説明

歯列校正用ブラケット位置設定ジグ

【課題】コンピューター・プログラム上でブラケット位置設定ジグに各患者に最も適合した個別プリスクリプション値を付与してジグを製作することによってプリスクリプション値が与えられた歯列校正用ブラケットだけでなく無プリスクリプションブラケットも使用可能な歯列校正システムを提供すること。
【解決手段】ブラケット位置設定ジグ100は下段部に歯牙と接触する凹溝が形成されていて、本体の上部に長手方向に貫通孔を持つキャップと、一側に該キャップの貫通孔に着脱可能に挿入固定される固定突起108を備えて、他側が本体の下段部に折り曲げられて歯列校正用ブラケットのスロットに結合される結合部を持つコネクタ112を含む。前記ブラケット位置設定ジグはコンピューター・プログラム上で各患者に最も適合した個別プリスクリプション値を付与してジグを製作することによって無プリスクリプションブラケットも使用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は歯列校正用ブラケット、ブラケット位置設定ジグ、これを利用した歯列校正システム及びジグの製造方法に係るもので、より詳しくは、コンピューター・プログラム上でブラケット位置設定ジグに各患者に最も適合した個別プリスクリプション値が適用されてジグが製作されるから、プリスクリプションが付与されなかった歯列校正用ブラケットも使用可能な歯列校正用ブラケット、ブラケット位置設定ジグ、これを利用した歯列校正システム及びジグの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、歯牙の不均一な歯列状態または不正交合(歯牙の交合が合わない状態)の原因は歯牙自体の発育異常、あご骨の発育異常、幼い時に指をしゃぶるなどの悪い食習慣などにより歯牙が本来の位置で正しく育つことができなくなることから起因する。
【0003】
このように歯列が不均一であるか、または不正交合状態の人々は他人との対話または笑う時、その歯列状態によって口を覆ったり対人関係に消極的に対処するようになり、円満な社会生活を営むことができなくなるだけでなく、食べ物を食べる時にも食べ物を均一に粉砕することができないか、または歯牙と歯牙の間の隙間で食物カスが挟まるようになり、各種歯牙の疾病または消火器系統の病気を招く問題点があった。
【0004】
このような問題点を解決するために、歯牙に持続的な力を加えて歯牙を囲む歯牙槽骨の改造とともに歯牙を移動する原理の歯列校正治療が行われている。
【0005】
従来のブラケットはベースの部分と溝(スロット)の間にいわゆるプリスクリプション(prescription)という特徴的な角度を持っている。前記ブラケットは固有の設定角によって治療を容易にするように助けるが、このような理由によって従来のブラケットは付加的な生産費用(加工など)が高くて、製品の価格もとても高くなる。
【0006】
すなわち、従来技術による歯列校正用ブラケットは各ブラケットごとに平均的なプリスクリプション(Prescription)値を与える方式で製造される。すなわち、各患者に適合したプリスクリプション値を与えることが最も良い方法であるが、相当な努力と費用が必要であるため、現実的に容易ではなくて、機能性が低下するようになる。
【0007】
従来のブラケットは樹脂またはセラミックで製作されて歯牙の色と似ていて、ほとんど目に付かないがが、価格上昇の要因となっている。
【0008】
また、ブラケットを患者の歯牙に付着する時に異物感を少なくして楽になるようにますます小さくなる傾向であるが、価格上昇の要因となっていて、かつ、患者に短時間内に装着することのできる製品が要求されている。
【0009】
一方、歯列校正は各歯牙の表面に歯列校正用ブラケットを付着してブラケットの凹溝(スロット)に結合されたワイアーを調整する方式で行われている。このような歯列校正時にはブラケットにワイアーの力を正しく伝達するために歯牙の表面に付着されるブラケットの位置設定が治療過程と結果に大変重要な影響を与えるようになる。したがって、診断を通じて設計(計画)されたブラケットの位置を正確に患者の歯牙表面に具現する道具が必要となる。
【0010】
このような患者の歯牙にブラケットの装着位置を正確に捉える道具をブラケット位置設定ジグまたはトランスファージグ(Transfer Jig)と呼び、従来にはたいてい医師が直接製作したり技工所で手作業で製作した。すなわち、液状の樹脂をブラケットが装着された石膏歯牙模型に注いで養生した後、石膏歯牙模型を除去して夫々の歯牙に合うように切って練る方式で各歯牙に対するオーダーメード・ジグを製作した。
【0011】
以下、従来の歯列校正用ブラケットとブラケット位置設定ジグについて図1a及び図1bを参考して説明する。
図1aに図示されたように、一般の歯列校正用ブラケット10は歯牙(A)に付着されるベース12に、所定間隔離隔された一対の翼14、16が一体で形成された形状を持つ。前記翼14、16の間にはワイアー(図示せず)が挿入されるスロット18が形成されている。
【0012】
前記歯列校正用ブラケット10は歯牙の唇側(すなわち、外側)または舌側(すなわち、内側)の表面に付着されるが、最近、対人関係、外観上表出されるという点を勘案して舌側の歯牙に付着されている。
前記した歯列校正用ブラケット10は歯牙に設置される前に、図1bに図示されたように、手作業によって製作されたジグ30の下段部に設置される。
【0013】
前記ジグ30は歯牙を受け入れる収容部32を持つキャップ34と、該キャップ34の背面一側に設置され、本体の下段部に歯列校正用ブラケットを結合させる結合部36を持つ支持部38から構成される。ここで、従来のジグは前記キャップ34と支持部38とが一体で形成される。
前記のように構成されたジグ30の使用過程について説明すれば次のようである。
【0014】
まず、前記ジグ30の結合部36に歯列校正用ブラケット10を締結させた後、前記歯列校正用ブラケット10を歯牙の表面に位置させると共に前記ジグ30のキャップ34に形成された収容部32を歯牙に位置させる。
その後、前記歯列校正用ブラケット10のベース底面に予め付着されている光硬化性樹脂をレーザーで硬化させてブラケットを歯牙の表面に固定させて、前記ジグ30を歯牙から分離させる。
【0015】
この場合、前記ジグ30はキャップ34と支持部38とが一体で形成されているため、歯牙から分離する動作が簡単に行えないという問題がある。
前記ブラケット10を歯牙の表面に付着する場合、前記ジグ30が歯牙に触れる部分(面積)が広いほど使用者(医師)が正確で安定的にブラケットを装着することができる。しかし、前記従来のブラケット位置設定ジグは単一体から成るため、歯列校正用ブラケットを歯牙に装着した後、ジグを除去する時に歯牙の表面に触れる面積が制限されるという問題点があった。
【0016】
また、治療のための歯牙とブラケットの3次元的な関係(角度/距離)をプリスクリプション(prescription)と言うが、これは治療用針金がブラケットに位置する溝(スロット)と成す関係を意味する。したがって、ジグは正確にこれを表現してあげなければならないが、前記したように手作業で製作されたジグはブラケットのスロットではない外部形状を基準とするため、正確性が落ちるという問題点があった。
【0017】
また、従来技術は、患者に装着した歯列校正用ブラケットが落ちた場合、再付着する場合があるが、手作業で製作されたジグを無くした場合に他の歯牙のジグも共に再製作しなければならないという問題点があった。
特に、従来技術によるブラケット位置設定ジグは手作業で製作することで生産及び購買費用がとても高価で、品質が一定でなくて治療の結果に悪影響を与えて、一度使用した後にはすべて廃棄しなければならないという問題点があった。
【0018】
そして、従来技術によるジグは一人の患者のために約20〜30個のジグが必要であるが、これの識別のためのマークの記録が難しいという問題点があった。
特許文献1には歯牙の高さと角度が指示された一体型万能ブラケット付着装置が開示されているが、構造が非常に複雑で、製造費用が高いという問題がある。
【0019】
また、特許文献2には歯牙の頂端部に結合されるモールディング部、該モールディング部の上部面から歯牙の表面に延長された本体部、及び該本体部とブラケットとを結合させるゴムリングから構成される歯列校正用結紮型ブラケットの位置設定及び接着補助装置が開示されている。しかし、この技術はブラケットの付着位置を決めるのに重要な役割をするモールディング部と本体部が手製作によって製作される方式であるため、ブラケットの正確な位置設定が難しくて複雑で、ブラケットを付着した後にモールディング部と本体部とを分離する作業を簡単に行うことができない。また、装置が手製作方式で製作されるため、費用が上昇するという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】韓国特許出願公開第2006-20214号明細書
【特許文献2】韓国特許出願公開第2002-16324号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
したがって、本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みて成されたもので、コンピューター・プログラム上でブラケット位置設定ジグに各患者に最も適合した個別プリスクリプション値を付与してジグを製作することによってプリスクリプション値が与えられた歯列校正用ブラケットだけでなく無プリスクリプションブラケットも使用可能な歯列校正システムを提供することを目的とする。
【0022】
また、本発明はコンピューター・プログラム上で歯牙校正のための歯牙セットアップが行われた後、予め設計された値を利用してジグを製作し、このジグを利用して患者に装着するから、歯牙の表面に対するブラケットの位置設定施術が容易で正確に行われて、歯牙校正のために歯牙をセットアップする時に校正ワイアーの折り曲げ成形データを利用し、ブラケットを歯牙に付着した後に歯列校正のための校正ワイアーの折り曲げ施術時にこれを反映できる歯列校正システムを提供することを目的とする。
【0023】
また、本発明は歯牙に分離可能に結合されるキャップと下段部にブラケットが結合されるコネクタを着脱可能な分離型構造で製作し、歯牙に触れるキャップ部分のみを廃棄してコネクタの部分はリサイクルして使用者の負担を減らすことのできる歯列校正用ブラケット位置設定ジグを提供することを目的とする。
【0024】
また、本発明は歯牙に触れるキャップ部分が分離されて自由に調節されるから、安定的で正確なブラケット装着のための最大の接触面積を具現することができて、ジグの下段部がブラケットの溝(スロット)に着脱可能に結合されるから、ブラケットと歯牙が成す関係を正確に再現できる歯列校正システムを提供することを目的とする。
【0025】
また、本発明は無プリスクリプション方式に基づいて製作されるから、小型で、構造がとても簡単で、価格が安くて口腔内で長時間着用する時に異物感を最小化して患者が気楽で、食べ物と分泌物による清潔問題を簡単に解決することのできる歯列校正用ブラケットを提供することを目的とする。
【0026】
また、本発明はジグを無くした場合、コンピュータ内に保存されているデータを利用して必要な部分のジグのみを再製作できる歯列校正用ブラケット位置設定ジグ及びこれを含む歯列校正システムを提供することを目的とする。
【0027】
また、本発明はCAD/CAMを利用してジグのキャップが設計されて製作されるから、製品の品質が一定で、優秀であり、大量生産できるから、価格の安い歯列校正用ブラケット位置設定ジグ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
前述した目的を達成するために、本発明による歯列校正システムは歯列校正用ブラケットと、該歯列校正用ブラケットを歯牙の表面に付着させるためのブラケット位置設定ジグから構成される。
【0029】
前記歯列校正用ブラケットは下部面が歯牙に付着されるベースと、長手方向に上面の中央にブラケット位置設定ジグの結合部または歯列校正用ワイアーが挿入されるスロットを形成するように前記ベースの両側端部から垂直に延長された第1及び第2垂直部と、これら第1及び第2垂直部の中央から分枝されて下方向に湾曲された第1〜第4フックから構成されることを特徴とする。
【0030】
また、前記歯列校正用ブラケットは第1〜第4フックを夫々前記第1及び第2垂直部の上段隅から下方向に湾曲するように延長形成されるように変形することができる。この場合、前記第1及び第2垂直部の両側上段に長手方向に沿って夫々前記ベースが歯牙に付着される時に光硬化性ボンドのボンディング可否を確認するための一対の中空窓をさらに含むことも可能である。
【0031】
前記歯列校正用ブラケットはベースの下部面とスロットとが平行する無プリスクリプション構造から成ることも可能である。
前記ブラケット位置設定ジグは下段部に歯牙と接触する凹溝が形成されていて、本体の上部に長手方向に貫通孔を持つキャップと、一側に該キャップの貫通孔に着脱可能に挿入固定される固定突起を備えて、他側が本体の下段部に折り曲げられて歯列校正用ブラケットのスロットに結合される結合部を持つコネクタから構成される。
【0032】
前記歯列校正用ブラケットは無プリスクリプションタイプで、前記キャップに当該歯牙によるプリスクリプションが与えられる。
前記ブラケット位置設定ジグのキャップは結合される歯牙の形状により凹溝の形状が決定されるようにコンピューター・プログラム上でブラケット位置設定ジグに各患者に最も適合した個別プリスクリプション値を適用して設計された後、製作が行なわれるから、歯列校正用ブラケットは予め平均的なプリスクリプションが与えられたのも使用可能である。
【0033】
また、前記歯列校正システムは歯列校正用ワイアーが挿入され、ベース面と平行したスロットを持つ無スクリプションタイプの歯列校正用ブラケットと、該歯列校正用ブラケットが付着される歯牙の形状と位置によるプリスクリプションが与えられて歯列校正用ブラケットを前記歯牙の表面に付着させるためのブラケット位置設定ジグから構成されることができる。
【0034】
一方、前記ブラケット位置設定ジグを製造する方法は患者の歯牙の石膏模型を製作した後、歯牙のコンピュータモデリング用3次元(3D)スキャナーを利用した3次元スキャニングによって患者の歯牙に対する3D形状データを得る段階と、前記3D歯牙形状データを得た後、歯牙校正専用プログラムがローディングされているコンピュータシステム上で歯列校正治療のための歯列校正用ブラケットの歯牙セットアップを遂行する段階と、前記歯牙セットアップが完了した後、コンピュータシステムの保存装置に保存されているブラケット位置設定ジグのイメージデータを読み込んでブラケット位置設定ジグの結合部を歯列校正用ブラケットのスロットに結合させてキャップの下段部を歯牙に結合させる段階と、前記歯牙から歯牙セットアップとブラケットセットアップがすべて反映された夫々のブラケット位置設定ジグのデジタル形状データを分離させる段階と、前記ブラケット位置設定ジグのデジタル形状データを利用してラピッドプロトタイピング(RP)マシンによってキャップ部分のみを樹脂で成形する段階と、前記成形されたキャップに予め製作されたコネクタの固定突起をキャップの貫通孔に結合させる段階から構成されることを特徴とする。
【0035】
前記歯列校正治療のための歯列校正用ブラケットの歯牙セットアップを遂行する段階は、前記歯牙校正専用プログラムがローディングされているコンピュータシステム上で3D歯牙形状データを読み込む段階と、前記専用プログラムで夫々の歯牙に歯列校正用ブラケットを付着して歯列校正用ブラケットのスロットに校正ワイアーを通過させて結合させる段階と、手動で夫々の歯牙を所望する校正位置に移動させるか、または自動校正機能を通じて歯牙が均一な歯列状態を成すように再配列する段階から構成されることができる。
【0036】
この場合、前記ブラケット位置設定ジグの結合部を歯列校正用ブラケットのスロットに結合させてキャップの下段部を歯牙に結合させる場合、歯牙の形状データは不変で、キャップ部分は歯牙と結合されながら歯牙と重複される部分が除去される方式で結合が行なわれ、前記ブラケット位置設定ジグのデジタル形状データを分離する場合、前記分離されたブラケット位置設定ジグのキャップには底面に患者の歯跡が形成されるようになる。
【0037】
本発明においては、一般のブラケットが持っている平均値「プリスクリプション(prescription)」値の代わりにコンピューター・プログラム上でブラケット位置設定ジグに各患者に最も適合した個別プリスクリプション値を適用することによって良い治療結果を予測できるようにする。
【発明の効果】
【0038】
前記したように本発明の歯列校正システムではコンピューター・プログラム上でブラケット位置設定ジグに各患者に最も適合した個別プリスクリプション値を付与してジグを製作することによってプリスクリプション値が与えられた歯列校正用ブラケットだけでなく無プリスクリプションブラケットも使用可能で、その結果、無プリスクリプション方式で製作されたブラケットは小型であり、かつ構造がとても簡単で、口腔内に長時間着用する時、異物感を最小化して患者が安らかになる。
【0039】
また、本発明の歯列校正システムではコンピューター・プログラム上で歯牙校正のための歯牙セットアップが行なわれた後、予め設計された値を利用してジグを製作し、このジグを利用して患者に装着するから、歯牙の表面に対するブラケットの位置設定施術を容易で、かつ正確に行なうことができる。また、歯牙校正のための歯牙セットアップ時に校正ワイアーの折り曲げ成形データを利用してブラケットを歯牙に付着した後、歯列校正のための校正ワイアーの折り曲げ施術時にこれを反映することができる。
【0040】
また、無プリスクリプションブラケットは構造がとても簡単で、長時間口腔内に装着する時に発生する食べ物と分泌物による清潔問題が一層簡単に解決され、従来の製品に比べて価格が1/10以下に安くて製品競争力がある。
【0041】
本発明ではコンピュータで設計された値をそのままジグを利用して患者に装着するから、歯列校正専門医師でなく一般の歯医者も歯牙の表面に対するブラケットの位置設定施術を迅速で、かつ簡単に行なうことができる。また、このようにブラケットの施術が簡単に行なわれるから、施術時間が大きく短縮される。
【0042】
本発明のジグは歯牙に分離可能に結合されるキャップと下段部にブラケットが結合されるコネクタが容易に分離する分割型構造を持っていて、ブラケットの大きさが小型で、かつ構造が単純で、歯牙の舌側または唇側に施術することがすべて可能である。
【0043】
また、本発明では歯牙に触れるキャップ部分が分離されし自由に調節することができるから、安定的で正確なブラケット装着のための最大の接触面積を具現することができて、ジグの下段部がブラケットの溝(スロット)に着脱可能に結合されるから、ブラケットと歯牙が成す関係を正確に再現することができて、歯列校正過程が迅速で、かつ正確である。
【0044】
さらに、本発明ではジグを無くした場合、コンピュータ内に保存されているデータを利用して必要な部分のジグのみを再製作することができて、CAD/CAMを利用してジグのキャップが設計されて製作されるから、製品の品質が一定で優秀であり、大量生産ができるから、価格が安いという効果がある。
【0045】
また、ジグはキャップとコネクタの二部分に分かれていて、歯牙に触れるキャップ部分のみを廃棄してコネクタの部分はリサイクルが可能で、使用者の負担を減らすことができて、医師はキャップ部分を歯牙に接触させた状態で単に光硬化性接着剤にレーザーを走査して硬化させることによってブラケットの位置設定と固定が完了するから、施術時間が従来に比べて大きく短縮されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1a】一般的な歯列校正用ブラケットを示した図である。
【図1b】従来技術による歯列校正用ブラケットのジグを示した図である。
【図2】本発明による歯列校正用ブラケット位置設定ジグを示した斜視図である。
【図3】図21のキャップとコネクタが分離された状態を示す分離斜視図である。
【図4a】本発明の第1実施形態による歯列校正用ブラケットの斜視図である。
【図4b】図4aのX−X’線に沿って切った歯列校正用ブラケットの平断面図である。
【図4c】本発明による歯列校正用ブラケットの平断面図である。
【図5】歯牙校正専用プログラム上で読み込んだ患者の歯牙に対する3D形状データである。
【図6】3D歯牙形状データを得た後、歯牙校正専用プログラムを利用して歯列校正治療のための歯牙セッティングを遂行する過程を説明するための説明図である。
【図7】歯牙セッティングが完了した後、歯牙校正専用プログラムを利用してブラケット付着のためのブラケット位置設定ジグをブラケットに結合させた状態を示した説明である。
【図8】歯牙校正専用プログラムでブーリアン(boolean)機能を利用して夫々のブラケット位置設定ジグを分離した状態を示した図である。
【図9】図8から得られたブラケット位置設定ジグのキャップ部分に対する形状データを使ってRPマシンで樹脂を利用して製作した後、既製作されたコネクタを結合させた状態を示した斜視図である。
【図10】本発明により製作されたブラケット位置設定ジグに歯列校正用ブラケットを結合して歯牙の表面にブラケットを自動位置設定させる過程を説明するための断面図である。
【図11】本発明によるブラケット位置設定ジグを歯牙から分離させる過程を段階的に示した図である。
【図12】本発明によるブラケット位置設定ジグを歯牙から分離させる過程を段階的に示した図である。
【図13】本発明の第2実施形態による歯列校正用ブラケットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、添付された図面を参照して本発明による歯列校正システム及びその製造方法について説明する。
図2は本発明による歯列校正用ブラケット位置設定ジグを示した斜視図で、図3は図2のキャップとコネクタが分離された状態を示す分離斜視図である。
【0048】
図2及び図3に図示されたように、本発明による歯列校正用ブラケットのジグ100は、下段部が歯牙の上部面に接触して結合され、本体の上部内周面に長手方向に貫通孔102を持つほとんど四角のボックス形状から成り、上面の中央端部に設置されて分離機具(図示せず)の一端がかかるようにする三角形状の突出部106を持つキャップ104と、該キャップ104の貫通孔102に着脱可能に挿入固定される固定突起108を一側に備えて、本体から下方向に折り曲げられて延長された下段部に歯列校正用ブラケット(図示せず)が結合されるように内側及び外側方向に延長された結合部110を持つ「L」形状で折り曲げられたコネクタ112から構成されている。
【0049】
前記貫通孔102は固定突起108が結合される入口から出口に至るほど幅が小さくなる先細な(taper)形状を持ち、前記コネクタ112の固定突起108は貫通孔102の内周面構造と対応するように先端部に至るほど幅が狭くなる先細な形状を持つことが好ましい。この場合、前記貫通孔102と固定突起108は夫々四角形状のものが図示されているが、断面形状が円形などの他の形状を成すことも可能である。前記貫通孔102に固定突起108が圧入結合される構造であれば、どの結合構造も使用可能である。前記固定突起108は貫通孔102の長さより若干長く形成することが好ましい。
【0050】
前記突出部106はキャップ104に一体で形成され、後述するようにジグ100を利用してブラケットを患者の歯牙に固定させた後、ジグを除去する時、ピンセットのような道具を利用してキャップ104の一側から突出して結合されたコネクタ112の固定突起108を押すことによってコネクタ112をキャップ104から分離する時に突出部106は支える突条の役割をするようになる。したがって、前記突出部106の形状はこのような支持突条の役割をする構造ならば、どんな形状を持つものも可能である。
【0051】
前記コネクタ112は固定突起108の後段に固定突起108が貫通孔102に結合される時、ストッパー役割をするための一対の翼114a、114bを備えている。
図4aは本発明の第1実施形態による歯列校正用ブラケットの斜視図で、図4bは図4aのX-X’線に沿って切った歯列校正用ブラケットの断面図で、図4cは歯列校正用ブラケットの平断面図である。
【0052】
図4a〜図4cに図示されたように、本発明の第1実施形態による歯列校正用ブラケット200は下部面が歯牙(図示せず)に付着されるベース220と、長手方向に上面の中央にブラケット位置設定ジグ100の結合部110または歯列校正用ワイアー(図示せず)が挿入されるスロット210を形成するように前記ベース220の両側端部から垂直に延長された第1及び第2垂直部225a、225bと、これら第1及び第2垂直部の中央から分枝されて下方向に湾曲された第1〜第4フック(hook)230から構成されている。
【0053】
前記第1〜第4フック230は歯牙の表面に付着された状態で弾性バンドなどをかけて歯牙に特定の方向に力を加えるように誘導する時に使われる。
前記第1〜第4フック230の間の中央に形成される空間は前記ベース220が歯牙に付着される時、光硬化性ボンドのボンディング可否を確認する中空窓240の役割を遂行する。
【0054】
前記ベース220の下部面とスロット210とは平行するようになっていて、前記ベース220とスロット210の間にはどんなプリスクリプションも与えられない。
前記第1実施形態のブラケット200は例えば、医療用ステンレス製で製作され、ジグにプリスクリプションが与えられるから、ブラケットにはどんなプリスクリプションも与えられる必要がなく、形状が非常に単純で簡単で、小型で製作することができる。
【0055】
以下、前記のように構成された本発明による歯列校正用ブラケットと、これを利用したブラケット位置設定ジグの設計シミュレーション及び実際の施過程について図5〜図12を参考して説明する。
本発明の歯列校正システムにおいては、歯牙セットアップ用専用プログラム上でブラケット位置設定ジグに各患者に最も適合した個別プリスクリプション値を付与してジグを製作することによって、プリスクリプション値が与えられた図1aの歯列校正用ブラケットだけでなく図4aの無プリスクリプションブラケットのうち何れかのものも使用可能である。
【0056】
下記の実施形態の説明で図6及び図7には無プリスクリプションブラケット200が適用され、図10〜図12には所定のプリスクリプションが付与されたブラケット10を使って説明する。
まず、歯科で患者の歯牙の石膏模型を製作した後、歯牙コンピュータモデリング用三次元スキャニングシステム(図示せず)を利用して3次元(3D)スキャニングすることによって、歯牙に対する3次元(3D)形状データを図5のように抽出する。図5は歯牙校正専用プログラム上で読み込んだ患者の歯牙に対する3D形状データを示す。
【0057】
その後、医師は前記得られた歯牙形状データ、すなわち3D歯牙CADデータを用いて歯列校正治療後の結果を予め予測できる歯牙セットアップ用専用プログラムを使ってコンピュータシステム上でブラケットの位置をセットアップすることができる。前記専用プログラムを利用すれば、歯牙校正のための診断/治療結果の予測/治療装置の設計が可能である。
図6は3D歯牙形状データを得た後、歯牙校正専用プログラムを利用して歯列校正治療のための歯牙セットアップを遂行する過程を説明するための説明図である。
【0058】
医師は前記専用プログラム上で歯牙セッティングのために3D歯牙CADデータを読み込む。前記読み込まれた3D歯牙CADデータは各歯牙(A)を一つずつ移動させることのできるデータである。その後、前記専用プログラムで夫々の歯牙(A)にブラケット200を付着して該ブラケット200のスロットに校正ワイアー11を通過させて結合させれば、図6のように手動で夫々の歯牙を所望する校正位置に移動させるか、または自動校正機能を通じて歯牙が均一な歯列状態を成すように再配列することができる。このような歯牙校正のための歯牙セットアップが行なわれると、これによって校正ワイアー11には折り曲げ成形13が行なわれ、このようなデータ資料は後ほどブラケットを歯牙に付着した後、歯列校正のための施術時に反映する。
【0059】
図7は歯牙セットアップが完了した後、歯牙校正専用プログラムを利用してブラケット付着のためのブラケット位置設定ジグをブラケットに結合させた状態を示した説明図である。
【0060】
前記のように歯牙セットアップが完了すれば、その後図6のように、夫々のブラケット200ごとに予め製作されて保存装置に記憶されているブラケット位置設定ジグ100のイメージデータを呼び出してジグの結合部110をブラケット200のスロット210に結合させる。この場合、前記ブラケット位置設定ジグ100のキャップ104部分は歯牙(A)と結合されながら歯牙(A)の形状データは不変で、キャップ104部分は歯牙(A)と重複する部分が除去される方式で結合が行なわれるようになる。
【0061】
その結果、前記ブラケット位置設定ジグ100の歯牙(A)に結合されるキャップ104部分の下段部の形状は歯牙の上段部の形状とブラケット200の付着位置によって互いに異なる形状を持つようになる。
図8は歯牙校正専用プログラムでブーリアン(boolean)機能を利用して夫々のブラケット位置設定ジグを分離した状態を示した図面である。
【0062】
前記歯牙校正専用プログラムを利用してブラケット位置設定ジグをブラケットに結合させた状態で前記ブラケット位置設定ジグ100の形状データを得るためにブーリアン(boolean)機能を利用し、図8のように夫々のブラケット位置設定ジグを分離する。前記分離されたブラケット位置設定ジグ100のキャップ104には底面に患者の歯跡(B)が形成されている。その結果、患者オーダーメード型ブラケット位置設定ジグ100の形状データが得られる。
【0063】
前記図8に図示されたブラケット位置設定ジグ100の最終データは歯牙セットアップとブラケットセットアップがすべて反映されたデジタル形状データである。前記ブラケット位置設定ジグ100の最終デジタル形状データは、その後、ラピッドプロトタイピング(RP:Rapid Prototyping)マシンを備えた技工所や製作所などに伝送されてRPマシンによって透明な樹脂でブラケット位置設定ジグ100のキャップ104のみを製作する。本発明においては、前記デジタル形状データはCAM作業が可能であるようにCADファイルに変換が行なわれた後RPマシンに供給される。
【0064】
本発明においては、ブラケット位置設定ジグのキャップ104部分に歯列校正のために必要なプリスクリプションがすべて反映されているから、前記キャップ104と結合されるコネクタ112とコネクタ112と結合されるブラケット200は患者または歯牙によってその形状が変わらなくても良い。その結果、本発明においては、前記コネクタ112とブラケット200は予め大量生産によって製造することが可能で、製造原価を下げることができて、かつ、各部品は洗浄した後、再使用が可能で、使用者が歯列校正施術に必要な費用負担を大きく下げることができる。前記コネクタ112は歯牙の大きさによって前歯部、小歯部及び臼歯部の三つの大きさで製作される。
【0065】
その後、前記ジグ100のキャップ104とコネクタ112とを結合すれば、図9に図示されたように得られる。
その後、前記ジグ100の結合部110を歯列校正用ブラケット10のスロットに結合した後、図10に図示されたように、前記ジグ100のキャップ104を歯牙(A)の上部に安着させれば、前記歯列校正用ブラケット10のベース12は歯牙の表面に予め決めた位置に設定される。
【0066】
その後、前記ベース12の底面に予め付着されている光硬化性ボンド116をレーザーで硬化させてブラケット10を歯牙(A)に固定させる。
前記硬化処理が完了すれば、前記キャップ104の貫通孔102から突出されたコネクタ112の固定突起108を分離道具を用いて加圧する。これによって前記キャップ104の貫通孔102から固定突起108が押し出されると同時に、図11に図示されたように、前記キャップ104とブラケット10からコネクタ112が分離される。
【0067】
その後、前記ジグ100のキャップ104を図12に図示されたように歯牙(A)から分離する。
次いで、前記ブラケット10のスロット18で校正ワイアー(図示せず)を挿入し、図6のように前記校正ワイアーを折り曲げ成形して歯列校正のためのブラケット10に所望する方向への変位を誘導する。
【0068】
前記したように、本発明においては、プリスクリプションが付与されたどんな種類のブラケットでもブラケット位置設定ジグとともに使用することができる。さらに、本発明においては、ブラケット位置設定ジグにプリスクリプションが付与されるから、ブラケットでこのようなプリスクリプションのないタイプの製品を適用することが可能である。
【0069】
また、前記実施形態の説明においては、図6及び図7には無プリスクリプションブラケット200が適用され、図10〜図12には所定のプリスクリプションが付与されたブラケット10が適用されたのが図示されたが、前記専用プログラム上でブラケット位置設定ジグ100にプリスクリプションを付与する時に使われたブラケットモデルを実際に歯牙に付着する時にも同一なものを使わなければならないだろう。
【0070】
図13には本発明の好ましい第2実施形態による歯列校正用ブラケットの斜視図が図示されている。前記ブラケット300は第1実施形態の構造と似ているが、下部面が歯牙(図示せず)に付着されるベース320と、長手方向に上面の中央にブラケット位置設定ジグ100の結合部110または歯列校正用ワイアー(図示せず)が挿入されるスロット310を形成するように前記ベース320の両側端部から垂直に延長された第1及び第2垂直部と325a、325bと、夫々これら第1及び第2垂直部の上段隅から下方向に湾曲するように延長された第1〜第4フック(hook)331〜334と、両側上段に長手方向に沿って夫々前記ベース320が歯牙に付着される時、光硬化性ボンドのボンディング可否を確認するための一対の中空窓340a、340bを含んでいる。
【0071】
前記第1〜第4フック331〜334は歯牙の表面に付着した状態で弾性バンドなどをかけて歯牙に特定方向に力を加えるように誘導する時に使われる。
前記ベース320の下部面とスロット310とは平行するように成り、前記ベース320とスロット310の間にはどんなプリスクリプションも与えられない。
【0072】
前記第2実施形態のブラケット300は医療用ステンレス製で製作され、ジグにプリスクリプションが与えられるから、ブラケットにはどんなプリスクリプションも与えられる必要がなくて形状が非常に単純で簡単で、かつ、小型で製作することができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
前記したように歯列校正用ブラケットとブラケット位置設定ジグから構成される歯列校正システムは歯列校正に適用され、安い費用で短時間内に施術を行なうことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部面が歯牙に付着されるベースと、
長手方向に上面の中央にブラケット位置設定ジグの結合部または歯列校正用ワイアーが挿入されるスロットを形成するように前記ベースの両側端部から垂直に延長された第1及び第2垂直部と、
それら第1及び第2垂直部の中央から分枝されて下方向に湾曲された第1〜第4フックから構成されることを特徴とする歯列校正用ブラケット。
【請求項2】
前記ベースの下部面とスロットとは平行するように成ることを特徴とする請求項1に記載の歯列校正用ブラケット。
【請求項3】
前記ベースとスロットの間にはプリスクリプションが与えられないことを特徴とする請求項1に記載の歯列校正用ブラケット。
【請求項4】
下部面が歯牙に付着されるベースと、
長手方向に上面の中央にブラケット位置設定ジグの結合部または歯列校正用ワイアーが挿入されるスロットを形成するように前記ベースの両側端部から垂直に延長された第1及び第2垂直部と、
夫々前記第1及び第2垂直部の上段隅から下方向に湾曲するように延長された第1〜第4フックから構成されることを特徴とする歯列校正用ブラケット。
【請求項5】
前記第1及び第2垂直部の両側上段に長手方向に沿って夫々前記ベースが歯牙に付着する時、光硬化性ボンドのボンディング可否を確認するための一対の中空窓をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の歯列校正用ブラケット。
【請求項6】
前記ベースの下部面とスロットとは平行するように成ることを特徴とする請求項4に記載の歯列校正用ブラケット。
【請求項7】
前記ベースとスロットの間にはプリスクリプションが与えられないことを特徴とする請求項4に記載の歯列校正用ブラケット。
【請求項8】
下段部に歯牙と接触する凹溝が形成されていて、本体の上部に長手方向に貫通孔を持つキャップと、
一側に前記キャップの貫通孔に着脱可能に挿入固定される固定突起を備えて、他側が本体の下段部に折り曲げられて歯列校正用ブラケットのスロットに結合される結合部を持つコネクタから構成されることを特徴とする歯列校正用ブラケット位置設定ジグ。
【請求項9】
前記歯列校正用ブラケットは無プリスクリプションタイプで、前記キャップに当該歯牙によるプリスクリプションが与えられることを特徴とする請求項8に記載の歯列校正用ブラケット位置設定ジグ。
【請求項10】
前記ブラケット位置設定ジグのキャップは結合される歯牙の形状によって凹溝の形状が決定されることを特徴とする請求項8に記載の歯列校正用ブラケット位置設定ジグ。
【請求項11】
前記歯列校正用ブラケットは予め平均的なプリスクリプションが与えられたものを使うことを特徴とする請求項8に記載の歯列校正用ブラケット位置設定ジグ。
【請求項12】
前記貫通孔と固定突起は入口から出口方向へ先細な(tapered)形状を持つことを特徴とする請求項8に記載の歯列校正用ブラケット位置設定ジグ。
【請求項13】
前記固定突起の長さは貫通孔の長さよりもっと長く設定されることを特徴とする請求項8に記載の歯列校正用ブラケット位置設定ジグ。
【請求項14】
前記固定突起の後段に形成されて固定突起が貫通孔に結合される長さを制限するためのストッパーをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の歯列校正用ブラケット位置設定ジグ。
【請求項15】
前記キャップの上部面に突出され、コネクタをキャップから分離する時に支える支持突条の役割をする突出部をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の歯列校正用ブラケット位置設定ジグ。
【請求項16】
ブラケット位置設定ジグの結合部または歯列校正用ワイアーが挿入されるスロットを含む歯列校正用ブラケットと、
該歯列校正用ブラケットを歯牙の表面に付着させるためのブラケット位置設定ジグから構成されて、
前記歯列校正用ブラケット位置設定ジグは下段部に歯牙と接触する凹溝が形成されていて、本体の上部に長手方向に貫通孔を持つキャップと、一側に該キャップの貫通孔に着脱可能に挿入固定される固定突起を備えて、他側が本体の下段部に折り曲げられて前記歯列校正用ブラケットのスロットに結合される結合部を持つコネクタから構成されることを特徴とする歯列校正システム。
【請求項17】
前記歯列校正用ブラケットは無プリスクリプションタイプであることを特徴とする請求項16に記載の歯列校正システム。
【請求項18】
前記歯列校正用ブラケットは下部面が歯牙に付着されるベースと、長手方向に上面の中央にブラケット位置設定ジグの結合部または歯列校正用ワイアーが挿入されるスロットを形成するように前記ベースの両側端部から垂直に延長された第1及び第2垂直部と、これら第1及び第2垂直部の中央から分枝されて下方向に湾曲された第1〜第4フックから構成されることを特徴とする請求項17に記載の歯列校正システム。
【請求項19】
前記歯列校正用ブラケットは下部面が歯牙に付着されるベースと、長手方向に上面の中央にブラケット位置設定ジグの結合部または歯列校正用ワイアーが挿入されるスロットを形成するように前記ベースの両側端部から垂直に延長された第1及び第2垂直部と、夫々前記第1及び第2垂直部の上段隅から下方向に湾曲するように延長された第1〜第4フックから構成されることを特徴とする請求項17に記載の歯列校正システム。
【請求項20】
前記歯列校正用ブラケットのベースと第1及び第2スロットの間にはプリスクリプションが与えられることを特徴とする請求項16に記載の歯列校正システム。
【請求項21】
歯列校正用ワイアーが挿入されて、ベース面と平行したスロットを持つ無スクリプションタイプの歯列校正用ブラケットと、
前記歯列校正用ブラケットが付着される歯牙の形状と位置によるプリスクリプションが与えられて歯列校正用ブラケットを前記歯牙の表面に付着させるためのブラケット位置設定ジグから構成されることを特徴とする歯列校正システム。
【請求項22】
前記ブラケット位置設定ジグは、
下段部に歯列校正用ブラケットが付着される歯牙の歯列校正に必要なプリスクリプションがすべて反映されて先端部に歯牙と接触する凹溝が形成されているキャップと、
一端部が前記キャップに着脱可能に結合されて他端に前記歯列校正用ブラケットのスロットに結合される結合部を持つコネクタから構成されることを特徴とする請求項21に記載の歯列校正システム。
【請求項23】
下段部に歯牙と接触する凹溝が形成されて本体の上部に長手方向に貫通孔を持つキャップと、該キャップの貫通孔に一側に延長された固定突起が着脱可能に結合され、他側が本体の下段部に折り曲げられて形成された結合部に歯列校正用ブラケットのスロットが結合されるコネクタを含む歯列校正用ブラケット位置設定ジグの製造方法において、
患者の歯牙石膏の模型を製作した後、歯牙コンピュータモデリング用3次元(3D)スキャナーを利用した3次元スキャニングによって患者の歯牙に対する3D形状データを得る段階と、
前記3D歯牙形状データを得た後、歯牙校正専用プログラムがローディングされているコンピュータシステム上で歯列校正治療のための歯列校正用ブラケットの歯牙セットアップを遂行する段階と、
前記歯牙セットアップが完了した後、コンピュータシステムの保存装置に保存されているブラケット位置設定ジグのイメージデータを読み込んで、ブラケット位置設定ジグの結合部を歯列校正用ブラケットのスロットに結合させてキャップの下段部を歯牙に結合させる段階と、
前記歯牙から歯牙セットアップとブラケットセットアップがすべて反映された夫々のブラケット位置設定ジグのデジタル形状データを分離させる段階と、
前記ブラケット位置設定ジグのデジタル形状データを利用してラピッドプロトタイピング(RP)マシンによってキャップ部分のみを樹脂で成形する段階と、
前記成形されたキャップに予め製作されたコネクタの固定突起をキャップの貫通孔に結合させる段階から構成されることを特徴とする歯列校正用ブラケット位置設定ジグの製造方法。
【請求項24】
前記歯列校正治療のための歯列校正用ブラケットの歯牙セットアップを遂行する段階は、 前記歯牙校正専用プログラムがローディングされているコンピュータシステム上で3D歯牙形状データを読み込む段階と、
前記専用プログラムで夫々の歯牙に歯列校正用ブラケットを付着して歯列校正用ブラケットのスロットに校正ワイアーを通過させて結合させる段階と、
手動で夫々の歯牙を所望する校正位置に移動させるか、または自動校正機能を通じて歯牙が均一な歯列状態を成すように再配列する段階から構成されることを特徴とする請求項23に記載のブラケット位置設定ジグの製造方法。
【請求項25】
前記ブラケット位置設定ジグの結合部を歯列校正用ブラケットのスロットに結合させてキャップの下段部を歯牙に結合させる場合、歯牙の形状データは不変で、キャップ部分は歯牙と結合されながら歯牙と重複される部分が除去される方式で結合が行われ、
前記ブラケット位置設定ジグのデジタル形状データを分離する場合、前記分離されたブラケット位置設定ジグのキャップには底面に患者の歯跡が形成されていることを特徴とする請求項23に記載のブラケット位置設定ジグの製造方法。
【請求項26】
前記コネクタは歯牙の大きさにより前歯部、小歯部及び臼歯部に分類して夫々予め同一の大きさに製作されることを特徴とする 請求項23に記載のブラケット位置設定ジグの製造方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−139515(P2012−139515A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−48954(P2012−48954)
【出願日】平成24年3月6日(2012.3.6)
【分割の表示】特願2009−509418(P2009−509418)の分割
【原出願日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(508328785)オラピックス・カンパニー, リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】ORAPIX CO., LTD.
【Fターム(参考)】