説明

歯ブラシ躯体の整形法。

【課題】歯ブラシは、2,3ヶ月の使用によって毛先が曲がり、植毛基台の裏側からも毛先が見えるようになり、磨掃効果は減退する。植毛の曲がりを消費者自身で減菌と同時に矯正し、磨掃効果を復元し、一本の歯ブラシを長期間初期の状態で有効に使用しうる方法の提供。
【解決手段】歯ブラシ販売時に適合するキャップを兼ねる整形器を付属品として添付し、数週間使用して毛先の曲がった歯ブラシヘッドに整形器兼キャップを被せ、10秒乃至20秒位煮沸する。また、今まで製作が困難だった外側列有傾の歯列を挟んで磨く歯ブラシも、パーテングラインに垂直に植毛孔を設け、中央列孔に短く、外側列孔に長く植毛した後に、本方法を用いると容易に外側列植毛が内側に傾いた歯列を挟んで磨く歯ブラシが得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日常大多数の人が使用する歯ブラシのうち、行と列からなる植毛叢を有する歯ブラシは、1、2ヵ月の使用で植毛の毛先が外側に曲がり、磨掃効果は減退する。メーカーも歯ブラシの裏側から毛先が見えるようになったら買い換えるように勧奨していて、消費者も当然のように2、3ヶ月で新しい歯ブラシを買い換えている。
本発明は、植毛の曲がりを消費者自身で減菌と同時に矯正し、磨掃効果を復元し、一本の歯ブラシを長期間初期の状態で有効に使用し得るようにする技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
歯ブラシは大別して、植毛面に垂直にほゞ均等の長さの毛を植毛したものと、極少数ではあるが、中央列植毛を垂直に短く、外側列植毛を垂直又は内側に傾斜させて長く植毛し、歯列を挟むようにして磨く、所謂歯列を挟んで磨く歯ブラシがある。
全植毛束を垂直に植え、均等な長さに植毛したものは製作が容易なので廉価で供給し得るが、歯列を挟んで磨く歯ブラシは磨掃効果は大きいが、現在の製造法では困難が伴い、廉価で供給し得ない。
【0003】
廉価で供給し得ないならば、可使用期間を長くすることができれば消費者の理解は得られるとして、本歯ブラシ整形法は発明された。
【発明の開示】

【発明が開発しようとする課題】
【0004】
植毛方法の如何によらず、いずれの歯ブラシも毛先は数十日の使用によって、必然的に毛先が歯列から横に広がるように曲がる。各歯ブラシメーカーは曲がったら買い換えるように奨めている。
【0005】
又、使用後の歯ブラシには口中に残った食べ滓が移り、毛の間に挟まり、洗滌しても無菌状態に洗うことは不可能で、雑菌は食べ滓を栄養源として次回使用までの間、湿気を含んでいれば繁殖し続ける。紫外線減菌器なども市販されているが、高価であり、安全性や効果の程は定かでない。
【課題を解決する為の手段】
【0006】
本発明は、図1のように中央列植毛を短く、有傾の外側列植毛を長く植毛した所謂歯列を挟んで磨く歯ブラシが2,3ヶ月の使用で図2のように毛先が曲がっても矯正し得るように発明したもので、他の形の歯ブラシでもその歯ブラシに合ったキャップが用意できれば応用し得るが、此処では歯列を挟んで磨く歯ブラシの整形についてのみ記述する。
【0007】
図1のような新しく購入した歯ブラシも、2,3ヶ月使用すると使い方によらず殆ど図2のようになって仕舞う。歯ブラシ購入時には付属品として添付されている歯ブラシキャップ兼整形器図3の点線で示す整形凸条3,3´を有する空隙部に入れ、20秒位減菌を兼ねて沸騰し、冷却すれば植毛の材質がナイロン、飽和ポリエステルのいずれでも購入時の形に戻る。
【0008】
当初の課題ではないが、前記の解決手段を用いると、普通の歯ブラシと同じ製法で図4のように全植毛孔を金型のパーテングラインに垂直に穿孔し、中央列植毛を短く外側列を長く植毛した歯ブラシを図3のキャップに嵌めて、前記のように煮沸乾燥するか、100℃位に保つ雰囲気内に数分間留置し、其の儘冷却すれば、出荷時の消毒を兼ねることが出来、簡易な方法で図1と同じ形の有傾植毛を有する歯列を挟んで磨く歯ブラシが得られる。
【発明の効果】
【0009】
述上のようにして、毛先の曲がりが直った歯ブラシは新品同様の感触で使用でき、整形キャップも紛失しないよう、歯ブラシ躯体のネック部に取り付けられるようにしてあるので、1,2週間に一度くらいの割合で滅菌を兼ねた本整形法を行えば、常に新品同様の使用感触で年単位の長期使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本歯ブラシ整形法を実施しようとする歯ブラシの使用前のヘッド部のよこ断面図。
【図2】[図1]の歯ブラシを2〜3ヶ月使用した外側列植毛の毛先の変化を示す図。
【図3】歯ブラシ販売時に添付するキャップ兼整形器に整形せんとする一点鎖線で示す歯ブラシを収容した側面図。
【図4】全植毛孔を歯ブラシ躯体成型時に垂直に穿孔し中央列を短く外側列を長く植毛したヘッド部のよこ断面図。
【符号の説明】
【0011】
1 蝶番
2 フック
3、3´ 成型用凸条

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行と列の植毛束上のなる植毛叢を有する歯ブラシを数週間使用し、植毛の毛先が外側に曲がり、磨掃効果が減退した歯ブラシを、該ブラシに適合し、内部に成型凸条を有するキャップに収め、数十秒煮沸する歯ブラシ整形法。
【請求項2】
歯ブラシ躯体成型時に、全植毛孔をパーテングラインに垂直に穿孔し、中央列植毛孔に短く、外側列植毛孔に長く植毛した歯ブラシを、内部に整形凸条を有するキャップに収め、沸騰した湯に短時間浸漬するか、100℃前後の空洞内に数分間留置する歯ブラシの消毒を兼ねた整形法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate