説明

歩数計

【課題】 歩幅を設定して歩行距離を算出する機能を有する歩数計において、現在および過去の歩行時間に基づいて利用者の歩幅が疲労により減少したと推定することで、より適正な歩幅設定を行うこと。
【解決手段】 CPU108は使用者による入力手段109の操作に応じて歩行時間を計測し、計測された歩行時間を記憶手段113に記憶する。CPU108は過去複数回の歩行時間の平均値である平均時間を算出し、今回の歩行における現在の歩行時間が該平均時間を超えたか否かを判定し、該現在の歩行時間が該平均時間を超えていれば設定手段により設定した歩幅の設定値を該設定値よりも小さな値に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は本発明装置を装着した利用者の歩行(本明細書並びに対応の特許請求の範囲においてエクササイズ歩行および走行を含む)を検出して歩数測定を行う歩数計に関する。特に詳細には、本発明は、歩幅を設定して該歩幅と測定した歩数に基づき歩行距離を算出する機能を有する歩数計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歩数測定を行う歩数計において、歩幅を設定して該歩幅と測定した歩数との乗算を行って歩行距離を算出することのできるものが知られている。
【0003】
このような歩数計にあっては、歩数はある程度満足できる精度で測定することができるものの歩幅は一定でなく歩行条件および利用者のコンディションにより変化するために、如何にして適正な歩幅設定を行うかが課題となっている。そこで、歩幅と歩行ピッチの間に一定の相関関係があると考え、この相関および測定したピッチに基づいて歩幅を補正することで適正な歩幅設定を行うことが提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1に記載された携帯用電子機器である歩数計では、利用者の歩行ピッチ−歩幅特性を算出し、該歩行ピッチ−歩幅特性を記憶し、該歩行ピッチ−歩幅特性に従って利用者の歩幅を算出して歩行距離を得ている。
【0005】
特許文献2に記載された運動指標測定装置では、利用者の歩幅を予め記憶し、利用者の走行ピッチあるいは拍数の変動に伴い、予め記憶された歩幅を補正している。
【0006】
【特許文献1】特開平7−333000号公報(段落0009〜0010,図1〜図3,図8)
【特許文献2】特開平10−216293号公報(段落0033〜0035,0038〜0043,図1,図2,図8,図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、本願出願人の実験によれば、歩幅と歩行ピッチの間には、限られた条件において例外的に一定の相関関係が認められる場合もあるが、常に一定の相関関係が認められる訳ではない。したがって、歩幅と歩行ピッチの間に一定の相関関係が成り立つことを前提とした上記の従来技術では必ずしも適正な歩幅設定を行える訳ではなく、歩幅と歩数から算出する歩行距離に誤差を生じる結果となっていた。
そこで、本発明の目的は、現在および過去の歩行時間に基づいて利用者の歩幅が疲労により減少したと推定することで、適正な歩幅設定を行って上記の課題を解決することのできる歩数計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、予め歩幅を設定する設定手段と、歩数を計数する計数手段と、設定された歩幅と計数された歩数に基づき歩行距離を算出する距離算出手段とを備えた歩数計において、歩行時間を計測する計時手段と、該計時手段により計測された歩行時間を記憶する第1の記憶手段と、該計時手段により計測された過去複数回の歩行時間に基づいて所定の基準時間を算出する時間算出手段と、今回の歩行における現在の歩行時間が該基準時間を超えたか否かを判定し、該現在の歩行時間が該基準時間を超えていれば前記設定手段により設定した歩幅の設定値を該設定値よりも小さな値に変更する設定変更手段とを備えたことを特徴とする歩数計が提供される。
設定変更手段は、今回の歩行における現在の歩行時間が該基準時間を超えたか否かを判定し、該現在の歩行時間が該基準時間を超えていれば前記設定手段により設定した歩幅の設定値を該設定値よりも小さな値に変更する。
【0009】
ここで、前記計数手段による計数結果と前記計時手段による計測結果から歩行ピッチを算出するピッチ算出手段と、該ピッチ算出手段により算出された歩行ピッチを記憶する第2の記憶手段と、該ピッチ算出手段により算出された過去複数回の歩行ピッチに基づいて所定の基準ピッチを算出する基準ピッチ算出手段とをさらに備え、前記設定変更手段は更に、今回の歩行における現在の歩行ピッチが該基準ピッチの所定比率よりも大きいか否かを判定し、該現在の歩行ピッチが該基準ピッチよりも大きいときには前記現在の歩行時間と前記基準時間の関係に関らず前記歩幅の設定値を該設定値よりも小さな値に変更するように構成してもよい。
【0010】
また、前記時間算出手段は、前記基準時間として、前記計時手段により計測された過去複数回の歩行時間の平均値である平均時間を算出し、前記設定変更手段は、今回の歩行における現在の歩行時間が該平均時間を超えたか否かを判定し、該現在の歩行時間が該平均時間を超えていれば前記設定手段により設定した歩幅の設定値を該設定値よりも小さな値に変更するように構成してもよい。
【0011】
また、前記基準ピッチ算出手段は、前記基準ピッチとして、前記ピッチ算出手段により算出された過去複数回の歩行ピッチの平均値である平均ピッチを算出し、前記設定変更手段は更に、今回の歩行における現在の歩行ピッチが該平均ピッチの所定比率よりも大きいか否かを判定し、該現在の歩行ピッチが該平均ピッチよりも大きいときには前記現在の歩行時間と前記基準時間の関係に関らず前記歩幅の設定値を該設定値よりも小さな値に変更するように構成してもよい。
【0012】
また、前記設定変更手段は、前記現在の歩行時間が前記平均時間に対して所定割合を超えたか否かを判定し、超えていれば前記現在の歩行ピッチが前記平均ピッチの所定比率よりも大きいか否かを判定するように構成してもよい。
また、前記平均ピッチの所定比率は前記平均ピッチの1.05倍であるように構成してもよい。
【0013】
また、前記所定割合は90パーセントであるように構成してもよい。
また、前記小さな値は前記設定値の80パーセント以上90パーセント以下の値であるように構成してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、今回の歩行における現在の歩行時間が過去複数回の歩行時間の平均値である平均時間を超えていれば、利用者の歩幅が疲労により減少したと推定することができるので、予め設定した歩幅をより小さな値に変更するよう設定し直してより適正に歩幅設定を行え、これにより変更された歩幅と計数された歩数に基づき歩行距離をより正確に算出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本願出願人は、疲労が生じると歩幅が減少するという疲労と歩幅の相関関係、および、歩行時間が長時間に及ぶと疲労が生じることに着目し、下記の形態により本発明を実施した。本願出願人の実験によれば、歩行時間と歩幅の間に一定の相関関係が認められ、下記の実施形態はこの相関関係に基づくものである。
【0016】
図1は、本発明に係る歩数計の第1実施形態のブロック図である。
図1において、歩数計は、被測定者の移動動作を検出する毎に対応する電荷の検出信号を出力する歩行センサ(本実施形態では加速度センサ)101、歩行センサ101からの検出信号を対応する電圧の検出信号に変換して出力する電荷−電圧変換手段102、電荷−電圧変換手段102からの信号の所定周波数以上の信号を遮断するフィルタ手段105、フィルタ手段105からの検出信号を増幅して出力する増幅手段106、増幅手段106からのアナログ信号形式の検出信号をデジタル信号形式の検出信号に変換して出力する二値化手段107を備えている。
【0017】
また、歩数計は、二値化手段107からの検出信号に基づいて歩数の算出処理等を行う中央処理装置(CPU)108、操作スイッチ等によって構成され歩数測定開始操作等の各種操作を行う入力手段109、測定した歩数やピッチ等を表示する表示手段110、警報等を音で行う報音手段111、CPU108用の基準クロック信号や計時動作を行う際の時間信号の元になる信号を発生する発振手段112、および記憶手段113を備えている。記憶手段113は、CPU108が実行するプログラムを記憶したROMおよびCPU108がプログラムを実行する際に作業領域として使用されるRAMから構成され、RAMには測定した歩数等のデータが記憶される。
【0018】
CPU108は、検出信号を受信するための入力端子を有しており、この入力端子に入力された検出信号に基づいて歩数算出処理を行う。フィルタ手段105は、ノイズ除去のために、その周波数特性が所定周波数以上の信号を遮断するように構成されている。フィルタ手段105はバンドパスフィルタによって構成することができるが、あるいはローパスフィルタ及びハイパスフィルタの組み合わせによって構成しても良い。二値化手段107はコンパレータによって構成され、信号レベルが所定の基準値以上の信号を検出信号として出力するように構成されている。
【0019】
なお、CPU108と入力手段109と記憶手段113のRAMで設定手段を構成し、設定した歩幅を記憶手段113に記憶しておくことができる。歩行センサ101と電荷−電圧変換手段102とフィルタ手段105と増幅手段106と二値化手段107とCPU108で計数手段を構成し、歩行センサ101が利用者の歩行に応じて検出した加速度の変化に基づき歩行を検出し歩数を計数することができる。CPU108と入力手段109と発振手段112で計時手段を構成し、入力手段109の操作に応じて歩行時間等の時間計測をすることができる。CPU108で距離算出手段及び時間算出手段及び設定変更手段及びピッチ算出手段及び基準ピッチ算出手段を構成し、設定された歩幅と計数された歩数を乗算して歩行距離を算出すること、計測された過去複数回の歩行時間の平均値等の基準時間を算出すること、記憶手段113に記憶した歩幅の設定値を変更すること、計測された時間と計数された歩数からピッチを算出すること、および、算出された過去複数回の平均値等の基準ピッチを算出することができる。記憶手段113のRAMで第1及び第2の記憶手段を構成し、計測された歩行時間および算出された歩行ピッチを記憶することができる。
【0020】
図2は、本実施形態に係る歩数計の処理を示すフローチャートであり、主としてCPU108が記憶手段113のROMに記憶したプログラムを記憶手段113のRAMにロードして実行することによって行う処理を示している。以下では本実施形態に係る歩数計を走行時に使用するものとして説明するが、歩行時またはエクササイズ歩行時に使用することもできる。
【0021】
本実施形態の歩数計による処理がされる前に、使用者が本歩数計を自己の腕等に装着し入力手段109を操作して本歩数計に歩幅を初期設定して走行することで、記憶手段113のRAMに使用者の走行に関連したデータが記憶される。図3は記憶手段113のRAMのRAMマップを示す図であり、走行関連データが記憶される様子を表している。
【0022】
使用者の走行に応じ走行時間および歩数が計測および計数され、設定歩幅、時、分、秒、1/100秒および歩数が記憶される。平均ピッチは走行時間と歩数から算出されて記憶され、走行距離は歩数と設定歩幅から算出されて記憶される。図3の例では、過去10回の走行における平均走行時間および平均ピッチがさらに算出されて記憶される。
【0023】
以下、走行時に使用された際に歩幅の初期設定値を現在の走行時間に応じて変更するように構成された本実施形態の処理について説明する。
【0024】
本歩数計を自己の腕等に装着した使用者が入力手段109によって開始操作を行うことで、歩数の測定が開始され、同時に、CPU108が入力手段109の開始操作に応答して図2の本実施形態の処理を開始する。
【0025】
まず、CPU108は計測した現在の走行時間が過去の平均走行時間を超えたかを判断する(ステップS200)。過去の走行時間としては過去10回の走行における上記平均走行時間を使用することができるが、サンプル数は10に限定されない。現在の走行時間が過去の平均走行時間を超えていなければ、CPU108は設定歩幅1を使用して走行距離を累積計算した後、停止命令があったか判断する(ステップS210,212)。設定歩幅1としては使用者が設定した歩幅を使用することができる。CPU108は停止命令があった場合はデータを保存して本処理を終了し(ステップS208)、停止命令がなければステップS200の処理に戻る。
【0026】
一方、ステップS200において現在の走行時間が過去の平均走行時間を超えたと判断した場合は、利用者の歩幅が疲労により減少したと推定することができるので、CPU108は設定歩幅1からより小さな値の設定歩幅2に切り替えて、設定歩幅2を使用して走行距離を累積計算し、停止命令があったか判断して停止命令があるまで計算を継続する(ステップS202,204,206)。設定歩幅2としては例えば設定歩幅1の80〜90パーセントの値を使用することができるが、設定歩幅1よりも小さく疲労に見合った値であればよく、この値に限定されない。ステップS202の処理を行うことでより適正に歩幅設定を行え、ステップS204における計算を使用者の疲労を考慮したより正確なものにすることができる。
【0027】
一方、ステップS206において停止命令があった場合は、CPU108は記憶手段113にデータを保存して本処理を終了する(ステップS208)。
【0028】
本実施形態の歩数計によれば、走行中に計測した現在の走行時間および過去に計測した走行時間の平均時間に基づいて利用者の疲労を推測し、利用者が疲労して歩幅が減少したと推定される場合に設定歩幅を疲労に見合った適正な値に設定し直すことでより正確な走行距離の計算が行える。設定し直した歩幅を、消費カロリー、走行距離、走行速度等他の歩行関連情報の算出に使用するように本実施形態を変形して実施することもできる。
【0029】
図4は、第2実施形態に係る歩数計の処理を示すフローチャートであり、主としてCPU108が記憶手段113のROMに記憶したプログラムを記憶手段113のRAMにロードして実行することによって行う処理を示している。
【0030】
本実施形態の歩数計による処理は第1実施形態の処理の前にステップS400〜408を追加したものであり、ステップS200以降は第1実施形態の処理と同様であるので適宜その説明を簡略化または割愛する。本実施形態の処理がされる前に、図3に示したRAMマップが記憶手段113に記憶される点も第1実施形態と同様である。
【0031】
本歩数計を自己の腕等に装着した使用者が入力手段109によって開始操作を行うことで、歩数の測定が開始され、同時に、CPU108が入力手段109の開始操作に応答して図4の本実施形態の処理を開始する。
【0032】
まず、使用者の走行を検出して歩数測定を行うと、CPU108は設定歩幅1を使用して走行距離を累積計算した後、算出した現在の走行時間が過去の平均走行時間のβ倍の時間を超えたかを判断する(ステップS400,402)。過去の走行時間としては過去10回の走行における上記平均走行時間を使用することができるが、サンプル数は10に限定されない。βの値としては0.9を使用することができるが、現在の走行時間が過去の平均走行時間に近づいたと判断できる値であればよく、例えば0.85または0.95であってもよい。CPU108は現在の走行時間が過去の平均走行時間のβ倍の時間を超えていなければ停止命令があったか判断し、停止命令があった場合はデータを保存して本処理を終了し、停止命令がなければステップS400の処理に戻る(ステップS404,406)。
【0033】
一方、ステップS402において現在の走行時間が過去の平均走行時間のβ倍の時間を超えたと判断した場合は、現在の走行時間が過去の平均走行時間に近づいたと推定することができるので、CPU108は算出した現在の走行ピッチが過去の平均走行ピッチのα倍を超えたか判断する(ステップS408)。αの値としては1.05を使用することができるが、現在の走行ピッチが過去の平均走行ピッチと比べて大きいことを判断できる値であればよく、例えば1.03また1.1であってもよい。
【0034】
現在の走行ピッチが過去の平均走行ピッチと比べて大きい場合にはピッチが変わらない場合より早く疲労することが予測される。そこで、ステップS408においてCPU108が現在の走行ピッチが過去の平均走行ピッチのα倍を超えていないと判断した場合は第1実施形態と同様にステップS200の判断処理をするが、ステップS408において現在の走行ピッチが過去の平均走行ピッチのα倍を超えたと判断した場合、現在の走行時間が過去の平均走行時間を超えているか否かに係わらず、CPU108は第1実施形態のステップS202以降の処理と同様の処理を行って、予測される疲労に見合った適正な歩幅に設定し直すことでより正確な走行距離の計算を行う。
【0035】
本実施形態によれば、現在の走行ピッチが過去の平均走行ピッチと比べて大きい場合には現在の走行時間が過去の平均走行時間にある程度近づいていれば平均走行時間を超えていなくとも設定歩幅を疲労に見合った適正な値に設定し直すことで、第一実施形態と同様より正確な走行距離の計算が行える。設定し直した歩幅を、消費カロリー、走行距離、走行速度等他の歩行関連情報の算出に使用するように本実施形態を変形して実施することもできる。
【0036】
なお、上記各実施形態では、被測定者の腕に装着して使用する腕時計型の歩数計の例で説明したが、腰に装着して使用する方式の歩数計、バッグ等に収納して保持した状態で使用する方式の歩数計、時計機能を内蔵する歩数計等、各種の歩数計に適用可能である。
【0037】
また、基準時間として、記憶手段113に記憶した走行時間の平均値を用いたが、最近のデータになるほど大きな重み付けを行って基準時刻を算出したり、最近の所定数の走行時間データを用いて基準時間を算出する等、基準時間の算出方法は適宜選定できる。
【0038】
また、基準ピッチについても、記憶手段113に記憶した走行ピッチの平均値を用いたが、最近のデータになるほど大きな重み付けを行って基準ピッチを算出したり、最近の所定数の走行ピッチデータを用いて基準ピッチを算出する等、基準ピッチの算出方法は適宜選定可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
腕に装着して使用する方式の歩数計、腰に装着して使用する方式の歩数計、バッグ等に収納して保持した状態で使用する方式の歩数計、時計機能を内蔵する歩数計等、各種の歩数計に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1および第2実施形態に係る歩数計のブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る歩数計の処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1および第2実施形態に係るRAMマップ図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る歩数計の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0041】
101・・・歩行センサ
102・・・電荷−電圧変換手段
105・・・フィルタ手段
106・・・増幅手段
107・・・二値化手段
108・・・CPU
109・・・入力手段
110・・・表示手段
111・・・報音手段
112・・・発振手段
113・・・記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め歩幅を設定する設定手段と、歩数を計数する計数手段と、設定された歩幅と計数された歩数に基づき歩行距離を算出する距離算出手段とを備えた歩数計において、
歩行時間を計測する計時手段と、
該計時手段により計測された歩行時間を記憶する第1の記憶手段と、
該計時手段により計測された過去複数回の歩行時間に基づいて所定の基準時間を算出する時間算出手段と、
今回の歩行における現在の歩行時間が該基準時間を超えたか否かを判定し、該現在の歩行時間が該基準時間を超えていれば前記設定手段により設定した歩幅の設定値を該設定値よりも小さな値に変更する設定変更手段とを備えたことを特徴とする歩数計。
【請求項2】
前記計数手段による計数結果と前記計時手段による計測結果から歩行ピッチを算出するピッチ算出手段と、
該ピッチ算出手段により算出された歩行ピッチを記憶する第2の記憶手段と、
該ピッチ算出手段により算出された過去複数回の歩行ピッチに基づいて所定の基準ピッチを算出する基準ピッチ算出手段とをさらに備え、
前記設定変更手段は更に、今回の歩行における現在の歩行ピッチが該基準ピッチの所定比率よりも大きいか否かを判定し、該現在の歩行ピッチが該基準ピッチよりも大きいときには前記現在の歩行時間と前記基準時間の関係に関らず前記歩幅の設定値を該設定値よりも小さな値に変更することを特徴とする請求項1に記載の歩数計。
【請求項3】
前記時間算出手段は、前記基準時間として、前記計時手段により計測された過去複数回の歩行時間の平均値である平均時間を算出し、
前記設定変更手段は、今回の歩行における現在の歩行時間が該平均時間を超えたか否かを判定し、該現在の歩行時間が該平均時間を超えていれば前記設定手段により設定した歩幅の設定値を該設定値よりも小さな値に変更することを特徴とする請求項1又は2記載の歩数計。
【請求項4】
前記基準ピッチ算出手段は、前記基準ピッチとして、前記ピッチ算出手段により算出された過去複数回の歩行ピッチの平均値である平均ピッチを算出し、
前記設定変更手段は更に、今回の歩行における現在の歩行ピッチが該平均ピッチの所定比率よりも大きいか否かを判定し、該現在の歩行ピッチが該平均ピッチよりも大きいときには前記現在の歩行時間と前記基準時間の関係に関らず前記歩幅の設定値を該設定値よりも小さな値に変更することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の歩数計。
【請求項5】
前記設定変更手段は、前記現在の歩行時間が前記平均時間に対して所定割合を超えたか否かを判定し、超えていれば前記現在の歩行ピッチが前記平均ピッチの所定比率よりも大きいか否かを判定することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一に記載の歩数計。
【請求項6】
前記平均ピッチの所定比率は前記平均ピッチの1.05倍であることを特徴とする請求項4又は5記載の歩数計。
【請求項7】
前記所定割合は90パーセントであることを特徴とする請求項5又は6記載の歩数計。
【請求項8】
前記小さな値は前記設定値の80パーセント以上90パーセント以下の値であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の歩数計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−191046(P2008−191046A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−27009(P2007−27009)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】