説明

歯ブラシ

【課題】歯間部や歯頸部のみならず、平滑な歯の表面に対しても、清掃効果を向上させることのできる歯ブラシを提供する。
【解決手段】ブリッスル14を束ねてなるタフト15が歯ブラシ本体17の植毛台11の複数の植毛孔13に各々植設されている歯ブラシ10であって、タフト15を構成するブリッスル14の先端を連ねたブラシ面18が、植毛台11の短手方向Yと対向する側面側から見た際に、高低差dが0.5〜1mm、隣接する凸部19間の間隔sを高低差dで除した値s/dが4〜10である連続する緩やかなウェーブ状の凹凸形状20を備えており、且つタフト15を構成するブリッスル14は、その先端部分が、先鋭な毛先を有する先細りのテーパー形状部分21となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯ブラシに関し、特にブリッスルを束ねてなるタフトが植毛台の複数の植毛孔に各々植設されている歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
歯ブラシは、歯面部、歯間部、歯頸部等の歯の部位や、前歯、奥歯等の歯の種類に応じた適切な清掃を効率良く行うことができるようにすると共に、使用感を向上させるために、タフトの配置やブラシ部の全体の形状等に種々の工夫がなされている。
【0003】
例えば、植毛台に植設されるブリッスルを先端部分が先細りとなったテーパー形状の刷毛とし、さらにブリッスルの先端を連ねたブラシ面を歯ブラシの側面側から見て山切り形状となるようにカットして、ブリッスルの歯間到達性を向上させた歯ブラシが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−299452号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の歯ブラシは、歯間部や歯頸部等の奥まった部位の清掃には効果的であるが、歯の表面のように平滑な部分を磨く場合には、山切り形状の「谷」部のブリッスル先端が平滑な表面に届き難く、十分な清掃効果が得られない。さらに、谷部のブリッスル先端が太いために、清掃時に使用者が硬く感じるという問題があった。
【0005】
本発明は、歯間部や歯頸部のみならず、平滑な歯の表面に対しても、清掃効果を向上させることができ、清掃時に優しい感触を呈する歯ブラシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ブリッスルを束ねてなるタフトが植毛台の複数の植毛孔に各々植設されている歯ブラシであって、前記タフトを構成するブリッスルの先端を連ねたブラシ面が、前記植毛台の短手方向と対向する側面側から見た際に、高低差が0.5〜1mm、隣接する凸部間の間隔を前記高低差で除した値が4〜10である連続する緩やかなウェーブ状の凹凸形状を備えており、且つ前記タフトを構成するブリッスルは、その先端部分が、先鋭な毛先を有する先細りのテーパー形状部分となっている歯ブラシを提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の歯ブラシによれば、歯間部や歯頸部への清掃効果を有しつつ、平滑な歯の表面に対しても、清掃効果を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を図面に示す好ましい実施形態を参照しながら説明する。図1(a),(b)は、本発明の好ましい一実施形態に係る歯ブラシである。歯ブラシ10は、把持部(図示せず)と植毛台11とこれらを連結する首部12とからなる歯ブラシ本体17の植毛台11に形成した複数の植毛孔13に、複数本のブリッスル14を束ねてなる毛束(タフト)15を各々植毛(植設)してブラシ部16を形成することにより構成される。
【0009】
歯ブラシ本体17は、例えばポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPCTA(ポリカーボネート)等のポリエステル樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂により形成される。植毛台11の平坦な表面には、各タフト15の配設位置に対応させて、例えば直径1〜2mm程度の円形の平面形状を備える複数の植毛孔13が、例えば2〜5mmの深さで開口形成されると共に、例えば2〜4mm程度の中心間の間隔tをおいて、縦横に分散配置されている。各植毛孔13には、タフト15の毛丈(植毛台11の表面からの高さ)が、好ましくは7〜12mmとなるように各々植設される。各タフト15を構成するブリッスル14は、例えば、ナイロン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタテート(PTT)等の合成樹脂、豚毛等の天然素材の材質で、太さが例えば6〜10mil(0.15〜0.25mm)のフィラメント材であって、これを例えば十数本〜数十本束ねることによってタフト15が形成される。
【0010】
本実施形態の歯ブラシ10は、タフト15を構成するブリッスル14の先端を連ねたブラシ面18を、植毛台11の短手方向Yと対向する側面側から見た際に、高低差dが0.5〜1mmであり、隣接する凸部19間の間隔sを高低差dで除した値s/dが4〜10である連続する緩やかなウェーブ状の凹凸形状20を備えており、且つタフト15を構成するブリッスル14は、その先端部分が、先鋭な毛先を有する先細りのテーパー形状部分21となっている(図1(c)参照)。
【0011】
緩やかなウェーブ状凹凸20の凸部19の間隔sを高低差dで除した値s/dが4〜10であると、刷掃時に毛丈の高いブリッスル14の先端が、毛丈の低いブリッスル14の先端の位置(図1及び2に破線部で示す)に直線状に集中して磨き残しが生じにくくなる。特に、清掃時の効果を高める点から、値s/dは好ましくは5〜8である。値s/dが4よりも小さいと刷掃時に毛丈の低いブリッスル14の先端の位置に直線状に集中するブリッスル14の先端の数が少なくなり、ブリッスル14の先端と先端の間にすき間が生じて磨き残しが生じやすくなる。一方、値s/dが10よりも大きいと刷掃時に毛丈の高いブリッスル14の先端が毛丈の低いブリッスル14の先端の位置まで届かなくなり、全体的にブリッスル14の先端がバラついて磨き残しが生じやすくなる。
【0012】
また、緩やかなウェーブ状凹凸20の高低差dが0.5〜1mmであると、刷掃時に毛丈の高いブリッスル14の先端が毛丈の低いブリッスル14の先端の位置に直線状に集中して、磨き残しが生じにくい。高低差dが0.5mmよりも小さいと、刷掃時に毛丈の高いブリッスル14の先端が毛丈の低いブリッスル14の先端の位置に直線状に集中せずにバラバラに動くため、磨き残しが生じやすい。一方、高低差dが1.0mmよりも大きいと、毛丈の低いブリッスル14が歯の表面に届きにくいため、磨き残しが生じやすくなる。高低差dは、特に清掃効果を高める点から0.7±0.2mmとすることが好ましい。
【0013】
さらに、緩やかなウェーブ状凹凸20は、凸部19の先端部を曲率半径R1が1〜3mm、特に1.5〜2.5mm、また凹部23の底部を曲率半径R2が1〜3mm、特に1〜2mmで形成されることが好ましい。また、R1とR2の差が、0.8mm以下であることが好ましい。
【0014】
また、テーパー形状部分21は、ブリッスル14によるブラシ面18を、側面側から見た際に連続する緩やかなウェーブ状の凹凸形状20に形成した後に、テーパー形状となるように加工を施して形成することができる。これによって、先端部分が予めテーパー形状に加工されたブリッスルを植毛台に植設した後に先端のブラシ面を凹凸形状に切り揃える場合の如く、凹部に位置するブリッスルのテーパー形状部分の先端をカットしてしまうことがないので、各ブリッスル14のテーパー形状部分21を、先鋭な毛先を有する先細のテーパー形状に容易に保持することが可能になる。このような凹凸形状20に切り揃えた後のテーパー形状部分21の加工は、例えば特開平10−14663号公報に記載のブラシの毛先研削方法及び装置を用いて行うことができる。
【0015】
なお、本実施形態の歯ブラシ10は、ブラシ面18が側面側から見た際に連続する緩やかなウェーブ状の凹凸形状20になるように、植毛台11の背面側から植毛孔13に、予め物理的な研削や化学的な溶解処理により先端部分をテーパー形状に加工したブリッスル14を束ねてなるタフト15を挿入し、タフト15の挿入後に植毛孔13の背面側に突出するタフト15の片端部を加熱して溶融塊を形成し、さらに溶融塊を被覆する、いわゆる熱融着法にて植毛台11の複数の植毛孔13にタフト15を各々植設することにより、先端部分がテーパー形状部分21となったブリッスルによる緩やかなウェーブ状の凹凸形状20のブラシ面18を形成することもできる。このような融着植毛加工は、例えば特開2002−136341号公報に記載のブラシの製造方法及び装置を用いて行うことができる。
【0016】
テーパー形状部分21の長さhは2〜8mmであることが好ましく、特に3〜8mmであることが好ましい。テーパー形状部分21の長さhが上記範囲であると、ブリッスル14が撓みすぎることなく、高い清掃効果と優しい磨き心地を両立させることが可能となるとともに、テーパー形状部分21の加工形成や製造時のハンドリングが容易になる。
【0017】
また、本実施形態では、植毛台11における植毛密度は、好ましくは30〜50%となっている。ブリッスルの植毛密度が30〜50%となっていることにより、刷掃時に適度にブリッスルの先端が集中し、歯間部や歯頸部のみならず、平滑な歯の表面に対しても清掃効果が向上する。ここで、植毛密度は、最外周に配置される植毛孔13の外側縁部を連ねた環状線によって囲まれる植毛領域の面積に対して、植毛孔13の面積の総和の占める割合である。
【0018】
そして、上述の構成を備える本実施形態の歯ブラシ10によれば、各ブリッスル14の先端部分のテーパー形状部分21と、ブラシ面18のウェーブ状の凹凸形状20とによる作用によって、歯間部や歯頸部のみならず、平滑な歯の表面に対しても、清掃効果を向上させることができる。すなわち、本実施形態の歯ブラシ10によれば、歯の表面22の清掃を行う際に、図2(a),(b)に示すように、平滑な歯の表面22にブラシ面18を押し付けるようにして歯ブラシ本体17を植毛台11の長手方向Xにスライド移動させる(白矢印で示す)と、凹凸形状20の凸部19側に配置されていた毛丈の高いブリッスル14が、特にその極細のテーパー形状部分21でスライド方向の後方側に大きく湾曲する。そして、大きく湾曲した毛丈の高いブリッスル14の毛先が、凹凸形状20の凹部23側に配置されていた小さく湾曲する毛丈の低いブリッスル14の毛先の間に入り込み、当該毛丈の低いブリッスル14の先端部分において、植毛台11の短手方向Yに直線状に毛先が集中することになる。つまり、緩やかなウェーブの一連の凹凸間で、毛丈の高いブリッスル14と毛丈の低いブリッスル14の先端が、毛丈の低いブリッスル14に略直線状に集中することになる。従って、このようなブリッスル14のテーパー形状部分21とブラシ面18の凹凸形状20との相乗効果によって、清掃時に毛丈の低いブリッスル14の先端部分に毛先を直線状に集中させることにより、平滑な歯の表面22を、その滑らかな凹凸にフィットさせつつ、くまなく効果的に清掃することが可能になる。
【0019】
また、本実施形態の歯ブラシ10によれば、ブリッスル14のテーパー形状部分21は、毛先が直線状に集中した際にも、植毛台11の短手方向Yに動くことが可能である。そのため、短手方向Yの両側端部に配置されたブリッスル14の毛先が、短手方向Yの外側に押し出されることになるので、この押し出された部分の毛先が歯頸部の奥まで届くことになって、歯頸部を効果的に清掃することが可能になる。さらに、本実施形態の歯ブラシ10によれば、各ブリッスル14のテーパー形状部分21やブラシ面18の凹凸形状20による本来の効果によって、各ブリッスル14の毛先が歯間部に届き易くなっており、当該歯間部を効果的に清掃することが可能になると共に、歯ぐきに優しい感触を得ることが可能になる。
【0020】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、植毛孔は、円形の平面形状以外に、正方形、六角形などの多角形の平面形状や、略楕円形、略長円形、略長方形など、長軸と短軸を有する平面形状とすることができる。また、複数本のブリッスルを束ねてなるタフトは、平線式植毛やインモールド方式等によって植毛孔に植設固定することができる。
【実施例】
【0021】
以下、実施例及び比較例により、本発明の歯ブラシをさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】
〔実施例1、比較例1〜3〕
上記実施形態と同様の構成を有する歯ブラシ、すなわちブリッスルの先端部分がテーパー形状部分となっていると共に、側面側から見たブラシ面が連続する緩やかなウェーブ状の凹凸形状となっている歯ブラシを実施例1とした。また、比較例1は、ブリッスルの先端部分がテーパー形状部分となっているが、側面側から見たブラシ面が凹凸の深い山切り形状となっている市販の歯ブラシ(商品名「ビトイーンマキシ」、ライオン(株));比較例2は、ブリッスルの先端部分がテーパー形状部分となっているが、側面側から見たブラシ面がフラットな面となっている市販の歯ブラシ(商品名「デンターシステマ」ライオン(株));比較例3は、ブリッスルの先端部分がヘラ状となっていると共に、側面側から見たブラシ面が段差面となっている市販の歯ブラシ(商品名「クリアクリーンデンタルブラシ」花王(株))とした。各歯ブラシにおける、毛先加工の種類、ブラシ面の凹凸の高低差、凸部間の間隔を高低差で除した値を表1に示す。
【0023】
【表1】

【0024】
実施例1、および比較例1〜3の各歯ブラシについて、以下の方法により、平滑面、歯頸部、歯間部における清掃効果を評価すると共に、優しい感触について評価した。評価結果を表1に示す。
【0025】
〔平滑面の清掃効果〕
20代から30代の男女10名を被験者とした。臨床試験は、まず、約1週間の試験歯ブラシ馴化期間として試験歯ブラシを使用し、通常同様歯磨きを行ってもらった。試験歯ブラシ馴化期間終了後に、24時間ブラッシングを停止した後、被験者自身による自由なブラッシングを行なってもらい、その前後での歯垢量を測定した。なお、ブラッシング停止前に術者によって歯垢量をゼロにした。
歯垢量は、図3に示すように、歯肉辺縁30からの歯垢の高さrをポケットプローブ31を用いて0.5mm刻みに測定した。ブラッシング前の歯垢量に対して、ブラッシング後に減少した歯垢量の割合を歯垢除去率とした(歯垢除去率(%)=(刷掃前の歯垢量−刷掃後の歯垢量掃)/刷掃前の歯垢量×100)。
平滑面の清掃効果は、中切歯、第1小臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯の唇面および頬面(歯冠補綴歯や齲蝕歯を除く)を縦に均等に5分割32a,32b,32c,32d,32eした時に、中央3部位32b,32c,32dの歯垢除去率について評価した。評価の基準は、60%以上を○、50%以上を△、50点未満を×とした。評価結果を表1に示す。
【0026】
〔歯頸部の清掃効果〕
平滑面の臨床試験と同様に、歯頸部の清掃効果を評価した。歯頸部は、平滑面32b,32c,32dのうち、特に歯肉辺縁30から0.5mmの範囲とした。
評価の基準は、60%以上を○、50%以上を△、50点未満を×とした。評価結果を表1に示す。
【0027】
〔歯間部の清掃効果〕
平滑面の臨床試験と同様に、歯間部の清掃効果を評価した。歯間部は、5分割した歯面の両側の2部位32a,32eとした。評価の基準は、50%以上を○、40%以上を△、40点未満を×とした。評価結果を表1に示す。
【0028】
〔感触〕
20代から30代の男女10名を被験者とした。使用評価は、優しい感触について5段階評価(「そう思う」5点、「ややそう思う」4点、「どちらともいえない」3点、「あまりそう思わない」2点、「そう思わない」1点)によるスコアの合計によって行い、40点以上を○、30点以上を△、30点未満を×とした。評価結果を表1に示す。
【0029】
表1に示す評価結果のように、本発明に係る実施例1の歯ブラシでは、平滑面、歯頸部、歯間部における清掃効果、及び感触のいずれについても、良好な結果が得られた。これに対し、比較例1の歯ブラシでは、平滑面、歯頸部、歯間部全ての清掃効果がやや劣り、感触に劣っていた。これは、ブラシ面の凹凸が深く、また凹部の毛先が太いため、毛先が歯間部や歯頸部に入り難く、また全体的に硬い感触となると共に、短いブリッスルの毛先が平滑面にあたり難くなることによるものと考えられる。また、比較例2の歯ブラシでは、平滑面における清掃効果が劣っていた。これは、ブリッスルがテーパー形状であり、ブラシ面がフラットな面であることから、ブリッスルのテーパー形状部分の毛先が集中し難いため、毛先による歯垢除去力が弱くなることによるものと考えられる。さらに、比較例3の歯ブラシでは、歯間部や歯頸部における清掃効果及び感触に劣っていた。これは、ブリッスの先端部分がヘラ状であり、かつテーパー形状になっていないため、当該先端部分に柔軟性がなく、毛先が歯頸部に入り難くなると共に、硬い感触になることによるものと考えられる。
【0030】
なお、本発明者は、実施例1、比較例1、及び比較例2の歯ブラシについて、ブリッスルの毛先の先端を例えば赤色に着色すると共に、透明なアクリル板の表面に、植毛台をこれと平行に配置しつつ、ブラシ面を一般の清掃時に負荷される圧力と同様の圧力で押し付け、さらに植毛台の長手方向に前後にスライド移動させた際の毛先の動きを、アクリル板の裏面側から観察する実験を行った。この実験によれば、実施例1の歯ブラシでは、ブラシ面の毛先が、毛丈の低いブリッスルの先端部分において、植毛台の短手方向に直線状に集中することが観察された。また、集中した毛先が、植毛台の短手方向の両側端部において、外側に押し出されることが観察された。比較例1の歯ブラシでは、凹凸の深さが深いので、凹凸の谷部の毛先がアクリル板の表面に当たり難くなっていることが観察された。比較例2の歯ブラシでは、毛先が集中することなく、各タフトの先端部分がスライド方向後方に流れてしまうことが観察された。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】(a)は本発明の好ましい一実施形態に係る歯ブラシの要部略示上面図、(b)はブラシ面を下方に向けた状態の要部略示側面図、(c)はブリッスルの形状を説明する模式図である。
【図2】(a)は本発明の好ましい一実施形態に係る歯ブラシを用いて平滑な歯の表面を清掃する状態の要部略示上面図、(b)は要部略示側面図である。
【図3】清掃効果の評価の対象となる歯の部位の説明図である。
【符号の説明】
【0032】
10 歯ブラシ
11 植毛台
12 首部
13 植毛孔
14 ブリッスル
15 タフト(毛束)
16 ブラシ部
17 歯ブラシ本体
18 ブラシ面
19 凹凸形状の凸部
20 連続する緩やかなウェーブ状の凹凸形状(緩やかなウェーブ状凹凸)
21 ブリッスルの先端部分のテーパー形状部分
22 平滑な歯の表面
d 凹凸形状の高低差
s 凹凸形状の凸部間の間隔
h ブリッスルのテーパー形状部分の長さ
X 植毛台の長手方向
Y 植毛台の短手方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブリッスルを束ねてなるタフトが植毛台の複数の植毛孔に各々植設されている歯ブラシであって、
前記タフトを構成するブリッスルの先端を連ねたブラシ面が、前記植毛台の短手方向と対向する側面側から見た際に、高低差が0.5〜1mm、隣接する凸部間の間隔を前記高低差で除した値が4〜10である連続する緩やかなウェーブ状の凹凸形状を備えており、
且つ前記タフトを構成するブリッスルは、その先端部分が、先鋭な毛先を有する先細りのテーパー形状部分となっている歯ブラシ。
【請求項2】
前記ブリッスルのテーパー形状部分の長さが2〜8mmである請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項3】
前記ブリッスルのテーパー形状部分は、前記連続する緩やかなウェーブ状の凹凸形状のブラシ面を形成した後に、テーパー形状に加工される請求項1又は2に記載の歯ブラシ。
【請求項4】
先端部分を予めテーパー形状に加工したブリッスルを束ねてなるタフトを、熱融着法にて前記植毛台の複数の植毛孔に各々植設して、前記連続する緩やかなウェーブ状の凹凸形状のブラシ面を形成する請求項1又は2に記載の歯ブラシ。
【請求項5】
前記ブリッスルの植毛密度が、30〜50%である請求項1〜4の何れかに記載の歯ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−289562(P2008−289562A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−135849(P2007−135849)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】