説明

歩行補助装置

【課題】収納性の向上を図ることができる電動式の歩行補助装置を提供する。
【解決手段】歩行補助装置1は、ハンドル2から下方に向けて延びるメインフレーム3a,3bと、メインフレーム3a,3bから下方後側に向けて延びるサブフレーム4a,4bと、メインフレーム3a,3bに対してサブフレーム4a,4bを回動自在に連結するジョイント部5a,5bと、メインフレーム3a,3b及びサブフレーム4a,4bの下端にそれぞれ設けられた左右の車輪7a〜7dと、各車輪7a〜7dをそれぞれ独立に回転駆動させるインホイールモータ8a〜8dとから構成されている。メインフレーム3a,3bにおけるジョイント部5a,5bから前側車輪7a,7bの中心までの距離L1は、サブフレーム4a,4bにおけるジョイント部5a,5bから後側車輪7c,7dの中心までの距離L2よりも短い構成となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み可能な手押し車型の歩行補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の手押し車型の歩行補助装置としては、例えば特許文献1に記載されているように、歩行者が望む方向にハンドル部を動かした場合に、ハンドル部に加えられた力を検出し、その検出値と目標値とを比較して車輪の駆動を調整することにより、歩行者の歩行を介助する歩行介助装置が知られている。また、特許文献2に記載されているように、折り畳み可能な歩行補助車もある。
【特許文献1】特許3156367号公報
【特許文献2】特開2001−224642号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の電動式の手押し車型の歩行補助装置は、各部位が固定された構成であるので、収納しにくいといった問題が生じる。その点、特許文献2に記載の歩行補助車は、折り畳むことでコンパクトに収納できるが、車輪を駆動する駆動部を有していないので、バッテリや制御ユニット等が搭載されることは考慮されていない。そのため、収納性に優れた電動式の歩行補助装置が求められている。
【0004】
そこで、本発明の目的は、収納性の向上を図ることができる電動式の歩行補助装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、歩行者が握るハンドルと、ハンドルから下方に向けて延びる一対のメインフレームと、各メインフレームから下方後側に向けて延びる一対のサブフレームと、各メインフレームに対して各サブフレームを回動自在に連結する一対のジョイント部と、ジョイント部から吊り下げられて設けられた制御ユニットと、各メインフレームの下端に設けられた一対の前側車輪と、各サブフレームの下端に設けられた一対の後側車輪と、一対の前側車輪及び一対の後側車輪をそれぞれ独立に回転駆動させる複数の駆動部と、を備え、サブフレームがジョイント部を介してメインフレームに対して折り畳み可能となるように、メインフレームにおけるジョイント部から前側車輪の中心部までの距離がサブフレームにおけるジョイント部から後側車輪の中心部までの距離よりも短くなっていることを特徴とする。
【0006】
本発明に係わる歩行補助装置においては、メインフレームにおけるジョイント部から前側車輪の中心部までの距離は、サブフレームにおけるジョイント部から後側車輪の中心部までの距離よりも短い構成となっている。これにより、サブフレームをメインフレーム側に折り畳む場合に、例えば駆動部が制御ユニットに干渉することなくコンパクトに収納することが可能となる。また、サブフレームがメインフレームに対して折り畳まれた状態では、後側車輪のみが接地することになり、2輪のみで走行することができる。従って、制御ユニットを備えていても収納性の向上を図ることができると共に、収納場所までの移動を好適に行うことができる。
【0007】
また、好ましくは、メインフレームに対するサブフレームの折り畳み状態において、前側車輪及び後側車輪の中心間距離が0よりも大きく、且つ前側車輪及び後側車輪の中心間距離と前側車輪の半径との和が制御ユニットの前後方向長さの1/2よりも長い。
【0008】
この場合には、サブフレームをメインフレームに対して折り畳んだ状態であっても、歩行補助装置のバランスが好適に維持されるので、前方への転倒を防止することができる。また、歩行補助装置が万が一転倒しそうになった場合でも、制御ユニットに対する緩衝材となり得る位置に前側車輪があるので、制御ユニットの破損等を防止することができる。
【0009】
また、好ましくは、ハンドルに設けられ、直進又は旋回の動作を指示するための左右2つの操作部と、サブフレームがメインフレームに対して折り畳まれたかどうかを判断する判断手段と、判断手段によりサブフレームがメインフレームに対して折り畳まれたと判断されたときに、2つの操作部の操作方向に応じて、各後側車輪に対応する駆動部を制御する手段と、を更に備える。
【0010】
判断手段によってサブフレームがメインフレームに対して折り畳まれたと判断された場合には、2つの操作部の操作方向に応じて後側車輪に対応する駆動部を制御する。例えば右側の操作部が押し操作された場合には、右側の後側車輪の駆動力を強めることで左側へ旋回する。従って、歩行者の意図する方向への移動を確実に補助することができる。また、サブフレームの折り畳み時は、後側車輪のみを駆動させ、前側車輪は駆動させないので、消費電力を抑制することができる。
【0011】
また、好ましくは、ジョイント部の回動角度を検出する角度検出手段と、角度検出手段によって検出されたジョイント部の回動角度に基づいて、前側車輪及び後側車輪の荷重を推定する荷重推定手段と、判断手段によりサブフレームがメインフレームに対して折り畳まれていないと判断されたときに、荷重推定手段で推定された前側車輪及び後側車輪の荷重に基づいて、各駆動部を制御する手段と、を更に備える。
【0012】
判断手段によってサブフレームがメインフレームに対して折り畳まれていないと判断された場合には、ジョイント部の回動角度に基づき推定された前側車輪及び後側車輪の荷重に基づいて、各駆動部に与える駆動力を決定し、車輪毎に駆動力を分配することで、駆動効率を高め消費電力を抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の歩行補助装置によれば、収納性の向上を図ることができる。これにより、歩行者の利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明に係わる歩行補助装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明に係わる歩行補助装置の一実施形態の外観を示す斜視図である。同図において、歩行補助装置1は、歩行者の歩行を補助する折り畳み可能な電動手押し車である。歩行補助装置1は、歩行者が握るハンドル2と、メインフレーム3a,3bと、サブフレーム4a,4bと、ジョイント部5a,5bと、制御ユニット6と、メインフレーム3a,3b及びサブフレーム4a,4bに取り付けられた左右の車輪7a〜7dと、各車輪7a〜7dをそれぞれ独立に回転駆動させるインホイールモータ8a〜8dと、ハンドル2に設けられた右コントローラーバー9a及び左コントローラーバー9bとから構成されている。
【0016】
図2に示すように、ハンドル2には、歩行補助装置1の直進動作及び旋回動作を指示操作するための上記2つのコントローラーバー9a,9bが前後方向に押し操作可能に設けられている。また、ハンドル2には、モード設定スイッチ11(図5参照)が設けられている。右コントローラーバー9aと左コントローラーバー9bとの間の領域Rは、不感帯となっており、例えば歩行者が片手で操作する場合に直進を維持することが可能となっている。
【0017】
一対のメインフレーム3a,3bは、ハンドル2の両端から前側の斜め下方に向けて延びている。各メインフレーム3a,3bの先端(下端)には、一対の前側車輪7a,7bが回転自在に取り付けられている。
【0018】
一対のサブフレーム4a,4bは、各メインフレーム3a,3bの略中央部分に設けられた各ジョイント部5a,5bから下方後側に向けて延びている。各サブフレーム4a,4bの先端(下端)には、一対の後側車輪7c、7dが回転自在に取り付けられている。
【0019】
一対のジョイント部5a,5bは、各メインフレーム3a,3bに対して各サブフレーム4a,4bを回動自在に連結している。各ジョイント部5a,5bには、各サブフレーム4a,4bをメインフレーム3a,3bに対して回動(開閉)させるための回動モータ13a,13b(図5参照)と、各ジョイント部5a,5bの回動角度を検出する角度センサ12(図5参照)と、ジョイント部5a,5bにおける回転方向の衝撃を減衰する振動減衰手段としての回転ダンパ(図示せず)とが設けられている。
【0020】
回転ダンパは、ジョイント部5a,5bの衝撃を減衰させることで、角度センサ12の検出精度を向上させるものである。また、回転ダンパは、ジョイント部5a,5bに吊り下げられる制御ユニット6の振動を抑制し、走行安定性を向上させることができる。
【0021】
制御ユニット6の内部には、ECU14及び電源部15(図5参照)が設けられている。また、制御ユニット6は、荷物を収納するため荷室を兼ね備えている。なお、制御ユニット6の中心は、ジョイント部5a,5bの中心と同一直線上にある。
【0022】
続いて、図3及び図4を参照して、歩行補助装置1の寸法について詳細に説明する。図3は、サブフレーム4a,4bがメインフレーム3a,3bに対して開いた通常走行状態において、歩行補助装置1の各部の寸法を示す側面図である。図4は、サブフレーム4a,4bがメインフレーム3a,3bに対して閉じた(折り畳まれた)状態において、歩行補助装置1の各部の寸法を示す側面図である。以下に、各部の寸法を示す。
【0023】
L1…メインフレーム3a,3bにおけるジョイント部5a,5bの中心から前側車輪7a,7bの中心までの距離
L2…サブフレーム4a,4bにおけるジョイント部5a,5bの中心から後側車輪7c,7dの中心までの距離
WB…歩行補助装置1の通常走行時における前側車輪7a,7b及び後側車輪7c,7dの中心間距離
Rf…前側車輪7a,7bの半径
Lo…制御ユニット6の前後方向の水平距離
θ…ジョイント部5a,5bの中心及び制御ユニット6の中心を通る直線とサブフレーム4a,4bとがなす回動角度
WB‘…歩行補助装置1の折り畳み時における前側車輪7a,7b及び後側車輪7c,7dの中心間距離
【0024】
図4に示す歩行補助装置1の各部の寸法は、以下(1)〜(4)の条件を満たしている。
L1<L2 …(1)
WB‘>0 …(2)
WB‘+Rf>Lo/2 …(3)
θ=0 …(4)
なお、(4)の条件においては、ジョイント部5a,5bが回動モータ13a,13bによって回動しないように固定される。
【0025】
図5は、インホイールモータ8a〜8dを制御する制御系を示すブロック図である。図5において、歩行補助装置1は、右押し力センサ10aと、左押し力センサ10bと、モード設定スイッチ11と、角度センサ12と、回動モータ13a,13bと、ECU(Electronic Control Unit)14と、電源部15とを備えている。
【0026】
右押し力センサ10a及び左押し力センサ10bは、歩行者によって押し操作されたコントローラーバー9a,9bの前後押し力をそれぞれ検出するセンサである。右押し力センサ10a、及び左押し力センサ10bの検出信号(押し力信号)はECU14に送出される。
【0027】
モード設定スイッチ11は、通常走行モードと折り畳みモードとを設定するスイッチである。通常走行モードとは、歩行補助装置1が4輪で走行するモードである。また、折り畳みモードとは、歩行補助装置1が後側2輪で走行するモードである。モード設定スイッチ11のモード切替信号はECU14に送出される。
【0028】
図6に、折り畳みモードで走行する歩行補助装置1の側面図を示す。折り畳みモードでは、後側車輪7c,7dのみが接地しているので、インホイールモータ8c,8dが駆動され、前側車輪7a,7bに対応するインホイールモータ8a,8bは駆動されない。折り畳みモードでは、通常走行モード時よりも制御ユニット6の位置が高くなるので、階段の乗り越え等を補助することができる。歩行補助装置1は、折り畳みモードにおいても通常走行モードと同様に、コントローラーバー9a,9bを操作することで、歩行者が意図する方向(矢印方向)への移動を補助する。
【0029】
角度センサ12は、ジョイント部5a,5bにおいて、サブフレーム4a,4bがメインフレーム3a,4b側に折り畳まれた回動角度を検出するセンサである。角度センサ12の検出信号(角度信号)はECU14に送出される。
【0030】
回動モータ13a,13bは、各サブフレーム4a,4bを回動させるためのモータである。回動モータ13a,13bは、ジョイント部5a,5bに設けられ、ECU14から送出されたモード切替信号に基づいて、サブフレーム4a,4bをメインフレーム3a,3bに対して折り畳み、歩行補助装置1を折り畳みモードにする。また、回動モータ13a,13bは、ECU14から送出されたモード切替信号に基づいて、歩行補助装置1を折り畳みモードから通常走行モードに戻す。
【0031】
ECU14は、モード設定スイッチ11から送出されたモード切替信号に基づいて、サブフレーム4a,4bがメインフレーム3a,3bに対して折り畳まれかどうかを判断し、その結果に応じてインホイールモータ8a〜8dを制御する。
【0032】
また、ECU14は、角度センサ12から送出された角度信号に基づいて、前後車輪7a〜7dの荷重を推定し、インホイールモータ8a〜8dに与える駆動力を決定して、各車輪7a〜7bの駆動力を配分するように制御する。具体的には、インホイールモータ8a〜8dの駆動力は、前側車輪7a,7bのトルクをTf、後側車輪7c,7dのトルクをTrとすると、以下の式(5)で求められる。
Tf/Tr=1/(1+θ−θa) …(5)
よって、水平時にはθ=θaとなるため、歩行補助装置1の定速走行時には、Tf/Tr=1となる。また、歩行補助装置1の折り畳み時には、Tf:Tr=0:1となる。
【0033】
図7は、ECU14により実行される処理手順の詳細を示すフローチャートである。
【0034】
図7において、まずモード設定スイッチ11に基づいて歩行補助装置1が折り畳まれていないかを判断する(手順S01)。歩行補助装置1が折り畳まれていないと判断された場合には、手順S02に進む。一方、歩行補助装置1が折り畳まれていると判断された場合には、手順S07に進む。
【0035】
手順S01において歩行補助装置1が折り畳まれていないと判断されたときは、角度センサ12から角度信号が入力される(手順S02)。続いて、角度センサ12からの角度信号に基づいて、前後車輪7a〜7dの荷重をそれぞれ推定する(手順S03)。前後車輪7a〜7dの荷重が推定されると、押し力センサ10a,10bからの押し力信号が入力される(手順S04)。そして、推定された荷重及び押し力信号に基づいて、インホイールモータ8a〜8dに対する駆動力を配分比を考慮して歩行補助装置1を直進又は旋回させるような回転トルク指令値を求め(手順S05)、手順S06に進む。
【0036】
手順S06では、手順S05求められた回転トルク指令値に応じたインホイールモータ駆動信号をインホイールモータ8a〜8dに送出し、インホイールモータ8a〜8dの駆動を制御する。
【0037】
一方、手順S01において、歩行補助装置1が折り畳まれていると判断されたときは、押し力センサ10a,10bからの押し力信号が入力される(手順S07)。続いて、押し力センサ10a,10bからの押し力信号に基づいて、歩行補助装置1を直進又は旋回させるような回転トルク指令値を求め(手順S08)、手順S09に進む。
【0038】
手順S09では、手順S08で求められた回転トルク指令値に応じたインホイールモータ駆動信号を後側のインホイールモータ8c,8dに送出し、インホイールモータ8c,8dの駆動を制御する。
【0039】
以上において、インホイールモータ8a〜8dは、各車輪7a〜7dをそれぞれ独立に回転駆動させる複数の駆動部を構成する。コントローラーバー9a,9bは、ハンドル2に設けられ、直進又は旋回の動作を指示するための左右2つの操作部を構成する。モード設定スイッチ11とECU14の手順S01とは、サブフレーム4a,4bがメインフレーム3a,3bに対して折り畳まれたかどうかを判断する判断手段を構成する。ECU14の手順S08、09は、判断手段によりサブフレーム4a,4bがメインフレーム3a,3bに対して折り畳まれたと判断されたときに、2つのコントローラーバー9a,9bの操作方向に応じて、各後側車輪7c,7dに対応するインホイールモータ8c,8dを制御する手段を構成している。角度センサ12は、ジョイント部5a,5bの回動角度を検出する角度検出手段を構成する。ECU14の手順S02、03は、角度センサ12によって検出されたジョイント部5a,5bの回動角度に基づいて、前側車輪7a,7b及び後側車輪7c,7dの荷重を推定する荷重推定手段を構成している。ECU14の手順S05、06は、判断手段によりサブフレーム4a,4bがメインフレーム3a,3bに対して折り畳まれていないと判断されたときに、荷重推定手段で推定された前側車輪7a,7b及び後側車輪7c,7dの荷重に基づいて、インホイールモータ8a〜8dを制御する手段を構成している。
【0040】
以上のように本実施形態の歩行補助装置1にあっては、メインフレーム3a,3bにおけるジョイント部5a,5bの中心から前側車輪7a,7bの中心までの距離L1が、サブフレーム4a,4bにおけるジョイント部5a,5bの中心から後側車輪7c,7dの中心までの距離L2よりも短い構成(L1<L2)となっている。これにより、サブフレーム4a,4bをメインフレーム3a,3b側に折り畳むときに、制御ユニット6にインホイールモータ8a〜8d等が干渉することなくコンパクトに収納することが可能となる。従って、制御ユニット6を備えていても収納性の向上を図ることができる。
【0041】
また、サブフレーム4a,4bがメインフレーム3a,3bに対して折り畳まれた状態では、後側車輪7c,7dのみが接地することになり、2輪のみで走行することができる。このとき、サブフレーム4a,4bがジョイント部5a,5bで固定されるので、2輪走行の安定性を高めることができると共に、後側車輪7c,7dの荷重を安定させることができる。従って、収納場所までの移動を好適に行うことができる。
【0042】
また、サブフレーム4a,4bが折り畳まれた状態では、コントローラーバー9a,9bの操作方向に応じて後側車輪7c,7dに対応するインホイールモータ8c,8dを制御する。これにより、歩行者の意図する方向への移動を確実に補助することができる。
【0043】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、モード設定スイッチ11のモード切替信号によって回動モータ13a,13bを制御し、歩行補助装置1を折り畳む構成としているが、モード設定スイッチ11及び回動モータ13a,13bを設けずに、例えば前側車輪7a,7bを後進方向に回転させるか停止させ、後側車輪7c,7dを前進方向に回転させることにより、サブフレーム4a,4bをメインフレーム3a,3bに対して折り畳む構成としてもよい。この場合には、例えば機械的なロック機構により、ジョイント部5a,5bにおいてサブフレーム4a,4bを固定する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係わる歩行補助装置の一実施形態の外観を示す斜視図である。
【図2】ハンドルの詳細な構成を示す図である。
【図3】歩行補助装置の各部の寸法を示す側面図である。
【図4】歩行補助装置の折り畳まれた状態の各部の寸法を示す側面図である。
【図5】インホイールモータを制御する制御系を示すブロック図である。
【図6】折り畳みモードで走行する歩行補助装置を示す側面図である。
【図7】ECUにより実行される処理手順の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
1…歩行補助装置、2…ハンドル、3a,3b…メインフレーム、4a,4b…サブフレーム、5a,5b…ジョイント部、6…制御ユニット、7a〜7d…車輪(前側車輪、後側車輪)、8a〜8d…インホイールモータ(駆動部)、9a,9b…コントロールバー(操作部)、12…角度センサ(角度検出手段)、14…ECU(判断手段、荷重推定手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行者が握るハンドルと、
前記ハンドルから下方に向けて延びる一対のメインフレームと、
前記各メインフレームから下方後側に向けて延びる一対のサブフレームと、
前記各メインフレームに対して前記各サブフレームを回動自在に連結する一対のジョイント部と、
前記ジョイント部から吊り下げられて設けられた制御ユニットと、
前記各メインフレームの下端に設けられた一対の前側車輪と、
前記各サブフレームの下端に設けられた一対の後側車輪と、
前記一対の前側車輪及び前記一対の後側車輪をそれぞれ独立に回転駆動させる複数の駆動部と、
を備え、
前記サブフレームが前記ジョイント部を介して前記メインフレームに対して折り畳み可能となるように、前記メインフレームにおける前記ジョイント部から前記前側車輪の中心部までの距離が前記サブフレームにおける前記ジョイント部から前記後側車輪の中心部までの距離よりも短くなっていることを特徴とする歩行補助装置。
【請求項2】
前記メインフレームに対する前記サブフレームの折り畳み状態において、前記前側車輪及び前記後側車輪の中心間距離が0よりも大きく、且つ前記前側車輪及び前記後側車輪の中心間距離と前記前側車輪の半径との和が前記制御ユニットの前後方向長さの1/2よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の歩行補助装置。
【請求項3】
前記ハンドルに設けられ、直進又は旋回の動作を指示するための左右2つの操作部と、
前記サブフレームが前記メインフレームに対して折り畳まれたかどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記サブフレームが前記メインフレームに対して折り畳まれたと判断されたときに、前記2つの操作部の操作方向に応じて、前記各後側車輪に対応する前記駆動部を制御する手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の歩行補助装置。
【請求項4】
前記ジョイント部の回動角度を検出する角度検出手段と、
前記角度検出手段によって検出された前記ジョイント部の回動角度に基づいて、前記前側車輪及び前記後側車輪の荷重を推定する荷重推定手段と、
前記判断手段により前記サブフレームが前記メインフレームに対して折り畳まれていないと判断されたときに、前記荷重推定手段で推定された前記前側車輪及び前記後側車輪の荷重に基づいて、前記各駆動部を制御する手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の歩行補助装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−189428(P2009−189428A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−30765(P2008−30765)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)