説明

機能的表面を有するプラスチック成形部材の製造法

本発明は、機能的表面を有するプラスチック成形部材の製造法に関する。この方法によれば、被膜は、担体フィルム上に製造され、被覆された担体フィルムは、成形され、再射出成形または再発泡され、被膜は、未だ硬化されていなくとも、硬化させることもできるし、後硬化させることもできる。被膜は、室温ないし100℃の温度範囲内で少なくとも10Paの蓄積能率E’を有する保護フィルムによって少なくとも一時的に被覆されており;この被膜は、(S)の製造の際に調整された製造方法により発生された優先方向に対して長手方向および横方向に23℃で300%を上廻る破断時の伸びを有し、50μmの層厚でUV線および230〜600nmの波長を有する可視光に対して70%を上廻る透過率を有する。被膜に対向する面は、23℃で0.06GPa未満の硬度および50μmによるRaに対応する原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定された粗さ30nmを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能的表面を有するプラスチック成形部材を製造するための新規方法に関する。更に、本発明は、機能的表面を有する、新規方法により製造されたプラスチック成形部材の使用に関する。
【0002】
背景技術
(I)熱可塑性担体フィルム(T)の表面(T.1)を
(I.1)顔料添加された少なくとも1つの被覆剤(B.1)で被覆し、
(I.2)生じる層(B.1)を少なくとも1つの化学的に硬化可能な被覆剤(B.2)で被覆し、それによって層(B.2)を生じ、この層(B.2)が硬化後に透明被膜(B.2)を生じることにより、熱可塑性担体フィルム(T)上に被膜(B)を形成させ、
(II)生じる被覆された熱可塑性担体フィルム(T/B)を開放された金型内に入れ、
(III)この金型を閉じ、被覆された熱可塑性担体フィルム(T/B)の被覆されていない面(T.2)を液状のプラスチック材料(M)と接触させ、それによって被覆された熱可塑性担体フィルム(T/B)を形成させ、プラスチック材料(M)と堅固に結合させ、プラスチック材料(M)を硬化させ、
(IV)被膜(B)が硬化されていないか、部分的に硬化されたかまたは完全に硬化された、生じる被覆されたプラスチック成形部材(M/T/B)を金型から取り出し、この場合
(V)処理工程(I)においておよび/または処理工程(I)の終結後におよび/または処理工程(III)においておよび/または処理工程(IV)の後に硬化されていないかまたは部分的に硬化された被膜(B)を、完全に硬化するかまたは処理工程(IV)の後に完全に硬化された被膜(B)を後硬化し;
この場合被膜(B)は、少なくとも一時的に保護フィルム(S)で被覆されているものとする、機能的表面(O)を有するプラスチック成形部材(M/T/B)を製造する方法は、国際特許出願WO 00/63015A1の記載から公知である。しかし、前記方法は、不満足な表面特性を有するプラスチック成形部材(M/T/B)を提供する。殊に、機能的表面(O)は、不十分な流展性、不十分な結像識別可能性(D.O.I.、distinctiveness of the reflected image、反射像の示差性)および/または不十分な光沢を有する。また、前記機能的表面は、しばしば目視可能な表面損傷を含む。これは、なかんずく、処理工程(I)の処理生成物が処理工程(II)の実施前に長時間貯蔵されなければならない場合および/または処理工程(IV)の処理生成物が処理工程(V)の実施前に長時間貯蔵されなければならない場合に言えることである。
【0003】
総じて、公知方法で製造されたプラスチック成形部材(M/T/B)は、しばしば所謂自動車の品質を有さず(これについては、欧州特許第0352298号明細書B1、第15頁第42行〜第17頁第40行参照)、したがってこのプラスチック成形部材は、PKW(乗用車)車体のための取付け部材として使用されることができない。
【0004】
発明の課題
本発明は、公知技術水準の欠点をもはや有さず、卓越した表面特性を有するプラスチック成形部材(M/T/B)を提供する、機能的表面(O)を有するプラスチック成形部材(M/T/B)を製造するための新規方法を見出すという課題に基づくものであった。
【0005】
殊に、機能的表面(O)は、卓越した流展性、卓越した結像識別可能性(D.O.I.、distinctiveness of the reflected image、反射像の示差性)および極めて良好な光沢を有し、目視可能な表面損傷を含むことがないはずである。これは、なかんずく、処理工程(I)の処理生成物が処理工程(II)の実施前に長時間貯蔵されなければならない場合および/または処理工程(IV)の処理生成物が処理工程(V)の実施前に長時間貯蔵されなければならない場合に言えることでもある。総じて、新規方法で製造されたプラスチック成形部材(M/T/B)は、所謂自動車の品質(これについては、欧州特許第0352298号明細書B1、第15頁第42行〜第17頁第40行参照)を有し、したがってこのプラスチック成形部材は、硬質のPKW(乗用車)車体、殊に高級車のPKW(乗用車)の車体のための取付け部材として使用されてよい。
【0006】
発明の対象
上記の記載に応じて、機能的表面(O)を有するプラスチック成形部材(M/T/B)を製造するための新規方法が見出された。
【0007】
(I)熱可塑性担体フィルム(T)の表面(T.1)を
(I.1)顔料添加された少なくとも1つの被覆剤(B.1)で被覆し、
(I.2)生じる層(B.1)を少なくとも1つの化学的に硬化可能な被覆剤(B.2)で被覆し、それによって層(B.2)を生じ、この層(B.2)が硬化後に透明被膜(B.2)を生じることにより、熱可塑性担体フィルム(T)上に被膜(B)を形成させ、
(II)生じる被覆された熱可塑性担体フィルム(T/B)を開放された金型内に入れ、
(III)この金型を閉じ、被覆された熱可塑性担体フィルム(T/B)の被覆されていない面(T.2)を液状のプラスチック材料(M)と接触させ、それによって被覆された熱可塑性担体フィルム(T/B)を形成させ、プラスチック材料(M)と堅固に結合させ、プラスチック材料(M)を硬化させ、
(IV)被膜(B)が硬化されていないか、部分的に硬化されたかまたは完全に硬化された、生じる被覆されたプラスチック成形部材(M/T/B)を金型から取り出し、この場合
(V)処理工程(I)においておよび/または処理工程(I)の終結後におよび/または処理工程(III)においておよび/または処理工程(IV)の後に硬化されていないかまたは部分的に硬化された被膜(B)は、完全に硬化するかまたは処理工程(IV)の後に完全に硬化された被膜(B)は後硬化し;
この場合、被膜(B)は、少なくとも1つの一時的に保護フィルム(S)で被覆されていることにより、機能的表面(O)を有するプラスチック成形部材(M/T/B)を製造するための新規方法であって、
保護フィルム(S)が、
(s.1)室温ないし100℃の温度範囲内で少なくとも10Paの蓄積能率(Speichermodel)E’を有し、
(s.2)(S)の製造の際に調整された製造方法により発生された優先方向に対して長手方向および横方向に300%を上廻る破断時の伸びを有し、
(s.3)50μmの層厚の場合に、UV線および230〜600nmの波長の可視光線のための70%を上廻る透過率を有し、
被膜(B)に対向する、保護フィルム(S)の面(S.1)が、
(s.I.1)23℃で0.06GPa未満の硬度を有し、
(s.I.2)50μmによるRa値に相当する、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定された粗さ30nm未満を有することによって特徴付けられる、機能的表面(O)を有するプラスチック成形部材(M/T/B)を製造するための新規方法が見い出された。
【0008】
以下、機能的表面(O)を有するプラスチック成形部材(M/T/B)を製造するための新規方法は、本発明による方法と呼称される。
更に、本発明の対象は、発明の詳細な説明から明らかになる。
【0009】
発明の利点
先行技術に鑑みて、本発明の基礎となる課題が、本発明による方法を用いて解決され得ることは驚異的なことであり、当業者にとって予測不可能なことあった。
【0010】
殊に、本発明による方法が公知技術水準の欠点をもはや有さず、卓越した表面特性を有するプラスチック成形部材(M/T/B)を供給することは、驚異的なことであった。前記プラスチック成形部材の機能的表面(O)は、卓越した流展性、卓越した結像識別可能性(D.O.I.、distinctiveness of the reflected image、反射像の示差性)および極めて良好な光沢を有し、目視可能な表面損傷を含まない。これは、処理工程(I)の処理生成物が処理工程(II)の実施前に長時間貯蔵されなければならない場合および/または処理工程(IV)の処理生成物が処理工程(V)の実施前に長時間貯蔵されなければならない場合に言えることである。
【0011】
本発明による方法で製造されたプラスチック成形部材(M/T/B)の極めて幅広い使用可能性は、特に意外なことであった。即ち、前記のプラスチック成形部材は、輸送手段、建築物、窓、ドア、家具およびあらゆる種類の日用品の製造に卓越して使用されることができた。しかし、なかんずく前記のプラスチック成形部材は、所謂自動車の品質(これについては、欧州特許第0352298号明細書B1、第15頁第42行〜第17頁第40行参照)を有し、したがってこのプラスチック成形部材は、PKW(乗用車)車体、殊に高級車のPKW(乗用車)車体のための取付け部材として使用されることができた。
【0012】
発明の詳細な説明
1.本発明による方法の処理工程(I)
本発明による方法は、処理工程(I)において、熱可塑性担体フィルム(T)の表面(T.1)上での被膜(B)の製造から出発する。
【0013】
被膜(B)は、処理工程(I.1)において、(T)の表面(T.1)が少なくとも1つ、殊に1つの被覆剤(B.1)で被覆されることにより、製造される。この場合、被覆は、全面で行なってもよいし、イメージパターンに応じて行なうことができる。前記被覆は、有利には全面で行なわれる。生じる単数の層または生じる複数の層(B.1)は、単層であってもよいし、多層であってもよく、殊に2層であることができる。
【0014】
単数の層または複数の層(B.1)は、処理工程(I.2)において、少なくとも1つ、殊に1つの化学的に硬化可能な被覆剤(B.2)で被覆され、それによって少なくとも1つ、殊に1つの層(B.2)が生じ、この層は、硬化後に透明の、殊に澄明で透明の被膜(B.2)を生じる。
【0015】
1.2処理工程(I)で使用される材料
1.2.1 熱可塑性担体フィルム(T)
熱可塑性担体フィルム(T)は、単層であってもよいし、少なくとも1つの他の層(WS)を含んでいてもよい。
【0016】
殊に、(T)は、後の被膜(B)から離反した面(T.2)上に少なくとも1つ、殊に1つの接着剤層(KS)を有することができる。接着剤層(KS)と(T.2)の表面との間には、なお1つの移行層(UES)が存在していてよい。接着剤層(KS)は、一時的な保護のために簡単に取り外し可能な剥離フィルム(RF)で被覆されていてよく、この剥離フィルムは、処理工程(II)前に剥離される。
【0017】
表面(T.1)と後の被膜(B)との間には、なお少なくとも1つ、殊に1つの接着剤層(KS)が存在していてよい。この場合、表面(T.1)と接着剤層(KS)との間および/または接着剤層(KS)と被膜(B)との間には、少なくとも1つ、殊に1つの移行層(UES)が存在していてよい。
【0018】
担体フィルム(T)は、本質的にかまたは完全に少なくとも1つの熱可塑性ポリマーからなる。特に、熱可塑性ポリマーは、通常の公知の線形の分枝鎖状、星状、櫛状および/またはブロック状に構成されたホモポリマーおよびコポリマーからなる群から選択されている。好ましくは、ホモポリマーおよびコポリマーは、ポリウレタン、ポリエステル、殊にポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート、ポリエーテル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ弗化ビニリデン、ポリ(メタ)アクリレート、殊にポリメチルメタクリレートおよび耐衝撃性に変性されたポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、殊に耐衝撃性に変性されたポリスチレン、特にアクリルニトリルブタジエンスチレンコポリマー(ABS)、アクリルスチレンアクリルニトリルコポリマー(ASA)およびアクリルニトリルエチレンプロピレンジエンスチレンコポリマー(A−EPDM)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテルおよび前記ポリマーの混合物からなる群から選択される。
【0019】
特に好ましくは、ASA、ASAとポリカーボネートとからなる配合物、ポリメチルメタクリレートまたは耐衝撃性に変性されたポリメチルメタクリレートが使用される。
【0020】
ホモポリマーおよびコポリマーは、熱可塑性プラスチックの分野で常用の公知の添加剤を含有することができる。
【0021】
更に、ホモポリマーおよびコポリマーは、常用の公知の充填剤、強化充填剤および繊維を含有することができる。とりわけ、ホモポリマーおよびコポリマーは、次に記載された顔料および/または常用の公知の染料を含有することもできる。
【0022】
移行層(UES)としては、熱可塑性材料、殊に前記の熱可塑性ポリマーからなる常用の公知の、特に厚さ1〜50μmの層が使用されてよい。
【0023】
接着剤層(KS)としては、熱可塑性接触接着剤からなる常用の公知の、特に厚さ1〜10μmの層が使用されてよい。
【0024】
特に、担体フィルム(T)は、場合によっては存在する他の層(WS)を含めて0.5mmを上廻る、有利に0.6mmを上廻る、殊に0.7mmを上廻る厚さである。
【0025】
1.2.2 顔料添加された被覆剤(B.1)
顔料添加された被覆剤(B.1)は、少なくとも1つの顔料を含有する。特に顔料は、有機および無機の、色を付与する顔料、効果を付与する顔料、色および効果を付与する顔料、磁気遮蔽性顔料、導電性顔料、耐蝕性顔料、蛍光顔料および燐光顔料からなる群から選択される。
【0026】
特に、色を付与する顔料および/または効果を付与する顔料が使用される。
【0027】
1.2.3 硬化可能な被覆剤(B.2)
硬化可能な被覆剤(B.2)は、化学的、即ち熱的にかまたは化学線で硬化可能であり、殊に化学線で硬化可能である。
【0028】
この硬化可能な被覆剤は、その塗布、層(B.2)の形成および該層の硬化後に、透明の、殊に澄明で透明の被膜(B.2)を生じる。
【0029】
本明細書中で以下、化学線とは、電磁線、例えば近赤外線(NIR)、可視光線、UV線、X線およびガンマ線、殊にUV線、および粒子線、例えば電子線、ベータ線、アルファ線、中性子線および陽子線、殊に電子線を意味する。
【0030】
硬化可能な被覆剤(B.2)は、液状であるかまたは固体である。前記被覆剤は、透明顔料および充填剤を含有することができる。更に、前記被覆剤は、分子分散性の可溶性染料を含有することができる。しかし、有利には、前記被覆剤は、透明顔料および充填剤ならびに染料を含有しない。
【0031】
被覆剤(B.2)としては、全ての常用の公知のクリヤーラッカーが適している。
【0032】
1.3 処理工程(I)で使用される塗布方法
前記の顔料添加された被覆剤(B.1)およびクリヤーラッカー(B.2)は、被覆剤にとって常用で公知である全ての塗布方法により(T.1)上に塗布されてよい。
【0033】
原則的に、顔料添加された被覆剤(B.1)は、全面的にかまたはイメージパターンに応じて、表面(T.1)上に塗布されることができる。有利には、前記被覆剤は、全面的に塗布される。
【0034】
被覆剤(B.2)の塗布前に、必要に応じて、層(B.1)の表面上には、なお少なくとも1つのイメージパターンに応じての層(BS)、接着剤層(KS)および/または移行層(UES)が塗布されてよい。
【0035】
1.4 処理工程(I)の生成物
処理工程(I)で被覆された熱可塑性担体フィルム(T/B)が生じる。前記の熱可塑性担体フィルム(T/B)の被膜(B)は、部分的または完全に硬化されていなくともよい。
【0036】
如何に熱可塑性担体フィルム(T)が使用されているかに応じて、被覆された熱可塑性担体フィルム(T/B)は、なお少なくとも1つの他の層(WS)を含有することができる。
【0037】
殊に、前記の熱可塑性担体フィルム(T/B)は、被膜(B)から離反した面(T.2)上に少なくとも1つ、殊に1つの接着剤層(KS)を有することができる。
【0038】
接着剤層(KS)と(T.2)の表面との間には、なお1つの移行層(UES)が存在していてよい。接着剤層(KS)は、一時的な保護のために簡単に取り外し可能な剥離フィルム(RF)で被覆されていてよい。
【0039】
表面(T.1)と被膜(B)との間には、なお少なくとも1つ、殊に1つの接着剤層(KS)が存在していてよい。この場合、表面(T.1)と接着剤層(KS)との間および/または接着剤層(KS)と被膜(B)との間には、少なくとも1つ、殊に1つの移行層(UES)が存在していてよい。
【0040】
被膜(B)中には、層(B.1)と層(B.2)との間でなお少なくとも1つのイメージパターンに応じての層(BS)、接着剤層(KS)および/または移行層(UES)が存在していてよい。
【0041】
被覆された熱可塑性担体フィルム(T/B)は、製造直後に後加工されてもよいし、処理過程(II)の実施前に、場合によってはロールの形で貯蔵されてもよい。
【0042】
2.本発明による方法の処理工程(II)
処理工程(II)において、前記の被覆された熱可塑性担体フィルム(T/B)は、開放された金型中、殊に深絞り加工用金型中に入れられる。この目的のために、ロールの(T/B)は、巻き取られることができ、適当に寸法決定された断片に切断されることができる。更に、前記(T/B)および切断された断片は、前成形されてよく、殊に金型の輪郭に適合されてよい。
【0043】
3.本発明による方法の処理工程(II)
処理工程(II)において、金型は閉じられ、被覆された熱可塑性担体フィルム(T/B)の面または被覆された面(T.2)は、液状のプラスチック材料(M)と接触され、それによって被覆された熱可塑性担体フィルム(T/B)が形成され、プラスチック材料(M)と堅固に結合される。引続き、プラスチック材料(M)は、硬化することができる。
【0044】
特に、液状のプラスチック材料(M)は、少なくとも1つの溶融された熱可塑性ポリマー、殊に前記の熱可塑性ポリマーの少なくとも1つを含有するかまたは該熱可塑性ポリマーからなる。また、このような溶融された熱可塑性ポリマーが使用される変法は、射出成形(injection moulding)と呼称される。
【0045】
しかし、また液状のプラスチック材料は、金型内で固体のプラスチック材料(M)を形成する常用の公知の反応性混合物であることができる。この場合、プラスチック材料(M)は、担体フィルム(T)と関連して記載された前記の添加剤を含有することができる。また、このような反応性混合物(M)が使用される変法は、反応射出成形(reaction-injection moulding, RIM)と呼称される。
【0046】
処理工程(II)においては、被覆されたプラスチック材料(M/T/B)が生じ、このプラスチック材料(M/T/B)の被膜(B)は、部分的または完全に硬化されていない。
【0047】
4.本発明による方法の処理工程(IV)
処理工程(IV)において、被覆されたプラスチック材料(M/T/B)は、金型から取り出される。その後、このプラスチック材料(M/T/B)は、そのまま後加工されてもよいし、処理工程(V)が実施されるまで貯蔵されてもよい。
【0048】
5.本発明による方法の処理工程(V)
処理工程(V)において、被膜(B)は硬化される。
【0049】
この場合には、(V)処理工程(I)においておよび/または処理工程(I)の後におよび/または処理工程(III)においておよび/または処理工程(IV)の後に硬化されていないかまたは部分的に硬化された被膜(B)は、完全に硬化されるかまたは処理工程(IV)の後に完全に硬化された被膜(B)は後硬化される。
【0050】
特に、被膜(B)、殊に層(B.2)は、処理工程(I)においておよび/または処理工程(I)の後に処理工程(II)の前で部分的または完全に、殊に部分的に硬化される。特に好ましくは、被膜(B)、殊に層(B.2)は、処理工程(I)においておよび/または処理工程(I)の後に成形後に、殊に金型の輪郭への被覆された熱可塑性担体フィルム(T/B)の適合後に、処理工程(II)において、(T/B)中に挿入され、部分的または完全に硬化される。
【0051】
引続き、部分的に硬化された被膜(B)、殊に被膜(B.2)は、処理工程(III)においておよび/または処理工程(IV)後に完全に硬化される。
【0052】
既に、処理工程(I)または(III)後に完全に硬化された被膜(B)、殊に被膜(B.2)が存在する場合には、この被膜(B)、殊に被膜(B.2)は、処理工程(IV)の後に後硬化され、それによって被膜(B)、殊に被膜(B.2)の架橋密度は、上昇される。
【0053】
前記方法および硬化に使用される装置は、被膜(B)の物質組成により左右され、即ち、被膜(B)が物理的、熱的にかまたは化学線により硬化可能である層(B.1)および(B.2)を含むか否かにより左右される。
【0054】
1つの好ましい処理形式の場合、層(B.2)は、処理工程(I)後に変形後、殊に金型の輪郭への被覆された熱可塑性担体フィルム(T/B)の適合後に完全に硬化されるが、しかし、処理工程(II)前に完全に硬化される。
【0055】
更に、層(B.1)は、処理工程(III)において部分的または完全に硬化される。引続き、生じる完全に硬化された被膜(B.2)は、処理工程(IV)後に後硬化されてよい。生じるプラスチック成形部材(M/T/B)は、有利に熱的に後処理されることができ、部分的にのみ硬化された被膜(B.1)が硬化されおよび/または完全に硬化された被膜(B.1)および/または(B.2)の架橋密度が上昇される。
【0056】
6.本発明による方法に対して本質的な保護フィルム(S)
6.1 保護フィルム(S)の載置および剥離
本発明による方法を実施する場合には、被膜(B)は、少なくとも一時的に保護フィルム(S)で被覆されている。
【0057】
特に、本発明による方法の場合には、保護フィルム(S)は、処理工程(I)後に、有利に処理工程(II)前、殊に被覆された熱可塑性担体フィルム(T/B)が前成形される前に、殊に金型の輪郭に適合され、被膜(B)上に施こされる。特に好ましくは、保護フィルム(S)は、硬化されていない被膜(B)上、殊に硬化されていない被膜(B.2)上に載置される。
【0058】
本発明による方法の範囲内で、生じる被覆された、保護フィルム(S)で被覆された熱可塑性担体フィルム(T/B/S)は、異なる方法で後加工されてよい。
【0059】
最初に1回(T/B/S)は、製造直後に後加工されてもよいし、ロールに巻き取られてもよく、この形でさらに加工されるまで貯蔵されてよい。
【0060】
第1の好ましい変法において、保護フィルム(S)は、処理工程(II)前に(T/B/S)の被膜(B)から剥離することができる。これは、殊に金型の輪郭に適合されて、(T/B)または(T/B/S)が前成形される前または前成形された後、殊に前成形された後に行なうことができる。特に好ましくは、保護フィルム(S)は、前成形された(T/B/S)の被膜(B)の層(B.2)が処理工程(II)前に部分的または完全に、殊に完全に、殊に化学線で硬化される前または硬化された後、殊に硬化される前に剥離される。
【0061】
第2の好ましい変法において、保護フィルム(S)は、処理工程(IV)後にプラスチック成形部材(M/T/B/S)の被膜(B)から剥離することができる。これは、被膜(B)の完全な硬化の前または後に行なってもよいし、プラスチック成形部材(M/T/B)の熱的後処理の前または後に行なってもよい。
【0062】
特に好ましくは、第1の好ましい変法が使用される。
【0063】
6.2 本発明により使用することができる保護フィルム(S)の構造
本発明により使用することができる保護フィルム(S)のために、この保護フィルム(S)が室温ないし100℃の温度範囲内で10Pa、殊に10〜10Paの蓄積能率(Speichermodel)E’を有することは、本質的なことである。
この場合、この蓄積能率E’は、動的機械的熱的分析(Dynamisch-Mechanischen Thermo-Analyse)で自由なフィルムについて測定される(これについては、ドイツ連邦共和国特許第19709467号明細書C2参照)。
【0064】
更に、本発明により使用することができる保護フィルム(S)については、この保護フィルム(S)が製造の際に調整された製造方法、例えば押出またはフィルムのインフレーションにより発生された優先方向に対して長手方向および横方向に300%を上廻る、殊に400〜900%の破断時の伸びを有することは、本質的なことである。
【0065】
更に、本発明によれば、使用することができる保護フィルム(S)について、この保護フィルム(S)が50μmの層厚の際にUV光および230〜600nmの波長の可視光線に対して70%を上廻る透過率を有することは、本質的なことである。
【0066】
とりわけ、本発明により使用することができる保護フィルム(S)については、被膜(B)に対向する面(S.1)が23℃で0.06GPa未満、、殊に0.02GPa未満の硬度(1mNでBerkovich-Indentorで測定されたナノ硬度)を有し、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定された、50μmによる粗さRa30nm未満、殊に25nm未満を有することは、本質的なことである。
【0067】
特に、被膜(B)からの本発明により使用することができる保護フィルム(S)の剥離は、250mN/cm未満、有利に100mN/cm未満、殊に60mN/cm未満の平均化された力を必要とする。
【0068】
特に、本発明により使用することができる保護フィルム(S)は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマーおよびエチレン−プロピレンコポリマーからのフィルムからなる群から選択される。
【0069】
保護フィルム(S)の面(S.1)が接着特性を有することは、有利である。
【0070】
更に、被膜(B)から離反した、保護フィルム(S)の面(S.2)が粘着防止特性を有することは、有利である。
【0071】
特に好ましい保護フィルム(S)は、多数の層から形成されている。
【0072】
殊に好ましい保護フィルム(S)は、少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーからの少なくとも1つのコア層(KNS)と接着剤層(KS)および粘着防止層(AS)からなる群から選択された少なくとも1つの他の層から形成されている。
【0073】
接着剤層(KS)および粘着防止層(AS)が熱可塑性であることは、有利である。
【0074】
特に、コア層(KNS)のホモポリマーおよびコポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマーおよびエチレン−プロピレンコポリマーからなる群から選択される。
【0075】
殊に有利には、保護フィルム(S)は、10〜100μm、殊に30〜70μmの厚さである。
【0076】
本発明により使用することができる保護フィルム(S)は、常用されており、公知である。
【0077】
7.機能的表面(O)を有するプラスチック成形部材(M/T/B)
7.1 機能性および構造
本発明による方法は、卓越して再現可能な方法で機能的表面(O)を有するプラスチック成形部材(M/T/B)を提供する。
【0078】
如何なる顔料が被膜(B)中、殊に顔料添加された被膜(B.1)中に存在しているかに応じて、表面(O)の機能性は、色の付与性、効果の付与性、色および効果の付与性、導電性、磁気遮蔽性、導電性顔料、耐蝕性、蛍光性および燐光性を有する。この場合、表面(O)は、多数の機能を同時に有していてもよい。殊に、前記表面(O)は、色の付与性および/または効果付与性を有する。
【0079】
如何なる出発生成物および出発フィルムが使用されるかに応じて、プラスチック成形部材(M/T/B)は、プラスチック材料(M)、担体フィルム(T)および被膜(B)以外になお少なくとも1つの他の層(WS)を含有することができる。
【0080】
例えば、(M)と(T)との間、(T)と(B)との間および/または(B.1)と(B.2)との間には、少なくとも1つの接着剤層(KS)が存在していてよい。接着剤層(KS)の代わりにかまたはこの接着剤層(KS)と共に、移行層(UES)は、存在していてよい。更に、(B.1)は、イメージパターンに応じての被膜(BS)によって被覆されていてよいし、(B.1)それ自体は、イメージパターンに応じての被膜であってもよい。例えば、プラスチック成形部材(M/T/B)は、次の構造を有する:
(M)/(KS)/(UES)/(T)/(UES)(KS)(B.1)/(BS)/(B.2)。
【0081】
7.2 機能的表面(O)を有するプラスチック成形部材(M/T/B)の利点および使用可能性
機能的表面(O)を有するプラスチック成形部材(M/T/B)は、卓越した表面特性を有する。前記プラスチック成形部材の機能的表面(O)は、卓越した流展性、卓越した結像識別可能性(D.O.I.、distinctiveness of the reflected image、反射像の示差性)および極めて良好な光沢を有し、目視可能な表面損傷をもはや含まない。これは、処理工程(I)の処理生成物が処理工程(II)の実施前に長時間貯蔵された場合および/または処理工程(IV)の処理生成物が処理工程(V)の実施前に長時間貯蔵された場合に言えることである。
【0082】
プラスチック成形部材(M/T/B)は、極めて広範囲に使用可能である。即ち、前記のプラスチック成形部材は、輸送手段、建築物、窓、ドア、家具およびあらゆる種類の利用対象の製造に卓越して使用されてよい。好ましくは、前記のプラスチック成形部材は、筋力および/またはモーターで駆動される輸送手段、殊に船舶、鉄道車両、航空機用機器、自転車、オートバイ、PKW(乗用車)、トラックおよび乗合自動車の製造に使用される。
前記のプラスチック成形部材は、所謂自動車の品質(これについては、欧州特許第0352298号明細書B1、第15頁第42行〜第17頁第40行参照)を有するので、このプラスチック成形部材は、殊にPKW(乗用車)車体、殊に高級車のPKW(乗用車)車体のための取付け部材として適している。
【0083】
実施例
製造例1
被覆された熱可塑性担体フィルムの製造
被覆された熱可塑性担体フィルムを、実験室用被覆装置上への被覆剤(B.1)および(B.2)の連続的な塗布によって製造した。
【0084】
担体フィルムとして、厚さ800μmのLuran(登録商標)S778 TEからなる熱可塑性担体フィルムを使用した。塗布された層(B.1)および(B.2)を乾燥した。
【0085】
生じるフィルムをロール上に巻き付け、他の被膜に変えた。
【0086】
実施例1
プラスチック成形部材の製造
実施例1のプラスチック成形部材の製造のために、製造例1の被覆された熱可塑性担体フィルムを使用した。
【0087】
実施例1については、製造例1の被覆された熱可塑性担体フィルムをBischof + Klein社, Lengerich在の保護フィルムGH-X 527で被覆した。
【0088】
第1表には、使用された保護フィルムの本質的な性質についての概要が記載されている。
【0089】
【表1】

【0090】
保護フィルムで被覆された、被覆された熱可塑性担体フィルムを予め成形した。引続き、層(B.2)を、保護フィルムを通してUV線で部分的に硬化させた。ポジ型として立方体のものを使用した。生じる予め成形した部材を金型内に入れた。金型を閉じ、立方体のものを液状のプラスチック材料で射出成形した。生じるプラスチック成形部材を冷却し、金型を取り出した。引続き、部分的に硬化した層(B.2)をUV線で完全に硬化させた。その後に、保護フィルムを剥離した。
【0091】
こうして製造されたプラスチック成形部材は、表面損傷を有しない、高光沢の表面を有していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(I)熱可塑性担体フィルム(T)の表面(T.1)を
(I.1)顔料添加された少なくとも1つの被覆剤(B.1)で被覆し、
(I.2)生じる層(B.1)を少なくとも1つの化学的に硬化可能な被覆剤(B.2)で被覆し、それによって層(B.2)を生じ、この層(B.2)が硬化後に透明被膜(B.2)を生じることにより、熱可塑性担体フィルム(T)上に被膜(B)を形成させ、
(II)生じる被覆された熱可塑性担体フィルム(T/B)を開放された金型内に入れ、
(III)この金型を閉じ、被覆された熱可塑性担体フィルム(T/B)の被覆されていない面(T.2)を液状のプラスチック材料(M)と接触させ、それによって被覆された熱可塑性担体フィルム(T/B)を形成させ、プラスチック材料(M)と堅固に結合させ、プラスチック材料(M)を硬化させ、
(IV)被膜(B)が硬化されていないか、部分的に硬化されたかまたは完全に硬化された、生じる被覆されたプラスチック成形部材(M/T/B)を金型から取り出し、この場合
(V)処理工程(I)においておよび/または処理工程(I)の終結後におよび/または処理工程(III)においておよび/または処理工程(IV)の後に硬化されていないかまたは部分的に硬化された被膜(B)は完全に硬化するかまたは処理工程(IV)の後に完全に硬化された被膜(B)は後硬化し;
この場合、被膜(B)は、少なくとも1つの一時的に保護フィルム(S)で被覆されているものとする、機能的表面(O)を有するプラスチック成形部材(M/T/B)を製造する方法において、
保護フィルム(S)が、
(s.1)室温ないし100℃の温度範囲内で少なくとも10Paの蓄積能率(Speichermodel)E’を有し、
(s.2)(S)の製造の際に調整された製造方法により発生された優先方向に対して長手方向および横方向に23℃で300%を上廻る破断時の伸びを有し、
(s.3)50μmの層厚の場合に、UV線および230〜600nmの波長の可視光線のための70%を上廻る透過率を有し、
被膜(B)に対向する、保護フィルム(S)の面(S.1)が、
(s.I.1)23℃で0.06GPa未満の硬度を有し、
(s.I.2)50μmによるRa値に相当する、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定された粗さ30nm未満を有することを特徴とする、機能的表面(O)を有するプラスチック成形部材(M/T/B)を製造する方法。
【請求項2】
保護フィルム(S)(s.1)が10〜10Paの蓄積能率E’を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
保護フィルム(S)(s.2)が400〜900%の破断時の伸びを有する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
被膜(B)に対向した、保護フィルム(S)の面(S.1)が(s.I.1)0.02GPa未満の硬度を有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
(s.5)被膜(B)からの保護フィルム(S)の剥離には、平均化された力250mN/cmが必要とされる、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
保護フィルム(S)は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマーおよびエチレン−プロピレンコポリマーからのフィルムからなる群から選択される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
保護フィルム(S)の面(S.1)は接着特性を有する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
被膜(B)から離反した、保護フィルム(S)の面(S.2)は粘着防止特性を有する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
保護フィルム(S)が多数の層から形成されている、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
保護フィルム(S)は、少なくとも1つのホモポリマーまたはコポリマーからの少なくとも1つのコア層(KNS)と接着剤層(KS)および粘着防止層(AS)からなる群から選択された少なくとも1つの他の層から形成されている、請求項9記載の方法。
【請求項11】
コア層(KNS)のホモポリマーおよびコポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマーおよびエチレン−プロピレンコポリマーからなる群から選択される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
保護フィルム(S)が10〜100μmの厚さである、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
保護フィルム(S)を処理工程(I)後に被膜(B)上に施こす、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
保護フィルム(S)を処理工程(II)の直前に被覆された、保護フィルム(S)を備えた熱可塑性担体フィルム(T/B/S)の被膜(B)から剥離する、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
保護フィルム(S)を処理工程(IV)の後に保護フィルム(S)を備えたプラスチック成形部材(M/T/B)の被膜(B)から剥離する、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
保護フィルム(S)を被膜(B)の完全な硬化前または硬化後かまたはプラスチック成形部材(M/T/B)の後処理前または後処理後に被膜(B)から剥離する、請求項15記載の方法。
【請求項17】
熱可塑性担体フィルム(T)が0.5mm以上の層厚を有する、請求項1から16までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
被覆された熱可塑性担体フィルム(T/B)またはこれから切断された断片を処理工程(II)前に予め変形する、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
被覆された熱可塑性担体フィルム(T/B)またはこれから切断された断片を金型の輪郭に適合させる、請求項18記載の方法。
【請求項20】
プラスチック成形部材(M/T/B)の表面(O)の機能性は、色の付与性、効果の付与性、色および効果の付与性、導電性、磁気遮蔽性、導電性、耐蝕性、蛍光性および燐光性を有する、請求項1から19までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
輸送手段、建築物、窓、ドア、家具および日用品の製造のための請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法により製造されたプラスチック成形部材(M/T/B)の使用。
【請求項22】
(s.1)室温ないし100℃の温度範囲内で少なくとも10Paの蓄積能率E’を有し、(s.2)(S)の製造の際に調整された製造方法により発生された優先方向に対して長手方向および横方向に23℃で300%を上廻る破断時の伸びを有し、(s.3)50μmの層厚の場合に、UV線および230〜600nmの波長の可視光線のための70%を上廻る透過率を有するフィルムであって、
この場合、フィルム(s.1.1)の少なくとも1つの表面は、23℃で0.06GPa未満の硬度を有し、(s.1.2)50μmによるRa値に相当する、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定された粗さ30nm未満を有する、プラスチック成形部材の製造の際の保護フィルム(S)としてのフィルムの使用。

【公表番号】特表2007−501136(P2007−501136A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522253(P2006−522253)
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【国際出願番号】PCT/EP2004/007698
【国際公開番号】WO2005/016641
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(390008981)ビーエーエスエフ コーティングス アクチェンゲゼルシャフト (155)
【氏名又は名称原語表記】BASF Coatings AG
【住所又は居所原語表記】Glasuritstrasse 1, D−48165 Muenster,Germany
【Fターム(参考)】