止水栓付きカウンター
【課題】カウンター内側Sに止水栓15を配置して見栄えよくしつつ、開閉操作をし易くすること。
【解決手段】カウンター本体3及びカウンター本体3の下方に配置したカバー4で囲まれたカウンター内側Sの収納空間に止水栓15を配置し、カバー4の表面側に凹底面16aの有る凹部16を設け、凹部16内に止水栓15の開閉操作部15aを、凹部16の凹底面16aに開設した挿通孔16cを通して露出したこと。また、カウンター内側Sから挿通孔16cに挿通した止水栓35の取付けネジ部35dにカウンター外側Gからナット35eを螺着し、挿通孔16cの周縁を止水栓35の本体部35fとナツト35eで挟持することもある。
【解決手段】カウンター本体3及びカウンター本体3の下方に配置したカバー4で囲まれたカウンター内側Sの収納空間に止水栓15を配置し、カバー4の表面側に凹底面16aの有る凹部16を設け、凹部16内に止水栓15の開閉操作部15aを、凹部16の凹底面16aに開設した挿通孔16cを通して露出したこと。また、カウンター内側Sから挿通孔16cに挿通した止水栓35の取付けネジ部35dにカウンター外側Gからナット35eを螺着し、挿通孔16cの周縁を止水栓35の本体部35fとナツト35eで挟持することもある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カウンター内側に止水栓を配置して、カウンター外側に止水栓の開閉操作部を露出させた止水栓付きカウンターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、止水栓付きカウンターは、天板パネルと前板パネルと囲まれカウンター内側に止水栓を内蔵し、前板パネルに、止水栓の開閉操作部を操作するための小孔の操作孔を設け、操作孔にドライバー等の工具の先端部を挿入して開閉操作するものがある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−152494公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記止水栓付きカウンターは、カウンター外側から弁操作部が見えないため、開閉操作がし難い問題がある。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するために、カウンター内側に止水栓を配置して見栄えよくしつつ、開閉操作がし易い止水栓付きカウンターの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
カウンター内側に止水栓を配置して見栄えよくしつつ、開閉操作をし易くするために請求項1記載の本発明が採用した手段は、カウンター本体及びカウンター本体の下方に配置したカバーで囲まれたカウンター内側の収納空間に止水栓を配置したカウンター構造において、カバーの表面側に、凹底面の有る凹部を設け、止水栓の開閉操作部を、凹部の凹底面に開設した挿通孔を通して凹部内に露出したことを特徴とする止水栓付きカウンターである。また、カウンター外側から開閉操作部を見え難くして更に見栄え良くするためには、カバーの下面側に、下方へ向けて開口させて前記凹部を設けるとよい。
【0006】
凹部の所定位置に開閉操作部を露出させるために請求項2記載の本発明が採用した手段は、カウンター内側から前記挿通孔に挿通した前記止水栓の取付けネジ部にカウンター外側からナットを螺着し、前記挿通孔の周縁を止水栓の本体部とナツトで挟持した請求項1記載の止水栓付きカウンターである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の本発明に係る止水栓付きカウンターは、カウンター内側に止水栓を配置して見栄えよくしつつ、カバーの表面側の凹部内に開閉操作部を露出することで、カウンター外側から開閉操作部の操作をし易くできる。
【0008】
請求項2記載の本発明に係る止水栓付きカウンターは、凹部の挿通孔の周縁を止水栓の本体部とナツトで挟持することで凹部の所定位置に開閉操作部を露出させることができ、カウンターと止水栓との位置ずれを無くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に係る止水栓付きカウンター(以下、「本発明カウンター」と言う。)を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0010】
(第1の実施の形態)
図1乃至図12は第1の実施の形態に係る本発明カウンター1の示すものであって、図1はカウンター本体3の一部を破断して示す本発明カウンター1の全体の平面図、図2は本発明カウンター1の全体の底面図である。図3は図2のIII−III線で断面して拡大して止水栓15と凹部16との関係を示す左側面図、図4はカバー4を破断すると共にエプロン17を断面して止水栓15と凹部16との関係を示す正面図である。図5は上方のカウンター本体3、下方のカバー4及び端キャップ5を示すものであって、図(A)は三者3,4,5を分離した状態の正面図、図(B)は三者3,4,5を連結した状態の正面図である。図6は図2のVI−VI線で断面した一部を拡大して示す左側面図、図7は図2のVII−VII線で断面して拡大した左側面図、図8は図2のVIII−VIII線で断面して拡大した左側面図、図9は図2のIX−IX線で断面して拡大した左側面図である。図10はカウンター本体3の底面図である。図11はカウンター本体3及びブラケット6,6,7を分離して示す斜視図である。図12はカバー4に設けた凹部16の別態様を示すものであり、図3の断面部分に相当する部分の左側面図である。
【0011】
本発明カウンター1は、図1乃至図4に示す如く、カウンター本体3とカウンター本体3の下方に配置したカバー4とからなるカウンター2を、複数個のブラケット6,6,7(図11参照)を介して壁面Wに取付けたものであり、カウンター本体3及びカバー4で囲まれたカウンター内側Sの収納空間に二組(水用及び湯用)の止水栓15,15が配置されている。本発明カウンター1は、カバー4の表面4a側に、凹底面16aの有る凹部16が設けられ、各止水栓15の開閉操作部15aを、凹部16の凹底面16aに開設した挿通孔16cを通して凹部16内に突出させて露出してある。本発明カウンター1は、カウンター内側Sの収納空間に止水栓15,15を配置して見栄えよくしつつ、カバー4の表面4a側の凹部16内に各止水栓15の開閉操作部15aを露出させることで、カウンター外側Gから各開閉操作部15aの開閉操作をし易くしてある。
【0012】
前記カバー4に設けた凹部16は、図2乃至図4に示す如く、凹底面16aと周囲側面16bとで囲んで形成されている。本例の本発明カウンター1は、カバー4の下面側に設けた凹部16を下方へ向けて開口させることで、カウンター2の上方から開閉操作部15aを見え難くして見栄え良くしてある。凹部16は、図3及び図4に示す如く、カバー4と一体に形成する場合と、図12に示す如く、カバー4と別体に成形し、カバー4の開口部4kに嵌め込み接合して形成する場合とがある。
【0013】
本例のカウンター2は、図1及び図4に示す如く、浴室に設けられ、湯桶(図示略)を載置する等して利用されるものであって、一方の端(本例は左端)を浴槽(図示略)に併設したエプロン17(図4参照)に接近させると共に他方の端(本例は右端)に端キャツプ5を取付け、カウンター本体3の上面側に温度調節機能付き湯水混合具18 、シャワー・バス切替具19及びシャワーホース接合具20が配設されている。上記エプロン17は、図4に示す如く、浴槽(図示略)の上縁と防水パン(図示略)との間に配置したエプロン本体17aと、エプロン本体17aを覆う外蓋17bとを備え、浴槽裏側Mからカウンター内側Sの収納空間へ通した二本一組の配管21,21の各々をエプロン本体17aに止付け22てある。
【0014】
前記各止水栓15は、カウンター内側Sの収納空間へ導入した配管21に上流側15bをユニオンナット24で接合して、カウンター内側Sの所定位置に配置されると共に、前記湯水混合具18 へ至る可撓性の接合ホース25に下流側15cを接合26してある。前記各止水栓15は、開閉操作部15aを開閉操作することで、開閉と流量調節を行えるようにしてある。
【0015】
本発明カウンター1は、図1、図2及び図6に示す如く、壁面Wに取付けた複数個のブラケット6,6,7を手前へ張り出し、これらブラケット6(7)にカウンター本体3を連結しすると共に、各ブラケット6(7)の壁側取付部6f(7f)にカバー4の壁側接合部4fを螺子や樹脂製のねじ込み式ジョイント部材等からなる取付具8(本例は図6に示す頭部付きボルト)で連結してある。そして、本発明カウンター1は、各ブラケット6(7)の壁側取付部6f(7f)に手前側へ向かって上り傾斜した取付片6f−1(7f−1)を形成すると共に、カバー4の壁側接合部4fに壁側へ向かって下り傾斜した接合片4f−1を形成し、重ね合わせた取付片6f−1(7f−1)及び接合片4f−1に、ねじ込み方向(図6に示す矢符E)がカバー4の下方から壁側へ向かって斜め上方となるように取付具8を螺着して、両片6f−1(7f−1)及び4f−1を連結してある。
【0016】
前記カウンター本体3は、図1、図6及び図10に示す如く、合成樹脂素材を射出成型する等して成形され、上方表面に載置面3aが形成され、周縁の適所に下垂片3bが形成され、下方裏面に補強用リブ3c、ネジ螺着部3e及び後側の係止片3fが形成され、手前側に排水口部3dが形成されている。
【0017】
前記カバー4は、図2及び図6に示す如く、合成樹脂素材を射出成型する等して成形され、カウンター本体3の下側を覆う表面4aを形成し、周縁の適所に起立片4bが形成され、上方内面に補強用リブ4cが形成され、壁側寄りに前記壁側接合部4fが形成され、手前側に排水口部4dが形成され、下面側に凹部16を設けている。カバー4は、前記壁側接合部4fを形成するために、底面壁側寄りに側面三角形の凹部4gが凹設され、凹部4gの後側を接合片4f−1で形成し、接合片4f−1を壁側へ向かって下り傾斜させ、接合片4f−1に取付具用挿通孔4f−2を設けてある。カバー4は、凹部4gの上側を形成する傾斜片4hを壁側へ向かって上り傾斜させ、前記取付具8をねじ込むためのドライバー等のねじ込み作業工具(図示略)を傾斜片4hと接触させないようにしてある。
【0018】
前記カウンター2は、ブラケット6,6,7にカウンター本体3を載置してネジ9(本例は図6に示す蝶ボルト)で連結し、カウンター本体3の周縁の下垂片3bに下方のカバー4の周縁の起立片4bを重ね合わせると共に、手前側の適所をネジ10(本例は図7及び図8に示す頭部付きボルト)及び係合手段11(図9参照)で連結し、カウンター本体3の排水口部3d及びカバー4の排水口部4dで上下に開口した排水口12を形成する。上記係合手段11は、図5(A)及び図9に示す如く、カバー4の周縁の起立片4bの適所から突出した係止孔付き係止片11aと、カウンター本体3の周縁の下垂片3bの裏側に突設した突起11bとからなり、係止片11aの係止孔に突起11bを係入してある。なお、カバー4は、その手前側をカウンター本体3にの手前側に連結する以外に、図示は省略したが、ブラケット6(7)に連結することもある。
【0019】
前記ブラケット6は、図11に示す如く、金属板を折曲げ等して板金加工で成形され、起立接合片6aと、起立接合片6aの壁側の側縁から折曲げて延設した垂直な壁取付片6bと、起立接合片6aの上方側縁から折曲げて延設した水平なカウンター本体取付片6cと、壁取付片6bの上方から延設した弾性変形する押圧片6dと、壁取付片6bの下方から手前側へ延設した壁側取付部6fの取付片6f−1とを備え、壁取付片6b及びカウンター本体取付片6cの各々にネジ挿通孔6eを設けると共に、取付片6f−1に雌ネジ孔等からなる取付部6f−2を設けてある。起立接合片6aは、内側に開口部を成形して軽量化を図っている。前記ブラケット7は、上記ブラケット6よりも張出寸法を短くしたものであり、上記ブラケット6と同様に成形され、起立接合片7aと、起立接合片7aの壁側の側縁から折曲げて延設した壁取付片7bと、起立接合片7aの上方側縁から折曲げて延設したカウンター本体取付片7cと、壁取付片7bの上方から延設した弾性変形する押圧片7dと、壁取付片7bの下方から手前側へ延設した壁側取付部7fの取付片7f−1とを備え、壁取付片7b及びカウンター本体取付片7cの各々にネジ挿通孔7eを設けてある。ブラケット6(7)は、図6に示す如く、壁パネル等からなる取付壁面Wにネジ14で取付固定される。なお、ブラケット6は、樹脂で成形されたものでもよい。
【0020】
前記カウンター本体3、カバー4及びブラケット6(7)からなる本発明カウンター1の組立ては、予めカウンター本体3に温度調節機能付き湯水混合具18 、シャワー・バス切替具19及びシャワーホース接合具20を取付けると共に、カウンター本体3の下側に湯水混合具18 へホース25で接合26した止水栓15,15を配置しておき、先ず、壁面Wにネジ14で取付け固定したブラケット6(7)に、カウンター本体3を載置してネジ9(本例は図6に示す蝶ボルト)で連結し、次に、エプロン17に取付られた各配管21に各止水栓15を接合24して、各止水栓15の位置決めを行なう。続けて、カウンター本体3の周縁の下垂片3bに下方のカバー4の周縁の起立片4bを重ね合わせて接合し、そしてカウンター本体3及びカバー4の手前側の適所をネジ10(本例は図7及び図8に示す頭部付きボルト)及び係合手段11(図9参照)で連結すると共に、カバー4の壁側接合部4fに形成した接合片4f−1を各ブラケット6(7)の壁側取付部6f(7f)に形成した取付片6f−1(7f−1)に取付具8(本例は図6に示す頭部付きボルト)で連結し、カウンター本体3の縦排水路接合部3d及びカバー4の縦排水形成部4dで上下に貫通した前記縦排水路12を形成する。
【0021】
(第2の実施の形態)
図13は第2の実施の形態に係る本発明カウンター31を示すものであって、止水栓35と凹部16との関係を示すものであつて、図3の断面部分に相当する部分の左側面図である。
【0022】
本実施の形態に係る本発明カウンター31が前記第1の実施の形態に係る本発明カウンター1(図1乃至図12参照)と大きく異なる点は、凹部16に各止水栓35を取付け固定したことであり、その他の構成等については第1の実施の形態と実質的に同一であり、図13において図1乃至図12と同一符号は相当部分を示す。本発明カウンター31は、カウンター内側Sから凹部16の挿通孔16cに挿通した各止水栓35の取付けネジ部35dにカウンター外側Gからナット35eを螺着し、挿通孔156cの開口周縁を止水栓35の本体部35fとナツト35eで挟持してある。
【0023】
本発明カウンター31は、凹部16の挿通孔16cの周縁を止水栓35の本体部35fとナツト35eで挟持することで凹部16の所定位置に開閉操作部35aを露出させて、カバー4の所定位置に止水栓35を配置することが可能となる。すなわち、本発明カウンター31は、エプロン17(図4参照)に取付けた配管21,21とカバー4の間で多少の位置ズレが生じていたとしても、各配管21とカバー4の所定位置に配置した各止水栓35の上流側を可撓性の接合ホース(図示略)で接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1の実施の形態に係る本発明カウンターを一部破断して示す全体の平面図である。
【図2】同実施の形態における本発明カウンターの全体の底面図である。
【図3】図2のIII−III線で断面して拡大して止水栓と凹部との関係を示す左側面図である。
【図4】同実施の形態におけるカバーを破断すると共にエプロンを断面して止水栓と凹部との関係を示す正面図である。
【図5】同実施の形態における上方のカウンター本体、下方のカバー及び端キャップを示すものであって、図(A)は三者を分離した状態の正面図、図(B)は三者を連結した状態の正面図である。
【図6】図2のVI−VI線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【図7】図2のVII−VII線で断面して拡大した左側面図である。
【図8】図2のVIII−VIII線で断面して拡大した左側面図である。
【図9】図2のIX−IX線で断面して拡大した左側面図である。
【図10】同実施の形態におけるカウンター本体の底面図である。
【図11】同実施の形態におけるカウンター本体及びブラケットを分離して示す斜視図である。
【図12】同実施の形態におけるカバーに設けた凹部の別態様を示す左側面図である。
【図13】第2の実施の形態に係る本発明カウンターを示すものであって、止水栓と凹部との関係を示す左側面図である。
【符号の説明】
【0025】
2…カウンター、3…カウンター本体、4…カバー、15(35)…止水栓、15a…開閉操作部、16…凹部、16a…凹底面、16c…挿通孔、35d…取付けネジ部、35e…ナット、35f…本体部、G…カウンター外側、S…カウンター内側
【技術分野】
【0001】
本発明は、カウンター内側に止水栓を配置して、カウンター外側に止水栓の開閉操作部を露出させた止水栓付きカウンターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、止水栓付きカウンターは、天板パネルと前板パネルと囲まれカウンター内側に止水栓を内蔵し、前板パネルに、止水栓の開閉操作部を操作するための小孔の操作孔を設け、操作孔にドライバー等の工具の先端部を挿入して開閉操作するものがある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−152494公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記止水栓付きカウンターは、カウンター外側から弁操作部が見えないため、開閉操作がし難い問題がある。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するために、カウンター内側に止水栓を配置して見栄えよくしつつ、開閉操作がし易い止水栓付きカウンターの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
カウンター内側に止水栓を配置して見栄えよくしつつ、開閉操作をし易くするために請求項1記載の本発明が採用した手段は、カウンター本体及びカウンター本体の下方に配置したカバーで囲まれたカウンター内側の収納空間に止水栓を配置したカウンター構造において、カバーの表面側に、凹底面の有る凹部を設け、止水栓の開閉操作部を、凹部の凹底面に開設した挿通孔を通して凹部内に露出したことを特徴とする止水栓付きカウンターである。また、カウンター外側から開閉操作部を見え難くして更に見栄え良くするためには、カバーの下面側に、下方へ向けて開口させて前記凹部を設けるとよい。
【0006】
凹部の所定位置に開閉操作部を露出させるために請求項2記載の本発明が採用した手段は、カウンター内側から前記挿通孔に挿通した前記止水栓の取付けネジ部にカウンター外側からナットを螺着し、前記挿通孔の周縁を止水栓の本体部とナツトで挟持した請求項1記載の止水栓付きカウンターである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の本発明に係る止水栓付きカウンターは、カウンター内側に止水栓を配置して見栄えよくしつつ、カバーの表面側の凹部内に開閉操作部を露出することで、カウンター外側から開閉操作部の操作をし易くできる。
【0008】
請求項2記載の本発明に係る止水栓付きカウンターは、凹部の挿通孔の周縁を止水栓の本体部とナツトで挟持することで凹部の所定位置に開閉操作部を露出させることができ、カウンターと止水栓との位置ずれを無くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に係る止水栓付きカウンター(以下、「本発明カウンター」と言う。)を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0010】
(第1の実施の形態)
図1乃至図12は第1の実施の形態に係る本発明カウンター1の示すものであって、図1はカウンター本体3の一部を破断して示す本発明カウンター1の全体の平面図、図2は本発明カウンター1の全体の底面図である。図3は図2のIII−III線で断面して拡大して止水栓15と凹部16との関係を示す左側面図、図4はカバー4を破断すると共にエプロン17を断面して止水栓15と凹部16との関係を示す正面図である。図5は上方のカウンター本体3、下方のカバー4及び端キャップ5を示すものであって、図(A)は三者3,4,5を分離した状態の正面図、図(B)は三者3,4,5を連結した状態の正面図である。図6は図2のVI−VI線で断面した一部を拡大して示す左側面図、図7は図2のVII−VII線で断面して拡大した左側面図、図8は図2のVIII−VIII線で断面して拡大した左側面図、図9は図2のIX−IX線で断面して拡大した左側面図である。図10はカウンター本体3の底面図である。図11はカウンター本体3及びブラケット6,6,7を分離して示す斜視図である。図12はカバー4に設けた凹部16の別態様を示すものであり、図3の断面部分に相当する部分の左側面図である。
【0011】
本発明カウンター1は、図1乃至図4に示す如く、カウンター本体3とカウンター本体3の下方に配置したカバー4とからなるカウンター2を、複数個のブラケット6,6,7(図11参照)を介して壁面Wに取付けたものであり、カウンター本体3及びカバー4で囲まれたカウンター内側Sの収納空間に二組(水用及び湯用)の止水栓15,15が配置されている。本発明カウンター1は、カバー4の表面4a側に、凹底面16aの有る凹部16が設けられ、各止水栓15の開閉操作部15aを、凹部16の凹底面16aに開設した挿通孔16cを通して凹部16内に突出させて露出してある。本発明カウンター1は、カウンター内側Sの収納空間に止水栓15,15を配置して見栄えよくしつつ、カバー4の表面4a側の凹部16内に各止水栓15の開閉操作部15aを露出させることで、カウンター外側Gから各開閉操作部15aの開閉操作をし易くしてある。
【0012】
前記カバー4に設けた凹部16は、図2乃至図4に示す如く、凹底面16aと周囲側面16bとで囲んで形成されている。本例の本発明カウンター1は、カバー4の下面側に設けた凹部16を下方へ向けて開口させることで、カウンター2の上方から開閉操作部15aを見え難くして見栄え良くしてある。凹部16は、図3及び図4に示す如く、カバー4と一体に形成する場合と、図12に示す如く、カバー4と別体に成形し、カバー4の開口部4kに嵌め込み接合して形成する場合とがある。
【0013】
本例のカウンター2は、図1及び図4に示す如く、浴室に設けられ、湯桶(図示略)を載置する等して利用されるものであって、一方の端(本例は左端)を浴槽(図示略)に併設したエプロン17(図4参照)に接近させると共に他方の端(本例は右端)に端キャツプ5を取付け、カウンター本体3の上面側に温度調節機能付き湯水混合具18 、シャワー・バス切替具19及びシャワーホース接合具20が配設されている。上記エプロン17は、図4に示す如く、浴槽(図示略)の上縁と防水パン(図示略)との間に配置したエプロン本体17aと、エプロン本体17aを覆う外蓋17bとを備え、浴槽裏側Mからカウンター内側Sの収納空間へ通した二本一組の配管21,21の各々をエプロン本体17aに止付け22てある。
【0014】
前記各止水栓15は、カウンター内側Sの収納空間へ導入した配管21に上流側15bをユニオンナット24で接合して、カウンター内側Sの所定位置に配置されると共に、前記湯水混合具18 へ至る可撓性の接合ホース25に下流側15cを接合26してある。前記各止水栓15は、開閉操作部15aを開閉操作することで、開閉と流量調節を行えるようにしてある。
【0015】
本発明カウンター1は、図1、図2及び図6に示す如く、壁面Wに取付けた複数個のブラケット6,6,7を手前へ張り出し、これらブラケット6(7)にカウンター本体3を連結しすると共に、各ブラケット6(7)の壁側取付部6f(7f)にカバー4の壁側接合部4fを螺子や樹脂製のねじ込み式ジョイント部材等からなる取付具8(本例は図6に示す頭部付きボルト)で連結してある。そして、本発明カウンター1は、各ブラケット6(7)の壁側取付部6f(7f)に手前側へ向かって上り傾斜した取付片6f−1(7f−1)を形成すると共に、カバー4の壁側接合部4fに壁側へ向かって下り傾斜した接合片4f−1を形成し、重ね合わせた取付片6f−1(7f−1)及び接合片4f−1に、ねじ込み方向(図6に示す矢符E)がカバー4の下方から壁側へ向かって斜め上方となるように取付具8を螺着して、両片6f−1(7f−1)及び4f−1を連結してある。
【0016】
前記カウンター本体3は、図1、図6及び図10に示す如く、合成樹脂素材を射出成型する等して成形され、上方表面に載置面3aが形成され、周縁の適所に下垂片3bが形成され、下方裏面に補強用リブ3c、ネジ螺着部3e及び後側の係止片3fが形成され、手前側に排水口部3dが形成されている。
【0017】
前記カバー4は、図2及び図6に示す如く、合成樹脂素材を射出成型する等して成形され、カウンター本体3の下側を覆う表面4aを形成し、周縁の適所に起立片4bが形成され、上方内面に補強用リブ4cが形成され、壁側寄りに前記壁側接合部4fが形成され、手前側に排水口部4dが形成され、下面側に凹部16を設けている。カバー4は、前記壁側接合部4fを形成するために、底面壁側寄りに側面三角形の凹部4gが凹設され、凹部4gの後側を接合片4f−1で形成し、接合片4f−1を壁側へ向かって下り傾斜させ、接合片4f−1に取付具用挿通孔4f−2を設けてある。カバー4は、凹部4gの上側を形成する傾斜片4hを壁側へ向かって上り傾斜させ、前記取付具8をねじ込むためのドライバー等のねじ込み作業工具(図示略)を傾斜片4hと接触させないようにしてある。
【0018】
前記カウンター2は、ブラケット6,6,7にカウンター本体3を載置してネジ9(本例は図6に示す蝶ボルト)で連結し、カウンター本体3の周縁の下垂片3bに下方のカバー4の周縁の起立片4bを重ね合わせると共に、手前側の適所をネジ10(本例は図7及び図8に示す頭部付きボルト)及び係合手段11(図9参照)で連結し、カウンター本体3の排水口部3d及びカバー4の排水口部4dで上下に開口した排水口12を形成する。上記係合手段11は、図5(A)及び図9に示す如く、カバー4の周縁の起立片4bの適所から突出した係止孔付き係止片11aと、カウンター本体3の周縁の下垂片3bの裏側に突設した突起11bとからなり、係止片11aの係止孔に突起11bを係入してある。なお、カバー4は、その手前側をカウンター本体3にの手前側に連結する以外に、図示は省略したが、ブラケット6(7)に連結することもある。
【0019】
前記ブラケット6は、図11に示す如く、金属板を折曲げ等して板金加工で成形され、起立接合片6aと、起立接合片6aの壁側の側縁から折曲げて延設した垂直な壁取付片6bと、起立接合片6aの上方側縁から折曲げて延設した水平なカウンター本体取付片6cと、壁取付片6bの上方から延設した弾性変形する押圧片6dと、壁取付片6bの下方から手前側へ延設した壁側取付部6fの取付片6f−1とを備え、壁取付片6b及びカウンター本体取付片6cの各々にネジ挿通孔6eを設けると共に、取付片6f−1に雌ネジ孔等からなる取付部6f−2を設けてある。起立接合片6aは、内側に開口部を成形して軽量化を図っている。前記ブラケット7は、上記ブラケット6よりも張出寸法を短くしたものであり、上記ブラケット6と同様に成形され、起立接合片7aと、起立接合片7aの壁側の側縁から折曲げて延設した壁取付片7bと、起立接合片7aの上方側縁から折曲げて延設したカウンター本体取付片7cと、壁取付片7bの上方から延設した弾性変形する押圧片7dと、壁取付片7bの下方から手前側へ延設した壁側取付部7fの取付片7f−1とを備え、壁取付片7b及びカウンター本体取付片7cの各々にネジ挿通孔7eを設けてある。ブラケット6(7)は、図6に示す如く、壁パネル等からなる取付壁面Wにネジ14で取付固定される。なお、ブラケット6は、樹脂で成形されたものでもよい。
【0020】
前記カウンター本体3、カバー4及びブラケット6(7)からなる本発明カウンター1の組立ては、予めカウンター本体3に温度調節機能付き湯水混合具18 、シャワー・バス切替具19及びシャワーホース接合具20を取付けると共に、カウンター本体3の下側に湯水混合具18 へホース25で接合26した止水栓15,15を配置しておき、先ず、壁面Wにネジ14で取付け固定したブラケット6(7)に、カウンター本体3を載置してネジ9(本例は図6に示す蝶ボルト)で連結し、次に、エプロン17に取付られた各配管21に各止水栓15を接合24して、各止水栓15の位置決めを行なう。続けて、カウンター本体3の周縁の下垂片3bに下方のカバー4の周縁の起立片4bを重ね合わせて接合し、そしてカウンター本体3及びカバー4の手前側の適所をネジ10(本例は図7及び図8に示す頭部付きボルト)及び係合手段11(図9参照)で連結すると共に、カバー4の壁側接合部4fに形成した接合片4f−1を各ブラケット6(7)の壁側取付部6f(7f)に形成した取付片6f−1(7f−1)に取付具8(本例は図6に示す頭部付きボルト)で連結し、カウンター本体3の縦排水路接合部3d及びカバー4の縦排水形成部4dで上下に貫通した前記縦排水路12を形成する。
【0021】
(第2の実施の形態)
図13は第2の実施の形態に係る本発明カウンター31を示すものであって、止水栓35と凹部16との関係を示すものであつて、図3の断面部分に相当する部分の左側面図である。
【0022】
本実施の形態に係る本発明カウンター31が前記第1の実施の形態に係る本発明カウンター1(図1乃至図12参照)と大きく異なる点は、凹部16に各止水栓35を取付け固定したことであり、その他の構成等については第1の実施の形態と実質的に同一であり、図13において図1乃至図12と同一符号は相当部分を示す。本発明カウンター31は、カウンター内側Sから凹部16の挿通孔16cに挿通した各止水栓35の取付けネジ部35dにカウンター外側Gからナット35eを螺着し、挿通孔156cの開口周縁を止水栓35の本体部35fとナツト35eで挟持してある。
【0023】
本発明カウンター31は、凹部16の挿通孔16cの周縁を止水栓35の本体部35fとナツト35eで挟持することで凹部16の所定位置に開閉操作部35aを露出させて、カバー4の所定位置に止水栓35を配置することが可能となる。すなわち、本発明カウンター31は、エプロン17(図4参照)に取付けた配管21,21とカバー4の間で多少の位置ズレが生じていたとしても、各配管21とカバー4の所定位置に配置した各止水栓35の上流側を可撓性の接合ホース(図示略)で接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1の実施の形態に係る本発明カウンターを一部破断して示す全体の平面図である。
【図2】同実施の形態における本発明カウンターの全体の底面図である。
【図3】図2のIII−III線で断面して拡大して止水栓と凹部との関係を示す左側面図である。
【図4】同実施の形態におけるカバーを破断すると共にエプロンを断面して止水栓と凹部との関係を示す正面図である。
【図5】同実施の形態における上方のカウンター本体、下方のカバー及び端キャップを示すものであって、図(A)は三者を分離した状態の正面図、図(B)は三者を連結した状態の正面図である。
【図6】図2のVI−VI線で断面した一部を拡大して示す左側面図である。
【図7】図2のVII−VII線で断面して拡大した左側面図である。
【図8】図2のVIII−VIII線で断面して拡大した左側面図である。
【図9】図2のIX−IX線で断面して拡大した左側面図である。
【図10】同実施の形態におけるカウンター本体の底面図である。
【図11】同実施の形態におけるカウンター本体及びブラケットを分離して示す斜視図である。
【図12】同実施の形態におけるカバーに設けた凹部の別態様を示す左側面図である。
【図13】第2の実施の形態に係る本発明カウンターを示すものであって、止水栓と凹部との関係を示す左側面図である。
【符号の説明】
【0025】
2…カウンター、3…カウンター本体、4…カバー、15(35)…止水栓、15a…開閉操作部、16…凹部、16a…凹底面、16c…挿通孔、35d…取付けネジ部、35e…ナット、35f…本体部、G…カウンター外側、S…カウンター内側
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カウンター本体及びカウンター本体の下方に配置したカバーで囲まれたカウンター内側の収納空間に止水栓を配置したカウンター構造において、カバーの表面側に、凹底面の有る凹部を設け、止水栓の開閉操作部を、凹部の凹底面に開設した挿通孔を通して凹部内に露出したことを特徴とする止水栓付きカウンター。
【請求項2】
カウンター内側から前記挿通孔に挿通した前記止水栓の取付けネジ部にカウンター外側からナットを螺着し、前記挿通孔の周縁を止水栓の本体部とナツトで挟持した請求項1記載の止水栓付きカウンター。
【請求項1】
カウンター本体及びカウンター本体の下方に配置したカバーで囲まれたカウンター内側の収納空間に止水栓を配置したカウンター構造において、カバーの表面側に、凹底面の有る凹部を設け、止水栓の開閉操作部を、凹部の凹底面に開設した挿通孔を通して凹部内に露出したことを特徴とする止水栓付きカウンター。
【請求項2】
カウンター内側から前記挿通孔に挿通した前記止水栓の取付けネジ部にカウンター外側からナットを螺着し、前記挿通孔の周縁を止水栓の本体部とナツトで挟持した請求項1記載の止水栓付きカウンター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−100904(P2009−100904A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−274834(P2007−274834)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】
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