず、安全かつ確実に消毒、殺菌することができず、特に、水分を含んだ対象物または液体の消毒や殺菌に対して有効ではなかった。
【0005】
【特許文献1】特開2001−54556号公報
【特許文献2】特開2006−102004号公報
【特許文献3】特開平8−156920号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の課題は、プラズマを利用して、安全かつ確実に消毒、殺菌を行うことができる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、第1発明によれば、水に対し、水中に電流が流れないようにして発生させたプラズマを照射することによって機能水を製造する方法が提供される。なお、本明細書中において、「水中に電流が流れないようにして発生させたプラズマ」とは、水が電流回路の一部を構成して水中を電流が流れる状態で発生させたプラズマを除外する意味である。
【0008】
第1発明の構成において、前記プラズマは、マイクロ波プラズマであることが好ましく、また、前記プラズマを大気圧中またはそれ以上の高圧中において前記水に照射するようになっていることが好ましい。
また、前記プラズマは、希ガスを用いて発生させたものであることが好ましく、また、前記水は、超純水、イオン交換水、精製水、飲料水および処理水(汚水、洗浄処理後の水、薬品処理水等)のうちのいずれか1つまたはそれらのうちの複数の組み合わせからなっていることが好ましい。
【0009】
上記課題を解決するため、また、第2発明によれば、処理槽と、給水源と、前記給水源から前記処理槽に水を供給する給水手段と、前記処理槽の水面または水中にプラズマを照射するプラズマ発生手段と、前記プラズマ発生手段を支持する支持手段と、前記プラズマ発生手段にガスを供給するガス供給源と、前記処理槽から、プラズマ処理された水を排出する排水手段と、を備え、前記プラズマ発生手段は、前記処理槽の水中に電流を流すことなく発生させたプラズマを照射することを特徴とする機能水を製造する装置が提供される。
【0010】
第2発明の構成において、前記プラズマ発生手段は、マイクロ波プラズマ発生手段からなっていることが好ましく、また、前記プラズマ発生手段からのプラズマ照射が大気圧中またはそれ以上の高圧中においてなされることが好ましい。
【0011】
また、好ましくは、前記ガス供給源は、希ガスを供給するようになっており、また、前記水は、超純水、イオン交換水、精製水、飲料水および処理水(汚水、洗浄処理後の水、薬品処理水等)のうちのいずれか1つまたはそれらのうちの複数の組み合わせからなっていることが好ましい。
また、前記装置は、前記処理槽中の水を攪拌する攪拌手段を備えていてもよく、また、前記装置は、前記処理槽を冷却する冷却手段を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、水に、水中に電流が流れないようにして発生させたプラズマを直接照射することにより、化学薬品を利用する方法によらずに水のPH値を低下させるとともに、水中の活性酸素の濃度を増大させることができ、その結果、弱酸性で、活性酸素を豊富に含んだ機能水を効率的に製造することができる。この機能水は、菌の増殖を抑制することができ、消毒、殺菌効果を奏する。
本発明によれば、かかる機能水を、化学薬品を使用することなく、簡単かつ低コストで大量に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例について説明する。図1は、本発明の1実施例による機能水製造装置の概略構成を示す図である。図1を参照して、本発明による機能水製造装置は、処理槽1と、給水源2と、給水源2から処理槽1に水Wを供給する給水管3と、給水管3の途中に設けられた給水ポンプ4を備えている。
給水源2から供給される水は、超純水およびイオン交換水および精製水および蒸留水のうちのいずれか1つまたはそれらのうちの複数の組み合わせからなっていることが好ましいが、一般の水道水等であってもよい。
【0014】
処理槽1の上方には、処理槽1の水面に向けてプラズマを照射するプラズマ発生手段5が配置される。図示はされないが、プラズマ発生手段5は適当な支持手段によって支持されている。プラズマ発生手段としては、公知の適当なものを使用することができる。この実施例では、プラズマ発生手段5は、マイクロ波プラズマ発生手段、例えば、キャビティ型マイクロ波プラズマトーチからなっている。この場合、キャビティ型マイクロ波プラズマトーチの代わりに、マイクロ波ラインプラズマ発生装置を用いてもよい。
プラズマ発生手段は、マイクロ波プラズマ発生手段に限定されず、処理槽1の水中に電流を流すことなく発生させたプラズマを照射することができる任意のプラズマ発生手段であればよい。すなわち、本発明では、例えば、一方の電極を水中に配置する一方、他方の電極を水面の上方に配置し、2つの電極間に高電圧を印加して放電を生じさせることによってプラズマを発生させるような構成のプラズマ発生手段は除外される。
また、プラズマ発生手段は、大気圧中またはそれ以上の高圧中でプラズマを発生、照射し得るものが好ましい。
【0015】
図1において、キャビティ型マイクロ波プラズマトーチ5は、両端開口が閉じられた円筒状のキャビティ6と、キャビティ6を中心軸方向に貫通してのびる放電管7を備えている。キャビティ6は、例えば銅等の導体からなり、放電管7は、例えば石英等の誘電体からなっている。
【0016】
また、キャビティ6の側壁には、(図示されない)アンテナが設けられ、アンテナには同軸ケーブル8の一端側が接続される。同軸ケーブル8の他端側は、マイクロ波電源9に接続されている。
【0017】
放電管7の上端には、ガス供給源11がガス供給管10を通じて接続されている。ガス供給源11は、アルゴン等の希ガスを供給するようになっている。マイクロ波電源9からマイクロ波をキャビティ6内に供給することによって、放電管7の下端開口から希ガスのプラズマが照射される。
【0018】
処理槽1の下部側壁に排水口が形成され、排水口には、プラズマ処理された水を排出する排水管12が接続されている。また、排水管12の途中には、開閉バルブ13が備えられている。
また、処理槽1は、(図示されない)公知の適当な水冷装置を備えた冷却用水槽14内に配置される。なお、処理槽1の排水管12は、冷却用水槽14の側壁を貫通して外部にのびるように配置されている。
【0019】
さらに、冷却用水槽14の下側には、マグネチック・スターラーの本体15が配置されるとともに、処理槽1内にマグネチック・スターラーの攪拌子16が配置され、処理槽1内の水Wが攪拌され得るようになっている。この場合、マグネチック・スターラー15、16の代わりに、公知の別の攪拌手段を用いてもよい。攪拌手段は必要に応じて備えられる。
攪拌手段を設ける代わりに、マイクロ波プラズマトーチ5を動かすことで、プラズマの照射エリアを処理槽1の水面全体にわたって移動させること、あるいは、処理槽1への水Wの供給速度と処理槽1からの処理後の水Wの排出速度量を調節して、処理槽1内に一定の水流を生じさせること等によっても攪拌手段と同様の効果が得られる。
【0020】
以下、本発明の機能水製造装置の動作について簡単に説明する。
本発明の機能水製造装置は、その全体が大気圧中に配置される。そして、排水管12の開閉バルブ13が閉じられた状態で、水Wが給水源2から給水管3を通じて処理槽1内に供給され、処理槽1に一定量の水Wが貯えられた時点で、水Wの供給が停止される。そして、マグネチック・スターラー15、16のスイッチが入れられ、水Wが攪拌される。
【0021】
また、マイクロ波電源9から同軸ケーブル9を通じてキャビティ6内に所定の波長のマイクロ波が出力される。また、ガス供給源11からガス導入管路10を通じて放電管7内にガスが導入されるそれによって、プラズマが放電管7内に生成され、放電管7の下端開口から処理槽1の水面に向けて照射され、水Wがプラズマ処理される。
【0022】
一定時間が経過し、処理槽1の水Wの全体がプラズマ処理された時点で、マイクロ波プラズマトーチ5およびマグネチック・スターラー15、16の動作が停止され、開閉バルブ13が開かれて、処理槽1からプラズマ処理後の水Wが取り出される。その後、開閉バルブ13が閉じられ、新たな水Wが処理槽1に供給され、前と同様にして、新たな水Wのプラズマ処理が行われる。
【0023】
水Wは、プラズマ処理されることによって、そのPH値が低下して弱酸性を示すとともに、活性酸素を豊富に含むようになる。こうして、本発明によれば、弱酸性で、活性酸素を豊富に含んだ機能水が製造される。この機能水は、菌の増殖を抑制することができ、消毒および殺菌効果を奏する。
【0024】
次に、本発明による機能水製造装置によって得られた機能水の特性を調べるための実験を行った。
(実施例1)
処理槽1として、直径90mmのガラス製シャーレーを使用し、シャーレー1を冷却用水槽14内に配置するとともに、シャーレー1内に20mlの精製水Wを貯えた。また、キャビティ型マイクロ波プラズマトーチ5の放電管7の内径を10mmとし、キャビティ6の長さ150mmとした。そして、2.45GHz、400Wのマイクロ波を適用するとともに、放電管7内にアルゴンガス(99.99%)を2リットル/分の割合で導入した。また、放電管7の下端開口およびシャーレー1の水面間の間隔をz=25mmとした。z=25mmの位置でプラズマガスの温度は827Kであった。
【0025】
そして、シャーレー1の水面に向けてアルゴンガスプラズマを10分間照射した。プラズマの照射の間に、シャーレーの精製水をマグネチック・スターラー15、16によってゆっくりと攪拌した。
10分間のプラズマ照射の後、プラズマの照射を停止するとすぐに、シャーレー1を温度制御された水槽中に収容し、その後30分間、シャーレー1の精製水の温度が303Kに維持されるようにした。
【0026】
(比較例1)
上記と同様の装置を使用するとともに、冷却用水槽14に光を透過する蓋をし、プラズマガスはシャーレー1の水Wにあてずに、光(プラズマ放射光)のみをシャーレー1の水面に10分間照射し、プラズマの照射を停止するとすぐに、シャーレー1を温度制御された水槽中に収容し、その後30分間、シャーレー1の精製水の温度が303Kに維持されるようにした。
【0027】
(比較例2)
未処理の精製水を比較例2とした。
(比較例3)
未処理の精製水中に0.1NのHClを混合し、PH=4.7の酸性水を作製した。
【0028】
照度計(ルミネセンサー PSN AB−2200、アット社製)およびルミノール液(バクトルミックス AB−2960 アット社製)を用いて、実施例による精製水の含有活性酸素量の時間経過につれての変化を集積化学発光強度(ICLI)として測定した。測定は、シャーレー1の精製水を90μl、およびバッファー液(0.1M KHPOおよび0.05mM EDTA2Na、PH=7.4)をピペットで試験管に採取し、試験管内に100μlのルミノール液を注入することによって行った。
【0029】
測定結果を図2のグラフに示した。図2のグラフを参照して、プラズマ照射前の精製水中の活性酸素量は、平均で1496カウント/10秒であった。そして、精製水に対するプラズマ照射を開始すると、精製水中の活性酸素量は急激に増加し、10分経過後には、最大で30500カウント/10秒に達した。プラズマ照射を10分間行った後に停止し、その後30分経過した時点でも、精製水中には、ピーク時の約43%の活性酸素が残留している。
【0030】
次に、上記と同様の照度計およびルミノール液を用いて、マイクロ波プラズマトーチ5の放電管7の下端開口およびシャーレー1の水面の間隔zを変化させながら、実施例による精製水の含有活性酸素量を測定した。測定結果を図6のグラフに示した。図6のグラフからわかるように、放電管7の下端開口およびシャーレー1の水面の間隔が大きくなるにつれて含有活性酸素量が減少することがわかる。これは、放電管7の下端開口に近い位置ほどプラズマのエネルギーが高いため、精製水との反応が強くなることを意味している。
【0031】
さらに、上記と同様の照度計およびルミノール液を用いて、実施例(プラズマ照射した精製水)、比較例1(プラズマ放射光のみを照射した精製水)および比較例2(未処理の精製水)のそれぞれの含有活性酸素量を集積化学発光強度として測定した。
測定結果を図3のグラフに示した。図3のグラフに示すように、プラズマを照射した精製水、プラズマ放射光のみを照射した精製水、および未処理の精製水の含有活性酸素量は、それぞれ、平均で30500カウント/10秒、2170カウント/10秒、および1490カウント/10秒である。これから、精製水にプラズマ照射を行うことによって、含有活性酸素量が増大することがわかる。また、精製水にプラズマ放射光のみを照射しても、含有活性酸素量はあまり増加せず、よって、精製水中の活性酸素量の増大に関し、プラズマ放射光は殆ど影響しないことがわかる。
【0032】
次に、実施例による精製水のPH値の時間経過につれての変化を測定した。測定結果を図4のグラフに示した。図4のグラフを参照して、プラズマ照射によって、精製水のPH値が、6.49から4.84まで低下した。そして、30分経過後にPH値が4.89の最小値をとり、その後は、時間が経過してもPH値は殆ど変化しなかった。こうして、精製水にプラズマを照射することによって、通常の化学薬品を用いる方法によらずに精製水のPH値を弱酸性に変化させることができた。
この場合、PH値が低下する要因としては、照射されるプラズマの下流域で生成された窒素酸化物が精製水に溶解して、硝酸が生成されるからではないかと考えられる。
【0033】
次に、実施例による精製水に菌の増殖抑制作用があるかどうかを調べた。
独立行政法人製品評価技術基盤機構から入手した大腸菌NBRC3301を、寒天プレート(10g/lのポリペプトン、2g/lの酵母エキス、1g/lのMgSO・7HO、15g/lの寒天粉末から形成。PH=7.0)上において、303Kの温度で16時間培養した。寒天プレートから、大腸菌の1つのコロニーを8mlの培養液(10g/lのポリペプトン、2g/lの酵母エキス、1g/lのMgSO・7HOから形成。PH=7.0)を含む培養管に移した。8時間の培養の後、80μlの培養管の液体を、8mlの培養液に移し、さらに8時間培養した。活性試験を行う前に、この大腸菌の培養液を遠心分離管に移し、遠心分離器を用いて、生理的食塩水中において、2046Gで15分間、3回遠心分離した。そして、大腸菌の培養液を、生理的食塩水によって10倍に希釈した。
【0034】
3本の試験管に、それぞれ、実施例によるプラズマ照射後の精製水を4.4ml、比較例2による未処理の精製水を4.4ml、および比較例3による酸性水を4.4ml注入し、各試験管に、上記10倍に希釈した培養液を0.1mlと、45倍に濃縮した生理的食塩水を0.5ml、ピペットを用いて注入した。注入後10分経過した時点で、各試験管から液を0.47mlずつ採取し、それぞれ、同じ濃度および同じ成分を有する培養液中で8時間培養した。そして、3つの培養液それぞれの活性試験を、濁度(600nm)として測定した。
【0035】
測定結果を図5のグラフに示した。図5からわかるように、実施例の精製水のPH値および比較例3の酸性水のPH値が、それぞれ、4.84および4.7であり、両者のPH値がほぼ同じであるにもかかわらず、実施例の精製水は、大腸菌の活性を約57%減少させるのに対し、比較例3の酸性水および比較例2の未処理の精製水は、濁度が1.2とほぼ同じであることから、比較例3の酸性水の抑制効果は、比較例2の未処理の精製水と殆ど同じである。このことから、実施例のプラズマ照射後の精製水の抑制効果が、弱酸性であることではなく、むしろ含有活性酸素に起因していることがわかる。
【0036】
本発明の構成は、上述の実施例に限定されない。例えば、上述の実施例では、マイクロ波プラズマトーチの放電管の下端をプラズマを処理槽の水面から間隔をあけて配置し、プラズマを水面に向けて照射する構成としたが、マイクロ波プラズマトーチの放電管の下端を処理槽の水中に入れ、プラズマを処理槽の水中に照射する構成とすることもできる。この場合には、放電管の周壁に少なくとも1つの開口部を設け、この開口部から空気を導入することが好ましい。
【0037】
また、上述の実施例では、本発明の装置を大気圧中においてプラズマ照射を行う構成としたが、本発明の装置を大気圧以上の高圧中において作動させて、プラズマ照射を行うようにしてもよい。
【0038】
さらには、本発明を浄化処理工程に適用し、汚水に対してプラズマ照射を行うことで、汚水を浄化すること、また、本発明をワインやビール等の製造工程に適用し、ワインやビール等の味覚等の品質を改良することが可能である。また、薬品処理の後工程や、半導体処理工程などに本発明を適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明による機能水製造装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明によるプラズマ照射した精製水の含有活性酸素量の時間経過につれての変化を集積化学発光強度(ICLI)として測定したグラフである。
【図3】プラズマ照射した精製水、プラズマ放射光のみを照射した精製水および未処理の精製水のそれぞれの含有活性酸素量をICLIとして測定したグラフである。
【図4】本発明によるプラズマ照射した精製水のPH値の時間経過につれての変化を測定したグラフである。
【図5】それぞれ、プラズマ照射した精製水、プラズマ放射光のみを照射した精製水および未処理の精製水を含む培養液中の大腸菌の活性試験の結果を示すグラフである。
【図6】プラズマの照射距離の変化につれての、本発明によるプラズマ照射した精製水の含有活性酸素量の変化を測定したグラフである。
【符号の説明】
【0040】
1 処理槽
2 給水源
3 給水管
4 給水ポンプ
5 キャビティ型マイクロ波プラズマトーチ
6 キャビティ
7 放電管
8 同軸ケーブル
9 マイクロ波電源
10 ガス供給管
11 ガス供給源
12 排水管
13 開閉バルブ
14 冷却用水槽
15 マグネチック・スターラー本体
16 攪拌子
W 水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水に対し、水中に電流が流れないようにして発生させたプラズマを照射することによって機能水を製造する方法。
【請求項2】
前記プラズマは、マイクロ波プラズマであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プラズマを大気圧中またはそれ以上の高圧中において前記水に照射することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記プラズマは、希ガスを用いて発生させたものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記水は、超純水およびイオン交換水および精製水および蒸留水のうちのいずれか1つまたはそれらのうちの複数の組み合わせからなっていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
処理槽と、
給水源と、
前記給水源から前記処理槽に水を供給する給水手段と、
前記処理槽の水面または水中にプラズマを照射するプラズマ発生手段と、
前記プラズマ発生手段を支持する支持手段と、
前記プラズマ発生手段にガスを供給するガス供給源と、
前記処理槽から、プラズマ処理された水を排出する排水手段と、を備え、
前記プラズマ発生手段は、前記処理槽の水中に電流を流すことなく発生させたプラズマを照射することを特徴とする機能水を製造する装置。
【請求項7】
前記プラズマ発生手段は、マイクロ波プラズマ発生手段からなっていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記プラズマ発生手段からのプラズマ照射が大気圧中またはそれ以上の高圧中においてなされることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ガス供給源は、希ガスを供給することを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記水は、超純水およびイオン交換水および精製水および蒸留水のうちのいずれか1つまたはそれらのうちの複数の組み合わせからなっていることを特徴とする請求項6〜請求項9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記処理槽中の水を攪拌する攪拌手段を備えたことを特徴とする請求項6〜請求項10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記処理槽を冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする請求項5〜請求項11のいずれかに記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−183867(P2009−183867A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−26604(P2008−26604)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【出願人】(392036326)株式会社アドテック プラズマ テクノロジー (24)
【Fターム(参考)】