説明

歩行変化判定装置

【課題】歩行の変化度合をより正確に判定すること。
【解決手段】歩行変化判定装置は、本体部と、本体部の加速度を検出するための加速度センサと、制御部とを備え、本体部を所定部位に装着するユーザの歩行の変化を判定するための装置である。制御部は、加速度センサによって検出された加速度に基づいて、本体部が装着される所定部位の歩行時の軌跡を特定し(S103)、特定された軌跡の時間的変化を算出し(S104,S105,S111,S112)、算出された時間的変化に基づいて、時間的変化の度合である変化度合を判定する(S113)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、歩行変化判定装置に関し、特に、当該装置を所定部位に装着するユーザの歩行状態の変化を判定するのに適した歩行変化判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加速度センサの検出値に基づいて動作間隔または筋振動(加速度の高周波成分)の有無を算出し、動作間隔または筋振動の有無に基づいて疲労度を判定するものがあった(たとえば、特許文献1の図25および図26参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−271893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では、ユーザが単に動作速度を変更したこと、または、個人差に影響され易いといった問題があった。このため、歩行の変化度合を正確に判定してユーザに報知することができないといった問題があった。
【0005】
この発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、その目的の1つは、歩行の変化度合をより正確に判定することが可能な歩行変化判定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、この発明のある局面によれば、歩行変化判定装置は、本体部と、本体部の加速度を検出するための加速度センサと、制御部とを備え、本体部を所定部位に装着するユーザの歩行の変化を判定するための装置である。
【0007】
制御部は、加速度センサによって検出された加速度に基づいて、本体部が装着される所定部位の歩行時の軌跡を特定する特定部と、特定部によって特定された軌跡の時間的変化を算出する第1の算出部と、第1の算出部によって算出された時間的変化に基づいて、時間的変化の度合である変化度合を算出する判定部とを含む。
【0008】
好ましくは、歩行変化判定装置は、記憶部をさらに備える。制御部は、さらに、ユーザが歩行しているときに疲労度合の入力を受付ける受付部を含む。判定部は、受付部によって受付けられたときの変化度合を算出する。制御部は、さらに、受付部によって受付けられた疲労度合と、判定部によって算出された変化度合とを対応付けて記憶部に記憶させる記憶制御部を含む。判定部は、記憶部に記憶された疲労度合と変化度合とに基づいて、判定部によって算出された変化度合に対応する疲労度合を判定する。
【0009】
好ましくは、歩行変化判定装置は、報知部をさらに備える。制御部は、さらに、判定部によって判定された疲労度合を報知部で報知させる報知制御部を含む。
【0010】
好ましくは、軌跡は、本体部が装着される所定部位の歩行時の進行方向の移動成分を除去した3次元の軌跡であり、軌跡のパターンは、当該パターンの特徴を規定する特徴点を複数含む。特定部は、加速度センサによって検出された加速度に基づいて、鉛直方向、進行方向および左右方向の直交3軸方向のそれぞれに垂直な面に進行方向の移動成分を除去して投影した軌跡の特徴点の位置を特定する。第1の算出部は、特定部によって特定された位置に基づいて、軌跡の特徴因子の値を算出する第2の算出部と、特徴因子の値と歩行を示す指標の値との予め求められた相関関係に従って、第2の算出部によって算出された特徴因子の値に基づいて、指標の値を算出する第3の算出部と、第3の算出部によって算出された指標の値に基づいて、指標の時間的変化量を算出する第4の算出部とを含む。判定部は、第4の算出部によって算出された時間的変化量に基づいて、変化度合を算出する。
【0011】
さらに好ましくは、時間的変化量は、歩行姿勢の時間的変化量を含む。制御部は、さらに、第3の算出部によって算出された指標の値に基づいて、歩行姿勢を判定する判定部を含む。第4の算出部は、さらに、判定部によって判定された歩行姿勢の時間的変化量を算出する。判定部は、さらに、第4の算出部によって算出された時間的変化量に基づいて、歩行姿勢の時間的変化の姿勢変化度合を含む変化度合を算出する。
【0012】
さらに好ましくは、相関関係は、重回帰分析によって得られる、目的変数としての特徴因子の値と説明変数としての指標の値との関係式である重回帰式で示される。
【0013】
さらに好ましくは、特徴点は、第1の足が接地したときの第1の特徴点、および、第1の足で立脚している間で軌跡が最も高い位置に達したときの第2の特徴点、ならびに、第2の足が接地したときの第3の特徴点、および、第2の足で立脚している間で軌跡が最も高い位置に達したときの第4の特徴点を含む。
【0014】
特徴因子は、進行方向に垂直な面に投影した軌跡における第1の特徴点と第2の特徴点との鉛直方向の距離である第1の特徴因子、および、左右方向に垂直な面に投影した軌跡における第1の特徴点と第2の特徴点との距離および第3の特徴点と第4の特徴点との距離から算出される第2の特徴因子を含む。
【0015】
指標は、歩幅を含む。重回帰式は、重回帰分析によって得られた第1の偏回帰係数および第1の特徴因子の積と、重回帰分析によって得られた第2の偏回帰係数および第2の特徴因子の積と、第3の偏回帰係数との和を算出する式である。
【0016】
さらに好ましくは、特徴点は、第1の足が接地したときの第1の特徴点、第1の足で立脚している間で軌跡が最も高い位置に達したときの第2の特徴点、軌跡の最も右側の第3の特徴点、および、軌跡の最も左側の第4の特徴点、ならびに、軌跡の右側で最も前側の第5の特徴点、軌跡の左側で最も前側の第6の特徴点、軌跡の右側で最も後ろ側の第7の特徴点、および、軌跡の左側で最も後ろ側の第8の特徴点を含む。
【0017】
特徴因子は、進行方向に垂直な面に投影した軌跡における第1の特徴点と第2の特徴点との鉛直方向の距離を第3の特徴点と第4の特徴点との左右方向の距離で割った商である第1の特徴因子、および、鉛直方向に垂直な面に投影した軌跡における第5の特徴点と第6の特徴点との左右方向の距離を第7の特徴点と第8の特徴点との左右方向の距離で割った商である第2の特徴因子を含む。
【0018】
指標は、歩隔を含む。重回帰式は、重回帰分析によって得られた第1の偏回帰係数および第1の特徴因子の積と、重回帰分析によって得られた第2の偏回帰係数および第2の特徴因子の積と、第3の偏回帰係数との和を算出する式である。
【発明の効果】
【0019】
この発明に従えば、歩行変化判定装置によって、加速度センサによって検出された加速度に基づいて、本体部が装着されるユーザの所定部位の歩行時の軌跡が特定され、特定された軌跡の時間的変化が算出され、算出された時間的変化に基づいて、時間的変化の度合である変化度合が算出され判定される。
【0020】
このため、ユーザの所定部位の軌跡の時間的変化の度合を算出するので、単に動作速度を変更したことおよび個人差の影響を受けにくくすることができる。その結果、歩行の変化度合をより正確に判定することが可能な歩行変化判定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の実施の形態における活動量計の外観図である。
【図2】この実施の形態における活動量計の使用状態を示す図である。
【図3】ユーザの歩行時の腰の軌跡を歩行の進行方向から見た第1の例を示す図である。
【図4】ユーザの歩行時の腰の軌跡を歩行の進行方向から見た第2の例を示す図である。
【図5】ユーザの歩行時の腰の軌跡を歩行の進行方向から見た複数の例を示す図である。
【図6】この実施の形態において加速度データから算出したユーザの歩行時の腰の軌跡と実測したユーザの歩行時の腰の軌跡との相関を示す図である。
【図7】この実施の形態においてXY平面に投影した軌跡のパターンに含まれる特徴点を説明するための図である。
【図8】この実施の形態においてXZ平面に投影した軌跡のパターンに含まれる特徴点を説明するための図である。
【図9】この実施の形態においてYZ平面に投影した軌跡のパターンに含まれる特徴点を説明するための図である。
【図10】この実施の形態においてXY平面に投影した軌跡のパターンに含まれる特徴点の位置に基づいて算出される特徴因子を説明するための図である。
【図11】この実施の形態においてXZ平面に投影した軌跡のパターンに含まれる特徴点の位置に基づいて算出される特徴因子を説明するための図である。
【図12】この実施の形態においてYZ平面に投影した軌跡のパターンに含まれる特徴点の位置に基づいて算出される特徴因子を説明するための図である。
【図13】この実施の形態における特徴因子と歩行姿勢を示す指標のうち歩幅との相関関係を説明するための第1の図である。
【図14】この実施の形態における特徴因子と歩行姿勢を示す指標のうち歩幅との相関関係を説明するための第2の図である。
【図15】この実施の形態における特徴因子と歩行姿勢を示す指標のうち歩隔との相関関係を説明するための第1の図である。
【図16】この実施の形態における特徴因子と歩行姿勢を示す指標のうち歩隔との相関関係を説明するための第2の図である。
【図17】この実施の形態における活動量計の構成の概略を示すブロック図である。
【図18】この実施の形態における活動量計の機能の概略を示す機能ブロック図である。
【図19】この実施の形態における活動量計で算出されたユーザの所定部位の軌跡を示す第1の図である。
【図20】この実施の形態における活動量計で算出されたユーザの所定部位の軌跡を示す第2の図である。
【図21】この実施の形態における活動量計で算出されたユーザの歩幅を示すグラフである。
【図22】この実施の形態における活動量計で算出されたユーザの歩隔を示すグラフである。
【図23】この実施の形態における活動量計の制御部によって実行される歩行姿勢判定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0023】
本実施の形態においては、歩行姿勢判定装置が、歩数測定だけでなく、運動や生活活動(たとえば、掃除機をかける、軽い荷物運び、炊事など)における活動量(運動量ともいう)も測定することが可能な活動量計であることとして実施の形態を説明する。しかし、これに限定されず、歩行姿勢判定装置は、歩数測定が可能な歩数計であってもよい。
【0024】
図1は、この発明の実施の形態における活動量計100の外観図である。図1を参照して、活動量計100は、本体部191と、クリップ部192とから主に構成される。クリップ部192は、活動量計100をユーザの着衣などに固定するために用いられる。
【0025】
本体部191には、後述する操作部130の一部を構成する表示切換/決定スイッチ131、左操作/メモリスイッチ132、および、右操作スイッチ133、ならびに、後述する表示部140の一部を構成するディスプレイ141が設けられる。
【0026】
本実施の形態においては、ディスプレイ141は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid
Crystal Display)で構成されることとするが、これに限定されず、EL(ElectroLuminescence)ディスプレイなど他の種類のディスプレイであってもよい。
【0027】
図2は、この実施の形態における活動量計100の使用状態を示す図である。図2を参照して、活動量計100は、たとえば、ユーザの腰部のベルトに、クリップ部192を用いて装着される。この実施の形態においては、活動量計100は、ユーザの腰の近辺に固定して装着されることが望ましい。
【0028】
なお、本実施の形態において、歩行時のユーザの進行方向をZ軸(進む向きを正方向)とし、歩行時のユーザの左右方向をX軸(右向きを正方向)とし、鉛直方向をY軸(鉛直上向きを正方向)とする座標系を用いることとする。
【0029】
図3は、ユーザの歩行時の腰の軌跡を歩行の進行方向から見た第1の例を示す図である。図4は、ユーザの歩行時の腰の軌跡を歩行の進行方向から見た第2の例を示す図である。図3(A)および図4(A)は、歩行時の腰の軌跡をユーザの画像と重ねた図である。図3(B)および図4(B)は、ユーザの歩行時の腰の軌跡をグラフで表わした図である。
【0030】
図3および図4を参照して、この軌跡は、歩行時において、Z軸に垂直な面であるXY平面に投影した軌跡である。歩行においては、通常、右足が地面から離されてから、右足が最も高い位置に到達した後に、右足が地面に接触し、次に、左足が地面から離されてから、左足が最も高い位置に到達した後に、左足が地面に接触するといった過程で足が動かされる。
【0031】
このような歩行の過程において、ユーザの腰の軌跡は、まず、右下から左上に向かい、左上の最も高い位置に到達した後に、左下に向かい、左下の最も低い位置に到達した後に、右上に向かい、右上の最も高い位置に到達した後に、右下に向かい、右下の最も低い位置に到達するといった特定のパターンとなる。
【0032】
図5は、ユーザの歩行時の腰の軌跡を歩行の進行方向から見た複数の例を示す図である。図5を参照して、図5(A)は、図3(B)で示した図と同様の図である。図5(A)は、普通の歩行姿勢のときのユーザの歩行時の腰の軌跡を示す。図5(B)は、図4(B)で示した図と同様の図である。図5(B)は、図5(A)の場合よりも、歩隔が広い、いわゆる、がにまたの場合のユーザの歩行時の腰の軌跡を示す。
【0033】
図5(C)は、図5(A)の場合よりも、歩隔が狭い場合のユーザの歩行時の腰の軌跡を示す。図5(D)は、図5(A)の場合よりも、すり足で歩いた場合のユーザの歩行時の腰の軌跡を示す。図5(E)は、図5(A)の場合よりも、猫背で歩いた場合のユーザの歩行時の腰の軌跡を示す。図5(F)は、図5(A)の場合よりも、大またで歩いた場合のユーザの腰の軌跡を示す。
【0034】
このように、図5(A)から図5(F)までのそれぞれの軌跡は、異なるように見えるが、図3および図4で説明したような特定のパターンを有する。
【0035】
図6は、この実施の形態において加速度データから算出したユーザの歩行時の腰の軌跡と実測したユーザの歩行時の腰の軌跡との相関を示す図である。図6(A)は、実測したユーザの歩行時の腰の軌跡を歩行の進行方向から見た図である。図6(A)は、図3(B)、図4(B)、および、図5(A)から図5(F)までと同様の図である。
【0036】
図6(A)の軌跡は、たとえば、ユーザが歩行しているところを、カメラで進行方向から撮影して、画像処理によって、腰の近辺の或る1点の動きを繋ぎ合わせることによって得られる。
【0037】
図6(B)は、加速度データから算出したユーザの歩行時の腰の軌跡を歩行の進行方向から見た図である。ここで、活動量計100の加速度センサによって検出された3軸方向の加速度データに基づいて、ユーザの歩行時の腰の軌跡を算出する方法について説明する。なお、この軌跡は、活動量計100の制御部によって算出される。
【0038】
まず、図2で説明したX軸、Y軸およびZ軸方向それぞれの加速度Ax(t),Ay(t),Az(t)を特定する。ここで、加速度センサの3軸方向がX軸、Y軸およびZ軸方向と一致している場合は、加速度センサで得られた検出値をそのままX軸、Y軸およびZ軸方向それぞれの加速度Ax(t),Ay(t),Az(t)とすればよい。一方、加速度センサの3軸方向がX軸、Y軸およびZ軸方向と一致していない場合は、加速度センサで得られた検出値を座標変換することによって、X軸、Y軸およびZ軸方向それぞれの加速度Ax(t),Ay(t),Az(t)を算出する。
【0039】
次に、式1から式3をそれぞれ用いて加速度Ax(t),Ay(t),Az(t)を積分することによって、X軸、Y軸およびZ軸方向それぞれの速度Vx(t),Vy(t),Vz(t)を算出する。
【0040】
【数1】

【0041】
【数2】

【0042】
【数3】

【0043】
次いで、式4から式6をそれぞれ用いて、±1歩分の時間の間の短時間での平均速度成分を除外した速度、つまり、短時間での平均速度に対する相対速度Vx'(t),Vy'(t),Vz'(t)を算出する。なお、ここでは、1歩分の時間をT秒とし、たとえば、1歩ごとに加速度のピーク間の時間を算出することによってTが算出される。
【0044】
【数4】

【0045】
【数5】

【0046】
【数6】

【0047】
最後に、式7から式9をそれぞれ用いて速度Vx'(t),Vy'(t),Vz'(t)を積分することによって、X軸、Y軸およびZ軸方向それぞれの短時間での平均位置に対する相対位置X(t),Y(t),Z(t)を算出する。
【0048】
【数7】

【0049】
【数8】

【0050】
【数9】

【0051】
このようにして算出された位置X(t),Y(t)をそれぞれX,Y座標の値とする点(X(t),Y(t))をtを変化させながらXY平面にプロットしていくことによって、ユーザの歩行時の軌跡をXY平面に投影した軌跡が得られる。この軌跡の一例が、図6(B)に示した軌跡である。
【0052】
また、位置X(t),Z(t)をそれぞれX,Z座標の値とする点(X(t),Z(t))をtを変化させながらXZ平面にプロットしていくことによって、ユーザの歩行時の軌跡をXZ平面に投影した軌跡が得られる。
【0053】
同様に、位置Y(t),Z(t)をそれぞれY,Z座標の値とする点(Y(t),Z(t))をtを変化させながらYZ平面にプロットしていくことによって、ユーザの歩行時の軌跡をYZ平面に投影した軌跡が得られる。
【0054】
これらの軌跡は、それぞれ、後述する図7(A)から図9(A)で示すようなパターンの軌跡となる。
【0055】
図6(C)は、実測した軌跡の高さ(Y軸方向の幅)と、検出した加速度データから算出した軌跡の高さ(Y軸方向の幅)との相関関係を示すグラフである。このように、様々な歩き方をした場合のそれぞれの高さをプロットする。そして、回帰分析することによって、実測した軌跡の高さをyとして、算出した軌跡の高さをxとして、回帰式がy=0.9878x+0.3452、決定係数R2が0.9575と求められる。
【0056】
このことから、加速度データから算出した軌跡は、かなり高い精度で、実測した軌跡と一致すると言える。
【0057】
図7は、この実施の形態においてXY平面に投影した軌跡のパターンに含まれる特徴点を説明するための図である。図8は、この実施の形態においてXZ平面に投影した軌跡のパターンに含まれる特徴点を説明するための図である。図9は、この実施の形態においてYZ平面に投影した軌跡のパターンに含まれる特徴点を説明するための図である。
【0058】
図7を参照して、特徴点(1)は、歩行周期のうち、右足が接地したときの点である。特徴点(1)を特定するための条件は、左右に関しては、右であり、上下に関しては、最も下であるという条件である。
【0059】
特徴点(2)は、歩行周期のうち、右足が立脚しているときの点(特に鉛直方向に最も高い位置にユーザの腰があるときの点)である。特徴点(2)を特定するための条件は、特徴点(1)の後であって、上下に関しては、最も上であるという条件である。
【0060】
特徴点(3)は、歩行周期のうち、左足が接地したときの点である。特徴点(3)を特定するための条件は、特徴点(2)の後であって、上下に関しては、最も下であるという条件である。
【0061】
特徴点(4)は、歩行周期のうち、左足が立脚しているときの点(特に鉛直方向に最も高い位置にユーザの腰があるときの点)である。特徴点(4)を特定するための条件は、特徴点(3)の後であって、上下方向に関しては、最も上であるという条件である。
【0062】
特徴点(5)は、歩行周期のうち、右足が接地したときの点である。特徴点(5)を特定するための条件は、特徴点(4)の後であって、上下に関しては、最も下であるという条件である。なお、この特徴点(5)が、次の1サイクルの特徴点(1)である。
【0063】
特徴点(6)は、歩行周期のうち、最も右側にユーザの腰があるときの点である。特徴点(6)を特定するための条件は、式7で算出されたX(t)の値が1サイクルでX(t)≧0において最大であるという条件である。
【0064】
特徴点(7)は、歩行周期のうち、最も左側にユーザの腰があるときの点である。特徴点(7)を特定するための条件は、式7で算出されたX(t)の値が1サイクルでX(t)<0において最小であるという条件である。
【0065】
特徴点(8)は、歩行周期のうち、歩行1サイクルにおける、腰の軌跡の交点である。特徴点(8)を特定するための条件は、特徴点(2)から特徴点(3)にかける腰の軌跡と、特徴点(4)から特徴点(5)にかける腰の軌跡の、XY平面上における交点であるという条件である。
【0066】
図8を参照して、特徴点(9)は、歩行周期のうち、右足が接地したときの点である。特徴点(9)を特定するための条件は、左右に関しては、右であり、前後に関しては、最も後ろであるという条件である。
【0067】
特徴点(10)は、歩行周期のうち、右足が立脚しているときの点(特に進行方向の短時間での平均位置に対する相対位置が最も前にユーザの腰があるときの点)である。特徴点(10)を特定するための条件は、特徴点(9)の後であって、前後に関しては、最も前であるという条件である。
【0068】
特徴点(11)は、歩行周期のうち、左足が接地したときの点である。特徴点(11)を特定するための条件は、特徴点(10)の後であって、前後に関しては、最も後ろであるという条件である。
【0069】
特徴点(12)は、歩行周期のうち、左足が立脚しているときの点(特に進行方向の短時間での平均位置に対する相対位置が最も前にユーザの腰があるときの点)である。特徴点(12)を特定するための条件は、特徴点(11)の後であって、前後に関しては、最も前であるという条件である。
【0070】
特徴点(13)は、歩行周期のうち、右足が接地したときの点である。特徴点(11)を特定するための条件は、特徴点(12)の後であって、前後に関しては、最も後ろであるという条件である。なお、この特徴点(13)が、次の1サイクルの特徴点(9)である。
【0071】
特徴点(14)は、歩行周期のうち、歩行1サイクルにおける、腰の軌跡の交点である。特徴点(14)を特定するための条件は、特徴点(10)から特徴点(11)にかける腰の軌跡と、特徴点(12)から特徴点(13)にかける腰の軌跡の、XY平面上における交点であるという条件である。
【0072】
図9を参照して、図7で説明した特徴点(1),(3),(5)は、それぞれ、YZ平面に投影した軌跡のパターンのうち最も下の点となる。また、特徴点(2),(4)は、それぞれ、YZ平面に投影した軌跡のパターンのうち最も上の点となる。
【0073】
図10は、この実施の形態においてXY平面に投影した軌跡のパターンに含まれる特徴点の位置に基づいて算出される特徴因子を説明するための図である。図11は、この実施の形態においてXZ平面に投影した軌跡のパターンに含まれる特徴点の位置に基づいて算出される特徴因子を説明するための図である。図12は、この実施の形態においてYZ平面に投影した軌跡のパターンに含まれる特徴点の位置に基づいて算出される特徴因子を説明するための図である。
【0074】
図10を参照して、特徴因子Wuは、XY平面における特徴点(2)と特徴点(4)との間のX軸方向の距離(「上側左右幅」という)であり、特徴点(2)のX座標の値から特徴点(4)のX座標の値を引くことで算出される。
【0075】
特徴因子Wdは、XY平面における特徴点(1)と特徴点(3)との間のX軸方向の距離(「下側左右幅」という)であり、特徴点(1)のX座標の値から特徴点(3)のX座標の値を引くことで算出される。
【0076】
特徴因子Wは、XY平面における特徴点(6)と特徴点(7)との間のX軸方向の距離(「左右幅」という)であり、特徴点(6)のX座標の値から特徴点(7)のX座標の値を引くことで算出される。
【0077】
特徴因子Hlは、XY平面における特徴点(4)と特徴点(3)との間のY軸方向の距離(「左側上下幅」という)であり、特徴点(4)のY座標の値から特徴点(3)のY座標の値を引くことで算出される。
【0078】
特徴因子Hrは、XY平面における特徴点(2)と特徴点(1)との間のY軸方向の距離(「右側上下幅」という)であり、特徴点(2)のY座標の値から特徴点(1)のY座標の値を引くことで算出される。
【0079】
特徴因子Hは、XY平面における特徴因子Hlと特徴因子Hrとの平均(「上下幅」という)であり、HlとHrとを足して2で割ることで算出される。
【0080】
特徴因子Hclは、XY平面における特徴点(3)を基準とした特徴点(8)の高さ(「左側クロス点高さ)であり、特徴点(8)のY座標の値から特徴点(3)のY座標の値を引くことで算出される。
【0081】
特徴因子Hcrは、XY平面における特徴点(1)を基準とした特徴点(8)の高さ(「右側クロス点高さ)であり、特徴点(8)のY座標の値から特徴点(1)のY座標の値を引くことで算出される。
【0082】
特徴因子ISOは、XY平面における軌跡の上下幅に対する、特徴点(8)の高さ(「位相」という)であり、特徴因子Hclを特徴因子Hlで割ったものと、特徴因子Hcrを特徴因子Hrで割ったものとを足して2で割ることで算出される。
【0083】
特徴因子Vlevは、XY平面における軌跡の上側が開いているのか、下側が開いているのかの度合(「形状∨or∧」という)であり、特徴因子Wuを特徴因子Wdで割ることで算出される。
【0084】
特徴因子Ilevは、XY平面における軌跡の形状が、縦長の形状であるのか、横長の形状であるのかを特定するための因子(「形状I」という)であり、特徴因子Hを特徴因子Wで割ることで算出される。
【0085】
特徴因子Hbは、XY平面における左右の上下幅の比(「左右上下幅比」という)であり、特徴因子Hrを特徴因子Hlで割ることで算出される。
【0086】
特徴因子Ybは、XY平面における左右の高さの比(「左右高さ比」という)であり、特徴点(4)のY座標の値と特徴点(1)のY座標の値との差を、特徴点(2)のY座標の値と特徴点(3)のY座標の値との差で割ることで算出される。
【0087】
特徴因子Wbは、XY平面における左右の幅の比(「左右幅の比」という)であり、特徴点(6)のX座標の値と特徴点(8)のX座標の値との差を、特徴点(8)のX座標の値と特徴点(7)のY座標の値との差で割ることで算出される。
【0088】
特徴因子Stlは、XY平面における右足が接地してから左足が接地するまでの上下振幅の合計(「右足接地から左足接地までの上下振幅」という)であり、特徴点(2)のY座標の値から特徴点(1)のY座標の値を引いたものと、特徴点(2)のY座標の値から特徴点(3)のY座標の値を引いたものとを足すことで算出される。
【0089】
特徴因子Strは、XY平面における左足が接地してから右足が接地するまでの上下振幅の合計(「左足接地から右足接地までの上下振幅」という)であり、特徴点(4)のY座標の値から特徴点(3)のY座標の値を引いたものと、特徴点(4)のY座標の値から特徴点(5)のY座標の値を引いたものとを足すことで算出される。
【0090】
特徴因子junは、軌跡が時計回りに書かれているか反時計回りに書かれているかを示す因子(「書き順」という)であり、特徴点(2)と特徴点(4)のX座標の正負判定を行なうことで算出される。
【0091】
図11を参照して、特徴因子WuSuは、XZ平面における特徴点(10)と特徴点(12)との間のX軸方向の距離(「上側左右幅」という)であり、特徴点(10)のX座標の値から特徴点(12)のX座標の値を引くことで算出される。
【0092】
特徴因子WdSuは、XZ平面における特徴点(9)と特徴点(11)との間のX軸方向の距離(「下側左右幅」という)であり、特徴点(9)のX座標の値から特徴点(11)のX座標の値を引くことで算出される。
【0093】
特徴因子Wsuは、XZ平面における特徴点(6)と特徴点(7)との間のX軸方向の距離(「左右幅」という)であり、特徴点(6)のX座標の値から特徴点(7)のX座標の値を引くことで算出される。
【0094】
特徴因子HlSuは、XZ平面における特徴点(12)と特徴点(11)との間のZ軸方向の距離(「左側上下幅」という)であり、特徴点(12)のZ座標の値から特徴点(11)のZ座標の値を引くことで算出される。
【0095】
特徴因子HrSuは、XZ平面における特徴点(10)と特徴点(9)との間のZ軸方向の距離(「右側上下幅」という)であり、特徴点(10)のZ座標の値から特徴点(9)のZ座標の値を引くことで算出される。
【0096】
特徴因子Hsuは、XZ平面における特徴因子HlSuと特徴因子HrSuとの平均(「上下幅」という)であり、HlSuとHrSuとを足して2で割ることで算出される。
【0097】
特徴因子HclSuは、XZ平面における特徴点(11)を基準とした特徴点(8)の高さ(「左側クロス点高さ)であり、特徴点(8)のZ座標の値から特徴点(11)のZ座標の値を引くことで算出される。
【0098】
特徴因子HcrSuは、XZ平面における特徴点(9)を基準とした特徴点(8)の高さ(「右側クロス点高さ)であり、特徴点(8)のZ座標の値から特徴点(9)のZ座標の値を引くことで算出される。
【0099】
特徴因子ISOSuは、XY平面における軌跡の上下幅に対する、特徴点(14)の高さ(「位相」という)であり、図10で説明したXY平面のISOと同じ値である。
【0100】
特徴因子VlevSuは、XZ平面における軌跡の上側が開いているのか、下側が開いているのかの度合(「形状∨or∧」という)であり、特徴因子WuSuを特徴因子WdSuで割ることで算出される。
【0101】
特徴因子IlevSuは、XZ平面における軌跡の形状が、縦長の形状であるのか、横長の形状であるのかを特定するための因子(「形状I」という)であり、特徴因子Hsuを特徴因子Wsuで割ることで算出される。
【0102】
特徴因子HbSuは、XZ平面における左右の上下幅の比(「左右上下幅比」という)であり、特徴因子HrSuを特徴因子HlSuで割ることで算出される。
【0103】
特徴因子YbSuは、XZ平面における左右の高さの比(「左右高さ比」という)であり、特徴点(13)のZ座標の値と特徴点(9)のZ座標の値との差を、特徴点(10)のZ座標の値と特徴点(11)のZ座標の値との差で割ることで算出される。
【0104】
特徴因子WbSuは、XZ平面における左右の幅の比(「左右幅の比」という)であり、図10で説明したXY平面のWbと同じ値である。
【0105】
特徴因子StlSuは、XZ平面における右足が接地してから左足が接地するまでの前後振幅の合計(「右足接地から左足接地までの前後振幅」という)であり、特徴点(10)のZ座標の値から特徴点(9)のZ座標の値を引いたものと、特徴点(10)のZ座標の値から特徴点(11)のZ座標の値を引いたものとを足すことで算出される。
【0106】
特徴因子StrSuは、XZ平面における左足が接地してから右足が接地するまでの前後振幅の合計(「左足接地から右足接地までの前後振幅」という)であり、特徴点(12)のZ座標の値から特徴点(11)のZ座標の値を引いたものと、特徴点(12)のZ座標の値から特徴点(13)のZ座標の値を引いたものとを足すことで算出される。
【0107】
特徴因子Zflは、XZ平面における左足が立脚中で腰の位置が最上点に達してから前後に移動した幅(「左足立脚の最上点からの腰の前後移動」という)であり、特徴点(12)のZ座標の値から特徴点(4)のZ座標の値を引くことで算出される。
【0108】
特徴因子Zfrは、XZ平面における右足が立脚中で腰の位置が最上点に達してから前後に移動した幅(「右足立脚の最上点からの腰の前後移動」という)であり、特徴点(10)のZ座標の値から特徴点(2)のZ座標の値を引くことで算出される。
【0109】
特徴因子Zfは、XZ平面における立脚中で腰の位置が最上点に達してから前後に移動した幅(「立脚の最上点からの腰の前後移動」という)であり、特徴因子Zflと特徴因子Zfrとを足して2で割ることで算出される。
【0110】
特徴因子Zblは、XZ平面における左足が接地してから腰の位置が前後に移動した幅(「左足接地からの腰の前後移動」という)であり、特徴点(11)のZ座標の値から特徴点(3)のZ座標の値を引くことで算出される。
【0111】
特徴因子Zbrは、XZ平面における右足が接地してから腰の位置が前後に移動した幅(「右足接地からの腰の前後移動」という)であり、特徴点(9)のZ座標の値から特徴点(5)のZ座標の値を引くことで算出される。
【0112】
特徴因子Zbは、XZ平面における足が接地してから腰の位置が前後に移動した幅(「接地からの腰の前後移動」という)であり、特徴因子Zblと特徴因子Zbrとを足して2で割ることで算出される。
【0113】
図12を参照して、特徴因子dZは、YZ平面における前後の傾き(「前後の傾き」という)であり、特徴点(2)のY座標の値から特徴点(1)のY座標の値を引いたものを、特徴点(2)のZ座標の値から特徴点(1)のZ座標の値を引いたもので割ることで算出される。
【0114】
特徴因子StlShiは、YZ平面における左の斜め方向の振幅の合計(「左の前後振幅」という)であり、YZ平面における特徴点(2)および特徴点(1)の距離と、YZ平面における特徴点(2)および特徴点(3)の距離とを足すことで算出される。YZ平面における特徴点(2)および特徴点(1)の距離は、特徴点(2)のZ座標の値から特徴点(1)のZ座標の値を引いたものの2乗と、特徴点(2)のY座標の値から特徴点(1)のY座標の値を引いたものの2乗とを足したものの平方根として算出される。YZ平面における特徴点(2)および特徴点(3)の距離は、特徴点(2)のZ座標の値から特徴点(3)のZ座標の値を引いたものの2乗と、特徴点(2)のY座標の値から特徴点(3)のY座標の値を引いたものの2乗とを足したものの平方根として算出される。
【0115】
特徴因子StrShiは、YZ平面における右の斜め方向の振幅の合計(「右の前後振幅」という)であり、YZ平面における特徴点(4)および特徴点(3)の距離と、YZ平面における特徴点(4)および特徴点(1)の距離とを足すことで算出される。YZ平面における特徴点(4)および特徴点(3)の距離は、特徴点(4)のZ座標の値から特徴点(3)のZ座標の値を引いたものの2乗と、特徴点(4)のY座標の値から特徴点(3)のY座標の値を引いたものの2乗とを足したものの平方根として算出される。YZ平面における特徴点(4)および特徴点(1)の距離は、特徴点(4)のZ座標の値から特徴点(1)のZ座標の値を引いたものの2乗と、特徴点(4)のY座標の値から特徴点(1)のY座標の値を引いたものの2乗とを足したものの平方根として算出される。
【0116】
特徴因子StShiは、YZ平面における斜め方向の振幅の合計(「前後振幅」という)であり、特徴因子StlShiと特徴因子StrShiとを足して2で割ることで算出される。
【0117】
図13は、この実施の形態における特徴因子と歩行姿勢を示す指標のうち歩幅との相関関係を説明するための第1の図である。図14は、この実施の形態における特徴因子と歩行姿勢を示す指標のうち歩幅との相関関係を説明するための第2の図である。
【0118】
図13を参照して、図10で説明したXZ平面に投影した軌跡のパターンの特徴因子Hrを縦軸(y)とし、歩行姿勢を示す指標の1つである歩幅の実際に測定した値を横軸(x)として、データをプロットする。そして、回帰分析することによって、回帰式がy=0.0735x−41.271、決定係数R2が0.7938と求められる。
【0119】
図14を参照して、図12で説明したYZ平面に投影した軌跡のパターンの特徴因子StShiを縦軸(y)とし、歩行姿勢を示す指標の1つである歩幅の実際に測定した値を横軸(x)として、データをプロットする。そして、回帰分析することによって、回帰式がy=0.1485x−78.963、決定係数R2が0.8192と求められる。
【0120】
このように、歩行姿勢を示す指標である歩幅は、特徴因子Hrおよび特徴因子StShiと相関性が高いので、重回帰分析することによって、目的変数としての特徴因子Hrおよび特徴因子StShi、ならびに、説明変数としての歩幅の値との重回帰式である歩幅Length=α×Hr+β×StShi+γの式で歩幅の値を算出することができる。なお、α,β,γは、重回帰分析によって得られる偏回帰係数である。
【0121】
図15は、この実施の形態における特徴因子と歩行姿勢を示す指標のうち歩隔との相関関係を説明するための第1の図である。図16は、この実施の形態における特徴因子と歩行姿勢を示す指標のうち歩隔との相関関係を説明するための第2の図である。
【0122】
図15を参照して、図10で説明したXZ平面に投影した軌跡のパターンの特徴因子Hrを特徴因子Wで割った特徴因子Hr/Wを縦軸(y)とし、歩行姿勢を示す指標の1つである歩隔の実際に測定した値を横軸として、データをプロットする。そして、回帰分析することによって、回帰式がy=0.0033x−1.4056、決定係数R2が0.0932と求められる。
【0123】
図14を参照して、図11で説明したXZ平面に投影した軌跡のパターンの特徴因子WuSuを特徴因子WdSuで割った特徴因子WuSu/WdSuを縦軸(y)とし、歩行姿勢を示す指標の1つである歩隔の実際に測定した値を横軸(x)として、データをプロットする。そして、回帰分析することによって、回帰式がy=0.2309x−4.0927、決定係数R2が0.1861と求められる。
【0124】
また、歩行姿勢を示す指標である歩隔は、重回帰分析することによって、目的変数としての特徴因子Hr/Wおよび特徴因子WuSu/WdSu、ならびに、説明変数としての歩幅の値との重回帰式である歩隔Width=δ×Hr/W+ε×WuSu/WdSu+ζの式で歩隔の値を算出することができる。なお、δ,ε,ζは、重回帰分析によって得られる係数である。
【0125】
図17は、この実施の形態における活動量計100の構成の概略を示すブロック図である。図17を参照して、活動量計100は、制御部110と、メモリ120と、操作部130と、表示部140と、報音部150と、加速度センサ170と、電源190とを含む。また、活動量計100は、外部のコンピュータと通信するためのインターフェイスを含むようにしてもよい。
【0126】
制御部110、メモリ120、操作部130、表示部140、報音部150、加速度センサ170、および、電源190は、図1で説明した本体部191に内蔵される。
【0127】
操作部130は、図1で説明した表示切換/決定スイッチ131、左操作/メモリスイッチ132、および、右操作スイッチ133を含み、これらのスイッチが操作されたことを示す操作信号を制御部110に送信する。
【0128】
加速度センサ170は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術の半導体式のものが用いられるが、これに限定されず、機械式または光学式など他の方式のものであってもよい。加速度センサ170は、本実施の形態においては、3軸方向それぞれの加速度を示す検出信号を制御部110に出力する。しかし、加速度センサ170は、3軸のものに限定されず、1軸または2軸のものであってもよい。
【0129】
メモリ120は、ROM(Read Only Memory)(たとえば、フラッシュメモリ)などの不揮発性メモリおよびRAM(Random Access Memory)(たとえば、SDRAM(synchronous Dynamic Random Access Memory))などの揮発性メモリを含む。
【0130】
メモリ120は、活動量計100を制御するためのプログラムのデータ、活動量計100を制御するために用いられるデータ、活動量計100の各種機能を設定するための設定データ、および、歩数や活動量などの所定時間ごと(たとえば日ごと)の測定結果のデータなどを記憶する。また、メモリ120は、プログラムが実行されるときのワークメモリなどとして用いられる。
【0131】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)を含み、メモリ120に記憶さ
れた活動量計100を制御するためのプログラムに従って、操作部130からの操作信号に応じて、加速度センサ170および気圧センサ180からの検出信号に基づいて、メモリ120、表示部140、および、報音部150を制御する。
【0132】
表示部140は、図1で説明したディスプレイ141を含み、制御部110からの制御信号に従った所定の情報を、ディスプレイ141に表示するよう制御する。
【0133】
報音部150は、制御部110からの制御信号に従った所定の音声をスピーカから出力するよう制御する。
【0134】
電源190は、取替可能な電池を含み、電池からの電力を活動量計100の制御部110などの動作するのに電力が必要な各部に供給する。
【0135】
図18は、この実施の形態における活動量計100の機能の概略を示す機能ブロック図である。図18を参照して、活動量計100の制御部110は、加速度読込制御部111と、特徴点位置特定部112と、特徴因子算出部1131と、指標算出部1132と、歩行姿勢判定部1133と、時間的変化量算出部1134と、変化度合判定部114と、疲労度合入力受付制御部115と、疲労度合判定部116と、報知制御部117とを含む。
【0136】
また、活動量計100のメモリ120は、加速度データ記憶部121と、特徴点位置記憶部122と、特徴因子記憶部1231と、相関関係記憶部1232と、指標記憶部1233と、歩行姿勢記憶部1234と、時間的変化量記憶部1235と、歩行変化疲労対応記憶部124と、変化度合記憶部125とを含む。
【0137】
なお、本実施の形態においては、制御部110に含まれるこれらの各部は、制御部110によって、後述する図19の処理を実行するためのソフトウェアが実行されることによって、制御部110に構成されることとする。しかし、これに限定されず、制御部110に含まれるこれらの各部は、それぞれ、ハードウェア回路として制御部110の内部に構成されるようにしてもよい。
【0138】
また、メモリ120に含まれるこれらの各部は、制御部110によって、後述する図19の処理を実行するためのソフトウェアが実行されることによって、メモリ120に一時的に構成されることとする。しかし、これに限定されず、メモリ120に含まれるこれらの各部は、それぞれ、専用の記憶装置として構成されるようにしてもよい。
【0139】
また、メモリ120に含まれるこれらの各部は、メモリ120に構成されることに替えて、レジスタなどの制御部110の内蔵メモリに一時的に構成されるようにしてもよい。
【0140】
加速度読込制御部111は、加速度センサ170から3軸方向の加速度Ax(t),Ay(t),Az(t)を検出する。
【0141】
ここで、図6で説明したように、加速度センサの3軸方向がX軸、Y軸およびZ軸方向と一致している場合は、加速度センサで得られた検出値をそのままX軸、Y軸およびZ軸方向それぞれの加速度データAx(t),Ay(t),Az(t)とすればよい。
【0142】
一方、加速度センサの3軸方向がX軸、Y軸およびZ軸方向と一致していない場合は、加速度センサで得られた検出値を座標変換することによって、X軸、Y軸およびZ軸方向それぞれの加速度データAx(t),Ay(t),Az(t)を算出する。
【0143】
そして、加速度読込制御部111は、サンプリング周期ごとの算出した加速度データAx(t),Ay(t),Az(t)をメモリ120の加速度データ記憶部121に記憶させる。
【0144】
特徴点位置特定部112は、加速度データ記憶部121に記憶された加速度データAx(t),Ay(t),Az(t)に基づいて、図6で説明したように、式1から式9までを用いて、X軸、Y軸およびZ軸方向それぞれの活動量計100の短時間(ここでは、±1歩分の時間(±T秒))での平均位置に対する相対位置X(t),Y(t),Z(t)を算出する。
【0145】
図19は、この実施の形態における活動量計100で算出されたユーザの所定部位の軌跡を示す第1の図である。図20は、この実施の形態における活動量計100で算出されたユーザの所定部位の軌跡を示す第2の図である。
【0146】
図19(A)から図19(C)までで示される軌跡は、ユーザが元気なときの所定部位である腰の軌跡である。一方、図20(A)から図20(C)までで示される軌跡は、ユーザが疲労しているときの所定部位である腰の軌跡である。これらの軌跡は、特徴点位置特定部112によって算出された位置X(t),Y(t),Z(t)を時間tを変化させながら、それぞれ、XY平面、XZ平面およびYZ平面にプロットすることによって得られる。
【0147】
このように、疲労しているときの方が、元気なときよりも、中心からの振幅が大きく、つまり、体の軸のぶれが大きくなっており、また、特に、XZ平面の軌跡では、1周期ごとの軌跡のばらつきが大きくなっている。
【0148】
図18に戻って、次に、特徴点位置特定部112は、算出された位置X(t),Y(t),Z(t)に基づいて、図7から図9までで説明したような方法で、特徴点の位置の座標値を特定する。つまり、特徴点位置特定部112は、加速度センサ170によって検出された加速度に基づいて、Y軸方向(鉛直方向)、Z軸方向(進行方向)およびX軸方向(左右方向)の直交3軸方向のそれぞれに垂直な面であるXZ平面、XY平面およびYZ平面にZ軸方向の移動成分を除去して投影した軌跡の特徴点の位置を特定する。
【0149】
なお、特徴点は、すべて特定するのではなくて、後述する特徴因子の算出において必要なものだけを特定するようにしてもよい。
【0150】
そして、特徴点位置特定部112は、算出した特徴点の位置を特徴点位置記憶部122に記憶させる。
【0151】
特徴因子算出部1131は、特徴点位置記憶部122に記憶された特徴点の位置に基づいて、図10から図12までで説明したような算出式に従って、特徴因子の値を算出する。そして、特徴因子算出部1131は、算出した特徴因子の値を特徴因子記憶部1231に記憶させる。
【0152】
相関関係記憶部1232には、前述した図13から図16で説明した重回帰式が予め記憶されている。
【0153】
指標算出部1132は、相関関係記憶部1232に記憶された重回帰式に従って、特徴因子記憶部1231に記憶された特徴因子の値に基づいて、歩行姿勢を示す指標(たとえば、歩幅、歩隔、腰の回転、足上げ高さ、背筋の伸び、重心バランスなど)の値を算出する。そして、指標算出部1132は、算出した指標の値を指標記憶部1233に記憶させる。
【0154】
図21は、この実施の形態における活動量計100で算出されたユーザの歩幅を示すグラフである。図22は、この実施の形態における活動量計100で算出されたユーザの歩隔を示すグラフである。
【0155】
図21および図22は、図19および図20で説明したユーザの腰の軌跡に基づいて算出されたユーザの歩幅および歩隔をそれぞれ示す。それぞれのグラフで、左側が元気なときの値で、右側が疲労しているときの値である。
【0156】
図21を参照して、測定対象のユーザが元気なときの歩幅は、約675mmであり、疲労しているときの歩幅は、約500mmである。図22を参照して、測定対象のユーザが元気なときの歩隔は、約84mmであり、疲労しているときの歩隔は、約130mmである。
【0157】
このように、疲労しているときの方が、元気なときよりも、歩幅が小さくなっており、また、歩隔が大きくなっている。
【0158】
図18に戻って、歩行姿勢判定部1133は、指標記憶部1233に記憶された指標の値に基づいて、歩行姿勢を判定する。そして、歩行姿勢判定部1133は、判定した歩行姿勢をメモリ120の歩行姿勢記憶部1234に記憶させる。
【0159】
時間的変化量算出部1134は、指標の値に基づいて判定され歩行姿勢記憶部1234に記憶された歩行姿勢の時間的変化量を算出し、メモリ120の時間的変化量記憶部1235に記憶させる。たとえば、歩行姿勢を示す指標、たとえば、歩幅や歩隔が、運動を開始してから、どの程度、変化したかを算出する。また、歩行姿勢を示す指標の時間微分値が、運動を開始してから、どの程度、変化したかを算出するようにしてもよい。
【0160】
変化度合判定部114は、時間的変化量算出部1134によって算出され時間的変化量記憶部1235に記憶された時間的変化量に基づいて、時間的変化の度合である変化度合を判定し、メモリ120の変化度合記憶部125に記憶させる。本実施の形態では、特に、歩行姿勢の時間的変化の度合である姿勢変化度合を判定する。しかし、これに限定されず、軌跡の時間的変化の変化度合であれば、他の変化度合であってもよく、たとえば、歩行姿勢を示す指標の変化度合であってもよい。
【0161】
疲労度合入力受付制御部115は、ユーザが動作しているときなどに疲労度合の入力を操作部130から受付けるよう制御する。そして、入力が受付けられた疲労度合と、変化度合判定部114によって判定された疲労度合とを対応付けてメモリ120の歩行変化疲労対応記憶部124に、今後の疲労度合の判定のための蓄積データとして記憶させる。
【0162】
疲労度合判定部116は、歩行変化疲労対応記憶部124に記憶された疲労度合と変化度合とに基づいて、変化度合判定部114によって算出され変化度合記憶部125に記憶された変化度合に対応する疲労度合を判定する。疲労度合の判定方法としては、次のような方法が考えられる。
【0163】
(1) 運動開始時の歩幅をSw0、歩行ピッチをSp0、足上げ高さをSh0とし、現在の歩幅をSwt、歩行ピッチをSpt、足上げ高さをShtとし、それぞれの変化量をΔSw=Swt−Sw0、ΔSp=Spt−Sp0、ΔSh=Sht−Sh0とする。なお、他の歩行姿勢の指標である歩隔、背筋の伸び、重心バランス、腰の回転などを用いるようにしても良い。
【0164】
そして、疲労度合と変化量ΔSw,ΔSp,ΔShの変化度合との対応関係がメモリ120(歩行変化疲労対応記憶部124)に蓄積された結果、それぞれの変化量ΔSw,ΔSp,ΔShの閾値ΔSwth,ΔSpth,ΔShthが定められる。
【0165】
たとえば、変化量ΔSw,ΔSp,ΔShそれぞれについて、歩行変化疲労対応記憶部124に記憶されているデータのうち、疲労しているときの平均値と、元気なときの平均値との中間値が、閾値ΔSwth,ΔSpth,ΔShthとして定められる。
【0166】
疲労度合判定部116は、変化量ΔSw,ΔSp,ΔShのいずれか1つが閾値以下となったときに、第1段階の疲労度合であると判定し、いずれか2つが閾値以下となったときに、第2段階の疲労度合であると判定し、すべてが閾値以下となったときに、第3段階の疲労度合であると判定する。
【0167】
なお、第3段階の疲労度合の場合に変化量ΔSw,ΔSp,ΔShのうちのいずれか1つが閾値以上となったときに、第2段階の疲労度合に回復したと判定し、さらに、第2段階の疲労度合の場合にいずれか2つが閾値以上となったときに、第1段階の疲労度合に回復したと判定し、さらに、第1段階の疲労度合の場合にすべてが閾値以上となったときに疲労が回復したと判定するようにしてもよい。
【0168】
疲労が回復したと判定する場合の閾値は、疲労度合が増したと判定する場合の閾値より、条件を厳しくする(歩幅、歩行ピッチ、足上げ高さの場合、閾値ΔSwth,ΔSpth,ΔShthを高くする)ようにしてもよい。これにより、疲労が回復していないのに回復したと誤判定して、ユーザにダメージを与えてしまうことを防止でき、ユーザの安全性をより確保することができる。
【0169】
(2) 前述した(1)においては、歩行開始時の歩幅Sw0、歩行ピッチSp0、足上げ高さSh0を初期値とした。しかし、これに限定されず、運動開始からの所定時間(たとえば2時間)の平均値を初期値としてもよい。
【0170】
(3) 前述した(1)においては、現在の値と初期値との差分である変化量と閾値との関係によって疲労度合を判定するようにした。しかし、これに限定されず、初期値からの現在の値の変化割合と閾値との関係によって疲労度合を判定するようにしてもよい。
【0171】
(4) 前述した(1)においては、閾値を超えたときに疲労度合の段階が上がるようにした。しかし、これに限定されず、閾値を超えた状態が一定時間(たとえば、1分)継続された場合に疲労度合の段階が上がるようにしてもよい。
【0172】
(5) 前述した(1)において、運動の種類(たとえば、走行と歩行)が変化するごとに、運動の種類に応じた初期値に変更するようにしてもよい。このようにすることによって、走行と歩行とを数分ずつ繰返すような運動の場合であっても、精度良く、疲労度合を判定することができる。
【0173】
(6) 前述した(1)において、所定時間(たとえば、1時間以上)、運動が無かった場合、疲労が回復したとみなして、初期値をリセットするようにしてもよい。
【0174】
(7) 所定時間(たとえば、1分間)の歩幅、歩行ピッチ、および足上げ高さのばらつきをσw,σp,σhとする。そして、疲労度合とばらつきσw,σp,σhの変化度合との対応関係がメモリ120(歩行変化疲労対応記憶部124)に蓄積された結果、それぞれのばらつきσw,σp,σhの閾値σwth,σpth,σhthが定められる。
【0175】
疲労度合判定部116は、ばらつきσw,σp,σhのいずれか1つが閾値以下となったときに、第1段階の疲労度合であると判定し、いずれか2つが閾値以下となったときに、第2段階の疲労度合であると判定し、すべてが閾値以下となったときに、第3段階の疲労度合であると判定する。
【0176】
(8) 現在の歩幅Swt、歩行ピッチSpt、足上げ高さShtそれぞれの時間微分値をSwt’=dSwt/dt,Spt’=dSpt/dt,Sht’=dSht/dtとする。そして、疲労度合と時間微分値Swt’,Spt’,Sht’の変化度合との対応関係がメモリ120(歩行変化疲労対応記憶部124)に蓄積された結果、それぞれの時間微分値Swt’,Spt’,Sht’の閾値が定められる。
【0177】
疲労度合判定部116は、時間微分値Swt’,Spt’,Sht’のいずれか1つが閾値以下となったときに、第1段階の疲労度合であると判定し、いずれか2つが閾値以下となったときに、第2段階の疲労度合であると判定し、すべてが閾値以下となったときに、第3段階の疲労度合であると判定する。
【0178】
報知制御部117は、疲労度合判定部116によって判定された疲労度合ユーザに報知させるよう制御する。報知の方法としては、表示部140を制御しての表示であってもよいし、報音部150を制御しての音声の出力であってもよいし、表示および音声出力の組合せであってもよい。
【0179】
表示としては、疲労度合をアイコンで表示するものであっても良いし、文字で表示するものであってもよい。音声出力としては、疲労度合に応じた音量でのブザー音の出力であってもよいし、疲労度合に応じた間隔でのブザー音の出力であってもよいし、疲労度合に応じた音質でのブザー音の出力であってもよいし、疲労度合を示す言葉での出力であってもよい。疲労度合によって音声の聞こえ方が異なるので、疲労度合に応じて聞き易い音量および音質で出力することが望ましい。
【0180】
図23は、この実施の形態における活動量計100の制御部110によって実行される歩行姿勢判定処理の流れを示すフローチャートである。図23を参照して、ステップS101で、制御部110は、加速度センサ170から加速度センサの検出値を読込み、図18の加速度読込制御部111で説明したように、加速度データAx(t),Ay(t),Az(t)を、サンプリング周期ごとに、メモリ120に記憶させる。
【0181】
次に、ステップS102で、制御部110は、1歩分の歩行を検出したか否かを判断する。ここでは、図7で説明した特徴点(1)(特徴点(5))が検出されることによって、一歩分が検出されたと判断する。一歩分を検出してないと判断した場合(ステップS102でNOと判断した場合)、制御部110は、実行する処理をステップS111の処理に進める。
【0182】
一方、一歩分を検出したと判断した場合(ステップS102でYESと判断した場合)、ステップS103で、制御部110は、ステップS101でメモリ120に記憶された1歩分の加速度データAx(t),Ay(t),Az(t)を読出し、図18の特徴点位置特定部112で説明したように、特徴点の位置の座標値を算出する。
【0183】
次に、ステップS104で、制御部110は、ステップS103で算出された特徴点の位置の座標値に基づいて、図18の特徴因子算出部1131で説明したように、特徴因子の値を算出する。
【0184】
次いで、ステップS105で、制御部110は、ステップS104で算出された特徴因子の値に基づいて、図18の指標算出部1132で説明したように、特徴因子と歩行姿勢の指標との相関関係に従い、指標の値を算出して、メモリ120に記憶させる。その後、制御部110は、実行する処理をステップS11の処理に進める。
【0185】
ステップS111では、制御部110は、ステップS105でメモリ120に記憶された歩行姿勢を示す指標を読出し、当該指標に基づいて、図18の歩行姿勢判定部1133で説明したように、歩行姿勢を判定し、メモリ120に記憶させる。
【0186】
次に、ステップS112で、制御部110は、図18の時間的変化量算出部1134で説明したように、ステップS111で判定された歩行姿勢の時間的変化量を算出し、メモリ120に記憶させる。
【0187】
次いで、ステップS113で、制御部110は、図18の変化度合判定部114で説明したように、時間的変化の度合である変化度合を判定し、メモリ120に記憶させる。
【0188】
そして、ステップS114で、制御部110は、操作部130から疲労度合の入力が受付けられたか否かを判断する。受付けられたと判断した場合(ステップS114でYESと判断した場合)、ステップS115で、制御部110は、図18の疲労度合入力受付制御部115で説明したように、入力が受付けられた疲労度合と、ステップS113で算出された疲労度合とを対応付けてメモリ120に記憶させる。
【0189】
疲労度合の入力が受付けられていないと判断された場合(ステップS114でNOと判断した場合)、および、ステップS115の後、ステップS121で、制御部110は、疲労度合を判定するタイミング(たとえば、1分ごとのタイミング)になったか否かを判断する。なっていないと判断した場合(ステップS121でNOと判断した場合)、制御部110は、実行する処理をステップS101の処理に戻す。
【0190】
一方、疲労度合を判定するタイミングになったと判断した場合(ステップS121でYESと判断した場合)、ステップS122で、制御部110は、図18の疲労度合判定部116で説明したように、メモリ120に記憶された疲労度合と変化度合とに基づいて、ステップS113で算出された変化度合に対応する疲労度合を判定する。
【0191】
次に、ステップS123で、制御部110は、図18の報知制御部117で説明したように、ステップS122で判定された疲労度合をユーザに報知させるよう制御する。その後、制御部110は、実行する処理をステップS101の処理に戻す。
【0192】
(1) 以上説明したように、本実施の形態における活動量計100は、本体部191と、加速度センサ170と、制御部110とを備え、本体部191を腰に装着するユーザの歩行姿勢を判定するための装置である。
【0193】
制御部は、加速度センサ170によって検出された加速度に基づいて、本体部191が装着されるユーザの腰の歩行時の軌跡を特定する特徴点位置特定部112と、特徴点位置特定部112によって特定された軌跡の時間的変化を算出する時間的変化算出部(特徴因子算出部1131、指標算出部1132、歩行姿勢判定部1133および時間的変化量算出部1134を含む)と、時間的変化算出部によって算出された時間的変化に基づいて、時間的変化の度合である変化度合を判定する変化度合判定部114(疲労度合入力受付制御部115および疲労度合判定部116を含む)とを含む。
【0194】
このため、ユーザの腰の軌跡の時間的変化の度合を判定するので、単に動作速度を変更したことおよび個人差の影響を受けにくくすることができる。その結果、歩行の変化度合をより正確にユーザに報知することができる。
【0195】
(2) また、活動量計100は、メモリ120をさらに備える。制御部110は、さらに、ユーザが歩行しているときに疲労度合の入力を受付ける疲労度合入力受付制御部115を含む。変化度合判定部114は、疲労度合入力受付制御部115によって疲労度合の入力が受付けられたときの変化度合を算出する。疲労度合入力受付制御部115は、受付けられた疲労度合と、変化度合判定部114によって判定された変化度合とを対応付けてメモリ120の歩行変化疲労対応記憶部124に記憶させる。制御部110は、さらに、歩行変化疲労対応記憶部124に記憶された疲労度合と変化度合とに基づいて、変化度合判定部114によって判定された変化度合に対応する疲労度合を判定する疲労度合判定部116を含む。報知制御部117は、疲労度合判定部116によって判定された疲労度合を表示部140または報音部150で報知させる。
【0196】
(3) また、活動量計100は、表示部140または報音部150をさらに備える。制御部110は、さらに、疲労度合判定部116によって判定された疲労度合を表示部140または報音部150で報知させる報知制御部117を含む。
【0197】
(4) 軌跡は、本体部191が装着される腰の歩行時の進行方向(Z軸方向)の移動成分を除去した3次元の軌跡である。軌跡は、図7から図9までで説明したパターンを有する。当該パターンは、当該パターンの特徴を規定する特徴点を複数含む。
【0198】
特徴点位置特定部112は、加速度センサ170によって検出された加速度に基づいて、鉛直方向(Y軸方向)、進行方向(Z軸方向)および左右方向(X軸方向)のそれぞれに垂直な面であるXZ平面、XY平面およびYZ平面に、進行方向(Z軸方向)の移動成分を除去して投影した軌跡の特徴点の位置を特定する。特徴因子算出部1131は、特徴点位置特定部112によって特定された位置に基づいて、軌跡の特徴因子の値を算出する。指標算出部1132は、特徴因子の値と歩行姿勢を示す指標の値との予め求められた相関関係に従って、特徴因子算出部1131によって算出された特徴因子の値に基づいて、指標の値を算出する。時間的変化量算出部1134は、指標算出部1132によって算出された指標の値に基づいて、指標の時間的変化量を算出する。変化度合判定部114は、時間的変化量算出部1134によって算出された時間的変化量に基づいて、変化度合を判定する。
【0199】
このため、精度よい相関関係に基づいて、歩行を示す指標が精度良く算出され、また、様々な歩行を示す指標が算出されるので、より精度良く詳細な変化度合を判定することができる。
【0200】
(5) さらに、時間的変化量は、歩行姿勢の時間的変化量を含む。制御部110は、さらに、指標算出部1132によって算出された指標の値に基づいて、歩行姿勢を判定する歩行姿勢判定部1133を含む。時間的変化量算出部1134は、歩行姿勢判定部1133によって判定された歩行姿勢の時間的変化量を算出する。変化度合判定部114は、時間的変化量算出部1134によって算出された時間的変化量に基づいて、歩行姿勢の時間的変化の姿勢変化度合を含む変化度合を判定する。
【0201】
このため、精度よい相関関係に基づいて、歩行姿勢を示す指標が精度良く算出され、また、様々な歩行姿勢を示す指標が算出されるので、より精度良く詳細な変化度合を判定することができる。
【0202】
(6) また、図13から図16で説明したように、相関関係は、重回帰分析によって得られる、目標変数としての特徴因子の値と説明変数としての指標の値との関係式である重回帰式で示される。
【0203】
(7) さらに、特徴点は、右足が接地したときの特徴点(1)、および、右足で立脚している間で軌跡が最も高い位置に達したときの特徴点(2)、ならびに、左足が接地したときの特徴点(3)、および左足で立脚している間で軌跡が最も高い位置に達したときの特徴点(4)を含む。
【0204】
特徴因子は、進行方向(Z軸方向)に垂直なXY平面に投影した軌跡における特徴点(1)と特徴点(2)との鉛直方向(Y軸方向)の距離である特徴因子Hr、および、左右方向(X軸方向)に垂直なYZ平面に投影した軌跡における特徴点(1)と特徴点(2)との距離および特徴点(3)と特徴点(4)との距離から算出される特徴因子StShiを含む。
【0205】
指標は、歩幅を含む。重回帰式は、重回帰分析によって得られた偏回帰係数αおよび特徴因子Hrの積と、重回帰分析によって得られた偏回帰係数βおよび特徴因子StShiの積と、偏回帰係数γとの和を算出する歩幅Length=α×Hr+β×StShi+γの式である。
【0206】
(8) さらに、特徴点は、右足が接地したときの特徴点(1)、右足で立脚している間で軌跡が最も高い位置に達したときの特徴点(2)、軌跡の最も右側の特徴点(6)、および、軌跡の最も左側の特徴点(7)、ならびに、軌跡の右側で最も前側の特徴点(10)、軌跡の左側で最も前側の特徴点(12)、軌跡の右側で最も後ろ側の特徴点(9)、および、軌跡の左側で最も後ろ側の特徴点(11)を含む。
【0207】
特徴因子は、進行方向(Z軸方向)に垂直なXY平面に投影した軌跡における特徴点(1)と特徴点(2)との鉛直方向(Y軸方向)の距離Hrを特徴点(6)と特徴点(7)との左右方向(X軸方向)の距離Wで割った商である特徴因子Hr/W、および、鉛直方向(Y軸方向)に垂直なXZ平面に投影した軌跡における特徴点(10)と特徴点(12)との左右方向(X軸方向)の距離WuSuを特徴点(9)と特徴点(11)との左右方向(X軸方向)の距離WdSuで割った商である特徴因子WuSu/WdSuを含む。
【0208】
指標は、歩隔を含む。重回帰式は、重回帰分析によって得られた偏回帰係数δおよび特徴因子Hr/Wの積と、重回帰分析によって得られた偏回帰係数εおよび特徴因子WuSu/WdSuの積と、偏回帰係数ζとの和を算出する歩隔Width=δ×Hr/W+ε×WuSu/WdSu+ζの式である。
【0209】
次に、上述した実施の形態の変形例について説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、歩行姿勢の時間的変化量に基づいて、歩行姿勢の時間的変化の度合である姿勢変化度合を算出するようにした。しかし、これに限定されず、歩行を示す指標の時間的変化量に基づいて、歩行の時間的変化の度合である変化度合を算出するようにしてもよい。また、ユーザの腰の軌跡の時間的変化に基づいて、変化度合を算出するようにしてもよい。
【0210】
(2) 前述した実施の形態においては、疲労度合と変化度合との対応関係がユーザによる疲労度合の入力によって定められるようにした。しかし、これに限定されず、複数人から同様にして疲労度合と変化度合との対応関係のデータを取得して、その取得された対応関係を、予め活動量計100のメモリ120(歩行変化疲労対応記憶部124)に記憶させておくようにしてもよい。このようにすれば、ユーザから疲労度合の入力を受けて、疲労度合と変化度合との対応関係のデータを蓄積しなくてもよくなるので、ユーザに手間を掛けさせないようにすることができる。
【0211】
(3) 前述した実施の形態においては、指標の値と閾値との関係に基づいて、歩行姿勢を判定するようにした。しかし、これに限定されず、歩行姿勢との関係が予め求められた指標の組合せと、算出された指標の組合せとの類似度に基づいて、歩行姿勢を判定するようにしてもよい。
【0212】
(4) 歩行姿勢を示す指標の閾値は、実際に歩行姿勢の良い人に歩いてもらったときの実測データに基づいて、定めるようにしてもよい。
【0213】
(5) 前述した実施の形態においては、図21で説明したように、目標の歩行姿勢とユーザの歩行姿勢とを別々に表示するようにした。しかし、これに限定されず、目標の歩行姿勢とユーザの歩行姿勢とを重ねて表示するようにしてもよい。
【0214】
(6) 前述した実施の形態においては、式4から式6において説明したように、平均速度成分は、±1歩分の時間の平均速度成分であることとした。しかし、これに限定されず、±n歩(nは所定数)分の時間の平均速度成分であることとしてもよいし、−n歩(算出対象の時間の前、n歩)分の時間の平均速度成分であることとしてもよいし、±s秒(sは所定数)の平均速度成分としてもよいし、−s秒(算出対象の前、s秒)の平均速度成分としてもよい。
【0215】
(7) 前述した実施の形態においては、活動量計100の装置の発明として説明した。しかし、これに限定されず、活動量計100を制御するための制御方法の発明として捉えることができる。
【0216】
(8) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0217】
100 活動量計、110 制御部、111 加速度読込制御部、112 特徴点位置特定部、1131 特徴因子算出部、1132 指標算出部、1133 歩行姿勢判定部、1134 時間的変化量算出部、114 変化度合判定部、115 疲労度合入力受付制御部、116 疲労度合判定部、117 報知制御部、120 メモリ、121 加速度データ記憶部、122 特徴点位置記憶部、1231 特徴因子記憶部、1232 相関関係記憶部、1233 指標記憶部、1234 歩行姿勢記憶部、1235 時間的変化量記憶部、124 歩行変化疲労対応記憶部、125 変化度合記憶部、130 操作部、131 表示切換/決定スイッチ、132 左操作/メモリスイッチ、133 右操作スイッチ、140 表示部、141 ディスプレイ、170 加速度センサ、190 電源、191 本体部、192 クリップ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、前記本体部の加速度を検出するための加速度センサと、制御部とを備え、前記本体部を所定部位に装着するユーザの歩行の変化を判定するための歩行変化判定装置であって、
前記制御部は、
前記加速度センサによって検出された加速度に基づいて、前記本体部が装着される前記所定部位の歩行時の軌跡を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された前記軌跡の時間的変化を算出する第1の算出手段と、
前記第1の算出手段によって算出された前記時間的変化に基づいて、時間的変化の度合である変化度合を判定する判定手段とを含む、歩行変化判定装置。
【請求項2】
記憶部をさらに備え、
前記制御部は、さらに、
ユーザが歩行しているときに疲労度合の入力を受付ける受付手段を含み、
前記判定手段は、前記受付手段によって受付けられたときの前記変化度合を判定し、
前記制御部は、さらに、
前記受付手段によって受付けられた前記疲労度合と、前記判定手段によって判定された前記変化度合とを対応付けて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段を含み、
前記判定手段は、前記記憶部に記憶された前記疲労度合と前記変化度合とに基づいて、前記判定手段によって判定された前記変化度合に対応する前記疲労度合を判定する、請求項1に記載の歩行変化判定装置。
【請求項3】
報知部をさらに備え、
前記制御部は、さらに、
前記判定手段によって判定された前記疲労度合を前記報知部で報知させる報知制御手段を含む、請求項2に記載の歩行変化判定装置。
【請求項4】
前記軌跡は、前記本体部が装着される前記所定部位の歩行時の進行方向の移動成分を除去した3次元の軌跡であり、前記軌跡のパターンは、当該パターンの特徴を規定する特徴点を複数含み、
前記特定手段は、前記加速度センサによって検出された加速度に基づいて、鉛直方向、前記進行方向および左右方向の直交3軸方向のそれぞれに垂直な面に前記進行方向の移動成分を除去して投影した前記軌跡の前記特徴点の位置を特定し、
前記第1の算出手段は、
前記特定手段によって特定された前記位置に基づいて、前記軌跡の特徴因子の値を算出する第2の算出手段と、
前記特徴因子の値と前記歩行を示す指標の値との予め求められた相関関係に従って、前記第2の算出手段によって算出された前記特徴因子の値に基づいて、前記指標の値を算出する第3の算出手段と、
前記第3の算出手段によって算出された前記指標の値に基づいて、前記指標の時間的変化量を算出する第4の算出手段とを含み、
前記判定手段は、前記第4の算出手段によって算出された前記時間的変化量に基づいて、前記変化度合を判定する、請求項1に記載の歩行変化判定装置。
【請求項5】
前記時間的変化量は、歩行姿勢の時間的変化量を含み、
前記制御部は、さらに、
前記第3の算出手段によって算出された前記指標の値に基づいて、前記歩行姿勢を判定する歩行姿勢判定手段を含み、
前記第4の算出手段は、さらに、前記歩行姿勢判定手段によって判定された前記歩行姿勢の時間的変化量を算出し、
前記判定手段は、さらに、前記第4の算出手段によって算出された前記時間的変化量に基づいて、前記歩行姿勢の時間的変化の姿勢変化度合を含む前記変化度合を判定する、請求項4に記載の歩行変化判定装置。
【請求項6】
前記相関関係は、重回帰分析によって得られる、目的変数としての前記特徴因子の値と説明変数としての前記指標の値との関係式である重回帰式で示される、請求項4に記載の歩行変化判定装置。
【請求項7】
前記特徴点は、第1の足が接地したときの第1の特徴点、および、前記第1の足で立脚している間で前記軌跡が最も高い位置に達したときの第2の特徴点、ならびに、前記第2の足が接地したときの第3の特徴点、および、前記第2の足で立脚している間で前記軌跡が最も高い位置に達したときの第4の特徴点を含み、
前記特徴因子は、前記進行方向に垂直な面に投影した前記軌跡における前記第1の特徴点と前記第2の特徴点との前記鉛直方向の距離である第1の特徴因子、および、前記左右方向に垂直な面に投影した前記軌跡における前記第1の特徴点と前記第2の特徴点との距離および前記第3の特徴点と前記第4の特徴点との距離から算出される第2の特徴因子を含み、
前記指標は、歩幅を含み、
前記重回帰式は、前記重回帰分析によって得られた第1の偏回帰係数および前記第1の特徴因子の積と、前記重回帰分析によって得られた第2の偏回帰係数および前記第2の特徴因子の積と、第3の偏回帰係数との和を算出する式である、請求項6に記載の歩行変化判定装置。
【請求項8】
前記特徴点は、第1の足が接地したときの第1の特徴点、前記第1の足で立脚している間で前記軌跡が最も高い位置に達したときの第2の特徴点、前記軌跡の最も右側の第3の特徴点、および、前記軌跡の最も左側の第4の特徴点、ならびに、前記軌跡の右側で最も前側の第5の特徴点、前記軌跡の左側で最も前側の第6の特徴点、前記軌跡の右側で最も後ろ側の第7の特徴点、および、前記軌跡の左側で最も後ろ側の第8の特徴点を含み、
前記特徴因子は、前記進行方向に垂直な面に投影した前記軌跡における前記第1の特徴点と前記第2の特徴点との前記鉛直方向の距離を前記第3の特徴点と前記第4の特徴点との前記左右方向の距離で割った商である第1の特徴因子、および、前記鉛直方向に垂直な面に投影した前記軌跡における前記第5の特徴点と前記第6の特徴点との前記左右方向の距離を前記第7の特徴点と前記第8の特徴点との前記左右方向の距離で割った商である第2の特徴因子を含み、
前記指標は、歩隔を含み、
前記重回帰式は、前記重回帰分析によって得られた第1の偏回帰係数および前記第1の特徴因子の積と、前記重回帰分析によって得られた第2の偏回帰係数および前記第2の特徴因子の積と、第3の偏回帰係数との和を算出する式である、請求項6に記載の歩行変化判定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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