説明

歩行型移動農機

【課題】作業機が地面に干渉しないように車体フレームを傾斜させた状態で走行させる際に、作業者への作業負担を軽減でき、燃料タンクの排出口からキャブレターへの燃料補給が停止することを効果的に防止できる構造簡単な歩行型移動農機を提供する。
【解決手段】車体フレーム110に走行輪120及び作業機200が支持された歩行型移動農機100は、走行輪120を挟んで作業機200とは前後方向X反対側に移動補助輪300が設けられており、移動補助輪300は、走行輪120の接地点Qを支点として作業機200が上方へ持ち上がるように車体フレーム110を傾斜させた際に、該車体フレーム110が一の傾斜姿勢をとった状態で接地するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行型移動農機に関する。
【背景技術】
【0002】
車体フレームに支持された走行輪及び作業機を備え、前記作業機を接地させた状態で前記走行輪を介して移動させることで、耕耘等の作業を行えるように構成された歩行型移動農機は従来から公知である(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
ところで、前記歩行型移動農機においては、方向転換する場合や路上を移動する場合に、前記作業機を地面よりも上方に位置させる必要がある。
即ち、圃場の端部まで作業を行い、その後、方向転換を行って引き続き作業を継続する場合には、作業者は、方向転換地点において、前記走行輪の接地点を支点として前記作業機を上方へ持ち上げた姿勢(以下、傾斜姿勢という)に前記車体フレームを維持しながら該移動農機の進行方向を転換させる必要がある。
又、前記歩行型移動農機を路上で移動させる場合にも、作業者は、同様に前記車体フレームを傾斜姿勢に維持しながら該移動農機を移動させなければならない。
【0004】
しかしながら、従来の歩行型移動農機においては、作業者が自らバランスをとりながら前記車体フレームの傾斜姿勢を維持しなければならず、斯かる傾斜姿勢の維持が非常に厄介であった。
【0005】
特に、燃料タンクからエンジンへの燃料供給を自然落下(重力)によって行うように構成された歩行型移動農機においては、前記傾斜姿勢をとる際に前記作業機を上方へ持ち上げ過ぎると、前記燃料タンクの排出口が前記エンジンに燃料を供給するキャブレターよりも下方に位置することになり、前記エンジンへの燃料供給が遮断されて該エンジンの回転が停止するという不都合が起こり得る。
【特許文献1】実開平5−55804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、車体フレームに走行輪及び作業機が支持された歩行型移動農機であって、前記作業機が地面に干渉しないように前記車体フレームを傾斜させた状態で走行させる際に、作業者への作業負担を軽減できる構造簡単な歩行型移動農機の提供を、一の目的とする。
又、本発明は、車体フレームに走行輪及び作業機が支持された歩行型移動農機であって、前記作業機が地面に干渉しないように前記車体フレームを傾斜させた状態で走行させる際に、燃料タンクの排出口からキャブレターへの燃料補給が停止することを効果的に防止できる構造簡単な歩行型移動農機の提供を、他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記目的を達成する為に、次の第1及び第2態様の歩行型移動農機を提供する。
(1)第1態様の歩行型移動農機
車体フレームに走行輪及び作業機が支持された歩行型移動農機であって、前記走行輪を挟んで前記作業機とは前後方向反対側に移動補助輪が設けられており、前記移動補助輪は、前記走行輪の接地点を支点として前記作業機が上方へ持ち上がるように前記車体フレームを傾斜させた際に、該車体フレームが一の傾斜姿勢をとった状態で接地するように構成されていることを特徴とする歩行型移動農機。
【0008】
前記第1態様の歩行型移動農機において、好ましくは、前記移動補助輪を接地させた際に、燃料タンクの排出口がエンジンに燃料を供給するキャブレターよりも上方に位置するように構成されている。
【0009】
前記第1態様の歩行型移動農機において、好ましくは、前記移動補助輪は、前記車体フレームが前記一の傾斜姿勢をとった状態で接地する使用位置と、前記車体フレームが前記一の傾斜姿勢の傾斜角度より大きく傾斜することを許容するように前記使用位置から退避する格納位置とをとり得るように構成されている。
【0010】
斯かる構成において、前記走行輪を挟んで前記作業機とは前後方向反対側に、前記走行輪の接地点を支点として前記作業機が上方へ持ち上がるように前記車体フレームを傾斜させた際に、該車体フレームが前記一の傾斜姿勢又は該一の傾斜姿勢とは異なる他の傾斜姿勢をとった状態を保持するスタンドが設けられており、前記スタンドは、前記車体フレームが前記一の傾斜姿勢又は前記他の傾斜姿勢をとった状態を保持する使用位置と、前記車体フレームが前記一の傾斜姿勢又は前記他の傾斜姿勢の傾斜角度より大きく傾斜することを許容するように前記使用位置から退避する格納位置とをとり得るように構成されていてもよい。
【0011】
具体的には、前記移動補助輪は、補助車輪本体と、該補助車輪本体を軸線回り回転自在に支持する支持アームであって、前記使用位置と前記格納位置とをとり得るように車体幅方向に沿った第1枢支軸回り回動可能とされた支持アームと、前記支持アームを前記使用位置へ向けて回動させる際に、該支持アームの前記使用位置を超えた回動を防止する第1補助輪用ストッパー部材と、前記支持アームを前記格納位置へ向けて回動させる際に、該支持アームの前記格納位置を超えた回動を防止する第2補助輪用ストッパー部材と、基端部が固定され且つ先端部が前記支持アームに連結された補助輪用付勢部材であって、前記基端部及び前記支持アームの回動支点を結ぶ仮想直線を基準にして、前記支持アームが前記使用位置側に位置する際には該支持アームを該使用位置に向けて付勢し且つ前記支持アームが前記格納位置側に位置する際には該支持アームを該格納位置に向けて付勢する補助輪用付勢部材とを備え、前記スタンドは、前記使用位置と前記格納位置とをとり得るように車体幅方向に沿った第2枢支軸回り回動可能とされたスタンド本体と、前記スタンド本体を前記使用位置へ向けて回動させる際に、該スタンド本体の前記使用位置を超えた回動を防止する第1スタンド用ストッパー部材と、前記スタンド本体を前記格納位置へ向けて回動させる際に、該スタンド本体の前記格納位置を超えた回動を防止する第2スタンド用ストッパー部材と、基端部が固定され且つ先端部が前記スタンド本体に連結されたスタンド用付勢部材であって、前記基端部及び前記スタンド本体の回動支点を結ぶ仮想直線を基準にして、前記スタンド本体が前記使用位置側に位置する際には該スタンド本体を該使用位置に向けて付勢し且つ前記スタンド本体が前記格納位置側に位置する際には該スタンド本体を該格納位置に向けて付勢するスタンド用付勢部材とを備えている場合を例示できる。
この場合、好ましくは、前記第1枢支軸及び前記第2枢支軸は、同軸上に配設されている。
【0012】
前記第1態様の歩行型移動農機において、前記走行輪を挟んで前記作業機とは前後方向反対側に前記スタンドが設けられていて、前記スタンドは、前記使用位置と、前記格納位置とをとり得るように構成されている場合には、好ましくは、前記移動補助輪を前記格納位置を位置させる際には該移動補助輪は前記スタンドを伴って移動する一方、前記移動補助輪を前記使用位置へ向けて移動させる際には該移動補助輪は単独で移動するように構成されている。
【0013】
(2)第2態様の歩行型移動農機
車体フレームに走行輪及び作業機が支持された歩行型移動農機であって、前記走行輪を挟んで前記作業機とは前後方向反対側に規制部材が設けられており、前記規制部材は、前記走行輪の接地点を支点として前記作業機が上方へ持ち上がるように前記車体フレームを傾斜させた際に、該車体フレームが一の傾斜姿勢をとった状態で接地するように構成されており、前記規制部材を接地させた際に、燃料タンクの排出口がエンジンに燃料を供給するキャブレターよりも上方に位置するように構成されていることを特徴とする歩行型移動農機。
【0014】
前記第2態様の歩行型移動農機において、好ましくは、前記規制部材は、前記車体フレームが前記一の傾斜姿勢をとった状態で接地する使用位置と、前記車体フレームが前記一の傾斜姿勢の傾斜角度より大きく傾斜することを許容するように前記使用位置から退避する格納位置とをとり得るように構成されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る第1態様の歩行型移動農機によれば、前記走行輪を挟んで前記作業機とは前後方向反対側に移動補助輪が設けられており、前記移動補助輪は、前記走行輪の接地点を支点として前記作業機が上方へ持ち上がるように前記車体フレームを傾斜させた際に、該車体フレームが一の傾斜姿勢をとった状態で接地するように構成されているので、該移動補助輪を接地させつつ前記作業機が地面に干渉しないように前記車体フレームを傾斜させた状態で走行させることができ、これにより、作業者への作業負担を軽減させることができる。
【0016】
前記第1態様の歩行型移動農機において、前記移動補助輪を接地させた際に、前記燃料タンクの排出口が前記キャブレターよりも上方に位置するように構成されている場合には、前記移動補助輪を接地させた際に、前記燃料タンクの排出口を前記キャブレターよりも上方に位置させることができ、これにより、前記燃料タンクの排出口から前記キャブレターへの燃料補給が停止することを効果的に防止することができる。
【0017】
前記第1態様の歩行型移動農機において、前記移動補助輪は、前記使用位置と、前記格納位置とをとり得るように構成されている場合には、該移動補助輪を、前記車体フレームが前記一の傾斜姿勢の傾斜角度より大きく傾斜することを許容するように前記使用位置から退避する前記格納位置に位置させることができ、これにより、前記車体フレームを前記一の傾斜姿勢より大きく傾斜させることができる。
【0018】
前記第1態様の歩行型移動農機において、前記走行輪を挟んで前記作業機とは前後方向反対側に前記スタンドが設けられており、前記スタンドは、前記使用位置と、前記格納位置とをとり得るように構成されている場合であって、前記移動補助輪を前記格納位置を位置させる際には該移動補助輪は前記スタンドを伴って移動する一方、前記移動補助輪を前記使用位置へ向けて移動させる際には該移動補助輪は単独で移動するように構成されている場合には、前記移動補助輪を前記格納位置に位置させる際に、該移動補助輪を前記スタンドと共に格納させることができる。
【0019】
本発明に係る第2態様の歩行型移動農機によれば、前記走行輪を挟んで前記作業機とは前後方向反対側に規制部材が設けられており、前記規制部材は、前記走行輪の接地点を支点として前記作業機が上方へ持ち上がるように前記車体フレームを傾斜させた際に、該車体フレームが一の傾斜姿勢をとった状態で接地するように構成されているので、該規制部材を接地させつつ前記作業機が地面に干渉しないように前記車体フレームを傾斜させた状態で走行させることができ、これにより、作業者への作業負担を軽減させることができる。
さらに、前記規制部材を接地させた際に、前記燃料タンクの排出口が前記キャブレターよりも上方に位置するように構成されているので、前記規制部材を接地させた際に、前記燃料タンクの排出口を前記キャブレターよりも上方に位置させることができ、これにより、前記燃料タンクの排出口から前記キャブレターへの燃料補給が停止することを効果的に防止することができる。
【0020】
前記第2態様の歩行型移動農機において、前記規制部材は、前記使用位置と、前記格納位置とをとり得るように構成されている場合には、該規制部材を、前記車体フレームが前記一の傾斜姿勢の傾斜角度より大きく傾斜することを許容するように前記使用位置から退避する前記格納位置に位置させることができ、これにより、前記車体フレームを前記一の傾斜姿勢の傾斜角度より大きく傾斜させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る歩行型移動農機の好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る歩行型移動農機100の概略側面図であって、農作業を行っている状態を示す図である。なお、一部のカバー類は図示を省略してある。
【0022】
図1に示すように、前記歩行型移動農機100は、車体フレーム110に走行輪120及び作業機200(ここではロータリ耕耘機)が支持されている。
本実施の形態では、前記歩行型移動農機100は、前記車体フレーム110にエンジン130が支持されており、該エンジン130からの動力を前記走行輪120及び前記作業機200へ伝達するように構成されている。
なお、前記歩行型移動農機100は、ここでは、前記エンジン130からの動力を前記走行輪120及び前記作業機200へ伝達するように構成されているが、前記エンジン130からの動力を前記作業機200のみへ伝達するように構成されていてもよい。
【0023】
又、前記歩行型移動農機100は、前記エンジン130に燃料を供給するキャブレター141と、排出口142aから前記キャブレター141に燃料を補給する燃料タンク142とを備えている。
さらに具体的に言えば、前記歩行型移動農機100は、ここでは、前記燃料タンク142の排出口142aから前記キャブレター141に燃料を自然落下によって供給し得るように構成されている。
そして、前記歩行型移動農機100は、前記車体フレーム110の車体前後方向(図1の矢印X参照)一方側端部に、前記作業機200が装着されている。
【0024】
前記車体フレーム110は、前記エンジン130を支持するエンジンフレーム111と、前記エンジンフレーム111の車体前後方向X一方側端部に支持された第1支持フレーム112と、前記エンジンフレーム111の車体前後方向X他方側端部に支持された第2支持フレーム113と、前記エンジンフレーム111の上方を覆うように設けられた上フレーム114とを備えている。
前記歩行型移動農機100は、さらに操向ハンドル150を備えている。
本実施の形態では、前記操向ハンドル150は、前記走行輪120の操舵操作を行うものであり、前記上フレーム114に設けられている。
斯かる構成を備えることにより、前記歩行型移動農機100は、作業者によって前記操向ハンドル150が左右に操作されることで、該操作量に応じて前記車体フレーム110の向きを変更できるようになっている。
詳しくは、前記操向ハンドル150は、ここでは、前記上フレーム114から斜め上方に向かって延びる左右一対の操向レバーとされている。
なお、前記操向ハンドル150は、ここでは、垂直軸線(図1の鎖線Z参照)回りに回転可能とされており、図1に示す第1位置と、該第1位置を基準にして180度回転した第2の位置とで固定できるようになっている。
【0025】
前記歩行型移動農機100は、さらにトランスミッション機構160を備えている。
詳しくは、前記トランスミッション機構160は、前記エンジンフレーム111に支持されており、前記エンジン130からの動力を変速して前記走行輪120や前記ロータリ耕耘機200に伝達するように構成されている。
【0026】
さらに説明すると、前記ロータリ耕耘機200は、前記トランスミッション機構160から第1伝動機構210を介して動力が伝達される伝動軸220と、前記伝動軸220から第2伝動機構230を介して動力が伝達される耕耘軸240と、前記第1支持フレーム112に支持された耕耘ケース250であって、両端部で前記伝動軸220及び前記耕耘軸240をそれぞれ軸線回り回転自在に支持する耕耘ケース250と、前記耕耘軸240に装着されたロータリ爪260とを備えている。
【0027】
前記第1伝動機構210は、前記トランスミッション機構160に伝わった動力の一部を前記伝動軸220に伝達するように構成されており、ここでは、前記トランスミッション機構160の出力軸、及び前記伝動軸220にそれぞれ嵌着したスプロケットに対してチェーンを巻き掛けたものとされている。
又、前記第2伝動機構230は、前記伝動軸220に伝わった動力を前記耕耘軸240に伝達するように構成されており、ここでは、前記伝動軸220及び前記耕耘軸240にそれぞれ嵌着したスプロケットに対してチェーンを巻き掛けたものとされている。
斯かる構成を備えることにより、前記歩行型移動農機100は、前記トランスミッション機構160からの分岐動力を前記第1伝動機構210,前記伝動軸220及び前記第2伝動機構230を介して前記耕耘軸240に伝達することにより、前記ロータリ爪260が回転駆動するように構成されている。
なお、参照符号270は、前記耕耘機構200の耕深制御を行うゲージ輪である。
【0028】
前記走行輪120は、前記トランスミッション機構160から第3伝動機構121を介して動力が伝達される車輪軸122と、前記エンジンフレーム111に支持された駆動ケース123であって、下端部で前記車輪軸122を軸線回り回転自在に支持する駆動ケース123と、前記車輪軸122の両端部に支持された車輪124,124とを備えている。
前記第3伝動機構121は、前記トランスミッション機構160に伝わった動力の一部を前記車輪軸122に伝達するように構成されており、ここでは、前記トランスミッション機構160の出力軸、及び前記車輪軸122にそれぞれ嵌着したスプロケットに対してチェーンを巻き掛けたものとされている。
斯かる構成を備えることにより、前記歩行型移動農機100は、前記トランスミッション機構160からの分岐動力を前記第3伝動機構121を介して前記車輪軸122に伝達することにより、前記車輪124,124が回転駆動するように構成されている。
【0029】
なお、前記第1から第3伝動機構210,230,121はプーリ及び無端ベルトからなるものや、軸及び傘歯車からなるものであってもよい。
又、前記走行輪120は、クローラ式の走行輪であってもよい。
【0030】
本発明の一実施形態に係る歩行型移動農機100は、既述のとおり、前記車体フレーム110に走行輪120及び作業機200が支持されている。
そして、前記走行輪120を挟んで前記作業機200とは車体前後方向X反対側に移動補助輪300が設けられている。
図2は、図1に示す歩行型移動農機100に設けられた前記作業機200が地面Gに干渉しないように前記車体フレーム110を傾斜させた状態を示す側面図である。
【0031】
図2に示すように、前記移動補助輪300は、前記走行輪120の接地点Qを支点として前記作業機200が上方へ持ち上がるように前記車体フレーム110を傾斜させた際に、該車体フレーム110が一の傾斜姿勢をとった状態で地面Gに接地するように構成されている。
【0032】
このように前記歩行型移動農機100によれば、前記走行輪120を挟んで前記作業機200とは車体前後方向X反対側に移動補助輪300が設けられており、前記移動補助輪300は、前記走行輪120の接地点Qを支点として前記作業機200が上方へ持ち上がるように前記車体フレーム110を傾斜させた際に、該車体フレーム110が一の傾斜姿勢をとった状態で地面Gに接地するように構成されているので、該移動補助輪300を接地させつつ前記作業機200が地面Gに干渉しないように前記車体フレーム110を傾斜させた状態で走行させることができ、これにより、作業者への作業負担を軽減させることができる。
【0033】
又、本実施の形態においては、図2に示すように、前記移動補助輪300を接地させた際に、前記燃料タンク142の排出口142a(図2の斜線部参照)が前記キャブレター141(図2の斜線部参照)よりも上方に位置するように構成されている。
換言すれば、前記歩行型移動農機100は、前記キャブレター141の燃料流入口が前記移動補助輪300を接地させた際の前記燃料タンク142の排出口142a下端部を通る水平線Hよりも下方に位置するように構成されている。
斯かる構成を備えることにより、前記歩行型移動農機100は、前記移動補助輪300を接地させても、前記燃料タンク142の排出口142aを前記キャブレター141よりも上方に位置させることができ、これにより、前記燃料タンク142の排出口142aから前記キャブレター141への燃料補給が停止することを効果的に防止することができる。
【0034】
図3は、図1に示す歩行型移動農機100において、前記移動補助輪300が前記使用位置及び前記格納位置をとっている状態の一例を示す側面図であり、図3(a)は、該移動補助輪300が前記使用位置をとっている状態を示しており、図3(b)は、該移動補助輪300が前記格納位置をとっている状態を示している。なお、図3において、後述するスタンド400の付勢部材440は図示を省略してある。
又、図4は、図1に示す歩行型移動農機100の前記移動補助輪300部分を示す拡大図であって、図4(a)は、該移動補助輪300を車体前後方向X他方側から視た図であり、図4(b)は、該移動補助輪300を側面から視た図である。
【0035】
本実施の形態においては、前記移動補助輪300は、前記車体フレーム110が前記一の傾斜姿勢をとった状態で接地する使用位置(図3(a)参照)と、前記車体フレーム110が前記一の傾斜姿勢の傾斜角度より大きく傾斜することを許容するように前記使用位置から退避する格納位置(図3(b)参照)とをとり得るように構成されている。
斯かる構成を備えることにより、前記歩行型移動農機100は、前記移動補助輪300を、前記車体フレーム110が前記一の傾斜姿勢の傾斜角度より大きく傾斜することを許容するように前記使用位置から退避する前記格納位置に位置させることができ、これにより、前記車体フレーム110を前記一の傾斜姿勢より大きく傾斜させることができる。
【0036】
詳しくは、前記移動補助輪300は、補助車輪本体310と、支持アーム320と、第1補助輪用ストッパー部材330と、第2補助輪用ストッパー部材340と、補助輪用付勢部材350とを備えている。
前記支持アーム320は、前記補助車輪本体310を軸線回り回転自在に支持しており、前記使用位置と前記格納位置とをとり得るように車体幅方向(図4(a)矢印Y参照)に沿った第1枢支軸P1回り回動可能とされている。
具体的には、前記支持アーム320は、ここでは、左右一対のものとされており、基端部が前記車体フレーム110の前記第2支持フレーム113に前記第1枢支軸P1回り回動自在に支持されており、先端部が前記補助車輪本体310を車体幅方向Yに沿った回転軸P3回り回転自在に支持している。
【0037】
前記第1補助輪用ストッパー部材330は、前記支持アーム320を前記使用位置へ向けて回動させる際に、該支持アーム320の前記使用位置を超えた回動を防止するように構成されている。
具体的には、前記第1補助輪用ストッパー部材330は、前記車体フレーム110及び前記支持アーム320のうち何れか一方に設けられた係止部材(ここでは、前記一対の支持アーム320,320間に架設された係止部材)とされており、前記支持アーム320を前記使用位置へ向けて回動させる際に、前記使用位置で、前記車体フレーム110及び前記支持アーム320のうち何れか他方(ここでは、前記車体フレーム110)と係止するように構成されている。
なお、前記第1補助輪用ストッパー部材330は、前記車体フレーム110及び前記支持アーム320の双方に設けられた係止部材とされており、前記支持アーム320を前記使用位置へ向けて回動させる際に、前記使用位置で、前記車体フレーム110及び前記支持アーム320の双方に設けられた係止部材が互いに係止するように構成されていてもよい。
【0038】
前記第2補助輪用ストッパー部材340は、前記支持アーム320を前記格納位置へ向けて回動させる際に、該支持アーム320の前記格納位置を超えた回動を防止するように構成されている。
具体的には、前記第2補助輪用ストッパー部材340は、前記車体フレーム110及び前記支持アーム320のうち何れか一方に設けられた係止部材(ここでは、前記第2支持フレーム113に支持された後述するスタンド本体410に設けられた支持部材であって、スタンド用付勢部材440の先端部442を支持する支持部材)とされており、前記支持アーム320を前記格納位置へ向けて回動させる際に、前記格納位置で、前記車体フレーム110及び前記支持アーム320のうち何れか他方(ここでは、前記支持アーム320)と係止するように構成されている。
なお、前記第2補助輪用ストッパー部材340は、前記車体フレーム110及び前記支持アーム320の双方に設けられた係止部材とされており、前記支持アーム320を前記格納位置へ向けて回動させる際に、前記格納位置で、前記車体フレーム110及び前記支持アーム320の双方に設けられた係止部材が互いに係止するように構成されていてもよい。
【0039】
前記補助輪用付勢部材350は、基端部351が固定され且つ先端部352が前記支持アーム320に連結されている。
具体的には、前記補助輪用付勢部材350は、ここでは、コイルバネとされており、基端部351が前記車体フレーム110に固定され且つ先端部352が前記支持アーム320に設けられた支持部材321を介して該支持アーム320に連結されている。
そして、前記基端部351(さらに言えば前記基端部351の前記車体フレーム110との係合部)及び前記支持アーム320の回動支点R(さらに言えば第1枢支軸P1の中心)を結ぶ仮想直線αを基準にして、前記支持アーム320(さらに言えば前記付勢部材350の先端部352)が前記使用位置側に位置する際には該支持アーム320を該使用位置に向けて付勢し且つ前記支持アーム320(さらに言えば前記付勢部材350の先端部352)が前記格納位置側に位置する際には該支持アーム320を該格納位置に向けて付勢するように構成されている。
斯かる構成を備えることにより、前記移動補助輪300は、前記支持アーム320を前記使用位置から前記格納位置へ前記第1枢支軸P1回り一方側に回動させる際に、前記仮想直線αを超えて前記格納位置側に位置させると、前記補助輪用付勢部材350の付勢力によって前記格納位置へ自動的に移行し、又、前記支持アーム320を前記格納位置から前記使用位置へ前記第1枢支軸P1回り他方側に回動させる際に、前記仮想直線αを超えて前記使用位置側に位置させると前記補助輪用付勢部材350の付勢力によって前記使用位置へ自動的に移行するようになっている。
【0040】
本発明の一実施形態に係る歩行型移動農機100は、前記構成に加えて、前記走行輪120を挟んで前記作業機200とは車体前後方向X反対側にスタンド400が設けられている。
【0041】
図5は、図1に示す歩行型移動農機100に設けられた前記作業機200が地面に干渉しないように前記車体フレーム110の所定の傾斜姿勢を前記スタンド400によって保持させた状態の一例を示す側面図である。
又、図6は、図1に示す歩行型移動農機100において、前記スタンド400が前記使用位置及び前記格納位置をとっている状態の一例を示す側面図であり、図6(a)は、前記スタンド400が前記使用位置をとっている状態を示しており、図6(b)は、前記スタンド400が前記格納位置をとっている状態を示している。
なお、前記の図4は、前記スタンド400部分も示している。
【0042】
図5に示すように、前記スタンド400は、前記走行輪120の接地点Qを支点として前記作業機200が上方へ持ち上がるように前記車体フレーム110を傾斜させた際に、該車体フレーム110が前記一の傾斜姿勢又は該一の傾斜姿勢とは異なる他の傾斜姿勢(ここでは前記他の姿勢)をとった状態を保持するように構成されている。
【0043】
本実施の形態においては、図6に示すように、前記スタンド400は、前記車体フレーム110が前記一の傾斜姿勢又は前記他の傾斜姿勢(ここでは前記他の姿勢)をとった状態を保持する使用位置(図6(a)参照)と、前記車体フレーム110が前記一の傾斜姿勢又は前記他の傾斜姿勢(ここでは前記他の姿勢)の傾斜角度より大きく傾斜することを許容するように前記使用位置から退避する格納位置(図6(b)参照)とをとり得るように構成されている。
【0044】
詳しくは、前記スタンド400は、スタンド本体410と、第1スタンド用ストッパー部材420と、第2スタンド用ストッパー部材430と、スタンド用付勢部材440とを備えている。
前記スタンド本体410は、前記使用位置と前記格納位置とをとり得るように車体幅方向Yに沿った第2枢支軸P2回り回動可能とされている。
具体的には、前記スタンド本体410は、ここでは、基端部が前記車体フレーム110の前記第2支持フレーム113に前記第2枢支軸P2回り回動自在に支持されている。
なお、前記第1枢支軸P1及び前記第2枢支軸P2は、ここでは、同軸上に配設されている。
【0045】
前記第1スタンド用ストッパー部材420は、前記スタンド本体410を前記使用位置へ向けて回動させる際に、該スタンド本体410の前記使用位置を超えた回動を防止するように構成されている。
具体的には、前記第1スタンド用ストッパー部材420は、前記車体フレーム110及び前記スタンド本体410のうち何れか一方に設けられた係止部材(ここでは、前記第2支持フレーム113に前記スタンド本体410が前記使用位置に位置する際に該スタンド本体410の車体前後方向X他方側の面と当接するように設けられた係止部材)とされており、前記スタンド本体410を前記使用位置へ向けて回動させる際に、前記使用位置で、前記車体フレーム110及び前記スタンド本体410のうち何れか他方(ここでは、前記スタンド本体410)と係止するように構成されている。
なお、前記第1スタンド用ストッパー部材420は、前記車体フレーム110及び前記スタンド本体410の双方に設けられた係止部材とされており、前記スタンド本体410を前記使用位置へ向けて回動させる際に、前記使用位置で、前記車体フレーム110及び前記支持アーム320の双方に設けられた係止部材が互いに係止するように構成されていてもよい。
【0046】
前記第2スタンド用ストッパー部材430は、前記スタンド本体410を前記格納位置へ向けて回動させる際に、該スタンド本体410の前記格納位置を超えた回動を防止するように構成されている。
具体的には、前記第2スタンド用ストッパー部材430は、前記車体フレーム110及び前記スタンド本体410のうち何れか一方に設けられた係止部材(ここでは、前記スタンド本体410に設けられた支持部材であって、前記スタンド用付勢部材440の先端部442を支持する支持部材)とされており、前記スタンド本体410を前記格納位置へ向けて回動させる際に、前記格納位置で、前記車体フレーム110及び前記スタンド本体410のうち何れか他方(ここでは、前記車体フレーム110)と係止するように構成されている。ここでは、前記第2スタンド用ストッパー部材430は、前記移動補助輪300における前記第2補助輪用ストッパー部材340を兼ねている。
なお、前記第2スタンド用ストッパー部材430は、前記車体フレーム110及び前記スタンド本体410の双方に設けられた係止部材とされており、前記スタンド本体410を前記格納位置へ向けて回動させる際に、前記格納位置で、前記車体フレーム110及び前記スタンド本体410の双方に設けられた係止部材が互いに係止するように構成されていてもよい。
【0047】
前記スタンド用付勢部材440は、基端部441が固定され且つ先端部442が前記スタンド本体410に連結されている。
具体的には、前記スタンド用付勢部材440は、ここでは、コイルバネとされており、基端部441が前記車体フレーム110に固定され且つ先端部442が前記スタンド本体410に設けられた支持部材430を介して該スタンド本体410に連結されている。
そして、前記基端部441(さらに言えば前記基端部441の前記車体フレーム110との係合部)及び前記スタンド本体410の回動支点R(さらに言えば前記第2枢支軸P2の中心)を結ぶ仮想直線βを基準にして、前記スタンド本体410(さらに言えば前記付勢部材440の先端部442)が前記使用位置側に位置する際には該スタンド本体410を該使用位置に向けて付勢し且つ前記スタンド本体410(さらに言えば前記付勢部材440の先端部442)が前記格納位置側に位置する際には該スタンド本体410を該格納位置に向けて付勢するように構成されている。
斯かる構成を備えることにより、前記スタンド400は、前記スタンド本体410を前記使用位置から前記格納位置へ前記第2枢支軸P2回り一方側に回動させる際に、前記仮想直線βを超えて前記格納位置側に位置させると、前記スタンド用付勢部材440の付勢力によって前記格納位置へ自動的に移行し、又、前記スタンド本体410を前記格納位置から前記使用位置へ前記第2枢支軸P2回り他方側に回動させる際に、前記仮想直線βを超えて前記使用位置側に位置させると前記スタンド用付勢部材440の付勢力によって前記使用位置へ自動的に移行するようになっている。
【0048】
図7は、前記移動補助輪300を前記格納位置を位置させる際の該移動補助輪300及び前記スタンド400の移動状態の一例を示す側面図である。
又、本発明の一実施形態に係る歩行型移動農機100は、前記移動補助輪300を前記格納位置を位置させる際には該移動補助輪300は前記スタンド400を伴って移動する一方、前記移動補助輪300を前記使用位置へ向けて移動させる際には該移動補助輪300は単独で移動するように構成されている(図4(a)参照)。
斯かる構成を備えることにより、前記歩行型移動農機100は、前記移動補助輪300を前記格納位置に位置させる際に、該移動補助輪300を前記スタンド400と共に格納させることができる。
本実施の形態では、前記移動補助輪300は、車体前後方向X他方側から視て前記スタンド400とオーバーラップするように構成されている。
具体的には、前記移動補助輪300は、該移動補助輪300を前記格納位置に向けて回動させる際に前記スタンド400と係合することで(ここでは、前記移動補助輪300における前記回転軸P3が前記スタンド本体410と係合することで)、該スタンド400を伴って移動するように構成されている。
【0049】
なお、以上説明した本発明の一実施形態に係る前記歩行型移動農機では、前記走行輪120を挟んで前記作業機200とは前後方向X反対側に移動補助輪300を設け、前記移動補助輪300が、前記走行輪120の接地点Qを支点として前記作業機200が上方へ持ち上がるように前記車体フレーム110を傾斜させた際に、該車体フレーム110が一の傾斜姿勢をとった状態で接地するように構成したが、前記移動補助輪300に代えて、規制部材を設け、該規制部材が、前記走行輪120の接地点Qを支点として前記作業機200が上方へ持ち上がるように前記車体フレーム110を傾斜させた際に、該車体フレーム110が一の傾斜姿勢をとった状態で接地するように構成されており、さらに、該規制部材を接地させた際に、前記燃料タンク142の排出口142aが前記キャブレター141よりも上方に位置するように構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る歩行型移動農機の概略側面図であって、農作業を行っている状態を示す図である。
【図2】図2は、図1に示す歩行型移動農機に設けられた作業機が地面に干渉しないように車体フレームを傾斜させた状態を示す側面図である。
【図3】図3は、図1に示す歩行型移動農機において、移動補助輪が使用位置及び格納位置をとっている状態の一例を示す側面図であり、図3(a)は、該移動補助輪が使用位置をとっている状態を示しており、図3(b)は、該移動補助輪が格納位置をとっている状態を示している。
【図4】図4は、図1に示す歩行型移動農機の移動補助輪部分を示す拡大図であって、図4(a)は、該移動補助輪を車体前後方向他方側から視た図であり、図4(b)は、該移動補助輪を側面から視た図である。
【図5】図5は、図1に示す歩行型移動農機に設けられた作業機が地面に干渉しないように車体フレームの所定の傾斜姿勢をスタンドによって保持させた状態の一例を示す側面図である。
【図6】図6は、図1に示す歩行型移動農機において、スタンドが使用位置及び格納位置をとっている状態の一例を示す側面図であり、図6(a)は、該スタンドが前記使用位置をとっている状態を示しており、図6(b)は、該スタンドが前記格納位置をとっている状態を示している。
【図7】図7は、移動補助輪を格納位置を位置させる際の移動補助輪及びスタンドの移動状態の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0051】
100…歩行型移動農機 110…車体フレーム 120…走行輪 130…エンジン
141…キャブレター 142…燃料タンク 142a…燃料タンクの排出口
200…作業機 300…移動補助輪 310…補助車輪本体 320…支持アーム
330…第1補助輪用ストッパー部材 340…第2補助輪用ストッパー部材
350…補助輪用付勢部材 351…補助輪用付勢部材の基端部
352…補助輪用付勢部材の先端部 400…スタンド 410…スタンド本体
420…第1スタンド用ストッパー部材 430…第2スタンド用ストッパー部材
440…スタンド用付勢部材 441…スタンド用付勢部材の基端部
442…スタンド用付勢部材の先端部 P1…第1枢支軸 P2…第2枢支軸
Q…走行輪の接地点 R…回動支点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームに走行輪及び作業機が支持された歩行型移動農機であって、
前記走行輪を挟んで前記作業機とは前後方向反対側に移動補助輪が設けられており、
前記移動補助輪は、前記走行輪の接地点を支点として前記作業機が上方へ持ち上がるように前記車体フレームを傾斜させた際に、該車体フレームが一の傾斜姿勢をとった状態で接地するように構成されていることを特徴とする歩行型移動農機。
【請求項2】
前記移動補助輪を接地させた際に、燃料タンクの排出口がエンジンに燃料を供給するキャブレターよりも上方に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の歩行型移動農機。
【請求項3】
前記移動補助輪は、前記車体フレームが前記一の傾斜姿勢をとった状態で接地する使用位置と、前記車体フレームが前記一の傾斜姿勢の傾斜角度より大きく傾斜することを許容するように前記使用位置から退避する格納位置とをとり得るように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の歩行型移動農機。
【請求項4】
前記走行輪を挟んで前記作業機とは前後方向反対側に、前記走行輪の接地点を支点として前記作業機が上方へ持ち上がるように前記車体フレームを傾斜させた際に、該車体フレームが前記一の傾斜姿勢又は該一の傾斜姿勢とは異なる他の傾斜姿勢をとった状態を保持するスタンドが設けられており、
前記スタンドは、前記車体フレームが前記一の傾斜姿勢又は前記他の傾斜姿勢をとった状態を保持する使用位置と、前記車体フレームが前記一の傾斜姿勢又は前記他の傾斜姿勢の傾斜角度より大きく傾斜することを許容するように前記使用位置から退避する格納位置とをとり得るように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の歩行型移動農機。
【請求項5】
前記移動補助輪は、補助車輪本体と、該補助車輪本体を軸線回り回転自在に支持する支持アームであって、前記使用位置と前記格納位置とをとり得るように車体幅方向に沿った第1枢支軸回り回動可能とされた支持アームと、前記支持アームを前記使用位置へ向けて回動させる際に、該支持アームの前記使用位置を超えた回動を防止する第1補助輪用ストッパー部材と、前記支持アームを前記格納位置へ向けて回動させる際に、該支持アームの前記格納位置を超えた回動を防止する第2補助輪用ストッパー部材と、基端部が固定され且つ先端部が前記支持アームに連結された補助輪用付勢部材であって、前記基端部及び前記支持アームの回動支点を結ぶ仮想直線を基準にして、前記支持アームが前記使用位置側に位置する際には該支持アームを該使用位置に向けて付勢し且つ前記支持アームが前記格納位置側に位置する際には該支持アームを該格納位置に向けて付勢する補助輪用付勢部材とを備え、
前記スタンドは、前記使用位置と前記格納位置とをとり得るように車体幅方向に沿った第2枢支軸回り回動可能とされたスタンド本体と、前記スタンド本体を前記使用位置へ向けて回動させる際に、該スタンド本体の前記使用位置を超えた回動を防止する第1スタンド用ストッパー部材と、前記スタンド本体を前記格納位置へ向けて回動させる際に、該スタンド本体の前記格納位置を超えた回動を防止する第2スタンド用ストッパー部材と、基端部が固定され且つ先端部が前記スタンド本体に連結されたスタンド用付勢部材であって、前記基端部及び前記スタンド本体の回動支点を結ぶ仮想直線を基準にして、前記スタンド本体が前記使用位置側に位置する際には該スタンド本体を該使用位置に向けて付勢し且つ前記スタンド本体が前記格納位置側に位置する際には該スタンド本体を該格納位置に向けて付勢するスタンド用付勢部材とを備えていることを特徴とする請求項4に記載の歩行型移動農機。
【請求項6】
前記第1枢支軸及び前記第2枢支軸は、同軸上に配設されていることを特徴とする請求項5に記載の歩行型移動農機。
【請求項7】
前記移動補助輪を前記格納位置を位置させる際には該移動補助輪は前記スタンドを伴って移動する一方、前記移動補助輪を前記使用位置へ向けて移動させる際には該移動補助輪は単独で移動するように構成されていることを特徴とする請求項4から6の何れかに記載の歩行型移動農機。
【請求項8】
車体フレームに走行輪及び作業機が支持された歩行型移動農機であって、
前記走行輪を挟んで前記作業機とは前後方向反対側に規制部材が設けられており、
前記規制部材は、前記走行輪の接地点を支点として前記作業機が上方へ持ち上がるように前記車体フレームを傾斜させた際に、該車体フレームが一の傾斜姿勢をとった状態で接地するように構成されており、
前記規制部材を接地させた際に、燃料タンクの排出口がエンジンに燃料を供給するキャブレターよりも上方に位置するように構成されていることを特徴とする歩行型移動農機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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