歯列矯正用ブラケット
【課題】本発明は、審美性に優れ、複雑な形状に成形した場合であってもアーチワイヤーをブラケット本体に結紮する際、ウィング部などの破損がなく、機械的な強度を有する歯列矯正用ブラケットを提供することを課題とする。
【解決手段】基部上に少なくとも二対の対向するウィングを形成することにより対向するウィング側壁の間にアーチワイヤーを遊嵌させるスロットを構成した歯列矯正用ブラケットであって、スロットを挟んで対向するウィング側壁の中間部から互いのウィング側壁が漸次離間するようにテーパーを形成したことを特徴とする歯列矯正用ブラケットとした。
【解決手段】基部上に少なくとも二対の対向するウィングを形成することにより対向するウィング側壁の間にアーチワイヤーを遊嵌させるスロットを構成した歯列矯正用ブラケットであって、スロットを挟んで対向するウィング側壁の中間部から互いのウィング側壁が漸次離間するようにテーパーを形成したことを特徴とする歯列矯正用ブラケットとした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯牙の表面に装着され、所定の歯牙間に掛け渡しした歯列矯正用のアーチワイヤーを保持するための歯列矯正用ブラケットに関し、さらに詳しくは、十分な耐久力を有する機械的強度の高い歯列矯正用ブラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、歯列矯正用器具の主要部分である歯列矯正用ブラケットとしては、金属製、プラスチック製、セラミックス製など種々の材料が使用されている。特に近年、歯列矯正用ブラケットにおいて、矯正に必要とされる基本的な性能だけでなく、なお一層の審美性が要求されてきている。
【0003】
金属製の歯列矯正用ブラケットは、矯正治療に必要とされる機械的な強度は高いが、金属色により審美性にかける欠点がある。
【0004】
プラスチック製の歯列矯正用ブラケットは、成形性が良く、使用開始時には審美が優れるものの機械的強度に問題があり、歯科医師によるワイヤー締結施術の際に割れや欠けを生ずるなどの問題を有しているほか、口腔内での長時間の使用による材料の劣化などにより、徐々に機械的な強度が低減されていき、噛合時に割れや欠けを生ずるなどの問題を有していた。その対策として、樹脂材に金属骨格を配置して破損を防止したり、強度を持たせる第一の合成樹脂を骨組みにしてまわりを第2の合成樹脂で構成した複合樹脂を採用したりするなどして問題を解決するなど、材質的な工夫をした提案がなされている。(特許文献1参照)
また、プラスチック製の歯列矯正用ブラケットは、口腔内での長時間の使用による材料の劣化や変色などにより、徐々にその審美性が失われるといった問題も有しており、表面の材質面にも制約がある。
【0005】
セラミックス製の歯列矯正用ブラケットは、硬い材料であるにもかかわらず、複雑な形状にも成形でき、矯正治療に必要とされる複雑な形状にも対応できるほか、審美性に優れ、口腔内での長時間の使用による材料の劣化や変色などもなく、安定的に使用できることから近年多く採用されるようになってきている。
【0006】
しかしながら、セラミックス製の歯列矯正用ブラケットは、材質的にとても硬い半面、一定以上の力をかけたときに破損する、いわゆる脆さの問題がある。そのため、張り出したウィングを設けた複雑な形状にした場合などにおいて、特に大きな力が生ずる角形アーチワイヤーを装着してトルクを加えた際に割れや欠けが生じたり、リガチャーワイヤーを用いてアーチワイヤーをブラケット本体に結紮する際に、リガチャーワイヤーを引っ掛けるウィング部近辺が破損してしまったりすることがあり、問題となっていた。
【0007】
このように、従来の歯列矯正用ブラケットは、審美性と機械的な強度を両立することが十分にできていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−29362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、審美性に優れ、複雑な形状に成形した場合であっても、リガチャーワイヤーを用いてアーチワイヤーをブラケット本体に結紮する際にリガチャーワイヤーを引っ掛けるウィング部近辺が破損してしまうことが少なく、機械的な強度を有する歯列矯正用ブラケットを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、歯列矯正用ブラケットのスロットを挟んで対向するウィング側壁の中間部から互いのウィング側壁が漸次離間するようにテーパーを形成したことなどにより上記課題を解決し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
「1.基部上に少なくとも二対の対向するウィングを形成することにより対向するウィング側壁の間にアーチワイヤーを遊嵌させるスロットを構成した歯列矯正用ブラケットであって、スロットを挟んで対向するウィング側壁の中間部から互いのウィング側壁が漸次離間するようにテーパーを形成したことを特徴とする歯列矯正用ブラケット。
2.スロットに並行して設けられた複数のウィングの間に基部より起立して該ウィングを連結する補強壁を設けたことを特徴とする第1項に記載の歯列矯正用ブラケット。
3.ウィング側壁の中間部ならびに補強壁の中間部から各々スロットを挟んで対向する各側壁面が漸次離間するようにテーパーを形成したことを特徴とする第2項に記載の歯列矯正用ブラケット。
4.テーパー角が5〜30°であることを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか一項に記載の歯列矯正用ブラケット。
5.セラミックス素材で一体成形されたことを特徴とする第1項ないし第4項のいずれか一項に記載の歯列矯正用ブラケット。」に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、審美性に優れ、かつ矯正治療に必要とされる機械的な強度の高い歯列矯正用ブラケットを得ることができる。さらに詳しくは、歯牙の表面に装着され、所定の歯牙間に掛け渡しした歯列矯正用のアーチワイヤーを歯科治療学的に効率よく保持するための複雑な形状の歯列矯正用ブラケットを成形でき、特に大きな力が生ずる角形アーチワイヤーを装着してトルクを加えた際や、リガチャーワイヤーを用いてアーチワイヤーをブラケット本体に結紮する際にも割れや欠けが生じたりせず、十分な耐久力を有する機械的強度の高い歯列矯正用ブラケットを得ることができるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の歯列矯正用ブラケットの一例を模式的に表した斜視図
【図2】本発明の歯列矯正用ブラケットにアーチワイヤーを通した使用例を模式的に表した斜視図
【図3】本発明の別の歯列矯正用ブラケットの一例を模式的に表した斜視図
【図4】本発明の別の歯列矯正用ブラケットにアーチワイヤーを通した使用例を模式的に表した斜視図
【図5】本発明の歯列矯正用ブラケットの一例を模式的に表した平面図と側面図
【図6】本発明の別の歯列矯正用ブラケットの一例でラウンドしたテーパー部を有する歯列矯正用ブラケットを模式的に表した平面図と側面図
【図7】本発明の歯列矯正用ブラケットに角アーチワイヤーを通した使用例を模式的に表した平面図と側面図
【図8】本発明の歯列矯正用ブラケットに丸アーチワイヤーを通した使用例を模式的に表した平面図と側面図
【図9】本発明の別の歯列矯正用ブラケットの一例で補強壁を高く構成した歯列矯正用ブラケットを模式的に表した斜視図と平面図
【図10】本発明の歯列矯正用ブラケットを歯牙に装着した際の使用例を模式的に表した図
【図11】従来の歯列矯正用ブラケットの一例を模式的に表した斜視図と平面図
【図12】従来の別の歯列矯正用ブラケットの一例を模式的に表した斜視図と平面図
【図13】本発明の別の歯列矯正用ブラケットの一例を模式的に表した斜視図
【図14】本発明の別の歯列矯正用ブラケットにアーチワイヤーを通した使用例を模式的に表した斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の歯列矯正用ブラケットは、基部上に少なくとも二対の対向するウィングを形成することにより対向するウィング側壁の間にアーチワイヤーを遊嵌させるスロットを構成した歯列矯正用ブラケットであって、スロットを挟んで対向するウィング側壁の中間部から互いのウィング側壁が漸次離間するようにテーパーを形成したことを特徴とする。
該構成により割れや欠けがなく、十分な耐久力を有する機械的強度の高い歯列矯正用ブラケットを得ることができる。
【0014】
ブラケットの破損の問題は、一般的に矯正初期に用いられる細い丸ワイヤーを装着する場合に比べると太い角ワイヤーを装着した場合に大きくなり、スロット幅一杯の幅でスロットから突出するぐらいの高さを有する角ワイヤーを用いた場合に最大となる。
角ワイヤーをねじる方向に力をかけた場合、ブラケットの端部(B)の一点に力が集中する傾向になりがちであるが、その作用点は角ワイヤーの一方の頭頂角部になり、該作用点が基部から離れれば離れるほど大きな力がブラケットにかかるので、破損する可能性が高くなる。そこで、本発明においては、上記構成とすることで、スロットの中間部からテーパー面を構成することが可能となり、ワイヤーにねじれ力がかかった場合にそれを受ける部分を基部近傍に下げることができる。
また、テーパー角度を角ワイヤー幅とスロット幅を鑑み適正設計することで、角ワイヤーが傾いた際にもワイヤー頭頂角部がブラケットに接しないよう逃がすことも可能となる。その場合は、起立壁とテーパー面との境界(A)がてこの原理における支点のような位置関係になり、本来、作用点にあたるワイヤーの頭頂角部(B)をブラケット壁面から逃がすことになり、破損を防止することができるのである。
【0015】
従来のものでは、図11に示したように大きな補強壁(起立壁)を設け、ウィング一体化して強度を出したものがあるが、ウィングが独立していないため結紮する際にブラケット全体でまとめて一つの結紮の形態しかとり得ないといったことや、補強壁(起立壁)が高い、すなわちスロットが深いことから、アーチワイヤーがスロットに埋まってしまう結果、アーチワイヤーを結紮ワイヤーでロックしたい場合であってもスロット開放側の片側しかロックできず、施術に制限を生ずるものであった。それに対して本発明のようにワイヤーからブラケット内側壁が受ける力の分散を講じることにより強度が増し、設計の自由度が増す結果、補強壁(起立壁)を低くすることが可能で、結紮方法のバリエーションが広がり良好な効果を奏する。
また、基部を厚くしスロットを浅く設計することで、強度を出しているものも見受けられるが、スロットが浅いので、ワイヤーの抜けが生じたり、十分な矯正力を与えることが困難で問題があるものもあった。
【0016】
本発明の歯列矯正用ブラケットにおいては、さらにスロットに並行して設けられた複数のウィングの間に基部より起立して該ウィングを連結する補強壁を設けてもよく、ウィング側壁の中間部ならびに補強壁の中間部から各々スロットを挟んで対向する各側壁面が漸次離間するようにテーパーを形成したことを特徴とする。該構成によりウィングの破損防止効果が増すなどの効果を奏する。
【0017】
本発明の歯列矯正用ブラケットにおいては、テーパー角が5〜30°であるとより好ましい。この範囲を下回るとスロット幅とワイヤー幅との遊びでワイヤーが傾き、ワイヤーがスロット壁に直接接してしまう確率が高くなるため破損防止効果が薄くなる傾向になる。一方、この範囲を上回るとがたつきが大きくなってしまい、ワイヤーの保持力や矯正力が十分でなくなる傾向になる。
【0018】
本発明の歯列矯正用ブラケットは、セラミックス素材で一体成形されたものであると、一体感が増し、強度が高くなるほか、製造面でもより簡易に安価に製造できるので好ましい。
【0019】
本発明の歯列矯正用ブラケットにおいて、ウィングを複数対設けた構成とすれば、リガチャーワイヤーで結紮する際などにより自由な位置で結紮することができるので、好ましい。
【0020】
以下、本発明の実施の例を図を用いて説明する。該図による説明は本発明を一例をもって説明するもので、これによって限定されるものではない。
本発明の歯列矯正用ブラケットは、図1〜図10に示されるような形態で構成される。その構造物は、ジルコニア粉末にバインダ、分散剤、離型剤、消泡剤を適量添加し、混練機により混練した材料をセラミックス射出成形法により生材を成形し、脱脂を行ったあと、大気中で高温焼成し、歯列矯正用ブラケットを得るという製法で製造できる。
【0021】
第1の実施の例
図1は、本発明の歯列矯正用ブラケットの一例を模式的に表した斜視図である。
その構成は図示したとおりであるが、基部(1)上に平行して設けた二対のウィング(2)を対向して形成してなり、該対向するウィング側壁(3)の間にアーチワイヤーを遊嵌させるスロット(4)を構成したものとなっており、スロット(4)を挟んで対向するウィング側壁(3)の中間部(A)から互いのウィング側壁(3)が漸次離間するようにテーパー(5)を形成してなる構成となっている。
図2は、図1の歯列矯正用ブラケットに角形のアーチワイヤーを通した使用例であるが、前記構成により、中間部(A)を境にテーパー(5)によりウィング側壁が漸次離間していることから角ワイヤーの頂部が直接ウィング側壁(5)に触れることなくワイヤーにかかる力を分散させることができるので、ブラケットの破損を防止することができる。
【0022】
第2の実施の例
図3は、本発明の別の歯列矯正用ブラケットの一例を模式的に表した斜視図である。
基部(1)上に平行して設けた二対のウィング(2)の間を連続的に一体に設けた補強壁(7)で補強した歯列矯正用ブラケットである。
該構成により、補強壁(7)によってつながれたウィング(2)の機械的強度を増加させることができる。さらに、該補強壁(7)は、ウィングの高さに比べ低く設定されているので、図4のようにアーチワイヤーをスロットに通した場合にそれぞれ独立したウィングとアーチワイヤーをリガチャーワイヤーで個別に結紮できるので、好ましい形態となる。
また、ウィング側壁(3)のテーパー(5)が始まる中間部(A)より補強壁(7)が高いが、ウィング側壁(3)のテーパー(5)が始まる中間部(A)と同じ高さの補強壁(7)の中間部から補強壁(7)にもテーパーを設けてあり、ワイヤーの力を受けることのない構成になっている。
【0023】
図5は、第2の実施の例のタイプの歯列矯正用ブラケットの一例を模式的に表した平面図と側面図である。
図6は、変形例で、ラウンドしたテーパー(5)を有する歯列矯正用ブラケットを模式的に表した平面図と側面図であり、テーパー(5)はワイヤーの力を分散させるようウィング側壁が漸次離間するよう構成されていれば特に制限なく形成することができる。
【0024】
図7は、第2の実施の例のタイプの歯列矯正用ブラケットに角アーチワイヤーを通した使用例を模式的に表した平面図と側面図であるが、角ワイヤーは比較的大きいのでワイヤーからブラケットに伝える力も大きくなり、ブラケット破損の原因になりやすい。図7の例では、角アーチワイヤー(6−1)がスロット幅一杯に装着されている。角ワイヤーが傾いて一方のウィング側壁に力が集中したとしても角ワイヤーとスロットとの隙間分しか角ワイヤーは傾けられないので、ウィング側壁(3)のテーパー(5)に接触することができず、ウィング側壁が保護されるのがわかる。
【0025】
図8は、丸アーチワイヤーを通した使用例であるが、丸ワイヤーであっても問題なく装着できることがわかる。この場合、ブラケットに与える力はさほど大きくないので、破損の危険は少ない。
【0026】
図9は、別の歯列矯正用ブラケットの一例で補強壁(7)を高く構成した歯列矯正用ブラケットを模式的に表した斜視図と平面図である。結紮方法に一部制限が出るものの補強効果が大きくなり、非常に力がかかる部位や時期などによって使い分けることで有効に使用することができる。
【0027】
本発明は、上述の構成のほか、図3において、歯列矯正用ブラケットのスロット(4)を形成する両側の部材、すなわち、ウィング側壁(3)の補強壁までの部分と補強壁(7)を一部材として捉え、該部材を起立壁(11)と考え、そこにウィング(12)が延設されたものとし、両側の該起立壁(11)の中間部(A)から互いの起立壁(11)が漸次離間するテーパー(13)を形成した構成とすることもできる。その場合であっても同様に、審美性に優れ、複雑な形状に成形した場合であってもアーチワイヤーをブラケット本体に結紮する際、ウィング部などの破損がなく、機械的な強度を有する歯列矯正用ブラケットを提供するという課題を解決することができる。その場合の構成は、以下のように表現することができる。
【0028】
基部(10)上に一対の起立壁(11)を形成することにより当該起立壁(11)の間にアーチワイヤー(6)を遊嵌させるスロット(4)を構成し、前記起立壁(11)の基部と反対側に該起立壁より突出するよう延設されたウィング(12)を設けた歯列矯正用ブラケットであって、スロット(4)を形成する両起立壁(11)に該起立壁(11)の中間部(A)から互いの起立壁(11)が漸次離間するテーパー(13)を形成したことを特徴とする歯列矯正用ブラケット。
【0029】
また、起立壁(11)に延設された前記ウィング(12)の側壁が起立壁(11)のテーパー(13)に準じて漸次離間するように形成されると好ましい。
【0030】
前記同様に、起立壁(11)のテーパー角が5〜30°であると好ましく、セラミックス素材で一体成形されたものであると好ましい。また、起立壁(11)にウィング(12)を複数対設けた構成をとりうる。
【0031】
このような構成によっても、審美性に優れ、かつ矯正治療に必要とされる機械的な強度の高い歯列矯正用ブラケットを得ることができるなど上記同様の効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、歯牙の表面に装着され、所定の歯牙間に掛け渡ししたアーチワイヤーを保持するための歯列矯正用ブラケットとして利用できる。
【符号の説明】
【0033】
1・・・基部
2・・・ウィング
3・・・ウィング側壁
4・・・スロット
5・・・テーパー
6・・・アーチワイヤー
6−1・・・角アーチワイヤー
6−2・・・丸アーチワイヤー
7・・・補強壁
8・・・歯列矯正用ブラケット
9・・・歯牙
10・・・基部
11・・・起立壁
12・・・ウィング
13・・・テーパー
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯牙の表面に装着され、所定の歯牙間に掛け渡しした歯列矯正用のアーチワイヤーを保持するための歯列矯正用ブラケットに関し、さらに詳しくは、十分な耐久力を有する機械的強度の高い歯列矯正用ブラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、歯列矯正用器具の主要部分である歯列矯正用ブラケットとしては、金属製、プラスチック製、セラミックス製など種々の材料が使用されている。特に近年、歯列矯正用ブラケットにおいて、矯正に必要とされる基本的な性能だけでなく、なお一層の審美性が要求されてきている。
【0003】
金属製の歯列矯正用ブラケットは、矯正治療に必要とされる機械的な強度は高いが、金属色により審美性にかける欠点がある。
【0004】
プラスチック製の歯列矯正用ブラケットは、成形性が良く、使用開始時には審美が優れるものの機械的強度に問題があり、歯科医師によるワイヤー締結施術の際に割れや欠けを生ずるなどの問題を有しているほか、口腔内での長時間の使用による材料の劣化などにより、徐々に機械的な強度が低減されていき、噛合時に割れや欠けを生ずるなどの問題を有していた。その対策として、樹脂材に金属骨格を配置して破損を防止したり、強度を持たせる第一の合成樹脂を骨組みにしてまわりを第2の合成樹脂で構成した複合樹脂を採用したりするなどして問題を解決するなど、材質的な工夫をした提案がなされている。(特許文献1参照)
また、プラスチック製の歯列矯正用ブラケットは、口腔内での長時間の使用による材料の劣化や変色などにより、徐々にその審美性が失われるといった問題も有しており、表面の材質面にも制約がある。
【0005】
セラミックス製の歯列矯正用ブラケットは、硬い材料であるにもかかわらず、複雑な形状にも成形でき、矯正治療に必要とされる複雑な形状にも対応できるほか、審美性に優れ、口腔内での長時間の使用による材料の劣化や変色などもなく、安定的に使用できることから近年多く採用されるようになってきている。
【0006】
しかしながら、セラミックス製の歯列矯正用ブラケットは、材質的にとても硬い半面、一定以上の力をかけたときに破損する、いわゆる脆さの問題がある。そのため、張り出したウィングを設けた複雑な形状にした場合などにおいて、特に大きな力が生ずる角形アーチワイヤーを装着してトルクを加えた際に割れや欠けが生じたり、リガチャーワイヤーを用いてアーチワイヤーをブラケット本体に結紮する際に、リガチャーワイヤーを引っ掛けるウィング部近辺が破損してしまったりすることがあり、問題となっていた。
【0007】
このように、従来の歯列矯正用ブラケットは、審美性と機械的な強度を両立することが十分にできていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−29362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、審美性に優れ、複雑な形状に成形した場合であっても、リガチャーワイヤーを用いてアーチワイヤーをブラケット本体に結紮する際にリガチャーワイヤーを引っ掛けるウィング部近辺が破損してしまうことが少なく、機械的な強度を有する歯列矯正用ブラケットを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、歯列矯正用ブラケットのスロットを挟んで対向するウィング側壁の中間部から互いのウィング側壁が漸次離間するようにテーパーを形成したことなどにより上記課題を解決し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
「1.基部上に少なくとも二対の対向するウィングを形成することにより対向するウィング側壁の間にアーチワイヤーを遊嵌させるスロットを構成した歯列矯正用ブラケットであって、スロットを挟んで対向するウィング側壁の中間部から互いのウィング側壁が漸次離間するようにテーパーを形成したことを特徴とする歯列矯正用ブラケット。
2.スロットに並行して設けられた複数のウィングの間に基部より起立して該ウィングを連結する補強壁を設けたことを特徴とする第1項に記載の歯列矯正用ブラケット。
3.ウィング側壁の中間部ならびに補強壁の中間部から各々スロットを挟んで対向する各側壁面が漸次離間するようにテーパーを形成したことを特徴とする第2項に記載の歯列矯正用ブラケット。
4.テーパー角が5〜30°であることを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか一項に記載の歯列矯正用ブラケット。
5.セラミックス素材で一体成形されたことを特徴とする第1項ないし第4項のいずれか一項に記載の歯列矯正用ブラケット。」に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、審美性に優れ、かつ矯正治療に必要とされる機械的な強度の高い歯列矯正用ブラケットを得ることができる。さらに詳しくは、歯牙の表面に装着され、所定の歯牙間に掛け渡しした歯列矯正用のアーチワイヤーを歯科治療学的に効率よく保持するための複雑な形状の歯列矯正用ブラケットを成形でき、特に大きな力が生ずる角形アーチワイヤーを装着してトルクを加えた際や、リガチャーワイヤーを用いてアーチワイヤーをブラケット本体に結紮する際にも割れや欠けが生じたりせず、十分な耐久力を有する機械的強度の高い歯列矯正用ブラケットを得ることができるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の歯列矯正用ブラケットの一例を模式的に表した斜視図
【図2】本発明の歯列矯正用ブラケットにアーチワイヤーを通した使用例を模式的に表した斜視図
【図3】本発明の別の歯列矯正用ブラケットの一例を模式的に表した斜視図
【図4】本発明の別の歯列矯正用ブラケットにアーチワイヤーを通した使用例を模式的に表した斜視図
【図5】本発明の歯列矯正用ブラケットの一例を模式的に表した平面図と側面図
【図6】本発明の別の歯列矯正用ブラケットの一例でラウンドしたテーパー部を有する歯列矯正用ブラケットを模式的に表した平面図と側面図
【図7】本発明の歯列矯正用ブラケットに角アーチワイヤーを通した使用例を模式的に表した平面図と側面図
【図8】本発明の歯列矯正用ブラケットに丸アーチワイヤーを通した使用例を模式的に表した平面図と側面図
【図9】本発明の別の歯列矯正用ブラケットの一例で補強壁を高く構成した歯列矯正用ブラケットを模式的に表した斜視図と平面図
【図10】本発明の歯列矯正用ブラケットを歯牙に装着した際の使用例を模式的に表した図
【図11】従来の歯列矯正用ブラケットの一例を模式的に表した斜視図と平面図
【図12】従来の別の歯列矯正用ブラケットの一例を模式的に表した斜視図と平面図
【図13】本発明の別の歯列矯正用ブラケットの一例を模式的に表した斜視図
【図14】本発明の別の歯列矯正用ブラケットにアーチワイヤーを通した使用例を模式的に表した斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の歯列矯正用ブラケットは、基部上に少なくとも二対の対向するウィングを形成することにより対向するウィング側壁の間にアーチワイヤーを遊嵌させるスロットを構成した歯列矯正用ブラケットであって、スロットを挟んで対向するウィング側壁の中間部から互いのウィング側壁が漸次離間するようにテーパーを形成したことを特徴とする。
該構成により割れや欠けがなく、十分な耐久力を有する機械的強度の高い歯列矯正用ブラケットを得ることができる。
【0014】
ブラケットの破損の問題は、一般的に矯正初期に用いられる細い丸ワイヤーを装着する場合に比べると太い角ワイヤーを装着した場合に大きくなり、スロット幅一杯の幅でスロットから突出するぐらいの高さを有する角ワイヤーを用いた場合に最大となる。
角ワイヤーをねじる方向に力をかけた場合、ブラケットの端部(B)の一点に力が集中する傾向になりがちであるが、その作用点は角ワイヤーの一方の頭頂角部になり、該作用点が基部から離れれば離れるほど大きな力がブラケットにかかるので、破損する可能性が高くなる。そこで、本発明においては、上記構成とすることで、スロットの中間部からテーパー面を構成することが可能となり、ワイヤーにねじれ力がかかった場合にそれを受ける部分を基部近傍に下げることができる。
また、テーパー角度を角ワイヤー幅とスロット幅を鑑み適正設計することで、角ワイヤーが傾いた際にもワイヤー頭頂角部がブラケットに接しないよう逃がすことも可能となる。その場合は、起立壁とテーパー面との境界(A)がてこの原理における支点のような位置関係になり、本来、作用点にあたるワイヤーの頭頂角部(B)をブラケット壁面から逃がすことになり、破損を防止することができるのである。
【0015】
従来のものでは、図11に示したように大きな補強壁(起立壁)を設け、ウィング一体化して強度を出したものがあるが、ウィングが独立していないため結紮する際にブラケット全体でまとめて一つの結紮の形態しかとり得ないといったことや、補強壁(起立壁)が高い、すなわちスロットが深いことから、アーチワイヤーがスロットに埋まってしまう結果、アーチワイヤーを結紮ワイヤーでロックしたい場合であってもスロット開放側の片側しかロックできず、施術に制限を生ずるものであった。それに対して本発明のようにワイヤーからブラケット内側壁が受ける力の分散を講じることにより強度が増し、設計の自由度が増す結果、補強壁(起立壁)を低くすることが可能で、結紮方法のバリエーションが広がり良好な効果を奏する。
また、基部を厚くしスロットを浅く設計することで、強度を出しているものも見受けられるが、スロットが浅いので、ワイヤーの抜けが生じたり、十分な矯正力を与えることが困難で問題があるものもあった。
【0016】
本発明の歯列矯正用ブラケットにおいては、さらにスロットに並行して設けられた複数のウィングの間に基部より起立して該ウィングを連結する補強壁を設けてもよく、ウィング側壁の中間部ならびに補強壁の中間部から各々スロットを挟んで対向する各側壁面が漸次離間するようにテーパーを形成したことを特徴とする。該構成によりウィングの破損防止効果が増すなどの効果を奏する。
【0017】
本発明の歯列矯正用ブラケットにおいては、テーパー角が5〜30°であるとより好ましい。この範囲を下回るとスロット幅とワイヤー幅との遊びでワイヤーが傾き、ワイヤーがスロット壁に直接接してしまう確率が高くなるため破損防止効果が薄くなる傾向になる。一方、この範囲を上回るとがたつきが大きくなってしまい、ワイヤーの保持力や矯正力が十分でなくなる傾向になる。
【0018】
本発明の歯列矯正用ブラケットは、セラミックス素材で一体成形されたものであると、一体感が増し、強度が高くなるほか、製造面でもより簡易に安価に製造できるので好ましい。
【0019】
本発明の歯列矯正用ブラケットにおいて、ウィングを複数対設けた構成とすれば、リガチャーワイヤーで結紮する際などにより自由な位置で結紮することができるので、好ましい。
【0020】
以下、本発明の実施の例を図を用いて説明する。該図による説明は本発明を一例をもって説明するもので、これによって限定されるものではない。
本発明の歯列矯正用ブラケットは、図1〜図10に示されるような形態で構成される。その構造物は、ジルコニア粉末にバインダ、分散剤、離型剤、消泡剤を適量添加し、混練機により混練した材料をセラミックス射出成形法により生材を成形し、脱脂を行ったあと、大気中で高温焼成し、歯列矯正用ブラケットを得るという製法で製造できる。
【0021】
第1の実施の例
図1は、本発明の歯列矯正用ブラケットの一例を模式的に表した斜視図である。
その構成は図示したとおりであるが、基部(1)上に平行して設けた二対のウィング(2)を対向して形成してなり、該対向するウィング側壁(3)の間にアーチワイヤーを遊嵌させるスロット(4)を構成したものとなっており、スロット(4)を挟んで対向するウィング側壁(3)の中間部(A)から互いのウィング側壁(3)が漸次離間するようにテーパー(5)を形成してなる構成となっている。
図2は、図1の歯列矯正用ブラケットに角形のアーチワイヤーを通した使用例であるが、前記構成により、中間部(A)を境にテーパー(5)によりウィング側壁が漸次離間していることから角ワイヤーの頂部が直接ウィング側壁(5)に触れることなくワイヤーにかかる力を分散させることができるので、ブラケットの破損を防止することができる。
【0022】
第2の実施の例
図3は、本発明の別の歯列矯正用ブラケットの一例を模式的に表した斜視図である。
基部(1)上に平行して設けた二対のウィング(2)の間を連続的に一体に設けた補強壁(7)で補強した歯列矯正用ブラケットである。
該構成により、補強壁(7)によってつながれたウィング(2)の機械的強度を増加させることができる。さらに、該補強壁(7)は、ウィングの高さに比べ低く設定されているので、図4のようにアーチワイヤーをスロットに通した場合にそれぞれ独立したウィングとアーチワイヤーをリガチャーワイヤーで個別に結紮できるので、好ましい形態となる。
また、ウィング側壁(3)のテーパー(5)が始まる中間部(A)より補強壁(7)が高いが、ウィング側壁(3)のテーパー(5)が始まる中間部(A)と同じ高さの補強壁(7)の中間部から補強壁(7)にもテーパーを設けてあり、ワイヤーの力を受けることのない構成になっている。
【0023】
図5は、第2の実施の例のタイプの歯列矯正用ブラケットの一例を模式的に表した平面図と側面図である。
図6は、変形例で、ラウンドしたテーパー(5)を有する歯列矯正用ブラケットを模式的に表した平面図と側面図であり、テーパー(5)はワイヤーの力を分散させるようウィング側壁が漸次離間するよう構成されていれば特に制限なく形成することができる。
【0024】
図7は、第2の実施の例のタイプの歯列矯正用ブラケットに角アーチワイヤーを通した使用例を模式的に表した平面図と側面図であるが、角ワイヤーは比較的大きいのでワイヤーからブラケットに伝える力も大きくなり、ブラケット破損の原因になりやすい。図7の例では、角アーチワイヤー(6−1)がスロット幅一杯に装着されている。角ワイヤーが傾いて一方のウィング側壁に力が集中したとしても角ワイヤーとスロットとの隙間分しか角ワイヤーは傾けられないので、ウィング側壁(3)のテーパー(5)に接触することができず、ウィング側壁が保護されるのがわかる。
【0025】
図8は、丸アーチワイヤーを通した使用例であるが、丸ワイヤーであっても問題なく装着できることがわかる。この場合、ブラケットに与える力はさほど大きくないので、破損の危険は少ない。
【0026】
図9は、別の歯列矯正用ブラケットの一例で補強壁(7)を高く構成した歯列矯正用ブラケットを模式的に表した斜視図と平面図である。結紮方法に一部制限が出るものの補強効果が大きくなり、非常に力がかかる部位や時期などによって使い分けることで有効に使用することができる。
【0027】
本発明は、上述の構成のほか、図3において、歯列矯正用ブラケットのスロット(4)を形成する両側の部材、すなわち、ウィング側壁(3)の補強壁までの部分と補強壁(7)を一部材として捉え、該部材を起立壁(11)と考え、そこにウィング(12)が延設されたものとし、両側の該起立壁(11)の中間部(A)から互いの起立壁(11)が漸次離間するテーパー(13)を形成した構成とすることもできる。その場合であっても同様に、審美性に優れ、複雑な形状に成形した場合であってもアーチワイヤーをブラケット本体に結紮する際、ウィング部などの破損がなく、機械的な強度を有する歯列矯正用ブラケットを提供するという課題を解決することができる。その場合の構成は、以下のように表現することができる。
【0028】
基部(10)上に一対の起立壁(11)を形成することにより当該起立壁(11)の間にアーチワイヤー(6)を遊嵌させるスロット(4)を構成し、前記起立壁(11)の基部と反対側に該起立壁より突出するよう延設されたウィング(12)を設けた歯列矯正用ブラケットであって、スロット(4)を形成する両起立壁(11)に該起立壁(11)の中間部(A)から互いの起立壁(11)が漸次離間するテーパー(13)を形成したことを特徴とする歯列矯正用ブラケット。
【0029】
また、起立壁(11)に延設された前記ウィング(12)の側壁が起立壁(11)のテーパー(13)に準じて漸次離間するように形成されると好ましい。
【0030】
前記同様に、起立壁(11)のテーパー角が5〜30°であると好ましく、セラミックス素材で一体成形されたものであると好ましい。また、起立壁(11)にウィング(12)を複数対設けた構成をとりうる。
【0031】
このような構成によっても、審美性に優れ、かつ矯正治療に必要とされる機械的な強度の高い歯列矯正用ブラケットを得ることができるなど上記同様の効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、歯牙の表面に装着され、所定の歯牙間に掛け渡ししたアーチワイヤーを保持するための歯列矯正用ブラケットとして利用できる。
【符号の説明】
【0033】
1・・・基部
2・・・ウィング
3・・・ウィング側壁
4・・・スロット
5・・・テーパー
6・・・アーチワイヤー
6−1・・・角アーチワイヤー
6−2・・・丸アーチワイヤー
7・・・補強壁
8・・・歯列矯正用ブラケット
9・・・歯牙
10・・・基部
11・・・起立壁
12・・・ウィング
13・・・テーパー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部上に少なくとも二対の対向するウィングを形成することにより対向するウィング側壁の間にアーチワイヤーを遊嵌させるスロットを構成した歯列矯正用ブラケットであって、スロットを挟んで対向するウィング側壁の中間部から互いのウィング側壁が漸次離間するようにテーパーを形成したことを特徴とする歯列矯正用ブラケット。
【請求項2】
スロットに並行して設けられた複数のウィングの間に基部より起立して該ウィングを連結する補強壁を設けたことを特徴とする請求項1に記載の歯列矯正用ブラケット。
【請求項3】
ウィング側壁の中間部ならびに補強壁の中間部から各々スロットを挟んで対向する各側壁面が漸次離間するようにテーパーを形成したことを特徴とする請求項2に記載の歯列矯正用ブラケット。
【請求項4】
テーパー角が5〜30°であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の歯列矯正用ブラケット。
【請求項5】
セラミックス素材で一体成形されたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の歯列矯正用ブラケット。
【請求項1】
基部上に少なくとも二対の対向するウィングを形成することにより対向するウィング側壁の間にアーチワイヤーを遊嵌させるスロットを構成した歯列矯正用ブラケットであって、スロットを挟んで対向するウィング側壁の中間部から互いのウィング側壁が漸次離間するようにテーパーを形成したことを特徴とする歯列矯正用ブラケット。
【請求項2】
スロットに並行して設けられた複数のウィングの間に基部より起立して該ウィングを連結する補強壁を設けたことを特徴とする請求項1に記載の歯列矯正用ブラケット。
【請求項3】
ウィング側壁の中間部ならびに補強壁の中間部から各々スロットを挟んで対向する各側壁面が漸次離間するようにテーパーを形成したことを特徴とする請求項2に記載の歯列矯正用ブラケット。
【請求項4】
テーパー角が5〜30°であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の歯列矯正用ブラケット。
【請求項5】
セラミックス素材で一体成形されたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の歯列矯正用ブラケット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−75570(P2012−75570A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222338(P2010−222338)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(303022891)株式会社パイロットコーポレーション (647)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(303022891)株式会社パイロットコーポレーション (647)
【Fターム(参考)】
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